[QMA]クイズマジックアカデミーでエロSS!七回戦at EROPARO
[QMA]クイズマジックアカデミーでエロSS!七回戦 - 暇つぶし2ch52:1/4
08/08/14 12:27:59 6IkSNmvx
鬱蒼とした森の中、枝を払い藪を踏み越えつつ進む一つの人影。
「なんて事…ついこの間までは、こんなじゃなかったのに」
日の光を覆い隠す程に勝手気ままに成長する草木。今はそれに加えて空気がおかしい。
森全体に漂う一種の瘴気が植生を狂わせ、この世ならざる者の跋扈を許す。
一呼吸ごとに、自らの精神までもが少しづつ侵されてゆく、そんな気すらする。
後悔。現状の把握が遅れ、いつもの調子で生徒をクエストに送り込んでしまった不覚。
「本当にこんな森の奥深くへ…?」
しかし彼女が手にしている杖は、その先端から淡い光を一定の方向へ指し示し続けている。


ルキアが「闇の森」で消息を絶ってひと月。誰もが生存の望みを失いかけていた時。
「遺品」を整理するため寮の個室を開けた担任のエリーザは、一つの発見をする。
愛用の杖が光っている。あの日に限って置き忘れて行った大きな樫の杖。
その光は一つの方角を指していた。ルキアが姿を消したあの森を。互いを呼び合うように。
「…あの人の直感は、本物だったのかもしれないわね…」

新学期。就任当日、杖を携えたルキアを初めて見た彼女の驚きはただ事ではなかった。
「何故あなたがこれを!?この杖は…」
「昔通りがかりの賢者様がくれたんです。これはお主と共にあるべきだ、とか言って。何の事か解らないけど」
「そう…」
その通りがかりの賢者を、彼女は知っていた。かつてアカデミーで教鞭を執った先生。彼女はその生徒だった。
あの時先生は、この杖を「伝説の五賢者が創り上げた特別な魔道具」と教えた。
「迂闊に他人の手に渡って悪用されたら大変な事になる、適切な護り人が必要だ」とも。
それほどの代物を、初対面の小娘に簡単に渡してしまえるものだろうか? それともこの子が…?
「…エリーザ先生?この杖の事、何か知ってるんですか?」
「これは、あなたが思っているよりも、もっとずっと大切なものなの。絶対に手放してはダメよ」
「は、はい…(そんな睨まなくたって…この先生、ちょっと怖いかも…)」


本来なら、こんな場所で今まで無事に生き延びているなどあり得ない。
でも…あるいは…ひょっとしたら…。 一縷の望みを胸にエリーザは歩みを進める。
杖の反応が強くなった。光の明滅が激しく…そして微かに杖自身が震えている。
この向こうに!? 目の前に生い茂る草の壁を掻き分けた。

そこが光の終着点。草木のない広間のような空き地の真ん中に横たわっていたもの。
期待は絶望へ、やがて怒りへと変わってゆく。
ルキアは生きていた。いや生かされていた。この森の物の怪によって。
かろうじて人の形を保ってはいたものの、その全身は彼らにいたぶられ蝕まれ、
果ては彼らの生態に合わせて改造し尽くされたのは明らかだった。
駆け寄り、ルキアの上半身を抱き寄せ、その名を呼びかける。返事はない。
見開いた目は瞳孔が拡散したままで、目の前のエリーザを認識すらしていないようだった。
「なんて…事を……っ!」

地中ではあの触手が、新たな獲物の登場に心躍らせながら、しかし慎重に隙を窺っていた。
不安と激情の中にあっても、自らの周囲に張った球状の障壁を崩さない。今までの獲物よりは手強そうだ。
「隠れていないで出て来なさい。私が相手になります」
ゆっくりと立ち上がり、禍々しい気配の只中へ向き直るエリーザ。
同時に、地面を割って無数の触手が生え出る。彼女の周囲を完全に取り囲み退路を塞ぐ。
一瞬の対峙。次の瞬間全ての触手が一斉に彼女に襲い掛かった。障壁に巻きつき力づくで締め上げる。
たかが空気の障壁、数で一気に押し破ればこっちのもの。あのエルフもそうやって堕としたのだ。
締め上げられた障壁はゴム風船のように頼りなく姿を変え、あっけなく握り潰される…かに思えた。


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