【古味直志】ダブルアーツinエロパロ板 第2話at EROPARO
【古味直志】ダブルアーツinエロパロ板 第2話 - 暇つぶし2ch102:小ネター
08/08/23 23:59:37 qUmu1RP6
「え」
「え」
そこを見て、2人は同時に叫んだ。
「えええええええええ」

「ようこそ、ネスノの宿に」
ほがらかなおばさんが異様な4人組を屈託なく迎え入れてくれる。
普通の少年、大男、髪の長い少女、そしてトロイ感染者であるシスター。
特にシスターの存在は嫌がられることも多く、宿のなかをあまり歩くななどと言い含められたりすることもある。
こうやって迎え入れてくれるのはエルーにとっては心が楽だ。
「1泊でいいのかい?」
「ああ。出来れば4人一緒の部屋がいい」
ファルゼンが短く答える。護衛なのだから離れては意味が無いが、普通は男女か何かで二部屋に分かれるものだろう。
「シスター連れってとこでもうワケありみたいだし、いいけどさ」
「すまんな」
おばさんはいぶかしむが、手を繋いでいるキリとエルー、残りのファルゼンとスイをそれぞれ見る。
「……そうかい。この先の道のりは結構きついから、ウチ自慢のでたっぷり休んで鋭気を養っていくといいよ」
おばさんは意味ありげににぃっと歯を見せて笑う。エルーはいち早く何か勘違いされたっと思いツッコもうとするが、スイがその言葉さえ押しのけるように興味を示す。
「ウチの自慢は風呂さ」
「ふろぉ?」
「そうさ。ま、ゆっくりしてきな」
鍵と部屋の位置をキリに伝え、耳元で「頑張んな」と告げる。エルーががうと噛みつくように否定するが、放っておくように無視しておくのが一番いいとキリが手を引っ張っていく。下手に言い訳をすると、余計に想像力をかきたてるだろう。
スイがキリから鍵をひったくり、だだだだっと駆けて部屋に飛び込んでいく。
部屋は大きなもので、ベッドも4つ置いてある家族向けのものだった。
「2人のベッドはくっつけておくか」
「はい」
ファルゼンが少しだけ持ち上げ、ベッドを横にずらす。それを見ながら、エルーは心のなかで「宿を出る時は絶対に元に戻すのを忘れないようにしよう」と固く誓った。
「ん?」
「どうしました?」
部屋の内装を見ていたキリが何か気づいたのと同時だった。
「ふーろッ、ふーろ!」
スイが部屋を走り回り、お目当てのドアを見つけて開ける。
「うおー!」
歓声が上がり、キリとエルーがその後に続いてそこを見てみる。
言葉を失う、絶句した。
「おっもしれー! ふろんなかにトイレがあるー!」
スイがはしゃぎ、見ろよ見ろよと指差す。
そして、2人は絶叫した。
珍しいユニットバスというやつだが、これにはエルーの心が激しく動揺した。キリも同時に思う。
―やべぇ。
ドーンと事態の重さが黒い塊となって2人の頭の上にのしかかる。
今まで、手を繋いで離せない2人のトイレは『2人も同時に入れない個室』という狭い空間だったから、成立していた。どちらか片方がトイレの外に出て耳を塞いで、終わるまでじっと待つ。
しかし、ここのトイレは風呂と合体している。1人が外に出ているということが出来ない。
更にそれに合わせてか、今までの宿や家に比べて風呂場が広いのだ。4倍か5倍あるそこは湯船も大きく、確かに「自慢の風呂」と言ってもいい。
「なぁ、どうすんだこれ」
「……どうしましょう」
エルーが絶望的という声を細々と出す。この風呂は今まで出会い、ぶつかってきたどんな敵よりも凶悪に見えた。
「どうした」
ぬっと背後からファルゼンがのぞきこみ、そして眼下のなんとも情けない顔をした2人を見た。いや、確かに同情するほかない。ファルゼンは顔を覆い、はぁとため息をついた。



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