08/08/23 17:30:28 so224gDn
「じゃあ、桂さん。さっき休憩室で桂さんが加藤乙女さんに話していたことを
ここで私の口から話しますけどいいですか?」
「あ・・、は・・はい・・」
みなみの言葉を戸惑いながらも桂は了承する。しかし・・・
「ちょ、ちょっと待ってよ」
今度口を挟んだのは他ならぬ私だった。
「桂から直接話を聞いたのは私よ。だから話すんなら私が・・・」
「だめです」
「え・・?」
私の申し出をみなみは、どこか冷たい響きすら感じさせる声できっぱりと拒絶する。
「今の加藤乙女さんに話をしてもらっても、
どうしても桂さんに肩入れした感情での話になってしまうでしょうからね。
ここはやはり私があくまで中立の立場で、客観的に話をさせてもらいます」
「で、でも・・」
「加藤乙女さん。自分の感情だけで物事を見ようとすれば、
また・・本当のことを見誤るかも知れませんよ」
「え?」
「乙女は、そのことがわかったからここにいるんでしょ?」
最後にいつものように私を呼び捨てでそう言ったみなみは、
相変わらず微笑みを浮かべながら、でも、真剣な眼差しで私を見つめていた。
みなみ・・・、今のはもしかして今まで私がただ感情的に嫌って・・
そのためにずっと桂の事を見誤っていたことを言ってるの?
そんな心の中での問いかけにはみなみは答えてくれず、
「では、始めますね」
そう言って、さっき私が桂から聞いた、
この2学期に桂と伊藤と西園寺の間に起きたという出来事を話し始めた