ファイアーエムブレム&ティアサガ第30章at EROPARO
ファイアーエムブレム&ティアサガ第30章 - 暇つぶし2ch400:名無しさん@ピンキー
08/08/22 21:36:28 lSPcFOWW
四日目氏がスタイルのいいおにゃのこにされるとな

401:名無しさん@ピンキー
08/08/24 12:24:35 8GiLyff4
誰一人として死なせはしない

402:名無しさん@ピンキー
08/08/24 12:41:29 B5SSu4Ml
ちとSS書けないのでネタ投下

URLリンク(jp.youtube.com)

背景のセリフがちゃんと本編に対応してるのがワロタ

403:名無しさん@ピンキー
08/08/27 14:54:29 AcgYKW4x
( ^ω^)

404:名無しさん@ピンキー
08/08/27 15:06:44 ZnK+JJgi
リ、リリーナの、お、おまんこ、き、きつ、い、、、うう

405:名無しさん@ピンキー
08/08/29 07:00:45 qWu5Xhk3
保守

406:名無しさん@ピンキー
08/08/30 03:53:53 CXAaffN+
シーダにパイズリして欲しい

407:名無しさん@ピンキー
08/08/30 18:59:07 1HftDze+
ここに投下するのは初めてなんですが、ミシェイルとマリアでギャグっぽいエロSSを思いついたので
投下してみようと思ってます。
紋章1部以降が完全ネタバレなんですが、問題ないでしょうか?


408:名無しさん@ピンキー
08/08/30 20:08:56 Dth1AKEW
注意書きしてあれば大丈夫だと思うよ

409:名無しさん@ピンキー
08/08/30 20:53:54 QQAXC0d9
ここは攻略スレどころかどっぷりはまってる人しかいないからネタバレは気にしなくて良い

410:407
08/08/30 21:20:04 1HftDze+
407です。
レスありがとうございます。
早速投下します。


ミシェイルとマリアのギャグっぽいエロSSを投下します。
注意書き
・近親
・紋章の謎1部のその後ネタバレ
・キャラ(特にミシェイル)崩壊

平気な方だけ続きをどうぞお読みください。


**********************************************************************


ここは、とあるマケドニアの森。
その森にひっそりと人知れず立つ小屋があった。
マケドニア城の戦いで、ミネルバ王女に最後に強烈な1撃を加えられ、戦闘不能になったミシェイルは飛竜と共にマケドニアの深い山中に消えて行った。
その行方を真剣な面持ちでとらえていたマリア王女が実はこっそりとミシェイルの身体を探し出し、その小屋へと運んだのだ。

「っ、、、っく、、、神様、、、どうか、、、ミシェイルにいさまをお救いください、、、」
あらかたの治療をほどこしても兄の瞳が開くことも、その手足が動くこともなかった。
兄の様子を見ると消え入りそうな呼吸をしている他は、全身土気色に染まっている。
体温を計るため手で兄の身体に触れてみた。
おそろしいほど冷たく、今にも死んでしまいそうだ。

(、、、どうしよう、、、このままだと、おにいさまが死んじゃうかも。あたためないと。)
焦りから小さく可愛らしい唇をきゅっと噛んで必死に暖を取れそうなものを探す。
が、何も見つからなかった。
そうこうしている内にも兄の身体からは体温が奪われ冷たくなっていく。
死神がすぐそこまで迫っているように思えた。

(ああ、、、だめだわ、、、この方法しかないわ、、、
 ちょっと恥ずかしいけど、にいさま気絶してるし、非常事態ですものね、、、)
そう決意するとマリア王女は自分が着ている服を全て脱いで、近くに置いてある箱のうえにのせた。
まだ幼さを残しながらも膨らみ始めた胸と腰はなだらかなカーブを描いている。
治療のため何も身につけていない兄の左手の上にゆっくりと、その身体をのせ、抱きつくと自分の上に毛布をかけた。

あとは運を天に任せるだけだ。
再び、祈りはじめると、生まれてからこれまでの兄との思い出が蘇って来て自然と涙がこぼれた。
昔は優しかった兄、その兄がドルーアの使者が来てから別人のようになっていったのを思い出していた。
もう一度兄と姉と自分の3人が笑いあい、些細なことで喧嘩しあいながら平和に暮らす日、そんな未来が当たり前になることに希望を残して、
兄の規則的な鼓動の音を聞きながら、眠りに落ちていった。


411:407
08/08/30 21:35:12 1HftDze+
続きです。

*********************************************************************************

一方のミシェイルはこの世とあの世の境で彷徨っていた。
夢の中にでもいるように、さきほどから同じ場面ばかりを繰り返している。

場所はマケドニアの王城。
父親で当時国王だったオズモンドを殺した場面だ。
父王を殺した後、妹のマリアの部屋へ行き、ドルーアの人質となるよう説得しようと思うのだが、一向に廊下が終わらない。
この城のこの廊下はこんなにも長かっただろうか。
終わらない悪夢のようにいつまでも暗い廊下が続いている。
気がつくと、辺りの気温までもが低くなって来ている。
呼吸をするのも苦しいほどの寒気がまとわりついて離れない。
早くこの廊下を抜けて、暖かい妹の部屋へと向かわなければと焦りが生じる。

(、、、寒い、、、ここは何て寒さなんだ、、、、早く、、、早く、、、マリアの部屋へ行かないと、、、、)

だがそんな思いとは裏腹に身体は重くなり、意識は黒ずんでくる。
寒さのせいで瞼は落ち、視界がだんだん悪くなる。
そのうえ、歩けなくなり、ついにその場に倒れてしまう。
手で這って進もうとするほどにまでなるが、それも長くは続かず、やがて意識を失ってしまった。

「俺はここで死ぬのか?」
気絶する瞬間、誰に対してでもなくそう呟いた。

だいぶ長い時間が過ぎたような気がした。
どうやら眠っていたようだ。

(、、、、夢、、、、なのか?、、、、)

さきほどまであった寒さはなく、代わりに何か重たいものが乗っているようで、身体が動かなかった。
胸が息苦しい。
ひどく汗をかいたようで、喉も渇いていた。
思い切って、目を開けると、飛び込んで来たのは王城の冷たい石の天井ではなく、木でできたみすぼらしい天井だった。
木と木の間から夜空の星と月が見えた。
あの廊下でもなければ、マリアの部屋でも、父王の部屋でもないようだ。




412:407
08/08/30 21:39:27 1HftDze+
途中ですが、すみません。
前半はここまでで、後半はまた明日投下します。

413:名無しさん@ピンキー
08/08/31 00:20:19 StbpT2My
事情があって途切れたならともかく、もし書きながら投下してるんだったら、
まずはメモ帳なり何なりで一度全て書き上げてから、コピペで一気に投下した方がいい。
それと『、、、』は『……(三点リーダー)』を使った方が読みやすい。
内容はとりあえず、後半を期待して待ってると言ったところかな。頑張れ。

414:名無しさん@ピンキー
08/08/31 06:28:45 XuuM2CcC
,,,

415:407
08/08/31 15:01:24 8qVTFBoD
コメントありがとうございます。
参考になりました。
これからまた昨日の続きを投下します。

416:407
08/08/31 15:04:03 8qVTFBoD
以下続きです。

**********************************************************************

夢からさめきっていない頭では状況がまったくつかめない。
(……?……どこだ、ここは。
 なんで俺はこんなところにいるんだ??)

とにかくも場所を確認しようと上半身を起こそうとするが、動かない。
不審に思って、視線だけを下にやって絶句した。

(……!!!……マ、マリア……?……)

確かに自分の胸の上にはマリアの頭があるのだが、服を着ていないうえに、記憶よりだいぶ成長していた。
あまりの衝撃に思考が停止したが、しばらくすると、色々な出来事が思い出されてきた。
マリアの顔をもう一度見ると、赤い長い睫毛が濡れ、泣いた後があった。

(……そうか、俺はこいつに助けられたんだな。)
妹への感謝と安心感、愛おしさ、罪悪感等が入り混じった感情が湧き上がり、珍しく涙腺がゆるんだ。
しばらく感情の渦に捉われていたが、なんとかそれを理性で押し戻し、マリアの身体をどかそうと身体の位置を把握する。
左腕には完全にマリアの身体がのっかっている。
しかも、ちょうど上腕部には柔らかいものがあたっていた。
そう、マリアの膨らみはじめた胸と乳首がくっついているのだ。
その感触に少し変な気分になりそうになったが、そんな考えを打ち消し、どかしやすそうな右足に触れた。
しかし、間が悪いことに、触れたところは太ももで、驚くほど柔らかかった。

ゴクリ。

妹とはいえ、成長まっさかりの美少女の裸身が密着した状態でそこにあるのだ。
本能的に更に上のほうを触ってみたくなってしまったとして不思議ではない。
触ってる途中でマリアが目を覚ますんじゃないかという緊張と興奮で心臓が口から飛び出そうだった。
おそるおそるマリアの柔らかく白いヒップに触れてみる。

それは天使が舞い降りたんじゃないかというぐらいの柔らかさと滑らかさだった。

(……ずいぶん成長したんだな……)

不思議な歓喜を覚えながら、しばらく感触を楽しんでいた。
すると今度はミシェイルの股間がむくむくと成長していった。



417:407
08/08/31 15:06:21 8qVTFBoD
やがて、身体の色んなところに違和感を覚えたマリアが目をさます。

「……ぅ…ぅうん?……なにかあたって…」

その声を聞いて、ミシェイルはそれまで色んなところを触っていた手を反射的にひっこめ、気絶しているフリを決め込む。
目をさましたマリアはちょこんとミシェイルの上に座ると、眠そうに目をこすりながら周囲と自分の身体を見回した。

(……??……なにかが身体に触れていたような気がしたけど………虫かしら?)

マリアがそんな呑気な疑問を感じている一方でミシェイルは驚きでそれどころではなかった。

(……ふぅ~~。あぶない、あぶない。
 あとちょっとで俺は大切な妹に人間失格の烙印を押されるところだった。)

どうやらマリアに気がつかれなかったようだ。

マリアはマリアで、兄の様子を見て、身体全体がほのかに赤みがかっていたため安心していた。

(よかった……にいさま、少し元気になられたみたい。)

そんな感想を抱くと同時に自分の股間の下に違和感をおぼえた。

「……いゃぁ!……なにかしら?!……なにか当たってる!」
そう叫び声をあげながらマリアが反射的に腰を浮かすと、下からミシェイルの股間のモノが勢いよく飛び出してきた。

(がああああああああああ!!!)
ミシェイルも心の中で声にならない叫びをあげていた。

(こんなことなら……死んでいたほうがよかったかもしれない。
 いや、そんなことよりも今起きて誤魔化すほうがいいのか、それとも気絶していたほうがいいのか、それが問題だ。
 あああ……くそっ。どうしたらいいんだ、俺は。)

しばらくの間ぐるぐるとそんな自問自答が続いていたのだが、彼の耳に飛び込んで来たマリアの次の言葉で、気絶しているほうを選ぶことにしたのだ。

「ど…どうしよう。
 なんで?身体をあたためるまえは、ここはこんなんじゃなかったのに。
 こんなに腫れてるなんて……ここも具合が悪いっていうことのかしら………。」

(そ…そうだよな……。
 まだ幼い、男性経験のないマリアが気がつくわけないよな。
 とりあえず、よかったな、俺。)

しかし次にマリアがどんな行動に出るか気になったため、うっすら目を開けて様子を窺った。


418:407
08/08/31 15:11:23 8qVTFBoD
すると、おろおろした必死な表情でマリアは壁に立てかけてあったリカバーの杖を手に戻って来たのだ。

(……なに?!…ま……待て……そこはどこも怪我してないのに、そんなものを使ったら……大変なことに……)
そう未だかつてそんな部分にリカバーの杖を使った者はいなかったし、聞いたこともなかった。
起き上がって止めようと思ったものの、瀕死の状態から回復したばかりで少し上体を起こしただけで激痛が走った。

(う、動けん……。くっ、こんな大事な時に。)

おそるおそるマリアのほうを見ると杖から白い大量の光が放たれているところだった。
そんな経験は初めてなのだが、股間がほわあんと温かくなったと思ったら次の瞬間そこに一気に血液が集まり出した。

(うお。これはちょっと………さすがに……まずい、まずいぞ)

「あれえ?ますます大きく腫れてきちゃったみたいだわ。どうしよう……。」

なにかの怪我でそこが腫れていると勘違いしているマリアはますます動揺し、他の処置を少ない経験の中から引き出そうと必死だった。
そこで昔、自分に仕えていた侍女が蜂に刺された時に腕を一生懸命舐めていたのを思い出した。
もう一度リカバーを壁に戻すと、兄の腹の上に四つん這いになり、小さな舌でちろちろと舐め始める。

それはミシェイルにとっては信じられないほどの快感だった。
リカバーをかけられたせいで股間は少し触れられただけで達してしまいそうに膨張しているのだ。
マリアの舌が当たった瞬間の衝撃は半端なく、それまできつく閉じていた目を開け、思わず視線をそちらに向ける。

(な……んだと?!)

目を開けた瞬間、飛び込んで来たのは妹の露になった、幼い下半身だった。
マリアの頭は自分の股間にあり、下半身は目の前にあるという、一歩間違えばかなり美味しい体勢になっていた。
負傷していなくて自由に身体が動けば一線を越えてしまっていたかもしれない。

実際、今、目の前にある妹の白い割れ目とそこから覗く桃色の柔肉は、王宮育ちということもあるせいなのか、とても綺麗だった。
触れたい、舐めたい、いれたい。
それが本音の部分なのだが、必死に看病してくれている妹に嫌われてしまう恐怖のほうが強く、その淫靡な光景を触れることなく見るだけに徹した。
空想の世界で淫らな遊びを繰り広げ、恍惚としはじめると、ほどなくして妹の舌だけで絶頂へと登りつめてしまった。

「きゃぁ……やだぁ……変な白い膿が出てきちゃった………くさぁい。」

妹のそんな言葉で現実に引き戻されたのだが、その後しばらくは起きないほうがいいだろうと判断して、気持ちよく再び眠りについた。
目覚めたらマリアに言っておきたいことがたくさんできた。
その後、目を覚まして感動の対面をすませた後、ここであったことを誰にも言わないようにきつく念を押したのは言うまでもないことだった。








419:407
08/08/31 15:13:00 8qVTFBoD
以上で完結です。
読んでくださった方ありがとうございます。

420:名無しさん@ピンキー
08/08/31 15:24:34 4ZWn0dT8
乙だけど少し言うと、三点リーダーは2個連続のものを使うのが普通「……」
そして「?」と「!」の後ににスペースを入れるといい
括弧内の語尾にはいらないけど

421:名無しさん@ピンキー
08/08/31 21:45:22 w5bnrVMb
三点リーダってナカグロにならんから困る。
(シタグロ三点にしかならん)

422:名無しさん@ピンキー
08/08/31 23:16:35 JXVNzHYH
リカバーで元気になる股間にワロタ

423:名無しさん@ピンキー
08/09/01 19:27:23 fRpSLuht
マリアがミシェイルに、
両足を膝から切断されて、両手の指を切断されて犬手グローブを縫い付けられ、
頭にも犬耳を縫い付ける。痛いだろうなぁ。脚を切られ、指を切られ、手と頭に縫いつけられる。
それから犬として飼う。首輪を付けて犬プレイ、外にお散歩、
本物の犬と性交されたり、野犬の群れに放たれて肉を食べられたりして、
妊娠してお腹が大きくなったら、「丈夫な子が生まれるように」お腹に蹴りを鍛える。
出産間近になったら、両手両足を縛って野外放置。破水がはじまって、「産まれる!生まれる!」と悲鳴をあげても無視。

そんな感じのラブラブハッピー萌え希望

424:名無しさん@ピンキー
08/09/01 21:08:02 4Cl7mRql
リボンが好みそうなネタだ
ミシェイルがミネルバを拷問してるやつならクリムゾン先生がかいてたなー

425:4+?日目 1/13
08/09/01 21:30:48 yU7JO58X
 ナバタの里に照りつける強い日差しに、ようやくロイは目を覚ました。ベッドの上で大きく伸びをした彼は、
すぐ隣で少女のような寝息を立てて眠っているイグレーヌを起こさないように、そっと寝台を降りる。1年ぶり
のイグレーヌとの交わりは、最初から激しい勢いで相手を求め合い、やがてむさぼり合うような凄まじさとなっ
て、二人をひとつに融かしあった。ロイは服を手にする前にもう一度背伸びして、そこでふと自分の肩に残る情
交の名残に気づいて苦笑する。苛烈なロイの突き上げに喘ぎ泣くイグレーヌが、歓喜の悲鳴をこらえるために必
死に噛んでいた痕をそっと撫でて、ロイはゆっくりと衣服を身につけ始めた。

 あの戦いから1年。ロイは妻達―リリーナ、セシリア、ソフィーヤ、スー、シャニー、ララム、ウェンディ、
キャスの8人―と共にフェレに戻り、昼はリキア連合の復興に精を出し、朝と夕方と夜は愛する妻達の子宮や
顔や胸に精を出す毎日を送っていた。そして1年、ようやく戦後の混乱も落ち着いたので、あたらめて妻達と共
に、新婚旅行を兼ねた大陸視察の旅に出たのである。ナバタは、旅の最後の目的地だった。
 旅の途中、共に戦った仲間達のその後を知ることもできた。男性陣の消息はよく知らないが、女性について言
えば、ドロシーはサウルの玩具として奉仕しているそうで、ユーノは相変わらず夫の体液を搾り取りまくりの毎
日、ティトとクラリーネはクレインと3P三昧で、ニイメはヨーデルと「合体して130歳プレイ」に明け暮れ
る日々を送っているとか聞いている。
 ロイは静かに上着を着けながら、残りの女性について思いを巡らせた。西の方で未開の地を開拓しているエキ
ドナにはここに来る前に会っ(てあの硬めの胸で挟んでもらった)たし、剣術修行で各地を旅しているフィルと
は何故かよく遭遇(して肉で出来た剣の稽古を)する。ベルンを訪問した時などは、ギネヴィア女王陛下以下の
ベルン組に、それはもう熱烈濃厚な歓迎を受けたものだ……。
 そして、とロイは部屋を出る前にイグレーヌの寝顔を見た。あの戦いの後、ロイはイグレーヌに告白した。僕
と一緒にフェレに来て、そして結婚して欲しい。イグレーヌは半分断り、半分承諾した。自分はナバタの里の守
り手としての務めを全うしなければならず、他所の地で暮らすことはできない。でも、貴方の心の妻になること
はできる……ロイはうなずいて、永遠の愛を誓った。そして2日前、1年ぶりにナバタを訪れたロイを出迎えた
時の、彼女の顔に浮かんだ表情は忘れられない。それから昨夜までの間、ほとんど会話らしい会話をしていなか
ったが、あの表情とその後ほとんど不眠不休で繰り広げられた情熱的な交わりが、どんな言葉よりも雄弁に二人
の気持ちを物語っていた。
 ロイは音を立てずにイグレーヌの家を出ると、長老の館を目指してナバタの里の乾いた道を歩き始めた。長老
の館には、ロイの8人の妻達が泊っている(夫とイグレーヌの逢瀬を邪魔しないようにと気を遣ったのだ)から、
長老には改めてお礼がしたかった。それにあの館には、1年ぶりに再会したい女性が2人いる。ファと、かつて
の「暗闇の巫女」・イドゥンだ。

426:4+?日目 2/13
08/09/01 21:31:21 yU7JO58X
「……しかし、驚きましたな。美しい奥方が8人、それも年上から年下、巨乳から洗濯板までよりどりとは」
 ひとしきり挨拶を交わした後、里の長老は率直に驚きを口にした。ロイはちょっとはにかんで、自分の首筋を
撫でた。
「まあ、最初の頃は苦労しましたが……でもみんな、僕の大事な人達ですから」
 戦いを終えてフェレへ帰還する途上、ロイはその「大事な人達」から次々に求婚された。プロポースの言葉も
態度も皆それぞれだったが、彼を真剣に愛しているという点では同じである。考えあぐねたロイは、結論が出な
いまま彼女達をフェレに連れ帰り、父・エリウッドに相談を持ちかけた。しばらく見ない間にすっかり血色を取
り戻し別人のように元気になっていたエリウッドは、成長した息子の悩みにきっぱりと答えた。
「みんなと結婚すればいいと思うよ」
 かくして、ロイはイグレーヌとは別に、8人の妻を迎えることになったのだ。
 自分の他に7人の恋敵と同居することになった妻達は、共に激しい戦乱を戦い抜いてきた仲間だったせいもあ
り、当初は何かと互いに遠慮していた。だが、やがてロイの気持ちと身体を巡っていさかいが起きることは目に
見えている。一触即発の微妙な空気を察したロイは、先手を打って荒療治に出た。自分の寝室に妻達を集め、彼
女達の正直な気持ちを問いただしたのだ。
「そんなの、決まってるでしょ!? みんなあんたを独り占めしたい、他のコはみんなライバルなんだって思っ
てるのよ!」
 胸の底に秘めていた自分の気持ちを正直に叫んだのは、キャスだった。そして(程度の差こそあれ)そう思っ
ているのが彼女だけでないことは、誰も反論しないことからも明らかだ。ロイは一同を見まわしながら、切々と
説き始めた。
「ライバル、か……ライバルという言葉は、古語のrivalis、すなわち『小川』から来ている……ひとつの水源
を巡って、人々が争う様子が語源なんだ」
 8人の美女たちは、互いに顔を見合わせる。ロイは構わず続け、続けながら服を脱いでいった。
「でも、小川はやがて水を集めて大河となり、ついには海へと至る。海は何者をも受け入れるからあんなに大き
い……そして大きいから、誰も海を取り合おうなんて思わないんだ」
 ロイは下着姿のままベッドの上に立ち上がって、愛する妻達一人一人の顔に視線をそそぐ。彼が何をいいたい
か、彼女達はようやく理解しようとしていた。
「僕もいつか…争いを招くような小さな川じゃなくて、大きな海になりたいと思う。だから……君たちみンなが
必要なンだ!!」
 全裸になったロイはベッドの上で両手を広げた。その胸に、妻達が飛び込んできた。

「ほほう……それですっかり円満に、ということですか」
「はい。つまるところ、実際に全員を満足させることが可能かどうかより、全員を満足させることができる状態
を作ることが大切なんだと気づいたんです。もちろん、身体の満足ではなく心の満足という意味ですが。今では
みんな、お互いに愛し合っています」
「まるで小池一夫せンせのような超展開ですなぁガハハハハハハハハハハハ」
 長老は豪快に笑ったが、やがてその笑顔を収めて、ロイに本題に入るよう促した。
「……それで、いかがですか? お預けした女性の様子は……」
「心を奪う術は解いたのじゃが……」
 預けた女性とは、無論イドゥンのことだ。かつて人と竜が争った際、彼女は人の子に対抗するために心を奪わ
れ、ただひたすらに戦闘竜を作り出すことを命じられた。そして、1年前のあの戦いの時も。その最後の戦いで、
彼女に憐憫の情を催したロイは、封印の剣で彼女の命を奪うことなく倒し、ついでに肉の剣でその呪われた能力
を封じたのだった。

427:4+?日目 3/13
08/09/01 21:31:55 yU7JO58X
「……やはり、元に戻るという訳にはいきませんでしたか……」
「ファが外に連れ出したりしておるが、自ら進んでは何もしようとはせぬ。このままではひきこもり、行き着く
先は実況民じゃ。先日発売されたリメイク版のアレでも、練成したハンマーに『マラ6』と名前を付けてみたり、
新キャラの女弓兵を見て『ノルンで射精の描写マダー?』などとつぶやいたり……もう立派な教育実況民となりつ
つあるわい。もはや手遅れかもしれん」
 そこまで言った長老は、ロイの表情に気づくと、努めて明るい口調に切り替えた。
「だがのう、わしらは感謝しておるのじゃ。彼女はもう、忌まわしい戦いに利用されることもない。魔竜となっ
て戦闘竜を生み出すなど、あってはならんのじゃ……あの娘に代わって、お礼いたしますぞ」
「いえ、そんな……」
「……戦闘竜というのはの、あれも呪われた存在なのじゃ。かつて『剣を極めし者』の出現コマンドが公開さ
れた直後、世の中に『茶色い竜』が大量に発生したことがあってのう……」
「茶色い竜、ですか?」
「うむ。そして茶色の竜が生まれるたびに『入力間違えたぞ金返せ』『うわこいつ出すの失敗してやがんのププッ』
といった怨念や侮蔑の負の感情が生まれた。そうした『茶色い竜』に対する恨みが凝り固まり、巫女によって
形を与えられたのが戦闘竜じゃ。あのようなものを作り出す力など……」
「そ、そうでしたか……」
「わしらもつぐないの意味も込めて、あの娘が『心』を取り戻せるよう全力を尽くすつもりじゃ」
「……よろしくお願いします」
「せめて、感情が動いたという『きざし』があればよいのじゃがの。泣くとか、笑うとか……」

 長老の元を辞したロイは、ファに挨拶しようと思い立ち、彼女の部屋を訪れた。が、どうもイドゥンを連れて
早朝の散歩に出たらしく不在だったため、踵を返して妻達が泊っている離れの様子を伺いに行った。もうみんな
起きているかなと思ってそっと扉を開けると、彼女達は額を集めて何か真剣に話し込んでる。ロイは扉の隙間か
らそっと聞き耳を立てた。どうやら、リメイク版のアレを見ているらしい。
「……ここです……ロイ様が、食い入るように……見ていたのは……」
「ああ、やっぱり。ロイったら、本当にお尻が好きなんだから……」
 ソフィーヤの指摘に、リリーナがうなずいた。どうやら数日前、リメイク版のアレのOPのヒロイン(のお尻)
を凝視していたのがバレていたらしい。それは確かにあの腰のラインは大好きだけど、とロイが心の中で反論し
ていると、セシリアが立ち上がって一同に言った。
「という訳で、今回のテーマは『魅力的なヒップラインを作る』よ。これまでロイが喜ぶお尻と言えば、リリー
ナとウェンディの2強独占状態でしたが、決して大きくないシーダのお尻でも十分いけるということが判明しま
した。そこで……」
 セシリアは言葉を切ると、隣に座っていたシャニーをいきなり押し倒した。
「ひゃっ!?」
「……天馬騎士のヒップラインを徹底調教、でなくて、研究することにします。いいこと? シャニー」
「ちょ、そん、な……あっ!!」
 甘い声をあげて抵抗するシャニーの腕を、ララムとスーが押さえつけた。同時に、キャスとセシリアが慣れた
手つきで服を剥ぎ取る。たちまち、シャニーの白い下半身があらわになった。
(…………)
 妻達が仲良くやっている事を確認したロイは、無言でその場を立ち去った。

428:4+?日目 4/13
08/09/01 21:32:27 yU7JO58X
「あ! ロイお兄ちゃん!!」
 イグレーヌの所に引き返そうかファの部屋で待つか考えていたロイは、聞き覚えのある声にはっと顔を上げた。
「ファじゃないか! 久し振りだね」
 廊下を走ってきた竜の少女を抱きとめたロイは、彼女の頭をくしゃくしゃと撫でて再会を喜び合った。
「ねーねー、ファ、おっきくなった?」
「うん、ちょっと重……背が伸びたね」
「本当? わーい」
 ロイは無邪気に喜ぶファを床に下ろすと、しゃがんで彼女の目を見つめた。
「そう言えば、イドゥンお姉さんはどうしてるの?」
「あ! お兄ちゃん、ファのお部屋に来て! さっきお姉ちゃんがね、笑ったの!」
 思いがけない吉報に、ロイは大きく目を見開いた。それはつまり、さっき長老が口にした「きざし」があった
ということではないか……!
「すぐ行こう。イドゥンお姉さんは、ファの部屋にいるんだね?」
「うん!」
 ファはにっこり微笑んで、とてとて走り出した。ロイは大股でその後に続きながら、重ねて尋ねた。
「笑った、って言ったよね? どうして笑ったの?」
「えっとね、さっきお姉ちゃんと二人で、お外でお散歩してたの。お外のいろいろなもののお名前とか、教えて
てね、ほら、里の入るところに生えてる木があるよね? あそこで……」
 一刻も早くイドゥンの顔が見たいロイは、前を駆けるファとの歩幅の差がもどかしく、つい彼女を追い抜いた。
その背を、ファの声が追う。
「木になってた実のことを教えたくって、木をゆすったの。そしたら木の実が落ちてきて、ファのおててに当た
っちゃった。そしたらお姉ちゃんが、『くすっ』って笑ったの!」
 その光景を想像して、ロイも思わず噴き出した。それにしても、イドゥンの笑顔というのはどんな感じなんだ
ろう……ファの部屋まであと少しのところで、ロイはふと考えた。が、それも彼女に会えば分かる。ロイはどき
どきしながら最後の数歩を歩いて、ドアのノブに手をかけた。
「だからね、もーっとお姉ちゃんに笑ってほしいから、ロイお兄ちゃんにも手つだってほしいの!」
「うん、いいよ。僕に……」
 ロイは扉を押しあけた。彼の目が、部屋の窓際に置かれた寝台の上に端坐する人影を捉えた瞬間、
「できるこっ」
 上から落ちてきたタライが頭頂部を直撃した。気を失う寸前、彼はその人影が確かに笑うのを見た……

429:4+?日目 5/13
08/09/01 21:32:58 yU7JO58X
「……う……」
 下腹部を襲う温かく柔らかな感触に、ロイは意識を取り戻した。頭部に疼痛が残ってはいたものの、それは問
題ではない。問題なのは、ベッドに仰向けに寝かされている彼の衣服を、濃紺のローブをまとった女性が脱がせ
ようとしていることだ。すでに彼の上半身は裸に剥かれ、今まさに残りの部分も露わにされようとしている。
「…………!!」
「あ、お兄ちゃんが気がついた!」
 ロイの枕元に座っていたファがうれしそうに叫ぶと、ロイのズボンに手をかけていたその女性が顔を上げた。
切れ長の落ち着いた眼に、淡い紫の流麗な髪、透き通るような白い肌のその美女は、言うまでもなくかつての
「暗闇の巫女」・イドゥンである。フードに覆われていない彼女の顔を、陽光の下、それもこんなに間近で見る
のは初めてだが……
「あ……えっ…と……」
 おはよう? 久し振り? かけるべき言葉が見当たらず途方に暮れるロイの瞳を、イドゥンはじっと見つめて
いる。左右で色が異なる彼女の双眸に見つめられ、ロイはどぎまぎして視線を反らした。すると彼女は、無言で
彼のズボンをずり下ろそうと指先に力を込める。
「い、いや、そうじゃなくって……」
 あわてて上体を起こし、腰を引くロイ。しかし引いた弾みで、下着ごと脱げてしまう。
「あっ」
「…………すごい……エレクチオン……」
 目の前に突き出されたロイの勃起に対するイドゥンの第一声がそれだった。ファがイドゥンにどんなことを教
えていたかは分からないが、単に木や風の名前を教えるだけでは物足りなかったらしい。あわてて隠そうとする
ロイの手を、ファの幼い手が止めた。
「ロイお兄ちゃん、イドゥンお姉ちゃんが『心』とりもどすの、手伝ってくれないの?」
 ファはロイの肩に身体を寄せ付けてきた。少年は、霞がかった表情でこちらを見上げるイドゥンと、いたずら
っぽく微笑んでいるファを交互に見比べた。
「……ねえ、ファ。こういう事で、イドゥンお姉ちゃんの『心』が戻るの……?」
「うん! だってだって、お姉ちゃんがしたいって言ったんだよ!」
「!?」
 驚くロイの視線を、イドゥンは優しく受け止めた。心なしか、その口元が微かにほころんでいるように見える。
彼女は無言のまま身体をにじらせ、ロイにその肉体を押しつけてきた。高まる感情に対して、何をどうしていい
のか分からないといった感じだ。もっとも、どうしていいか分からないのはロイも同じだったが。
「まだだめだよ、お姉ちゃん」
 ロイの胸にしなだれかかろうとするイドゥンを、ファが押しとどめた。安堵と軽い失望が混じった溜息をつく
ロイだったが、次の瞬間、その息を再び飲み込んだ。イドゥンの背後に回ったファが、濃紺のローブに覆われた
イドゥンの胸をむにゅりと揉んだのだ。

430:4+?日目 6/13
08/09/01 21:33:29 yU7JO58X
「んっ……」
 ゆったりした布地の上からもはっきりと見てとれる豊かな膨らみが、小さな少女の手で弄ばれている。固唾を
飲んで見守るロイに見せつけるように、ファはローブの裾に手を伸ばした。
「ねえお兄ちゃん。竜の弱いところって、知ってる?」
 質問の意味を測りかねて黙り込むロイに構わず、ファはイドゥンのローブの裾をたくし上げ始めた。白い太も
もが露わになって、ロイはあわてて目をそらす。
「むかしね、ビシカって男の子が、王様にかわいがられてたんだって」
「……男の子が? 王様に? 女王様じゃなくって?」
「うん」
「あっー……」
「どのくらい愛されてたかっていうとね、ビシカが勝手に王様の馬車を使ってお母さんのお見舞いに行っても、
『親孝行だね』って許されるくらい。あと、王様の桃を半分食べちゃっても『半分残してくれるのか』って喜ば
れるくらい」
「…………」
「でもね、ビシカが大人になって王様に愛されなくなるとね、王様は『こやつは昔勝手にわしの馬車を使った。
あと食いかけの桃をよこしおった』って怒ったの。ビシカのしたことは同じなのに、愛されてる時は気に入られ
て、そうでない時は怒られるなんて、ひどいよねー」
 なるほど示唆に富む話だ、とロイは素直に感心した。しかし……
「……今の状況と、どういう関係があるのかな……?」
「大事なのは、えらいの人に意見したりする時は、自分が相手にどう思われてるかちゃんと調べてからじゃない
とだめだってことなんだよ」
 しかし、ロイの耳には半分も届いていなかった。上に挙げたイドゥン両手から濃紺の布の塊が抜け落ちて、一
糸もまとわぬ美しい裸形が彼の目の前にさらけだされているのだ。
 眩しいほど白い肌は、部屋に差し込む陽光でしっとりと輝いている。困惑なのか羞恥なのか、整った眉をほん
のわずかにひそめていたが、それがえもいわれぬ色気を醸し出していた。長い髪が肩に流れ、その下には素晴ら
しいボリュームの胸が丸く厚く張り出している。胴はあくまで細くくびれているが、ロイの片足を跨いでいる腰
のまわりのふくらみといったら……
「ああぅうっ!!」
 突然の悲鳴に、ロイはびくっと目を上げた。明らかにイドゥンの声、それもかなり「感じて」いる嬌声だが、
彼はまだ何もしていない。ファが彼女の鎖骨の間を撫でたようだが、それだけであんなとろける様な悲鳴を上げ
るだろうか?

431:4+?日目 7/13
08/09/01 21:34:04 yU7JO58X
 そんなロイの内心を見透かしたように、ファはにっこりほほ笑んだ。
「竜にはね、のどの下に、逆さに生えたうろこがあるんだよ。これに触ると、すぐにイっちゃって大変なの。え
らい人に意見する時は、この『げきりん』に触らないようにできれば合格っていうのが、このお話の……」
 だがその時ロイの意識は、まだ甘美な刺激の余韻に浸って頬を染めているイドゥンに釘付けになっていた。彼
は何かに導かれるように手を伸ばし、イドゥンのほっそりした首のすぐ下、両の鎖骨の間を、おそるおそる指先
で触れてみた。羽毛で触れるよりも軽く触ったつもりだったが、
「っ!!」
 びくんとイドゥンの身体が跳ねる。演技でも何でもなく、本当に感じてしまっているのだ。と、ロイは自分の
脚に熱く濡れたものが滴り落ちたのに気づいた。まさかと思ったが、どうやらイドゥンの秘裂から漏れ出した女
の欲望の証らしい。
「……ロイの、お兄ちゃん……」
 思いもかけない呼びかけに、ロイはどきりとしてイドゥンの目を見た。先程までは何の感情も読み取れなかっ
た彼女の瞳が、熱にうかされたように潤んで、真白な頬にはほんのりと赤みがさしている。これまでの人形の
ような彼女とは全く別の生き物がそこにいた。
 ロイは覚悟を決めると、上体を起こして両腕を彼女の背に回す。が、その前に一言言っておく必要があった。
「あの……イドゥン? その、ロイお兄ちゃん、っていうのは、ちょっと……」
 ファがそう言っているからだろうが、見た目も実年齢も自分より年上の女性に兄呼ばわりされるのはどうにも
くすぐったい気がする。妻達ともそういうプレイをしたことがあった(キャスは本当に妹みたいで可愛かったし、
普段お姉さんポジションのリリーナにお兄ちゃんと呼ばせるのは快感。シャニーやララムはあんまりいつもと変
わらない気がしたが、ソフィーヤとスーとウェンディに兄と呼ばれるのは新鮮だった)が、セシリアに「お兄様」
と呼ばれた時のことを思い出すと……
「……なら、ロイ……?」
「うん、それでいいよ」
 ロイはイドゥンを抱きよせながら微笑むと、ちゅっと音を立てて彼女の唇を吸った。イドゥンはさからわず、
少年の背におずおずと腕を回す。ロイは彼女の柔らかな腕の感触を感じながら、そのまま何度か軽いキスを繰り
返し、いきなり舌を挿入して彼女の口腔を舐め始めた。イドゥンはわずかに肩を震わせたが、ロイが彼女の背中
を静かに撫でさすってやると、やがてふるえも治まった。
「ん……んふ、う……」
 じんわりと温めるようにイドゥンを愛撫していたロイは、キスの合間に彼女が漏らす切なげな喘ぎに耳を傾け
ながら、そろそろ一気に責めようと心を決めた。女の唇を離れた彼の口と舌は、滑らかな頬を、美しいおとがい
を、か細い首筋を丹念に愛撫していく。そしていよいよ「逆鱗」に触れようとしたその時、イドゥンがはっと身
体を引き離した。
「だめ。先に、ロイに…気持ちよくなって欲しいから」
「え……」
 ロイは強引に鎖骨の間の急所にキスしようとしたが、イドゥンの方が一瞬早かった。彼女はロイをベッドに押
し倒すと、身体を密着させたまま足の方へとずり下がっていく。豊かな乳房の柔らかな感触と、尖った乳首の固
い感触が、ロイの抵抗を封じた。

432:4+?日目 8/13
08/09/01 21:34:37 yU7JO58X
「イ、イドゥン……」
「……んっ……」
 ロイの腰まで身体を這わせたイドゥンは、少年が予想というか期待したとおり、その大きな胸乳で屹立したも
のを挟み込んだ。むにゅっとした感触が、ロイの本体を包み込む。
「うっ……ううっ!!」
 まといつくような柔らかい感触だけでも十分気持ちいいというのに、イドゥンはさらに両手を乳房に添えて力
を込めた。適度な弾力が加わって、ロイの本体は心地よく圧迫される。少年の太ももと腰が快楽に震えるのを感
じたイドゥンは、重たい肉果を上下に揺らして本格的にロイをしごき始めた。弾力に満ちた肉の圧力で揉み潰す
かと思うと、ふにゅっと柔らかく包み込む。絶妙な力加減に上下の動きが加わり、ロイはたちまち絶頂に向かっ
て突き上げられていく。
「……ふ、あ、くっ……うっ…………」
「気持ち、いい……?」
 深く柔らかい谷間に勃起を挟み込んだまま、イドゥンは上目遣いにロイを見上げる。うかつに口を開くとそれ
だけで達しそうになっているロイは、かくかくと首を縦に動かしてかろうじて問いに応えたが、イドゥンはそん
な少年の反応に、小さく、だがはっきりと微笑んだ。
「あ…………う、あっ!!」
 砂漠のオアシスの水辺に咲く小さな花のような楚々とした笑みに、ロイは不覚にも心を奪われた。こみ上げる
快感を必死にこらえていた何かが弾け飛んで、少年は呻き声とともに射精する。柔肉の谷間が、たちまち白い奔
流であふれた。
「あっ……あつ…い……」
 自分の胸に挟んだものが脈打ちながら熱い液体を吐き出す感触に、イドゥンは困惑したように眉をひそめた。
その妖しさを含んだ憂い顔に、ロイの胸はかぁっと熱くなる。だが、彼がイドゥンを抱き寄せようとした途端、
「う、ひゃうっ!!!」
 まだ完全に射精し終えていない彼のものを、イドゥンが口に含み、間髪入れずに強く吸い始めた。敏感になっ
ている先端を容赦なく舌先でえぐり、頬をすぼめてまた強烈に吸いつける。ほとんど音がしないくらいの激しい
吸い上げ方だった。
「やっ、だ、だめ、そ、こっ…………うああ、あっ!!」
 ほとんど苦痛と紙一重の激烈な快感に、ロイは泣きそうな声で悲鳴を上げる。が、イドゥンは責めの手を緩め
るどころか、その細い指で少年の肉幹の筋をつっとなぞり、さらには袋まで優しく撫で始めた。おそらくはファ
に教えられたであろう濃密な愛撫で、清楚な巫女は確実にロイを絶頂の淵へと導いていった。
「だ、め……でる、またいくっ…………っっ!!」
「………ぷぶっ………じゅぽっ……」
 先端のくびれにイドゥンの唇が引っ掛かった瞬間、初めて音が漏れる。そのいやらしい湿った音と、最も敏感
な部分への刺激に、ロイは耐えられなかった。

433:4+?日目 9/13
08/09/01 21:35:18 yU7JO58X
「~~~~~ッ!!」
 立て続けの射精に、ロイは首をのけぞらせて快楽に耐える。しかし呻き声を押し殺しても、ほとばしる白濁液
の勢いは止まらない。
「んぶっ!! む…ぉ、う…………ぷはっ……」
 すさまじい勢いで次々と吐き出される熱い精液を、イドゥンは口で受け止めきれなかった。が、一度は口を離
しながらも、再び脈打つ肉剣を咥え直し、ロイの欲望を懸命に嚥下する。
「……ふ、あ……イ、ドゥン……」
 ロイは首だけもたげて、自分の股間に顔を埋めている竜族の美女を見た。ロイの上半分を含んだ口の端からは、
唾液と精液の混じった白い液体が幾筋も流れ出している。ロイの太腿の上で潰れている彼女の胸は、さっき放っ
た精液でいまだに白く汚れていた。
「……!! も、もうだめだよ!!」
 イドゥンが再び口の中のものを吸い始めようとしたので、ロイはあわてて上体を起こし、イドゥンの頭を両手
で掴んだ。ぢゅぽ、と音を立てて勃起を引き抜いたイドゥンの口の端から、白く粘性のある液体が糸を引いて垂
れ落ちる。
「もう……十分、気持ちよかったから……」
 ロイは呼吸を落ちつかせながら、イドゥンのか細い肩を抱き寄せる。女は抵抗せずにロイの胸の中に抱き込ま
れたが、白く汚れたおとがいを反らせて、何か言いたげにロイを見上げていた。
「…………っと……」
「…………?」
「……もっと……欲しい……」
 そうささやきかけるイドゥンの口の端から、重い粘液の塊がどろりと流れ落ちる。小さく開いた唇の隙間から、
彼女の舌―先端から付け根まで白い濁液に覆われている―がちらりとのぞく。
「……っ!!」
 あまりにも淫靡な光景に、ロイは思わず我を忘れた。乱暴にイドゥンを抱き締めると、身体を入れ替えて彼女
の上に馬乗りになる。
「あっ……」
「イドゥン……君も、気持ちよくしてあげるから…………っ!!」
 ロイは上ずった声で叫ぶと、彼女の胸を鷲掴みにした。仰向けになってもなお丸く高く天を衝くその胸の感触
を指先で堪能しつつ、いまだにへばり付いていた白い体液を塗り拡げる。そしてその双丘の狭間に、己自身をあ
てがった。
「んっ………………あ、うあァっ!!」
 ロイのものを胸で挟んで愛撫しようとしたイドゥンは、とんでもない悲鳴を上げた。ロイはただ胸でしごいて
もらおうとしたのではない。勃起の先端で、彼女の「逆鱗」の部分を突いたのだ。

434:4+?日目 10/13
08/09/01 21:35:54 yU7JO58X
「やっ、あ、あハぅううっ!! だ、めぇっ、やめっ…………いやあああっ!!」
「……嫌なの? 本当に?」
 ちょっと意地悪い口調で、ロイは自分の下で悶え狂う美女にささやいた。さっき立て続けに2度もいかされた
お返しの意味もある。手のひらで盛り上がった柔肉を揉みこみ、指先で薔薇色の乳首をこりこりつまんで刺激す
る。そして彼女の胸肉を犯すように激しく腰を前後させ、肉剣の切っ先で喉の下の逆鱗をめった刺しにするのだ。
「やっ、めぇ……うああ、ふはぁぁあ!! お、ねが、い……ああっ、ああっ!!」
 ロイの先端から滲みだした透明な液体が、イドゥンの最も敏感な部分を濡らす。ロイは彼女の胸を、乳首を刺
激しながら、さまざまに角度を変えて胸への責めを加え続けた。
「んんうう、あっ、あぁーーーーーーーーっ!! ああ、んっ…………ぐ、は……うっ!!」
 悶えるという表現そのままに、イドゥンは白い肢体をくねらせ、凄まじい快感の渦に巻き込まれまいと必死に
首を振る。しかしその行為はかえって予想外の角度から逆鱗を突かせることになり、ますます彼女を絶頂の頂へ
と追い込んでいく。
 切れ長の目が官能のうねりにヒクつき、可憐な唇からは言葉にならない喘ぎが漏れる。そこにいるのは、「心」
を失くした哀れな巫女ではない。まぎれもなく、生けるものの本能に従って愛の悦楽を享受する一人の女だった。
「っ……そ、ろそろ、い、くよ…………」
 よがり狂う美女の痴態に、ロイは不覚なほどの興奮を覚えて胸をときめかせた。乳房を掴む手に力を込め、腰
を激しく前後させ、執拗なまでに彼女の胸と逆鱗を責め上げる。同時に、自分が3度目の絶頂に向かって登りつ
めていくのをはっきり知覚していた。
「くぅんん、んんんんっ!! うああ、ああ―――ッ!!」
「い、く…………いくよっ!!」
 イドゥンが背をのけ反らせて絶頂の悦びを叫ぶのと同時に、ロイもまた達した。たぎりたった白い濁流が、音
を立てて女のおとがいから首筋、そして鎖骨の間を襲う。
「ふ、ひゃあああああああああ!! うぉううう、うぶっ…………!!」
 最も感じる逆鱗の部分に、男の熱い欲望の証を浴びせかけられて、イドゥンはぎくんぎくんと上体を波打たせ
た。そのはずみで、胸に挟んだままの勃起の角度が変わってしまい、放出された白濁液がイドゥンの顔めがけて
飛び散る。特に大きな塊が、彼女の唇にべったり貼り付いた。
「……むっ……ぐぷっ…………ぶはっ」
 絶頂のうねりに全身をふるわせながら、イドゥンは恍惚としてロイの射精を受け止め続ける。喘ぐ口元に降り
そそいだ白濁が、唇の間を垂れ落ちて、白い前歯をさらに白く汚す。口からあふれた粘液が、太く糸を引いて美
しい頬を流れ落ち、シーツの上に乱れ散る薄紫色の髪に吸い込まれていく。彼女が苦しげに軽く咳き込むと、白
い飛沫が口元から飛散した。

435:4+?日目 11/13
08/09/01 21:36:30 yU7JO58X
「……イドゥン……きれいだ……」
 ロイは肩で息をしながら、眼下の凄艶な光景を見下ろしてつぶやいた。そしてようやく射精の勢いが衰えたも
のをイドゥンの胸の谷間から引き抜くと、先端を逆鱗の部分にあてがって、最後の残滓をそこになすりつける。
もう喘ぐ気力も残っていないイドゥンは、小さく眉をひそめて、うわ言のような呻きを発しただけだったが、突
然大きく2度全身を痙攣させると、ぐったりと動かなくなった。
 彼女にまたがっていたロイは、腰を浮かせて脇に退き、激しい情交の跡を見下ろした。ベッドの上のイドゥン
は、白い肌に汗をにじませ、力なく放心している。その肌も、胸や鎖骨、首筋から口元のあたりは、おびただし
い白濁液でぬめぬめと妖しい光沢を放っていた。そして形よくふくらんだ腰のまわりは、彼女の汗と、別な体液
とで、しとどに濡れつくしている。
「…………」
 立て続けに3回も放出したというのに、ロイのそれはまたいきり立ち始めた。確かに、肝心の行為をしないま
ま終わる気は無かったが、あまりにも節操が無さすぎる……
 そう反省した時、薄目を開けたイドゥンと目が合った。色の違う左右の瞳は、以前は何の感情も映さない無機
質な氷の塊だった。しかし今の彼女の瞳には、穏やかな光と、妖しい情欲の炎が、ひそやかに息づいている。
「……あたたかい……とても……」
 伸ばしたイドゥンの手が、そばに座るロイの膝に触れた。ロイはその手に自分の手を重ね、無言で指を絡める。
「あたたかい……?」
「そう。私の……ここが」
 イドゥンはロイの手を取り、自分の胸に導いた。厚い胸の奥の拍動が、ロイの手に伝わってくる。彼女が自分
の気持ちに気づいたこと、それをこういう風に伝えられるようになったことが、ロイにはうれしかった。彼はイ
ドゥンの胸に手を置いたまま、その傍らに寄り添う。二人はそのまましばらく見つめ合っていたが、やがてどち
らからともなく身体を動かした。イドゥンが身体を起こし、ロイが仰向けになる。まったく自然に、イドゥンは
ロイの上に跨った。
「僕のを……自分で入れてみてくれるかい?」
「……は、い……」
 あの困惑したように眉をひそめる表情を浮かべながら、イドゥンは小さくうなずく。1年前、彼女の力を封じ
るために交わった時は、上に覆いかぶさって半ば犯すような感じで挿入したが、今は何もかもが反対だった。
「……んっ……んんっ!!」
 ロイのものに手を添え、己の濡れた秘裂に導く彼女は、挿れる寸前で大きく息を整えた。そして、ロイが驚く
ほどの勢いで、一気に腰を落とした。
「……っ!!!」
 ゆっくり挿入しようとしたら、こちらから激しく突き上げてやろうと待ち構えていたロイだったが、逆に奇襲
を食らう形となった。彼の本体は、熱く濡れた肉孔の奥まで、じゅぶじゅぶと呑み込まれる。そのくせ、締め付
け方は全く容赦がない。さっき3回も放出していたおかげで射精は免れたが、もし事前に出していなかったら、
間違いなく一瞬で達してしまっていただろう。

436:4+?日目 12/13
08/09/01 21:37:01 yU7JO58X
「んんっ……うっ、ふ……ふふっ」
 ロイははっと目を上げた。屹立したものを根元まで咥え込んだイドゥンが、頬を上気させつつ、笑っている。
つつましくも明るい、上品な微笑だった。
「……え……何が……」
「だって、ロイの顔……ほら」
 声には出さずにくすくす笑った彼女は、重く実った腰を浮かせた。そして引き抜く寸前まで持ち上げた腰を、
打ちつけるように一気に落とす。ぶじゅっと品の無い音を鳴らして、ロイのものが膣奥まで呑み込まれる。
「はうっ!!」
「……んっ……!! そ、う……すごく……気持ちよさそう……ぅうんっ」
 気持ちよさに喘ぐロイの顔を見下ろしつつ、イドゥンはうれしそうに腰を揺らした。ロイの腰骨のあたりで
彼女の柔らかな尻肉が跳ね、秘唇から漏れ出した愛液が勃起の根元まで滴る。ロイの恍惚の表情を見るのが余
程うれしいのか、イドゥンの腰の動きはどんどん速く大きくなっていく。
「くっ、はっ……そ、そんな……に、うごいた、ら…………あ、あうっ!!」
「んっ、ふあ、ロイの、あンッ、ひくひく……して、る……」
 汗で濡れたイドゥンの肩に、乱れた長い髪がへばりつく。まだ先刻の情交の名残で白く汚れているバストが、
腰の動きに合わせてぶるんぶるんと飛び跳ねていた。かつての人形のような状態の彼女からは想像もできない
程、今の彼女は女の悦びを堪能している。その悦びを与えているのは自分なのだと思うと、ロイはうれしさと
誇らしさで一層興奮した。
「あふっ!! あ、あァァァっ!! ひ、くっ…………あっ!!」
 ロイはイドゥンの腰に手を伸ばし、弾む尻肉をむにゅっと鷲掴みにした。と同時に、これまで一方的にしご
かれていた肉剣で反撃するべく、ズンと腰を突き上げる。ロイの本体に貼り付いていた肉襞の一枚一枚が、予
想外の動きにもかかわらずぴったりと絡み付いてきて、あやうくロイは射精してしまうところだったが、子宮
の入口を突かれたイドゥンは、それ以上の刺激に耐えねばならなかった。
「んああーーーっ、あ、あっ!! ひっ、ああ!! あはぁ!!」
 肌と肌がぶつかり合い、粘膜同士が擦れ合って、二人を高みに押し上げていく。膣内をかき回すロイの本体
の動きにイドゥンが悶えて身をよじると、膣壁がうねって勃起をねじるように絞り込む。たまらずロイが腰を
がくがく震わせると、その動きがまたイドゥンを狂わせる。
「う、はううっ!! いい、ロ、イ…………もう、も…いっ、ああっ!!」
「ぼく、も…………いく、だすよっ、くうっ!」
 彼女の花弁の端にある敏感な肉の蕾が、ロイの下腹部で擦られる。少年の肉剣が、根元から先端のくびれま
で、熱く湿った柔襞できゅうきゅうとしごき立てられる。ロイは、弾むイドゥンのお尻をぎゅっと掴むと、力
まかせに自分の腰に打ち付けた。

437:4+?日目 13/13
08/09/01 21:37:57 yU7JO58X
「ああっ、うあああぁ――――ッッ!!!!」
 イドゥンが絶頂に達し、呻き声に近い悲鳴をあげて全身をぶるぶる震わせた。悩ましく、なまなましい情欲
の呻きが、尾を引いて部屋中に響き渡る。身体の奥からほとばしり出たようなその喘ぎを聞きながら、ロイは
痙攣する膣奥深くに精を放った。
 うねる肉壺にたっぷりと白濁液を注ぎ込まれ、イドゥンは裏返った声でまた絶叫した。彼女のヒップを掴む
ロイの手に、大きく不規則なふるえが伝わってくる。ロイは歯を食いしばって快感に耐えながら、目の前で泣
き叫ぶ美女の胎内に射精し続けた。
「ううううう、あぐうう……ううっ…………あ…………」
 何度も背を反らせ、髪を振り乱して絶頂の悦びに身体を震わせていたイドゥンが、力尽きて少年の胸の上に
倒れ込んだ。鼻腔をくすぐる髪の匂いが、首筋にかかる切なげな吐息が、厚い胸ごしに伝わる心臓の鼓動が、
汗ばんだぬめやかな肌の感触が、ロイの胸を熱くする。ロイは彼女の背に腕を回すと、優しく抱きしめてキス
をした……

 しばらくの間二人は無言で抱き合って、口づけを交わし、髪を撫で、見つめ合っていた。イドゥンの膣内に
深々と突き刺さっているロイの肉剣はとっくに硬度を取り戻していたが、今は激しい情事の後の余韻を静かに
味わっている。
「おまたせー」
 突然部屋の扉が開き、その静寂が破られた。入ってきたのは、ファだ。イドゥンの逆鱗に触れてからすっか
り忘れていたが、いつの間にか外に出ていたらしい。どこに行って……と言いかけて、ロイは絶句した。イグ
レーヌを含む彼の妻達が、ぞろぞろと部屋に入ってきたのだ。
「あら、まだ抜いてなかった? ごめんなさい、ならあと2回は出来るわね」
 目をしばたたかせるイドゥンに、セシリアは平然とほほ笑んだ。そして他の妻達を促すと、さっさと衣服を
脱ぎ始めた。
「……あ、あの……」
「あのねお兄ちゃん、こういうのはみんなで楽しもうって、ファが連れてきたんだよ」
 見ればファも服を脱ぎ始めている。ロイは救いを求めるようにイグレーヌに視線を送ったが、彼女はちょっ
と困ったような微笑を浮かべただけで、すぐに他の女達に続いた。
「今日は、イドゥンお姉ちゃんがわらった大切な日なの! だからみんなでお祝いしようって言ったら、みん
な来てくれたんだよ!」
「そういう事。とりあえず、もっとしてていいわよ? その間こっちは準備運動してるから。ひととおり終わ
ったら、今度は家族みんなで……ね?」
 裸になったセシリアが、ベッドの端に腰を下ろしながらロイにささやきかけた。その身体に、リリーナが抱
きつく。反対側の端でも、ソフィーヤとイグレーヌがキスし始めていた。
「……家族、か……」
 ロイはつぶやいてイドゥンの目を覗き込んだ。新たにロイの家族に加わった竜の少女は、恥ずかしそうにう
なずくと、小さく腰を揺らし始めた。ロイはその動きに応じながら、妻達に宣言した。
「みんな、ありがとう。今日はイドゥンが心を取り戻して、僕の家族になった大切な日だ。記念に、みんなに
5回、いや7回してあげる」
「わーい」
 スーの胸をしゃぶっていたファが、うれしそうに声をあげた。どうやら彼女も家族入りしたことになってい
たらしい。
「……ごめん、ファも僕の家族になった日でもあるよね……とにかく身体の続く限り、何回でもしよう!」
 ロイの言葉に、部屋中の女達が歓声をあげる。ロイはイドゥンを貫きながら、妻達の愛に包まれる幸福をか
みしめていた……

<完>

438:名無しさん@ピンキー
08/09/01 21:38:50 yU7JO58X
以上で完結です。3年間だらだらと続けてしまいましたが、どうにか完走できたのは、読んでいただいた皆様、
レスを下さった方々のおかげです。
本当にありがとうございました。

あと>>383様、
>>189です


439:名無しさん@ピンキー
08/09/01 21:41:24 e2oDrixd
終わってしまうんだな…乙だ
エロありネタありの楽しい日々やったでぇ…

440:名無しさん@ピンキー
08/09/01 21:51:00 stvIjPk1
イドゥンは巨乳ですと言われてから楽しみにまっていましたw
完結おめでとうございます、そしてGJ!!
貴方は神だったよ。

441:407
08/09/01 22:43:28 EN97XGUW
>>420
なかなかためになるアドバイスありがとうございます
そういう細かいところは注意したことがなかったので助かりました

>>422
ギャグのつもりで書いたので笑っていただけてよかったです

>>423
そこまで猟奇的なのは思いつきませんでしたが、ミシェイルがミネルバをマリアが見ている前で拷問・強姦した上に
殺し、その後マリアまで・・・というような妄想はしたことがあります
本当はもっとえぐい内容なんですがここでは控えさせていただきます

>>4日めさま
ちょっとアレな文を書いておいてなんですが、実は貴方のファンで読んでました
今回のも素晴らしいですね
特にイドゥンの逆鱗のあたりが秀逸だと思いました
これからも素敵な作品を楽しみにしてます



442:名無しさん@ピンキー
08/09/01 22:53:04 cDwN5rio
炎の孕ませフェレ公子ついに完結か…乙でした
豪鬼で不覚にも噴いたw

443:名無しさん@ピンキー
08/09/02 01:35:22 9Hdrnm42


444:名無しさん@ピンキー
08/09/02 10:10:33 gGiKLYdp
三年か…その間何度お世話になったやら…
万感の思いを込めて乙を言わせていただきます!

445:名無しさん@ピンキー
08/09/02 11:42:47 vXWFFsEO
ついに完結か・・・乙でした

446:名無しさん@ピンキー
08/09/02 20:09:07 v6hjnW4V
今のこの気持ち、とても言い表せません…

447:名無しさん@ピンキー
08/09/02 23:21:16 2HMtbwCh
今読み終わりました
何と言うか・・・ああああああああ悲しい
嬉しいけど悲しい
今まで本当にお疲れ様でした

448:名無しさん@ピンキー
08/09/03 08:05:55 Pd/J2rnT
誰一人として死なせはしない

449:名無しさん@ピンキー
08/09/03 09:41:51 PaJrbmKX
新・暗黒竜と光の剣「それだと外伝行けないよ」

450:名無しさん@ピンキー
08/09/03 10:10:32 w8x/FwIF
四日目神の次の新作が待ち遠しいお


451:名無しさん@ピンキー
08/09/03 11:53:21 QqxyvsAy
リアルタイムGJ!
最後のファも家族になるのが感動
きっとこの後、イグレーヌさんのお腹を切り裂いてファを押し込め、またお腹を縫いつける。
イグレーヌさんのお腹に実際に胎児がいたりするとなお萌え。
そして出産。でもファは大きいから、股が裂けちゃう。それでも必死に出産するイグレーヌさん萌え。
どばどばと血を流すイグレーヌさんの股から産まれて『家族』になるファ。素敵ー

452:名無しさん@ピンキー
08/09/03 11:59:37 RFLFPonx
神作者とロイ、おつかれさまでした

453:名無しさん@ピンキー
08/09/04 12:23:30 RbkuMOYq
サジで終わりなのね…

454:名無しさん@ピンキー
08/09/04 18:09:27 O47ZTlXW
バーッと今までの思い出が走馬灯のように…

455:名無しさん@ピンキー
08/09/04 21:38:59 n1IRYFQX
>>451
外伝氏ファン乙

456:名無しさん@ピンキー
08/09/04 22:06:57 ZhtUHHLT
すばらしい ハーレムもの でございました ごちそうさま ▼
ソフィやん は おみやげに いただいていきます ▼

457:名無しさん@ピンキー
08/09/04 22:30:58 yy/580yB
[ソフィーヤ]
あの……イグレーヌさん

[イグレーヌ]
何?

[ソフィーヤ]
その……これは……?
さっき……道で見つけて……つい……めずらしくて……

[イグレーヌ]
見せて
これは……マーラーの交響曲第6番で使う楽器 「ハンマー」ね

[ソフィーヤ]
ま…ら……?

458:名無しさん@ピンキー
08/09/05 02:34:59 DWAh6age
[漆黒の騎士]
ハンマー・・・!?

459:名無しさん@ピンキー
08/09/05 07:39:05 3pqKFkej
[ファ]
よいしょ よいしょ

[イグレーヌ]
!!
ファ あなた……何を持っているの!? 危ないでしょう!

[ファ]
うー……

[イグレーヌ]
これは……ハンマーじゃない
こんな危険な武器 どうしたの?

[ファ]
だって……ファも なにかひいてみたかったんだもん

[イグレーヌ]
弾くって……

[ファ]
エルフィンのお兄ちゃんがね
ファもなにか楽器やりたいって言ったら 
「ハンマー」か「大砲」か「携帯電話」がいいよって言ってくれたの

[イグレーヌ]
…………

[ファ]
でも 大砲も携帯電話もないから
ハンマーでマラ6やろうとしたの

[イグレーヌ]
……いい ファ?
マラ6なんて 5年に一度くらいしかやらないのよ?
しかもハンマーの出番は 第4楽章に2回あるだけなの 

[ファ]
えー……

[イグレーヌ]
そんなに 音楽が好き?

[ファ]
うん!

[イグレーヌ]
なら ホルンを教えてあげるわ
そう 『ばらの騎士』で 射精の描写をする金管楽器よ

[ファ]
わーい

460:人造人間だみゃ~ん ◆1aM01Oi/FM
08/09/05 09:39:09 86YlW/od
>>459
どうせなら尺八を教えてあげればいいのに

461:名無しさん@ピンキー
08/09/06 00:32:25 Y3ZXvXNy
シーダのおっぱい揉みたい

462:名無しさん@ピンキー
08/09/06 15:11:00 w70496U7
>>438
3年間ネタとエロをありがとう!!

463:名無しさん@ピンキー
08/09/06 19:29:42 A85gMMZA
遅くなったけど…
>>438様、お疲れ様でした…よろしければ次回作も期待しております。

464:名無しさん@ピンキー
08/09/07 16:39:30 x3w/nLHi
ごめんなさい、sage忘れました…

465:名無しさん@ピンキー
08/09/08 15:42:42 KbGK+Og8
>>26

さては特撮好きだな!

466:名無しさん@ピンキー
08/09/09 17:22:19 hLj0WNxb
次のエロこないかな~

467:名無しさん@ピンキー
08/09/12 09:41:57 tFy4xQ6x
エフラムとラーチェル希望

468:名無しさん@ピンキー
08/09/12 22:22:16 tsJrXULz
亀だがミシェイルとマリアうけたwww

469:名無しさん@ピンキー
08/09/13 22:30:54 jf/o5CBv
次はミシェイルとミネルバ待ちだな
このカップリングならシリアスな感じがしそう

470:名無しさん@ピンキー
08/09/16 15:19:44 M9GQvbly
ほす

471:名無しさん@ピンキー
08/09/18 22:47:12 qa1zQf6W
ティルテュ物書こうと思うんだけど、相手をレックスとレヴィンで迷ってる。
どっちが好み?

472:名無しさん@ピンキー
08/09/19 00:37:58 Kv+t1/lr
間を取ってアゼル

473:名無しさん@ピンキー
08/09/19 01:29:56 rd9Xe1H3
レックスで頼む

474:名無しさん@ピンキー
08/09/19 01:34:54 HX7IUyNg
個人的にはレックスとの組み合わせが好き

475:名無しさん@ピンキー
08/09/19 02:07:34 5ESbJq/4
スコピオ12歳とかどうよw

476:名無しさん@ピンキー
08/09/19 08:23:26 uXPv1FJT
イシュトー10歳とか

477:名無しさん@ピンキー
08/09/19 11:50:35 eW63V0+K
あいだでアゼルかな

478:名無しさん@ピンキー
08/09/19 13:28:14 h2i+/J7c
クロードなんてどうだろうか

479:名無しさん@ピンキー
08/09/19 16:19:36 RZDWvSFd
レヴィン不人気ふいた

アゼル、クロードは王道過ぎて厳しいのでパス。


レックスで執筆開始するのでちょっと待っててノシ

480:名無しさん@ピンキー
08/09/19 21:58:59 1OpAeUcM
ここはフィン×ティルでどうか?
出会いは一目惚れでその後シレジアにいる間にギシギシアンアンで子供を作るとか
ってもう遅いか・・・


481:名無しさん@ピンキー
08/09/19 23:47:52 rd9Xe1H3
レクティルクル━━(゚∀゚)━━ !!
楽しみにしてます

482:名無しさん@ピンキー
08/09/21 20:27:25 FDpYkrMd
フィンはティルテュと結ばれてもヒルダとの戦いでセリフがない…

483:名無しさん@ピンキー
08/09/21 22:27:38 4gidlCeZ
そうだね
後、親子会話も無いし・・・
息子との会話は無くても娘にはあってもいいと思うが・・・
リメイクされたらその辺の会話を追加して欲しいね

アーサーが力と魔力が上がるからマージナイトになった時は下手なフリーナイトより強い

484:名無しさん@ピンキー
08/09/22 03:05:58 T2jf8B3+
サジかよ

485:名無しさん@ピンキー
08/09/22 13:08:37 JvjvNuue
ダロスwww

486:名無しさん@ピンキー
08/09/22 17:19:23 uL2M5oeB
バーツ

487:名無しさん@ピンキー
08/09/23 03:39:25 L/wSYwq6
レクティルお待ちどう様。
携帯事情により、前編と後編で分けて投下します。
前編はエロなしです、ご了承ください。


※注意※
年齢の話題が出てきますが、当方は公式の年齢(そもそも決まってるのかすら)わからないので、キャラの見た目や口調、扱われ方で適当に決めてます。
服装の話題に関しても同上。
キャラ同士の関係も完全に脳内設定です。

そんな訳で、これおかしくね?っていう箇所が合っても、致命的でなければ見逃してくれると幸い。

488:promise night
08/09/23 03:47:24 L/wSYwq6
その日のティルテュは機嫌が悪かった。


シレジアの女王ラーナの好意により、セイレーン城へ招かれて早1ヶ月。
元来社交的で明るいティルテュは、シグルド軍のメンバーにもすぐに打ち解け、あたたかく受け入れられていた。

無邪気に振る舞うティルテュは誰にでも平等に接していたが、中でもレックスとの仲は、日を追うごとに深まっている。

幼なじみのアゼルほど親しかった訳ではないが、子供の頃からの顔見知りであり、懐かしさからの会話はアゼルにはない新鮮さがあった。


489:promise night2
08/09/23 03:50:22 L/wSYwq6
そして何より、お互いの父親の件が手伝って、2人がお互いを意識し出すのに時間はかからなかったのである。


しかしそのレックスが、ティルテュの眉間にしわを作っている原因なのである。


ティルテュはセイレーン城の自室の窓から、ぼんやりと中庭を見ていた。
すると東棟の出入り口から、見慣れた青い頭がでてきた。

『あ、レックスだ』

窓を開け、声をかけようとした瞬間、彼の斜め後ろに眩しく波打つ金色の頭が見えた。
服装からして双子の姉の方らしい。
2人は何やら談笑しながら、西棟へと歩いて行く。
会話の内容が気になったが、生憎ティルテュのいる自室は3階、聞き取れるはずもなかった。
そうしてる間に2人は西棟へと入ってしまった。

西棟には訓練所がある。
恐らく2人は、訓練所へ向かう途中で出くわしただけなのだろう。
しかしティルテュは何となく面白くなかった。


490:promise night3
08/09/23 03:57:01 L/wSYwq6
気分を晴らそうと部屋を出たティルテュは、女性陣で1番仲のいいシルヴィアの所へ足を向けた。
以前は悩みや相談はクロードかアゼルに話していたのだが、レックスを好きだと思いはじめてからは、他の男と二人きりになるのを避けているのだ。

『私はこんなに一途なのよ、レックスは…どうなのよ』

「ティルテュ公女、どうしたの?なんだかすごい顔してるわよ」

眉間のしわを深くしながら廊下を歩いていると、目の前から声がかかった。

はっとして声の主を見やると、心配そうに顔をのぞき込むエスリンの姿があった。

「あ…大丈夫!ちょっと考え事してたの」

そう言いつつ、慌てて笑顔を見せた。

『そんなに変な顔してたのかな…恥ずかしい』

微かに赤く染まってしまっているであろう頬を、両手で覆いながら、エスリンに別れを告げようとした。
その時、彼女の腕に青い布が乗せられていることに気がついた。

「ああ、これ?」

視線に気がついたエスリンは、笑いながら説明をした。



491:promise night4
08/09/23 03:59:14 L/wSYwq6
「実はこれ、レックス公子のマントなの。食事の時間に外して、そのまま忘れていったみたい。
普通気が付くと思わない?彼ってああ見えて、意外とウッカリしてるのね」

ティルテュは酸欠にでもなったかのような、妙な頭の痺れを感じた。

『仲間なんだから、気にするほどのことじゃないわ。人妻と一緒に食事くらいするわ。
マントを忘れたら、届けて当然だわ。』

「そう言えばティルテュ、レックス公子と仲良いわよね?このマント、返しておいて貰えないかしら」

差し出された、彼の髪と同じ色のマント。

『そう言えば、さっき見た時つけてなかったっけ』

「…ごめんなさい。私ちょっと用事があるの」

エスリンに表情がわからないように、俯いたまま小走りにその場から去った。

「気を利かせたつもりだったんだけど…私何か地雷踏んだかしら?」

残されたエスリンは、ただ首を傾げるばかりだった。




492:promise night5
08/09/23 04:08:12 L/wSYwq6
「ふーん、それで最近そんな顔してたんだ?」

やっとたどり着いたシルヴィアの部屋。
少女達は早くも、恋の話題に火を付けた。

「浮気!…だなんて思わないけど、やっぱり不安になっちゃうよ…」

ティルテュはシルヴィアにもたれ掛かり、本日2桁目の恋の溜め息をついた。
シルヴィアはそんなティルテュの銀色の頭を撫でながら、よしよしと慰めた。

周りからしたら、不安になる要素なんて1つもないレックスの行動。
それが恋の魔力によって、全てが不安に変わってしまっている年上の親友を、シルヴィアはとても可愛く思った。

「なんかもっと、余裕が欲しいな。レックスに対して自信が持てれば…」
「自信ねぇ…」

うーん、と頭を捻りながら、ああでもないこうでもないと歩き回るシルヴィア。
急にピタッと動きが止まり、ソファの上で小さくなっている親友の両肩を掴んだ。

「そうだ、これだわ!こんな簡単な方法があるじゃない!」

「ほ、ほんと!?何々、どうしたらいいの?」



493:promise night6
08/09/23 04:14:12 L/wSYwq6
ティルテュはシルヴィアの手を取り、目を輝かせた。

「エッチすればいいのよ!」

途端にティルテュの目が点になった。
一方シルヴィアは勝ち誇った笑みを浮かべ、熱っぽく語り始めた。

「いい?あんた達のカンケイって、ハッキリ言って子供よ!子供なのよ!
今時エッチもしないで恋人同士なんて通用しないんだから。
心も身体も結ばれて、初めて恋人同士って言えるのよ。」

「で、でも……。」

いきなりエッチしろなどと言われても、ティルテュは戸惑うばかりだった。

レックスとは、キスですら数える程度しかしていない。
同じベッドで夜を明かしたこともあったが、手を握られていただけだった。
ティルテュ自身は異性との行為に興味はあったが、なにしろ全てが未経験。
何もかもがレックス任せなのだ。
そのうち彼から求めて来る…そう考えたまま、結局今日まで処女を守り通している。

「でもじゃないのっ!そんなんじゃ他の人にとられちゃうよ?」

「そ、それは絶対イヤ!」

「だったら今夜決行ね!」

シルヴィアの細い小指が、ティルテュの目の前に差し出された。
一瞬迷って、ティルテュはその指に、自分の小指を絡ませた。

二人の少女は、大きく頷き合った。



後編へ続く

494:名無しさん@ピンキー
08/09/24 00:40:52 WXXmFq+y
レクティルキター
続き楽しみにしてます

495:バアトル×キャス Ⅰ
08/09/24 08:25:46 aVAYHGHV
なんスかこのタイミングは。
……自分も上記のカップリングを前後編に分けて貼らせていただきます。
同じく前編はエロなしです。
キャライメージや世界観の相違などがありましたら申し訳ありません。
御指摘いただけると助かります。
では、貼ります



 エトルリア東端にある廃村・ロクト。
 降りしきる雨、薄闇に落ちた広場で、彼らは対峙していた。
「バアトルさん……」
 不安げで、やや恐怖にそまった表情の少女が、眼前の大男―バアトルの名を呼びかける。
「大丈夫か? キャスよ」
 銀の斧を携えた偉丈夫は、振り返りもせず後方の娘―キャスに声をかけた。
 その双眸には、決意と殺意とが、ないまぜに宿されている。
「……平気よ、バアトルさん」
 むろんそれは、虚勢であるところは否めない。
 だが。この人に弱いと思われたくない、心配かけたくない、そんな思いが、彼女の恐怖をやわらげていた。
「あたしも死ぬ気で戦うから、バアトルさんも……」
「死ぬ気で、などと言うでない……」
 キルソードを構えた華奢な少女の言葉を、バアトルが遮る。
「二人で生きて帰ると言ったではないか」
「けっ、こいつら何意味分かんねーことを囀(さえず)ってやがる」
 バアトルと同じウォーリアの大男が、手斧を突き出しながら吐き捨てた。
「こんな奴ら、さっさとやっちまいましょう。モージさん」
「……そうだな。トールさんの手を煩わせるわけにもいかねえ」
 五人ほどの山賊を筆頭に、頭らしきウォーリア―モージが、バアトル達に立ち塞がった。
 その屈強な男達の姿に、さすがのキャスも身を強張らせながら剣を構えたが。
 彼女の前に佇む逞しい体躯の戦士には、‘畏れ’などというものは無かった。
「……貴様達如き下郎に……後れは取らん!」
 バアトルの怒声とともに振るわれた銀の斧が、雨夜を裂くかのごとく広場に穿音を響き渡らせた―



 二人が廃村・ロクトに赴く十数日前。
 人竜戦役に、幕が降りた。
 戦後処理の真っ最中であったが、大様なロイの計らいで、自ら同盟軍に入った者たちは、自由の身となっていた。
 むろん、バアトルも西方三島の復興に携わろうとしていた、その矢先のことだった。
「バアトルさん……話があるの。聞いて貰えるかな」
 平時の彼女には到底考えられない、しおらしい雰囲気で話しかけられたバアトル。
 それも、二人きりになれた時である。
 ただ事ではなさそうだった。
「わしとそなたの仲だ。遠慮せずに、なんでも話してみるといい」
 こころよく承諾してくれたバアトルに、キャスは安心したようだった。
 意を決して、口を開き始める……
「少し、長くなるわ……」

496:バアトル×キャス Ⅱ
08/09/24 08:26:45 aVAYHGHV
 農村・ロクト。
 サカとリキアに近い、国境沿いにあるキャスの故郷の貧しい村だ。
 運命を変える出来事は、彼女が十二歳の時に起こった。
 ロクトが、戦時によくありがちな、賊の襲撃の憂き目に曝されたのである。
「おいてめえら! ここは今日からこのトールさまの縄張りだ! 死にたくなければ、さっさと此処一帯を焼き払え!」
 トンガリ頭のバーサーカー―トールは、デビルアクスを振り回しながら、小虫を蹂躙するかの如くがなりたてた。
 後方には、いかにも山賊であると全身を使って象徴している部下を、数十人引き連れている。
 都から遠く離れたこの村では、もはや助けを呼ぶことも出来ない状況とはいえ。村の人々は、その無茶な命令には従わなかった。
 だが、突如の襲撃だったので、抗戦しようにもすぐにはできない。
 しかしだからといって、はいそうですかと首肯するわけにもいかないはずだったのだが。
「こいつら……逆らう気か!! ならばっ……」
「お、お待ち下さいっ」
 回想するならば、それは勇気ある行動だったのだろう。
 いまにも村人に手を掛けそうな頭目の狂戦士の前に、しなやかな肢体を有した壮年の男が立ちはだかった。
「村は私達の手で火を点けます。ですから、どうか……」
「ほおぉ……」
 へりくだる痩躯の男を、舌なめずりして見下ろす。
 ―実に気分が良い。
「ならとっとと消せ」
 たった一言そういうと、トンガリ頭はエモノをおさめ、低頭する愚者を見下ろしながら踵を返した。
「……はい」
 全身の震えを抑えながら、ささやかな返答を発する。
 後ろに佇む娘―キャスや、妻。それに村民は、村長である彼の判断に、何を思ったのか。
 全ての者が松明を手に取り……やがて、村は―

 鮮やかな夕闇の情景を汚す黒灰の噴煙が、廃村となったロクトのそこここから立ち上っている。
 自分達の手で焼却してしまった村を、人々は呆然と、時に哀しげに見つめていた。
「さぁて、舞台はそろったな……」
 頭目―トールは呟きつつ、デビルアクスを地に叩きつける。
 そして、憫笑を浮かべながら、欲望を吐き出すかのように言い放ってやる。
「ククク……お前ら、馬鹿か? 村焼いたからって、俺らがむざむざ見逃すとでも思ったかよ!」
 驚愕に、または恐怖に、ざわめく村民。間も無く―
「男は適当にブッ殺せ! 女は嬲り殺せ! 好き放題暴れろてめえらぁー!!」
 怒号が、悲鳴が、歓声が。廃村にこだまする。山賊たちが、逃げ惑う村人達を追い回し始める。
 飛び上がったのは、痩躯の男―キャスの父親だ。
「きさまらぁ! 約束がちっ……」
「っせい!」
 言葉が、最後まで紡がれることはなかった。
 禍々しく黒光りする戦斧―デビルアクスが、あっけなく壮年の男の身体を縦に割った故に。

497:バアトル×キャス Ⅲ
08/09/24 08:27:41 aVAYHGHV
「あなたぁ!!」
 キャスの母は、傍らの娘のことも忘れて、無惨に斃(たお)された夫の元へ一目散に駆け出した。
「嫌よ! あなたぁ!! 何で……何でこんな目に……!!」
「おぉ、てめー結構上玉じゃねーか」
 泣きじゃくる女のことなどお構い無しに、トールは顎をしゃくりあげた。
「―モージ。こいつ、動けなくして」
「ウス」
 モージと呼ばれた大男が、トールの後方から歩み出た。
 やや遠巻きにその様子を眺めているキャスは、ふいに訪れた惨状に身動き一つ取れないでいる。
 ただひたすらに、全身を痙攣させていた。
「ふんっ!」
 モージの鋼の斧が振るわれ、‘何か’が二つ、地面を跳ね回った。
「―ぎゃあああぁぁああ゛ーーーっ!!!」
 文字通りの、耳を劈く悲鳴。
 キャスの母の両腕は、肘から先を失していた。
「さあってとぅ」
 浮かれる口調のトールは、想像し難い苦痛にのた打ち回る美女に跨ると、冷笑しながら衣服を剥いでいった。
「……トールさん!」
「むっ……!」
 二人は、ほぼ同時に気付いたらしい。おもてを上げる。
 村人と山賊の他に、第三の勢力が混じっているのを視認した。
 あれは―エトルリア兵!
「チッ。嗅ぎ付けるのが速ぇ野郎どもだ」
「ずらかりましょう、トールさん!」
「わかってら!」
 未だ暴れまわる美女を抱きかかえ、トールはモージを伴い、その場を退く。
「…………お母さん……」
 連れ去られる母と、視界の隅で血溜まりを作っている父を見やりながら、キャスはその日の第一声をようやく発したのだった。
 何故か。
 悲しみや苦しみよりも、たぎる憤怒が、彼女を支配していた。
 それでも―歯を強く食い縛った少女の双眸から、涙が止まることは無かった……



「なんと…………」
 強壮な身体を持つ戦士が、声を震わせて呟く。
 当時を鮮明に思い描いている少女も、嗚咽を堪えきれずにいた。
「あたしは……過去を忘れたかった。
 非道な奴らから奪い、盗み、貧しい人たちを救うことで、他の人達が自分と同じ目に合わないようにって努力してきた。けど……」
 忘れられなかった。
 自分の力では村を蹂躙した奴らに敵いっこないのだ。
 彼女が十七の時だった。ロイと出会い、バアトルに打ち解けられたのは。
 キャスが五年ものあいだ一匹狼を貫いたのは、自分の仲間になることで、必ず身の危険に曝してしまうだろうと考えたからだった。
 自分が勝手やって傷つくのは仕方ないし、構わない。けど、自分のせいで他人が傷つくのは耐えられなかった。
「それで、わしに共同を求めたというわけだな?」
 哀しげな無表情で頷く。続けて、
「もちろん、ダメって言われたら諦める……って言いたいところだけど、ここまで話したら断れるわけないよね。ゴメン、バアトルさん」
「何を言う。わしはわしの意思でどうするか決める。むろん、その意志は……」
 言うまでもない。
 そんな雰囲気が、熱き心を持つ巨漢の全身に溢れかえっていた。

498:バアトル×キャス Ⅳ
08/09/24 08:29:05 aVAYHGHV
「く、くそ。こいつ―」
 つええ。
 すでに四人の部下を手にかけられ、モージは焦燥を極めていた。
 眼前の男が振るってくる斧は、速さにかけるものの、尋常ではない力と技が込められている。
 そして―
「があっ!!」
 眼前の大男が振るった銀の斧でモージのエモノが弾かれ、地面に突き立った。
 驚愕の表情を、バアトルに向ける。
「……後ろの娘の顔を覚えているか?」
「……あぁ?」
 突如訊かれたことに、頓狂な声を上げた。
 あどけない面差しに、鮮やかな山吹色の髪を飾った少女。
「し、知らん! 貴様、こんなことしてただで……! ひっ」
 大男の苦鳴は、途切れさせられた。
 脳天に叩き付けられた銀の斧が、巨体を断ち割り、派手に鮮血を散らす。
 モージの身体は、見事なまでに二分され、左右に倒された。
「すまぬな、キャス。お前の手でやらせてやるべきだった」
「……ううん。大丈夫」
 朱に染まったモージの死体に一瞥をくれてから、前を見据えた。
 キャスの視界には、以前より豪奢になった自分の家が映されていた……

「……ん?」「な、なんだ、あいつらは!?」
 大扉の番である二人は、突如接近してきた二つの人影に目を剥いた。
 確か、この家の前にはモージさん達がいたはず―
「お、おい、止まれぇ!」「ここはトールさんの屋敷だぞ! 分かって……」
 大きくなっていく二つの影のうち一つが、銀色に光るエモノを振り上げた。
「「ひぇ……」」
 全く容赦無しに、銀の斧が下される。二人の山賊は、あまりにもた易くくずおれた。
「……行くぞ、キャスよ」
 何事も無かったかのように、後方の少女を振り返る。
 目を閉じ、胸を押さえていた。忌まわしい記憶が頭の中をよぎっているのだろうか。
 バアトルは、ここで下手に声をかけるよりは、見守るほうが善なる推断とし、言葉を綴ることはなかった。
「……大丈夫。ありがとう、大丈夫よ」
 そんな彼の気遣いを察したのか、キャスは深謝を表した。
「では……」
 厳つい顔から送られる眼差しを、真っ直ぐに合わせて返し、傾首する。
「行くぞっ」
 大扉を蹴破った。

499:バアトル×キャス Ⅴ
08/09/24 08:29:54 aVAYHGHV
 ―奇襲。
 頭上より黒い影が襲来。咄嗟に銀の斧を掲げ、それを迎え撃つ。
 正体は、デビルアクスを持ったトンガリ頭の狂戦士―トール。
 銀の斧で押し返し、間合いを取る。
「……貴様」
「何もんだてめえ。モージを殺るとは、ただもんじゃねーな?!」
 キャスが前に出て、バアトルの横に立ち並んだ。
 暗い無表情の奥には、静かな殺気をはらませている。
「あん? なんだこのガキは?」
「あんたも覚えてないの…………そう……」
「! キャス、よせっ!」
 少女の肩を掴もうとした腕は、しかし虚空を薙いだだけだった。
 ―疾い。
 隼の如き動きで一気に間合いを縮め、キルソードを駆るも。
 黒き戦斧に易々と止められ、
「っら!!」
「ぅあ……」
 つるぎごと軽く押し返され、華奢な肢体が吹っ飛ばされた。
 バアトルが、極力衝撃を与えないように受け止めてやる。
「うっ、くっ……」
 それでも反動で息がつまり、キャスは呻いた。十七の少女には、この相手はやはり荷が重い。
 キャスを座り込ませ、バアトルは毅然と前に出る。
 大丈夫か? などとは言わなかった。むろん、それはキャスの為を思ってのことだが……
「五年前、貴様はこの村を襲い、最中にエトルリア兵に攻められ、一度は身を引いた」
「…………は?」
 なんで知ってやがんだ? といった顔つきである。
「その時に、貴様は一人の女性を伴って逃げおおせたはず。その女性はどうした?」
「……あー…………」
 なんとなく話が読めてきたらしい。
 呆けた表情が、徐々に憫笑へと移り変わっていった。
「アレかおめー。そのガキの母親があの女か」
 口元に舌を回しながら、顎をしゃくりあげ、精一杯に見下しながら。
「犯しつくしてやった後、娼館に売ってやったよ」
 あまりにも平然と、トールは告げた。
 バアトルは、背後から感情の奔流が奔ったのを、全身に感じ取った。
 また飛び出すのかという思いが一瞬頭をよぎったが、彼女は動かなかった。
 後ろを見る余裕は無い。このトールとかいう狂戦士は、そうとうな手練であることを察したからだ。
 ―突如、トールが爆笑した。
「ぎゃははは! 泣くのははえーよバーカ! そりゃ俺がてめーを犯す時にしろ!」
 この愚者の言うとおり、キャスははっきりとした嗚咽を洩らしていた。
 バアトルは、なんとなく彼女の気持ちが分かり、憤怒を前面に表す。
 キャスの実力では、逆立ちしてもこの男には敵わない。未だ口上だけだが、母親を穢され尽くされた。
 加えて、名指しで「犯す」と宣言され、恐らくそれを空想してしまったのだろう。
 ―ふいに、バアトルと銀の斧が閃いた。



後編へ続く

500:名無しさん@ピンキー
08/09/24 18:57:49 8fJK7Ltl
500

501:バアトル×キャス Ⅵ
08/09/25 08:23:26 my05mzsP
後編開始



 一瞬で距離が詰まる。トールは焦りもせず、ニヤつきながら漆黒の斧を上段から奔らせた。
 間一髪で避ける。しかしそのまま黒斧をバアトルへ追尾。刃同士を接触させて弾く。
 よろめくトールに対し機を逃さず、左拳が顔面に打ち込まれた。
 その左腕が、トールの左手に掴まれた。が、関係なかった。
 ふんっ、と剛声と共に腕をぶん回すと、トールの身体は部屋の壁に勢いよく叩き付けられた。
 崩落する壁にもたれかかる狂戦士の顔面に、斧の切っ先が向けられる。
「跪け。下郎よ」
 バアトルの声は、冷ややかに終戦を告げていた。
 だが、トールの不適な笑みは、未だに絶やされることなく顔に張り付けられている。
「よくも父さんを……」
 少女にしては、あまりにも低い怒声にも似た呟き。キャスだ。
 うつむき加減に、半分仰向けになったトールを直視している。
「きれーごとばっか並べてんじゃねー。糞ガキが」
「……なんですって?」
 殆ど話してもいないのに「綺麗事」とは。訝りと憤りの視線を、トールに向かって思いっきりぶつける。
「話すこたねーよバァーカ」
 てめーらは何も分かっちゃいねー。とでも言いたげである。
「言い遺すことは、それだけか?」
 バアトルの、斧を持つ手が……引導を渡そうとする声が、震えていた。
 恐怖ではない。憤怒だ。
 たぎるマグマの噴流の如し感情が、彼のおもて全体に露になっていた。
 この男が言いたいことは、バアトルには分かっているつもりだった。
 だからこそ頭にくる。それはなにも、トールだけに向けられているものではない―
「さっさと殺れ、クソが」
 さげすむ様な眼差しを注ぎながら、軽く吐き捨てた。
「うわあぁぁぁっっ!!!」
 甲高い咆哮。キャスだ。
 キルソードを振りかざし、トール目掛けて疾駆してくる。
 トールはというと、銀の斧の切っ先を突きつけられ、上体を起こし冷笑を浮かべたまま微動だにしない。
「勝手にやってろ、カスど―」
 言葉が遮断された。
 結局、必殺の剣が胸に突き立ってからも、彼の表情は変わることがなかった。
 ゴふっ……とくぐもった呻き声と共に墳血し、何やら口を開きかけたが、言葉にならない。
 瞳孔から生気の光が消え去り、全身の力が抜けて、崩れ落ちた。
 涙を散らしながら親の仇にトドメを刺した少女の身体は、異常なまでに震えていた。
 ―と、その剥き出しの肩を、大きな掌が包み込むように置かれた。
 振り返る少女の目に、静かな哀感を双眸に湛えた巨漢が映る。
「おぬしは正しい……正しいことをしたのだ。迷うでない」
 瞬間。
 キャスの小さな体躯は、バアトルの逞しい胸板に投げ出されていた。
 生まれたばかりの赤の如く、わんわん泣きじゃくった。
「……二人で母を捜そうではないか。その間は、わしがそなたの父になったつもりでいなさい」
 諭す言葉に、キャスはうんうんとしきりに頷いた。

502:バアトル×キャス Ⅶ
08/09/25 08:24:15 my05mzsP
 ―どれほどの時間、そうしていただろうか。
 キャスの家‘だった’その屋敷で、バアトルは眠りに落ちた少女を抱きかかえつつも、密かに芽生えてしまった欲求を押し殺していた。
「…………ん……」
 自分の身体にうずまった可憐な乙女が、吐息を洩らした。眼も、ゆっくりと開け放たれる。
 ようやく、生き地獄から開放される……
「……えっ?」
 疑念の声を囁いたのはキャスだ。が、バアトルの耳には入っていない。
 後ろから豪腕に抱かれていたキャスは、臀部の辺りが押し上げられるのを感じたのだ。
 ―アレしかない。
 彼の煩雑な想いを察したキャスは、それを汲んであげることにした。
「ねえ、バアトルさん……」
 振り向いて、首に手を回しながら、甘やかな声で囁いてきた。
 嫌な予感がする。
「……何だ?」
「あたしのこと、好きにしてもいいよ」
 いきなり何を言い出すのか、この娘っ子は。
 確かに今自分は、この少女に情欲を抱いてしまっているが、仮にも妻がいた身だ。
 それに、なんとなくキャスは処女ではなさそうな雰囲気があるのだが、だからといって自分の様な壮年も峠の男と床をともにするのは……
 といった考えがバアトルの顔に出ているのを見て、少女は満面の笑みを作った。
「バアトルさんは、あたしにとって特別だなって感じた、初めての人。そう思った人と最初に……ってあたしは決めてたんだ。
 ……バアトルさんには奥さんがいたんだよね? だから、もしどうしても嫌っていうなら無理は言わない。でも、出来れば……」
 未成熟な乙女の瞳が、呆けた様相の大男の顔に向けられている。
 少女の言葉を聞き入れた巨漢は、やがて息を大きく吸い、吐き、それから少女を見据えた。
「この際わしのことは置いておこう。問題はおぬしだ。
 ……そう簡単に男に身体を委ねてはいかん。癖がついてしまうと、これから先苦労することになるぞ」
 うわ、萎えるなあ。
 折角気分が乗ってきたし、それで誘惑したのに、説教なんて。
 それに、あたしはバアトルさんでも全然問題ないのにな。
「それに、初めての男がわしなどでは勿体無かろう。おぬしのような可愛らしい娘には、もっと似合う男がいるだろうに」
 心を見透かされてるのかと思った。
 と、キャスはようやくバアトルの首から手を離し、至近距離で起立し目線を合わせた。
 ふいに視線を向けられ、何となくそらしてしまう。
 ……何故わしがこの小さな女子に揺さぶられなくてはならんのか。
「ううん、むしろ、バアトルさんみたいなオジさんが初めての方がドキドキするよ。
 経験豊富な人の方が、気持ち良くできるじゃない。あたしに色々教えて欲しいな……ね、お願い?」
 上体を屈めて、上腕で胸を寄せる。十七にしては大きめな乳房が、バアトルの目を奪った。その頬が、僅かに朱に染まっている。
「むむむ……」
「あれっ? どうしたのバアトルさん? あたしみたいな娘っ子にドキドキしちゃうなんて」
 それにココ……こんなに元気じゃない?
 バアトルの下腹部に手を伸ばしながら、挑発的に、艶やかにバアトルをなじるキャス。
 歳は大きく違えど、男と女であることは変わりない。
 もはや、二人の想いは重なり合っていた。
 キャスがふと、巨漢の顔を見上げると、やや震えながら瞑目しているのが映った。
 ややあって、切れ長の瞳孔は開かれ、そこには少女の華奢な肢体全てが映し出されていた。
「済まぬ、キャス…………カアラ」
 少女には聞き覚えのない女性の名前が紡がれたあと。
 バアトルの巨躯は、キャスの細い体へと迫っていった―

503:バアトル×キャス Ⅷ
08/09/25 08:26:35 my05mzsP
「やっ……」
 心の準備は出来ていたはずなのに、思わず否定の声が上がってしまった。
 バアトルに後ろから手を回され、ベルトに手をかけられ、あまりにも手早く解かれてしまった。
 打ちすぎなくらい、胸の鼓動が高鳴っている。
 その少女の胸が、バアトルの狙いだった。
 肌と服の間を二つの手が動き、やがて形の良い膨らみへと達する。
「あっ……」
 胸に触れられる前に、甘い声が上がった。
 逞しい腕によって盛り上がった胸部を、上気に満ち口を半開きにした表情で見つめるキャス。
 ―服の下で、双つの乳房が歪んだ。
「はぁぁあっ……!」
 眼を閉ざし、顔を少し上げながら、快さを表す喘ぎ声を上げる。
 何気なく首筋を舐め上げつつも、厚い掌が何度となく、少女の乳房をむにゅむにゅと揉みほぐす。
「あん……くふぅ……はぁん! くぅ、んあぁっ……やぁ!」
 たまに胸の突起を摘んだり弾いたりしてくるのが、やけにクる感じがする。
 大きな高揚感に、快感、少しの恐怖感。
 それらがほど良く交じり合い、少女の身体を火照らせていった。
 暫く攻めている内に、右胸を揉んでいた右腕の方が離され、下半身へと伸ばされていった。
 スカートを撒くしあげ―たのは、キャス自身の手である。
 バアトルは、気遣いをしてくれた少女に微笑を散らしながら、ゆっくり、ゆっくりと白布の下着へ右手を近づけてゆく。
 キャスは、不思議と怖さを全く感じていなかった。むしろ、必然なのかもしれないが。
 想い人に身体を委ねるなら、たとえそれが自分を遥かに凌駕する巨躯の持ち主だろうが、関係ない。
 高揚感と、快感で満ち満ちて―
「はぁぁ…………」
 白い布地越しに、太目の指がすじをなぞるように奔った。
 つつ~と上下に動く指に、焦らされている時特有の、昂ぶりと快さを愉しむキャス。
 強い息遣いをしながら、自らの陰部を攻め立てる指を見つめる。
 早く。早く入れてよぉ……
 計ったようなタイミングだった。
 バアトルの厚い手が、パンツの中へ侵入し。ゆるやかな手つきで、秘所をさわる。
「はんっ! あぁっ……や、だ、ああぁん!!」
 なかに入り、出て、が繰り返され、それが快感となってキャスに返ってくる。
 くちゅ、くちゅ、といやらしい水音が、周囲にはっきりと響き渡る。。
「やっ、あっ……っダメ! 気持ち……い、はん! はん! あぁぁぁ……」
 右手では花弁を、左手は乳房を。弄り、攻めたて、穢す。
 ここに至っても、キャスは未だ全く衣服を脱いでおらず、しかも二人とも立ったままである。
「あぁっ! はぁん! ……だめ、もうダメ! イっちゃう……」
 限界が近い。
 ―ふいにバアトルの両手が止まり、更に服から離される。
 攻められている側には酷な、寸止めだ。
「あぁぁぁぅ…………」
 甘いあえぎを発しながら、へなへな~とへたり込むキャス。
 半脱ぎの服に艶やかな表情は、男をその気にさせるのに十分な淫らさを備えていた。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
 色濃い息遣いでしゃがんでいるキャスを見つめながら、バアトル自身も身体を落とし、少女に視線を合わせる。
 上気した頬に半開きの口、しかし眼差しは明瞭に壮年の男へと向けられていた。
「キャスよ……いいのか……?」
 問いに、一瞬ポカンとした顔になるも、それはすぐに微笑に移り変わる。
「いいに決まってるでしょ。気が変わらないうちに早くしてよ」
 活舌よく、はっきりと言ったものだった。
 そうか、と眼を閉じてから呟く。
「では、脚を……」
 開いてくれ、までは告げなかった。

504:バアトル×キャス Ⅸ
08/09/25 08:27:22 my05mzsP
 こくん。
 首で即答した少女は、床に直接寝転び、スカートを捲し上げて開脚した。
 赤らめた顔は、何かなまめかしさを放っている無表情を張りつけていた。
「では……」
 バアトルは、自身の素早く衣類を外し、やがて、剛を伴った象徴を露にした。
 既に臨戦態勢のキャスは、これから突き入れられるであろうソレを、瞼を閉ざして見ることを拒否した。
 なんだかんだで、怖い。
 敢えて声をかけることなく、乙女の太腿辺りを掴み、外気を受けている秘所に照準を絞る。
「行くぞ」
「んっ!」
 剛毅な声に可愛い声が応じ、その先っぽが花弁に触れる。
 ぬるぬるとした感触を確かめながら、具合良く入ったのを確認した。
「うぅ……ふぁぁっ……!!」
 徐々に、少しづつ、バアトルがキャスのなかに侵入する。ややあって、それは奥底へと到達した。
「痛っ!! いたいっ、バアトルさ……あああぁっ!!」
 苦痛と快楽をないまぜにした悲鳴が洩れる。処女膜がいつ破られたかも分からないほど、痛い。
「力を抜くんだ、キャスよ……」
 両手をほっぺたに押し付け、双眸に涙を溜めて耐え忍ぶ少女に、優しく声をかける。
 しかし、裏腹にやることは激しい。
 入りきった豪傑をゆっくり引き抜くも、すぐに第二波を突入させる。
「あっ……あぁ……あぁぁあ゛ーーっっ!!!」
 絶叫に近い声を上げているのもお構い無しに、バアトルはゆっくりと出し入れをし始めた。
 凄絶な締まりが、物凄い快感を大男に提供した。
「ぬぅううっ!!」
「ダ、はやぁあ!! ああぅ、うっ、あっ、はんっっ! あぁああん!!!」
 少女の声も、快楽を貪るそれに変貌してきていた。慣れるのが早い。助かる。
 だんだんとピストン運動が加速していき、それに伴って二人の息遣いも激しさを増す。
 パンパンという音と喘ぎ声とが、男女の交わりを表す混沌とした旋律を奏でていた。
「あぁん! バアトル、さっ……あたし、んっ! もうっ……!!」
「ぬぅううっ!!」
 返答なのかはっきりしない唸り声を上げながら、バアトルはさらに腰の動きを速める―
「あっ! あっ! あぁっ!! ……だめぇ!! あぅん、イく!  ……―イくっっ!!!」
 瞬間。
 巨漢のソレが、精液を放りながら引き抜かれた。
 キャスは全身を弓なりに反り返らせ、二度、三度と肢体を激しくわななかせた。
 はぁぁぁっ……と事後の快楽を吐息にして出し、愉楽の余韻を味わう。
 思わず、巨漢の様子を窺ってみた。
 ……なぜか無表情のまま、自分のものを紙で拭き取っていた―

505:バアトル×キャス Ⅹ
08/09/25 08:30:12 my05mzsP
 ややあって服を着替えた二人は、暫く屋敷の中、地面に座り込んでいた。
「ねえ、バアトルさん……」
 隣であぐらをかく大男に、何気なく声をかける。
「何だ?」
「色々と、本当にありがとう。あなたがいなければ、あたしは……」
 言いかけて、
「ううん、何でもない。……これからも、一緒にしてくれる?」
 とびきりの笑顔が、あどけない少女の顔に飾られていた。
 そんなキャスを見て、巨漢も普段は見せない、不敵な微笑を浮かべて見せた。
「……激しいぞ?」
「大歓迎よ!」
 即答するキャスに、バアトルも豪快に笑い飛ばす。
 歳の差カップルと言われようが、この二人にはどうでもいいことだった。
 想いを繋ぎとめられる相手が、互いに求め合ってくれるのだから―  fin



難しい。歳の差カポーの、性と愛

506:名無しさん@ピンキー
08/09/26 17:58:56 mm0VjbkN
弓の妖精パルティアを読んでいてゴードン×ミネルバもいいなって思いました
封印をやってルゥ×ミレディが好きなせいかもしれませんが、ああいうセクシー美女と
美少年というのがたまりません
他にはマルス×ミネルバもいいなと思いました

507:名無しさん@ピンキー
08/09/27 00:10:58 zsvyUMEC
レクティル執筆中の者です。
土日仕事が入っちゃったので、後半の投下がもうちょっとかかりそうです。
半端になってしまってごめんなさい(ヽ´ω`)

508:名無しさん@ピンキー
08/09/28 12:46:02 U1Onr76H
>>495
GJです

>>507
楽しみに待ってます

509:promise night7
08/09/30 06:21:11 qYMJi6hW
その日の夜。

ティルテュはデザート用のフォークを握り締めたまま、心ここにあらずといった感じだった。

『なんかとんでもないことになっちゃった気がする…』

恐らくあと数時間後に自分の身に起こっているであろう事を思い、怖くなったり、赤くなったり。

目の前に置かれたかわいらしい木の実のケーキを、無意識にザクザクとフォークで刺し続けている。

シレジアの短い夏の間に採れる様々な木の実をふんだんに使ったそれは、フリージの花によって見るも無残な姿に変えられてしまった。

「ちょっとちょっと、しっかりしてよ」

お茶をすすりながら一部始終を見守っていたシルヴィアだったが、流石にその手を止めさせた。
ティルテュは大きくため息をつくと、もはや原型を思い出すことも出来なくなってしまったケーキを、ちょっとずつフォークですくいながら口へと運ぶ。
当然のように味は感じない。

「重症ねぇ…」

親友の奇行を観察しつつ、どうしたものかとシルヴィアは一人頭を抱えていた。

「あ」

ふと視界に、時の人が入った。
食事を終えたのだろう、数名と共に食堂から出ていく所のようだ。

「もう、考えてても始まらないわ。
追いかけるのよ!」

ティルテュが振り向くと、ちょうど彼が扉の向こうな消えた所だった。

どうしよう?とでも言いたげな視線をシルヴィアに送る。
その視線の意味を迷いと判断したシルヴィアは、昼間と同じように、大きく頷いた。

「ごちそう様、そしておやすみなさい!」

ケーキを食べ尽くし、お茶を飲み干すと、意を決したように勢いよく立ち上がり、食堂から出て行った。
シルヴィアの後悔とは裏腹に、本人はやる気満々のようだった。

「もう寝るのか?」

「どこか具合でも悪いのかしら?」

「それにしても随分元気そうに出て行ったわよ?」

不思議そうな表情の、共にテーブルを囲んでいた女性陣。

「シルヴィア、何か聞いてない?」

「さ、さぁ…」

シルヴィアは笑いと暴露したい衝動を抑えつつ、心の中で親友を応援した。

510:promise night8
08/09/30 06:26:58 qYMJi6hW
「ねぇ、レックス」

ティルテュは先に食堂を出ていたレックスに追いつき、その背中に声をかけた。
レックスは振り向くと、視線を合わせるように少し屈む。
ティルテュはレックスの、こういうちょっとした気遣いが好きだった。

「今から、部屋に行っていい?」

「ああ、かまわない」

彼の返事に嬉しくなり、今までの不安はどこへやら。
その腕にしがみつくように寄り添い、二人はレックスの部屋へと向かった。


「ねぇねぇ、見て欲しいものがあるの」

「ん?なんだ?」

部屋に戻り、ベッドに腰掛けるレックスに、ティルテュが声をかける。
レックスが興味ありそうな表情したのを確認し、徐に自分の服に手をかけた。
今までその体を隠していた白いワンピースは、パサリと床に落ちた。

「どう?」

どうと言われても。

服を脱ぎ捨てくるりと回って見せたティルテュの身体は、薄いピンク色のシフォン生地に黒いレースのあしらわれた極ミニのワンピースで覆われていた。
ただ普通のワンピースとは違い、明らかに肌が透けている。
ベビードールだ。
ティルテュの白い肌に、ピンク色が映え、とても愛らしい。
そして黒いレースが、その愛らしさの中にどこか扇情的な雰囲気を与えていた。

「………」

大したことでは動じないレックスも、流石に目を丸くして固まった。
心底驚いているのだ。
恋人の行動の真意を知るはずもない彼は、彼女の無邪気さに心底頭痛を覚えた。

『まさか…他の奴にも見せたりしてないだろうな』

感想を待っているのか、無邪気な恋人は期待の眼差しでレックスを見つめる。

レックスは無言で手招きした。
ティルテュはニコニコしながら、彼に寄り添うように腰かける。
すると、その細い身体はレックスによって薄い毛布でくるまれた。

「そんな格好でいたら風邪引くぞ」

彼の言うことはもっともだった。
まだ秋口とは言え、北国のシレジアの夜はかなり冷え込む。
裸同然の格好でうろついていたら、誰だって間違いなく寝込むことになるだろう。
例外の踊り子はいたとしても。

「それに、目のやり場に困る」

口ではそんなことを言いつつ表情を変えないレックスに、ティルテュはだんだん悲しくなってきた。

511:promise night9
08/09/30 06:43:11 qYMJi6hW
『他に言うことはないわけ…?』

自分がこんなに勇気を出して誘ったのに、レックスときたら手を出す気配すらない。
そんなに魅力がないとでもいうのだろうか。
そもそも、何故彼は今まで自分を抱くことをしなかったのか。

『私のこと、好きじゃないのかな?』

「お、おいティルテュ…」

すぐ隣で、レックスの慌てた声がした。
理由は明白だった。
ティルテュの大きな瞳から、ポロポロと涙がこぼれていたからだ。
「もういいわよバカぁ!」


何か言おうとしたレックスを遮る様に、大声でわんわんと泣き出すティルテュ。
これまでの不安や嫉妬心が一気に爆発し、子供のように泣きじゃくった。
考えれば考えるほど、悲しくなる。
なんで?どうして?と思うことは疲れるから、だからずっと考えないようにしていた。

だけどもう、限界。

泣き過ぎて頭に酸素がいかない。
眼の腫れに比例して、頭痛が強くなる。

「ティルテュ」

抱き寄せられ、髪を撫でられても涙は止まらない。
密着した毛布越しに彼の体温が伝わってくる。
いつもは心地良い、自分より少し高いそれが、今は何故だか悲しく感じる。

「…迷ってたんだ」

耳元で、低く張りのある声。
ティルテュはただ、鼻をグスグス言わせながらその声を聞いていた。


「ドズルとフリージのこと。俺とティルテュのこと。
恐らくこの先、俺達が簡単に幸せになれる道はない。
だからいろいろと、これからの事を考えてた。
それに、その事以上に…」

レックスの、ティルテュを抱く腕に力が入る。
ティルテュはその横顔を見つめた。
涙はもう、流れていない。

512:promise night10
08/09/30 06:50:28 qYMJi6hW
「ティルテュを傷付けるのが怖かったんだ」

幼さの残る無邪気な恋人を、ずっと大切に大切に扱ってきた。
壊さないように、壊れないように、優しく。
結局それがティルテュを1番悲しませる結果になってしまったことを、後悔してもしきれない。

「私は…」

ティルテュは甘えるように、赤い顔を隠すように、レックスの胸に顔をうずめた。

「レックスだから、いいの。
傷付くとか、家のこととか、そんなのどうだっていい。
レックスの傍にいられるなら、私…」

言い終わらないうちに、その口唇はレックスの口唇によってふさがれた。

「いいんだな?」

ゆっくりと離された口唇から、発された言葉。
その意味を十分理解したティルテュは、俯いたまま、だがしっかりと頷いた。
ベッドに横たえられ、薄手の毛布が取り去られると、ひんやりとした空気が身体にまとわりついた。
再び口唇が重ねられると、抱き起こすかのように背中に腕を回され、身体が密着する。
さっきより、ずっと熱い。

ティルテュはその細い腕を、そっと彼の背中に回した。
ついばむような軽い口付けが、急に深くなる。

初めての感触が、思考を奪っていく。

いつの間にか解かれていたベビードールのリボンが、少女の腹部をくすぐった。
他には何も着けていない上半身が、恋人の目の前に晒され、控えめすぎな双丘が懸命に男を誘う。

「ご、ごめんね…」

その謝罪の意味を察したレックスは、恥ずかしさで真っ赤になるティルテュの頭をくしゃくしゃと撫で、ふっと笑みをこぼした。

「ん……っ」

双丘をゆっくりと揉みしだかれ、思いがけず声が出る。
時折頂上に触れられ、次第に呼吸が速くなる。

何も知らないその身体が、本能のままに熱くなる。

レックスが片方の頂上を口に含み舌で転がすと、ティルテュの腰が跳ね上がった。
執拗に攻められ、呼吸はどんどん荒くなる。

「ゃ…あっ……」

「こっちの方がいいのか?」

「ん、わ、わかんな…あぁっ!」

もう片方の頂上を指で弄ばれ、逃れられない快感の波がティルテュを支配していく。
触れられるたびに、ゾクゾクと何かが身体中を駆け巡る。

レックスは、ティルテュの双丘から離れると、下腹部に手を伸ばした。
そこは、先程ティルテュが着ていたベビードールと同じ生地で作られた下着が、ほとんどその意味を成さずに着けられていた。

513:promise night11
08/09/30 06:56:58 qYMJi6hW
薄く透けたそれは、生まれたままよりも或いはいやらしい。
先程の愛撫で濡れた秘部に布が張り付き、さらに男の本能を掻き立てる。
レックスは、無意識に強張っているティルテュの両足をやや強引に開かせると、両サイドの黒いレースのリボンをあっさりと解いた。

「…あんまり見ないで……」

初めて人目に触れてしまったことが想像以上に恥ずかしかったが、言葉とは裏腹にその身体を隠すことはしなかった。

「きれいだ」

レックスの指が、自分でもよく知らない部分に触れる。
初めてなのに、過剰なほどに反応してしまう。

『普段はかわいいとか、好きだとか言ってくれないのに。こんな時だけ褒めるのね。』

それでも珍しく彼の口からでたその言葉が嬉しくて、ティルテュの蜜の量が増す。

「はぁ……っや、だめ……んっ」

蕾が指で挟まれ、なぞりあげられる。
硬く充血したそこは、恐ろしく敏感になっていた。
わずかに触れただけでも、ティルテュは惜しみなく声を上げ、濡らす。

レックスは、仰向けのティルテュに添い寝するように横たわった。
左腕で腕枕をするようにティルテュを抱き、右手で秘部を弄ぶ。

「あっ、はぁ、はぁっ…ぁんっ!」

無意識に内股に力が入る度に、弱い部分を攻め立てられる。
自分でも知らない自分に、困惑を隠せない。

「だめぇ…そんなに……ああぁっ!」

ティルテュの、穢れを知らない濡れたそこに、レックスの指が侵入する。

「!?い、痛…っ」

突然の痛みと異物感に、ティルテュの顔がゆがみ、下腹部にぐっと力が入る。
乾ききっていた涙が、再び零れた。

「力、抜いて」

ものすごい力で自分の指を締め付けるティルテュに、レックスは優しく囁いた。
力を抜けといわれても、痛みでパニックになったティルテュには困難なことだった。
はぁはぁと乱れた呼吸が、レックスの首をくすぐる。

「深呼吸して、落ち着くんだ」

そう言うと自らも深呼吸をし、ティルテュの呼吸を促す。

514:promise night12
08/09/30 07:01:49 qYMJi6hW
深呼吸が功を奏したのか、レックスを締め付ける力は次第に弱まっていった。

「まだ痛いか?」

「平気…みたい」

その返事を待っていたと言わんばかりに、レックスは今まで拘束されていたその指をゆっくりと動かし始めた。

「や、あぁっ…んっああぁぁ!」

これまでの愛撫とは、明らかに違う感覚。
自分の膣(なか)に入り込んだ恋人の指が、自分の内の何かを壊してく。
もう痛みはない。
徐々に動きの早くなる愛撫に比例するかのように、蜜が溢れ出る。

「もう、そろそろ…いいよ?」

蚊の鳴くような声で、最後の誘惑。
レックスは指を抜き取り、ティルテュに深く口付けた。

薄明かりの中、レックスは自身の衣服を取り去った。
ティルテュはそれを、横になりながらぼんやりと見ていた。
いよいよ、待ち望んだ儀式が始まる。

レックスがティルテュの両膝を持ち上げ、脚を割って入る。
今度はすっかり力が抜けていた。
とめどなく溢れる蜜が乾く前に、強欲な雄の先端が秘部に宛がわれた。
ゆっくりと体重をかけ、奥へと進ませる。
無防備すぎる体制に、若干の恐怖感が芽生える。

「痛、い……」

指とは比べ物にならない、レックスの充血しきったそれは、処女のティルテュを再び苦痛にゆがませた。
いつのまにか止まっていた涙は、またしてもティルテュの頬を伝うことになった。

「そんなに泣くと余計に力が入って痛くなるぞ。
もう1度深呼吸して…そう、あせらなくていいから」

わかっていても、下半身に力が入る。
ティルテュは必死に呼吸を整えようとする。
レックスはそんな健気な彼女の髪を撫で、短いキスを何度も落とした。
すると、徐々に下半身の硬直が解れてきた。

515:promise night13
08/09/30 07:06:21 qYMJi6hW
レックスはそれを見計らい、一気に最奥まで貫いた。

「きゃあああぁぁ!!」

初めての本当の痛みを知り、思わず悲鳴が上がる。
痛い、そして熱い。

「力…っ、抜くんだ」

最奥まで到達したレックスへの締め付けも相当だった。
少しでも動いたら達してしまう。
二人は繋がったまま抱き合い、しばらくそのまま動けずにいた。


「レックス……」

「ん?」

未だ荒い呼吸の中、ティルテュはレックスに声をかけた。

「私のこと、これからもずっと見ててくれるよね…?
ずっと、私だけ、好きでいてくれなきゃ…イヤだよ」

「…わかってる」

それが合図にでもなったかのように、レックスは腰を動かし始めた。

「いっ…痛、あっ、あ…ああぁ!」

レックスの背中に爪を立て、必死に痛みに耐える。
激しく突かれ、身体が大きく揺さぶられる。
控えめすぎる胸が、控えめに飛び跳ねる。
次第にレックスの動きが早くなってきた。

終わりが近い。

ティルテュはぼんやりする頭の中で、本能的に察した。

「はぁっはぁっ、あっ…ん、あぁあん!」

揺さぶられる度に、繋がった部分から処女の証の鮮血と蜜が混ざり合ったものがあふれ出て、シーツにしみを作る。

「くっ…ティル、テュ、もう…」

「レッ、ク、ス…あ、ん、あっあああぁぁぁ!!」


次ページ
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch