【女体化】TS系小説総合スレ【男体化】6話目at EROPARO
【女体化】TS系小説総合スレ【男体化】6話目 - 暇つぶし2ch805:皆上将之の災難 ◆l1n5QDQI8g
10/07/09 21:27:24 3MIz4agk
 皆上将之は不良だった。

 いや、その表現も正確ではない。
 世間一般のいわゆる不良というイメージから想起される、未成年の身での飲酒・喫煙や道交法違反、恐喝その他の
軽犯罪とは彼はさほど縁がなかった。
 確かに授業はよくサボるし教職員にも態度はでかい。その粗暴めいた立ち居振る舞いのお陰で一般生徒からも
基本的には敬遠されている。
 しかしながら実際に彼から理不尽な暴力を振るわれたと言う者は少なく、僅かな例外は彼の入学前から校内に存在した
不良グループや校外で喧嘩を売ってきた他校生や街のいわゆるチンピラばかり、時には同じ学校という以外は面識もない
生徒が通学中に絡まれていたり痴漢に遭っていたりする現場に居合わせたからと犯人を叩きのめしてしまう例も
一度や二度ではない。
 それなりに喧嘩っ早いくせをして拳を振るうのは正当防衛と人助けのみと限定された、非常にアナクロな義侠心を掲げて
生きている彼を形容するにはもはや、現代では死語と化して久しいその言葉が最も相応しいのだろう。

 つまり、よりしっくりと来る形容を選ぶならば─皆上将之は生まれる時代を三十年ほど遅く間違えた「番長」だった。

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806:皆上将之の災難 ◆brmv/drPy.
10/07/09 21:37:13 3MIz4agk
「うぉーい、カズ、邪魔すんぞ」

 言うが早いか第二理科実験室の入口をのっそりとくぐった人影に、室内にただ一人いた男子生徒は
いつものように「ん」と小さく声を上げ応対した。

「アレ貸してくれ、アレ」
 代名詞だけの不明瞭な要求にも関わらず、さっと実験机の下の物入れを開いた手は僅かの迷いもなく
アルマイト製の救急箱を一つ取り出す。
「今日はなんで喧嘩してきたの、まーちゃん」
 言われる前に制服の袖を捲って傷口を洗った皆上将之がすぐ隣の椅子に腰を下ろすのとほぼ同時のタイミングで、
消毒綿をピンセットでつまみ準備万端の男子生徒、将之と同級生でありなおかつ自宅が隣接していて親同士も親交がある、
産婦人科の新生児ベッド以来の幼馴染であるところの門司理久は毎回恒例の質問を投げ掛けた。
「あー、国道出る手前のガード下でなんか一年の奴が囲まれてたんでよ…」
 窓から射し込む晩秋の西日が理久の眼鏡へ反射して眩しいのに目を眇めながら、将之はぽつりぽつりと
喧嘩の理由及び詳細を白状する。
 他の人間には例え強面の生活指導担当教諭相手であってもこれほど正直に答えることはない─答えたところで
「暴力を正当化しようとしている」などと難癖を付けられることがほとんどなので─彼だが、働きづめで
滅多に家にいない実の親よりも付き合いの長い隣人には隠し事をするだけ無駄だと、半ば本能的に悟っているらしい。
「その一年の子はそれでどうしたの」
「気が付いたら影も形もなかったな」
「お礼くらい言っても内申に響くわけじゃないのにね。はい、次は左足出して。ズボンも破れてるよ」
 すっかりと慣れた手つきの理久に傷口の消毒と薬の塗布、仕上げの絆創膏を処置してもらい椅子を立とうとしたところで
破れた所を繕うからとズボンを脱ぐよう指示され、素直に引き渡した将之は学生服の上着に下半身はトランクス一枚という
少々締まらない格好で、しばらく室内をうろうろする羽目になった。

 選択科目の化学や生物の授業で使われるのは数年前にほとんどの設備を新調した第一実験室の方であり、
この第二実験室は少子化のお陰で生徒数もクラス数も少ない現在、専ら準備室からはみ出した器材を置く物置兼、
化学部の部室としての使用がメインとなっている。
 なお、正式な部活として認可されるには最低五名以上の部員の在籍が条件とされているものの、この部室に顔を出すのは
常に部長である理久ただ独り、残りの部員は他の部との掛け持ちかそもそも部活動をする意志のない幽霊部員しかいない
ため、この第二理科実験室は実際のところ理久の個人研究室と言ってもいっこうに差し支えない状態だ。
 理久本人は他の部員がいようがいまいが気にも留めない様子で、日々この部屋に籠もって余人には原理を説かれても
理解しがたい実験やら研究やらに明け暮れており、要するに彼も学校の中では将之に次いで浮いた存在ではあるのだが、
それでも学校側の態度が将之に対するものと天と地ほども差があるのはひとえに理久の両親が国内外に知られた
医療薬学と遺伝子工学のそれぞれ権威で、その血をきちんと受け継いだ一人息子も既に幾つかの研究論文を著しては
その道での評価を受けており、ひいてはいずれ母校の名誉となってくれる事を期待されているからだった。

「おい、なんか冷蔵庫のモンもらっていいか」
 既に実験室片隅にある冷蔵庫を半ば開けている状態で、将之がその持ち主に声を掛ける。
 元々からの学校の備品以外にも理久が家から持ち寄ったり、粗大ゴミ集積場から勝手に拾ってきて自分で修理して
使えるようにした器材がここにはごまんとあり、無論この冷蔵庫もその一つだった。冷暗所保管が必要な資料や
薬品のためという建前ながらも、入っているのは主に飲料のペットボトルや菓子類というのはまあご愛敬といったところか。
「いいよ、好きなの取って。気が向いたらそのうち足しといて」
 破れたズボンを丁寧に、裏から継ぎ布まで当ててきれいに繕う作業に没頭しているのか理久は目も上げずに答え、
いつも通りのやり取りを心得ている将之もさほど遠慮なく冷蔵庫の中身を物色する。
 そのままちくちくと針を動かしていた理久だったが、ふいに何ごとかに思い至ったのか、いきなり弾かれたように顔を上げた。
「あ、言っとくけどフタ側に入ってるドクロマークのラベルが付いたオレンジ色のペットボトルは薬品だから間違って
飲まないでね! キャップにも同じマーク描いてあるから間違わないと思う…けど……」

807:皆上将之の災難 3/13 ◆YOLph2yTEI
10/07/09 21:39:22 3MIz4agk
 が、振り向いた理久が慌てた口調で肝心なところを言い終わるよりも僅かに早く、将之は手にしていたオレンジ色の
ボトルの中身を一息に空けている。

「……え……?」

 束の間の静寂が室内を支配し、取り落とされたドクロマーク入りのプラスチックキャップがリノリウム材の床にからりと転がる、
その音だけがうつろに響いた。

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「……うっぷ、気持ち悪ィ……」
 よろよろと、生まれたての子馬的な足取りで自宅玄関に辿り着いた将之は眩暈をこらえつつ、ポケットから家の鍵を
引っぱり出す。それを普段通りドアの鍵穴に差し込もうとするものの、どうにも手元がかたかたと震えて上手く鍵の先が
入らない。
「ほら、貸して」
 理久が横から鍵を取り上げてさっと回し、開いたドアへ将之の背を押し込む。
 親しい隣人同士という事もあって、小学生のころ門司家の両親がヨーロッパと北米の研究室にそれぞれ出向してしまった
時は皆上家の親がわが子も同然に理久の世話を買って出ていたし、中学に上がる前に消防士だった将之の父親が亡くなり
母親は生活のため看護師として夜昼なく働き始めた頃には門司家の側が同様に将之の面倒を見たりと、互いに勝手知ったる
他人の家だ。
 今日も将之の母は夜勤に出ていることは分かっているので理久は挨拶もせずに上がり込み、未だ足元もおぼつかない
幼馴染へ肩を貸して支えながら、子供部屋のある二階へと上っていった。

「はい、制服脱いで、靴下も」
 言われるがまま為すがままといった体の将之は理久の手に学生服の上とシャツを剥がれ、ベッドへ倒れ込んだところで
ズボンと靴下も抜き取られる。
 もそもそと布団にくるまり、腹の奥からこみ上げてくる吐き気をなんとかやり過ごそうとしている将之の額を、
ふいにひやりとした感触が覆った。
「とりあえず冷やした方が良さそうだよ。熱は定期的に計って、あと水もできるだけ飲んで」
 差し出された体温計は素直に脇の下に挟み、もう一方の手が差し出す吸い飲みは力の入らない手で押し返す。
「…みず…は、も……みたく…ねえ……」
 ぼんやりと細められつつも恨みがましそうな目つきに将之が何を根に持っているか理解して、理久も溜息を吐く。
「胃洗浄は仕方ないだろ。僕だってまさか、あんな容器をいかにも危険物っぽくしておいたのを中身も確かめず
飲んじゃうなんて、さすがに予想しなかったよ」
 まるっきり呆れたような口ぶりに将之は内心むっとしたが、先程喉の奥まで指やらホースやら突っ込まれた感触を
思い出すと余計に気分の悪さが深刻化しそうで、今はそれどころではない。
 しかも、胃の中身を消化しかけの昼飯まで洗いざらい吐かされたというのに、まだ何かが腹の奥に詰め込まれてでも
いるような、どんよりと重たいものがそこにわだかまっているような感じがする。胃だけでなく内臓のそこかしこが熱を帯びて
じくじく痛むような、体全体がただれて溶けてしまいそうな、非常に不安を掻き立てられるイメージ。
「あの薬はまだ効果が未知数なんだ、生物部のマウスでこっそり試してはみたけど人間じゃどうなるかまだ分からないし……
まあ少なくとも死ぬようなことはないと思うけど、でも……」
 ちっとも救いの見出せないことばかりの理久の声も、どんどん遠ざかっていって次第に不明瞭になる。

 ちくしょうカズの野郎、目が覚めて頭がシャッキリしてたら覚えてろ、と逆恨みする思考も次第にぼやけて拡散し、
いつしか将之の意識は泥沼の底へ引き込まれるように暗転していった。

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808:皆上将之の災難 4/13 ◆YOLph2yTEI
10/07/09 21:40:21 3MIz4agk
 将之が目を覚ました時、辺りは既に真っ暗だった。
 意識がはっきりしてみれば、全身が冷水でもかぶったみたいにびしょ濡れで、ぞくぞくしてしまうほど気持ちが悪い。
 声を出そうとしたが、喉がからからで舌が口の中に貼り付いたように動かない。

 当てもなくじたばたと動かした手が何か冷たくて硬い物にぶつかったと思った次の瞬間、それが板張りの床に落ちて、
ごとりとやけに大きな音を立てた。
 ようよう上体を起こしかけてみて、それがさっき理久の持ってきた吸い飲みだと気が付く。
 次第に暗がりへ慣れてきた目はその容器が少なくとも見てすぐ分かるほど割れていないことと、中に入っていた水が
こぼれてフローリングの上に広がりつつある様子を見て取った。
 喉が渇いていたのにもったいない事をした、と考えているところで誰かが部屋の灯りを点け、いきなりの明るさに
目を灼かれて思わず枕に顔を突っ伏す。
「なぁに、起きたと思ったら途端にバタバタガチャガチャして、落ち着かない子ねえ」
 背中に聞く母親の呆れ声に、もう夜勤の明ける時間なのかと思って時計を見れば、まだ三時─おそらくは午前の─
を少し回ったところだった。
「夕方にカズくんから電話で知らせてもらって、師長もそれを聞いてたから今日は巡回終わったところで早上がり
していいって言って下さったの。それまではカズくんがつきっきりで様子を見てくれてて、もうフラフラだったから
ご飯食べさせて下の和室で寝たらって言ったんだけど、何か資料を探すとかでお家に帰って行っちゃった」
 でもその割には大したことなさそう、寝たら治っちゃうなんてあんたは本当大雑把ねえ、と散々な言葉と共に
差し出されたコップをつい奪い取るような勢いで口をつけ、一気に冷たい水を飲み干す。体中の干涸らびた細胞に
隅々まで水分の行き渡るような快さを堪能し、次いで人心地ついた途端に自覚する現実、全身が汗みずくで
おまけにそれが冷えきっている状態に、大きな身震いが襲ってきた。
「母ちゃ……」
 タオルか何かくれ、と言おうとして自分の口から出た声の異様さに、将之は思わず飛び上がりそうになる。
 寝起きでかすれているのはいい、だが、それだけが理由とは思えないこの違和感は何だ。
「ちょっと、Tシャツびしょびしょじゃない。脱ぎなさい、拭いてあげるから」
「いっ、いい! 自分…で……やる、から……」
 別に息子の裸ぐらい見たってどうってことないわと爆笑する母から蒸しタオルだけを引ったくり、部屋の外に
押し出すとドアを閉め、すぐさま鍵を掛ける。
 今しがた、慌てて服ごしに体を触った時から不吉な予感が脳裏に去来して仕方がない。
 じりじりシャツを捲り上げる間にも心臓はばくばくと忙しない間隔で鼓動を鳴り響かせていて、額や背筋には
嫌な汗がひっきりなしに滲む。

 十数回ほど意味もなく深呼吸を繰り返した後で、覚悟を決めてシャツを一気に体から引き剥がせば、
そこにあるのは見慣れた自分の胸板と腹筋─ではなかった。

「……っ、なんじゃこりゃぁあああああああ!!?」

 思わず絶叫した声に階下からは「こんな夜中にご近所迷惑でしょ!」と母の怒声が返り、生まれて十七年この方
カーテンなど吊したこともない窓の向こうでは建て売り故にちょうど線対称の構造をした隣家の二階の部屋から、
窓際の勉強机に積み上げられた大量の本及びパソコンとその周辺機器に埋もれかかったような理久が
唖然とした顔でこちらを凝視していた。

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809:皆上将之の災難 5/13 ◆YOLph2yTEI
10/07/09 21:46:39 3MIz4agk
 まだ夜も明けきらぬ午前四時、皆上家のダイニングキッチンでは将之と母親の恵美、そして理久の三人が顔を揃え、
将之の体に起きた変化についての緊急の話し合いが開始された。

 使い終わったカレンダーや裏の白い広告など、その辺りにあった紙数枚をややこしい化学式や専門用語でびっしり埋めた
理久が並べ立てる内容はほとんど呪文か苦手な教科の講義にも似て、一番の当事者であるはずの将之は最初の数分で
それらの理解を諦め、欠伸交じりに右から左へ抜けていく音の流れをぼんやり聞いているしかない。一方、恵美の方は
現役の看護師だけあって理久の話の所々で質問をしたり確認を取ったりと、息子とは段違いに真剣な応対を見せている。
「……つまり、将之の体が元に戻る手だては今のところ、ないってわけね?」
「そうなんです」
 ぼけっと聞き流している間にとんでもない結論が出た事に、思わず座っていた椅子から落ちそうになった将之は
テーブルを乗り越えんばかりに腕を伸ばし、やけに神妙な表情をしている理久の胸倉をひっ掴んだ。
「なんでそーなんだよ! あの変な薬飲んで俺の体が女になっちまうってんなら、もう一回飲めば男に戻るとかじゃねぇのか!?」
「まーちゃん、僕の話、聞いてなかったの? あの薬は、雄性体を雌性化させる―つまり、オスをメスに変える効果しかないんだよ」
 実際聞いていませんでした、と言うのも癪でぷいと顔を背けた将之に構わず、理久は新しい白紙を持ち出すと
その上にボールペンを走らせ始める。
 几帳面で細かい、但しかなり癖のあって読みにくい字が何を表しているのか皆目解らない、といった風情の
将之をちらりと見やって諦めたように眉を寄せた理久のペン先は、今度はぐにゃぐにゃとした線、おそらく本人の中では
生物の胚から胎児までの過程を表現しているつもりの珍妙な形を紙の上に描き出した。
「哺乳類みたいな胎生の生き物は、発生初期段階までは染色体上の性別と関係なく雌の形をしてるっていう話は
聞いたことあるよね。そこから性決定ホルモンの働きによって性別が分化するわけだけど……」
「お前、相変わらず絵ぇド下手だな」
「真面目に聞いててよ、頼むから。まあ、大まかにまとめるなら、あの薬は男性ホルモンに導かれた性形質を削り取って
原形に戻す効果があるって考えて。……でも、こんな短い時間で、こうもはっきりと外形に変化が出るなんて、これまでの
実験データからするとおかしいんだよね……」
 話の後半からは自分の頭の内側を覗き込むような顔つきになって、ああでもないこうでもないと手元の紙を字や記号で
真っ黒に埋め始めた理久にこれ以上の意思の疎通を求めるのは難しいと、長年の付き合いで知っている将之は
途方に暮れた表情を傍らの母親に向ける。
「母ちゃん……」
「うーん、困ったわねえ……ま、しょうがないから諦めなさい、将之」
「投げやがった!!!?」
 潔いにしても程があるあっさり加減で我が子の、息子としての人生に見切りをつけた恵美はやけに落ち着き払った物腰で、
さっき淹れてからだいぶ温くなった焙じ茶を一口啜った。
「別に命に関わる事じゃないんでしょう? 大抵の事は元気に生きてれば何とかなります。うちには跡継ぎがどうのとか
言うような家名も親戚もないし、それにあんたは元気が有り余りすぎてちょっと心配なくらいだから却って良かったかもしれないわ」
「ちっとも良くねえよ!! 男が女になったら色々……とにかく色々困るだろ!? その……アレだよ、何か……が、学校とか……!」
 悲しいかな、「色々困りそうな事」の具体例を上手くシミュレーションできずにひたすら漠然とした危機感を
訴えるしかない将之の脳裏には、とりあえず男子の五十音順→女子の五十音順で割り振られている出席番号が
後ろの方にずれるのではないかという、相当にどうでもいい部類の懸念しか浮かんで来ていない。
 そんな思考内容を見透かしたという訳ではないだろうが、今や半ば以上娘へと変貌しつつある息子の主張を
ぞんざいに受け流した母親はお隣さんと額を突き合わせて学校その他への説明として使えそうな医療事例や
対応を取るべき範囲についての相談に余念がなく、自分の体の事だというのにどうにも蚊帳の外に放り出された感の
否めない将之はいかにも不服げに唇を尖らせた顔を、食卓上に組んだ腕の中へ埋めるよう突っ伏した。

810:皆上将之の災難 6/13 ◆YOLph2yTEI
10/07/09 21:48:02 3MIz4agk
 いっそ、このままもう一度眠って起きたら全部夢だったなんて事にはならないものか。
 普段なら男らしくないと自分で一蹴するような現実逃避にすら思わず縋った頭の上へ、おそらく理久の手だろう感触が
そっと重みを乗せ、髪をふわふわと掻き混ぜるみたいにして撫で回される。
「ごめんね、まーちゃん。今回の事はほとんど、僕の不注意が原因みたいなものだから……責任は、取るよ、絶対に……」
 当たり前だ、と思う気持ちも半分、その声に含まれたどこか悲痛そうな響きが気にもなり、将之は腕の中から
視線だけを上げて理久を見た。
 中学に上がる少し前くらいから掛けるようになったフレームの細い眼鏡越しに、やはりこちらをじっと見つめる目元は
何かを耐えるように細められ、ひとくちには形容しがたい複雑な感情をはらんでいる。
 そう思った将之は腕組みを解き、上体を起こして正面から、幼馴染にして唯一の親友の顔を見据えた。
「注意が足りなかったのは俺もだ、カズ。お前一人が何もかんも負い目に感じるこたぁねえ、てめえの迂闊が招いた事は
てめえでケツを持たなきゃ男が廃るってもんよ」
 本人は至って真剣に発した、それでも随分と大仰な台詞を受けて理久は一瞬、困ったように眉尻を下げ、
次いで堪えきれないとでも言わんばかりに苦笑する。
 人が真面目に腹を括ってるのに笑うなと将之は憤慨し、横からその様子を眺めていた恵美は「あんたの頭は
本当に時代がかってるわねえ…」と混ぜ返した。

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 三時間ほど後、とりあえずは登校する事にした理久は、そのいかにも寝不足ですといった顔を引っ提げて
学校へと向かって行った。

 体の調子は今は大して悪くないものの、さすがにこの状態で元気に登校という訳には行かない将之は
しばらく手持ち無沙汰に家の中をうろついていたが、不意に鳴き出した腹の虫に誘われるようダイニングに戻る。
 茶碗に山盛りにした飯をしば漬けと佃煮とレトルトの味噌汁でかっ込み、二杯目を卵かけご飯にして更に流し込み、
仕上げに牛乳をパックから直飲みという大雑把な朝食の後、そういえば昨日から今朝に掛けておかしな時間に寝たり
起きたりした弊害なのか無性に眠気を覚えて自室に戻り、布団に潜り込んだのが午前十時過ぎくらいのことだった。


「……ちゃん、まーちゃんってば」
 ゆさゆさと肩を揺さぶられて将之の意識は中途半端に覚醒した。
 ぼんやり半眼に開いた視界には、学生服の胸から腕あたりと何枚かの紙がまず飛び込んでくる。
「これ、今日配られたプリント、まーちゃんの分もらってきたから机の上に置いとくね。…で、具合はどう? 
熱が出たり気持ちが悪くなったりしてない?」
 ようやく頭がはっきりしてきたところで、将之はベッドの傍らから理久が覗き込んでいることと、辺りが
すっかり薄暗くなっていることに気が付いた。
「あ…カズ、いま……なんじだ……」
「夕方の五時半だよ。もしかして、朝からずっと寝てた?」
 理久の問いに肯定とも否定ともつかない生返事をしつつベッドの上に上半身を起こし、ぐっと伸びをした、
ところで将之の全身はぎくりと固まる。
 なんだか、妙にTシャツの胸が、きつい。
「あれ、なんだろ、まーちゃん今朝よりも体型が……って、えぇえ!?」
 部屋の電気を点けて振り向き、違和感の正体をよく確かめようと眼鏡をずらし直した理久の目の前で、勢いよく
Tシャツが脱がれて宙に舞った。
 目を丸くしている幼馴染に構うほどの余裕もなく、将之は布地の下よりぷるりと揺れつつ現れた二つの盛り上がり、
ゆうべ絶叫した時よりも確実にその体積を増している胸部を凝視する。
「………か、カズ、その……俺の目がおかしいんじゃなかったら、なんか……オッパイでかくなってるような気がするんだが……」
「えっと……正確な増量分は測ってみないとわからないけど、目測としては確かに大きくなってると思う」
 正直に答えながらも、理久はややぎくしゃくとした態度で部屋の壁を凝視したり、特に意味もなく学生服の襟を
引っ張ったりしていたが、やおらシルバーフレームのブリッジを指で押し上げると、急に何かのスイッチを
切り替えたような真顔で将之の方へと向き直った。
「おろおろしてても事態には進展がないよね。とりあえず、状態の変化を逐次計測して、今後の予測と対策を立てようよ」

811:皆上将之の災難 7/13 ◆YOLph2yTEI
10/07/09 21:48:57 3MIz4agk
 いきなり何やら頼り甲斐のあるようなことを言う理久につい頷いた将之だったが、さてその言葉を実践するためには、
家のどこかに多分あるはずの母の裁縫箱を探し出さなければならなかった。
 探索の末に発見した洋裁用メジャーでまずは胸と胴、腰、尻周りから何故か首や二の腕や太腿の太さまで測られ、
お次は身長と座高と体重、肩幅に掌や足底のサイズと、まるで凝り性の服屋にでもなったかのような勢いで
採寸していった数値を理久がレポート用紙にせっせと書き付ける。
 こうなる直前の、普通の男の体だった時の寸法は測っていないから比較するのは難しいんじゃないかと将之は一瞬
思ったが、そこは理久の無駄にいい記憶力が役に立った。
「新学期の身体測定した時に身長は185.5cmだったけどその後もう0.5くらい伸びてたよね。
体重は日ごとの誤差をこれくらいとしても……学生服の肩幅から遊び分を引いて…………」
 自分でも大して把握していないような、親友とはいえ男の身長や体重や胸囲をなんでこいつはそんな詳細に
憶えているんだろうと将之が不思議がる中、理久の手元では随分なビフォー&アフター対比表が完成する。
 結果から言うと身長はおおよそ2cmほど減り、なのに体重は逆に少しだが増え、肩幅や手足のサイズや首周りが減って
胸と尻周りがだいぶ増えた、そんな散々な結果に将之は大いに気が滅入ってきた。
「それで、あと一箇所測ってないところがあるんだけど……」
 さっきまでの有無を言わせぬメジャー捌きとは裏腹に、急に言いにくそうな様子で切り出してきた理久の言わんとするところを
なんとなく察し、そういえば実のところ、怖くてなかなか確認できずにいたブツのことを将之も気が進まないながらも意識する。
 にわかに心拍数を上げたり脂汗を滲ませたりと動揺する己が肉体を宥めつつ、何度かの深呼吸の末に、
なんとかの舞台から飛び降りる心地で最後の関門へ突撃し─将之は沈黙した。

「……ど、どうだった……?」
 トランクスの前を引っ張って覗き込んだきり、石になったかのように動きを止めている幼馴染に怖々といった調子で理久が問う。
 やたらと長く感じられた沈黙の果てに、その口から這い出した声音は理久もこの十数年間で初めて聞くような、
なんとも言えない悲嘆の響きを帯びていた。
「………………半分以下…くらい…………」

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 その二日後、正確に言えば二度の睡眠と一度の昼寝と四度の食事というだいぶガタガタの生活サイクルを挟んで
翌々日の昼ごろ、用を足そうとした将之は件の半分以下がゼロ数値にまで至ったという現実に直面し、できれば
その場にへたり込んで泣き出したいような衝動に襲われた。
 勿論、場所柄そんな衛生的でない行為をするのも躊躇われるので、自室に戻って布団に倒れ伏すまではやせ我慢をする。
 枕に顔を押し当てたところで実際には涙も出てこなかったが、この先自分はどう生きていけばいいのか、とりあえず
学校はどうするべきか、漠然と考えていた卒業後の人生設計から今のとこ全く当てはないが恋愛だの結婚だのにまで
思いを馳せ、さっぱり建設的な道筋が見出せないことに落胆し、気が付けばまたもや睡魔の淵に誘われて夕方まで
寝倒してしまった。


 目が覚めると既に夜の七時過ぎで、勉強机の上には寝ている間に理久が置いていったらしいプリントが二枚と、
近所の商店街にある洋品店のシールを張られた小さな紙袋がひとつ置いてある。
 袋の下に挟んであるメモを見れば母親が夜勤に向かう前に走り書いたと思しき字で「明日帰ってきたらサイズを測らせるように」
とあり、はて何を測らなければならないのかと首を傾げながら紙袋を開けると、中から転げ落ちてきたのは女性用パンツ
─いや、こういうのはパンティとかなんとか呼称するべきなのだろうか?─が数枚。
 一応「元」息子への配慮なのか、グレーや水色の無地でレースやリボンなどは付いてないスポーティタイプという
チョイスではあったが、それでもこれは間違いなく女性用下着であって今日まで愛用してきたトランクスだのの類とは
全く異質な代物で、そんなものをうっかり鷲掴みしてしまった将之は母のありがたい心遣いに感謝する気にもなれず、
机に突っ伏す以外のリアクションの取りようもなかった。

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812:皆上将之の災難 8/13 ◆YOLph2yTEI
10/07/09 21:49:38 3MIz4agk
「そ、それでおばさんとケンカしちゃったの? 女性用下着を着けるとか着けないとかで!?」
 ものすごく笑い転げたいのを我慢しています、といった様子で口元を押さえている理久を軽く蹴って、将之は
ぶすっとふて腐れた顔のままベッドの上に胡坐をかいた。
「だってカップがどうとかアンダーが何だとか、訳のわかんねーこと言いながら人のムネ引っ掴むんだぜ!? 
服とか下着とかの話してるときの女ってなんか怖ぇえんだよ!」
 どうやらブラジャーのサイズを測ろうとして強硬なる抵抗に遭った恵美は、辛うじて下だけはなんとかさせる事で一旦
折れたらしい。朝からそんな大騒ぎでは週末の日勤と夜勤が続くシフトは大変なのではないだろうかと理久は思ったが、
ここで母親側に同情的な事を言うと将之がもっと盛大に膨れるのは容易に予想出来るので、それ以上は口を噤む。
「……でも、もうだいぶ体型も変わってきたから男物は着づらいんじゃないの? 上はともかくパンツとかズボンとかさ」
「あァ、昨日試してみたけどケツの辺りがだいぶキツイな。制服はまだ大丈夫なんだがジーパンとかは全滅だ」
 忌々しげに天井を仰ぎ、将之は自分の剥き出しの太腿をぺしっと平手で叩いた。
 教室のロッカーに置きっぱなしにしている体育用のジャージを除けば、部屋で穿けるズボンが全く無いのか
下半身は件の女性用パンツ一枚、上半身も薄手のタンクトップ一枚きりという格好は現在の室温的には特に
問題もないのだが、目の遣りどころという点では激しく差し支えのあるものだということを、男だった時と同程度の認識で
気楽にしている本人は知る由もない。

 知っていれば、それを受けた理久の「どれくらいサイズ変わったか、確かめてみてもいい?」という提案に
頷きを返そうはずもなかった。


 ふよん、と指先が沈み込むほどの弾力をその膨らみは触れるものに伝え、下から持ち上げるようにした掌には
もっちりとした加重が乗る。
「うわぁ、なんか……すごく柔らかいね。僕、てっきりまーちゃんの胸だから筋肉が詰まってて硬いのかと思ってたよ」
「全くだちきしょーめ、体中どこもかしこもこんなぷにょぷにょのぐにゅぐにゅになっちまいやがって、邪魔くせえったらねえぜ」
 どっかりと座り込んだベッドの上で、上半身裸になり短期間でかなり豊かに育ったバストをすぐ傍らの理久に
触らせているというのにそんな事はどうでもいいと言わんばかりの、苦虫を噛み潰したような顔で将之は吐き捨てた。
「いや、でも腹筋とか上腕筋とか、脂肪がうっすら乗ってる下はちゃんと硬いよ、ほら」
「プロレスラーじゃねえんだから脂肪なんざ要らねえんだよ! 脂肪つけて衝撃殺そうとか守りに走った発想が
俺ァそもそも気に入らねえ!」
 何かが盛大に間違っている将之の人体観に理久は少し遠くを見るような顔をし、次いで今、自分が手を触れている
Dカップほどの乳房と綺麗にくびれたウェストラインへ目を落とした。
「……女の人の脂肪は、別にプロレスのためにある訳じゃないよ。まあ、身を守るためにあるって言うのはそれほど
間違ってもいないけど……どっちかって言えば、赤ちゃんを抱いた時に安定がいいようにとか、子育て期間中に
食糧不足とかがあっても子供に栄養を回して自分も生き延びるための貯蓄分とか、そういうものかな」
「つまりはラクダのコブみてえなもんか」
 色気もへったくれもない理解を示す将之を適当に流して、理久の手は首筋から鎖骨、肩から腕、腹から脇腹と
体の表面をゆっくり撫で回す。続いて乳房の付け根を緩い弧を描いてなぞり上げ、腋の下へ手を滑り込ませる。
 将之がくすぐったさについ脇を締めれば、今度は背中から胴を半周して下腹へ滑った手が鼠径部へと向けて
撫で下ろされた。

「な、なぁ、カズ、いったいぜんたい何してんだ、お前、それ」
 いつの間にか体温が上がって来たような気がして、将之は短く息をつきながら訊ねる。
 尻の後ろからまた鼠径部へ、次は太股を揉み上げるようにして同じ所へ手を滑らせていた理久は手も止めず、
しれっとした顔で答えた。
「ん、リンパ腺マッサージだけど。こうやって体の中の循環が良くなれば、少しは楽になるかなって」
「そ、そりゃありがてぇんだけどよ、なんか、そーやって弄くり回されてるとこそばゆいっつーか……
変な、気分になっちまいそうで……」
 自分でもその「変な気分」の正体がよく分からないのに、こうして口に出してどんな感じか詳しく訊かれたら困るな、
という気まずさから将之は顔ごと視線を逸らし、だからすぐそこで理久の目に宿り始めた光に気付くことも出来なかった。

813:皆上将之の災難 9/13 ◆YOLph2yTEI
10/07/09 21:50:48 3MIz4agk
「ね、まーちゃん、変な気分って……こう?」
 変にかすれたような声がごく近くで聴こえたかと思うと、途端に左右の胸をがっしりと、先日までの自分に比べれば
細っこいと思っていたのに今や充分大きくて骨張った手に、強い力で鷲掴まれる。
「うぁ゛…っ!?」
 痛い、と思ったのも初めのうちだけで、幾度かぐいぐいと捏ね回すように揉まれていると次第に両の乳房が
張りを増すような、血が集まって重くなるような感じがして、さっきまで痛みに感じていた動きがなんだか奇妙な、
痺れにも似た感覚を与えてきた。
 五本の指が食い込んで形を歪められた白い盛り上がりの頂点では、今まで唇と同じような色で小豆くらいだった
乳頭が鮮やかな淡紅色に染まり、しかも二倍ほどの大きさに膨れてつんと上を向いている。
「な…なん、だ…っ、これ………ひぅっ!!」
 腫れ上がったようなその突起を理久の指がきゅっとつまみ、軽く爪の先でノックしただけで背筋をわななかせていた
痺れが数倍の強さになって、腰椎の辺りから脳天までを駆け上がった。
「や……っ、なに、っする……やめろ、カズ……!!」
 胸を弄くり回す手を払いのけたいのに、全身が骨を抜かれたようにふにゃふにゃして腕にも脚にも力が入らない。
 かろうじて弱々しく縋り付く手はそのままにさせながら、理久の両手はさんざん苛めていた胸からそろりと離れていった。
 やっと止めてくれたかと将之が内心ほっと息をついた瞬間、なぶられて痛々しいほどに充血しきった先端を、
指先で強く弾かれる。
「ひんッ!?」
 びりっとした痺れが背を走り抜けると同時に、将之は己の口から自分のものとは信じられないほど媚びた声が
上がったことに、そして下着の中に濡れた感触が、じわりと熱く拡がったことに激しく動揺した。
「まーちゃん、胸だけで変な気分になりすぎちゃった?」
 その混乱も治まりきらないうちに、今しがた濡れたところが急にひやりとした感触に襲われる。
 件の場所が外気に晒されているのだと、つまりはパンツを脱がされているのだと気付いたときには既に
薄く頼りない布切れは右足首にその輪っかの片方を引っかけているのみで、ほぼ体から引き剥がされたも同然だった。
「…ああ、完全に外性器も女性化してるね」
 更に気が付けば上体は完全にベッドの上に倒されていて、両肩に左右の膝がくっつきそうなほど折り曲げられた体は
理久の手に抑え付けられてほとんど自由が利かず、おかげで目の前には高々と掲げさせられた自分の尻と股ぐらが
嫌でもよく見えてしまう。
 遺憾ながら一度も実戦に臨むことのなかった男のシンボルは竿も袋もすっかり消え失せて、代わりに
ふくりと盛り上がった膨らみの真ん中を一筋の、毒々しく思えるほど鮮やかな色の割れ目が走っていた。
 理久の指先がその合わせ目をなぞって動き、次の瞬間、中心から押し開くようにして肉色の粘膜が左右に広げられる。
「まーちゃんはおっぱい派だから、あんまり下の方が無修正なのって見たことないよね。ほら、ここが大陰唇で
その内側が小陰唇と膣口、この尿道口の上にあるのが陰核だよ。……すごいな、男性器が退化しただけじゃなくて、
組織がそっくり再分化してる……」

 小中学のころからずっと、クラスのいかなる男子グループからも浮いた存在だった将之と理久は第二次性徴が
訪れる頃でもあまり、他の連中と思春期なりの猥談で盛り上がったこともない。
 そう言った話はいつも二人だけで、ネタもコンビニで買える程度のエロ本だとかたまたま見つけた動画サイト
くらいのものだったし、それすらも理久は付き合いという以上には大して興味も無さそうな素振りだったのに。

 知らない。
 こんなぎらついた目をして女の体を暴こうとしている男は自分の知っている昔馴染じゃない。

「さっきの胸で相当感じちゃったんだね。膣分泌液でものすごくぬるぬるしてる……」
 指先で割れ目をなぞられながら、揶揄うような言葉を投げつけられてかっと頭に血が上る。
「てめぇ、離せ…っ、この……!」
 押さえつけられた脚をばたつかせてなんとかこの辱めから逃れようとするも、腰を浮かされた不安定な体勢では
思うに任せない。それどころか、返す動作でより一層、大きく脚を開いた姿勢に固定されてしまう。

814:皆上将之の災難 10/13 ◆YOLph2yTEI
10/07/09 21:53:30 3MIz4agk
 正直言って屈辱だった。
 腕力を振るっての喧嘩ではもう何年も負けたことのない自分が、別にだからといって見下していたわけではないが、
やはり体力的な面では自分に到底及ばないだろうと思っていた理久にこうまでいいようにされてしまっているこの状況が。
 そもそも自分をこんな体にしたのは理久なのに、今や反省のはの字も見えないどころか、逆に面白がって変化した体を
弄んでいるように思えることが。
 もしかして自分では気付かないうちに理久の怒りを買うようなことを自分はしていて、その報復としてあの薬も
何もかも仕組まれていたのではないかとすら思えてきて─

「……ね、気付いてる? まーちゃんさっきからすごく悔しそうな顔してるのに、こっちはどんどんびしょびしょに
なってきてるよ……あ、もしかしてマゾヒズムの気があるとか?」
「ふっ…ざ、けんな……! カズ、それ以上言ったら……」
「言ったら?」
 急に、肩の横に両手をついて覆い被さる体勢になった理久がねっとりと耳に這い入るような声で囁いてきて、
思わず全身の皮膚が粟立った。
「言ったらどうするの、まーちゃん」
 そのまま頬に口付けられて、あまりのことに頭が真っ白になっている間にも理久の右手はふわふわと髪を撫で、
頬から首筋へ、胸へ、腹へと優しく滑っていき、またしても両脚の間へ入り込む。
「いいよ、殴っても蹴っても。僕、今からもっとひどい事、まーちゃんにするから」
「な……ぁあっ!?」
 何が、と言おうとした言葉は突然、体の内側に異物が侵入する感触に驚くあまりに霧散してしまった。
 さっき言われたとおり、初めに触られた時よりもいっそう濡れている気がするそこへ、そんな大きな穴が開いてる
ようには少しも見えなかったのにいきなり理久の指が入り込んで来たのだ。
「ひ…っ、ん、んっ」
「大丈夫、まだ指一本しか入れてないし、充分濡れてるから痛くないよね?」
 だからと力を抜くように促されても、体の中を自分の意に従わない物が動き回っていると言うだけで
とても平静ではいられない。
「ば、バカ、やろ…っ、気持ち…きもち悪ィ……」
 自分の声が完全な涙声になっている事にも気付けず、将之は力無く身を捩る。その動きで体の中を這い回るものを
余計に感じてしまっているということにまでは思考が及びもしていない。
「気持ち悪いの? ……本当に?」
 いつの間にか内側の指は二本に増え、互い違いに折り曲げられたり、指先を拡げたりと好きなように蠢いている。
 加えて、指の動きを助ける潤滑液として分泌される粘液が空気を含んで掻き混ぜられるぐちゅぐちゅという音が
ひどく耳について、将之の意識は激しい羞恥と未知の感覚に押し流され、もはや己の口から弱々しい哀願が
漏れていることすら自覚できずにいた。
「や…っだ、おと、たてんな……ぁ」
「音、したら恥ずかしい?」
 耳に吹き込まれる質問の真意にも気付かずにがくがくと首を振る。
 どうにかしてこの状態から解放して欲しい、それだけしか頭になかった。
「そうだね…」
 ずるり、と二本の指が抜け出す感覚。
 やっと終わった、と思ったのも一瞬のことで、次の瞬間三本揃って押し入ってきた指の圧迫感に、将之の背は
弓なりに反って腰からの衝撃を受け止めた。
「ほら、三本入っても楽に動くよ。これならもう、充分かな」
 中でばらばらに動く指が、掻き回されてあられもなく水音を立てる自分の体が、信じられない意地悪をする理久が、
もうどうしていいのか分からないくらいに理解できない。
 目に一杯の涙を溜めて、嫌々と首を振ることしか出来ない自分の姿を時折、ひどく客観的に認識する瞬間がある。
 まるで女みたいだ、と思い、次の瞬間その女の体の中に引き戻されて、男だったときには想像も付かないような
感覚の波に翻弄されて泣き声を上げる。
「…っ、か、カズぅ……っ…」
「ごめんね、まーちゃん」

815:皆上将之の災難 11/13 ◆YOLph2yTEI
10/07/09 21:57:35 3MIz4agk
 幼馴染の目にこんな醜態を晒すなんて情けない、そう考える意志も切れ切れに浮き沈みする中、ぼろぼろと涙をこぼす
目元に理久の唇が何度も触れた。ちろりと覗いた舌先が眦を撫で、後から後から溢れ出す塩水を舐め取っていく。
「本当はあの薬、僕が自分で飲むつもりで作ってたんだ。今はまだ学校に行ってるから一緒にいられるけど、
その先は本格的に道が分かれちゃうだろ。僕は大学に行くけどまーちゃんはきっとおばさんを助けるために就職する、
そうなったらもう今みたいにいられないから、それなら僕は……まーちゃんの彼女になっちゃいたかったんだ」
 圧し掛かる理久が何を言っているのかほとんど分からないながらも、その口が何か大切な言葉を紡いでいるような
気がして将之はぼんやりとした目で幼馴染を見上げる。
 いつ眼鏡を外したのか少しも気が付かなかったが、銀色のフレームで分割されてない理久の顔は久しぶりに見るようで、
その顔は確かに子供の頃の面影が少し残ってはいるが既に大人になりかけの男のそれだと思って、何だか急に
心細いような気分になった将之は鈍る腕を辛うじて持ち上げ、理久の頬にそっと触れた。
「よく考えたら僕が性別だけ女になったところで可愛くなるとも限らないし、それでまーちゃんが僕を選んでくれる
確証なんて一つも無いから……ずっと迷って冷蔵庫に入れっぱなしにしてたら、こないだ、さ……」
 話し続ける理久の言葉を遮るように、将之の指先が頬を滑って唇に触れる。
 驚いたように眉を寄せて、それから少し泣きそうな顔になった理久の顎から、心なしか生暖かい雫がぽたりと
将之の喉元に落ちた。
「予定とは全然違っちゃったけど……ねえ、まーちゃん、殴っても蹴っても半殺しにしてもいいから……お願いだよ、
僕のお嫁さんになって」
 男に向かって嫁たぁ何だ、ふざけるなと罵倒してやりたいが喉に何かが詰まったように声が出ない。
 いや、声が出ないのは理久の口が自分の口に重ね合わされるようがっちりと塞いでいるからだという認識が、
遅れて頭に届く。
 濡れて生暖かい感触は暫し半開きの唇や歯列を舐め回し、次いで歯茎をちろちろとこそばすと、いきなり口の中、
奥深くまで入り込んできた。
「んっ、…んぅ……っ!」
 口腔内の異物を押し出そうともたもた動いた舌は、侵入者であるところの理久の舌に絡め取られるようにして
主導権を奪われる。
 ぬるりとした表面が擦り合わされ、どちらのものか判然としない唾液がぐちぐちと湿った音を立てる。さっき
舐め取られた涙のせいだろうか、うっすらと塩辛いような味。
 これってもしかして、キスってやつをされているのか? と将之の思考が遅まきながらの答えを見つけ出したときには
既に、口内粘膜から与えられる刺激はもはや不快さよりも興奮の方をより強く掻き立てるものへとすり替わっていた。
 頭が再びぼんやりとしてきて、裏腹に体の疼きばかりが強く意識されてくる。
 半ば無我夢中で理久の背に縋り付くよう腕を回し、体を揺すって熱を点された胸を相手の体へ押し付け、下肢を
シーツに、そして脚の間へ割り入れられている手へと擦り付ければ、その発情した仕草に理久の喉がごくりと鳴る
音がひどく近く聞こえた。
「いい……? ね、中に入っても……」
 執拗な口付けをやっとほどいた理久の目には露骨な欲の色が宿っている。
 そして、おそらくは、諾々と頷きながら差し出すように脚を開いて腰を浮かした自分の目にも。


816:皆上将之の災難 12/13 ◆YOLph2yTEI
10/07/09 21:58:53 3MIz4agk
 ずぷりと、濡れた入口に押し当てられていた熱い塊が体内に分け入ってくる。
「…ぃ……ぁあっ! あっ、くぁっ!!」
 入ってきた瞬間はスムーズに滑るかと思われたそれは、先端を僅かに突っ込んだところで何かに引っかかった
かのように僅か勢いを落とし、次の瞬間更に力を籠めて奥まで抉り込まれてきた。
 ぷつりと糸を切るような感触が下腹でしたと思う間もなく、傷付いた粘膜を擦られる痛みと、体の中を異物に
押し広げられる圧迫感で将之は思わず、変な悲鳴を上げてしまう。
 殴られたり蹴られたり、時には刃物や殴打用の鈍器まで持ち出されるような喧嘩を今までに幾つも
こなしてきた筈なのに、大抵の痛みには耐えられるものと自負していたのに、こんな感覚は想定外だった。
 奥の奥まで入り込んで、突き当たりでじんわりと内壁に押し付けられた硬さはじっと己自身を周りの粘膜に
馴染ませるよう─もしくは形を覚え込ませるように大人しくしている。先程変な感じがした部分は未だに少し
ひりひりしていたが、周囲からどんどんとろみのある体液が分泌され続けるに従って痛みは次第に薄れていき、
替わって掻痒感にも似た疼きが同じ場所から拡がり始めた。
「……そろそろ…動く、よ……」
 しがみ付くようにして自分に覆い被さっていた理久がのろのろと上体を起こす。
 その動作だけで、体の中に入り込んでいる相手の一部が角度を変えて内壁と擦れ合い、ほんの僅かな刺激が
何十倍もの電気信号となって脳裏に突き刺さった。
「ひぅっ!? ……ん、ぁ、ああっ!!」
 将之の両脇に手をついた理久がそっと腰を引けば、ずるずると抜け出て行くものをまるで引き留めたがるように
粘膜のひだは締め付けを増し、摩擦と抵抗の生み出す訳のわからない感覚は津波のように全身を侵蝕する。
 完全に引き抜かれるかと思われたそれは、寸でのところで動きを返し、再び奥深くまで楔を打ち込んできた。
小さく、湿りを帯びた破裂音と共に潤滑液が溢れ出して尻房を伝い、シーツに滴り落ちる。

 熱い。
 苦しい。

 脚の間で理久の薄い腹が動いているのが涙で霞んだ視界に映る。
 筋肉のあまり付いてない胸も、腕も肩も、激しい呼吸に合わせて上下し、熱い汗に塗れている。

 カズが、物心つく前から一緒に遊んで、話して、寝食すらも共にした時間の方が多いはずの理久が、
見たこともない表情で自分を犯している。
 風呂や水遊びの時には見せ合ったりもし、思春期の訪れた頃には聞きかじった知識だけで共に自慰を
試してみもしたりで馴染みがあると言えばそれなりにある理久の一物が、熱く灼けた杭のように自分を
串刺しにして、責め苛んでいる。

 そういえばさっき、こいつは何を言っていたっけ。
 どっちかが女になれば一緒に居られるとか何とか、それじゃあ何時からかは知らないが、ずっと自分のことを
そんな目で見ていたのか?
 生まれてから死ぬまで─いや先のことはそれほど考えてなかったが─たとえ進む道を違えようが、
何があろうとも生涯一番の親友だと思っていたのは自分だけだったのか?

817:皆上将之の災難 13/14 ◆YOLph2yTEI
10/07/09 22:00:36 3MIz4agk
「……ず………カ、ズぅ…っ……」
 力の入らない声で呼んで、宛てもなく伸ばした手は理久の骨っぽい手に掴み取られ、指を絡めるようにして
握り合わされた。
 その手の向こうにある理久の顔はどことなくしおらしい表情をしていたように思えたが、相変わらず、いや更に
回すような動きまで交えて前後する腰はやはり容赦なく体の中を掻き混ぜているし、自分のそれを握っていない
方の手と来ては太腿から腹を撫でさすり、這い上がった先で執拗なくらい胸乳を揉み捏ねている。
「まーちゃん、今、すごく可愛い……」
 聞き捨てならない台詞を呟いた理久の口元が、一瞬蕩けんばかりに甘い笑みを作り、握られた手に
熱い息が掛かったと思う間もなくその甲から指先まで、あたかも舐め回すような口付けを這わせ始めた。
「や、ゃめ……ろ、馬鹿、ぁ……んぅ……」
 目の前で自分の手指までが犯されているような気持ちになって腹立たしいのに、今すぐにでも止めさせたいのに、
もう片方の手はそれを止めようとするでもなく胸を弄くっている側の理久の腕を滑り上がって肩に縋り、
一方では理久を咥え込まされた下腹がきゅうっと縮こまるような、何か熱いものが脊椎を駆け下りてそこから
溢れ出しそうな感覚が体の中を吹き荒れる。
「…っ、すごい、締め付けてきた……ね、もう、イキそう?」
「ち、ちが…っ、違……う……ぁ、あぁ…ァ……!!」
 頭と肩に敷かれたシーツがぐちゃぐちゃになる勢いで否と首を振り、必死の抵抗を試みるも、もはやそこまでだった。
 腹の奥から生まれた痙攣が腰を震わせ、背筋を跳ねさせて頭の芯にまでがんがんと響く。
 収縮したことで、より内側の理久を喰い締めることになった粘膜はその質量がやにわに膨れ上がったことを感じ取り、
その後に訪れるものを待望するよう歓喜にさざめいた。

 強烈な快楽に揺さぶられ、焼き切れ暗転しようとする意識の縁で、将之は自分の口からひどく甘ったるい
嬌声が上がったことと、体の奥深くに生温かい飛沫が注ぎ込まれ、満たされていくのをぼんやりと知覚した。

          *          *          *          *          *

818:皆上将之の災難 14/14 ◆YOLph2yTEI
10/07/09 22:01:07 3MIz4agk
 ひやりと、肌の冷える感触に意識が覚醒へと向かう。
 今は何時なのか。随分と長時間眠っていたような気だるさが体の中にわだかまっている反面、あまり
ゆっくりと休めていないような疲労感が背や腰の辺りを重くしているのだという気もする。
 そんなぼやけた気持ちをこそぎ取るかのごとく、生温かく湿った何かがぞろりと脇腹を拭って動き、
僅かな時間差で気化熱を奪われた皮膚がすうっとして、将之は一気に目を見開いた。

「わ……あ、の……おはよう……」
 まず見上げた視界の中には理久が驚いたような顔をしていて、その薄べったい肩からまっすぐに繋がる
腕の先、骨ばった手にはゆるく絞った濡れタオルが握られ、それが自分の腹の上を丁寧に清拭している。
 瞬間、どうしてそんな事になっているのか飲み込めずに再び目を閉じ、もう少し寝直してしまおうかと
思っている間にも体の表面を撫でるタオルは几帳面なストロークで移動し、だんだんと下腹から脚の方へ
向かい始めた。
 しかし、両足の付け根のあたりをやや躊躇いがちに一往復した後は何故か急に手が止まり、迷うような
気配すらおぼろげに伝わってくる。
 なんで中断してしまうのか、折角気持ちいいのに……と、今や眠りに再侵食されようとしている将之の脳裏は
ぼんやりとそれを訝った。
 無言の催促が伝わったものかどうかは定かではないが、しばしの間を置いて動き出した理久の手は
太腿を外側から辿って汗ばんだ肌をぐいぐいと拭い、次いで下から尻臀を擦り上げたかと思うと、両脚の間の
なんだか奇妙な感覚のわだかまる場所、今気が付いたが変にべとべとした不快な湿り気を帯びているそこに
そっと触れ、うって変わってくすぐるほどの力加減で皮膚の薄い部分をなぞっていく。
 眠りに落ちる前に触れられた時よりもだいぶ遠慮深い動き、しかし何かを思い出しかけた体は過敏に反応して
肌の内側に熱を点し、正体の解らない波が腹の奥底からせり上がってきて─

「………………!!!!」
 
 突然、上体を跳ねさせるようにして起き上がった将之は自分の、未だにそう認識するのは難儀だが
首から下にくっ付いているからには認めざるを得ない、素っ裸の女の体をまじまじと見下ろし、そして今現在、
その股間にタオルを持った手を突っ込んでいる幼馴染の顔を穴の開くほどじっと凝視した。
「……カズ……」
 頭がはっきりしてくると同時に、嫌がらせのような鮮明さで蘇った記憶がみるみる顔に血を上らせる。
 羞恥だとか、驚愕だとか、どうしていいのかわからない戸惑いだとか、ありとあらゆる未整理な感情と思考が
走馬灯よろしく将之の脳裏でちかちかと瞬き、一拍の後に最も大きく膨れ上がったそのうちの一つ、
無二の親友だと思っていた相手に女扱いされあまつさえ体まで繋げられてしまった事に対する怒りが
他の全てを覆い尽くして表層化し、体の動きに直結した。
「……手…っ前ェ…………歯ァ食いしばれ!!」
 鈍い音と共に、女の腕とはいえ、力の乗ったいいストレートを顔面に喰らった理久が吹っ飛んで
ゴロゴロと床に転がる。
 殴ってからはっと気がついて見渡せば、いつもの銀縁眼鏡はベッド脇の棚にちんまりと置いてあったので
将之は心置きなく腹立たしい気分を続行した。
「ふぃ、ひま、くいひはれってひふまへになふったよ!?」
「うるせえ黙れこの強姦魔──!!」
 ぼたぼた垂れる鼻血を片手で押さえながら涙目で見上げてくる理久の反論を文字通り一蹴し、部屋から
放り出した背中に脱ぎ散らかされていた衣服を投げつけると音高くドアを閉め鍵を掛ける。

 合板の向こうで理久が何か言っているような声がしたが、これ以上聞いていたくなくて、両手で耳を塞いだ
将之はドアに背を擦る形でずるずると座り込んだ。
 裸の脚や尻に板張りの床が冷たい。
 思わず腰を浮かしかける姿勢になって、その拍子に体の内側からこぼれ出てきたものがとろりと内腿を伝う
感触にぎょっとする。
 音というほどの音もなく、フローリングに垂れ落ちる薄く濁った液体。


 ひどく情けない気分になった将之はふらつく足取りで自分のベッドへ倒れ込み、もぞもぞと引っ被った布団の陰で
胎児のように丸く、身を縮めた。

819: ◆YOLph2yTEI
10/07/09 22:04:28 3MIz4agk
とりあえず前半の投下終了です。

行数、ちゃんと数えたのに「文章が長すぎです!」エラーを喰らって
更に分割したから総レス数が1つ多くなりました。
しかも1レス目と2レス目、ナンバリングの位置をうっかり間違えて鳥が変わってしまったという凡ミス。

色々と不手際のおい投下で失礼致しました。

820:名無しさん@ピンキー
10/07/10 00:18:18 sfSr69kA
GJ!

カズかわええな、おい。

821:名無しさん@そうだ選挙に行こう
10/07/10 09:22:58 o4naBSgK
面白かったが一つツッコミを
「理久」がなんでカズって呼ばれるのか?

822: ◆YOLph2yTEI
10/07/10 10:59:22 OXvIF7nB
あ、すみません>>821

カズの名前は門司理久と書いて「もじ かずひさ」と読みます。
漢和辞典の巻末で調べたら、「理」は人名に使う際は「かず」と読んでもおkだそうなので。

823:名無しさん@そうだ選挙に行こう
10/07/10 14:07:52 ti9bQf0W
判決:無罪。もしくはもっとやれ。


824:名無しさん@そうだ選挙に行こう
10/07/11 23:22:28 AKZNfSiI
わっふるわっふる

825:名無しさん@ピンキー
10/07/13 10:27:43 KJXKRTMi
文章の推敲うまいなぁ

最後のレスの「理久の反論を文字通り一蹴し」なんて「文字通り」って言葉が入っただけで
顔面を蹴飛ばして口を塞いだって言うシーンが見て取れる。

俺だとどうしても冗長に描写してしまいがちだ。
真似させて貰うわ


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