ポケモン その13at EROPARO
ポケモン その13 - 暇つぶし2ch426:名無しさん@ピンキー
08/09/15 17:53:26 TbF/X45P
逮捕者が出たからには流石に無理だろうな

427:名無しさん@ピンキー
08/09/16 23:30:53 yEq73SrX
>>426
クリムゾン先生自身はポケモン大好きだけどな

428:名無しさん@ピンキー
08/09/17 18:58:34 lTAtxcKP
フロンティアのお嬢様と執事さんは夜な夜ないろいろやってるにちがいない


429:名無しさん@ピンキー
08/09/18 00:22:47 EhbPKQEv
ポケモンの18禁の絵板って無くなったのか?
探しても出てこねー

430:さくやのこと/8 ◆DppZDahiPc
08/09/18 05:18:32 6fCLC059
プラチナプラチナブラチラプラチナ
プラチナプレイしてたら、主人公の行く先々に現れるストーカーの一人のシロナ
ダイヤモンドやった時には男主人公だったので、特に気にならんかったんですが
女主人公でやってたら、「あれ?この人(シロナ)女主人公に気があるんじゃね?」って思えてきた
たったそれだけの理由で書いてみた、反省してない

女主人公の名前が、そのまま俺のデータの女主人公の名前だったり
手持ちの種類と名前をそのまま使用したことについては、もっと反省してない


全8レスくらい、百合、ソフトな言葉攻め、お漏らし
ここらへんがダメってひとはスルーで夜路


ってことで投下!

431:さくやのこと/8 ◆DppZDahiPc
08/09/18 05:19:02 6fCLC059
 カンナギシティに立ち寄ったわたしは、偶然壁画を破壊しようとするギンガ団ボスアカ
ギと遭遇し、彼をポケモンバトルで打ち破ることに成功した。
 アカギが、大人の腕力で強行していたら、ただの子供でしかないわたしとシロナさんの
お婆ちゃんの2人ではどうしようもなかっただろう。
 だが、今のわたしには心強い仲間がいる。
 ナナカマド博士からもらった、頭の葉っぱがかわいいナエトルのアーサーも。今ではハ
ヤシガメに進化して、わたしを乗せて歩くことができるくらい大きく逞しくなったし。
 わたしが初めて自力でゲットしたコリンクのガウェインも、レントラーまで進化し、パ
ーティのエースだ。
 進化するまでは少し頼りなかった、ムクホークのランスも他の二匹だと倒し難い岩や鋼
を、インファイトで倒す活躍をみせるようになっていた。
 結構色々ポケモンを捕まえてきたはずなのに、なぜかわたしのパーティはこの三匹で固
定されている。
 愛着、っていえばいいんだろうか?
 この子たちといると、わたしはどんな敵にも負けないって気持ちになれる。
 だから、アカギにも打ち勝つことができた。
 そう思っている。
 この三匹といたら、わたしは無敵だ、って。
 だから、だから……だから、今わたしはとてもピンチだ。
 わたしを守ってくれるアーサーも、わたしの代わりに戦ってくれるガウェインも、わた
しを乗せて飛んでくれるランスもいない。
 頼りになる三匹から切り離され。
 その上、わたしは、いま、衣服すら脱ぎ去っていた。
 身を守るものがひとつとしてない状況、わたしはごくりと唾を呑んだ。
 なんだろう?
 なんでこんなことになってしまったんだろう?
 いや、別にわたしはギンガ団に捕まったとかそういうわけじゃない、わたしを今現在追
い込んでいるのは敵じゃなく、味方。
 それも困らせようとしてその人は誘ってくれたわけではなくて、あくまで善意。
 だから困る。っていうか、困ってる自分に困惑している。
 女同士で一緒にお風呂にはいるっていうだけの話。
 こんなテンパってる自分がおかしいのは分かってる。
 でも、でも、一緒にはいる相手が問題なのだ。
 その相手とは、
「んー? さくやちゃん。どうしたのー?」
 ガラっと横開きの扉を開け、その人はいつまで経ってもはいってこないわたしを不思議
そうに見つめてきた。
「服脱ぐのに手間取ってたわけじゃないのね」
「え、ええと……」
 わたしがどう答えようか迷っていると、シロナさんはわたしの手を掴み、おいでと招く
ように腕を引いた。
「あ……」
 突然のことにわたしはバランスを崩してしまった。
 だが、
「おっと、だいじょうぶ?」
 シロナさんは当然のようにわたしのことを抱きとめてくれた。
 そのことが嬉しくて、申し訳なくて、お礼を言おうとし。ふと、わたしは、自分の顔が
どこにあるか気付いてしまった。
 やわらかな白い肌のぬくもり。
 わたしよりは大きいけれど、一目で大きいって分かるほどではないが、程よい大きさと
形をしたシロナさんの胸に、わたしは顔を埋めていた。

432:さくやのこと2/8 ◆DppZDahiPc
08/09/18 05:20:02 6fCLC059
 わたしは身体を離そう、今すぐ飛びのこうとしたが。腰に回され、ぎゅっと抱きしめて
くるシロナさんの腕のせいで抜けられず。
「あ、ありがとうございます」
 というのが精一杯だった。
「ふふ、だいじょうぶ?」
「あ、はい」
 胸に顔があたっているせいで、シロナさんの鼓動が聞こえた。
 とくんとくんとリズム良く流れるシロナさんの音。それに反してわたしの心臓はバクバ
クと脈打ってしまってしょうがない。
「一人で立てる?」
「は、はいっ」
 わたしはシロナさんの腕から抜け出ると、タオルをもった腕で胸を抑え、軽く首を振った。
 なんとかして、どきどきを抑えようとしたのだが。
 シロナさんはわたしの下のほうを見て、僅かに目を細めると、小さく微笑んだ。
 シロナさんはなにを見て笑ったんだろうと、視線を追ってみて、直ぐに気がついた。身
体の下部、下腹部、わたしはもう14にもなるのに、産毛くらいしか生えていない。
 それを見て笑ったんだと気付くと顔が、いや体全体が熱くなるのが分かった。
 わたしは慌てて手で下腹部を隠すと、俯いた。
 真っ赤になってしまった顔をみられたくなかった。
 こんな恥ずかしい想いをするなら来なければよかった、わたしは泣きたくなりながらそ
んなことを思った。
 
 
 わたしがシロナさんのお婆ちゃんの家に、一緒に泊まることになったのは、シロナさん
の気まぐれにすぎない。
 ミオシティにある図書館へ行ったらいいと、シロナさんは最初そう言ったのだけれど。
もう直ぐ夜だということと。
「さくやちゃんて、もしかして旅の間は野宿なの?」
「え、そうですけど……?」
 寒い夜でもランスの羽の中で休めば、家のベッドより温かいし。寝ている間はアーサー
が見張ってくれている。
「女の子の一人旅で野宿って!?」
 シロナさんは驚いたように声をあげた。
「なにかあったらどうするのよ」
「ポケモンたちが、みんながいるから大丈夫です」
「……そうかもしれないけど」
 シロナさんはむうと唸ると。
「でも、野宿ってなあ……そうだ! なら今日くらい屋根の下で寝ましょ。私のお婆ちゃ
んの家が直ぐ近くにあるのよ。それがいいわ、決まりね」
 なんとも強引な誘い方だったけど。
 シロナさんと一緒の時間を過ごせる、そう思うと少し心が躍った。
 
 それから、わたしは手持ちのポケモンたちを、ポケモンセンターの一日リフレッシュコ
ースに預け。トリミングとか健康診断とかもお願いした。
 ずうっと、簡単な機械治療しかさせてやれなかったから、これはちょっと良かった。
 
 

433:さくやのこと3/8 ◆DppZDahiPc
08/09/18 05:20:36 6fCLC059
 だけど、いまわたしはアーサーでもガウェインでも、最近はいったブースターのトリス
タンでもいいから、誰かにそばにいてほしかった。
 シロナさんと2人きりの裸の付き合いが、これほど緊張するだなんて。
 途中にある湖や川とかで水浴びするくらいで、ちゃんとしたお風呂にはいるのが久々だ
ったせいか。ちょっとシャワーを浴びるだけで、土埃が落ちて茶色くなった水が流れ落ちた。
 自分でもこんな汚くなってるとは思わなかったが、暖かいお湯のシャワーは身体の汚れ
以上に、心の疲れを解きほぐしてくれるようだった。
 それに
「たとえ、火の中水の中草の中、もっりのなか~♪」
 と陽気に鼻歌を歌ってくれていたから、ちょっとだけ恥ずかしさは紛れた。
 にしても、スカートの中にポケモンはいないよなあって思いながら。
「それなんの歌ですか?」
 ってわたしが笑っていうと、シロナさんは少し悲しそうな顔で言った。
「そう、ジェネレーショギャップかしら」
「へ?」
「いいえ、気にしないで」
 と明らかに落ち込みながらいった。
 
 身体の汚れを落すと、シロナさんと肩を並べて湯船に浸かろうとしたら、反対側に座っ
てと笑顔で言われた。
「さくやちゃんかわいいから見てたいのよ♪」
 ニコニコ笑いながら言われると、反論もできない。
 わたしは顔を俯かせて、シロナさんを覗くようにみた。
 シロナさんはわたしをかわいいってよく言ってくれるけど、シロナさんのほうが素敵だ
と思う。
 涼やかな琥珀色の瞳、金色の長い髪、白く極め細やかな肌、均整の取れた体つき―ど
こをとっても非の打ち所がない。
 それにシロナさんはポケモンリーグチャンピオン。
 今、シンオウ地方でもっとも強いポケモントレーナー。
 わたしもシロナさんみたいになれたらいいなあって思う。
 だからこそ、こうして直ぐそばにいると緊張しちゃうし、頭がピヨピヨパンチ食らった
みたいになってしまう。
 シロナさんがくすって微笑んでくれるだけで心が躍るし、シロナさんがわたしの名前を
呼んでくれるだけで嬉しいのに、わたしはもっとシロナさんに近づきたいって思ってしま
った。
 こうして向かい合っているんじゃなく、隣に座りたい、肩を並べたい。だからお願いし
ようと思っていると。
「アイスとってくるけど、さくやちゃんも食べる?」
「えっ、は、あ、いえ、いいです」
「そっか。お風呂で食べるアイス美味しいのになぁ」
 言いながら浴室を出て行くシロナさん。くそ、こういうときにランスがいたら『きりば
らい』で邪魔な湯気を―ってわたしはなにを考えてるんだ。
 
 

434:さくやのこと4/8 ◆DppZDahiPc
08/09/18 05:21:53 6fCLC059
「アイス食べるならお風呂でてからのほうが……」
「んー、お風呂の中で食べても美味しいわよ」
 そういいながらバニラ味のソフトクリームを美味しそうに舐めるシロナさんは、まるで
子供のようで、なんだかかわいらしい。
「んんー、やっぱり食べたくなった、かな?」
「え」
 シロナさんは猫のように目を細めて笑うと。
「はい、どうぞ♪」
 ソフトクリームを差し出してきた。
「え、ええと」
「遠慮なく食べて、美味しいから」
 これを断ることは、二重の意味でできなかった。
 尊敬する、憧れているシロナさんから勧められたのに断れないし。それに、シロナさん
が舐めたソフトクリームを舐めることができる。なんだかそれがとっても魅力的なことに
思えてしまった。
 いや、実際魅力的だ。
 だって、シロナさんの舌が、唇が触れたものに、わたしも口をつけられる……つまり、
間接キス。シロナさんと、間接キスできるなんて。
 わたしはごくりと生唾を飲み込み、「はい」と差し出されたソフトクリームに顔を寄せ、
シロナさん自身にキスするような気持ちでソフトクリームに舌を触れさせた。
 火照った体にアイスの冷たさが心地よくて、わたしは求めるようにソフトクリームに舌
を這わせた。
 お風呂の熱気で零れ落ちる白濁した液体を、すくうように舌で舐めとる。
 シロナさんはわたしが舐めやすいように動かしてくれる、その目には優しい色が宿って
いた。
 ソフトクリームの冷たさは、わたしの身体をわずかに冷やしてくれたけれど。心臓はさ
きほどまで以上にばくばく、激しく脈打つ。
 わたしは思わずシロナさんに抱きついてしまいそうになる直前で、ソフトクリームを愛
撫するのを辞め。
 お礼を言おうとしたら。
「ついてる」
「……へ」
 シロナさんが一気に距離を詰めてきた。
 夢中になって食べているうちにわたしの頬についたクリームを、ぺろっと舐めとると、
舌を這わせ。頬や顎についたのを舐めていく。
 シロナさんの熱い舌の感触が這い、そうして、わたしの唇についていたクリームを舐め、
そのまま唇が重なっていた。
「んっ……んぅ……」
 シロナさんは口内のアイスも食べたいというように、わたしの口の中で舌を躍らせる。
 アイスクリームになってしまったわたしは、シロナさんに舐められ溶かされ、喘ぎ声を
あげ、浴槽の中へ沈んで消えてしまいそうになった。
 
 唇を離すと、少しだけ沈黙が訪れて。それがまるで、シロナさんが自らの行為へ後悔し
ているように感じてしまったわたしは、冗談めかして言った。
「さくや味のアイスは美味しかったですか?」
 ここで本能に従っていたら、わたしはわたしからシロナさんの唇を求めていただろうけ
れど。そんな勇気はわたしにはなかった。
 シロナさんはくすっと笑うと。
「ええ、とっても。さくやちゃんかわいいだけじゃなくて、おいしいとは思いもしなかっ
たわ」
「また、食べたかったらいつでも言ってくださいね」
「ええ」
 

435:さくやのこと5/8 ◆DppZDahiPc
08/09/18 05:23:29 6fCLC059
 シロナさんはアイスを食べ終えると、ふうと一息つき。
「でも、ほんと、さくやちゃんて身体傷だらけね」
「え?」
「ところどころに擦り傷かすり傷あるし、口の中に口内炎もあったわ」
 キスだけでそんなことまで分かったのかと、わたしは驚いてしまった。
「そうですか?」
 たしかに町で暮らしていたころと比べると、傷は増えたけど。言われるほどでもないよ
うな。
「ちょっと立ってみて」
「あ、はい」
 わたしは言われるままに立ち上がった。
 お湯は膝までしか隠してくれず、わたしの貧相な身体がシロナさんに丸見えだ。
 恥ずかしかったけれど、隠したら意識しているようで、そういうことを考えてしまって
いると認めてしまうようで、隠すことはしなかった。
 旅に出る前は少しふっくらしていた体つきは、旅中の少ない食事と野宿のせいで、いつ
のまにか痩せてしまっていた。
 前はお腹を掴むと、ぷにっとしたのに。いまはくびれが少しできている。
 胸の脂肪まで痩せなかったのは幸いだけど、シロナさんと比べると全然見劣りする。
「ほら」
 シロナさんはわたしの身体を指差していった。
「ここにも、ここにも。それにこことそこにも」
「え、え、どこですか?」
 小さな傷ばかりでよくわからない。
「ほら、ここよ」
 シロナさんはいうと、わたしの肌に指をあてた。
「ここと、ここにも、ね」
 とん、
 ちょっとだけ触れて、離れる。
 傷の位置を教えてくれているだけなのに、触れられると電流が身体をはしった。
「あら? 内股怪我するって、なにしたの?」
 とん、とシロナさんの指が太ももの内側に触れ、傷口をぎゅっと押してきた。
 そこを怪我したのはなんだっただろうか、たしか。
「自転車乗ってて、転んだ時に擦りむいて……っ」
 シロナさんの指が、ぐりぐりぐりぐり、傷口を押しながら上へ上へと登ってくる。
 女の子の大事な部分に近づけば近づくほど、身体が素直に悲鳴をあげる。
 どうしよう、このままシロナさんの指があそこに触れたら……。
「気をつけないと、さくやちゃん綺麗な身体してるんだから」
「そんなこと、ないです」
 期待に反してシロナさんの指は離れ、わたしは少し安堵し、がっかりもした。
「そうだ、マッサージしてあげる。座って座って」
 立てと言ったり、座れと言ったり、シロナさんは忙しい。それに素直に従ってしまうわ
たしは、まるでシロナさんのポケモンのようだ。
「ほら、足伸ばして」
「あ、はい」
 おそるおそる脚を伸ばすと、シロナさんはわたしの足を掴んで、マッサージしはじめた。
 シロナさんは流石に自分から言い出すだけあって、マッサージが上手で、凝り固まって
いた脚の筋肉はほぐされていくのがわかった。
 脚を両方ともし終えると、
「じゃあ、今度は上半身ね」
 と、わたしを手招きした。

436:さくやのこと7/8 ◆DppZDahiPc
08/09/18 05:24:15 6fCLC059
 ―どうしよう、顔真っ赤だ。
 わたしはシロナさんの上に座って、抱っこされるような形で腕や肩をマッサージしても
らった。
 マッサージしてもらっている最中、ずっとシロナさんのおっぱいが背中にあたっていた
し、なによりシロナさんが耳元で喋るせいで吐息がわたしの耳をくすぐってきた。
 だが、腕肩脚が終わり、これでこの時間も終わりだと思っていたら。
「じゃあ、こっちもやってあげる」
「へ?」
 いうや、シロナさんの手がわたしの下腹部に伸び、閉じられた内股の間にはいってきた。
 シロナさんの指先は、正確にわたしの割れ目にたどり着くと、ゆっくりと撫で始めた。
「旅の間、自慰する暇もなかったでしょう? だから、ね」
「え、シロナ……さん……?」
「それとも、野宿してる時にもしてたのかな? まさかコウキくんとかに手伝ってもらっ
てたりしたの?」
「そんなことないです」
 わたしはふるふると首を横に振った。
 こうしている間にも、シロナさんの指はわたしの弱い部分を暴きだそうとマッサージし
てくる。
「ふうん。じゃあ、してなかったの? ―それにしては、反応が素直。してなかったら、
こんなに反応よくないと思うんだけど?」
 シロナさんの指先に痺れるように、わたしの姫唇はひくひくと反応してしまう。
 身悶える体、逃げようとしてもシロナさんはわたしの身体を抱き抑え、話してくれない。
「教えて、どうやって、してたの?」
 シロナさんの吐息は、まるで魔法のようにわたしの耳から溶け込み、口が自然と開いて
いた。
「し、してました……」
「うん」
 ゆるくなってきた割れ目、でもシロナさんはまだ撫でるだけ。指入れて欲しい、シロナ
さんの指。だから、シロナさんの期待に応えるよう、わたしは旅の最中でのことを答えた。
「最初は、がまんできなくて、フレンドリィショップのトイレで」
「がまんできないって、さくやちゃんいがいとえっちなんだ」
「ち、違うんですっ」
 わたしは一生懸命首を横に振った。
「コウキくんと会ったとき、偶然ぶつかって、コウキくんの手がわたしの胸にあたって。
それで、そのあと見たら、コウキくんの……ズボンに、テントできてて」
「ふうん、なんで? なんで、コウキくんのズボンがテントになっちゃったの? ちゃん
と言って、ね?」
 なんでこんなこと言わせるんだろう。
 シロナさんの前でこんなこと言いたくない。
 でも、シロナさんが言えって言ってるんだ、だから。
「コウキくん、わたしのおっぱいさわって、それでおちんちんおおきくしちゃって。だか
らテントが」
「へー、コウキくんもかわいいなあ」
 クスクス笑いながら、シロナさんの手はわたしの身体を愛撫するだけ。
 早く、早く、もっと強い快感が欲しい。シロナさんにもっとしてほしい。
 なのに、シロナさんは撫でるだけ。
「それでコウキくんのおちんちん想像しながら、したんだ。ふうん」
「は、はい。……コウキくんが、……ナニーしてるの想像しながら、しました」
「そっかそっか、じゃあ、次は」
「次、ですか?」

437:さくやのこと7/8 ◆DppZDahiPc
08/09/18 05:25:18 6fCLC059
「うん。まさか、旅の最中一回だけじゃないよねえ? さくやちゃんえっちだもん」
 わたしは目尻に涙が浮かぶのを感じながら、答えた。
「トイレで、公園のトイレで、男の人用のほうでしました」
「トイレ好きなんだ」
「だって、外でする勇気とかそのころなくて、だから」
「その頃、ね。じゃあ、今、は?」
 言われてわたしはもうどうにでもなれと思っていった。
「この前シロナさんと会ったあと、茂みの中でしましたぁっ。シロナさんから預かったお
守り握って、ぎゅってしながら、シロナさんにしてもらうの想像しながら。だから」
 ぐすっと鼻をすすった。
「だから、シロナさんお願いです。撫でるだけじゃなくって、もっと……もっと」
「分かったわ」
 言うや、シロナさんの指がわたしの割れ目を押し破り、ぐいっと入ってきた。
「さくやちゃんのおマンコ、さくやちゃんらしくていいわね」
 シロナさんの指がわたしのなかにはいってくる。
 はじめて入ってきたはずなのに、シロナさんは当然のようにわたしのなかを突き進んで
いく。
「入り口はかためだけど、奥にいくとやわらかくて、入ってきたひとを歓迎するみたいに
よく動いてくれる。ふふ」
 シロナさんが言ってるのが一瞬なんのことか分からなかったが、理解すると、ほんと顔
から火が出るようだった。
「へ、変じゃないですか? わたしの……」
「全然っ!」
 シロナさんはくすっと笑うと。
「むしろ、これに入れる男がいたとしたら、多分さくやちゃんはもうそいつに離してもら
えなくなるわね」
「そんな……」
「さくやちゃん、男の子が好きな身体つきだもの。コウキくんとか、あのせっかちな子と
か、きっとさくやちゃんでオナニーしてるわね。絶対」
「え、ええ……」
「さくやちゃんのお口におちんちん突っ込んで舐めさせたり、おっぱい痛くなるくらい揉
んだり、さくやちゃんのおマンコが壊れちゃうくらいズタボロになるまでおちんちん入れ
る妄想してる」
「そんなぁ……」
「ふふっ。嫌そうにしながら、ほんと正直」
 シロナさんはわたしの口端からこぼれていた涎を舐めとり、唇を重ねた。
「んっ、んふぅ……おちんちん入れられるとこ想像したでしょ。おまんこきゅーってして
たわよ、指が飲み込まれるかと思ったわ」
「……んっ……っ……」
「ねえ? さくやちゃんはどっちの男の子のおちんちんが欲しいの? それとも両方?」
 わたしはその問いに素直に答えた。
「わたしは、わたしは……」
「んー? どっち?」
「シロナさんに、シロナさんに気持ちよくして欲しいんですっ! シロナさんにわたしの
恥ずかしいところ、ぜんぶぜんぶみてもらいたいんです」
「……そう」
 すると、シロナさんの手が離れてしまった。
「じゃあ、最後は自分でしなさい。見ててあげるから」
「え……あ……はぃ……」

438:さくやのこと8/8 ◆DppZDahiPc
08/09/18 05:27:37 6fCLC059
 わたしは浴槽から出ると、マットの上に仰向けで犬のようにお腹をだして寝転がり、股
をシロナさんによく見えるようにして、自分で自分を慰めた。
 シロナさんは唇に指をあて、薄く微笑んでいる。
 わたしはシロナさんに恥ずかしいところを、シロナさん以外には見せたくない、見せな
い恥ずかしいところをみせようと必死になって。身体をよじらせ、喘ぎ声をもらし、ただ
シロナさんのことだけを考え続けた。
 そして―
「あっ、ああっ、あ、く、もう、も、だめえぇぇぇぇっ!!?」
 今まで我慢していたものが決壊するように、膣が激しく痙攣し、それにあわせて体が脈
打った。
 大きな波はなかなかひいてくれず、しかし、ゆっくりと収まった。そう思い、気が弛ん
だ瞬間、ぴゅーっという音を立てそうな勢いで尿道から黄金色の液体が噴出してしまった。
 おしっこをするところまでシロナさんに見られるのはいやで、わたしは隠そうとしたが、
手で押さえてもおしっこは止まらず。尿道口が少し痛みを覚えるまでおしっこは出続けた。
「かわいかったわ、さくやちゃん」
 シロナさんのその言葉は、まるで天使の祝詞のようだった。
 
 
***
 
 
「それじゃあ、気をつけてね」
「はい」
 翌朝、わたしもシロナさんも何事もなかったかのように旅立った。
 それぞれがそれぞれの道へと。
 ―再びいつか、路が重なることを信じて。





439: ◆DppZDahiPc
08/09/18 05:32:24 6fCLC059
以上。
さくや=橘朔也っていう特撮系のキャラからとった。

次会うのはwifi板の対戦スレかここかはわからないですが、
そんときには暖かく迎えてくれると嬉しいです

440:名無しさん@ピンキー
08/09/18 06:13:49 44DA+JyM
>>429
どっかの馬鹿が通報したと聞いたことがある

441:名無しさん@ピンキー
08/09/18 08:23:25 qrAgCVWI
シロナと女主人公の百合きたああああっ
やっぱストーカーに見えるよな、あれw

442:名無しさん@ピンキー
08/09/18 09:08:45 BUcMy16J
>さくや=橘朔也
だから体がボロボロなんですね、わかります

443: ◆VIPPER...E
08/09/20 00:52:46 TkFtZ4by
うんこ

444:名無しさん@ピンキー
08/09/20 01:35:34 gbPU3xqU
>>441
シロナさんのストーキングは嬉しいのに
DAIGOさんのストーキングはキモ面白い不思議

445:DAIGO
08/09/20 01:59:28 8TjXujJM
結局いちばん強ウィッシュで凄ウィッシュなボクがぁ~
ユウキくん(ハルカちゃん)を陰から見守っちゃう~みたいなぁ?


446:名無しさん@ピンキー
08/09/20 11:04:21 GuM4MUat
絶対誰かやると思った

447:名無しさん@ピンキー
08/09/20 18:29:24 YKDnnkE4
まさかアカギがまだ27だったとは・・・苦労しすぎだろ
シロナやクロツグの更に一世代先輩ぐらいに思ってたのに

448:名無しさん@ピンキー
08/09/21 00:12:37 hiJCE/w8
シロナは20代前半、クロツグは30後半ぐらいに考えてたから、アカギもクロツグと同年代ぐらいだと…

だがそれにしても追加イベントでのシロナは乙女過ぎて(良い意味で)困るv
これはもうヒロイン級だわw

449:名無しさん@ピンキー
08/09/21 09:48:21 /ZpxswbK
つうかシロナさんは本人の言う通り神話のことになると語りすぎだと思うんだ
長さだけならアカギの電波話にも匹敵するw

450:名無しさん@ピンキー
08/09/21 13:59:16 MlA3vzRA
シロナさんじゅうななさい

451:名無しさん@ピンキー
08/09/21 16:22:11 f1wM74wU
>>450
手がすべりますよ?

452:名無しさん@ピンキー
08/09/21 20:05:03 Pp8DMRnm
シロナ様のおっぱい揉みたい

453:名無しさん@ピンキー
08/09/21 23:01:59 MlA3vzRA
>>451
シロナさんじゅうななさい べつに悪くないだろう



シロナさん じゅうななさい
シロナ さんじゅうななさい



っていうかじゅうななさい見てると
シロナさんじじゅうなさい にみえる

454:名無しさん@ピンキー
08/09/21 23:29:42 f1wM74wU
>>453
えっと…元ネタわかってる??


455:名無しさん@ピンキー
08/09/21 23:56:23 MlA3vzRA
>>454
ツンデレお嬢様と天然ジゴロ執事だと
おもってたけど違うのか?

456:名無しさん@ピンキー
08/09/22 00:07:56 Db3XGp5C
>>455
あ、スマン。わかってるならいいやwww

スレチスマン


457:名無しさん@ピンキー
08/09/22 00:50:31 9VVMLyob
ネタをネタと(ry

458:名無しさん@ピンキー
08/09/22 10:55:55 jdZ07RPv
誰でもいいのでコウキ×ヒカリ お願いします
できれば上の139までのやつ

459:名無しさん@ピンキー
08/09/22 10:59:15 jdZ07RPv
誰でもいいのでコウキ×ヒカリ お願いします
できれば上の139までのやつ

460:名無しさん@ピンキー
08/09/22 12:45:56 vE0vRFGs
サトシハレームの人マダァ-? (・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン

461:名無しさん@ピンキー
08/09/22 22:13:14 t/d8m1b7
乞食がいっぱい

462:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
08/09/23 00:34:50 rPN3B/ql
ご無沙汰。です。
セルゲイさんもかるびさんも他の人もいろいろ書かれてますが、
諸事情により約2か月これませんでした。

>>458
一応それを書いたのは俺なんだが。
エロパロとかけ離れてるということで現在封印中。
今後当分はプラチナの続きを書く予定ですが。


463:名無しさん@ピンキー
08/09/23 09:17:00 MXZqiyQp
シロナって同性からのレズ責め陵辱には弱そうな気がする。
女同士だと隠したくても敏感な部分はだいたい共通してるから隠しきれないし

464:名無しさん@ピンキー
08/09/23 15:35:39 8R3qUGe+
>>462 暴走ボートさん
なんとかしてエロつけて何ヶ月掛かってもいいので
かいてください

465:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
08/09/23 19:48:17 A2u8lbxT
>>464
まあ、要望がある場合に限り書く、とは約束したし、
この2ヶ月で同様の要請が何回もあった以上、
やれるだけのことはやるべきですね。

とりあえず書きためてあるやつが残ってればそれを載せます。

466:>>466コウキ×ヒカリ 第6弾・2/5
08/09/23 21:56:09 A2u8lbxT
※要請があったのでレス139の続きを書きます。
ただ、このシリーズは「エロがあまりにも少ない」などといった苦言があったので
打ち切ったシリーズです。
要請によって再び書くことになった以上、その部分は目をつぶってください。
こちらもなるだけ気を使いたいのですが、
エロがないまま書き続けていたので、もう直すことができません。
今回は「エロが少ない」というのは大目に見て下さい。


数ヵ月ぶりの更新と言う事で、少しおさらいをする必要があるだろう。
シンオウ最強クラスのトレーナーカップル、コウキとヒカリ。
ナナカマド博士の要請でホウエンの方へ行くことになった。

そこで出会ったのはホウエンまで船に乗せてくれたシンオウチャンピオン、ユウキ。
トウカシティで出会った赤いバンダナにツインテールが可愛らしい新米トレーナー、ハルカ。
ユウキの危険地帯探検を手伝うために呼び出された2人だったが、
ハルカが1人での旅が不安と言う事で急遽コウキがハルカと一緒に途中まで旅をする事に。
そしてユウキの手伝いをするために、ヒカリがユウキと行動を共にする事に。


こうしてそれぞれの旅が始まった。
彼氏であるコウキが、彼女であるヒカリが別々になって異性と行動するという事に不安を感じながら。

467:>>466コウキ×ヒカリ 第6弾・2/5
08/09/23 21:57:56 A2u8lbxT
ここからしばらくはコウキ、ハルカペアの方を見ていくことにしよう。
「ねえ、ハルカちゃん。」
「…コウキィ。」
(いきなり呼び捨て!?)
「一緒に旅することになったんだから、堅苦しいのなしにして欲しいかも。」
「え?…ああ、それもそうか。じゃあ、ハルカ。」
「なに?」
コウキより一回り小さいだけなのに、すごく小さく可愛らしく見える。

「君は、なにになりたいの?」
「え?うーんと…」
困った顔をする。迷っている顔ではなく、困った顔をしている。
「聞いちゃまずかった?」
「そうじゃないかも。わたし、ポケモンは好きなんだけど、強くなろうとは思わない。
 ポケモンと一緒に、楽しく旅をしたいだけかも。
 バトルに命をかけてるポケモンチャンピオンにこんな甘い事言っちゃいけないけど…」
「いや、無理して夢を見る必要はない。
 夢は見つけることだからね、それまではのんびり旅を続ければいいと思う。
 僕も、…ポケモンチャンピオンを夢見たわけじゃなかったけど、
 ただただヒカ…他の夢を追ってたら、いつのまにかなったって感じで…」
「え?
 ポケモンチャンピオンの夢を見てないのに、なれたの?」

実は、ヒカリに振り向いてもらうためにただただがむしゃらに戦い続けたのだが、
そんな事言えるわけがない。他の夢って?と聞かれた時どうごまかそうか考えていたが、
「すごい、目指そうと思ったって、慣れない人ばっかりなのに、すごいよ!」
「へ?あ、ありがとう。」
予想外の答えに驚く。
しばらく歩くと、だんだん暗くなってきてきた。

「えっと、コウキ?」
「ん?どうかした?何でも言ってくれ。」
「…お腹すいたー。」
ハルカはおいしいものを食べるためにヒカリでなくコウキを選んだ。
ある意味、旅の一番の目的かもしれない。
「そだね、今日はここまでにしよう。ちょうど湖畔だしね。」
野宿するときは、湖のそばに止まる。これはトレーナーの基本。
飲み水や、水浴びなどに利用できるからだ。
シンオウ同様、ホウエンの湖の水も、ポケモンたちのおかげで信じられないくらいきれいな水である。

468:>>466コウキ×ヒカリ 第6弾・2/5
08/09/23 22:00:37 A2u8lbxT
「ふう、お水がおいしい。」
「そろそろできるよ。こっちにおいで。」
「…わあ、おいしそう!」
ぐつぐつと煮込まれているのは、カレー。どうやらご飯も炊きあがったようで。
盛り付けて合掌して、一口。
「おいしいかも、すごいかも!」
「ハルカちゃんも、すぐにできるようになるさ。(というより、出来ないとまずいんだけど)」
「明日の朝は、わたしも作る!」

もちろんテントも張る。
…のだが、ハルカは自分のテントを持っていなかった。
「えっと、テントは必須なものだと思うんだけど…」
「だって、なに持っていけばいいかよくわからなかったかも。
 パパが、可能な限り荷物は少なくって言ってたから。」
「確かに、ポーチしか無いね。何が入ってるか、見ていい?」
中には、今着ている服装と同じものがもう1着。よほどこのスタイルが好きらしい。
袋に包んである下着に、水着、洗面道具、財布。…以上。
常に数日分の装備をしているコウキと、比較にならないほど違う。不要なほどの重装備よりはマシだが。

「ちょっと待て、いくらなんでも少な過ぎないか!?」
「ポケモンセンターに行けば、必要な物はすべてそろってると思ったから…」
「どこにでもあるわけじゃなーい!」
これは当分は付き添わなければいけないと感じた。
ポーチ以外にリュックを手に入れ、重くなり過ぎないように必要最低限のものを買いそろえる。
…それらを使いならせるために、当分は一緒に旅をする事になりそうだ。

湖で水浴びを終えてさっぱりした後、
1つしかテントはない上、まだ旅慣れてないハルカには体力がないので、
コウキがテントの外に寝る、と言い出したのだが、
「わ、わたしが悪いんだから、私が外で寝るかも!」
「無理だ、旅慣れてないその体に、テントの外は体に悪すぎる。」
「でも、…それじゃ、一緒に中に入ろうよ!」
「はああ!?」
ヒカリと一緒に行動するようになって以来、確かにヒカリと一緒にテントで寝るようにはなった。
だが、ヒカリと違い、ハルカは彼女と言うわけではない。
むしろヒカリと言う彼女がいる以上は、ハルカと寝るのはもってのほか。

…だが、ハルカは今日10歳になったばかり。
異性と一緒の空間で寝る、という事がどう言う事か、わかっていないようだ。
このまま反対し続けたら、絶対にハルカは外で寝そうなので、
「(流石にそれはまずいよな…)それじゃ、狭くなるけど、それでいい?
「わーい、一緒にお泊まりだー!
 パパとママと弟以外の人と寝るの、初めてかもー!」
「…ユウキさんとすら一緒に寝たことはないの?」
幼少期ならお隣の家に泊まりに行く、というのも考えられるが、
そのユウキとすら一緒に寝たことはないようである。
…初めてのお泊まりの相手が自分。

お互いドキドキしていたが、コウキはどぎまぎ、ハルカはわくわくと、その内容は全く異なっている。

469:>>466コウキ×ヒカリ 第6弾・2/5
08/09/23 22:07:21 A2u8lbxT
ハルカの方は、すごくわくわくしている。
「テントって、いいなあ!
 暗くって、仲のいい人が隣にいて、ポケモンたちの鳴き声が聞こえて!」
初めてのキャンプに心が躍っている。
そんなあどけなさを見ていると、異性と言う感覚もなくなってくる。
「な、いいもんだろ?
 僕もずいぶんと旅してきて何百回もテントで寝たけど、やっぱりにぎやかな都会とはまた違って、
 昼には聞こえなかったポケモンの鳴き声が響いてくるんだ。」
「へえ、そうなの?」
「まあ、さすがに何百回もこうやってテントで泊ってるから、
 最近はさすがに少し飽きると感じることもあるけどね。」
何も心配することはなかった。
ハルカは、異性と言う事を全く気にしない、ピュアな10歳の少女だった。
この子なら、一緒に寝ても、何も起きることはない、そう思って安心し、眠りについた。


…のだが。
(ピピピピピピ…)
目覚まし時計が鳴り、コウキが目を覚ます。
最近のコウキは疲労がたまっているおかげでなかなか目を覚まさなかったが、
ハルカが新人トレーナーと言う事でスローペースで旅しているおかげで疲労はあまりなかった。
「うーん…今日は起きれたな。
 最近はヒカリに起こされてばかりだったからなあ。…あれ?」
目の前に気配がする。
すぐそばで寝息が聞こえる。まさか、と思ったが、そのまさか以外、ありえなかった。

(すう…すう…)
「やっぱり。」
暑い時期なので、寝袋には入らず、敷布団代わりにしている。
ハルカの顔がコウキの顔に至近距離で迫っていた。
「もう少し寝かせてあげようか。」
以前のコウキならあわてていただろうが、ヒカリのおかげである程度の耐性が付いたのだろう。
なにより、ハルカを異性としてではなく、ピュアで可愛い後輩トレーナーとして捉えているからかもしれない。

パンと手作りのスープで朝食を済ませ、さっそく出発。
程なくして、トウカの森に差し掛かった。
「今日中に抜けられるかな?」
「ホウエンの事は僕もよくわからないから。
 ホウエン地方の旅、としてなら、僕もハルカもお互い新人トレーナーだ。」
装備はトウカの森の手前にある町でしっかりと補充しておいた。
トウカの森がどこまで続くのか、いつカナズミにつくかは分からないが、問題はないだろう。

「わたし、決めていることがあるの。」
「え?なになに、聞かせてよ。」
「ポケモンが、欲しいかも!このトウカの森で、新しい仲間を捕まえるんだ!」
「お、そうか。応援させてもらうよ。」
「うん!」
ハルカの初ゲットを楽しみにしつつ、森の中を歩く。
しかしなかなかポケモンを見つけられず、そろそろお昼時。

470:>>466コウキ×ヒカリ 第6弾・2/5
08/09/23 22:09:24 A2u8lbxT
「そろそろご飯にする?」
「ま、まだポケモン捕まえてないかもー!」
食いしん坊のハルカだが、意地もある。
コウキにゲットすると言った手前、引き下がれない。
「でも、まだまだ森からは抜けそうにないから、この後に期待していいんじゃない?」
「むー…じゃあコウキ、ここでご飯を作ってて、その間に捕まえてくるかも!」
ちょうどある程度のスペースがある場所を見つけた。
「そうだね、それじゃここでお昼にするから、ポケモンを見つけておいで。」
「うん!」
ハルカが走っていった。
コウキは腰をおろして、料理の準備に取り掛かる。

…。

「戻ってこないな、大丈夫かな?」
昼食のおにぎりを作り終わり、片付けもすべて終えた。
コウキの手際がいいおかげで調理時間が短い事を考慮してもちょっと遅い。
「…ん?なにか音が…」
何か騒がしい音が聞こえてくる。
羽ばたく音と、ポケモンの鳴き声が混じったような音。
(た、助けてほしいかも~!)
「ハ、ハルカ!?」
幸いおにぎりはタッパーに入れておいたので、すぐにリュックにつめて声のした方へ走り出す。
「ハルカー、どこだー!」
(コ、コウキ!助けてー!)
草むらをかき分け、森の木々をよけながら突き進む。
そして、結構なスペースのある広場に出た。
「コ、コウキ!」
そのスペースの向こう側に生い茂る木々から、ハルカが姿を現した。泣きそうな顔でこっちへと走ってくる。
よくみると、ハルカがアチャモを手で抱えている。
「助けて、お願い!」
「いったい、どうし…た!?」

先ほどハルカが飛び出してきた木々から、今度はドクケイルの大群が姿を現す。
怒った様子でハルカを追っている。
ハルカがコウキに抱きつき、すぐさまコウキの背中に回る。
「一体、何をしたんだ?」
「ケムッソのたくさんいたところを見つけてね、
 ゲットしようとしてそこに飛び込んだんだけど、そしたらいきなりドクケイルが…」
「当たり前だー!
 ポケモンの巣にいきなり飛び込んでくるやつがいるかー!」
「ご、ごめんなさい!
 ドクケイルが1匹出てきて、アチャモで戦ったんだけど、私アチャモの使う技知らなくて…」
「はいー!?」
おそらく慣れていないゆえ、バトルをまともにできないのだろう。
バトルをするにはどうすればいいのかすらまだ知らないのかもしれない。
「一撃でやられちゃって、
 さらにそのあと他のドクケイルまでたくさん出てきて…」
もうドクケイルがすくそこまで来ている。2人に照準を合わせ、突進してきた。

「コウキ、何とかしてー!」
「バクフーン、火炎放射!」
すぐさまボールからバクフーンを出し、バクフーンが炎を吐く。
ドクケイル達に直撃し、退散していった。
「ふう…ありがとう、バクフーン。」
バクフーンをねぎらい、ボールに戻す。
そしてもう一度ハルカの方を見ると、やっぱり泣いていた。

471:>>466コウキ×ヒカリ 第6弾・2/5
08/09/23 22:10:00 A2u8lbxT
「どうした?とりあえずもう大丈夫だよ。」
「…ごめんなさい。」
「え?」
「1人で、勝手に、無茶なことしてコウキに迷惑をかけて…
 ちゃんとコウキについていってもらわなきゃいけなかったのに…」
反省の弁。
だがもちろん、コウキはそんな事を気にしたりはしない。

「何を言っているんだ。いずれは、ハルカ1人で旅をする事になる。
 そんなときでも、僕の力を借りるつもりかい?」
「え?あ…」
「ポケモンの旅ってのは、強い好奇心が無いと。ハルカがさっきケムッソに対して見せたような、ね。
 もしそれで危ない事にあっても、ポケモンと一緒に乗り越えていけばいい。」
「でも、わたし、アチャモとまだ全然息が合ってない…」
目を回しているアチャモを見て、そう言う。

「大丈夫、それまでは、僕がハルカを守ってあげるよ。さっきみたいに、ね。
 ハルカの好奇心がさっきのような事を起こしたとしても、僕は気にしない。」
「コウキ…」
涙を流しながら、コウキに抱きついた。
普通なら悩殺されそうだが、コウキは恋心は感じず、自分の妹の様に思い、ハルカの頭をなでる。

ただ、ハルカは、コウキに対して恋心を抱きはじめていた。
コウキはハルカがそんな事は思わないとずっと思っており、それに気付いていなかった。

「えっと、アチャモが使える技は、つつく、ひのこ、そして、えっと…」
「きあいだめ。まあ、今はその2つが使えればいいと思うよ。」
「どんな風に使い分けるの?」
ポケモン図鑑でアチャモの事を調べながら、歩き続ける。
わからないことがあれば、その都度コウキに聞く。

「そうだね、相手が鋼タイプや氷タイプなら、ひのこ。格闘タイプならつつくだね。
 草タイプや虫タイプは、どっちの技も効果抜群だよ。」
「えっと、それ以外の相手は?」
「ひのこは炎タイプの技だから、水タイプ、炎タイプのポケモンには使わない方がいいね。
 つつくは…」
こうして今日も日が暮れていった。

472:>>466コウキ×ヒカリ 第6弾・2/5
08/09/23 22:12:07 A2u8lbxT
「あれ、なあにそれ?」
「バトル・アーマーさ。
 さっきのドクケイルに襲われるような事がいつあるか分からないからね。
 僕の手持ちにはバクフーンしかいないし、ある程度戦える力を身につけておかないと…」
バトルアーマーの説明をハルカにする。
ハルカも欲しがるが、1つしかないのでさすがにそれはできなかった。

…ハルカに、戦いというものを教えたくなかった、というのが本音だが。
ポケモンを傷つけ、それによって心が傷つくのは、自分だけで充分だった。
「うーん、しょうがないかも。」
「ああ、ごめんな。」
バトルアーマーを使うときは、たいていコウキは覚醒状態に入る。
その時のコウキは残忍な性格になるので、ポケモンをやっつけるのに何の躊躇もないが、
あいてがギンガ団やJのポケモンでない限り、(その時も覚醒する場合がほとんどだが)
心の優しいコウキにとって、ポケモンに対し技を使う事は出来なかった。

よって大抵の場合は、バトルアーマーを防御に使う。
(僕は、自分が戦える力があるのに、傷つきたくないから、バクフーンにバトルさせているのかな?
 …だとしたら僕は、バクフーンや他のポケモン達に嫌な事を押しつけて、
 自分は傷つかないように陰で隠れて逃げている虫のいい卑怯者なのかな…)
「…?」
(さっきハルカを守るって言ったけど、かっこいい事言っといて、
 実際に守るのはバクフーンなんだよな…
 他力本願で何バクフーンを裏切るような事を言っているんだ僕は…)
「コウキ?」
「ああ、ごめん、なんでもないよ。」

(グ~…)
「ん?」
「あ、えへへ、おなかペコペコで…」
「そういえば、さっきのドクケイルの事で慌ててて、お昼がまだだったな。
 ほら、さっきハルカが出かけてる間に作ったおにぎりだ、食べよ?」
「うん!」
近くに会った平坦なスペースに敷物を敷き、ランチの時間。
おにぎりは10数個あったが、年下のハルカが8割方食べてしまった。
(はは…こりゃ作りがいがあるな…)
「ごちそーさまー!」

(た、助けてくれー!)
「ん?こんどはなんだ?」
「あっちから聞こえてきたかも!」
また助けを求める声。
放っておくわけにもいかないので、そこへ向かって走り出す。
「…あそこだ!」
細い道に、スーツ姿の男と、海賊のような格好をした連中が数人。
もしかしたら、読者にはだれだかわかっているかもしれない。

473:>>466コウキ×ヒカリ 第6弾・2/5
08/09/23 22:14:00 A2u8lbxT
「その荷物を渡してもらいましょうか、フフ。」
「海底洞窟に行くには、それが必要なのです。
 すでに位置も確認し、必要な紅色の球も手に入れました。」
「潜水艦を作るための必要になるであろう部品は揃え、設備も整っています。あとは設計図だけ…」
「ひいいっ、こ、これは、大事なもの…」
そこにコウキとハルカがたどり着く。
コウキはギンガ団と戦ってきた経験からか、何となく状況はつかめた。
すぐさまスーツ姿の男の前にかばうように立つ。ハルカがそれについていく。

「おや、なんだ貴様は?」
「こっちのセリフだ。君たち悪人の悪さを放っておくわけにはいかなくってね。」
「コ、コウキ。何でそう決めつけられるの?」
「人相で大体分かる。
 シンオウで、何度もこういう経験をしているからね。」
「…わかったかも!」
ハルカも海賊軍団と対峙しようとしてコウキの横に立つ。だが、
「ハルカはまだ危ない。ここは任せてくれ。
 僕にはハルカと…を守る義務があるんだ。」
一瞬何かを言いかけて止めた。
何かとはヒカリの事であるが、今いない人間の事を言ってもしょうがない。

「ほう、3人がかりでも勝てる自信があるのか?」
「に、逃げようコウキ!
 いくらコウキが強くても、コウキには今ポケモンは1体しか…」
(ハルカ…敵にこちらの情報を渡すなよ…)
言おうとも思ったが、それを口にして弱気な姿勢を出すと精神的にまで優位に立たれてしまう。
やれやれと思いつつ、ポーカーフェイス。いざとなったら僕も戦うか。

「1体だけだと?笑わせやがって…」
「出て来い、おまえら!」
出てきたポケモンはドククラゲ、ペリッパー、ギャラドス。
よりによって、コウキ唯一のポケモンであるバクフーンと相性は最悪だ。
おまけにコウキは、電気や草タイプの技マシンを持っていない、バトルアーマーでも致命傷を与えられない。

「…。」
「コウキ、今からでも遅くないよ、逃げよ?」
悪事を目の当たりにしたギンガ団と違い、
まだコウキの目の前では悪事を働いていない海賊軍団相手では、
いかにそいつらが悪人であろうとコウキは覚醒状態には入れない。
「ごめん、ハルカ。僕はポケモン馬鹿でさ。」
それでも、コウキの海賊軍団に対する闘志は、まぎれもなく本物である。

474:>>466コウキ×ヒカリ 第6弾・2/5
08/09/23 22:15:17 A2u8lbxT
「出て来い、バクフーン!」
雄たけびをあげ、ボールから出てくる。
「ほほう、われわれアクア団に対し、相性最悪の炎ポケモンで挑むとは…」
「しかもそいつしかポケモンがいない、勝負は決まったな。」
「勝手に言ってろ。僕のバクフーンは、そうそう負けやしない。」
「ほざけ!アクアジェットだ!」
サメハダーがアクアジェットを飛ばす。

「ぎりぎりまで引き付けてかわせ!」
コウキの指示で、バクフーンはぎりぎりでかわす。その瞬間、サメハダーの背後をとる。
「スピードスター!」
そして背後からスピードスターを放つ。
必中技な上背後を狙われ、それなりのダメージをくらった。
…だが、やはり肝心のタイプ一致の炎技が半減されるというのは、痛い。

それでも、コウキには勝算があった。
(ヒカリ、礼を言うよ。
 テレポートの技マシンを使って以来、ヒカリにシンオウでは手に入らない技マシンを手に入れてもらった。
 そのおかげで、バクフーンを強くすることが出来たからな。)
「ドククラゲ、バブル光線!」
バブル光線を放つが、バクフーンはかわす。
そしてドククラゲに対し間合いを縮め、
「いくら至近距離だからって、炎技で倒れると思ったか!?
 相手の技を適当に受け流し、バブル光線だ!」
ドククラゲが息を吸い込む。
だが、バクフーンはその上を言った。

「爆裂パンチだ!」
「何!?」
シンオウ、ホウエンではバクフーンに覚えさせられるはずのない技。
ヒカリが、ジョウトのつてで手に入れてくれた、技マシン1である。
「おっしゃあ、直撃だ!」
「だが効果はいま一つだ、ドククラゲ、バブル光線!…あれ?」
ドククラゲは混乱している。
これではせっかくバクフーンを引き付けても、意味がない。

だが、その間に、ギャラドスに不意を突かれた。
「アクアテール!」
「なに!?ば、バクフーン、かわして」
指示が通る前に直撃。数m吹っ飛ばされる。
効果抜群なうえ、ギャラドスの攻撃能力はほかのポケモンと比べても相当高い。
「よーし、バクフーンは倒れてる、全員で総攻撃だ!」
3体が一斉に飛びかかる。バクフーンは絶体絶命。だが、

「行け、バクフーン!やつら全員に、かみなりパンチだ!」
「なんだと!?馬鹿な!」
これもまたシンオウ、ホウエンでは覚えられないはずの技。
だが、バクフーンの拳には、電気がまとわれていた。

「ギャアアアアアアア!」
3体にかみなりパンチが直撃。見事に決まった。
(これもジョウトから仕入れてもらった、技マシン41さ、ありがとうヒカリ!)
3体とも倒れ、アクア団の連中はボールにポケモンを戻して走り去っていった。
「くそ、覚えてろよ!」
バクフーンにもダメージがたまっており、これ以上ポケモンを出されるとまずかったが、
連中がそのかみなりパンチの威力に危険を感じ去って行ってくれたので、ひとまず助かった。

475:>>466コウキ×ヒカリ 第6弾・2/5
08/09/23 22:16:39 A2u8lbxT
とりあえずバクフーンの体力を薬で回復させ、ボールに戻す。
「ふう、ありがとうございました…
 わたくし、デボンコーポレーションの、」
「デボン?たしかホウエンのポケモングッズの生産を一手に担っている…」
「はい!
 とりあえず、お礼にスーパーボールをあげちゃいます!」
「ありがとうござい…ハルカ?」
物欲しそうな目で見ている。
本人は気付かれないようにしているつもりかもしれないが、バレバレである。

「ハルカ、あげるよ。」
「え、いいの?ありがとうコウキ、嬉しいかも!」
(遠慮も何もあったもんじゃないな…年下だからしょうがないか。
 それに、旅を始めたばかりのハルカにはスーパーボールは貴重だ、ハルカの方が有意義に使えるだろう。)
そうだ、助けたお礼をしてもらったついでに、カナズミまで案内してもらおうか。
そうコウキが想い、言おうとした矢先に、

「あ、キノココかも!」
「ん?あ、ホントだ。」
「わお、おじさん、キノココ大好きなのよね!」
突然3人の目の前に現れたキノココ。どうやらデボンの社員も欲しがっているようだ。
だが、そんなのお構いなしとばかりに、
「かわいいかも、欲しいかも、ゲットかも!いっけえ、スーパーボールッ!」

何といきなりスーパーボールを投げた。
(え!?もうか!?)
キノココにあたり、ボールの中に吸い込まれる。
デボンの社員は愕然とするが、どっち道弱らせずにボールを投げて捕まる可能性は低い。
「やったかも、ゲットかも!」
「ハルカ、中央に赤いランプが点滅してるだろ。あれが消えない限りはゲットしたことにならない。
 そもそもバトルして弱らせもせずに捕まるわけが…」
「…あれ、でも中央のランプの点滅が、止まったかも。」
「…は?」
よく見ると、ボールにはもう何の反応もない。
「ス、スーパーボールはモンスターボールよりも高性能なのよね…」
あいかわらずしょげた顔をしながら解説。
確かに、モンスターボールよりも高性能なスーパーボールなら、捕まるのも納得はいく。
なにはともあれ、

「キノココ、ゲットかも!」
スーパーボールを高々と掲げ、大喜び。
コウキはその様子に苦笑いしつつ、落ち込んでいるデボンの社員にカナズミへの道案内を頼んでいた。

476:>>466コウキ×ヒカリ 第6弾・2/5
08/09/23 22:17:24 A2u8lbxT
デボンの社員が連絡を取って車を準備してくれ、その日のうちにカナズミシティに着くことが出来た。
デボンコーポレーションの中に案内され、ツワブキ社長からお礼を言われる。
「いやあ、うちの社員を助けてくれて、本当にありがとう。
 これはお礼だ、もらってくれ。」
そう言われて渡されたのは、ポケモンナビゲーション、略してポケナビ。
トレーナーの必須アイテムにもかかわらず結構高価なので、プレゼントにはぴったりである。
「ハルカ、あげるよ。」
「え?でも、コウキがあいつらを」
「いいからさ、これから長い事旅をするハルカには、ないと困るだろ?」
「あ、そう、かも。
 うん、じゃあもらうね!ありがとうコウキ!」
ハルカが受け取ってさっそく荷物に入れる。
「それじゃあ、今日はありがとうございます。」
「いやいや、こちらこそ本当にありがとう。またいつでも立ち寄ってくれ。」
お互いがお礼を言って、コウキはデボンコーポレーションを出ていった。

ポケモンセンターに戻ると、今後の予定を立てる。
何と言ってもこんなにも早くカナズミにたどり着けるとは思っていなかったようで、
「ハルカはジム戦はするの?」
「え?うーん…」
ハルカはまだ自分が何をしたいかが見えていない。
ポケモンと仲良く旅をしたいだけ、と言うのが本音である以上、ジム戦、と言われてもピンと来ないのは確かだ。

「…ポケモンと一緒に何かを頑張る、と言うのは大事な事だと思う。
 そのために必要な物は、なんだと思う?」
「え?わかんないかも…」
「それは、目標と、絆さ。」
コウキもそうだった。
目の前に控えるジム戦のためにポケモン達と一緒に強くなり、その時に絆が芽生える。
まあ、その根幹をなしていたのはヒカリに振り向いてもらいたい、と言う恋心だったのだが。

「ポケモン達と仲良くなりたいのなら、絆を作るための目標があればいい。
 もちろん、ハルカはやりたいことがまだ見つからないんだろうけど、
 今言った目標って言うのは、別にそんなに深く考えなくていいものだと思うんだ。」
「え?」
「気軽に…って言ったらその目標に対して失礼かもしれないけど、そんなものでいいんだ。」
「でも、身近なところにそんなものって、あるかなあ…」
ハルカが考え込む。
どうも物事を難しく考える傾向があるようだが、コウキは笑って言った。

477:>>466コウキ×ヒカリ 第6弾・2/5
08/09/23 22:18:57 A2u8lbxT
「あるじゃないか!
 カナズミジムへの挑戦さ!」
「ジム?…で、でもわたし…」
「もちろん、ポケモンリーグを目指しているわけではないのはわかってる。
 だから、ジムへの挑戦は今回限りでもかまわないよ。」
「え?」
「アチャモとキノココとジム戦、という目標に向かって頑張れば、絆が生まれてくる。
 そして、ポケモンバトルはポケモン達と心を一つにできる瞬間。
 ポケモン達と仲良くなりたい、もっとポケモン達の事を知りたい、
 カナズミジム挑戦は、そのためのきっかけづくりの感覚でいいんだと思うよ。」
「コウキ…」
ハルカがコウキを見つめる。
今、ハルカの中で、初めてはっきりとした何かが芽生えた。

「うん、やってみる!アチャモとキノココで、頑張ってみる!」
「よーし、それじゃ今から特訓だ!僕も喜んで手伝うよ!」
「コウキ、バトルの事、いろいろ教えてほしいかも!」
「よっしゃ!
 カナズミジムのルールは2vs2、アチャモとキノココでバッジゲットだ!」
さっそく部屋を出て、ポケモンセンターの裏庭で特訓を始めた。
ハルカの目は、明るく輝いて躍動感のある、夢見る女の子の目をしている。

新人トレーナーの明るい未来を、コウキは温かく見守り続ける。

478:>>466コウキ×ヒカリ 第6弾・2/5
08/09/23 22:19:54 A2u8lbxT
とりあえずここまで。

昔描いた故に、
その頃はあまりエロの少なさを気にしてなかったので
エロがないのは上記のとおり大目に見てほしい。

長くなったらまずいので続きは明日以降に。

479:名無しさん@ピンキー
08/09/24 16:35:58 Tj5qa92W
GJ!
すごく良かったです
次回に期待
ヒカリが夢や妄想の中でエッチしながら
コウキを待ち続ける作品を期待します

480:スイクン×クリス
08/09/24 22:58:31 nqmFt0DT
・獣姦
・凌辱





「スイクン様に会う資格があるか、試させていただく」
スズの塔の僧がクリスの目の前に立ちはだかる。スイクンに会いたいという強い信念の前には、たった一度の勝負など容易いものだった。僧はクリスにスイクンに会う資格を認めるしかなかった。
「しかし…後戻りはできない。命の危険すらあるのだぞ。それもこんな小さな子など、前代未聞だ。」
「大丈夫。私の仲間さえいれば打ち勝てる。」
この時、クリスはこの僧の言葉の真実を解っていなかった。なおも引き止めようとするが、すでにクリスはスズの塔へ足を踏み入れる。
「生きて、帰れ。」
僧が呟いた。後少しすれば、彼女の運命が決まる。


スズの塔の入口の扉が重たく閉まる。不安と期待が混じり、クリスは中へ向かう。薄暗い塔内に、冷たい風を纏うポケモン、スイクンが待ち構えるように立っていた。
「スイクン、あなたに会うために探していた。勝負!」
まずは素早いワタッコから。ボールを選んで投げた。と、いきなりスイクンがうなり、部屋中が凍り付いた。北風の生まれ変わり、凍える風だ。同時にクリスの持つボール、及び控えのポケモンのボールも凍り付き、出すことが出来なくなった。
「まさかっ!?」
そしてスイクンはクリスに飛び掛かり、その巨体で彼女を押し倒す。反動で背中を打ち、むせながら上を見る。
「私を従えたいのなら、その資格があるか試めさせてもらおう。」

その目が言っていた。一旦クリスから離れると、有無を言わず、その鋭い爪と牙で、着ていた衣服全てを引きはがした。布が裂ける音に、ただ恐怖で何も言えない。

481:スイクン×クリス
08/09/24 23:32:21 nqmFt0DT
>>480








「ひぃっ!」
ようやく声が出た時は、スイクンの生温い舌がクリスの陰唇に触れた時だった。反対に息は冷たく、粗い呼吸に合わせ、開いた足全体に吹きかかっていた。不思議と息のかかった足は段々力が入らなくなっていく。
 この状況は逃げなければ。言うことを聞かない足を動かした瞬間、スイクンが吠える。
「えっ!あっ!」
再び凍える風が吹き、クリスの手足は氷に囚われてしまった。しかも足は開いたまま、スイクンの良く見えるように向いて。
「やめてえ!」
腹の底から叫ぶ。スイクンの力の前ではビクともしなかった。スイクンは陰唇をなめ、出てくる液体を眺めて、さらに陰唇の上、クリトリスに触れた。
「やーっ!」
気持ちいいではない。人体の防御反応である反射だ。陰部からあふれる液体を止めることが出来ず、全てスイクンの舌に絡めとられる。
 何が起きているか、何をされているのか。クリスには全く理解が出来なかった。ただ、予想より早くスイクンの舌が離れ、一瞬だけ安心する。
 が、次の瞬間、さらに強い恐怖が襲いかかる。スイクンが再びクリスの上に覆いかぶさって来た。その威圧感は異常。そしてスイクンの真中にある、伸びた棒。冷たいスイクンの、唯一熱気を放っているそれを、クリスの陰部近くに持ってきた。
「やだ!私まだ」
手足を封じられ、抵抗らしい抵抗が出来ない。徐々にその瞬間は近付く。

482:スイクン×クリス
08/09/24 23:50:27 nqmFt0DT
>>481








「きゃああああ!!!」
クリスの悲鳴はスズの塔の隅々まで響いた。少女の体格には似合わないスイクンの雄の性器が、今、入口を広げながら進入を試みているのだ。
「抜いてぇ!入って来ないで!いたいっ!いたいー!」
すでに半分は入っており、事前の「処置」のおかげか、スイクンは退行することを知らない。その代わり、肉壁は最大に伸び、体を守ろうとしている。
 しかしここでスイクンの侵入が止まる。子宮頚部に来たのだ。全て入りきるまで後少し、スイクンは作戦を変更して来た。侵入速度を落とし、さらなる道を探ろうというもの。このあたりに来たらクリスは何も言えず、口を半開きにして呼吸音を微かに出すしかなかった。
「ああああ…」
腹部が突き上げられるような感覚がした。そこまでスイクンは入って来ているのだ。
「!ぎゃああああ!」
我に帰ったかのようなクリスの悲鳴。スイクンはさらにクリスの中を進み、全て入れ切ったのだ。そしてその瞬間、どこにあったのか、大量の熱い液体がクリスの中に放たれる。人間の量とは比較にならない量を出してもまだ出し切らないと、スイクンは置くに入れたままだ。
 やがてクリスの臍の下あたりがゆっくりと膨らみ始めた。スイクンの放つ精気が入っている証拠である。そのようになってもなお、スイクンは放ち続けた。

483:スイクン×クリス
08/09/25 00:02:13 nqmFt0DT
>>482










 20分くらい、スイクンはクリスの中に入ったままだった。ポケモン特有の、交尾後に必ず妊娠させるための行為だった。それはクリスにとって地獄以外の何者でもなく、性器で蓋をされた状態で迎えた大量の精気は、当分出て行きそうになかった。


 それからしばらくして、スイクンは大人しく性器を引き、クリスの陰部を見た。
 痛いわけだ、中で傷付いたのか、血が混じっている。行為の前よりも優しく舌で舐めとり、氷を解いた。

「終わった…」
全裸のままクリスは呟いた。スイクンはずっと横にいて見つめている。何とか上体を起こし、スイクンの方を見る。
「スイクン…」
恐らく向こうは認めている。こちらを主人として。その証拠に、手を伸ばすと素直に従う。

「やっと、会えたね…認めてくれてありがとう…」


その後、スイクンを連れた彼女は、次々に戦いを制覇し、チャンピオンにまでなった。

しかし彼女の力の代償は大きかった。



スイクンへ支払う代償、それはクリスの一生であったのだから。

484:スイクン×クリス
08/09/25 00:04:13 bTFCellr
何か色々とすみませんでした。



初めてお邪魔しました。
一応終わりました。


場所をお借り出来たことを有り難く思います。




485:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
08/09/25 01:28:58 /FpQQ1Kl
>>484
苦手な系統なので感想が書けん…
スイクンに性別があったのかと思うばかり。
(いや、もちろんないのはわかってるが。)

>>479
まあ、次もエロシーンは皆無なわけだが。
とりあえず書きだめしているやつはさっさと乗せておこうっと。

486:>>486コウキ×ヒカリ 第6弾・3/5
08/09/25 01:31:01 /FpQQ1Kl
時間は少しさかのぼる。
今度はユウキ、ヒカリペアの方を見ていくことにしよう。

こちらはどんな状況かを少し説明する必要があるだろう。
現在、ヒカリはトゲキッス、コウキはボーマンダで飛行中。
「どこに行くんですかー?」
「そらのはしら、ってところだ。
 内部の野生ポケモンは相当のレベルに達しているところだ。
「今まで入ったことあるんですか?」
「俺も一度だけ入ったことがあったが、あの時はポケモンリーグに挑戦する前でさ。
 1日もしないうちに手持ちポケモンも薬も壊滅状態になったよ。」
殿堂入り前とは言え、チャンピオンのコウキも相当苦しめられたダンジョン。
今回は相当の装備で挑むことになり、少しの手抜かりも許されない。
ヒカリも今回ばかりは今まで育成のために手持ちに入れていたアチャモをパーティーから外した。

「そろそろ着くよ、下降しよう。」
「トゲキッス、ついていって。」
まるで海の上に浮かんでいるような感じの茶色の塔が少し先に見える。
空を突き刺すようなその高さは、『そらのはしら』の名に恥じないものである。
伝説によれば、伝説のポケモンが塔の一番上で体を休める、と言われているらしい。

「でも、そんな伝説があるなら、最初から空から一番上に行けばいいんじゃないですか?」
「身も蓋もない事を言うな…
 途中に結界が張ってあって、外側から塔の頂上に行くことはできない。」
「じゃあ、やっぱり内部から頂上まで登っていくしかないんですね。
 …どれくらいかかるんだろう。」
「塔自体は細いから、何もなければ3日くらいで頂上に着くんじゃない?
 …何もなければ、ね。」
途中にハイレベルな野生ポケモンがいる、これが問題なのである。
確かに1人では行かせられないというオダマキ博士の考えは正しい。

いつポケモンが襲ってくるか分からないので、常時1体はポケモンを出しておくことに。
現在ヒカリはサーナイト、ユウキはヘラクロスと一緒に歩いている。
「…ところでさっきから気になってたんだけど、その腕につけている鎧は?」
ヒカリもコウキと同様にバトルアーマーを装着している。
とにかく可能な限りのことをやっておかないといけない。
出現するポケモンのレベルだけならハードマウンテンより苛酷だ。

487:>>486コウキ×ヒカリ 第6弾・3/5
08/09/25 01:31:58 /FpQQ1Kl
「あ、これはバトルアーマーと言ってですね、これをつけてると、ポケモンの技を出せるんです!」
「へえ、どんなふうに…」
「危ない!」
ヒカリの声で振り向くユウキ。
見ると、すぐそこまでゴルバットが迫っていた。
「へ、ヘラクロス、ストーンエッジだ!」
ヘラクロスがストーンエッジを発射、しかしゴルバットは旋回してかわし、毒を吐き出す。
「しまった、毒毒か!」
ヘラクロスに直撃、ヘラクロスは猛毒状態に…ならなかった。

「あ、あれ、ヘラクロス?大丈夫か?
 毒を浴びているようには見えないが…」
「えへへー、これがバトルアーマーですっ!たまたま技マシン20を装着していて助かりました。」
マシンを装着した状態でも、バトルアーマーにどの技マシンが差し込まれているかは分かるようになっている。
ヘラクロスのストーンエッジがかわされた瞬間、バトルアーマーに一瞬だけ目をやっていたヒカリ。
たまたま技マシン20が差し込まれているのをみて、とっさに神秘の守りを出したのである。
「よし、もう一度ストーンエッジ!」
ゴルバットが毒毒が効かないのに驚き、怯んでいる隙をついた。
見事に命中し、ゴルバットは地面に倒れこんだ。

「ふう…助かったよ。」
「ユウキさんのポケモンが倒れちゃ、困りますからねっ!
 あたしはコウキほど強くないから、補助的な技でサポートしますから!」
コウキが攻撃的な技マシンをチョイスする一方、ヒカリはもっぱら守備的な技マシンを選んでいる。
タッグバトルの時も、コウキが攻め、ヒカリが援護するスタイルで戦っている。
もっとも、最近あまりコウキと組んでタッグバトルすることもないのだが。

何十階か上へと上がり、そろそろ疲れてきたのでお昼にする。
とはいえ、トウカの森はポケモンの出現率は低いがそらのはしらはそうはいかない。
しかもコウキ、ハルカペアの時とは違い危険かつ強力なポケモンがいつ出てくるか分からない。
料理を作る暇はなく、水のはいったペットボトルと携帯食料だけを出して食べる。
「…ユウキさんは、普段は旅の途中で料理とかするんですか?」
「ああ。今回は無理だが、機会があれば作ってあげるよ。」
「あたし、料理が全然だめで。コウキと一緒に行動する前は、いっつも携帯食料ばっかりで。
 今回のような危険な場所じゃなくても、ですよ?」
「ははは、まあ、みんながみんな料理が得意とは限らないさ。」
幸い食べている間にポケモンが襲ってくることはなく、何事もなく昼食を終えてまた歩き出した。

488:>>486コウキ×ヒカリ 第6弾・3/5
08/09/25 01:33:37 /FpQQ1Kl
「そう言えばユウキさん。
 このそらのはしら以外に、ホウエンで伝説のポケモンにまつわる場所とかあるんですか?」
「旅をしていると、結構そう言う話を聞いたことはあるよ。
 たとえば、ルネシティの南にある海底洞窟に、伝説のポケモンが眠っているって話を聞いたことがある。
 カイナシティにいるクスノキさん、って人から聞いたんだ。
 確か名前は、えっと…カイ…なんだっけ、忘れた。」
そのほかにも、えんとつやまの内部にいると言われている大地をつかさどるポケモンや、
ホウエン地方のどこかに眠っている『6つの点』のポケモンの話などをしてくれた。

「えっ、ヒカリは伝説のポケモンに会ったことがあるの!?」
「目の前に現れたんです。パルキアってポケモンで、はっきりとその姿を見たんですよ。
 悪い奴らが無理やり呼び出したんだけど、コウキがその悪い奴らをやっつけて、
 …で、パルキアはコウキを試すかのように、コウキと対峙していたんですよ。あたしはその場にいたんです。」
「し、信じられない…」
さしものユウキもこれには驚いた。
バトルをしていないとはいえ、伝説のポケモンとある意味互角に渡り合ったのである。
しかも、同じような出来事、ハードマウンテンで起こったヒードランとの出来事を話すと、
もはや正気を保つことすら難しかった。

「い、一度だけじゃなく、二度までも…?
 見ただけでもすごいというのに、コウキは伝説のポケモンに認められた…!?」
「まだありますよ。
 …さすがにこれは信じてもらえるか分かりませんけど。」
「ま、まだあるのか!?聞かせてくれ!」
コウキはただ聞かされた現実に驚いたが、そこから目をそむけ疑うような事はしなかった。
ユウキは、ある程度の嘘を見破れるだけの力を持っている。
だからこそ、驚きもひとしおなのである。

「…可愛らしい伝説のポケモン、エムリットと友達なんですよ、彼。
 一応あたしも友達ですけど。」
「ト、友達…!?伝説のポケモンとか?」
「エムリットは、テレパシーでしゃべったりしてたんです。
 あと、人間にも変身することが出来るんですよ!
 人間の姿なら口から言葉を喋られるみたいで、いろいろ楽しくお話をしたんです。
 一緒に3人でお風呂や温泉に入ったり、一緒に3人でベッドで寝たんですよ!」
傍から見たらどう見てもおとぎ話。
だが、ユウキには、ヒカリが嘘をついていないことはしっかりと分かっていた。

「エムリットの性別って♀だったんです。それでコウキったら、あたしと言う恋人がいながら、
 あたしがいない隙をついて、人間の姿をした時のエムリットを襲ってセックスしてたんですよ!」
「…それはウソだろ。」
「あは、ばれちゃいましたか。」
怒り口調で嘘をついたが、コウキはしっかりと見破った。
そもそも、本当だとしたらヒカリは間違いなくコウキと別れて、口も聞かないはずである。
あまりにもばればれの嘘に、流石に呆れていた。

489:>>486コウキ×ヒカリ 第6弾・3/5
08/09/25 01:35:28 /FpQQ1Kl
「ストップ。
 …ポケモンたちがたくさんいる。」
「え?」
曲がり角の先に、強そうなポケモン達がうじゃうじゃいた。
「以前も同じような事があって、無鉄砲だった俺は奴らを全員倒そうと真っ向勝負を仕掛け、
 結果的に手持ちが壊滅状態になった。
 その時は何とか脱出したが、…今回はバトルは最低限にとどめる。
 今回の目的は、このそらのはしらにどんなポケモンがいるかという調査と、」
「頂上には何があるか、ですよね?
 で、今回はどうするんですか?」
「いったん戻ってくれヘラクロス。でてこい、バシャーモ。」
バシャーモが出てくる。

「バシャーモ、手の中で火の球を作れ。」
「え?」
「簡易爆弾を作って、ポケモン達をおびき寄せて気を取られさせるんだ、その隙に突破して上の階に上がる!
 よし、行け!」
バシャーモが火球を投げる。
火球が小さく爆発を起こし、ポケモン達は何事かと爆発した場所に集まってくる。
「よし、今だ!」
合図と同時に走り出す。
ポケモン達が気付く前に、上の階に上がることに成功した。


その後も順調に歩を進める。
野生のポケモン達と戦うのを最小限にとどめ、ほとんど戦わずに進み続ける。
そして日も暮れた頃、今日はここまでにしておこう、と言う事になった。
「とにかくいつ何に襲われるか分からない。
 常に荷物はまとめておいて、なるだけ荷物からモノを出さないようにね。」
「はーい。」
ポケモン達に見つからないような岩場に影をひそめて身を隠す。
周りにポケモンの気配は全くないが、気を抜くことはできない。
とりあえず携帯食料で栄養を摂取した後、荷物から寝袋を出す。

タオルを水で濡らして体をふきたい気分だったが、
ハードマウンテンの時と違いコウキではなくユウキがいるのでそうもいかない。
それにそんな悠長な事をしていたらポケモンに襲われる。
「とりあえず交代制で行こう。
 とはいえ、ヒカリの方がだいぶ疲れてるみたいだ。先に休んでて。」
「あ、ありがとうございます。」
そんなことないですよ、と言おうとしたが、なぜか言えなかった。
疲れていたのも事実だし、相手が年上と言う事で遠慮はしない方がいいと思ったのだろうか、
もしくは、素直に言う事を聞いた方がユウキの足を引っ張らずに済むと思ったのかもしれない。
もちろん、コウキ相手なら間違いなくこんな考えには至らなかっただろう。

490:>>486コウキ×ヒカリ 第6弾・3/5
08/09/25 01:37:56 /FpQQ1Kl
(すやすや…)
「ぐっすり寝てるな。」
岩場の影から周りを見張って警戒するユウキ。
ヒカリの安らかな寝顔を、守ってあげないといけないという使命感がそこにはあった。
「可愛いよな…本当に、守ってあげたいくらいに可愛い。
 …だから、絶対に守ってあげないと。」
ヒカリがコウキのものだとは分かっていたが、今はコウキがいないのでヒカリを独り占めできる。
もちろん手を出すつもりはないが、今だけは自分がヒカリを守る男だと感じていた。
「やれやれ、俺の下心が丸見えたな。」
可愛い女の子を守るのは、男の子の希望であり、夢である。

「…本当に可愛いなあ。」
岩場のそばから一時的に離れ、ヒカリの傍に寄る。
…この閉じていても可愛い目、頬、唇、さらさらの髪。自分のものにしたくなってきた。
「…いかんだめだ、コウキのモノなんだってば!」
だが、年がいかんせん離れ過ぎているハルカには、恋愛意識がずっと持てなかった。
ホウエンの旅の途中でも、惚れた相手はいなかった。
コウキと同様、ユウキの初恋の相手もヒカリになってしまった。

「ヒカリちゃん、寝てる?」
(すう…すう…)
「…いいよね、ヒカリちゃんさえ気づかなければいいんだから。
 だ、だめだだめだ!コウキがいるんだ、ヒカリには!」
理性と本能が戦っている。だが、ついに我慢しきれなくなり、
「い、いいよな、うん、ヒカリに気付かれなければ、何もなかったことにすれば…」
そっと顔を近付ける。
唇が段々近づいてくる。
互いの距離が残り10cmを切った。

「ん…あ、あれ?ユウキさん?」
「どわああああっ!」
ヒカリがいきなり目を覚ます。眠たそうにして体を起こした。
「どうしたんですか?顔を近づけて。」
「あ、えっと、いや、その…」
普段が冷静沈着なユウキなだけに、その様子に疑問を持つ。
もちろんユウキとしては、死んでも本当のことを言うわけにはいかない。

「ああ、えっと、そろそろ時間かなって、あはははは…」
「え、もうそんな時間ですか?」
ヒカリがポケッチを見ようとする。
それを必死になって止める。
「いや、やっぱりヒカリは疲れてたんだよね、ちょっと起こすのが早過ぎたね。
 ほら、明日もあるし、速く寝て!」
「ちょ、ちょっと、ユウキさん!?」
ポケッチを見ようと動かすヒカリの腕を止め、ヒカリを再び寝袋にしまいこみ、ジッパーを閉める。
「大丈夫大丈夫、俺はまだ眠くないから、ね?
 おやすみ、ヒカリ!」
逃げるように、再び岩場に寄り、見張りを再開する。
そんな様子を不思議に思いながらも、さっきまで寝ていた故寝ぼけており、
再び寝込むのにそう時間はかからなかった。

491:>>486コウキ×ヒカリ 第6弾・3/5
08/09/25 01:39:10 /FpQQ1Kl
数日後、ついに頂上についた。
「やっと着いたー!」
「さて、今までだれもついたことのない頂上には何が…!!!」
「あ、…あれは!?」
緑色の細長いドラゴンのようなポケモン。とぐろを巻いて眠っている。
「あれは…」
2人ともポケモン図鑑を見る。
シンオウタイプもホウエンタイプも、しっかりとそのポケモンの事が乗っていた。

レックウザ。空を制す、伝説のポケモン。
「俺も…俺も、ついに伝説のポケモンを拝めたぞ…!」
例えようもない感動と感慨にふける。
しばしその姿に見とれていた。
「ゲ、ゲットしようかな…幸い、手持ちはほぼ無傷だし。」
「もしゲットするなら、あたしも手伝いますよ?」
「ほんとか!?よーし…」
モンスターボールに手をかけ、レックウザにバトルを挑もうとした、との時。

ドッパーン…ドドドドドド…

「な、なんだ!?」
「なあに、今の音!?」
音のした方、東の方角を見る。
見ると、ずっと向こうの方の海上で、大きく高い水柱が立っていた。
「な、なんだあれは!?」
「あそこって、どのあたりですかね!?」
「少し北にルネの島が見えるって事は…ま、まさか海底洞窟か!?」
「か、海底洞窟って確か、伝説のポケモンがいるって言う…」
嫌な予感がした。
もしユウキの言っていた伝説が本当なら…ヒカリはパルキアの時の事を思い出していた。

「ギャアアアアアアアアス!」
「なあっ!?レ、レックウザが起きた!」
レックウザが何と目を覚ましてしまった。
そして、水柱の方角へ飛んでいった。
「…お、俺たちも行こう!」
「で、でも、ここから降りるには最低でも1にちはかかる…」
「ここからポケモンで飛んで行くんだ!
 結界は侵入者を拒むものであって、出ていくものを拒むことはない!」

直ちにトゲキッスとボーマンダに乗って飛び始める。ユウキの言うとおり結界にははじかれなかった。
何かとんでもないことが起こりそうな気がする。
そんな予感がしたヒカリは、一人でも仲間が多い方がいいと感じ、
…そして、一番信頼できる、恋人に助けを求めた。

「…もしもし、コウキ!?」

492:>>486コウキ×ヒカリ 第6弾・3/5
08/09/25 01:40:43 /FpQQ1Kl
また時間を少しさかのぼらせる。
コウキとハルカは、ジム戦の真っ最中だった。
「キノココ、吸い取る!」
コウキとの特訓のおかげで、なんとかバトルは形にだけはなっていた。
だが、バトルでは素人の上、相性が不利なゆえにアチャモはあっさりとやられた。
キノココも相性はいいのだがイシツブテ相手に大苦戦。必死に技の指示を出すも、

「イシツブテ、かわして下さい!」
あっさりかわされ、
「体当たりです!」
かわせ、という指令を出す暇もなく、直撃した。
ハルカが思わずキノココのもとによる。だが、目にはもう力がなかった。もう立つ力もないようである。
「キノココ、戦闘不能!」
「そ、そんなあ…ごめんね、キノココ…」
ジムリーダー・ツツジとイシツブテがハルカ達のもとによる。
コウキはと言うと、備え付けのベンチから離れて見ている。

(…ハルカ…)
「残念でしたけど、いいバトルでしたね。
 またいつでも、挑戦しに来て下さい。」
「は、はい…」
ハルカが涙をこぼす。申し訳なさそうにハルカを見るキノココ。
「キノココ、気にしないで、わたしが、まだまだ未熟だから…」
「キ、キノ!」
「ありがとうね、…そして、負けちゃって、ごめんね。」
「キ、キノ…」
キノココはせつない顔をしている。
…キノココ自身も、自分が情けないと思っていた。ハルカを悲しませる自分の無力さが、悔しかった。

…そしてその想いは、奇跡を呼んだ。
「あ、あれ、キノココ!?」
キノココの全身が光る。そして、どんどん姿が大きくなる。
ハルカの腕で抱えられるくらいだったのが、ハルカの身長に匹敵するくらいに大きくなっていった。

「し、進化!?」
(ハルカのやつ…ポケモンとの絆を、繋げやがった!)
「キ、キノガッサに、進化したのですか!?」
先ほどのよわよわしい姿から一転、一気にたくましくなった。
眼光も明らかに鋭くなり、戦う目、戦う顔をしている。
「…審判。さっきの戦闘不能は、取り消しなさい。」
「え?」
「進化して、体力が回復したようです。
 それならば、ポケモンの進化という、最大限の力と戦うのが、ジムリーダーです。
 …なにより、このキノガッサの闘志、先ほどと打って変わって、比べ物にならないくらい強い。」
「わ、わかりました!バトル続行!」

493:>>486コウキ×ヒカリ 第6弾・3/5
08/09/25 01:41:25 /FpQQ1Kl
両者が元の立ち位置に戻る。
「キノガッサの技は、わかりますか?」
「え?ええっと…」
「しっかり調べて下さい、わたしは待ってます、隙を突くような事はしません。
 すべての力を出してもらうためにね。」
「は、はい!!」
ハルカが必死になってポケモン図鑑を調べる。
そして、インプットして、バトルに臨む。
「えっと、キノガッサ、マッハパンチ!」
「イシツブテ、かわして…」

一瞬だった。ツツジも、イシツブテも、反応しきれなかった。
直撃。
「は、速い!イシツブテ!」
「す、すごいよ、キノガッサ!」
イシツブテは目を回して倒れている。
コウキもツツジも、その速さにただただ驚かざるを得なかった。
「い、イシツブテ戦闘不能!」

ツツジがイシツブテを戻す。
「見事です、ポケモンのあなたへの信頼を、見せてもらいました。ならば、この子はどうです?」
モンスターボールから出てきたのは、ノズパス。
ツツジのエースポケモンである。
「ノ、ノズパス…」
「ガンバレ、ハルカ!おまえとキノガッサなら、絶対にいけるはずだ!
 (…あれ?ポケギアから電話?)」
「…うん!(あれ?電話かけてる…)」

コウキがポケギアのスイッチを押す、声の主は、ヒカリだった。
(…もしもし、コウキ!?)
「お、久しぶりだな!どうしたんだ、ヒカリ。」
コウキは嬉しそうな顔をするが、ヒカリはそれどころではなかった。
空の柱から見えた、水柱。それが、伝説のポケモンが眠ると言う海底洞窟のあたりで見えたという事。
…その事がパルキアの事件と重なり、嫌な予感がしたという事。

パルキアの事はコウキにもヒカリにも深く刻み込まれている。
ヒカリのその予感は当たっていると感じた。黙っているわけにはいかない。
「パルキアの時と同じ感じがしたの…なんだか嫌な予感がするの、すごく不安なの!
 ねえ、お願い、力を貸して、コウキ!」
「ああ、わかった、すぐ行くからな!」
スイッチを切る。
そしてキノガッサとノズパスが激突しようとしたその瞬間、

494:>>486コウキ×ヒカリ 第6弾・3/5
08/09/25 01:42:37 /FpQQ1Kl

「ス、ストップ!」
「「え?」」
その声に反応して、ポケモン達の動きも止まる。
そしてコウキは一目散にツツジのところへ走る。
「ごめんなさい、急いで行かなきゃならないところがあるんです、
 ジム戦を、中止してはもらえないでしょうか!」
「え?」
必死の懇願。審判は困ったように言う。

「あのですねえ、勝手にそんな事言われては困りますよ。」
「…いいでしょう。わかりました。」
「つ、ツツジさん!?」
コウキの必死の思いが、ツツジには伝わっていた。
「どうやら、ただ事ではないようです。それも、何かの危機を感じ取っているような。
 …行ってください、その危機を乗り越えるために。」
「あ、ありがとうございます!行くぞハルカ!」
「え、ど、どうしたのコウキ!?」
「本当にごめん、理由は走りながら話す!」
とにかく、飛行ポケモンがいないと話にならない。
ムクホークを転送してもらうために、ポケモンセンターに向かって走る。

「…て言う事なんだ。ハルカは、ポケモンセンターで待機してくれ!」
「嫌だ、わたしも、ポケモンと一緒に戦うかも!」
「ダメだ、危険すぎる!」
コウキがハルカを止めようとする、だが聞かなかった。
「わたしだって、伝説のポケモンと戦ってみたい、コウキだって、好奇心が大事って言ってたかも!」
「そんな問題じゃない!」
「そんな問題よ!それで危険な目に会ったって、ポケモン達を信じて、一緒に乗り越えていく!」
「ハルカ…」
「それに、みんなが戦ってるのに、わたしだけ何もしないなんて、いやだ!
 わたしだってポケモン達を信じてる、乗り越えていける自信があるの!」
「…。」
何も言えなくなった。コウキ自身がそう言ったのもあるが、
何より、強い意志を感じるその瞳に、大丈夫だという強い信頼感を覚えた。

コウキが笑った。
「よし、行こう!一緒に伝説のポケモン達と戦おう!
 でも忘れるなよ、ハルカがどんなピンチに陥っても、必ず僕が守ってあげるって事を!」
「うん!」

ポケモンセンターにつき、すぐさまナナカマド博士に連絡。
ヒカリが手際よく博士に連絡を取って手を回してくれたらしく、すぐさま必要なポケモンを送ってくれた。
そしてハルカと一緒にムクホークに乗り、128番水道に向かって飛び立った。
(待ってろよヒカリ、すぐに助けに行くからな!)

こうして、ホウエンを揺るがす大事件が始まった。

495:>>486コウキ×ヒカリ 第6弾・3/5
08/09/25 01:43:42 /FpQQ1Kl
ひとまずここまで。
次もエロシーンは多分無い。

本当に最後の最後にエロが来ると思ってくれれば。

496:名無しさん@ピンキー
08/09/25 14:21:02 +l6GCzSM
伝記話をしてるシロナさんはひぐらしの鷹野三四と被る。

497:名無しさん@ピンキー
08/09/26 00:01:08 oWg8vsWt
>>>486 GJ!!!
すごくわくわくした
ヒカリがユウキにとられないように・・・

498:名無しさん@ピンキー
08/09/26 00:50:13 oWg8vsWt
失礼<<494
でした

499:名無しさん@ピンキー
08/09/26 20:45:48 qfGbQxVI
>>485
ありがとうございます。
苦手なのに目を通していただけただけで嬉しいです。


スイクンは性別不明が正しいです。あってます。

あくまで妄想で、両方あるから不明にしといてるんではないかなぁと思っただけですので、公式の方を信じてください。

500:名無しさん@ピンキー
08/09/26 23:21:34 6PmNC0zN
一応オス固体も♀固体もいるみたいだけどな、伝説にも

某セレビィとか、某フリーザーとか


501:名無しさん@ピンキー
08/09/27 19:59:25 ilpNGqt0
ミル×男主人公マダー

幼女に逆レイプ

502:名無しさん@ピンキー
08/09/28 10:18:35 rf3fhP5S
カトレア×コクランまだ?
途中からのリバも可

503:名無しさん@ピンキー
08/09/28 17:54:22 +Ec5H3n0
くやしいっ

504:名無しさん@ピンキー
08/09/30 16:55:00 vftqdQav
>>494傑作です
続き読みたいです

505:名無しさん@ピンキー
08/09/30 23:27:38 bUJ2ilXU
210番道路のカフェのウェイトレスの台詞↓
「勝負の後はモーモーミルクごっくんして下さい」

エロくね?

506:名無しさん@ピンキー
08/10/03 23:08:41 5d5fnwEx
<<494の続き
希望

507:暴走ボート ◆z95s/qs7OM
08/10/04 09:03:10 aH5FJHM1
>>504
>>506
今夜投下するから待ってくれ。
とはいえ今回もエロ無しだけど。あるのはその次。

508:名無しさん@ピンキー
08/10/04 14:51:56 iaMrWL2X
>>507
期待してます

509:>>509コウキ×ヒカリ 第6弾・4/5
08/10/04 23:14:36 FmPdbK6c
コウキはとあることを思い出していた。
ヒカリを救うために、雨の中手負いの状態で必死にヒカリを探しだした事。
そのあと、エムリットからヒカリとセックスするという極上のご褒美をもらったこと。

…あの時に似ていないか。
姿の見えないヒカリを助けるために必死に追っている自分の姿が。
「コウキ、どうしたの?」
「え?ああ、昔の事をちょっと思い出してね。」
もっとも、追っているのはコウキの足ではなくムクホークの翼なのだが。
1,2mほどの小柄な体にもかかわらず2人を乗せて飛んでいるという事は相当鍛えている証拠である。
「しかし、いったいどこだ?
 128番水道としかいってなかったし…そもそもここはどこだ?」
ちなみに現在位置は124番水道。ミナモシティの少し東である。
しかし、このまま爆進したらホウエン地方を突破してしまう。

「まいったなあ…って、ハルカ、お前がポケナビ持ってるじゃないか!」
「え?あ、そっか。」
「さっさとそれを…ん?」
向こうから白い何かが飛んでくる。
「…トゲキッス?もしかしてヒカリのか!おーい!」
ムクホークとトゲキッスが合流。トゲキッスが何か紙袋をくわえている。
とりあえずそれを受け取り、ハルカをトゲキッスの背中に乗せる。
トゲキッスが先導し、ムクホークがそれについていく。

「これは…技マシンだ。…いや、これは秘伝マシンだな。…8?ロッククライム?」
ロッククライムくらい持ってるよ。
…と言いたいところだったが、この秘伝マシン、水色である。
「ロッククライムは白色のはず…あ、手紙が付いている。」
『これはダイビングだよ、これを使ってね ヒカリ』
紙袋の中にはモンスターボールも入っている。おそらくトゲキッスのボールだろう。

「ああ、なるほど、これで潜れって言うのか。それじゃ、さっそく誰かに覚えさせて…」
と思った瞬間に気がついた。…シンオウには当然この秘伝マシンは出回っていない。
となると、非戦闘時に秘伝技を使うための対応バッジを、コウキは持っていない。
「やば…ヒカリー!肝心な事が抜けてるぞー!
 バッジがなけりゃ、ポケモンは非戦闘時では秘伝技は使えねーんだよー!」
当然、悲痛の叫びはヒカリに届くはずもなかった。



「~♪」
「この非常時に楽しそうだね、ヒカリ。」
「もうすぐコウキに会えますから。」
「そんなに好きなのか?あいつが。」
海底洞窟の奥へと進んでいく。途中にポケモンはいないのですいすい進める…
とも思ったが、自然界の迷路が行く手を阻む。
計画的に押さないと前に進めないようになっている岩の数々、波乗りをするポケモン達を押し戻す海流。

それでもそれらのパズルを何とか潜り抜けると、
「ふう、なんとかたどり着きましたねー。」
「ああ、苦労し…隠れろ!」
そこにいたのは、コウキとハルカが出会った集団と、同じものだった。


「まったく、設計図を手に入れるのをガキに妨害されたおかげで、
 潜水艦ごと奪ってこなきゃならんとはな…」
「アオギリ様、カイオーガと見られる反応があちらに!」
「そうか。イズミ、ウシオ、行くぞ!」


510:>>509コウキ×ヒカリ 第6弾・4/5
08/10/04 23:15:32 FmPdbK6c
「カイオーガ?ユウキさん、なんですかそのポケモン。」
「…思い出した!クスノキさんに聞いた、海底洞窟にいる伝説のポケモンの名前!
 確か、カイオーガだった!伝説は本当だったのか?」
「ど、どんなポケモンなのか分かります?」
「…一説では雨雲を発生させ大雨を降らせ、ホウエンを一面海に沈めてしまおうとしたポケモン。
 多分、あいつらはその力を使って何かしようと…」
「そんなことになったら、ホウエンが海に沈んでしまいますよ!」
やはりヒカリの予感は当たっていた。
パルキアの時と同じ、危機的な状況。

「あいつらを止めよう、行くぞ!」
「はい!」
ユウキとヒカリは、アクア団を追っていった。


その頃。
「やっべー、ジムバッジがない以上、ポケモンは非戦闘時に秘伝技を使えない…」
「こ、こうなったら、コウキの実力をもってすれば、ジムバッジなんて簡単に」
「そんなチンタラやってたら、ヒカリが死んじまうぞ!」
海底洞窟上空のポイントに来た。
下は見渡す限りの海。

「あーあ、マジでどうしよう…
 もしこれでカナズミのジムバッジがダイビングとリンクしてたりなんかしたら、
 俺はとんでもない早とちりを…」
カナズミを出て数時間たっていた。
数時間ヒカリが危険な海底洞窟の中で持ちこたえられるかどうかすら心配なのに、
これ以上他の場所に行く時間などない。
「…待てよ、ポケモンは非戦闘時に秘伝技を使えない…そうだ、これだ!」
「え?」
「秘伝技の鉄則であるこの難点を、逆用するんだ!」



「…いた!」
海底洞窟の最深部。約3名、おそらくリーダーと幹部であろう3人が、目の前に見える水面を見ている。
ユウキとヒカリが追いかける途中数人アクア団の邪魔が入ったが、その都度蹴散らした。
「いつ出る?」
「早い方がいいが、もう少し様子を見よう。」

「…この紅色の珠があれば、カイオーガをコントロールできる。」
「マツブサ様、では、お願いします。」
「ああ。」

「やめろ!」
様子を見るつもりだったが、この言葉を聞いてユウキは飛び出した。
紅色の珠を発動されたら、カイオーガが目覚めてしまうとわかった以上、何とか発動を止めないといけない。
「なんだ、お前は。」
「悪いが、カイオーガを目覚めさせるわけにはいかない。ホウエンが滅茶苦茶になる。」
「ガキには分からんだろうな。われわれのなす素晴らしい事が。
 邪魔をするなら消えてもらおう!やれウシオ、イズミ!」
「出てきなさい、クロバット!」
「こいや、サメハダー!」
「ヒカリ、手伝ってくれ、頼むぞヘラクロス!」
「エンペルト、がんばって!」

2vs2で対峙する。
だが、ポケモンチャンピオンであるユウキの強さは、圧倒的だった。

511:>>509コウキ×ヒカリ 第6弾・4/5
08/10/04 23:16:51 FmPdbK6c
「なに、やられた!」
「く…」
「さあ、その珠を渡して、さっさと立ち去れ!」
「ふん、そう簡単に…?」
アオギリの持っていた珠が、勝手に輝きはじめた。
「おお、アオギリ様!」
「いや、俺は珠をコントロールしてないのだが…」
「おそらく、カイオーガに近付いたことで、反応しているのでしょう。
 スイッチだけは自動で作動して、あとはアオギリ様がコントロールを…」

バッシャアアアン!

「あ、あれは!?」
「ユ、ユウキさん、あれがもしかして、カイオーガなんじゃ?」
カイオーガが水面から姿を現し、そして吠える。
「ぐお…な、なんだ、この威圧感は…」
「アオギリ様、カイオーガをコントロール…」
「で、できない!どう言う事だ!」
どうやら、カイオーガを操るのが目的だったアオギリの、予想外の事態になっているらしい。
「ギシャアアアアアアッ!」
「ぐああああっ!」
アクア団の3人に、カイオーガのハイドロポンプが炸裂。
入ってきた入口の方へ押し戻されてしまった。

「おっと!」
このとき、おもわずアオギリが吹っ飛ばされた時に手放した紅色の球が、ユウキの方に飛んできた。
何とかキャッチするが、カイオーガが今度はこちらを向いた。
「まずい!」
「ギシャアアアアアッ!」
今度は2人にハイドロポンプを放つ。
「く、このパワーは、抑えきれない!」
「バトルアーマーに装着した、守るの効果を発動!」
2人をシールドが包む。何とかしのいだ。

「くそう、諦めぬぞお!」
出入り口の方から声が聞こえる。おそらくはカイオーガにしつこく食い下がるつもりなのだろう。
だが、
「な、入口が崩れた!」
洞窟が揺れ始め、出入り口が崩れて岩で封鎖されてしまった。
「し、しまった!」
「これじゃあ俺たちは出られない!」
一方、アオギリの方も、
「アオギリ様、ここは危険です!
 部下の報告では、外は予想外の大雨で、このままこの洞窟にいるのは危険との事です!」
「ぐう…仕方ない、外へ避難する!」

それらの会話を、ユウキとヒカリは一部始終聞いていた。
「そ、そんな…い、入り口を封鎖している岩を壊して、私達も…」
「カイオーガは完全に怒っている。俺たちを狙っている。
 攻撃され続けたら、岩を壊す暇なんてない!」
もう1度ハイドロポンプを撃ってくる。
「よ、避けろ!」
辛うじてかわすが、岩に大穴があいていた。
「そ、そんな…」
「なんてパワーなの…そ、そうだ!これを逆用すれば!お願い、エテボース!」

512:>>509コウキ×ヒカリ 第6弾・4/5
08/10/04 23:19:33 FmPdbK6c
エテボースで何をするつもりなのか。
ヒカリはエテボースに封鎖された入口に立つように指令。
「エテボース、挑発!」
「そうか、そういう事か!」
「ギシャアアアアアッ!」
ハイドロポンプが飛んでくる。エテボースがかわす。
「あのパワーを利用して、入り口をハイドロポンプで粉砕させるつもりか!」
だが、伝説のポケモンは、2人の想像を超えていた。

ハイドロポンプが入口の手前で曲がり、エテボースの方へ。
「…ま、曲がった!?ハイドロポンプを、コントロールした!?」
「そんな!え、エテボース!」
不意を突かれて命中。エテボースは目を回して倒れている。
「も、戻って!」
「こうなったら、戦うしかない!俺だって、ポケモンチャンピオンの称号を持ってる。
 伝説のポケモンであろうと、そう簡単に負けるもんか!行け、ヘラクロス!」
「あたしも戦う!出ておいで、エンペルト!」

…その考えもまた、甘かった。
カイオーガの圧倒的な力の前に、次々手持ちがやられていく。
ヒカリはすべてのポケモンが戦闘不能になり、目の前が真っ暗になって気絶している。
ユウキの最後に残された、エースポケモンであるバシャーモももはや満身創痍。
「く、…もう、だめだ…
 この崩れゆく洞窟とともに、俺は…」
カイオーガが大きく息を吸い込む。とどめのハイドロポンプを放つために。
バシャーモは立っているだけで精いっぱい。もはや、かわす力すら、残っていなかった。
(…終わった…)


「ウッドハンマァー!!」
突然、岩に封鎖された入口が爆発した。
「なんだ!?」
そこから、緑色の塊のようなものが、カイオーガに突っ込んでいく。
「ギシャアアアアッ!」
不意を突かれ、カイオーガは水面から沈んでいく。
「あれは…ドダイトス!まさか…」
「よお、ユウキさん、相当苦戦されてたみたいで。」
「なんてパワーだ…入口ごとカイオーガを吹っ飛ばすとは…」
「僕だってチャンピオンなんですよ。僕のポケモンだって、強い!
 …ヒ、ヒカリ!?」
ヒカリが倒れているのに気付く。

「…ポケモンをすべて失って気絶しているだけか。それなら…」
モンスターボールを手渡す。
ヒカリ自身のポケモンでなければ意味がないが、幸いヒカリが案内役として送っていたトゲキッスがいた。
「う…うーん…」
「お、起きたか、ヒカリ!」
「コ、コウキ?」
「助けに来たよ。ごめんな、こんな目に合わせて…」
「コ、コウキぃ…」
目が涙ぐんでいる。コウキに会えたことが、コウキが助けてきてくれた事が相当うれしいようだ。
コウキの背中に腕をまわし、抱きつくヒカリ。

513:>>509コウキ×ヒカリ 第6弾・4/5
08/10/04 23:20:38 FmPdbK6c
「ハルカ…」
「だ、大丈夫ですか!?」
「お、俺は恐怖に体が動いてないだけだ。ダメージを受けているのは、バシャーモの方だ。」
「もう大丈夫です。わたしが、ユウキさんを助けるかも!」
「へっ…新米トレーナーに助けられるようじゃ、ポケモンチャンピオンとしておしまいだな…」

洞窟が崩れ始めた。
「キノガッサ、コウキを背負って!」
「ヒカリ、僕の背中に乗って。」
ドダイトスがぶち抜いた入口から脱出する。
全力で走り続ける。

「そういやあさ、ヒカリ。ダイビングの秘伝マシン渡されても、俺バッジ持ってないんだけど。
 バッジを持ってなければ、ポケモンは非戦闘時に秘伝技を使えないからな。」
「え…」
「よーするに、ダイビングのマシン渡されても、それだけじゃどうあがいても来れないの!
 まったく、肝心な事を見逃してる…」
「ご、ごめん…
 でも、じゃあどうやってここに来たの?」
「ポケモンは非戦闘時に秘伝技を使えない…
 一見逃れようのない難点だが、このルールには盲点があったのさ。」
ヒカリは首をかしげる。

「逆を言えば、非戦闘時に秘伝技を使えないのは、ポケモンだってこと。」
「そ、そうか!」
「そう。ポケモンは、ね。ポケモンが使えないなら、僕たち人間が使えばいい!
 バトルアーマーで僕自身が使うのは、このルールの限りではない!」
「コウキ、海底洞窟の入口に戻ってきたかも!」
「よし、ギャラドス、戦闘不能状態で悪いが、もう一仕事ダイビングを頼む!」
「秘伝マシン8、ダイビング発動!」
ユウキとハルカはギャラドスで、コウキはヒカリを抱いてダイビングで海底洞窟を脱出した。

514:>>509コウキ×ヒカリ 第6弾・4/5
08/10/04 23:22:34 FmPdbK6c
とりあえず水深3cmの海(と言うより陸地同然だが)に足をつける。
コウキとハルカはともかく、一度意識を失っていたヒカリはもはや体力の限界で立てる余力はない。
ユウキも立っているのがやっとである。
「カイオーガをなんとかせにゃならんが、とりあえずヒカリを安全な場所へ避難させるのが先決だな。」
「あ、あたしは…だ、大丈夫だから…
 仮にだめでも、ほっといたって、あたしは…」
「はいはい、今まで何度そういう事を聞いたやら。
 そういう思いやりは、全然思いやりじゃないって事は何度も言ってるだろ。」
そう、ホウエンが沈もうが、ヒカリさえそばに入れればそれでいい。
乱暴な考え方だが、これがコウキと言う少年の信念。
口調からしてもその考え方からしても、コウキは若干覚醒状態に入っているのであろう。

「俺たちにとっては大事な故郷なんだが。」
「そうですか、俺にとっては故郷はシンオウなんでね。
 水底に沈むだけならまだましですよ、水底に沈む建物とか、あなたたちが生きた証拠は残るんですから。
 僕たちのシンオウ地方は、空間そのものが崩壊しかけたんですからね。」
(い、言ってる意味がさっぱりわからないかも…)
「ただ1つ言えることは、あの時のパルキアの目とカイオーガの目が、違う事。
 ありゃあ対峙して収まるようなもんじゃないな、実力で何とかしないと。」
パルキアとも、ヒードランとも、コウキは戦っていない。
戦って勝てる相手かどうかは微妙だったが、コウキは伝説のポケモンと戦ったことはない。

「しかし、いよいよ戦う時が来たか…満身創痍のヒカリやユウキさんには、無茶なことだ。
 …でも、ヒカリはついてきたいんだろ。」
「うん…何度も何度も、あたしの事そっちのけで無茶してきたから…
 それを許してきたのは、その時そばにいたからだもん。
 あたしがいないところで、危険なことして、心配させないで。」
「つーわけでユウキさん。ハルカを連れて、ルネまで来て下さい。
 おそらく元凶はあそこかと。ほら、雨雲の渦の中心はちょうどルネ上空にあります。」
ユウキは何も言わずにうなずき、もう一度ギャラドスを出して波乗りを指令。
ハルカと一緒に先にルネへと向かった。

コウキはヒカリを抱えあげる。
「さて、僕たちも行こうか、ヒカリ。…?」
「ん…ここんとこエッチどころか、キスもしてなかったでしょ?」
そっと唇を奪うヒカリ。
キスをし終えるとコウキはビーダルを出して、ヒカリを抱えたまま波乗りでルネに急行。

515:>>509コウキ×ヒカリ 第6弾・4/5
08/10/04 23:25:15 FmPdbK6c
「こ、これは…」
ユウキが一足先にダイビングでルネに到着。
水上に上がるやいなや、彼が見たのはカイオーガが暴れ狂っている姿だった。
「ギシャアアアアアッ!」
「まずい!」
「君は…ユウキくん!早くこっちに!」
カイオーガのハイドロポンプを辛うじてギャラドスはかわす。
ユウキの姿をみて陸地に上がるように言った人物―ルネジムのリーダー、ミクリの指示通りに、
大急ぎで上陸しギャラドスを戻す。

「…酷いですね…」
「ああ、そういえばユウキくん、きみの体もガタガタじゃないか。」
「ユウキさん、さっき海底洞窟でカイオーガと戦ってたのかも…」
「何?じゃあ、戦える状況じゃないな…ポケモンセンターに避難するんだ!」
「…わかりました。」
(あれ?チャンピオンのユウキくんだったら、この場合戦うとか言い出すと思ったんだが…
 素直に言う事を聞いてくれたのはいが、ちょっと様子が変だな。)
今の自分のこの状態では、何もできないことをユウキは悟っていた。
そしてもう1人のチャンピオン、コウキに全てを賭ける覚悟をしていた。

ハルカにコウキの事を聞いたミクリは、
「となると、ユウキくんはもうコウキくんにすべてを託すことにしたわけか。
 …早く到着してくれ…」
ミクリの手持ちも実は全滅していた。ポケモンセンターで回復してもらっているが、まだ治りきっていない。
そうこうしている間にも、カイオーガのハイドロポンプが町を破壊していく。
家は激しい水圧で穴が開けられ、低地に生えている木は大波で流され、
ルネ市民はほぼ全員、位置的な関係でハイドロポンプが命中しないゆえに安全なポケモンセンターに避難している。

「…来た!コウキ!」
そして、水面からようやくコウキが顔を出した。
「ビーダルごくろうさん!さあ、あともう一息だ、ハルカのいる岸まで上がってくれ!」
「あの男の人は?」
「写真で見た事がある、確かルネジムのジムリーダーだったはずだ。」
シンオウにもミクリの名が知れ渡っていたおかげで、コウキもミクリの事は知っていた。
だが今はそれどころではない。
「君がコウキくんだね?」
「はい!ここは俺がやれるだけやってみます!」
「今の僕は足手まといだ、君を信じて、避難しておくよ。彼女たちも連れていくね。」
「いえ、結構です。ヒカリもハルカも、俺のそばに置いておきます。」
ミクリが少し驚く。
彼女たちの実力がどの程度か分からないが、そばに置いておいたらそれこそ足手まといになるはず。
だが、コウキは何か考えを持っているのだろう、そういいきかせてミクリはその場を去っていった。
その際、コウキに頼まれて同時に3人の荷物も預かった。

「…さあて、どうするか。とりあえずカイオーガは怒っている。
 今にも俺たちにハイドロポンプをふっかけてきそうだ…」
「やっぱり、戦うしか無いの?」
「…そうみてえだな、ヒカリ。俺も今回は最初から全開で言った方がいい見てえだ…」
守るの技マシンを差し込む、伝説のポケモンともなると、バトルアーマーの攻撃技が効くはずもないからだ。
今回はポケモンを信じて戦うのみ。
だが、優しい心を残して戦って勝てる相手ではない。コウキの瞳は赤くなり、覚醒状態に入っていた。
(もう、これでコウキは、カイオーガに対して容赦はしない…)
「お前を眠りから起こしたのは俺たち人間だ、悪いと思っている。
 だがな、その報復にしちゃやりすぎだ。てめえをぶっつぶす!」
開口一番、ドダイトスをボールから出す。
ドダイトスが背中からカイオーガに突進。

516:>>509コウキ×ヒカリ 第6弾・4/5
08/10/04 23:27:48 FmPdbK6c
「ウッドハンマー!」
見事に命中。この攻撃が効かないはずがない。
よろけるが、すぐさま体勢を立て直し、ハイドロポンプを撃つ。
「ドダイトス、よけ…え?」
なんとカイオーガがハイドロポンプを放ったのは、コウキの方だった。
「まずい、守るだ!」
バトルアーマーがバリアを張る。
とりあえず防いだが、カイオーガはこちらへを向かってきた。
「俺たちを狙っているんならそっちのほうが好都合だ、ドダイトス、背後からウッドハンマー!」

これも決まる、背後から不意を突かれて体勢を崩す。
だが、それでもカイオーガはコウキ達に向かって進んでくる。
(どう言う事だ?狙いは人間である俺たちなのか…?
 守はもう使えない、かわすしか無いか…)
「ギシャアアアアアアッ!」
「何!?冷凍ビームが使えるのか!」
予想外の攻撃に、避けることを忘れていた。
コウキとハルカに直撃する。だが、直撃したのは、足だった。

「くそ、足を凍らされて、氷が地面にくっついてるんじゃ、動けねえ…」
「つ、冷たいかも…」
「コウキ!」
ヒカリだけは冷凍ビームが当たらなかった。…いや、カイオーガが、当てなかった。
「くそ、カイオーガの狙いは、やっぱり俺…!?」
カイオーガの目線は、自分の方を向いていない。コウキはそう感じ取った。
カイオーガが目を向けている先は…
「ま、まさか、カイオーガは最初からヒカリが狙いだったのか!?」
カイオーガがヒカリに冷凍ビームを放つ。
反応が遅れ、ヒカリの頭部以外が凍りついた。
(まずい、あの野郎ヒカリを!)
今度はヒカリの腹部に水鉄砲を浴びせる。なぜかものすごく弱い水鉄砲。
そして、ヒカリを覆っていた氷が、水鉄砲によってパキンと割れていく…

…冷凍ビームによって人間がカチカチ固まる事はない。
恒温動物である以上、温度調節機能があり、それが細胞を凍らせることを許さない。
だが、彼女の体を覆っていた、衣服だけは別だった。

「な!?」
「きゃああああああっ!」
ヒカリを覆っていた氷が割れるとともに、カチカチになった衣服も、一緒に割れてバラバラになった。
衣服の残骸がヒカリの足元に落ちていき、…ヒカリは、裸にさせられた。
「ギシャアアアアアアッ!」
カイオーガはなおもヒカリに向かって進んでいく。
「…てめえ…俺のヒカリに、絶対に許さねえ!ドダイトス!ウッドハンマー!」
三度命中。
3度目とも不意打ちでしかも頭部、さらに効果抜群の草タイプ最強クラスの技ともなれば、
さしものカイオーガも水面から沈んでゆく。

「倒れたんだろうが、戦闘不能になったぐらいじゃ俺は攻撃をやめたりはしねえぞ!カイオーガ!
 例えお前が死のうとも、生き返らせてでも何回でも殺してやる!
 ドダイトス戻れ!レントラー!水面に向かって雷を落とせ!」
雷を落とす。
水は電気をよく通す。大ダメージは必至だろう。戦闘不能どころか、本当に命を落とす可能性がある。
だが、大好きなヒカリをこんな目に合わせたカイオーガに対してなら、
覚醒状態に入った残忍なコウキはなんでもやるだろう。
「レントラー!もう1度…」

517:>>509コウキ×ヒカリ 第6弾・4/5
08/10/04 23:28:48 FmPdbK6c
(…やめなさい、コウキ。)
「誰だ?俺にやめろを指示したのは。」
ヒカリの方を向く。ヒカリは胸と陰部を抑えながらその場に座り込んでいる。
「え?あたしじゃないよ。やめてほしいけど、コウキはもう止められないもの…」
(わたしですよ、と言っても、あなたは私の事を知りませんものねえ…)
カイオーガが浮上してくる。
あれだけのダメージを喰らっても、まだ体力が残っているとでも言うのだろうか。

(カイオーガは気絶している。だから、わたしがカイオーガの体を乗っ取って、あなたに話しているんですよ。)
カイオーガがしゃべっている。
だが瞳の輝きがおかしい。本当に誰かに操られているようだ。
「誰だ、お前は。」
(ずっと、あなたの事を見てきた者です。
 あなたがエムリットと会って話していたことも見てましたよ。)
「どう言う事だ。」
(ヒカリとあなたは、本来、10歳の時にジュンとシンジこに言った時に初めて会った、そうでしたね。)
「…。」
(でもエムリットは、それより前に1度、あなたたち2人が出会ったと言っている。
 おかしいと思いませんか?)
「…。」
そういえば、以前そんな話もした。
だが、ヒカリと会ったのは、確かに10歳の時、それより前に会った覚えは、本当に無い。
その時だった。

(わたしがあなたたちの記憶を、消したんですよ。)
「!
 おまえは誰だ!」
(さあ、私にもわかりません、本来わたしは目に見えない虚無の存在。
 だから誰かと話すときには必ず誰かの体を借りないといけないのです。)
「どう言う事だ、記憶を消したというのは!」
(…あなたの心の奥底に、強力な悪魔のパワーがあったのです。
 そしてあなたの想い人、ヒカリには、全てを包み込む、大いなる天使のパワーがあったのです。)
自分の覚醒状態、
それは生まれ持った悪魔のパワーとでもいいたいのだろうか。

(その2つのパワーを持ったあなたたちを見ていました。シンジこからね。
 ずっと、その素晴らしいパワーを…
 特にあなたの、コウキのその悪魔のパワーを覚醒させすべて解き放てば、
 この世は悪に満ちたすばらしい混沌の世界となる…)
「よーするにあんたは俺の力を利用して、世界を変えようとしたいのね。ギンガ団とまるで変わらねえな。
 で?なんで俺とヒカリがあった記憶を消さなきゃならねえんだ?」
(簡単なことです。あなたたちが知りあって友達に、恋人になって一緒に毎日のように遊んだら、
 その天使のパワーに悪魔のパワーが包み込まれ中和されてしまう。
 そうなれば、あなたの中から悪魔のパワーが消えてしまうではありませんか。)
言っている意味はなんとなくわかっていた。コウキには。
ヒカリもハルカも、ただ唖然と聞いていることしかできなかった。
(わたしにとって邪魔な天使のパワー。
 コウキの悪魔のパワーと同じ天使のパワーを持っているのは、ヒカリ、あなただけなんですよ。)
「あたし…だけ…」
(つまり、悪魔のパワーを覚醒させたい私にとっての唯一の邪魔もの、それがあなたなんです、ヒカリ。
 でもわたしは優しいですから、まだ小さい少女を殺すような真似はしませんでした。
 その代わりに、天使のパワーが悪魔のパワーに出会わないように記憶を消したのです。)

なにかどんどん話がとんでもない方向に行っている。


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