スクールデイズの分岐ルートを考えるスレ part6at EROPARO
スクールデイズの分岐ルートを考えるスレ part6 - 暇つぶし2ch104:名無しさん@ピンキー
08/07/12 01:15:33 z/JxYq0E
「お、おじゃましまーす」
ドアを開けて中を覗いたのは黒田だった。
誰もいない玄関で俺たちを出迎えたのは、転がっていた男物の靴だ。
「澤永よね、これ。 もう靴くらいきちんと揃えなさいよ」
文句を言いながら脱ぎ散らかれた靴を揃えてあげる。
家の中はやけに静かで広さが際立って見え、黒田はしばらく呆然としていた。
「……桂さんの家って中もすごいね」
「ほら、そんなとこに突っ立ってないで二階に行くぞ」
「わ、わかってるわよ!」
なかなか進まない黒田の代わりにしょうがなく前に出た。
そしてついに言葉の部屋の前に辿り着くと隣では黒田が深呼吸を始める。
これから泰介とするんだから緊張するよな……
泰介のためにここまで覚悟を決めた黒田がいじらしく思えてきた。
「落ち着いたか、黒田?」
「……う、うん」
その時の黒田が見せた顔はとてもキレイだと感じた。
正直な話、その黒田に好かれている泰介が羨ましかった。
これなら――
「大丈夫、今の黒田なら泰介だってイチコロだよ」
「そ、そうかな?」
「ああ、俺が保証してやる」
黒田を励ましながら思い切ってドアを開けた。
だが、この時ほど俺の保証というモノが当てにならないのを痛感したことはなかった。


105:名無しさん@ピンキー
08/07/12 01:18:02 z/JxYq0E
部屋の中はなんと形容していいのかわからず、俺と黒田は声が出なかった。
締め切った室内は冷房をガンガンに効かせているのに、見るからに熱気がムンムン伝わってくる。
「やっときたか、早く入れよ」
「お……おう」
首だけこっちに向けて泰介がいかにも嬉しそうに出迎えてくれた。
額に汗を滲ませ、爽やかな笑顔と白い歯を覗かせている姿がなんとも似合わない。
その顔を見ているだけで頬の筋肉が引き攣って変な顔になる。
泰介に目が行っているから見えないけど、たぶん黒田も俺と同じ顔をしているに違いない。
「悪いな二人とも、あと少しだけ待っててくれ……すぐに、終わらせるから……さッ!」
顔だけのお出迎えもちょっとだけで、泰介は忙しそうに声を荒げる。
なるほど、チャイム鳴らしても出てこないワケだ……
部屋の真ん中で、素っ裸の泰介が尻をこっちに向けて腰を振っていた。
パン!パン!と音がするたびに言葉の呻き声が聞こえてベッドがギシギシ鳴る。
ちょっと変だと思ったのは喘ぎ声が「ああん!」とか上擦った声ではなくて、「う゛ーう゛ー」といった声にならない声がしているところだ。
「ぃ、伊藤ぉ……」
「ま……負けるな黒田、泰介が好きなんだろ? ここで逃げたら泰介を取られたままだぞ」
今にも泣きそうな黒田を励まして、手を引っ張って部屋に入った途端いきなり挫けそうになった。
セックスの真っ最中の言葉と泰介にもそうだが部屋に転がっている数々のアイテム。
俺が踏んでしまったのは卵形の道具で、電源が入ったままなのかヴヴヴヴヴっとモータ音を鳴らしながら細かく振動していた。
しかもちょっと濡れているせいで使用済みなのがわかり、靴下にじわっと水気が浸透してくる。
「こ、これってまさか……」
黒田は黒田で違うモノを見つけたらしい。
手に取った「ソレ」はいかにもな形状をしていて、俺が踏んだモノよりも重苦しい音を立てながら首が回る機能が付いている。
「すごいだろ、それ。 人気の機種らしくてさ、桂さんに試したらもうイキまくりで興奮しちまったよ」
それで俺たちが来る前に始めたのか……
その言葉は泰介に責められて「う゛ーう゛ー」と呻いたままだ。
しかもマニアックな格好をしいるから二度驚かされてしまった。
「泰介……それも一緒に買ったのか?」
「これか? これは先週買ったヤツで桂さんのお気に入りみたいなんだ。 普通にセックスするよりずっと感度が上がるんだぜ」
身体の自由を奪う目隠しと口枷と手錠で、得意げに言葉の尻たぶを叩くと甲高い声を上げて身体を仰け反らせる。
飛び散った汗が蒸発して部屋の中に籠もった臭いに中てられて、張り詰めた意識をじわじわ弛緩させているのに俺と黒田は気づけなかった。
「な、すげえだろ誠。 桂さんみたいな美人でスタイルも抜群の女の子が、このエロい身体が俺の物だなんて……俺、生きてて良かったよ!」
「あ――ああ、良かったな……泰介」
「そうか、誠も俺たちを喜んでくれるのか! 友だちっていいよな! ほら、誠がきてるよ桂さん」
目隠しをズラして顔を向けさせる。
泰介に責められて快楽に溺れかけた言葉の目と目が合う。
どんよりと濁った目は引き込まれそうなほど底なしで、俺は目が離せなくなった。


106:名無しさん@ピンキー
08/07/12 01:21:41 z/JxYq0E
「う、ほおっ! おお、おぅ……桂さんのおマ×コ、すごい締まる……」
「た……泰介?」
「やっぱり人に見られると違うみたいだね桂さん……なら」
俺が見ている前で、泰介はピストンを止めて体位を変えて手錠や口枷など全部外す。
その際にチ×ポが抜けて汚らしいモノでも見たように(実際そうなのだが)黒田が悲鳴を上げた。
「ひぃッ!」
「ああ、そうか。 黒田は伊藤以外のチ×ポ見るの初めてなんだっけ。 驚かせてごめんな」
生々しい姿に戦慄する黒田だが、今の俺には気を回す余裕がまるで無い。
「でも驚くのはまだ早いぜ。 桂さん、今度は自分で挿れてみてよ……誠たちが見ている前で」
「はい……」
絨毯に座って殿様気分で命令する泰介も泰介だが、命令通りに狙いを定めて腰を落とそうとする言葉も言葉だ。
泰介のチ×ポを手で支えて先端が挿るとくぐもった声で俺に知らせた。
「――ん゛ん゛ッ!」
「さっすが桂さん、もう先っちょが挿ったよ。 最初は全然ダメでさ、俺が手取り足取り教えてあげたんだ」
自慢げに話す泰介の声が煩くてイライラしてくる。
けど身体は正直なモノで、ギチギチに突っ張っている股間が痛くて苛立ちがそこに溜まってくる。
言葉とは別れたはずなのに、どうして俺がこんな気持ちになるのかわからなかった。
「あああっ! う、う゛ん゛ん゛ん……澤永さぁんンッ!」
「うっひゃあ! 桂さん、スイッチ入っちゃってるよ」
そこにいるのは俺の知らない言葉だった。
あぐらをかいた泰介にしがみ付きながら腰を器用に動かしている姿も、ずちゅずちゅと音を立てて唇を吸う言葉なんて知らない。
「んむゥ、むむ、むぅぅぅ……澤永さんのおチ×チン、気持ちいいです。 だからぁ……」
「ちゃんと飲ませてあげるよ、俺のザーメン。 だからさ、もっとエロいところを見せてあげなよ……ギャラリーだっているんだから」
「あふ……ぅンッ! も、もちろんです」
刹那、言葉と目が合った気がしてならなかった。
まるで俺に見られること望んでいるような微笑を浮かべた顔はひどく艶めかしく、胸に残ったしこりがズキズキと疼く。
言葉よりも世界を選んだことに対する負い目があって堪らず視線を外したが、それすらも無駄な抵抗だった。
泰介を押し倒した言葉が騎乗位で嬌声を上げ始めた。
「あ、ああっ、素敵です! 澤永さんのが奥まで届いて……腰が勝手にぃぃぃ!」
「ほらほら、もっと腰振ってよ桂さん。 おっぱいもブルブルさせてさ」
「ンン……ン、んふぅぅぅ! こ……こうですか?」
「いいよいいよ! すっごいスケベだよ今の桂さん!」
泰介の腹の上で踊る言葉の胸が大きく揺れて汗が弾ける。
「見ろよ誠ぉ、桂さんのおっぱい! 下からだとバインバイン跳ねてるのが丸見えなんだぜ! 後でおまえにも桂さんとさせてやるからさ、楽しみにしてなよ」
酷く頭痛がしてきて泰介の声が雑音にしか聞こえなかった。
なのに股間は窮屈なほど腫れ上がって、目が言葉の胸に釘付けのままで苛立ちが余計に募る。
その胸に泰介の手が伸びていくのをじっと見ていることしか出来なかった。
「あふぅ! い、いやぁ……澤永さんの手、いやらしい……」
「気持ちいいんでしょ、桂さん。 このおっぱいって大きいのに敏感だからなぁ、特に乳首がねッ」
「だめぇ! そんなに摘まないでぇぇぇ!」
白い喉を見せながら身体を大きく仰け反らせて、鋭く尖った感覚に抗うために歯を喰いしばる。


107:名無しさん@ピンキー
08/07/12 01:24:36 z/JxYq0E
「え、これだけでもうイキそう? なんか今日の桂さんって感度ビンビンじゃない」
「だって! 誠くんが……誠くんがぁぁン!」
「へへへ、だったらもっと見てもらわなきゃ! たぁ~~~っぷりと……それから隅々まで」
騎乗位の体勢で繋がったままの言葉を抱き寄せて上に折り重なる。
「はっ、はっ、あふンっ、ぅんん。 え……と、これからどうすれば?」
「ん? もちろんそのでっかいケツ開いて中まで見てもらうんじゃん。 こうやってさ!」
「いやッ! そんなに開かないでください……は、恥ずかしい」
「ウソばっかり。 ケツの穴まで見られて感じちゃうって顔に書いてあるよ」
泰介のチ×ポを飲み込んだ穴だけじゃなくて後ろの穴のシワまで全部見える。
まるで息をするようにサーモンピンクの穴が閉じたり開いたりを繰り返してヒクついてる。
恥ずかしがりながらも俺に痴態を曝け出す自分の女に気を良くした泰介はさらに調子に乗って命令する。
「今度は自分で開いてさ、誠たちにお願いしなよ。 中まで覗いてくださいって」
「おねがい……ですか?」
「桂さんだって今日は楽しみにしてたじゃん。 アナルプラグで拡張したケツの穴を広げてさ、誠くんのチ×ポ突っ込んでぇ! っておねだりしてみなよ」
泰介のセリフに吐き気がして、今まで我慢してきたモノがブツリと切れた。
イラついたまま言葉がしゃべろうとする前に立ち上がる。
「おっ、誠もその気になった? ならサンドイッチしようぜ、な! 桂さんもいいだろ?」
「さんどいっちって……あの、まことくん?」
「二穴責めだよ、二・穴・責・め♥ 前と後ろにチ×ポ突っ込まれてヒイヒイ言わされるの。 病み付きになるぜぇ」
へらへら笑う泰介を無視してギチギチに腫れ上がったチ×ポを取り出す。
黒田が何かしゃべっているような気がしたけど今さら止まらないし、やめる気もない。
でかい尻を振って誘っているんだから別に構わないさ、俺が悪いんじゃない!
「ま、まことくん……まって、おねがい……」
なんだよ、泰介とはセックスしても俺とはしたくないって言うのか?
玩具の中にローションまであるのを見つけて、怒りを通り越して逆に笑えてくる。
「こんなものまで買ってあるんだから相当やりまくったんじゃないか、泰介?」
「当ったり前だろ! 前も後ろも開通済み、桂さんの初めては全部俺が美味しくいただきました」
「……ファーストキスは俺だったけどな」
「あ、そういやそうだったな……けどいいか! 初フェラは俺だったし、桂さんを俺好みの女に調教しちゃったもんね!」
泰介のポジティブな考えが本当に羨ましい。
「それより早くしようぜ誠ぉ」
「そうだな。 じゃあ準備をして……と」
でかい尻を広げてローションを垂らすと冷たさで言葉が身を捩る。
邪魔な服を脱いでから俺にも垂らして、準備が整うとケツの穴に狙いを定める。
久しぶりに触れた言葉の身体は女の子らしくてとても柔らかかった。


108:名無しさん@ピンキー
08/07/12 01:27:45 z/JxYq0E
「……言葉、おねだりは?」
「あ、はい……まことくんの、いれてください」
「今さら恥ずかしがんなよ。 どこに何を挿れて欲しいのかはっきり言えって!」
尻を上げて両手で押し広げる言葉をもっと虐めたくなった。
「そうそう、ちゃんと言わないと俺も抜いちゃうよ」
「そんな、澤永さんまで……」
「いつもみたいにお願いしなって。 おマ×コだけじゃ足りないんです、お尻の穴にもザーメン飲ませてください! ってさ」
そんなことまで言ってるのかよ……本当にあの言葉なのか?
自分の耳を疑いたくなったけど泰介が言ったことは全部本当だった。
「……まことくんのおチ×チンで、お尻の穴を……か、か………………掻き回してください!」
手を握ることさえ怖がっていた言葉。
駅のホームで突然されたキス。
学校の屋上でランチを一緒にした思い出も何もかもが壊れてチ×ポ狂いに変わり果てた言葉が俺を誘っていた。
「そんなにケツに挿れて欲しいのかよ……ただの変態じゃないか!」
「そ、そうです……変態です! お尻で気持ちよくなる変態女子高生にお仕置きしてください!」
「くそッ……わかったよ!」
もうどうでもよくなって、思いっ切りチ×ポを捩じ込んだ。
思いの他すんなり挿ったのには驚いたけど考えるのも億劫でガンガン責め立てる。
「ッア、ア、アアアァァァ……あ゛お゛お゛お゛お゛!」
「すっげぇ! 誠のチ×ポが動いているのわかる……ヘンな気分になってくるよ!」
「……気持ち悪いな泰介。 それよりそっちも動けって! お望み通り言葉にたっぷりお仕置きをしてやろうぜ」
「よしきた!」
言葉の下で泰介も動き始めた。
「ああっ、ひぃぃっ……ぃい゛い゛い゛い゛ッ! イク、イキます! イクぅぅぅ!」
「なんだよ、もうイったのかよ言葉。 でも俺はまだイってないからな……このままさせてもらうぜ」
「俺も俺も! 桂さん、何回イけるか挑戦だ!」
「え――まってください……か、からだがぁぁぁ!」
余韻が収まらないまま言葉は俺たち二人に挟まれてイキっぱなし状態になる。
その後に何回イったかは知らないけど言葉はケツの穴を開けたまま失神してしまった。
せっかく中出しした精液を溢れさせて、力の無い声で呻き声を上げている。
けど俺はまだ納まりが着かず、ビンビンに勃きり立ったままだ。


109:名無しさん@ピンキー
08/07/12 01:30:29 z/JxYq0E
正直言ってまだ出し足りない。
「――っひゃあ! もうすごいすごい。 こんなにエッチな桂さん初めてだよ」
一戦終えた泰介が満足げに喜んでいる。
でも俺と同じでまだチ×ポを勃たせているのを見て思い出した。
「泰介、まだいけるよな」
「そりゃいけるけど……桂さん失神してるぞ?」
「黒田がいるだろ」
名前を呼ばれて俺たちの3Pに魅入られていた黒田が正気に戻った。
けど腰が抜けてしまったのか首を振って嫌だと言っているだけで逃げられない。
俺はチ×ポを勃たせたまま手錠を拾い上げて黒田を後ろ手に拘束する。
「やだ……やめて伊藤!」
「大人しくしてろよ……ああもう暴れるなって! 泰介、おまえも手伝えよ!」
「いいのかよ誠。 本気で嫌がっている気がするんだけど……」
「そんなワケあるかよ。 試しにスカート捲ってみな」
「うは、もうヌレヌレじゃん!」
「だろ? それにもともとスワップしようぜって約束だからな。 やっていいぞ、泰介」
バックスタイルで黒田のケツを上げさせて泰介を誘導する。
男二人の力に敵わないのはわかってるのに無駄なことをする黒田には本当にイライラした。
「さわなが……おねがいだからやめて、わたし………………いやあああ!」
悲鳴が上がって、やっと泰介のチ×ポが黒田の中に入った。
けどやけにキツイ黒田の中と流れた血に気づいて泰介がぎょっとする。
「え、黒田って初めてなの? なんで?」
「黒田が好きなやつって泰介、おまえなんだってさ」
「なにそれ? 俺が好きってどういうこと? おまえたち付き合ってんじゃないの? 全然わかんないよ!」
「だから黒田は中学の時からずっとおまえが好きだったの! 泰介とセックスがしたくてしたくてやってきたんだよ!」
ここまで言って泰介はやっと話が飲み込めた。
「じゃあおまえらって……」
「そう、俺と黒田は付き合っていないしセックスもしてない! だから好きにしていいぞ、おまえに惚れてるんだから」
「なんだ、それならそうと早く言えって。 ヘンな気を回しちゃったじゃないか」
後は簡単な話だった。
嫌がる黒田を組み敷いて、言葉にしたように自分好みの女に仕込む気でいた。


110:名無しさん@ピンキー
08/07/12 01:34:11 z/JxYq0E
「ぬいて、さわなが……おねがいぃ゛ぃ゛ぃ゛」
「そうかそうか、黒田が俺のことを……ぐふ、ぐふふ♪ すぐに俺のチ×ポ無しじゃ生きていられなくしてやるからな」
「やめ――」
泰介と黒田はもう放置しても大丈夫そうだ。
けどさっきから勃ちっぱなしのチ×ポは全然納まりが着かない。
そのチ×ポにぬめった感覚がしたと思ったら言葉がフェラチオを始めていた。
「なにしてるんだよ言葉……」
「あ、あの、おチ×チンが硬くなったままだから……」
そうやって泰介に仕込まれたのかよ!
納まりが着かない理由が嫉妬だったことに気づいた瞬間、俺は言葉の手を引いて部屋から連れ出した。
泰介と同じ部屋にいさせたくなかった。
「来いよ、言葉!」
辿り着いた場所はバスルームで、おあつらえ向きにお湯が張ってあるのを見ると言葉を入れさせる。
汚されたままの身体を抱きたくはなかった。
それでも気持ちが落ち着かなくて、泰介のザーメンが残ったままの膣内に挿れてしまう辺り、どうしようもないほど気が狂いそうだった。
「いい、いい! 誠くんのおチ×チンいいです!」
「ちくしょう……こんなのが気持ちいいのかよ! 本当に泰介に調教されたみたいだな!」
「だ、だって誠くんがいなくなって寂しくて……それに澤永さんは私を必要としてくれたから……」
「それでかよ、それで泰介に全部あげちまったのかよ……くっそぉぉぉ!」
自分でも最低なことを言っているのに気づいていたけど、声に出さずにはいられなかった。
それよりも惨めなのは俺の方が先にイかされてしまったことだ。
泰介に開発された言葉の身体は世界よりもずっと具合がよくて、搾り尽くされるかと思うほどよく馴染んで絡み付いてきた。
「くふ……ぅンっ、まことくんのビクビクしてます……」
「はぁッ、はぁッ……ん、ぐぅ!」
腰を引くとようやく納まりが着いたのか、萎えかけたチ×ポがぐちゃぐちゃに汚れていた。
膣内に出した量は今までで一番多くて、どれほど気持ちよかったのか窺える。
言葉も言葉で中出しされたのが余程気持ちよかったのか、のぼせた顔をして満ち足りていた。
「ん、あッ、ああん、きもち……いい。 おなかいっぱいです、まことくん♥」
濡れた目が向けられて、また性欲が沸きあがる。
今まで味わえなかった分を取り戻したいのか、チ×ポが勝手に硬くなる。
言葉の身体はすでに出来上がっていて、まだまだ試していない部分がたくさんある。
大きく熟したバストもしなやかな動く指も、紅くぬめった唇も舌も残っている。
「あ、また大きくなってる……素敵」
熱い息を吐きながら言葉は勃起したチ×ポを口に含んで、いやらしく音を立てながら吸飲し始めた。
世界とでは得られなかった快感にずぶずぶと溺れていく。
引き返せないところまで俺は来ていた。
今さら世界を思い出しても気が重くなるだけで頭が億劫になってくる。
それに頭の片隅で言葉が何か囁いていた。
「大丈夫ですよ。 西園寺さんのことは私が何とかしますから」
そんな声が聞こえた気がした。


111:名無しさん@ピンキー
08/07/12 01:37:37 z/JxYq0E
携帯が鳴っていた。
メールの着信を知らせるメロディが鳴り続け、折り畳みの携帯を開けるとメールが表示された。
「なになに……最近連絡無いけど浮気なんかしてないわよね?」
俺の携帯なのに黒田が勝手に弄っていた。
「えーと、浮気なんかするかよ。 愛しているよ、ちゅっ……っと!」
「おい、人の携帯使って何しているんだよ」
「代わりに返事出しておいたよ。 世界もまめだよね」
パリに行ってしまった世界と俺は、未だに付き合っていた。
遠距離恋愛というやつで、携帯だけが俺と世界を繋いでいることになる。
だから今みたいに黒田が返事をしても世界は俺からのメールだと思っているに違いない。
確かめる方法なんて無いんだから世は全てこともなし。
俺が何やってるのか、世界は全く知らない。
「清浦、口開けて」
泰介が命令すると言われた通りに清浦は口を開ける。
そこへチ×ポをねじ込んですぐに腰を使い始めた。
普段から感情をあまり表に出さないから余計に人形みたいに見えてくる。
実際、愛玩人形としてしか今の清浦は機能していない。
上の口を泰介が、前の穴を俺が使って調教の真っ最中だ。
けどやりっぱなしで、清浦の反応が段々無くなって面白みにかけてきた。
「でもさ、いいのか誠。 これじゃ西園寺に刺されても文句言えないぞ」
「当分こっちに帰ってこないんだからバレないだろ」
「まさか清浦がこんなことになってるなんて西園寺のやつ、夢にも思ってないだろうな」
俺と同じで清浦にチ×ポを突っ込んでいる男が言うセリフじゃない。
「でしたら西園寺さんがこちらに戻ってきたら仲間に入れてあげませんか? 一人だけ仲間外れなのは可哀想ですよ」
俺たちの話を聞いていた言葉が顔を上げた。
繋がっている部分を重点的に責めて清浦の調教を手伝っていたところだ。
とそこに黒田も入ってくる。
「だったら七海も誘おうよ! なんか男に振られたらしくてさ……」
「○学生の女の子と二股かけられたんだって? 酷い男もいたもんだ」
「伊藤、あんたも十分酷い男だって気づいてないの? 澤永と二人で刹那をレイプしててさ」
「お膳立てしたのは黒田だろ!」
何気ない会話を楽しみながら俺たちは清浦を犯していた。
「なあ清浦、もっと喉使ってくんない? 全然気持ちよくないよ」
「ちょっとぉ、刹那だってまだ慣れてないんだから優しくしてあげなさいよ」
「で、でもさ……」
「んもう、しょうがないな。 刹那、私がお手本見せてあげるね」
清浦に代わって泰介のチ×ポを黒田がしゃぶる。
すっかり仕込まれたテクニックは抜群で、喉を突かれても少しも苦しまない。
むしろ逆に喉の柔肉を使って締め付ける。
「うっひょお! 黒田の口マ×コ、最高!」
頭を掴んで根元まで飲み込ませる。
泰介の汚い陰毛に口を付けている黒田をボーっとした目で清浦が見つめていた。
「清浦、ちゃんと覚えるんだぞ。 後でテストするからな」
狂乱はまだ終わりそうもない。


――END


112:名無しさん@ピンキー
08/07/12 01:41:07 z/JxYq0E
以上ヽ(゚∀゚)ノ

113:名無しさん@ピンキー
08/07/12 08:28:05 nUENZF0j
素晴らしい<(゚∀゚)/

114:名無しさん@ピンキー
08/07/12 12:07:42 SGXWX3bT
>>110-111の間に何があったか解説してくれ

115:名無しさん@ピンキー
08/07/12 13:03:25 6+WLAsOm
普通にかんがえて
(光が)刹那を呼び出して差し出したんだろうな・・・


116:tyoujiya
08/07/12 15:40:21 dFAdx8ke
はじめまして
唐突ですが初投稿させていただきます。宜しく。


117:tyoujiya
08/07/12 15:41:13 dFAdx8ke
それは二学期の始め頃のある晴れた日の朝、
学校へ向かう電車の中で、私はその男女に気がついた。
それは私から僅かに離れた位置、男は若いサラリーマン風に見え、
女は私の着ているのと同じ制服を着ている・・・つまり私と同じ学校の生徒らしい。
二人とも私からは背中しか見えなかった。

私が気になったのは、女の子のすぐ後ろに立っていた男の方の、
その何やらもぞもぞとした手の動きだ。
そして女の子の方は肩を震わせていた。
いや、泣いているんだ。
・・・そして私は理解する。

痴漢だ!
そう理解した私は即座に彼らの方へ向かい、女の尻を執拗にさわっていた男の手を掴み、
びくっとしながらこちらへ振り向く男を強く睨みつけた。
もともと少々きつい顔立ちと言われている(←私としては実に遺憾であるが)私に
睨まれた途端、気弱そうなその男は逃げるように去っていった。
私は、まだ肩を震わせていた女の子に、できるだけ優しく語りかけた。

「ねえ、だいじょうぶ?」

その言葉に目にうっすらと涙をためた女の子が振り返る。

「あ・・・」
「あ・・・」

私とその女の子が驚きとともに口を開いたのは同時だった。

「か、桂ぁ?!」
「加藤・・・さん?」

ああ、なんと言う不覚!
いま考えれば、その長い黒髪や背格好からどうして気づかなかったのだろう。
そう、私、加藤乙女はそれが彼女とは気がつかなかったこととは言え、
不覚にも、私が最も嫌いな女であるクラスメートの桂言葉を助けてしまったのだ。

118:tyoujiya
08/07/12 15:42:12 dFAdx8ke
「うう・・、加藤さん・・・ありがとう・・ござい・・ます」

桂はまだ泣きながら私にお礼を言っている

あの後・・・、お互いが誰だったかに気づいたほぼ直後に電車は駅につき、
私は桂の手を取り、急いで学園とは反対側の改札口を抜けると
隠れるように建物の物陰に桂を連れてきた。

なにせ、桂はクラスみんなの嫌われ者。
その中でも私が最も桂を嫌ってることはおそらく自他共に認めている事実だ。
だから、今みたいに桂にお礼を言われたりしてるところを
クラスメートの誰かに見られたりしたらと思うとぞっとする。
特に玖実や夏美らなんかに知られた日には何を言われるものやら・・・。


「だから私はあんたなんかと知ってたら助けたりなんかしなかったんだから、
 恩になんか着なくていいんだからね!
 あと、私に助けられたとか絶対に人に言わないでよね」
「は・・・はい」

というわけで、私はようやく泣き止んだ桂にさっきのことを口止めする。
桂はどこか淋しそうに、か細い声でそれを承諾した。

私はそのまま学校に向かおうと足を踏み出そうとしながら、
ふと思い直して桂の方に向き直った。

「桂、あんたさあ、さっきみたいな時には大きな声だした方がいいよ。
 そうすれば痴漢なんてするようなへたれた男はたいていさっきのヤツみたいに
 すぐ逃げていくんだからさ」
「は、はい・・・。
 でも私、男の人が怖いから、ああいう時震えちゃって怖くて声も出せなくて・・・」
「こわい? 男が?」
「はい・・・、私昔からそうなんです」

あれ?なんかイメージ違うなあ。桂って・・・、そう、七海が言ってた、
桂は中学の時から誰彼構わず男に媚び売ってちやほやされていい気になってるヤツだって・・・。
・・・そうか、こいつ、いつも私がクラスで辛くあたってるもんだから、
今度は私に媚売ってクラスでの自分の立場を少しでも良くしようとしてるのか・・・。
そう納得した瞬間、私はつい親切心で忠告などしたことを後悔し、
同時に桂のことが以前にも増して嫌いになっていた。

「まったく・・・、あんたってホントに姑息でむかつくヤツだね」
「え?」
「とにかく言ったように、さっきのことは誰にも言わないでよ!
 それに今後も私に気安く話し掛けないでよ」
 
それだけ言い捨てると、私は桂の返事を待たずに足早に学校へ向かった。
一度だけ振り返ると、取り残されたように立ち尽くす桂が私を悲しそうに見つめていた。
私はその悲しそうな瞳を見て、心に痛みを感じたような気がしたが、
すぐに気の迷いだと自分に強く言い聞かせた。

119:tyoujiya
08/07/12 15:46:34 dFAdx8ke
とりあえず以上です。ですがまだまだ続きます。
これから原作某ルートとシンクロしていく予定です。
遅筆なんで投稿は少し間をおくことになると思います。
とにかく宜しくです。

120:tyoujiya
08/07/12 16:06:02 dFAdx8ke
補足
一応基本的に乙女視点のストーリーです

121:名無しさん@ピンキー
08/07/12 16:33:43 6+WLAsOm
>>119
ようこそです
すごくさらりとした でも新しい切り口のプロローグでGJでした
ぐっと引き込まれたところで「続く」だったので続きが待ち遠しいですが、
納得されたものが大事なのはわかってますので楽しみにお待ちしています

(どうでもいいような、でも誰かが言うだろうなってな誤字があったので「来実」
 ご気分わるくしたらすみません)

乙女の思考が乙女らしくてよかったです

122:名無しさん@ピンキー
08/07/12 19:09:38 gcuyKyma
投下ラッシュすごいな。

>>500 ◆kXZDMIdjKo
散る誠シリーズお疲れ様
誠でも女になってレイプされてそれが原因で妊娠して中絶したらさすがにかわいそうだ。
でも押し倒されて子作りさせられた場所で妊娠させた男にセックスさせてあげるって
その上言葉にまたアナルしてとか言うとは誠は相当ドMだな。

>>SINGO
泰介・・・誠のタマ狙って女のアソコ開かせるって・・・。
刹那は性的な意味と勘違いしているな。

>>woodchuck
なかなかいい羞恥プレイ
個人的にはスカトロも悪くないと思う。

123:mark
08/07/12 22:17:21 +WV1axzB
ようやく完成。102~111のスワップENDは、みんな性の暗黒面に
堕ちてしまった感じですね。支配と倒錯による快楽のみのセックス……
tyoujiya氏のは、久々に新たな風が来た感じです。今まで言葉に対して
抱いてたマイナスイメージを乙女が払拭できるといいのですが、まだそれを
認めたくない様子。今後の展開に期待。

124:mark
08/07/12 22:17:39 +WV1axzB
では私も3daysで最後の投下を行うとしますか。
最初で最後のエロSSを。せっちゃんはどうやって曲者揃いの猛者を
なぎ倒し(笑)、愛欲もとい恋人の座を勝ち取ったのでしょうか?(誠×刹那)
サマイズ寄りのワールドならありえるか?にしてもエロ系の描写は頭を使う…… 
誠の主人公特権+性欲魔人ぶりは抑え気味に、ややリアル寄りコミュの理想系にしましたがどうでしょう?

ピンポーン……

「はーい」
「伊藤、私」
「お、来たか。どうぞあがって」

刹那が誠の家にやって来た。紆余曲折あって、誠は刹那と付き合うように
なったのだが、最近はこうして、互いの家に出入りする事が多くなった。
共に両親は仕事で忙しく、家を空ける事も少なくなかった。
まあ…、そういう事をするには都合が良いというわけだ。

「親の居ぬ間になんとやら…… 伊藤のド助平ぶりには毎度呆れる」
「俺の家に入り浸ろうとする清浦も清浦だと思うぞ」
「むう……」
頬を膨らませ、目を少しきつくする刹那。

「テレビでも見てくつろいでなよ。これから晩飯作るからさ」
「私にも手伝える事ない?」

料理は誠の専売特許ともいえるが、刹那も地味ながら家事をこなすのは
好きだったりする。

「うーん…… そこまでしてもらっちゃさすがに悪いよ。呼んだのは
 俺のワガママみたいなもんだし」
「…じゃあ、食器並べる」

こんなやりとりも、別に珍しくない。
どこの棚の何段目にどの食器が幾つ置いてあるかも殆ど把握済みだ。
刹那は手際良く、子供用の椅子を運ぶ。(誠の妹が遊びに来た時に使う物だそうだ)
高い位置にある食器棚は、小柄な彼女では背伸びしても届かないのだ。

戸を開けて、コップ2つと、スープ用のカップを出す。
そして、別の棚に入っているインスタントの袋2つ。中身はコーンスープ。
大小のスプーンそれぞれ2つと、お箸も忘れずに。
それらを手際良くテーブルに運び、近くに置いてあるクロスを
3枚ほど敷く。

あとは誠の料理が出来るまで、少し暇が出来る。
刹那はテレビを見ながら、手慣れた様子で危なっかしい様子も
見せずに料理する誠を見て、微笑する。



125:mark
08/07/12 22:18:03 +WV1axzB
「いただきます」

今日の夕食:炒飯、生野菜のサラダ(茹玉子添え)、コーンスープ、麦茶

「今日は家に食材があまりなくてさ。大したもの作れなくてすまん」
「ううん。炒飯だって、本気で作ろうとするととても難しい。
 伊藤はそれを自然にやってのける」
「俺のはただの慣れだよ。プロの料理人にはとてもかなわないさ」

そう謙遜する誠だが、他人の為に自然と気遣えるという
事が料理にも表れており、刹那にはそれが嬉しかった。


食事の後、後片付けし、お風呂の準備をする。
温度設定は少しぬるめに。
バスタオルを何枚か揃えておく。

風呂が沸くまでの間、誠は何故か照れくさい気分になる。
別にこれが初めてというわけではないが、する前は少し緊張気味になりがちだ。
対して、刹那の方は普段と変わらず、淡々としているように見える。
彼女を表面的にしか知らないと、万事この調子かと思ってしまう。誠も以前は
刹那の事を冷静沈着で誰にも頼らず、甘えない人間だと思っていた。

しかし、刹那は誠と過ごせる時間を誰よりも楽しみにしている。
それを大っぴらに表現するのが苦手なのと、公私をきっちり区切る性格が、
彼女の情熱的な一面を見えにくくしていた。

「あと数分で湧くよ。はいろっか」
「うん」


126:mark
08/07/12 22:20:25 +WV1axzB
浴室

ちゃぷんと水音が不規則な音を立てる中、誠と刹那は
お互いの身体を洗いっこしていた。
そうしながら、甘いキス。

「んっ……まこちゃんは舌入れるのスキだね」
「そう?自分ではそんなつもりないんだけど」
「うわ…… やっぱりまこちゃんは天性の女殺し」

泡いっぱいのスポンジで、ちょっときつめに擦る。

「痛いってば。せっちゃんだって、この前はエキサイトしてたじゃん」
「あの時はそういう気分だったの。今日は今日」

そう言いながら、誠の胸をごしごしと。
再び、キスをする。
誠の背中に片腕を巻きつけながら。

「うん……ん……ふぅ……」
「なんか、頭がぽーっとしてくるな……」
「ふふ。でも自分だけ気持ち良くなるのはダメ」

少しだけ、身体を離す。
「わかってるよ。フェアにいかないとね」
指で刹那の乳首をちょんと突っつく。

「あん、もう…… まだ早いって」
「いっそここでしない?終わった後に再び入らなくて済むし」
「却下って言いたいところだけど、……まこちゃんが望むなら」

浴室で情事に至るのは、これが2回目である。
少し熱めのシャワーで身体の泡を流す。

「んん……むう…はあ……ぷはぁ」

浴槽のふちに腰掛け、先程より激しいキスで、貪り合う。
お湯が流れる音に混じり、粘着質な水音が混じる。
不意にぺろっと。

「あぅ…って、こら」
「ふふ、さっきのお返し」

誠は乳首を舐められ、思わず反応する。

「まったく、もう…」

127:mark
08/07/12 22:20:43 +WV1axzB
そう言いながら、再びキスに没頭し、気持ちが昂ぶっていく。
指で鎖骨や首筋、腕、お腹をなぞりつつ。
同年代の女の子よりも随分と華奢な、白い身体。
ほんの少し膨らんだ胸をなぞり出す。
吐息が徐々に色気を帯びてきた。そんな様子に誠も興奮し出す。

「はあ…… もう少し強くしても平気」
「わかったよ……」

気持ち、指の力を強めに。

「痛い。強すぎ」
「ごめん。この前はこのくらいで感じてたから。これならどう?」
「うん……そんな感じ…ちょっとくすぐったい位が丁度いい」

誠は生意気にも色事の素質はあるのだが、その分、自分の判断だけで
進めがちな所があり、刹那がダメ出しをして、その時々で適切な
行為をしてもらえるよう、こうして誠に伝える事が多いのだ。

今度はいろんな場所に口付けて、反応を確かめる。
素の状態でそういう事をされても何も感じないが、気持ちが乗り出したなら
話は別だ。動作の1つ1つが心と身体を解き解し、心地良さと快感に変わっていく。

「はぁ……まこちゃんは、そんなに私の胸がスキなの?」
「まあ……な」
「ふふ、赤ちゃんみたいで、可愛い♪」

刹那は誠の頭をなであげる。子供扱いされているのに、なぜか心地良いような
気分にさせられる。

「なら、これならどうだ?れろっと」
「んあっ!?そこは反則だよお……」
「おへその穴も、ちっちゃくて可愛いぜ」
「もう…ばか」
細い太股や刹那の大事な部分を、指の腹でそっとなでる。しばらくそうしてるうちに……



128:mark
08/07/12 22:20:58 +WV1axzB
コンドームを着け、ゆっくりと、湯船の中で2人は向き合う形で
交わり出す。お互いの身体が密着し、それがいっそう安らぎをもたらす。
すぐに動き出さず、じっとし、2人は合間にキスを交わす。

「もうちょっとだけ、こうしてたいな」
「そう」
「激しくされるよりも、繋がってぎゅっとしたりされるのが好き。
 ……まこちゃんは、動く方が好きなんだろうけど」
「うーん、そう言われると弱いなあ。……男としては、
 どうしても動きたくなるというか……ねえ?」

誠は刹那と抱き合ったまま、苦笑いする。

「そろそろ…いいよ」
「OK、せっちゃん」
そのことばを合図に、ゆっくりと動き出す。
浴槽のお湯が高波のように揺れだし、水音が大きくなる。
吐息と、キスの粘着質な音がそれに混じり、頬は上気する。

挿入して動きさえすれば、感じるとかイクというわけではなく、
その時の気分や体調、各人の好み、バランスなど様々な事が
複雑に作用するものであり、それは刹那も例外ではない。
いくら誠との相性が良くても、やはり互いのコミュニケーションがおざなりになれば、
緑が失われ荒涼とした砂漠になってしまうだろう。

誠と刹那は試行錯誤しながら、微細な共同作業を営んでいた。
いや、営みつつあった。オスの衝動に身を任せたい欲望も、もちろん誠にはあるのだが、
人のセックスが持つ、慈しむような、うまくことばに出来ないような不思議な繋がりが
心地良くなりつつあった。

「なんか、のぼせそう……」
「はあ、はあ……お湯につかり過ぎたかな。上がる?」
「うん……」

浴槽からあがり、縁に座り休憩する。足には冷たい水を張った洗面器とバケツ。
神経の昂ぶりを少し鎮めるには丁度いい。

「せっちゃんは、まだする?」
水で濡らしたタオルで身体の汗を拭きながら、問い掛けた。
「……お風呂でこれ以上はムリ。少し休んでからならベッドで」
「無理しなくたっていいよ。調子に乗ってここでしたいと言ったの俺だし」


129:mark
08/07/12 22:22:20 +WV1axzB
結局、浴室では不完全燃焼で終わり、身体をクールダウンする事にした。
風呂から上がり、冷蔵庫にストックしてあったお茶とジュースを出して、
一息いれる事にする。

「ふう……おいしい」
「結構汗かいてたな。無理して続けたら危なかったかも」
「ごめん。途中で終わっちゃって、がっかりしたでしょ?」
「んな、せっちゃんが謝る事ないよ。元々悪いのは俺だから」

お風呂でHしたいというワガママで、刹那の体調を崩してしまっては
元も子もない。初めから素直にベッドですれば良かった。
いや、刹那が「今日は今日」と言ってたように、同じ事をすれば同じ結果を
得られると錯覚してしまったのは、自分の浅はかさだ。
最後まで出来ず残念な気持ちはあるが、それを招いたのは自分自身だ。

「……どうしたの?まこちゃん」
「うーん、またせっちゃんに教えられたかなって」

誠は刹那という人間との繋がりを持てた事に感謝すると共に、
セックスというものが、自分自身を容赦なく暴くものであり、
そこから共に学び続ける姿勢が重要なのかもしれないと思ったのであった。
それでもつい夢中になり、互いに迷惑を掛けてしまう事もあるのは、まだまだ誠と刹那が
若い証拠であるのだが。

「今日はこのまま寝物語かな?せめてものお詫びで」
「ふふ… お話したい事いろいろある。もちろん
 ちゃんとぎゅってしてくれないとイヤだから」


(PILLOW END)



130:SINGO
08/07/12 23:44:05 wtY1x87p
スレが新しくなってからというもの、18禁エロが大量に投稿されましたな。
…てか、よく考えたら、先陣切ったの、私じゃん!
感染的に拡がった?
とにかく、責任の全てを放棄するぞ、私は。


》スワップ後の、光による斡旋なら、菩薩の山県も加えるべきかな(サマイズみたいに)。
加藤は…拒絶するかな?変に常識人だし。
三馬鹿娘は…似合いすぎて、意外性に欠ける。いらないや。
田中は…刹那専用の肉奴隷だから、パス。


131:名無しさん@ピンキー
08/07/13 00:20:12 Fxugz6ok
>>130
放棄していいよ
言いだしっぺは自分だから・・・
まさかこんなに続いてでてくるとは思わなかったんだもん(笑
でもいいよね いっぱい読めて嬉しい

追記)
雪崩とかがけ崩れって最初の崩れ方で規模が決まるらしいですよ
もちろん雪(地)層の性質にもよるらしいですけどw

>>124
これはいいイチャイチャ
やってることはかなりなのに
感じさせないほんわかムードはさすがです GJ


132:名無しさん@ピンキー
08/07/13 06:10:15 EeOYe0qR
誠×踊子さん純愛キボンヌ

133:SINGO
08/07/13 12:28:43 PK27iQYB
>>131
> 雪崩とかがけ崩れって

過大なる評価、どうもです。
斬新・予想外なものを出したい(私のスタンス)という理由だけで書いたエロSSが、
まさかこんなに連鎖爆発を生むとわ思わなかったっす。
しかし、いくら斬新予想外でも、逆レイプされて童貞喪失ってのは、普通、
リアル世界ではありえないよね。
私を除いて。

134:500 ◆kXZDMIdjKo
08/07/13 14:19:11 FKxAzvmt
スレにぎわっていますね。

>スカトロネタ投下する場合は注意書きはしたほうがいいかな。
すいません。次スカトロネタ投下するときは注意書き加えますので。

次は言葉(♂)×澤永(♀)を投下しようと思っています。

135:名無しさん@ピンキー
08/07/13 22:29:18 WGMCATw3
>>133
事実は小説より・・・・
通常は陳腐なはずなんですが奇異な経験があるのは財産で・・
でも田中のあのシーンは良かったです 勢いだけじゃなくって
プロットとしてすごく練りこまれてたと思いますし
読み手として襟をつかまれたら
次の瞬間前に落とされて気がついたら天井見えてました

>>132
難しいお題がでましたw組み合わせではなく「純愛」
設定が肝なんだろうナァ (描けるかは別ですけど)考えるのが楽しそう

>>134
お待ちしてます 「逆」に期待するところも大きい

136:mark
08/07/13 23:50:54 BJOJ808h
2日目です。長編『怒りの誠』の加筆・修正版を投下します。最終的な
展開は同じですが、後半でのやりとりが若干違います。
言葉はかなり意地っぱりで、誠はもはや同性同名の別人で、こんなヒーローな
誠なんてありえない(笑)。過去スレが見られる人は比べて見てはいかがでしょう?
それでは。

137:mark
08/07/13 23:51:10 BJOJ808h
怒りの誠(修正版)

例の如く、悪質な苛めを受け、泰介にまで犯された言葉は、人生に絶望し
自殺しようとする。しかし……


夜の10時を過ぎ、誠は風呂上りで一息つきながら自分の部屋で
くつろいでいた。今日の後夜祭で言葉とフォークダンスを踊りたかったが、
クラスの出し物の仕事が思ってた以上に忙しく、予期せぬトラブルも幾つか発生し、
結局言葉とはっきり約束できないまま、3組内で缶詰で終わってしまい、少し残念だった。

正式に約束はしていなかったが、自分と踊れる事をきっと楽しみにしていたと思う。
学祭委員を務めている言葉とは、その関連で最近はなかなかお互いに時間が
取れず、メールで互いの状況を伝えつつ、雑談するに留まっていた。

(明日からまたもとの日常に戻るのか…… 言葉には明日謝っておくか)

そう思い、歯を磨く為に洗面所に行こうと、暇潰しでやっていたネットを切り上げ、
パソコンのスイッチを切った。そのまま部屋を出る。
10分程経ち、洗面所から戻った誠は、早いけどそろそろ寝ようかと思い、その前に
明日の授業で使う教科書やノートを通学用のリュックに詰めるべく、
机に近づいた。そして、机に置かれた自分の携帯に目が行く。

「あれ?着信入ってるな。こんな時間に誰からだろう」

自分が部屋に居ない間に着信が入ったようだ。こんな時間だと、多分出会い系
だろう。ひどい時は1日に10数回もそういう類のメールが入り、いちいち削除するのも
面倒くさく感じる程だった。最近はパッタリ途絶えていたが、
また増え出したか?そう思いながら、新着の履歴を一応チェックする。

「突然こんなわがままな…… ん?」


138:mark
08/07/13 23:51:26 BJOJ808h
送信者:

件名 :

    突然こんなわがままな事を言ってごめんなさい。ですが、
    私はもう、誠君のそばにはいられません。短い間でしたが、
    素敵な時間をありがとうございました。とても嬉しかったです。
    ……さようなら


「送信者の名前が入っていないけど、これ……言葉?」

新手の迷惑メールにしては、どこか悲しさを感じさせる文章だ。
それに、自分の事を君づけで呼ぶ人間は、知っている限り、言葉しかいない。
じゃあやっぱり言葉のメールなのか?
まさか悪戯メールとか?いやいや、世界や泰介達ならそういう悪ふざけもありえなくもないが、
言葉は故意に人の嫌がるような事をするヤツじゃない。

「まさか、いやいやそんな事は…… 言葉に限ってそれは…… 実は、
 急な引越しが決まってて俺に言い出せなかったとか?」

それは違うぞ――
心の中の自分がそう告げる。
とにかく、電話してみよう。その方が早い。
誠はそう思い、言葉の携帯に電話を掛けた。


「携帯に繋がらない…… お風呂に入ってて出れないとか?
 それとももう寝てしまったのか」

何度携帯に掛けても言葉が出ない。理性はもう遅いんだから、
明日また掛け直せばいいじゃないかと言うが、感情が納得しない。

「こんな時間に人様の家に電話するのは気が引けるが…… 仕方ない」
誠は言葉の自宅に電話を掛けた。時間は既に11時近くになっている。
プルルルル……… ガチャ。


139:mark
08/07/13 23:51:42 BJOJ808h
「はい、桂でございます」
「夜分遅く申し訳ありません。あの、僕はこと……桂さんの同級生の伊藤と申します。
 申し訳ありませんが、言葉さんは今いらっしゃいますか?」

電話口からは聞き覚えのない女性の声。恐らく言葉の母親だろう。
失礼に当たらないよう、慣れない敬語を使う。

「言葉なら、今日は文化祭の後片付けと打ち上げが長引いたので、お友達の
 家に泊まってくるって言ってたわ」
「そうですか。……あ、あの、誰の家に泊まるかは言ってませんでしたか?」
「さあ、そこまでは…… 用事なら私から伝えておきましょうか?」
「いえ、いいです。夜分遅く失礼致しました」

電話を切り、誠はいっそう不安になる。こんな時間に電話を掛けて
非常識じゃないか、娘はとっくに寝ているとでも怒鳴られたなら、
不安はそこで解消したも同然だった。しかし……

「家にもいなかった…… なんか物凄く嫌な予感がする……」

誠は思わず自宅を飛び出し、言葉を直接捜す。ほんの少し連絡が
とれず、言葉のメールだとはっきりしたわけでもないのに、
心配のし過ぎ、思い込みが過ぎると思う。しかし、考え得る最悪の可能性が
自分の勘違いであると願うには、なぜか胸騒ぎが治まらず、
冷静にはなれなかった………

140:mark
08/07/13 23:52:00 BJOJ808h
「まさかこんな時間まで学校にいるとは思えないが……」

誠は数時間前まで居た学校に足が向いていた。
暗がりに染まった廊下を歩きながら、4組の教室へ向かう。
昼間は賑わっていた学校も、夜は誰もおらず、所々に張られている
学祭用のポスターや、部やクラスの展示物などが孤独さを際立たせる。

「誰も居ないみたいだな」

お化け屋敷の会場になっている4組は、ドアに鍵が掛かり中には入れなかったが、
人の気配も何の物音もしない。自分の足音が響くのみだ。
他に言葉の居そうな図書室や、学祭委員の集合場所になっている部屋なども捜したが、
結果は同じだった。

「教室にはいなかったし、やっぱり誰かの家に泊まっている?
 でも言葉って、普段俺や世界と一緒にいるイメージしかないし、
 外泊なんて……………あ」

ようやく思い出した。そして駆け出す。
つい最近まで、自分と言葉、世界の3人で過ごしていたあの場所を。
もしかしたら、いやきっと………!


屋上


十数メートル下の地面を見つめながら、言葉は独りで佇んでいた。
動かぬまま、思い詰めたような表情をしたまま、ずっと。

ゆっくりと、上履きを脱ぎ丁寧に揃えだした。
そのまま、フェンスの手前にある柵を乗り越え、言葉はフェンスに片足を掛ける。
少し軋む音がしたが、構わずもう片方の足を隙間に掛ける。
足の裏に網が食い込んで痛いが、それもあと数分で気にならなくなるだろう。

(さようなら、お父さん、お母さん、心……誠君…)

そのまま、フェンスを登り出した。


141:mark
08/07/13 23:53:59 BJOJ808h
「……のは」
「え…?」

人の声?……きっと空耳だ。

「ことのはぁーーーーー」
「ま、誠君!?」

空耳じゃない。まさか、そんな白馬の王子様みたいな事って……
そう思った次の瞬間には、誠は柵を乗り越え、言葉の腰を掴んでいた。

「言葉、こんな所で何してるんだよ!?」
「嫌ッ離してッ!!!」
「落ち着くんだ!馬鹿な真似をするんじゃない!!」

荒い息をしながら、誠は言葉をフェンスから引き剥がそうとする。
その様子に困惑しながらも、言葉は手足を離そうとしない。

「離して下さい!私はもう、誠君のそばにはいられない……」
「何言ってるんだか訳わかんねえよ!何で俺のそばにいられないんだよ?
 理由を話してくれるまで、絶対離さないから!」
「こんな私に…もう誠君の彼女である資格なんて……ないんです!」
「だからその理由を教えて欲しいって言ってるんだよ!!」

思わず誠の声が荒くなる。しかし目を閉じ、身体を震わせながら、
なおも言葉はその問いを拒んだ。

「………!それだけは、言えません………」
「理由も教えてくれず、勝手に飛び降りようとする人間の
 言う事なんか聞けないよ……!」
「ごめんなさい…… ごめんなさい……でも、それだけは、誠君にだけは
 知られたくない……… だから、離して………!!」

既に涙声になりながら、それでも言葉は拒み続ける。
これ以上問いを迫れば、誠を蹴飛ばしてでも登りかねない。

「………わかった。そこまで話したくないなら、無理強いはできない。
 でも、少しだけ俺の話も聞いてくれないか?……飛び降りるのは
 それからでも遅くはないだろう……?」
「……………………………………………はい」

ようやく抵抗を止め、フェンスから降りる。



142:mark
08/07/13 23:54:22 BJOJ808h
ベンチに腰掛け、無言で俯いたままの言葉に、誠は静かに話し掛けた。

「まず… 言葉がそこまで思い詰めている事に気付けなかった
 自分を恥じるよ」
「……………………」
「何を思い詰めていたのかはわからない。…けど、いい加減な気持ちで
 ああいう事をしたわけじゃないんだろう?」
「……………………」
「君と初めて付き合い始めた頃は、お互いにすれ違ったり、空回りしたりで、
 正直上手くやっていける自信がなかった。でも、一緒に居るうちに、
 君の良い所がなんとなくだけど、わかるようになってきたと思う」

言葉は無言で俯いたまま、反応しない。率直な気持ちを伝えている
つもりだが、今の彼女にはそれさえ届かないのだろうか?
それだけ言葉が傷付いてしまったという事なのか。
でも、もし自分の想像が当たっているなら、まだ…… 諦めるな。
誠は自分の携帯を取りだし、あの受信履歴を言葉に見せた。

「このメール…… 言葉が送ったんだろ?」
「………! それは………」
「俺の壮大な勘違いかもしれない。言葉は死ぬつもりだったもんな。
 でも、このメールを送った人は、生きたがってると思うんだ。
 誰かに伝えたくて、そして自分を助けてほしいってさ」
「違います!私は……」

言葉は声をあげて否定する。それは言葉の本心を逆に
示すもの。

「違うのか。じゃあやっぱり俺の勘違いなんだ」
「そうです…… 誠君は凄く勘違いしています…… 私がそんなメール、
 送るわけ……ないじゃないですか……」

「……こんな時まで、意地なんか張らなくたっていいんだ」
「意地なんか張ってません!……そんなメールなんか、送ってないです……」
「じゃあ、なんで泣くんだよ?君が送ったんじゃないなら、泣く必要なんかないじゃない」
「泣いてなんかないです…… 私は…… わたし……は……」

誠の問いを否定することばとは裏腹に、言葉の目から涙が溢れ出す。


143:mark
08/07/13 23:54:40 BJOJ808h
「言葉は強いヤツだよ」
「……え?」
「本当に死にたかったなら、俺を無視してでも、それこそ殺してでも
 飛び降りたと思う。メールなんか送らずに黙って自殺したと思う。
 でも、言葉はそうしなかった」
「……………」
「自分の気持ちをさらけ出すのって、すごく勇気のいる事なんだぜ?
 ましてや、死にたい程思い詰めてたなら尚更だと思う」
「………誠君」
「でもさ、それに呑まれないで、言葉は助けを求めてくれた。
 そういうのって、誰にでも出来る事じゃないよ」
「……………」
「自分だけの力で何かを為し遂げたりするのは、もちろん凄い事だと思う。
 けどさ、どうしようもない事や、自分の弱さを認めて人に頼る事が出来るのは、本当に
 勇気のあるやつだと思うんだ」
「………誠君…!」

「だから……逝かないでくれ…… 言葉がいなくなったら、俺……
 意気地なしだから、人生耐えられないよ………」
自分でも何を言ってるのかわからなくなり、誠の目からも涙が溢れ出す。

「……誠君……まこと…くん……私……わた……し……!」
感極まった言葉は、誠の胸に顔をうずめ、子供のように泣いた。

「言葉………」
「ごめんなさい……ごめんなさい………ごめん…なさい……」
誠と言葉はしばらく、誰も居ない屋上で咽び泣いた――



144:mark
08/07/13 23:55:02 BJOJ808h
そして言葉は、誠に事の真相を話した。乙女達グループを中心に悪質な苛めを
受けている事を。また、その苛めには誠と同じクラスメートである七海も関わって
おり、彼女の知り合いである部員達からも執拗な嫌がらせを受けている事を。
さらに七海の友人であり、誠・言葉の友人でもある世界が、もしかしたら裏で糸を
引いているかもしれない事を。

そして、誠の友人である泰介に無理やり犯された事も、全て。

全ての話を聞き終えた誠は呆然とし、あまりの自分の鈍感さに情けなさをおぼえ、
そして、普段の優柔不断な誠からは考えられないくらいの、怒りの気持ちが
湧き起こったのであった。

「あいつら………許せないよ……」
「誠君……無茶な事は考えないでください…… 私がもっとしっかりしていれば、
 こんな事にはならなかったんです…」

あんな目に遭ってまでも、自分よりも誠の事を気遣おうとする言葉に、
誠は申し訳なさを痛い程感じていた。

「それは俺のセリフだよ。…俺が最初からもっとしっかりしていれば、言葉を
 こんな辛い目に遭わせずに済んだのに…… ホント、彼氏失格だよな」
「誠君は駄目じゃありません!……こんな汚れた私を助けてくれました……
 失格だなんて、そんな事言わないでください……」
「言葉は汚れてなんかいない……!自分を貶めるような事言うな…」

お互いの謝りあいが続いた後、誠は今後の事をどうするか考える。
…これが、誠と言葉の人生における大きな分岐点であり、そして試練でもある事を、
夜空だけが知っているかのように、静かに佇んでいた。


(第1部 完)

145:mark
08/07/14 22:31:22 nAy5DE+E
最終日。アンコール・追加公演はありません。怒りの誠第2部修正版を投下。
これも殆ど初代スレと同じですが、セリフ等は一部変更・追加しております。
澤永のうざさが3割増しくらいになってるかな?
しかしある種の引き金の1つとして欠かせない名脇役(苦笑)ですね。

無名時代から約8ヶ月、投下し続けてきましたが、今までどうもありがとう。
それでは、どうぞ。

146:mark
08/07/14 22:31:45 nAy5DE+E
怒りの誠Ⅱ 澤永の逮捕(修正版)


言葉の自殺未遂から翌日――


「桂は今日は風邪で欠席するとの事です。それでは……」

ホームルームが終わり、1限までの空き時間のあいだ、乙女達が
集まっておしゃべりしている。

「とうとう休み出したか桂のやつ」
「後夜祭の後片付けもあるのに、いい度胸してるよね~」
「いえてる。ちょーっと苛め過ぎたかも?あははは」

気弱なみなみまでが言いたい放題である。

「でもさすがにヤバくない?もしセンセ達にばれたら、うちらもヤバイよ」
「だいじょぶだって。気弱なあいつにチクる度胸なんかなさそうだし」
「仮に知られそうになっても、反省したフリして大人しくしてればいいしさ。
 第一、うちらがやったっていう確かな証拠なんかないもん」
「それならいいけど」
「夏美ちゃんは心配し過ぎだよ~。たかが1人で何ができるっての。ねえ、乙女ちゃん?」
「うん?ああ、そうだね」
「ほら、乙女ちゃんだってこう言ってるし」
「まあ乙女が大丈夫って言うなら、そんなに気にする事もないか」

乙女は夏美たちへの返事と裏腹に、言葉の欠席に少しだけ引っかかる思いを
抱いていた。

(体育はよく見学してたけど、学校を休む事なんか1日もなかったのに
 なんか気になるな……)



147:mark
08/07/14 22:32:03 nAy5DE+E
一方、誠のクラスでは――


「誠が欠席するなんて珍しいな……」

自分の隣に居るはずの人間が居ない事に、世界は少しだけ違和感を感じていた。

「馬鹿は風邪引かないと思ってたけど、違うのかね?」
「澤永に言われちゃおしまいだよ~。ま、あたしは引き方がバカだったに一票」
「もう、あんまり馬鹿馬鹿言わないでよー」

誠の欠席をネタに盛りあがる光と泰介に世界はムッとする。

「…伊藤の事が気になるの?」
「なっ…!そういうのじゃなくて、私はただ友達として……」
刹那の問い掛けに世界はあわてて弁解する。

「それにしても、あんた顔がにやけてるけど、何かあったの?」
「あ、わかっちゃう?まあ俺にもやっと春が来たっていうかな。
 だははは」
「目がえろい」
「聞くだけ時間の無駄のようね」

泰介の締まりのない笑顔を見て、光と刹那は冷めた口調でそう応えた。


授業終了後


「さてと、退屈な授業も終わった事だし、誠も今日はいないから
 まっすぐ帰るとするかな。お前らはどうすんだ?」
「私は家の手伝いがあるから寄り道は無理だよ」
「……学祭の反省会があるから」
「私も今日はバイトのヘルプ頼まれてるから、一緒に寄り道は無理だね」
「なんだよみんなバラバラかよー。今日は厄日だな」

ある意味予想通りの返答に泰介は呆れ顔になる。

「あんたと一緒に帰ると貞操がヤバそうだしねぇ~」
「同感」
「右に同じく」
「ちょっ……お前ら容赦ないのな…… じゃあな、また明日」

泰介は世界達と別れ、1人に。下駄箱で靴に履き替え、昇降口から出ようと
した所で、思わぬ人物に遭遇した。


148:mark
08/07/14 22:32:26 nAy5DE+E
「やあ、泰介」
「あれ、誠じゃないか。お前風邪で休んだんじゃなかったのか?
 西園寺達も心配してたんだぜ」
「ごめんごめん。ちょっと夜更かしし過ぎちゃってさ…… それで盛大に
 寝坊しちまって、つい……」
「それでついズル休みしちまったってわけか。いやはや、お前にしちゃ
 不良だね~」
「おいおい、1日休んだだけで不良も何もないだろう」
「わははは。心配しなくてもちゃーんと黙っててやるからさ。それより、
 こんな時間に学校に何しに来たんだ?授業はもう終わったぞ」

いつも通りの調子で会話のやりとりがなされた後、泰介が当然の疑問を
誠に向けてきた。

「ああ、ちょっと用事があってな……」
「用事?だったら早いとこ済ませちまいなよ。西園寺達に見つかったら
 いろいろ言われるぞ」
「いや… お前に用事があるんだ」


裏門前

「ここの生徒は殆ど正門から出入りするから、内緒話をするには
 うってつけなんだよな。で、俺に話って何だよ?」
「噂で聞いたんだけどさ、お前、4組の桂と付き合ってるって本当なのか?」
「なんだ、もう知っちまったのか。お前にしちゃ耳がいいな。
 …でも桂さんの名前までは他の奴には話してないんだけどな。誰から聞いた?」

「それは…… 内緒だ。名前は出さないって条件で教えてくれたんでな。
 お前がしゃべんなくても、雰囲気で何となくわかったんだとさ」
「ちぇっ、隠し事は出来ねえもんだな。まあいいや、確かにお前の言う通り、
 俺は桂さんを彼女にしたぜ。正直あんなに上手くいくとは思わなかったけど、
 まあ結果オーライってとこかな?これを皮切りに、俺と彼女と2人きりでの
 クリスマスディナーに誘いたいんだけどさ、今日休みだったんだよなあ」

そう言い、泰介は溜息をつく。

「女に縁の無いお前が、どうやってあの桂を口説き落としたか気になるな」
「おいおい、それは最重要機密だぜ~?俺の純愛をそう易々とお前に
 話すわけにはいかねーな」

口ではそう言いながらも、自分の初体験を自慢したいという気持ちが、
泰介の表情に表れていた。

「今度ピュアバーガーで好きなだけおごるからさ、頼むから教えてくれよ」
「うーーん、そこまで言うんだったら話してやらない事もないぞ」
「サンキューな、泰介(…………………)」


149:mark
08/07/14 22:32:48 nAy5DE+E
得意げに話し続ける泰介の姿と、相槌を打ちながらさも関心したかのように振舞う誠。
しかし、誠の笑顔には陰りが出始めていた。

「……というわけで、俺も晴れて童貞を卒業出来たってわけだ。今思い出しても、
 桂さんの胸の感触といい、細い腰つきといい、中といい最高だったぜ~。この感動は
 一生忘れられまい」
「……そうか」
「いや~それにしても、加藤のアドバイスがなかったら、俺もお前と同じ
 暗い青春を今でも送り続けていたわけよ。だははは」

泰介の明るい表情とは対照的に、誠は暗い顔つきになる。

「まあ、お前もこの俺を見習って、早く彼女作れよ~。人生一度きりだから、
 お前ももっと楽しまないと。バカやれるのも学生のうちだけだからなー。
 前々から思ってたが、大体お前は誰にでも………」
「…………………」
「うん?どうしたんだ誠、さっきから陰気なツラして」

誠が暗く硬い表情をしている事に泰介はようやく気付く。

「……………泰介。オレ……」
「あ、ああゴメンゴメン。ちょっと調子に乗り過ぎたな。大丈夫だって、
 この俺だってあの桂さんを彼女に出来たんだから、お前ならすぐ出来るさ」

自慢し過ぎたと思ったのか、泰介はあわてて誠をフォローしだした。



150:mark
08/07/14 22:33:11 nAy5DE+E
バキッッ!!


不意に、誠が泰介の右頬に拳を繰り出し、泰介は思わず尻餅をつきそうになる。

「痛ってぇなあ。いきなり殴る事ないだろう。男のヒステリーは
 見苦しいぜ」
「………もしお前が、ほんの少しでも罪悪感を感じてたのなら、せめて
 身柄を引き渡すまで一緒に付き添ってやるつもりだった」
「誠?お前何言って……」

誠のひどく淡々とした口調に、泰介は殴られた怒りが薄れ、逆に誠の様子に
困惑する。

「お前とは何だかんだで、気の合う友達だと思ってたけど………
 俺のとんだ勘違いだったようだな」
「……………誠………」

泰介の様子に構わず、誠は淡々と告げた。

「言葉は昨日自殺するつもりだった」
「………え!?な、何で」
「あと少し助けるのが遅かったら、言葉は今日、この世にいなかった」

そのことばに、泰介はようやく事の重大さに気付きだした。そして、なぜ
自分が人気のない場所に連れ出されたのかも。

「ま、誠………お前、まさか……」
「言葉は警察に被害届を出したんだ。お前にレイプされたって。それだけじゃない。
 お前に『アドバイス』をくれた加藤や、その仲間から酷い苛めを受けている事もだ」
「誠………あ、あれはそんなつもりじゃなくて、お俺はただ……」
「加藤がお前を唆していたとは、言葉も俺も知らなかったけどな。………もう警察はお前を
 逮捕しようと動いている。お前の家族にも連絡が伝わってるだろうな」

顔面蒼白になり足が震え出した泰介に、誠は冷徹にことばを突き付けた。

「せめてもの情けだ。泰介、大人しく自首しろ」
「ひっ……… うわぁぁああああっ」


151:mark
08/07/14 22:33:37 nAy5DE+E
自分が逮捕されるという現実に恐怖した泰介は、誠を突き飛ばし、そのまま裏門から逃走する。
しかし、逃走を予測していた警察官が既に張っており、彼はあっという間に捕らえられた。
誠はこの為に泰介を引きとめ、通行に利用する人間の少ない裏門に誘導したのだ。

もちろんそれは、悪質な事件とはいえ、性というデリケートな問題もあって、
他の生徒への影響をなるべく少なくしたいという学校側と警察の事情もあったのだが、
泰介の罪をほんの少しでも軽くする為、彼に自首させたいという誠と言葉の強い要望が
あっての事だった。(もちろん誠は最初、そんな酷い事した奴に気を遣う必要なんかないと
反対したが、見ず知らずの人間ならともかく、自分を犯した泰介は誠の友人でもあり、
彼の今後の人生も考えて、せめて罪を自覚した上で自首させてほしいという言葉の意見を汲んだのであった)

そんな彼らの想いも泰介には通じず、彼は憔悴しきった状態で手錠を掛けられ、
パトカーに乗せられて、学園を去っていく。
そんな一部始終を、騒ぎを聞きつけた野次馬な学生達や一般人の中、
誠は独り、悲しげに見つめていた――


(第2部 完)

152:スクイズアフター
08/07/14 23:14:59 vVGMA4cw
S_Days-after 2話a
清浦家~リビング
光「ごめんね~突然1人連れてきちゃって…」
刹那「ううん…光がいいって判断したなら信じる…
ようこそ加藤先生…」
乙女「あ…はい…」
光「まあ~あの当時の事を知ってて協力してくれる仲間が多い方が…
後々助かるかもしれないし~ね
《って乙さん~顔に出過ぎだよ…まあしゃあないか~》」
乙女「子供達は部屋ですか?」
刹那「今、緒方さんの家で入学祝いのパーティーをやってるみたい」
光「刹那は行かなくていいの?」
刹那「うん~お客さんが来るって知ってるし…話の内容が…ね~アレだから…」
光「やっぱり…その知ってるの?…お父さんの事や名前の由来とか?」
刹那「名前の由来はね~小さい頃から話していたけど…
伊藤や世界の詳しい話は高校入学が決まった日に話した…」
光「そう…《ショックだったかも…》わかった…じゃあ…まず教えて…
何で刹那が伊藤と~そういう関係になったの?」
刹那「あ…うん…その前にあの時の話から…」と当時の事を語り出す…

刹那「二学期の初めに伊藤と世界は席が隣通しになって仲良くなっていったの…
けど…その後、伊藤は4組の桂さんと付き合うようになった…
どうも世界の話によれば伊藤に桂さんを紹介したらしい…」
光「あ~うん、それは知ってる…プールの時、聞いた」
刹那「でもその交際もなかなか上手くいかなかったらしくて…
伊藤から相談されていたらしい…それで親身になって世界は…
相談にのってたらしいけど~いつの間にか伊藤と世界は男女の関係に…」
光「やっぱりそれって…世界は伊藤の事、好きだったから…なんだよね」
乙女「好きでもない男に抱かれたくは…ないだろうし…ね」
刹那「…うん…そうだね…でも伊藤は桂さんにはっきりと別れを告げなかったから…
桂さんは世界が誘惑して寝取ったって…それが真実かは判らないけど…
私は世界の為に何とかしたくて~桂さんに別れを告げるように…
伊藤を追い詰めたの…そして桂さんと別れてくれて…でも…」
そう言うと加藤先生の顔をチラッと見ると…
刹那「でも…伊藤には他にも男女の関係を持ってた女性がいて…」
乙女「…」
光「…《そうか刹那は知っていたんだ…乙さんと伊藤が…》」

刹那「私には時間がなかった…だから早朝に伊藤の家に行って説得する為…
でも伊藤は私を押し倒してきたの…俺に本当は抱かれに来たんだろうって…」

153:スクイズアフター
08/07/14 23:15:36 vVGMA4cw
S_Days-after 2話b
光「うわ~最低ね…」
刹那「うん…でも私自信も最低だと思う…上辺は拒否したけど心の中では…
喜んでいた自分がいたの…それとこんな最低なヤツ好きになったなんて…
って思ったら泣いちゃった…そしたら伊藤はゴメンって言って離れて…
謝ってくれたの…それから暫くお互いに黙っていたら…
散歩しようって言われて近くの海岸に出かけたの…」
光「アノ…伊藤が…ね~《あのヤリチンが途中で止めるなんて~》」
乙女「伊藤は優しいね…気を使ってくれたんだ~あなたに…」
刹那「うん…一緒に伊藤は散歩しながら伊藤は昔の話をしてくれて…
今、思っている思いを教えてくれたの…それで私は伊藤と過ごしてみて判ったの…
伊藤は優しい…優しすぎるの…」
光「優しすぎる?」
刹那「優しすぎるから相手を傷付けたくない…
傷付けたくないから…何も言えない…
何も言えないから会わないようにする…
会わないようにするから自分の心を傷付ける…
あの人は繊細すぎるの…優しすぎて…そして伊藤が泣き出したの…
俺はどうすればよかったのか?…って…だから思ったの…
私は伊藤を追い詰めてしまった…って…それに気づいたら…もう何も言えなくなったの…
だから私は伊藤を抱き締めていた…私はそんな伊藤だから好きになったんだ…と…」
光・乙女「…」
刹那「私は伊藤に自分の想いを伝えた…そして伊藤の部屋で私達は何度も愛し合った…
どれだけの時間が過ぎたのかは判らないくらい時間が経っていた…
私は眠る伊藤を置いて空港に向かった…遅れて伊藤が空港に来たけど…
私はそれを振り切って旅だったわ…もう二度と世界にも伊藤にも会わないって誓って…」
光「そんな事があったんだ…」
刹那「光…学祭後は何があったの?」
光「あ~ああ…あの時はね~」
乙女「光!後は私が言うよ…清浦さん…学祭後の事だけど…伊藤は変わってしまったの…
あの優しかった伊藤はいなくなった…その原因を作ったのは…多分私…
私は中学の頃からずっと伊藤の事、好きだった…
でも伊藤は私を友達としか見てくれなくて私の気持ちに気付いてくれなかった…
だから告白して休憩所に誘って伊藤と愛し合ったの…でも…
女バスの打ち上げで私との情事がカメラに撮られていて上映されたの…
私は別に伊藤の彼女でなくてもいい~桂や西園寺さんがいても
私を女として見てくれるだけで良かったのに…」

154:スクイズアフター
08/07/14 23:16:14 vVGMA4cw
S_Days-after 2話c
刹那・光「…」
乙女「結局それが原因で伊藤は西園寺さんと疎遠になって~
私とも連絡がなかなかとれ無くなったの…
連絡がとれなくなった原因は例のビデオが女子達の間で噂になって
伊藤にアプローチする子が増えて…多分伊藤はその女子達と遊んでいたみたい…
でも西園寺さんとの間に妊娠騒動が発覚してからは女子達は敬遠していったから
チャンスとは思ったけど…伊藤に西園寺さんの事を聞いたら妊娠は自分のせいじゃないの一点張り…
もう私が好きになった優しい伊藤じゃなかった…
だから私は伊藤への想いを断ち切ってサヨナラしたの…」
沈黙が支配する…
刹那「そんな事があったんだ…」
何とか振り絞るように話す刹那…
みんなそれぞれの想いが交錯する中…

ピンポーン!
刹那「あ…ちょっとごめんなさいね~お客さん来たみたい…」
インターホンに出ると…
刹那「どちら様ですか?…まあ~すぐ開けるわね!」
玄関に向かうと…
ガチャ~
刹那「お帰りなさいサッチャン~」
??「刹那さん…ただいまです」
ふと玄関が気になりそっと見ると…刹那と訪問者が仲良く話していた
刹那「ご苦労様~疲れてない?」
??「はい…大丈夫です~あ、それより…あの居ますか?」
刹那「あの子達は緒方さんのところよ」
??「わかりました~報告はまた明日の夜にでも…」
刹那「うん、わかったわ~」
??「では失礼しますね~」
足早に玄関を出て行く…
刹那「お待たせ…」
光「今の子は知り合い?」
刹那「うん~三條刹姫さん…世界達の幼稚園からのお友達よ…」
光「サンジョウ…サツキ?…って今日入学式に遅れた子?名前が同じだけど…」
刹那「そう~飛行機が遅れて今日は来れなかった子よ…」
光「道理でどっかで聞いた名前だと思ったわ~」
刹那「あの子も世界達と同様にお願いね…色々難しい年頃だから…」
乙女「三條ってあの財閥と何か関係あるの?」
刹那「あの子は財閥の現当主よ…」
光・乙女「?!」
刹那「細かい事は省くけど彼女が入学式に間に合わなかったのは
財閥関係で海外に行ってたからなの…」
光「何か…大変そうね~」
刹那「以前の当主からは頼まれてるから…色々ね…あの年で受け継ぐのは大変だけど…
あ~何か脱線したわね…それであの事件…世界と伊藤が亡くなって…」

ピンポーン!
刹那「あら~今日は千客万来ね…またちょっと失礼して…」

155:スクイズアフター
08/07/14 23:16:52 vVGMA4cw
S_Days-after 2話d
インターホンに出ると…
刹那「どちら様で…ああ、止ちゃん!どうぞ入って~」
乙女「え?!止ちゃん…って…何で?」
光「イタルちゃん?」
暫くすると合い鍵で入ってきた訪問者は…
止「刹那さん!お久し振りです!」
刹那「お久し振り~勉強の方はどう?頑張ってる?」
止「はい!って…アレ?乙女先生~お久し振りです!」
乙女「うん~久し振り…医大はどう?はかどってる?」
止「はい~まあ何とか…でも何で乙女先生が…って…あ~そうか~あの子達の事ですか?」
乙女「そんなところ~」
止「なる程~で…あの子達は何処ですか?」
刹那「隣の緒方さんのところよ…」
止「わかりました~じゃあ…うん?…あれ?あなたは?」
光「うん?…《誰子ちゃん?…何か見覚えがあるような?》」
止「あ~生前、誠お兄ちゃんとよく一緒にいた…え~と…黒田お姉さんだったかな?」
光「あ…伊藤の…まさか妹さん?」
止「はい!お久し振りです~」
光「あ…あはは大きくなったね~見違えちゃった~」
止「えへへ~あ、じゃあ…あの子達に入学お祝い持ってきたので~
そっちに行きますね…じゃあ失礼します」
刹那「うん~ごめんね…また遊びに来てね…」
止「はい~」

光「そうか~伊藤の妹か…あれ?まさかあの口調だと榊野学園出身?」
乙女「まあね~止ちゃんが卒業した翌年に光が来たのよ…」
光「な、なるほどね~《うわ…何かヤバい空気かも~》」

刹那「光…今のどういう事?止ちゃんが言ってたよく一緒にいたって…」
乙女「そうよね~どういう事?」
光「《キタ-…誤魔化すしかない!》
え~と多分たまたま私と伊藤が一緒にいたのを見て世界と勘違いしたんでは?」
刹那「あの伊藤嫌いな光が…よく一緒にいたのを見てた止ちゃん…
世界と勘違いは…有り得ない~だって髪型も以前と変わらない訳だし…」
乙女「確かに不思議だね~光…言いたい事があるなら今聞くけど?」
光「…《うわ~駄目だ完全に疑っているよ~》」
暫しの無言のプレッシャーと視線に私は観念する…
光「わかった~判りました!…別にね…刹那や乙さんを騙くらかすつもりはないの~信じてお願い!」
刹那「じゃあ教えて?一体どういうことなの?」
光「む~う…つまり簡単に言うと…さっき乙さんが言ってた~
伊藤と遊んでた少女Aみたいなあ~感じ?」
刹那・乙女「……」
絶句する刹那と乙女…

156:スクイズアフター
08/07/14 23:17:34 vVGMA4cw
S_Days-after 2話e
努めて明るく言った積もりだったが…それが却って違和感を増幅していた…
光「本当は誰にも…それこそ死ぬまで言わないで…
って思ってたの…だって…」
急に情けなくなった思いだった…
この2人はそれぞれの伊藤に対しての想いがあるのに…
私にはそれがない事が何か歯がゆく感じていた…ただ泣けてきた…
光「うう…ごめん…ごめんなさい…」

刹那「光…泣かないで…あなたを責めてる訳ではないから…
事情も聞かないでごめん…光…」
光の手を握る刹那…
乙女「つい…私も…言い過ぎた…ごめん…」
刹那と同じく光の手を握る乙女…

しばらく経って光が落ち着いたのを見計らって…
刹那「光…光に何があったのか…教えて…今日はお互いの空白の時間を埋めに集まったんだから…」
光「う、うん…話は学祭後の休み明け…
刹那の転校、世界の不登校…とにかく訳が分からなかった…
七海に聞いても答えてくれなくて…怒ったら逆に凄まれて~
後でクラスメートに教えて貰った…七海が女バス辞めた事を…
それから学校は変わった…
3組は暗く苦しい雰囲気が漂っていた…私は何とか以前の状態に戻したかった…で考えたわ…
まず世界を復帰させる事を…
世界が登校すれば七海も以前のような関係に戻れるかもしれない…
と思って毎日電話もメールもかけたけど…効果なかった…
お見舞いにも行った…でもドア越しで中にもいれてもらえず…
ない頭で考えて…伊藤をお見舞いに行かせたらって考えて~
伊藤に頼んだけど~なしのつぶて…忙しいだの何とか言ってたから
ムカついて~アイツの弱味を握ってやろうと思って…後を付けたの…
そしたら…例の伊藤と遊ぶ女子達が場所は第二理科室、体育倉庫、屋上、果ては公園とか…
とにかくエッチしまくっていたわ~1日で2人とか3人とか…普通じゃなかった…
私は勿論、最初は世界の復帰の為に動いていたけど~
暫くして女子達の伊藤の噂を聞いたら…段々興味が湧いてきて…
どっちが本音か判らなくなって…伊藤の家に行って問い詰めたの…
でも伊藤は…涼しい顔で返してきた…好きにすればいいって…
しかも私に迫って黒田もエッチな事、興味あるんだろう?って…
正直、伊藤が強引だったのか?私が望んだのか?…
結局、そのままズルズルと伊藤と関係を続けてしまったの…
全くよく世界を友達なんて言えたものだと…自分に嫌気がさしたわ…」

157:スクイズアフター
08/07/14 23:18:09 vVGMA4cw
S_Days-after 2話f
刹那「光…」
光「でも世界の妊娠騒動でみんな女子達は離れていったわ…
私もそれがきっかけで伊藤との関係を止める事ができたんだよ…
喜んでたよ…世界…やっと前みたいに戻れるって…
でも最後に世界の声を聞いたのはその電話だった…
まさか世界が…しかも伊藤まで…ただただあの時は驚くしかなかった…」
話し終えて自分は当時の気持ちに立ち帰っていた…

暫くの沈黙の後…刹那が話し始める…
刹那「私は世界達が亡くなったって聞いた時、ショックで倒れたの…
だから通夜にも葬式にも参加できなかった…お母さんだけは帰国したけど…
そして私は世界の後を追うつもりだった…
どう死んだら人に迷惑をかけないで自殺できるか…
いつの間にかそんな事ばかり考えるようになったわ…」
光・乙女「…」
刹那「体調が戻って…海に身を投げようとして海を目指したわ…
誰もいない海…ここなら迷惑はかからない…お母さんには遺書を書いておいた…
結局、お母さんには迷惑をかけてしまうけどね…
でもね…誰もいない海なのに誰かの声がしたの…最初は耳鳴りかな?と思ったけど…
気のせいにして海に向かったわ…そして急にお腹に痛みが走ったの…
でも…本当に一瞬だったけど凄い痛みがきてすぐ消えたの…
それで私はある考えに至ったの…本当…
あの痛みがなかったら予定通り海に入っていたと思う…
家に戻るとまだ遺書は見つかってなかったからお母さんを心配させなくて良かったけど…
次の日…医者に行って判ったわ~私のお腹に赤ちゃんがいる事が…」
乙女「それが…あの子達か…」
刹那「その後、お母さんに妊娠の事を説明して…お母さんは私の好きなようにしなさいって…
私は日本に帰る事にしたの…
世界のお墓に行って、その足で踊子さん~世界のお母さんに会いに行ったの…
踊子さんには自分が妊娠している事、相手が世界の恋人伊藤誠である事、
もし産まれてくる子が女の子だったら世界と名付けたい…
踊子さんはそれを聞いて喜んでくれた…一緒に暮らそうとも言ってくれて…
できれば日本で産みたかったからこっちから頼むつもりだったの…
次の日、今度は伊藤のお母さんに会いに行ったの…
電話して明日はいるとの事で…最初凄く緊張したけど昨日の踊子さんと同じ説明して…
最後にもし産まれる子が男の子だったら誠と名付けたいって…
伊藤のお母さんは最後泣き出して…」

158:スクイズアフター
08/07/14 23:18:50 vVGMA4cw
S_Days-after 2話g
刹那「私どうしたらいいか判らなくなって…
でも伊藤のお母さんは私に泣きながらありがとうって言ってくれたの…
お母さんもずっと寂しい思いをしていたらしくてぜひお願いしますって…
もし良かったら一緒に住まないかとも言われて~一応住む場所は決まってるって言ったら残念がってたけど…」
乙女「葬式の時のおばさんは端から見てても辛そうだったから…
嬉しかったんだろうね~」
光「でも…伊藤のお母さんは女の子だったら世界にするって聞いて怒らなかった?」
刹那「うん~一応私と世界の関係も話して…でもお母さんは構わないって…
うちのバカ息子が女の子を沢山泣かして罰が当たったんだって…
許してくれたの~それで暫くしてお腹の子が2人と聞いて…
伊藤のお母さんがわざわざ会いに来てくれて…ちょうど踊子さんも一緒だったから…
踊子さんは改めて謝罪したけど伊藤のお母さんはもう水に流しましょうって…
それからは頻繁に家に来ては朝まで飲んで騒ぐぐらいにまでなってね…」
光「でももし双子が両方女の子だったらどうしたの?」
乙女「気になる所ってそこかよ?」
光「だって両方男の子だって有り得るからね~」
刹那「そこは誠は真琴でも良いし…男の子だったら別に世界でも構わないと…」
光「なるほど~」
乙女「で…その後は?」
刹那「うん…順調だったよ~踊子さんなんか将来の為にも大検を受けたらって…
だから病院行ったり家では家事、暇な時に勉強したりしてたよ…
で…8月16日に無事出産~女の子と男の子だった…
うちのお母さんも駆けつけてくれて…踊子さんも伊藤のお母さんもみんな喜んでくれたの…
踊子さんなんて世界が帰ってきたって言って伊藤のお母さんも誠が帰ってきたって…
うちのお母さんはさっぱり状況が掴めなかったみたいだけど…頑張ったねって…
でも…さすがに双子の出産は私の身体にはかなり負担だったらしくて回復するまで2ヶ月近くかかっちゃって…」
光「うわ~それはキツいね…」
乙女「清浦さんは身体が小さいからそれだけでも出産には苦労するよね~」
刹那「でも何とか回復して…まあその後色々あったけど…
幼稚園に通ってた頃…
不思議な事があって誠が迷子になって見つからない事があったの…」
光「迷子のどこが不思議なの?」
乙女「話の腰を折らない!…で続けて~」
刹那「捜しても見つからなくて警察に連絡しようと…」

159:スクイズアフター
08/07/14 23:19:28 vVGMA4cw
S_Days-after 2話h
刹那「でも突然携帯に連絡があって…踊子さんからだったの…
誠が家に帰ってるって…すぐに戻って叱るより無事だった事を安心したら涙が出ちゃった…
で…落ち着いたら聞いたのどうやって帰ってきたのか?
だってまだ電車やバスの乗り方を知らない子供が
二駅もの道を家まで無事に戻れるか不思議だったから…
でも誠は秘密とか言えないの一点張り…それでも上手く誘導して大体はわかった
どうも知らないお姉さんに家まで送ってもらったようで…
後で知人がうちの誠と見知らぬ女性と歩いていたのを見た人がいるので
まず間違いない…それ以降絶対に誠や世界から目を離さないようにしていて
幼稚園を卒園の頃、伊藤のお母さんが転勤するからマンションを使って欲しい
って言われて卒園したらすぐ引っ越したの…なるべくそこからは離れたかったから…」
乙女「なんか怖いわね~」
光「それ以降は大丈夫だったの?」
刹那「うん…それに緒方さんの姉弟と仲良くなったからさっきのような心配事はなくなったけど…
でも思うのその女性って桂さんだったのかな?って…勿論確証はないけどね…」
乙女「桂…ね~そう言えば行方不明だったかな?」
光「あれ?でもあの事件って15年前…もう時効が成立したんじゃないの?」
刹那「だから怖いの…また桂さんがやってきて誠を
今度こそ連れて行ってしまうんじゃないかって…」
光「心配し過ぎじゃない?だって本当に桂さんかは判らないし…」
刹那「取り越し苦労なら別にいいけど…」
乙女「わかった~まあもう高校生だし大丈夫とは思うけど…気にかけておく…
あ~もう言いにくい!光の友達は私の友達という事で~
刹那さんこれからは乙女か乙さんか好きに呼んで!」
刹那「じゃあ刹那でいいよ~乙さん…」
乙女「OK…」
刹那「それじゃあ改めて呑み直そうか?~さっき貰ったお土産はお酒だから…」
光「さっき見た時、美味しそうに見えたから!楽しみ!」
刹那「光変わらないね~そういうところ…」
改めてお酒を注いで…
刹那「やっと15年にして同じ想いを共有できる友達との再会に乾杯…」
乙女「そうだね~伊藤誠に翻弄された女3人に幸あれ!で乾杯!」
光「乙さん…刹那…今日こうやって集まれた事…多分忘れないよ…
後…世界と伊藤に乾杯!」
それぞれ3人は思い思いの事を掲げながら酒宴は進む…

2話「伊藤へのそれぞれの想い」完

160:スクイズアフター
08/07/14 23:20:05 vVGMA4cw
スクイズアフター一応の最終回です~
え?最終回?
以前も書きましたが失敗作な為、これ以上は…理由は桂言葉です
この作品は15年と言う時間の流れで誠、世界の復活と
清浦誠と時効後の桂言葉との交流が中心になって物語が展開する予定でした

ですが…実はこの物語を思いついて暫くして時効が今は25年に延びているのを知って…
終わったと感じました…勿論それを無視も良いけどね~
まあそれとオリジナルキャラばかりになるのでスクイズであってスクイズではない事になりそうなので…

ただせっかく作ったキャラなので最後に番外編3話を載せて終わりにします…
ではまた~

161:名無しさん@ピンキー
08/07/15 22:06:14 OvIYYuoO
>>136
分岐スレのお話は「ありえた」話ではあっても
実際は「なかった」話なんですから
キャラが違うのは(ストーリー上)当然のような気がします
芋ルートと光エンドの誠では人格違う(とも思える)んですから
それだって当たり前といえば当たり前
ストーリーのなかでキャラだって成長するものでしょ?自分はそう思います
(っていうのが自分の場合の言い訳なんですが)
加筆修正のこだわりしっかり感じました。GJ
長らくの作品のうぷお疲れ様でした
また充電されて再度起こしになられるのを心待ちにしています

>>160
いろいろなキャラ配置がされていてこれからというところ
「致命的」の意味がわかって、それだけはスッキリしましたが・・
慌てて確認したら2005年1月から施行だったんですね
たしかに根本からかわる
どこか別想定で切り抜けられると良いのですけど

それとは別に3人の掛け合い面白かった
15年立つとあの悲惨な事件も皆それぞれ乗り越えてるものなんですね
いたるも含め明るさが見えてよかった、GJ


162:tyoujiya
08/07/16 08:47:30 2lV8+sLN
118からの続き、乙女視点ストーリーの続きを投下します

その前に
>>121 名無し様
>>123 mark様
感想ありがとうございます。
とにかくこの話では乙女の心情を丁寧に綴っていきたいと思っています。

では・・・



163:tyoujiya
08/07/16 08:48:22 2lV8+sLN

痴漢の件の後も、私と桂の関係は全く変わりなかった。
私は相変わらず桂のことが嫌いだったし、桂がクラス委員なのをいいことに
厄介ごとをみんな桂一人に押し付けていた。
クラスみんなに嫌われてる上、クラスの仕事をみんな押し付けられている桂は
時に辛そうな表情も見せたが、
私はそんな桂を見て、友達と一緒にいい気味だと笑い合っていた。

ただそんな日々の中で桂の方に少し変化が感じられるようになった。
なんと言うか、学校ではいつも暗い表情しか見せなかった桂が、
時々一人でニコニコと笑ってる様子を見せるようになった。
特に昼近くになるといつもどこかそわそわした様子を見せ、
そして昼休みになるといそいそとどこかへ消える。

「最近桂の様子変じゃない」
「男でも出来たのかな?」
「え~、桂に彼氏ぃ~?」
夏美たちは桂の変化についてそんな風に話している。
桂に彼氏か・・・。
私は中学の時からの思いを好きな相手にいまだ伝えられないというのに、
あんなヤツに彼氏が出来るなんて・・・
そう思うとどうにもむかついて仕方がなかった。



164:tyoujiya
08/07/16 08:49:22 2lV8+sLN

学園祭が近づいたある日、
伝統の休憩室をうちのクラス=1年4組に設置するからと、バスケ部の先輩たちに言われた。
うちのクラスの出し物がお化け屋敷と知って隠し部屋を作りやすいと判断されたようだ。
そして私は、設置スペースを空けておくように手配しておくよう頼まれた。

そこで次の日の昼休みに、委員である桂にそのことを話そうと話し掛けたが、
何か別の用事があるような様子で、こちらの話に身を入れて聞こうとする様子がない。
そんな桂に対して私がいらついていると・・

「男なんだ」
「彼氏待たせてるんだ」
と、近くにいたみなみと来実が桂に絡む。
桂は口ごもったまま、しかし否定しようともしない。
私もまたそんな桂を強く問い詰める。

「桂、そうなの? クラスの用事より彼氏の方が大事って?」
その言葉を弱々しく否定した桂は
ようやくこちらの話をちゃんと聞く気になったようだった。

休憩室設置の件についての私の話を聞いた桂は、
出し物の急なレイアウトの変更には無理があると言ったが、
私は学園の伝統なんだからと、強引に押し切り、
その上その全ての責任を桂一人に押し付けた。
こちらの要求を渋々承諾した桂は、弁当を手にしてそのまま力なく教室を出て行った。

でも・・・桂、ちょっと泣きそうだったな・・・。

もともと私は桂の事が嫌いだし、いつも桂に対しては辛くあたっていたが、
今日の私はいつも以上にきつくあたっていた。
彼氏がいることを結局否定しなかった桂にまたむかついたからだ。

でも私には本当はわかっていた。
本当に私がむかついているのは、そんな桂に比べて
ずっと好きな人に告白できないでいる私自身・・・
そのイライラを桂にぶつけて、・・・私って嫌な女だ。

それなのに・・・

「桂泣きそうだったね。いい気味~」
「ふふっ、まったくね」

来実の言葉に笑顔で応える私。
・・・少しだけ罪悪感・・・。
だからその自己嫌悪を振り払うためにも、私は決めた。

よし私だって、振られてもいいから今度こそこの思いを・・・
そう、今度の学園祭で・・・・!



165:tyoujiya
08/07/16 08:49:53 2lV8+sLN

ただ、その数日後、桂に対して抱いた僅かな罪悪感を覆す光景を私は見ることになった。

それは朝の登校時
桂が隣りのクラス=3組の伊藤に親しそうに話し掛けていたのだ。
3組の伊藤・・・、伊藤誠・・・
私の中学から好きだった・・・そして未だに告白できないでいる相手・・・
その伊藤と桂が何で?!

ただ、楽しそうな桂に比べ、一方の伊藤は笑顔でそれに応えながらも、今ひとつ楽しそうには見えない。
そして私はまた七海の言葉を思い出す。
桂は中学の時から誰彼構わず男に媚び売ってちやほやされていい気になってるヤツ・・・。

あいつ、まさか今度は遊び半分で伊藤にちょっかいかけてるんじゃ?

だとしたら・・・

許さない!



166:tyoujiya
08/07/16 08:53:17 2lV8+sLN
その日のホームルームの時間。
本来は当日まで間もない学園祭のことについて話し合わなければならないのだが、
クラスのみんながみんなそんなことはお構いなしにそれぞれ勝手な話をしている。
委員である桂は、困ったような様子で、しかし何も言えずに教卓の前でうつむいている。
ふふっ、いい気味。

かくいう私は、みなみ、夏美、久美といういつもの面子とと一緒に
この学園の女子に伝わる、学園祭における伝統の告白のやり方についての話題で
盛り上がっていた。
でもお互い相手がいないと自虐的に笑いあう私たちだが、そのとき来実が私につっこんできた。

「乙女ちゃんはいるって顔してる」

その言葉に、私はこの前決意した自分の思いを彼女らに明かす。

「いるっていうか、ダメ元で誘うのもありなんでしょそれって・・・」
「ありあり」
「だったら、玉砕覚悟で行ってみるのもいいかなーなんて・・・」

しかし私は今度は告白する相手の名前まで追及されることになってしまう。
いや流石にそこまでは詮索されたくない・・・。
だがみなみらの厳しい追及に
「同じ中学出身で・・・」
というヒントを出してしまったがために、
みなみたちの推理は私の好きな相手の名前を確実に暴き出そうとしていた。
嗚呼、危うし私!

だがその時、
「何見てんだよ」
夏美が桂に向かって言った。
桂がずっとこっちを見ていたらしい

その言葉に対し
「ホームルームだからちゃんと話し合わないと・・・」
と応える桂。
ふん何言ってんのこいつ、話してるのは私たちだけじゃないのに。
ホント、むかつくヤツ。
そしてそれをそのまま言葉にして睨んでやると、桂は悲しそうに私の顔を見ると
黙ってうつむいてしまう。
ふん困ったような顔しちゃって、そうしてれば同情してもらえると思ってんの?
ますます苛々してきた私は、もっと桂を困らせてやろうという衝動に駆られる。


167:tyoujiya
08/07/16 08:53:57 2lV8+sLN

「いいがかりつけられてやる気無くした。桂一人でやればいいんじゃない」
そんなことが出来るわけないと判っていながらそう言うと、桂は悲しそうに私を見つめる。
私はその悲しそうな瞳がどうにも気になってしまう。
いやいや、同情なんて禁物だ。そして私は今朝の伊藤の事を思い出し、更に桂に絡む。

「男に色目使ってばかりいるやつになんて従えないでしょ」
「色目なんて使ってません」
流石に桂も少しだけむっとしたようで私に言い返してくるが、
その反抗的な物言いに私はまたむかつき、今度ははっきり言ってやることにした。

「アンタ、誰にも見られてないとでも思ってんの?
 アンタが、3組の伊藤にちょっかいかけてんの見てんだから」
「あ・・・」
「ほらね。悪いけど伊藤に近づくのやめてくれない? 
 隣りのクラスの男子に色目使わないで真面目に準備やるって言うなら、私らも手伝うし」

そのとき来実が
「伊藤って原巳中出身だよね。・・・そうか、乙女ちゃんの好きな人って」
うわっ、ばれちゃったじゃないの!? まったく・・・、
それもこれも桂のせいだ! あーホントにむかつくわ、こいつ!

と・・桂もその来実の言葉に驚いたような顔をしている。
その時桂が口を開いた

「加藤さんって・・・」

え・・?
だが桂はそのままうつむいて黙りこくってしまった。
何よ?私がどうしたって言うの?

しかし、僅かな沈黙の後、
「あの、加藤さん・・、二人だけで話したいんですけど」
そう言った桂の顔は、どこか思いつめているようにも見え、一瞬私は答えに窮した。

だが・・
「何よ桂私たちとは話もしたくないって言うの?!」
「い、いえ、そういうわけじゃ・・ない・・ですけど・・」
「だったらここで言いなさいよ!」

そう来実たちが口々に桂を攻め立てると、私も
「何の話か知らないけど、こっちにはあんたと二人で話す事なんて無いんだよ!」
と桂の言葉を強く拒絶する。
しかし・・・

「あの、いいからお願いします!」
桂は驚くほど強い口調でそう言うや、私の腕を掴むと、そのまま引っ張っていく。
それは、華奢でいつも体育を休みがちなひ弱な桂の何処にこんな・・?
と思うほどに強い力で、
桂はそのまま私を引っ張って教室を出ると、階段の影まで連れてきた。
て言うかいいのかよ、桂。クラス委員のくせにホームルームをほっぽり出して・・・。
まああのまま桂がいても話し合いになんてならなかっただろうけど・・・。

ともあれ、桂の望むように二人きりになってしまったが、
まあこうなったら話だけでも聞いてやるか。


168:tyoujiya
08/07/16 08:55:20 2lV8+sLN

「まったく、なんのつもりよ。こんなところで・・・
 まあ私としてはあんたが伊藤にちょっかい出さないって約束するんなら
 学祭の出し物にも協力してやるけど・・・」
「加藤さんは、誠くんの事好きなんですか?」

な 何なのよ。学園祭の話じゃなくてそっちの話?
「そ、そういうこと言ってるんじゃないでしょ?」
私はつい剥きになってしまうが、またも思いつめたような沈黙の後に
桂が発した言葉は私にこの上ないショックを与えた。

「私誠くんとお付き合いしているんです」
「な・・・?!」
「誠くんからお付き合いを申し込まれたんで、
さっき加藤さんが言ったように色目を使ったとかそんなんじゃないんです」

その言葉に私は頭の中が真っ白になり

「そ、そんなの信じないよ・・・
 だいいち伊藤があんたなんかと付き合うわけ無いじゃないっ」

そう言うのが精一杯だった。
桂はそんな私をまた悲しそうな目で見つめると、言葉を続けた。

「加藤さん、私一学期から加藤さんにずっと辛くあたられて、
 正直言うと加藤さんの事、嫌な人だなって思ってました」
「え?」
「でも、あの時、加藤さんが痴漢から私を助けてけれた時・・・」
「そ、そのことは口にするなって言ったでしょ」
「は、はい。ごめんなさい。
 でも、私、それで加藤さんを嫌な人だって思ってた自分を恥じて・・
 本当は加藤さんは、困っている人を放っておけない、いい人なんだって・・・」
「やめなって言ってるでしょ!!」

私はつい声を荒げるが、桂はそんな私に気圧されながら更に言葉を続ける。

「ご、ごめんなさい・・・。
 でも私、だから・・・もし加藤さんが誠くんを好きなら、
 私が誠くんと付き合ってることで加藤さんを傷つけてしまうって・・・、
 そう考えると辛くて・・・

 でも、ダメなんです。
 もう私どうしようもないくらい誠くんのことを好きになっていて・・・
 だから・・・」

桂の声はいつの間にか震えていた。

「ごめんなさい!」

桂は搾り出すような声でそう私に謝ると、泣きそうな顔を背けて教室の方へ走り去った。
私は一人残され、呆然と立ち尽くす。


169:tyoujiya
08/07/16 08:55:58 2lV8+sLN

と、その時

「乙女、気にすること無いよ」
と、みなみ、夏美、来実が現れる。3人ともついてきて私と桂の話を聞いていたのだ。
「桂のヤツ、乙女ちゃんが伊藤の事好きだって知って意地悪言ってるんだよ」
「そうそう、あんなヤツ、ちょっと見てくれがいいだけでよほどふらふらした男じゃなきゃ、
 本気で好きになるわけ無いって」
「ほんと、桂って嫌な奴だねー」
口々に私を元気付けるようにそう言う3人。
でも・・・。

「で、でも桂、伊藤につき合い申し込まれたって言ってたし・・・」
「ばかねー、乙女。あんなやつのいうこといちいち信じてるの?」
「そ、そんなことないけど、でも私今朝、桂と伊藤が話してるとこも見てて・・・」
「それだ! 桂のヤツ今度は伊藤を、いつもの男遊びの相手に目をつけたんだよ。
 それで乙女ちゃんに釘を刺して・・、それもあんなしおらしい振りしちゃってさ。
 ホント、むかつく奴!」
「そ、そうかな・・・」
「乙女、しっかりしなよ! 
 学祭で告るんでしょ! 桂なんかのハッタリで二の足踏んだりなんかしたら
 私たちが容赦しないんだからね!」

 口々に私を励ましてくれるみなみたち3人。
 私はこの時、彼女らの友情を本当に嬉しく思った。
 
 でも桂の言う事は本当にでたらめだったのかな?
 もしみなみたちの言うとおり、私への嫌がらせであんなことを言ったんなら・・・、
 本当に伊藤に遊び半分で手を出そうとしてるなら・・・

 絶対に許さない!

 そう思いながらもさっきの声を震わせて私に謝る桂の泣きそうな顔が脳裏から離れなかった。




170:tyoujiya
08/07/16 08:56:25 2lV8+sLN

だが、それから数日を経たある日を境に桂の様子が変った。

時おり見せていた笑顔は全く見られなくなり、
以前にも増して暗い表情となって、瞳にも生気が無くなったかのようだ。
授業開始終了時の号令をかけるのも忘れることもあり、
昼近くになっても、以前はそわそわと嬉しそうにしていたのが、
ただ憂鬱そうな様子で、昼休みになるととぼとぼと力なく教室から出て行く。

「なんか最近桂の様子おかしくない?」
「例の彼氏に振られたとか?」

そうなのかな? 
その彼氏ってやっぱり伊藤だったのかな。
まあ伊藤にしろ他の誰かにしろ、もし桂が振られて、それで最近元気がないんだったら・・・、だとしたら・・・

-ざまあみろ





171:tyoujiya
08/07/16 08:57:32 2lV8+sLN
-以上です。
読んでいただければわかるように原作某シナリオとシンクロしてます。
長い割に地味な展開になってしまいました。
もちろんまだ続きます
次回の投下まではまた、かなり間が空くと思いますが、
今回よりはストーリーにうねりが出せればと思ってます。
どうぞ宜しくです


172:名無しさん@ピンキー
08/07/16 21:10:20 uWyS7rub
>171
乙彼。
続きの投下を楽しみにしてます。

>>170ラストの
>
>-ざまあみろ
がイイ。
いかにも「らしい」一言ではないかと。

173:SINGO
08/07/17 02:08:16 yD2RxQkU
どうも先輩がた。
ギャグ、シリアス、18禁エロ、シモネタと一通り書いてきたんで、
今回は未来編、卒業後の話に挑戦してみました。
ので、投稿します。

モチーフは、PS2版の澤永光夫婦と墓参りEnd。
あと、自作の二世とか登場します。


【破局に向かって】番外編

    出演
伊藤誠   西園寺世界
澤永泰介  黒田光
田中    清浦刹那
ほか

174:SINGO
08/07/17 02:10:02 yD2RxQkU
【破局に向かって】番外編

光「刹那?やっぱり刹那!久しぶり~」
刹那「え?もしかして光?」
光「刹那、全然変わってない(成長してない)わね~。一目で判ったわ」
田中「黒田さん、綺麗になったな。それに凄く大人っぽい」
泰介「よう。相変わらずデカイな。また背、伸びたのか?」
田中「どうも。はじめまして。田中といいます」
泰介「おい!」
誠「さすが泰介。友達から他人に格下げされてるよ」
世界「あはは。澤永、ただ者じゃないわね」
誠「ただ者以下だけどな」

榊野学園を卒業し、5年ぶりに(偶然にも)再会した黒田光は、澤永泰介と
一緒に歩いていた。腕に赤子を抱いている。
刹那「光に似て、可愛い」
田中「父親に似なくて良かったな」
泰介「おい!」
刹那「名前、何ていうの?」
泰介「航介ってんだ。いい名前だろ?航空とか航海のコウ」
田中「後悔先にたたずのコウか」
泰介「おい!」
光「光と書いて、光介って案もあったんだけど」
誠「……」
世界「どうしたの?誠」
誠「やっぱりというか、それしかないというか。泰介、黒田と結婚したのな」
世界「アノおまじない、光には効果あったのね」

一方、刹那と田中は、小学生くらいの子を連れていた。
泰介「それよか、田中の子、やけにデカくね?」
光「お名前、なんて~の?」
刹羅「たなか せつら。5さい、です」
田中「羅刹にしたかったんだが、ダメ出しされてな」
光「アンタ馬鹿ぁ?」
泰介「5年前ってーと…そうか、清浦。田中を逆レイプして出来た子か」
刹那「言わないで」
何か複雑な事情(と情事)があったらしい。
刹那「そのフレーズ、顔を会わすたびに言われそう」
田中「そうだな。刹那さん、いまだに『攻め』だし……あ」
田中が口を滑らせた。
刹那「わぁ馬鹿!!」
光「…マジ?」
泰介「お前、どんだけ奥手なんだ?もと柔道部エースのくせに」
世界「……」
誠「世界、どうした?」
世界「いまだに信じられないな、って。刹那が田中とくっついた事が」
誠「そんなに意外か?クラス委員で結構、仲が良かっただろ」
世界「誠、鈍感。刹那はね……やっぱ何でもない」
誠「…?何がだよ?」
世界「お似合いって事。田中、硬派で紳士だし。少なくとも誠より数百倍は」
誠「るっせ」


175:SINGO
08/07/17 02:10:50 yD2RxQkU
《ピュアバーガー》
刹那「そういえば、七海は今どうしてる?」
光「あ~。ソレなんだけどさ。七海、彼氏とモメたらしーよ」
刹那「えと…花山院先輩だっけ?」
光「うん。その先輩、家庭教師やってたでしょ。教え子と二股かけてたのよ。
で、孕ませたのが七海にバレちゃって」
刹那「うわ」
光「その教え子が、よりによって七海の妹の…」
刹那「…!卯月ちゃんて、確か…」
光「うん。先輩、7つも年下の子と付き合ってたのよ。卯月ちゃん、今は18
だけど、11の頃から肉体関係あったらしーわよ」
刹那「目を覆いたくなるような数字ね」
田中「凄い歳の差カップルだな。てか犯罪だ」
泰介(見た目だけなら、お前ら夫婦もスゲー犯罪なんだけど。身長差50cm
以上のカップルって、ヤベーよ)
刹羅「ねえママ、なんのおはなし?」
刹那「…えと、ゴメンね。ママにも判らない」(大嘘)
世界「まったく最低よね、男って生き物は」
誠「俺を見ながら言わないでくれ」

光「刹那。これから、どーすんの?」
刹那「えと、それは…」
なぜか口ごもる。様子が変だ。
すると、代わりに子供が答えた。無邪気に。
刹羅「おはかまいりです」
なら、なぜ口ごもる?もし親族の墓参りなら、口ごもる理由が無い。
光「…あ」
光は、その意味に気付いた。
泰介「ああ、そうか。あれから、ずいぶん経つよな…」
泰介も気付いたようだ。

7年前。
伊藤誠と桂言葉の交際は、意外な形で破局を迎えた。
西園寺世界は、キューピッド役の筈だった。だけど、誠への恋心を抑え切れず。
そんな世界を誠が受け入れて、そこから生まれた三角関係。
それから、どんどん収拾がつかなくなって。
そして迎えた最悪の結末。

泰介「嫌な事件だったな、アレは」
光「ホント。伊藤がしっかりしてれば、こんな事にならなかったのに」
泰介「まったくだぜ」
誠「…うう」
田中「よせ、二人共。子供の前で」
刹羅「ねえママ、なんのおはなし?」
刹那「……」
世界「ホント。アレは誠が悪い」
誠「反省してるよ。返すコトバも無い」


176:SINGO
08/07/17 02:11:27 yD2RxQkU
気まずい雰囲気。
どうにも居心地が悪い。それを打ち破ったのは、光の赤子の泣き声だった。
田中「刹那さん。そろそろ行こうか。彼女が待っている」
刹那「ん。光、澤永。一緒に来る?」
光「ごめん。行きたいのは山々なんだけど、多分、私にはその資格、無いと思う」
泰介「俺も。会わす顔がないな。あの時、俺達は何も出来なかったからな。
今、俺が行っても、親友の聖域を汚すよーなモンだ」
誠「泰介…まだ俺の事、親友だと思ってくれてるのか?ありがとう…」
世界「誠、泣いてるの?」
刹那「じゃ、私達、行くから。七海にもよろしく言っといて」
光「うん。バイバイ。また今度、ゆっくり話そ」

刹那達が去った後、澤永夫婦は赤子をあやしながら、
泰介「なあ光。あんな事言ったけど、本当は…」
光「いーのよ。二人の死を悲しむ資格があるのは、多分、刹那だけだから」


《模手原坂下 共同墓地》
刹那と田中(と刹羅)の前には、
【西園寺家 之 墓】
刹那「久しぶりね世界」
田中「俺の事、覚えてるか?」
刹那は世界の墓に花束を。そして、田中は線香を供えた。
合掌、暫くの黙祷。
ただ刹羅だけが、不思議そうに両親と墓を見比べていた。
やがて、
刹那「じゃ、行こ」
刹羅「うん」
田中「伊藤の墓は…確か東原巳だったか?」
墓地をあとにする三人。

世界「ねえ誠。私達、いつ許されるのかな?」
誠「さあな。許されちゃいけない気もするよ。俺は清浦との約束を破った」
二人が許されるには、刹那の願いを叶えるしかなかった。
世界は、刹那のぶんまで誠を愛する事。
誠は、刹那の代わりに世界を守る事。
すでに、その機会は永遠に失われている。
そう。誠は世界を棄てた。世界は自分を棄てた誠を刺殺し、自身も破局を迎えた。

誠「清浦を裏切った。俺達は償い続けるしかないんだよ。あの世で」
世界「うん。桂さん、あっちに逝るはずだから、今度こそ三人で仲良くしよ」
あの世で。
誠「ああ」
そして二人は、一陣の風にかき消された。

   Ghost End


   キャスト
伊藤誠   西園寺世界
澤永泰介  田中
澤永光   田中刹那
澤永航介  田中刹羅


177:SINGO
08/07/17 02:12:26 yD2RxQkU
終わりです。
コレはシリアスに分類されるのかな?番外編といいつつ、密接にリンクしてるし。
あと、どっかのネタであったようで、パクり臭い。

破局に向かってシリーズでは、桂言葉のポジション、最後まで空気でした。
田中のポジション、どうあっても刹那に逆レイプされるのね。
このカプコンビ、大好き。
泰介は…お馬鹿でナイスガイのポジションが良いな。
レイパー定着は、実は私は好きくない。他にも利用価値あるはず。
引き立て役とか、かませ犬とか、サンドバッグとか。
誠は…サイテー。うらやましいから死刑ね。

178:スクイズアフター
08/07/17 12:30:04 f+zFp4/v
>>161
まあ要望があれば書いてみたいですが…
もしかするとここよりブログで書く方が良いかもしれない
まだブログの引っ越しすらままならないからなあ~いつになるやら
感想ありがとうです

>>177
番外編…最終章と言うべきか?
でも最初混乱したけどなるほど幽霊な訳ね~
しかし言葉がいないのは彼女だけ生きてるとか?
それとも…誠は殺しはしてないから天国?
世界、言葉は地獄?
でも田中×刹那は惚れた方が弱い法則が良いかもね~

179:SINGO
08/07/17 18:08:00 yD2RxQkU
混乱誘発は仕様です。
誠と世界のセリフをカットして読み直すと、違和感が無くなります。

言葉の生死はともかく、本人はこの世に未練ないでしょ。すでに成仏?
ヤリチ○誠は地獄逝きで確定。
アニメ裏話だと、誠を刺殺するシーン、一回殺しただけじゃ気が済まない
って声優さんがリテイク要求して、計三回も刺殺やり直したらしいっす。

【一発ネタ】
世界、誠の腹に包丁を突き立てる。
世界「ひどいよ!私を棄てて、自分だけ桂さんと幸せになろうなんて!」
溢れる血。
誠の脳裏に、次々と流れる走馬灯。

その走馬灯すべてが泰介(しかもビキニパンツ一丁)。
誠「うおぉー!こんな走馬灯、嫌だー!やり直しを要求する!!」

終わらない

180:500 ◆kXZDMIdjKo
08/07/17 20:51:53 e3MtrOyM
予告どおり言葉(♂)×泰介(♀)もの完成したので投下します。
泰介の名前を転換後は泰子としています。
どうせなら誠も女の子の名前らしく真琴にすればよかったかな?

これから投下しますが、「散る泰子」2のほうはスカトロありなので
苦手な人はスルーして下さい。

181:500 ◆kXZDMIdjKo
08/07/17 20:53:32 e3MtrOyM
「散る泰子」1

「澤永さん。たっぷり可愛がってあげる。」
私は今桂さんに犯されようとしている
私の名は澤永泰子。元は澤永泰介という名前だったが、女になったことで若干変更した
私を犯そうとしている桂さんも女の子から男の子になった
私は1ヶ月ほど前桂さんを押し倒して犯した
桂さんは初めてだったみたいでかなり痛がっていた上に、本当は誠にされたかったみたいだ
お互いに性が転換したことで立場が逆転した
「僕が女だったときに押し倒して犯して傷物にしてくれたね。今度は僕があなたを
 犯して女にしてあげる。」
「や・・・やめて・・・。」
「すぐに気持ちよくなるよ。」

ズブッ

「ぎゃああ・・・」
「澤永さんのアソコきついね。でもまだ奥まで入っていないよ。」
言葉は強引に奥まで入れた
泰子の股から血が流れてきた
「澤永さんとひとつになったね。」
「ああ・・・痛い・・・。」
「じゃあ腰を動かすよ。」
言葉はピストン運動を開始した
「い・・・痛い・・・やめて。」
「口では嫌と言っていても体は喜んでいるんでしょ。」
言葉はさらに激しく腰を動かし始めると泰子の体にさらに激痛が走り
泰子は泣き出してしまった。だが、止める気配はない。そして
ドビュドビュ・・・


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