【ここで】フォーチュンクエスト13【ない場所】at EROPARO
【ここで】フォーチュンクエスト13【ない場所】 - 暇つぶし2ch182:名無しさん@ピンキー
08/12/14 20:32:23 EfiLZ8N/
>>180感想ありがとうございます。
「また」はご想像にお任せしますw
こんな細かい所にまで反応していただけると書き手冥利に尽きますよw
>>181ありがとうございます(・ω・)/

流れに乗ってリクです。
他の書き手さんが書いたギア×パスが読みたいです。
保管庫にある途中で終わってるギアパスの結末も気になります。

希少カプと言えば、保管庫のキットン×サラディーの土地が究極だと思うw

183:名無しさん@ピンキー
08/12/14 20:57:53 GRkg0ZCh
>>182
乙ですた

>キットン×サラディー
あれはワロタwwwwwww

面白そうなのに途中で終わってんの多いよなー
遅くなってもいいから読みたいお

184:名無しさん@ピンキー
08/12/14 23:02:54 xLkdiXvG
以前FQに初めて目覚めた頃、
ヒュー・オーシを超ダンディにしてパステルがメロメロになるSSを書いたことがある
何を血迷ってそんなものを一生懸命書いたのか・・・
流れでそんな黒歴史を思い出してしまったよorz

185:名無しさん@ピンキー
08/12/15 04:41:53 NHv/TByq
>>184
ごめんワロタwwwww
読みたいwwwwwwwww

186:名無しさん@ピンキー
08/12/15 11:26:33 kawSncgw
幸せな3P確かにイイ!(゚∀゚)
共有編を思い出すな。あのある意味壊れた幸せっぷり最強

クレトラパスでない3P・・・パステルは確定要因として
クレギアパス?トラギアパス?クレアルパス?アルイムパス?アルトラパス?
ギアダンシミパス、トラオーシパス、オーシヒューパス(怖えな)
なんか呪文書いてる気分になってきたw
でも
キットンノルが絡んだ途端カオス化確定www

187:名無しさん@ピンキー
08/12/15 14:57:24 rQf25V4B
わろたwwwwwwwww


トラギアパスはあったね
喧嘩になりそうとか思ってたけど普通に面白かった
幸せな場合は同性2人の仲が良い+同性2人が異性1人を純粋に好き
このへんが条件なのかな?別に同性3人でもいいけど
あと3人の合意か

>ギアダンシミパス
これいいなー

188:114
08/12/15 23:43:35 oyfRwvrD
自分114ですが
ちょっとネタ思いついたので書いてみました。
ギア×パステル×ダンシング・シミターで
幸せ? 少なくともどろどろ不幸ではない3Pです。

189:ギア×パステル×ダンシング・シミター 1
08/12/15 23:44:41 oyfRwvrD
 短期間でお金を稼ぎたい人、大募集!
 その店に足を向けたのは、扉や壁、一面にべたべた貼られた、そんなチラシに目を奪われたから、だった。
 近づいて覗き込んでみる。そこに書かれていたのは、一時間で何千ゴールドとか、普段わたしがやってるバイトとは桁が二つくらい違う金額。
 え、嘘! 見間違い? あるいは一時間じゃなくて日給の間違いとか……いやいや日給だとしても凄く美味しい話だぞ? なんて思いながら「じーっ」とチラシを見つめていると、いきなり「ぽん」と肩を叩かれた。
「お姉ちゃん、お金欲しいの?」
「え、はい?」
 声をかけてきたのは、うーん何と言えばいいんだろう。一言で言えば、人相のよくない人だった。
 全身を黒いスーツで固めていて、あまつさえ顔の半分は真っ黒なサングラスで覆われている。とどめとして、ほっぺたに走っているのは……ナイフ? か何かでできたと思しき傷跡。
 でも、口調は優しかった。サングラスのせいで目つきとかはよくわからないけれど、わたしが身を固くしたのを察したんだろう。「ごめんね、驚かせた?」と、ぺこぺこ謝ってくれた。
 うう、そんな風に謝られると、こっちが悪いことをした気分になるなあ。まあ、人を見た目で判断しちゃいけないよね。
「いえ、すいません。いきなりだったから、驚いて」
「いやいやそうだよねえ。ごめんねえ。あのさ、俺、ここの店で働いてるんだけど」
「はあ」
 ここの店、で指差されたのは、わたしがさっきから熱心に眺めていたチラシが貼ってある、あの建物だった。
「チラシ見て、来てくれたんだよな? お姉ちゃん、お金が欲しいの?」
「え? えーと……まあ……」
「へえへえ! ふうーん」
 曖昧に笑うわたしを見て、男の人は、じろじろとわたしの全身を眺め回した。
 うう、この人、このお店の人だったのかあ。もしわたしがここにバイトに入ったら、この人と一緒に働くことになるのかなあ? それはちょっと怖い……いやいや、でも人は見かけによらないって言うし。
 それに、正直お金は欲しい。というよりも、今日明日にも稼いで来ないと宿代さえままならない! って状態なんだよねえ。
 何でこんなに貧乏なのかって? いつものことだし理由もいろいろ。誰かさんがギャンブルで、とか、人のいい我がパーティーのリーダーが困ってる人を見捨てておけなくて、とか、薬草やキノコの話になると周囲が見えなくなる人が後先考えずに……とか。
 ……でも一番大きいのは、財布を預かっているパーティー会計担当が、肝心の財布をどこかに落としたっていうのが多分……あああ本当にごめんなさい!!
 とまあそんなわけで。わたしは何とか短期間で稼げないバイトはないかなあ、と探している最中だった。
 いや、もちろんバイトより先に落とした財布を見つけようとはしたんだよ!? でも、村中探したのにどうしても見つからなくてさあ……多分、誰かに拾われちゃったんだろうなあ。うう、今月の生活費が全部入ってたのに……
 優しいみんなは、「みんなで頑張ろう」「誰にだって失敗はある、反省して次に生かせばいいんだ」って言ってくれたけどさあ。やっぱり、いくら何でも申し訳ない。
 ついでに、若干一名からは、「甘い甘い甘い」と指をつきつけられて「本当に悪いと思ってんなら金を稼ぐ手段くらいいくらでもあんだろ! それをちっと財布が見つからなかった時点で泣きついてくるのがまず甘いっつーんだ!」と怒鳴られてしまった。
 もっとも「ギャンブルで金を使い込んだお前が偉そうなこと言うな」ってみんなからどつかれてたけどね。でもまあ、確かに彼の言うことも一理ある。
 ごめんって謝るのは簡単。謝ったら優しいみんなを「いいよいいよ」って言わざるを得ない。それに甘えるのってすごく卑怯だよね。
 だからこうして、時給の高いバイトを探し歩いていたわけ、なんだけど……
 知らなかった。シルバーリーブにこんないいアルバイトがあったんだ!? どんな仕事なんだろう?

190:ギア×パステル×ダンシング・シミター 2
08/12/15 23:45:40 oyfRwvrD
「うーん、ま、いいだろ! 合格!」
「え、はい?」
 なんてわたしが回想にふけっていると、唐突に「ぽんぽんっ」と頭と肩を叩かれた。
 え? え? なんて疑問を上げる暇もない。怖い顔の男の人……店長さん? は、長々とわたしを眺めた後、実に満足そうに頷いていた。
「いいよー。ちょーっと痩せすぎな気もするけど、君、化粧映えしそうだし」
「は、はあ」
「いいよ、合格ってことにしてあげる。お姉ちゃん、今日から早速働ける?」
「え……ええ!? 働かせてもらえるんですか!?」
 けれど、微かな疑問なんて、続いた言葉で一瞬にして吹き飛んでしまった。
 嘘、雇ってもらえるの!? え、だって一時間に何千ゴールドですよ!? 正直2、3時間も働けば、落とした財布に入ってた金額にお釣りが返ってくるって!
 面接らしいことなんか何もしてないけど……い、いいのかなあ?
 いやいや、迷ってる場合じゃないでしょ、パステル。こんな幸運、そうそうあることじゃない。時給がいいってことは、仕事内容はそれなりにきついだろうけど、でも、冒険者だもん。きつい労働なんて慣れてるし! 何とかなるでしょう!
「は、はい! 大丈夫です! お願いします!」
「おお、本当に? 助かったよお。若い子が少なくて困ってたんだ。じゃあ、早速……」
 そう言って、店長さんがぐいっ! とわたしの肩をつかんだときだった。
 突然、背後から伸びてきた大きな手が、店長さんの手首をつかみあげた。

「う、えええ? あ、あのあのあの?」
 全く、突然何が起きたのやら!?
 一瞬で起きた出来事は、正直、わたしの理解を超えていた。
 突然伸びてきた腕が、店長さんの手首をつかんで、同時にわたしの身体を引き寄せた。
 すごい力だった。逆らうことなんてできそうもない。正面に立っていた店長さんも驚いたんだろう。わたしの背後を、凄く怖い顔でにらみつけていて……
 けれど、その表情が怯えたものに変わるのに、一秒もかからなかった。
「あ、あんたは……」
「ほおう。たったの一時間でこの給料か……おたくの店は、よっぽど金が有り余ってるらしいな」
「え、い、いや……」
「俺は商売のことに口を出す気はない。雇う側の利益と雇われる側の利益が一致したのなら、どんな非合法な取引だろうが俺には関係ないことだからな。が……この娘は、まあ……そう、俺の連れと顔見知りでな」
「つ、連れ!? あんたの連れって、まさかっ……」
「そう、そのまさかだ。だが、俺は親切だからな。お前がこの娘に『仕事』の内容をちゃんと説明して、それに見合った給料を払うつもりもあり、この娘がそれに納得したと言うのなら、連れには黙っておいてやるが。どうする?」
「か、勘弁してくれっ!」

191:ギア×パステル×ダンシング・シミター 3
08/12/15 23:46:49 oyfRwvrD
 ばんっ! という音と共に、目の前で、ドアが閉じられた。
 え、ええっと……何が、どうなっているのやら? っていうか、えー!? わ、わたしのバイトは!?
「あ、あのあのあの!?」
「ったく……ガキがこんなとこで何をやっているんだ」
「あなたは!?」
 ぐいぐいと乱暴に腕を引かれて。わたしは、今更、その人が誰なのか、に気づいた。
 見上げるような長身と鍛え抜かれた身体。身に着けているのはやけに特徴的な剣。そして何よりも忘れられないのは……綺麗にそり上げられた頭から、長く長く伸びたみつあみ!
「ダンシング・シミター!? な、何であなたがここに!」
「それはこっちのセリフだ。何でお前がこんなところにいるんだ」
「こんな、って……ここはわたし達が拠点にしてる村で……ええと、あの、それよりも! あなたがいるってことは、もしかして!?」
「ああ」
 抗議と疑問とその他色々な感情をこめた質問に、以前知り合った冒険者……ダンシング・シミターは、ちらりと視線を向けた。
「とりあえず。こんなところで騒ぐのはやめろ。俺が淫行罪で捕まるだろうが。落ち着いて話せる場所に連れていってやるから、少し黙ってろ」
「……はい」
 ぎろっ、と怖い目で睨まれて。わたしは、蛇に睨まれたカエルのごとく、こくこくと頷いた。
 うーん! 悪い人じゃない、はずなんだけどなあ。でも、出会いが出会いだったからかな? やっぱりちょっと……怖い、かも。

「遅かったな、ダンシング・シミター。何をし……」
 ダンシング・シミターが連れて来たのは、シルバーリーブの中では一番の高級宿(もちろん、わたし達は泊まったことがない)の一室だった。
 受付を素通りして、まっすぐに最上階の部屋へ向かう。ノックもなくドアを開けた瞬間飛んできたのは、ある意味……予想通りと言えば、予想通りの声。
「ぱ……パステル!? 何であんたがここに……」
「ぎ、ギア!」
 いつか再会することはあるんだろうか……なんて思っていたけれど。まさか、こんな形で再会することになるとは思わなかった。
 ギア・リンゼイ。以前、わたし達を助けてくれた、黒衣の冒険者。
 そして、わたしにとっては、忘れられない思い出を与えてくれた人……だったりする。
 ぼんっ! と頭に血が上るのがわかった。うわーん! こんなときに、こんなときに! とは思うけど! やっぱり……恥ずかしいっていうか、気まずいっていうか……
 わたしが困っているのがわかったんだろう。ギアは、しばらく戸惑いの視線を向けていたけれど。やがて、わたしの隣で仏頂面をしているダンシング・シミターへと視線を移した。
「……何があった?」
「こっちが聞きたい。この小娘がどこに居たと思う」
「? い、いや……そもそも、何でパステルがここに居るんだ?」
「ええと……シルバーリーブは、わたし達が拠点にしてる村で……もうすぐ冬になるから、クエストに出るのは危ないし。アルバイトをしてこの冬を過ごそうっていうことになって……」

192:ギア×パステル×ダンシング・シミター 4
08/12/15 23:47:39 oyfRwvrD
 ぼそぼそと事情を説明すると、ギアは「ああ、そうなのか。ここが……」と顔をほころばせたけれど。
「ギア。お前、俺が今雇われてる店を知ってるな?」
「? ああ」
「その向かいの店が何をやってるところか知ってるか」
「…………?」
「こいつはそこにバイトに入ろうとしてたんだぞ」
 ダンシング・シミターの一言で、「びしっ!」と表情を凍りつかせていた。
 え……えーと。な、何でしょう? この気まずい沈黙は。
 確かに今日、わたしが歩いていた辺りは、この村を拠点にすると決めたとき、オーシやリタから「絶対に近寄っちゃいけない」って言われた界隈だった。
 いや、けどさあ! 村のめぼしいバイト先はどこもそんなにお給料がよくなくて……実は、以前トラップがあの辺りで一時的にバイトしてたことがあったんだけど。そのときに「結構稼げた!」って騒いでたからさ。わたしも……って……
「パステル……ね、念のために聞きたいんだが。あんたは、あの辺りの店が何を商売にしているか知ってるのか?」
「え……? う、ううん。全然……けど、お給料が良かったから」
「い、いくら金のためとは言え何を考えてるんだ! あいつらは知ってるのか? クレイやトラップは何をやってるんだ!?」
「えと……多分、みんなバイトを探してるんじゃないかなあ。いや、でもね、ギア! た、確かにあんなにお給料が高いんだから、危ない仕事なんじゃないかなあって言うのはわかるけど! でも、ちょっとくらい危なくてもやらなきゃいけないの!」
「ちょっとじゃない! パステル、あのな……」
「まあ、待て、ギア」
 何だかやけに慌てふためくギアを制して、ダンシング・シミターは、くっくっと面白そうに笑った。
「まずは事情を聞こうじゃないか。おい、お前。金がいるとか言ってたな。一体何があった?」
「え、えーと」
 うう、改めて説明するとなると恥ずかしいなあ。でも、まあ何だか助けてもらった? みたいだし。言わないわけにはいかないよね。
 そんなわけで、わたしは事の経緯を二人に説明した。色んな人の不運やら何やらが重なったことに、とどめとしてわたしがお財布を落としたことまで、ぜーんぶ。
 最後まで説明すると、ギアは椅子の上で崩れ落ち、ダンシング・シミターはお腹を抱えて大爆笑した。
 そ、そんなに笑うことないでしょー!?
「も、もう! 笑わないでよっ! とにかく! そういうわけで。わたしのせいだからお金を稼がないといけないの。この季節に野宿はいくら何でも辛いし! さっきのところでバイトさせてもらえば、落としたお金なんて一日で取り返せるし!」
「あ、あのなあ、パステル……」
「ひーっひっひ……はっ……はははははは!! 全く! 何ともお前ららしい!」
 実に情けない顔をするギアの肩に手を置いて、げらげら笑うのはダンシング・シミター。そう言えば、この人見かけによらず笑い上戸だったんだっけ?
 うー、これだけ笑われるとさすがに腹が立ってきたなあ。でも、笑われても仕方ないもんね。はあ。
「えっとね、そういうことなの。あの……久しぶりに会えたんだしさ。夕食でも! って言いたいけど……ごめんね、ギア。わたし達、本当に今、余裕が無いんだ! こうしてる間にもみんなに迷惑かけてると思うから、このお礼はまた……」
「待て」
 とにかく、説明するだけはしたんだから、もういいでしょう、ということで。
 きびすを返そうとすると、今度はギアに肩をつかまれた。

193:ギア×パステル×ダンシング・シミター 5
08/12/15 23:48:47 oyfRwvrD
「ギア?」
「いくらだ」
「はい?」
「いくらあれば、あんた達は助かるんだ?」
「はい?? ギア?」
「おいおい、ギア」
 ずいっ、と詰め寄るギアに目を白黒させていると、ようやく笑いが収まったらしいダンシング・シミターが、呆れたようにつぶやいた。
「お前、まさか肩代わりしてやろうなんて考えてるんじゃないだろうな」
「うええ!?」
 とんできた言葉に、わたしは、思わず足を止めた。
 肩代わり……って、それって!?
「パステルがあんなところで働くのを黙って見ていられるわけないだろう!?」
「ちょっ……だ、駄目だよギア! そんなの駄目だって!」
 やけに強い口調で言い切るギアに、わたしは慌てて首を振った。
 いや、そりゃあ、そりゃあさ? 正直に言えば助かるけど……でも、前みたいに騙されて借金を背負わされた……ってわけじゃない。完全にわたし達自身が招いたピンチなのに、肩代わりなんて!
「大丈夫だってギア! 心配してくれるのは嬉しいけどさあ! 理由もなくお金なんてもらえないよ!」
「理由ならある! 止めるなダンシング・シミター。お前に迷惑はかけん」
「当たり前だ。かけられてたまるか。そうじゃなくて落ち着け、ギア」
 ぶんぶん首を振るわたしと今にも財布を押し付けそうなギアを交互に見やって。ダンシング・シミターはため息をついた。
「お前、今何をしようとしてるのかわかってるのか? こいつも言っただろうが。理由もなく金を与えるというのは、それはつまり施しを与えるって意味だろうが? ひよっこのこいつらにだって、矜持ってもんがあるだろう。それをわかっているのか?」
「……やる、とは言っていない。貸すだけだ」
「それでいつ返してもらえるんだ? こいつらがお前に金を返す余裕ができるまで、ずっとこの村に居座るつもりじゃないだろうな」
「…………」
 ダンシング・シミターの言葉に、しーんと重たい沈黙が立ち込めた。
 うう……言うまでもないけど……例え貸してもらうにしろ、わたし達にそれをすぐ返す余裕なんて欠片も無いです、はい。
「だ、だから、いいってば! 本当にいいんだって! わたし達、バイト三昧には慣れてるからさあ。本当に心配しないで!」
「……パステル。いや、多分あんたはわかってない。いいか? あんたがバイトしようとしてた店。あそこはな……」
「まあ、とは言え」
 きっぱり断るわたしに、ギアが何やら説明しようとしたときだった。
「とは言え。確かにこの何も知らないネンネをあの店に放り込むのは、賛成できんな。寝覚めが悪い」
「そうだろう? いいか、パステル。返すのなんかいつでも構わない。余裕ができたときに、冒険者グループにでも伝言を残してくれればいい。幸い俺達は傭兵だからな。金を稼ぐ手段には困らない。あんたは何も気にすることは……」
「だからお前は浅はかだと言うんだ」
 再び詰め寄るギアをはたいて。ダンシング・シミターは、さらに続けた。

194:ギア×パステル×ダンシング・シミター 6
08/12/15 23:50:13 oyfRwvrD
「あの大所帯パーティーの面倒を一冬ずっと見てやるつもりか? お前はそれでも傭兵か、冒険者か。見返りもなく易々と金を出すな。さっきの言葉をもう一度言ってやる。お前には、冒険者としての矜持はないのか」
「…………ダンシング・シミター。いや、お前の言いたいことはわかるが……しょうがないだろう。今回のことは……」
「待て待て。話を最後まで聞け」
 全く、何が何やら?
 ギアとダンシング・シミターの会話に入れず。かと言って帰ることもできず。わたしはただただ、目の前の展開をぼーっと眺めていることしかできなかった。
 ふう、何でこんなことになったんだろう? わたしはただ、いいバイトは無いかなあって村を歩いてた。それだけだったのになあ。
 というより。ギアが好意で言ってくれるのはとても嬉しいけど、わたしとしてはダンシング・シミターの意見に賛成だった。
 確かにそうだよ。自慢じゃないけどわたし達って人数だけは多いからね。全員が一冬越す金額って言ったら結構な額になる。
 昔助けてもらったからって、ううん、助けてもらったからこそ。無条件にお金を貸してもらうなんて、できるわけがない。
 早くダンシング・シミターがギアを説得してくれないかなあ、と思っていると。
「だから、だ。俺も金を出す」
 とんでもない意見が飛び出して。わたしの目は、完全に点になった。
「……は?」
「おい?」
「もちろんタダじゃ出さんぞ。こいつは少々辛くてもきつくても時給の高いバイトを探していたんだ。だったら、俺達がこいつを雇ってやればいい。簡単なことだ」
「ダンシング・シミター?」
「あのときはどたばたしていたからな。じっくり話す余裕もなかったが……」
 そう言って。
 ダンシング・シミターは、初めてわたしに視線を向けた。
 その目つきは……何だろう。値踏みしている、ように見えるのは……わたしの気のせいでしょうか、ねえ。
「こうして見ると、ガキくさいが、立派な女じゃないか」
「ダンシング・シミター!?」
「世間知らずだが冒険者として最低限の矜持と度胸も持ってるようだ。お前が気に入るのもわかる」
「おい、お前!」
「それとも何だ。お前は嫌なのか。言っておくが、こいつは多分ただ金をやると言っても受け取らんぞ」
 なあ? と話を振られて、わたしは反射的に頷いた。
 何だかわからないけど、それだけは絶対だった。仮に受け取ったとしても、事情を話せばクレイは絶対「返して来い」って言うだろう。トラップはわからないけどさ。
「駄目だよ、ギア。ダンシング・シミターの言う通り。理由もなくお金なんて受け取れない」
「……だ、そうだ。だがお前はこいつらを助けてやりたいんだろう? だったら俺の案が一番いいと思わんか」
「…………」
「それとも、ここを出た後、こいつがあの店に向かうのを黙って見送るか? どんな奴を相手にさせられるかわかったもんじゃないぞ」
「!!」
 びくり、と、ギアの肩が震えた。

195:ギア×パステル×ダンシング・シミター 7
08/12/15 23:51:44 oyfRwvrD
「それとも……だ。お前はこいつ相手じゃ不満だと? ならお前は無理しなくてもいいぞ。俺一人で」
「ダンシング・シミター」
 ……どす黒いオーラがギアの身体から立ち上った、と見えたのは、わたしの気のせいだろうか。
「本気なのか?」
「……剣を握るのはやめろ。お前と本気でやりあったら冗談抜きで殺し合いになりそうだ。質問ならこいつにしろ」
 ずいっ、と立ち上がるギアを適当にあしらって。ダンシング・シミターは、ひらひらと手を振った。
「聞けばいい。こいつが金を必要としていて、だがお前から施しを受けるのは拒否している。それが現実だ。あの店で働くのと俺達を相手にするのとどっちがマシか、あるいはこのまま野垂れ死ぬか。こいつに好きな道を選ばせろ」
「…………」
「お前が嫌だというのなら俺は一人でも一向に構わんぞ?」
「……嫌なわけが……あるか」
 ダンシング・シミターの質問に、重苦しくつぶやいて。ギアは、ため息をついた。
 そして言った。
「……パステル」
「うん。何?」
「あんた……俺達に、俺とダンシング・シミターに雇われる気は、ないか?」
「雇うって……ギア達が、わたしを?」
「ああ。一晩……俺は五千出してもいい。ダンシング・シミター。お前は?」
「……こんな何も知らなさそうなガキにその値段か? 待て睨むな。わかった。言い出したのは俺だからな。お前よりも安い値をつけるわけにはいかんだろうが。同じだけ出してやる」
「だ、そうだ。二人合わせて一万ゴールド出す。どうだ?」
「い、一万っ!?」
 提示された金額に、思わずのけぞってしまう。
 だ、だって一万って! みすず旅館が一人一晩100ゴールドなんだよ!? それを……
 いや……正直、物凄く、物凄く心は揺れてる! けど……
「一万って……雇うって言ってたけど。ギア……わたし、何をすればいいの?」
「あんたが嫌なら断ってくれていい。無理強いする気はない」
「えっと……だから、何をすればいいの?」
「だから、その……」
「まどろっこしい奴だな。言葉を繕ったってやることは一つだろうが」
 わたしが顔いっぱいに疑問符を浮かべていると。要領を得ない話に苛立ったんだろう。ダンシング・シミターが、ギアを押しのけるようにして、前に出てきた。
「単純なことだ。お前、一晩俺とギアのベッドの相手をしろ。それで一万ゴールド払ってやる。どうだ? 簡単な話だろう?」

196:114
08/12/15 23:55:20 oyfRwvrD
今日はここまで。何か長くなってしまった。読み辛くてすいません。
一応朝チュンじゃなくてエロシーンに挑戦してみる予定です。

他にも酔っぱらったクレトラにレイープされたパステルがショック受けて逃げ出したところを
ギアとダンシミに発見されて、とか
借金の方に娼館に売り飛ばされそうになったところをギアとダンシミに助けられて、とか
そういうネタも考えたんですが
パステルが可哀想なネタになりそうなのでやめました。
自分も保管庫の「共有編」大好きなので、幸せなエロ目指して頑張ってみます。

197:名無しさん@ピンキー
08/12/16 01:56:39 W0x4HIHx
GJGJ!!!
続き楽しみにしてる!

198:名無しさん@ピンキー
08/12/16 04:29:40 rcFP0NxC
GJGJGJGJGJGJGJ!
ちょwwwギアwww
何てことをwww
続きが楽しみ!

199:名無しさん@ピンキー
08/12/16 07:35:16 s9HO/gXa
正座で待機してます

200:名無しさん@ピンキー
08/12/16 11:55:56 uJpRJOyz
>>188
ぎゃああああなんというGJ
早速読めるとは思わなかった
ほんとありがとう、続き楽しみにしてます
この3人好き

201:名無しさん@ピンキー
08/12/16 12:08:32 uJpRJOyz
>>196
いろいろ考えてくれてありがとう
読みたいと思ったけど、どうやったらギアダンシミパスで幸せな状況ができるか
自分は想像つかなかったんだが上手いなー
キャラや感情変えないでほのぼのしてていいね

202:ファーファ
08/12/16 14:36:50 Y4YakA6A
はじめまして。
3Pで盛り上がってるところをぶった切ってすみません。
>>180で他の方の書いたギアパスを…とのことでしたので、初めて書いてみました。大変お目汚しで申し訳ないですが、読んで頂けると嬉しいです。

原作新2巻が舞台です。
ギアパス、微エロです。
エロ以外の部分も多くなってしまいました(汗)

203:ギア×パス@新2巻①
08/12/16 14:42:06 Y4YakA6A
ギアはたくさんのオーナリの実を持って戻ってきた。
逃げ遅れたんじゃないか、って心配してたわたしに対してトラップがひどい言い方をしたもんだから、思わずかっとなって言い返してしまった。

だって『いなくなってラッキーだな』とか言うんだもん!
彼の口の悪さは天下一品だけど、言っていいことと悪いことがある。
さっきまではトラップの態度に対して落ち込んでたけど、今は何でそんな言い方するんだろ!って少し腹ただしかった。

んもー。

よってまた、わたし達はすごーく気まずい雰囲気に。

はぁぁ。


わたし達はグリムラの店を後にし、森の中を歩いていた。
オーナリもここで初めて食べたベルルもおいしかったんだけど、さっきの言い合いがあってからなのか、何となく胸がつっかえてる感じがした。

「ぱぁーるぅ!おーなぃ、もっとたべうー!」
わたしのすぐ横を歩いていたルーミィが急に騒ぎだした。
「ほら、ルーミィ。ベルルの実ならここにいっぱいありますよ」
キットンがベルルの房を持ってルーミィを呼んだ。
「べううちがうのー。おーなぃ、もっとたべうのー!」
彼女、こう言い出すと聞かないんだよね。
「じゃ、ルーミィ。わたしさっきのお店に取りに行ってくるからここで待っててくれる?」
「わぁーったお」
わたしはなんとなくほっとしていた。
ダンジョンの中とはいえ、少しでもこの場を離れたいと思ってたからだ。
ここにいると、なんとなくトラップと気まずいし…

「パステル一人じゃ心配だ。おれも一緒に行くよ」
クレイが声を掛けてくれた。
うう、確かに。
もう一度さっきの店に戻れる自信はなかったし、やっぱりいつモンスターが出るかもしれないダンジョンで1人で歩くのは危ないもんね。

204:ギアパス@新2巻②
08/12/16 14:44:43 Y4YakA6A
「いや、おれが行くよ」
遮るようにギアが口を開いた。
「石に目印つけたのはおれだし、おれが行った方が早いと思う」
うーん、確かになぁ。
ちらっとトラップを見ると彼はさも面白くないといった様子でこっちを見た後ぷいっと後ろを向いてしまった。
ったくー。 
何がそんなに面白くないんだか。

「クレイ、ごめんね。やっぱギアと行ってくる」
クレイには悪いけど、わたしはそう答えていた。
トラップもそれを聞いてこっちを向いて一瞬戸惑った目をしたけど、また後ろを向いてしまった。

さっきの当てつけ?
そんなんじゃない。
わたしはトラップに妬いて欲しかったのだろうか。


「…………かな」
ん?
気付けばわたし達は石の前にいた。
「あっ…」
やだやだ!
わたしったらボーッとしてたんだ!
「えーっと、えーっと…」わたしがあたふたしていると、そんな様子を見て、ギアはクックッと笑った。
ふえーん。
気まず-い…

「…もう!何がそんなにおかしいんですか!」
わたしは強気に言うと、ギアはわたしの頭を撫でた。「あんた、かわいいよな」そういってニヤッと笑った。
からかってるんだ、この人!
ちょっと大人だからって…
わたしは顔が怒りで沸々と赤くなっていった。

「んもー!からかわないでくださ…」
そう言った時だった。
わたしは何かに口を塞がれた。
あまりに突然のことで一瞬何がなんだかわからない。ちょっと冷たくてしっとりしたものが唇を塞いでいた。
えーっ!!
ちょっと、ちょっと、ちょっと!
これって……………

もう頭がパニック。
ギアはわたしの唇から離すと、わたしを正面からぎゅっと抱きしめた。
ちょっとごつごつした腕と肩。
決して広くはない胸板。
でもわたしをしっかりと包んでいた。

「パステル…」
急に名前を呼ばれ、わたしは我にかえった。
思わずギアを突き飛ばす。

205:ギアパス@新2巻③
08/12/16 14:46:41 Y4YakA6A
「…なんでこんなことするんですか!」
ギアは笑った。
しかし、さっきのようなちょっと意地悪っぽいのとは違う。
わたしの目をしっかりと見てこう言った。
「好きになったんだ」
えっ…
えっ、えっ、えっ
ちょっと待って!!
好き?
好き?

わわわわわわわわ……

あまりのことにまたまたわたしはパニック状態。
カーっと顔が真っ赤になっていくのがわかった。

「あの盗賊があんたの彼氏?」
わたしは思いがけない一言に思わずブッと吹き出した。
「違う!違います!なんであいつが……」
トラップの顔が思い浮かんだ。
「そりゃ、トラップはやたらギアにつっかかるけど…そんなんじゃないです」
「素直じゃないな、あいつ」
そう言って再びわたしを抱きしめた。
全身が脈打つ。
わたしは初めてのキスで心がどこかに置いてけぼりになっていた。
ギアはわたしの背中が石にもたれるように押し付け、目を閉じた。

わたしはギアのことを特に異性として意識はしていなかった。
出会ってすぐということもあるし。
でも、初めての甘い雰囲気にわたしは酔ってしまったのだ。
思わず目を閉じる。

冷たくてちょっと固いギアの唇がわたしの唇と重なる。
むにっとした柔らかく弾力のある感触。
全身の感覚が唇に集中しているかのようだ。

するとわたしの口の中に粘り気のある何かが入り込んできた。
「……んふっ」
我慢してとめていた息が漏れる。
唇よりももっと滑らかでとろけそうなのはギアの舌だった。
「あふっ…」
声が漏れる。
彼は自分の舌でわたしの口の中をまさぐって、わたしの舌と絡め合わせてきた。わたしの唾液とギアの唾液が混ざり合う。
なんともいえない甘い恍惚にわたしは身を委ねていた。
時折ギアは舌先でわたしの上あごをなぞるように舐めたり、唾液を含んで唇をくちゅっと吸った。

あ…
ちょっと…もらしちゃった…。
わたしは自分の下半身がじわーっとあったかくなるのを感じた。

206:ギアパス@新2巻④
08/12/16 14:49:36 Y4YakA6A
「ん……ギア…」
口を塞がれながら呼ぶとギアはわたしから顔を離した。
口の周りはどちらのものとも分からない唾液でビショビショになっていた。

「はぁ……、なに?」
ギアは荒い息をつくと、わたしの目をじっと見た。
「ごめん、ごめんね…ちょっと、トイレ行きたいなって……」
わたしが彼の腕から抜けだそうとすると、逆にがっちりと押さえ付けられてしまった。

「やっ…」
「だめだ」
そう言うとギアは左手をわたしのスカートの中に入れた。
「やっ…だめ……」
おもらししているかもしれないという羞恥心で彼を制止したかった。
彼の指が毛糸のパンツ越しからわたしの敏感なところをなぞる。
「…あっ…」
じわっと濡れるわたしの下半身。
やだやだ、これ以上触られるともっと出ちゃう…
「…ギア…や、めて…」
わたしは彼を見つめて懇願した。
「すごいな、パステル。こんなところまで濡れてるよ」
あーあ…
もらしちゃったのギアにわかっちゃった……
あっ…そういえば毛糸のパンツ履いてたんだった。
おもらししたりつくづく子供だなぁって思われてるんだろうな。

「やらしいな。きっと下のパンツはビショビショだね」

彼はそう言って屈むと私のスカートの中に顔を突っ込んだ。
「…いやっ…」
そうしてわたしの毛糸のパンツを膝まで下ろした。
急にすっとした風が太股をなぞる。
「パステル、こんなに濡れてて気持ち悪いだろ。グチョグチョになってる」
そう言ってわたしの太股の間に手を伸ばした。
「だめ……そこは…」
彼の指がわたしの下着から直に一番敏感なところに触れる。
「ひゃあん…」
濡れた下着がわたしの秘部をこすった。
「だめぇ……オシッコ…」じょわっとした熱い感触がした。
「気持ち良くなっちゃったんだね。大丈夫だよ、オシッコじゃないから」
そういって彼はわたしの下着の隙間から直にわたしの熱くなったあそこに触れた。
ヒダヒダの間からから粘っこい愛液を指にからめとり、わたしの蕾をなぞった瞬間、身体が自然にびくんとなった。
「ぁ…ん」
わたしがのけ反って思わず喘ぐと、ギアはスカートから顔を出し、愛液が絡み付いた指をわたしの目を見たままべろんと舐めた。
やだ……恥ずかしい…。
「おいしいよ、パステル。」
恥ずかしくて目をそらすしてしまった。
「中はもっとグチョグチョかな?」
そう言って再びわたしのあそこに指をいれようとしたその時。

「パステル-!」
恍惚を切り裂くわたしを呼ぶ声に、その場に凍り付いてしまった。

207:ギアパス@新2巻⑤
08/12/16 14:51:36 Y4YakA6A
「パステル-!てめぇどこ行きやがったんだ」
なんとトラップがわたしを探しに来ていたのだ。
ぎゃーーーー!
トラップからはちょうど影になって見えないところにいたんだけど。
この状態を見られたりなんかしたら…
ぎゃーーーー。
最悪なんてもんじゃない。
わたしは急に快楽の坩堝から現実に引き戻された。
そしてなんだか申し訳ないような気がしてきた。
トラップに当てつけのようにギアと二人で来てしまったこと。
ルーミィにオーナリを持ってくることを口実にするかのように、ギアと快楽に溺れていたこと。

「ちっ…」
ギアは立ち上がるときに下ろしていた毛糸のパンツを上まで上げて舌打ちした。
「ねぇ、ギア。ここではやっぱりまずいと思うの。みんなだって心配してると思うし」
わたしが必死に彼に懇願すると、ギアは
「…じゃあパステル。今度は2人っきりの時に」
そう言ってわたしをぎゅっと抱きしめた。
そのとき、ギアの下半身がわたしの太股に触れた。
ズボンの上からではあったけど、なんだか暖かくて固かった。

「パステル-!」
トラップがだんだん近くに来ている。
「ギア、もう行かないと」「パステル、今度はもっと気持ち良くしてあげるから」
ギアはわたしの耳元でささやくとぱっとわたしから離れた。
わたしは思わず走って「トラップ-!」と呼び声に応えた。
それを聞き付けトラップが走ってきた。
「パステル!あにやってんだ!てめぇどこまで行ってたんだよ」
「ごめぇん……」
「ったく…あんた、こいつをどこまで連れてくんだよ」
そう言って、ギアをジロッとにらんだ。
「勘弁してくれよ、ったく…」
そう言って彼は今来た道を引き返した。

ごめんね、トラップ。
わたしは初めて感じたこの快楽をしばらく忘れることが出来そうにもない。
わたしがギアを見上げると彼はいつの間に持ってきたのだろう、オーナリの実をわたしに見せた。
「あーっ!」
すーっかり忘れてた!
「あんだよ」
先に歩いてたトラップが振り返ってわたしを見た。
「んーん、なんでもない!」
わたしは首を横に振った。今日のこと、それからこれからのことは、わたしと彼との秘密………

わたしはギアの手をぎゅっと握った。


END

208:ファーファ
08/12/16 15:11:05 Y4YakA6A
>>202

180→>>182のミスです。すみません。
ケータイからですので改行とかおかしくなってるかもです。
以上です…

209:名無しさん@ピンキー
08/12/16 15:53:23 uJpRJOyz
>>208
すっごい良かった
乙!
最後もなんかいい

210:名無しさん@ピンキー
08/12/16 16:12:57 YvXMU0Z7
ギアシミパスもギアパスもGJ!
どちらも続きに期待
色々あって流されたけど>>102のギアパスも萌えた
職人さんたち乙です

211:名無しさん@ピンキー
08/12/16 22:59:34 GCPXMPG6
ID変わってるけど漏れ174=186

何だこの素敵すぐる流れw
読み応えあるSS乱舞の書き手さんたち、禿GJだ!
あの荒れっぷりから一転して、一気に大賑わいの良スレになって嬉しいぜ

そしてコソーリ流れを無理矢理変えた自分に乙だw

212:114
08/12/17 01:11:56 uX1zxOq7
114です。コメントくださった方ありがとう。
下手なりに頑張ってみたんですがエロ難しい……
というわけで続きです。
すいません、また長いです。後、今日中に完結は無理でしたorz

213:ギア×パステル×ダンシング・シミター 8
08/12/17 01:13:07 uX1zxOq7
 最初、わたしは「ベッドの相手」の意味がよくわからなかった。
 わかった瞬間、奇声を発して飛び退ってしまった。
 いや、だって、だって! それって、それってつまりっ……
「なっ……なななななななななななななっ……何、でっ! 何でいきなりそんな話に!?」
「いきなり……なあ」
 わかりやすくうろたえるわたしを見ても、ダンシング・シミターは、怒る様子も呆れる様子も見せなかった。
 うー……「そんな反応するだろうなとわかってました」って態度を取られると妙に腹が立つのは何でだろう?
「パステル。無理する必要はない」
 そして。
 対照的に優しくわたしの肩を叩いてきたのは、ギア。
「言っただろう? 俺もダンシング・シミターも無理強いするつもりはない」
「え、えと……」
「ふん。全く俺達も親切なことだ」
 真っ赤になってうつむくわたしに、ダンシング・シミターが、さもつまらなそうに続けた。
「いいか。お前がここから逃げ出した後、さっきの店に飛び込まれたら後が面倒だからな。今から教えておいてやる。お前がやろうとしていたバイトは、さっき俺が言ったのと同じことを、どこの誰だかわからん奴にやるってことだからな」
「……え?」
「ギア、教えてやれ」
 呆気に取られるわたしに、今度はギアが、気まずそうに言葉を繋いだ。
「……パステルが入ろうとしていた店は……いわゆる娼館だ。わかるよな? パステル。娼館がどんな場所かは」
「…………」
「それも、俺達みたいな用心棒が職にありついてることからもわかると思うが……あの辺りの店は、どこも相当に治安が悪い。すねに傷を持つ客が多いし、娼婦の扱いも悪い」
「あの店にバイトに入った場合のお前の末路を教えてやる。どこの誰かもわからん男どもに好きなように犯されて、最後は病気をうつされて放り出されるか……気がふれて使い物にならなくなるまで働かされて死ぬか。まあそんなところだろう」
「…………」
 ぞくり、と、背筋に寒気が走るのがわかった。
 世の中にはそういう場所がある……ってことは、もちろん知っていた。
 でも、それは何て言うか……エベリンみたいな都会の、わたし達が普段は行かないような別世界の中だけに存在する、そんな場所だと思っていた。
 自分が、もう後ちょっとでその世界の住人になるところだった。急にそんなこと言われても、ぴんと来なかった、って言うのが正解。
「脅かしすぎだ、ダンシング・シミター」
「事実だろうが。あそこで俺が止めてやったことに、こいつはもう少し感謝するべきだ。そうしてもう二度とあんな場所には近寄るなと、教えてやれ」
 そう言って、ダンシング・シミターは立ち上がった。
「……で、金がいるんだったな」
「おい?」
「五千ゴールドだったな」

214:ギア×パステル×ダンシング・シミター 9
08/12/17 01:14:03 uX1zxOq7
 顔を上げると、ダンシング・シミターが、どこから取り出したのか、自分のものらしいお財布を覗き込んでいるところだった。
 って、ええ?
「あ、あの?」
「勘違いするな、やるとは言っていない。なかなか面白い経験をさせてもらったしな。見世物料だ」
「ダンシング・シミター。お前……」
「それに、こいつの仲間にはそれなりの腕の立つファイターや盗賊が居ただろう。ちょうどいい。小金稼ぎにも飽きたところだったから、クエストにでも出ようかと思っていたところだ。あいつらに手伝わせよう」
「……ああ、そうだな」
 ダンシング・シミターの言葉に、ギアは優しい笑顔を浮かべて頷いた。
 いつも冷たい表情ばかり浮かべている印象があったけれど。ギアって、こんな顔で笑うことができるんだ……
 ぼんやりと眺めていると、視線に気づいたのか。ギアは、照れたように視線をそらした。
「そういうことだ、パステル。先払いということでとりあえず一万ゴールド払うから、クレイに話をしておいてくれないか。いいクエストを見つけたら連絡する。あんた達への連絡は……」
「いいよ」
「え?」
「いいよ、わたし。その……べ、ベッドの、相手。雇われても……ううん、雇って、もらえる?」
 上目遣いで見上げると、ギア……そしてダンシング・シミターが、そろって呆気に取られた表情を浮かべていた。

 言い訳はいくらでもあった。
 例えば、ギアとダンシング・シミターが一緒にクエスト……なんて、絶対にトラップがトラブルを起こすだろう、とか。
 こんなに実力のある二人だもん。本当なら、わたし達の手伝いなんて必要ない……つまり、何だかんだ言ってわたし達を助けてくれるつもり。それが申し訳なかった、とか。
 でも、一番の理由は……
「パステル……あんた、自分が何を言ってるのかわかってるのか?」
「わ、わかってる」
「あの、な。言っておくが、俺達だって男だ。金を払って女を買った以上、紳士的な行動を期待されると困る」
「ギア。もうそれ以上言うな」
 何とかわたしを説得しようとするギアを見かねたのか。ダンシング・シミターが、首を振りながら言った。
「お前にならともかく、まさか俺に対して紳士的な行動とやらを期待するほど馬鹿じゃないだろう。それに、まがりなりにも冒険者と名乗っているんだ。自分の行動に責任くらい持てるだろう」
「…………」
「おい、お前」
「パステル」
「何?」
「わたしの名前は、パステル。そう呼んでよ、ダンシング・シミター。ごめんね、お礼も言えなくて。さっきは、助けてくれてありがとう」
「…………」
「わたし、本当に馬鹿なことしようとしていたんだね? 二人はそれを助けてくれて、今も助けてくれようとしてる。それが、凄く嬉しい。雇うって言ってもらえて、すごく嬉しい」
「…………」
「だから、わたし、雇って欲しい。あの……は、初めて、だから。何も知らないから、いっぱい迷惑かけるかもしれないけど……それでも、いいかな?」
 そう言った瞬間。
 ギアの腕が、脇から伸びてきて。そのまま、抱きすくめられた。

215:ギア×パステル×ダンシング・シミター 10
08/12/17 01:15:35 uX1zxOq7
 ギアの胸は、広い。
 その中にすっぽり包まれて、そのまま窒息しそうになった。
「っ……ぎ、ギア、ギア苦しいって!」
「おい。いきなり独り占めする奴があるか」
 わたしの悲鳴と、そして呆れたようなダンシング・シミターの声に、ギアは、はっと顔を上げた。
「あ……わ、悪い。驚かせたな、パステル」
「う、ううん」
 ばっくんばっくんと、心臓が、うるさいくらいに高鳴っていた。
 ええと……本当に、何でこんなことになったんだろう? 今朝宿を出るまでは、「何とか今日中にバイトを!」って、それしか考えてなかったのに。
 でも……
「あの……わ、わたし、何をすれば、いいかな?」
「…………」
 そう問いかけると、ダンシング・シミターが音もなく立ち上がって。そのまま、わたしの身体を横抱きに抱えた。
 ……ってこれは! も、もしかしてお姫様抱っこという奴では!?
「わあっ!?」
 悲鳴を上げた瞬間、ぼすんっ、とベッドに優しく投げ出された。
 今頃気づいたけれど、この部屋って、ツインらしくてベッドは二つ並んでる。
 でも、高級宿らしく、ベッドはかなり大きめで、わたしが寝転んでもまだまだ余裕はありそうだった。
「うー……」
「いいか、これが最後の質問だ」
 ぎしり、とベッドに腰掛けて。ダンシング・シミターは、のしかかるような格好で、わたしの顔を覗き込んだ。
「一晩で一万ゴールド出す。お前は俺達のベッドの相手をする……この条件で、いいんだな?」
「……はい」
 こくん、と頷くと、ダンシング・シミターは満足そうに笑った。
 笑って……わたしの脚を、撫で上げた。
「ひゃああっ!?」
「おい。これくらいで悲鳴を上げてどうする」
 つつっ、と指を滑らせて、ダンシング・シミターは、不満そうに言った。
「まだまだ先は長いぞ」
「は、はいっ。ごめんなさいっ」
「おいギア。お前もいつまでそうしてるつもりだ。女を買うのが初めてってわけでもないだろうが!」
 あれ、そう言えばギアは一体……

216:ギア×パステル×ダンシング・シミター 11
08/12/17 01:16:25 uX1zxOq7
 薄情なようだけど、ギアがさっきからやけに静かなことに、わたしは今更気づいた。
 上半身を起こして視線を巡らせると、ギアは、ベッドの脇にしゃがみこむようにして……な、何をしてるんだろう、あの格好。お腹を押さえてるみたいに見えるんだけど……苦しいのかな? 食べ過ぎてお腹が痛い? いやまさかね……
「おいギア。お前……早いにも程があるぞ」
「……うるさい。お前には俺の気持ちはわからんだろう」
 首を傾げていると、ギアは、仏頂面をして立ち上がった。
「安心しろ。一度や二度でばてるような、柔な身体はしていない」
「ふん……それでこそ男だ。安心した」
 ギアに場所を譲るように腰を動かして。ダンシング・シミターは、不適な笑みを浮かべた。
「さて。まずは何をしてもらおうか? ギア。もちろんお前が最初に味見をするんだろう?」
「…………」
 味見、という言葉が気に入らなかったのか、ギアは、顔をしかめてベッドによじ登った。
 そうして……優しく、わたしの髪を撫でた。
「パステル」
「う、うん」
「怖がらなくてもいい。安心しろ。俺もダンシング・シミターも、女の扱いには慣れてる。痛い思いは、させないから」
「うん……」
 慣れてる……んだ。やっぱり。
 ちくん、と胸を刺した痛みは、何だったのか。
 でも、不思議なほど、「怖い」とは思わなかった。何となく、だけど。最後の最後までわたしを助けようとしてくれたこの二人なら……任せておけば大丈夫なんだ、って。無条件に信頼することができた。
 そして……
「……んっ……」
 柔らかく、唇を塞がれた。
 一瞬視界を過ぎったのは、ざんばらに散る黒い髪。
 以前経験した、掠めるだけで終わったキスとは違う。それはもっと深い……もっと濃密な、「繋がってる」って実感させてくれる、そんな、キス。
 あえぐように唇を開くと、隙間から舌が滑り込んできた。逃げようとした瞬間、絡め取られて。甘い味が、いっぱいに広がった。
 っ……き、もち……いい……?
「……目が潤んでるな」
 そんなキスを、どれだけ続けたのか。
 息苦しさを感じる頃に解放された。深い息をつくと、黙って様子を見ていたダンシング・シミターが、横から声をかけてきた。
「よかったのか」
 何を、とは聞かない。何を聞かれたのかは、わかっていたから。
 黙って頷くと、「よかったな」と言われた。
 そして……
 伸びてきたダンシング・シミターの手が、わたしのブラウスをつかんで、太い指からは信じられない器用さで、あっという間に前身ごろを全開にした。

217:ギア×パステル×ダンシング・シミター 12
08/12/17 01:17:20 uX1zxOq7
「わっ!?」
「どれ、次は俺が味あわせてもらうとするか」
「うう……は、恥ずかしいんですけど……」
「……恥ずかしがることはないよ、パステル」
 下着に包まれた胸を、男の人の前にさらけ出している。
 そんな状況に気づいて、とっさに手で隠そうとすると。逆側から伸びてきたギアの手が、やんわりとわたしの手首をつかんで、その動きを押しとどめた。
「とても、綺麗だ」
「っ…………!」
 ぼんっ! と頭に血が上る音を聞いた気がした。
 そんなわたしの様子に微かな笑い声を漏らして、ギアの手が、肩に回された。
 かろうじてひっかかっていたブラウスが、優しく払われる。そのまま滑るように背中を走って行った手が、器用にブラのホックを探り当てて、そのままぶつんっ! と外してしまった。
「ひゃっ……」
「ほう」
 ずるり、と、肩紐が滑り落ちて行った。
 押さえようとするよりも早く、ダンシング・シミターの手が、ブラを「さっ」と外した。
 あっという間に上半身裸にされてしまった。けれど、隠そうにも、ギアに肩を、ダンシング・シミターに腕を捕らわれて、身動きすら、取れなかった。
「ガキくさい女だと思っていたが……どうしてどうして。女は怖いというのは名言だな、ギア」
「……それを俺に聞くか? それよりダンシング・シミター。早くしろ」
「せかすな」
 ギアの言葉に、ダンシング・シミターは笑うだけ。
 笑いながら、ごつい指とはうらはらに繊細な動きで、わたしの胸を撫で上げた。
「ひゃあっ!?」
「立ってきたな」
 くりくりと、頂きを指でこすりあげられた。
 ただそれだけの動きなのに、そのたびに、わたしの背筋を走りぬけるこの感覚は……これは……
「やっ……いやあっ……んんっ……」
「綺麗な色だ」
「んひゃあっ!?」
 ぺろり、と、生暖かい感触が走った。
 何の? なんて考える暇もない。強い刺激にとっさに目を閉じると、強く肩をつかまれた。
 ついで反対側から伸びてきたのは……これは、多分……ギアの、手?
 ダンシング・シミターの愛撫に身を任せていると、全身から、力が抜けていくのがわかった。
 どうかすると、倒れこみそうになるわたしを支えてくれていたのは、ギアの胸。
 伸びてきた手が、優しく優しく髪を撫でてくれた。耳元をくすぐるのは、「怖がらなくていい」という、微かな声。
 うん……大丈夫。怖く、ない。
「あっ……やっ……」
「気持ちいいのか?」
「うんっ……うんっ……!」
「そうか」
 ごそごそと、衣擦れの音がした。
 何の音だろう? と薄目を開けると、上半身裸の胸が迫ってきて、一瞬身体が震えた。
「……見るのは、初めてか?」
「え、えと、クレイとかトラップのなら……」
「……あいつらはお前の前で平気で裸になるのか?」
「え、ええっ!? いえ全部じゃなくてっ! 上半身裸、なら……」
 わたしの答えは、どうやらダンシング・シミターのみならずギアの笑いまで誘ってしまったらしい。
 しばらく低い笑い声が響いた。次いで、ごそごそと、背後からも衣擦れの音がした。
「お、ギア。お前もやる気になったか?」
「……お前一人にいい思いをさせるのは癪だからな」
「安心しろ。お前と女のことで争う気はない」
 頭上で交わされる、大人の男性の会話。
 潤んだ視界の中、わたしは、自分が未知の世界に足を踏み入れようとしていることを、はっきりと実感した。

218:114
08/12/17 01:18:28 uX1zxOq7
今日はここまで。
ギアが何かへたれになってる……ファンの方すみません。
続きもできるだけ早くあげるようにします。

219:(ヽ`д`)職人
08/12/17 02:01:21 bFEVQhZo
>>114さん、ファーファさんGJ!めちゃめちゃGJ!
>>211さんもGJ!
>>182でリクしてこんなに早く、しかも二つもギアのお話を読めるなんて。
ファーファのその後の二人にひっそり期待。
114さんの続きも楽しみすぎる。
キス担当がギアってとこに愛を感じました。

220:名無しさん@ピンキー
08/12/17 02:04:38 bFEVQhZo
↑すみません……。

ファーファ→×。
ファーファさん→○。

失礼しましたorz

221:名無しさん@ピンキー
08/12/17 03:50:19 4POSuvn/
>>218
GJGJ 大人の会話イイ
丁寧ですごい良いよー
書いてくれるだけで嬉しいので急がないで大丈夫だよ

>>211
なら流れが変わるように話持ってった人達もGJですな
荒れっつっても悪意があったわけじゃないしね

222:名無しさん@ピンキー
08/12/17 11:17:32 Kn23TYbH
wktk状態
しっかし台詞がちゃんとそのキャラらしくて素晴らしい

223:ファーファ
08/12/17 17:12:52 qFEqebR5
コメント下さった方々、本当にありがとうございます
自分のを改めて読み返して発狂…orz

>>220さん
全然良いですよ
何とか今続きを作成中です。
完成したらまた投下しにきます。

>>114さん、禿GJです
パステルの雇ってほしいっていう所の流れが個人的に萌えです






224:名無しさん@ピンキー
08/12/17 21:04:12 c71qgifr
自分もそこ萌えた
うろたえつつしっかりけじめつけてるパステルが良い
厳しさを保ちつつ優しいギアとダンシミ良いっすな

225:名無しさん@ピンキー
08/12/18 00:31:37 53tAIPZj
昔、同人で出そうと思ってたFQエロSSのデータのファイルが出てきた。
それを2002年ごろエロSSスレに投下しようと思ってなんか書いた事も思い出した
あらすじも覚えている。

しかし…でてきたデータ FDです。3.5インチフロッピーディスクです…
物理的にフロッピーをはさんどくファイルで6枚発掘。

外付けの読取装置は捨ててないはずだからがんばって探します。
書き直したほうが早いのかな

226:名無しさん@ピンキー
08/12/18 06:46:23 0eJKGFw2
この豊作はなんということでしょう(ビフォアアフター風に)
職人さんの頑張りがとてもありがたいです

>>225さん
楽しみにしています

227:名無しさん@ピンキー
08/12/18 11:52:09 0Wn8SfrB
>>225
がんがれ!超がんがれ!
超待ってる


職人さんおつかれさま!
お茶とロールケーキいかがっすか

   ∧_∧
  (・∀・,,)     旦~@   旦~@   旦~@
  O┬O )□─| ̄ ̄ ̄|─| ̄ ̄ ̄|─| ̄ ̄ ̄|
  ◎┴し'-◎    ̄◎ ̄   ̄◎ ̄   ̄◎ ̄ ~ ~

228:名無しさん@ピンキー
08/12/18 16:17:06 QWOMQ+ti
ネタを思いついてもエロなしで書く度胸がない。

229:名無しさん@ピンキー
08/12/18 16:40:05 d2HK2Urc
>>225
>>228
投下待ち

新人さんも楽しみだけど、書人さんの新作も楽しみ

230:名無しさん@ピンキー
08/12/18 16:44:37 +mY/v/J5
>>228
もめたばかりだから気持ちはわかるけど
そんなあてつけみたいなこと書かなくても。

231:名無しさん@ピンキー
08/12/18 18:02:52 0eJKGFw2
キッパスかオーシパスかヒューオーシパス
オッサニズムな自分が通りますよ

232:名無しさん@ピンキー
08/12/18 18:13:15 d2HK2Urc
>>231
マニアックだなwww
わろたwww

233:ファーファ
08/12/18 18:27:43 iSQL3prr
途中までですが、投下します。

話の流れで言うと>>203の続きですが、
カプがギアパス→トラパス

ほとんどエロなし…だと思いますが
判断は読み手の方にお任せします

いただきます
つ旦~@

234:トラパス
08/12/18 18:31:16 iSQL3prr
 わたし達はクエストを終え、無事にエベリンに戻ってきた。
 ふぅ、色々大変だったけど、キットンの記憶も戻ったし、キットン族の証ってのも手に入ったし。
 よかったよかった。
 でも、まさかあんなキノコマークがなんて思わなかったけど。
 宿屋に着いてやっとひとりになれたわたしは今日一日の出来事をベッドに腰掛けて思い返していた。
 もう一つの簡易ベットは完全にルーミィとシロちゃんが独占していた。
 ルーミィはお風呂に入った後コテンとベッドの上で意識をなくしてしまった。
 いつもの如く、シロちゃんをぎゅっと抱きしめたまま。しかし、シロちゃんも苦しそうな顔をせずグッスリ眠っている。
 わたしはそんな二人(一匹?)の姿を見ているうちになんだか急に胸が苦しくなった。

 クエスト中はいっぱいいっぱいだったから思い出す暇もなかったんだけど。
 ひとりになった時、あの事を思い出してしまった。

 ギアとのこと。

 途端に顔が真っ赤になっていくのが自分でもわかる。
『ギア』って名前だけでも身体中が熱くなってくる。
 わたし、ギアに好きって言われたんだよね。その後、キ、キス…されて……それから、それから…………。
 ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
 あの時の自分がフラッシュバックする。
 むにっとした妙に生々しい唇。唇よりも柔らかくてなめらかな舌。それから、快感で濡れてしまったわたしのあそこをなぞる彼の指。

 ひゃああああああ。
 なんかわたしってすごーく恥ずかしい。会ってまもないギアにあんなことされて、喜んでるなんて。用を足すところを触られて強い快感にギアに抵抗することもできなかった。

 あーあ………

 なんだか少し後悔の念が浮かんだ。なんて言うんだろう、何か汚れてしまったんだろうなっていう…ちょっと後ろめたいような気持ち。
 でもそれと同時に再び胸が苦しくなった。
 あの時の快感が忘れられない。…ん…苦しい…。
 そして身体の奥底からじわっと滲み出てくるなんとも言えない熱い衝動に襲われる。
「ん……」
 わたしは思わずのけ反って声を漏らしてしまった。いっけない、ルーミィ達が起きちゃう!
 素早くもう一つのベッドの中に潜り込む。
 
 目を閉じて浮かぶのは、やっぱりギアのこと。
 ギアは「2人きりのときに」なーんて、言ったけど。今度いつ2人で会えるかなんてわかんない。
 メインクーン亭での打ち上げのときだって何度かギアと目が合ったんだけど、彼は何も言わずにわたしを見て笑っただけだった。
 ギアは、どうしてわたしが好きなんだろう……。
 そういえば聞けてなかったな。まぁ聞いてる暇もなかったんだけど。


235:トラパス②
08/12/18 18:35:16 iSQL3prr
 そんなことを考えていたときだった。
 コンコン、とわたしの部屋のドアがノックされた。
「……はい」
 もしかして、ギア?
 わたしは小さな期待をもったままベッドから立ち上がり、ドアを開けた。

 
「トラップ…」
 トラップには悪いけど、 正直ちょっとガッカリしてしまった。
「わりぃ」
 こんな時間までどこをほっつき歩いてたのか。まだ普段着のままでちょっとお酒のにおいがした。
「どうしたの?」
「ちょっと話せねぇかな、と思って」
 彼にしては珍しいちょっと真面目な顔。今日のクエストのことかな。わたしギアに甘えて2度も抱っこしてもらって絶壁を登っちゃったし。あの時、トラップはわたしに何だか怒ってたからな。やっぱり…幻滅したのかな。
「うん…でもここじゃなくて下にしよ。ルーミィ達が起きちゃうといけないし」

 
 この宿屋は1階にちょっとしたロビーがある。ロビーといっても安宿だから、そんな立派なものじゃない。古びた長椅子とテーブルが並べられただけの談話スペースのようなものだ。
さすがに夜も遅かったせいか、明かりはついてなくて、ほんのりと窓から差し込む月の光だけであたりはほの暗かった。
 わたしが長椅子に座ると、そのすぐ真横にトラップは腰掛けた。彼は一度ため息をつくとむずかしい顔をして空中をじっとみつめている。
 何となく気まずくって、わたしは口をつぐんだ。

 二人の間にゆっくりと長い時間が流れた。
「……ごめん、トラップ」
 先に口を開いたのはわたしだった。
「ん?」
「だから、今日のクエストのこと」
 初めて彼はわたしの顔を見た。
「………ああ」
「…わたしってホントにふがいないよね。自分一人でやればよかったのに、ギアの手なんか借りて」
 そう言うとトラップはぎょっとした顔でわたしを見つめた。
「は?パステル、おめぇ一人でするのか?」
 信じられないといった顔。
「なによ。わたしなりにやろうとしてるのに」
 もー……こっちは真剣なのに。そんなにわたしって頼りないのかなぁ?にしても、そんな言い方することないじゃん。
 彼はわたしをまじまじと見つめると、ちょっとにやけながら
「パステルってけっこーやらしーんだな」
 思ってもみなかった彼の発言に思わず耳を疑う。
「は?」
「だからって、ギアにいじってもらわなくても……」
 トラップは苦笑した。
 
 えっ……てことは、つまり、え、えっ、えええええええーーーー!
 カーッと頬が紅潮していくのがわかった。


236:トラパス③
08/12/18 18:42:06 iSQL3prr
「み、見てたの?」
「気づかない訳ねーだろ」
  
 …………!!ああああああーーーーー!!
 わたしは思わず手で顔を覆った。
 まさか、まさか、見られてたなんて。…でも、一人っていうのは……
 そしてやっと、わたしはトラップが何を言おうとしているのが理解できた。
「…ってあのねぇ!わたし一人でなんかしないから!」
 トラップに向き直って言うと、彼はびっくりした顔でわたしを見た。そしてくねっと体をよじると、
「きゃっ。パステルちゃんったら、こっわ-い!」
 …こいつ…。
 わたしはまた顔が真っ赤に染まった。しかし、それは恥ずかしさからもあるけど、トラップへの怒りだった。
 どうしてそんな言い方するんだろう。
 わたしだって初めてそんなことされて、どうしていいかわかんなかったんだもん。
 ギアからあんなことされて、好きかどうかまだわからなかったけど好きって言ってもらえて正直うれしかったし。
 あんなことされて正直まだ身体が疼くくらいだし。忘れられない。簡単に忘れられない。
 トラップに見られたことも恥ずかしかったけど、わたしがひょいひょいと知り合ったばかりの男とあんなことをダンジョンの中でして、しかも普段は一人でしている淫乱な女って言いたいのかなあ。
 後からそんなことを言ってわたしを辱めるためにわざわざ呼び出したんだろうか。
 そう思ったら、目の奥がじわぁっと熱くなってきた。
「…そんなんじゃない」
 わたしは震える声でそういうのが精一杯だった。
 すると涙があとからあとから溢れてきた。
「わたしだって、びっくりしたよ。…初めてだったんだもん」
 しゃくりあげながら、わたしは話した。
「…………。」
「最初は抵抗したんだけど…でも…」
「なんだよ」
「できなかったの……身体が、ギアを、拒めなかったの…」
 ふーっ、とトラップは大きなため息をついた。

237:トラパス④
08/12/18 18:47:22 iSQL3prr
「………ごめんね」
 なんて言っていいかわからず、わたしはそう泣きながらつぶやいた。
「なんでお前が謝ってんだよ」
「わかんないけど…トラップには、そんなこと、簡単に、出来るような、女の子って、思われたくない…」
 その瞬間、それまで黙っていたトラップが急にわたしの肩をぐっと抱き寄せた。思わず、トラップの身体に倒れこむ。
「え………ちょっと」
 そのままトラップの腕はわたしの背中にまわされた。
「ちょっ……トラップ」
 一瞬の出来事だった。
 顔にサラサラの髪が触れたかと思うと、わたしの唇に何かが重なった。 熱っぽくて、ちょっと湿っぽくて………ふっとお酒のにおいがした。

 ……………!
 何が起こったのかすぐに理解できなかった。
 トラップはわたしの顔から顔を離すと、ぎゅっと抱きしめた。

「おめぇが好きだ」
「…っ」
 そう言うとさらにトラップは力を込めて抱きしめた。
「……苦しいよ…」
「おれ、あいつに嫉妬してた。素直じゃねぇから気持ちも上手く伝えられねえし」
「……うっ」
 思わず苦しくて咳込むと、ちょっと腕の力を緩めてくれた。
「わりぃ…今日だって、本当はからかうつもりじゃない。おれ、いつもこうやって怒らせてばっかなんだよな。ごめんな」
 思ってもみなかったトラップの言葉。
「とにかく、おれ、早くこうしたかったんだ」
 再びわたしにトラップは唇を重ねた。そして、噛み付くようにわたしの唇をむさぼった。トラップの舌もわたしの舌を激しく求めるように絡ませる。
 あまりの激しさに、わたしはどうかなりそうだった。
 むわっとむせ返りそうになる、トラップのお酒のにおいにわたしは酔ってしまったのか。気付けば、わたしも自分の舌を絡めていた。
 指先から、胸から、唇から感じるトラップの熱。
「ぅ…ん」
 熱い吐息がわたしの鼻にかかって思わず我慢していた声が漏れる。
 月明かりがさしこむロビーで、相手の顔も良く見えないまま、わたし達はお互いを激しく求め合った。


 どれくらいの時が流れたのだろうか。


 トラップは肩で大きな息をしながらわたしをぎゅっと抱きしめている。
 ギアとのキスとは、ちょっと違う気がした。なんていうか…ギアのは、なんとなく慣れている感じがした。キスされながらとろけそうな気持ちにされたし。
 トラップとのキスは、なんかむさぼりつく感じ。途中、舌を噛まれたりしたし。でも、トラップが心からわたしを求めてくれているのがわかった。
 それがうれしかった。


238:トラパス⑤
08/12/18 18:51:08 iSQL3prr
「パステル……好きだ」
 トラップがわたしを抱きながら耳元で囁いた。
 わたしは思わず彼の唇にキスをした。たっぷり十秒間の時が流れる。
 トラップの唇から唇を離すと、彼はちょっと面食らったような顔をしているのがわかった。それを見てわたしは思わずぷぷっと笑ってしまった。

 これが、わたしの答え。

 キスひとつでこんなに簡単に変わってしまうなんて、軽い女って思われるかもしれないけど。今わたしはトラップが好き、って心からそう思えたんだ。
「…………!」
 トラップはわたしをたまらなくなったかのように押し倒した。
 でもその勢いが強すぎて。わたしは思いっきり長椅子から滑って転んでしまった。その拍子に近くにあったテーブルもひっくり返してしまった。


 ガターン!!!
 

 しーんと静まりかえっていたロビーに、ものすっごく大きな音が響き渡った。
 床に倒れたわたしはしたたかに腰を打ちつけてしまった。
 
 うううう…………い、痛い………。
 
 声も出ないくらいの痛みに思わずその場に倒れこんだまま動けない。
「わ、わりぃ、パステル」
 トラップが心配そうに屈みこんでわたしをさすってくれた。
 痛みを抑えながら、大丈夫、と言おうとした時だった。ロビーに一番近い部屋の扉がバン!と開いた。
 わたし達はびっくりしてその場に凍りついた。
 
 そこに現れたのは、この宿のおかみさん。
「あんたら、時間を考えとくれ。やるなら、部屋でやんな」
 そう言うと再び扉を閉めて中に入っていった。
 
 ふーーーーっ。びっくりしたあ。
 思わず、わたし達は顔を見合すと、なんだかおかしくなってふふっと笑ってしまった。
「そーいや、おめぇ、腰大丈夫なのか?」
 実はまだちょっとじんじんしてるんだけど、なんとか頑張ったら歩けるくらいにはなっていた。
「んーん…まだ、歩けない。階段上れるかなぁ」
 そう言うとトラップはふっと笑ってわたしをひょいっと抱きかかえた。ギアよりも細いと思っていたトラップの腕だけど、わたしをしっかり抱えてもびくともしない。

「…重くない?」
「あー。すげー重い。肩が折れそう。何食ったらこんなに重くなんだろな」
「…………。」
「嘘に決まってんだろ」
 トラップはわたしをみて意地悪っぽく笑った。
 わたしはトラップの肩にしがみついて首の匂いを嗅ぐ。ほんのりと汗ばんだ匂いがしたけど、なんとも言えないような幸せな気持ちに酔いしれてしまっていた。


239:ファーファ
08/12/18 18:55:12 iSQL3prr
とりあえず、ここまでです。

今夜できたらまた投下しにきます。
続きはちゃんとエロありです


240:名無しさん@ピンキー
08/12/18 19:52:17 0eJKGFw2
ファーファさん続きwktkです!

ここの職人さんの作品はみんな好きだ

241:名無しさん@ピンキー
08/12/19 00:35:29 mPLANcUs
おかみさんワロタw
やっぱトラップはヤケ酒飲んでたんだろうか…
乙です。楽しみにしてます。どっちも純粋な感じが良いね
パステルがエロカワイイ

242:名無しさん@ピンキー
08/12/19 07:35:24 PI08Hyws
>首の匂い
ニオイフェチなので気持ちが良くわかる

243:書人
08/12/19 16:37:13 7+xIv1uX
こんにちは、書人です。
いつもお読み頂きありがとうございます。

先般は私が原因で、結果的に荒れた流れになってしまって申し訳ありません。
気を遣ってフォローしてくださった方、ありがとうございます。
今後も書き手として精進しますのでよろしくお願いします。

少し長編を投下します。
連載中の流れを㌧切ってすみません。

アルテア×パステル×クレイです。
けっこう幸せ?で、エロがっつりめです。


244:アル×パス×クレイ 1
08/12/19 16:38:51 7+xIv1uX

 あぁもう……お酒臭い。
 なんかもうこの臭いだけで酔いそうなんですけど。
 上品なワインレッドの絨毯を敷き詰めた廊下一帯に漂う、なんともいえないお酒臭さ。
 正しくは、前を歩く酔っ払い約1名からにじみ出ていると言うべきなのかも。
 ワインの甘い香りやお料理に使うブランデーの芳醇な香りは大好きなわたしだけどさあ、さすがにこれはないでしょ。

 わたしの数歩前を歩く、いや酩酊した足取りでフラフラしているのはクレイ。言うまでもなくアルコール臭の発生源。
 そしてそのクレイを半身抱えたクレイより更に長身の男性は、なぜか嬉しそうな表情で「貸しはでかいぜ」だの「しっかり歩けってば」と愛すべき弟を叱咤している、。
 クレイのお兄さんであり、膨大な人数のファンクラブを有する、ロンザ騎士団でもアイドル中のアイドル。わたしみたいな一般庶民には普通近づくことすらできない雲上人……アルテア。
 ちなみに双子の兄弟であるところのイムサイはここにはいない。
 いつも彼等は一緒にいてふたりでひとつの芸術品みたいなイメージがあるので、ひとりのアルテアを見るとなんとなく違和感を感じたりするんだけどね。

「ごめん、パステル。そのドア開けて」
 ツンツンに立ててアレンジされたヘアスタイルの、形のいい後頭部が振り向いた。
 襟元にさりげなく飾られた、真珠をモチーフにしたピンが微かに煌く。
 それはもうため息が出そうなほどかっこよくて。
「パステル?」
 困ったように首を傾げるアルテア。いけないいけない、見とれてる場合じゃなかった。
「ごっごめんなさい、いま開けますっ」
 慌てふためいて重厚な装飾の重い木製扉を押し開ける。
 中はふたつのベッドルームのある続き部屋になっていて、勿論ドアに負けぬ劣らぬ上品な豪華さ。
 緞子のベッドカバーやカーテンはもちろんのこと、ちょっとした暖炉の装飾ひとつとっても決して成金じみた金ぴかさはない。
 お部屋全体で調和の取れた控えめな品のよさが醸し出されている気がするなあ。
 なぁんてわたしみたいな小娘でも、思わず評論家口調になっちゃうほど。
 さすがはドーマでも名家のアンダーソン家のお屋敷だよね。

 しかし、なんで今日に限ってクレイがこんな風になっちゃったんだろう。
 アルテアにベッドまで連れていってもらい、酩酊状態のままで羽枕につっぷしているクレイを見やり、こっそりため息をつく。

 まぁあの夕食じゃ仕方ないのかもしれないけど。
 今日の夕食には彼の厳格なおじいさまが同席されていた。
 久々にクエストの途中でドーマに寄ったからというのでアンダーソン家では大歓迎して頂けて、たっくさんのご馳走が並んだんだけどね。
 おじいさまはやっぱりご機嫌斜めだったみたいで……前の時みたいに女子供のパーティだの帰ってこいだのとボロクソには言われなかったからまだいいんだけど。
 軽口を叩きつつ素晴らしくスマートにコース料理を平らげていくアルテアとイムサイに挟まれ、仏頂面のおじいさまのご機嫌と様子を窺ってカチンコチンに緊張していたクレイ。
 余程喉が渇いてたんだろうね。無意識のうちに手元のグラスをぐいぐいあけて、お水のグラスがあっという間にカラに。
 そこで隣のアルテアがいつもの悪戯っぽい笑みを浮かべると、そのグラスにおかわりを注いだ。
 目の端で終始おじいさまをちら見していたクレイは「あ、ありがとうアルテア兄さん」なんて真面目にお礼を言ってたけど、グラスの中なんてまともに見ちゃいない上の空。あのそれ、ロゼワインですからっ!
 それにすら気づかないクレイは何杯もグラスを重ね……見事にこの酔っ払いのできあがり。
「冷たいよなー、イムサイも。けっこうこいつも重いんだから手伝ってくれてもいいのにさ」
 いじけた調子で恨み言を言いながら、閉めてあったカーテンをザッと音をたてて開けているアルテア。
 薄暗かった部屋の中に月の光が差し込んできて、窓辺のすらりとした長身を控えめに照らし出した。
 食事があらかた終わった頃イムサイは、コーヒーにもデザートにも手をつけず目の焦点がいっちゃってるクレイを見て軽く嘆息。
 アルテアにあっさりと「責任とれよな」と言い置くと席を立ってしまった。


245:アル×パス×クレイ 2
08/12/19 16:40:31 7+xIv1uX

 その一部始終を見ていた、すぐ向かいに座ってたわたし。
 アルテアにパチンとウインクされ、どぎまぎしながらクレイを運ぶお手伝いしたんだけどね。
 ここまでついてきて何やったって、結局ドアを開けることしかしてませんし。
 正直わたしも1杯だけとはいえワインを頂いちゃって、ちょっと頬がぽーっとしてたりする。
 今日は泊まらせてもらえることになったから、お部屋に行って休もうかな。
 クレイがこんな調子じゃ、これ以上ここにいたって介抱のしようもない気がするし……うん、そうしよそうしよ。
 それを伝えようとベッドサイドでクレイに布団をかけていたアルテアに近づくと、振り向いた笑顔が口を開いた。
「悪い、ちょっと水汲んできてくれないか? 次の間にあるから」
「あ、はい」
 部屋を出るタイミングを失い、まぁいいかとお水を取りに行く。
 今いた部屋と次の間はドアの代わりに暗幕みたいな布を垂らして仕切られている。
 金の縁飾りのついた布をめくると、次の間も同じような作りでかなり広いのが見てとれた。
 辺りをきょろきょろ見回し、部屋の奥まったところにある暖炉の上に目指すものを発見。これこれ。
 凝ったカットのガラスの水差しと伏せられたグラスの載ったトレイを両手で捧げ持って仕切りの布をめくろうとするも、四苦八苦。
 ……今に始まったことじゃないけど、わたし不器用なんだよね。
 トレイを傍らに置いて布をめくると今度はトレイが置き去りになっちゃうし。ええいどうしてくれよう。

 もたもたと布と格闘していると、クレイに寝ぼけ声で名前を呼ばれたような気がした。
 目が覚めたのかな。
 返事をしようとした瞬間。聞こえてきたアルテアの言葉に、布を掴んだまま手が止まる。
「へえー寝言にまで言う程なのか。いいねえ仲が良くてさ」
 寝言? 確かにクレイが答えないとこを見ると(いや聞くと?)ほんとに寝てるのかな。
「なぁクレイ。つき……ろ?」
「……」
「は? 違う? 聞こえないっての」
「……」
 クレイの声はほとんど聞こえない。というより、アルテアが一方的に何か話しかけてるみたいで、会話になってるのかどうかすら怪しい。
「ふぅーん。俺はてっきりお前の……いや、違うなら気にしなくていいよな……なあ? パステル」
「は、はいっ?」
 急に話振らないでほしい……いや別に立ち聞きしてるつもりはないんだけど、心臓に悪いってば。
 危うく落とすところだったトレイを持ち直し、背中で布を押し分けてどうにか仕切りを通りすぎると、ベッドの端に腰掛けたアルテアがにこにこと笑いながら手招きしていた。
 トレイを受け取ってお礼を言うと、さわやかな笑顔のままでわたしにダメ押しのように問いかける。
「かわいい弟クンではあるが、この場合遠慮なんていらないよな。パステルもそう思うだろ?」
「は? 何がですか?」
「そうだよな、わかんないよなー。いいよいいよ。ははは」
 全く話が見えず、狐につままれたような気分。
 しかし、なんでこの人こんなに嬉しそうなんだろう。
 ふたりで会話してたのかと思ったけど、クレイはさっきと全く同じ格好で、相変わらず赤い顔に半開きの口で目は閉じたまま。
 何か口をぱくぱくさせてるみたいなんだけど、うわごとにしか聞こえないんだよね。なんて言ってるの?
 まだ漂うお酒臭にちょっと顔をしかめつつ、クレイの口元に耳を近づけて聞き取ろうとしたら、大きな手が伸びてきて手首を掴まれた。
 そのままぐいと引っ張られバランスを崩したわたしは、アルテアの膝の上に倒れこんでいた。
 仰向けに半身ひっくり返ったわたしのすぐ上にあるのは、90度角度の変わった方向から覗き込む甘やかな瞳。
「きゃ、すみませんっ。ってあのっ」
 凛々しい顔が至近距離にあることと自分の姿勢に焦って飛び起きようとした、んだけど。手首を掴まれたまま離してもらえない。


246:アル×パス×クレイ 3
08/12/19 16:43:15 7+xIv1uX

軽く押さえ込まれてしまって、アルテアの膝の上から動けないんですけど!
「俺が引っ張ったのにあやまらなくても」
 そ、それもそうだよね。我に返ると同時にこの姿勢の不自然さに気づき、一気に顔が真っ赤。
「あの、あの離し」
「まぁそう言わないの」
 押さえ込まれたままでの会話。なんかもう眩暈してきたし……離してください、いやほんと。
「あのね。一応聞いとくけどさ、君らつきあってるわけじゃないんだろ?」
「は!? わたしとクレイがですか!? そんな、わたしたちパーティだしパーティといえば家族みたいなもんですしそんなつきあってるなんて」
「わかったわかった。そう言うと思ったよ」
 しどろもどろに答えるわたしの口を、しいっと言うかのように長い指がそっと押さえた。
 少しひんやりとして、細くて長いアルテアの指。
「いまクレイにも聞いてみたんだけどね、てんで要領得ないんだ」
「?」
「確かに君は可愛い。うん。正直初めて会った時から純朴でかわいーなーとは思ってたからね」
「はあ、それはどうも」
 可愛いって……そりゃそう言われると嬉しいけど、自分より遥かに美形な人に言われても正直微妙なんだけどなあ……
 素直に喜べないわたしを見て、苦笑するアルテア。
「気のない返事だなぁ」
「す、すみません」
「あやまんなくていいって。そういうとこが初々しくていいんだけどね。クレイが大事にしてんのもわかる」
 大事にされてる? まあさすがに粗末にはされてないと思うけど。一応パーティの仲間なんだし。
「俺はてっきりクレイと付き合ってるのかと思ってたからね。寝言にまで名前呼ぶくらいだからラブラブなのかと思いきや……一方通行なんだね。相変わらず不憫な奴だ」
 饒舌に喋るアルテア。なんだかいまいち話が見えないんですけど……わたしがクレイと付き合ってないってことだけは間違いなく言える。
 だってねぇ、何度も言うけどパーティでしょ? 今までそんな目で見たことないもん。
「とりあえずはっきりしてんのは、パステルはクレイのものじゃない。じゃあ俺がもらったっていいだろ?」
「もらうって、あの、それって」
「いやクレイには悪いと思うけど、そりゃ早いもん勝ち……いや違うな、取ったもん勝ち……でもないか。まぁそれはいいけど、クレイはゴニョゴニョ言うばっかりで何が言いたいのかさっぱりわかんないし」

 ……わけがわからない……ってあの、もらうよってわたし物じゃないし!
 リーダーであるクレイに聞いたって、パーティの一員を相手がお兄さんとはいえどうぞ持っていけなんて言わないと思うもん。
 いや、そもそもさあ、こんな人に欲しがって頂ける理由がなんら思い当たらないんですけど。
 とりあえず不自然極まりなく寝転がったまま、恐る恐るその疑問をぶつけてみる。
 だってわたし冒険者としてのスキルなんてアルテアから見れば無いに等しいだろうし。
 何か優れた特殊能力があるかって別にないし。
 アンダーソン家にはお手伝いさんがたくさんいたからそんなのいらないだろうし。
 ……自分で言うのも何だけど正直何のお役にもたてないと思うんだけどな……

 アルテアの膝の上、ある意味膝枕状態で。
 しみじみと自分の潰しのきかなさと無力感を感じて暗くなるわたしの質問に、勢い良く吹きだした彼は軽く眉間を押さえて横を向いた。
「……そっか、意味通じてないな」
 えーと……わたしなんかおかしいこと言ったのかなあ?
 脱力した様子のアルテアは口元に苦笑いを浮かべると、膝の上のわたしをひょいと腕の中に抱き上げた。
 途端に厚くがっしりした胸板に密着し、さらに顔に血がしゅわわわっとのぼるのがわかる。
「ちょ、おおおろおろしてくださいっ」
「ほら噛まない暴れない。もう言うだけ野暮かなと」
「は?」
「わかんなくていいよ。くくくっ」
 含み笑いをしている彼に軽々と運ばれ、否応なしに連れて行かれたのは次の間。
 相変わらず目を開けず、グロッキー状態のクレイをそこに残して。

247:アル×パス×クレイ 4
08/12/19 16:44:33 7+xIv1uX


 わたしを抱えたままの手で、器用にブランケットを跳ね上げるアルテア。
 ベッドにそっと抱き下ろされてようやく密着状態から抜け出すことができたけど、なんとも身の置き場に困るような気分。
 なんでわざわざこっちの部屋に運ばれたのか、さっきの話の意味もわかんないし……
 考えれば考えるほど、自分の置かれている状況が理解できなくなってきた。
 と、背中に当たるベッドのヘッドボード。我知らず少しずつ後ずさっていたらしいわたし。
「なんで逃げるかなあ」
「いえ、その逃げてるわけじゃ」
「いいから。ほらおいで」
 アルテアはおたおたしているわたしの両手をやさしく絡め取り、片手でまとめて握りこんでしまった。
 とても大きい手のひら、長い指。わたしの両手首を掴んでもまだ余裕がある。
 抗う余地もなく唐突に拘束状態にされて、もう何が何だか。
 口を開きかけた瞬間、一瞬早く目の前を何かに塞がれた。
 これ以上近づけないくらい至近距離にあるのは。端正で凛々しいなアルテアの顔。
 唇に触れているのはほの熱くさらりとして形のいい唇。
 これって……キス、だよね。唇当たってるし。キス。キスかぁ……睫毛長いなあ。
 頭ぐるぐる。目も閉じられず、ぼおっとそんなことを考えながらアルテアの顔を見つめていると、ふと唇が離れた。

「こういうこと」

 目の前のひとはそれはそれは嬉しそうに、花がほころぶように微笑んだ。
 こんな非常時なのに、思わず見とれてしまって暫し時間が止まる。
 固まっているわたしを見て浮かぶ、ほんの少し困ったような目の色。かと思うと近づいてきた唇がまた重ねられた。
 やさしくやさしく、唇全体を軽く吸うようなキス。
 形のいい唇の間から漏れるわずかな息は甘く熱く、少しずつわたしの唇を湿らせていく。
 ほんのり熱を帯びた舌が唇を割ると、つるりと滑り込んできた。
 それはわたしの舌を探し当てるとそっと吸い上げ、歯列をなぞるようにゆっくりと這っていく。
 アルテアは何度も顔の角度を変え、味わっているかのように穏やかにとろりとしたキスを続けた。
 ひとつひとつの呼吸が全て吐息になって、もうこのままだと気を失いそうって思った時、ようやくそっと離れた唇。
 吸っても吸っても苦しい息をなんとか吸い込み、大きく息をついて言葉を搾り出す。
「どうして、こん、な……?」
「あれ、まだわかんないの? 困った子だね」
 呆れた表情のアルテア。
 形のいい唇はさっきのキスで微かに濡れていて、もうなんとも言えず色っぽい。
 本日何度目か、自分の置かれた状況を忘れて見とれていると、真っ白なシーツの上にやわらかく押し倒され大きな体がのしかかってくる。
 目の前に迫るのは、いつの間に上着を脱いだのか、クリーム色の上質そうなシルクのシャツに包まれた厚い胸板。
 強引に抱き込まれてどうあがいても動けない。いやその困りますってばっ!
「こら、猫じゃないんだからジタバタ暴れないの」
 限りなく甘い声が耳たぶに囁いた。電源OFFのスイッチを押されたように動きが止まる。
「パステルが可愛いから……俺がもらった。クレイも君を好きらしいけど手を出す度胸もないようなので先着順。以上。わかったかい?」
「好きって、その、もらうって、えっと」
 わかったけど、わかったけどどうすればいいの、わたし。
 酸欠の金魚みたいに口をパクパクさせるわたしを笑いながら制したアルテアは、さっきとは打って変わって強引に、噛み付くように唇を奪った。
「なっ、ん、ぁむっ」
 貪るように舌を吸い上げ、息つく間もないほど激しく口付けながら、鮮やかな手つきで片手でわたしの服を脱がせていく。
 抵抗することもできずなすがまま。そもそも服を脱がされているのすら今やっと気づいたし……
 やっとキスから解放された時、下着1枚にされている自分に気づいて慌てて胸を隠す。
 知らぬ間に顎まで伝っていた唾液が冷たい。


248:アル×パス×クレイ 5
08/12/19 16:46:36 7+xIv1uX

「パステル、幼い顔してるけどちゃんと女性だね」
 どこを見て言ったのか、何気なくつぶやかれた言葉にカッと熱くなる頬。
 そのすぐ横をかすめて首筋をつうっと撫であげられる。「ひっ」反射的にピクンと首をすくめるわたし。
 首元から襟足をかきあげた細い指は触れるか触れないかくらいのタッチで首から肩、胸元を滑り降りてくる。 ぞくぞくと背中を何かが駆け上がり、指の動きにつれて呼吸が乱れてくるのが自分でもわかる。
「はぁ……っん、ん」
「パステル勿論初めてだよね? その割に感度いいなぁ。まだ肝心なとこは全然さわってないのにさ。ほら」
 やたら嬉しそうなアルテアは、不意にわたしの下着の上からその部分に触れた。
「ひゃんっ! やっ、そんなとこ……っ」
「残念、ここはそう言ってない」
 下着1枚で恥ずかしいのも緊張もあって、ぎゅーっと閉じていた太ももと下着の三角地帯。
 そのわずかな隙間に滑り込んできた指にはわかってしまったと思う……意に反してその部分が、じっとりと湿り気を帯びてしまっていることを。

「今からこんなにしてどうするんだい? お楽しみはこれからなのに」
「お楽しみ、って……あ、やめ、てくださいっ」
 なんとか胸を覆い隠していた両手を、無常にもあっさりとほどかれる。
 月明かりの中にもはっきりと見えるさらけ出された胸。
「すごくきれいだ。隠しちゃだめだからね」
 甘く釘を刺されてもう一度隠すこともできず、もうどうしようもなく恥ずかしくて。せめてもの抵抗に目を閉じて顔を背ける。

 ぴちゃ。

 静かな部屋に響いた湿った音。
 先端の部分をぺろりと舐め、軽く歯を立てるくらいの甘噛みの愛撫。
 同時に大きな手のひらで乳房全体を包むようにくるみ、さわさわとやわらかく揉みあげられる。
「あ……ん、んんっ」
「ほぉら、もう硬くなっちゃった」
 その都度指摘しないでほしい……隠せないからだの反応を言葉にされると、見えないところまで裸にされちゃったみたいで逃げ場がない気分になってしまう。
 わたしのそんな気持ちなんておかまいなく、揉みしだかれる胸。
 舌が離れたかと思うと、指先がくにくにと円を描くように乳首をこねたりごく軽くはじいてみたり。
 痺れるような刺激と初めて感じる快感とに翻弄されて、脚の間にじゅん、と熱いものが滲む。
「どうしたの? 切なそうに身をよじっちゃって」

 ……聞かないでほしいのに。
 あの部分が疼くような熱いような変な感触を持て余し、つい両脚をぎゅうっとすり合わせてしまっていたみたい。
 ほんのりあたたかくなった手が胸からウエストをなぞって降りて来て、わたしのかたく閉じた太腿を何の苦もなく押し開いた。
 かろうじて最後の1枚を履いているとはいえ、その中はもうびっしょりになっているのがわかる。
 そんなところをまじまじと見つめられてしまい、もう顔から火が出そう。
「ほんとに感じやすいんだね」
 いつの間にかわたしの足元にいたアルテアが、感心したように呟いた。
 羞恥で視線をあわせることもできないわたしの顔を悪戯っぽい表情で覗き込んだ。
「白い布がびしょびしょに濡れて透けちゃってるよ」
「……」
「色までわかる……ほら!」
「ひっ! や、あぁっ」
 一気に引き剥がされた下着。
 器用に片脚を抜かされ、抵抗の余地なく足首をつかんでぐいと膝を曲げさせられてしまう。
 もはや隠すものなく晒されてしまったわたしのあそこ。


249:アル×パス×クレイ 6
08/12/19 16:47:53 7+xIv1uX

「やっぱりね。キレイなピンク色してるなぁ」
「や、見ない、で……」
「そんな無理な注文困るって。自分で見てごらん。すごく……いやらしいからさ」
 最後の部分、喉に少しだけからんだようなアルテアの囁き。
 思わず言われるままにを自分の秘部に目をやる。
 薄く生えた髪と同じ色の茂みは、雫がつくほどに濡れてしまっていた。
 そして何より恥ずかしいのは、開かされた脚の間にアルテアがいて……その色っぽく微かに潤んだ眼差しに穴が開くほどその部分を見つめられていること。
「濡れ濡れだねー。ほら」
「んんっ」
 熱い息がそこに吹きかけられた。何度も、何度も。
 直接触られてないのに、アルテアの熱い息がかかるたび、わたしのその部分はどくどくと激しく、心臓とは別の動きで勝手に脈打っている。
 からだの奥の方から雫がどんどんにじみ出てきて、飽和状態になったように一滴がつるっとお尻へ伝うのがわかった。
「やらしいなぁ。全然触ってないのに溢れちゃってるよ。そんなに欲しい?」
 欲しいって……欲しいってよくわからないけど。
 男の人に触れられたことなんてないのにこんな気持ちになってしまったのが、正直不思議で仕方ないんだけど……
 この疼きはきっと、直接触れて欲しいから、なのかな……
 目を伏せてコクンと頷くと、ちょっと驚いた顔をしたアルテアは、心底嬉しそうに微笑んだ。
「もうほんとに……可愛いなぁ」
 体をするりとずらして頬にかるいキス。瞳に宿る艶っぽい色。
「気持ちよく……してあげるから」
「きゃ……あぁ、ああんっ、やっ」
 言葉が終わらないうちにずぶっと指が差し込まれる。
 そこから頭のてっぺんまで電流が走ったみたいになって、漏れる声が抑えられない。
 ぬちゃ、ねちゃっとなんともいえない音を立てながら、襞を割って出し入れされる細い指。
 奥のほうで小刻みに指先が動かされるたび、例えようのない快感が走る。
「んく、んっ、あ……ん、やぁ、そ、こ……」
「んーここがいいのかな? パステルはエッチだねぇ。初めてなのにこんなに濡らしてさ」
 わたしの反応を楽しむようにいやらしい言葉を重ねるアルテア。
 一度抜いた指をまた膣の奥まで押し込むと同時に、襞の重なりをかき分けると躊躇いなくクリトリスに吸い付いた。
「ひっ、あ、あぁっ! や、あ……あぁ、ん、んんっ」
 唾液をたっぷりと含ませて弾くように芽をつつき、硬くなってしまったそれを舐めあげる舌。
 そして休むことなく内壁を擦ってかきまわす指。
 快感の階段を駆け上がっているような、ううん、強引に押し上げられているような気がする。
 ぴんと伸ばしきって愛撫に耐えている脚がつりそうになった時、前触れなく不意に指が引き抜かれ、アルテアが身を起こした。

 どう……して? こんな、途中で梯子を外すみたいに……
 火照って潤みきったその部分は、恥ずかしさを捨てきれないわたしの気持ちとは裏腹に、アルテアの指と唇を求めていた。
「そんな顔しないの」
 見透かしたような一言。
 我知らずすがるような表情になってしまっていたらしい。
 いつの間にか服を脱いでいたアルテアは、わたしの愛液で濡れた口元を手の甲でぬぐうとやさしくくちづけた。
「いくらなんでもここでやめたりしないからさ」
「いやそんな、ええっと……」
 慌てて形だけでも否定しているわたしの頭を軽く撫でると、彼はわたしの脚を開かせた。
 よく見えないけど引き締まったお腹のおへそ近くまで立ち上がったアルテア自身を見ると、本能的に怖さが先に立ち腰が引けてしまう。
「大丈夫。できるだけ痛くないようにするから」

 アルテアは軽く頭を振りさばいて大きくひとつ息を吸うと、わたしの上にゆっくりと跨った。
 怖い。でも。



250:アル×パス×クレイ 7
08/12/19 16:49:27 7+xIv1uX

 そのとき、何か空気が揺れた気配がした。

 わたしより一瞬早くにそれに気づいたアルテアが振り返る。
 彼越しに見える間仕切りのカーテン。そこに立っていたのは……夜目にもわかる、驚愕の表情を浮かべたクレイだった。

「パステル!?」
「クレ……イ」

 喘ぐようにつぶやいたわたしの声と、クレイの信じられないといった声は同時だった。
 見られちゃった……よね。まずい、よね。これ。
 さっきとは違う意味で頭が真っ白になっているわたしにアルテアは、ふっと息をついて体を離すと、そっと体を隠すようにシーツをかけてくれた。
「いいとこで邪魔が入ったね」
「アルテア兄さん……なんで、パステルと」
 まだ酔いが醒めてるわけじゃないんだろう。
 どことなく焦点の怪しい目で、間仕切りを片手で千切らんばかりに握り締めているのが見える。わなわなと震える握り拳。
「おまえさっき言っただろう? 彼女じゃないって」
 目をむくクレイ。
「そんなこと聞かれたっけ? いや、そりゃ本当に彼女じゃないけど、だからって」
「弟とはいえ、こんな可愛らしい子を譲る義理はないじゃないか」
「いや譲るって……アルテア兄さん、いつからそんな」
「おまえが連れてきたときから可愛いなとは思ってたさ。でもおまえにはいつまで経っても彼女にするだけの甲斐性がないみたいだからなあ」
「甲斐性も何も、アルテア兄さんが全力で迫って勝てるわけないだろ!?」
 悲痛な叫び。
 ……クレイ、例えそうだとしてもそこまで言い切らなくても。いや論点はそこじゃないけど。

「気に入ったから実力行使。全ては実力主義だよ、我が弟クン。用事が済んだならそっち行って寝てろよ。まだ酔いは醒めてないんだろ?」
 なんとも人の悪そうなニヤニヤ笑いを浮かべたアルテア。そういえばこの人って、けっこう意地悪だったんだよね。
 対するは今まで見た中で一番悔しそうなクレイ。
 真っ白になるほど唇を噛み締めると、わたしに向かって言った。
「……パステルは、それで……いいのかい?」
 いいのかって……わたしどう答えればいいんだろう?
 いや正直なところ、アルテアとこうなっちゃったのも怒涛の勢いに押し流されたようなもんだし……
「あのなあクレイ。パステル困ってるじゃないか。おまえがだらしないから俺がさっき強奪したの。彼女の意思とかあまり反映されてないといえばないけど……パステル、それはごめん」
 なんか話のついでにあやまられてるけど。
「で、おまえはどうなの。それであきらめられるのか?」
 いつになく真面目な声色のアルテア。
 クレイに対してお兄さんらしい威厳のある言葉。状況が状況だけにあまり締りがない雰囲気ではあるんだけどね。

「俺は……」
 うつむいて暫し逡巡していたクレイは顔をあげると、心を決めたように口を開いた。
「あきらめられない。パステルが、好きだよ」
「よし、よく言った」
 必死で言ったと思われるクレイの言葉に、意外やぱあっと嬉しそうに笑ったアルテア。
「全力で弟の恋愛成就を応援してやりたいとこだが、もう遅い」は!?
「まだ完遂はしてないけど、ここまでしちゃったからねぇ……ほら」
「きゃああっ!?」
 ぺろっとシーツをめくるアルテア。もちろんその中にいるのは、全裸のわたし。
 焦りまくってシーツを引き戻す。どうにかくるまって体を隠してはみるけど、見る間に真っ赤っ赤になったクレイ。
 くるっと回れ右して激しく頭をかきむしっている。


251:アル×パス×クレイ 8
08/12/19 16:51:16 7+xIv1uX

「パステルにここまでしておいて途中止めなんて、俺は紳士としてできない」
 紳士って、あの。
「でもこのままクレイの意思を無視って遂行すると寝覚めが悪いよな……仕方ないなぁ。来いよ、クレイ」
「来い?」
 棒読みで鸚鵡返し。クレイは首だけこちらに振り向いた姿勢で固まってしまっている。
「相変わらず鈍いな、おまえは。まぜてやるって言ってるんだよ」
「まぜるぅ!?」
 見事にシンクロしたクレイとわたし。
 まぜるって、混ぜるってその……
「パステル。今どっちか選べなんて酷なこと聞かないからさ。それとも何? この状態で……やめちゃっていいのかい?」
 シーツの下に手を差し込んだアルテアは、わたしの脚の間にするりと手を滑り込ませた。
「ひっ、ゃぁんっ」
「ちょ、ちょっと兄さんっ」
 立場は違えど、それぞれの理由で慌てふためくわたしとクレイ。
 こんな状況になったというのに、さっきの愛撫のせいでそこにはまだ潤いが残っている。
 アルテアはそれを指先に絡ませて引き抜くと、立ち尽くしたままのクレイにこれ見よがしに見せた。
 親指と中指をくっつけて離す。とろりとねばって糸を引く液体……
 まだ顔の赤いクレイはそれを見て何かわかったらしく、ゴクリとつばを飲み込む音が響いた。
「というわけだ。いいよね? パステル」
「いいも悪いも……」
「それとも……嫌? 俺のこと嫌い? クレイのこと嫌い?」
 実に楽しそうに、ちょいと頬をつつく指。
「……」
 やっぱりこの人って、意地悪だ。
 わたしがそんな風に思ってないの知ってるくせに。
 さっき途中でやめられたことで、どんなになってるかよくわかってるくせに。
 返事の代わりにシーツから手を出すと、アルテアの指先をきゅっと握ると、それはそれは鮮やかな満面の笑みが返ってきた。

「ほら、クレイを呼んでやりなよ」
 毒を食らわば皿まで……この場合はちょっと違う、いやだいぶ違うけど。
 わたしは尻込みする気持ちをぐっと飲み込むと、自分を包んでいるシーツの端を少しだけ捲った。

「ど、どうぞっ」
「どうぞか……どうぞねぇ。くくっ」
 何がおかしいのかお腹を抱えて笑っているアルテア。
 わたしそんな変なこと言ったっけ?
 しかしそれを全く気にも留めない、というより葛藤と戦ってた風のクレイは。
 真っ赤な顔のまま機械的に胸のボタンを外し、おぼつかない手つきで脱いだロングブーツを放り出す。
 下着だけになって遠慮がちにベッドに近づいてきたクレイは、わたしが作ったシーツの小さな隙間から、広い肩幅を斜めにするように体を入り込ませた。
 シーツの下で腕や脚が軽くぶつかり、双方焦って身を引くけどもちろん逃げ場なんてない。
 笑いをどうにか収めて、果てしなくぎこちないわたしたちの様子を見ていたアルテアは呆れたように唇を歪めた。
「あのね、君らここまで来て引いてどうするんだよ……パステル、出ておいで」
「あ、は、はいっ」
 本日2度目、勢い良くはがされるシーツ。今度はお腹に力を入れて叫び声をあげないよう頑張ってみる。
 一気に外気にさらされてひゅうっと縮こまる皮膚。
 隠しようもない裸の体を4つの目に凝視されているのが痛いほど伝わってくる……もうどうにも恥ずかしくてたまらない。
「おまえも初めて見るんだな。綺麗だと思わないか?」
「……うん。すごく、綺麗だ」
 ゆっくりと言葉を区切りながら言うクレイの言葉に、ぎゅっとつぶっていた目をおそるおそる薄く開いてみる。



252:アル×パス×クレイ 9
08/12/19 16:52:41 7+xIv1uX

 わたしのすぐ傍らに座ったクレイと、足元にいるアルテア。
 兄弟だからかな、当たり前だけどすごく雰囲気が似ている。
 クレイも長身だけどアルテアの方がさらに高くて、胸や腕の筋肉もひとまわりがっちりとしていて。
 でもこれはアンダーソン家の遺伝なのか、がっちりしているけど決してムキムキなわけじゃなく、引き締まった細身の筋肉質っていう表現がぴったりくる気がするんだよね。
 裸の上半身をついまじまじと観察していると、アルテアがにやりとした。
「なーに見てるのかな? なんか比べてる?」
「いいいえ、そんなっ」
「そんな落ち着いてる余裕があるのかなあ? ほら」
「やぁ……」
 また伸びてきた手が、閉じた太腿をぐいと開いた。あらわにされるわたしのあそこ。
 く、クレイそんなに見ないでほしい……
 食い入るように見つめている目が真剣すぎて怖い。
「あぁさっきの方がもっとびしょびしょだったのになぁ。途中参戦のおまえのせいだぜ」
 残念そうに言わないでくださいっ!
 クレイが真に受けちゃってるし!

 アルテアは芝居がかった口調で責任転嫁しつつ、人差し指をついと立てるとわたしのおへそに軽く触れた。
 そのまますーっと線を引くように、まっすぐ茂みの部分まで指をおろす。
「んっ」
「お、毛が立った。本当にパステルは感じやすいんだね……よいしょ」
 その人差し指を茂みの中に這いこませると、指の腹でクリトリスをむにっと押しつぶすようにこねる。
 同時にずぷんと合わせ目に差し入れられた親指。
 ヒダヒダになった部分を指先でほぐすように愛撫され、膣の奥からまた何かがじわっと湧き出すのを感じた。
「ぁんっ、あ、や……ぁぁあ……っ」
「クレイ。ぼーっとしてないで何かすることがあるだろ?」
「え、何かって」
「俺が手がまわらないとこ、あるんだけどなあ」
 皮肉っぽい含み笑い。
 その視線の先に気づいたクレイ。暫し落ち着きなく逡巡していたけれど、思い切ったようにわたしの胸に手を伸ばした。
 恐らく彼も初めてなんだろう、慣れない動きの愛撫。
 すんなりとなめらかなアルテアの手に比べると、ファイターっぽいごつごつ感があるんだけど……その硬い動きで逆に昂ぶらされてしまっている気がする。
「あれぇ、どんどん濡れてくるんだけどなー。クレイも貢献してるってことかな?」
 からかうようなアルテアの言葉に、胸のあたりに屈みこんでいたクレイがわたしの顔を見た。
「パステル……そうなのか?」
「あ、うん。気持ち……いいけど」
 言った後で顔から火が出そうになる。
 そんなに真面目に聞くから、つい素で答えちゃったじゃない!!
 き、気持ちいいだなんて……もうわたしどうかしちゃってるし!

 内心身悶えているわたしの気持ちなんて知らず、ほっとしたように嬉しそうな顔をしたクレイ。
 そんな顔されたら文句も言えやしない。
 なんとも複雑な気分に陥っていると、愛撫の手をとめたアルテアがベッドから滑り降りた。
「兄さん?」
「そろそろ大丈夫だと思うよ。クレイ出番」
「は?」
「パステルとしたいんだろ? 最初は譲ってやるから」
「……」
「モタモタしない。俺が先でもいいのか?」
「良くない!」
 大真面目に即答した弟の顔を見たアルテアはぷーっと吹きだし、笑いながらクレイを促して体の場所を入れ替えた。


253:アル×パス×クレイ 10
08/12/19 16:53:28 7+xIv1uX

 わたしを背後から抱え起こすと、後ろからぎゅっと抱きしめる。
 裸の厚くて硬い胸板が背中に触れ、今更、本当に今更すぎるんだけど、心臓が跳ね上がった。
「クレイだから慣れてなくて痛いかもしれないけど……サポートするから大丈夫」
 耳元で囁く甘い声にコクコクとぎこちなく頷くわたし。
 アルテアは耳たぶを軽く噛み、ぺたんと座り込んでいたわたしの両膝の裏をぐっと持ち上げた。
 ちょうど子供がおしっこをするように膝を立てたあられもない姿。
 隠すもののないその部分は打ち続く愛撫にぐっしょりと濡れ、空気の動きにすら敏感になってしまうほど。
「お互い初めてなんだから、ゆっくり。ゆっくりだぞ、クレイ。パステル壊すんじゃないよ」
「わ……わかってるよ」
 兄弟のなんともいえない妙なやり取りを経て、クレイは股間にそそりたったものをわたしの脚の間に押し当てた。
 その予想しない熱さに思わず身震いする。それを感じてかやさしくなだめるように、とんとんと動くアルテアの指。

 クレイの先端がおずおずと襞を押し分けた。堅くて今まで感じたことのない異物感。
「んくっ」
「痛い? 痛いかっ?」
「だ……いじょうぶ」
「クレイ、とにかくゆっくり。少しずつ入れなきゃ裂けちゃうから」
 アルテアのアドバイスに無言でせわしなく頷きながら、クレイは腰をゆっくりと押し進める。
「く……っ、んっ、んんっ」
 ぺたりとくっついたものを剥がすような、狭いところを無理に通ろうとしているような感触だけれど、不思議にそんなに痛みは感じない。
 ただ圧倒的な圧力がそこにかかっているのはわかるんだけれど。
「奥に当たる? よし、パステルの顔色をちゃんと見ながら、そーっと動かして」
「いい……かな、パステル」
「う、ん」
 何がいいのか。自分でもよくわからないけど頷く。
 細心の注意を払っているような真剣な表情で、クレイが腰をわずかに引いた。
 ずず、とお腹の中が擦られているようなひっかかりとわずかな痛み。
 微かに寄せた眉根を見たクレイは焦ったように腰を止めてくれたけれど、また少しずつ、少しずつ動かし始める。
「ぁ……ぁん……んっ」
 じわじわと押し広がるような快感に流され、さっきから感じていた痛みはその底辺にほんの少しの苦味のように残っている。けど、気持ち……いい。
 背後から両脚を支えていた手が離れ、両胸を包み込んだ。
 下から持ち上げるように揉みながら先端を弄くる指に、胸とあそこの両方から責め立てられて喘ぎ声が抑えられない。
「あ、はぁ……あっ、や、ぁあっ」
 わたしとクレイのつながったところから、愛液がとろとろと漏れ出して太腿にぬるく伝い、腰の動きに合わせて飛沫になって散る。
 動きを押し殺すみたいにそおっとだった腰の動き。それが段々と早くなってきたと思うと、苦しそうなクレイの両手がわたしのウエストを掴んだ。
「パステル、パス……テル、もうおれっ……!!」
「ぁあん、クレ……イぃっ……」
 思い切り強く突きこむと同時に、クレイが体を震わせて動きを止めた。
 お腹の奥の方にどぼっとなにか注ぎ込まれたみたいに熱い。
 アルテアに倒れこむように体を預けると、厚い胸がわたしの背中を受け止めてくれた。
 乾いた手のひらがやさしく額の髪をかきあげる。

「大丈夫? パステル」
「は……い」
「クレイ、早い」

 アルテア、ちょっとこのタイミングでそれは……

「そんなこと……言われても……無理だよ」

 ゼエゼエ荒く息をついていたクレイは、恨みがましい目でアルテアを見ると、わたしから体を離してベッドの端にごろんと横になってしまった。
 裸の胸が呼吸に合わせて上下している。



254:アル×パス×クレイ 11
08/12/19 16:55:45 7+xIv1uX

「まぁ初めてだしね、仕方ないけど。パステルはもう……満足かな?」
「え? あ、やっ」
 伸びてきた指がわたしのそこを確認するように探った。
 指の行き先は、ほんの少し半開きの、濡れそぼってまだ熱い入口。
「まだこんなに。足りないんじゃない? ほら」
「あっ、あん、あぁぁん……っ」
「かわいい弟のフォローは、やっぱり兄がしなきゃいけないよね。さ、手ついて」

 抱きしめられていた体を前に少し倒され、四つんばいになるように促される。
 お尻をそのままアルテアに向ける姿勢が恥ずかしいけど……抗えないのはこの火照るからだのせいだと思う。
 わたしは言われるがままに両手をベッドについて目を閉じた。
 暫しの空白の時間に思わず振り返り首をひねって見上げれば、とろりと色っぽさのにじんだ眼差しがわたしを見つめていた。
 赤い舌が軽く唇を舐める。
「あーそそられる。そんなせがんじゃって」
 大きな手がわたしの腰骨をがっちりと押さえ、太くて堅いものが、クレイに潤されたわたしのあそこへめりめりと押し込まれてきた。
「あぁ、んっ、はぁん」
「まだきついなあ……クレイのが入ってるからまだましか」
 つぶやきながらゆっくりと自身を進めるアルテア。
 ぷっくりふくれている充血した襞を巻き込みながら、時々中をかきまわすように動かされる。
 じゅぶ、じゅぶっと湿った卑猥な音。
「ぁん、あん、あぁ……はぁ……ぁっ」
「可愛いよ……パステル」
 背中にキスの雨を降らせながら、ゆっくりと、でもわざと乱暴にしているかのように強く、後ろからわたしを犯すアルテア。
 肌同士がぶつかる音とわたしの喘ぎが静かな部屋に響き、アルテアが腰を動かす速度があがるにつれて目の前が白くなっていくような気がした。
「だめ、な、んか、へ……んに……」
「イキそう? いいよ、変になっても」
 アルテアの少し乱れた呼吸。
 いつの間にかすぐ前にいたクレイの唇が降ってきた。
「ぁむっ、んっ」
「パス……テル……」
 舌を貪るようにキスしながら、わたしの名前を囁くクレイ。
 アルテアは腰をリズミカルに動かしながら片手を伸ばすと、クリトリスを摘むように指先で弾いた。

「やぁ、あああっ、だめ、だめぇ、も、あぁ、やあああぁんっ……!!」
 思い切り喉の奥から叫ぶと、耳の奥でぱしっと何かが弾け飛んだような音がした。
 一面スパークしたみたいにチカチカして、まぶたの裏がじんじん熱い。
 やっと視界が落ち着いてくると、わたしはアルテアの腕の中に抱きしめられていた。
 髪をなでてくれているのはクレイの手だろうか。


255:アル×パス×クレイ 12
08/12/19 16:57:08 7+xIv1uX

「大丈夫? ごめん、初めてなのに無理させたかな」
「うう……ん」
 力なく首を振る。
 しばらくわたしを落ち着かせるように抱いていたアルテアは腕を解くと、いつの間にか身に着けた下着姿で立ち上がった。
「パステル、シャワー浴びておいで。俺達はあっちの部屋のを使うから」
「え、アルテア兄さんと一緒に?」
「へーえ、俺とじゃ嫌とでも?」
「嫌とかじゃないけど……」
 すごく嫌そうな顔してるよ、クレイ。
 気持ちはわからないでもないけど。
「俺達は男同士の会話があるからね」
「何だよそれ」
 不承不承といった感じで部屋の入口に追いやられたクレイが、続き部屋への仕切りをくぐった。
 続いて布を捲ろうとしたアルテアは、ふと思い出したように戻ってくると、座り込んだままのわたしの傍で身を屈めた。
「今度はふたりで……ね?」
 それだけ言って踵を返すと、彼は仕切りの向こうへ消えた。
 すぐシャワーの音が聞こえてくる。

 唇を軽く曲げて笑ったアルテアは、なんだかとっても……大人っぽかった。



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完結です。

途中、行間調整に失敗して見づらくなってしまいました。
申し訳ありません。


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