08/07/22 23:10:26 /QLQhrXi
お茶目過ぎる少佐の所業はともかく、戦場に向かった宮藤軍曹――もとい、芳佳ちゃんは、なかなかの戦果を挙げて無事に帰還した。
「お帰り、芳佳ちゃん」
「えへへ……ただいま、○○くん」
みんなが居る手前、抱きつくわけにはいかないので……頭を撫でて労ってやる。
「ん……♪」
それが心地よいのか、芳佳ちゃんは目を細めて微笑んだ。
「まるで、恋人同士……」
「これが、“補給”の効果……」
「先程の宮藤の動きも素晴らしかったし、どうやら本物らしいわね……」
こうして、芳佳ちゃんが戦果を挙げたことにより、俺の評価は高まることになった。まだまだ訓練不足と思われた新兵が、目の覚めるような活躍を見せたのだ。みんなが驚くのも無理はなかった。
この結果を受け、俺はますますこの部隊を離れられなくなるだろう。……だが、それでもいいと思った。目の前にあるこの笑顔を、守りたい――いまの俺は、そう強く感じていた。
最初は、嫌悪していた補給兵の任務。だが、それもいいかもしれない……と思い始めていた。
「すごいよ、芳佳ちゃんっ! ふふっ、わたしもうかうかしてられないな」
ビショップ軍曹が芳佳ちゃんに微笑みかける。二人はとても仲がよく、知り合って日は浅いがすでに親友同士のようだった。
「えへへ……やっぱり、その……○○くんの“補給”のおかげかな」
「わ……そんなにすごいんだ、○○さんの“補給”って……」
ビショップ軍曹が、尊敬の眼差しで俺を見つめる。
「あ、いや、その……」
その視線が眩しくて、俺は思わず目を逸らしてしまった。
「そーだ、リーネちゃんもしてもらいなよっ」
「ええぇっ!? で、でも、恥ずかしいよぅ……」
照れ屋な軍曹がますます恥じ入り、顔が真っ赤に染まってしまう。
「大丈夫っ。○○くんなら、優しくしてくれるから……ね?」
全隊員の注目を浴びる中、俺はその問いに――
「う……うん」
小さいながらも、声を出して頷いてしまった……
つづく……?