スクールデイズの分岐ルートを考えるスレ part6at EROPARO
スクールデイズの分岐ルートを考えるスレ part6 - 暇つぶし2ch250:スクイズアフター
08/07/21 14:39:21 KijO7hZE
S_Days-after 3話b
学園内~
誠「なあ~恭介…さっきの先生って入学式で紹介された新任の…
あれ?何て人だったか?」
恭介「何!?誠がせっちゃんや姉貴や刹姫以外の女に興味があるなんて…
何だ?あの美人が好みか?それともあの胸か?流石オッパイ星人!」
誠「うるさいな~誰もそんな事聞いてないよ!名前だよ!ナ・マ・エ!」
恭介「名前は確か…心先生…葛城心だったか?」
誠「心…葛城心…」
世界「コ・コ・ロ…」
恭介「何だ?世界も気になるのかよ?」
しばらく思い出そうと悪戦苦闘するが…
世界「駄目~思い出せない!…そんな変わった名前忘れるはずないのに~」
誠「う~ん…俺も駄目だ~思い出せない!」
恭介「前世の恋人とか親友とか?」
世界「それ…洒落になってないんだけど…恭介…」
恭介「うわ~ごめん…ついうっかり…」
恭介は俺達の名前の意味を知る数少ない友達だから…
誠「まあ~いいや…さっさと買い出し行こうぜ!」
世界・恭介「おう!」
俺達は足早に校門を抜けると駅に向かっていった…

清浦家~リビング
色々な料理の準備を終えエプロンを置く
誠「じゃあ俺、隣に行くよ…たまにはのんびりしなよ…」
刹那「うん~誠ありがとう…お言葉に甘えさせてもらうわ…」
誠「はは~いつも仕事で忙しいんだからたまには羽を延ばさないとなあ~
せっちゃんは…」
刹那「…う、うん…」
その目はいつもの母親の目とは違う…
嬉しさと哀しみと懐かしさを含んだ目に変わった事を悟る誠…
誠「…《いけねーつい…せっちゃんって言っちまった》
じ、じゃあ…か、母さん行くよ…」
刹那「あ…うん~いってらしゃい誠…」
足早に去っていく…

誠《全く…駄目だな…ついせっちゃんって言っちまう…
もう言わないって決めたのに…》
そう…子供の頃はせっちゃんと言うのは普通だった…
何時の頃からか…せっちゃんと呼ぶ度にさっきのような目をするようになったのだろう?
それが分かったのは中学1年の頃…たまたま部屋の掃除をしていて見つけてしまった…
それは父、伊藤誠の赤ちゃんから高校入学までのアルバムだった…
写真はないと言われていただけに興味をそそられたが…
自分のアルバムと比べても余りにも似ている事に気がついた~
以前から似てる似てると言われていたが…勿論細かいところ…
髪の色や目、口などよく見ると違うが…全体的な印象はそっくりだった……

251:スクイズアフター
08/07/21 14:39:49 KijO7hZE
S_Days-after 3話c
だからせっちゃんは俺、清浦誠を通して父、伊藤誠を見ている事に気がついた…
せっちゃんがそれで懐かしんで喜ぶのなら構わないと思っていた…
だが…あの話をした時からだ…あれは榊野学園の合格が決まった日の夜…
伊藤誠は俺達の父親で西園寺世界はせっちゃんの親友…そう聞かされていた…
だがせっちゃんから語られた真実は余りにも重かった…
伊藤誠は西園寺世界、もう1人の女子と付き合っていた…俗に言う二股である…
しかも痴情のもつれから世界は誠を殺して…世界はもう1人の女子に殺されたと…
それを聞いた俺はショックだった…そして伊藤誠を憎むようになってしまった…
俺は清浦誠だ…伊藤誠の生まれ変わりでもクローンでもない…
…ないんだが…それまで気にしてなかった有紀姉と刹姫との関係…
そう…まるで伊藤誠が二股をかけていた事と全く同じ事をしている事に気付いてしまった…
俺は…血や遺伝子に逆らえないのか?
俺も伊藤誠と同じ事をしてしまうのか?
俺はどっちの誠なんだ!…

あれ以来、その話はなくなった…だが何で今頃になってそんな事を言うのか?
と当時疑問に思ったが…せっちゃんは言う…榊野学園に受からなければ言うつもりはなかったと…
しかし受かってしまった…受かった以上、例え15年前に起こった事件でも
覚えている人が皆無かもしれなくても何かのきっかけで発覚するかもしれない…
その覚悟で通えるかをせっちゃんに問われたが…答えはすぐには出なかった…
後に…有紀姉、恭介、刹姫に相談して俺達は榊野学園に通う事を決めた…
ただ…この事がきっかけで世界と恭介が別れた事はせっちゃんには話していない…
また仲が戻っていただけに今の2人を見ていると辛くなる…

緒方家~
有紀「まーくん~身体の調子悪い?」
俺の顔を覗き込むように心配する有紀姉…
誠「だ、大丈夫だよ…お!…このサラダ美味しいね~」
有紀「これ私が作ったの~これも食べてね!まーくん…
って!あんたたちいい加減にしなさい!せっかくの料理が冷めるでしょ!!」
恭介「うわ!はいはい~世界食べようぜ!!…お!このサラダ美味しいぜ!
さすが姉貴だぜ!これならすぐ嫁さんに行けるぜ!」
有紀「もうさっき、まーくんに褒められたから良いの~
はい~まーくん!これなんかも美味しいよ!」
誠「ゆ、有紀姉~そんなに慌てないでよ…」
有紀姉のターンが続く……

252:スクイズアフター
08/07/21 14:40:20 KijO7hZE
S_Days-after 3話d
和気藹々と食卓を囲んでいると…
ガチャと言う扉が開く音が聞こえたかと思うと…
??「有紀姉さん!そこまでですわ!」
誠「げ!~さ、刹姫!お前…いつ日本に?」
刹姫「つい今し方到着して只今戻りましたわ~まこちゃ~ん…会いたかったです!」
と言って誠を抱きつく~先程の有紀のターンがそっくり刹姫に移行した瞬間だった…
誠「そ、そうかおかえり刹姫…」
刹姫「はい~ただいまです~」
世界「おかえりー長旅ご苦労様…」
刹姫「世界!ただいまですわ!」
恭介「おかえり~しかし相変わらず小さいなあ~ちったあーどこか成長したか?刹姫…」
刹姫「恭介も相変わらずのアホ面も変わらないですわね~余計な御世話です!」
有紀「ははは~お早いおかえりで…その大丈夫だったの会社乗っ取り阻止は?」
刹姫「はい~せっ…刹那さんが立てたプランで十分対抗できましたわ!」
誠「…《最近夜遅くまで起きてたから~大変だな…母さんも…》」
刹姫「それより~有紀姉さん…随分と私がいない間にまこちゃんとラブラブしてたようで~」
有紀「…な、何の事かな?…お姉さん~全く覚えがないわ~」
惚けているとメモ帳を取り出し…
刹姫「映画、ゲーセン、遊園地に水族館…映画は2回言ってますわね~」
有紀「はあ~相変わらず情報が早い事で…」
半ば諦め顔で返答する…
誠「…《全くアイツのメモ帳は閻魔帳かよ~まさかアレは知らないだろうな…》」
刹姫「まこちゃん…まこちゃんも隠してる事ありますわよね?」
誠「《ギクッ》な、何の事かな?」
刹姫「ほう~惚けますの?…正直に言えば私は許しますわよ…」
誠「《駄目だ…仕方がない…正直に言おう…》
正直に言う…その…あの乃木と会ってた…って言ったって
別にデートとかじゃなくて悩み相談されて…って?…刹姫…どうした?」
刹姫が明らかに動揺していた…
刹姫「え!?あの~その~乃木さんね…そう乃木さんか…桜井さんも…でしょ?」
誠、有紀「!!?」
刹姫「乃木さんはさすがに情報から漏れてましたわ…」
誠「げ?!卑怯だぞ~何で桜井は知ってて乃木さんは知らないんだよ!」
有紀「まーくん~ちょっとお姉さんと話そうか…刹姫も来るわよね?」
刹姫「勿論~乃木さんの事を詳しく聞かせて貰うわ~まこちゃーん!」
2人は誠を別部屋へ引き摺っていく…
誠「うわ~助けて!世界!恭介!」
世界、恭介「ごゆっくり~」

253:スクイズアフター
08/07/21 14:40:50 KijO7hZE
S_Days-after 3話e
隣の部屋では誠がどんな目にあってるか~世界も恭介もよく分かっている…
ゲームをやりながら2人は話す…
世界「全く誠も要領悪いんだから~せっかく乃木さんの事は黙っていたのに…」
恭介「相変わらず人気あるのなあ~女の子に…
まあ姉貴と刹姫との事が原因なんだから皮肉だよなあ~
世界挟み込むぞ!」
乃木は誠達とは同級生で以前から誠にアプローチをかけていた女の子で~
有紀、刹姫が警戒していた子…
桜井は同じ中学の後輩ではあるが有紀、刹姫とは顔見知りな為、問題なかったのだが…
世界「了解!…まあね~有紀姉や刹姫は目立つし有名だからね~
あの2人が夢中になってる男の子に関心がいくのも無理ないわね…」
恭介「乃木はあからさまだからなあ~やっぱりデート?」
世界「多分ね~あの子、アメリカに行くから最後の思い出作り…だったはず~
だから武士の情けで有紀姉にも刹姫にも秘密にしていたのに~
誠自体、鈍感過ぎるのよ…女心を…って恭介そこサポート!」
恭介「OK!…アイツは優しすぎるからなあ~
まあ…そこがアイツの良いところでもあるし~悪いところだよなあ~」
世界「それで自分を傷付けて苦しんでるんだから…本当に…バカなんだから…」
少し涙目になる世界…
恭介「世界…気に病むなよ…お前だって十分苦しんでるんだから…さ…」
世界「ありがとう…恭介…」
恭介「俺は見守るぐらいしかできないから…いつまでも待ってるから…」

ピンポーン!
恭介「うん?誰だ?…」
ひとまずゲームを止めてインターホンに出る…
恭介「はい~緒方ですが…あ、お久しぶりです~今開けますね!」
慌てて玄関に向かう…そして…
止「ヤッホー世界ちゃん!おひさ!!」
世界「うわ~イタルさん!お久しぶりです~」
世界は立ち上がると止に抱きつく…
止「2人とも高校入学おめでとう~って…あら誠くん達は?」
世界「ははは~今、誠達は隣の部屋で…」
パタン!
誠「止さん!助けて!」
恐怖に引きつった誠が止の後ろに隠れてガタガタ震えていた…
有紀、刹姫「止さん~お久しぶりです!」
止「3人共元気そうね~相変わらず…」

落ち着いたところで止は…
止「遅くなったけど私からの高校入学のお祝いね~はい…
世界ちゃん、誠くん、刹姫ちゃん、恭介くん…それと有紀ちゃんへ~」
それぞれにプレゼントを渡していく…
有紀だけが戸惑っていた…

254:スクイズアフター
08/07/21 14:41:20 KijO7hZE
S_Days-after 3話f
有紀「あ…止さん…私は去年入学したから…お祝いは…」
止「うん~私もそう思ったけど…去年お祝いあげられなかったし…
みんな一緒が良いかなと思って…迷惑じゃなかったら受け取って~」
有紀「ありがとう止さん…大切にしますね!」
止「うん…じゃあ私はこれで帰るね~」
刹姫「止さん~もう帰ってしまうんですか?」
止「まだ大学に提出するレポートが終わってないから…」
誠「う~ん…そうか…でもせっかく来たんだし…せめて料理食べて下さい…
最近食事ちゃんと取ってますか?何か顔色悪いですよ?」
止「…あ、うん…そうね~じゃあこの美味しそうなハンバーグ良いかな?」
誠「止さん~大好きですねハンバーグ…もし何だったら後で包みますか~
前も凄く喜んでいたから…」
止「そうね…お願い…おに…うん…誠くん~」
誠「あ~はい…じゃあ食べててください…準備しますから…」
止「うん!」
恭介「止さん~これもいけますよ…うちの姉貴の自信作です~」
サラダを差し出す恭介…
有紀「もう恥ずかしい事言うな!はは~どうぞ止さん~」
止「うん~戴きます!」

その光景を見ながらさっき止さんが言いかけた事を思い出す…
そうあの時の目はせっちゃんと同じ懐かしさと哀しみを持った目…
せっちゃんから聞いた事がある~止さんは伊藤誠お兄さんが大好きで…
よく好きなハンバーグを作って貰ったらしい…
誠「《俺が作ったハンバーグ…果たして止さんを少しでも癒せてるのかな?》」
そんな事を思いながら包んでると…
世界「誠!このまま包む気?キッチンペーパー入れないと大変よ~」
何時の間にか世界が横に来ていた…
誠「あ!?いけねー悪い世界~」
世界「誠は気にしすぎなのよ~誠は誠…あんたはあんたなんだから…
他の誰でもない…私の双子の片割れ~それで良いんじゃない?」
誠「世界?…」
世界「しっかりしろ~清浦誠!私達は姉弟じゃない…双子よ!
せっちゃんのお腹で産まれて私がたまたま早く出ただけよ!
だから私達は姉でも弟でも兄でも妹でもない…だから分かるのよ~
伊藤誠なんか気にするな…あんたは清浦誠なんだから…」
誠「…」
世界「ほら~清浦誠…あんたが作ったハンバーグ渡してきなさい!」
誠「ああ~ありがとう世界…」
2人揃って…みんなの輪に入っていく…

3話「姉でも弟でもない双子」完

255:スクイズアフター
08/07/21 14:41:58 KijO7hZE
スクイズアフター番外編3話をお送りします~

まあ一応キャラが判りにくいので最初に声優と簡単な説明を…
当初、全く悩みなどなかった清浦誠、世界…しかしふと1話、2話を書いていく内に
彼らが自分らの名前の意味を知った時、果たして平常でいられるか?
そして誠も世界もどんどん似てきます…回りの反応は?
そんな事を思いながら話を作ってみました~ただ有紀と刹姫の微妙な関係がちょっと書き切れてないのが
残念です~

世界も何故恭介と別れたか?
もう少し煮詰めても良かったかと思うけど~

さて突然現れた新任教師…葛城心…本当は光や乙女と絡ませる予定でしたが…
いきなし誠と絡ませる事でこの2人の過去の出来事を醸し出せたら~
などと思いましたが~伝わったかどうか?


さて次はどうしようか?ネタも尽きたから暫くは新ブログとネタ作りと以前の書き直しをしようかと思います~
ではまた~

256:tyoujiya
08/07/21 18:24:03 fnXtmlBH
3夜連続投下となりました
>>243
からの続きです

急転直下にして怒涛の完結編?!



257:tyoujiya
08/07/21 18:26:01 fnXtmlBH

私に助けを求める桂の声を聞いたとき、この身体は勝手に動き出していた。
私は休憩室に飛び込むと、今まさに桂に挿入されようとしていた
(下半身剥き出しの)澤永のイチモツを掴み、
「このエロエロ星人! いいかげんにしなぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
とそのままジャイアントスイング!
澤永の身体は、凄い勢いで窓ガラスを破って外に飛び出した。

窓の外で激突音がし、それと同時に
「ぎょえーっ!」
と悲鳴が上がる。
見てみると、澤永と重なり合うように西園寺が倒れていた。
投げ飛ばされた澤永と偶然激突したらしい。
二人ともマンガのようなたんこぶを頭に作り、目を渦巻状にして気絶していた。
更に澤永の脳天にはガラスの破片が突き刺さり、血がぴゅ-ぴゅ-と噴出して、
なんだかとても綺麗だった。

そしてその傍らには伊藤が立ち尽くしていた。
どうやら西園寺と一緒にいたらしい。
と、伊藤がこちらに気づく。
「加藤? それに、言葉?! どうしたんだその姿は?」
伊藤はレイプされる寸前だった桂の衣服の乱れに驚く。
「どうもこうもないだろ! 桂はそこの澤永に無理やり犯されるとこだったんだ!
 ずっと伊藤に助けを求めてたのに、あんたがそのアホ毛女と乳繰り合ってるから、
 仕方なく私が助けてやったんだ!」
私は、自分が澤永を唆したのを棚に上げてそう言った。



258:tyoujiya
08/07/21 18:27:12 fnXtmlBH

すると伊藤は
「そうだったのか、ごめん言葉・・・。じゃあこれから俺とフォークダンスを踊ろう」
とのたまい始める
「は? 何それ? アンタその西園寺と付き合ってんじゃないの?」
「いや、世界とのことは気の迷いだった。俺、やっぱり言葉が好きだ」

おいおい、伊藤。あんたさっき思いっきり桂を見捨ててたんじゃないの?
心の中でのつっこみとともにその唐突な展開に私は呆然とするが、
もう一度伊藤を見ると、奴の視線は無理矢理はだけられていた桂の胸元や、
剥き出しにされた股間にばかり行っており、鼻の下はこれ以上ないくらいにだらしなく伸びていた。
どうも桂のレイプ間際だったというシチュエーションが、
伊藤の何かのスイッチを入れてしまったらしい。
私はそんな伊藤の様子に百年の恋も覚めてしまった。

一方の桂は
「誠くん、信じてました。嬉しいです」
と目を潤ませて微笑んでいた。
おいおい、桂、本当にそれでいいのか?

「加藤さんありがとうございます」
と礼を言う桂に、私は、
「礼には及ばないわよ。人間として当然のことをしたまでだから」
と自分が澤永を唆したのを棚に上げて白々しく応える。

そして桂は伊藤に手を引かれてグランドに向かい、そのまま二人で
フォークダンスを踊りだした。
伊藤の目は、相変わらず桂の胸元ばかりに行っており、その鼻の下はすっかり伸びきっている。
桂よ、とりあえずそのはだけた胸元を直せ。他のギャラリーも注目してるぞ。
ともあれ伊藤とフォークダンスを踊る桂の姿は、レアな上に作画枚数も少ないものの幸せそうだった。

と、ふと横に目をやると、目を覚ました澤永がまだ気絶している西園寺を犯していた。
暴発寸前で私に邪魔されたので、我慢が出来なかったらしい。


はあ・・・・、なんかもう疲れた。帰ろ。



259:tyoujiya
08/07/21 18:27:49 fnXtmlBH

-後日談-

結局桂は伊藤と付き合うことになり、桂は毎日とても幸せそうだ。

屋外で堂々と西園寺を犯していた澤永は、当然のように教師たちに咎められ退学になった。

西園寺は振られたのとレイプのショックでずっと引きこもっているらしい。

そして私はというと・・・

もともと桂いじめの先鋒だったくせに桂を助けたということで4組女子には裏切り者と見なされ、、
更に西園寺と伊藤の仲を邪魔をしたのが七海を怒らせたらしく、
今や4組女子と運動部女子全体双方による壮絶ないじめの対象になっていた。
おまけにみなみたちに私のレイプ教唆の件をばらされたために、
感謝されていたはずの桂にまで見限られてしまった。
ふと自分の机に目をやると、「死ね」とか「裏切り者」とかのマジックの殴り書きに混じって、
「加藤さんて最低です」という桂による書き込みまで見られる・・・・・・OTL

とほほ・・・・・・っていうか、今回何であんなにはっちゃけた展開だったのに、
ここのオチだけ妙にリアルで鬱なのよ?!!



-BAD END?-



260:tyoujiya
08/07/21 18:29:17 fnXtmlBH

というわけで完結です。






えー、・・・ごめんなさい。
今回投下分257~259は、番外的嘘展開エンドですのでなかったことにしてください。
て言うか本当にこれで終わりだったら、今まで読んでくれた人は流石に怒るでしょ?
いや、なんか暑くて衝動的にはっちゃけたくなったもので。

正編の展開はこれからじっくり書きますんで、またしばらく間をおかせてください。

では以降も宜しくです


261:名無しさん@ピンキー
08/07/21 22:05:22 c+kQXCOj
>255
お疲れ様でした
今は紅茶でも味わって英気を養ってください

>260
うん……まぁ、暑いしね
>255氏もですが、気分転換も必要でしょう

でも、このノリはいきなりで吹いたッスw
言葉の代わりにレイパーにヤられちゃう世界が少し不憫ですが

>伊藤とフォークダンスを踊る桂の姿は、レアな上に作画枚数も少ないものの幸せそうだった。
……うん
ちょっと原作を思い出して泣けてきた&世界への反撥心がムクムクと首をもたげてきた
せかいちゃんはおトモダチがたくさんいるんだから、オレ一人くらい同情しなくてもいーよね?


262:名無しさん@ピンキー
08/07/21 22:39:15 s5h/OspN
>>tyoujiya氏
なんじゃこりゃー!?と思いきや、番外ギャグENDでしたか。スケベ面した誠を
間近で見たら、そりゃ乙女の恋心も冷めるよねえ(笑)。おまけに以前と立場が逆転し
悲惨な目にあってるのに、乙女ざまーみろな皮肉じゃなく笑えるのはなぜでしょう?
こういうノリだったら、ノコギろうが、メッタ刺そうが、飛び降り脳みそブチまけ
だろうが死なないですねきっと。

……しかし笑えるのはここまで。本命はかなりどぎつい展開になりそうです。


263:SINGO
08/07/22 02:41:30 AsTxw+0O
どうも、先輩がた。
今回は、アニメのスクイズの特別編とも言える
【マジころ】を題材にしてみました。
ので、投稿します。

今回も、うざいくらいに田中刹那のカプコンビで行きます。

【School Days 特別編】
OVA マジカルハート 心ちゃん 第0話
刹那Side Story


264:SINGO
08/07/22 02:42:27 AsTxw+0O
【School Days 特別編】
OVA マジカルハート 心ちゃん 第0話
刹那Side Story

俺は田中。
今、とある教会に向かっている。
その教会には、俺の想い人…清浦刹那が待っている。
…といっても、これから挙式をあげる訳ではない。残念な話だが。

端的に説明すると、
何をトチ狂ったか、教会を占拠した(つもりの)清浦は、そこをアジトにし、
悪の秘密結社を築いたのだ。
世界征服だと?馬鹿か。
こちらの次元の清浦は、思い付いた事をすぐ実行に移すので、始末に負えない。
まるで涼宮春日だな。さしずめ俺はジョンか?
憂鬱な気分だ。付き合う方の身にもなってくれ。

《教会》
「何やってんだ?清浦さん」
「ドクターSと呼んで」
清浦は黒マント付きのヨロイを着込んでいた。
スクーウォーズのグースベイダーの気分でいるらしい。
「コスプレか?」
「悪の秘密結社というからには、まず形から入らないとね」
頭が痛い。この俺の、溢れんばかりの脱力感は何だ?
「色が黒なのもポイント。古今東西、悪の統領は、たいてい黒服を着ている」
なら、神父やシスターは悪か?教会で、そんな話をするな。
「巷じゃ、正義の四人組がハバをきかせてるらしいの。あんなコスプレ好きの変態達に、私達が
負ける訳にはいかない」
清浦のソレもコスプレだが。てか、私達って言うな。まるで俺が含まれてるみたいだろ。
「田中のコスチュームも用意した。着てみて」
渋くタキシードで頼む。
☆じゃん☆
うを!!何で、ボンテージスーツなんだ!?
しかも何だソレ!乳首を隠す部分が、意図的にカットされている!SMそのものだ!
俺にソレを着ろってのか?冗談じゃない!!
清浦、正気か?
てか、こんな物を教会に持ち込むなァ!!
「コレ、世界の趣味らしいの。私は興味ないって言ったのに、ムリヤリ
押し付けられて…」
嘘ついた!イエス様の前で嘘ついたよ、このSM嬢!
俺は知ってるんだぞ!
Summer Days に、SMエンドがある事を!
完璧にソレ、お前ら家族の性癖だろ!!
しかも親友を犠牲にして、さらに辱めてる!
鬼か清浦!
とにかく、俺は嫌だぞ、そんなコスチュームは。
絶対、警察に通報される。
「でも、露出が過ぎる。隠す所は隠すべき。田中、コレをはいて。」
☆じゃ~ん☆
だから、何で網タイツなんだァ!?
いい加減にしろ!犯すぞ、このアマ!!


265:SINGO
08/07/22 02:43:15 AsTxw+0O
おっと、いかん。落ち着け俺。平常心、平常心。
「む。残念だが(大嘘)どちらもサイズが小さすぎる。俺には入らない」
母さん。巨体に生んでくれて、ありがとー!
「じゃ、こっちの全身タイツを着て。伸縮自在でサイズフリー」
俺をコケにしてるのかァ!
マジで犯すぞ!!
押し倒して、押し倒して、いっその事、180度ひっくり返して、騎乗位にしてやるぞ!!
俺は子宮ガンだから、我慢してやっているが、俺が本気になれば、お前に
孕まされる事だって出来るんだからな!!
「……」
いかん、いかん。文脈が変だ。どうやら錯乱してしまったらしい。
クールになれ、俺。
深呼吸、深呼吸。くんか、くんか。
よーし、落ち着いた。
まったく、馬鹿か俺は。そもそも、男の俺が卵を産めるわけ無いだろ。
「田中、落ち着いて」

「コスチュームは、もういい。で、これから何をする気だ?」
「コレを見て」
刹那が用意したソレは、マンモス型のボストンバッグ?だった。
「コレは…?」
「私の最高傑作。洗脳ガス発生装置・携帯式」
洗脳か。いかにも悪の秘密結社っぽいな。
「このガスを吸った人達は、己の欲望に忠実になり、暴徒と化すの。
例えば、レイパーが澤永になる」
逆だ。澤永がレイパーになるのだ。意味は全く同じだが。
「効果範囲は、最大で半径1km。しかもガスマスクでは防げない」
恐ろしく危険だな(性的な意味で)。
「という訳で、田中。コレを使って、街中にガスをまき散らしてきて」
いや、待て。遠隔操作はどうした?
「携帯式でガスマスク無効って、俺にも被害が及ばないか?」
「……」
「……」
ぶいっ。
何だ、そのVサインはァ!?
俺に行けって?特攻しろって?うおぉ!ふざけるなァ!!
誰か、あの二本指、へし折ってくれェ!!
「すまん。俺、用事を思い出した」
「待って。これを見て」
ん?清浦、その右手のコントローラーみたいな物は何だ?
あれ?何だ?体が勝手に…?
「昨晩、田中が寝てるスキに、不死身のサイボーグに改造したから。
名付けて、究極超人 R・田中一浪(←古い)」
うおおおををを!!!!
「俺の体に、なんて事するんだァ!てか、女のくせに男の寝込みを襲うな!」
「田中。その発言、男女差別になるから」
俺の人権を侵害した奴が、男女差別を語るなァ!!

        つづく

続きは、OVAをご覧下さい。多分、アニメショップで売ってます。


266:SINGO
08/07/22 02:43:58 AsTxw+0O
終わりです。いえ、終わりません。
物語は
OVA マジカルハート 心ちゃん
に続きます。

今回は、理性あるキャラのブレーキがイカれました。
泰介(ギャグ要員)不在のコントSSって珍しいかも。

ところで、皆さんはギャグコントSSを書かないのですか?
なんか、あんまり見かけない気がします。

あと、僕はあくまでシリアス専門です。デビュー当時から、そうだったし。
もともとギャグは専門外。

267:名無しさん@ピンキー
08/07/22 04:19:01 GzNelJr6
>>260
うん。たまには言葉が報われてもいいよね。なんか癒されたよ。有難う。

268:名無しさん@ピンキー
08/07/22 08:41:42 WcnO/lpw
>>255
>有紀と刹姫の微妙な関係が~
この分量でほかの人物配置を描ききっているわけで
話が伸びたときには十分説明されるのだろうし
少なくとも「清浦誠」の心情は十分に伝わってきます
心、いたる・刹那ほかの心象、話がどんどん膨らむところ期待大だったんですが
>さて次はどうしようか?ネタも尽きたから
ぇぇぇえええ! そんな~って感じです GJでした

>>260
子供の頃、苦い薬飲む前にアイスクリーム食べたんですよ
アイスは美味しかったけど、でも薬はやっぱり苦かった覚えが・・・(違
次は薬かぁ~

269:名無しさん@ピンキー
08/07/22 08:50:54 WcnO/lpw
>>266
書かないのではなく「書けない」のですよ。少なくとも自分はそう。
でも、いいなぁこの掛け合い やっぱりコッチ方面のセンス抜群ですよ
趣味の世界では、趣味の人が専門の人間越えることもありますしね いいんじゃないですか?w
SINGOさんのおかげ(せい?)でスレ内での田中の人格の一部が完成した感がありますね
シリアス部門の彼も好きですがこっちはノリがよくでいい
今回は素材(マジころ)選択の勝利もあるのかな sp.GJ

270:tyoujiya
08/07/22 09:00:26 M5Hi8ksO
>>266
この後の田中の運命を考えると切ないですね。
そうか、田中は意識を保ったまま操られた挙句
鮮血の結末かァ~w

しかしその後何の罪悪感も無くみんなと和やかにラディッシュでお茶してる刹那・・・怖っ

271:tyoujiya
08/07/23 09:48:25 xniZaBo/
えー改めて
>>243
からの続きです

ついに乙女を襲う凄惨な悲劇!
覚悟して読むべし? 


272:tyoujiya
08/07/23 09:48:59 xniZaBo/

あ、桂が私に助けを求めている。どうしよう。
「乙女、桂、あんたの名前読んでるよ。どうするの?」
みなみが訊いてくる。
それでも私が逡巡していると、
「もう、乙女ちゃんが助けないんだったら私たちが桂を助けるからね」
え?
来実がそう言うや、来実、夏美、みなみの3人が休憩室に飛び込んでいった。
えぇぇぇぇぇっ?! 
ナニこの唐突な展開?!

「桂、大丈夫?!」
「この女の敵!」
ばきぃっ!!
「くたばれ! エロ魔神!!」
どかっ、グシャ!
「ギャーっ!」
おそらくは澤永が来実たちにぼこぼこにされているであろうことを示す台詞と擬音の後
3人に支えられるように桂が休憩室から出てきた。
泣いている桂を3人は口々に慰めている。
「桂、大丈夫?」
「はい」
「もう泣かないで」
「はい、ありがとうございます」
あまりにいきなりな展開に呆然とその様子を見ているしかない私。
その時・・・。

「桂、恨むなら乙女を恨みなよ。あいつが澤永にあんたを無理矢理抱くように唆したんだから」
なっ?!
「そう、私たち止めたんだけど・・・」
「それに今までも酷いことしてごめんね。私たち、乙女に無理矢理やれって言われて
 仕方なくアンタをいじめてたの」
嘘つけぇぇぇぇーっ!
「い、いいんです。私、気にしてません」
「優しいね桂は。それに比べて乙女はホントに酷いやつだ」
なんじゃそりゃっ?!



273:tyoujiya
08/07/23 09:49:35 xniZaBo/

と、更にその時
「加藤ってそんな奴だったのか、見損なった」
え、伊藤の声?!
振り返ると伊藤、そして一緒に西園寺、七海、それに変な髪形の女・・・確か黒田だっけ?が立っていた。
「変な髪形とか言うな!」
と黒田。いや、言ってないし・・・。
「思ったりもすんな!」
こいつエスパーか?
いや、そんな場合ではなかった。

「い、伊藤、違うのよこれは・・・」
私は何とか弁解しようとするが、
「ちがわないでしょ! だったら澤永を唆さなかったの?!」
と夏美が言う。
「そ、それは・・・」
言葉に詰まっていると、今度は
「伊藤、乙女ってホントはあんたのこと好きなんだけど、間違ってもこんな奴恋人なんかにしない方がいいよ」
とみなみが言う。
こ、こら、ばらすな・・・・っていうか何てこと言うのよ!
だが時既に遅し、伊藤は冷たい目で私を見ると、
「全く・・・、お前みたいな女に好かれるなんてホントに迷惑だ。
 いやこんな酷いことするなんて、お前とはもう絶好だ!
 中学の頃の仲間にもお前とはもう付き合わないように言っておくからな!」
がーーーーーーーーーん!!
なんと言う最悪の失恋っ・・・・・・OTL

「乙女、アンタ最低だよ。明日から運動部女子みんなで制裁な」
「私の澤永に変なこと唆すな、ばーか」
と、七海と黒田も私を責めてくる。
その七海は桂に向かって
「桂、大丈夫。今まで冷たくしてごめんね。これからは同じ中学出身同士、仲良くしよう」
「はい・・・」
七海・・・、みなみたちもだけどあんたら態度変りすぎ・・・。
そんな風に心の中でつっこんでいると、今度はまた別の声が・・
「あーあ、お姉ってほんとに酷いことするよね」
その声のほうを振り向くと、妹の可憐が呆れた顔で私を見ながら立っていた
「可憐、何であんたがここにいるのよ?」
「何でって、お姉の学校の学園祭なんだし伊藤先輩もいるんだから、
 私が遊びに来てても全く不自然じゃないでしょ?」
いや、それは確かにそうなんだけど・・・。
「それよりお姉、ひどすぎーっ。お父さんに言いつけてやるから、今夜は家族会議だからね!」
もう私は袋叩き状態だった。



274:tyoujiya
08/07/23 09:50:19 xniZaBo/

と、西園寺に慰められている桂と目が合った。
すると桂は汚物でも見るような目で吐き捨てるように言った。
「加藤さんって最低です。軽蔑します」
「桂さん、あんな子もう相手にしちゃ駄目だよ」
「はい」
・・・・なんだかもう色々とどうでもよくなってきた私に、夏美が
「じゃあ乙女、私たち帰るから、明日のクラスの後片付けはあんた一人でやんなよ」
なんじゃそりゃ? 後片付け関係ないやん!
とつっこむ気力も無い私に背を向けて夏美たち三人は帰っていった。

「じゃ私らも帰ろうか」
西園寺の声をきっかけに、伊藤たちも桂を連れて去っていく。
呆然と見送る私の耳に、西園寺と桂、伊藤の会話が聞こえてくる。
「桂さん伊藤を寝取っちゃってごめんね。でもやっぱり桂さんに悪いから
 これからは「二人の恋人」EDを目指そうか?」
「は、はい」
「誠もそれでいいよね?」
「お、俺はむしろそっちの方が美味しいけど、言葉はそれでいいのか?」
「はい、誠くんが私のことも好きでいてくれるなら・・」
「じゃあ、決まりっ! 
 でも桂さん、誠に私の体がぶよぶよとか言わせないでよ!」
「うふふ、わかりました」
「じゃあ今度、私がレモンカスタードケーキ差し入れしてあげるね」
と、最後のは黒田の台詞・・。

なんだか意味不明な会話をしながら去っていく桂たちを見送り、
私が呆然と立ち尽くしていると
「か、加藤・・・」
振り向くと、先ほど夏美たちにぼこぼこにされた澤永がはいずりながら休憩室から出てきていた。
「お・・、お前今誠に振られたよな?」
「だ、だから、どうだってのよ?」
澤永のデリカシーの無い言葉に私が答えると、
「か、代わりに俺が慰めてやるよ」
そう言うや否や、先ほどまでのふらふらな様子とは打って変わった
ケダモノのような俊敏さで澤永が私を押し倒す。
「な、何すんのよ?!」
「何するって・・・ナニするに決まってるだろ。
 そうしたらお前、俺の彼女になってくれるんだろ?」
「な、何わけのわかんないこと言ってんのよ?」
そう言いながら、私は澤永を押しのけようとするが、凄い力で押さえつけられて動けない・・
「おいおい、おまえが言ったんだぜ。無理矢理にでも抱けば 女は俺のこと好きになってくれるって・・」
あ・・・。
「桂さんは失敗したけど、今度はもう邪魔も入りそうにないからな」
や、やばい・・。私は本格的に貞操の危機を感じるが、押さえつけられた体が動かない。
て言うか、どうしてこの前と言い、はっちゃけ展開から、オチだけこんなに鬱になるのよ?!

と、そんなツッコミも虚しく・・
「もう諦めなよ。誠のことなんて、俺が忘れさせてあげるから」
と威嚇するような澤永の言葉が耳に響き・・・


「嫌ぁぁぁぁぁぁーーーーっ!!」



BAD END?




275:tyoujiya
08/07/23 09:51:18 xniZaBo/

えー、・・・ごめんなさい。
またやってしまいました
今回投下分~は、257~259同様、番外的嘘展開エンドですのでなかったことにしてください。

暑いんです。うちにはクーラー無いんです。

いや、本当にすみません、次回こそ正編の続きを投下しますんで。
まだ全く手付かずですが・・・(汗)。

これに懲りずに今後とも宜しくです。


276:スクイズアフター
08/07/23 13:10:42 qZLsaRMx
>>261
では紅茶でも戴いて…暑いから麦茶をがぶ飲み~
次の話もまたちょっと考えてます~またイフ並みに長い話になるかもしれないので…
さて暫くはのんびりとさせてもらいます~

>>268
そうですね~また時効を切って彼らの葛藤とラブコメを描く作品にしてもう少しキャラを煮詰めてみようと思います

一応ノートみたらまだ書ける内容があるのでまたやってみます

277:名無しさん@ピンキー
08/07/23 20:58:35 07iZ1Y9w
>>272-274乙
乙女にとっては自業自得だな。

でも次はきついEDになりそうだな・・・。

278:名無しさん@ピンキー
08/07/23 21:33:58 McDPIIVN
>>275
君、おふざけは2度が限度だ

3度目は……わかるね?

279:名無しさん@ピンキー
08/07/23 21:36:04 MVYs1AQ4
でもパターンとして3つ目がどうなるのかは期待してみたかったりする

1)世界
2)乙女

3)誠? ・3ばか?

いや、別に書いてくれって言ってるわけじゃない
いや、言ってるのかw

280:SINGO
08/07/24 01:54:50 hMT0GBsO
>>269
過大なる評価、どうもです。
初期の(脳内設定)田中は、刹那に惚れてる純情少年だったのに、シリアス編で
とんでもない属性が付いてしまいました。


》散る加藤
ギャグ作家の誕生じゃー♪
泰介を差し置いて、加藤がギャグ要員張るとは思わなんだ。
暗黒加藤がギャグ化すると、なぜか憎めない。
あと、以前に改心した加藤(でもギャグ)は好感が持てたっす。


281:名無しさん@ピンキー
08/07/24 05:23:07 o6U2oKI+
>>275
いいぞーもっとやれー・・・と唆してみるか。
今回も言葉が助かって一安心したところだがそろそろ心臓に悪いのが来るのを覚悟しなければいけないのかな?

282:名無しさん@ピンキー
08/07/24 23:50:35 c/4jffsV
>>275
笑った。
まだネタがあるなら、どこまでもギャグ路線でもいい。
まあ、乙女主義者には苦々しいかもしれんが、
二次創作は、「楽しんだ者勝ち」だからね。

283:名無しさん@ピンキー
08/07/25 07:12:11 dlnTI3C7
>>275
別にギャグ路線も番外も否定しないけど、先に本編を終わらせてからやった方が良いと思う。

それはさておき、変わり身の早い三馬鹿&甘露寺に笑ったw
可憐あたりはレイプ教唆の件を知ったら素で言うかもだけど。

284:名無しさん@ピンキー
08/07/25 08:08:56 RgQAhjia
ギャグ=本編
シリアス=パロ

ということなんでしょ?

285:名無しさん@ピンキー
08/07/25 20:41:35 qKbfh/nr
言葉様×誠

286:tyoujiya
08/07/26 20:01:20 OuJPy9+1
どうもです。
賛否取り混ぜ、番外オチも反響があって嬉しいばかりです。

というわけで今度こそ本当に(笑)
>>243
からの続き投下します

改めて257~259及び272~274の事は忘れてください(笑)



287:tyoujiya
08/07/26 20:02:20 OuJPy9+1

え? 今・・桂、私の名を?

「加藤さん・・、助けて・・」

聞き間違いなんかじゃない! 桂は私に助けを求めてるんだ。
でも、何で私に・・・・?

「きゃはははっ、桂の奴、今度は乙女ちゃんに助け求めてるよ。ばっかじゃないの?!」
「ふふっ、ホントよね。いよいよバージン奪われそうで頭がどうかしちゃったんじゃない?」
来実と夏美は、私の名を呼ぶ桂を嘲笑する。
「あ、そういえば、乙女ちゃんて、前に痴漢から桂を助けたことあるんだっけ?」
「あ・・・、うん」
「でもそれって桂だと気づかずに助けちゃったんでしょ?」
「う、うん」
「あはは、それなのに、あいつ今度も乙女が助けてくれるなんて期待してるんだよ」
なおも桂を嘲笑う来実と夏美。
ただ、みなみだけが無表情に私の方をじっと見ている。
その時・・・

「加藤さん・・」

また、私を呼ぶ桂の声が・・・。
「ねえ、また乙女ちゃんの名前呼んでるよ。ホント救いようがないね、桂も。
 乙女ちゃんが桂のことを助けるなんて、そんなことあるって本気で信じてんのかな?」

!!

来実の一言に私ははっとなる。

〝乙女ちゃんが桂を助けるなんて、そんなことあるって本気で信じてんのかな?〟

・・・そうだ、桂は私のことを信じてるんだ・・・。

そして私はあの時の桂の言葉を思い出す。

「あの時、加藤さんが痴漢から私を助けてくれた時・・・」
「そ、そのことは口にするなって言ったでしょ」
「は、はい。ごめんなさい。
 でも、私、それで加藤さんを嫌な人だって思ってた自分を恥じて・・
 本当は加藤さんは、困っている人を放っておけない、いい人なんだって・・・」

そう。私は、桂だってわかってたら助けなかったのに・・、桂にもはっきりそう言ったのに・・
それなのに桂は、ずっと私のことをいい人だなんて信じてた・・・。

それなのに、私はずっと桂を信じなかった。



288:tyoujiya
08/07/26 20:05:01 OuJPy9+1

「私、男の人が怖いから・・・」
桂がそう言った時も、
誰彼構わず男に媚び売ってちやほやされていい気になってるような桂がそんなわけないって
クラスの立場を良くしようと媚を売ってるんだと決め付けて・・・
姑息でむかつくヤツだなんて言って・・・

桂が伊藤と話してるのを見たときも、
遊び半分で伊藤にちょっかいかけてるんじゃないかと一人で勝手に思い込んで・・・。
それを許せないなんて思って・・・

桂が伊藤とつき合ってるって言った時も、
伊藤が桂なんか相手にするわけないって勝手に思い込んで、
でたらめだって決めつけて・・・

あれ? 
そう言えば、私はどうして桂のことを、
男に媚び売ってちやほやされていい気になってるようなヤツだなんて思い込んでいるんだろう?
・・・そう七海に聞いたから?

そう、聞いただけだ。
私はそんな、自分の目で見たわけでもない、ただ聞いただけのことを鵜呑みにしていた・・・。

でも・・
私は自分の目で見ている。
桂が痴漢にあった時、あいつ震えて泣いてた。

私は知ってる。
伊藤と付き合ってると私に言う時、あいつはわざわざ私と二人だけになって、
あの時来実たちが、私も伊藤が好きだと気づいていたから、
だから私に恥をかかせないように、桂は気遣ってくれていた。

そして・・
「加藤さんが誠くんを好きなら、
 私が誠くんと付き合ってることで加藤さんを傷つけてしまうって・・・、
 そう考えると辛くて・・・」
そんなっ風に私にすまないと思いながら、桂は
「でも、ダメなんです。
 もう私どうしようもないくらい誠くんのことを好きになっていて・・・」
そんな風に自分の気持ちを抑え切れなくて・・・

そして私は見て、聞いている。
桂がそんな自分自身の思いを、私にすまないと思いながら、
「ごめんなさい!」
震える声で、泣きそうな顔で私にそう謝るのを・・・。



289:tyoujiya
08/07/26 20:05:36 OuJPy9+1

そして・・・
私は、ずっと見ていたはずだ。
私が桂を否定し、冷たくあたるたびに見せていたあいつの悲しい顔を・・・。
そうだ。桂は私をいい人だなんて、そう信じてたからこそ・・
だからこそ、私に否定されて、冷たくされるたびにあんなに悲しい顔をしていたんだ。

なのに私は、その桂の悲しそうな顔を見ながら・・
そしてその顔を見て、私はずっと心の何処かに痛みを感じていたはずなのに・・
それを自分自身の気の迷いだと決め付けていた。

でも、私は今、自分の心の迷いを否定できなくなっている。
気持ちの奥底からわきあがる疑念を抑えることが出来ない。

桂のことをずっと信じないで、否定してきた私・・。
でも・・・
私は・・
ずっと間違っていたんじゃないのだろうか?




290:tyoujiya
08/07/26 20:06:10 OuJPy9+1

「乙女ちゃん?」
「乙女!」
え?
来実と夏美が私のことを呼んでいることに気がつく。
「もう、乙女ったら何ぼうっとしてんのよ」
「そうだよ。これからいよいよいいところなんだよ」
そう言って休憩室の中の様子をうかがうように私に促す二人。
私が耳を澄ますと・・

「綺麗だよ、桂さんのあそこ。乳首と一緒で綺麗なピンク色だ・・」
「いや・・・、見ないで・・・。見ないでください」
桂の下着が剥ぎ取られたことを示す澤永の声と、
必死で拒否しようとする桂の涙声が聞こえる。

その様子を聞き、まもなく桂の純潔が奪われようとしていることに対する
期待に満ちた薄笑いを浮かべている来実と夏美。
でも、みなみだけはいまだに、無表情に私の方をじっと見ていた。

そのみなみから何故か目を背けながら、私は考えていた。

今日、桂がずっと言っていた、自分が伊藤の彼女だと言う言葉を・・・
そして桂は、澤永に押し倒された時も、ずっと伊藤の名前を叫んでた。
本当に桂が伊藤の彼女だったかはわからない。
でも、2人の間には、桂に伊藤をそこまで信じさせる何かがあったんじゃないのか?
そして、だとしたらそんな伊藤の信頼を裏切っているのは伊藤の方じゃないのだろうか?

バカ! 私ったら何を考えてるの?
確かに私は、これまでの自分自身が間違えていたんじゃないかと疑い始めている。
でも、よりによって伊藤を疑うなんて!
伊藤がそんなヤツじゃないことは私が一番良く知ってるはずじゃないの!
だからこそ私はずっと伊藤のことを好きでいるんじゃない!?

その時、私の脳裏に、先ほどの私たちが皆で桂一人を責め立てている時に、
それを目にしながら黙って立ち去った伊藤の姿が浮かんだ。

!?

その時、私ははっきりわかった。私の心にさっきから巣食っていた
違和感が何なのかを・・・。




291:tyoujiya
08/07/26 20:06:53 OuJPy9+1

「ほら、乙女! またぼうっとして・・」
「駄目だよ乙女ちゃん。いよいよこれからなんだから・・」
来実と夏美がまた私に声をかける。

休憩室に耳を澄ますと、
カチャカチャとベルトを外しズボンをずり下ろす音がする。
「いや・・、嫌あ・・・」

澤永の暴力を恐れ、叫び声を挙げることも出来ないまま、
かすれたような涙声で拒絶をつづける桂の声が私の耳に響く。
来実と夏美は、相変わらず期待に満ちた薄笑いをうかべている。
でも・・
私はもう笑うことは出来なかった。


私は桂が嫌いだ
うじうじしてはっきりしないところも、
お嬢様ぶったところも、
空気の読めないところも、全て嫌いだ。
男子たちが桂のことを可愛いとか噂をしていると、
それだけでむかつく。
そして私は今までずっと、
そんな桂をうざいからと辛くあたって、傷つけて、
傷ついた桂を見ていい気味だって笑っていた・・・。

それなのに桂は、そんな私のことをずっと信じて・・

さっきだって・・
「桂さんも澤永の誤解は解いておかないといけないでしょ」
「そうですね・・・ ありがとうございます」
自分を汚させようとしている私を信じて、お礼まで言っちゃって・・
でも私はそんな桂の背中に、薄笑いを浮かべ
「ばーか」
そんな残酷な言葉を投げかけた・・・。

そして・・・

「加藤さん・・」

休憩室の中から、また、力ない声で私の名を呼ぶ声が聞こえる。
そう、何故そこまで私なんかを信じてるのかわからないけど・・・
でも・・・
今もずっと桂は私のことを信じてるんだ!




292:tyoujiya
08/07/26 20:07:42 OuJPy9+1

私は桂のことなんか嫌いだ。
でも、それは桂を信じなくていいって理由なんかにはならなかったんだ。
少なくとも、桂のことが本当に信じられるか信じられないか、自分で確認するまでは・・・。
ましてや、嫌いだからって、
こんな形で汚させていいなんてこと、絶対にない・・・。
こんなにも私を信じてくれている桂を・・・。


ふと見ると、相変わらず来実と夏美は休憩室の中の様子に耳を澄ませ、
みなみは私の方をじっと見ている。
そう言えばこの子らって、何で私のことを慕ってくれてるんだっけ?
そんな疑問が頭に浮かぶ。
そう、たしか・・・
「そりゃあ乙女はスポーツもがんばっててなんか頼もしいしね」
「それに乙女ちゃんていつも颯爽としてカッコいいもん」
「うん。私たち、乙女のことを尊敬してるんだよ」
いつだったかそんなことを言ってたっけ・・・。


でも・・・

私は頼もしくもかっこよくも無いよ。
私は弱い人間なの。



293:tyoujiya
08/07/26 20:08:12 OuJPy9+1

そう、私は・・
自分を信じてる人間に対して、冷酷に徹しきれるほど強くなんか無い。

だから・・・


「夏美・・、
 来実・・
 みなみ・・・」

「え?」

「私のこと、軽蔑してくれていいよ」


その言葉と共に私は、薄暗い休憩室のカーテンをくぐり中へと一歩を踏み出す。

後ろ手にカーテンを閉める間際、3人の方を振り返ると、
来実と夏美がきょとんとしているのに対し
みなみだけが微笑んでいるように見えた。




294:tyoujiya
08/07/26 20:11:34 OuJPy9+1

今回はココまでです。
なんつーかひたすら乙女の葛藤に終始して、今回も全然物語は動いていませんが、
いよいよ次回からは原作から離れて展開するはずです。
多分。きっと・・。

ちなみに乙女が言葉を痴漢から助けた件を3馬鹿が知ってるのは、
自分が伊藤と付き合ってることを告げる言葉と乙女が二人きりで会話してたときに、
ついてきていた3人がしっかり聞いていたからです。念のため・・。

と言うか、今回の展開(・・と言うか乙女の気持ちの着地点)には
また賛否両論ありそうな気がするなあ・・(汗)

ともあれ
このところ仕事が残業上等な状況で、また結構間が空くと思いますが
とにかく以降も宜しくです。



295:tyoujiya
08/07/26 20:21:20 OuJPy9+1
訂正です

>>290
×そんな伊藤の信頼を裏切っているのは伊藤の方じゃないのだろうか?
○そんな桂の信頼を裏切っているのは伊藤の方じゃないのだろうか?



296:スクイズアナザー
08/07/26 21:03:08 l8rWVcyO
>>294
原作と違って言葉が乙女に気を使う…例の誠くんは私の彼氏ですシーン…
アニメでもそうだけど言葉は自分から出る言葉がどれだけ人を傷つけているかを知らないから…

今回の起点が痴漢とこのシーン…まさにifとして感じます

次の話は仕事が忙しいでしょうから楽しみに待ってます~

297:名無しさん@ピンキー
08/07/26 23:17:57 rCA8s5yO
>294
乙彼さまです
冷やした紅茶をどうぞ
飲み干した瞬間に「では次の任務です」なんてこたぁないですよ?

>ひたすら乙女の葛藤に終始して、今回も全然物語は動いていませんが
いや、今回はこれで良いと思いますよ、私ゃあ
乙女が動くのに必要不可欠なパートでしょう
電子偵察機が離陸するまでの手順を2ページ程描き続けるSF小説とか、1巻丸々敵味方の人間描写に費やしたロボット漫画と同様に

あとは、動いた後にどんな風に物語が転がっていくかです
期待します

298:名無しさん@ピンキー
08/07/26 23:26:25 015oY32q
>>tyoujiya氏
結局は言葉を見殺しにするかと思っていましたが、乙女もまだ
人の心は残っていたみたいですね。というか言葉自身の問題以上に
誠の問題という可能性に気付き出しました。
そして自分のバイアスが言葉という人間に対する見方を曇らせ続けていたことを。

原作・アニメ共に、各人の事を良く知らないで傷付けたり、
場合によっては破滅を選んでしまったり……
さて、このワールドの乙女は初めて他人の為に動こうとしていますが、
自分で撒いた種を見事刈り取れるでしょうか?

299:woodchuck
08/07/28 10:14:59 nSfEyTtV
季節ネタのSS


花火大会

______________________

出演:誠 言葉    心ちゃん あれっ?
場所:原巳浜
時刻:サマイズ某ルートの一年後
注意:えろ無しぐろ無し暴力なし
______________________



横に浴衣姿の言葉が並ぶ
今日は俺のほうが頼んで、去年の夏に着ていた赤い浴衣を着てもらった

「今年の流行は違うのにぃ~」と口を尖らせる心ちゃんとは違い
言葉はにっこりと微笑んで準備をしていてくれた
今年は俺も浴衣をひっぱりだして着ている
さっきまで心ちゃんも一緒にいたはずなのだが
友達を見つけたと言った瞬間走り出して今は頭の先しか見えない

「こらっ こころ! 勝手に行ってはダメ!」

言葉が珍しく大きな声を出して叫んでいるけれど
心ちゃんには届いたのかどうだか・・・

「っとにもう こころったら…」

お姉さんの顔をしてぼやいている言葉
付き合い始めた頃、こんな言葉がとても新鮮だった
いつも静かに本を読んでいる言葉には想像できなかった一面
人ごみにまぎれてしまった心ちゃんと別れて
皆が進む道をはずれて浜辺の奥、堤防に向う

300:woodchuck
08/07/28 10:15:21 nSfEyTtV

「ところで、今日はお母さん達はどこにいるんだい?
 迎えに行ったときには家にいなかったみたいだけど」
「それがですね お友達と一緒に特等席で見るんだとか言って 早めに出かけてしまったんです。」
「特等席?」
「はい、涼しい室内で花火が目の前に見えるって」
「そんな場所もあるのか~」
「まことくんもその方が良かったですか?」
「いや、団扇片手に言葉と二人だけで見るほうがうれしい」
「…そうですよね わたしもうれしいです。」

そういってつなぐ手の力をちょっとだけ強める言葉

「涼しいかどうかは別として・・ こちらも景色は結構いいんだぜ
 でも、足元だけは気をつけて」

浜辺から少しはなれて、堤防の上を歩く
言葉のために懐中電灯で照らす
堤防はもちろんだけれど
このあたりは浜辺にも人はいない

「人がいませんね」
「そうだろ? ここの浜辺は一旦奥に入るから、丘の木々の影に隠れて花火が見難くなるからさ
 もともと人はあまり来ないんだ カップル以外はね」
「・・・・ 」
「でも、この堤防を進むと急に開けて~ ほら!」
「あっ 灯台が見えますね」
「ぁぁ 灯台の先からの打ち上げだからね ここなら良く見えるのさ」
「まことくん すごいです。 でもどうして?」
「小さい頃さ、花火に行くって日に母さんが急な夜勤入れてしまって…」
「お母さんのお仕事大変ですものね」
「うん、、、でも小さい俺にはわかるはずもなくってさ」
「そうですよね、、、」
「それでいつものように怒って家を飛び出したと。」
「まことくんったら」
「それは小さい頃の俺に言ってくれ」
「うふふ・・」
「それでさ、母さんが心配して迎えに来たんだけど ちょうどそのときにここにいてさ」
「はい 」
「打ち上げの最初だけだったけど ここで一緒に見たんだ」

301:woodchuck
08/07/28 10:15:43 nSfEyTtV
「・・・・ 思い出の場所なんですね」
「マザコンだとか思わないのかい?」
「そんな… 思うわけがりません。私だってお父さんやお母さんとの思いでは大切です。」
「そうだな、言葉もとっても家族想いだった。」
「わたし、家族しか知りませんでしたから。まことくんとお付き合いするまでは、、、」
「そうなのか?」
「他は家庭教師の先生とか・・」
「そうだ・・ お嬢様だったんだな」
「・・・・まことくん いじわるです」
「でも最近は友達増えたじゃないか」
「全部、まことくんのつながりじゃないですか」
「紹介したのは俺かもしれないけれど、俺を置いて出かけてしまうのは俺のせいじゃないだろ」
「・・・(赤」
「友達ってさ、作るのも、友達でいるのも、同じくらい難しいんだよな」
「・・・  」
「言葉と恋人のままいるのはこんなに簡単なのに」
「簡単なんですか?」
「うん こうやってキスを欠かさなければいいんだからさ」

・・・

「もうっ まことくんったら」
「少なくとも、恋人になるのはすごく難しかった どうやって誘えばいいかわからなくって…
 それで、あんな形になってしまって…)
「そんな・・ あれは・・)
「いや やっぱり俺は強引だったって今でも反省しているんだ だからちょこっとだけやり直ししたくてさ・・)
「まことくん」
「それで、去年の浴衣をお願いしてみた」
「…はい、わかってました」

もう一度やさしく唇を重ねる

「好きで好きでたまらないんだ あの時も今も変わらない
 一年経ったら少しは冷めるものかと思ってたけれど 何も変わらなかった」
「…まことくん?」
「言葉 愛してるよ」
「…わたしもです 愛してます まことくん」

ちょうどそのとき最初の花火が上がって二人を明るく照らし出した。

_____________(おわり)



302:SINGO
08/07/28 21:37:00 Nc1KF9Xk
マイルドで大津。
僕には、この手の癒し系ほのぼのSSが書けぬ。うらやましす。

303:名無しさん@ピンキー
08/07/28 22:08:54 bDZYgGqm
>>299-301
GJです。
こういう良いハナシが見れるからSSスレから離れられない。

304:名無しさん@ピンキー
08/07/28 23:34:21 rovgB7Tx
>>299
しみじみ味わいたい一品。


305:名無しさん@ピンキー
08/07/29 19:03:06 nqBrrKfq
ここで投下されてる作品が他作品や商業小説を改変したものだってタレコミがあったが、それらしい作品が確かにあるな
暇を持て余したニートのデマだと思って大して気に留めてなかったが、事実と分かった以上、話は別だ
盗作作者が撤退しない限り、このスレにはそれ相応の処置を下すしかなさそうだね

306:名無しさん@ピンキー
08/07/29 20:14:50 atSW8K6q
なんで荒らしってこういう「キチガイ」じみた工作するんだろうか

307:名無しさん@ピンキー
08/07/29 20:36:10 C2MfJM3c
キチガイだから←結論

308:名無しさん@ピンキー
08/07/29 21:48:52 tUAoVvHK
>暇を持て余したニート

わかります。>>305のことですね

309:tyoujiya
08/07/29 23:37:31 dFwjipa7
どうもです
乙女SSの方は少しづつ書き進めていますが、
今回はOVA「マジころ」の行間的小ネタを唐突に思いついたので投下します。



310:tyoujiya
08/07/29 23:38:09 dFwjipa7
セツナインダー田中号を倒し、Dr.Sは去った。
かくして榊野町ゾンビ事件は終わりを告げ、
勝利したマジカルハートは、桂心の姿に戻り仲間たちと笑顔をかわす。

その心の姿を遠くから見つめ慈しむように微笑む一つの影。
それは、突如現れマジカルハートを救った謎の戦士マジカルワードだった。

その活躍を誇ることなく去っていくマジカルワード。
だがその顔には、先ほどまでの笑顔は消え、どこか愁いを帯びていた。
果たして何が彼女の心を曇らせているのだろうか・・・。


そして、マジカルワードは淋しげにつぶやいた。





「私も・・・

















 ゾンビ・・見たかったなあ・・・」




311:tyoujiya
08/07/29 23:39:25 dFwjipa7

以上です。
乙女SSの続きも出来るだけ早く投下できるようがんばります。
ではでは~。


312:名無しさん@ピンキー
08/07/29 23:55:03 kTMgN7r6
>310
笑った。

313:名無しさん@ピンキー
08/07/30 00:30:58 A0/Z6dBi
>>ここで投下されてる作品が他作品や商業小説を改変したものだってタレコミ

まあ別に不思議なことでもなんでもないとは思う。
よそのスレでもパクリって定期的に疑惑や問題となって噴出してきているし、
エロパロ板では結構ある話なんで。

いずれにせよ、ちゃんとソースを出せって。そうじゃないとなんとも言えんわ。

314:統制官
08/07/30 07:11:14 fkw0WeZ2
>>305
証拠ソース明示ナシのお前は禁止、退去命令を下す、逆らうな、従え

315:SINGO
08/07/30 09:17:54 KiEQ3nZc
>>305
の意図はともかく、
盗作だと思われるのは、それだけ皆さんの書くSSが上手で面白いからでしょう。
そういう意味では、テキトーに読み飛ばされて駄作と言われるよりかは、
まだマシな方だとは思いますが。
とにかくスルーしましょう。


316:名無しさん@ピンキー
08/07/30 09:33:26 Z4ooWGPw
>>310
GJ 笑った、、、


317:名無しさん@ピンキー
08/07/30 09:44:39 CuHbgmm8
>>tyoujiya氏
確かに、ゾンビを退治した後に呼ばれて飛び出てマジカルワード
参上でしたからね。ホラーフリークの彼女としては物足りない思いも
あったのかもしれません。もっとも、あの状態ならゾンビ泰介が100人束になっても
返り討ちにしそうですが(笑)。

318:tyoujiya
08/07/31 07:57:05 KLurrDUc
日曜に少し時間がつくれたのと、僅かな時間を見つけながら書いたとこまで投下します。
>>293 の続きです


319:tyoujiya
08/07/31 07:59:15 KLurrDUc

「嫌ァ! やめてェっ!」
薄暗い休憩室の中では、桂の叫び声が響いていた。
先ほどまでは澤永の暴力を恐れ、涙声で拒絶の言葉を機械的に繰り返すだけだった桂だが
ズボンをずり下げて下半身を剥き出しにして迫る澤永に・・
今まさに自分の純潔が奪われろようとしていることへの恐怖から再び激しく抵抗していた。
「ほら、暴れんなって何度言えばわかるんだよ!」
澤永は、そんな桂に再び手を振り上げる。
その動作に、再び自分を襲うとする暴力への恐怖に目をつぶる桂。
でも、澤永の手が桂に振り下ろされることはなかった。

なぜなら・・
この私の手が、背後から澤永のその腕をしっかりと掴んだからだ。

そうされてはじめて澤永は、背後に人が・・私がいたことに気づいて振り返った。
「な・・加藤? 何でお前が・・?」

「加藤さんっ!?」
同時に私に気づいた桂が私の名を叫ぶ。
その桂の、〝やっぱり来てくれたんだ〟と言わんばかりの喜びの表情を見て、
私は罪悪感に苛まれながら、澤永の腕を引っぱり、
桂を背に庇うように自分の身体を移動させ、そして言い放つ。

「いいかげんにしなよ、澤永! 
 こんなに・・泣いて嫌がってる女の子を無理矢理抱こうとするなんて!
 あんたそれでも男?!」
「な、何言ってんだ、加藤。お前が言ったんだろ?
 どんなに嫌がっても無理矢理桂さんを抱けって。
 そうすれば、桂さんも俺のことを好きになってくれるって」
澤永の言葉に、桂がはっとしたように私を見る。
その顔からは、先ほどの喜びの表情が掻き消えている。
私は唇をかみながらその桂から顔をそむけ、更に澤永に向かって怒鳴る。

「バカじゃないの!あんた!
 そんなことで女の子が男を好きになるわけないでしょっ!」
「え? そ・・そうなのか?」
「あたり前でしょ! 
 大体誰に何言われようが、こんなに女の子を泣かせて暴力まで振るうなんて
 やっていいことのわけないでしょ!
 あんたのやったことは男として最低よ!!」
「な・・?」
「もう、いいからどっか行きな!
 そうじゃないと学校中にあんたのこと強姦魔って言いふらすよっ!」
「わ、わかったよ・・。まったく、何なんだよ、一体・・・」
澤永はそう言うと、慌ててズボンをずり上げそそくさと休憩室を出て行った。



320:tyoujiya
08/07/31 08:00:18 KLurrDUc

そして私は改めて桂の方に目を向ける。
桂は、涙でくしゃくしゃな顔で私を見ていた。
衣服はひどく乱れ、胸ははだけられてブラはむしり取られ、
ショーツもずり下ろされ性器が剥き出しにされていた。
桂をそんな無残な姿にさせてしまったのは、私が澤永を唆したせいなんだ。
その事実に苛まれながら、
それでもぎりぎりで桂の純潔を守れたことに私は心底ほっとする。

「桂、大丈夫?」
「は、はい・・・。加藤さん、ありがとう・・・ございます」
声をかける私に、涙に濡れた頬をこすりながら礼をいう桂。
本当に・・・こいつって・・・・
ここに至って、私は心底桂に腹が立ってきた。

「何礼なんか言ってるのよ・・?」
「え?」
「今の澤永の言葉聞いたんでしょ? 私があいつにあんたを抱かせようとしたって・・・」
「ぁ・・・・・・」
沈黙をもって私の問いを肯定する桂。
「それだけじゃないわ。
 私はそうしてあんたが澤永に押し倒されて泣き叫ぶのを・・助けを求めるのを・・、
 すぐ外で聞きながら、まるでショーを楽しむように笑ってたのよ」
その自分自身の言葉によって、私は自分のしたことの醜さを痛感させられる。
「べつにあんたに恨みがあったわけじゃないのよ。
 いや、むしろ私の方が恨まれてても仕方ないよね。
 ずっと私はあんたのことを理不尽に嫌って
 辛くあたったり、嫌なこと押し付けたりしてたんだから・・・」
「そんなこと・・・」
「その上、今度は私は・・面白半分にあんたを汚そうとしたのよ」
「・・・」
「あんた、前に私のことをいい人だなんて言ってたけどさ・・・、
 さっきも、私の名を呼んで助けを求めたりしてたけどさ・・・」
「・・・」

「でも、今度こそわかったでしょ?
 私がいい人なんかじゃないって・・・。
 信じるに足らない人間だって・・・。
 どんなに醜くて・・、残酷な人間かって・・・」

そう口にしながら、私の声は震えていた。
今度こそ桂は私を見限るだろう。
もう決して私のことを信じることなんてないだろう。
私は自分自身それを望みながら・・

心の何処かでそれをひどく恐れていた。




321:tyoujiya
08/07/31 08:01:18 KLurrDUc

それなのに・・・
「でも・・」
「え?」
「加藤さんは・・私を・・助けてくれました・・」
消え入りそうな声でそんなことを言う桂。
な?!
この期に及んでまだ・・・!?

「あんた、まだそんな事言ってるの?!
 私があんたを痴漢から助けたのはあんただって知らなかったからだって、何度言えばわかるのよ!
 あの時だってね、痴漢にあってるのがあんなだって知ってたら、
 きっと震えて泣いてるあんたの事、私は笑いながら見物してたわよ!」
「・・その時の事じゃありません・・・」
「え?」
「今・・加藤さんは・・澤永さんから私を助けてくれた・・」
 
?!

「ば・・ばかじゃないのあんた! 
 その澤永にあんたを無理矢理抱かせようとしたのは私なのよ!
 それを止めたからって、そんなの・・・」
「でも・・・でも・・・」
その後を言葉に出来ないまま、桂は私を悲しそうな目で見つめる。

やめてよ、もうそんな目で見ないでよ。
私の事なんかいいかげん見限ってよ!
嫌ってよ!
憎んでよ!

だがそんな思いは通じていないのだろう。
相変わらず桂は私を、黙り込んだまま悲しそうな目で見つめていた。
私はもう、なんだか本当にばかばかしくなってきた。

「はあ、もういいよ」
「え?」
ため息をつきながらの私の言葉にきょとんとする桂。
「頑固なんだねえ。桂は・・」
そう呆れたように言いながら、苦笑する私に、
「はい。私、頑固なんです」
桂はそう答えながら、少しだけ微笑む。

そして私は・・・


心の何処かでその微笑みを嬉しく思っていた。




322:tyoujiya
08/07/31 08:02:09 KLurrDUc

僅かな沈黙。
乱れた衣服や髪の整える桂。
私は再び口を開く。

「ねえ、桂。あんたに聞きたいんだけど・・」
「え?」
「あんた・・」
「はい?」

「あんた、本当に伊藤の彼女なの?」
「あ・・・」

再び僅かな沈黙の後、
「はい、私は誠くんの彼女です・・・」
そう答える桂の顔からは既に微かに浮かんでいた微笑みは消え、
その声はひどく力ないものだった。

だからこそ、そんな言葉に納得できるわけはなかった。
だから私は桂に問い続ける。
「でもさあ桂・・、だったら、何故伊藤は今日来てくれなかったの?
 何故伊藤は今あんたの側にいないの?」
「そ・・・、それは・・・
 誠くん、きっと何かクラスの用事があって・・忙しくて・・・、だから・・・」
「用事・・ねえ・・。
 桂、あんたそれ本気で言ってる?」
「・・・・・・」

私の問いに沈黙してしまう桂。
桂自身も自らの言葉を信じているわけではないのだ。
そう、もし本当にクラスの用事だったとしても、一日中一度も来れないわけなんかない。
それに、桂は気づいていなかったが、さっき伊藤は来ていたのだ。
それなのに、私たちに責め立てられている桂の姿を目にしながら黙って立ち去って・・・。

それに・・・何よりも・・・



323:tyoujiya
08/07/31 08:03:43 KLurrDUc

「あのさあ桂、私さっき、教室に戻る前に伊藤に会ったって言ったじゃない」
「は・・・はい・・・」
「その時伊藤、一人じゃなかった」
「え?」
「3組の・・西園寺と一緒だった」
「あ・・・」
「二人・・凄く仲良さそうに見えた・・・。
 それに伊藤その時、忙しそうにも用事があるようにも見えなかったよ」
「・・・・・・そう・・ですか・・・」
そう言ったきり、悲しげにうつむいてしまう桂。
そんな桂に、これ以上続けることが更に桂を苦しめることになるとわかっていながら
それでも私は質問を重ねる。

「桂・・驚かないんだね?」
「え?」
「本当は知ってたんでしょ? 伊藤と西園寺の事・・・」
「そ・・そんなこと・・・
 だって・・・誠くんの彼女は・・私だから・・・」
まるで自分に言い聞かせるかのように私の言葉を拒否する桂。
だが、その声は震えていた。

「じゃあ質問を変えようか・・・」
「え?」
「さっき桂、澤永に言ってたよね。伊藤と西園寺がたった一度間違いを犯したって・・」
「あ・・・」
「二人が犯した間違いって一体何?
 いや、そもそもあんたと伊藤と西園寺と・・一体どういう関係なの?」
「それは・・・」

そして、桂は私の問いにゆっくりと語り始めた・・・。




324:tyoujiya
08/07/31 08:04:42 KLurrDUc

今回は以上です。

以前レイプ描写をねちねちやりたいと書きましたが、
うちの乙女さんはそんなこと許してくれませんでした。
>247氏はじめ期待されていた方には残念でした。

それにしても自分で書いておいてなんですが、澤永は本当にバカですねえ。
ただ書き手としては、どんなあり得ない思考をさせても
〝澤永だから納得させてしまえる〟という非常に扱いやすいキャラでもあるんですけどねw

ちなみに寸止めされた澤永が、
休憩室外の3馬鹿を襲うという展開もありませんので、念のためw

では以降も宜しくです。


325:名無しさん@ピンキー
08/07/31 09:14:46 HI5kCYWh
レイプが未遂に終わって良かった~。
ここ最近、スレをのぞくのが怖かったけど、ひと安心だ。

326:名無しさん@ピンキー
08/07/31 13:23:06 gRYISdUI
>>tyoujiya氏
言葉に面と向かって非難されたり憎まれるよりも、ある意味辛い状態ですね。
それはそのまま自分のした事に向き合わされる事に他ならないですから。
ともかく、最悪の事態だけは何とか回避できたようで。

しかし、真実を知る事は、言葉は既にそうでしょうが、乙女にとっても
辛い事ですね…… 今現在の誠を知った乙女はどうするのでしょうか?


327:名無しさん@ピンキー
08/08/01 00:33:52 C0FxjoAf
>>319
本編でも、これくらい前向きな乙女なら、不人気投票にあがらずにすんだものを。
ともあれ、GJ。

328:名無しさん@ピンキー
08/08/01 03:30:01 F+6vpw/i
GJ!!
正直乙女はレイパーの同類としか思えなくてアレだったけど、ここの乙女は良いですね。
この後の展開が楽しみです。

329:tyoujiya
08/08/01 08:55:16 9tlBtcF4

どうもです。

感想ありがとうございます。
こんなの乙女のキャラクターと違うとかいわれたらどうしようかと、
正直ビクビクしてましたが、
取り敢えずは好い印象をもっていただいてるようで嬉しいです。

では
>>323 の続き投下します。



330:tyoujiya
08/08/01 08:56:07 9tlBtcF4









「何よ・・・それ・・?」

桂の話が終わった直後に私の口から出た言葉がそれだった。
私は、その自分の声が震えているのがわかっていた。
そしてそれが、怒りによるものだということも・・・。


自分と同じように体育を見学していた西園寺が話し掛けてきたという
2学期が始まってしばらくしてからのある日の事から始まった桂の話は、
友達になろうという西園寺の申し出、伊藤を桂に紹介したのも西園寺だということ、
お昼を屋上で3人で過ごすようになった毎日・・といった出来事を経て、
そんなある日の、伊藤からの突然の告白、
そして始まった彼氏と彼女としての日々・・を綴っていった。

「誠くんからお付き合いを申し込まれたんで、
さっき加藤さんが言ったように色目を使ったとかそんなんじゃないんです」
そう、桂は確かに以前も私にそう言っていたっけ。

そしてそれらを語る桂の言葉からは、
西園寺が友達になってくれたことが、
伊藤の彼女になれたことが、
この学校に入ってからずっと友達がいなかった自分にとって
どれだけ嬉しかったかという思いが痛いほど伺えた。
だからこそ、その桂の思いは、
ただ気に食わないという理由だけで桂をクラスで孤立させるように煽ってきた私の心を痛ませた。

しかし、その後に続いた話は、
桂にとってそれがどれだけつらかったかを想像させるに余りある内容だった。
ある日の昼休み、いつものように屋上に行った桂が目にした伊藤と西園寺の性行為・・、
それ以降屋上にも来なくなり、桂を避けるようになった伊藤と西園寺・・、
そして、そのまま迎えた今日という日・・・。



331:tyoujiya
08/08/01 08:57:55 9tlBtcF4

「何よ・・・それ・・?
 そんなの・・裏切りじゃない・・」
しかしその私の言葉を、それでも桂は否定する。
「違います。誠くんが私を裏切ったなんてそんなこと・・。
 あれは・・一度だけの間違いなんです・・」
「間違いって・・・」
しかしいくら桂が否定しようが、そんなの、どう考えても裏切りだろう。

私の脳裏に先ほど廊下で出会った伊藤と西園寺の姿が思い出される。
楽しそうな二人の姿が・・・。
そう、伊藤と西園寺は、
桂を裏切って、
傷つけて、
つらい思いをさせて、
なのに自分たちはあんなに楽しそうに・・・。

違う! 伊藤がそんなやつのわけがない!
再び自分の中に生じる伊藤への疑念を否定しようとする思い・・、
だがそう思おうとするたびに
さっきの、桂を見捨てるように立ち去った伊藤の姿が心に浮かぶ。
そしてあの時からずっと、私の中にあった違和感・・・
それは・・・。

そうだ、伊藤はそんなやつじゃなかったんだ。
それが彼女であろうがなかろうが、
目の前で女の子がつらい思いをしているのを見て黙って立ち去るようなやつじゃなかったんだ。

もう私は、伊藤への疑いを覆すことは出来なかった。
どんなに伊藤はそんなやつのわけがないと思おうとしても・・・。

でも・・それでも私は・・伊藤を・・・。



332:tyoujiya
08/08/01 08:58:41 9tlBtcF4

その時桂が口を開いた。
「加藤さん・・・」
「え?」
「私、男の人が怖くて・・・」
「あ・・ああ、前もそんなこと言ってたよね」
「それで、誠くんが私の手を握ってくれた時も・・私嫌な顔しちゃって・・
 その後も二人でいる時は、やっぱりどうしても緊張しちゃって・・
 きっと誠くんに、嫌な思いをさせてしまってたんだろうって思うんです」
「・・・・」
「だからそれで誠くんついふらっと西園寺さんと・・・」
「・・・・・・」
「でも、それはきっと一度だけの気の迷いで・・・。
 だって誠くんは、
 私の事を嫌いになったとも・・もう恋人じゃないとも・・言って・・ないから・・・」

震えている桂の声・・。
その時私には、桂の気持ちが痛いほどわかった。
だって・・私だって・・・。

「桂は・・・」
「え?」
「桂は、伊藤が本当に好きなんだね」
「は・・はい・・・。
 私は・・誠くんの彼女ですから・・」
「そっか。だから・・伊藤の事を信じたいんだ・・」
「あ・・・・・」

そうだ。桂は伊藤の事が好きだから・・・
だから信じたいんだ。
裏切られたなんて思いたくないんだ。

そして私も・・。



333:tyoujiya
08/08/01 08:59:20 9tlBtcF4

「ねえ、桂」
「え?」
「桂は知ってるよね?
 私も・・伊藤の事、好きなんだよ」
「あ・・・」
「それもね、私は桂よりもずっと前から・・ずっと・・ずっと伊藤の事が好きだった」
「・・・・」
「だから私も、伊藤の事を信じたい」
「・・・・」
「でもね桂、本当に伊藤の事が好きなら信じてるだけじゃ駄目だと思う・・」
「え・・?」
「きちんと・・本当の事を確かめなきゃ駄目だよ」
「あ・・・」
「ね?」
「は・・はい」

この時の私は、自分でも驚くほど優しく桂に語りかけていた。
「だから・・行こ」
「え?」
「本当の事を確かめに・・よ」
そして私は桂に右手を差し出す。
 桂は一瞬戸惑いながら、差し出した私の手を握り答える。

「はい・・」
それは小さな声だったが、私はそこに桂なりの決意と覚悟を感じ取った。

そして私は桂の手を強く握り返し、休憩室の出口へと一歩を踏み出す。
真実を知るために・・・。

でも・・・

私は、真実を知った時に一体どうするのだろう・・?




334:tyoujiya
08/08/01 09:00:43 9tlBtcF4

今回は以上です。
次回はいよいよ、優柔不断主人公と寝取りヒロインとの直接対決?

では以降も宜しくです。


335:247
08/08/01 10:50:16 7ewmkOIy
>334
拝見しました
おぉ、乙女が漢になろうとしている?イイよイイよ~♪

意外に早く分岐点を回ったように思います
当初予告からだと言葉がガッツリやられちゃったのが変わり始めの切っ掛けになって、もう少しゆっくりと変化していくのだろうか…とビクビクしつつ楽しみにしてましたので
前段で溜めに溜めた瞬発力大爆発って感じです

さて、この分岐の先に何が待っているのか
楽しみに待ちます

>寸止めされた澤永が、
>休憩室外の3馬鹿を襲うという展開もありませんので

あぁ、世界をヤっちゃった番外編とモロ被りですしねー
残念、残念♪<タイーホ!

336:名無しさん@ピンキー
08/08/01 22:28:18 sOhEdhZO
>>tyoujiya氏
自分にとって都合のいい過去の思い出に逃げるのではなく、現在の誠を
正しく知るという選択をした乙女と言葉。
ある意味、初めて自分の意志で考え、行動できるようになったと思います。
しかし、知らない方がいい事ってのも、世の中ありますしねぇ……

このワールドの乙女・言葉がこれから直面する真実をどう受けとめ、
そしてどう彼女なりの答えを出すのか……

337:tyoujiya
08/08/01 22:52:50 9tlBtcF4
あー、自分で書いておいて今気づいたんだけど
>>319 での乙女と澤永の口論の時って、ずっと澤永性器丸出しなんだよねー。

全く気にしない乙女、冷静過ぎ~w

338:tyoujiya
08/08/02 13:00:36 qKnXD9yu
どうもです。
ちまちまと3日連続になりましたが

>>333 の続きです



339:tyoujiya
08/08/02 13:02:24 qKnXD9yu

休憩室のカーテンをくぐって外へでると、
入り口のところにはまだ夏美たち3人が立っていた。

夏美と来実は私たちが出てきたのを見るや目を逸らす。
まあ、しょうがないか・・。
さっきまでは一緒になって桂にひどいことをしていた私が、
手のひらを返したように桂を助けたりしたんだもんね。
私の事、裏切り者みたいに思ってるかもしれないわね・・・。

ただ、みなみだけは私の事を無表情に見つめていた。
みなみ? ・・そう言えばみなみは私がこの休憩室に入る前から、
ずっとこんな風に私の事を見つめていた。
そう、私の名を呼ぶ桂の声が休憩室から聞こえて、私が迷い始めたころから・・・。
でも、みなみって私たちの中では一番自己主張の少ない、
いつも私たちのペースにあわせて一番後ろからついてくるようなタイプの奴だったよね?
そのみなみが、私の事をずっとこんな風に見つめて・・・。

みなみあんたも私を裏切り者と思って軽蔑してるの?
それとも、他に何か言いたいことがあるの?
それがひどく気になったが、それでも今は伊藤のところに行かないと・・。

「桂、行くよ」
「は、はい」
答える桂の手を引いて、私は3人の横を無言で通り過ぎる。
夏美と来実は相変わらず目を逸らしたままだったが、
みなみだけは私とすれ違いざまに・・・確かに微笑んだ。
そうだ、私が桂を助けに休憩室に入るときもみなみは微笑んでいた。
みなみ・・・あんた、一体・・?


340:tyoujiya
08/08/02 13:03:50 qKnXD9yu

その時、桂が私に話し掛ける。
「あの、加藤さん・・」
「ん? 何?」
「なんだか小泉さんたちと変な雰囲気でしたけど・・・」
「そりゃ、まあ・・、
 今まで一緒になってあんたに辛くあたってた私が
 あんたを助けたり、こんな風に手までつないだりしてるんだ。
 嫌われちゃったかな?」
「あ・・私のために・・?」
と、申し訳なさそうにする桂。
「気にすることないよ。それより、あんたこそ大丈夫?」
「え? 何がですか?」

そうだ、最悪の事態は避けられたとはいえ、
ついさっき、桂は澤永に襲われかけ、あまつさえ殴られもしている。
それ以前にも今日一日桂は、私たちに辛くあたられ、
信じていた伊藤には来てもらえずと、
精神的にかなり参っているはずだ。

それに、これから桂が確かめようとしている真実は、
おそらくは桂自身を傷つけることになるだろう。
そのことは伊藤は信じてると言い続けている桂にも本当はわかっているはずだし、
だから例え桂が真実を確かめることに気後れしても不思議はない。

にも拘らず、桂の足取りは驚くほどしっかりとしていた。
そこには、私に即されたこととは言え、
真実を知ることに対する桂の覚悟の並々ならぬ強さが感じられた。

そう、私は、いつもおどおどしてるような桂から知らなかったけど、
桂は、私なんかが思っているよりずっと強い奴なのかもしれない。

そして私は改めて思う。
私は・・
桂の事を本当は何一つ知らなかったんじゃないかって・・・。


「あの・・・加藤さん?」
「ふふ、何でもないよ。それより早く伊藤を見つけに行かないと・・・」
「でも、行くって何処へ?」

その時校内放送が聞こえてきた。
「ただいま、校庭では後夜祭が行われていますが、
 30分後にその最後のイベントとなるフォークダンスが始まります。
 榊野学園学園祭もいよいよ本当のフィナーレ。
 後夜祭最大のクライマックス、
 燃え盛るキャンプファイヤーの前で盛り上がるフォークダンスに、
 ふるってご参加ください」

その放送が終わると同時に
「さ、行くよ」
と私は歩みを早める。
その私に
「はい」
そう答えてついてくる桂にも、私たちが何処へ向かうべきかはっきりわかったようだ。




341:tyoujiya
08/08/02 13:04:51 qKnXD9yu

以上です

予告に反して
優柔不断主人公と寝取りヒロインとの直接対決?
は次回に持ちこし?

では以降も宜しくです


342:名無しさん@ピンキー
08/08/02 16:40:16 Z48yemMe
>>tyoujiya氏
見る限り、みなみも本当は本来行われるはずだった「ショー」を望んでいなかった
という事ですかね。夏美や来実も乙女がなぜ言葉を助けたのかを
わかってくれるといいのですが。
さて、物語はいよいよ佳境に入り出してきた様子。燃え上がる炎は悲しみか。


343:名無しさん@ピンキー
08/08/03 10:34:48 XJrEcJMj
1回1回が短すぎで引っ張りすぎ

344:名無しさん@ピンキー
08/08/03 10:59:14 2LqT02YF
でも逆に言えば
『短い』と不満に思うほど引き込まれて
『ひっぱりすぎ』と思うほど焦らされているわけですね
まさに作者冥利に尽きるんじゃないかな・・・・GJです



でも、、、自分も同じ不満を持ってたりして
>343さんの気持ちもわかる
次が待ち遠しい

345:SINGO
08/08/04 05:04:13 jJa0MDV6
どうも先輩がた。
今回は、癒し系ほのぼのSSに挑戦してみました。

【刹那のダイエット講座】

世界と刹那の、まったりマイルドな日常会話をご覧下さい。


346:SINGO
08/08/04 05:04:44 jJa0MDV6
【刹那のダイエット講座】

《ピュアバーガーにて》
世界「ねぇ刹那。私、また太ったみたいなの。何かいいダイエット方法ある?」
刹那「ハンバーガーとポテトとナゲットを頬張りながら言ってる時点で、
世界の正気を疑うけど。てか何で私に聞くの?」
世界「ホラ刹那って、ようスレンダーだから」
刹那「今、思いっきり『幼児体型』って言いかけなかった?」
世界「気のせい、気のせい」
刹那「私も好きでこんな体型してる訳じゃない。世界も知ってるでしょ。
私のお母さんが、女手ひとつで私を育ててくれた事」
世界「それと何の関係があるの?」
刹那「当初、生活は裕福とはいえなかった。で、私の為に、お母さんは
自分の食費を切り詰めたの。例えば…」

母『ママはお魚で我慢するから、刹ちゃんはお肉を食べなさい』
さらに、
母『ママは牛乳で我慢するから、刹ちゃんはパンを食べなさい』

刹那「…てな訳で、カルシウムと乳が足りない私は、背が伸びず、貧乳に…」
世界(もの凄い母の愛情なのに、ありがた迷惑に見えるのは、私だけ?)

刹那「ま、実践してないけど、知識としてのダイエット方法なら教えられる」
世界「いいから教えて。あと、背と胸を大きくする方法もあれば、ついでに」
刹那「そっちがメイン?言っとくけど、牛乳療法はアテにならないから」
世界「ガーン!それ本当?今までの努力は一体…」
刹那「試してたみたいね。昔はともかく、今の市販されてる牛乳は、偽物だから。
本物の牛乳はベタベタしてる」
世界「え?じゃ普段、私達が飲んでるアレは?」
刹那「色つき水か、水増し乳製品。近いうちに、表示規制されると思う」
世界「しょぼーん」
刹那「落ち込まないで。世界にピッタリの良い方法があるから」
世界「♪」
刹那「楽しみながらでもダイエットできる。寝ながらでも」
世界「ピッタリというコトバに他意を感じるんだけど」


347:SINGO
08/08/04 05:05:47 jJa0MDV6
刹那「食べてすぐ寝ると太るっていうけど、昼寝とかの短時間の仮眠は大丈夫。
三食きちんと食べて、おかわりと間食を無くせば、とりあえず太らない」
世界「痩せる方法は?」
刹那「やっぱり運動ね。運動の後は、ジュースやポカリよりも、水かお茶がいい」
世界「運動~?しんどいから嫌」
刹那「言うと思った。だから楽しむの。カラオケは結構、カロリー消費する。
しかもアゴを上下させる事で、連動して胸筋を引っ張るの。バストUPになる」
世界「ふーん。意外」
刹那「あと、世界の趣味、ガンシューティングだったよね。ゲーセンの」
世界「覚えててくれたの?その設定、ユーザーの大半が忘れてるのに」
刹那「腕をまっすぐ前に伸ばして銃を構えると、銃の重さと腕自体の重さで、
通常よりカロリー消費する。しかも腕と連動して胸筋も鍛えられて、バストUP」
世界「刹那、やけに詳しいわね。なんか科学的だし」
刹那「田中の受け売りなの。柔道でも体重別に階級とかあるらしいから」世界「ふうん。あの田中がね。なんか意外」
刹那「確か、田中流カロリーコントロールとか何とか言ってた」

すると、そこへ光と七海が来店してきた。
光「あ。世界、刹那。二人ともココに居たの」
七海「何の話してたの?」
世界「ダイエットとバストUPの話。そうだ、一緒に試してみる?田中の…
ええと、何コンだっけ?」
刹那「カロリー」
世界「そうソレ。たなカロリコン」
刹那「ぶっフォ!!」
世界による盛大な略称で、刹那は飲んでいたジュースを鼻から吹いた。
光「……遠慮しとく」
七海「私も。間に合ってるし」
世界(マニアってる?妹マニアの彼氏の事?)

《翌日》
田中「あの…清浦さん。クラスの女子が、冷たい目で俺を見るんだけど。
特に、清浦さんと一緒にいる時とか」
刹那「ごめん」
田中「なぜか謝られたァ!原因、清浦さん?一体、何を言ったのさ!?
てか俺、出番があるたび、変な属性が付くんですけどォ!」
田中、カリスマ委員長から→蔑げすま委員長に格下げ。

         終劇

348:SINGO
08/08/04 05:06:34 jJa0MDV6
終わりです。

やっぱり来ました、彼。
SSでの彼の人生、狂いっぱなしです。
刹那のせいで。


349:名無しさん@ピンキー
08/08/04 07:18:43 l+rLEOuo
癒し系お笑い(ギャグ)
ギャグ系ほのぼの
どちらにしても
「ギャグ」が抜けているのは偽装表示だと思いますw  GJ

350:名無しさん@ピンキー
08/08/04 23:16:23 Y+qjRctQ
>>346
あはは。
ネタの質・数・テンポ、どれもグー。


351:tyoujiya
08/08/05 05:01:44 c2cFXDUj
>>348
あはは、この世界は愛せます


というわけでどうもです
ご意見ありがとうございます

ちなみに前回の投下分が特に短かったと思いますが、これは自分でもそう思ったのですが、
ちょうどあそこでこのSSを書き込んでいるファイルの2つ目が一杯になったのと、
物語の場面が変わるところだったというタイミングが重なって敢えて投下しました。
不愉快に感じられた方には申し訳ありません。

ただ、引っ張りすぎというのはご容認いただくしかありません。
乙女がこれまでどれだけ言葉を苦しめ、ひどい事をしようとしたかを考えれば、
そう簡単に様々なことを決着させるわけには行きませんので。

いや、別に乙女の事が嫌いなわけでも憎いわけでもないですよ。
これも筆者なりの愛情の形です。
かなり屈折してますがw

というわけで、
>>340 の続きです。

別に短かすぎという指摘が合ったから剥きになったわけではないですが、
今回は結構長いですよw



352:tyoujiya
08/08/05 05:03:38 c2cFXDUj

校庭に出ると、放送通り後夜祭で盛り上がっていた。
たくさんの人の中でも、カップルがやたら目に付くのは
この学校では、この後夜祭のフォークダンスが
カップルのお披露目という意味を持つからだろう。

ふと桂の方を見ると、
そんなカップルたちの様子をまぶしそうに、そして悲しそうに眺めていた。
・・・そうだよね・・・。
桂だって、今日、この時、伊藤とフォークダンスを踊ることを
ずっと望んでいたに違いないんだ。

そしてその伊藤は、きっとこの中に西園寺と一緒にいる。
とは言え、どうやって見つけようか?
と、考えあぐねていると・・・

「誠ぉ、いよいよだね! 私ドキドキするよぉ」
と、はしゃいだ声が少し離れたところから聞こえてきた。
それは今日のお昼にも聞き覚えのあった声だった。
まさかと思って声のほうに目を向けると、そう・・、
探すまでもなく伊藤と西園寺はあっけなく私たちのすぐ近くに見つかったのだった。
なんだかちょっと拍子抜け・・・・してる場合じゃないよね、うん。


353:tyoujiya
08/08/05 05:04:26 c2cFXDUj

「誠くん・・・」
私と同様に、伊藤たちに気がついた桂は、
その名を呼びながら伊藤たちの方へ行こうとするが、
「待って、桂」
と、私はその腕を掴んで止める。
「加藤さん?」
「桂、ちょっとだけでいいからここで待っててくれない?
 最初は私だけで伊藤たちと話をさせてほしいの」
 
そう、もし伊藤たちが桂の事を裏切って、騙していたんだとしたら、
桂が一緒にいたら、その場だけの嘘や言い訳でごまかされたりするかも知れない。
でも、私は本当の事が知りたいんだ。
だからそれだけは願い下げだった。
それに、何よりも私は、
そんな風に嘘や言い訳で本当の事をごまかそうとする伊藤の見苦しい姿を見たくなかった。

「はい。わかりました。ここで待ってればいいんですね」
桂はあっさり私の言葉を承諾した。
え? 
私は意外だった。
「そうだけど・・・でも、いいの?」
桂だって、早く伊藤ときちんと話したいと心がはやってる筈だ。
それなのに・・・
そんな私の疑問を察したかのように桂は答える。
「いいんです。・・だって、私・・・」
そこまで聞いて、私は桂が何を言いたいのかがわかった。
だから私は桂の言葉を先に奪って、悪戯っぽくこちらから問い掛けた。
「私の事・・信じてるから?」

その私の言葉に桂は一瞬きょとんとして、
「はいっ」
嬉しそうに微笑んで答えた。

「うん、じゃあ呼んだら来てよね」
私は微笑みを返しながらそう言って桂に背を向け、歩き出す。
真実を知るために・・・。

でも・・
真実を明かすことで、今の桂の微笑みはきっとまた消えてしまうのだろう。
そう思うと、少しだけ気が重くなった。



354:tyoujiya
08/08/05 05:05:27 c2cFXDUj

一歩足を進めるたびに伊藤たちの姿が近づく。
だが、伊藤たちは私には全く気づかずに楽しそうに話している。
「ねえ誠、私の事ちゃんとリードしてよね」
「ああ、わかったよ、お姫様。
 そう言う世界こそ、ダンスの最中に俺の足を踏んだりするなよ」
「もうっ、私そんなことしないも~ん」
「はは、冗談だよ。じゃあ姫の華麗な舞いを期待するかな・・」
「むぅ、その言い方、私の事全く信用してないっぽいよぉ?」

聞こえてくる二人の会話は、
知らない人間が聞いたら恋人同士の甘く微笑ましいものに聞こえただろう。
でも、今の私にはひどく穢れたものに聞こえていた。
そして私は伊藤に声をかける。

「伊藤・・・」
「え? 加藤・・」
伊藤は名前を呼ばれてようやく私に気づいた。
「どうしたんだよ。俺に何か用か?」
「うん。少し話がしたいんだけど、いい?」
「あ、ああ」
伊藤は戸惑いながらも私の言葉を承諾するが、その時、
「あのー、すみませんけど用事なら後にしてくれませんか?」
そう言って西園寺が割って入ってきた。
そして言葉づかいこそ丁寧だが、まゆを吊り上げながらのその言葉には
西園寺の隠しようのない私への敵意が感じられた。
そうか、西園寺も私が伊藤を好きなこと気づいてるんだ・・。
納得する私に向けて西園寺は更に言葉を続ける。

「あのですね、これから私たち・・・」
「フォークダンスを踊るところ?」
「あ・・」
先に言おうとしていたことを言われ、機先を制されながら、
西園寺は尚も私に言い放つ。
「そうです。あなたもこの学校の生徒なら、
 後夜祭のフォークダンスを踊るって事がどう意味かわかってますよね?
 だから、邪魔しないで欲しいんです」
そう言いながら西園寺は、言外に、
自分が伊藤の彼女なんだから私はあきらめるようにと
そうはっきり言っているようであった。


355:tyoujiya
08/08/05 05:06:20 c2cFXDUj

しかし私はあえて問い返す。
「さあ、どういう意味だったかしら?」
私のとぼけた言い方に、むっとしたのか西園寺は
「だ、だったらはっきり言います。私と誠は・・・」
と剥きになって言いかけるが、私は
「ちょっと待って」
とその言葉を遮る。

「そこから先は伊藤の口から聞きたいわね」
「え?」
「あなただって、むしろ伊藤から私に直接言って欲しいんじゃないの?」
「あ・・」
その私の言葉に、西園寺は私の真意を測りかねながらそれでも
「そ、そうね・・・・。じゃあ誠、
 誠の口からこの人に言ってあげて。私たちがどういう関係か・・・」
そう伊藤に後の言葉を託した。

「え・・俺が・・?」
いきなり後を託され戸惑う伊藤。
「いいのよ。はっきり言ってよ、伊藤。
 それとも何も言わなくても、相手が勝手に
 そっちの都合のいいように物事を察してくれてるとでも思ってるの?」
「え・・?」
私の言い方に伊藤は何か引っかかるものを感じたようだが、
それでも西園寺に背中を押されるようにして口を開く。

「あ・・あのな加藤、これから俺の言うこと聞いてもからかうなよ」
「うん・・」
「実は俺とここにいる西園寺・・いや、世界は今つきあってるんだ。
 俺は世界の事が好きで・・」
「私は誠の彼女なんです。
 だから、これから二人でフォークダンスを踊って、恋人同士のお披露目をするんです。
 わかっていただけました?」
伊藤の言葉を受けるようにして、勝ち誇ったかのように言う西園寺。

だが、私は全く動揺していなかった。
考えてみれば不思議なものだ。
当の伊藤本人から、はっきりと自分の失恋を知らされたというのに・・・
「ありがとう伊藤。それに、西園寺さん。その言葉が聞きたかったのよ私。」
そんな言葉が口から出ていた。

「でも、あんたたちがはっきりその言葉を言ってあげなきゃいけない相手は
 ちゃんと他にいる筈だよね。
「え?」
そして私はその相手を呼ぶ。
「もういいよ! 桂、こっちにきなよ!」
「は、はい」

「!」
「!」
私の呼びかけと、少しはなれたところでそれに答える声を聞いて
そして、歩いてくる桂の姿を見て、
伊藤と西園寺の顔色が変った。



356:tyoujiya
08/08/05 05:07:57 c2cFXDUj

「誠・・くん・・」
「言葉・・・何で・・?」
「桂・・さん」
お互いにその名を呼び合う3人だが、伊藤たちをまっすぐ見る言葉に対し、
伊藤と西園寺の方は気まずそうに桂から目を背ける。
私はそんな伊藤と西園寺に向かって言う。

「桂ね、今日ずっと教室で伊藤を待ってたのよ。
 ずっと、伊藤が来てくれるって信じてね」
「え?」
「そして、ずっと言ってるのよ。自分の事、伊藤の彼女だって」
「・・・」
「でも、それだとさっきあんたたちが私に言ったことと矛盾しちゃうのよね。
 だから伊藤、桂に言ってあげてよ。さっき私に言ったことを」
「・・・・」
「どうしたの、伊藤? だまっちゃって・・。
 なら、西園寺さんでもいいわ。あなたから桂に言ってあげてよ。
 あなたがさっき私に対して誇らしげに言ったのと同じ事を・・・」
「あ・・・」
「そして、私にも教えてよ。
 どうして桂がそんな風に思い込んでるのかを・・・」

 桂はずっと私の問いかけの言葉を聞きながら、黙って伊藤たちの答えを待っている。
 だが、伊藤と西園寺はずっと気まずそうに黙り込んだままだ。
 その様子に私ははっきりと確信する。
 私の知りたかった〝本当の事〟がなんだったのかを・・。

しかし、だからこそ私は
はっきりと伊藤たちの口からきちんと真実を明らかにさせようと、更に追及する。
「ねえ、伊藤、
 桂は私にいい加減なでたらめを言ってるの?」
「・・・・」
「西園寺さん、
 あなたたちは一体、桂に何をしたの?」
「・・・・」
しかし、伊藤と西園寺は相変わらず黙り込んだままだ。

二人とも・・・
そうやって黙ってれば本当の事をごまかせるなんて思ってるの?
そんなこと・・・許さない!
そして私はその怒りと、
私のずっと好きだった相手はこんなやつだったのかという失望とを叩きつけるように怒鳴る。
「どうしたのよ! いつまでも黙ってないで何とか言いなさいよ!!」

「! ・・そ・・それは・・・」
私の気迫に押されたかのように、伊藤がようやく口を開こうとする。

でも、その時・・・



357:tyoujiya
08/08/05 05:08:56 c2cFXDUj

「おーい、世界ー、伊藤ー。何やってんのよー?」
「もうすぐフォークダンス始まっちゃうよー」
「世界・・、早く・・」
そんな言葉と共に3人の女子がこちらにやってきた。
ようやく口を開きかけた伊藤も、彼女らに気を取られて言葉を途切らせてしまう。
全く、なんて悪いタイミングで・・・。

私が苦虫を噛み潰していると、
「あれ、乙女じゃない?
 こんなとこで何やってんの?」
「な、七海?」
やってきた3人のうちの一人は七海だった。
そっか、七海と西園寺って仲良かったんだっけ。
他の2人もよく七海と一緒にいる子たちだ。
確か小さい方が3組のクラス委員の清浦・・、
もう一人は、黒田って言ったっけ?

とか思っていると、七海が私の側にいる桂の存在に気づく。
「桂・・、」
「あ・・甘露寺・・さん・・」
「あんたが何でこんなとこにいるんだよ!」
そう吐き捨てるように言う七海。
ただ、そこにいるだけの桂に理不尽な敵意と嫌悪感を向ける七海に私は少し腹が立ったが、
しかし自分にはそんな資格は無いとすぐに思い直す。
だってこの七海の姿は、ついさっきまでの私の姿だったから・・。

一方で西園寺に対して、黒田がはしゃぎながら話し掛けているのが耳に入ってくる。
「もう何やってんのよ、世界。
 早くキャンプファイヤーの方に行かなきゃ!
 伊藤とフォークダンス踊って公認カップルのお披露目するんだって
 あんなに張り切ってたじゃないのぉ」
「ちょっ・・光、やめてよ・・・」
「もう、世界ったら。照れなくてもいいじゃない。
 そりゃあ私は世界が伊藤なんかと付き合うってのは気に食わないけどね・・」
「だ、だから光、本当にもう・・・」
無邪気に発せられる黒田の言葉の一つ一つは、
伊藤と西園寺がクラス公認で付き合ってることを明確に示していた。
西園寺は桂の方を気にしながら黒田の言葉を制止しようとしていたが、
私にも聞こえているように、そのやり取りはしっかり桂の耳にも届いていた。

ずっとそのやり取りを黙って聞いていた桂だったが、
やがて、思いつめた様子で西園寺のほうに向けて歩き出した。


358:tyoujiya
08/08/05 05:09:33 c2cFXDUj

「西園寺さん・・」
「え?・・あっ! か、桂・・さん・・」
黒田を制止するのに気を取られて、桂が近づいてるのに気づいていなかった西園寺は、
いきなり声を掛けられて動揺する。
「西園寺さんは、誠くんと付き合ってるんですか?」
「え・・あ・・・」
「お友達の皆さんも知ってらっしゃるって事は
 随分前からのお付き合いって事ですよね・・・」
「・・・・」
桂の問いに、また西園寺が黙り込む。
「ちょっとあなた、なんだか知らないけど世界と伊藤の仲に何か文句でもあるの?
 言っとくけど2人はここにいるみんなが認めてるお似合いのカップルなんだからね!
 まあ、私は認めたくは無いんだけどさ・・」
そこにいた黒田が桂に突っかかるが、桂はそれを無視するように
「これが、加藤さんの言っていた〝本当の事〟なんですね?」
と、尚も西園寺に詰め寄る。

相変わらず黙り込んでうつむいている西園寺。
そんな西園寺に私は、心底怒りが込み上げてくる。
ホント、なんなのよこいつ・・。
さっきは私に対して強気に突っかかってきたくせに、
自分に都合が悪くなると黙り込んじゃって・・・。
伊藤も、こんな女の一体何処がいいのよ!?

「ちょっと桂、あんた何世界に因縁つけてんのよ」
と、今度は七海が桂に突っかかってきた。
「あ、七海、ちょうど良かった。
 何だかこの子、世界と伊藤が付き合ってることが気に食わないらしいのよね」
黒田の言葉に、
「ははーん、そういうわけか・・」
と七海が納得したように、凄みのある笑顔を浮かべる。

「桂、あんた本当に中学のころから変んないね」
「え?」
「いつもいつも。、他人の彼氏だろうが誰彼構わず男にコナかけて・・」
「私・・そんなこと、してません」
「それで今度は、世界の彼氏である伊藤に手を出そうって言うわけ?」
「そんなこと・・、それにもともと誠くんの彼女は・・」
「でもね、そんなの私の目の黒い内は許さないからね!」
「あ・・」
桂が何か言いかけてもそれには全く耳を貸さず、
脅すように責めたてる七海に、段々何も言えなくなる桂。

でも、そんなの駄目だ。
こんな形で〝本当の事〟をうやむやにされてたまるもんか。
だから・・。


359:tyoujiya
08/08/05 05:11:03 c2cFXDUj

私は桂を庇うようにして、七海との間に割って入った。
「七海、いい加減にしなよ。
 少しは桂の言うことも聞いてやったらどうなの!」
「え・・、乙女?」
そう言ってきょとんとする七海。今の私の言葉が相当意外だったようだ。
いや、まあ気持ちは十分わかるけど・・・。
「へえ、意外ねえ。乙女が桂の味方をするなんて」
「味方とか、敵とか、そう言うことを言ってるんじゃないの。
 桂の言い分だって聞いてあげてもいいでしょって・・そう言ってるのよ」
だがその私の言葉にも七海は、まるでバカにするような薄笑いを浮かべ
「はぁ? 桂の言い分? そんなの聞くだけ無駄でしょ。
 それに私は前から言ってるはずだよ。
 桂は誰彼構わず男たらしこんでいい気になってる最低のやつだって。
 こいつは間違いなく敵だよ、敵!」
桂を一瞥しながらそう言い捨てる。

その七海の態度に私は呆然となる。
な、なんなのコレ? まるで・・何を言っても通じない・・。
でも、これって・・。
そう思いながら私は桂の方を見る。
そうだ、この思いは・・私が桂にずっとさせてきた思いだ。
私も、桂が何を言っても全く信じないで、相手にしないで・・
でも、その事でどんなに桂に辛い思いをさせてきたか・・。

そんな思いに苛まれている私に、七海が話し掛けてくる。
「乙女、さっきからあんたなんか変だよ。
 あんただって桂の事を気に食わない奴だって言ってたじゃない。
 それなのに一体どういう風の・・・。
 まさかあんた、桂に何か美味しい思いでもさせてもらって・・・それで・・?」

なっ?!


360:tyoujiya
08/08/05 05:12:53 c2cFXDUj

七海、あんた、私の事をそんな風に思ってたの?
私は・・・
七海の事、バスケ部に入部して出会った時から、ずっといいやつだなって思ってきた。
バスケが上手くて、でもそれを全然鼻にかけたりしないで、
面倒見が良くて、誰にでも分け隔てがなくて・・・
そんな七海って凄いなって、ずっと尊敬してた・・・。
それに・・・
仲のいい友達とも思ってた。
でも、七海は私の事・・・
 「まさかあんた、桂に何か美味しい思いでもさせてもらって・・・それで・・?」
・・・そんな程度の人間にしか思ってなかったんだ。

その瞬間、私には七海がひどくつまらない人間に思えた。
そして・・・
私の後ろでうつむいてる、自分の事を裏切ったり散々傷つけた相手を
それでもバカみたいに信じてるやつのほうがはるかにましな人間に思えた。
だから・・・。

「七海、じゃあはっきり言ってあげるわ。
 他人の彼氏に手を出して、いい気になってる女ってのは桂なんかじゃない。
 あんたと仲良しの、その西園寺って女の方よ」
「え?」
七海だけじゃなく、清浦と黒田も私の言葉に反応する。
「嘘・・・」
「そうよあんた。いい加減なこと言わないでよ!
 世界がそんなことするわけないじゃないのよ!」

そんな風に弁護の言葉を発する友人たちに反して、当の西園寺は
私の言葉が更に続くことをおびえるかのように、黙りこくっている。
そして私は、自分が感情的になっているのがわかっていながら、
七海を挑発するかのように続ける。
「そうね、ちょっとちがったわ。他人の彼氏じゃなかったわよね。
 その西園寺って奴は、友達の彼氏とこそこそ隠れて関係を持って、
 それがその友達にばれたら、
 今度は公認カップルだなんて開き直ってる最低の女・・・」


361:tyoujiya
08/08/05 05:13:59 c2cFXDUj

私がそこまで言った時、
七海が無言で私の胸倉を掴んできた。
「おい、これ以上世界の事侮辱するなら、いくら乙女でも許さないよ」
凄みを利かせて言う七海だが、私はその七海を睨み返し
更に怒りを煽るように言葉を続ける。
「七海、あんたもそうやって庇っているお友達の西園寺に、
 逆に先輩に手を出されないよう気をつけなよ・・・ぐっ」
「乙女、本当にいい加減にしなよ」
七海がそう言って、私の胸元を掴む手に力を入れる。
全く、七海ってこんなにバカ力だったんだ・・。
胸元を締め付けられ、その息苦しさに私はふと我に帰る。

あれ? そう言えば何で私こんなことになっちゃてんだろ?
ついさっきまであんなの嫌ってたはずの桂なんかを庇って、
そのせいで七海とこんなことになって・・・
あ・・、これって私、バスケ部での立場凄くまずいことになっちゃうんじゃない?
おまけに夏美たちにも軽蔑されちゃってるだろうしなあ・・・。
それに、何よりも伊藤とも気まずくなって・・・。
もしかして、明日からの私の学校生活って、結構つらいことになるんじゃない?
あーあ、桂のなんかの為にこんなことになっちゃって、ホント、私バカみたい。
そんな思いについ苦笑が漏れそうになる。
でも・・その時、

「やめてください!」
叫び声と共に桂が七海に組み付いていた。
桂の思わぬ行動に意表を疲れたのかきょとんとなる七海。いや、私もだが。
そして私の胸元を締め付ける力も少し緩む。
その七海に更に桂が訴える。
「甘露寺さん、加藤さんを離してください。
 もともと加藤さんは私のために・・、だから悪いのは私なんです。
 それに加藤さんも、私のためのお友達とこんな風になるなんて良くありません!
 だから、二人とももうやめてください」


362:tyoujiya
08/08/05 05:18:21 c2cFXDUj

だが、私が何を言っても聞く耳を持たない七海に、桂の言葉が通じるわけはなかった。
「離しなよ、桂!」
そう言って組み付いている桂を軽く振り払う七海。
「きゃっ」
桂は、あっけなく突き飛ばされてしりもちをつく。
でも・、七海には通じなかった桂の言葉だけど、
その言葉は、ついさっき私によぎったばかりの自虐的な迷いを払拭させた。
だから私は息苦しさをこらえながら桂に向かって微笑みながら言う。

「違うよ、桂・・・」
「え?」
「桂が悪いことなんて何もないでしょ? 
 だから、自分が悪いとか簡単に言っちゃ駄目だよ」
「加藤さん・・」
「それに桂、私は桂のためのこんなことになってるんじゃないよ」
「え?」
「私は・・私たちは・・、
 私たちが知りたい本当の事を明らかにするためにここにいるんじゃなかった?」
「あ・・」
そして桂は立ち上がりながら、私の言葉に
「はい」
力強くうなずいた。
私はその桂の様子に満足する。

そうだ。桂のためじゃない。
私は私自身の、真実を知りたいという思い故にここにいるんだ。
その結果が今の状況だっていうんなら、意地でも後悔なんかしないんだから!


・・とは言えこれから一体どうしよう。
こちらの話は聞く耳もたれない上に、
この七海の腕もとても振り解けそうにないしなあ。
と、私が途方に暮れかけていたその時・・

「ちょっとあんた、その手を離しなさいよ!」
「そーだ、乙女ちゃんにひどいことすんな!」

え? この声は・・?
そして近くの物陰から三つの人影が姿を見せた。





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