09/01/11 18:37:00 YiZ9MgcF
パステルの立ちバックはエロそう・・・
378:名無しさん@ピンキー
09/01/12 16:48:50 xngCwjwp
本番より愛撫の描写のがドキドキする事に気づいた(*´Д`*)
379:名無しさん@ピンキー
09/01/13 00:21:04 DPwtLTmi
オッサニズム全開オーシに挑むパステルええのう
返り討ちにあってる気もするがw
レスが少ない気もするが、ここではやはりノマカプ好みが多いのか?
かなり楽しんだ俺は異端なのだろうかと小一時(ry
とりあえず新年早々書き手さん方GJですた
380:名無しさん@ピンキー
09/01/13 02:47:09 R6OYzhGk
>>378
自分も(*´Д`*)
本番は本番で大好きだが>>345-351に興奮したww
>>379
単純に読むのが追いついてない、ごめん
自分もノマカプ以外も大好きだよ
381:名無しさん@ピンキー
09/01/16 08:08:16 KTDncpGK
保守
382:名無しさん@ピンキー
09/01/20 00:20:59 /TEjposN
ギアシミパス作者さんの作風が好きage
383:114
09/01/20 10:15:41 zUXr+Wxj
ギアシミパス好きだと言ってくれた皆さんありがとうございます。
せっかくなのでまた何か書いてみます。
ノーマルは他の方々が素敵な作品たくさん書いてくださってるし
珍しめの組み合わせで。
今考えてるのはギアトラパスです。需要があるといいのですが
384:名無しさん@ピンキー
09/01/20 11:05:58 /TEjposN
需要あります!!
ギスギスギアトラはもうお腹いぱーいだし、
三角関係より共有のが好きだからこの3Pは嬉しい
ありがとう!!
楽しみにしてます
385:名無しさん@ピンキー
09/01/20 18:39:22 63f6VjaG
ギアシミパスさんの台詞回しに感動したんだけどギアトラパスにも期待してます
386:名無しさん@ピンキー
09/01/20 21:14:27 Iy18vnrD
久しぶりに覗いてみたら、甘々だったりえろえろだったり3Pだったり、ネ申SSがこんなにも大量に…!
書き手さん達、愛してます(*´Д`*)
>>383さん
三人の微妙な距離感にかなーり萌えました
次の作品もコソーリ楽しみにしてますー
387:書人
09/01/23 16:17:56 RN66XaKR
書人です。
いつもお読み頂き感謝。
クレパス投下に参りました。
以前書いた、アル×パス×クレの続編です。
388:クレ×パス アルパスクレ続編 1
09/01/23 16:18:41 RN66XaKR
窓枠が微かにカタンと揺れた。
風が出てきたのかな。
わたしは読んでいた本から目をあげると、開けたままにしていたビロードのカーテンに顔を向けた。
上品な縁飾りの向こう側。さっきまで出ていた月が雲に陰り、かろうじて見えているのは広い庭に植わった木々のシルエットだけ。
わたしたちがドーマを離れる日が近づいていた。
もともとはクエストの途中でドーマを通るので、クレイの実家に立ち寄ったんだけどね。
自分の実家に行ってきたトラップが、どうやらそのクエストは既に攻略されちゃってるらしいって聞いてきたもんで。
そこですぐにシルバーリーブに帰っても良かったんだけど、ついつい勧められるままに滞在が長引いちゃって。
来週くらいには帰るかなぁって話してたとこなんだ。
だってね、クレイもトラップも久々の地元だし、ルーミィとシロちゃんはクレイのお母さんにすっかり懐いちゃって毎日一緒に寝る状態だし。
もちろんわたしたちも歓迎してもらえて、普段とは比べ物にならない美味しい食事に豪華なお部屋に宿賃はかからず……いやあのそれは置いといて。
わたしも、いつもなら絶対取れない、ひとりでゆっくり本を読める時間があるなんてすごく贅沢で嬉しい。
ここには大きな図書館もあるから、毎日借りに行くのが楽しみでしょうがないしね。
今読んでるこの本もあと少しで完結するけど、来週帰るなら次は短編にした方が良さそうだなぁ。
そんな思いをめぐらしていると、不意に控えめなノックの音がした。
誰だろう、こんな時間に。
ベッドサイドの時計は11時を指している。
「はい?」
細く開いたドアの前にいたのはクレイ。
さすがにいつもの竹アーマーはつけてない長身のファイターが、なんとなく硬い表情でわたしを見下ろしていた。
「クレイ? どうしたの?」
「ちょっと……いいかな」
「あ、うん。どうぞ」
体を半身ずらして部屋に招き入れる。
ひとつしかない椅子はわたしの荷物が陣取ってしまっているので、座れるのはベッドしかない。
ドアを閉めても所在なさげに立っていたクレイを促して座らせると、わたしも並んで腰を下ろす。
どうしたのかな、こんな時間に。
隣に座ってもなぜかこっちを見ないクレイの横顔を見上げていると、小さな声がぼそぼそと呟いた。
「ちょっと……話したくてさ。この前のこと」
「この前……って」
クレイの言葉で、頬にぽっと血が上るのがわかった。
この前って、あれだよね。間違いなく。
わたし、クレイに告白されたんだった。
そしてなんでそういう流れになったのかどうしてもわからないんだけど、アルテアとクレイと3人で、その……そういうことになっちゃって……
389:クレ×パス アルパスクレ続編 2
09/01/23 16:19:37 RN66XaKR
でもねでもね、どう考えても理解できないと思わない?
実はロンザ騎士団トップクラスの実力と人気を誇るアルテアに気に入られてて。
実はパーティの仲間だったクレイに好きだって思われてて。
その時点でも考えられない話だっていうのに、その2人とそんなことしちゃうなんてさぁ……そもそもわたし初めてだったんですけど。
正直なところ、何もかもわたしの理解の範疇を超えた出来事だったから、それ以上深く考えないようにしてたんだ。
幸いその翌日からアルテアは近衛隊のお仕事で数日ドーマを離れてるし、忙しそうなクレイと2人になることもなかったしね。
だって考えたって明確な答えなんか出ないよ! 出るもんか!
「パステル?」
いけない。隣のクレイを完全にほっぽって考え事にふけっちゃってた。
「ごめん、それでなんだっけ?」
すっとぼけたわたしの質問に苦笑したクレイ。
「いや、どうしても……言っておきたくて。この前も言ったと思うけど」
こちらに向き直って咳払いひとつ。
黒曜石みたいな瞳。澄んだ眼差しがまっすぐわたしを見つめている。
「俺、パステルのことが好きだから。ずっと好きだったから」
告白なんて、一度聞いたとはいえ、慣れるもんでもない。
どう答えていいのかわからず戸惑うわたしを見たクレイは、やさしく笑って首を横に振った。
「今すぐどうしてくれって言ってるんじゃないよ。俺の気持ちをさ、改めて伝えておきたかったんだ。第一、この前唐突にそんなこと言われて困ってたんだろ?」
そりゃもう。
だって話がいきなりすぎて展開が飛びすぎてて、頭がついていかなかったんだもん。
小さく頷くと、クレイも呼応するように深く頷いた。笑顔を消して、はあぁっと重いため息ひとつ。
「そりゃそうだよなあ。なんせアルテア兄さんまでパステルを……俺、そんなこと想定してなかった。正直どうあがいたって勝てる気がしない」
そんなところだけ自信持って言わなくても。
大きな手が黒髪をわしゃわしゃっとかきまわしている。
「そりゃあのアルテア兄さんだよ。全力で迫られたらパステルだって無理だ。現に落ちてる」
なんか色々ひっかかる部分があったような気もするんだけど……
どうフォローすればいいものやら、いやそもそもわたしがフォローすべきなのだろうか。
不意にクレイが、何かを振り払うようにがばっと顔を上げた。
「パステル、アルテア兄さんとつきあうのか?」
「は!? いやそんな恐れ多い。恋愛対象としてなんて、考えたこともないよ」
「先日のことがあっても? 俺の目から見ても兄さんは魅力的だと思うけど」
「そりゃそうだけどね……確かにすごく素敵だけど」
「それなら……いやいやなんで俺は斡旋してるんだ……そうじゃなくて、えーと」
あぁもう、綺麗な黒髪がぐっしゃぐしゃになっちゃってる。
390:クレ×パス アルパスクレ続編 3
09/01/23 16:20:26 RN66XaKR
「少しは俺……希望持ってていいのかな」
真剣な眼差しが真正面からわたしを射抜いた。気圧されて目がそらせない。
「俺のこと、嫌いじゃないよな?」
ずるい、それ聞くかなぁ。
この前もアルテアに同じこと聞かれたけど。嫌いなわけないでしょ、当たり前じゃない。
反射的にコクコクと頷くと、どことなく強張っていた表情が破顔一笑した。
「ありがとう、パステル」
誘導尋問というかうまく乗せられたっていうか……なんかやはりあのお兄さんの弟と言うべきか……
でも、そのあんまり嬉しそうな表情に、こっちまで口元がほころんでしまう。
思えばわたし、こんなに真剣に人に好きになってもらったことあったかな。
それも、クレイに。
今までずっとリーダーとしてわたしたちを守ってくれていた、やさしいクレイに。
超絶美形のお兄さんを持って本人はコンプレックス化してるとはいえ、十二分にかっこいいクレイに。
真面目で礼儀正しくて剣の腕もあってマダムキラーで不幸で……あれ? 最後の方どこかおかしかった気がするけど……まあいいか。
……なんか、言いたくなっちゃったな。言っちゃおうかな。
「ありがとう」
「何がだい?」
不思議そうなクレイの視線が照れくさくて、あさっての方向に一瞬目をそらす。
「……好きになってくれて」
驚いたように目を見開いたクレイはしばらくその目を空中に泳がせていたけど、思い切ったように手を伸ばした。
力強い腕が、わたしをぐいと抱き寄せる。
「きゃっ」
抗う間もなく厚い胸にぎゅうぎゅう押し付けられ、強く抱きしめられる。
「うまく、言えないけど……本当に、本当に、本当に好きだ」
胸から直接響いてくる、呟くような低い声。
早いリズムを刻む心臓の鼓動が、布越しにわたしの耳に伝わってくる。
クレイはゆっくりと腕をほどくと、わたしの両肩を掴んだ。
まるで壊れ物に触れるみたいにそっと肩を包む大きな手に、自分が自分で思ってるより華奢なのかもしれない、って気づかされる。
「キス、して……いいかな」
わたしの反応を窺うように顔を覗き込む。
気弱な問いかけ。
どう答えたらいいんだろう。クレイのことは好きだけど。
そういうことにもなっっちゃったけど恋人でもなくて、アルテアという人もいて。
暫しの逡巡。自分でもよくわからないけど、わたしは小さく頷いた。
391:クレ×パス アルパスクレ続編 4
09/01/23 16:21:36 RN66XaKR
大きな体を屈めて斜めに押し当てられる形のいい唇は、微かに震えていた気がする。
そっと触れてはまた離し、また触れる。
何度も触れるだけのキスを繰り返すうち、ためらいがちに舌が忍び込んできた。
おずおずと口の中を這っていたそれが、わたしの舌を探し出す。
そして何度も深く絡め合わされる舌と舌。
永遠に終わらない気がするキス。
もうどのくらいこうしていたのか、ふたりの唇と唾液の温度が交じり合い通じ合った頃、ようやくクレイは唇を離した。
思わず息をついてクレイの胸に頬を寄せる。ほっぺたが熱い。
喘ぐような声が囁いた。
「パステル……君を……抱きたい」
一瞬耳を疑い端正な顔を思わず見直すけれど、クレイはそのままわたしを押し倒して胸元に顔を埋めた。
ごつい指がパジャマのボタンにかかる。
「クレイ、クレイちょっとっ」
わたしの反論なんて完全に聞こえてないみたい。
でも、焦ってるのか緊張してるのかこういうことに慣れてないからなのか、スムーズにボタンを外すことができないらしいクレイの手。
引きちぎるような勢いで幾つかのボタンが飛ぶ、ぶちっていう音が聞こえた。
「ごめん。俺……止められない」
最後の方はくぐもっててよく聞こえなかったけど。
のしかかる大きな体を押し返すこともできずされるがまま。というより、あえて抵抗しなかったというか。
どうしてだろう。情に絆される? ……ううん、それとは違う気がする。
わからないけど……クレイの真剣な眼差しと言葉は嘘じゃない、と思ったから。
クレイはこの前と比べ物にならないほど強引に、わたしの胸をまさぐった。
「あ……ぁっ」
はだけた胸を揉みしだきながら強く乳首を吸い上げる。微かに痛みを覚えるほど。
クレイの手が性急にウエストのあたりに下りてきた。そのままパジャマの中へ入り込むと、おへその辺りで何かを探すように這い回る。
下着との境目を見つけたらしいごつい指は、少しゴムの部分に関節をひっかからせながら這いこむと茂みに触れた。
途端、さっきとは打って変わっておずおずとした動きになる。
そっか、クレイにここをさわられるのって、初めてなんだ。
閉じた秘部の上を、合わせ目をなぞるようにゆっくりと擦る。
乾いた感触がくすぐったいけれど、何度も繰り返し滑る指に、段々とその部分が熱っぽくなってくる。
クレイが指にわずかに力を込めたのか、指がほんの少し、合わさる襞の間にぬぷっと押し込まれた。
「ぁん」
唇を噛んでこらえていた声をついこぼしてしまうと、指を止めて胸元に伏せていた顔をあげたクレイ。あぁ、汗びっしょり。額に玉のような汗が浮かんでる。
「パステル……感じてる?」
恥ずかしながら、さわってたらわかると思うんだけどな。
比べちゃ失礼だけど、アルテアの手馴れた愛撫にはさすがに及ばない。
決して感じるところを知ってる動きじゃないんだけども、少しの突起やわずかな潤いも見逃すまいとしているような、確かめるような、探るような愛撫。
「俺でも?」
自信なさそうな聞き方とちょっと情けない表情が可愛く見えてしまって、つい頷いてしまう。
うーん、クレイのこの顔に弱いなぁ……わたし。
392:クレ×パス アルパスクレ続編 5
09/01/23 16:22:37 RN66XaKR
どこか子供っぽくて嬉しそうな笑顔を浮かべたクレイは、仰向けのわたしの傍らに寄り添うように横になった。
耳元や首筋に柔らかく唇をつけながら、秘部にふれたまま止まっていた指を動かし始める。
それは少しずつ少しずつ、潤って滑りのよくなった襞を押し分けて奥へと進む。
「んっ、ん……っ」
漏れる喘ぎを喉の奥で飲み込みながらシーツを握り締める。
彼の指が動くたび、奥の方から熱いものがじわっと押し出されてくるみたい。
クレイはゆっくりと指を引き抜くと、わたしのパジャマのズボンと下着を一緒にずり下げた。
上半身はボタン全開、下半身は纏うものなくむき出しにされて、なぜかあまり感じていなかった恥ずかしさが突然こみ上げてくる。
「やっぱり、きれいだ」
ため息のようなクレイの言葉に、さらに火照ってしまう頬。
どうにも恥ずかしいんだけど、でもここまできて体を隠すのも今更って気もするんだよね。
せめてもの抵抗にと、まぶしさをさけるみたいに両手の甲で目を軽く覆う。
全裸になったクレイはわたしの閉じた太腿をそっと押し開くと、脚の間に自分の体を進めた。
熱いものが入口を確かめるようにあそこに触れる。
反射的に脚を閉じそうになるけれど、クレイの体に遮られて無理。
「入れる……よ」
聞こえるか聞こえないかの呟き。と、同時に。
「ぁああんっ!」
ずずずっと押し込まれたクレイ自身。
熱くて硬くて張り詰めたそれは、入口の重なり合う襞の障害を押し広げて通りすぎると、一気に奥まで貫いた。
この前は本当におそるおそるゆっくりだったのに……それは一度経験して慣れたからというより、噴き出すような思いをぶつけたらこうなった……みたいな感じ。
「パステル……」
クレイは目を閉じ、低い声とともに長く息を吐き出した。
「パステル、目を、開けて」
荒い息で途切れ途切れの言葉に、ついぎゅっと閉じていた目を開ける。
艶やかな黒髪がくしゃくしゃに乱れて。汗ばんだ端整な頬に張り付いている。
上半身を起こした姿勢だったクレイは、わたしの顔の両脇に手を突いて身を屈めた。
微かに潤んだような黒い瞳が、至近距離から覗き込む。
「今だけで、いいから」
そこはかとなく艶っぽい、少しかすれた声。
おでこにそっとふれた少し湿った指が、いとおしげに髪をかきあげる。
「俺だけ……見ててよ。俺だけ、感じて」
数センチ先で甘い吐息がひそやかに囁いた。
何も言葉を返せず、見つめ返すことしかできなかったけど。
何より体が雄弁に物語ってるはず。
今見てるのはあなただけです。
今全身であなたを感じてます。
393:クレ×パス アルパスクレ続編 6
09/01/23 16:24:23 RN66XaKR
クレイはわたしの目を見つめ返すと唇を寄せて深くくちづけ、そろそろと腰を動かし始めた。
二度三度、馴染ませるように腰を左右に揺らし、ごつごつした異物感で膣の中をゆっくりとかき回す。
「ん……ん、は……ぁっ」
波が打ち寄せるみたいに、緩やかに増す快感。
わたしの呼吸は溜め息の延長のように緩慢な喘ぎになる。
「ぁん、あ……クレイ……ぃっ」
あそこがずくずく熱っぽくて、頭がぼおっとしてきて心もとない。
何かにつかまりたくなって握り締めていたシーツを離す。
目の前にあるクレイの首に、ぶらさがるようにすがりつく。
ファイターだけあって鍛えられてがっしりした首。どこに触れても熱い肌。
首元に頬を寄せると、結んでいない乱れた髪の毛が当たってくすぐったい。
でも、そんな風にゆったり構えていられたのはわずかな間だけだった。
耳元で生唾を飲むようなごく、という音が大きく聞こえたかと思ったら。間髪入れずに思い切り突き上げられる。
「やぁ! あぁぁっ!」
膣の奥まで抉られるような地響きにも似た激しい圧力。
ねっとりした愛液を纏ったソレが、内壁を擦るように何度も突き込まれる。
唇を噛み、早いテンポでがむしゃらに腰を振るクレイ。厚い胸からお腹へのなめらかな筋肉がしなる。
それに合わせてうずくような快感がお腹の一番奥からにじみ出てきて、喘ぎを止めることができない。
「ぁん、あ、あんっ、くぅっ、んっ」
ぎゅっとしがみついて、蕩けてしまいそうな快感に耐える。
激しい動きは止むことなく続き、痺れにも似た感覚があそこを中心に広がっていく。
なんかもうこのまま気を失いそう、どうしようと思った時、クレイがわたしを力いっぱい抱き締めた。
「パステル! パステルっ……」
びく、びくっとひきつっているみたいに震えるクレイ自身。
呼応するように、勝手に小さく痙攣しているわたしの膣の中に、とろりとしたあたたかみが広がった。
394:クレ×パス アルパスクレ続編 7
09/01/23 16:25:17 RN66XaKR
「アルテア兄さんになんて言えばいいんだろう……抜け駆けとか絶対言われるよな……」
怒られる生徒みたいな表情をしたクレイ。
いや別に悪いことをしたって訳じゃないんだけど、この前のことが下敷きになってる以上、確かに微妙だよねえ。
「パステルの気持ちも考えずに! とかさ。自分のこと棚に上げて」
まだ何も言われてないのに、アルテアのコメントまで想像して落ち込まなくてもいいと思うんですけど。
「アルテア、いつドーマに戻ってくるの?」
「今週中には帰ってくるらしいよ。顔を見せずに入れ違いって訳には……いかないだろうな」
「でしょうね」
皆にもう来週に帰るって言っちゃったし。
今から出発を早めるなんて理由がないし。
第一そ知らぬ顔して逃げるように帰るには、クレイは正直すぎるところがあるしねえ。
そもそもわたし、一応当事者のはずなんだけどね。ほとんど他人事のように聞いてる状態。
本気で悩んでるクレイがあんまり面白いから、ついつい……というよりも。
あんまり鈍感だから、ちょっとこのまま放っておいちゃおうと思って。
だってね、クレイってばわたしの気持ちなんて全然わかってないんだもん。
俺の片思いだの暴走しただのアルテア兄さんに勝てるもんかだのと言うばっかりで、なぁんにも聞いてくれないんだよ?
今聞いてくれたらわたし、クレイがさぞかし喜ぶだろう事を言ってあげられるのになあ。
さて、クレイはアルテアに会って、なんて言うつもりなんだろう。
なんだかちょっと意地悪な気分。それがまた楽しいし。
なるほど、アルテアやイムサイがクレイをいじめて遊んでるのはこういうことだったのね。くふふ。
隣にいるのは困り果てたハンサム。
わたしは不幸なクレイをさらに不幸にしそうなことを考えながら、こっそり含み笑いした。
-----------------------
完結です。
395:名無しさん@ピンキー
09/01/23 21:04:22 TYMLoWpp
クレイかわいすぎ鼻血でた
396:114
09/01/23 22:31:59 IHtYlHrn
少し時間がかかってしまってすいません。
先日予告したトラパスギアを投下します。
途中で投下するのがお嫌いな方もいるようなので、完結するまで頑張ろうと思ったのですが
物凄く長くなりそうな気配だったので、今回も途中までです。すいません。
続きもなるべく早くあげられるように頑張ります。
397:トラップ×パステル×ギア 1
09/01/23 22:34:14 IHtYlHrn
確かに、覚えてる。
わたしには恋人がいた。彼氏って呼べる人がいた。付き合い始めてから、まだそんなには時間は経っていないけど……でも、いわゆる「最後まで」進んだ、そんな相手が。
好きだって言われたのは生まれて初めてだった。これまでだって、人を好きになったことは何回かあるし、好きだって言われたことも何回かあったけど。でも、その頃のわたしは、自分で言うのも何だけど、「恋」っていうのがどういうものか、よくわかってなかった気がする。
だって、「好きだ」という言葉の先にどんな行為が待っているか、なんて、全然考えたこともなかったし!
でも、「その人」は違ったんだ。
「その人」から好きだって言われて、最初は戸惑って、すごく困って、どう答えようか迷って……結局「うん」って頷いた。その葛藤も覚えてる。うわーどうしよう、何て言えばいいんだろう!? って、何日も迷って、しばらくはなかなか眠れなかった。
考えて考えて、そうしてようやく決心がついて、恋人同士になって……それから、わたしはこれまで、噂でしか知らなかった経験を色々とした。
手を繋ぐこと、腕を組むこと、唇で触れ合うこと……身体の奥深くまで、繋がること。
そこに進むまで、時間は大してかからなかったけど。でも、わたしの中では、それこそモンスターだらけのダンジョンに飛び込むくらい緊張したし、なけなしの勇気だって振り絞った。
初めてはやっぱり痛かったなあ、とか……「その人」もすごく緊張してて、そんな顔見たの初めてで、ちょっと笑っちゃったんだよねえ、とか……そんな感情すらもはっきり覚えてる。
うん。これは夢なんかじゃない。想像でもない。もちろん妄想でもない!
わたしは確かに「誰か」と付き合っていた。できれば将来のことも真剣に考えたいなあって、そう思える相手が、確かにいた。
なのに。
「……どうして……?」
「おい、パステル。おめえ、どうしたんだよ?」
「大丈夫か、パステル? 顔色が悪いようだが……?」
辺りは湯気が立ち込めていた。お風呂場……うん、間違いない。ここはお風呂場。それもみすず旅館でも、猪鹿亭でも、ましてやエベリンのマリーナの家とかでもない。初めて使わせてもらう、クエスト先の宿のお風呂場。
わたしはそこに立っていた。正確にはその入り口……よくある「女湯」「男湯」ってなっているあそこね? ……の前に、タオルや着替えの下着を持って、立っていた。
それは、いいよ? わたしは……わたし達は、クエストのためにこの町まで来た。そして今日、無事にダンジョンをクリアして、明日にはシルバーリーブに戻ることになった。
で、依頼人が気前のいい人で、宿代を出してくれたから、ってこともあって、この宿に泊まることになった……うん、間違いない。覚えてる。
それから……?
それからわたしがお風呂に入ろうと思ったとしても、何の不思議もない。結構深いダンジョンだったから汗もかいたし汚れもしたし。
でも、それなら何でわたしは一人なんだろう? こういうとき、わたしは絶対にルーミィと一緒に入るのに?
いや、それは時間を考えれば不思議じゃない……?
ちらっと目をやれば、窓の外はもう真っ暗で、シーンと静まり返っている。虫の鳴き声さえ聞こえない。
多分……身体もすごくだるくて疲れてるから、時間は深夜なんじゃないか、と思う。ルーミィ達は、きっともうとっくに夢の世界だろう。
クエストが終わったのは夕方で、宿に引き上げてきたのは「これから夕食だ」って時間だったのに、何でこんな時間までお風呂に入らなかったのか?
何で、こんな時間にお風呂に入ろうと思ったのか……?
その答えは、きっと彼らにある。
わたしの目の前に立っている、二人の男性に。
398:トラップ×パステル×ギア 2
09/01/23 22:35:22 IHtYlHrn
一人は、肩の下まで赤毛を垂らした、ほっそりとした身体つきの男性。
一人は、面差しの鋭い、削ぎ落としたような痩身の黒髪の男性。
トラップと、ギア。一人は大切なパーティーの仲間で、一人は、とあるクエストで知り合った用心棒の男性。
二人は戸惑った顔でわたしを見ていた。わたしが何でポカーンとしているのかわからない、そんな顔で。
「……おい、パステル。おめえさあ、あに間抜け顔してんだあ? まさか、俺の顔を忘れたとか言うんじゃねえだろうな?」
「どうした、パステル。入らないのか?」
二人は、お互いの存在を不審にも思っていないらしい。もちろん、わたしも。
当たり前のように手を伸ばして、わたしを呼んでいる。
すなわち……男湯の方へ、と。
な、何!? 何でこんな状況になってるのー!?
しばらく前から、ギアがわたし達のパーティーに参加することになった。
何で? って言われると……その理由もすごく曖昧だ。何かのやり取りがあってきっかけがあったはず、なのに、いつの間にか、そこに居た。わたしの記憶では、そうなっている。
そして、今回のクエストでも当然のように第一線で活躍してくれた。まあ、当然だよね。わたし達とは全然レベルの違う冒険者だし。
いつまでいるのか、いつかは抜けるのか。それも、今のわたしは覚えていない。記憶喪失、っていうのとは、ちょっと違う。どっちかって言うと、寝起きで頭が混乱してるとか、そういう状態に近いと思う。
だって、細かいやり取りを忘れているだけで、「確かそういうことがあった」っていうぼんやりした記憶は、残っているから。
うん……そうだ。ギアとトラップが並んでるのも、不思議なことじゃない。初めて会ったときはやたらギスギスしてた二人だけど、一緒にクエストをクリアするうち、男同士の友情? って奴が芽生えたのかな? 最近は、二人で何やら話し込んでいることも多かった。
そうだよねえ。プロ意識に溢れるって意味では、二人ってすごくよく似てると思うもん。昔、初めて出会った頃は……まあ状況っていうか、間が悪かっただけで。お互いに腹を割って話し合えば、分かり合えるところも通じるところも多かったんだろう。
ギアとトラップがいつの間にか仲良くなっていた。仲良くなってくれた。それも、覚えてる。
それで……?
「うん……わたし、お風呂に入ろうと、してたんだよね? うん、覚えてる……」
「おい。おめえなあ……あんまふざけてると、いい加減怒るぞ、俺も」
いつまでも要領を得ないわたしに苛立ったのか、トラップが、こつこつと壁を叩いて言った。
「こんな時間だあら、誰か来るとは思わねえけど。うっかりチビ達が目ぇ覚ましたら面倒だろ?」
「……う、うん」
「おいトラップ。そうやいのやいの言ってやるな」
困っているわたしを見かねたのか、手を差し伸べてくれたのはギアだった。
「無理もないよ。戸惑うのも当然だ。……大丈夫、パステル。怖いことは何もない。俺達を信用してくれ」
「え、と……」
何で、お風呂に入ることになったんだっけ? 汚れたから? 何で? 何をして?
399:トラップ×パステル×ギア 3
09/01/23 22:37:10 IHtYlHrn
「あんだ、おめえ怖がってんの? 初めてじゃあるめえし」
「三人はさすがに初めてだろう」
「ヤることは変わんねえだろ? それともあれか? 噂に聞く尻の穴も使うっつー……」
「馬鹿。言っただろう? パステルを苦しめることは絶対にしない。痛い思いもさせないって」
「冗談だよ、じょーだん! 第一、ありゃ本の世界だろ。入るわけねえじゃん、あんなとこにあんなもんが」
「や、ちょっと! ちょっと待って!」
放っておくとどんどんルーミィには聞かせられなくなりそうな話を遮って。わたしは、おそるおそる声をあげた。
「あ、ええと……ほ、んき?」
「んだよ、今更。本気も本気、大本気だっつの。おめえだって『うん』って言ったじゃねえか」
「うん……?」
「全然気づかなくてごめん。それで許してくれるなら、それでいいよって、そう言ったじゃねえか」
「ゆる、す……」
あ、待って。少しずつ思い出して来た。
そう。わたし……わたし、は……
「ひゃっ!」
不意に、つつっ、と太ももを生暖かい液体が伝っていって、わたしは思わず悲鳴をあげた。
いや、一瞬もらしたのかと心配したんだけど。どうも、そういうのじゃなくて……何だろう。もっとどろっとした……
「……あ……」
そうっと視線を下ろす。いや、さっきから薄々気づいてはいたんだけど、きっと汗だとか、そんな風に言い聞かせて考えないようにしていたというか。
わたしは今、服を着ている。でも、上着ははだけてるし、スカートもしわだらけだし、どうも一度脱いでまた着たような、そんな感じになっている。
じっとり湿った下着。ぴったりとあそこに張り付いているのが、見なくてもわかる。
そして、その奥から染み出しているのは……いや、あふれ出して来たのは……
「あ……」
太ももをすり合わせるようにしてうつむくと、事態に気づいたのか。トラップの顔が面白そうにゆがみ、ギアは静かに目をそらした。
ああ、そうだ。思い出して……来た。
わたし、さっきまで……その、してたんだ。
何を? ……この寒いのに、わざわざ外に出て。ここなら誰にも見つからないとか、早く戻らないとルーミィが心配するから、とか言いながら……恋人、と、この宿の裏で。何度も抱き合っては唇を合わせ、「好きだ」「綺麗だ」「すごく可愛い」なんて言葉をもらって……
その、クエストクリアの高揚感もあって。つい、いわゆる「身体と身体のお付き合い」という奴を、やってしまったのだ。
うわああああああああああああああ恥ずかしい! な、何やってるんだろうわたしってば!
いや、でもすごく盛り上がってしまったのを覚えてる。汚れるからって躊躇してたら、大きな手がそっと下着に触れてきて、「立ったままでも大丈夫」なんて言葉を囁かれて……
い、いや、忘れよう。うん。忘れてしまおう! あのときのわたしはちょっと浮かれてた。マッピングもちゃんとできたし、影ながらクロスボウで戦闘の役にも立てた。「よくやった」って褒めてもらえてすごく嬉しくて……
嬉しくて、そして?
400:トラップ×パステル×ギア 4
09/01/23 22:38:13 IHtYlHrn
そうだ。いくら盛り上がったとは言え……そのう、すごく気持ちよかった、とは言え、場所は外。誰に見られるかわかったものじゃないから、時間的にはそんなに長くなかった。せいぜい三十分くらい?
本当はもっとずっと一緒にいたい、もう別に一室取っちゃおうかなんて言いながら、何とか身体を離して……そうだ。下着も汚れちゃったし汗もかいたから、わたしはお風呂に入る、って言ったんだ。
で、「彼」も一緒に入ろうなんて冗談交じりに言ってきて、わたしはそれに「誰かが来たらどうするの! もう、馬鹿!」なんて肩をひっぱたいて……
そんなやり取りをしているうちに、「誰か」が来たんだ。
―そういう関係だったんだ―
―何となくは気づいていたけど、そんなわけないって言い聞かせてた―
―正直ショックだった―
―だって、俺も好きだったんだ―
―ずっと好きだったんだ、パステルのことが―
「あ……あ……」
「ほれ、行くぞ。ギア、誰もいねえよな?」
「ああ、大丈夫だ」
あれよあれよという間に、腕を引かれた。
ひょいと入り口にかけられる「準備中」の札。閉じられるドア。がちゃりと落ちる鍵。
脱衣所の中も、ガラス戸で仕切られたお風呂場も静まり返っていた。本当に誰もいない……わたしと、トラップとギア以外は。
「脱げよ、パステル」
「ぬ、脱げって」
「あんだよ、脱がせて欲しいとでも言うつもりか?」
「ば、馬鹿っ! そんなわけっ……ない、でしょ……?」
「……そういうお前は早すぎだ、トラップ。焦ることはない。夜はまだまだ長いぞ?」
「へっ。そういうおめえこそ、さっきから視線が泳いでるぜー? 早く拝みてえんだろ? まあ気持ちはわかるけどな」
「…………」
わたしの視線など気にする様子もなく、さっさと服を脱ぎ捨てる男二人。
いや、さすがは冒険者。二人とも細く見えるけど鍛えてるんだねえ……って、ってー!?
タオルすら使わず、隠すそぶりもなく堂々と全裸になる二人に、瞬時に血が上るのがわかった。
わーっ、わーっ!? や、は、初めて見たわけじゃない……と、思うんだけど!? な、な、なーっ!?
「ちぇっ、やっぱ大きさでは敵わねえのなー」
「体格を考えればお前も相当立派なものだと思うが? 大分遊んできたようだな」
「そりゃお互い様って奴だろ? そういうあんただって、その年まで綺麗な身体でいたとは思えねえぜー?」
「ふん……想像に任せる、と言ったところか」
わたわた、おたおたしてるのはわたしだけで、トラップもギアも、全然焦る様子がない。全くの余裕の表情。
そんな顔見せられると、一人だけ焦ってるのが馬鹿みたいなんですけど!?
401:トラップ×パステル×ギア 5
09/01/23 22:39:15 IHtYlHrn
「で、パステル。準備はできたか?」
「……ちょ、ちょっと待ってよ! い、今脱ぐ……から……」
わけがわからないけど。不思議でしょうがないけど……でも、状況を考えれば、脱ぐしかない、らしい……
え、ちょっと待ってよ? そう……わたしはよりにもよって「恋人」と身体を重ねている場面を「誰か」に見られてしまった、らしい。
ところが、その「誰か」も、わたしのことを好きだった、らしい。
それから……?
―可哀想だと思うなら、悪いと思うなら―
―一度だけでいいから―
―そんなの―に悪いから―
―それなら―
「…………」
いや、ちょっと待ってよ? 本当なの、ねえ? わたしのこの記憶は本物なの!?
「……パステル……」
機械的にブラウスを脱いだ。ついで、スカート。
既にホックの外れていたブラを床に落とし、最後にショーツから足を引き抜く。
食い入るような視線を感じて顔を上げれば、トラップが、ギアが、じーっとわたしを見ていた。
恥ずかしくて目を落とすと、目に飛び込んできたのはよく今まで履いてられたよねえ……と感心してしまうくらい、汚れきった下着。白っぽい、どろどろした液体。
……嘘、じゃない。夢じゃない。確かにわたしはついさっき、誰かの身体を受け入れてる……
「ってええええええええええええ!? 何でえっ!?」
「ば、馬鹿っ! 大声出すなっ!」
思わず両手を頬に添えて絶叫した途端、ギアとトラップ、両方から抱え上げられてしまった。
それからはあっという間。両脇から腕を取られて、開け放たれたガラス戸の中に飛び込んで、ぴしゃりとドアを閉められて……
そうして三人で、ざばん! とお湯に……泳げそうなほど広い湯船に、飛び込んだ。
「―ぷはっ!」
「ったく、びっくりさせやがって。誰か来たらどーすんだっつーの」
「うー。ご、ごめん……」
「お前の声も十分大きい。ドアには鍵をかけてあるから大丈夫だ。……じゃあ、パステル」
お湯の中で身を縮めていると、ギアの手が、トラップの手が、そっとわたしの肩に置かれて……そのまま、耳元で囁かれた。
『好きだ』
―好きだって言ってもらえて、すごく嬉しかった。何でわたしは今まで気づかなかったんだろうって、本当に申し訳なく思った。
けれど、謝らないでくれと言われてしまった。それはみじめになるだけだから、って。
でも、どうしても気が済まなかった。お詫びがしたいと言った。
そうしたら、「彼」は言ったのだ。
―一晩限りの、思い出が欲しい、と―
402:トラップ×パステル×ギア 6
09/01/23 22:40:12 IHtYlHrn
「……正直、受け入れてもらえるとは思わなかったな」
「そりゃ、普通あんまねえよなあ。いわば恋人と愛人と三人でヤるようなもんだろ? でもまあ、たまにはこういうのもいいんじゃねえ? いっつも普通だと、飽きるって言うしな」
「まあ、それを言うなら俺達も、だしな」
「だな。でもまあ、同じ女を好きになったもん同士。気持ちはわかるよなあ……こいつの鈍感ぶりにやきもきさせられた仲間って思ったら、他人とは思えないっつーか」
そう、だ。
さすがに、それはちょっととわたしは尻込みした。当たり前だよね。いくら「好きだ」って言ってもらえたのが嬉しかったからって、恋人がいるのに、他の男の人とそんなっ……!
でも、何だか男二人が盛り上がってしまったのだからしょうがない。
ああだこうだ言い合っているうちに、「大体お前が鈍感だったのが悪い」だとか「思わせぶりな態度ばっかり取って」とか「そもそも嫌いじゃないとか好きって言ってもらえたのが嬉しいとか、そんな言い方するから相手が勘違いする」とか何とかかんとか。
いえ、それはもう全くその通りなんだけどさ。ごめんなさいって言うしかないんだけどさ!?
それにしたって、「1対1は許せないけど俺も加えてなら許す」って、それはあんまりじゃない!?
「……パステル」
「ひゃああああああああああああああああ!?」
ぴちゃり、と首筋をなめられて、わたしは思わず悲鳴をあげた。
あ、駄目。今、わたしの身体……
「すっげ……触ってもいねえのに、もう乳首が尖って来てんじゃねえか……」
キスしてきたギアに対抗して、だろうか。次に指を伸ばして来たのは、トラップだった。
「おめえ……感じやすくなってんだな」
「やっ! ひゃあっ! だ、駄目だってばっ……」
つんつん、と胸をつつかれて、わたしは思わず身もだえしてしまった。
だって、だってしょうがないじゃない! わたしっ……ついさっきまで「そういうこと」しててっ……本当はもうちょっと、って思ってたけど、でもこんな時間だし外でだしルーミィ達も待ってるだろうしって、一生懸命我慢したところで……
そんなときに、触られたらっ……頭がどうかなっちゃいそうで!
「パステル……脚を、開いてくれるかい?」
わたしが十分に感じていることはわかったんだろう。ギアの柔らかい言葉が、ゆるゆると耳朶を打った。
「まずは……綺麗に、しような?」
「きれ、い?」
「ん、そりゃまあそうだな。前の男の匂いが残ったままっつーのは、やべえよな」
ぽかんとしていると、横でトラップが頷いた。
そっと胸から手が外される。あー……と、ちょっと残念に思っていると、そのまま、指が下腹部まで滑り降りて行った。
え、まさか……
「ひゃっ……やああああああああああっ!?」
「おー……十分やわらけえ。ほれ、ギアも触ってみ」
「ああ」
じたばたともがいていると、二人がかりで太ももをつかまれてしまった。
膝裏を通すようにして、二人の指が差し伸べられる。触れられたのは……さっきからうずいてしょうがなかった、わたしのあそこ。
403:トラップ×パステル×ギア 7
09/01/23 22:42:22 IHtYlHrn
「やあん……は、恥ずかしいってば。やっ」
「とか何とか言って。硬くなってんじゃん」
まだろくに触れられてもいないのに。お湯の中で、わたしの中に二人の指が沈みこんでいるのが見えた。
ごついギアの中指と、少し細い、トラップの中指。
そのまま、同時にうごめき始めた。もちろん狭い場所だから、そんなに激しい動きじゃないけど。二人分の指が、わたしの内部をこすり上げて、絶叫したくなるような快感が駆け上って行った。
だっ……駄目っ……
「あっ……あああああああああああああああああああっ!」
一瞬で目の前が真っ白になった。びくびくっ! と身体を痙攣させていると、お湯の中に、とろりとした液体があふれ出るのがわかった。
さっきわたしの中に吐き出されたばかりの、白い液体が。二人の指にまとわりつくようにして、お湯の中へと流れ出て行った。
「ううー……」
「イッたみてえだな……っつーか、お湯の中って滑りが悪くねえ?」
「しょうがないだろう。流れてしまうからな……外よりは寒くないから、大丈夫だろう」
ぐったりしているわたしの頭上では、好き勝手な言葉が飛び交っている。けれど、それに抗議する余裕なんて、もちろんない。
そのまま、わたしの身体は湯船のへりに押し上げられた。けれど、二人の身体はお湯に沈んだまま。
視線が、そそがれる。ちょうど彼らの目の高さにある、腰掛けたわたしの中心部に……
「や……み、見ないでよ……」
「だーめ、隠すなっつの。こんな機会、滅多にねえんだし。ほれ、おめえも見たかったら見ていいんだぜ?」
「もお、ばかぁっ!」
「恥ずかしがることはないよ、パステル。とても……綺麗だから」
「…………」
い、いや。その、こんな場所を「綺麗」って言われても……言葉に困る、って言うか。
身体の中が、熱くなってくるのがわかった。もじもじと膝をこすり合わせていると、「……欲しいのか?」と囁かれた。
欲しい。何を? ……そんなの、決まってる。
「……うん」
「ちゃんとおねだりをして欲しいな」
うつむくわたしを見て、ギアが浮かべたのは苦笑だった。
たくましい身体が湯船から上がってくる。隣に腰かけられて、びくりと身を強張らせると……そのまま、肩を抱き寄せられた。
「パステル」
「あ」
ぴちゃり、と耳をなめられた。
きゅうっ! と下半身に走った、締め付けられるような衝撃。震えていると、伸びてきた手が頬を撫でて、そのまま鎖骨のラインを辿って行った。
「お、ギア。おめえ抜け駆け」
「早い者勝ちだ。同時には無理なんだから仕方ないだろう」
「あに言ってんだよ。ぶちこむ前に色々やることはあんだろー? やってもらうことも、さ」
「……そうだな。パステル」
「ん……」
くりくりと、胸を撫でられた。
さっき、ほんのちょっと撫でられただけで硬く尖ってしまったわたしの胸。ギアの愛撫はとても丁寧だったけれど、少し力が強い。痛いようなくすぐったいような微妙な感じに悶えていると、トラップが、わたしの脚を肩に担ぐような格好で膝立ちになった。
太ももの上に置かれたのは、骨ばった手。
「なあ、パステル」
はあ、はあと息を荒げながら、トラップが注視しているのは……わたしの、唇?
「どっちが、先に欲しい?」
「……どっち、って」
「どっちのを、先に、欲しい?」
「…………」
ここまで来て、その意味がわからないって言うほど、わたしも馬鹿じゃない。
でも、どう答えればいいのかわからない。欲しいって思ってる。来て欲しいって思ってる。このままやめられたら、きっとわたしは、どれだけみっともなくても泣いてすがるんじゃないかって思う。それくらい、身体がうずいてる。
でも、答えられない。だって……
どっちかは、恋人で。どっちかは、恋人じゃない……そのはず、なのに。
トラップと、ギア。どちらがわたしの恋人なのか……今のわたしには、それが、わからない。
404:114
09/01/23 22:43:33 IHtYlHrn
今日はここまでです。
中途半端なところで本当にすいません。なるべく早く完結させるようにします。
405:名無しさん@ピンキー
09/01/24 04:02:14 btobn4t1
>>394
乙~ハァハァ
パステルかわぇえ~
萌えました
406:名無しさん@ピンキー
09/01/24 04:04:35 btobn4t1
>>404
完結待ってるよノシ
全裸で
407:名無しさん@ピンキー
09/01/25 15:52:19 CHve0QBn
ちょい意地悪パステル萌え。
408:114
09/01/25 16:59:04 TdiFJkbU
完全なスレストッパーになってしまい申し訳ありません。
他の方々の作品のログを流してしまいますし、投下し辛いと思いますのでギアパストラはなかったことにしてください。
つまらない作品をあげてしまってすみませんでした。
次はもっと皆さんに楽しんでもらえる作品が書けるよう努力します。
409:名無しさん@ピンキー
09/01/25 17:41:31 mC6e0EHH
>>408
えっなんでそーなるの!?
410:名無しさん@ピンキー
09/01/26 07:31:49 N6310E0+
>>409
まあ投下して丸2日以上で
ついたレスが一つだけ、
全く中身に触れられてない、乙すらない
いかにも書人さんにコメントするついでに書きました的なレスだけじゃあ
書き手さんがへこむのも無理はない
411:名無しさん@ピンキー
09/01/26 11:20:31 HjCSMeS5
エロパロ系はここしか読んでない自分にとっては
ここのローペースっぷりが普通だから
自分も>>409と同じく「へ!?」状態。
読者は一人でこっそりニマニマしてるさw
感想が少なくて寂しい気持ちも分かるけど
ここの昔からのスタイルを受け入れると気楽になるんじゃないかなぁ。
ちょっと前の討論みたいに無理に雰囲気変えようとかしないで、
かといって妥協でもなくて、そのまんま受け入れる。
>>408
言われてもない事を勝手に想像して凹むってバカバカしいぜw
また書いてくれるようなので楽しみに待ってます!
412:名無しさん@ピンキー
09/01/26 14:43:27 N6310E0+
>>411
言われてもいないことを想像してへこんだんじゃなくて
何も言ってもらえないからへこんだんじゃないか?
って言ったつもりなんだ、文章下手でごめん。
感想なかったら読み手は心の中で喜んでくれたと脳内補給しとけってひどいと思うんだけど。
前の議論のとき思ったんだけど
討論始まるとがーっと長文書き連ねるくせに
感想少ないねって指摘されたら「文章力ないから書けません」て虫がよくない?
そういう自分は、ギアが苦手だからギアシミパスもギアトラパスもスルーしてしっかり読んでないから何もレスつけなかったんで、あんまり偉そうなこと言えないんだけど。
書き手さんごめんなさい。
413:名無しさん@ピンキー
09/01/26 18:47:53 oO9un8Ce
あぅあぅ…
なんだか討論雰囲気で足が遠のいて
しばらくご無沙汰してるうちに たくさん投下されてた!
書き手様たちありがとです~!
114さん、悶々パステルかわいい…
完結、お待ちしてますよ~!
414:名無しさん@ピンキー
09/01/26 19:35:14 G3uMoNUm
>>114さんにリクした者です
週末ずっと忙しくてネットできなかった申し訳ない
続き待ってます
感想は完結後に増えるのでは
415:名無しさん@ピンキー
09/01/26 20:46:26 CcXFCRgM
>>414
そんなこと言って、完結後も過疎ったままだったらどうする(w
ずっとスレを追ってるが、前回のギアシミパスのとき、完結後にわんさか感想がついたような覚えはないぞ。
まああのときは、直後に議論が始まったってのも大きいけど。
何にしろ無責任に書き手の期待煽るようなこと言わない方がいいんじゃない?
>>411 も言ってる通り
投下があろうとなかろうと常にローペース常に過疎状態なのがこのスレのスタイルだ。
結局、以前に
>>292 と >>326 が言ったことが全てじゃない?
>>326 のように、レス・感想がほとんどつかないスレには投下する気になれない書き手は確かにいる。
>>292 の言う通り、このスレのスタイルが気に入らない書き手はスレを去っていく。
今回、まさにその通りになっただけの話。
416:名無しさん@ピンキー
09/01/26 23:49:06 h7oWx10q
それにしても、他人の感想をけなす奴って最低だな……
普通の神経しているとは思えないわ
417:名無しさん@ピンキー
09/01/27 00:18:52 GE3gbUQR
トラパスギア(ギアトラパス?)の続き気になるんだけど。。。
もう読めないのかな
418:名無しさん@ピンキー
09/01/27 00:25:44 GE3gbUQR
この「続き気になる」「楽しみ」って一言をもっと早く書き込んでおけばよかったんだな、きっと。
何となく、何も言わなくても書き手さんは最後まで書いてくれるもんだと思い込んでた。
419:名無しさん@ピンキー
09/01/27 01:58:13 pVtLP8yB
レス進んでるから続きが来たのかと思ったw
>>408
邪魔になったら悪いかなーと思って完結してから感想書くつもりでした
ぜひぜひ続きおねがい
>>418
自分も反省したお
420:名無しさん@ピンキー
09/01/27 01:59:46 pVtLP8yB
あと以前の討論の時も思ったけど、
他人の意見に噛みつくような書き方はやめた方がいいお
そっから無意味に荒れてしまったりしますし
悪意ないのはわかるし言ってることはおかしくないけど
書き手へのフォローもそれ以外のフォローも、トゲ入れなくてもできるはずだお
421:名無しさん@ピンキー
09/01/27 15:15:53 hUj9B8SX
>>387
クレイ可愛かったですGJ
「今だけでいいから俺を見て」が健気すぎる。こういう心理描写大好き
あとなんかパステルがかっこいいなw
双方可愛かったです。なんかこの2人らしい
>>408
完結してから読もうとジリジリしながらハァハァ待ってる人もかなりいると思うし
ストッパーとかいうことは全然ないから気にせんで
書き手さん全体に言いたいんだけど、感想やフォローを普段あんまりしてなくてごめんね
とりあえずスレに来た時は書き込んでるんだけど、もっと頻繁に来れるように気をつける
422:書人
09/01/28 11:55:47 Ec+EZKtV
いつもお読み頂き感謝です。
114さんへ。
ログ流す等はお気になさらず。
スレストは私も経験あります。
確かに書き手として凹みますが、114さんの場合は完結待ちによるものと思いますので。
ここは慢性的過疎スレですが、投下にひとつも感想がないということは殆どありませんし。
読み手として、wktkしてお待ちしております。
感想頂けたりリク頂けると、書き手冥利につきます。
読んでもらえてるんだなー次何書こうかなという原動力ですので、
今後ともよろしくお願いします。
さて。ささやかなエロなしのネタSS投下します。
呼び水になりますことを願って。
423:トラパス小ネタ(エロなし) 1
09/01/28 11:56:44 Ec+EZKtV
キキ、っと鋭い音をたてて自転車を止める。
明日もバイト朝からだから乗って帰っちまった。まーいいだろ。
あー疲れた。
朝っぱらから赤チャリで走りっぱなし、ようやくメッセンジャーのバイトを終えて帰宅したみすず旅館。
まっすぐ2階に上がってぐてっと寝転がるつもりだったが、台所前を通って気が変わった。
開けっ放しのドアを覗き込むと、視界に入るのは柔らかそうなはちみつ色の束ねた髪。
後姿ですぐわかるうちの方向音痴マッパーが、エプロンをかけてなにやら立ち働いていた。
「おーいコーヒーくんねえ?」
「そこにあるよ」
即答。
つ、冷てえな、この野郎。
仕事して帰ってきた人間にもーちっとやさしくできねえのかよ?
「いいじゃん、ついでくれたって」
「忙しいのよ。それくらい自分でやってよね」
にべもない返事。
確かに忙しそうではあるが、それくれえしたって罰は当たらねえだろうが。
ブツブツ言っても振り向きさえしないパステルには、何を言っても無駄らしい。
仕方なく食器棚からマグカップを取り出すと、テーブルの上にあるポットからコーヒーを注ぐ。
所在無く立ったままでぬるいコーヒーを飲んでいると、ふと目に留まったのは籐製の籠。中には編み棒が数本とはさみ、小さい毛糸玉が幾つか入っているだけだ。
よく見れば籠の傍に切り落としたとおぼしき糸端も落ちていたりする。
あれ? 確か昨夜はまだこいつなんか編んでた気がするが、もう仕上がったのか。
昨夜見たそれはあまり大きくない編地で、確かピンクとベージュの毛糸じゃなかったっけな。
その配色からして、バレンタインが近いというのに俺用じゃねえな、くそっとひとりいじけてはいたんだが。
こいつが編んでたあれ、もしかして……毛糸のパンツじゃねえのか?
そうかそうか、それなら納得がいく。
仕上がったから速攻履いてヌクヌクと台所仕事をしてるというわけか。相変わらず色気のねえこった。
ひとり得心してニヤニヤ笑いつつ、パステルの後姿に目をやる。
この前リタにもらったとか言ってたエプロン姿。
……言々撤回だな。
エプロン姿の女の後姿というのは、なぜか訳もなく背後に立つ男をかきたてるものである。
例えそのスカートの中身が毛糸のパンツであろうとも!
424:トラパス小ネタ(エロなし) 2
09/01/28 11:57:36 Ec+EZKtV
職業柄得意の忍び足で、相変わらず食材と格闘しているパステルにそっと近づく。
まぁ何も気配を殺して近づかずとも、にぶいこいつは気づきもしねえだろうが。
しかし真昼間なんだよな。背後から抱きつくわけにもいかねえし、押し倒そうもんなら包丁かフライパンで半殺しにされる。ならば。
俺は大きく息を吸い込むと、力いっぱいスカートを跳ね上げた。
「きゃああああっ!!!」
「あ……あれ? 履いてねえのか?」
「は、履いてないってなんなの、何するのよトラップ!!」
一瞬にして顔を真っ赤に染め上げ叫びまくるパステル。
俺がめくりあげたミニスカートの中にあったのは、真っ白のふつーのパンツ……予想と違って毛糸のパンツではなかった。
「おかしいなー、ぜってぇおニューの毛糸のパンツだと思ったのによ」
「おニューって何の話よ!」
「とりゃー、今のなんらぁ?」
この非常時唐突に、舌ったらずな声がした。
振り向けばちびエルフがきょとんとした顔をして台所の入口に佇んでいる。
「お、おぉルーミィ、なんでもねえよ。新しい遊びだ。それよりおめえその帽子」
シルバーブロンドが被っているのは、何やら見慣れないニットキャップ……その色が……ピンクとベージュ!!
「ぱーるぅができたよ、ってさっきくれたんだお!」
「……だろうな」
パステルが編んでたのはルーミィの帽子で、俺の早とちりだったってことか。
まぁ生パンツ拝ませてもらって得したっちゃ得だが……毛糸のパンツならまだしも、そっちを見られたパステルが黙って許してくれるかが微妙だが……
「……トラップ」そらきた。案の定、片手には武器と推測されるおたまが握り締められている。包丁でないだけまだ可愛げがあるなぞと思いつつ、じりじりと入口方向へ移動する俺。
俺とパステルを見比べてきょろきょろしているルーミィを、格好の障害物としてパステルの方へ押しやる。
脱出の算段が整ったところでまた現れたのは、招かれざる闖入者。
「パステルー、頼まれたオレンジとレモンってこれで良かったのかな」
場の空気に関係なく実にさわやかな、紙袋を抱えたクレイ。軽く身を屈めて台所を覗き込んできた。
「あれ? おまえ何してるんだ」
「いやちょっとな、ははは」
白々しく笑いながら不思議そうなクレイに半笑いを返す。
クレイと体を入れ替えようとすると、俺が逃げようとしているのに気づいたのか、今更待ったがかかった。
425:トラパス小ネタ(エロなし) 3
09/01/28 11:58:33 Ec+EZKtV
「ちょっと待ちなさいよトラップ!」
「ねえねえぱーるぅ、ルーミィもいっしょに遊ぶぅ」
足元にまとわりつくルーミィに阻まれるパステル。よしよし、計算どおりだな。
「今ね、すごーく忙しいんだけどな。ひとりで遊んでてくれる?」
「わかったお!」
満面の笑みのちびエルフを作り笑顔で見下ろしたパステル。
わけのわかっていないクレイをやり過ごして台所から退避した俺を追いかけようとしたのだが……そのとき悲劇は舞い降りた。
「いい子ね、さてトラ……ルーミィっ!?」
「うわっ」
ごとん、バサっ、ゴロゴロゴロゴロ……
にぎやかな悲鳴と派手な落下音。
廊下まで転がってくる、クレイが落としたと思われる紙袋のオレンジやレモン。
既に階段に足をかけていた俺に現場は見えなかったが。おおよその予想はつく。
ルーミィ……俺の真似してスカートめくったな……くそ、2回目見逃した。
「もう、もう、何なのよぉー」
「ごめんパステル、俺、俺決して見るつもりはっ」
「とりゃーが教えてくれたんだおう!」
やべ。
この後の流れを想定して、俺は急遽方向転換して玄関へと走った。
部屋でのんびりするつもりだったけどよ、さすがの俺も命が惜しい。
しゃあない、ほとぼりが醒めるまでカジノでも行ってくっかなー
今日に限ってチャリに乗って帰ってたのは先見の明があるな、さすが俺。
赤い自転車に勢い良く飛び乗ると、頬に刺さる冬の冷たい風もむしろ心地よく、俺は立ち漕ぎでみすず旅館を後にした。
---------------------
完結です。
426:名無しさん@ピンキー
09/01/28 22:25:22 9k+arYml
乙です
なんか情景がすごい想像できてワロタwww
毛糸以外のパンツ見れたのに、直後の反応が微妙に残念そうなトラップと
あとさわやかなクレイになぜか笑った
やっぱこの後は真っ赤なまま怒るんでしょうか
エプロンパステルの後姿とニットキャップルーミィ可愛いだろうな
ピンクとベージュとか超似合いそう
よく思うけどここのSSを絵で見たい。特に女性陣の格好とか
427:名無しさん@ピンキー
09/01/28 22:28:05 9k+arYml
あとパステルふんだりけったりでカワイソスw
パンチラネタでこんな盛り上がる作品も結構すごいよね
なんかツボにはまってだらだら書いちゃったスマソ
最近ペース早くて嬉しいです
428:名無しさん@ピンキー
09/01/31 15:18:20 rdMXsYuy
書人さんGJ
パステルの武器が可愛い
それと早速リクをしちゃいます
書人さんの甘めギアパスも読んでみたいです
三角関係や嫉妬がない平和な感じで
114さんの3Pの完結も楽しみに待ってます
みんな心配してるから作品の完成はまだでも
反応して欲しいです
429:名無しさん@ピンキー
09/01/31 19:24:14 6tBYj+s6
トラップに赤チャリ似合うなw
平和なシルバーリーブだ
430:名無しさん@ピンキー
09/01/31 19:27:07 6tBYj+s6
それにしても、ほんとに…感想少ないね
基本的にこういうもんだと思ってたけど、このスレに入ってから
SS投下以外の話題だとものすごく書き込み増えるの見て
こんなにいつも人いたのかとなんか変な気分になったお
431:名無しさん@ピンキー
09/02/01 12:38:08 SNU0Byhn
書き手名指しリクなんかされたら
そのリク投下が終わるまで他の書き手は投下できないと言ってみる。
ただそういう作品が読みたい、じゃ駄目なんだろうか。書人さんが書いてくれなきゃ駄目だと。
感想少ないスレスタイルを書き手が受け入れろって言ってた奴もそうだけど
ここの住人は基本的に書き手の気持ちを考えてるつもりで理解してない。
だが絶対数は読み手のが多いだろうし、余計なこと言えば叩かれるだけなので書き手は黙ってるしかない現実
432:名無しさん@ピンキー
09/02/01 14:47:47 jBiFsZsy
もーちょい気楽な感じでもいいんじゃないかね
ちょっと前後混乱しても、好きな時に好きなネタでやってもらう感じで
事前にあいさつとか「これの続きです」とか「途中に失礼します」とかあるだけで充分な気がする
要するに最低限の配慮があれば
リクに関しても深く考えないでいいと思う
433:名無しさん@ピンキー
09/02/01 14:56:11 jBiFsZsy
あと、今更だけど、
書き手はただでさえ意見出しづらいわけだから
議論になると変にギスギスして、ますます出せなくなるような流れはやめよーぜ
自分の意見を淡々と言う感じがいい
ケンカ売るような書き方するのも、それを買う方もやめないか
あと>>430に同意
434:名無しさん@ピンキー
09/02/01 19:35:01 qRxR4RHp
>>431
>>428は>>422の書人さんの、
>感想頂けたりリク頂けると、書き手冥利につきます。
>読んでもらえてるんだなー次何書こうかなという原動力ですので、
>今後ともよろしくお願いします。
に反応しただけでは?
書き手さんがこう言ってくれたときに、
誰でもいいから書いてってリクの方が失礼な気が
感想に意見したり自治しようとすればするほど
このスレは荒れるような
マターリしようよ
435:名無しさん@ピンキー
09/02/01 22:04:27 30WvIoiD
他人の感想を引き合いに出す奴、いつも居るよな。
毎回同じ奴か?
その感想を述べた人には勿論のこと、
職人さんにも失礼だからいい加減止めろよ。
436:名無しさん@ピンキー
09/02/01 22:53:51 9of8GXE8
>>435
2chでそれは愚問。
本人が認めるわけないし違うと言ったところで証明もできない。
徹底放置すれ。上でも言われてるじゃん。
「けんか売るような書き方するのも」「それを買う方も」やめないか
議論文書き連ねる暇があるなら感想なりリクエストなり前向きなこと書こう。
というわけで自分はがっつりエロありのトラパス希望と言ってみる。
状況に流されてとかじゃなくて、パステルが望んで~というのは、パステルの性格上難しいかな。
甘いギアパスもギアトラパスの続きも楽しみにしてます。
437:名無しさん@ピンキー
09/02/02 12:13:18 uwuznNMy
元プロテニスプレイヤー松岡修造の自作動画がナゼか大人気
『YouTube』や『ニコニコ動画』にアップロードされている動画に、なにやら不気味な兆候が見えているという。なぜか、
元プロテニスプレイヤーであり、テレビのレポーターで活躍をしている松岡修造さんの動画が大量にアップロードされて
いるのだ。しかも、放送されたものをそのまま掲載するわけではないことから、松岡修造さんを見たいがためにアップロ
ードしているわけではないようだ。そう、アップロードされる松岡修造さんの動画のほとんどが編集されており、意味不
明の動画になっているのである。
著作権等の問題がクリアになっていないと予想されるためココに掲載することはできないが、松岡修造さんが見ても誰も得しない
動画を紹介する『【どういう】「誰得動画」ランキング創刊号【ことなの…】』や、強引に松岡修造さんにアフレコさせてしまった
『【ドラゴンボール】 もしも16号が 松岡修造だったら』、意味不明な松岡修造さんの編集動画ランキングの『年刊 松岡修造
ランキング』、松岡修造さんのわけがわからない動画の総集編『【松岡修造】ニコニコユーザーへ向けてメッセージ【熱血】』など、
とにかく数多くの動画が掲載れている。その数は、『ニコニコ動画』だけでも918件もあるのだ。
なぜ、いま松岡修造さんに注目が集まっているかまったくの不明だが、動画の内容もまったく不明なので、最近は誰も得しな
い謎だらけの動画が流行っているのかもしれない。
438:名無しさん@ピンキー
09/02/02 16:50:28 P/k1Gxhd
自分はギアパスの人の黒マリーナをしつこく楽しみにしてます…
あとねー、>>377の一行にすっごい萌えた
439:名無しさん@ピンキー
09/02/09 19:12:37 C5JOP19h
保守
440:名無しさん@ピンキー
09/02/11 08:48:28 /srA789i
誰か書いてくれないかな~保守
441:名無しさん@ピンキー
09/02/13 10:51:12 ZuRLpSgF
はす
442:書人
09/02/14 02:12:20 iri9+ZJo
こんばんは、書人です。
リク頂いていたにも関わらず遅くなってすみません。
バレンタインネタにしましたが、ギリギリ間に合いましたw
ギアパス、甘めです。
カプが苦手の方はスルー願います。
443:ギア×パス バレンタイン編 1
09/02/14 02:13:32 iri9+ZJo
よーし、できたっと。
わたしはつけていたエプロンを外すと、思い切り伸びをした。
台所のテーブルの上には、リボンをつけた小さな包みが山と積みあがっている。
しかし我ながらたくさん作ったもんだわ。
クレイでしょ、トラップでしょ、キットンでしょ、ノルでしょ、そしてもちろんシロちゃんとルーミィにも。
お世話になっているみすず旅館のおかみさんやリタやルタ、印刷屋のご主人にもお渡ししたいし……
ひとつひとつあげる人を数えながら包みを紙袋に入れていくと、最後にひとつだけが残った。
大きなテーブルの上にぽつんと佇んでいるそれをそれをそっと手のひらに載せると、軽くため息。
シックなブラウンの包み紙に赤くて細いリボンを結んである。
小さな包みはたくさんの中に埋没していた時は気にならなかったけれど、こうしてひとつだけ残ると、なんだか妙に自己主張しているようで、たかがチョコレートなのになんだか気後れしてしまうなあ。
ひとり包みとにらめっこしていると、廊下からとててててと小さな足音がした。続いてチャッチャッチャという、足音ならぬ爪音。
「あ! ぱーるぅ、それなあに?」
足音の主は予想通り、ルーミィとシロちゃん。
わたしが手のひらに載せた包みに気づき、すぐお菓子とわかったんだろう。
目をキラキラさせながらスカートにまとわりついてくるルーミィ。
ふわんふわんのシルバーブロンドを撫でながら、手の上の包みを差し出そうとして手を止める。これは……いや、中身も外見も全く同じなんだけどね。
一瞬の躊躇いの後テーブル上にそれをそっと置くと、紙袋の中から別の包みを取り出す。
「はい、チョコレートだよ」
「ちょこえーと! ありがとだお!」
にっこぉーっと満面の笑みを浮かべるルーミィ。かわいいなぁ。
お行儀よく座り込んでいたシロちゃんにも差し出す。
「シロちゃんにもあるのよ、はい」
「ありがとさんデシ!」
二本足で上手に立ち上がってお礼を言うシロちゃんの背中のリュックにチョコレートを入れてあげる。
彼は食べたくなったら自己申告してくれるだろうから、その時剥いてあげればいいや。
このふたりが帰ってきたということは。
「ノル? いるんでしょう?」
勝手口のドアを開ければ、やっぱり。
今帰ってきた風情のノルが、裏庭に干した洗濯物を取り込んでいるところだった。
長身の彼はみすず旅館に入ると床が抜けちゃうので、ふたりがちゃんと旅館に入ってきたか外から見守ってくれてると思ったんだよね。ふふふ、大当たり。
「おかえりー、ノル。ふたりのお守りありがとう。これ、バレンタインのチョコレート」
「ありがとう、パステル」
洗濯籠を片手に抱えた彼は、手のひらどころか指先に載ってしまうほどの包みを受け取るとにっこりと笑った。
うーむ、ノルにはちょっと小さすぎたみたい。もう少し大きく作ってあげればよかったかなぁ。ま、いいや。
チョコレートをポケットにしまって洗濯物の取り込みを再開したノルに軽く手を振ると、わたしは踵を返して台所へと戻った。
わたしと入れ違いに裏庭へと飛び出していくひとりと一匹の後姿を見送ってから、わたしは階上へと足を向けた。
444:ギア×パス バレンタイン編 2
09/02/14 02:14:37 iri9+ZJo
「入るよー」
男部屋のドアを開くと、相変わらず怪しげな実験に没頭しているキットンと、帽子を顔に載せて傍のベッドで寝転がっているトラップが視界に入る。
キットンは例によって例のごとく軽くトランス状態で、目の焦点が合ってないような状態だけど……話通じるのかなあ。
「キットン、チョコレート……」
「はいはーい、そこに置いといてもらえますかあ?」
「……わかった」
返ってきた返事はどう聞いてもラリった人のそれで……あまり関わらないほうが身のためかもしれない。
キットンから半径1メートルほど離れた場所にそっとチョコレートを置いて振り返ると、寝ているように見えたトラップが帽子を持ち上げてニヤリと笑った。
「俺にもあるんだろうな、もちろん」
「あるよー、はいこれ。でもどうせファンクラブの子達から山ほどもらったんでしょ?」
「そりゃもう。でも俺甘いもん苦手なんだよなぁ。まーおめえのくらいならちいせぇから食ってやらねえでもねえけど」
偉そうに寝転がったままニタニタしているのが癪に障るなぁ、もう。
「あ、そう。別に無理に食べてもらわなくったっていいんだけど?」
「まぁそう言うな。置いてけよ」
まったく。
にゅっと伸びてきた手にひょいと包みを載せて部屋を出ようとすると、背後から飛んできた唐突な質問。
「おめえ、本命はどしたんだよ」
ぎく。
「は? 何の話よ」
「今シルバーリーブに来てんだろ? 情報通の俺を舐めてもらっちゃ困るぜ」
トラップが言ってるのは間違いなく。
特別警備隊の任務で、南部への移動途中でシルバーリーブに宿をとっているギアのこと……だと思う。他に該当者はいない。
ギアと行動を共にしているダンシングシミターは今一緒じゃないらしいし、実際そうかどうかはともかく、本命かなんて言葉で尋ねられる相手は他に思い当たらないし。
「本命も何も……」
口ごもるわたしに呆れたようなトラップ。
「あのなぁ、ぼやぼやしてていいのかよ。チョコレートくれえ準備してんだろうに。あいつ明日には行っちまうらしいぞ?」
そうなんだよね。
ギアは先日この街に来て、みすず旅館を訪ねてきてくれた。
前の別れ方が別れ方だっただけにどんな顔をしていいのか微妙だったけど、兎にも角にも久々の再開を喜んだんだよね。
でも数日滞在しただけで、すぐに南部へ出発してしまうそう。
南の街でダンシングシミターと落ち合う予定なんだとか。
445:ギア×パス バレンタイン編 3
09/02/14 02:15:39 iri9+ZJo
そしてわたしはというと。
ギアに再会してからというもの、落ち着かないような考え込んでしまうような、なんとも気持ちがはっきりしない日を過ごしていた。
そんな気持ちのままでバレンタインデーを目前に迎え、毎年恒例、周囲皆へのチョコを作るうち、気がついたらひとつ余分を拵えていたというわけ。
どうしてわたしったら、単にバレンタインだからという理由で渡せばいいだけなのに、ひっかかりまくってしまってるのか……
トラップの言葉に思わず考え込んでいると、意外に真面目な声色が問いかけた。
「おめえ見てりゃわかるっつーの。後悔しねえうちに早いとこ持ってけ」
別に何を相談したわけでもなんでもないのに、その言葉はお見通し、と言わんばかりで。
でもその表情は意外に揶揄するでもなく前みたいに不機嫌そうなわけでもなく。
どことなく心配してくれている感じすらあって……あのトラップがねえ。なんだか不思議。
トラップはわたしの様子を見て取ると、苦笑しつつごろりと寝返りを打った。
「嫁にまで行くんじゃねーぞ」
「はあ!? そんなわけないでしょ!」
わたしはいつもの調子で勢いよく言い返しながらも、こっそり心の中で背中にお礼を言った。
「で? どうするんだい」
「……どうって」
こちらははなっから真面目なコメント。でもその口元にはやさしい笑みが湛えられていて、ひしひしと気遣いが伝わってくる。
「持って行ってくる……つもりだけど」
「それがいいよ。パステル、ずっと考え込んでたから心配してたんだ」
隣に座ったクレイは、手の中のチョコレートを胸元のポケットにしまうと、わたしの肩をぽんと叩いた。
「行っておいで。暗くならないうちに」
そしてわたしはドアの前にいる。
ギアが泊まっている部屋。少しお高い部類の宿屋で、絨毯の敷かれた廊下はしんと静まり返っている。
さっきまでのもやもやした気持ちは、パーティの皆に会ううちにだんだんと形になってきたみたい。
ただの義理チョコのつもりで渡す気になれないのはどうしてなのか。
ギアがシルバーリーブに来ることなんて、ううん、そもそも会えることなんて滅多にない。
彼がここにいる間に会いに行こうと思うのはどうしてなのか。やっとわかってきた気がする。
好きとか嫌いとかわからないけど……どうしても会いたかった。
バレンタインのチョコレートが気持ちを伝えるものならば、わたしはこれを、どうしてもギアに渡したかったんだ。
……わたしって、自分のことにまで鈍いのね、本当に。
散々トラップに鈍いと言われて怒ってきたけど、あながち間違いでもないみたいだわ、こりゃ。
トラップとクレイの言葉に背中を押されて、わたしは夕暮れの中みすず旅館を出た。
始めはゆっくりとした足取りだったけど、なんだか気がせいてきてどんどん早足になり、このドアの前に立った今は肩で息をしているわたし。
暫く呼吸を整えて、ドアをノックする。静かな廊下に響くノック音に、思わず周りを見回してしまいながら。
446:ギア×パス バレンタイン編 4
09/02/14 02:17:30 iri9+ZJo
「どうしたんだ? ここを訪ねてきてくれるとは」
部屋に招き入れてくれたけれど、不思議そうなギア。
わたしはどう言ったものか迷ったけれど、結局それには答えないで持ってきた紙袋を差し出した。
「これ」
「おれに? 何だい?」
ば、バレンタイン知らないのかなあ。いやまさかそんなわけないか。
一瞬がくっと脱力しつつ、まぁ冒険者だしそんなこといちいち気に掛けてもいないだろうと思い直す。さてどう言おう。落ち着かない心持ちで視線を泳がせつつ口を開く。
「……えっと、その……バレンタインだからチョコレート持ってきたんだけど……」
「あ、そういえば今日バレンタインか。わざわざおれに?」
端整な顔に柔らかい笑みが浮かぶ。
その顔を見た時、わたしはどうしても、どうしても言っておきたくなってしまった。
「あの、それ……いわゆる義理じゃないから」
大きく目を見張るギア。
い、言っちゃった。こんな言い方でちゃんと伝わるんだろか。慌てて言葉を継ぎ足す。
「あ、あのね、バレンタインって本来大切な人にチョコレートあげるって日でしょ?
パーティの皆にもあげたしお世話になってる人たちにも渡してきたの。
でも、その、ギアに持ってきたのはそれだけじゃなくって、えーと好きとか嫌いとかうまく言えないんだけどね、パーティの皆にも行って来いって言われて、えっと」
「もういいよ、パステル」
しどろもどろにとりとめのない説明をするわたしをギアが遮った。
大きな手がわたしの手をそっと握る。少しひんやりとして乾いた手のひら。
「言いたいことはよくわかったよ……来てくれてありがとう」
黒い瞳がやさしく微笑んだ。
「え、いえ、どういたしまして」
「じゃあこれは本命チョコという風に受け取っておくよ」
「ほ本命って、そんな大袈裟なっ」
「違うのかい?」
「……」
違わないけど……いや違うような……うーむ。
「でもさ、パステル。贅沢かもしれないけど、本命にしてはちょっと小さいんだな」
あ、それは。
「ごめんなさい、あまりにもたくさん数が必要だったから、材料がギリギリになっちゃってそのサイズに」
焦って顔の前で両手を振って謝ると、ギアがぷーっとふき出した。
「そんな真面目に謝らなくてもいいさ。冗談だって。というか」
「え? きゃっ」
唐突に失われる平衡感覚。目の前にギアがいるのは同じなんだけど、その背後に見えていた窓が、今は天井……
わたしはひょいと抱き寄せられて、そのままベッドに押し倒されていた。
ほわんほわんと弾む、やわらかいマットの感触。ルームライトの光を背中に背負ったギア。
「チョコレートが小さいのはさ、ありがちなアレかと期待したりしたんだよ」
「アレ?」
状況にも関わらずつい真剣に問い返すと、形のいいな唇がくくくっと笑った。
「ほら、わたしもどうぞ、みたいな」
ぼん! と顔に血が一瞬にしてのぼったのが自分でもわかってしまった。
うー、きっとトマトみたいになってるんだろうな。だってだって、ギアってばなんてこと言うのよお!
「違うの?」
「違うも何も、……そんなつもりはまったく……んんんっ」
447:ギア×パス バレンタイン編 5
09/02/14 02:18:54 iri9+ZJo
言い訳をする唇を、前触れなく冷たいものが塞いだ。
睫毛がふれんばかりの至近距離にあるギアの顔。
すらりと高い鼻がぶつからないように、斜めに被せられたキス。
そ、そりゃいつかキスされたことはあるけど。正直なところわたしのファーストキスはあれで、セカンドキスがこれなわけですけどっ。
内心ジタバタしているんだけどどう反応していいやら、完全にそのままの姿勢で固まっているわたし。その動揺を感じたのか、わずかに唇が離れてくれた。
ふう。思わず止めていた息をほんの少しこぼすと、同時にギアも小さく息をついた。唇の間を交差する吐息はほんのりとあたたかい。
「パステルがいけないんだからな」
「だからなんでそう、や、んっ」
体制を立て直そうとした抗議は、頬から耳元へ滑るギアのキスにあっさりと遮られる。
「んっ、ギア、や……め」
耳元から首筋を、舌がゆっくりと伝い下りていく。
襟元に手をかけたギアはわたしの抗う手を軽く押しのけ、器用にボタンを外してしまった。うぅ、恥ずかしいよお。
わたしの上半身からブラウスを取り払いながら、自分のシャツも脱ぎ捨てるギア。一見細身だけれど、鍛えられた裸体が薄暗くなってきた部屋に浮かび上がる。
「思いつめたような顔してチョコレート抱えて」
そのままわたしにの胸元に顔を埋めて。胸に唇をつけたまましゃべるからか、少しくぐもった響きの声。
「頬っぺた真っ赤にして。好きな女の子にそんな一生懸命告白されたら……男だったら黙って帰せやしないよ」
告白……あれって告白だったんだろか。
言ってた自分も必死でよくわかってなかった気もするんだけどな。
この状況下にも関わらず思わず内心首をひねる。そんなわたしにはおかまいなく、ギアはブラジャーをくいと引っ張ってずらすと、胸をあらわにしてしまった。
必死に両手で隠そうとするけど、簡単に手の動きを封じられてしまう。
全然力を入れているように見えないのに、男の人の力ってこんなに抗えないものなんだ。
「抵抗しても無駄だよ。男をこんな風にさせておいて、今更止められるかい?」
「させておいてって、そんなっ」
別にわたしがそうさせたわけじゃないってば!
ささやかに反論しつつ、どうにか逃れようと体をよじらせるも無駄な抵抗にしかならない。
ギアの大きな手がわたしの胸を包むように触れた。やさしく柔らかく、押しつぶすように揉みあげる。
「ぁあ……あ、ん」
ついこぼれた喘ぎに、思わずまた頬が熱くなる。だってこんな声が自分から出るものなのかっていうだけで恥ずかしくて。
そもそも誰かに体をさわられるなんて初めてだし、しかもそれがギアみたいにかっこいい人なわけで。
しかも慣れているのか大人だからなのか……正直、気持ちよかったり……する。
「後悔なんて……させないからな」
「ん……っ、はっ」
乳首を口の中で転がしながら呟くギア。
舌先でくりくりと舐めまわされると、皮膚感覚が凝縮されたみたいに先端が更に敏感になる。寒いわけでもないのに鳥肌がたってて。
「ひっ」
スカートの中に、いつの間にか手が忍び込んでいた。下着の上からわたしのその部分をそっと撫でる指。
わたしの抵抗なんて全くの無駄。
思い切りきつく閉じているはずの太腿の間を滑らかに割り込むと、何度も何度もそこを緩やかになぞる。
「や、あっ」
ぞくぞくする。ギアの細いけれど節くれだった指が動くたび、脚の間にくすぐったいような熱いような感じたことのない感触が広がる。と、お尻側に回った手がつるりと下着をずり下げた。
「や……だぁ……」
ぎゅっと目をつぶり、胸のあたりに覆いかぶさっているギアの頭を反射的に抱き締める。指に触れる、ちょっと硬めの黒髪。
448:ギア×パス バレンタイン編 6
09/02/14 02:20:35 iri9+ZJo
「怖くないから、大丈夫」
胸を愛撫しながら、視線だけこちらに向けるギア。こ、こんな状態で目があってしまうのって、ある意味余計恥ずかしいものなのね。
「あ、んっ、ん……んん」
実にどうでもいいことなんだけど、唇を噛み締めて喘ぎを殺そうとすると、「ん」の音にしかならないことに気づく。そしてかなり息苦しい。いつまでこれで堪えられるかなぁ……
ギアはわたしに体を密着させたまま、右手でわたしの秘部を愛撫する。
気がつくとスカートも下着も脱がされていて、いったいいつの間に全裸にされていたのか見当もつかない。
でも、そんなことを悠長に気にしている余裕もなく、彼はわたしの敏感な部分を刺激する。
刺激に慣らすかのように、表面だけにやさしく触れていた指は徐々に潤ってきたその部分に少しずつ分け入ってきた。
「ん、ん……ぁあん」
じわじわと奥へと進むギアの指。ほぐすよう奥まで辿り着くと、一旦それは引き抜かれ、太さを増してまた内壁を擦るように進んでくる。
そうして何度も何度も出し入れされるうちに、膣の奥の方まで熱を帯びてきて痺れてきたみたい。
指の動きに合わせてぴちゃ、ぴちゃっと音がたてられて、他に何の音もしない部屋に響いて何とも恥ずかしい。
「濡れてるね。痛くないか?」
「……うん」
やさしく気遣う言葉に、回らない舌で答える。なんだか頭までぼおっとしてきたみたい。
つとギアが体を離した。汗ばんだ体と体の間を通り過ぎた空気が火照りを冷やす。
彼はそのままわたしの脚を開かせると、その間に屈み込んだ。
「な、やっ、そん、なっ……」
少しざらりとした舌がわたしの襞の上を這う。その襞を押し分けると、普段は隠れている蕾を舐めあげた。
「や、やぁぁっ、あぁんっ」
びいん、と音を立てるみたいに電流のような快感が走る。
もう言うまでもなく当たり前だけどこんなところを触られるのは初めてで、もちろん舐められるなんてあり得なくて。
でもそこは止めようがないくらい気持ちよくて。
「気持ちいいかい? その状態で入れた方がよさそうだな」
前半は質問、後半は一人ごちるように呟いたギアは、その部分から唇を離した。
体を起こすと細身のパンツと下着を床に脱ぎ捨てる。
わたしの半分脱力して開いたままの脚の間に体を入れると、そそりたった自身のものをあてがう。
思わずそこを凝視しているわたしに苦笑してみせた。
「大丈夫。こう見えても、女慣れしてないわけじゃない。無理はさせないから」
そう言いながら本当に少しずつ、少しずつ腰を進めるギア。
「ん……くっ」
愛撫で潤ったその部分は苦もなくギアのものを受け入れている感じだけど、やっぱり途中でひっかかるようなきつさと抵抗を感じる。ギアが時間をかけてほぐしてくれていたからか、恐れていたほどの痛みはないんだけど。
「痛い?」
「だい……じょうぶ」
わたしを気遣いながら、抵抗がある度に腰をゆるゆると回すようにして動きを緩める。
そうしてすごく時間をかけて、ギアのものはわたしの体の一番奥まで差し込まれた。思わずはーっと息をつく。お腹の中にはもちろん違和感。
449:ギア×パス バレンタイン編 7
09/02/14 02:21:38 iri9+ZJo
ギアはわたしが落ち着くのを待って、ゆっくりと、本当にゆっくりと腰を動かし始めた。
自身は上体を起こして背筋を伸ばした姿勢で、わたしの両脚を握って。
「は……あっ、んっ、くっ」
徐々にスピードがあがってくる。滑らかになってるとはいえ、膣の中の襞に逆らうような動きに鈍い痛みが混じり始める。
それを見透かしたように、ギアは腰を動かしながら自分の指先を舐めて湿らせると、わたしの蕾に伸ばした。
「ひゃ、んっ」
再び走る電流。お腹の奥で鈍い痛みを感じつつも、一番外側にある敏感な部分を刺激されて、もう痛いんだか気持ちいいんだか。
「あ、や、やん、あん」
もう声を堪えることなんてできない。
ギアの突きこむリズムに押し出されるように喘ぎがこぼれる。
「パステル」
目を上げるとギアの黒い瞳がわたしをじっと見つめていた。
ほとばしるような想いが伝わってきて、思わず手を伸ばす。
ギアは一瞬目を見開くと、伸ばしたわたしの手を握り返し、そのままわたしの体を引き起こした。
下半身はつながったまま、逞しい胸にぎゅうっと抱き締められる。
下から強く突き上げるギアのものは、わたしの中をえぐるように動き、痛さと快感とがごちゃまぜになった状態で、わたしはギアに思い切りしがみついた。
「んっ、あっ、あっ、あぁぁっ」
「パステル。おれを呼んで」
耳元で荒い息をこぼしながら低い声が呟いた。
「ギ、ア……ぁ、あん、ギア、ギアぁっ」
お互いの熱い息と声と体が絡み合い、わたしはギアの背中に跡が残るほど爪をたてた。
450:ギア×パス バレンタイン編 8
09/02/14 02:22:28 iri9+ZJo
もうとっぷりと日が暮れた夜道。
ギアは夜道は危ないから送ろうといってくれたけれど、断った。慣れた道だし知った街だしね。
ギアの泊まっている旅館の外までついて出てくれたギアに、改めて握手。
長身のギアを見上げると、いつかダンジョンで初めて抱き上げられた時の思い出が蘇る。
「何考えてるんだい?」
「ううん、何でもない」
「そうか」
何気ない会話。
でも、夜が明けたらこの人はまた旅立ってしまう。
わたしの気持ちを知ってか知らずか、彼は伏せ目がちに微笑んだ。
「じゃあ」
「またモンスター討伐に行くのね」
「ああ。でもまた必ず来るさ……いつかガイナに連れて行ってくれるんじゃなかったのかい?」
そんな話をしたことがあったっけ。正直、今なら本当にギアと戻ったっていいやと思っている自分がちょっと怖い。でも。
「でもわたし、もうしばらくは冒険していくと思うんだ」
「おれだってそうさ。おれの剣の腕も、特別警備隊ではまだ必要とされているようだし」
「そりゃそうだよ!」
ギアは薄く笑うと、わたしを腕の中に抱き締めた。
うっ、こんな旅館のどまん前でいいのかなあ。幸い誰も通る気配がないからいいけど……
「ホワイトデーまでいないからお返しがあげられないけど」
「そんなの、いいよ」
厚い胸に押し付けられたままモガモガと答える。
ギアは、抱き締める腕に力を込めた。
「あぁ、このまま連れていってしまいたいな」
切なそうな、辛そうな、独白。
ギアはそこまで言うとわたしから体を離し、くるりと踵を返した。黒衣の広い背中。
「きっと会いに来るよ」
振り返らずそのまま建物の中へ歩いていくギア。
追いかけて背中に抱きつきたい衝動をぐっと堪えて、立ち去る後姿を見送った。
追いかけたい。
でも、わたしにはパーティの皆がいるし、守るべき人たちもいる。
非力なわたしだって誰かに必要とされてる以上、まだまだ冒険者として頑張らなくっちゃ。
そうよ、誰かさんにも、嫁にまでは行くなよって言われてるんだもんね!
お腹に力を入れるとブーツの踵を軸に回れ右。
わたしは金色の月明かりの下、懐かしいみんなのいる場所へと、大またに帰路を急いだ。
-------------------------
完結です。
451:名無しさん@ピンキー
09/02/14 03:27:52 owLOV5yh
>書人さん
ギア×パスリクした者です
GJGJGJGJGJGJ!
ありがとうございます
お腹いっぱいです
タイムリーなテーマも良かったし「嫁にまで行くな」
というトラップの優しさに萌え
>「チョコレートが小さいのはさ、ありがちなアレかと期待したりしたんだよ」
>「ほら、わたしもどうぞ、みたいな」
ギアの強引な期待具合にも萌えました
>「あぁ、このまま連れていってしまいたいな」
大人なギアに似合いすぎな台詞もGJ!
すごく甘かったです
また読み返します
途中投下時刻が2:14でしたねw
452:名無しさん@ピンキー
09/02/15 16:35:25 FSQXV2eb
GJ!
毎回楽しみに読ませていただいてます。
453:名無しさん@ピンキー
09/02/15 18:22:22 am3CUQon
GJ!
素晴らしいです
454:名無しさん@ピンキー
09/02/16 04:21:01 xko5Hqxg
書人氏、投下お疲れ様です!
萌えさせていただきました!
455:名無しさん@ピンキー
09/02/17 01:04:13 9EHVsOQa
>>書人さん
なんていうさくさくという進み方!
無駄な描写は何もないのに一文一文が分かりやすくて
ナイスです。
クレイやトラの性格にあった台詞にも
グッときました!
よく思いつきますね!
素敵でし!!!!ギアパス!さいこー!!
456:名無しさん@ピンキー
09/02/17 23:36:48 b35oRFJU
書人さん乙です!
ギアにヤキモチ焼くトラパスかクレパスも読みたいです
457:名無しさん@ピンキー
09/02/18 12:35:50 4Cg82bxZ
スレ進んでたから次の作品が来たのかと思いきやいきなりの感想ラッシュにびっくり。
このスレ、こんなに読み手がいたんだ。
自分はしつこくギアパス職人さんの黒マリーナの続きと114さんのギアパストラの続きを楽しみにしてます。
いつか書いてくれると信じていつまでもお待ちしてます!
458:名無しさん@ピンキー
09/02/20 14:41:17 zNBRbnNm
またか……イチイチうぜぇ
459:名無しさん@ピンキー
09/02/20 17:37:47 UT0Ipq2t
>>458
気に入らない書き込みにイチイチうざいとレスをつけにくるあなたも相当ウザいね。
460:名無しさん@ピンキー
09/02/20 20:43:27 nZmrJN6O
>>458その言葉そのまま返すよ
巣から出てくんな
いつも通り巣で吐いてろ
461:名無しさん@ピンキー
09/02/21 00:00:04 XRwKaUmC
つ華麗にスルー
嵐にかまうのも嵐だ
462:名無しさん@ピンキー
09/02/21 23:27:36 EFxPBxqA
(・∀・)ニヤニヤ
463:名無しさん@ピンキー
09/02/22 01:11:27 MpvE8FPo
あぁまたウザスなこの流れ…
書き手どなたかの降臨を願う
ここしばらくのパステル幸せワールドも実にGJなのだが、
久々に陵辱エロ発動なんてどうでしょ
464:名無しさん@ピンキー
09/02/26 15:05:09 SvHExUW6
書き手の皆さん元気ですかー!
投下待ち保守
465:ファーファ
09/02/28 00:37:00 rkpO9fS8
ご無沙汰してます。
久しぶりに投下しに参りました。
PC故障のため、携帯からの投下ですので読みにくいところがあるかもしれません。
亀で申し訳ないですが、>>345-351に感想下さった方々ありがとうございます。
またまた愛撫ネタでクレパスです。
466:クレパス①
09/02/28 00:40:20 rkpO9fS8
「ふーっ。疲れたー」
そのままベッドへと吸い寄せられるように倒れこむ。
今日は、久しぶりにアルバイトの日だったわたし。貧乏パーティのわたし達にとってアルバイトなんて全然当たり前のことで全然珍しいことじゃないんだけど。
最近、ちょっとは冒険者らしくまともに冒険もしてたから、本当に久しぶりのことなんだ。
でもまぁ、急遽パーティ全員総動員(もちろん、ルーミィとシロちゃんは留守番してるんだけどね)でこうやって働かなきゃいけなくなったのは、もちろん、我がパーティが誇る赤毛のトラブルメイカーのせいなんですけれども!
「わりぃ、パステル。金、全部すっちまった」
わたし達がみすず旅館へ帰る途中に、トラップはへらへらと笑いながら手を合わせて言った。
「んもー。知らないわよ。自分でなんとかしなさいよね!」
トラップが自分のお金をギャンブルで浪費しようがわたしには関係ないもんね!
『これが何倍にもなって戻ってくるんだぜぇ』なーんて言ったって1Gも貸さないんだから!
わたしが冷たく突っぱねるとトラップはさらにへらへらしながら、
「いやー、わりわりぃ。賭けた金が自分のじゃねえってことも忘れちまっててさあ」
なんて言うんだもん。
「トラップ!まさか、お前!」
クレイがわたしとトラップの間に割って入った。
「いやー、ちょっくら財務担当さんの財布からちょろっと失敬しただけだぜぇ?そこら辺歩いてる奴らの財布ちょろまかした訳じゃねぇから、ちったぁ良心的ってもんだ」
そんなこと言いながら鼻歌を歌ってる。
ん?
てことは、つまり…。
わたしは自分の首から提げていたお財布を開けてびっくり。
えええ?なんでこんなに少ないのよう!
今日はみずず旅館のご主人に、宿代をまとめて払いに行こうと思ってたところだったのだ。
だから、ちょっとはお財布もあったかかったはず…なのに!
えーと、ひのふのみの…、ってほとんど入ってないじゃないのー!
「トラップー!」
わたしだけじゃなくて他のみんなもトラップをじとーっとにらんだ。
「お前、よくもそんな…ったく、ちょっとは反省してるのか!」
そう言ってクレイはトラップの頭をゴン!と思いっきりグーで殴った。
「いてっ!…ったく…殴るこたぁねーだろ、殴るこたぁ」
「何言ってるんですか、殴られるようなことしてるのは、トラップ、あんたでしょう?」
キットンもあとに続くようにトラップを責めたてる。
「るせー!なくなっちまったモンは、もうしょうがねぇだろ?おめぇもなー、財務担当だったらその辺に財布置きっぱなしにするなよなー!」
そう言いながらあっという間に雑踏の中へと姿を消していった。
「ったく、しょうがない奴だなぁ…」
クレイも小さくなる赤毛を見つめながらため息をついた。
それを思っていたのはその場にいた全員が思っていたことで。
全っ然!!悪びれてないんだもん!
ほんっとに、しょうがないやつ!
次の日からそれぞれ働き口を決めて何とかアルバイトをし始めたわたし達。
わたしはシルバーリーブに新しくできた服屋さんで働くことになった。
服屋っていうと、エベリンのマリーナの古着屋さんを思い出しちゃう。マリーナ、元気で本当の両親と暮らしてるかなぁ?
この服屋さんなんだけど、割と安くて質もいい。デザインもシンプルでおしゃれだし。
シルバーリーブでは珍しいからか連日、すごい数のお客さんが訪れる人気店なのだ。
お店が繁盛してるってことはとってもいいことなんだけど。
とっても忙しいんだよね。常に立ったままお客さんのぐちゃぐちゃに引っ掻き回した服を一枚一枚丁寧に、かつ早く畳まなきゃならない。
きれいになったと思っても、また引っかきまわされる。
はあああ。もう、畳んだって意味ないような気がするんだけどなあ。
そう思いながら畳むから、ついちょっと雑になる。そうすると、店長さんに怒られちゃうから気も抜けない。
一日中立ちっぱなしだから、もー、足がパンパン。
服はかわいいんだけど、終わりごろにはそんなところに目がいかなくなっちゃうほど疲れきってしまっている。
そんなんだから、帰ってきたらベッドに直行して休みたくなる。
こうやって寝転がっていると、自然と目が重たくなってくる。
うん、ちょこっとだけ、みんなが帰ってくる、ちょこっとだけ。
そうそう、ご主人は宿代ももうちょっと待ってくださるって言ってくれたんだよね。
いつものことながら、ほんとに申し訳ないけど、ありがたい。
だから、もうちょっと、頑張らなくっちゃ…。
467:クレパス②
09/02/28 00:41:05 rkpO9fS8
「…パステル」
ふわっとわたしの髪を撫でる大きな手の感触。
うっすら目をあけると、なんだか暗いようなほのかに明るいような視界。
まどろみながらも、その感触があまりに気持ちよすぎてそのまま意識を失いそうになる。
とろんとしたまま夢と現実の曖昧な場所をさまよっていたとき、わたしの唇に何かが触れた。
「…ふにゃ…?」
うっすらと目を開けると。そこにはやさしい鳶色の瞳。
わたしと目が合うと、うれしそうににっこりと笑った。
「おはよ」
「きゃっ!」
一気に現実へと引き戻された。
「クレイ!こ、こんなとこで何やってんのよ!」
身体を起こしてクレイに向き直った。
でもまだ頭は半分寝ぼけていて、熟睡していたせいなんだろう、なにがなんだかよくわかってない。
さ、さっきの、なんだったの?
な、なんでクレイがこんなとこにいるの?
さっと唇に手をやると、口の周りがベショベショに濡れている、と同時にむわっとちょっと生臭いような唾液の匂いが鼻の奥まで広がってきた。
ぎゃーーーーーー!
は、はずかしーーーーー。
わたしったらヨダレ垂れ流して熟睡してたんだ!しかも、クレイがしっかり見てたかもしれない…。
思わず口の周りを両手で隠しながらくるっと後ろを向いた。
「拭いてあげるよ」
そう言いながらわたしの背後からクレイがかぶさって来た。
そのまま回される大きくて太い腕、その手にはタオルが握られていた。
ええ、顔を出せってこと?ヨダレでベショベショに濡れてるんだよ?
ううー、そんな恥ずかしいところ、これ以上見せられないぞ。
そのまま無言でタオルを取って顔に押し付けた。
と、同時にクレイの汗ばんだ酸っぱい匂いと石鹸の匂いが混ざった匂いがわたしの鼻腔をくすぐった。
思わずちょっとドキッとしてしまう。
それにしても、カッコ悪いなあ、わたし。
「ごめん、さっきバイトでちょっと使ったから臭いかもしれないけど」
クレイはわたしの顔を後ろからちらっと覗かせて言った。
それでも身体のほとんどはわたしにくっつけたまま。服越しだけど、久しぶりに感じたクレイの体温に身体が自然に熱くなってくる。
「ううん!…わたし、この匂い、すき」
なんだかたまらなくなっちゃって。
振り返ってクレイの胸にぎゅーっと自分の顔を押し付けた。
「ちょ、パステル!」
クレイがわたしから身体を離そうとしたけど、今度はわたしの腕がしっかりと回されていた。
シャツの下から、むわんとむせ返るように香る汗の匂いと、それと同時に甘いような香ばしいような嗅いだだけでとろけてしまう匂いに、最上級の幸せを感じる。
でも、それと同時に息が出来なくなるくらい、きゅっと心臓を握られてしまう。
クレイの匂いを全身で感じて、まるで守られてるみたい。
クレイは、わたしが自分から抱きついてきたのでちょっと最初は戸惑ったみたいだけど、だんだんと優しくわたしを包み込むように抱きしめてくれた。
ふふっ、しあわせ!
468:クレパス③
09/02/28 00:43:33 rkpO9fS8
「…疲れてる?」
わたしは顔を起こしてクレイを見上げた。
彼は引越し屋さんでバイトをしている。この時期は何かと引越しが多いから毎日大変なんだろうな。いやいや、引越し一件だけでも大変だと思うけど。
「んー、今日は割と楽な方だったんじゃないかな。それより、パステル相当疲れてるんじゃないか?」
「ごめん、ちょっと寝るつもりが、だいぶ寝ちゃったみたい」
窓の外を見ると、いつの間にか外は真っ暗。
気づけばテーブルの上にはクレイが持ってきてくれたのか、明かりが置いてあった。
「みんなは?まだバイト?」
「いや、猪鹿亭。パステル熟睡してたから」
げげ、わたしったら、そんなに寝てたの!?うー、起こされた記憶なんて全然ないぞ。
つくづくカッコ悪いよなあ、わたし。
しかもクレイは、わたし一人を置いて出かけられないからってきっと残ってくれてたんだ。
バイト帰りで、お腹も空いているのに。
「ごめん、クレイ」
そう謝ったわたしに、クレイは返事の代わりに唇を重ねた。
ちゅっと軽く吸われるようなキスに、思わず全身の力が抜けた。
一瞬でわたしから顔を離すとやさしく微笑んだ。
「久しぶりにパステルにこういうこと出来るから、いいの」
うわーーーーーーーーーーーー。
は、恥ずかしい。そ、そういえば、ふ、二人っきりっていうのも、久しぶりかも。
それに、それに、こういうことって…?
思わず想像してしまったわたしの顔はみるみる赤くなっていくのが自分でも分かった。
「でも、パステル。疲れてるだろ?立ち仕事ってきついよな」
わたしが一人で悶々としているのをよそに、クレイが声をかけた。
うう、クレイってほんとに優しい。そういう優しいところが好きなんだよね。
そんなのキスひとつで治っちゃうよ!なーんて思うけど、肉体的にはちょっときついものがあった。
「う、うん…。ちょっと脚がパンパンで痛いんだよね」
タイツを履いてるからあんまり見た目には分からないんだけど、ほんと、足が棒になるとはよく言ったものだ。
469:クレパス④
09/02/28 00:43:59 rkpO9fS8
「じゃ、マッサージしないとな」
「え、う、うん」
そう答えてはみたものの、どうやったらいいかなんてよくわかんないし…。
ただ揉むだけでいいならやるけど、ほんとに効果あるのかなぁ?
そう思いながらなんとなく自分のふくらはぎをもみもみと握ってみる。
「おれがやってあげるから、脱いで」
「えっ!?」
ぬ、脱げって?い、今、脱げって言った?
マッサージってことは脚のマッサージに決まってるけど、でもそれ以外にどっか他にもマッサージするのかもしれないし。関節とか、筋肉が関係してる、とか。
あー、でもでも、今は二人っきりだし、何が起こるかわかんないような状況だし。脱げってことは、やっぱりそういうことなの?
えーっと、ど、どうしよう。ま、まだそんな心の準備っていうものが…。
またしても一人で悶々とするわたし。
そんなわたしをよそに、クレイはわたしのスカートをめくりあげて、タイツのゴムに手をかけた。
「ほら、パステル。腰、浮かせて」
「う、うん」
わたしから皮を剥ぐようにするっとタイツを脱がせていったクレイ。急にひやっとした外の冷気が直にわたしの太ももをなぞった。
うー…、やっぱりそうだったんだ。そうなるんだ。
ど、どうしよう。今日ってちゃんとした下着つけてたっけ?ピンクのだっけ?ううん、それは昨日着たやつだから、えーっと、んーっと…。
一人でえらく別のことを心配していると、クレイはわたしの足の裏に手をやった。
「カチカチだな。ここをやわらかくほぐさないとな」
そう言って硬くなってしまった足の裏のつま先から、丹念にマッサージし始めた。
あれ?
あ、やっぱりマッサージしてくれるんだよね。
あーもう、なに考えてるんだろ、わたしったら。やーらしーなー、もう。
一日中立ちっぱなしで固まってしまった足の裏に、クレイが自分の指の第二関節でぐいぐいっと押した。
たまに、それが土踏まずのやわらかいところを刺激されると、飛び上がるくらいに痛かったんだけど。
丹念にゆっくりマッサージしてくれたおかげで、だいぶ楽になってきた。
「ふー、ありがと、クレイ」
クレイはうれしそうにうなずいた。
「じゃあ、今度は足首からふくらはぎだな」
そう言ってわたしの正面に向き直った。
ぎゅっと足首を握られ、そのまま絞るようにぎゅっ、ぎゅっと握る。
力加減が絶妙で、ちょっと刺激がたまらなくいい。イタ気持ちいいって言うのかな。
「クレイ、ほんとに上手だね!」
そう言うとちょっと照れくさそうに笑った。
「痛かったら、言ってくれよ。力加減、人にやってるとあんまりわからないから」
「大丈夫。すーっごく、楽になってきたもん。それよりも、どうして、こんなこと出来るの?」
「なんとなくね。ま、自己流なんだけど。でも、効果は抜群だぜ」
「そうなんだ」
なんてことを話しながらも、クレイはずーっと休まずにわたしの足を揉み続けた。
帰ってきたときの脚と比べたら、断然楽になった。だって、パンパンにむくんじゃって、足首なんかどこへ行っちゃったの?って位に腫れてたもんね。
ぎゅっと指で押さえたら、そのままくっきりと痕が残っちゃうくらい。
こんなに長いことマッサージしてもらったのなんて初めてだった。
指とか腕とか疲れちゃうんじゃない?ただでさえ疲れて帰ってきてるのに。
そんなことをクレイに言ったら、「おれは大丈夫。さ、こんどは肩だから」なんていってくれるんだもん。思わずそれに甘えてしまった。
「横になった方が、パステルも楽だよ」
そう言ってうつぶせの姿勢で寝転ばされてしまった。こうしてると、再び睡魔が襲ってきそうになる。
わたしの身体にクレイがまたがるような姿勢(と、いってもクレイの身体は浮かせてくれていた)で再び肩を揉みだした。
「ふーっ」
思わずため息が出ちゃう。
クレイってほんとに上手なんだね。
そのままじっくりと肩から上腕までゆっくりとぎゅっ、ぎゅっとほぐされていく。
身体の疲れのかたまりなんてどっかいっちゃいそうだ。
やさしく、たまに強くわたしのツボを知り尽くしてるように刺激してくるんだもん。
だんだんとクレイの手が背中からゆっくりと下のほうに移動し始めていく。
そうそう、脚だけじゃなくて手も使うんだよね。
んー、だんだん力が抜けてきたぞー…。そ、それに、なんだか…ねむたくなってきちゃったかも…。
半分まどろみながらクレイのマッサージをされてたんだけど、なんだか身体がほんのりあったかくなってきた。
いや、熱くなってきたのかな。それに、なんだか、変な気持ち。
クレイの手が腰から下を指圧してるんだけど、身体の内側から熱くなってきて、なんだか息苦しくなってきた。
470:クレパス⑤
09/02/28 00:47:29 rkpO9fS8
「…んふぅ」
溢れるように漏れ出したのは、自分でもびっくりするくらいのいやらしい声。
どうしたんだろ、ただ身体をほぐしてもらってるだけなのに。
どくん、どくんと心臓が大きな音を立てている。
衝動がつきあげてきそう。
そのままクレイに身を任せていると、急に下着の上からあそこの筋をすっとなぞられた。
「ひゃあぅっ!」
びくっと反応する身体。
それと同時に全身を駆け抜ける快感。
「パステル…」
クレイは荒い息を吐きながら、わたしの上に被さった。首を片手で持ち上げられると、唇にクレイがしゃぶりついてきた。
ぐちゅ、じゅるっと音を立てながらお互いを食べるような激しいキス。
唾液を転がしながら、舌でまさぐりながら、お互いを激しく求め合う。
キスしている間も、もう片方の手でわき腹を撫でるようにふわっと触られる。うう、くすぐったいようでなんだか気持ちいい。
「…んんっ」
唾液まみれになりながらキスをしている最中も、クレイはわたしへの愛撫をやめようとはしない。
おしりを円を描くようになぞったり、ぎゅっと握ったり。
おしりの付け根からあそこの近くの肉をふにっと握られると、身体は正直にびくんと反応する。
ぷるぷるとしびれるような刺激。なんだか感じすぎてトイレに行きたくなっちゃう。
「ク、クレイ…うっ」
べちょべちょになった顔を起こすと、クレイはなんだかぼんやりとわたしをみつめている。
そのまま身体を起こすと、今までお尻を撫でていた右手をゆっくりとわたしの太ももの間に滑らせてきた。
「…ひっ」
触れてるか、触れてないかわからないような感覚。
なんだかくすぐったいんだけど、もっと触ってほしくなっちゃう。
太ももの奥のほうでは、熱を持ちながら蜜が溢れるように流れ出している。
「ああん、クレイ…」
だんだんと身体をわたしの下半身に移動させながら、クレイはもう片方の手でわたしの服をめくり上げ、ブラジャーをしたままの胸をあらわにさせた。
「んっ」
すすす、っとブラの隙間から入り込むちょっとごつごつした指。
ぷにゅっと乳房に触れたかと思ったら。
わたしの小さな胸の小山の周りをそっと撫でたり、一番敏感なところを避けるようにやさしく撫でるだけだった。
ううー、なんだかまどろっこしい。もっと触ってほしいのに。
こうしてる間にもじゅわっと下半身が濡れそぼっているのがわかる。
ゆっくり時間をかけながら、クレイはわたしの色んなところを撫でたり、自分の唇を這わせてわたしの秘部へとたどり着いた。
そこには、大きなシミを作った水色のパンティがスカートの間から顔を覗かせている。
「あーあ…パステル、こんなに濡れて…」
クレイはわたしの太ももの間から顔を覗かせながら言った。
ううう、そんなところから見ないでよう。そんなこと言わないでよう。
ちょっとの羞恥心がさらに神経を高ぶらせる。
そしてパンティの隙間からするっと指を入れたかと思うと、にゅるっとわたしの愛液でいっぱいになったそこに触れた。
「ひぃいいん!」
今までに感じたことのないような快感が身体の奥底から電流になって駆け巡った。
爪先がぴいんと伸びていく。
471:クレパス⑥
09/02/28 01:00:24 rkpO9fS8
「パステル、感じてるのか…?」
はあはあと荒い息遣いのクレイ。ほの暗い部屋の中でも、ちょっとクレイの顔が赤く染まっているのがわかる。
わたしはコクンと首を縦に振った。
体中が甘くしびれている。
「んっ…」
どうにかしてほしい。頭の中までおかしくなっちゃいそうなんだもん。こんな風に理性がとんじゃいそうになるなんてこと、今までなかったのに。
カチャカチャっと部屋に響く金属音。
この時間が、本当にじれったい。ああっ、クレイ。
ファスナーを降ろすと、今にも飛び出しそうにぱつんぱつんに膨らんでいるボクサーパンツ。それをそのままぐいっと下げると、びよん、としなりながらクレイのペニスが飛び出してきた。
ズボンを脱ぎ捨てて、わたしの前に向き直ったクレイ。そのままわたしの脚をがっと広げると、腰を近づける。
わたしもそれに応じて自然と腰を軽く浮かせたいところなんだけど。
で、でも、クレイ…。わたし…。
「ほら、パステル、パンツ穿いてたら出来ないぞ」
「えー、クレイ、脱がせて…」
自分で脱ぐなんて、なんか積極的すぎるよね。恥ずかしいんだもん。
甘えたように言うと、クレイは「…しょうがないな」と言ってずるっとパンティを脱がせてくれた。
そのままスカートを腰までたくし上げて、わたしの腰を掴む。
「うっ」
決壊したようにあふれ出す蜜に身体を震わせる。
思わずちょっともぞもぞと身体をよじった。
「ふう」
一息つくと、クレイは自分のペニスの竿を持って、わたしの中に入れようとした。
下腹部にぐっと力が入る。
が、クレイは亀頭でわたしの入り口をなぞっている。ヌラヌラと濡れた亀頭が触るたび、わたしの頭の中が狂ってしまいそうだ。
ねえ、早く挿れて!
そう言えたらどんなに楽だろう。
「ああん、ねえ、クレイ…」
「…なに、パステル」
「……んっ」
「…何?黙ってちゃわからないよ」
そう言いながら、またまたわたしの割れ目をなぞった。
入れるようで入れない、いつもの優しいクレイにしてはすっごく意地悪な気がした。
「…やだぁ」半分泣きそうになりながらつぶやいた。
「何がいやなんだ?」
入れて、なんてこんなこと言えないよ。
472:クレパス⑦
09/02/28 01:00:47 rkpO9fS8
「……!」
先っぽがにゅるっと微かに入った感覚がした。が、それもすぐに抜き出されてしまう。こんなにじらされて、ほんとにどうにかなっちゃいそうだ。
「いやぁ…、い、れてぇ…」
思わず本音が出てしまった。
わたしの顔を見るとクレイは満足そうに笑って深く腰を沈めていった。
ずん!
「んああああああっ!」
わたしの中に広がっていく、クレイの甘い痛み。
開放されるように、そのまま理性と意識はスパークした。
それからわたし達が果てるまでそれほど時間はかからなかった。
そして、わたしは初めて到達した感覚に、まだ頭の中がぼんやりしている。
顔に手をやると、そこには白濁色の液体に姿を変えたクレイの想い。少し手に取ると、鼻を突き刺すような生臭いなんともいえない匂いが鼻腔まで突き抜ける。
でも、なんだかとっても愛しい匂い。
舌ですくって口の中にどろんとした液体を入れる。そのままゴクっと呑み込むと、喉を突き刺すような刺激がした。
ちょっと辛いし、喉はイガイガする。はっきり言って気持ち悪いけど、クレイのだから、と思うとなんだか後をひくような感じがする。
「パステル…」
「…へへ、なんだかマッサージどころじゃなくなっちゃったね」
わたしたちは布団の中で抱き合いながら言った。
「でも、こういうマッサージも、たまには悪くないだろ」
ちょっと照れながらクレイは笑った。
うん、って言うのがちょっと恥ずかしい。
「今度は、優しくしてね」
ちょっと口を尖らせて言うと、クレイは意地悪っぽく笑って答えた。
「エッチなパステルってかわいいな」
「んもー!恥ずかしいってば!」
そう言ってわたしはクレイの胸に顔を押し当てた。
さっきよりもより感じるクレイの匂い、このままずっといたいって、心からそう思った。