とある魔術の禁書目録 10フラグ目at EROPARO
とある魔術の禁書目録 10フラグ目 - 暇つぶし2ch400:名無しさん@ピンキー
08/09/12 12:03:27 XRqBVn2j
久しぶりに来たら、変な作者が増えてるな。
アニメ化の影響でリア厨が流入したのか?

401:名無しさん@ピンキー
08/09/12 12:24:22 6fqYo9BB
保管庫すら知らないのもいるみたいだしそうかもね。
まぁ容量さえ潰されなきゃ気にせんけどね。読まなきゃいいだけだし。
ホントに糞みたいな駄作をつらつら書かれたら俺より先になんか言ってくれる人でるだろうし。

402:398
08/09/12 13:13:27 wWK+b1NT
>399すまん書き方が悪かったようだ。

俺が知りたかったのは「淫魔騒動のあらすじ」ではなく、
「淫魔騒動の企画をやることになった」いきさつだったんだ。
ひょっとしたら職人さんの間で書く順番でも決めてあるのかと思ったんだよ。
まあでもここのログはないようだし適当に様子を見ることにするわ。
貴殿の善意に感謝する。オーバー。

403:名無しさん@ピンキー
08/09/12 20:38:04 g7PQkTRY
>>402
ここのログ、あるよ?

エロパロ&文章創作板ガイド とある魔術の禁書目録
URLリンク(www9.atwiki.jp)
へどぞ。

404:398
08/09/12 21:16:44 wWK+b1NT
>403
探し方が甘かった。俺の目は節穴かと小一時間(ry
ありがとう。ごめんorz
ほんとすまんかった。ありがたく読ませてもらうわ

405:361:とある少女の空想模様②
08/09/13 07:49:33 u99zpMLN
「ふ……んぁ…はぷっ……うぅん…」
室内に響くは粘ついた水音。
それを聞きながら上条は目の前の光景をぼんやりと見つめる。
自分のナニを執拗に舐め、しゃぶり続ける金髪碧眼の少女。
「あむっ…ぺちょ……このように硬くなりけるとは……」
最大主教のローラ・ステュアートである。
このような行為に及ぶに至った経緯を上条は思い出す。

ローラが妖艶に誘ってきた瞬間、理性が切れた上条はローラを抱き締めキスをした。
彼女も積極的に舌を絡めてきて、5分くらいそうやってキスした後ベッドに倒れこみーーー今に至る。
そう考えるとなし崩しだよなー、などと思っていた上条に対し、
「私のテクはたらにけりかしら?」
とローラが心配そうに声をかけてきた。
どうやら上条が上の空なので気持ち良く無いのかと思ったらしい。
そう思った上条は急に彼女に対する愛しさがこみ上げてきて、ローラを押し倒した。
「ローラが気持ちよすぎてぼんやりしてたんだよ」
上条が耳元で囁くと、彼女は嬉しそうに目をとろんとさせ、強く抱きついてきた。
上条は抱き締め返しながら、手にちょうど良い大きさの彼女の胸を揉みほぐし始めた。
「く……ん…ぅあ……」
優しく揉んでやると溜め息をつくローラ。
急に悪戯心が首をもたげた上条は、勃起している乳首を強くつまんだ。
「んぁああぁ!!」
悶えるローラにもっと感じさせようと、上条は彼女の咲き誇る蕾を口に含み、しゃぶった。
「あっあぁあああぁ!気持ち良きなのぉお!!」
もっと吸って、とでも言うように上条の頭を胸に押し付ける。
ちゅうちゅぷぺちょ……
淫靡に響く音に更に高まっていっているのか、ローラが叫ぶ。
「も、もうイクっ!イっちゃうぅぅうぅ!!」
止めとばかりに上条は彼女の乳首を甘噛みした、その瞬間。
「んぁああぁあぁあああぁ!!!」
絶叫と共に体を強ばらせ、弓なりにひきつらせる。
「どうしたローラ?イっちゃったのか?」
そう胸を揉みながら尋ねる上条に、
「あ…貴方のテクが良すぎにけりなのよぉ……」
息も絶え絶えに呟くローラ。
そこには最大主教の面影は無く、ただ雄の精子に狂う雌がいるだけだった。
「さて、ローラ……そろそろ…」
当然こんな所で終わる気は無い。やはり最後までいき、中に出してもらわねば満足出来ない。ローラは自分から獣のように四つん這いになって性器をさらしたのだった。


406:361:とある少女の空想模様②
08/09/13 07:55:34 u99zpMLN
「じゃあ………挿れるよ?」
「早く……いれて……」
誘うように尻を揺らすローラに薄く笑って、上条は一気に子宮まで貫いた。
「ふぁああぁっ!!」
嬉しそうに体を仰け反らせるローラ。
彼女の淫唇はこの上なく潤っていた。更には、
(うっ……挿れただけでイキそうになっちまった)
と上条が危機感を覚えるほどの名器だった。
ずぷっずりゅっぐぷっ!!
卑猥な水音を立てて何度も上条のナニがローラの淫唇に飲み込まれていく。
「はっあっあんっんぁあっ!!」
歓喜を満面に表しながら絶頂へと上り詰めていくローラ。
「くっ………ローラっそろそろもう……っ!!」
上条が息を荒げながら告げると、
「中に出してぇぇっ!!」と中出し許可が。
こうなってしまえば抑えるものは何も無い。上条は最後のラストスパートをかけた。そして、
「あっイクっイクよぉ!!イっちゃうぅぅうぅん!!」
「くっ……!!」
ローラと上条は同時にイった。
上条の精液はローラの子宮をパンパンに満たしたのだった。

「………はっ!?」
と目を覚ましたローラ。そこにはいつも通りの光景が広がっていた。
「………本当は呼びけることなど出来はせぬなのよ……」
と寂しげに呟いたのだった。


以上です。拙い文章で申し訳無いです。


407:名無しさん@ピンキー
08/09/13 08:07:01 AE3OGr9g
まさかの投下直後に当たりましたがね。口調の再現うまー。
夢オチじゃないですよね?これは次のエピソードの壮大なヒキなんですよね?
ともあれGJでした!

408:名無しさん@ピンキー
08/09/13 13:31:35 0/iYfQE7
ミサカ妹と上条さんが同居する話を要求する!

409:名無しさん@ピンキー
08/09/13 13:34:41 YPpUy8u4 BE:1265288377-2BP(0)
超GJ
名作誕生だ!!

410:361
08/09/13 13:57:15 u99zpMLN
①純粋にローラと上条
②他のキャラも巻き込んでみる

どっちが良いですか?


411:名無しさん@ピンキー
08/09/13 14:01:43 8lJbNiZL
>>410
GJですにゃー。できれば②がいいかなぁ。
教徒の誰かに見つかる→巻き込む→誰かに見つかる→巻き込む→きょ(ry

412:名無しさん@ピンキー
08/09/13 18:21:28 u99zpMLN
>>408
こんなんどうすか?

「ねえ、とうま!!起きてよ!!」
「………んぁあ?朝っぱらからどうしたインデックス?」
「一週間出掛けてくるかも」
「………………はぁ?」
「イギリス清教から命令が来たの。だから行ってくるね!!」
「お、おい!!」
そんなこんなで朝早く起こされた上条は、いましがた飛び出したシスターのことを考えていた。
(あいつ俺に迷惑をかけたくないからあんな風に出てったのかなー……)
などと根拠の無い妄想をしているうちに眠ってしまった。

「……うまさん…とうまさん…」
「……ん?いつの間にか二度寝しちまったのか…って御坂妹!?何でこんな所に!?」
「貴方への恩返しがまだ終わっていません、とミサカは感謝の意を伝えます」
「そ、それは分かったけど……答えになってませんよー?」
「だからミサカはあの少女がいない一週間貴方の為に尽くします、と照れながらも宣言します」
「………マジで?」
「マジです、とミサカは嘘無く言います。あと泊まってる間は夫婦のようにして下さい、とミサカは貴方と甘い一時を過ごしたいと吐露します」
「夫婦………というとまさか……」
「もちろん夜の営みもです、とミサカは期待しながら告げます」
「…………………………………中は?」
「……………恥ずかしながら構いませんよ、とミサカは孕ませてほしい内心を少しだけ見せます」
「………御坂妹………」
「この一週間だけ……貴方の妻にしてください」

有り余る欲望をもつ少年と、彼を愛する少女が出会った時、禁断の物語が始まるーーーー!!


413:名無しさん@ピンキー
08/09/13 22:37:17 AE3OGr9g
さあさあ、こんなところで油を売ってないで早く続きを書く作業に戻るんだ。
君の続きを待っている者たちの為にも寝ている暇などありはしないぞ。

414:名無しさん@ピンキー
08/09/14 00:03:22 vZoI8D3f
>>412
エロパロスレで言うのもなんだが上ヤンが性欲に押し流されるのが早すぎじゃないか?

415:名無しさん@ピンキー
08/09/14 00:12:06 hY70sZ50
>>414
寝てる間に電気で洗脳済みという電波がさっき来てたぞ

416:名無しさん@ピンキー
08/09/14 00:24:40 OQT3UvGz
右手が理性をぶっ殺しちゃったんだよ

417:名無しさん@ピンキー
08/09/14 06:18:51 6DOgOuvD
リアリティの話なんてしてたらエロパロなんて書けんてw

418:名無しさん@ピンキー
08/09/14 06:28:19 j+ux0nKi
リアリティのある話なら記憶喪失なんてとっくに皆にばれてるし
相手は実弾兵器を全方位からカミジョーさんにぶつけてくるしでてんやわんやですよ。

419:名無しさん@ピンキー
08/09/14 09:47:15 6DOgOuvD
ひと段落したようなので投下。一応>314の続きだが、俺は基本的にねーちんびいきなのでビリビリは一切出ない。
名前間違えといてねーちんびいきもないと思うだろうがスルーしてくれ。
エロはない。



「いやー悪いな神裂。あいつもいつもはここまで意味不明に襲撃してくることはないんだけどさ。まあ危害なかったみたいだからいいけど、にしてもいきなり襲ってきたと思ったらこれまたいきなり顔真っ赤にして帰ってくって一体あのデンジャラスお嬢様は何を考えてんだ?」
「……私にそんなことを聞かれても、そもそも私は彼女について知りもしないので答えようがないのですが」
「あ、いや、わりーわりー。上条さんはついこの間まで一人暮らしだったから自問自答の癖がついているのですよ。どうか聞かなかったことにして下さいや」
「え、ええ。わかりました。
 ところで上条当麻、あなたに少し聞きたいことがあるのですが」
「ふえ? なんでせう神裂さん。今のごたごたのお詫びも兼ねて、わたくしにできることならば全身全霊でもってあなたのご要望に答えさせて頂きませう」
「そうですか。では、とりあえず場所を変えましょう。できればゆっくり話ができる所がいいですね」
「え、もう街案内はいいのか?」
「はい。もう結構です。主要な交通機関といざという時に身を隠せそうな大型建築物は大体把握しましたから」
「……一応確認しておきますけど、まさかテロでも起こして逃げ道の算段とかじゃありませんよね?」
「違いますよ。と言っても素直に信じられないかもしれませんが、あの子が暮らすこの都市に、私が純粋な破壊活動を仕掛けることはありません。そこは信じていただきたいですね」
「あ、うん。そうだな。信じるよ。わりぃな。
 んじゃ、見物がもうよくて場所変えるなら、うちに帰るか。間が良いんだか悪いんだかインデックスは小萌先生の所に遊びに行ってるからゆっくり話もできるしな」
「あ、あなたの家ですか」
「うん? なんか問題あるか?」
「い、いえ。別に何でもありません。そうですね、行きましょう」



420:名無しさん@ピンキー
08/09/14 09:51:26 6DOgOuvD



      ※



「ところで一応聞いておきますが、さっきのあれは本当にあなたに原因はなかったんですよね?」
「ちょっ、あんた一体何を見てたんですかーっ?! どう見たって偶然発見した敵を滅殺する動きだったでしょうよあれは!」
「あ、いえ、確かにあの場ではあなたは何もしていませんでしたが、ひょっとしたらその前になにかしていたのではないかと……」
「うおぉぉぉぉい! あんたの中の上条当麻は町で出会った女子中学生にいきなり命を狙われるような行為をする男なのか?!
 ちょっと待て! それはわたくし異論を唱えざるをえませんよ?!
 あんた俺のことをどんな鬼畜だと思ってやがるんだチクショーーー!」
「あっ、いえ、別に悪意あってのことではなく、その、いや、でも、
 私が知ってる範囲のような行為を私が知らない範囲でもしていると仮定すると、
 その、どう考えても十や二十はあなたを正当な理由で恨む婦女子がいるのではというか、実際に多分いるというか、」
「ちょ、神裂さん?! まじであんた俺のことそんな風に見てたの?! え?
 謝罪と撤回を要求するつもりだったのにいきなり私は間違ってない発言ですかっ?!」
「あっ、そのっ、いえっ、ちがっ、本当にこれは言葉のあやでしてっ、別にあなたの人格を罵倒している訳ではっ!」
「いいよいいよ別に俺はケダモノだよあんたもそんな風に見てんだろ? そうやって俺の知らないところで俺の悪評は広まっていくのさ。
 どうせそのうち触ると妊娠するとか五股十股一万股普通にかける男だとか言われるようになるんだろ?
 いーよいーよどうせ俺は最低男だよ実際には誰とも付き合ったことないけどさ!
 三角関係どころか直線の関係も未経験だけどさ!」
「あの、本当にすみませんからどうか、…機嫌を…………なおし……」
「………っ! …………………………っ! ………っ! ……………………っ!」
「………………。………。………。………………………………」



421:名無しさん@ピンキー
08/09/14 09:54:36 6DOgOuvD



    ※




「とまあ、無駄話してる間に我が家についたわけですが」
「えっ?! まさかいままでの話は全部雑談……」
「さ、細かいことは気にせずどーぞどーぞ中へ。立ち話もなんだし」
「私、誤魔化されてませんか……?」
「気のせいでせうと上条さんは申し上げます。ほいお茶。で、聞きたいこととは何でせう?」
「本当に、私、誤魔化されてませんよね?」
「ないない。ここまでの話の流れは実にスムーズでありましたよ。
 この学園都市の殆どの人間がやってはいけないゲームだったらフラグが完璧に立ってルート入るぐらい的確な会話でありましたよ。
 固有CGは確実に何枚か出てるでせう」
「ふ、ふらぐ? るーと?」
「あ、いえいえお気になさらず。ささ、本題をどうぞ」
「よくわかりませんね……。まあいいでしょう。では、単刀直入に聞きます。
 上条当麻、さっきあなたはあの少女と恋人や嗜好の話をしていましたね。あなた自身には、好いてる方はいるのですか?」
「――ぶっ! ごっへごっほ! いきなり何を言い出すんですか神裂さん!
 いやとりあえず、あなたの顔にスプレーアートした緑茶はわざとじゃないというかあなたも悪いと言うかとりあえずこのタオルをどうぞ!」
「……………………ありがとうございます。で、私の質問の答えは?」
「って、まだ引っ張るの?!」
「引っ張るも何もこれがこの場の主題です。答えなさい。あなたには答える義務があります」
「いや、ないでしょう! いやありました! すみません! 今答えます! 答えますからそんな追い詰められて泣きそうな瞳で見つめないで頂きたい!」
「いいから早く答えなさい。いるのですか? いないのですか?」
「いや、声震えてるから色々あぶな、ってはい答えます今答えます。
 ところでつかぬ事をお聞きしますが、神裂さん的には一体どのような返答をお望みで…………?」
「これ以上答えを引き伸ばす気なら、」
「はいぃぃぃ! いや恥ずかしいんですけどね! 恥ずかしいだけなんですけどね!
 わかりましたよ答えますよ答えりゃいいんでしょいませんよ!
 好きな人なんて今だかつてできたこともないし告白したりされたりのドキドキシチュエーションもどうせ未経験ですよ!
 悪いか! 恋愛経験値ゼロで悪いか!」
「いえ、別にそこまで自分を卑下しなくても……」

422:名無しさん@ピンキー
08/09/14 09:56:45 6DOgOuvD
「いいんだい! どうせ俺は彼女いない暦イコール年齢のさもしい男ですよ! もう!
 ってか俺に一方的にいうだけであんたは何もなしかよ神裂さん?! 無理矢理言わされた俺には聞く権利がある!
 俺みたいに羞恥の炎に焼かれながら告白するがいい! はいサン! ニー! イチ!」
「いますよ。想い人。できたのはかなり最近ですが」
「…………そうですか。って、なんであなたはそんなにさらっと言うんですか?!
 全開バリバリに恥ずかしがって俺がバカみたいじゃないですか!
 はい! 今の覚悟を決めた顔でさらっと言うの禁止!
 顔赤くしてセクハラに耐える表情を浮かべながら目を潤ませて小首を傾げて『えっ、い、いますよっ!』って言いなさい!
 上条さんの命令です! はいっ、スタート!」
「…………予想はしてましたが、あなた本当にぼんくらですね」
「ちょっ、いきなり罵倒した?! あなたの要求に一方的に従った末の俺の要求を無視していきなり罵倒してきましたかあなた―?!」
「いい加減バカ話はやめなさい、上条当麻。あなたの育った地域では、こういう状況は何も意味を持たないのですか?」
「こういう状況って、狭い部屋に異性と二人っきり、しかも相手は飛び切りの美女で、
 俺に好きな人がいるか聞いた後自分は好きな人がいるっていうこの状況のことですか?」
「状況の認識能力は正常なようで安心しました」
「こういう状況って、え? ……え? ……………………え?
 う、嘘だー。俺にそんなおいしいシチュエーションが来る訳がない。俺の思い違いだ。さもなきゃ幻覚だ。
 わーいこの右手で頭を一撫ですれば厳しい現実にご帰還だー」
「やってみなさい。それであなたが満足するなら」
「えー、ってことはマジに、そういうことなわけですか?」
「ええ。そうですよ。私の想い人はあなた。上条当麻、あなたです」
「ま、」
「……ま?」
「まじですか神様ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」

423:名無しさん@ピンキー
08/09/14 09:58:11 6DOgOuvD
「正気に戻りましたか?」
「戻りました。で、ちなみにいつからとか、聞いても―?」
「無粋ですね、あなたは」
「い、いきなり罵倒されましても?! むしろ聞かないほうが不自然というか聞くのが当然の空気というか?!」
「粋で無い、と書いて無粋です」
「いやもうそれはわかったからいい加減答えてくださいよ?! って上条さんは半分キレながら答えを強制してみます!」
「わかりましたから、あなたもそのおかしな話し方をやめなさい」
「了解。続けてくれ」
「……あなた、その生き方めんどくさくありませんか?」
「いや、愉快に生きてるぜ、俺は。それより本題を聞かしてくれ」
「………………明確にあなたに恋心を抱いたのがいつかはわかりません。
 ただ、きっかけはいくらでもありました。ひょっとすると、私たちが最初に会ったあの時。
 あなたがあの子を救ってくれたあの時からずっと、私はあなたに、惹かれていたのかもしれません。
 さあ、これでいいでしょう。あなたの問いには答えました。だから、今度は私が問いましょう。
 私と恋人になる気はありませんか?」
「…………へっ? は、いや」
「あわてる必要はありません。あなたが私を好ましく思っているかどうか、それを答えるだけでいいのです」
「いやいきなり聞かれてもですね上条さんはそんな質問にさらっと答えられるような人生送ってないと言いますか
 とりあえず言えるのはあなたのそのグラマラスボディはわたくしのような青少年には目の毒と言いますか
 ぶっちゃけこんなシチュエーションでしかも二人っきりでその上密室にいたりすると何かこう言葉にできないものがどろどろと」
「あなたが混乱してるのはわかりましたから落ち着きなさい」
「そういう神裂さんの顔もかなり真っ赤ですけへぶぁ!」
「黙りなさい」
「ふぁい、だまりまふ」

424:名無しさん@ピンキー
08/09/14 09:59:38 6DOgOuvD
「とにかくあなたは、へんな冗談や悪ふざけを交えず簡潔に答えればいいんです。
 できるなら、外見的特徴ではなく内面的な特徴で評価して欲しい所ですが」
「えーっと、最後に一回だけ聞きたいんですけど、これは本当にドッキリとかでなく……?」
「……これ以上女に恥をかかせるつもりなら、この刀の錆にされても文句は言えないと思いませんか?」
「だっ、だって俺こういうの慣れてないんだもん?! 動揺してても仕方ないでせう?!」
「……くどいですよ、上条当麻。答えたくないならそう言って下さい。別に恨みませんよ。もしそうなら何も言わずに私は帰りますから」
「無表情の上に目だけ潤ませてそんな台詞言われても?! そんな顔した女の子ほっとけるような奴は男じゃありませんよ?!」
「ならば早く答えなさい。覚悟を決める時間は十分あったはずです。
 今までのあなたのように、出すべき答えを出しなさい」
「わ、わかったよ! わかりましたよ! 上条さんは覚悟を決めましたよ?! どんな答えが返ってきても上条さんは知りませんからね?!」
「いいから早く言いなさい」
「じ、じゃあ、言わせてもらうさ。
 俺はなあ神裂、お前のことは嫌いじゃない。そんなにお前のことをよく知ってるわけじゃないし、
お前の主義を否定しようとしたこともあるけど、俺はお前を尊敬してる」
「あ、ありがとうございます」
「お前が俺よりも何十倍も絶望を知ってるのは俺でもわかる。
 それなのに、それでもなお、絶望の底から人を救い上げようとするのは、俺は素直に凄いと思う。
 お前の覚悟は、救えないものすら救おうとするその信念は、その幻想は、俺にはとても心地いい。
 そっか。そうだな。そうだそうだ。
 今気づいたけど、俺もなんか、神裂のことが好きみたいだ」

425:名無しさん@ピンキー
08/09/14 10:00:49 6DOgOuvD
「…………それは、つまり、私と恋人になってもかまわないということですか?」
「ちょっ、なんであなたはそうやって人が決死の覚悟で言った言葉をもう一回言わせようとするんですか?!
 上条さんは恥ずかしさの余り顔から火ぃ噴いて悶死しますよ?!」
「そ、そうですか。と、とりあえずありがとうございます。
 こう、なんというか、照れるのは当然なんですが、やはり、嬉しいものですね。好きな人に、好かれているというのは」
「や、やめてくれえええええ! そんな! そんな恥じらいながら浮かべた微笑とか! まっかな顔にはにかみ笑いとか!
 そんな表情でこっちを見ないでくれ! 男として悶え死ぬよ神裂さーーーーん!」
「奇声をあげながら転がり回らないで下さい、上条当麻。いくらここがあなたの家でも、看過できることとできないことがあります」
「そ、そんなこと言われても?! 照れ屋な上条さんにはこんな甘ったるい空気には耐えられませんよ?!」
「まったく。そんなことで、これから先することに耐えられるんですか?」
「照れた顔も可愛いですね神裂さん! って、今恥じらいながらなんとおっしゃいました?
 わたくしあなたのご尊顔に見とれておりましてたぶん聞き間違えたんだと思うんですがとんでもない爆弾発言が聞こえたような―」
「ここから先、といったのですよ。まさかこの状況で、告白しあっただけで終わると思ってるんじゃありませんよね?」
「…………………………………………へっ? え? ええええええええええええええ?!」

426:名無しさん@ピンキー
08/09/14 10:03:19 6DOgOuvD
以上で。
続きが読みたければわっふるわっふ(ry

ってのは冗談で、こういう会話文のみの文章についてあなたが思うところを400文字以内で書け。いや書いてください。

427:361
08/09/14 10:07:03 AsUJsQ/r
素晴らしい!!
神裂さん萌えます。

こちらも投下寸前だったので後で投下しますね。


428:314
08/09/14 10:09:45 6DOgOuvD
あいや失礼。割り込んだようで申し訳ない。
やっぱ投下宣言してからじゃないとブッキングの確率上がるか・・・

429:361
08/09/14 10:18:43 AsUJsQ/r
いえいえ。GJでしたよ~

430:名無しさん@ピンキー
08/09/14 10:50:51 EglPdMyb
>>314

GJ!! 会話だけでも状況がよくわかるので無理して説明を入れる必要はないと思います

431:361
08/09/14 11:16:28 AsUJsQ/r
そろそろ投下しようと思うんですがどうでしょう?

432:名無しさん@ピンキー
08/09/14 12:52:52 xfPR8qe2
カモン!

433:361:とある少女の空想模様③
08/09/14 13:07:33 AsUJsQ/r
「アレイスター…お願いがありけるのだけど…」
『なんだ?』
「……上条当麻を少しだけ貸していただきたくなのよ」
『幻想殺しを?』
彼はしばらく考えたが『駄目だ』とにべもない答えを返してきた。
『アレは今重要だ。そちらで何があるか分からないからな』
「…………………」
そんなことは分かっている。だからこそ必死に頼んでいるのに。
プチッっと回線を切ると、ローラは近くにあった椅子に崩れ落ちるように座った。そして呟く。
「……とうま……………」
最近はいつも彼のことを考えてしまう。彼が戦っている姿をアレイスターから送ってもらったが、それをオカズに自慰をするくらいだ。
だが、立場的に彼に会うのは絶望的だ。こちら‘魔術’イギリス清教最大主教、片や‘科学’の超能力者。彼を呼び寄せることも出来るがたった今その可能性は潰されてしまった。
改めて現実を思い知らされたローラは会えぬ想い人のことを考え、すすり泣いた。
(今日も最大主教は泣いてますね………何があったんでしょうか)
(あの方が泣くとはよっぽどのことでございましょう)
(でも案外下らないことだったりとかするんじゃねぇですか?)
(例えば……甘い物が食べたいとか!)
(アンジェレネ!そんな低劣な事を考えるのはあなただけです!)
最大主教執務室前でそんなひそひそ話をする5人組。誰かはおのずと分かるだろう。
(やはりここは直接聞いてみるべきです)
(そうでございますね。救えるにこしたことはございませんよ)
意見が一致した彼女達は執務室をノックし部屋の中に足を踏み入れた。

コンコン、とノックの音がした時にはもう涙は拭き取ってあったので、少し慌てたがすぐに落ち着いた。
「失礼します」と入ってきたのは神裂・オルソラ・アニェーゼ・ルチア・アンジェレネの5人。
「何ぞ問題でもありしかしら?」
ただならぬ雰囲気だったので尋ねてみた。
最も、この雰囲気を作ったのは彼女だったが。
ローラの問いに真っ先に答えたのがオルソラ。
「ローラ様は何を悩んでいらっしゃるのでございますか?」
逆に笑顔で尋ねられた。
「え………?」
確信を衝く質問。虚を疲れたローラは答えることが出来なかった。
「私たちで出来ることなら手助け致しますよ」
神裂も力強く言う。他の三人も頷いている。そういえば彼女達は様々な方法で彼に会っているのだ。良い方法を思い付くかもしれない。
「実は…………」
彼女は思いの丈を話し始めた。


434:361:とある少女の空想模様③
08/09/14 13:08:46 AsUJsQ/r
「……………ということなりなのよ」
彼女が説明し終えた頃には5人とも一つの思いを抱いていた。
またかあの野郎。
「何か良い手は…………」
悲しそうに呟くローラに神裂は真剣に考え出す。
だがそんな彼女を尻目に
「そんなの気にしなくて良いでございますよ」
朗らかにオルソラは笑いかけた。
「……………え?」
呆けるローラにオルソラは自信を持って告げる。
「あの方は小さい理由など気にせずに、見返りなど気にせずに。助けてと言えば助けてくれ、会いたいと言えば会ってくれる…そんな方でございますから」
少年に対して絶大な信頼を寄せて。
「だから、心の底から彼に願えば立場なんて枝葉は取っ払って、『会えない』なんて幻想は彼がぶち殺してくれるでございますよ」
そう言ってにっこりと笑った。
その言葉を聞いて残りの4人も思い浮かべた。方法は違えど、つまらない幻想を殺してくれた彼を。
「では私が彼に伝えに行きます」
神裂が決意を持ってそう言うが、ローラの一言で打ち消されてしまう。
「………私が学園都市に行きけるわ」
「「「「なっ!!!!????」」」」
4人の驚き声が重なる。一人驚かなかったオルソラは「それは良い案でございます」と笑っている。だが神裂はそこまで甘くない。
「な…何を言っているんです!?出来るわけ……」
「出来けるわ。いえ、やってみせなければ彼に申し訳たたぬなのよ!!」
ローラの顔は恋する少女のそれだ。
しばらく彼女の顔を見つめていた神裂は溜め息をつくと、
「…なら私もついて行きます。あくまでも護衛として」
彼女がそういうとアニェーゼ達三人も同じく、と言うように頷いた。
オルソラはというと「旅の支度をしてくるでございます」と行く気マンマンだ。
「………方法に良きなの?」
「言っても聞かないでしょう?出来る限りサポートしますよ」
神裂の笑顔を見て、ローラは改めて思った。
部下に恵まれたな、と。
かくして学園都市はある意味最強の訪問者を迎えようとしているのだった。


435:361
08/09/14 13:10:06 AsUJsQ/r
とりあえず今はこんな感じですが………文章が分かりづらくてすいません。

436:名無しさん@ピンキー
08/09/14 13:17:50 j+ux0nKi
> ローラの顔は恋する少女のそれだ。少…女…?
なんだか西の方から光り輝く物体がせm

冗談はさておきGJです。全裸で待機してます。


437:名無しさん@ピンキー
08/09/14 13:46:21 6RLxxVtQ
>>426
わっふるわっふる!ねーちん派の俺としては垂涎ものだ!
上条さんのセリフが十二分に状況を説明してくれてるからむしろ会話だけの方がスムーズでスマートじゃないかしら

438:314
08/09/14 23:08:40 6DOgOuvD
>361氏
少しだけ言いたいことがあるので、書かせてもらいます。
361氏以外の方は、不快になられるかもしれないので読み飛ばすのをお勧めします。
これから書くのは書き手の端くれの自分の意見で、たぶん書き手の半分ぐらいは持ってる感覚です。根拠は示せませんが。








361氏は何を目的にSSを書いているんでしょうか。それは例えばあふれ出るリビドーを形にしただけとか、
ネタが浮かんできたから一丁腕試しにとか、冗談で書いたら予想外に受けて読者が待ってるからとか、色々あると思います。
361氏自身が何を目的に書いてるのかは俺は知らないし、別に文句をつける気もありません。書きあがったらすぐ投下したい気持ちもわかります。
ただ、SSを書く目的に、他者の評価を浴びたいっていうのを持ってくる書き手もいるんです。
少なくとも俺は、時間かけて書いたSSに感想の一つもつかなかったらその作品を書き続ける気にはなれません。
自分の作品の話題が続いてて、それに感想つけてくれる人がいる間ぐらいは、話題がキャラ雑談とかに戻るまでぐらいは、
書き手としての自分に酔っていたいんですよ。
流れが極端に早くてひっきりなしに投下されてるってわけでもないし。
だから、もう少しスレの流れを見ながら投下をしてはもらえませんか。
やっぱり大抵の職人さんは、投下するからには感想がつくのを待ってると思うんですよ。
そういうのを全然求めてない方もいるのかもしれないし、ひょっとしたらこんな風に感想欲しがるのは俺だけなのかも知れませんが、
せめて感想のレスがひと段落するぐらいまでは、投下は控えて欲しいと俺は思います。






長々とスレ汚しスマソ。たぶん勝手に色々決め付けてるけど勘弁。
361氏は話せばわかる人だと思ったんだけど書いてたら長くなってた。こんなに長く書くつもりはなかった。グチグチとゴメン。

439:名無しさん@ピンキー
08/09/14 23:17:50 J8RiE+QQ
別に擁護するとかそういうわけではないんですがちょっと気になったので。
314氏が予告無しに投下したためであってもしかすると361氏が先に投下してたかもしれない。
もしかしたら361氏ができあがったーよし投下しよう!と思ってたときに貴方の
先入れのような形で投下のタイミングを逸してしまったかもしれない。
そういう可能性も考慮しましたか?


感想についてですがここにいる読者(自分も含めて)はGJと書かなくてもGJと思ってる人だってたくさんいるだろうし。
皆が感想書いたらそれこそSSが埋もれてしまいますよ。
とまぁ読者がgdgd言いましたがSS以外で争わないで下さいということです。失礼しました。

440:名無しさん@ピンキー
08/09/14 23:25:54 bMlnIkby
↓↓↓ここから普段通りの流れ↓↓↓

441:361
08/09/14 23:53:57 AsUJsQ/r
>>314
本当にごめんなさい。少し考えなしでしたね……。314氏の言うとおりです。次から感想とかが一段落してからしたいと思います。


442:名無しさん@ピンキー
08/09/15 00:48:49 fUzd4POo
ねーちんとかローラとか成じゅk(ry
げふんげふん……そんな大人な女性が一所懸命女の子してる姿を見ると異様に萌えないか?

443:名無しさん@ピンキー
08/09/15 01:33:25 nYKK3MYj
ねーちんは18だから女の子で間違いないだろ。
ローラ?年甲斐をかんが(突如ヨーロッパ方面から飛んできた謎の閃光により以下の文面は筆者ごと削除されました)

444:名無しさん@ピンキー
08/09/15 01:35:51 51a9ZpVy
>>443
かんざきさんじゅうはちさいってききました。

445:名無しさん@ピンキー
08/09/15 03:47:14 KDEzCeGz
13歳以上の女は皆熟女(小萌先生は除く)

446:名無しさん@ピンキー
08/09/15 03:50:20 51a9ZpVy
黒子はどっちだっけ?

447:名無しさん@ピンキー
08/09/15 04:21:14 TwZwVvBG
中一だから12の可能性も否定できない

448:名無しさん@ピンキー
08/09/15 04:31:16 51a9ZpVy
だよね。>>445の対象が増えるのか減るのか楽しみだ。

449:名無しさん@ピンキー
08/09/15 10:26:52 CROfVz69
>445
それってどこのドクロちゃんだ?
と思った俺はどっかおかしいのか?ステイルと小萌先生のカップルはとても萌えるが。

450:名無しさん@ピンキー
08/09/15 14:57:05 17l365hj
>>361はまず練習スレで文章の書き方練習してから書けばいいのにね。
正直半年ROMれのレベルだわ。

451:名無しさん@ピンキー
08/09/15 15:35:17 CROfVz69
そうか?
そこまで下手だと思わないがなあ。違和感少しあるけど、説明のシーンってのもあるだろうし

452:名無しさん@ピンキー
08/09/15 15:39:00 fUzd4POo
>>450
文章力とかエロパロ板で言われてもなw
ここではエロくて面白けりゃ正義。他は害悪。
高い文章力なんて読者から金もらってる物書きにしか必要ないよ

453:名無しさん@ピンキー
08/09/15 22:32:12 0IznOjOO
なんか投下しづらそうなふいんきですね

454:名無しさん@ピンキー
08/09/15 22:37:55 pJJy9KKG
空気読まず投下してもよろしいでしょうか?

455:名無しさん@ピンキー
08/09/15 22:43:02 CROfVz69
むしろこの空気を変えて頂きたい、とミサカは恐れ多くも期待を込めた眼差しで見つめてみます。

456:名無しさん@ピンキー
08/09/15 22:45:06 pJJy9KKG
 ふと、目が覚めたとき、そこは病室だった。

 真っ白な部屋に純白のベッド、太陽の光と同調するような色彩のカーテン、俺の着てい
る服は死に装束のような入院着である。色のない色に染められた世界に一つだけぽつんと
鎮座するのは古めかしさが漂う真空管の黒いテレビだけだった。もう何度も訪れたこの部
屋は、周囲を見渡さなくともどこになにがあるか分かるようになってしまった。
 そんなモノクロの世界に例の如く舞い戻ってしまったのは、これまた例のとおり、妙な
事件に首を突っ込んでしまったせいである。

 はぁ、とため息を一つ力なくついて、ベッドに手をつき横たわった体を起こそうと力を
入れた。
「よっ―と、ってあれ?」
 力を入れたのだが、体が上がらない。
「……ぐおっ」
 もう一度持ち上げようとしてみたが、何か重いものでものしかかったように動かない。
 ……ま、まさか俺、この年で身体のどこかイっちゃってますですか?
 お、落ち着け。クールになるんだ上条当麻。落ち着いて素数を数える、じゃなかった身
体を少しずつ動かしてみるんだ。
 …ま、まず足から。
 ………………。
 ひょいひょいと痛みも伴うこともなく割とすんなり持ち上がった。簡単にシーツを隆起
させたあたりを見ると、足は問題ないようである。
 ……よし足は大丈夫みたいだ。次は手に行ってみるか。
 ………………。
 ああああああああ!!!! 左手は上げるけど、俺の右手が上がらないんですが、これ
ってもしかしてそういうことでせうか? これまでの無理がたたっちまったのか? 神様。
助けて許して、助けてくれないと俺の幻想殺しが火噴いちまうぞ? って俺の右手動いて
ないんだった……マジ? マジですか? 本気と書いてマジと読むんですか? やっぱ不
幸だああああああああああ!!!

457:名無しさん@ピンキー
08/09/15 22:45:36 pJJy9KKG
 と、とりあえず落ち着け。落ち着くんだ、上条当麻。
 なにかの気のせいかもしれない。さあもう一度神様のシステムをも殺せる右手をチェッ
クだ。
 俺は右手をぎゅっと握りしめた。

 ふにふに。

 …う、動いた?
 何事もなかったかのように機能した手には、恐らく布団であろう柔らかな感触があった。
 よ、良かったああああああ!! 成人すらしていないこの若さで五体満足じゃなくなっ
てしまったかと思っちまったじゃねーか!
溢れる嬉しさが抑えられず、もう一度手を動かしてみる。

 にぎにぎ。ぷにぷに。
 もう一度やってみる。

 にぎにぎ。ぷにぷに。
歓喜に満ちた右手が握りしめた先には、

「や……んっ」

 天にも昇る気持ちだった俺の幻想を殺す、甘い吐息がかかっていた。
そのあと驚いて飛び上がった俺の目に飛び込んできたのは、神裂火織その人のうつろな
表情だった。

458:名無しさん@ピンキー
08/09/15 22:46:12 pJJy9KKG
「……ですから、いい加減顔を上げてください上条当麻」
 さっきまで自由に動くだの動かないだの言っていた身体全体をフル稼働させて土下座の
ポーズを作りだしてはや三十分、未だに俺の情けない姿は変わらず維持されていた。
「これは不幸の化身上条さんと言えども、前代未聞の失態なのですよ。それを許すなんて
神裂様あなたどこの聖人……でしたね、そうでしたね。ごめんなさい」
「あなたにそう謝られては、こちらの立つ瀬がありません。どうか顔を上げてください。
むしろ迷惑をかけたのはこちらの方なのですから」
「いえ、そんなもの軽くお釣りが来るようなことを上条さんはしちまいました。もうホン
ト貴方様の刀でどうぞ真っ二つにぶった切っちまってください」
「仮にも病院内で流血沙汰など起こせるわけがないでしょう。いえ、それ以前にそのよう
なことを私があなたにするわけがないでしょう」
 俺と神裂はこんな感じでさっきから終わりの見えない押し問答を繰り返していた。
「はぁ」と神裂は一つため息をついた。どうやら埒が明かないと思ったのだろう。ようや
く俺の案を飲む気になったようだ。
 ―あぁ、お父さま、お母さま。あなたたちの不肖の息子は今淫行を働いた罪で、その
生涯にピリオドを打とうとしています。生んでくれてありがとう。生まれてきてごめんな
さい。
 神裂は俺の頬を両手で優しく持ち上げて言った。
「私としては不服なのですが、分かりました。ではこうしましょう」
 そう言った神裂の顔は少しだけ赤かった気がした。
 やはり口ではなんといっても、先ほどの事を気にしているのだろう。

 ―俺は、死を、覚悟した。

 何度となく眼前に近づいてきた死界への入口を、今俺はくぐろうとしている。
 さあどんな判決だって来てみろ。俺は最後まで笑って受け止めてやる。

「……何を笑っているのかは分かりませんが、こういうのは如何でしょうか。私たちはお
互いに相手の言うことを無制限になんでも一つだけ聞く、というのは」

459:名無しさん@ピンキー
08/09/15 22:47:08 pJJy9KKG
「は?」
 俺は目が点になった。
「ですから、相手の言うことを一つだけなんでも聞く、というのはどうかと伺ったのです」
 りょーかいりょーかい、このチンケな頭でもようやく理解できましたよ、そこで俺に死ねというんだな。
 俺にもその権利をくれたのは、この不幸続きの一生に一度くらいはいい目を見せてやろ
うとかそういったせめてもの優しそうで心遣いなわけですか。
 だったらその権利を最大限利用してやるぜ、チクショー!
「あぁ分かった。その条件で構わない」
 俺にしては珍しく、真顔で言えたと思う。

「それじゃあ神裂、死ぬ前にどうか俺とエッ―」
「で、では、私とデートをしてください!」
 俺と神裂は同時に声を張り上げていたが、しかし最後まで言い終えることができたのは神裂だけだった。
「俺とエ…ですか?よく聞こえませんでした。すみません、もう一度お願いできませんか?」
「あ、いや…」
 どうやら俺が言った内容は聞こえていなかったようだ
 というかこっちもよく聞こえなかったけど、でえと? あのデート? それともそれは
新手の拷問なのでせうか?
「でえと?」
「…はい、デートです。その……私は恥ずかしながら、そういった経験はまだ一度もなく、
不得手なのです。ですから異性と接する機会も経験も多いあなたに、殿方に対してどう振
舞ったらいいか、教えてほしいのです。お願いできないでしょうか?」
あのですね、神裂さん。何か勘違いされてるようでせうが、上条さんは一度も女性とそ
んなライクやラブな関係になったこともないし、デートの一つもしたことないんですけど
ね。
「……いや俺はそれでもいいんだけどさ」
 なにしろ殺されると思っていた矢先のことだ、それで済めば僥倖である。
「俺でいいのか?」
「…あなた以外にこの手の問題で頼れる男性はいません。お願いします」
「あ、あぁ、分かった」
 なんだかよく分からないが、神裂とデートすることになってしまった。

460:名無しさん@ピンキー
08/09/15 22:48:25 pJJy9KKG
 そんな約束からしばらく経ったが、神裂は先ほどからずっと顔を綻ばせたまま、お腹は
空いてないかだとか、お茶を飲まないかだとか、トイレは大丈夫かだとか、忙しなく俺に
話しかけていた。
 神裂の笑顔をあまり見たことがなかった俺には新鮮だったが、その真新しさが今は逆に
怖い気もする。ひょっとしてなにか企みでもあるのだろうか。
 神裂はようやく落ち着いたのか、ベッド横の丸椅子に座って言った。
「ところで伺うのを忘れていましたが、あなたはなにがよろしいのでしょうか?」
「なにがって、お願いか?」
 コクコクと頷いて俺の言葉を待つ神裂にはきっと犬の耳と尻尾がよく似合うことだろう。
普段は犬というか虎とか鷹みたいだけど。
 うーんと首を捻って考えるが、お願いしたいことというのが思い浮かばない。
 いや、思いつくことはいくらでもあるけど、実行するには命がいくらあっても足りない
気がする。
「悪いけど保留ってことでいいか?」
「えぇ、構いません。ゆっくりと考えてください」
 神裂は神裂で心ここにあらずといった感じで、今何か聞いたらイギリス清教の暗部でもなんでも教えてくれそうな勢いだった。
「それでは、そろそろ失礼させてもらいます。また後日伺いますので」
 神裂は椅子から立ち上がり、大げさに礼をすると部屋から出て行った。
「お、おう。じゃあまたな」
 俺はぎこちない笑顔で手を振り、引き戸に手をかけた彼女を見送ったのだった。

461:名無しさん@ピンキー
08/09/15 22:51:08 pJJy9KKG
タイトル忘れてましたorz 「とある病室の妄想殺し」というタイトルですが、すっかり記憶のかなたに置いてきてました。
かなり展開強引な上に後半勢い失速しまくりですが、一応続く予定です。エロスのカケラもなくてごめんなさい。
次あたりねーちんがエロくなる予定です。

462:名無しさん@ピンキー
08/09/15 22:59:07 CROfVz69
終わったのかどうかと思って一瞬うろたえてしまいましたがねw
ともあれGJ!ねーちん派の俺としては同士にめぐり合ったようでうれしいです。できる女な神裂さんもいいけど犬耳シッポ完備のねーちんも萌えますねー。
我らが上条さんも上手いこと再現されてるし続きを全裸で待たしていただきましょう!

463:名無しさん@ピンキー
08/09/15 23:11:46 h28iuIde
ちょっと辛いことがあって心が虚ろになっている俺の清涼剤として期待しています。

464:名無しさん@ピンキー
08/09/15 23:19:12 nYKK3MYj
かみじょー君、なんというネガティブバカっぷりwというか単に鈍過ぎるだけか…w

465:名無しさん@ピンキー
08/09/16 00:15:47 F1XjSMeH
ねーちん祭りじゃああああああああ

466:携帯の人 ◆0yDabgA/0.
08/09/16 12:43:31 z/XaJzQZ
そんなねーちん祭に横槍を入れに俺、参上。

もはや忘れ去られたかと思ったけど、ちょろっと話題に上ったらしいので途中までの小萌せんせーネタを投下。

因みに、妙な設定なんかは保管庫参照でよろしくね。
リレーとは一切関係ありまs(ry

じゃ、いくよー

467:『ふぃぎゅ@禁書目録・小萌編』 ◆0yDabgA/0.
08/09/16 12:46:40 z/XaJzQZ
買い物袋を片手に、家のドアノブを捻る一人の少年。
つんつんと黒髪を微妙に立たせ、少しだけ自分の容姿に気をつかったりするそんな年頃の少年が買い物袋を片手にしているというのも、些か妙な光景であろう。
かといって、買い溜めしておくといつの間にか冷蔵庫や棚の食品がねこそぎ無くなったりしてるので、こうやって毎日その日食べる分だけ買ってこなければならないのだ。
それも上条宅に寄生…もとい、居候している白衣の銀髪シスターのせいである。
いや、まぁ、別に彼女と一緒に住んでいることに文句があるわけではない。
バスタブの中で寝なければならないことはこの際脇に置いておくとして。
とんでもない事件に巻き込まれたりもするが、それでも誰か他人が不幸になるより何倍もマシだ。
ただ、バスルームに篭りきらないと取り返しのつかないような暴挙(上条的主観)に出そうだったり、出させられそうだったり、暴走しちゃったりと、何かを納めなければならなくなりそうで、怖い。
何が怖いかはさておき。
可能な限りあの暴食をコントロールすること、それが仕送りだけで二人(と一匹)暮しをするための工夫だったりする。

さて、買ってきた食材を冷蔵庫に収め(またしてもインデックスは出掛けていた。いったいどこにいるのやら)、何をしようかと考えた瞬間、
「…あ、そうだ」
昼時に捻ったあれのことを思い出した。
鞄を手繰り寄せ、カプセルを取り出すと鞄を無造作に放る。
ガチャっと音をたてて落ちる鞄からさっさと意識をカプセルに移した少年は、ぱかりとそれを開いた。
中に入っていたのはシリーズのフィギュアを絵付きで羅列した紙と、薄いビニールに包まれたバラバラのパーツ。
一先ず紙を眺めるのは後回しにして、早速組立にかかった。
ビニールを破り、パーツを並べる。
頭、右腕、左腕、上半身、下半身、衣服。
簡単にパーツを言い表すのならこんな具合だろう。
まず服に右腕を通し、次に上半身。こうしないと右腕がはまらないのだ。
左腕をはめ込んだら頭と下半身をそれぞれくっつける。
元々パーツ数も多くなく、シンプルな造りだったのであっという間に組立完了だ。
何気なく、そのフィギュアをテーブルに立ててみた。
バランスもしっかりと考えられているのか、台座も無くすんなりテーブルの上に屹立する、どこか見覚えの少女。
デフォルメされているのか、全体的に小さい気がする。
下手をすれば小学生に見えかねない桃色ショートカットの少女に再び激しい既視感を感じた。
何だか、つい最近このフィギュアにそっくりな女性を見たことがある気がする。
あくまで少女ではなく女性。外見的には少女で差し支えないが、年齢的にははっきり言ってかなりの問題がある。
魔法少女を名乗れるのは19歳までだ。
ともかく、目の前に立つフィギュアが、どことなく、
「小萌、せんせい?」
少年の担任である月詠小萌にそっくりだったのだ。

ラフな恰好。
そういわれれば確かにそうなのだが、どうみても少女の『衣服』に異常がある。

いや、異常…異常なのか?

ぱっと見、白いワンピースに見えなくもない。
ただ、首周りはやけに広がっていて、右肩に乗っているはずの服がずり落ちている。
典型的な白いワンピースの様に袖が落とされていないその様は、女物の服というよりもむしろ普通のTシャツに見えるのだ。
ひどくシンプルで、他人の目を一切気にしないでいれる場所にいるような、はっきり言えば部屋着のようなイメージ。
プライベートなワンシーン、といったところか。
当然、組み上げている最中はモロで見えていたアレは、微妙に絶妙なラインできちっと見えない。
で、そんなものを凝視していたら、なんというか、イケない妄想が、こう、じんわりと…。

いや、フィギュアを見て欲情したわけでは決してない…ないぞ!

フィギュアが動いたり、魔法をぶっ放したり、妄想を具現化する魔法式を部屋に書き込まれて精液を要求されるような事態にならない限り、欲情なんかしないもん、とアピールしたい気分だ。

小萌先生に似てるから妄想が止まらないんだ!

そんなことを思いつつ、しっかりと小萌先生のあられもない姿を妄想するあたり、如何なものかとは思うが。

その日の夜。
皆が寝静まった夜半過ぎ。
上条宅に住まう一匹の猫は、不可思議な光景を眺めていた。
本来なら真っ暗な部屋に、やわらかく瞬くわずかな光。それは上条の組み上げたフィギュアから放たれているようだ。

468:『ふぃぎゅ@禁書目録・小萌編』 ◆0yDabgA/0.
08/09/16 12:47:57 z/XaJzQZ
ゆっくりと明滅を繰り返す青白い光に疑問を持ったのか、スフィンクスは音もなくフィギュアの置いてある棚に飛び乗ると、そっと前足を伸ばした。
が、

バチッ…。

触れるか触れないかギリギリの場所で、見えない何かに弾かれるスフィンクスの前足。
思わぬ衝撃に、びくり、跳びはねるように後ずさると、一度も振り向かずに飼い主の元へ走った。
流れるような動きで銀髪少女の枕付近に着地。
ぐいぐいと頬を押して覚醒を促すが、少女が目を覚ますようなそぶりはない。
もう一人の方へは、物理的な障害があり、向かうことは不可能。
暫くキョロキョロと逡巡した後、くるんとインデックスの側で丸まった。
その瞳はじーっと、淡い燐光を放つフィギュアを見つめながら。


最近珍しくも無くなった補習の帰り。
朝からしとしとと降り続けていた雨は、ことここに至りいきなりその勢いを増した。
気にかけるほどじゃなかった雨量にタカをくくっていた上条は、下駄箱の前に立ってようやくその浅慮を嘆くことになる。

大雨。

嵐というには些か静かだが、ただの雨にしては激しい。
「どーすっかなぁ…」
軽く頭を掻きながら唸る%8

469:『ふぃぎゅ@禁書目録・小萌編』 ◆0yDabgA/0.
08/09/16 12:57:26 z/XaJzQZ
こういう場合の対処方なんて、濡れるのに構わず鞄を頭に乗せて家まで突っ走るか雨が大人しくなるまで待つことぐらいしかないだろう。
しかしまぁ、出来ることならば極力濡れることは避けたいと思うのが人間である。
ならば雨が止むまで時間を潰せばいいのだが、そんなこともいってられない。
家に帰れば暴食シスターが牙もあらわに待っているかと思うと、雨の中を猛然と走って帰るなんて選択肢も考えてしまいそうだ。
むしろそうしなかった後が怖い。
でも、濡れるのは嫌だなぁ。
そんな具合に、なかなか踏ん切りがつかず躊躇っていると、
「…傘、忘れたのですか?」
背中にかけられる幼い声。
聞き馴染んだ声に振り返れば、そこにいるのは実用的な黒くて大きい傘(彼女が使うには些かゴツ過ぎる気もするが)を片手に立つ月詠小萌がいた。
ずばり言われて少しだけ恥ずかしそうに、
「まぁ…見ての通り…」
ぽつりと答える上条。
外は雨。
それで下駄箱に立ち尽くしている理由なんて一つくらいのものだ。
その少年の恥ずかしげで困ったような苦笑に、
「じゃあ、一緒に帰りましょうか」
にっこりと嬉しそうな笑顔を向けた小萌。
並のロリコンならまず間違いなく一撃でノックアウトさせらるほど、素敵な笑顔で。
「……はい?」
数瞬の間、思考が止まった。
「はい、この中にはいってくださいねー」
少年が思考停止状態にあるのをいいことに(?)、ばさっ、と傘を広げるとそれを掲げる。
が、
「あたっ!?」
よくよく考えてみればわかることだが、上条と小萌の間にはかなりの身長差がある。
当然のことながら、ナチュラルに小萌が傘をさした場合、その骨が上条に突き刺さることになるのは想像に難くない。
そして案の定さっくり刺さる傘の骨。
「わぁあ!? だっ、大丈夫ですか上条ちゃん!」
刺さった場所を押さえうずくまる上条少年に、傘を放り出してわたわたと慌てる小萌先生。
普段の彼女なら、こんな凡ミスを起こすことなどありえないのだが。
「大丈夫です…」
まるで大怪我をした人に対しるような心配っぷりに、上条は思わず苦笑を浮かべてしまった。
何を浮かれているのか知らないが、それよりもまず聞かねばならないことがある。
「…ところで、どうしてまた俺と一緒に帰るなんて言い出したんですか?」
問われた小萌は、
「傘が無くて困ってたんですよね。ここからなら私のお家が近いのでそこで傘を貸してあげようかと思って」
そもそも困っている生徒を助けることが当たり前な彼女にとって、この行為はごくごく自然なものなのだ。
他意が無いかといえば、正直なところあったりもするが。
「………む…」
小萌の言にも一理ある。
傘を借りるくらいならさほど問題は無いだろう。
多少なりと遠回りにならざるを得ないが、小降りになるまで待つよりも効率的だ。
二人仲良く相合い傘という恥ずかしさ満点な弱点を除けば。
悩む。
濡れることと、頭をかじられることと、相合い傘で帰ることが脳内で攻めぎ合う。
表情には出さずに悩みながら、ちらりと小萌に視線を向けると、
「………?」
どうしたんですか? 早く行きましょう、と言わんばかりの可愛らしい笑みが待ち構えていた。
そんな笑顔を向けられて何時まで悩んでいられるだろうか。
がっくりうなだれると、
「小萌先生、傘、俺が持ちますよ」
さっきの二の舞はごめんだ。
「…はい…」
小萌も上条の言わんとしていることを察したのか、頬をほんのり朱色に染めながら、こくりと頷き傘を差し出した。


ばらばらと傘に当たって弾ける雨の音を聞きながら、上条と小萌の二人は小萌の部屋を目指して歩いていた。

470:『ふぃぎゅ@禁書目録・小萌編』 ◆0yDabgA/0.
08/09/16 13:10:21 z/XaJzQZ
傘本来の持ち主である彼女を気遣って、彼女が濡れないよう傘を寄せている。
そのため上条の肩は傘から微妙にはみ出る形となり、すっかりびしょ濡れだ。
それでも雨の中歩いて帰ることを考えれば、腕一本で済んだことは上出来と言えよう。
「上条ちゃん、結局濡れちゃってるじゃないですか…」
呆れたように呟く小萌。
再三に渡り小萌は『もっと上条ちゃんの方に寄せて下さい』といったのだが上条は決して首を縦には振らず、
「このくらいどってことないです」
の一点張り。
小萌が呆れたように呟くのも頷ける。
結局、上条少年を何とかするのは諦め、出来得る限り少年に密着することで対処した。
まあ、それが問題といえば問題だったりもするが。
何せ今、妄想をネタに自家発電に勤しんだ女性と体を密着させている状態なのだ。
気まずいわ恥ずかしいわどきどきするわで、まともな思考が維持していられない。
だからさっきから返事が『どってことないです』の一辺倒なのだ。
ただ、あの台詞には自分を戒める意味も含まれていたりもする。
どってことないから大丈夫だ、自分は意識なんてしてないない、と。
意識しないようにと思っている段階でしっかり意識しているのだが、今の上条少年に気付くだけの余裕はない。
とりあえず意識を他方へぶっ飛ばし、何とか平静を装っていたのだが、
「…おっと…」
突然、酷い風が二人を襲った。
「あ、ありがとうございます」
傘を動かして小萌を雨から守る。その際、雨を被ったのだが、いまさら少しばかり濡れたところで差異は無い。
一先ず安心してひょいと傘を持ち上げた瞬間、
「ひゃわぁ!?」
「うぉお!?」
二人の横を車が猛スピードで走り抜けた。
そして弾ける大量の泥水。
運悪く水溜まりの横を通ろうとしたのと合わさって、始めから傘をさしていた意味が無いぐらい、二人してびしょ濡れになってしまったのでした。


「さ、上がってください」
その後の押し問答(このまま帰るか帰らないかの)の末、結局小萌先生の部屋まで入ってしまうことになった少年。
被った水が泥水で全身汚れまくりだったのもあり、服を洗って乾かしているついでにお風呂までいただくことになった。
ただ、
「ごめんなさいですー。ちょーっと散らかってますけど気にしないでくださいね」
言わずもがな、ちょっと、等という生易しいレベルではないことに読者諸氏はもちろん同意していただけることであろう。

何というか、カオスの限界を全力全開手加減無しで全速前進したらこうなりそうな感じだ。
着替えとかお風呂とか以前に、まず片付けから入る必要がある気がする。
とりあえずの処置として必要最低限使えるだけのスペースを確保した二人は、
「小萌先生からどうぞ」
「上条ちゃんから先に」
意図せず綺麗にハモってしまった。
ぴたり、と動きを止めた二人。
きっちり三秒固まった後、互いに顔を見合わせ、
「だから小萌先生が」
「ですから上条ちゃんが」
またしてもハモる。
考えるまでも無いが、互いに譲る気が無いようだ。
かたやびしょ濡れ泥だらけの生徒を差し置いて行動するなんて選択肢は頭の中に存在せず、かたや寒そうに震えている人をほったらかしにしておくことなんて出来るはずもなく。
いつまでも言い争いを続けることこそ、時間の無駄ということにこの二人は気付かないのだろうか。
そのまま会話は平行線を辿る、
「だぁーっ、もうわかりましたよ」
かに見えたのだが、
「はぁ、はぁ…ようやく折れてくれましたかー」
「一緒に入りましょう」
上条ちゃんの答えは、何と言うかぶっ飛びまくっていた。


まぁ、当然のことながら小萌先生は恥ずかしがって拒否しようとしたが、

471:『ふぃぎゅ@禁書目録・小萌編』
08/09/16 13:13:08 z/XaJzQZ
「俺が先に折れたんですから、今度は先生が折れてください」
とは上条少年の言。
交換条件の様に言われ、悩む小萌。
しかし、このままでは二の舞どころか三の舞まで舞わねばならなくなってしまう。
譲れないこともあるが、そんなことを言っていたらいつまで経ってもお話は進まないのである。
「……………わかりましたよぅ…」
渋々ながら頷いた小萌は、
「それならそうで早くしましょう。なんだかんだであれから結構時間が経っちゃいましたから」
ちゃっちゃと思考を切り替え、体を温めることを最優先事項に据えた。
ちょっぴり涙目だったりするのはヒミツだ。
何故か二人で脱衣所まで行き、二人ほぼ同時に服を脱ぎ始める。
「先生、服はどうしたら?」
学ランの上を脱ぎ去り、それを片手に小萌に問う。
「そっちの洗濯機に入れてくださいー。まとめて洗濯しちゃいますから」
振り向こうとして何だか可愛らしいピンク色の布が見えた気がして思わずぎゅいんと首を強引に違う方へ向け直した。
一緒に入ろうといった割に何とも情けないことである。
いや、まぁ、仕方の無いことかもしれないが。
「上条ちゃん?」
学ランの上着、ワイシャツと脱ぎ終わったところで小萌が上条に声をかけた。
「……まだ、脱ぎ終わらないんですか…?」
問われ振り向いた瞬間、
「もう少」
言葉を紡ぐことを忘れてしまった。
「どうかしましたか?」
大きめなバスタオルで体を隠した幼女(危険だ。犯罪の香りがする)がそこにいたのだ。
淡い青色のタオルは彼女の身体をしっかりと隠している。
大きめなといったが、小萌にとってこのタオルは大きすぎるらしい。膝下まで伸びたそれはさながらスカートのようだ。
きっちりと防御されているように見えて、ただ一つ、その格好には欠点があった。
歩み寄ろうとして出した左足がタオルの繋ぎ目のスリットから現れなければ完璧だったのに。
思わず鼻の頭を押さえた。
多分、普通なら横に使うタオルを縦にしているのだろう。小萌のウエストやらのサイズから考えて横でも問題無いというか、むしろその方がよかったと思われる。
何せ、かなりギリギリ、際どいところまで足があらわになっているのだ。
というか腰まで見えている。
たったこれだけのことなのだが、つい先程も言った通り自家発電のネタにした女性の肌が目の前にあったりしたら、下半身のアレが元気になりすぎてしまう。
ズボンと下着を脱ぐに脱げずにいると、
「………?」
小首を傾げ『どうしました?』と言いたげな小萌の視線にまたしてもぶつかる。
「…あの…そうやって見られてるとすごく脱ぎづらいんですけど…?」
半分はそう思っている。
本心は別のところにあるのだが。
「ぁ…あぁっ! そっ、そうですね! それじゃあ先生は先に入ってますー」
言われて初めて気がついたのか、あっという間にバスルームに飛び込んでいった小萌。
「はぁ…」
その後ろ姿を見送り、上条は大きな溜め息を吐いた。
なんか色々と大丈夫なのだろうかと。
そう、例えば理性とか理性とか理性とか。
素晴らしくダメな気がして来た上条さんでした。


昔の人はこんな諺を残している。

泣きっ面に蜂。

詳しいことはググったりしていただけると説明が省けるので有り難い。

472:『ふぃぎゅ@禁書目録・小萌編』 ◆0yDabgA/0.
08/09/16 13:16:01 z/XaJzQZ
さて、何故急にこんなことを言い出したのかと言うと、
「上条ちゃん、重くないですか?」
「問題アリマセンデス、ハイ」
今まさに上条少年がその諺を、身を以て味わっている最中だからだ(もしかしたら多少解釈の仕方が違うかもしれないが)。
どういうことかというと、こんな感じ。

泣きっ面に(全裸の小萌先生が)蜂(ピッタリ密着して膝の上)。

これが恋人同士だったりしたらなんの問題も無いのだが、さすがに先生、それも恋人ですら無い人とこの状態で取れる行動は『我慢』の一手だろう。
ただ、健全な男子高校生がこの状況で我慢を強いられるのはツライ。
何度も言うが、自己発電のネタに利用させてもらった人が目の前に全裸で居るのだ。
ぶっちゃけ妄想が現実になっているようなものである。
その上、小萌は自分が上に乗っかっていて迷惑なのではと(自制中の生返事ではそう感じても致し方あるまい)ちらちら上条の方に振り向いてくるのだ。
そのたびにコーラルピンクのアレが目に入ってくるので、正直暴走しそうだったりする。
何が、とは聞かないであげてほしい。
素数をカウントすることで何とかおっきしないように努力しているのだから。
「…あの…、上条ちゃん、もしかしなくても私、上条ちゃんに迷惑かけてます?」
2713まで数えたところで、変化が起きた。
少年にとってある意味で都合が悪く、ある意味で幸せな変化が。
小萌がとうとう耐え切れなくなったのか、完全に振り向く形で上条と真っ正面から向き合ったのだ。
「う゛っ!?」
思わず首の構造限界の速度と動きで上を向こうとしたのだが、
「どこ向こうとしてるんですかっ! ちゃんと先生の顔を見て答えてください!」
小萌の細腕からは考えられないような力で頭を固定されてしまった。
がっちりと押さえ込み、答えるまで離しません、と言わんばかりだ。
そうしてもらっているおかげでなんとかおっきは免れたが、今度は罪悪感が込み上げて来た。
「…別に…迷惑って訳じゃ…」
目尻に涙を滲ませた幼女が目の前にいて、涙を滲ませている原因が自分なら、罪悪感の一つも覚えるだろう。
いや、覚えなければ人として駄目だ。ロリコン云々はさておくとして。
「じゃあ何でさっきから返答がおんなじものばかりなんですか?」
「いや、それは…俺が悪いというか…生理現象というかなんというか…先生のせいじゃないことは確かだ! …けど…」
むーっ、と唸る小萌。
しどろもどろになりつつも上条は答えてみせる。
だが、小萌は質問の勢いを衰えさせない。
「けど? けど、なんですか?」
そうやって面と向かって聞かれても困る。
というか小萌は気付かないのだろうか。
大分熱くなっているから、そこまで意識が回らないのだろう。
「だから!」
いつまでも悩んでいたって仕方ない。引かれたならそれまでだ。
腹を括った上条が声をあげた。
「先生の裸が気になって、意識しちゃって落ち着かないんだ! 一緒に入ろうって言い出したのは俺だけどさ…」
が、徐々に言葉が小さくなっていく。
小萌は驚いたような顔をしていた。

473:『ふぃぎゅ@禁書目録・小萌編』 ◆0yDabgA/0.
08/09/16 13:18:47 z/XaJzQZ
それはまぁ、そうだろう。
いつの間にか拘束の手も外れていたらしい。
「…………」
小萌の顔を直視できない。最初からそうではあったが。
未だ膝の上にいる小萌のせいで風呂から上がるに上がれない少年。
そんな上条の状態を知ってか知らずか、
「上条ちゃんは…女の子と一緒にお風呂に入ることに慣れてるんじゃ無いんですか?」
呆然とした表情でとんでもないことをおっしゃった。
「はいぃ!? っつかそっち!? 驚いてたのそっちかよ!?」
絶叫する上条に落ち着いた目で小萌は、
「あれだけ女の子に囲まれているんだから一回や二回はあったんじゃないかなー、と」
とんでもないことばかり言う幼女は、何やら盛大な勘違いをしてるんじゃないかと上条は考えた。
「ありませんってば! 一緒にお風呂なんて! それに、囲まれてるだけで俺のことが好きな奴なんていないですよ…」
言ってて虚しくなってきた。
心の中で馬鹿でかいため息を吐いた後、二の句を接ごうとして、
「少なくともここに一人…上条ちゃんのことが大好きな女の子がいるんですけど…」
接げなくなった。
「……はい?」
頬に手を当て恥ずかしげに上条を見つめる小萌。
上条はブレーカーが落ちたかのように動かない。
「もぅ、何度も言わせないでくださいよぅ…」
なんかもぢもぢしてる。
指でデコを突いてきた。
「私は上条ちゃんのことが好きなんです…」
もう一度言われ、衝撃で復活した。
そして言葉を咀嚼し、起きたての頭で考える。
はっきり言えば有り得ない。自分が立ててきたフラグは駄フラグばかりだったはずだ。
いきなりこんなイベントが起こる可能性なんてゼロに近いはず。
なら先生が俺をからかっているということか?
いや、それも違う。
先生は冗談であんなことを言う人間ではない。
それは自分自身よくわかっていることだ。
では一体?
そこまで悩んである答えにたどり着く。
そういえばその可能性もあったな、と。
その答えとは、
「もしかして、生徒として好きってオチ…?」
殴られた。
「バカバカバカ! 上条ちゃんの鈍感! にぶちん! 朴念仁!」
ぽかぽかぽか。
高さ的に胸板しか叩けないらしい。
それでもまぁ、上条自身出した答えが間違っていたということは理解出来たが。
「…そーゆーのって、普通教師の方が『先生と生徒だから』って止めませんか?」
至極当然というか、まぁ正論であろう。
物語的流れ云々はさておくとしても、倫理とか外聞とかいろいろと問題もあるはずだ。
例えば、エロゲの如く教師の方から肉体関係を迫って来たら話は別なのかも知れないが。
「でもでも、節度あるお付き合いなら問題ないと思うんですよー?」
小萌の場合、そんなことは限りなく零だ。そもそも見た目的に問題がある。
「節度、ねぇ…」
「そうです」
それが守られていないから問題になっているのではなかろうか。
「とりあえず話をまとめさせてください…」
小萌の少しズレたような言動に違和感を感じたが、そんな小さなことよりもこちらを解決しなければ。
「…つまり…先生は俺のことが好き…それも生徒として好きなんじゃなくて、一人の男の子として好きだ、と」
「はいです…」
耳まで真っ赤にして俯きながら答える小萌。
正直なところ、俯かれると困るのだが。
だって見えちゃうもの。
「…むぅ…」
見えちゃうのはともかくとして(見えていいわけではなく気にしていたら話が進まないからである)、上条当麻は唸らずにはいられなかった。

474:『ふぃぎゅ@禁書目録・小萌編』 ◆0yDabgA/0.
08/09/16 13:21:27 z/XaJzQZ
はっきり言えば小萌に好意らしきものは持っている。
だが、それは何と言うか、女教師への憧れというか、年上に見えないからこその親しみ易さというか、そんな感じのものだと思う。
それは、やっぱり恋愛感情とは違う気がする。
ただ、上条少年は鈍いうえに恋愛経験など皆無に等しい。
というか恋愛と親愛の違いがわからないのだ。
境界が、という以前に、その線がはっきりしていないのだから困る。
空を(というか天井を)仰ぎながら頭を掻く上条。
「先生」
「は、はいっ!」
ぽつりと呟くような少年の呼び掛けに、過剰な反応を見せる小萌。
それも致し方の無いことか。
教師とは言え一人の女の子であることには変わりない。告白したせいで無言になられてはその裁定が気になってしょうがないことだろう。
上条のそれは、小萌の予想とは違ったのだが。

「親愛と恋愛の違いってどこにあるんだ?」

「…親愛と恋愛の違い、ですか…」
一瞬、浴槽の中でコケそうになった。
拍子抜けというかなんというか…だが、上条の表情は真剣そのもので。
「うーん…難しい問題ですねー…」
少しだけ、いつも教師をやっている彼女の顔になる。
「上条ちゃんの言わんとしている『親愛』は、お友達や家族に対する愛情のことであってます?」
こくりと頷く少年。
「それで、『恋愛』は…」
続けようとして詰まった。恋愛というものについてどう解釈すべきか。
この確認はそのために行っているのだが、実は大きな問題がある。
当然のことながら、恋愛観というものは人それぞれ違うもの。
似ていることもあるだろうが全く同じという可能性は無きに等しい。
自覚を促すにしても、それは幾分か小萌の主観に因る話になるだろう。
そのことについて悪いと思っているわけではないのだが、それとこれとは話が別だ。
今悩んでいるのは親愛と恋愛の違いというものをいかにして上条当麻に教えるか、である。
ひとしきり頭を悩ませた後、
「恋愛は異性間による愛情の形でいいですか?」
「ああ、そうだけど…異性間っていうとそれは母親とかも含まれるよな?」
返された答えに少し詰まる。
「えっと…恋愛というのはですね、異性間の親愛の最上級であり、そして通過点でもあります」
ぴんと小さな指を立てながら説明を再開する。
「男の子の初恋は大多数がお母さん相手なんです。女の子の場合はお父さんですねー」
ここまではいいですかー、と小首を傾げて見せる。
「一応」
頷いた上条に、では、とそういって小萌は話を続ける。
「あくまで統計というか、そういった類のものなので確証として話すことは出来ませんが。この話はさておき」
上条の膝の上での座り方を直す。
「好き、が愛してる、になって最終的には結婚に到りますよね?」
またしてもこくり、と上条は頭を縦に振る。
「これが最上級という意味です」
言い終わると小萌は、ぴっ、と指をもう一本立てて今度は二本にした。
「次に通過点の方ですが、人間、恋をしたらそこで終わるわけじゃないのはわかりますよね」
また指を一本に戻し、
「恋をして、それが愛に変わり、いずれは家族になる」
要は、と続ける。
「恋愛の先にあるのが結婚という訳です。ちょっと強引な持って行き方かも知れないですけど…」
ちゃぷんと小さな水音が浴室に響いた。
これで終わりとばかりに小萌が自身の膝に手を置いたからだ。

475:『ふぃぎゅ@禁書目録・小萌編』 ◆0yDabgA/0.
08/09/16 13:23:45 z/XaJzQZ
上条は、若干眉根を寄せながら考え始めた。
話を聞く限りでは、どちらもあまり大きな違いがないような気がする。
ただ、小萌の言わんとすることが理解できない訳では無い。
親愛と恋愛の境界線。
それだけで考えるなら、小萌の問いに対する答えはNOだ。
しかし、
「………」
何と言うか、それだけで済ませたくない…そんな気持ちに気付いてしまった。
言われるまで、境界線云々を意識するまで気付くことも出来ないほど小さな小さなモノだったのだが。

健気で、真面目で、一生懸命な人。

生徒達のことを何よりも大切に想っている人。

子供っぽくて部屋はあれだけど、しっかり大人な人。

自分の『能力』や過去を知ってなお、普通に接してくれる人。

一緒にいると楽しい人。

考えてみればみるほど小萌と一緒にいた時のことを想い出してしまう。
思えば、以外と二人っきりでいた時間も多かった気がする。
主に補習関連で、だが。
勉強自体あまり得意な方ではない上に補習を受けさせられるのが『超能力』に関することではどうしようもない。
それでも今までやって来れたのは馬鹿騒ぎ出来るクラスメートと、小萌先生のおかげだったと思っている。
ここまで悩んで、でも答えは出ない。
なら、素直に今思っていることを彼女に伝えよう。
「……小萌先生…あの…俺、さ…」
言葉と共に、小萌を見つめる上条。
「考えても悩んでも…好きとか愛してるとかわかんないんだよ…」
それを聞いて、わずかばかり小萌は表情を暗くした。
ある意味拒絶にも取れる言葉だったからだ。
だが、
「だから、俺が今の気持ち、今思ってることを話すから」
上条を小萌の予想斜め上をいった。
「聞いて欲しいんだ」


はじめは…あの人と一緒にいると退屈しないな、ぐらいにしか思っていなかった。
いつも無邪気っていうか子供っぽいけど、それでいて何事にも一生懸命で…見てて飽きない人だなぁ、ってさ。
姫神の面倒を見てくれてた時も、大覇星祭の時だって全然学校とか関係ないインデックスの世話を焼いてくれたりして、実は結構感謝してたんだ。
周りにいた女の子の中で、いろいろな意味で一番安心出来るのが小萌先生だったんだよ。
気になるって言うか…気を許せるっていう表現がしっくりくるんじゃないかと思う。
つまり…先生と一緒にいたい…。
……うん、多分そうだ。
俺は、小萌先生と一緒にいたい。
小萌先生に、一緒にいてほしい。

これが好きだって気持ちなら…俺、上条当麻は月詠小萌のことが、一人の女性として…好きです。



「…上条ちゃん…っ…ふ、ふふ…っく…嬉しいですよぅ…嬉しいです…」
何を憚ることも無く小萌は泣いた。
ぐしぐしとまるで子供のように涙を拭い、笑おうとする。
だが、微妙に感情の制御が効かなくなっている彼女はどうしても泣き止むことが出来ない。
「うぇ!? ちょ、小萌先生!?」

476:『ふぃぎゅ@禁書目録・小萌編』 ◆0yDabgA/0.
08/09/16 13:25:04 z/XaJzQZ
そして、当然の如く目の前で女の子に泣かれた上条少年は狼狽えまくっている訳で。
いい加減、風呂から上がらないとのぼせるような気がする。
「と、とりあえず風呂から上がりましょうね! 先生から!」
まだ大袈裟な動作で涙を拭い続ける小萌。
このままではいろいろと問題が発生するだろうことは容易に想像がつく。
それに、こうでもしないとまた話が進まなくなるのである。
「…っぐず…ぁい…わかりました…ずず…上条ちゃんはゆっくり浸かってくるんですよ…」
ようやく小萌が動いた。
鼻を啜りながら、何とも間抜けな様相だがそれすらどこと無く可愛く見えてしまうのだから不思議だ。
なんかもういろいろと無防備になっている小萌から視線を逸らし、彼女が風呂場から退室したことを確認すると、上条は盛大なため息を吐いた。
「はぁ…」
緊張の糸が切れたから、というのが妥当か。
股にぶら下がっているアレがすっかり猛り狂っていたが、誰も見ていないのだから気にする必要もないだろう。
まぁ、落ち着くまで風呂場に閉じこもっていなければならないが。
「…好きだって、言っちまった…なぁ…」
そして股間の猛りよりも問題なのがこちらだ。
別にそのことに関して後悔しているわけではない。
むしろ喜ばしいことだろう。
あの鈍感な上条が自身の気持ちに気付けたことは僥倖といえる。
「…これから先どうすんのかな、小萌先生…」
流れから鑑みて、これから二人は付き合うことになるだろう。
だが、世間一般から見れば上条と小萌の関係は彼女彼氏以前に生徒と教師だ。
わかっているとは言っていたものの、実際のところどうするつもりなのか上条には皆目検討もつかない。
この学園都市が無駄に広いとはいえ、二人で遊べる場所…さらに言えばデートとして出向ける場所はかなり限定されてくる。
そうなれば見つかる危険性も増えてしまう。
湯舟に肩まで浸かりながら天井を仰ぎ、黙考する上条。
かといって、すぐに答えが出るわけもなく。
気が付けば息子さんもすっかり大人しくなっていたので上がることにしたのだった。

477:携帯の人 ◆0yDabgA/0.
08/09/16 13:26:57 z/XaJzQZ
終わりましたよ、っと。

強引な展開だと自負しております。

リレーは時間があれば書こうかな。またアニェで。

さいならー

478:名無しさん@ピンキー
08/09/16 13:42:45 sfie4Zso
わっふるわっふ(ry
とにかくGJです。強引な展開と言ってますけどカミジョーさんならありえるかなと思いました。
むしろ小萌先生は車で学校に行ってないのかとかどうでもいいことが気になってw

479:名無しさん@ピンキー
08/09/16 22:40:42 NiFpLzUI
幼女かわいいよ幼女とかいうと今のご時世通報されそうだけどGJした!
携帯の人に初めて遭遇した気がするw

480:名無しさん@ピンキー
08/09/16 22:41:56 xhUW3KX1
先生は合法ロリなので無問題
あぁげに素晴らしき哉合法ロリ

481:名無しさん@ピンキー
08/09/17 02:24:24 bmFFkk43
小萌センセーは少なくとも20代後半、もしかしたら30に届いてる可能性もあるんだよな。…あれと真面目に付き合う。
…ビジュアル的にヤバいぞこれは。
ベタな回避手段
「妹です」

482:名無しさん@ピンキー
08/09/17 02:27:19 Y/sLnJxQ
いいえ、ダッチワイフです

483:名無しさん@ピンキー
08/09/17 10:00:02 SX3b7amE
かなり萌えるハァハァ

484:名無しさん@ピンキー
08/09/18 11:32:54 TxPMermM
御坂シスターズに押し倒されてインデックスもまじえてわっふるするシチュエーションが浮かばないんだけど誰か

485:名無しさん@ピンキー
08/09/18 11:34:23 TxPMermM
御坂シスターズって言っちゃったけど単品で
なんて言えば良いんだろう最終信号じゃない他の御坂妹の一人
強いて言えば12巻でネックレスちらりしたあの娘

486:名無しさん@ピンキー
08/09/18 12:20:45 ojJJY5Fn
>>485
10032号のことか?それぐらいggrks

といわれる前にwikiくらいよんでみましょう、とミサカは妄想する前にやるべき事があるとやんわりと指摘します。

487:名無しさん@ピンキー
08/09/18 12:26:47 TxPMermM
wikiとかあったのかありがとう御坂さん

488:名無しさん@ピンキー
08/09/18 12:41:23 ojJJY5Fn
ミサカの名前はミサカであって御坂ではない、とミサカは訂正を申し出ます。

489:名無しさん@ピンキー
08/09/18 16:45:55 I4Z73nC5
コントはしないほうがいいかも

↓いつもの流れへ

490:名無しさん@ピンキー
08/09/18 17:59:10 QBgCH2xH
いつもの流れってこんなんじゃなかったっけ?

って言ったらマジボケ認定かね?

491:名無しさん@ピンキー
08/09/18 18:28:19 ebwIls3S
いや、コントだろうが伸びるに越したことはないだろう。
過疎は更なる過疎を生みかねんし。

492:名無しさん@ピンキー
08/09/18 18:42:47 b7QddTmf
それだと作者が来るまでじーっと黙ってろってことなのかな?

493:名無しさん@ピンキー
08/09/18 19:49:09 WTfIwupt
えーと。とりあえず場つなぎにでもなんか書いてみる(予定w)ので質問をば。
需要はやっぱりエロネタですか?(エロパロ板でなにを今更と言われそうですが…)

494:名無しさん@ピンキー
08/09/18 19:52:14 fTwo9X0T
レス指定で5W1Hみたいな感じで書いてみて欲しいなw

495:名無しさん@ピンキー
08/09/18 19:55:34 WTfIwupt
5W1Hってことはやっぱりエロってことk(マテ

496:名無しさん@ピンキー
08/09/18 21:23:59 WTfIwupt
493です。495で書いたように5W1Hの意味はえっちぃ事だと勝手に理解しましたwww
…つか誰×誰がいいんでせうか?リクあれば書いてみようと思います。
平行して「美琴は外せねェだろうがよォ」って事で自分で書きたいのも書いてみてます(上げるかは分かりませんが)。

497:名無しさん@ピンキー
08/09/18 22:07:11 moqqOYXM
ねーちんだろw

498:名無しさん@ピンキー
08/09/18 22:10:01 moqqOYXM
連投スマソ

相手はとうまでお願いします><



499:名無しさん@ピンキー
08/09/18 22:16:18 WTfIwupt
ねーちんに当麻…なかなか要求が高いじゃないかww
もしかすると美琴とねーちん一本にまとめて扱うかもしれないがそうなったらスマン

500:名無しさん@ピンキー
08/09/18 23:28:47 Fpg7i1L8
一応、このスレを見ていて、かつ5W1Hの意味が解らない奇特な人へ。これはWhoWhereWhatWhyWhenHowの事だよ…、みんな知ってるか。


501:名無しさん@ピンキー
08/09/18 23:43:53 WTfIwupt
あれ、この場合は「5W1H=状況に応じて」と解釈してエロネタだッ!!と判断したオレは異端か。そーでつか。

502:名無しさん@ピンキー
08/09/19 01:02:52 FaINVZaD
ある意味5WhoとHと言う解釈もありかなと振った本人も考えてみた。
ねーちん、美琴、姫神、アニェーゼ、五和とH!
この5人をどうそろえるかが大変だ。

503:名無しさん@ピンキー
08/09/19 13:08:33 J+kHH82l
インデックスがいねえwww
薄すぎてカワウソ

504:名無しさん@ピンキー
08/09/19 13:19:19 fFe1WAwB
インデ…ックス…?

505:名無しさん@ピンキー
08/09/19 14:51:13 EXvqV+Iw
禁書、姫神、美琴、御坂妹、ねーちん
あ、ちょうど五人だ

506:名無しさん@ピンキー
08/09/19 14:59:01 fFe1WAwB
>>505
妹のポジションの確保のためシスターズで抗争勃発

507:名無しさん@ピンキー
08/09/19 15:27:27 vv9Rj9+1
ねーちん吹寄禁書ねーちんねーちん

508:名無しさん@ピンキー
08/09/19 16:33:51 J+kHH82l
青髪 土御門 蛙医者 一方通行 ステイル
よしばっちこい

509:名無しさん@ピンキー
08/09/19 16:36:57 fFe1WAwB
>>508
女が混ざってるぞ

510:名無しさん@ピンキー
08/09/19 17:37:15 UvFuW0do
アウレオルス アレイスター 5巻の和風魔術士 災誤先生 アックア 完☆璧

511:名無しさん@ピンキー
08/09/19 17:47:41 dJbn5GeR
ねーちん ローラ 禁書 美琴 御坂妹

これならおっきする

512:名無しさん@ピンキー
08/09/19 18:26:24 0b9LFqvn
ねーちん吹寄オルソラ五和ローラ
これが俺のジャスティス

513:493
08/09/19 18:41:44 I41Fp48x
なんかいつのまにか話題が広がってるしwww
ところで書いてる作品でインデックスの濡れ場が書けない…
どーしよ。

514:名無しさん@ピンキー
08/09/19 18:51:34 fFe1WAwB
いなかったことにすればいんじゃね?

515:493
08/09/19 18:56:17 I41Fp48x
ここで究極の手段を使うのかwww

516:名無しさん@ピンキー
08/09/19 19:02:41 vv9Rj9+1
兄メカの影響だとは思いたくないがな……

517:名無しさん@ピンキー
08/09/19 19:05:19 uGXN1Lre
御託はいい
ねーちんの尻エロスを書く作業に戻りたまえ

518:名無しさん@ピンキー
08/09/19 19:06:40 bUJonTIm
>>513
お前さんの今後も考えて、敢えて苦言を呈するが
そういうレスはあまりしない方がいいぞ

作者がスレでそういう風に前面に出てくるとウザがられることが多い
作品の良し悪しに関らずな
最悪、作者がウザいから作品をスルーするなんてこともあるし

スレにもよるが、大体のスレではそうしたほうがいい
作り手は作品で語れ、ってな

偉そうなこと言ってすまないな

519:493
08/09/19 19:07:02 I41Fp48x
あらかじめ言っとくが気に入らなかったら上げないかもしれん。

520:493
08/09/19 19:09:30 I41Fp48x
>>518
分かった。終わるまで一旦ROMろうと思う。

521:名無しさん@ピンキー
08/09/19 19:11:37 fFe1WAwB
他のパロスレでは大量にあげてる人くらいだしね、名前ついてるの。
俗に言う誘い受けはレス乞食氏ねみたいな風に取られやすいし。

522:名無しさん@ピンキー
08/09/19 20:21:20 yk9ZNuEW
御坂さんが鞭を使うと大変なことにw

523:名無しさん@ピンキー
08/09/19 20:31:43 dJbn5GeR
あからさまなレス乞食はうざいな


>>519みたいな

524:名無しさん@ピンキー
08/09/19 20:38:43 0Cc/6aiW
というか確かにこのごろ空気はおかしいな。
100レスぐらい前にもこういうやりとりがあったと思うんだが。
投稿する時って過去スレまでは見なくてもそのスレぐらいは全部読むべきだと思う俺は古いのか?

525:名無しさん@ピンキー
08/09/19 20:45:23 fFe1WAwB
前も言われてた気がするけどなんとなく低年齢化したのか?
と感じることは多々ある。
>>524
むしろそういう暗黙の了解的なことを知らない人が増えたのかもしれない。

526:名無しさん@ピンキー
08/09/19 22:18:03 J+kHH82l
逆に考えるんだ
低年齢化したんじゃない 俺たちが老けたんだ
ですよねねーちん え18?うそだー

527:名無しさん@ピンキー
08/09/19 23:12:14 UvFuW0do
>>526どうした、応答しろ、526…
…遅かったか

528:名無しさん@ピンキー
08/09/19 23:28:56 Lna07ZVH
神裂さんじゅうななさ…グハッ

529:名無しさん@ピンキー
08/09/19 23:30:48 fFe1WAwB
お前らほんとにねーちん好きだなw

でもねーちんより年上しかここにはいないはずなんだよな

530:名無しさん@ピンキー
08/09/19 23:59:56 0Cc/6aiW
同い年もいるんじゃないか?全然信じられないが。


ところで誰か、些細なことだが教えて欲しい
我らが上条さんはパワーアップイベント今までないよな?
それらしいのはヘタ錬金術師の竜ぐらいだったと思うんだが違ったら訂正頼む。本スレのあの勢いじゃ聞くに聞けん

531:名無しさん@ピンキー
08/09/20 00:10:07 XMdTPged
>>530
フレキシブルな能力なのでその時々です。

532:名無しさん@ピンキー
08/09/20 00:18:55 Z39IFVe3
>>530
確かに幻想殺しについての現象はあの竜の顎だけのはず。
飲み込まれると記憶を失うとか。更に竜ってこは「竜王の吐息」にも関連があるのだろうか?

533:名無しさん@ピンキー
08/09/20 00:21:29 KuUyg4Sh
>531,532
すまん。本スレでも散々考察されてたのはわかってるんだが最新刊とかではどうかと思ってな
ありがたいありがたい

534:名無しさん@ピンキー
08/09/20 00:42:08 LqiVfmd3
>>532
やっぱりラーニング説がでかいよな。
つまり今まで溜めた御坂の電撃で電流責(ry

535:名無しさん@ピンキー
08/09/20 01:35:16 EfknqSJ7
何故か某同人サイトで見つけた夏コミ禁書本は、2冊が2冊とも黒子×美琴の百合モノだったり。いや嬉しいけど。
主人公とヒロインw

536:名無しさん@ピンキー
08/09/20 01:39:36 XMdTPged
前戯で終わりの美琴本

537:名無しさん@ピンキー
08/09/20 11:29:10 SQ7yrsTb
>>536

> 前戯で終わりの美琴本


続きはWebで、ですねわかります

538:名無しさん@ピンキー
08/09/20 12:45:42 6LUFEmqZ
>>535
どこの同人サイトかkwsk

539:名無しさん@ピンキー
08/09/20 13:19:30 EfknqSJ7
>>538
エロアニ☆スナイパー
ただし少しが必要なタイプ

540:名無しさん@ピンキー
08/09/20 18:22:10 8HbGVhj1
前戯で終わり………美琴たんならありえるww

541:名無しさん@ピンキー
08/09/20 18:31:56 8znV+kb3
ヘタすりゃ上条さんより不幸だからな

542:名無しさん@ピンキー
08/09/20 19:22:37 dX0S9Uas
タバコみたいな名前の早漏皇みたいな声のメイドを描いてる人だな

543:名無しさん@ピンキー
08/09/21 10:16:53 Yna0BINa
それじゃ一つ投下させてもらいます。
初めに断っておきますが、エロは無しで萌えもなしです。
作者の厨二病を笑うつもりで読むぐらいが丁度いいです多分。
我らが上条さんは別人です。
世界観が壊されたくない人はスルーしてください。

544:たとえばこんな最終場面
08/09/21 10:17:47 Yna0BINa


    ※


 上条当麻は絶望を知らない。
 今まで数限りない「事件」にその右手を突っ込み引っ掻き回しながら。
 しかし激闘の果てに、その混沌うず巻く泥濘の底から必ずハッピーエンドを掴み取ってきたからこそ。
 彼は、本物の絶望を知らない。
 慢性的な不幸に慣れているから、常習的な幸福に慣らされているから、彼は決定的な絶望を知らない。
 だから、その右手の至る先が見えた事もまた、なかった。
 人はその未熟を自覚する所から成長を始める。
 であるならば、紆余曲折あろうと最終的には大団円を迎え続けてきた彼が、成長する事は果たして出来たのだろうか?
 自分が抱える弱さや、未熟や、不完全を、直視し認識することは果たしてあったのだろうか?
 否。断じて否。現状に満足している限り、人は力を欲さない。人は強さを求めない。己の弱さに気づかない。
 だから、上条当麻は、強さを欲したことがない。
 その右手に宿る幻想殺し。上条当麻は、その不完全と未完成に心のどこかで気づきながらも、完成を本気で望んだことはないのだ。不便を感じることはあっても、結局はどうにかなってきたからと、それだけの理由で。
 ゆえに、当然の予想が成り立つ。

 それは、つまり、彼が究極まで追い込まれ、神に祈る段階も悪魔に縋る段階も通り越し、ただ己の未熟を憎悪するしかない状況まで追い詰められた時。
 神を恨み、悪魔を呪い、自分と自分の弱さを殺したいほど憎んだその瞬間に、彼の能力が、真の意味での飛躍と完成を見るだろう、という予想が。


545:たとえばこんな最終場面
08/09/21 10:18:31 Yna0BINa


     ※


 荒涼とした廃工場に、数え切れない人影が転がっている。
 背が低く気の強そうな女子中学生。茶髪にアロハシャツの陰陽師。長髪に巫女装束の吸血殺し。青く染めた髪にピアスをつけた少年。腰まで届く長髪をポニーテールにした聖人。赤く染めた髪にバーコードの刺青を刻んだ魔術師。
 他にも判別しきれないほど多くの人間が、無造作に転がされている。
 その全員が全身のいたる所に傷を負い、意識を失って倒れている。
「どーしたどーした、上条当麻ー。お前の力はその程度かー? あーーーーんだけ鳴らした武勇伝が泣くぜー、オーイ?」
 その正面には、わかりやすく『チンピラ』のテンプレートのような格好をした男が数人と、右手はおろか全身を押さえつけられてもがいている上条当麻の姿があった。
 その中の一人が、目の前の惨状を見せつけるように、当麻の顔を無理矢理上げさせ、状況の認識を強要する。
「さーさーさっさと少年らしく新しい力に目覚めてくれよー! パワーアップイベントに最適だろーがよー、このシチュエーションはー?
 それともやっぱあれかー、一人や二人殺さねーと本気の一つも出せねーってかー?」
 その言葉と同時に耳障りな笑い声が響き、工場の中を反響で埋めていく。いっそ視線で人が殺せればとばかりに当麻は男たちを睨むが、その行為はかえって男たちの笑い声を高めるだけだった。
「まあでも冗談じゃなしに上から命令されてるしなー。いい加減ここらで目覚めてくんないと、おにいさんたち本当に殺しちゃうよー?」
 ニヤニヤと嫌な笑いを浮かべながら嘯く男たち。地面に力いっぱい押し付けられているために、当麻は唾を吐きかけることもできない。
「じゃあよー、さっき見た獲物ン中に銀色の髪したガキいたろー? あいつ俺に殺らしてくんねえかーあ?」
「なんだお前、そんな趣味あったのかー? 引くぜー、オイ。このロリコン親父がよー」
「いいだろがよ、何だって。いっぺんヒトを、できりゃー女のガキを殺ってみたかったんだーあ。こう、白くてやーらけー腹にナイフ入れてよ」
「マジで変態かお前ー。好きにすりゃーいいんじゃねえの?」
「おうよ、好きにさせてもらわー」

546:たとえばこんな最終場面
08/09/21 10:19:03 Yna0BINa
 その言葉と共に、男たちの一人が輪の中から抜け、工場の外に歩いていく。その後姿を火を噴きそうな視線で見つめることしか、その時の上条当麻にはできなかった。
 男がしばらくたって戻ってきた時には、その傍らに、手足を縛られ猿轡をかまされ、歩くこともままならない、しかし意識だけはしっかりとある銀髪のシスターを連れていた。
「さあーって盛り上がってまいりました! ガンバレ少年! 負けるな少年! お前がなんとかしないとこの銀髪幼女が死んじゃうぞーーー?!」
 一人がそう叫ぶと共に、またも耳障りな笑い声。
 けれど当麻本人はそんなものは気にも留めず、たださっきまでしていた抵抗を更に強めるだけだった。
 手足がアスファルトを擦るのも気にせず、接触面の皮膚が完璧に摩滅し、当麻が組み伏せられている半径一メートルほどに血で描かれた半円ができようとも、上条当麻はあがき続けた。上に自分より大柄な人間を複数乗せながら、それでもなお、全身の筋力でもって暴れ続けた。
 だが、無意味。彼の抵抗など意味を成さないほど、相手の数が多すぎる。彼にできるのはただ、両目を見開いて現実を見据えることのみ。
「さあ、いよいよ男のナイフが少女に突きつけられようとしていまーーーす! 少女逃げる! だけど意味がない! 男のナイフが腹をなぞる! おーっと薄皮一枚切り込んだァ! 赤いしずくがナイフを伝っているーーー!」
 のどを潰したようなくぐもった声が当麻の噛み締めた歯からこぼれる。地鳴りか獣の唸り声かと錯覚させるその声も、この状況では男たちの興奮をあおるだけだ。
「ヤバイ! ヤバイ! これはマジにヤバイです! 踏ん張れ少年! この状況をナントカできるのはお前だけだーッ!」
 すぐそばで実況しながら騒いでいる男の存在など、すでに当麻の視界には入っていなかった。ただ涙目で自分に助けを求める少女を、狂ったように暴れながら見据え続けることしか彼にはできなかった。
 そして、とうとう、決定的な瞬間が訪れる。肌を撫でるように服の上をさまよっていたナイフが、その切っ先が、一瞬の停止の後に、その身を全て、少女の内に埋めた。
 猿轡をかまされていてもなお、正気を削る絶叫が放たれる。まともな神経を欠片でも持ち合わせているのなら、そこに秘められた悲痛さに我知らず涙が落ちるような、声。けれど異常な興奮状態にある男たちには、そんな悲鳴ですらも興奮をあおるスパイスにしかならなかった。
 同時に少年も唸り声を上げるが、それもやはり何もなさない。今日この場所に何百回目かの咆哮が響くが、それはそれ以前に響き渡った数百回と同様、どんな奇跡も起こさない。
 そして、下腹部を血で染めた少女が糸が切れたように倒れ、その体から冗談のような速さで赤い血溜まりが広がって、ひくりと一度震えた後動かなくなったその瞬間。少女の絶叫はとうに止み、少年の咆哮がぱったりと止まったその瞬間。

 その瞬間、その場には確かに、何かが切れる音が響いたという。



547:たとえばこんな最終場面
08/09/21 10:21:38 Yna0BINa


    ※


 その音が本当に響いたのか、はたまた実際には響いていないのか、今となってはわからない。ひょっとしたら、その場にいた一人の少年が変質する雰囲気を、人が音として知覚しただけなのかもしれない。
 確たることは何も言えないが、とにかく間違いなく言えるのは、不審を感じて少年を見た全員が、数秒縛り付けられたように凍りついたという、その事実のみ。
 暴れまわっていた手負いの獣が、いつの間にやら深淵を湛えた化け物に変質しているのを、彼らは理性でなく直感で理解していた。
 少年は話し出す。自分の愚かを悔いるように。自分の鈍さを憎むように。
 自分の弱さを、傷つけてしまった者たちに懺悔するように。

「気づいてた。心のどこかじゃ気づいてたんだ、俺は。ずっと、ずっと前から、不思議に思ってた。
 俺のこの力は、なんでこんなにも不自然なんだろう、って」

「おい! そいつの口を黙らせろ!」
 一瞬前までとは別人のような雰囲気を放つ上条当麻に気圧されたのか、男たちの一人が声を張り上げる。
 けれど、さっきまで完璧な優位の上に立っていた男たちが、今や完全に、組み伏せられうつ伏せにされた一人の少年に圧倒されていた。
 下から睨み上げていた時には嘲笑しか生まなかったその視線は、ことここに至り、全てが手遅れになってからようやく、男たちの抑止力になっていた。
「この右手は、神様だって殴り殺せるのに。魔術師と能力者が全員、束になってかかっても倒せない存在だって、この右手だったら消し飛ばせるのに。
 なのに現実には、俺は、たった数人の能力者にすら、勝つことができない」
 その瞳には、さっきまで猛り狂っていた感情の片鱗も見えはしない。深い湖を覗いたように、そこにはただ、純粋な深さと暗さのみが在った。
 その目に見入り、その深淵を覗いた男たちは、悪魔にでも魅入られたように立ちすくむ。

548:たとえばこんな最終場面
08/09/21 10:22:27 Yna0BINa
「気づくべきだったんだ。気づけるはずだったんだ。
 この力は俺が生まれたときから共にあったけど、この力はこういうものだと思い込むのには十分な時間を過ごしたけど、それでも俺は気付けるはずだったんだ。真剣に、俺自身について考えていれば」
 そこで彼は、その感情の映らない瞳で、倒れている仲間たちを見回した。
 未だ縛られたように棒立ちになっている男たちは目にも留めず、存在すらしないように無視して。
 彼は動かない仲間の一人一人に視線を注ぎ、言葉を投げる。
「存在するだけで最強の座に手をかけるこの力は、なんで右手にしかないのか。まぎれもない万能でほとんど全能にも近いこの力は、なんで右手にしか宿っていないのか。
 違ったんだ。前提からして間違ってた。なんで俺は、こんな簡単な事に気づかなかったんだ?

 右手だけで十分だから、右手にしか宿っていなかったんだ。

 この力は、右手に在るだけで完璧に完成してるから。それ以上あっても無意味なぐらい全能の力を持ってるから。だからこの右手にしかなかったんだ」
 その言葉は、まるで、詫びるように。
 守るだけの力があったのに、その力を振るうことができなかったと、そう謝るように。謝罪するように。静まり返った空間に、響き渡る。

549:たとえばこんな最終場面
08/09/21 10:23:13 Yna0BINa
「考えてたんだ、本当は。
 岩を割ったら破壊だけど、岩を彫ったら創造だ。紙を汚せば破壊だけど、紙を染めれば創造だ。
 一本の大樹を切り倒すのは完膚なきまでに破壊だけど、その大樹を木材にするのは、まぎれもない創造。その木材を切断するのはわかりやすく破壊だけど、その切り分けられた断片で椅子を作れば、それは明らかに、創造だ。
 本質的に破壊と創造は同質で同義。目的のある破壊を創造と呼び、目的のない創造を破壊と呼ぶのが普通ではあるけれど、
 目的なんて主観的なものを両者の区別の大前提においてる時点で、二つは相互に行き来が可能だ。
 そう考えてこの右手を見れば、答えなんてすぐに出たのに。行き着く先も辿り着く果ても見通せたのに。
 この幻想殺しは、その本質は、こんなちっぽけなものじゃないって、簡単にわかったはずなのに」
 上条当麻自身は、まだ何もしていない。ただ韜晦めいた独白を延々と続けているだけだ。
 けれど、ああ、その場にいる者のうち一体何人が気づいていただろう。他ならぬ彼の右手が、心臓が脈打つようにびくりびくりと痙攣していたことを。
 そのリズムに合わせて、弱く弱く微かに微かに、光が明滅していたことを。その光が段々強くなっていたことを。
 そしてその光が強くなるほどに、一つのシルエットが浮かび上がっていたことに、一体誰が気づいていただろう。
 そんな自身の変質を気にも留めず、上条当麻は語り続ける。それはひょっとしたら、現在の自分が世界に遺す、一種の遺言のつもりであったのかもしれない。
「さあ、飛躍の時間だ。飛翔の瞬間だ。お待ちかねだ、嬉しいだろ?
 テメェらのリクエストどおり、俺は、上条当麻は、人間を辞めてやるよ。
 完成に至る論理は単純にして明快。
 即ち、破壊と創造は本質的に同じであるということ。
 そして、俺の能力はあらゆる異能をぶち殺す幻想殺し。
 これらが導くのはどういう結論か。
 それはつまり、こういうことだ」
 その言葉と共に、右手の光がひときわ強く発光する。瞼を閉じても易々と眼球を焼くその閃光は、現れた時同様、一瞬にして弱まり、消滅した。
 その光の後に残るのは。
 竜。
 あくまで人の腕に巻きつける程度の大きさでありながら、人間という種族を完璧に圧倒する化け物。炯々と両の眼を光らせ、明らかに固有の意思を持ち、ヒトを当然のように見下す化け物が、そこにいた。
 その余りの威圧感に、当麻を囲んでいた男たちは当麻を組み伏せていた男も含めてすでに全員地面にへたりこんでいる。
 右腕に竜を従えて、上条当麻はゆっくりと立ち上がった。



550:たとえばこんな最終場面
08/09/21 10:23:57 Yna0BINa


   ※


「この右手が異能を殺せるというのなら、それは即ち、異能を生み出せるということだ。
 この右手があらゆる異能をブチ殺すというのなら、それは即ち、あらゆる異能を、神や天使や悪魔や竜ですらも、生み出せるということだ。
 だから、この右手は、殺し生み出す神の右手。破壊し創造する神の能力。
 あらゆる幻想に終わりを告げる、あらゆる幻想の始まりそのもの。
 そうだ。俺の力の名は、俺の右手の本当の名は、

『それは殺すためだけに生みだされる(ImagineBreaker999)』

 無慈悲で不条理な現実を、現実って名前の幻想を、神を呼びつけてまでブチ殺す。それが俺の能力、幻想殺しの、本領だ」

 そうして彼は、いまや自分以外に立つ者のいなくなった周囲を睥睨する。
 以前の彼からは想像もできない冷たい視線で、ただただ冷徹に無感情に、逃げ出すこともできずに地べたに這いつくばっている男たちを、両の眼で見据えている。
「まっ、待てッ! お前は正義の味方なんだろ?! そんな奴が人を殺してもいいのかよ?!
 俺みたいな奴でも殺さないで改心させるのがお前みたいなのの役じゃねえのか?!」
 一人の男が、まだ腰が抜けている体で叫んだ。けれど上条当麻には、もはやその叫びに揺れる心は残っていない。

551:たとえばこんな最終場面
08/09/21 10:24:52 Yna0BINa
「そうだ。そして違う。
 俺は正義の味方じゃない。ただの偽善者。ただの偽善使いだ。
 だから、俺はお前らを殺さない。だけど、俺はお前らを許さない」
 そう言いながら、上条当麻は右腕の竜を男たちの一人に向ける。その口の前に魔方陣が描かれ、口の中に光が収束し、パラパラと時折光の残滓がこぼれる。
「俺はお前らなんかを殺さない。本当は殺してやりたいが、それは俺の権利じゃない。
 それを持ってるのは、ここに倒れてるやつらだけ。
 俺が守ることができなかった、俺といたせいで傷ついた、ここに倒れてるこいつらだけだ。
 だから、さあ、覚悟しろ。覚悟して覚悟して絶望しろ。
 お前らが見たがった力を、お前らが望んだ本物を。
 今、ここで、見せてやる」
 言葉が終わると同時。
 竜の口に集まっていた光が、その輝きを増していく。竜そのものが現れた時と同等かそれ以上の閃光が、その場にいる人間全ての視界を真っ白に灼き尽くす。
 ただただ静かに。誰かの絶叫や誰かの悲鳴や誰かの懇願を飲み込んで、爆発的な光が冗談みたいに膨れていく。
 その光は弱まることなく。

 純粋な光が世界を染めた。



552:たとえばこんな最終場面
08/09/21 10:25:31 Yna0BINa


   ※


 光が完全に消えるのに、いったいどのくらい時間がかかったのだろう。
 一秒か、十秒か、あるいは一分か。さすがに五分はかかっていないだろう。
 世界が元通りほの暗い月光で満たされた時、その場で意識を持っているのは上条当麻だけになっていた。
 ついさっきまでがくがくと震えていた男たちは、仰向けに、もしくはうつ伏せに、そこら中に転がっている。
 生きているかどうかも定かでない男たちを上条は当然のように無視して、彼は歩み寄った。
 自分のせいで腹を刺され、今はぴくりとも動かない少女の下に。
 そして彼は、無造作に手を伸ばして少女の胸に触れ、同時に耳を口元に寄せる。何かを願うように数秒目を閉じて、そして開いた。
 もうとっくに覚悟はできていたのだろう。動揺したそぶりも見せずに、彼は一度天を仰いだ。
 銀髪の少女は、そのまだ温もりを失わない体は、けれど。
 けれどもう、呼吸も脈動もしてはいなかった。
「悪い、インデックス。ごめん。本当に。
 俺はお前を救えなかった」
 何の感情もこもっていない言葉が、ただ無意味に、彼の口から落ちる。
 それは恐らく、罪の告白。
「俺はこれから、お前を救う。
 お前はきっと、俺を許さない。でも、許してくれ」
 これから行う、絶対に許されない行為の独白。
「この右手は、多分、記憶だって消せるしベクトルだって操れる。俺に敵意を持った全ての人間を倒すことも、絶対じゃないけど多分できる。
 でも、この右手じゃ、人を甦らせることまではできないんだ。
 まだ」

553:たとえばこんな最終場面
08/09/21 10:27:07 Yna0BINa
 もしもこの場に誰かがいたら、上条当麻の異様な気配に思わず身震いしただろう。
 その目には、明確な感情があった。男たちに見せた無感情な瞳は、今は多すぎるほどたくさんの感情であふれていた。
 悲しみ。後悔。喜び。迷い。恐怖。安堵。
 言葉に仕切れないほどたくさんの感情が、浮かんでは沈み、混ざり合っている。
「この右手には、命を消す力はない。
 この力を不思議に思った奴らから、散々言われた言葉だ。俺もそれは知っている。
 この右手は幻想を殺すだけで、現実を殺したことはない」
 きっとまだ迷っているのだろう。
 上条当麻は、その覚悟を決めるために、今淡々と話している。
「だけど、この右手でもしも誰かを殺したら。そうしたら、この右手は、命だって作れるようになる。
 幻想を殺す右手は幻想を生み出すように。
 人を殺す右手は人を作れる。そう思うのは、決してこじつけじゃないはずだ」
 一度言葉を切り、そこら中に倒れている自分の仲間を見る。
 例外なく傷ついて、痛みの余り気絶している、自分の大切な人たちを。
「そうだ。だから俺は、この右手で俺を殺そう。あの男たちで代用できればいいんだけど、なんだか無理みたいだしな。
 俺はあいつらを人間だと思えない。そんな奴らを殺したって、手に入るのは人でなしを癒す力だけだ。
 きっとこの右手は、俺が『人間』として認識してる奴を殺さないと人を治させてはくれない。俺が大切だと思ってる奴を殺さないと、俺は誰も助けられない。
 だから俺は、俺を殺さなきゃいけないのか」
 多種多様な感情を移していた彼の瞳が、落ち着いていく。
 トップからボトムまで変化していた感情が、一つの極に収束していく。

554:たとえばこんな最終場面
08/09/21 10:28:00 Yna0BINa
「怖いな。怖い。
 でも、感謝しなくちゃいけないか。俺が死ぬだけで、この不幸が帳消しにできるんだから」
 その瞳に浮かぶのは、静かで柔らかい覚悟。
 正から負へと移り変わった感情は、感謝に収束した。
「本当に悪かったな、インデックス。俺のせいで、こんな目にあわせて」
 そのまま彼は、ゆっくりと右腕の竜を動かし、自分の左腕に近づける。
 逡巡する間もなく、竜が肘を食いちぎった。
 息を呑む音がする。
 歯を食いしばる音も。
 けれど彼は叫ばない。叫ぶことすら自分には贅沢だと言うように、彼は耐えている。
 竜が、もう一口と顎を開いた。一拍を置いて、またも肉が食いちぎられる音。
 人が肉を咀嚼するような音が、空間という空間を埋めていく。
 そしてその音が引き金になったように、天から羽が降ってきた。
 屋根の存在など完璧に無視して、雪と間違うような純白の羽が、傷ついた人々の上に落ちる。
 なぜか地面には落ちず、人の上にだけ落ちるその羽は、傷口に融けるように消えていく。
 その羽が落ちた場所が仄かに光り、その傷が、少しずつ小さくなっていく。
「ははっ、よかった。俺の考えはあたってる。これで、こいつも助かる」
 それを確認した上条当麻は、痛みに耐えながら、笑った。
 これで、心残りなく逝くことができる、と。そう言いたそうな、笑顔だった。
 そのまま、その竜を。自分の胸に向ける。
「インデックス。インデックス。悪いな、本当に悪かった。
 でも。
 ありがとう」
 言い終わると共に、竜が心臓めがけて喰らいついた。
 血飛沫すら飲み込んで、竜は己の主を喰らう。
 そのたびに羽は数を増し。
 記憶を消した白い羽が、人の上にしんしんと降り続けた。





555:名無しさん@ピンキー
08/09/21 10:32:52 Yna0BINa
終わりです。スレ汚しスマン。
一つのレスにもう少し詰められたなあ。無駄使いごめん。

556:名無しさん@ピンキー
08/09/21 11:49:44 46WGim8Z
禁書板行くべきだったな

557:名無しさん@ピンキー
08/09/21 12:14:17 xAqFiMB+
>>555
GJ
…ですけど流石にスレ違いかなと思いました。
禁書板の方に行くべきでは無かったかと

558:名無しさん@ピンキー
08/09/21 13:20:05 l/U43W3W
吹寄がとうまを振り向かせようと誘惑する萌えなSSはまだか?

559:名無しさん@ピンキー
08/09/21 13:29:06 Nv1mtyqH
通販で買ったあやしい媚薬をとうまに飲ませて襲わせようとする吹寄
放課後呼び出していつものようにとうまに飲ませてみようとする吹寄
しかし効果を確かめようと思ってとうまが来る前に自分でちょっと飲んでみるとあっという間に発情する吹寄
そして逆にとうまを襲う吹寄みたいなシチュはまだかな

560:名無しさん@ピンキー
08/09/21 16:28:07 nNwADLzY
吹寄とインデックスって…誰?

561:名無しさん@ピンキー
08/09/21 17:11:28 6wM3w3kK
都市伝説です

562:名無しさん@ピンキー
08/09/21 17:13:11 zNfbAEwZ
今こそとうま、せいりが来ないんだよネタを……

563:名無しさん@ピンキー
08/09/21 17:37:04 Nv1mtyqH
元から来て無いだろ?インデックス。

564:名無しさん@ピンキー
08/09/21 19:31:53 nNwADLzY
とうま、みんなせいりせいり 言ってるけどせいりってなにかな?私も混ぜて欲しいよ

565:名無しさん@ピンキー
08/09/21 19:48:13 Nv1mtyqH
>>564
吹寄の下の名前だよ

566:名無しさん@ピンキー
08/09/21 20:44:55 l/U43W3W
>>559何をしている!
ここは俺に任せて早くその妄想を文章にするんだ!
あとは頼んだ…ぜ

567:名無しさん@ピンキー
08/09/21 23:01:37 nNwADLzY
Wikiでネタ探してたら、猟犬部隊の追跡班にインデックスがいたんだが誰だよ入れたの吹いたじゃないか
インデックス→ミサカ妹とその逆って相手を何て呼ぶかな探したけど見つからなかった

568:名無し@ピンキー
08/09/22 09:45:56 zkWKvnz8
浜面とアイテム女子3人組のSSをくれ

569:名無しさん@ピンキー
08/09/22 09:49:47 s1otn0IV
アイテムは四人組だが誰を仲間外れにする気だ?


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