戦国BASARAでエロパロ 信者5人目at EROPARO
戦国BASARAでエロパロ 信者5人目 - 暇つぶし2ch450:儚く消える背中 3
08/12/23 20:49:30 5dzrM24A
ミスった…
↑は「儚く消える背中 2」ですorz


「ふえーん…」
止まったはずの涙が再び頬を伝い始める。
頬を伝う涙は顎に流れ、汚れた着物をポタポタと小さく濡らした。
「まずいなぁ…」と佐助は一人心の中で呟くと、何かかすがの気をそらすものはないかと辺りを見回す。
「あ、かすが!見てみろよ、あれ!」
そう指差す先にあるのは、寄り集まるように咲く幾つもの黄色く小さな花。
かすがの好きそうな可愛らしい花だ。
しかしかすがは花には見向きもせず泣き続ける。
「な、なら…ほら、あそこに鳥がいるぜ!」
続いて指差す先には木の枝に止まり、小さく囀る小鳥。
だがかすがはそれすら見ようとしない。
いよいよ打つ手がなくなった。
どうすればかすがに笑ってもらえるかと悩み抜いた末、佐助は小さく「よし」と決心する。
「かーっすが!」
「…?」
明るく声をかければ、漸くかすがが顔を上げた。
何事か、と涙で潤んだ瞳が語っている。見れば、佐助が顔を両手で覆っている。
と、
「いないいない…ばぁー!」
泣く赤ん坊をあやす際によく使われるその言葉と共に顔を覆っていた手がどけられ、
変な表情に歪められた佐助の顔が現れる。
いきなりのことにかすがは思わず面食らってしまった。
ぽかんとした表情で見つめてくるかすがに、佐助は気まずそうに顔を元に戻した。
気まずい空気が流れかけたその時、
「…変な顔。ふふっ」
噴き出しながらかすがが小さく笑った。
漸く見せてくれた笑顔に、佐助の顔もパッと明るくなる。
―そう、そんな笑顔が見たかったんだ。
まるで花が綻ぶような綺麗な笑顔に、思わず「へへっ…」とつられて笑う。
なんだか少し照れくさい気もするが、かすがが笑ってくれたので良しとしよう。
佐助は立ち上がると座り込んだままのかすがに手を差し伸べる。

451:儚く消える背中 4
08/12/23 20:50:04 5dzrM24A
「立てる…って無理か」
言うが否や佐助はかすがに背を向けるように膝を突いた。
「ほら、おぶってやるから乗りなよ」
かすがは戸惑うように佐助の背中を見つめていたが、そっとその肩に手を伸ばし首に手を回すように抱きつく。
佐助はかすがの膝の間に手を入れると「よっと」と軽い声と共に立ち上がった。
「んじゃ、川に行くとしますか」
「うん…」
キラキラと木漏れ日が二人を照らす。佐助はかすがを背負うと歩き出した。
目の前で微かに揺れる少し長めの橙色の髪。かすがはその髪に鼻先を埋める。
柔らかな髪からは、暖かい陽だまりの匂いがした。
「…ねぇ、佐助」
「んー?」
髪に鼻先を埋めたまま小さく尋ねれば、どこか間の抜けた声が返ってくる。
「佐助は…将来忍になるの?」
唐突な問いだったが、実はずっと聞きたかった問い。
佐助は暫く考え込むように沈黙したあと、静かな声で逆に問い返した。
「…かすがは、忍になりたくないのか?」
その言葉に、今度はかすがが黙り込んだ。
暫くの沈黙後、ポツリと小さな唇から言葉が零れた。
「本当は、忍にはなりたくない…。忍になったら、たくさん人を殺さないといけなくなる…。
この着物だって、父さんと母さんがたくさん人を殺したお金で買ってくれた」
かすがは、血が嫌いだった。
つい数秒前まで生きていたものを、残酷に彩る紅。
冷たい身体を染める紅は死の色。
血は全てを死に染める。
だから、人を殺し多くの血を流す忍が嫌いだった。
忍だけじゃない。
武士も、この戦国という世も、流血に流血を重ねるだけの世界が大嫌いだった。
「忍になったらたくさんの人を殺さないといけなくなる。私は、人を殺したくない…」
人殺しをするくらいなら、忍なんかにはなりたくない。
ずっと胸に秘め続けていた、かすがの本音だった。
「かすがは優しいから、忍には向かないな」
ハッと幼馴染の顔を見ると、肩越しに垣間見えた幼馴染は優しげな笑顔を浮かべていた。
まるでかすがの答えが嬉しいとでも言うかのように。
ガサリと茂みを掻き分けると、目の前には小川が流れていた。
いつも遊び場にしている小川だ。
佐助は川から突き出ている岩にかすがを下ろすと、服の裾を破り水に浸した。

452:儚く消える背中 5
08/12/23 20:51:50 5dzrM24A
「私は、佐助にも人殺しなんかしてほしくない…」
丁寧に破いた裾で傷口を洗う佐助を見下ろしながら、痛みを堪えるように言う。
しかしこれは、佐助にとっては侮辱と一緒だ。
彼が忍になるということはかすがも知っている。
だが、だからこそ言っておきたかった。
大切で、大好きな幼馴染だからこそ、血という死の色には染まって欲しくなかった。
「…分かってる」
静かに呟かれた言葉に、思わず身体が震える。
傷口を見つめる佐助は、何処か寂しげに笑っていた。
「かすがの言いたいことも分かってる。でも、俺は忍になるよ。
忍になって、主のために命懸けて仕えたい」
「主がいい人だなんて限らない…!酷い人かも知れない!
佐助…酷いこといっぱい命令されるかもしれない…」
佐助の言葉に、かすがは目の淵に涙を浮かべて反論した。
「それはそうだけどさ」
対する佐助は苦笑を零しながら言う。
「でも、どんな人でも俺にとっては大事な主になるだろうから。
この人のためになら死んでもいいって思えるくらいに。
だから、死ぬときは主の役に立って死にたい」
静かに告げられた決意に、かすがは何も言うことが出来ない。
いや、言うべきではないのだ。
彼の歩むべき道を、自分なんかが口出ししていいものではない。
そう思うと、溜まっていた涙が溢れ出し頬を伝い落ちていく。
ポタポタ、と落ちるそれは頬を伝い着物に零れ、川へと流れていく。
―嗚呼、まただ。
かすがは思う。
昔から自分は泣き虫だった。
何かあればすぐに泣き、幼馴染を困らせていた。
ほら、視線を少し動かせば困ったような表情をする佐助が見える。
強くなろう。泣き虫は卒業しよう。
何度そう誓っても、自分は泣き虫のまま佐助を困らせている。
情けなくて、申し訳なくて、涙が余計に溢れ出た。


おそまつorz
時間があれば完成させたい…

453:クリスマスネタ(長政×市)
08/12/24 21:55:55 XhIh9cCG
>>444>>448連投になって申し訳ない。
長政×市(エロ無し)のクリスマスネタを投下させて下され。

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「ほら見て、長政様。綺麗でしょ…?」
妻が差し出した奇妙な食べ物と思しきモノを見て長政は眉を顰めた。
五寸ばかりの白くて丸いモノがこの季節に珍しい色とりどりの果物で飾られている。
「何だそれは?」
「けえきって言う南蛮菓子なんだって。お義姉様から頂いたの。
 前田様の奥方が、異国の人から習って焼いたんだよ。とっても甘いの。
 ねぇ、長政様も、一口食べてみて?」
余程嬉しいのか市はにこやかに笑いながら楊枝を持って勧める。
何でも今日は異教の前夜祭だと言う事で、菓子は翌日の昼に食すのが本当らしい。
いつもよりはしゃいでそんな説明をする妻の姿が長政の癇に触った。
「そのような物、要らん」
長政はキッパリ拒絶した。
「え?でも…」
まさかそこまで強く否定されるなど思っておらず、市は狼狽えどうして良いか分らずまごつく。
モタモタした様子に苛立ち長政はつい大きな声を出した。
「同じ事を何度も言わせるな、市!」
一喝され、市の身体がひくんと震える。
「……ご、ごめんなさい」
市は深い陰りを見せ、一礼してごずごず部屋から下がろうとして襖に手を掛けた。
「市、白湯を持て」
「白湯?」
怪訝そうに呟き振り返った市の目に、一口だけ食べられた菓子と胡座をかいている
夫の後ろ姿が映った。
「あ…」
「口の中が甘ったるくて適わん!さっさとしないか!」
市はゆっくり顔を綻ばせて頷く。
「はい、長政様。すぐ持って来るから待っててね」
市の言った通り菓子は甘かった。長政には甘すぎるくらいで、まるで市のようだ。
白い南蛮菓子が美しく飾られた様は嫁入りの時の市を思い出した。
長政は菓子から目を逸らす。
「フン、南蛮菓子なんぞ…」
勧められれば共に食べてやらないでもないな、と長政は心の中で嘯いた。

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お粗末様でございました。

454:名無しさん@ピンキー
08/12/24 22:19:02 gZJXxZdK
なにこの神ラッシュ
クリスマスプレゼントってやつか?

455:名無しさん@ピンキー
08/12/25 04:34:22 gVfPn1Ow
ほんと、なにこの神ラッシュ
クリスマスって素敵だね

佐かすも長市も好きだからめちゃくちゃ嬉しい
「長政さま、くりいむ付いてる…」(ペロッ)

……ああ…佐助か長政になりたいな…

456:名無しさん@ピンキー
08/12/25 07:55:05 Nja1EqW0
これが恋人達の熱い夜だったのか!皆God Job!

「小十郎さん!すごいだ!見てけろ!」
「ああ?朝から騒々しいな。」
「ほら、ほら!分かるべ!?ちょびっとだけど背が伸びてるだよ!」
「ん?ああ、ほんとだな。だが人んちの柱に勝手に傷をつ―……。いつき?」
「それにほら!わかるだか?胸も少しおっきくなったべよ!」
「?(そうか?)あ、あーそうかもしれねえな。まあ、その何だ。男の体に胸押し付けるのはあんまり感心しねえな。」
「他のヤツにはやらないから安心するだ!」
「いやだから」
「これで安心してあんたのお嫁さんになれるだよ。」
「は?」
「生理も来たし!ちょっとくらい大きくてもおら痛いのには馴れてるべ!」
「いや、待て、待てってーか。お前朝から男押し倒してんじゃねえ!」
「大丈夫政宗には了承済みだ!既成事実つくっちまえばこっちのもんだっていってただよ!」
「はあ?」
「やさしくしてけろ…おらはじめてなんだ。」
「人かをねじ伏せて勝手に雰囲気つくってんじゃねえ。この馬鹿力。」

457:456
08/12/25 07:57:08 Nja1EqW0
うわ、注意書き入ってねえ……
すまん↑小十郎×いつきネタです

458:名無しさん@ピンキー
08/12/25 22:45:40 mL1crUHS
このトリプルコンボはクリトリスの魔力なんだな
みんな纏めてGJ!

459:名無しさん@ピンキー
08/12/26 05:10:10 SVxLOJLb
>>456
小十郎殿!その小生意気な娘っこに
極太ゴボウ突っ込んでやってくだせぇ!!わっふる!!

460:名無しさん@ピンキー
08/12/27 13:55:26 zIdIM7sW
>>458
そのような魔力破廉恥であるぞぅ><

なんかそろそろお正月とか考えてたら、煩悩の数だけ突き上げる893が頭を駆け抜けた。
こ、壊れてまうだぁぁあああ!

461:名無しさん@ピンキー
08/12/27 14:40:07 iyhU5BxF
>>460
半分を過ぎた頃に「レッツパーリィ!!」って筆頭が乱入してきて、

1)3Pルート
前に893、後ろに筆頭をくわえ込んで
「ぼ、煩悩が増えちまうだぁあ……っ、あっ、やぁあ…!」

2)筆頭可哀相ルート
893と交代して腰を振る筆頭
「はっ…激しいだ……あ、ぁあん…
でも…さっきより細くて楽だべ…」

いつきは無邪気

ってのを妄想した

462:佐助×かすが
08/12/28 01:36:37 nq2eWfQ1
>>436-443の続き、佐助×かすが投下します
注意書きは>>435




「やっぱ、いい女だな」
すべてを脱がし終え、肌から舌を離した佐助がまぶしそうに目を細めた。白皙の裸体が
暗い森のなかで月の光に照らされている。
「そんなことない。こんな、傷だらけで……」
かすがは顔を逸らして否定した。
白い肌には、数多の傷痕があった。それらはどれも軍神の懐刀としてはたらいてきた証拠である。
かすがは傷痕を恥じたり劣等を感じたりすることはなく、むしろ誇らしい気持ちすらあるのだが、
このように色恋の絡んだ男に裸を見せるときは別のように思えた。自分のような
傷だらけの肌をもつ女より、もっと美しい肌をもった深窓の女を抱いたほうがいいだろう、と。
「なに言ってんだか」
かすがの思いを看破するように言い、佐助は左の太ももにある傷跡のひとつを舐めた。
「ひ、ぁあ」
悩ましげな声が、かすがの口から出た。引き締まった太腿のうえで舌が動き、
傷痕を執拗になぞる。その動きはまるで愛撫のようで、さきほど弄られていた乳首が
痺れるように反応してしまう。
けれど、反応してしまうのはその部分だけではない。身の内から熱いものが、あふれ出てきている。
それをかすがが意識した瞬間、その熱いものは更にあふれ出てくるようであった。
「んっ、うぁ……っ」
悦喜をはらんだ呻き声に気分をよくした舌が、ゆるゆると脚の内側へと移動していく。
その動きにあわせて佐助の手がかすがの脚を持ち上げて膝を立たせ、横にひらいた。
内ももへ向かいながらきめ細かな肌を舐る舌の様は、地を這う蛇を思わせる。
「ううっ、あっ!」
かすがの爪先に、突如力が入った。内ももを這っていた舌が恥裂に行きついていたのだ。
佐助の舌が触れる前からあった濡れた感触は、さらにひどくなっていく。奥から底から、
しとどに湧き出てくる。
「あ、ん、ああっ」
下腹部から聞こえてくる水音と舌の動きに耐えきれない。かすがは両脚を閉じようとしたが、
脚のあいだに佐助がいるため、ただ彼を太ももではさみこむだけとなった。そしてその体勢は、
佐助を離すまいとしているようである。
「もうこんなにしちゃってなぁ、かすがってば」
舌を引っこめた佐助の親指が、張り詰めた肉豆を押しつぶすように触った。
「ああああっ!」
堪らないとでもいうように、高い声で啼いたかすがは仰け反り、佐助をはさむ両脚に力をこめた。
「や、あ、……さ、佐助ぇ……」
震える声で名を呼び、自身の下腹部にあるその男の頭に手をのばす。赤い髪の毛のなかに
指を潜ませようと触れた瞬間、舌が肉豆をつついた。温かな感触が敏感なそれを
包みこんだかと思うと、舌は丹念にその周辺を舐めはじめた。
かすがの指は、悦楽に震えながら佐助の頭をおさえていた。そのような部分を
丁寧に舐めないでほしいと思う気持ちがあることはあったが、指先と両脚はその気持ちとは裏腹に、
男の頭をおさえて離さない。どちらが本心なのか、かすがは考えたくもなかった。
襞をひとつひとつ確認していくような舌の動き方は、かすがの理性をすこしずつ
削りとっていくようだ。漏れる喘ぎや切なげな息が、汗で肌にはりつく髪の毛の一本一本が、
自分たちをほのかに照らす月の明かりが、なにもかもが助長しているように思えてしまう。

463:佐助×かすが
08/12/28 01:38:36 nq2eWfQ1
「ふぁ、あっ、佐助、さす、け……ッ! 佐助ぇ……!」
男の名を何度も呼んでは、指に彼の髪の毛を絡ませる。と、さんざん舐っていた舌が
離れていった。急に温もりを感じなくなり一抹の不安を覚えたが、すぐに佐助の
ごつごつした指が荒々しく入り込んできて、かすがをかき回し始めた。
「はあぁッ!」
肉壁はかすがの嬌声があがると同時に、悦んで指を締めつけた。指は窮屈な中で
存外自由に動いて、舐っていたときの比にならないほどの水音を立てた。
「もう挿れてもいい?」
挿れても、というのが、いま胎内に入りこんでいる指のことではなく何のことなのかは
説明されなくともわかる。暗がりでも解せるほどにやりと笑った佐助の顔を見て、
いちいちそんな事を聞くなと思うより早く、かすがは涙目で何度もうなずく。佐助の目元は、
戦場とは違う光りかたをしてはいるが、たしかに猛禽のようになっていた。
下に装束を敷いてはいるが背が痛いだろうと、佐助はかすがを立たせ、大木の幹に
手のひらを付く体勢にさせた。それから彼女の腰を寄せて、臀部を突き出す姿勢をとらせる。
「……さっきの事だけど」
低い声で佐助が言う。さっきの? と、かすがが自分の肩ごしに聞き返す。
「夫婦のはなし」
「ぁんッ!」
言いながら、かすがの膣孔に指を挿し入れた。柔肉を心地好く思いつつ、佐助は指と口を動かす。
「俺とかすがが、夫婦になるとか何とか。言ってただろ?」
「ん……い、言った、けど……ん、あっ」
佐助の声に集中したいのに、その佐助の指が体内で動きまわっているため集中できない。
それに、男の冷静な声より自身の淫声のほうが響いて聞こえてしまう。
寄せては返す悦感の波に揺られながら、かすがは胸が痛いくらいに轟いているのを感じていた。
男が、どのようなことを言い出すのか不安だったのだ。いくらお互いの気持ちを
ぶつけ合ったといっても、それはついさっきの出来事だ。それなのに夫婦云々とは、
あまりに性急すぎるというか先を見越しすぎているというか―かすがは背後にいる佐助に
見えないように顔を伏せながら、眉間にしわをつくって悔いた。胸をさわられて、
いきなりすぎると喚いた自分がばかみたいだ。
「俺はいいと思う。かすがと俺が、夫婦になっても」
「―え」
かすがの頭のなかがいきなり真っ白になったのは、言葉が発せられたと同時に佐助の指が
引き抜かれたからではない。

464:佐助×かすが
08/12/28 01:40:38 nq2eWfQ1
いま、何と言った? 顔をあげて佐助と肩ごしに視線をあわせると、男はずいぶんと
落ち着いた表情をしていた。
「今みたいな戦ばっかの世の中が終わったら、俺たち忍びは用無しだろうし。
その時はさ、ふたりで一緒に暮らすのも悪くないと思わない?」
一度真っ白になった頭で思案をめぐらすことは難しく、かすがは瞠目したままで
男を見ることしかできなかった。もとはと言えば、かすが自身の言葉が始まりなのだが、
男の提案のような返答にただただ驚愕させられている。
「……佐助」
「でも、俺は今すぐでもいい。……いや、今すぐのほうがいい、かな」
続けられた佐助の声は、かすがの時を止めた。
いよいよ何を言われているのか分からなくなってしまった。幻聴だったのかも、とも思ったが、
たしかに男の唇が動いて言葉を紡いだのをこの目で見ている。
「言ったろ、好きな女が傷つくのはもう見たくない、って」
芯の通った声で佐助が言う。浮き出た背骨を優しくなぞられているが、その感触も
どこか遠くのことのように思える。かすがは視線を泳がせた。
「今すぐかすがが『つるぎ』をやめて俺のところに来てくれたら、すごく嬉しい」
つるぎをやめるという事は戦うことをやめるという事で、佐助のところへ行くという事は
謙信のもとを去るという事だ。
平生ならばこのような事を言われても、絵空事だと言い切ってしまうだろうに、
今のかすがでは色々な思いが浮かんでしまい、なにも言えなかった。
「……ま、俺はそんなことを考えてるんだけど。かすがは、どう?」
かすがは困惑するばかりで、うすく開かれた口からはなにも出てきそうにない。
その様子を見て佐助はちいさい声で謝り、いつのまにか取り出していた自身の肉棒を
かすがに宛がった。それに気付き、話はまだ終わっていない、と、かすがは言おうとしたが、
佐助が動くほうがはやかった。
「はっ、ああぁーッ!」
肩を震わせ、貫かれた衝撃と快感を味わう。張り詰めていた肉塊は肉を押しわけて
奥へ進みながら壁をこする。
善がりながら、これではろくに考えることも出来ないなと、かすがは頭の妙に冷静な部分で
思っていたが、もしかしたら佐助はそれが目的なのかもしれないとも思い至った。
男の提案の返事をわざと愉悦で邪魔しているのかもしれない、と。彼もまた、かすがの返事が
こわいのかもしれない、と。
確信はもてないが、そう思えば少しは納得できる。ならば無理に考えず、ただ佐助から
あたえられる快感を素直にたのしんだ方がいいのではないか。―しかし。
「あっ……」
まだ達してもいないのに、佐助の男根がずるりと抜けていった。今まで包み込んでいたものを失い、
肉襞がひくひくと物欲しそうに蠢く。怪訝そうな顔をしたかすがが背後を見ようとすると、
男は幹に手をつけていた彼女の体を反転し、対面させた。
「うーん、やっぱり顔見ながらのほうがいいな」
ひとり言にも確認にも聞こえる口調で言い、佐助は太ももを手にし、かすがの左脚を持ち上げる。
濡れた膣口に何度か雁首をすりつけた後、重々しく腰を進めた。待ち焦がれていた膣肉が
柔々と満足そうに佐助を受け入れていく。
「ふ、ぅあッ、あ、あっ」
腕を佐助の背にまわし、抱きつく。そうでもしないと、立っていられなくなるようだった。
佐助はかすがの太ももを己に寄せるのにあわせて腰を動かし、さらに深く押し込んでいった。
腰が進むごとに聞こえてくる甘く甲高い声は、それだけで男の加虐心をくすぐる。
もっと啼かせたいと、無意識に思ってしまう。佐助は荒っぽく動かし、かすがを揺すりたてた。
「あァっ! あ、あ、やあぁッ」
腰の律動が激しくて、背にまわした腕に力が入る。微弱な電撃がはしったように体が痺れて、
佐助の手で持ち上げられ浮いている左脚の爪先が震えた。男と密着している部分が
とても熱いのに、不思議なことにこの上なく気持ちよく思えて鳥肌が立つ。

465:佐助×かすが
08/12/28 01:42:39 nq2eWfQ1
「すっげー熱いな。へへっ、蕩けそ……」
「んんぅ……ふ、ア、佐助ぇ……っ! はぁあ、あー、あァッ!」
繋がっている部分から聞こえる音を恥ずかしく思い、かすがが目をつむると、
汗の流れる額に佐助が唇をくっつけてきた。粗暴な腰の動きとは大違いの、まるで仔犬が
鼻をすりつけ合うような唇はひどく優しい。かすがはどうしてだか、
救われたような心地になって涙があふれそうだった。
膣肉は、まるで巾着の口をしめるように男根をきつく締めつける。内壁を抉るように
腰を打ちつけていた佐助は、自身が、そしてかすがも限界に近いことに感づいていた。
現に佐助が持ち上げていないほうの、地面についているかすがの右脚は大きく震えていて、
背にまわされた腕にはますます力がこめられつつある。また、かすがの中で蠢動している
佐助の肉棹もいますぐ爆ぜてしまいそうなくらい、切羽詰っていた。
「……かすが、もうそろそろなんじゃない?」
自分はまだ余裕だというような佐助の、熱い息とともにささやかれた言葉に
かすがは小刻みにうなずいて肯定した。余裕そうにみえて実際は男もだいぶ焦っていることに
かすがが気付けなかったのは、彼女も渇望し、焦慮していたからだ。だからかすがは自然と
涙があふれでる瞳で、佐助に懇願した。
「ぁあッ、はぁっ! 佐助、お、お願い……わ、たし……んんッ、もう、……だ、だめぇえ……っ!」
途切れ途切れの切願だったが、みなまで言わずとも佐助はかすがが伝えたいことが
十二分にわかった。それに、かすがの願いは佐助の願いでもあったのだ。
「了解」
ひときわ強く、腰を打ちふるった。突き上げるように何度も肌をぶつけあい、
それに負けないくらい何度もかすがの名を呼んだ。嬌声にまじらせ、かすがも男の名を呼ぶ。
こんなに近くにいるのに、それでも満足できないと縋るような声で。
「ふぁッ、あ、はぁあ、あァっ! 佐助ぇッ、んっ、佐助、さ、佐助ぇッ!」
ぎゅうう、と搾り取るように痙攣するのと、背にかすがの爪が食いこんだのはほぼ同時だった。
そしてその一拍あとに、なかに入れたままの佐助が吐精した。男根は数回跳ねて、
かすがの胎内と頭のなかを白で塗りつぶしていった。


背中に傷が増えちまったなぁ、と、妙にうれしそうに佐助が言った。彼は脱いでいた装束を
着ている途中であった。
着込みで隠れて見えないが、爪が食い込んだあたりに視線をやったかすがは先ほどの
情事を思い出して赤面した。ついでに、先に佐助によって装束を着させてもらっていたときの、
男のやさしい眼差しも思い出して、胸が苦しくなった。
「ふ、ふざけるなッ」
あわてて視線を逸らし、地面を蹴った。慣れた動作で大樹の枝に着地すると、
身なりを整えた佐助が遅れてやってくる。
胸のしたで腕を組んでいるかすがは、佐助に背を向けている。暁霧のなかで淡いこがね色の髪が
煙って見えていたが、剣のような存在感をもったまま輝いていた。
「……悪いけど」
振り向かないまま、かすがの口が開く。

466:佐助×かすが
08/12/28 01:45:06 nq2eWfQ1
「今すぐお前と夫婦になることは、できない……」
驚きも憤りもせず、佐助はただ「うん……」と相槌をうつように返事をした。
実のところ予想通りだったのだ、彼女が断ることは。
「私は―私は、あのお方の『つるぎ』だ……」
声音は、とまどいを含んでいた。言いながらも思い悩んでいる風だ。言葉は少ないが、
それだけでも彼女が言わんとするところは分かる。かすがは次第にうつむいて、
背をちいさく震わせた。なかなか佐助のほうを見ようとはしない。
自分の言ったことが、かすがにとって重荷となってしまうかもしれないという自覚が、
佐助にはあった。お互い、身軽な立場にいるわけではないのだ。
正直なところ、佐助はかすがをどうしたいのか自分でもよく分からずにいた。自分のもとへ
来てくれれば嬉しいのだが、果たしてそれはかすがにとって一番の幸せなのかどうか。
人を殺めることが苦でも、軍神のもとに居たほうが彼女にとって幸福なのではないだろうか。
そのようなことを考えると、佐助はかすがに対してあと一歩のところまでしか
歩み寄ることができなかった。だが今回、そのあと一歩のところまで進んでしまった。
佐助は口を開いた。一言謝って、それから、言ったことは忘れてくれ、と。
そう告げようとしたのだが、眼前にいるくのいちに先に沈黙をやぶられてしまった。
「でも」
やっと振り返ったかすがの睫毛は、水分をふくんでいるように見える。
「乱世が終わったら。安定した世になったら」
顔が触れそうになるくらいのところまで近づき、かすがは佐助の顔を見上げて、つづきを言った。
「―――」
童の内緒話のように告げられた言葉に、佐助は目を見開いた。
すぐ近くにある形のいい唇がつむいだ言葉をすぐには理解できず、素っ頓狂な声をだして
驚いてしまった。その様を見たかすがが、おかしそうに微笑んで男の手をにぎる。
「お互いがちゃんと生きていたらの話だ。死んでしまったら意味がない。
お前も言っていただろう? だから……死んだら、私がゆるさない」
佐助の手を握るかすがの指に、力がはいった。
「ああ。……かすがも、生きろよ」
この時世、相手に「死ぬな」などと言ったところでほとんど意味がないということを
二人は承知している。忍であるかぎり、死と隣り合わせが常であるといっても過言ではない。
そもそも敵対している佐助とかすがが、戦場で対峙しないとは言い切れない。
不安定すぎる約束だった。
しかしそれでも約束しあったのは、そうすること自体に意味があるように思えたからだ。
童の口約束のようだとも、約束することで死から逃れられるわけではないというのも、
重々承知している。

467:佐助×かすが
08/12/28 01:47:23 nq2eWfQ1
はにかんで笑い、かすがは手を離す。そして佐助の頬を両手ではさみ、かすめるように
口づけをした。唇が触れあっていたのはほんの一瞬で、柔らかさを感じるひまもなかったほど。
ぱっと身体を離したかすがが、一歩下がって背を向けた。髪の毛のせいで見え隠れする耳たぶが
ほのかに赤くなっている。
「だが、今の私たちは敵同士だ。忘れるな」
「ああ、わかってるって」
「いつまでも夢心地でいるわけにはいかないんだ」
「うん」
「……でも、さっきのは夢じゃない。現だ」
「うん」
一呼吸おき、かすがは僅かに頭をうごかして後ろを盗み見ようとして、背後の幹に
背を預けている佐助と見事に目があった。どこか満ち足りた様子で笑っている男の顔を
見ているのも恥ずかしく、すぐに視線を逸らして枝の先へ駆けていった。そして髪の毛を
揺らしながら、斜め向かいの樹の枝へ跳躍する。
相変わらず暁霧ではっきりとは見えないが、かすがの髪の毛はよく目立つ。性格以前に
外見からして忍びに向いていないのでは、と佐助は思ったが、それは口に出さないでおいた。
「とにかく、……お前が無事に生きていてよかった」
かすがが言った。幹に手をついて立ち、遠くを見ている姿は美しい。彼女のことを、
うつくしきつるぎと軍神が呼ぶのは、優秀な忍びだからというだけではないだろう。
かすがも無事でよかったよ、と佐助は返事をしながら、女を見つめた。
「お前にはずいぶん助けられちまったな。どう? かすが。このまま一緒に帰らな―」
言いきる前に、佐助に向かって苦無が飛んできて言葉を途切れさせた。ひょいと首をひねれば、
苦無はそのまま顔のすぐ横の幹に突き刺さる。それを見てから投げつけた本人に
視線をやると、かすがはほとんど無表情だが睨みつけるような目で佐助を見ていた。
諦めたように佐助は笑う。
「それじゃ……またな」
ゆっくり空を仰いだかすがはそれだけ言い残し、足もとを蹴る。簡単に身体は浮き上がり、
直後には空に消えた。
「ああ。またな」
かすがが見えなくなった辺りを見つめ、佐助は呟いた。
またな、と先に言ったのは彼女だ。また。次があるということ。
佐助は嬉しそうに頭を掻き、幹に突き刺さっている苦無を引き抜いた。よく磨かれている苦無は
彼女の性格をあらわしているようで、男の口から自然と笑みがこぼれた。

おわり

468:名無しさん@ピンキー
08/12/28 12:04:15 XFamEy3c
GJGJ!年末にいいもん読ませてもらった…
甘いけど切なさの残る話でよかった

469:名無しさん@ピンキー
08/12/28 12:58:19 slW6cIp2
GJ!
佐助とかすがはいいなあ。
最期に2のEDに繋がるところも素晴らしい!

470:名無しさん@ピンキー
08/12/28 15:14:53 V6QSeC0o
GJ!!
完結お疲れ様でした。
佐かす好きで良かった…。

471:名無しさん@ピンキー
08/12/30 05:09:07 yGpHAMEF
冬コミから帰って来たら佐かすが!
素晴らしかったです。ぐっじょぶ!!
これで無事年越し出来そう

472:名無しさん@ピンキー
08/12/30 23:32:40 o9affgcw
本当に佐助もかすがも素晴らしかった!!
GJですた

473:名無しさん@ピンキー
09/01/01 20:42:52 yeLEellc
今年は春に新作もアニメもあるし
ここももっと盛り上がるといいね

474:名無しさん@ピンキー
09/01/02 23:59:44 7xb0G8M8
全編英雄外伝クオリティのアニメだったらマズいな

475:名無しさん@ピンキー
09/01/03 01:30:29 Aznzffwl
寝る前にふと思いついたものを投下していきますね
出てくるのはアニキといつきと筆頭

アニキの眼帯が女物のぱんつに見えないこともない

普通にぱんつ買うのは海賊っぽくないので、月1くらいでいつきの所に
「ぱんつ出さねぇと泣かすぜオラオラァ!」と、ぱんつ強奪に来る(海賊っぽく)

いつき「今回もまたぱんつ奪われただ…くすん」

翌月、またぱんつ強奪に来るアニキ。
アニキ「ぱんつ出せオラオラオラァ!」
いつき「また鬼がぱんつ奪いに来ただ!」
アニキ「おう、今日はクマ柄かぁ!オラ、さっさと寄越せ!」
いつき「お、おらのぱんつを脱がすのはやめるだ!」
アニキ「早いとこ脱がねぇと、かまくら溶かしちまうぜ?
     …お?お前、毛ぇ生えてきたのか?」
いつき「きゃあ!み、見るな!」
アニキ「いや、見るぜ!」
筆頭「HELL DRAGON!」
アニキ「ぎゃあああああああ!」
いつき「青いお侍!なしてここにいるだ!?」
筆頭「いつきのぱんつの危機と聞いて、すっ飛んできたぜ!
    Ha!それにしても長曽我部、こんないたいけな農民からぱんつ奪うたぁ、
    鬼の名が廃るってもんだな。
    いつき、安心しな。これからは、お前のぱんつはこの俺が守ってやる」
筆頭「青いお侍…」
筆頭「べ、べつにお前のぱんつが大事なわけじゃねぇぞ。
    農民が困ってんのを放っておけねぇだけだ」
筆頭「ふふ…青いお侍、ほっぺが赤いだよ」
筆頭「Shu、Shut up!寒いからだ!」
筆頭「嘘はよくないだよ」
筆頭「Oh!いきなり飛び掛かってくるなよ!
   …乳が当たってんぞ」
筆頭「おら…青いお侍になら……いいだよ…」
筆頭「いつき…」


もう寝る

476:名無しさん@ピンキー
09/01/03 03:03:51 HNruc+rA
いつきが可愛いくてニヤニヤしてたら・・最後は筆頭の一人芝居なのか

でもGJ!

477:名無しさん@ピンキー
09/01/03 11:40:51 gMiFxBzg
ぐっじょぶでござるぅぅぅぅぅあ!!!

クマさんぱんつを顔に貼り付けたアニキと
一人芝居続ける筆頭を想像して吹いたw

478:名無しさん@ピンキー
09/01/04 18:27:55 VwPQWFVn
一人芝居を続ける筆頭を見て
顔に縦線入った状態で立ち尽くすいつき
そんないつきの肩にそっと手を置く小十郎
困りきった表情で小十郎を見上げると
小十郎は苦渋の表情で頭を左右にふった
やっと落ち着いて筆頭が顔を上げると
既に二人の姿は無く
ヘルドラゴンで雷様になった兄貴が横たわっているだけだった……


と勝手に続きを妄想しました

479:名無しさん@ピンキー
09/01/04 22:19:58 Sw52RdpH
筆頭って、なんだか妙に報われないなぁ…(´;ω;`)ブワッ
と思ったので、ちょっと頑張って妄想してみた

十分後、別室にて。

い「青いおさむらいは、何考えてるだかわかんねぇだなぁ。
  おらがお侍に抱きつくなんて、はしたねぇ真似するわけねぇべ」
小「そう言うな。ちっとばかし暴走することもあるが、
  ああ見えて政宗様はお前のことを憎からず思ってるんだ」
い「そ、そうだべか?」
小「そうだとも。お前、政宗様のことは嫌いか?ん?」
い「い、言えるわけねぇべ、そんなこと!お、おら、はずかしいだ…」
小「語るに落ちるとはこの事だな。
  というわけで政宗様、あとは若いお二人にお任せしますので、頑張ってください」
政「!!」

480:名無しさん@ピンキー
09/01/05 02:46:59 /BS0CNR9
ふと、急に女の子のおなぬが読みたくなった

・おなぬしているところを蘭丸に見られるが、それに気付きながらも
 わざと見せつけるように続ける濃姫
・謙信様のことを考えていると体が熱くなったが恐れ多くて想像できず
 代わりに佐助のことを考えながらおなぬしたら意外に気持ちよくてイってしまい
 後日本人に会って変に意識しちゃうかすが
・料理中に野菜(大根人参きゅうりなど)を見てどれが一番犬千代様のものに近いか実験するまつ

でも書けないことに気付いたんだ

481:名無しさん@ピンキー
09/01/05 03:33:24 mEa3uo/H
>>480
その後もちょくちょく、わざと蘭丸に見られやすい時を狙って濃姫がおなぬしたり、
次回からのかすがのオナネタは佐助になったり、
「やっぱり犬千代さまが一番でござりまする!」ってその日の夜はニートも逃げ出すほど
熱く激しく盛り上がる最強夫婦だったりするわけですね、わかりますわかります
よーーーーっく分かります!!!ハァハァ

どうでもいいが
>後日本人
を【あと にほんじん】って読んじゃって、最初意味が分からなかった

482:名無しさん@ピンキー
09/01/07 04:03:34 v1fcF+tw
このスレで百合ものの投下はおk?
夫に構ってもらえない妻達(濃姫とお市)が、お互いを慰めるのを書いてみたけど・・・・

483:名無しさん@ピンキー
09/01/07 09:04:32 xH9+TDg9
百合は大丈夫じゃないかな?
wktkしてお待ちしております

484:名無しさん@ピンキー
09/01/07 11:06:42 bDiye73+
かすが×けんしんさま(♀)がここに投下されてたから注意書きあれば大丈夫だと思う。
百合百合義姉妹ばっちこいです。

485:名無しさん@ピンキー
09/01/07 22:25:51 v1fcF+tw
>>483-484
ありがとう
書き終わってはいるけど、今更追加したいシーンが出来たので
書き足してから投下します

486:名無しさん@ピンキー
09/01/10 02:52:27 yJC0mBvN
>>485
いつでも待ってるぜ~

487:名無しさん@ピンキー
09/01/12 00:30:18 FM1cJqL1
大河でも俺は無敵!!
という訳で、一番隊の俺は早速夜這いを行いたいと思う。

まずは主・謙信様の部屋にやってきた。
謙信様は雪の如く白い肌をお持ちだ。
いつもほとんど肌を出していないが、この手でひん剥いてやれると思うと興奮するぜ!!
…ん?何やら部屋の中から声が……

「はぁ…あ、しんげん…そのようにはげしく……」
「お主の肌は白くて柔いのう。ほれほれ、ここはどうじゃ?」
「ああっ!そ、そこは……はぁぁぁ…っ」
「ここも良いか?ん?」
「あぁ…しんげん、あっあああっ!」

「………」

…どうやら御取り込み中みたいだ。
しかも無敵な俺も入り込めなさそうな雰囲気。


……気を取り直して、次はうつくしきつるぎの部屋に来た。
かすがはいつポロリするかワクワクするあの衣装が良い。
しかも尻が主従揃ってプリプリしてる。けしからん。
…おや?部屋から何やら声が…

「ほらほら、ナニをどうしてほしいのか言わないと分からないぜ、かすが」
「ば、馬鹿!そんな事言えるかっ!」
「へえ…でも此処はこーんなに物欲しげだけどなぁ?真っ赤になってヒクヒクして涎垂らして…」
「やあぁっ!見ないでっ!」
「じゃあ言ってみろよ。お前が今ナニをどうしてほしいかを、な」

「………」

…御取り込み中その2。
くそっ、こうなったら俺も……

「直江殿」

部屋の扉に手をかけようとした時、背後から呼ばれた。
振り向いて見るとそこには虎の若子が、手に酒を持って立っていた。

「一献いかがか」

どこか寂しげな雰囲気に押され、俺は虎の若子と藤を見ながら晩酌する事になった。
盃に注がれた米酒をぐいと飲み干して虎の若子が呟く。

「某もオッパイ揉みとうござる…」
「ああ…」

酒はちょっぴりしょっぱかった。

488:名無しさん@ピンキー
09/01/12 00:31:50 xDXZhLyz
無敵キタ━━(゚∀゚)━━!!
幸村w
二人ともがんがれw

489:名無しさん@ピンキー
09/01/12 01:01:00 6mI2QxnC
兼続クソワロタww
GJでござった!

490:名無しさん@ピンキー
09/01/12 14:35:00 Hk9+FBHR
カネツグ可愛いなw幸村もw
幸村がおっぱい星人かいw

カネツグにとっても幸村にとっても、かすがが憧れのおねいさんだったらいいな
で、かすがもまた可愛い年下boyたちに色々教えてあげたり…
で、そんなかすがに俺様が嫉妬して……

491:名無しさん@ピンキー
09/01/12 14:39:48 ha/brHtS
URLリンク(jp.youtube.com)

492:名無しさん@ピンキー
09/01/12 23:26:19 KjXpjMvM
ふと思いついたもの
愛姫が出てきます

「いつき!かわいらしい着物手に入れたぜ!」
「流石、政宗様!さっそく着替えさせましょう!」
政宗は着物を置いてすぐに部屋を出て、愛はいつきが着ているものを手早く脱がし始めた。
愛が広げた着物は水色の下地に白い雪が描かれたもの。一目で値の張るものだということがわかる。
それを慣れた手つきで愛は着させて、帯を付け終わると同時に外に居た政宗に声をかけた。
「Good!流石いつき、cuteだな!」
「うん、すっごくかわいいわ!」
奥州を納める夫婦は目がハートマークになっている。
「えーっと、ありがとうだ。だどもこんな高いものおらじゃなくて愛様が着るべきなんじゃないだか?」
「Of couseこれはいつきのために手に入れたものだぜ」
「そうそう、私はいつきのかわいい姿が見たいだけだから」
そうだか、と言って呟いたいつきは少し奥州の行く先が不安になった。
いつも自分に構っていて、うれしいのだが仕事をしていない気がする。
と、そこで廊下から荒っぽい足音が聞こえてきた。
どうやら小十郎のようだ。足音からかなり怒っている事がわかる。
ガラッと力強く扉を開けると同時に小十郎は叫んだ。
「政宗さまっ!!」
良かった、この人が居れば奥州も何とかなる。そういつきは一瞬思ったのだが……。
「いつきに新しい着物を着させるときは呼んでくださいと言ったでしょう。
わたしだけいつきのかわいい姿が見られないなんて不公平です!!」
そして言い争いをはじめる伊達主従。

果たして奥州は大丈夫なのだろうか。


493:名無しさん@ピンキー
09/01/12 23:26:53 KjXpjMvM
おまけ

「でも少し嫉妬しますわね」
夜の寝室。
政宗の腕の中で呟いた愛はため息を一つ付いた。
「Ah-n?どうした、愛」
「政宗様は最近いつきにばっか着物を買ってきますもの、私だって嫉妬はします」
まぁいつきはかわいいからしかたないんですけどね。そう呟いた愛を政宗はうれしそうに眺めていた。
「知ってたか?あの着物って店の中では二番目に高いものだったんだぜ」
「え?」
「一番高い着物は青の布地に龍が描かれたやつだ。それを見たとき俺は思ったんだよ、これを着て良いのは一人しか居ないってな」
「政宗様……」
「本当は明日渡すつもりだったんだけどな。明日はお前のBirthday、だろ?」
そう言って笑う政宗を見て、愛の胸の中にあったもやもやは晴れていった。
「俺の好きな人はいつきだ。でも愛しているのはお前だけだよ、My hunny」

終わり
たしか愛姫の誕生日は不明だったはず

494:名無しさん@ピンキー
09/01/12 23:59:34 YXTafdE3
>>487を見てたら、何故か
「残念だけどおらは乳小さいだよ……。」
としょんぼりし過ぎておさげもだらーんとしちゃうくらいのいつきが頭をよぎった。

495:名無しさん@ピンキー
09/01/13 00:35:15 wEThh78H
>>492
GJ!GJでござる!!筆頭も小十郎も愛姫様もみんなかわいいなww
いつきも幸せそうで何よりだ。

オマケもすごく心が和んだぜ。寝る前にいいもん読めてよかったよ。

496:名無しさん@ピンキー
09/01/13 01:59:38 LcuPjWMG
>My hunny
honeyじゃないのか?

497:名無しさん@ピンキー
09/01/13 21:09:54 8utoPVWl
ふにー

498:名無しさん@ピンキー
09/01/14 02:46:56 dUxtSEHb
たぶん中井発音

499:名無しさん@ピンキー
09/01/14 20:49:15 IYXCGDXu
>>498
なんかすごく納得した

筆頭ってエロい南蛮語(例:SEX)をいつきに教え込んでそう
けど単語を教えるだけで、意味は教えない
その上で復唱させる
それを小十郎に見つかって怒られる
でも懲りずにまたいつきに教えて、あまつさえ
「意味を口で教えるより体験した方が早いし分かりやすいだろ」
って個人的指導開始

500:名無しさん@ピンキー
09/01/14 20:57:00 /skqBJWy
「oh…yes!!yes!!!」と南蛮仕込みの喘ぎ声をあげるいつきちゃんを想像してしまった

501:名無しさん@ピンキー
09/01/15 02:08:28 5jdyh4ag
伊達は、女性の喘ぎ声は「Yes,yes...oh!yesyesyes!!」みたいな
もろ南蛮な感じのものが好みなのか、
それとも日本っぽく慎ましやか?なものが好みなのか

502:名無しさん@ピンキー
09/01/15 07:15:48 xLIzVtAT
無印のころは南蛮系というか遊び慣れたというか、ビッチなのが好きそう
んで、いつきと出会ってからただれた自分が妙に恥ずかしくなって(基準がいつきに変わって)
感じてるけど恥ずかしくて声を殺してる、くらいの慎ましさが好みに。
ついでにそんな感じで乱れるいつきを妄想して自家発電→賢者タイム
というところまで想像した。

>>500
朝からたどたどしい英語で「お、おぅいえす」ないつきを想像しちまったじゃねぇか。
アイムカミンッとか言わせるんだな。

503:ルリハコベ(謙信(♂)×かすが)【注意書き】/4スレ目588
09/01/16 23:55:21 kLuv6QCC
>>126様の「かすがの武器ネタ」を使用させて頂きました。
ご気分を害されたら申し訳ありません。

・謙信(♂)×かすが
・佐助→かすが(少しだけ混じってます)
・無印と2の中間の話です。
・「かすが」は謙信が命名した名前にしてあります。
・史実でないとされている謙信の恋物語をモチーフにしています。
・最初のみ望月千代女(オリキャラ/かすがの師匠設定)が出ています。

ルリハコベ…変わり身、約束

苦手、不快な方はスルーして下さい。宜しくお願いします。

504:ルリハコベ(謙信(♂)×かすが)【1/8】/4スレ目588
09/01/16 23:59:59 kLuv6QCC
目の前で震えながら頭を垂れている女児を見て千代女は鼻に皺を寄せた。
信玄から頭領に命じられて以来何千何百という娘を見て来たが、
こんな髪の子どもは初めて見る。
「……何とも気味の悪い色をした髪よの」
板間に袴の片膝を付き、手にした扇で女児の顎を掬い上げた。
年齢の割に女児は肝が据わっているらしく涙一つ浮べて居ない。
それがある種の傲慢さの様に千代女は感じた。
千代女はただの慈悲深い望月家の後家では無い。
望月家は嘗て信玄に逆らい、遠縁に当たる幸村の祖父の執り成しで武田の傘下に加わった。
失地回復のために甲賀の本家から千代女が嫁ぎ、集めた身寄りの無い娘達を生き餌に仕立てて
日ノ本一の情報網を作り上げ、今では信玄から深い信頼を寄せられている。
改めて女児を良く検分してみると髪は金で瞳は琥珀、そして肌が雪の様に白い。
「フン、南蛮混じりか。だが面構えは良し……」
扇から女児の顎を退かして暫し思案していたが、ピシャリと掌に扇を叩き付けた。
「お前は今日から『妙』じゃ。白妙の肌と奇妙な髪、両方掛ければ物好きの一匹や二匹釣れよう」
固く唇を引き結び、瞬きもせず大きな目で女児は千代女を見ている。
(―生意気な)
甲賀五十三家筆頭の出身であり、その上義理とは言え信玄の姪に当る身分の自分を
見据える者は居なかった。
しかしその強靱さが無ければ、この先女児は生き残れないのも確かだ。
「死にたくなければそれなりの働きをしやれ。精々その面を大事にする事よ。
 良いな、妙」
女児が再び頭を下げるより早く、千代女は高価な打掛のつまを勢い良く翻した。

505:ルリハコベ(謙信(♂)×かすが)【2/8】/4スレ目588
09/01/17 00:05:09 f6ymBTXI
音も無く霧雨が降り頻る中、かすがは少し離れた場所で気配を殺し控えて居た。
一体ここにどれくらいこうしているだろうか。
金の髪はすっかり濡れて張り付き、細い顎から雫が伝って身体は秋雨の冷たさに
じわじわ侵蝕されている。
琥珀を思わせるかすがの瞳が瞬くと長い睫毛が水滴を弾いた。
主が山寺の庵を尋ねて写経するのは決して珍しい事では無いが、
今日は神経質なまでに人払いされている。
主はこの頃何かにつけて物思いに耽る事が多い。
木の葉が色付く頃は決ってこうだと山城守が言っていたのを思い出した。
(一体、何を考えて居られるのか)
かすがは柳眉を顰める。
すぐ側に居ながら主を思い煩わせるものの正体が掴めず臍を噛んだ。
主を苛ませるものを皆消し去って自分だけを見て欲しい―あまりに子ども染みた
狂おしい想いで胸が張り裂けそうになる。
ほんの一瞬で構わないからあの麗しい眼差しを独占出来たらどれ程仕合わせだろう。
だが、かすがの思惑と裏腹に主の視線はズレてしまう。
周囲から見れば気付かないくらいの微妙な角度で主はいつも目を逸していた。
「お前は私のものだ」と言いながらかすがの真ん中を見て居ない。
甲斐の虎ではない別の面影―それも女だと自分の勘は告げている―が
主の内側に巣くっている様にかすがは胸を焦がした。
(謙信様…)
もう一度琥珀が瞬きそっと伏せられる。
(どうか、どうかかすがだけを)
柔らかい雨粒が冷えて俯くかすがを静かに包んだ。

506:ルリハコベ(謙信(♂)×かすが)【3/8】/4スレ目588
09/01/17 00:09:56 f6ymBTXI
「どうしたのです?つるぎ」
ハッとして顔を上げると、写経を終えた主が怪訝そうに庵の縁側から
こちらを見て居た。
「いえ、謙信様。何でもございません」
慌ててかすがは取り繕う。
「そんなに濡れては風邪を引きますよ。こちらへ来なさい」
そう言うと謙信は戸を開けたまま中に引き返した。
雨に濡れた身体を軒先まで怖々運ぶと、丸火鉢に置かれた銅壺から白い湯気が
しゅんしゅんと音を立てて勢い良く上がっている。
「ふふ……本当は般若湯があれば良かったのですが」
にこやかに言う主につられてかすがもはにかむ。今日の主は明るく、かすがは安堵した。
白湯を淹れた質素な湯呑が縁側に置かれる。
「お飲みなさい。女人が身体を冷すのは良く無い」
静かだが有無を言わせない主らしい口調で謙信は言った。
かすがは一瞬断ろうか迷ったが、主手ずから淹れた白湯を固辞するのも反って悪い気がする。
「はい」
恐縮しながら手に取ると、冷えた掌に湯呑の温かさが心地良い。
息を小さく吹き掛けてから湯に口を付けたが、予想以上の熱さに思わず顔を顰めた。
その様子を見ていた謙信がクスっと笑って懐かし気に言った。
「似て居る」
一体誰に―?
かすがの胸の裡に巣くう不安が鎌首を擡げる。
(やはりそうだ。謙信様の中に私の知らない女がいる……!)
疑いは確信に変わった。
その瞬間、温かい湯呑の感触や熱かった白湯が一気に冷えた様にかすがは感じた。

507:ルリハコベ(謙信(♂)×かすが)【4/8】/4スレ目588
09/01/17 00:14:58 f6ymBTXI
謙信は独りおかしそうに笑う。
「誰かに似て居ると思っていたが、そうか…」
ひょっとして、否、その女こそ主を思い煩わせている元兇だという確信に足る感触をかすがは掴んだ。
今直ぐにでも件の女を引き裂いてやりたい激しい感情を包み隠して主の言葉を待つ。
「昔私には添おうと心に決めた人がいた」
(嫌、聞きたくない)
湯呑を持つ手が寒さ以外で細かく震えた。
かすがにとって主は今の主のままで充分だ。
下手に過去を蒸し返して幻滅したくなかった。
「とても健気で芯の強い人でした。いつも一生懸命で、深く私を慕ってくれた」
謙信は優しく笑い掛ける。それが辛くてかすがは目を伏せた。
「少々そそっかしい所もありました。今のお前の様に急いで白湯を飲もうとして熱がったり」
今も慕ってらっしゃるのですか、と言う言葉をかすがは白湯ごと無理矢理飲み込む。
「私達は若かった―若過ぎた。
 一目で激しい恋に落ち、譬え敵同士でも必ず一緒になろうと固く誓い合いました」
「敵、ですか?」
謙信は頷く。
「永く敵対していた北の領主の姫君でした。出合った時、私達は互いが敵とは気付かなかった」
どんな顔をして良いか分らず湯呑を覗くと、白湯の中に琥珀が溶けている。
(敵……)
ある面影が白湯に映った。
(だめだ、何を考えている!)
美しい主と語らう時は、あのヘラヘラしたユルい笑顔と馴々しい態度が癇に障る男の事など
記憶という記憶から消してしまいたい。
かすがは自分を叱咤してその影を振り払った。

508:ルリハコベ(謙信(♂)×かすが)【5/8】/4スレ目588
09/01/17 00:19:55 f6ymBTXI
上手く誤魔化したつもりだったが、主は悪戯っぽい笑みを口元に乗せてかすがを見ている。
「おや?誰の事を考えているのです」
飽くまで惚けた口調で尋ねると、かすがは顔を真っ赤にした。
「な、何でもありません!」

その頃謙信は上杉の家督を継いだばかりで、他家から養子に入った経緯から
家臣はいっかな纏まらず、自身の基盤は非常に危ういものだった。
謙信が北の姫君を正室に迎えようとした時、家臣団は猛烈に反対した。
敵国の姫と添うなど以ての外と強硬な態度を崩さず、遂に謙信は姫と別れる事を
余儀無くされた。
「今でも思う。あの時もっと私が強ければ、違う道が拓けたのではないかと」
美しい眉を顰め主が目を閉じる。
「謙信様…」
如何にも苦しげな表情だが、それすらかすがは美しいと思った。
主にこんな顔をさせる女を許せない。
「その方は今どちらに?」
「随分前に亡くなられた。別れてすぐ、出家した先の寺で」
「患われたのですか」
主従の間に短い沈黙が流れる。入り日色に染まった楓が一葉、縁側に舞い込んだ。
それを見詰める主の瞳は物悲しい色を湛えている。
「……或いは、想いが強過ぎたのやもしれぬ。私と共に生きられぬ浮世に絶望された」
山の木の葉が色付き始めた頃、北の姫君は懐剣で自ら命を絶った。
以来、謙信は戦や政務にどんなに忙殺されてもこの時期は写経して姫の魂を慰める事を忘れない。
「私はあの方に何もして差し上げられなかった。
 こうして独り身を貫き御仏に祈るのがせめてもの罪滅ぼしなのです」

509:ルリハコベ(謙信(♂)×かすが)【6/8】/4スレ目588
09/01/17 00:25:06 f6ymBTXI
かすがは後悔した。
分を弁えず主の聖域を荒し、辛い事を思い出させてしまった自分が恥ずかしい。
決り悪そうに俯くかすがを見て謙信は優しく言った。
「つるぎ、昔の事です。既にあった事。もう終った事ですよ」
「……謙信様」
見る見るうちにかすがの琥珀色の瞳に涙が溜まる。
今にも零れ落ちそうな雫を謙信がそっと拭った。
「その様な顔をするものではない、かすが」
この娘が腕の中に飛び込んで来た日の事を謙信は良く覚えている。
―あの方だ。
一目見て直感した。
譬え姿形は変っても魂は変らない。北の姫君が生れ変り、毘沙門天に仕える
羅刹女となって再び自分の元に舞い戻ってくれた―信仰心篤い謙信はそう信じて疑わない。
日に透ける金色の髪も琥珀色の瞳も北の姫君とは随分違うが、
懸命に自分を慕う姿や少々そそっかしい様子は姫そのもので思わず目を細めてしまう。
「名はなんと言う?」
謙信がまず娘に尋ねた事だった。
―ございません。如何様にもお呼び下さい。
大人びた硬い口調で返され、暫し謙信は瞑黙する。
この娘を何と呼ぼう。あの方の名にしようか、それとも―
「ならば、お前の名はかすがだ」
―えっ?
娘が驚いて顔を上げる。あの日勇気を振り絞って思いの丈を打ち明けた時も姫はこんな顔をした。
「そなたの髪の輝きは真に春光の如く。即ち、我が城と同じ春日だ。不服か?かすが」
琥珀色の瞳が歓喜に染まる。
―いいえ謙信様。私は、かすがは必ず謙信様のお役に立ちます。

510:ルリハコベ(謙信(♂)×かすが)【7/8】/4スレ目588
09/01/17 00:30:07 f6ymBTXI
以来美しいつるぎは謙信の傍に仕え、今に至っている。
「時に、つるぎ」
「はい」
「先程武田の忍の事を考えていたでしょう」
涙を拭ってやった顔を覗き込むとかすががまた赤くなった。
「違います!何で私があんな奴の事」
頭を振って必死に否定すればするほど謙信には滑稽に見える。
「照れずとも良い。武器も技も揃いのお前達は、さぞ仲睦まじい夫婦になれよう」
「なっ…!?」
琥珀色の瞳を大きく見開いたままかすがは固まってしまった。
「槍の又左と奥方の様になるやもしれませんね。実に麗しきこと」
主のその言葉を聞いてかすがの脳裏に何とも形容し難い光景がめくるめいた。
男と常に手を繋ぎ、名前を呼ばれればにっこり笑って返事をする自分。
椀にがっついて食べる男の頬に付いた食べこぼしを甲斐甲斐しく取ってやる自分。
一瞬で色々な事が駆け巡りかすがは耳や首筋まで赤くなる。
「ふふ…やや子は父と母のどちらに似るであろうな」
「失礼致します!!」
赤く染まったつるぎは湯呑を残して謙信の前から姿を消してしまった。
「あなや…少々からかい過ぎましたか」
かすがが存外初心だったので謙信は少し後悔した。
かすがは気付いて居ないが本当に気に掛けて居ない相手であればこの程度一笑に付して終いであり、
無視出来ない相手だからこそ居た堪れ無くなったのだ。
美しい軍神の懐刀はいつ自分の本心に気付くだろうか。
「願わくば、いつかその日が来る事を…」
謙信は立ち上がる。
雨は止み、色付いた木々に靄が掛かって秋の風情が漂っていた。

511:ルリハコベ(謙信(♂)×かすが)【8/8】/4スレ目588
09/01/17 00:35:26 f6ymBTXI
「お前得物変えたのか?」
出くわしたかすがの腰から自分と揃いの得物が消えていて佐助は目を丸くした。
「うるさい。お前には関係無いだろう」
面倒臭そうな顔でかすがは返す。
「やれやれ、相変わらずつれないねぇ」
「………」
普段なら外方を向くはずのかすがが珍しくじっと見詰めて来る。
「…何だよ」
琥珀の瞳に射ぬかれ佐助はたじろいた。
「いくら俺様が良い男だからってそんなに見詰められちゃ照れるな」
軽口を叩きながらも居心地悪そうに頬を掻いて鳶色の瞳を逸らしたが、
「俺に惚れたか?」
片目をパチリと閉じてやる。途端にかすがは真っ赤になった。
「ふざけるな!」
「待てよ、忍同士仲良くしない?なぁってば」
足早に立ち去ろうとする後ろ姿に佐助は追い縋る。
その馴々しい態度が癇に障ってかすがは振り返ってしまった。
「黙れ!誰がお前……お前と」
ユルくて軽薄そうな笑顔を見て主の言葉が甦る。
―仲睦まじい夫婦になれよう
「お前となんか夫婦にならないんだからな!!」
そう怒鳴ると脇目も振らず一気に駆け出した。
「へ?めおと?」
意外な一言に不意打ちを食らい、取り残された佐助は呆然とかすがの背を見送る。
「……いいかも」
呟き、鼻の下を伸ばすと既に遠くなりつつあるかすがを追い掛けた。
「なぁかすが、今度一緒に里帰りしない?俺の実家に招待するからさ」
「寄るな佐助!あっちへ行け!」
「またまた…照れちゃって可愛いねぇ」
「しつこいぞ!いい加減にしないか!」
そんな遣り取りを木の枝に並んで止まって居る白と黒の二羽の鳥が見守る。
その姿はまるで番のようだった。

512:名無しさん@ピンキー
09/01/17 00:39:52 f6ymBTXI
読んで下さった方、お付き合い頂きましてありがとうございます。
お目汚し失礼致しました。

513:名無しさん@ピンキー
09/01/17 21:12:25 osGVsvNh
>>512
GJでございます!!!!
ほほえましい3人がイイ!

514:名無しさん@ピンキー
09/01/18 00:26:36 fvmzdyxx
こ…これはGJです!GJでございます!!!!
穏やかな雰囲気の中の可愛らしい3人萌え!
またの投下をお待ちしております!

515:名無しさん@ピンキー
09/01/18 18:37:44 dRCAZaSm
盛り上げ

516:名無しさん@ピンキー
09/01/18 20:31:11 acOxgWTe
>>515
何故か後ろから楽しげにかすがの乳を揉み上げる佐助が浮かんだ

いや浮かんだのは揉みしだかれる乳の方なんだが

盛り上げありがとう
色々盛り上がった

517:名無しさん@ピンキー
09/01/18 20:39:30 FGyzyX/P
>>516
お前天才だろ エロ的な意味で

518:名無しさん@ピンキー
09/01/19 01:17:34 H/WMsccv
>>512
GOD JOB!!!!!

>>516
その素晴らしい妄想力は、いつ称号を獲得してもおかしくない
「破廉恥侍」とか「Super Harenchi」っていう称号を。

519:名無しさん@ピンキー
09/01/19 12:45:58 apE0s282
>>516のコメ見てカッとなってやった。後悔も反省もしている。

※佐助×かすが※
※エロくない※
※合意の上じゃない※
ダメな人はスルーの方向で。
------------------------------------------------------------------------------
たわわに実った乳房を背後から揉みながら佐助は悦に浸った。
「へへ、役得役得ってね」
ここは茂み一つ隔てて白刃の太刀が煌めき軍馬の嘶く戦場だ。
血腥い風に砂埃が舞う中、断末魔の叫びがまた響き渡った。
後ろ手に拘束した同郷のくのいちをからかいながら独りごちる。
「極楽と地獄の狭間、か。生きてりゃこうやって良い目見ることもあるのに
 何が悲しくってわざわざこんな辺鄙な場所で殺しあうかねぇ」
「貴様いい加減にしないか!」
組み敷かれて尚、かすがは強気を失わない。
「つれないなぁ。もうちょっと付き合ってよかすがちゃん」
「ふざけるな!」
「ふざけてないさ。お前は俺の足留め、俺様はお前の足留め。これも立派なお仕事じゃないの」
言いながら剥き出しの白い背に指を滑らせ何度も上下に往復させる。
触れるか触れないかの執拗な愛撫がかすがを焦がした。
「…っこれの……何処が、だ…っ!」
「そんな乱れた吐息で言われても説得力無いよ。それとも誘ってんの?」
指を引っ掛け余計な布を退けて柔らかい尻を直に触る。徐々にその手を深く潜り込ませた。
「やっ、だめ…」
かすがが身を捩る。一番女らしい部分に指が触れるまであと僅か。その時―
「佐ぁ助ぇぇ!!何処に居るか!!!!」
主の声が辺りに響き渡る。佐助は溜め息を吐いて肩を竦めた。
「あーらら。せっかく良いトコだったってのに、野暮だねぇ全く」
やれやれ、と戒めを解くとかすがは瞬時に姿を消した。
佐助は苦笑し誰も居ない空間に向かって大声で言う。
「じゃあなかすが!また良い事しようぜ」
帰って来たのは沈黙だけだったが、佐助は満足げに笑みを浮べると立ち去った。
佐助が居なくなって充分時間が過ぎた後、そう離れて居ない場所で気配を殺していたかすがは
樹の幹に拳を打ち付け歯ぎしりをする。
まだ身体は佐助が齎した熱を帯びていた。それが悔しくて涙が零れる。
「……っ!あいつ…今度会ったら殺す!!」
------------------------------------------------------------------------------

さて、春日山でかすがに囲まれながら討死してくるかな。

520:名無しさん@ピンキー
09/01/19 12:58:53 ggePQLUt
>>519
GJ!

しかもこれから春日山でかすがに囲まれてくるとな?
破廉恥でござるぞ!

521:名無しさん@ピンキー
09/01/19 17:59:32 ewW96dgV
>>519GJである!

貴様、かすがの分身とこれこれこうして果てるつもりだな!
けしからんな。俺も参加させてくれ

>>519読んでたら程良いもやもや感で無駄にたぎって来た
嫌がるかすがをねじ伏せてぱいずりしたいぜ


522:名無しさん@ピンキー
09/01/19 20:20:19 NRyrXuBJ
>>519
…ふぅ。
このスレには天才が多いな

523:光秀×濃姫
09/01/22 22:55:27 X8hpehHH
>>503
>>126ですが、気分を害すどころか、自分の妄想で
こんなに素晴らしい話を読めるとは思いませんでした
ありがとうございます。



光秀×濃姫投下します
不倫ものですので、苦手な方はスルーお願いします

――――

 差し込む薄明るい月光さえまぶしく思え、濃姫は目を閉じた。それでも誰かに
見張られているようで、なんだか落ち着かない。ここには光秀と自分しかいないはずなのに。
「帰蝶」
 かたく目をつむった濃姫から唇をはなし、光秀は彼女を呼んだ。その名をその声で
呼ばれるたび、濃姫は郷愁にも喜悦にも似た思いを抱いてしまう。彼がそのことを
分かっているのかどうかは知らないが。
「目を見せてください。私はあなたの目が好きなのです」
 濃姫は素直に目をひらいた。危懼した月明かりは光秀の頭がうまい具合に
隠してくれていた。しかし、そのため光秀の髪の毛が満月の光をうけて輝いていて、
やはりまぶしく思った濃姫は視線を下げる。
 光秀は濃姫の瞼にやさしく唇を落としながら、手を彼女の胸部に這わせた。着物越しでも
濃姫の鼓動が感じられ、光秀が「ああ……」と恍惚とした声を出した。
 彼が初めて自分のもとへやって来たのも、このように満月が綺麗に見える夜だった、と濃姫は
頭の隅で思い返した。月の光に照らされて突然やってきた光秀は、まるで猫と戯れるように
濃姫と関係をもった。猫を抱き上げるように濃姫とくちびるを重ね、猫に頬ずりするように
濃姫の肌に触れ、猫の喉をくすぐるように愛の言葉をささやいた。
 それから満月の夜になると、こうして彼は濃姫の寝所に来るようになってしまった。
 濃姫は毎回、男を断ることができなかった。夫と寝所を共にしなくなって
だいぶ経つということもあったが、それとは少し違う感情が、断ることを邪魔していた。
「ああ帰蝶……、美しい……」
 濃姫の着物を脱がせた光秀が、寝具のうえで白く浮かび上がる彼女の裸体を見て
つぶやいた。美しい、なんて夫の口から聞いたことさえ無いのに―
 まじまじと裸を見られてさすがに恥ずかしくなり反射的に手で体を隠そうとしたが、
その腕を光秀に掴まれてしまう。隠さないでください、と彼の目が言っている。戦場では
身震いしてしまうほどの冷眼である彼だが、この時はいつも瞳に熱がこもっていた。
「好きですよ、帰蝶……」
 低く、耳元でささやかれ、濃姫は体が熱くなった。
 夫が言ってはくれない言葉を、この男はすべて自分に投げかけてくれる。それも軽々しくない、
ひどく真摯な声音で。
「光秀」
 体内の熱を逃がすように、相手の名を呼んだ。それに返事をするかわりに、
名を呼ばれた光秀は濃姫の乳首を舌でころがす。
「ん……っ」
 吐きだしかけた息を吸い込むような声。できるだけ声を出さないようにしているのだろう、
濃姫は咄嗟に下唇をかんでいた。静寂な空間に女の声はよく響く。聞こえるのは、衣擦れの
音だけで十分だ。
 だが光秀はそれだけでは物足りないと暗に言っているように、熱情的に濃姫の
乳首をぬめる舌で弄ぶ。
「ふ、ぁ……み、光秀、やめ……っ、やめて……」
「どうしてですか? 声が出てしまうからですか?」
 肌から口を離して問いかけるあいだも、光秀は人差し指と親指で乳首をつまんで、
女に刺激をあたえる行為をとめなかった。青白い指につままれる乳首を視界の隅に
入れながら濃姫が肯定すると、光秀は噴飯ものだという様子で笑った。
「おかしなことを言いますねぇ、帰蝶は」
 そう言ったときの彼の瞳の奥で燃えさかる炎の色を、濃姫は忘れることができない。

524:光秀×濃姫
09/01/22 22:58:20 X8hpehHH
 乳首をいじっていた手で手首をつかまれた。乳房への愛撫がなくなり、濃姫は
安堵と疑問を同時に抱く。光秀は濃姫と視線をしっかりあわせたまま、まだおかしそうに
笑って、つかんだ女の手を己の下腹部へ運んだ。暗いなかで何をされているのか分からず、
されるままだった濃姫は、のちに小さな悲鳴をあげた。
「さわられると気持ちがいいのは、女も男も同じなのですよ」
 指先に粘液があたった。目を凝らしてみると、濃姫の手は隆起している光秀の男根に
触れていた。涙のごとく垂れている先汁が指先にあたったのだと濃姫は思いながら、
男根を見つめた。それは今までに見たときより、ずっと獰悪で禍々しく見える。
 濃姫の動揺を気に留めず、光秀はつかんだ手を自身にこすりつけて上下に動かし始めた。
意思と関係なく手を汚されるその動作は、なぜだかこれまでに光秀と行ったどのようなことよりも
淫らで背徳的に感じられて、濃姫は男の下半身から顔へと視線をうつした。
光秀はかるく目をつむって、口から熱い息を出していた。見ている方が次第に
切なくなってしまうほど、苦しみもがいているようにも、その反対のようにも見える。
光秀のその表情が思いがけないものだったので、濃姫はしばらく見つめていた。
 するとしばらくして、開いていた乾いた男のくちびるが音もなく「帰蝶」と動いた。
声は聞こえなかった。もしかしたら本人にしか聞こえない声で呟いたのかもしれないが、
濃姫はそのくちびるの動きと、眉間にうっすらと刻まれたしわに訳もなく愛おしさが込みあげてきた。
 無抵抗だった女の手が、急に動いて自身を包み込んできたので、光秀はまぶたを
持ち上げて濃姫を見た。彼女は目をあわせたが、すぐに己の手があるところを見る。
「……こう?」
 言いながら、濃姫は自由だったもう片方の手も光秀のそれに添える。両手でにぎって
擦りはじめると、男の熱さが手のひらから感じられた。
「そうです……、あ、あぁ……」
 息が肌にかかる。彼の手はもう濃姫の手をつかんでいなかった。だが彼女の繊手は
彼女の意思でうごいている。光秀は片方の手を濃姫の頭の横に付き、もう片方の手で
彼女の胸部をさすった。のばした親指の腹で乳首をおさえて捏ね回すと、
男をにぎっている手に一瞬、力が入った。濃姫の反応に気を良くして、光秀は何度か
同じことをくり返してたのしんだ。しかしすぐに濃姫も慣れたようで、ほとんど反応を
示さなくなると、今度は少々不機嫌そうに乳首を強くつまんだ。
「ひゃんッ!」
 緩やかな刺激のあとに突如襲いかかってきた強い刺激に、たまらず高い声を出していた。
慌てて口をとじるが、光秀は含み笑いをしている。嫌な予感がした。
濃姫はそれを見なかったことにして手を動かすが、光秀の指はまだ彼女の乳首をつまみ、
指の腹でつぶしたりねじっている。
 息を飲み込む音に似た声が、がまんする濃姫の口から漏れるたびに
光秀をにぎる手にも力がこめられる。必死にたえる濃姫の顔を、光秀はうっとりした顔で
見つめている。

525:光秀×濃姫
09/01/22 23:01:13 X8hpehHH
 帰蝶、とささやきながら、光秀が彼女の肩に頭をかけた。男の長い髪の毛が
首筋や顔にあたってくすぐったいが、そんなことより彼が頭でさえぎってくれていた
満月が目に入り、濃姫はそれが疎ましいと思う気持ちがあふれ出た。
光秀は、すぐ近くにいる女のそのような嫌悪感に気付かなかった。絡みついていた手を
おもむろに解いて、濃姫の膝を立たせて開く。そして、脚のあいだに手をすべり込ませた。
 すでに濡れそぼっている秘所に指を這わせられると、乳首をつままれた時より
大きな刺激がやってきて、意図せず声が出そうになる。けれどそのとき濃姫の口は
光秀のくちびるで覆われてしまっていたので、嬌声は出ず、くぐもった呻き声が出た。
蜜をたっぷり付けられた肉芽を指で押しつぶされ、長い指で膣内の浅いところだけを
かき回される。声はあまり出したくなかったが、このときばかりは声が思うように
出せなくて、逆に辛いものがあった。
「帰蝶……! ああ、帰蝶、帰蝶!」
 指を引き抜き顔を上げた光秀の顔は、陰になって見えなかった。
 光秀は猛る自身の男根を、濃姫の秘所に押し込んでいった。肉壁が抵抗するのを無視して
腰を進めていく。
「あぁあっ!」
 半分ほどをおさめたところで、濃姫の右脚の太ももをつかんだ。蝶の彫り物のすこし
上あたりだ。彼はいつも、この場所をつかんで挿入する。濃姫はそれをいつの間にか
体でおぼえてしまっていた。
 光秀が、寝具のうえに散らばっている濃姫の黒い髪の毛に右手で触れ、その近くに
置かれていた彼女の左手をにぎった。細い女の指についた粘液はまだ乾いていない。
それを自身の顔近くまで持ってきて食い入るように眺めてから、光秀は紅い舌で
舐り始めた。うやうやしく念入りに、ときおり大仰に音を立てて舐める仕草は、
濃姫の背を粟立たせた。
 濃姫がいつも引き金を引く際につかう人差し指の付け根に舌を這わせて、
光秀は腰を動かし始めた。とらえられていない手で口をおさえ、声を出すまいとしている
濃姫の懸命な顔を見つめる光秀の瞳の表面は透きとおっているが、その奥はよどんでいた。
「ふぅぅ、……ッ!」
 口を覆う指の隙間から息と声がまざって漏れる。
「気持ちいいのですか? 帰蝶。私はとても気持ちいいですよ、ほら、帰蝶がこんなに
締めつけて……ああ……帰蝶、帰蝶……帰蝶……」
 今まで舐っていた濃姫の手に頬ずりし、酔い痴れる表情の光秀は腰の動きを速めた。
そして右の太ももをつかんでいた手を、すっと少し下にやって、肌に刻まれた蝶を撫ぜる。
男の視線は濃姫の顔に向けられているはずなのに、手のひらは脚に存在する蝶のかたちを
正確に、丁寧になぞった。
 光秀のすべての動作が、濃姫を滾らせた。彼につかまれている指が頬の産毛に触れ、
自身の中におさまっている肉塊が最奥をくり返し突き、蛇に似た動きの手が
蝶をかわいがるほど、濃姫の体は熱くなっていく。
 わずかに腰の動きをゆるめて光秀は濃姫の手を解放した。女の哀願するような顔に
手をやり、口元にある手をやんわり握ってとても自然にどかす。くちびるに触って
微笑むと、親指でつと下唇を撫ぜた。柔らかな肉の感触がする。

526:光秀×濃姫
09/01/22 23:04:06 X8hpehHH
「みつひ、で……っ」
 触れていたくちびるが弱々しく動く。男は返事をして、濃姫と顔を近付けた。
長い髪の毛が、濃姫の顔の左右に垂れる。自分と正反対の色をしている髪の毛は、
間近で見ると処女雪のように見えた。
 濃姫は光秀の髪の毛を一束手にとり、それに鼻をうずめて空気を吸い込む。
形容しがたい、けれど安心してしまう彼のにおいを幾度も吸い込んで
「きれいね」と呟いた。呟いた彼女の瞳は、揺れていた。
 瞬間、どうしてだか光秀の頭に浮かびあがってきたのは、まだ『濃姫』という名を
貰い受けていない頃の女だった。魔王の嫁などと呼ばれていない、『帰蝶』のときの女。
「ああ……あああ……」
 腹の底から呻吟する声が出た。指の先にいる蝶に爪を立て、潰してしまいたい衝動に
駆られる。急に胸のうちに靄がかかった気がするのは、眼前の女が魔王の嫁に
なってしまったからではない。『帰蝶』だった頃の女をはっきりと思い出してしまった
自分が非常に惨めに思えてしまったからだ。
「あっ、あ、み、みつひ……、ふあ、ああっ!」
 ほとんど力任せに腰を打ちつけた。声が響くことを憂慮する濃姫が、手で口を隠したり
下唇をかんでしまうことは分かっていたので、光秀は彼女の口内に自分の指を突っ込んだ。
人差し指と中指で歯列をたしかめ、唾液で湿った舌をかるく引っぱる。
「は、はふッ……、ひふ、ひぅ……」
 口の中に入り込んできた手に舌を捕らえられ、ろくに発音できない。指にかかる、
とろりとした生ぬるい息が光秀の胸をおどらせた。
 纏わりつく肉襞から逃げるように男根を引き抜きかけ、また深部を目掛けて突き立てる。
この単純な律動に、どうしてこんなにも夢中になってしまうのか、光秀は不思議だった。
ただ快楽を得ることができるからだろうか。もしくは、濃姫の乱れた姿を
見ることができるからなのかもしれない。あるいは、一時でも錯覚を起こせるからか。
彼女が『濃姫』でなく、まだ『帰蝶』だという錯覚を。
「ふ、ふぅぅッ! はっ、はひっ」
 喘いでいるのか呻いているのか判別できない声を指に受ける。面白がって、
すこし強く舌を引っぱると、濃姫は苦しげに顔を歪めたが、それでも心から
苦悶しているというわけではないようだった。
 左手の先にいる蝶をそっと撫ぜ、光秀は目をつむる。
「ん、ふは、は、はっ、―ぅう!」
 ひとりきりの暗闇の中で、結合部から聞こえる音と、濃姫の声に耳をすませた。
ただよう女の香りを存分に肺のなかに取りこみ、腰を振る。内壁がわなないて
悦んでいるのを先端で感じた。求められている、と、そう思い及んだとき、
光秀の頭の奥でなにかが弾けた。
 女を壊さんばかりの力で腰を打ちつけ、女の声を聞く。苦しそうな息づかいに
含まれる興奮と喜悦。それは耳にすんなりと入ってきて、脳髄を蕩けさせてしまいそうだった。
「ああ……っ」
 男根を引き抜いて、濃姫の腹のうえに射精する。光秀は射精しているとき
「帰蝶」と無意識のうちに呼びかけそうになったのを、下唇をかんで我慢した。
彼女の言うとおり、声は出さないほうがいいのかもしれない。三度ほどにわたって
吐き出された精液は、男根そのものより熱く思えた。
 なだらかな腹部から顔に視線をやると、濃姫は目を閉じて涙をながしていた。
 ―どうして。
 どうしてあなたが泣いているのですか。男は、静かにそう思う。

527:光秀×濃姫
09/01/22 23:06:51 X8hpehHH
 夜が明ける前に帰ります、と言った男は、濃姫の腹に撒き散らした体液を
きれいに拭って、彼女の着物をととのえた。男が来る前の状態にもどされていく己の姿を、
濃姫はぼんやり眺める。
「光秀」
「なんでしょう?」
 少しかすれた声で呼ぶ。すぐに返事は耳にとどいたが、光秀は濃姫と目をあわせずに
着物をととのえていた。ひょっとすると光秀は濃姫のほうに視線をやっていたのかも
しれないけれど、彼の髪の毛が邪魔して目元が見えなかった。光秀の長い髪の毛は、
このようなとき不便である。
「……なんでも、ないわ」
 出かかった言葉を呑みこんで、目を閉じた。その間も着物をととのえる音は聞こえていた。
「それでは帰蝶。私はこれで」
 しばらくすると音は止み、光秀の声が聞こえてきた。
「次の満月の夜、またお会いしましょう」
 濃姫が目を開けると、光秀はもう部屋から出ていた。彼の後姿はゆっくり闇に
入り込んでいって、ついには消えた。あまりに滑らかに消えていったものだから、
あの男の正体は霧や陽炎なのかも、などと濃姫は考えてしまった。
 次の満月が待ち遠しい、とも、ずっと来なければいいのに、とも思った。
相手はどう思っているのか知らないけれど、「また」と言っていた。
 胸が騒ぐ理由をわざと掘り下げず、濃姫は寝具にもぐりこんだ。考えないほうが
楽だという場合もある。もう童ではない彼女は、そう心得ている。

 次の満月の夜、ふたりは本能寺で対峙した。

おわり

528:名無しさん@ピンキー
09/01/23 01:29:18 SO0CSP9A
GJ!
なんかぞわってした

529:名無しさん@ピンキー
09/01/24 23:05:58 OwO8+EM/
超GJ!!!
光秀が「帰蝶…帰蝶…」って何度も言うシーンは思わずその光景が目に浮かびました
お腹一杯です

530:名無しさん@ピンキー
09/01/25 21:10:04 InNGVR+Z
GJ!GJでござった!


531:名無しさん@ピンキー
09/01/26 07:34:55 iLbH/m9c
GJでした!

532:名無しさん@ピンキー
09/01/26 22:27:31 tL+feK1z
515が再び盛り上げ

533:名無しさん@ピンキー
09/01/27 16:07:30 8y6nFmCe


534:名無しさん@ピンキー
09/01/27 16:17:12 S60AnTlc
盛り上がりますように(主にかすがのおっぱいが)

535:名無しさん@ピンキー
09/01/27 17:48:42 Iqp//GTr
>>534
何故か
揉めよ唄えよ戦国乱世
という言葉が浮かんだ

政宗「俺が最高の乳に育ててやるぜ!YA-HA!」
幸村「ににに二の腕がちちち乳のやわやわやわ柔らかさと同じとは真にござるか!?」
慶次「あれ?信じてたんだ?いやほんとほんと!こんどまつ姉ちゃ…」
利家「こら!慶次!まつの乳は某のものだぞ!」
まつ「犬千代様…!」
長政「ふん、下らぬ話で盛り上がりおって!削除してや…」
市「長政様市のおっぱい嫌いなの……?」
長政「ば、馬鹿な。そんなわけ無いだろう。大好きだ。」
秀吉「この手に掴めぬものは無し!」

女キャラ一同『いや死ぬから』


こんな乱世見てみたい
全員分は厳しかった

536:名無しさん@ピンキー
09/01/27 18:10:01 YguZ1MPD
>>535
長政の断言っぷりww

537:名無しさん@ピンキー
09/01/27 20:00:09 x8zWl4zn
いつきの乳を盛り上げ


料理を教えてもらいながら、ふと自分の胸とまつの胸を比べて落ち込むいつき。
「ど、どうしたらそんなに乳が膨らむだ?」
「心配などせずとも、成長すれば大きくなりまする」
「で、でも…」

《ここから分岐》

 まつ×いつきルート
「どうしてもと言うのでしたら、前田家に伝わる豊胸術を伝授いたしまする」
お互い裸になり、自分の胸を使って豊胸術の伝授開始。
「ここをこうして、揉みほぐすように…」
「………こうだか?」
「そうそう……これを一日数回くり返すことが重要にござりまする」
「…ん、なんか……乳さ揉んでたら、おらの股がムズムズしてきただ…」
「まあ!…実は乳房を揉む以上に効果のある豊胸術がござりまするが…」
「ほんとだか?教えてほしいだ」
「では、まつの前で足を開いてくださりませ!」

 奥州×いつきルート
「実はこのまつめの乳房、犬千代さまに揉んでもらって
 大きくなったのでござりまする。つまり女性の乳房は、
 殿方に揉んでもらうことで大きくなりまする」
というわけで、いつきは奥州に出向いて豊胸してもらおうとする。
「こ、こんなこと頼めるの、二人しかいないだ……。
 よかったら、おらの乳を揉んでけろ…」
「レッツパーリィ!!!!」
「ご自重なされよ政宗様!まずはこの小十郎が一通り行ってから!」

538:名無しさん@ピンキー
09/01/27 23:28:51 XG4ha2Ne
いつきちゃんは豊穣の神の加護を受けてるから絶対大きくなるよ!

539:名無しさん@ピンキー
09/01/28 04:02:38 pzPMw+NV
小十郎自重しろw

540:名無しさん@ピンキー
09/01/28 20:20:53 YbiUZObk
自重しろゴボウwww

541:名無しさん@ピンキー
09/01/29 04:46:53 mSicrbR0
個人的な興味で聞くが、このスレでは
男女がラブラブでセクースしてるのと、女キャラが誰かに蹂躙というか良いようにされてるの、
どちらが好まれてる?
前者は例えば利家×まつとか。
後者は例えば長曾我部軍の奴らにリンカーンされるいつきとか。
何て表現すればいいか分からんが、
ラブラブセクースか、汁だくリンカーンか、みたいな…

542:名無しさん@ピンキー
09/01/29 06:10:39 DrTEyod9
要は和姦か強姦か、と

543:名無しさん@ピンキー
09/01/30 14:56:06 6WlXUccx
個人的には面白ければ何でもいい

544:名無しさん@ピンキー
09/01/31 01:18:36 BC7XXCLk
好きなやつは見るだろうし、嫌いなやつは見ないだろうからなあ。
最初に傾向でも書いておけばおk

強いて言うなら、まとめサイトでどっちが多いか数えればいい。

545:名無しさん@ピンキー
09/02/01 00:32:45 nh+GAN6w
>>537
そこで小十郎の畑のとろろいもが登場ですよ。

「ふあっ、なんかねばねばして、むずむずしてきただ…」
「我慢しろ。すぐに胸が大きくなってくるぞ?」
「だ、だめぇ、かゆいよぉ…」

そして我慢できなくなっちゃった小十郎が、自分のイチモツをとろろだらけの手で握っちゃって自爆、と。

546:名無しさん@ピンキー
09/02/01 08:18:37 1iG892U6
>>545
小十郎自重しろwww


胸が大きくなるマッサージwを受けながら。
「おらの…んっ、胸がおっきくなったらぁっ、ん、したいことがあるだ…よ……。」
「Ah~何だ?」
「言ってみな。」
「んっ…。あっ、のな。まつねぇ…ちゃんが利にぃちゃんにするみたいに……、疲れたおめぇさん達の頭を…おらの胸に柔らかくギュウって抱きしめたっ…いんだべ。」
「いつき……。」
「そ、したら。疲れを癒したら…きっとおめぇさん達はおらとの、おら達との約束…早く叶えてくれるべって。あぁんっ。」
―筆頭無限六爪流発動―
―小十郎極殺モード発動―
「やあっ、ら、らめぇ……!!!」



すまん、アホなことを考えすぎた。

547:晴れ(利家×まつ ←(?)慶次)
09/02/01 09:39:57 2hn6itJN
双竜×いつきちゃんGJ!
ぺたんこの胸にぎゅってしてるとこも見たい。

とかいいながら流れぶったぎって前田家投下。
なんか久し振りに来たら書いてみたくなったんだ。

注意
・慶次視点なんでちょっと女性向けっぽいかもしれん
・甘甘だけどあんまりえろくない
・3Pじゃないよ!
・慶次外伝かそれより前くらいと思って貰えれば
・慶次が思春期
・エロじゃない部分がやたら長くなってしまいました

おkな方は↓

548:晴れ(利家×まつ ←(?)慶次)1
09/02/01 09:43:40 2hn6itJN

慶次が目を覚ますと陽はもう随分と高く昇っていた。
小春日和の温かさが障子越しにも見えるような晴天で、いつも腹の上で眠って
いる筈の夢吉は既に薄紙を挟んだ柔らかな日差しの内で丸まり直している。
釣りに行くにも、街に行くにも絶好の日和だった。

今日がこんなに気持ちのいい日だと知っていたら、早くに起きて秀吉でも誘って
悪戯に出かけたのに。機会を逃してしまった。

慶次は心地良い温もりの内から這い出ながら胸中で一人ごちた。

それもこれも、まつ姉ちゃんが起こしに来てくれなかったのがいけない。

いつもいつも毎朝、それこそ殆ど日の出と共に部屋に飛び入ってくる叔父夫婦は
今日はまだ襖越しの声すら掛けて来ていない。こんな日こそ起こしてくれれば
いいものを。慶次は不貞腐れながら乱雑に布団を畳んで、己が起き上がっても
丸まったままの小さな相棒は一先ず置いて文句を付けにと襖を開いた。
襖三つ挟んだ向こうが夫婦の寝室だ。部屋を離してくれと言ったのは自分だが、
丁寧に廊下を回って行くのも面倒で間に挟んだ部屋を通り抜ける様にして取り合えず
目的の部屋へと向かう。もしかしたら、もうこの時間なら炊屋かもしれないな、
そう思いながら最後の襖に手を掛けた所で、中から大きな物が転がる重い音がした。


549:晴れ(利家×まつ ←(?)慶次)2
09/02/01 09:44:48 2hn6itJN

「…ちよ、様」

まつの声だ。だが、良く通る彼女の澄んだ声が襖一枚挟んだだけで掠れるのは
些か違和感がある。その小さな違和感に思わず腕を引くのを躊躇ったのがいけなかった。

「慶次が、起きてしまいまする」
「大丈夫だよ、慶次ならまだ寝てる」
「しかしこんな陽の高い内から……!」

ほんの微かな衣擦れの音。
膝か腕かを突く、畳を叩く乾いた音。
僅かに焦った風のまつの躊躇いの声に被さる利家の声音は常より幾分甘ったるい。

「まつ……嫌か?」
「嫌ではないから、困っているのです……!」

あまり声を潜める気も無いらしい利家と違って、まつの其れは時折上擦り、掠れた
音になるのが襖前で固まる慶次の胸をざわつかせた。
慶次ももう小さな童子ではない。いけない、離れなくては、と思いはするのに
足が動かなかった。好奇心が呼ぶ僅かな興奮でどくどくと心の臓が鳴っている。

「っひ、……もう、犬千代様!」
「すまぬ、某もう我慢が利かぬ」
「な、なれど……っんん……ッ!」

襖向こうにいるのは、確かに自分の知っている二人だ。
いつも朗らかで子供のように無邪気な利家と、夫に献身的な厳しくも優しいまつの
夫婦だ。そう思って頭に浮かぶのは二人の明るい笑顔と、まつの愛ゆえの厳しさを
苦笑いで宥める利家の微笑ましい遣り取りである。
二人が愛し合っている事はほんの幼子の頃から共に暮らした己が一番知っている。

550:晴れ(利家×まつ ←(?)慶次)3
09/02/01 09:45:40 2hn6itJN

「あ、…ぁ…!犬、千代様…まだ駄目…!」
「まつの事は、某が一番知っている。まつ、よりも……っ」
「あっ、ぁあ!そんな、……」

二人が夫婦となって、営みが無いとは思わなかった。しかし、それについて考える
事も、慶次は今までしなかった。意識的にしなかったのかもしれない。

肉欲と絡めば、愛は途端に生々しさを増す。

「そこは、駄目、犬千代様……ッ」
「もっと奥が良いのだろ」
「ッ犬千代様!」
「はは、すまぬ」

甘ったるい遣り取りは変わりはない。だが声が汗ばんで、双方しっとりと濡れている。
着物か肌が畳と擦れるかさついた音に、隠れて届く小さな水音。
熱を帯びた利家の声に応えるまつの吐息に交る甘ったるい切なさに耳を傾ける内、
じんわりと下半身に血が集まり始めているのに気がついて慶次は慌てた。

いけない。こんなのはいけない。

そう思うのに、耳に纏わりつく音の連なりに着流しの裾の内に指が伸びる。

「あ、アッ……ひぅ、んん……!」
「まつ、可愛い、」
「犬千代、様ぁ…あっ、あっ…!」

段々と利家の声に余裕が無くなって、まつの嬌声に呼吸の荒さ所以の間が入る。
肌を擦り寄せ、肉を打つ音がする。
いつも気丈なまつが、頬を上気させて利家に四肢を絡ませているのだろう。
薄桃に染まった柔らかな乳房を揺らして傷だらけの日に焼けた肌に白い指を掛けて。
目を潤ませだらしなく口を開いて、あるいは快感に涙すら零しているかもしれない。
女をしとどに濡らし、利家の雄に吸い付いているのだ。


551:晴れ(利家×まつ ←(?)慶次)4
09/02/01 09:46:29 2hn6itJN

良く見知った二人が快楽に溺れる声は、想い人を描く妄想などよりずっと慶次の
欲を駆り立てた。夢ではない。現実の、本物の。
大好きな二人が、二人である前に男と女である事を思い知らされる。

指先で己の性器が既に涎を垂らしているのを知って、慶次は背徳的な興奮に呑まれ
きっている自分を酷く恥じた。

「犬千代様、犬…ちよ、さま…ぁあッ…!」
「まつ……好きだ、まつ」
「ッは、ひぁっ、あ、あぁ…―!」

まつが絶頂に達する悲鳴染みた喘ぎと共に思わず全身に力籠った一瞬後、掌に
感じる温かさに慶次は真っ赤になって、その場を離れた。
断続的に続いていた軋んだ音が途切れて静かになった室内に気付かれないよう
出来る限り足を忍ばせて、それでも出来る限り早く。
二人には聞こえないであろう距離まで抜け切ると後は裏の井戸まで掛けていって
羞恥と後悔ごと洗い流すように汚れた手を流した。それから、屋敷をぐるりと
大周りして自室に戻る。
部屋の内ではもう目を覚ました子猿が暇そうにしていたが、その彼をも道連れに
布団の中に逃げ込む様に身体を収めた。

もう半刻もしたらまつ姉ちゃんが来るだろう。
慶次、まだ寝ているんですか!なんてきっと怒るから、笑ってごまかして、
いつもみたいに屋敷を抜けだそう。

先まで身体を覆っていた興奮が冷えた布団に吸い取られてしまうと後に残るのは
居心地の悪さと申し訳なさばかりで、慶次は布団を頭まで被ってぎゅっと目を
閉じた。

何にも無かった振りをしよう。何にも知らない振りをしよう。

胸に抱いた小さな相棒が己の頬を不安げに撫でるのに布団の暗がりの中で眉を
顰めた下手糞な笑いを作ってから、慶次は赤ん坊のように身を丸めた。


外は、柔らかな日差しに満ちている。



552:547
09/02/01 09:51:40 2hn6itJN
投下前に読み直したつもりだったんだが誤字がちらほらあってスマソ。
地味に公式で無かったことにされそうだが、慶次→ねねも推して参りたい
そんな通りすがりでした。

553:名無しさん@ピンキー
09/02/01 21:44:50 R0PgAkYi
前田家GJ!!!!
思春期慶次かわいいと思ってしまた

554:名無しさん@ピンキー
09/02/04 11:50:29 /FaPvoL+
一日遅れてしまったが、節分ネタが思い浮かんだので投下。
小ネタで短いです。そして夫婦だけ。それでも大丈夫な方はどうぞ。


「長政様…今日は節分だね…」
「あぁ、こういう行事もしっかり行わなくては悪となってしまうな。」
「それじゃあ…市…お豆買ってく……な、長政様?!」
「では…市の豆を歳の数だけ食さないとな」「え……や、やん…ぁ……だめぇ………!」


「まつー!恵方巻き出来たか~!」
「はい。犬千代様の分と家臣の方々の分は…」
「? まつの分は?」
「まつは…犬千代様の恵方巻きが食べとう御座います」
「まつ…!よし、好きなだけ食べてくれ!!」
「はい、それでは………は、ふぅ…ん」
(あ…大きくて太くて、美味しい……)


「はぁ…あ、ん……ん」
「どうした、濃。余の恵方巻きが食えぬのか。」
「ち、違います!上総介様の恵方巻きが大きくて…全部口に入れる事が出来なくて……」
「は!ならば下の口で食してもらうか」
「え…あ、お、お待ち下さい!」
「ほぅ…下の口はもうよだれをたらしておるは。望み通り、存分にくれてやろう」
「あ!あぁ…あ、ぁん……上総介様……もっと、もっと濃めに下さいませ!」
「ふん。根元まで咥えてもまだ足りぬか…。ならば、もっと奥まで余の恵方巻きを味わせてやろう!」
「ああぁぁぁ!すごい……はぁ…ん、あぁ………上総、介…様ぁ!」
「心地よい感触よ…フハハハハ!!」

555:名無しさん@ピンキー
09/02/05 00:23:36 suRRTWOg
ちょ、まさかの信長様!
>>554GJ!


556:名無しさん@ピンキー
09/02/05 23:06:50 AHVuUeUk
>>554
魔王夫婦GJ!!!

557:名無しさん@ピンキー
09/02/06 16:14:13 pVCjM+uR
>>554
GJGJ!
本気ひさびさな市だた…!
市最愛だか出現率低くてさびしい

558:名無しさん@ピンキー
09/02/06 17:09:11 QE4AofkH
>>557
自分で書けばいいんだよ

559:名無しさん@ピンキー
09/02/06 18:17:04 HEKNVKs2
>>557
「……市の出番が少ないのは長政様が淡白なせい…。」
「なっ!ち、違うぞ、市っ!!!」
「じゃあ魅力がない市のせい?」
「いや…その、そういう訳じゃ。む、無駄口は削除ぉっ!!」



すまん、こんなくだらないのしか浮かばないんだ。エロくないしな。

560:名無しさん@ピンキー
09/02/06 23:14:57 YnUth+bA
無駄口削除!
てことで市にやらしいちゅーをする訳ですね、わかります。
でも長政様は下手そうだな、ガツンガツン歯当たりそうwww

561:名無しさん@ピンキー
09/02/06 23:29:49 pVCjM+uR
市が足りない自分のために、みんなありがとう…!
このスレの住民はみんなあったかいな

>>558のいうとおり書き手に参加してみようとおも

562:名無しさん@ピンキー
09/02/07 08:02:08 3ku7NVV9
その意気だ!
貴様の正義が試されているぞ!

563:名無しさん@ピンキー
09/02/07 15:47:33 teD0xody
夫が「悪と無駄口削除なり」って言ってるから
床では必死に唇噛んで、喘ぎ声出さないようにしてる市って可愛い
「そ、それは無駄口じゃない!」って慌てて言う長政とかも

564:名無しさん@ピンキー
09/02/07 19:40:52 p48FqcIl
>>563
やばい かわいい
浅井夫婦は可愛いよなー…!
「なぜ?」って市に言われて答えに窮してればいいね。

浅井夫婦は回数少なそうだけど、
一回一回がマニアックだとよい。

そいでふたりともそれがごく普通だと思ってて欲しい。

565:名無しさん@ピンキー
09/02/07 22:08:52 qXbLvNCS
>>564
普通に入れる穴間違ってそうなイメージだ。市が辛そうだから回数控え目で。

566:名無しさん@ピンキー
09/02/08 03:28:55 EPBy8+HF
毎回違う穴・・・
回数を重ねてもちっとも子供を授からないから
濃姫に「床を共にしてないの?それとも不能なの?」とか心配されて
「違うわ、義姉さま。一月か二月に一回くらいだけど、してる・・・」って言ってたらいいな
だけど毎回違う穴。

567:名無しさん@ピンキー
09/02/08 07:28:33 pDfqMI+s
浅井夫婦って言うと
お市が怖がって両足閉じちゃってこう、膝抱えて転がるみたいなポーズでの
挿入になっちゃって

「い、市、その恰好は…止めろ…!」
「ひっ……ご、ごめんなさ…(ぎゅうっ)」
「ッ―だ、から……!」
「ごめんなさい、ご、めんなさ…!(ぎゅううっ)」
「ッ――!」

ってな感じで切羽詰まった長政様をお怒りと勘違いして
緊張して思いっきり締め付けられて結果的に早漏。

というのが初妄想だったなぁ

568:名無しさん@ピンキー
09/02/09 18:58:38 bJD/7UsA
自分は

中々手を出さない長政様に市が泣きながら
「長政様、市のことが嫌いなの?」
「ば、馬鹿な!そんなはず無いだろう!」
「だって長政様全然市に触ってくれない。」

見たいな流れでめでたく合体

が初妄想だったな

569:名無しさん@ピンキー
09/02/09 23:54:10 msBfDuhh
みんな、その妄想を文章に起こすんだ。

570:名無しさん@ピンキー
09/02/11 02:32:14 HUNDU3S7
前書いたやつを発掘したのでここに投下
流れに乗ってなくて申し訳ない

・濃姫×元親
・ほんのり?エロ
・織田軍に捕まった元親を濃姫が攻めてます

□□□


「…っ、うぁ…はぁ…っ!」
「んふ…ふぁ、ん…おっきい…」
元親の大きく膨らんだ肉棒を濃姫は口いっぱいに頬張り愛撫する
ちゅぷちゅぷといやらしい水音が室内に響き、元親はその音と口淫の快感に身体を悶えさせた
散々暴れたのか、元親の腕は縛られている鎖によって傷が付き、快感に身体を震えされる度にズキズキと痛む
しかしその痛みより肉棒の快感が勝っているのは確かだった
「もっと声出していいのよ?」
「はっ、誰が出すか…よ、うっ」
「素直じゃないのね、西海の鬼は…」
耳元で囁かれる言葉に元親は頭を振る
何時もなら自分が主導権を握り、犯している女にイイ様にされている状況が嫌で、せめて声は出す
まいと元親は必死に唇を噛んだ
元親の快感を我慢する苦しそうな顔に心の臓がぞくりと動いた濃姫は、もっとその声が聞きたいと添えているだけだった手を上下に動かし始めた
「うぁ…そんな、激しくすんじゃねェ…!」
「…んん、男の味がするわぁ……」
亀頭の上にある尿道を舌先でつついたり、亀頭を吸い上げると元親の肉棒は面白いほどびくびくと動き出す
溢れ出る白濁と唾液は元親の太ももに垂れていった
「気持ちいいんでしょ?ねぇ気持ちいいって言ってくれれば、
もっと気持ちよくしてあげるわよ?」
「うるせぇ、早くこれを解きやがれ…!」
「……生意気ね」
「いっ……っ!」
素直じゃない元親に機嫌が悪くなった濃姫は、鎖で傷ついた場所に伸びている爪をぐっと立てた。その痛みに元親は薄く目に涙を浮かべてる。滴り落ちてきた血を濃姫は舌で舐めたと思うと、またすぐに爪をその場所に突き刺した
「痛みと快感って紙一重って言うわよね、気持ちいいのでしょ?」
「や、やめてくれっうぁあ…あっあぁっ」
「ふふ。まだまだお仕置きしてあげるわ…」
開いてしまった口を閉じる事は出来ず、元親は声を上げ始めた


□□□
ありがとうございました



571:名無しさん@ピンキー
09/02/11 05:11:30 W1G19Xdz
>>570
艶っぽい!GJGJ!!
どうでもいいけど、アニキって早漏っぽい

572:名無しさん@ピンキー
09/02/13 22:30:16 uZmYhBXh
まつ×モブ

前田軍に捕まると、数日経ってから無傷で帰ってくるという噂があった。
そして帰って来た者に前田軍の情報を吐かせようとするのだが、
帰って来た者は何も吐かないらしい。
一様に廃人の如く惚けた顔をして、
「良かった…」
だの、
「何も言えねぇ…」
だのと、涎を垂らしながら言うとか何とか。
中には自軍を抜け出して、もう一度前田軍に自ら捕まりに行く兵もいると聞いた。
そんな噂が全国を駆け巡っているものの、詳しい事は未だ闇の中だ。
そもそも、生きて帰ってきたというのに情報を何も吐かない、しかも自ら捕まりに行くなど、
この戦国乱世を生きる兵として矜持が無いのだろうか、と俺は思っていた。
しかしそんな俺が前田軍に捕まるなどと、誰が予想出来ただろうか。

「畜生…」
両手足が縄で縛られている。息がしにくいのは、ここが地下牢であるというだけだ。
前田利家の妻に裸を見られて興奮しているからという訳では、決して無い。
「思っていたより逞しい体をお持ちで。
 きっと貴方様の軍の大将殿も、貴方様に期待されていた事でしょうに」
前田利家の妻―まつと言うらしい―は、手早く俺の着物を全部脱がせたかと思うと、
今度はじろじろと眺め始めた。いっその事、今すぐ殺してほしい。
敵軍の女子にこんな辱めを受けて、もう生きていられない。
「ですが、貴方様はこうしてまつめに捕らえられてしまいました。
 これからどうなるか…お分かりになられますか?」
ずいっと顔を近付けられた。くそ、女子ってのはどうしてこんなに良い匂いがするんだ。
「知るか!だが前田軍に捕まると、廃人になって帰ってくるという噂だ!
 どうせ薬漬けにして我が軍の情報を……っっ!?」
「まあ、そのような噂が?」
澄ました顔で言うまつの手には、俺の一物が握られていた。
動揺する俺を余所に、まつはぐっと握って上下に扱く。
「やめろ…っ!」
男と言うものは、悲しい生き物である。
体を捩って抵抗するも、白く細い指に優しく扱かれて、むくむくと硬度を増していってしまう。
亀頭が遂に天を仰いでしまった時には、舌を噛み切ってしまいたかった。
「ふふ…戦続きで随分と溜まっていらっしゃった御様子。お可哀相に」
まつはそう言うと、小さな音を立てて一物に唇を寄せた。
柔らかな刺激に、思わず透明な汁が先端から噴き出す。
まつの攻撃、いや口撃は続いた。舌を使ってぺろぺろ無邪気に舐めたり、
頬を凹ませてわざと音を立てて吸い込む。かと思えば舌を尖らせて鈴口を突く。
これらにさっきの指業が合わされば、もう戦国最強だ。
「ぁうっ…」
もう出る、と言う瞬間、すっとまつが離れていった。
まつはくすくすと笑って頭の手拭いを取り、腰の防具を取った。
次に慣れた手付きで萌黄色の着物を脱いでいく。
次第に露となっていく白い肌に、俺は一物を震わせて釘付けになっていた。
「このまま手でお出しになるか、この中でお出しになるか、お決めなさい」
まつは自分の秘所を指で左右に開き、俺の目の前で見せた。甘酸っぱい匂い、戦慄く肉襞。
俺が「中で出したい」と涎を垂らしながら言うのは、三つ数えるより早かった。
「正直なお方」
まつが笑った。その笑い方は俺を嘲笑うような笑い方だったが、
その時の俺にはもうそれすら喜ばしい事だった。
形の良い胸を揺らして、まつは俺に跨る。
早く早くと無意識に口に出すと、まつは一物をぎゅっと握り、耳元で囁いた。
「続きをしてほしければ、わっふるわっふるとお言いなさい」

573:名無しさん@ピンキー
09/02/13 23:09:52 76BB+F0l
わっふるわっふるぅぅぅあぁぁ……!!!

574:名無しさん@ピンキー
09/02/14 05:38:09 UXeIyd7u
わっふるわっふる!
なんだろうこの胸のときめき…

575:名無しさん@ピンキー
09/02/14 09:08:33 HeB4qxjN
わっふる。わっふる!
はっ!我を失って……?

576:「a due」【注意書き】(佐かす/現パロ)4スレ目588
09/02/14 22:36:28 J1unYuWo
流れを切って大変申し訳ありません。
書き終ったものがありますので投下させて下さい。

・【!】現代パロディ【!】
・佐助×かすが
・最中描写無し/事後描写有り
・「ボコ題2」(URLリンク(araya.ojiji.net))使用

a due … 一緒に、二人で

苦手、不快な方はスルーして下さい。
宜しくお願いします。

577:「a due」 【1/11】(佐かす/現パロ)
09/02/14 22:41:11 J1unYuWo
金の髪の歌姫がバーで歌う夜、最近決って橙色の髪の男が一番後ろの
カウンター席に座る。
その男は観客の中で群を抜いて不真面目な癖に楽屋にしょっちゅう顔を出し、
終演後駅へ行く歌姫と夜道を一緒に歩いた。
我知らず眉根を寄せてしまったらしい。
最前列のテーブル席の客が怪訝そうな顔をする。
そのうちの二、三人にだけ極上の笑みを浮べて操なし、
今宵も歌姫はスポットライトの中透き通る歌声を披露した。
一曲歌い終る度にバーテンダーと談笑するカウンターの橙色を無意識のうちに
目の端で捉えてしまう。
(またか)
チリッと胸がささくれ立った。
ファンだと言う橙色が真面目に歌を聴く様子は今夜も無い。
舞台から見えるのはいつも後ろ姿だけだ。
照明が落ちた薄暗い客席からほぼ全ての顔がこちらを見ているが、
橙色だけはなかなか振り返らない。
普段より心情を込めてこの曲を歌ってしまうのは、手の届かない恋を
テーマにした歌だからだと自分を誤魔化す。
最後の曲を歌い上げると拍手喝采に紛れて橙色の笑う声がステージまで聞こえて来た。
(いつもいつも、お前は歌を聴きに来たのかバーテンと話しに来たのか
 一体どっちなんだ)
苛立ちは頂点に達し、歌姫は今度こそ橙色を真正面から睨み付ける。
しかしやっと目が合った相手は歌姫の熱い視線を独占出来たと勘違いしたらしい。
だらしなく鼻の下を伸ばし、おまけに小さく手まで振っているではないか。
歌姫の中で何かが鈍い音を立てて切れた。
(ああもう、お前のそう言う所が気に喰わないのがどうして分らないんだ!)

578:「a due」 【2/11】(佐かす/現パロ)
09/02/14 22:46:22 J1unYuWo
反省はしていた。手を振ったのがマズかったらしい。
深緑色したアメリカンスリーブのドレスを纏った歌姫は、
「二度と来るな」と楽屋で柳眉を吊り上げた。
お見限りかと店の外へ出た矢先、後頭部に何かが勢い良く当る。
「いてっ!」
三日月くらい幅の細いストラップ付きのミュールが一足転がり、
その後ろにはショールを羽織った歌姫が腕組みして立っていた。
不貞腐れているのが一目瞭然だ。
寒空の下、スリットから伸びる彼女の足は何故か片方だけ爪先を覗かせている。
「あのさぁ…。呼び止めるなり他にやり方ってもんがあるだろ?」
痛む頭を擦りながら溜め息を吐いてミュールを拾う。
「勝手にすっぽ抜けたんだ」
ヒラヒラと素足を振って見せながら涼しい顔で歌姫は返した。
「嘘吐け」
どうやったらストラップが勝手に外れるのだろう。
跪いて白いふくらはぎを捕まえ、ミュールのストラップを止めてやる。
その間歌姫は自分の肩に手を置いていた。
「これで良し、と」
肩に触れていた繊手が離れるのが何となく寂しい。
歌姫がプイと外方を向く。
立ち上がった時見た頬が微かに赤かったのは見間違いだろうか。
「さっきは本当にゴメン。ね、また来ても良い?」
「お前が店に来ると調子が狂う」
「じゃあさ」
満面の笑みで手を差し延べる。
「俺様の部屋に来ない?お手をどうぞ、お姫様―なんてな」
横目で一瞥した歌姫は恭しく差し延べられた手に左手を添える。
「フン…」
が、次の瞬間右の拳は橙色の鳩尾にめり込んでいた。
「ぐっ…まさか…本気で殴るとは思わなかった、ぜ…」
蹲る橙色を冷たく見下し吐き捨てる。
「調子に乗るな」

579:「a due」 【3/11】(佐かす/現パロ)
09/02/14 22:51:26 J1unYuWo
黒いコートの橙色は歌姫が着替えて出て来るのを待っていた。
意識すればまだ鳩尾に鈍痛が残っている。なかなか良いパンチだった。
だが腕っ節は強くとも真夜中近い時間に歌姫独りでは少々危ない。
ステージが跳ねた後は駅まで送るのが二人の不文律になっていた。
傘を忘れた歌姫と無理矢理相合傘をしたのが最初だったと思う。
初めのうちは嫌がられたが、今では不機嫌そうにしながらも歌姫は橙色と並んで歩く。
ミュールを投げ付けられたのは「先に帰るな」と言う彼女からの非難だった。
「待たせた」
ベージュのコートを着た歌姫は余程寒いのかラベンダー色のマフラーを
グルグル巻きにしているが、鼻先だけがちょこんと見えている。
「そのマフラー可愛いね。良く似合ってるよ」
本当は「鼻先が可愛い」と言いたい所だが、再び鳩尾に拳を喰らいかねないので
自重した。
当然の様に荷物を押し付け、歌姫はブーツのヒールを高く鳴らしながら
サッサと歩き出す。
「行くぞ。終電に遅れる」
「はいはい」
二人はコートのポケットに両手を突っ込んで夜の街を並んで歩いた。
「今日は寒いねぇ」
白い息を吐きながら橙色が言う。
「そうだな」
マフラーに顔を埋めながら歌姫が答えた。
「ちょっと失礼」
素早く歌姫の右手を握り、そのまま左のポケットへ手を突っ込む。
「あ…」
中はほんのり温かい。いつ買ったのか缶コーヒーが忍ばせてあった。
「へへ、あったかいっしょ」
心底嬉しそうな橙色を見て顔を背け舌打ちする。
(イヤな奴)
ポケットの中で橙色と手を絡めながら、頬が熱いのは缶コーヒーの所為だと
歌姫は思った。

580:「a due」 【4/11】(佐かす/現パロ)
09/02/14 22:56:30 J1unYuWo
飲み終ったった缶コーヒーをローテーブルの上に置く。
あと一歩の所で終電を逃した彼女は今、橙色の部屋で床に座っていた。
金曜の夜とあってカラオケを初め始発まで時間を潰せそうなものは軒並み満員で、
不承不承近くの橙色の部屋へ初めて上がった。
決して広くないワンルームだが、白と茶を基調に纏められた室内は
落ち着いた雰囲気を漂わせている。
こざっぱり片付いていて居心地も悪くなかった。
「はい、これ着替え」
袖が迷彩柄になった長袖のTシャツと黒いスウェットの上下、
それにバスタオルが手渡された。
「シャワー使いたかったら玄関脇の所ね。トイレもそこ」
「…ああ」
ハァ、とまた溜め息が出た。早く家に帰りたい。
だが空気を読まない奴が約一名、とても嬉しそうにしていて腹が立つ。
「DVDでも観る?えーっと『死霊のはらわた』だろ、『感染』、『SAW』、
 『チャイルドプレイ』に…あっ!旧版の『エクソシスト』それから…」
斜向いに座った橙色が次々にホラーのDVDを取り出し歌姫は軽く目眩がした。
ステージを熟した後の倦怠感が倍増する。
もうちょっと異性と観るのに相応しいタイトルを持って居ないのかと
心の中で突っ込んだ。
「…遠慮しとく」
「だったらさ」
舐める程耳に近付いた橙色が甘ったるい声で囁く。
「ベッド行かない?床の上でしちゃ流石に冷えるし」
歌姫が朱に染まるのを至近距離でニコニコしながら眺めた直後、
乾いた音がして頬に鮮やかな紅葉が咲いた。
慌ただしい足音がバスルームの中に入り乱暴に扉が閉まる。
勢い良くシャワーの音が聞こえて来た。
「おー痛ぇ……」
痛む頬に掌を当て橙色が呟く。
(照れちゃって可愛いね、全く)

581:「a due」 【5/11】(佐かす/現パロ)
09/02/14 23:01:32 J1unYuWo
「―あでっ!」
強かに踏み付けられた痛みで橙色は飛び起きた。
バスルームの扉が閉まる音がする。
彼はミニキッチンの前で横になっていた。
動線上トイレに行く時は必ず通る場所だったが、
添い寝を拳一発で断られた橙色はそこへ追いやられていた。
踏まれた足を擦っていると水を流す音がして扉が開いた。
足を踏んだ犯人に文句を言おうと口を開けたが、そのまま固まる。
「へ…?」
スウェットの上着からすぐ魅惑的な足が伸びているではないか。
多少丈は長めだが太股の1/3も隠れていない。
余りにしどけない姿に目が釘付けになる。
「………」
寝惚けているのか歌姫がその場で横になろうとしたので橙色は慌てた。
「ちょっと!風邪引くよ!」
「………」
全く起きる気配が無い。仕方が無いので歌姫をベッドまで担いで行った。
歌姫を降ろそうとした時、
「痛っ!」
踏み付けられた足が痛んでバランスを崩し一緒にベッドに倒れ込んでしまった。
「!?」
自然、恰も歌姫に跨って組み敷いた様な格好になる。
弾みでスウェットがめくり上がり、歌姫の括れた腰が橙色の前に現れた。
ミュールを履かせた爪先も、捕まえたふくらはぎも、ドレスのスリットから
覗いていた太股も、皆曝け出されている。
勿論下着もしっかり見えていた。
喉が鳴る。
この小さな布切れ一枚外してしまえば―
「ぐはっ!」
今まさに下着に手を掛けた刹那、激痛が襲って視界に星が舞った。
眠れる歌姫の片膝が股間に綺麗に決っている。
痛みを堪えつつ布団を掛けてやった橙色は、つくづく不運な自分を呪った。

582:「a due」 【6/11】(佐かす/現パロ)
09/02/14 23:06:38 J1unYuWo
何度目になるか分からない溜め息を吐いて頭を抱えた。
今夜ほど自分の性分を呪った事は無い。
憎からず思う相手が目の前に居ながら、何故男女のこと抜きで
清く過ごしてしまうのか。
橙色の葛藤を知る由もない歌姫の安らかな寝息が聞こえて来る。
さっき覆い被さる事が出来たのは一生分の幸運が一度に重なったからかもしれない。
脳裏に焼き付いた歌姫の白い足や下着がチラついた。
あの布の向う側が切実に見てみたい。
流された後に待ち受けるのは全身打撲だろうか。
思考だけが纏まり無く頭の中で堂々巡りして目が冴えて眠れない。
寝返りを打った歌姫がこちらに向いた。
普段は眉根に皺を寄せていて想像つかないが、案外あどけない寝顔をしている。
金の髪に触れてみたい。
マフラーから覗かせていた鼻先や柔らかそうな頬を突っ突いてみたい。
桜色の唇を啄んだら起きてしまうだろうか。
肚を決め、なけなしの勇気を振り絞ってベッドの傍らまで行き、
震える掌を布団に乗せた。
後はベッドの中に入ってしまえば良い。簡単な事だ。
彼女の腕っ節が強かろうがそれがどうした。
白い乳房に顔を埋めて殴られれば本望ではないか。
こんなチャンスはもう二度と巡って来ない。
落ち着け、落ち着け、落ち着け―跳ねる心臓を鎮める為に深呼吸する。
布団を掴む手に力が入った。
そのまま慎重に布団をずらす。
「ん……?」
歌姫の目が薄く開いた。
(げっ、冗談!?)
臆病風に吹かれた橙色は慌てて布団を掛け直し、元の場所に戻る。
そして再び何度目になるか分からない溜め息を吐いて頭を抱えた。
(もー何やってんだよ俺…)


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