【キノ】時雨沢作品でハァハァしよう10【アリソンシリーズ】at EROPARO
【キノ】時雨沢作品でハァハァしよう10【アリソンシリーズ】 - 暇つぶし2ch282:ラスト
09/09/13 07:55:09 whRTAFxT
リリーは荒く息をつくキノをよそに、大きな黒い箱を開けてなにやらゴソゴソやっていた。
「はぁっ・・・はぁぁっ・・・んぐぅううううう」
「えーとこれは太すぎ・・・これは・・・もう一声・・・」
もうキノの欲望は決壊寸前だった。発狂しそうなほどの疼きが絶え間なく股間を襲っている
「は、はや・・く・・・はやくじでぇええええ・・・」
「あーもーうるさい!もういい、これにするわ。キノちゃんうるさいからお仕置き」
立ち上がったリリーが手に持っているのは機能の按摩器だった。しかし、先端が少し違っている
昨日まで大きな半球型だった先端は、20センチほどの長さをもった太い張形に代えられていた
「はぁーーーっ、はぁーーーっ」
「うふふ・・・今日はキノちゃんの『膣内から』振動を味わわせてあげる。昨日とは比べ物にならないんだから」
キノはその赤子の腕ほどはありそうな太い張形が自分の中に入ってくるところを想像した
本来なら恐怖して然るべきその張形が、今のキノはどうしようもなく欲しくてたまらなかった。
アレが挿入ってくる。自分の肉を掻き分け、一番奥まで。
「ちょっと太いけど、こんだけぐちゃぐちゃなら……アハハ、なにこれ、私まだ何もしてないよぉ?」
笑いながらリリーが中指でキノの性器を穿った。それだけで、大きな濡れた音が部屋中に響く。
「あやっ!やぁああ・・!らめっ、イクっ・・イぐぅううううううぅ・・・!!!」
キノの性器がプシュゥウ!と大きな音を立てて潮を吹く。それがリリーの右肩を直撃したが、リリーは構わず指を動かしキノの膣内を掻き回し続けた。
「あきゃぁああああ!イってます、もうイってますぅううう゛・・!!」
「ひぐっ!ひぐぅううう!また、またイクっ、イッてるのにまだいぐぅううう・・・・!」
「あ゛んっ、あぁん! もうわかんない、わかんなくなっちゃったよぉお!!ぅあ゛っ がっ・・」
踊り狂うとはまさにこのことだ。キノはリリーの指の命令に従ってひたすら踊り狂っていた
キノは休むことも許されず、リリーがそれに飽きるまで何度も何度もそれでイかされ続けた。
「はあ゛ーーーー  はぁあ゛ーーーー」
リリーが漸く指をキノから抜いた時、キノの顔は酷い有様だった
髪は汗で額に張り付き、あらぬ方向を向いた眼球、さらにだらんと垂れ下がった舌の先からは
涎なのか涙なのか、その両方なのかよくわからない液体がダラダラと垂れ流されていた
しかしリリーに散々弄ばれたキノの身体は満足するどころか余計に燃え上がり、指を抜かれた膣穴は
新たに何かを咥えることを求めてヒクヒクといやらしく痙攣していた
「さ、キノちゃん起きなさい。私の指なんかでそんなになってたら、コレが挿入ったら死んじゃうんじゃないかしら」
そう言ってリリーはその太く瘤になった先端をキノの膣の入り口へと押し当てた
近くでよく見るとその張形には数え切れないほどのイボイボがついており、それぞれが部屋の少ない明かりを反射してテカっている
キノは恍惚に犯され切った顔で、焦点の合わない目をそこに向けた
「あ゛ぁっきたぁぁあ・・それぇ、ブルブル来てアタマ馬鹿ににゃるやつぅ・・・・・」
「そうよぉ・・・ちゃ~んと馬鹿になってね、私のかわいいキノちゃん・・・っ」
「あ゛っあやっあ゛っあ゛っあ゛ぁぁ~~~~~~~~~~~~~」
リリーが少し力を込めると、ズブズブと張形がキノの膣内へと沈み込んでゆく。
張形の先端が子宮口に当たり、もうそれ以上深くは入らないと分かると、リリーはその引き金に指をかけた
「・・・バイバ~イ、キノちゃん」
カチッというその小さな音が、キノがキノとして最後に聞いた音であった。

「・・あ゛・・・・あ・・・?あ!?あぁああっ!あ゛があぁぁあぁぁああぁああああっっあああああぁあっ!!!!」

………――



283:エピローグまがいのもの
09/09/13 09:19:22 whRTAFxT
私の名前は陸。犬だ。

私のご主人様のシズ様が同行人のティーと一緒にこの国に入り、最初の一日が終わった。
この国は奇妙な国で、旅人であっても滞在するからには国への貢献が不可欠で、
必ず何か仕事をしなくてはいけないらしい。
シズ様に与えられた仕事は、要人のSPだ。もちろん、何事もなく帰ってきた。
「ふぅっ。楽な仕事だ。コレで宿と、食事と、その他いろいろがタダになるなら悪くない国だ。…ただ…決して楽しい国ではないな…」
そういってシズ様はイスに腰掛け、支給されたコーヒーを淹れて飲みながら、これまた支給された新聞を片手に読み始めた。
「娯楽がないよ、この国には。遊ぶという概念がない。とてもじゃないが、ご免だな」
そういいながら織り込みチラシをめくっていく。
「……ははっ、こんなものは充実しているんだな」
そういってシズ様が私の前にひらりと投げたのは遊郭のチラシだった
やはりこんな仕事ばかりの国ではみんな溜まるものが溜まるのだろう。
「どこからこんなに大量の娼婦を仕入れるのか…こんな狭い国で」
そう言って鼻で笑い、それらチラシを一つずつ丸めてくずかごに捨てていった。
「……」
その中で一つだけ、黒髪ショートの少女が複数人の男に攻め立てられ、悶え苦しんでいるらしい写真が印刷されたチラシがシズ様の目を惹いたらしい。
シズ様はしばらくじっとそれを見つめていた。広告の謳い文句はこうだ。
『毎週日曜は当店のアイドル「ニコ」嬢の快楽拷問ショー!千回イクまで終わらない!』
女の子の顔は目隠しとボールギャグでほぼ判別不能だが、どこかシズ様が思いを寄せるあの旅人に似てる気もした。
安い文句にシズ様が目をとめたのもそのせいだろう。
しかしシズ様もすぐにそれを丸め、くずかごに放り込んだ。
「ふぁ~あ、それにしてもティーは遅いな。泊り込みの仕事ならそうと言って欲しいものだが」
ティーは子供だが、勉学しても意味がないということで結局仕事に行かされる事となった。
話では精密機械の試運転がどうのと言っていたが、なにぶんティーの口からではなかなか情報を読み取ることができない
シズ様はしばらく考え込み、ポツリとこう漏らした。
「まさか精密機械ってのは…手榴弾じゃないだろうな…」
まさか、この国のヒトはエスパーですかと私が思うとシズ様もフッと笑いをこぼし、台所へと立った
「まさかな。まぁ大丈夫だろう。さて、私はちょっと出てくるよ、陸。少し日曜の夜風に当たりたい気分なんだ」




最後にシズがキノもティーも助け出したらいいねっていう投げやりなオチで終了です、ごめんなさい
三日後そこにはゲイバーで働くシズの姿が!とかでもいいですけど…適当に脳内補完お願いします…
拙い文章に長いことお付き合いいただき、ありがとうございました~ドウモ( ・∀・)っ旦
もっとこの板巡回してエロの書き方覚えよう…すべて手探りで書いてたからね…

ちなみに一番参考にしたのは保管庫の「調教の国」です。あの作者さん天才だと思う。エロ杉

284:名無しさん@ピンキー
09/09/13 09:21:39 lGZXa5pH
マジでGJ!

朝から良いもの見せてもらいました

285:名無しさん@ピンキー
09/09/13 20:45:46 ODvgw7xc
心からGJ!

286:名無しさん@ピンキー
09/09/20 11:04:44 QGYXfkBC
保守

287:名無しさん@ピンキー
09/09/28 01:21:12 HFLgykUG
保守

288:名無しさん@ピンキー
09/10/04 00:37:44 nugGj3Go
保守

289:名無しさん@ピンキー
09/10/12 01:11:25 KiC10NAr
保守

290:名無しさん@ピンキー
09/10/13 03:39:28 phhO5iLf
9スレ目ってどっかに保管されてないの?
また読み返したいSSがあるんだけど…。

291:名無しさん@ピンキー
09/10/14 20:04:02 J8cH3BDG
みみずん
URLリンク(mimizun.com)

過去ログ読み返してたけどこんな良いスレあるの知らなかった俺って一体
キノ大好きです

292:名無しさん@ピンキー
09/10/15 02:22:35 ywgw1+Jm
おお、さんくすエロい人

293:名無しさん@ピンキー
09/10/18 01:22:38 O9tBUqEY
保守!


294:名無しさん@ピンキー
09/10/20 17:11:36 7B01vMbT
しかしいいスレだ

295:名無しさん@ピンキー
09/10/21 01:01:15 Ct+pryFp
城壁のない国パロの続きが激しく気になる・・…

296:名無しさん@ピンキー
09/10/29 23:54:19 NvpKbJrN
保守

297:名無しさん@ピンキー
09/11/08 00:40:38 aKTxJVH2
上げとく

298:名無しさん@ピンキー
09/11/12 05:21:00 rrr1DKs9
㌧㌧

299:名無しさん@ピンキー
09/11/19 18:32:22 tMAEwMif
SAVE

300:名無しさん@ピンキー
09/11/24 00:24:56 pUG/b8Zu


301:名無しさん@ピンキー
09/11/25 16:40:59 XCGoXrBN
誰か時雨沢×雨沢を…

302:名無しさん@ピンキー
09/11/26 18:48:34 7B/Fbzdq
URLリンク(www.dotup.org)
パンチランキングの★のコメントを読んで、こういうのを想像しなかったヤツはいないと思うんだ
きっと★もホントはこういうのが描きたかったに違いないんだ
でもこれじゃあパンチランキングにならないから泣く泣く諦めたと信じてるんだ

303:名無しさん@ピンキー
09/11/27 17:21:50 GBoN1y/p
まず元画像がここであがってない
そのサイズで見たい

304:名無しさん@ピンキー
09/11/28 18:11:58 E6bIBMOp
ふぅ

305:名無しさん@ピンキー
09/12/04 20:31:55 aOJS/Ot2
あげます

306:名無しさん@ピンキー
09/12/06 12:46:10 eixxGE4Y
第四倉庫閉鎖してる!!!!!!!!!!
誰か犬×木乃のキャッシュをくれ・・・

307:名無しさん@ピンキー
09/12/12 08:06:39 cXmkPd6/
URLリンク(www.archive.org)
頑張ればよいでしょう

308:名無しさん@ピンキー
09/12/13 02:07:47 EqawUJY6
>Sorry, no matches.

オワタ 過去ログ巡るか・・・

309:名無しさん@ピンキー
09/12/16 13:05:25 ucw6xOlq
五時間書き込みがなければシズは陸の嫁

310:名無しさん@ピンキー
09/12/16 21:11:51 mlI29VP3
キノ「おめでとうございます、ロリコンストーカーさん。」

311:名無しさん@ピンキー
09/12/25 17:35:19 IBF0OrZv
リリトレSSが読みたい
保管庫閉鎖しちゃったんだねorz

312: 株価【---】
10/01/03 21:00:36 z77V5rdA
ほしゅめまして

313:名無しさん@ピンキー
10/01/06 13:05:08 yzKnY5tH
三十分キノ嫁

314:名無しさん@ピンキー
10/01/06 13:12:40 eY/0zejk
>>313
だが阻止

315:名無しさん@ピンキー
10/01/06 19:42:21 5gj1nZLj
いや多分、>>313の口座にお金を振り込むと、30分間キノがあなたのお嫁さんになるんですよきっと。

……とりあえず120分だとお幾らでしょう?

316:名無しさん@ピンキー
10/01/07 02:21:00 HqhSLF2N
三千万$。キャッシュで。早く

317:名無しさん@ピンキー
10/01/07 02:26:52 HqhSLF2N
さあ早く!2010/01/07(木)AM02:30がリミットですよ!キャッシュでですよ現金で!
ハリアップハリアップ

318:名無しさん@ピンキー
10/01/07 02:32:51 HqhSLF2N
残念ながらエウロス商会は閉じます
ご愁傷さまですがまた来年をお待ち下さい
それではノシ!

319:名無しさん@ピンキー
10/01/13 20:13:21 m1yiIwHa
キノ…キノウ…ナニシテタッケ

320:トレイズがリリアを騙しているようです
10/01/17 11:34:05 9YoLeC7m
「トレイズ私はじめてだから優しくしてね」
「あぁそうだなリリア、でも俺だって初めてなんだぞ」
「そうなんだ嬉しいな……」
「そうかありがと(なんてのは嘘でとっくに侍女相手に童貞なんざ捨ててるぜ)」

321:トレイズがリリアを騙しているようです
10/01/17 11:35:05 9YoLeC7m
「トレイズ……、ゴム使って」
「おいおいリリア、折角俺たちが初めて愛し合おうっていうのにゴムなんか使ってられるかよ、それじゃ俺たち二人が触れ合えないだろ」
「で、でも赤ちゃんが出来ちゃったら……」
「まかせろいざというときはちゃんと男としての責任をとるから問題ない」
「えっそれって……」
「なぁリリア愛してる生でいいだろ(いざとなったら責任持ってオロストコ紹介してやるよ)」


322:トレイズがリリアを騙しているようです
10/01/17 11:35:51 9YoLeC7m
「終わったのねトレイズ?」
「あぁそうだ、痛かったろリリア」
「うんでも平気、トレイズは気持ちよかった?あたしの体で気持ちよくなれた?」
「あぁお前の体は最高だぜ、そうだリリアもう一回しような、鉄は熱いいうちに打てといってなロストバージンした直後何回もすると名器になるらしいぞ」
「名器……トレイズが気持ちよく慣れるんだったらあたし頑張るね」
「いいか痛くても我慢するんだぞ(折角この日のために一週間禁オナしたんだ、あと五発はイカせて貰わないとな)」

323:トレイズがリリアを騙しているようです
10/01/17 11:36:42 9YoLeC7m
「いやよトレイズ、口でするなんて」
「おいおいリリア、人に散々クンニさせといてそういう話はないだろう」
「そ、それは……」
「おまけに三回もいっとて今更どの口がいうんだ」
「それは辞めてっていったのにトレイズが辞めてくれないからじゃ……」
「まぁとりあえずフェラいいよな」
「う、うん……」
「俺が出したらちゃんとごっくんするんだぞ、いいな」
「え、ごっくん……」
「俺だってリリアのラブジュースしこたま飲まされたんだ、リリアがごっくんする位当然だろ、それにごっくんするとな副作用で体に精液に対する免疫が出来て中出ししても妊娠しににくなるんだ知ってたか。」
「そ、そうなの」
「あぁそうだ(しかしコイツはまた騙しやすいな)


324:名無しさん@ピンキー
10/01/23 13:57:12 YsMnqAgE
アリソンとヴィルってどう考えてもあの時やってるよな

325:名無しさん@ピンキー
10/01/23 17:51:00 5k3xkguh
さすがに教会はないだろ
だが、その夜はそうだろうな
あの2人、味しめたら昼夜問わずやりまくりそう(。_。)

326:名無しさん@ピンキー
10/01/23 18:39:15 YsMnqAgE
スー・ベー・イルで不時着した晩とか
英雄さんがフィオナさんに出会う前とか

327:名無しさん@ピンキー
10/01/23 19:59:17 P9bPGkwk
逆にトレイズとリリアはいつになったらヤれるか分からんな
へたれなだけに

328:名無しさん@ピンキー
10/01/23 22:12:17 g3OSn0rZ
現行のメグとセロンもだな
主原因はセロン
下手こくと機能停止でEDの危険もあるし

329:名無しさん@ピンキー
10/01/24 11:59:16 Gx34iWM2
うーん
エロパロ的には積極的すぎるメグもいいかと
リリトレはリリアが確実に押し倒すだろ
ってか、時雨沢作品のオトコってヘタれ多くない?

330:名無しさん@ピンキー
10/01/24 16:23:49 /3W4Up+y
>>329
仕様です

331:名無しさん@ピンキー
10/02/01 17:58:47 EZc6IDWd
燃料が・・・

332:名無しさん@ピンキー
10/02/12 03:02:34 CCSTFmKQ
一年ぶりに来てみたけど、過疎ってるな

333:名無しさん@ピンキー
10/02/24 13:10:22 09A5Cfgk
HOSHU

334:名無しさん@ピンキー
10/02/26 19:32:20 9hazoMfw
牢獄[☆]牢獄

335:名無しさん@ピンキー
10/03/03 05:44:07 UNm+Gqjk
保守

336:名無しさん@ピンキー
10/03/03 17:52:17 OO5bTYBj
ちょっくら旅に出かけてくる

337:名無しさん@ピンキー
10/03/04 10:25:16 L8SWGGIK
>>336
新作出るまでには帰ってらっしゃい

338:名無しさん@ピンキー
10/03/04 22:16:08 f2s8nlLQ
帰っておりますw

339:名無しさん@ピンキー
10/03/04 23:24:13 aC0nuXwG
お帰りなさいませ旦那さま

340:SBI
10/03/09 01:29:16 d1NpOhcM
ずっと以前にこのスレでSSを投下させていただいていたSBIという者です。
諸々の事情で長い間書けずにいたのですが、久しぶりに投下させていただきます。
ネタは『アリソン』のヴィル×アリソンになります。
それでは、いってみます。

341:SBI
10/03/09 01:31:30 d1NpOhcM
窓から差し込む月明かりだけに照らされた寝室のベッドの上で、僕はただじっと目の前のアリソンの顔を見つめていた。
薄明かりの中で一層その白磁のような滑らかさを際立たせている肌を、蜜色の髪を、
まるで絵本の妖精でも見ているかのような現実離れした美しさを見せる彼女の幸せそうな寝顔を見守り続ける。
距離はおでことおでこがくっつくほどに近く、耳元には安らかなアリソンの寝息が聞こえてくる。
この首都の安アパートに引越してくるとき、アリソンがこれだけは譲れないと言って購入した広くて大きなダブルベッドの上で、
僕はアリソンの、一番大好きな、愛しい人の寝顔に心を奪われて時を過ごしていた。

……と、まあ、ここまでなら、いつもアリソンに朴念仁だとからかわれる僕でも理解できるほどロマンティックなシチュエーションなのだけど、
実は一つばかり重大な問題があった。
どうして、僕が眠りにもつかずにアリソンの事を見つめているのか、そもそもの原因は実は彼女にあるわけで……。
僕は今、ベッドの上で眠るアリソンに抱きつかれていた。
いや、抱きつかれていた、という表現では少し穏やかすぎるのだけど。
僕は昔から、アリソンの寝相の悪さを知っていた。
まだおばあちゃんの所に、『未来の家』にいた頃、アリソンはよく僕のベッドまでやって来て、
僕が読む色んな本をとなりで眺めて、これは何?とか、これはどういう事?とか、色んな質問や話をしてきた。
それは、僕にとっても楽しい時間だったのだけど、いつも元気いっぱいに外を跳び回って遊んでいるアリソンは、
自分のベッドに帰る前にその内、すやすやと僕の隣で眠り始めてしまうのだ。
いつも、そこからが大変だった。
なにしろ、アリソンの寝相はすこぶる悪い。
気持ちよさそうに眠るアリソンを起こすのは気が引けて、いつも彼女をそのままにして僕も隣で眠っていたのだけど、
そうすると大抵、寝ぼけたアリソンのパンチやキックが飛び出し、さらにはいつの間にか僕の毛布を自分の方に持って行ってそれにくるまってしまうのだ。
当然、毛布を奪われた僕は寒い思いをするわけで、夜中に見回りにきたおばあちゃんに何度も毛布をかけ直してもらったのを覚えている。
それでも、なんだかんだでアリソンの寝相に付き合ってしまったのは、
やっぱりその頃から僕自身意識はしてはいなかったけれど、心のどこかでアリソンに強く惹かれていたからなのだろう。
それは首都に越してきた現在もおんなじで、アリソンと良く『また昔に戻ったみたいだね』とその話題で笑い合ったりもした。


342:SBI
10/03/09 01:32:23 d1NpOhcM
ただ、そんなアリソンの寝相に慣れっこだった僕にとっても、今夜の状況はかなり苦しかった。
どうやら、アリソンは僕の事を毛布と勘違いして抱きついているようなのだけど………。
「うう……駄目だ。やっぱり抜け出せない……」
何度目かの脱出に失敗して、僕はため息をついた。
僕を毛布だと勘違いしてるせいだろうか。
今夜のアリソンの抱きつき方はかなり滅茶苦茶なものだった。
なにしろ、人の体ではなく、毛布を扱っているつもりなのだから容赦がないのだ。
僕の腕や脚、関節数カ所がアリソンによって完全に極められていた。
ハッキリ言って、痛いし、苦しい。
早く抜け出したいというのが正直な気分だ。
だというのに……。
「アリソン………」
また僕は知らず知らずの内に目の前のアリソンの姿に心を奪われてしまう。
間近に感じる彼女の体温、息遣い。
月明かりに照らされたアリソンは本当に美しくて、僕は痛いのも苦しいのも忘れてただそれに見入ってしまう。
学生時代、友人にもたくさんからかわれた事だけど、僕は男としてはどうやらかなり淡白な方らしい。
それでも、アリソンに対しては異性としての魅力を強く感じていたと思う。
抑えがたく、狂おしい欲望の存在も自分の中に感じていた。
だけど、この気持ちはそれだけじゃ足りない。
説明しきれない。
女の子としてのアリソンの魅力、それだけじゃなくて、僕がこれまで見て、感じてきたアリソンの全てが僕の心を熱く沸き立たせる。
このままずっと離れたくない。
心の奥で強くそう願う。
いつの間にか、僕がアリソンの腕から抜け出したい理由は変わっていた。
今、アリソンが僕にしているように、僕もアリソンを抱きしめたい。
ぎゅうっと抱きしめ合ったそのまま、世界の終わるその日まで、いや、世界が終わったってずっとアリソンの傍にいて、アリソンを感じていたい。
もちろん、それが無理な事なのは十分知っている。
世の中は危険と、理不尽に満ちている。
誰もがいつ命を落とすかわからない、そんな世界に僕たちは生きている。
軍人であるアリソンは余計にその事を強く意識していると思う。
ただの学生でしかない僕だって、いつ、どこで、どんな理由で死んでしまうか分からない。
だけど。
だからこそ。
僕はこの大好きな幼馴染の体を、存在を、ぎゅっと抱きしめてしまいたいのだ。


343:SBI
10/03/09 01:32:57 d1NpOhcM
「ん……うぅん…むにゃむにゃ……」
その時、アリソンが何か寝言をつぶやきながら、少しだけ体を動かそうとした。
たぶん、この機会を逃したら、チャンスは当分やって来ないだろう。
少し強引にだけど、僕は行動を起こすことにした。
アリソンが動いて出来た僅かな隙間から、体を捩るようにして腕を自由にする。
器用にアリソンに脚を絡められて、ちょっと危険な角度に曲がっていた自分の脚も同時に引き抜く。
「ううん……ん…」
力任せな部分もあったけど、何とかアリソンは起こさずに僕は両手両足を自由にする事が出来た。
そして……
「アリソン……好きだよ……」
背中に回されたアリソンの腕だけはそのままにして、今度は僕がアリソンの体を抱きしめた。
離さないように、離れないように。
華奢で柔らかな彼女の体を、鼓動が聞こえるぐらい強く抱き寄せる。
ああ、それでも、こんなに強く抱きしめていても、胸の中に溢れ出す僕の感情、
『アリソンが好きだ』というその気持ちは止まってくれない。
ずっと見つめていた。
ずっと憧れていた。
未来の家で出会ってからずっと、僕はアリソンにたくさんの物をもらってきた。
アリソンのくれる勇気が、優しさが、今の僕を形作ってくれた。
その思い出と、『好き』という気持ちを、こんな少しの言葉と行動でしか伝えられない、それがとてももどかしかった。
だから、僕は何度でも彼女の耳元にささやく。
「大好きだよ。……大好きなんだ、アリソン……」

そんな時だった。
「ん……んぅ……あ…ヴィ…ル……?」
閉じられていた彼女の瞼がゆっくりと開いて、その奥の透き通る青の瞳が月光を映しながら、ゆっくりと僕の姿を捉えたのは……。


344:SBI
10/03/09 01:33:50 d1NpOhcM
最初、目覚めたばかりのボンヤリとした頭で、私は
『ああ、これは夢なんだ……』
そう、思った。
強く優しく私を包み込むヴィルの腕のぬくもり。
耳元で微かに、でもはっきりと聞こえたその言葉。
だけど、それは夢じゃなかった。
「…アリ…ソン……?」
「あれ……ヴィル…?」
目を覚ました私にヴィルは少し驚いたような顔を見せた。
寝起きで頭の中がハッキリしない私は、その表情をボンヤリと眺める。
そして、次第に今の状況が現実のものである事を理解し始める。
「え……ヴィル…なんで?…どしたの……?」
「あ…うあ……その……」
なんだか気恥しさが猛烈な勢いでこみ上げてきて、顔がみるみる赤く、熱くなっていく。
月明かりだけが頼りの室内は薄暗かったけど、ヴィルの顔も同じように真っ赤になっていくのが私には分かった。
とりあえず、深く深呼吸してから、うわずってしまいそうになる声を必死で抑えつけて私はヴィルに尋ねた。
「えっと……ヴィル…な、何があったの?」
「それは……えっと……アリソンの寝顔を見てたら……その…」
そこから私はヴィルに現在に至るまでの事情を聞いた。
「う…うぅ……私、そんな事しちゃってたんだ……」
話を聞いた私は恥ずかしさに頭を抱えた。
自分の寝相の悪さは自覚してたけど、まさかここまでだとは……。
「ごめん…ヴィル……」
「ううん、僕の方こそ……その……アリソンの事を……」
ヴィルの言葉で私はもう一度、現在の私とヴィルの状況を思い出してしまう。
再び熱くなっていく心と体。
嬉しさと恥ずかしさが入り交じって、頭の中がぐるぐると混乱してしまう。
「ヴィ…ヴィルはいいのよ…今のこの状態だって、私のことが、その………『好き』だから、なんでしょ?」
「…………うん」
ためらいがちに、だけどハッキリとヴィルは答えた。頷いた。
それからしばらく、私とヴィルは二人して、無言のままお互いの顔を見つめ合っていた。
(うう……ドキドキする……)
今の私たちは恋人同士、きちんと想いを伝え合って、こうしていっしょに暮らしている。
今の私は、ヴィルに気持ちを伝える勇気を、チャンスを、なかなか持てなかったあの頃の私じゃあない。
だけど、今日のアレ。
あのヴィルの言葉と、ハグは違う。
心の奥底から堪えきれずに溢れ出したみたいな感情の流れ、その熱を私は確かに感じた。
「うう……ヴィルばっかり…ずるいよ……」
「アリソン……?」
私だって、言いたい。
伝えたい。
ずっと昔、出会ったあの頃から私の傍らにいてくれた優しい笑顔の男の子。
私だって、ヴィルが私に向けてくれる気持ちに負けないくらいの強い想いを持ってるんだから。
幾万、幾億、朝から晩まで『好き』だって言ったって、この気持ちを伝え切る事なんて出来ない。
ねえ、ヴィル、知ってる?
ヴィルが私に優しくしてくれた事。
私のわがままにいつも笑顔でついて来てくれた事。
そうやって一緒に過ごす内に私の中で育っていった大事な想い。
それが今の私をつくった。
ヴィルが、私を私にしてくれたんだよ?
どんな行動も、言葉も、この気持ちを伝えるには足りない。
だけど、胸の奥で燃える炎が、私の背中を強く強く押し出す。
「ヴィル…私だって……同じなのよ……」
「アリソン……あ……」
ヴィルの唇に、自分の唇をそっと重ねた。


345:SBI
10/03/09 01:34:34 d1NpOhcM
最初は戸惑っていたヴィルだけれど、やがて私を抱きしめるヴィルの腕にぎゅーっと力がこもるの感じた。
私もそれに応えて、ヴィルの体を思い切り抱きしめて、熱く強くヴィルの唇を求め、舌を絡ませあった。
混じり合う唾液は私たちの体温まで交換してしまうみたいで、私とヴィルの体は互いの熱でみるみる熱くなっていく。
ときに息継ぎを忘れそうになりながら、私たちは夢中でキスを続けた。
自分の気持ちを伝えようと、相手の気持ちを感じとろうと、必死で、時の経つ事さえ忘れて………。
「んんっ……はぁはぁ……ああ……ヴィル…っ!!」
「…んっ…あ…アリソン……」
そして、長い長いキスをようやく終えてから、私たちはそのまま熱に浮かされるように互いの体を愛撫し始めた。
優しく私の体の上をなぞっていくヴィルの手の平。
その指先がなぞった部分が火傷しそうなほど熱く、じんじんと疼きはじめる。
「ふあっ…ああっ……ヴィル…あああっ!!!」
首筋も、うなじも、せなかも、胸も、おしりも、おへそも、私の体でヴィルの手の平が触れない場所はなかった。
私もヴィルに何度もキスをねだって、強く抱きしめて、全身でヴィルの存在を感じ取った。
「アリソン……アリソンの体…見たい……」
「私もヴィルの体、見たいよ……」
触れ合った体の熱を必死に押さえ込みながら、私とヴィルは一旦距離を置いて、互いのパジャマのボタンに手を伸ばした。
ヴィルの手が私のパジャマを、下着を、丁寧に優しく脱がせていく。
好きな人の指先で生まれたままの姿に戻っていく事にドキドキしながら、私もヴィルのパジャマを脱がせる。
やがて、私たちは一糸纏わぬ姿で向かい合った。
どちらかと言うと書斎派で、読書好きなヴィルだけれど、月明かりに照らされたその体を見ると、やっぱり男の子なんだなと今更ながらに思う。
そりゃあ、私の同僚の男たちに比べたら筋肉はないかもしれないけど、その優しい肩は他の誰よりも頼もしく感じられる。
「アリソン……きれいだよ……」
優しく微笑んで、ヴィルがそう言ってくれた。
正直、初めてのとき、私はヴィルの前で裸になるのを躊躇ってしまった。
どちらかと言うと細身なほうだけど、やっぱり私も軍人だから、体は鍛えられてる。
腕なんかはあまり太くならず、いい感じだと自分でも思ってる。
だけど、腹筋なんかはバキバキに割れてるわけじゃないけれど、その存在が分かるくらいには浮き上がって見える。
やっぱり男の人って女の子の体の柔らかくてぷにぷにしてるところが好きなんだと、そう思っていたから私はとても不安だった。
でも、ヴィルは言ってくれた。
「ほんとにきれいだ……アリソン……」
まるで、森の中で妖精にでも出会ったみたいな瞳に、ただ私の姿だけを映して、ヴィルは何度もそう言ってくれた。
私は思う。
他の誰から、何て言われたってぜんぜん構わない。
ヴィルが『きれいだよ』って、言ってくれるなら他の誰の言葉もいらない。


346:SBI
10/03/09 01:35:11 d1NpOhcM
「ヴィル…きて……」
「わかった…アリソン……」
そっと私のおへそに触れたヴィルの指先がつーっと肌の上を滑って、やがて私の胸元にたどり着く。
ヴィルは両手の平で私の胸を優しく揉みながら、何度も乳首を指先で刺激した。
じわじわと溶かされていくような気持ちよさと、時折走る電流のような快感。
私はたまらずにヴィルの肩に置いた手の平にぎゅっと力を入れる。
「アリソンの体、熱いよ……」
「ふあっ…ああっ…ヴィル…だって……すごく熱くなってる…」
ヴィルの唇が何度も私の肌の上に落ちてくる。
体中にキスの雨が降る。
ちろり、熱くて柔らかい舌先でつつかれて、なめられて、唇で肌を吸われる度に私は体をビクリ、震わせる。
「ひっ…あっ…ふああっ…ヴィル…だめ…へんになっちゃうよぉ……」
「…僕だって……アリソンに触れてるだけでおかしくなっちゃいそうだよ…」
ヴィルの手の平に愛撫されて、何度も声を上げて、私の心は快感と熱情の中に溶けて朦朧としていく。
そんな中で、私の瞳に曇ることなくハッキリ映り続けるのは、やっぱり目の前の愛しい人の存在だけ。
「…あっ…ひあああっ!!…ヴィルっ!…ヴィルぅうううっ!!!」
「アリソンっ!!……アリソンっ!!!」
ヴィルの手の平で徹底的に愛撫された胸はもうくちゃくちゃで、熱を持って溶けてしまうんじゃないかと錯覚するほど。
背筋の敏感な部分を何度も指でなぞられ、首筋に舌を這わされて、私は何度も背中を仰け反らせた。
それからやがて、ヴィルの指先は私の太ももの内側を何度もおずおずと撫でて、やがて遠慮がちに少しずつ私の大事な部分に近づいていく。
「アリソン……いい?」
「うん……」
その問いに、荒い呼吸の合間にそう答えると、ヴィルの指先はいよいよ私のアソコへと伸ばされていった。
「あ……あんっ!」
くちゅり。
溢れる恥ずかしい蜜で濡れたその場所に、ヴィルの指先がそっと触れた。
それだけで、背筋を駆け上って、全身に電流のような快感が走り抜ける。
入り口の浅い部分を何度も繰り返し、ゆっくりとかき混ぜていくヴィルの指先。
体中で一番敏感で繊細な場所、そこをヴィルに触れられている、愛撫されている事それ自体が私の体をさらに熱く変えていく。
「ひぅ…ああっ…やはぁっ!!……ああっ…も…や…ああああああっ!!!」
「アリソンのここ……すごく熱くてビショビショになってるよ……」
「ばかぁ…ヴィルのいじわる……ヴィルだから…ヴぃるにされてるから、こんなになっちゃうのよ……」
止まる事を知らないみたいに、愛液を滴らせる私のアソコ。
私は恥ずかしくなって、イヤイヤと首を振った。
「ごめん……でも、それは僕だって同じだから……」
「え……?」
言われて私はヴィルの、大きくなった男の人のモノを見た。
「僕だって…アリソンだからこんな風に……」
恥ずかしそうに視線を逸らしながら、そう呟いたヴィル。
私は手を伸ばして、ヴィルのモノに触れた。
「うあ…ア、アリソン!?」
「私にもさせて……ヴィル?」


347:SBI
10/03/09 01:36:14 d1NpOhcM
そうだ。
確かに想いの全てを伝え合う事はできないけれど、私たちはこうして互いの傍にいる。
気持ちいい事も、恥ずかしい事も、全部一緒に共有していく。
楽しいとき、苦しいとき、悲しいとき、嬉しいとき、いつだって隣に大好きな人の存在を感じてる。
たとえ遠く離れ離れになったって、それは変わらない。
ヴィルは他に代えられない、私の一番大事な人なんだから……。
「うあ…ああ…アリソンっ!…きもち…いいよ…」
「ふあっ…あはぁ…あ…ヴィル……ヴィルのゆびも…すごいよぉ……」
私とヴィルは互いの敏感な場所を、手の平で刺激しあった。
熱く硬くなったヴィルのモノを手の平で撫でると、ヴィルの体がビクンと反応するのがわかった。
(私の事を思って…こんなに熱くなったんだ……)
ヴィルの指の動きも激しさを増して、私のアソコをさらなる快感が駆け抜ける。
そんな行為を続けながら、私たちの体温は、胸に秘めた熱はみるみると、天井知らずに上昇していく。
やがて、どちらともなく見つめ合った私たちはコクリと頷き合って……
「アリソン…いくよ……」
「うん……ヴィル、きて……」
互いの気持ちを確かめ合うような深いキスの後、お互いの大事な部分を触れ合わせた。
私のアソコの入り口に感じる、火傷しそうなヴィルのモノの熱。
心臓は早鐘を打つように高鳴り、私たちの意識は目の前の相手だけでいっぱいになっていく。
そしてやがて、ヴィルのモノはゆっくりと私の中へと進入を開始した。
「ああっ…あっくぅうんっ!…あはぁ…ああああっ!!…ヴィルっ……うああああっ!!!」
「あ…うあああっ!…アリソンっ!!!」
奥へ奥へと進んでいくヴィルのモノ。
ヴィルの存在を自分の体の内側に感じて、私の全身が、心が喜びに打ち震える。
やがて、ヴィルのモノが一番奥まで到達したとき、私たちは溢れ出る熱と快感、
そしてそれ以上の愛しさに突き動かされて、互いの背中を強く強く抱きしめ合った。
「ふあ…ああっ…ヴィルっ!好きっ!!大好きっ!!」
「愛してるよ…アリソンっ!!!」
そして、狂いそうなほどの熱と快楽の中で、私たちは果て無く愛しあった。
ときに緩やかに、ときに激しく、突き上げてくるヴィルの動きの度に、私の中で稲妻のように白い光が弾ける。
私も無我夢中のまま、少しでもヴィルを感じようと、ヴィルの呼吸に合わせるように腰を動かす。
「あっ…うっく…アリソンっ!!」
「すごい…ああっ…ヴィルっ…きもちいいっ!きもちいいよぉっ!!!」
熱く固いヴィルのモノに体の奥からかき混ぜられて、くちゃくちゃにされていく。
お腹から全身に広がっていく甘い痺れに、意識はドロドロに溶かされていく。
恥ずかしさも何もかも投げ出して、快感にはしたない声を上げて、幾度となくヴィルの事を求める。
快楽の渦の中、何も考えられなくなった私の心が向かうのは大好きな人のところ。


348:SBI
10/03/09 01:36:45 d1NpOhcM
「ん…あ…ぷぁ…ヴィルっ!…ヴィルぅううっ!!!」
「あ…くぅっ…アリソンっっっ!!!」
そばにいる。
ここにいる。
大好き。
愛してる。
伝えきれない言葉を、想いを託して、私たちはひたすらにこの行為に没入する。
人と人が理解し合うのはとても難しい事。
同じ祖先を持ちながら、ずっと戦争を続けてきたこの世界の人間はみんな知っている。
私だって、ヴィルに好きだと伝えるまでどれくらいの時間がかかったかわからない。
だけど、想いを、情熱を、伝えようとするその事自体がきっと何もかもを変えていく。
溶け合い混じり合う激しい行為の中、私は自分に向けられたヴィルの気持ちを確かに感じていた。
「うあっ…あっ…はぁはぁ…ああっ…ヴィルぅ……」
「アリソンっ…アリソン……っ!!!」
さらに激しく、もっと熱く、行為は加速していく。
激しい快感に全身を貫かれ、私の意識は何度もホワイトアウトを繰り返す。
それでも、腕の中に抱きしめた、ヴィルの事だけは絶対に離さない。
ヴィルのモノが私の内側を擦り、その先端が一番奥の部分を叩く。
私の中で弾ける快感の爆弾に、私は何度も全身を痙攣させた。
その震える背中を、ぎゅっと抱きしめる優しい腕。
「ふああああああっ!!!…ヴィル…愛してるっ!…愛してるよぉっ!!!」
「僕もだよ…アリソンっ!!…愛してるっ!!大好きだよっ!!!」
互いの愛しい人の腕の中で、私たちは快感の螺旋階段を上へ上へと際限なく登りつめていく。
涙をこぼし、快感に打ち震え、恥ずかしい声を上げて、人つになった私たちの中に凄まじい熱が溢れ出してくる。
快楽と、熱情の炎が私たちの心と体を焼き尽くす。
全てが真っ白な光に弾けて消える意識の中、私は自分をぎゅっと抱きしめてくれるヴィルの腕の優しさを感じながら、絶頂へと昇り詰めた。
「うあ…アリソン…いくよっ!!!」
「あああっ…ひぅ…ヴィル…イっちゃうよぉ!!…ヴィルぅうううううううううううううっっっっ!!!!!」
瞬間、私のお腹の奥でヴィルの熱が弾けるのを感じた。
じんわりと広がっていくその熱さに幸せを感じながら、私とヴィルはそっとキスをした。
「今度は私がちゃんと起きてるときに、『好きだよ』って言ってね」
「うん…」
そう言って、私とヴィルは顔を見合わせてニッコリと笑い合ったのだった。


349:SBI
10/03/09 01:37:13 d1NpOhcM
それから一時間ほど後のこと。
衣服を直した二人は、スヤスヤと眠りについていた。
行為の疲れのせいもあるのだろう、アリソンの寝相は比較的穏やかで、
少なくともヴィルの毛布をはぎ取ったり、あまつさえヴィルを蹴っ飛ばしたりはしていないようだ。
その代わり、二人は互いに向きあって、手の平の指と指を絡め、おでこをくっつけたまま眠っている。
ヴィルも、アリソンも、二人の寝顔は本当に幸せそうなものに見えた。
ずっと昔から互いの事を想い、そばにあり続けた二人。
きっとこれからも、その絆が消える事はないのだろう。
時間も、距離も、たとえどんな物が遮ろうと、二人の間にあるものを断ち切る事はきっと出来ない。
「アリソン……」
「…ヴィル……」
夢の中で互いの名を呼んだ二人は、重ね合い握り合った手の平にきゅっと力を込めて、その温もりを確かめたのだった。

350:SBI
10/03/09 01:40:08 d1NpOhcM
ここまででお終いです。
これから、ときどきまた投下させていただく事になると思います。
アリソン好きなのでそっちにネタが偏ると思いますが、
時雨沢作品全般も好きなので色々描いていけたらと考えていますので、
どうぞまた、よろしくお願いいたします。

351:名無しさん@ピンキー
10/03/09 01:41:09 xOW3UPzG
GJ! なんか可愛かった

352:名無しさん@ピンキー
10/03/09 02:03:47 A0QZpXSL
ひっさしぶりにキタ━━(゚∀゚)━━!!

GJ

353:名無しさん@ピンキー
10/03/11 23:56:46 m6s/fiQf
イイヨイイヨ~
GJデスヨ

354:名無しさん@ピンキー
10/03/13 13:00:26 n7ba1HGp
>>350
ナイス!GJ!
最高でした!

355:名無しさん@ピンキー
10/03/13 17:29:16 HsBpgtOy
神がきた

356:名無しさん@ピンキー
10/03/14 21:16:00 3FQjYqzt
GJ!!
SBIさんおかえりなさい!

357:鬼畜なトレイズ
10/03/16 21:07:38 1yNuXjf9
ア「ただいま、リリアちゃん、ってこれは一体何を……トレイズ君?よね」
リ「……(泣)」
ト「何ってナニに決まってるでしょ、アリソンさん。女が裸で男がズボン下ろしてて他にナニがあるんですかね」
ア「えとその……リリアちゃんの服が破れてるし泣いてるじゃないの!」  
ト「女になった嬉し涙ってやつですよ、リリア処女だったから……。服?リリア初めてなのに感じまくって大変だったんですよ。まるで抵抗して暴れてるみたいでしたよ、それで服が破れたんじゃないですか?」
リ「(泣)……」
ア「そもそもその……なんでこんなことに……」
ト「それがですね、いきなりリリアが『私をトレイズのモノにして』って迫って来て……」
リ「わっわたしそっそんなこといってない……(泣)、一緒に勉強するって言われて…そしたらトレイズがいきなり…(泣)」
ト「おいおいさっきと話がちがうじゃねーのよ、また記念写真とってみるか?お前が女にしてもらった記念写真ならみんなが見たがること請け合いだぜ?」
リ「ひぃっ……(泣)」
キ「わかりゃいいんだわかりゃな、次から気をつけろよ」

358:名無しさん@ピンキー
10/03/16 21:16:29 1yNuXjf9
おっと最後はキじゃなくてトだったぜ

359:鬼畜なトレイズ
10/03/16 21:37:47 1yNuXjf9
>>357
ア「リリアちゃんトレイズ君一体どういうことなのちゃんと説明して頂戴」
ト「どういうもなにもね、見ての通りですよ。なぁリリアそうだよな」
リ「………」
ア「リリアちゃんどうなの、ママに話して頂戴」
ト「リリアの口からちゃんとアリソンさんに説明してあげて……ほらリリア(余計なコト話したら写真ばら撒くからな。さっきおれが言ったとおりにいうんだぞ)」
リ「……わ、わたしが『トレイズのモノにして』トレイズの事さそったの……全部私のせいなの……(泣)」ア「まぁリリアちゃんそうなの……、ママとヴィルの時もママからだったのよ……」
ト「すいません、アリソンさん。本当は僕が堪えなきゃいけなかったんでしょうけどリリアは魅力的だから……」
ア「気にしないでいいのよトレイズ君、悪いのは全部リリアちゃん。トレイズ君は若いんだもの仕方ないわよ。うちのリリアがトレイズ君のこと誘惑したんでしょ、悪いリリアちゃんね。トレイズ君リリアの事宜しくお願いね」
ト「すいません、アリソン。リリアの事は任せてください」
リ「……(だ、誰か助けて!)」


360:名無しさん@ピンキー
10/03/18 13:51:21 S/Upgg4s
まぁ忘れているようだがトレイズがこんなクズなら、
確実に絶対何が何でも否応なく、
ヴィルがトレイズを殺すなw

361:鬼畜なトレイズ
10/03/18 22:07:09 EHI/Yis1
リ「だ、誰!」
ト「よっ、僕だよリリア」
リ「ト、トレイズ!……なんで…」
ト「なんでって僕のリリアが体調不良で休んでるっていうからお見舞いにきたんじゃないか」
リ「か、帰ってよ!……」
ト「つれないなぁ、昨日はあんなに情熱的に愛し合ったじゃないか」
リ「な、なによ。あんなの只のレイプじゃない!」
ト「人聞き悪いこと言わないでよ、リリアだって気持ちよくなって僕に思い切りしがみ付いてたじゃないか」
リ「あ、あれはトレイズがおかしなクスリで無理やり……」
ト「ほら証拠の写真、リリアが気持ちよくなってるトコだよ」
リ「……」
ト「さぁ昨日の続きをしようか、ほらリリアパンツ脱いで準備して、言うとおりにしないと写真がどうなっても知らないよ、おっと上は脱がなくていいからね、今日は着たままするよ」
リ「だ、誰か助けて!」

362:鬼畜なトレイズ
10/03/18 22:42:03 EHI/Yis1
(ギシギシ)
ト「ほらリリア、もっと腰使って、ほらほら、僕がイカないと終わんないんだよ」
リ「……(泣)」
ト「さすがに三発目ともなると僕も粘っちゃうよ。ほらもっといい声で啼いて」
リ「(泣)……」

(ギシギシ)
ト「おっそろそろイキそうだよ、今日はこれで最後だからナカに出しちゃうよ~」
リ「いやっ!、ナカは駄目!ゆるして……(泣)」
ト「やだよぉ~、おっ……、イクッ…………たっぷり受け止めてね。……ふーっ気持ちよかったよりリアちゃん、又しようね明日もいいかな?」
ト「もういやっ……(泣)」

(コンコン)
ア「只今リリアちゃん、具合はどう?」
(ガチャ)

ト「やぁ!アリソンさん。リリアの具合ですか?中々よかったですよ、おかげで三発もしちゃっいましたよ」
ア「!? こっこれは一体……」
リ「ママ!……見ないで……(泣)」
ア「もう二人とも昼間から仕方がないわねぇ……」
ト「すいませんアリソンさん、僕も昼間からなんてどうかと思ったんですけどリリアがいきなりパンツ脱ぎ出したものでつい……」
リ「(泣)……(言うこと聞かないと写真ばら撒くって……)(泣)」
ア「まぁリリアちゃんたら泣くほど良かったのね。トレイズ君たら中々テクニシャンなのね。ママもヴィルには良く啼かされたもんだわ」
ト「そうだアリソン、これ今月分です」
ア「悪いわねぇトレイズ君、軍の給与って安いから助かるわぁ」
ト「いえいえホンのお小遣いですよ」
ア「いつもすまないわね、そうだ私の事は気にしなくていいからリリアの事ウンと可愛がってあげてね」
ト「それとイクス空軍に話がつきましたからこれで新型機に乗り放題ですよ」
リ「……誰か…誰か助けて!」

363:鬼畜なトレイズ
10/03/18 23:01:26 EHI/Yis1
ア「いらっしゃい、英雄さん」
ヴ「やぁアリソン、リリアは?」
ア「今日はトレイズ君とお出かけだから支度中なの。それより入って頂戴」

ト「おはようございます、アリソンさん」
ア「あらトレイズ君早いのね」
ト「すいません、待ちきれなくて」
ア「リリアちゃん、トレイズ君が迎えにきたわよ」
リ「お、おはようトレイズ……(ま、また今日も…)」
ト「リリア、今日も綺麗だね、トラヴァスさん、おはようございます」
ヴ「おはようございますトレイズくん、リリアさん。………」

ト「じゃぁリリア出かけようか、今日は映画だよ。時間が早いから公園を散歩してみようよ」
リ「え、えぇ……トレイズ……」
ア「いってらっしゃい、二人とも気をつけてね」

ヴ「ねぇアリソン、なんだかリリアの様子がおかしくなかった?」
ア「あら、やっぱり娘のことが心配?」
ヴ「いやまぁ……」
ア「トレイズ君とのことで色々あるみたいよ、でも娘のコトは女親のわたしに任せておいて頂戴」
ヴ「いやでもリリアが…」
ア「女は女同士よ。そんなことより…ほら…せっかくあの子たちが気を使って二人きりにしてくれたんだし」
ヴ「ア、アリソン!」

ヴ「……ところでリリアはトレイズ君と付き合ってるそうだけど……一体どのあたりまで」
ア「さっき公園に散歩に行くって言ってたじゃない」
ヴ「いや、そっちじゃなくてその…AとかBとかC……」
ア「あぁそっちね、ちゃんと全部済ませたみたいよ」
ヴ「け、けしからん、まだ学生なのに!」
ア「もう学生でしょ(とんだ親バカね…)、わたし達の時だってあなたは学生だったじゃない」
ヴ「あの時はアリソン……君が無理やり……」
ア「なに言ってるの、私が痛いっていったのにそのまま続けて五回もしたのはどこの誰だったかしらね」
ヴ「いやその……」
ア「そんなことより…ほらもう1回よ、」
ヴ「あぁちょっと疲れてて……」
ア「ちょっとしっかりしてよ……しかたないわね。そうだ! ちょっとまってなさいよ」

ア「どう?」

ヴ「どうって…アリソン…それは…」
ア「体操着にブルマーよ、これ着てするとすごく興奮するってフィーが教えてくれたの。スー・ベー・イルでも流行ってるそうだけど知らないの?」
ヴ「えっ聞いたことないよ」
ア「まぁあなたはまじめだからしかたないわね、……でどう? むらむらしてこない?」
ヴ「どうって……、まぁその………」
ア「もうじれったいわね、さっさとはじめるわよ。設定は部活の先輩と後輩ね」
ヴ「ア、アリソン。それよりそれは一体どこから」
ア「リリアのよ、あとで洗って戻しておくから英雄さんは好きなだけかけていいのよ、さぁ来て……」


364:鬼畜なトレイズ
10/03/18 23:26:57 EHI/Yis1
リ「だ、駄目よこんな公園でなんて……」
ト「大丈夫、誰もきやしないよ」
ト「お外でスルはなんて開放的で気分がいいよね、ほらリリアそこに手をついて足開いて……」
リ「……(ほんとは嫌なのに…でも逆らえない……)」

ト「これってアオカンっていうんだよ、リリアのナカは柔らかくてあったかくて気持ちがイイよ~」
リ「…(こんなところ誰かにみられたら…)」
ト「そろそろイキそうだよリリア!、お外でしてても出すのはナカだよ」
リ「!(だ、誰か助けて!)」

365:名無しさん@ピンキー
10/03/19 10:46:57 ChzoLOMl
いかにエロパロとはいえ主要人物の性格がここまでかけ離れてるのはちょっと……

366:名無しさん@ピンキー
10/03/19 10:53:18 gmpctHfa
これ以上トレイズを下衆に書かないで

367:名無しさん@ピンキー
10/03/19 14:03:39 XmYjw6+X
いいぞもっとやれ

368:名無しさん@ピンキー
10/03/19 23:36:06 fa9QQBm7
いろいろいいたいけど。
アリソンはアホな人ではないよ?

369:鬼畜なトレイズ
10/03/22 13:02:51 J0OrveGG
ト「ほら、リリアもっと抵抗して!今日はレイプごっこなんだから真面目にやって!真面目にしないとナカにだしちゃうよ」
リ「い、いや!ナカはやめて!」
ト「そうそう、もっと抵抗して。ほらほら、真面目にしないとホントにナカに出しちゃうよ」
リ「い、いやぁ!」
ト「いいよいいよリリア!初めての時を思い出すよね。あの時はリリアすごく抵抗して……」
リ「ナ、ナカはいやぁ~」
ト「そうそう、そうやって嫌がるリリアをレイプしたんだよね、今となっては良い思い出だよ」
リ「い、いや~!」
ト「ん~、嫌がるリリアに無理矢理ナカ出しかぁ……イクよ、リリア沢山出すからたっぷり受け止めてや、おっ…でる…イクッ!」
リ「……(わ、わたし…またナカに出されて……)」
ト「ふ~、良かったよリリア。もっと派手に抵抗してもいいからね。嫌がるリリアの表情を見ながらレイプするのって凄くイイよね」
リ「だ、誰か、誰か助けて!」

370:鬼畜なトレイズ
10/03/22 21:36:28 J0OrveGG
ト「……どうしたのリリア」
リ「も、もうやめて……ナカにださないで欲しいの、私の体はトレイズの好きにしていい、でもナカに出すのだけはやめて、お願いよ」
ト「そうなのリリア、それじゃ、今日はこっちでしようか」
リ「そ、そこはお尻!」
ト「アナルだったらいくらナカ出ししても妊娠とか関係ないから出し放題だよ」
リ「い、嫌!」
ト「ほらリリア力を抜いて……これでリリアのバージンは前も後ろも僕のモノだよ」
リ「だ、誰か、誰か助けて!」

371:SBI
10/03/24 20:24:19 JykozXXr
SBIです。
キノ陵辱モノを書いてきました。
ですが、やたらと前置きが長くなってしまいました。
さらに、BADEND前提で書いていたのですが、脱出ENDも思いついて書いてみたら、さらに長くなってしまいました。
そんな作品ですが、読んでいただけると嬉しいです。

372:SBI
10/03/24 20:25:11 JykozXXr
荒れ果てた道を走り続けていたキノとエルメスが最初にその巨大な影を目にしたとき、
彼らにはソレが巨大な塔やビルディングにしか見えなかった。
「次の国って、きっとアレだよね、キノ」
「うん。前の国で集めた情報が確かならその筈なんだけど……」
空に向かって高く伸びる円筒形。
間近にまで近づいてみると、その表面には窓のような開口部が全く無い事が分かった。
神経質なまでに隙間なく積み上げられた石組みがソレを作り上げていた。
建築されてからどれほどの年月が経過しているのだろうか?
風雨に晒され続けてきたその壁面にはいたる所に風化が見られ、この建築物が完成してから長い年月が経過している事を物語っていた。
ここに至るまでの道中で目の前の国について様々な情報を集めていたキノは、この巨大な円筒が何であるかを知っていた。
「本当に、どんな人が、何を考えて作ったんだろう。こんな、とてつもない城壁を……」
神経質なまでの正確さで真円に限りなく近く形作られた、国中をすっぽり包む城壁。
その高さは、城壁が囲む円の直径の三倍以上もある。
高く高く積み上げられた石の壁。
それを呆然と見上げながら、キノとエルメスはその国へと向かう一本道を走っていった。

巨大な円筒の城壁に一箇所だけ開いた国の出入口。
薄暗い洞窟のようなその場所を抜けた先で、キノは入国の手続きを受けた。
暗い顔で俯く男に滞在の理由と期間を告げてから、キノとエルメスはついに城壁の内側へと足を踏み入れた。
「うわあ……暗いねぇ、キノ……」
「うん。まだ、昼間なのにこんなに薄暗い……」
全て、あまりに高すぎる城壁のためだった。
この国の中にまともに日光が入ってくるのは太陽が完全に南中している間の十数分だけ。
しかも、この地方の天候は曇りがちで、それが余計に暗さを助長していた。
薄暗い国の様子を反映したかのように、街行く人々の顔もまた暗い。
閉鎖的な環境故によそ者への警戒心が強いのか、住民達はキノの姿を見ると身を隠したり、駆け足でその場を去ってしまう。
「行商人のオッチャンが『あの国はやめとけ』って言ってたのも分かるよ。確かにこりゃ酷い」
「一応、旅人の為の宿はあるって聞いたけど……」
「……ねえ、キノ。この国でも、いつものルールに従うの?」
エルメスが心配そうに聞いた。
事前の情報収集でこの国の内情について、キノはおおまかな知識を得ていた。
唯一の神を信仰し、その教えの外にある外界の全てに対して暗く陰湿な憎悪を抱く国民達。
厳しい戒律が生み出すストレスが外からの旅人達に向けられる事もしばしばで、この国でリンチを受けて死んだ旅人も少なくない。
しかし、国から国を巡る行商人達など、目的地へ向かう途上、必要に迫られてこの国に滞在せざるを得ない者も僅かにいる。
今回のキノも、目的の国へと続く荒野を渡り切るために、中継地点としてこの国に立ち寄ったのだ。
しかし、それならば何も律儀に三日間も滞在する必要はない。
必要な物資を揃えたら、すぐにでもこの国を立ち去るのが懸命な方法だ。
実際、この国を訪れる旅人や行商人の滞在期間は決まって一晩きりである。
だが、キノには自分のルールを曲げるつもりはなさそうだった。
「うん。もちろん、いつも通り三日はここにいるよ。ただし、厄介ごとが起こりそうになったら、さっさと逃げ出すつもりだけど……」
「本気なんだね」
「たくさんの国に行って、たくさんの物を見る。そのための旅だからね。こういう国を経験しとくのも悪くないよ」
それからキノは携帯食料とエルメスの為の燃料を買いに街の商店を訪れたのだが、そこで明らかに値札の二倍以上の金額を要求され、それを支払う羽目になった。
(もちろん、キノは店主に対してしつこく抗議したが、最後まで彼はよそ者の旅人の顔を恨めしげに睨みつけるだけだった)
その後、この国唯一の宿泊施設に辿り着いたキノは、法外な宿代と引換に囚人の独房と見まごうような部屋をあてがわれた。
それでも、恐ろしいほどに冷え込む城壁の外で夜を過ごす事を考えれば、ぐっと堪えるしかない。
「ホント、何にもない部屋だね。キノ……」
「うん。粗末なベッドに汚れた毛布が一つきり。椅子もなければ、机もない。もちろんシャワーなんてある筈も無い」
「トイレも無いみたいだけど、大丈夫なの?」
「ああ、共用のヤツがひとつ、廊下の奥にあるみたい」
「良かった……」
「でも、宿の従業員用と宿泊客用に分かれてて……さっき見てきたけど、宿泊客のトイレはもうずっと掃除してないみたいだった……」
「あちゃ~」

373:SBI
10/03/24 20:28:46 JykozXXr
それから、キノは自分の荷物を探り、携帯食料を取り出した。粘土状のそれを口に放り込むキノを見て、エルメスが少し驚く。
「キノ、こんな国でも流石にソレよりはましな食べ物も買えるんじゃない?」
「実はさっきの買い物と宿代でボクの財布はもうピンチなんだ。
多分、外で食べたりしたら、また高い値段をふっかけられる。今回ばかりはこれで我慢するしかない……」
「つくづく不憫だね……」
「エルメス用のガソリンもあんまり質は良いものじゃないみたい……」
「いいよ、わかってる、キノ。もうこの国ではこれが仕方ないんだね……」
「ホントにね……」
暗い部屋の中、キノとエルメスは深い憂鬱の中でため息をついたのだった。

しかし、一晩明けたその翌日、キノとエルメスは予想外に充実した一日を送ることになった。
なにしろ歴史だけはやたらに古く、またとてつもない城壁を築くほどの建築技術を持った国の事である。
宗教関連の施設を中心に見所となる建築物が街中に存在した。ただ、よそ者であるキノはどの建物にも立ち入る事を禁止されていたが……。
「楽しそうだね、キノ」
「うん!これは一日だけの滞在じゃあ絶対に味わえない楽しみだからね。外からしか見られないのが残念だけど、どの建物も本当に凄いよ」
「うんうん!……あ、ほら見てキノ、あんなに高い塔が……」
「あ、本当だ!!」
エルメスと一緒にはしゃぎ回りながら街中を巡るキノ。一日ではとても全てを見終える事はできない、無数の建築物に彼らは夢中になった。
住民からの冷たい視線も、もう大して気にはならなかった。
「これで美味しいものが食べられれば、もう文句はないんだけどね……」
「そればっかりは仕方ないよ、キノ……」
たくさんの建物を見て回って、すっかりお腹をすかせたキノは国の中心にある広場の隅っこで、携帯食料をパクついていた。
石造りのベンチに座ったキノの視線の先には、例に漏れず巨大な建築物があった。
国内に幾つかある宗教施設を束ねる中央教会の建物。
並び立つ柱や壁、それに屋根のそこかしこに執拗なまでに大量で、精緻を極めた細工が施されたその威容は、
それを見上げるキノとエルメスを圧倒するものがあった。真ん中にそびえる尖塔は軽く150メートルを超える高さで、広場の人々を睥睨していた。この国の中核となる宗教の象徴として、それは抜群の存在感を放っている。
「……ところで、キノ」
「なんだい、エルメス?」
「教会ばっかり見てて気づかなかったんだけど、広場の真ん中のアレは何かな?」
エルメスに話しかけられて、キノは高々とそびえる尖塔から地上へと視線を下ろした。
「本当だ。何だろう?あれじゃあ、まるで猛獣を入れる檻じゃないか」
そこにあったのは、まさに檻だった。
透かし細工の施された鉄製の屋根を持つ、高さ3メートルほどの檻。
屋根の透かし細工はやたらと複雑で細かいものだったが、何やら恐ろしげな怪物が何体も描かれているらしい。
その屋根にはプレートがはめ込まれ、掠れて消えそうな文字で何かの言葉が刻み込まれていた。
キノは、それをポツリと口にする。
「”悪魔”……?」
その時だった。
「この悪魔めっ!!!」
「消えろ、悪魔!!災いを運ぶ怪物め!!!」
「うっ…ぐぁ…!!」
広場から少し離れた場所から聞こえてきた、野太い男達の叫び声。それに続いて聞こえた少年のものと思しき小さな悲鳴に、キノは立ち上がった。
「様子を見に行こう、エルメス」
「だね…」
緊張した声でキノとエルメスは言葉を交わして、悲鳴の聞こえた方へと向かった。
そこは広場へと通じる通りの一角だった。
そこに三人ばかりの男が小柄な少年を取り囲んで、罵声を浴びせながら殴る蹴るの暴力を繰り返していた。
周囲にはいくらか通行人もいたが、誰も男たちを止めようとはしない。
「たぶん、あの子はキノと同じ旅人だよ」
少年のそばには、荷物を積んだモトラドが横転していた。
「例のお国柄か……。出来れば関わり合いにはなりたくないところだけど…」
難しい顔で呟くキノだったが、無抵抗のまま男たちに足蹴にされる少年の姿を見れば、放っておくわけにもいかない。
「あの、すみません」
「あ、なんだァ?」
キノに話しかけられて、三人の男たちは不機嫌そうに振り返った。
「どういった事情かは知りませんが、そこまでにしておいていただけませんか?」
「何だ、よそ者。文句があるのか……?」
「そこの男の子、彼が何かしたんですか?落ち着いて話を聞かせてください」
そんな質問を口にしながらも、キノはおそらくこの暴力にさしたる理由はないのだろうと考えていた。

374:SBI
10/03/24 20:29:31 JykozXXr
彼らの顔は赤く、少し離れた距離からでもアルコールの臭いがプンと漂ってくる。
この少年はそんな彼らと運悪く目をあわせてしまい、言いがかりをつけられてしまったのだろう。
一方、男たちはいくら睨みつけても、声を荒らげても動揺する様子を見せないキノに心の内側で恐怖を感じ始めていた。
男たちの一人がその恐怖を振り払うかのように、キノを睨みつけながらこう言った。
「悪魔め……」
その言葉を聞いて、残りの二人も吐き捨てるように言う。
「そうか、こいつも悪魔か……」
「悪魔どもめ、調子に乗りおって…」
どうやら、彼らにとって気にくわないよそ者は全て悪魔、という扱いらしい。
一方、ジリジリと近づいてくる男たちを淡々とした表情で眺めながら、キノは内心に呟いた。
(計算通り、かな……)
相手の男たちは酒の酔いに任せて感情を高ぶらせているだけだ。
真ん中にいるリーダーらしき大柄な男に、最小限のダメージで、最大限の痛みと恐怖を味わってもらう。
それで彼らは蜘蛛の子を散らすように逃げていくだろう。
キノは近づいてくる男達に対して、自分も一歩踏み出し打って出るタイミングを計る。
だが……
「う…うあ……!?」
その時、真ん中の男が突然足を止めた。
彼の背後にはいつの間にか、さっきまで痛めつけていた少年が立っていた。
少年は男の上着の裾をぎゅっと掴んでいた。
その力は、小柄な体からは考えられないほどに強く、男がいくら振りほどこうとしても決して離れない。
「こっちの悪魔か……畜生、なめやがって……」
少年の行動は、男の怒りと恐怖、その両方を一気に増幅させた。
混乱した男は固く握りしめた拳を大きく振りかぶり、背後の少年に向けて殴りかかる。
だが、その拳は虚しく空を切り、そのまま少年の腕に絡め取られて……
「その人に手を出すの、やめてください……」
「が…ああああああああああああっ!!!!」
男は腕に見事に関節技を極められ、石畳の道に這いつくばった。
痛みはない。
だが、小柄な少年に押さえ込まれた男の体は、ピクリとも身動きする事が出来ない。
「オレが殴られたり蹴られたりするのは、別にいいです。……でも、他の人にまで暴力を振るわないでください」
少年は静かに、しかし、明確な怒りを込めてそう言った。
「この野郎、悪魔め!悪魔め!!!」
少年の体の下で、男は何度も毒づいた。
「てめえ悪魔、ダールを放せよ、悪魔っ!!!」
「畜生、よそ者め!……神を侮辱する悪魔めっ!!!」
残り二人の男達も少年に向けて大声で怒鳴ったが、先ほどまで自分たちが痛めつけていた少年の実力を知り、完全に怖じ気づいてしまっていた。
キノも少年の予想外の行動に驚いていたが……
「そうですね。悪魔であるボクたちはこの場を去った方がいいんでしょう」
「な……!?」
いつの間にか二人の男達の間に割り込んでいたキノが、彼らの片腕をそれぞれ掴みそのまま少しだけねじり上げた。
それだけで、鋭い痛みと共に彼らは全く身動き出来なくなってしまう。
それから、キノは少年にちらりと目配せをして
「これ以上この人達に迷惑をかけるのも悪いですから、すぐにこの場を離れましょう」
「は、はい……」
キノの言葉に少年は頷き、男の腕から手を放して自分のモトラドの所に向かった。
キノもエルメスのところに戻り、二人は一緒にその場を離れた。
ようやく開放された男達の体には大したダメージや痛みは残っていなかったが、誰ひとりとして立ち上がってキノ達を追いかける気力のある者はいなかった。

375:SBI
10/03/24 20:30:06 JykozXXr
「すみません、オレ、迷惑かけちゃったみたいで……」
「構わないよ。ボクが勝手に首をつっこんだ事だし……」
その内の、キノが宿泊している部屋で、キノはベッドに腰掛け、少年は壁に背中を預けて、二人は向い合っていた。
この国に旅人向けの宿泊施設はここしかないので、少年も当然この宿屋を利用する事になったのだ。
危機を脱出して改めて眺める彼の姿は、そこかしこに擦り傷や打ち身の跡が残り痛々しいものだったが、
本人は大したダメージだとは感じていないらしく、歩く足取りもしっかりとしたものだった。
キノよりも僅かに背が低く細身で、まだまだ成長途上らしいが、なかなか頑丈な体をしているようだ。
年齢はキノより少し下だろうか?
くしゃくしゃの赤毛の下でにっこりと笑うソバカス顔には、年相応の可愛らしさと同時に旅人としての精悍な表情が垣間見える。
どこか、旅を始めた頃の自分を思い出すような少年の顔を見ていると、キノも自然に微笑を浮かべていた。
そんな少年に向けて、エルメスがある疑問を口にした。
「ところでさ、君、かなーり強いみたいだけど、それなのにどうしてあんな奴らにやられてたの?」
「それは……」
少年があの三人から暴行を受ける羽目になった事情は、キノが想像したよりも少し複雑なものだった。
最初、彼が見つけたのは路上で乱暴を受けている女性の姿。
彼女は三人組の内、ダールと呼ばれた大柄な男の妻だった。
「それで、オレ、思わず二人の間に入って、あのオッサンを止めようとしたんです」
何発も何発も、女性の額が割れて流血を起こしても、殴るの止めようとしないダールの拳を少年は受け止めた。
しかし……。
「だけど、まさか奥さんの方から頭をブン殴られるとは思ってなくて……」
日頃から凄まじい暴力を浴びせられてきた女性にとって、ダールに対する恐怖心は絶対のものだった。
彼女はダールの標的が少年に移った事を敏感に察知して、自分を助けてくれた少年の後頭部を道端に落ちていた、崩れた石材で思い切り殴りつけた。
予想もしなかった方向からの衝撃にフラついた少年の体を、ダールは思い切り蹴り倒した。
そこに合流したのが、彼の飲み友達である残り二人の男達。
取り囲まれた少年は、三人の男達に好きなように殴られ、蹴られ続けた。
それでも、少年の腕前ならばその場を切り抜ける事はできた筈だった。
だが、流石に彼ら三人を傷つける事なく脱出するのは、少年にも無理だった。
別に、男達の身を案じた訳ではない。
入国してから僅か数時間で、既にこの国の国民性をまざまざ実感していた彼は、男達をむやみに傷つける事でどんな厄介ごとが起こるのか、それを恐れたのだ。
「だから、あなたに来てもらって本当に助かりました。あの時のオレには、ああやってやり過ごす以外、何も出来なかったから……」
「どういたしまして。だけど、君だってボクの身が危ないと思って、助けようとしてくれたじゃないか」
「いや、あれは……まさか、あなたがあんなに強いなんて思わなかったから……余計な事したんじゃないかって」
「そんな事はないよ。どうも、ありがとう」
そう言ってニッコリと笑顔を浮かべたキノの前で、少年は照れくさそうに顔を赤くした。
このあたりは、どこの国にもいそうなごく普通の少年である。
「あ、そういえば自己紹介がまだでしたね。オレ、ウォルターって言います」
「ボクはキノ、それからこっちのウルサイのがエルメス」
「あ、キノ、ひどい!!」
それから、ウォルターはハッと何かに気付いたように手を叩き
「そういえば、キノさんの目的地ももしかして、この国を越えて東に行った方にある……」
「うん。出発日も同じ明日。君の腕前も頼りになりそうだし、しばらくは一緒に行こうか」
「はいっ!!」
それから、嬉しそうに笑顔を浮かべるウォルターに、キノは手を差し出して……
「それじゃあ、これからよろしく、ウォルター君」
「よろしくお願いします、キノさん」
二人はぎゅっと握手をしたのだった。

376:SBI
10/03/24 20:31:05 JykozXXr
その夜遅くの事である。
広場の中央教会の扉を激しくノックする者がいた。
「誰です、こんな夜中に……」
「司教様!ダールです。助けてください!!助けてください!!!」
明かりを手にやって来た司教は、尋常ではないその声の様子を聞いて扉を開いた。
その向こうにいたのは……
「どうしたのです、ダール!!?その姿は……!!!」
「全部、悪魔が……悪魔が悪いんだ……悪魔がいなけりゃあ、俺はあんな事…い、い、いくら生意気な馬鹿嫁が相手だからって……!!!」
ダールの体は大量の血で赤く染まっていた。
そして、右手には同じく血を滴らせ、ところどころに肉のこびりついた包丁が一本。
彼が何をしてきたのかは一目瞭然だった。
この国の全ては教会を中心に回っている。
警察権も教会が握っており、責任者である司教のするべき事は決まりきっている筈だった。
だが……
「そうですか。悪魔が…悪魔があなたにこんな事を……ああ、ダール…哀れな神の僕よ…」
「司教様…俺は……俺は……っ!!!」
司教は誰か人を呼ぶ訳でもなく、かといってダールを拘束するわけでもなく、ただ血まみれの男の体を慈しむように抱きしめた。
「畜生!悪魔め!!アイツらがいなければ………!!!」
司教の胸の中、ダールはつい先ほど家の中で繰り広げられた惨劇を思い出していた。
全ては昼間出会ったあの二匹の悪魔のせいに決まっていた。
ダールが、自分の妻に暴力を振るうのは日常茶飯事の出来事だったが、今日の彼は一段と激しく怒り狂っていた。
悪魔は神の名のもとに全て消え去るべき存在。
それなのに、昼間の二匹は生意気にもダールとその仲間達に反抗し、あまつさえ彼を地面に跪かせた。
それから度々悪魔たちの顔が脳裏に浮かび、ダールはその旅に妻を殴って殴って殴り続けた。
ああ、今思い出せば、それも全て悪魔の邪悪な力だったのだ。
いつものダールなら、妻が動けなくなるまで殴るなんて事はしなかった筈だ。
妻がなすべき当然の務め、彼に料理と酒を用意し、娼婦のいないこの国で彼の性欲を満たすという義務を果たすためには、最低限、妻は生きて動いていなければならない。
だけど、殴られ続けた彼の妻はマトモに立ち上がることさえ出来なくなり、ダールは自分で夕食を調達しなければならなくなってしまった。
いつもなら妻が秘密の棚から運んでくる酒も(本来、この国で酒はご法度なのだ)、自分で探さなければならなかった。
やっとのことで見つけ出した酒をコップになみなみと注いで飲み干すと、また昼間の惨めな記憶が蘇ってきた。
彼はチラリと部屋の隅の壁によりかかって、崩れ落ちている妻を見た。
この不愉快な感情を鎮めるためには、まだまだ妻を殴らなければならない。
ダールは椅子から立ち上がり、拳を握りしめて妻の下へゆっくりと近づいた。
固く固く力を込めたこの拳を、妻の脳天にでも叩き込めば、きっとこの苛立も紛れるはず。
そう思って、彼が拳を振りかぶったその瞬間の事である。
「もう…やめて……ゆるしてください、あなた……」
その一言がダールを激昂させた。
妻が、自分に絶対に服従しなければならない筈の妻が口答えをした。
「うぁああああああああああああああああああっ!!!!!!」
ダールはまるで駄々っ子のように両手を振り回して、妻の体を徹底的に打ち据えた。
だが、その合間にも
「ぎゃん!…ぎぃ!!…や…やめて…がぁああっ!!!…やめて…あなた…許して……ひ…ぐぼぉ!!!」
「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい………っ!!!!!!!」
妻の発する悲鳴や言葉の一つ一つが、ダールの怒りのボルテージを上げていった。
そして……
「やめて…あなた……もう痛いのは嫌…痛いのは嫌なの……っ!!!」
頂点にまで達した怒りを抱えてゆっくりと立ち上がったダールは台所へと向かい、
「ひぃいいいいいっ!!!!」
その手に握りしめた包丁で
「やめて!お願い殺さないでぇええええ!!!!!!!」
「うるさいって言ってるだろうがぁあああああああああああっっっっ!!!!!!」
妻の腹を深々と突き刺した。
………それから後の事はよく覚えていない。
気がつけば、教会の扉を叩いて、必死に司教を呼んでいた。

377:SBI
10/03/24 20:32:05 JykozXXr
「嫁は様子がおかしかった。いつもなら、俺にあんな事は絶対に言わないのに……」
「ええ、わかります。ダール、あなたの妻は悪魔に操られていたのです」
「それに俺だって、殺そうなんて考えちゃいなかったのに……」
「悪魔の手口は卑劣で邪悪なものなのです。……ダール、よく知らせてくれましたね」
「ああ、司教様……」
そして、全てを話し終え、泣き崩れたダールの背中を撫でながら、司教は険しい表情で呟いた。
「仇をとりましょう、ダール。この国の民はみなあなたの味方です。
討ち果たしましょう、悪魔を……っ!!!!汚らわしい”よそ者”を………っ!!!!」

日付も変わった深夜、ジャケット姿のまま汚いベッドに寝転がっていたキノはパチリと目を覚ました。
テキパキと各種装備品を身に付けてからコートを羽織り、部屋の隅で寝ているエルメスのエンジンタンクをポンポンと軽く叩いた。
「起きて、エルメス」
「キノ、何かあったの?」
辺りに漂う不穏な空気を察したのか、エルメスも珍しくすんなり目を覚ました。
「うん。様子がおかしい。外がざわついてる……」
キノが窓から外を覗くと、遠くに見える中央教会の上空がゆらめく明かりに照らされていた。
おそらくは、無数の松明の炎があの場所に集まっているのだ。
「やっぱり、昼の一件が原因かな、キノ?」
「いくらなんでも、とは思うけど、他に思い当たる事もないし、多分間違いない……」
キノは『森の人』を構えながら、一思いにドアを蹴破り廊下の外に飛び出した。
そこには旧式のライフルを構えた宿屋の主が一人。
彼は突然飛び出してきたキノに対処が出来ず、キノはその隙を見逃すことなく引き金を引いた。
その瞬間、響き渡る二発分の銃声。
宿屋の主の額に、腹に、それぞれ一つずつ風穴が開く。
驚いて振り返ったキノの視線の先には、同じようにパースエイダーを構えたウォルターの姿があった。
この少年もキノと同じ、国中を多う異様な空気に気付いたのだろう。
「予定より早いですけど、出国しなきゃいけないみたいですね。キノさん」
「うん。残念だけどね………」
二人はそれぞれのモトラドにまたがり、夜の街を走り出した。
だが、どこへ逃げても松明を掲げた大勢の住人たちが二人の姿を見つけて襲いかかってきた。
その数と勢いは凄まじく、足を止めれば最後、あっという間に彼らに捕まってしまうのは確実だった。
それでも、何とか街中を逃げ回っていた二人だが………
「まずいな……」
「まずいですね……」
キノもウォルターも険しい表情で呟いた。
二人に襲いかかる住民達の数と殺気は異様なものだった。
モトラドのタイヤにぶつけられようと、銃弾を浴びせられようと彼らは怯む素振りさえ見せない。
ただ、凄まじい憎悪のこもった眼差しをキノ達に向けて、二人を追いかけ、道を阻む。
マトモにぶつかれば、いかにキノとウォルターの腕が立つと言っても、到底凌ぎきれるものではない。
「とにかく、人目につきにくいルートを走って、住民とぶつかるのは避けて……だけど、キノさん、このままじゃ…」
「うん。この国の城壁の出入口は一つだけ。当然、もう待ち伏せされてる筈だ……」
キノ達を逃がしたくないのなら、そこさえ押さえれば事足りる。
出入口は非常に小さく、住民達の人数はキノとウォルターを大きく圧倒しているのだから。
パースエイダーを恐れる相手ではない事はもう嫌というほど理解させられたし、全員倒して進むには弾丸が足りない。
正に打つ手なしといった状況。
そんな時、ウォルターが何かを思い出したように顔を上げた。
「そうだ!そういえばオレの荷物の中に……」
「何、どうしたの?」
「何か良い手があるのかい?」
「忘れてた。オレ、スタングレネード持ってたんだ」
スタングレネード、協力な閃光と大音響で相手を麻痺させるための手榴弾である。
主にハイジャックや立てこもり事件で、人質などに被害を出さず敵を無力化させるために使われる。
本来、旅人が携帯するような武器ではなく、ウォルターも自分で使うつもりはなかった。
彼がそんなものを荷物に積んでいたのは理由があった。
ここに来る途中、ウォルターは野盗に襲われていた武器商人の一団を助けた。
危うく全滅しかかっていた武器商人とその護衛達は彼に感謝し、金銭はもちろん、食料や燃料、銃弾などをお礼として山ほど持たせた。
その中に、そのスタングレネードも混ざっていたのだ。

378:SBI
10/03/24 20:33:01 JykozXXr
「正直、使い道もないし、処分に困ってたんですけど、今の状況を打破するにはこれしかない……っ!!!」
恐らく、出入口の門を固めている筈の大勢の住民達もこれを使えば一気に黙らせる事が出来る。
「これなら何とかなるかもね、キノ……」
「うん、急ごう、エルメス……!!」
絶体絶命の状況から、脱出への光明を見出したキノ達は城壁の出入口門に向かってまっしぐらに走っていった。

裏道を縫うように進んで、ついに大勢の人間がひしめく出入口門の近くまで辿り着いたキノ達は、近辺の建物の陰に身を潜めていた。
「しかし、よくこんな近くまで何事もなく辿りつけたもんだよ……」
「何かトラブルがあった時のために、観光しながら道をチェックしておいたんだよ、エルメス。まさか、こんな大事になるとは思ってなかったけど……」
「なるほど、暗い中ですいすい道を走ってくから何かと思ったら、そういう事だったんだ」
ウォルターは既に自分のモトラドの後部に固定してある荷物の中から、件のスタングレネードを取り出していた。
「結構、門までは距離があるけど、大丈夫?」
「オレ、肩には自信があるんです。あれくらいなら問題ないですよ」
スタングレネードを使えば、門の周辺の住民達を黙らせる事は出来るだろうが、
同時にその閃光と音で他の場所からも異変が起こった事を知られてしまう。
素早く行動しなければ、あっという間に捕まってしまう。
キノとウォルターの二人はその瞬間に備えて呼吸を整える。
そして……
「…………っっっ!!!!」
ぐっと奥歯を噛みしめ、全身全霊の力を込めてウォルターはスタングレネードを放り投げた。
それは高く大きな弧を描いて飛び、出入口門の近辺を守る住民たちのど真ん中に落ちた。
そして、キノとウォルターが建物の陰に身を隠し、耳をふさいでしゃがみこんだ瞬間……
カッ!!!
目もくらむ光と音の衝撃が住民たちに襲いかかった。
「よし、行こう、ウォルター!!」
「はい、キノさん!!」
二人はそれぞれのモトラドにまたがり、スタングレネードにやられた住民たちのうずくまる中を掻い潜って走る。
遠くからさきほどの閃光や音を聞いて近づいてくる他の住民達の声が聞こえたが、二人は焦らずに門に向かう。
当然、門は重い鉄扉に閉ざされ、幾つもの鍵がかけられていたが、鍵の仕組み自体は単純そのもの。
ウォルターが周囲を警戒する中、キノが片っぱしからそれを針金一本で開錠していく。
「キノさん、追っ手が…!!」
「大丈夫、もう扉は開く!!」
門と真向かいの方向にある道から住民たちが飛び出してくる。
その人数、ざっと30人以上、彼らは手に手に様々な型のパースエイダーを持っていた。
しかし、キノ達を狙うにはまだまだ遠い。
その上、周囲にはスタングレネードにやられた住人達が転がっているのだ。
迂闊に引き金を引けばどうなるかは、子供にも分かる事だった。
ウォルターが彼らの足元に銃弾を撃ち込み、足止めをしている間にキノは扉を開いた。
脱出は目前、もう誰も二人を止める事はできない。
その筈だった。
だが…………。
「悪魔め!よそ者めっ!!!」
「死ねっ!死ねっ!死ねぇええええええっっ!!!」
「蜂の巣にしてやるっ!!!!」
おぞましい叫び声と共に、彼らは各々のパースエイダーを乱射し始めた。
「そんな…こっちの周りにはお前らの同胞がいるんだぞ!!?」
あまりの出来事に驚愕するウォルター。
素人の射撃がそう簡単に命中するハズはなく、彼らの放った弾丸はキノ達ではなく、周囲に倒れている住民達の命を奪っていった。
ちなみにキノ達の知る話ではないが、彼らの持つパースエイダーはほとんどが正当な取引で購入されたものではない。
かつてこの国を訪れた旅人や商人、その内、運の悪い何人かは住人とトラブルを起こし、さらに運の悪い何人かは命を失った。
住民達は旅人の遺品を奪い取る事を全く躊躇しなかった。
よそ者はみな悪魔、悪魔の手で遣い潰されるハズだった品物を救い出してやった、彼らにはそんな意識しかなかった。
そして今、激しく爆発したよそ者への敵意によって、彼らは同胞を巻き込む事さえ厭わなくなっていた。
いや、そもそも倒すべき悪魔以外、何も見えていないのか?
それでも相手は素人の集団、キノとウォルターは的確な射撃で相手を牽制し、脱出までもう少しのところまでこぎつけていた。
しかし、その時である。

379:SBI
10/03/24 20:35:02 JykozXXr
「な……!?」
住民の一団の中に、肩に担げるほどの大きさの筒状の武器を持ち出した男がいた。
型もかなり古く、手入れも全くされていないようだったが、それは間違いなくバズーカ砲だった。
それに気付いたキノが目にも留まらぬ早さで引き金を引き、男の胸を打ち抜く。
しかし、時既に遅し。男は息絶えながらも、既に引き金を弾いていた。
キノ達に向けられていた砲口は男の体が倒れるのに合わせてその上へとズレた。
そして、放たれたロケット弾はキノ達の頭上の城壁に命中。
凄まじい爆発と共にキノとウォルターの頭上から砕け散った石材が無数に降り注いできた。
重く硬い石の礫に体を打ち据えられ、キノとウォルターはその場に崩れ落ちる。
そして、二人の目の前で特大の石の欠片がウォルターのモトラドのに命中した。
転倒し、ひしゃげた車体から流れ出すガソリン。
そこにさらに降り注ぐ石とモトラドの車体がぶつかって起こった火花が気化したガソリンに火をつけた。
「うわぁああああああああっっっ!!!!」
爆発。衝撃。
そして自らの悲鳴を聞いたのを最後に、キノの意識は途絶えた。

それからどれくらいの時間が経過しただろうか?全身に走るズキズキとした痛みに、キノはようやく瞼を開いた。
「あれ……ここは?…そうか、ボクはあの爆発で気を失って……」
冷たい石床に無造作に転がされていた体を強引に起こして、キノは壁に寄りかかって座った。
改めて自分の置かれた状態を確認する。
手には年代物の大きな手枷。鉄球付きの足輪が両足にはめられて、身動きもままならない。
ついでに衣服の類は下着も含めて全て脱がされていた。
キノは体中のいたるところにナイフを隠し持っている。全ての武器を奪い取ろうと身体検査をしてみたら、服を全部脱がせる羽目になったのかもしれない。
まあ、年若い少女を裸にむいておいて、向こうがそれだけで済ますとも思えないが。
とりあえず、軽い打ち身や擦り傷以外のダメージがないのが幸いだったが、手足を封じられ武器も奪われたこの状況が最悪である事に変わりはない。
エルメスやウォルターが一体どうなってしまったのかも気がかりだった。
「それにしても、ここはどこなんだろう?」
部屋に窓はなく、片隅で燃えるろうそくだけが薄暗い空間を照らしていた。
ただ、耳をそっと澄ませると、頭上の方から聞き覚えのあるざわめきが聞こえた。
キノ達を追いかけていた住民の足音と、怒りと憎しみの声。
それが大勢集まっている。
「だとしたら、ここは……」
キノがつぶやいたその時、部屋の扉の鍵が開いて、一人の男が入ってきた。
「おや、もう目を覚ましていましたか。……流石に悪魔はしぶといようだ……」
白い法衣に袖を通した彼は、妻殺しの男、ダールの話を聞いてよそ者狩りを国中の住民に命じた張本人、中央教会の司教だった。
司教は蔑みの眼差しでキノを見下ろしながら、ゆっくりと近づいてくる。
「悪魔……あなたもボクの事をそう呼ぶんですね」
「そうだ。…お前は自分の引き起こした惨状を忘れたとでも言うのかね?」
「惨状……?」
その言葉の意味するところが、キノには全く理解できなかった。
この国から脱出を試みたときに、宿の主を含めた自分達に襲いかかってくる相手のいくらかを殺したのは事実だ。
しかしそれ以前の事、国中から追いかけられる事になった原因については思い当たる節がない。
昼間、三人の酔漢に絡まれていたウォルターを助けたとき、彼らの腕をひねり上げたくらいだろうか?
それだって、相手にはろくなダメージを残さなかった筈なのだけど。
「わからないか……まあ、冷血な悪魔ならば当然か。……ダール、入ってきなさい」
「はい、司教様……」
入ってきたのは先ほどキノが思い出していた昼間の酔漢の一人、そのリーダー格のダールだった。
さらに、彼に続いて怒りと憎悪に目をギラつかせた数名の男達が入ってくる。
ダールはキノを血走った目で睨みつけながら言った。
「てめえ…よくも…よくも俺の嫁を……てめえのせいでアイツはなぁ……っ!!!!」
「あなたの奥さん?ボクはその人の顔も知らないんですよ?」
「黙りなさい、悪魔め!お前がやった事はもう全てお見通しなのですよ!」
疑問に声を上げたキノに対して、司教は今夜ダールの家で起こった惨劇について説明した。
曰く、ダールとその妻は悪魔に惑わされ、最終的にダールが妻を手にかけるという最悪の事態に至ったのだと。
そして、それらは全て、悪魔であるキノとウォルターが引き起こしたのであると。
彼らの主張には何一つ根拠はなかったが、彼らは固くソレを信じているようだった。

380:SBI
10/03/24 20:36:04 JykozXXr
「理解できません。……明らかに彼が、ダールさんが自分で自分の奥さんを殺した。それだけの話でしょう」
キノは淡々とした口調で反論した。
恐らく、何を言っても無駄なのは彼らの憎悪の眼差しを見れば分かったが、それでもこんな理不尽を黙って受け入れる気にもなれなかった。
「てめえ…何を……それじゃあ俺が…この俺が全部悪いってのか!!?」
「待ちなさい、ダール。悪魔の挑発に乗ってはそれこそ向こうの思う壺です」
額に青筋を浮かべてキノに噛み付くダールを、司教の腕が制した。
「悪魔よ!我々を惑わそうと言葉を弄しているようですが、無駄な事です。お前たちはいつもそうだ!!!
心清く平和に暮らす我が国の神の子らを惑わし、凄惨な事件を起こすように導いておいて、自分は関係ないかのように白を切る。
だが、悪魔よ、心するがいい。我々はお前たち、神の敵を許しはしない。我々は神に代わりお前たちをふさわしい地獄に叩き落とす」
ゴミを見るような目でキノを見下ろしながら、高々と宣言する司教。
キノには、だんだんとこの国を動かしている仕組みが見えてきた。
閉ざされた国の中で国民が溜め込んだストレス、それがダールのやったような事件を引き起こす。
しかし、自らを選ばれた神の子と信じている彼らは、それを自分たちの同胞の罪と認めようとはしない。
タイミング悪くその場に居合わせた外部の人間を悪魔に仕立て上げて、その罪の全てをかぶせるのだ。
そして、ここぞとばかりに溜め込まれた不満、ストレス、怒り、その全てを『悪魔』に叩きつける。
この国に他の国との親交がほとんどなく、また旅人達は基本的に姿を消しても誰も怪しまない根無し草であるために、
今までこの事が明らかになる事がなかったのだろう。
どれくらいの頻度で起こる出来事なのかは知らないが、旅人の全員が被害に遭う訳ではないので、余計に人目につかなかったのかもしれない。
「さあ、ダールよ。お前の妻の味わった苦しみを、この悪魔にも味わわせてあげなさい」
「は、はい……司教さま…」
下卑た笑いを浮かべて、ダールが近づいてくる。
彼はズボンに手をかけて、その内側からギンギンにいきり立つ自分のモノを取り出した。
他の男達も同様に、息を荒らげながらキノに近づいてくる。
(裸にされてた時点で薄々気づいていたけど……やっぱり、これは……)
恐らく、この国においてよそ者、つまり悪魔は溜め込まれた住民達の欲望をぶつける事のできる極めて都合の良い存在なのだろう。
相手が悪魔だから、神に逆らう悪者だから、どんな事をしても罪にはならない。
彼らの頭の中で働いている理屈はざっとこんな所だろうか?
近づいてくる男達の発する濃厚で野卑な牡の臭いと、これから自分がされる行為を想像して、キノは体を強ばらせる。
(耐えなきゃ……耐えて、どうにかここを抜け出す隙を見つけなくちゃ………)
こうして、キノの地獄が始まった。

壁際で身を固めるキノに向けて、四方八方から伸ばされる男達の腕、腕、腕。
ゴツゴツとした手の平に手足を掴まれて、キノの体が強引に起こされる。
「この悪魔めっ!…よくも俺を馬鹿にしやがって!!…ゆるさねぇ!ゆるさねえ!!」
「…くぅ…うぁ……や…ん…んんぅ……ひぐ…んくぅううっ!!」
髪の毛をつかみ無理やり上を向かせたキノの唇を、ダールの口がふさぐ。
流れ込んでくる酒臭い呼気にむせ返るキノの口内にさらにねじ込まれる、ダールの舌。
顎を強く押さえられて、侵入してきた男の舌を押し返す事も出来無いまま、キノは口腔内を蹂躙される。
キノの小さく可愛らしい舌にダールのねっとりとした唾液に塗れた舌が絡みつく。
舌に限らず、口内粘膜の全て、歯列の隅から隅まで、あらゆる部分を舐め回され、ねぶられて、
キノは激しい嫌悪感に全身を戦かせる。
「……ぷぁ…あ…はぁはぁ……」
「はは…まだだぞ!まだまだだ!もっとしてやらなきゃあ、俺も、俺のダチも、みんな収まりがつかねえからなぁ……」
ようやく汚穢に塗れたキスを終えたキノの呼吸が整う間もなく、男達の手の平がキノの瑞々しい肌のあちこちに乱暴に触れた。
そこまで見届けると、司教はダールに声をかけ、一旦この場を離れる旨を告げた。
「どうやらこの悪魔、かなり強情な様ですから、役に立つものを持って来ます。それまでは、任せましたよ、ダール」
「おう、司教様!この悪魔に徹底的に神に逆らう愚かさを教えてやりますよ」
「ふふふ、その意気です。それでは、これで……」
そう言って、司教は部屋から立ち去った。
残された男達は抵抗する力を奪われた無力な獲物を前に舌なめずりをする。
一旦は壁際から無理に立ち上がらせたキノの体を、今度は冷たい石床の上に押し倒す。

381:SBI
10/03/24 20:36:49 JykozXXr
「……うぁ……くぅうっ!」
男達はそれぞれ手分けして、手枷に縛められたキノの腕を押さえつけ、足輪のはめられた両足を無理やりに押し開いた。
「…やめ……そんなとこ…見るな……」
「うるせえよ……それにしても、ろくに胸がないのに目を瞑れば、なかなか美味そうな身体じゃねえか!!」
「…ひっ…いやぁ…ああああっ!!!!」
ダールの両腕がキノの薄い胸をぐりぐりと乱暴に揉みしだき、先端の桃色の突起を痛いほどの力でつまみ上げる。
柔らかな肌を加減を知らない男の手の平に蹂躙され、その痛みにキノは細い体をビクンと仰け反らせ、身体を震わせる。
その反応に気を良くして、他の男達も次々とキノの身体にむしゃぶりついた。
「うあ…や…やめ……なめるな……そんな…ところぉ…うぁああああっっっ!!!」
キノの首筋に、鎖骨に、脇腹に、太ももに、男達の舌がねっとりと這い回り、絹のような肌に吸い付く。
ゾクゾクと全身を駆け抜ける嫌悪感にもがき抵抗するキノだったが、手足を封じられていてはどうにもならない。
キノの柔肌は次第に男達の臭気漂う唾液によって汚されていく。
「ひ…ぐぅ……いや…やだ……こんな…ボクは……」
「うるせえよ、悪魔!これでもしゃぶっていやがれ!!」
悲鳴を上げるキノの口にねじ込まれた、いきり立つ肉棒。
「歯を立てたら容赦しねえからな……」
「ん…んむぅ…んんっ……んんぅうううっっっ!!!!」
キノには男の言葉を理解する余裕もなかった。
男はキノの髪をつかみ、無理やり肉棒を咥えさせられたキノの頭を前後に激しく動かした。
口の中で脈打つ張り詰めた肉の塊がキノの口腔内を犯し抜く。
「ちくしょう…いい具合じゃねえか!!そろそろ射精すぞ!!一滴も零すな!全部飲み込むんだ!!!」
「んっ!?…んうぅうううううっ!!!?…ぷぁ…あああああああっっっ!!!!」
一際大きくビクンと脈動した男のモノの先端から、熱く生臭い欲望の奔流がキノの喉の奥めがけて放たれた。
勢い良く流し込まれる白濁液にむせ返りそうになるキノだったが、男がキノの頭を掴んだまま離さないので逃れる事が出来ない。
行き場を失った白濁液を無理やり嚥下させられ、キノは自分が身体の内側から穢されていくような嫌悪感を覚えた。
「この野郎、お前ばっかりずるいぞ!俺だってもう出したくてたまらねえんだよ!!」
「俺もだ!!」
「ああ、もう我慢できねえ!!!!」
その行動に触発されかのように、他の男達も自分のモノをキノの柔肌に擦り付けはじめた。
両腕を抑えていた男は、キノの手に自分のモノをにぎらせ、そのまま激しく擦り上げた。
手の平の中で上下に行き来する肉の感触は、次第に熱と硬度を増してゆき……
「そぉれ!!くらえ、悪魔!!!」
「うぁ…かけないで…くぅ…いやあああああああっっっ!!!!」
キノの顔面に白濁のシャワーとなって降り注いだ。
それに続いて他の男達もキノの身体を好きに使って、各々の快楽にふけった。
腋の下に自分のモノの先端を擦り付けるもの、肘や膝の裏に挟み込んで激しく腰を動かすもの、先ほどの男に代わってキノの口を犯す者もいた。
さらには陵辱の輪に入れず後ろで見ていた男達も、汚されてゆくキノの姿に興奮を覚え自らのモノを激しくシゴき始めた。
(うあ…あああ…ボクの体中で…熱くてドクドクしたのが…暴れまわってる……)
男達の獣欲をそのまま変換したかのような熱量にキノはただ戸惑うばかり。
やがて、男達の動きはクライマックスに達し、各々のモノの先端から白濁の粘液がキノの身体目がけて発射された。
「ひ…やだ…熱い…やあっ!!…熱いの…そんな…かけないでぇええええええっっっ!!!!」
「そりゃあ無理な相談だ!ほれ、こっちにも!!!」
「うあ…ああああああああっっっ!!!!!」
絶え間なく降り注ぐ男達の欲望のシャワーの中で、キノは白濁の泥沼の中へと沈んでいく。
立ち上る獣の臭いと狂ったような熱の中で、キノの意識は次第に霞んでいく。
「あ……ああ…ボク……もう………」
「ひはははは、悪魔にはお似合いの姿だなぁ、オイ?」
男達の欲望の玩具にされて、惨めな姿を晒すキノをダールが嘲笑った。
抵抗する力も奪われ、白濁に沈むばかりのキノには言い返すだけの気力もない。
旅人として時に自分の命を守るために激しい戦いに身を投じた事もあったキノだったが、
自らの人間性を否定されるようなこの激しすぎる陵辱はそれらの経験を凌駕する勢いでキノの精神力を削り取っていった。
それでも、瞳だけは下卑た笑いを浮かべるダールを強い眼差しで睨み返す。

382:SBI
10/03/24 20:37:50 JykozXXr
「ふん、まだ文句があるってのか?じゃあ、こっちをいじられるのはどうだ?」
キノの視線に気づいて不機嫌な表情を浮かべたダールの手が、キノの足の付け根の間へと伸ばされる。
「やめ…ろ……そこは…だめ……っく…うあああああっっっ!!!」
「ハハハハハ、流石悪魔だ!淫乱だ!!見ろ、みんな、コイツの股ぐらはこの通りの有様だぞ!!!」
乱暴にキノのアソコに突き入れられたダールの指がグチュグチュとその内部をかき混ぜた。
それから、彼は指を引きぬいてそこにまとわりついた液体を周囲の男達に見せつけた。
「なるほど、悪魔だな。こんな状況でも挿入れてもらいたいってのか」
「淫売め……だから外の連中は穢れているというんだ」
「違う…ボクはそんなことは……あ…ひあああああああああっっっ!!!!」
「口答えなんてさせるかよ、悪魔はそうやって喚いてる方がお似合いだ」
反論しようとするキノの言葉を遮るように、再びダールの指がキノの膣内に侵入する。
テクニックも何もない、ムチャクチャな指の動きがもたらす刺激にキノは何度も悲鳴を上げる。
「見ろ見ろ、どんどん濡れてくるぞ」
「結局、俺たちと似たような姿をしていても悪魔は悪魔なんだよな」
「似ている?コイツの目を見ろ?この邪悪な目、これと俺たちのどこが似てるってんだ!」
女性が膣から分泌する液体は、あくまで性交時の潤滑剤の役目を担うもの。
性的暴力に晒されたとき、自らの肉体を守るためにそれが分泌されるのは良く知られた仕組みだ。
キノもそれは十分に知っていた。
だが、そんな事はおかまいなしで降り注ぐ罵倒、嘲笑の言葉がキノの心を抉る。
まともな思考を許さない悪罵の連続が、次第にキノの思考を狂わせていく。
本当に自分が淫らな悪魔だから、アソコが濡れてしまっているのではないか?
いつしか、キノはそんな事を考えるようにさえなっていた。
「あっ…ぐぅ…もうやめ…ひ…ぎぃいいいっ!!!」
「鳴けよ、悪魔!!悪魔らしく、盛りのついた獣みたいに、鳴けってんだよぉ!!!」
「ぐぁ…あああああっ…ひぃううううっっっっ!!!!!」
グチャグチャと、粘つく音を立てながら激しくかき混ぜられるキノのアソコ。
敏感で繊細なその部分を、ダールのゴツゴツした指がかき乱し、内側から滅茶苦茶に破壊していく。
されるがままの状態で石床の上をのたうつキノの華奢な身体。
そこに振りかかる罵声と嘲笑。
キノの心と身体が軋みを上げる。
「うっ…くぅんっ!!…だめっ!!…も…いやだぁ!!!…ああああああああああっっっっ!!!!」
そして、一際大きな悲鳴と共に、糸の切れた操り人形のようにキノの全身から力が抜けた。
「あ…ああ……はぁはぁ……ボク…もう……」
息も絶え絶えのキノが薄暗い天井を見つめながら呟く。
しかし、ダールをはじめ男達は強悪な笑いを浮かべて、それを嘲笑う。
「何言ってんだ?悪魔め、お前のお楽しみはこれからだろう?」
その時、キノの耳にこの部屋に近づいてくる足音が聞こえた。
やがて、部屋の前まで辿り着いた足音の主は、部屋の扉をゆっくりと開き、中へと入ってきた。
「おお、司教様、待っていたぜ」
「ふふふ、悪魔への刑罰執行、ご苦労様です。例のモノを持って来ましたよ」
扉の向こうから現れた司教は古びたカバンを持っていた。
彼は部屋の隅の小さな机の上でソレを開き、何やらゴソゴソと作業を始める。
そして、作業を終えた彼が振り返ったとき、その手に持っていたものを見てキノは青ざめた。
「さあ、悪魔よ。お前の本性を暴いてやろう……」
毒々しい緑色の液体に満たされた注射器を持って、司教はニヤリと笑ったのだった。

目の前の突きつけられた注射器を見て、キノの全身を駆け抜けた危機感。
どんな類の薬品かは知らないが、アレがまともなモノの筈が無い。
キノは司教の顔を真っ向から睨みつけ、白濁の沼の中から身を起こそうとする。
しかし、周囲を囲む男達の無数の腕が、キノの身体を押さえつける。
「く…うぅうううっ…その注射…一体、ボクに何をするつもりなんです?」
「それはお前自身が誰よりも良く知っている事だろう、悪魔よ?いかに我々と同じように振舞っても、よそ者どもは皆悪魔。
その身の内側に隠した醜く浅ましい本性を隠す事は出来ない。……これはお前の化けの皮をはぐための薬なのだよ」
司教はキノの身体の傍に膝をつき、彼女の右腕に注射針を刺した。
チクリ。
僅かな痛みの後、ゆっくりと注射器の中にたっぷりと入った薬品が身体の中に流れ込んでくるのをキノは感じた。
「さあ、もうこれで誤魔化しは利かない。本性を見せろ、悪魔よ!!!」
勝ち誇った笑みを浮かべる司教。

383:SBI
10/03/24 20:41:41 JykozXXr
キノは全身に行き渡っていく薬の流れを感じながら、それが効果を発揮するその時に備えて身構えた。
何が起ころうと耐えて見せる、そんな覚悟を胸に歯を食いしばる。
だが………
「あ……うああ……何…これ?……あああああっ!!!…ボクの身体がっ!!!…うああああああああああっっっ!!!!」
次の瞬間、キノの全身に襲いかかったその衝撃に、そんな覚悟は粉微塵に砕かれてしまった。
身体の内側から迸る凄まじい熱量。僅かな空気の流れにさえ敏感に反応するようになってしまった素肌。
興奮しっぱなしの神経はキノの内側に宿る肉の衝動を煽り立て、理性をずぐずぐに溶かしてしまう。
さらに、薬品自体にかなりの不純物が混ざっているせいだろうか?
平衡感覚が失われ、頭の中がボンヤリとしてまともに思考出来なくなっていく。
ガチャリ。
音を立てて、キノにはめられていた手枷と足輪が外された。
あの薬を打った以上、もう無用の長物という事なのだろう。
確かに今のキノの全身からは完全に力が失われ、僅かな抵抗も出来ない有様だ。
「さて、それじゃあ、この悪魔にお待ちかねのモノをくれてやるとしようかね」
「くっひっひっひ!!ここまで待った甲斐があったってもんだぜ」
口ぶりから察するに、男達はこの薬の存在を知っていたようだ。
床の上で薬のもたらす激感に身悶するキノの前に、ダールがゆっくりと腰を下ろした。
「さぁて、悪魔。覚悟しろよ。もう演技は通用しねえ、悪魔らしい声で散々に啼かせてやるからなぁ……」
「やめ……あ……くる…な………」
途切れ途切れのキノの言葉など無視して、ダールはキノの秘所の入り口へと自分のモノをあてがう。
止めどなく溢れる愛液に濡れたその部分に、男の狂熱が触れただけでキノの全身をビリビリと電流のような感覚が駆け抜ける。
体の奥で騒ぎ出した何かが、『早くしろ!それを早くブチ込んでくれ!!』と激しく騒ぎ立てる。
(いやだ……こんなの…だめなのに……どうしてボクは…ボクの体は……!!!)
そして、キノのそんな心など無視して、激しく、強引に、ダールのモノがキノの秘所に肉の杭となって打ち込まれた。
「あ……ああああああああああああああああああああああああっっっっ!!!!!」
瞬間。
走り抜けたのは肉を割り裂かれる激痛と、それ以上の勢いで押し寄せる正体不明の感覚。
それは性的な快感に近いものだったが、その密度と破壊力は段違いのものだった。
例えるなら、大地を焼き尽くして流れて行くマグマのような、破滅的でさえある感覚。
赤い血を滴らせる秘所をダールのモノでかき混ぜられる度に、キノの中でそれが荒れ狂う。
「ほらよ!それぇ!思い知れ、悪魔っ!!」
「ひぃ…あはぁ…ああっ…ひゃめっ!!…くぅ…あああああああああっっっっ!!!!」
明らかに先ほどまでとは違った反応を見せ始めたキノに気を良くして、ダールはこれでもかと腰を叩きつける。
太く長く硬い、灼熱を帯びた肉杭がキノの膣奥を何度も叩く。
その度にキノの体中に火花の散るような凄まじい快感が爆ぜて、意識が真っ白に吹き飛ぶ。
「ひぅ…あはぁ…あああっ!!…こんなの…くるう…ボク……くるっちゃうよぉおおおおおっっっ!!!」
ボロボロと涙をこぼし、駆け抜ける快感の激流の中でただ叫ぶキノ。
それまで必死に堪え、押さえつけていたもののタガが外れ、彼女の心と体は陵辱の恐怖と快楽の狭間で泣き叫ぶ肉人形へと堕ちていた。
華奢なキノの体が壊れてしまいそうなほどの乱暴な突き上げも、今のキノの体にはたまらない刺激へと変換されてしまう。
なりふり構わず、髪を振り乱し、キノは嬌声を上げる。
「ああっ…うぁ…ひやぁああっ!!…かたくてふといのが…ボクのなか…かきまぜて…くちゃくちゃになってるぅ……っ!!!!」
「ようやく芝居をする余裕もなくなってきたみたいですね。悪魔よ、それがお前の本来の姿だ」
「や…ちがぁ…こんな…ボクは…こんなこと…いやなのにぃ……ひぃ!?…うああああああっっっっっ!!!?」
「だぁから、口答えするなって言っただろうが!!」
必死の思いで司教の言葉を否定しようとしたキノの声が、ダールの激しい突き上げによって断ち切られる。
乱れる意識、渦巻く地獄の快楽の中で、キノの心は何が正常で何が異常なのか、全てが混乱して判らなくなっていく。
(ひやら…こんなぁ……こんなのだめ…なのにぃ…ああ…またあついのがきて…ああ…うああああああっっ!!!)

384:SBI
10/03/24 20:43:44 JykozXXr
全身を貫く快感の電流、明滅する意識、自分さえ見失いそうな快感の連続はキノの抵抗の意思をガリガリと削り取っていく。
乱れに乱れるキノの反応に興奮したダールが何度も唇に吸い付いてくる。
キノに投与された薬は口腔内の感覚まで鋭敏にしてしまうのだろうか、絡みつく男の舌の感触さえキノの頭の芯をしびれさせる快感に変わる。
「あう…んくぅ……ぷぁ…ああ……はぁはぁ…ああああっっっ!!!?」
「どうだ?思い知ったか、悪魔め!!俺の怒り、俺の恨み、全部叩きつけてやる!!!」
既に許容量を遥かに越えた快楽を叩き込まれたキノの肉体を、ダールのモノがさらに抉り撹拌し滅茶苦茶にかき乱していく。
さらに激しさを増す腰の動きに耐えきれず、キノは無我夢中で自分を犯す相手の肩にしがみついた。
それはダールにとってキノとウォルター、二人のよそ者に与えられた屈辱感を雪ぐに足る優越感を与えた。
「ひはははは、結局何を言っても悪魔は悪魔だな。俺に抱きつくほどコレがいいのか、ええ?」
「ひや…ちが……ボクはそんなこと…んくぁあああっ!!…あっ!?…うあああ…も…これいじょ…はげしくしないでぇ!!!!」
否定の言葉も虚しく加速していくダールの動きに、もはやキノは為す術もない。
意識を何度となく塗りつぶす快楽の小爆発の中、キノはただ喘ぎ、嬌声を上げ、快楽の踊らされるだけの肉塊に変えられていく。
やがて、キノをさんざんに蹂躙し尽くした快楽の嵐は、彼女の心と体を粉々に打ち砕くべく最後の高まりを見せる。
「くふふ、さあ、射精すぞっ!!悪魔、てめえの腹の中を俺の精液でいっぱいにしてやるよ!!!」
「ああ、やら…も…やなのにぃ……ああ…なんれ…ボクのからだ…あつくて…だめぇ……とまらないよぉ!!!!」
とどめとばかりに激しく打ち付けられたダールの腰。
脈動する肉棒に膣壁を擦られ、膣奥を激しく叩かれて、キノの中で張り詰めていた糸がブツリと切れる。
心と体が弾けて消えていくようなかつてない快感の衝撃に意識が吹き飛び、キノはその中で絶頂を迎える。
「うああ…あああああっ!!!?…ボク…もう…ああっ…イクぅ!…イっちゃうよぉおおおおおおおおっっっっっ!!!」
キノの全身を駆け抜ける激しい絶頂感。
それに追い打ちをかけるように、ダールのモノが脈動と共に凄まじい量の白濁液を吐き出す。
男の獣欲が物質化した激しい熱の津波がキノの膣内を荒れ狂い、その刺激がさらなる絶頂の爆発をキノの体に巻き起こす。
「あ…あああ…出てる…出されてる!!?…こんな…あつすぎるの…たえられない…たえられないよぉおおおおっっっ!!!」
ダールがキノの体内に白濁を吐き出す度に、キノの全身が新たな絶頂感に打ち震える。
やがて、ダールが全ての欲望を吐き出し終えて、キノを解放したときには、彼女にはもう指一本動かす力も残っていなかった。
だが、しかし………。
「ふう、これで”俺の番”はお終いだ。みんな、待たせて悪かったな」
「何言ってやがる、悪魔に嫁さんを殺されたのはお前だ。お前が真っ先にしなくちゃ意味がねえ」
「まあ、ともかく、次は誰の番かってのが問題なんだが……」
男達の会話の意味するところがわからず、顔だけを僅かに起こしたキノにダールが冷酷に告げる。
「なんだ?俺だけで終わるとでも思ってたのか?」
「やだ…これいじょうされたら…ボクは…もう……」
「ああ、そうだなぁ。壊れるかな?狂っちまうかな?どっちにしても悪魔にはお似合いだ」
そして、ほくそ笑むダールの背後から、立ち上がった数人の男達がキノに近づいてくる。
「ああ…う…くるな…ボクに…ちかよるな……」
「へへへ、さっきまでダールに抱きついてひぃひぃヨガってた奴の台詞じゃないぜ、それは」
無理やり起こされたキノは一人の男の上にまたがるような体勢でゆっくりと体を下ろされていく。
秘所にあてがわれた肉棒がこれ以上侵入してこないように必死で足に力をこめるが、
他の男達に無理やり肩を押さえつけられて一気に男のモノに身体を貫かれる。
「ひ…うあ…あああっ…こんな…さっきイったばかりなのに……ああ…いやぁ!!!」
先ほど、凄まじい絶頂に打ちのめされたばかりのキノの身体はあまりに敏感になり過ぎていた。
再び自分の中を満たした男のモノの存在感に、キノは半狂乱で声を上げる。
だが、欲望に狂った男達はその程度では止まってくれない。
「お、おい?こんな小さな穴に、本当に入るのかよ?壊れちまわないか?」
「壊したって構わないだろう?なにせ、コイツは悪魔なんだ」
「ああ、ダメ…そこ…ちがうのに……あ…ひぐ…うぅううううっっっ!!!?」

385:SBI
10/03/24 20:44:33 JykozXXr
再び自分のアソコに挿入されたモノ、その刺激だけで意識が飛びそうなキノを男達はさらに責め立てる。
キノの後ろの穴、本来、排泄の用途に使われるそこに熱く硬い怒張が押し当てられる。
キノが男の意図を理解する間もなく、きゅっとすぼまったその部分に背後の男は自分のモノを無理やり押し込んでいく。
男のモノにまとわりついた精液がいくらか潤滑剤の役目を果たしたが、
本来外からのものを受け入れる場所でもなく、またそんな大きさのものが通過する事もできないその部分が、強引な挿入に対して激しい苦痛を訴える。
「あ…うぁ…ひぎ…ぃいいっ!!?…やめて…こわれるぅ!!…おしり…こわれちゃうううっっっ!!?」
「壊しても構わないって、さっきの俺たちの会話は聞こえてただろ?それ!!!」
「ひぐぅうううううううっっっ!!!?」
引き裂かれるような痛みに、キノはただ全身を震わせるしかなかった。
だけど、そのハズなのに………
(なんで…こんなの痛いだけなのに…苦しいだけなのに……)
謎の薬品に侵されたキノの身体はまともに苦痛を感じる事さえ許してもらえない。
血の滲むような強引で無茶な挿入に軋む後ろの穴が、次第に怪しげな熱を帯び始める。
痛いのに、苦しいのに、熱くて、ただ熱くて、その熱が恋しくて、激しく突かれる度にキノの口から我慢できずに声が漏れる。
「あっくぅ…うあ…おしり……ボクの…おしりが…こんなぁ……ひあああああっっっ!!!」
「くひひひ、何だかんだ言っても結局は淫乱だなぁ?ケツを掘られるのがそんなにいいかよ?」
「ああ…やめ…やめて…そんなにかきまぜないで…ああっ!…ひうううううううっっっ!!!」
下から、背後から、前後の穴を滅茶苦茶にかき回される激感。
下半身に渦巻く快楽の泥流に飲み込まれて、無力なキノはただ泣き叫び、喘ぐ。
男達が腰を激しく叩きつける毎に意識は粉々に砕かれ、空虚な心の隅から隅までをこの狂った官能が満たしていく。
絶え間なく続く陵辱の中で、キノは着実に男達の望む、肉の人形へと堕ちていこうとしていた。
「ほら、まだ口が余ってるだろう?」
「その両手も使わないと、勿体無いよなぁ?」
「はぁ…うぶ…んんぅ…んっ…んくぅううううっっっ!!!?」
無理やり顔を横に向かされて、呼吸をするだけでやっとの状態だったキノの小さな口に男のモノが押し込まれる。
ガクガクと揺れる身体を必死で支えていた両手にも、男達の怒張を握らされる。
「ほら、しゃぶれよ?もうやり方は分かってるだろ?」
「はむぅ…んんぅ…んっ……くぅんっ…んぷぅあああっ!!!」
朦朧とする意識の中で、キノは男達に促されるままに、差し出された肉茎をしゃぶり、しごき上げる。
口の中を満たし、手の平を焼く熱の塊と存在感はキノの心を蝕み、その虜に変えていく。
男達の欲望が生み出す狂熱の中、旅人『キノ』と出会い、師匠の下での修行を経て、長い旅の中で築きあげてきた少女の全てが壊されていく。
暴力的な快楽に全てを押し流され奪われたキノは、ただひたすらに自分の身体に突き入れられ、肌に触れる肉の感触だけを求めるように変えられていく。
(ああ……もうボクは…このままじゃ…ボクでいられなくなる………)

386:SBI
10/03/24 20:45:03 JykozXXr
熱い。
何もかもが熱くて、熱くて、ただそれだけがキノの感じる全てになっていく。
キノを犯す脈打つ肉の棒も、キノ自身も全てがただ一つの欲求を満たすためだけに動き続ける肉塊だ。
迸り、脳を焼く快楽に溺れて、キノは自分自身を見失っていく。
「くっ…そろそろ出すぞ!膣内で受け止めろよ、悪魔!!」
「俺もだ!!腹の中がたぷたぷになるまで注ぎこんでやるよ」
「俺ももう限界だ!」
「たっぷりぶっかけてやる!!」
「飲みきれないほどくれてやる!身体の中も外もドロドロになりやがれ!!!」
限界間近の男達がそれぞれに唸り声を上げた。
やがて、脈動と共に吐き出された汚液は、キノの顔を、身体を、口腔内を、腸を、そして膣内を濁った白の津波で覆い尽くした。
ドプッ!
ビュルルルルルルッッッ!!!!
ドク…ドクドクドクッッ!!!!
口から、アナルから、アソコから、怒涛の如く押し寄せる粘液。
獣の臭いに満ちた白濁のシャワーがキノの身体を隅々まで汚し尽くす。
視界の全てが真っ白に埋め尽くされて、頭の中まで白濁液に満たされていくような錯覚を覚える。
降り注ぐ熱の中でキノの身体は高みへと登りつめていく。
それに抗おうとする僅かな理性も、白濁の快楽に押し流されて消える。
「うあ…ああああっ!!?…また…きちゃう…あああっ!!…ボクは…もうっ!!…うあ…あああっ…イクぅううううっ!!!イっちゃうううううううううっっっ!!!!」
精液のシャワーを全身に浴びながら、はしたない声を上げて、キノは絶頂へと達した。
弓なりに反らした身体がビクビクと痙攣し、やがて凶悪すぎる快感に耐えきれずキノの身体は石床の上に崩れ落ちた。
焦点の定まらないうつろな瞳には、もはや以前の輝きは残されていない。
輝きを失った瞳で虚空を見つめながら、キノはただぜえぜえと荒く息を切らす。
しかし、そんなキノの姿をニヤニヤと笑いながら見下ろしていたダールが、こんな事を言った。
「おいおい、悪魔がこれぐらいでへばってどうするんだ?お前への罰はまだ始まったばかりだってのに……」
「えっ……?」
訳も分からないまま、僅かに頭だけを起こしたキノの眼前で、ゆっくりと部屋の扉が開いていく。
そこにいたのは、欲望に濁った瞳でキノを見つめる十数名もの男達。
「うあ…あぁ……」
「さあ、続きを始めようか……」
冷酷に告げるダールの言葉。
もはや、キノに残されているのは延々と続く絶望だけだった。


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