ケロロ軍曹でエロパロ 其の7at EROPARO
ケロロ軍曹でエロパロ 其の7 - 暇つぶし2ch58:名無しさん@ピンキー
08/07/23 00:35:49 yawP5Frp
今回は以上です。

ギロ夏なのに秋ママ独りHですみません。

次回はギロ夏イチャイチャ展開突入を予定していますが、
投下時期は、今回同様少々お時間を頂く事になってしまうかもしれません。
真に勝手ながら、ご了承下さいませ。

59:名無しさん@ピンキー
08/07/23 01:46:19 MTWaEv6o


60:名無しさん@ピンキー
08/07/23 07:33:43 juzavGPc
なんですかこのエロカオスワールド(別名:桃源郷)は
永住しますね

61:名無しさん@ピンキー
08/07/23 18:09:45 t5dxan7R
冬桃できますか?

62:名無しさん@ピンキー
08/07/24 02:16:22 eVifv55x
>>58
GJ!

63:名無しさん@ピンキー
08/07/26 02:02:10 U8zcevWY
保守

64:名無しさん@ピンキー
08/07/26 12:42:17 om1YdNGO
>>61
同じく冬桃見たい。

65:名無しさん@ピンキー
08/07/28 02:32:51 3c7BfclY
保守

66:名無しさん@ピンキー
08/07/31 00:41:48 huCY9L6I
保守

67:名無しさん@ピンキー
08/07/31 21:26:47 /hO+jyWH
前みたいな「沈黙の面接」とかそう言う
名作また見たいな~
カンタンに言えばケロプルorガルプルでやってほしい

68:bbbb
08/08/04 22:51:18 /BxmnUc4
URLリンク(blog.shard.jp) こぴぺで

69:名無しさん@ピンキー
08/08/05 00:11:06 IuyRIJ1i



70:名無しさん@ピンキー
08/08/05 01:10:13 b5tdi8zs



71:名無しさん@ピンキー
08/08/07 01:57:11 zSFK3/YJ
保守

72:V3
08/08/07 21:29:51 vnKteFze
URLリンク(www.758deli.com)
URLリンク(www.758sm.com)
URLリンク(nagoyadelie.blog112.fc2.com)

73:名無しさん@ピンキー
08/08/11 07:27:38 AxKi6d2c
保守

74:名無しさん@ピンキー
08/08/12 01:00:36 AsPQfX88
556のオナニー

75:名無しさん@ピンキー
08/08/13 00:47:13 BFi/6OMa
>>74
激しいんだろうな…

76:名無しさん@ピンキー
08/08/13 17:00:09 zw+nGRRt
いちいち大声出して状況説明して周囲にバレバレなんだろうな

77:名無しさん@ピンキー
08/08/13 18:32:21 8cVUjXKd
そして近隣の人達に謝りまくるラビー…

78:名無しさん@ピンキー
08/08/13 19:16:51 4gGnXk3F
>>77
「スミマセン、スミマセン、兄がマスばかりカイてスミマセン... 」
と連呼して謝りまくるワケか。
まるで羞恥プレイだなw

79:名無しさん@ピンキー
08/08/13 20:49:27 Lq8/jKwq
>>78
556のって考えたくもねぇよw
556が女性キャラ犯しまくるエロ同人はあるけども・・・

80:名無しさん@ピンキー
08/08/13 22:22:35 NI24CHL6
じゃあ556×カラーボックスで

81:名無しさん@ピンキー
08/08/14 03:03:38 1xjy1E7K
ラビー!カラーボックスの新しい使い方を発見したぞ!!

82:名無しさん@ピンキー
08/08/14 07:39:50 1hO15Tc5
よかったね、お兄ちゃん・・・

83:名無しさん@ピンキー
08/08/14 14:13:08 guUjHuLU
>>81
ちょwww
こないだうちの方でラビーが結婚する話やって、
その時カラーボックスに空いてた穴から556がその様子を見てたんだけど、

まさか…その穴で…。

84: ◆K8Bggv.zV2
08/08/16 01:53:31 LHT+gEta
おそらく、“H描写無し”の投下というのは、
このスレ始まって以来、今回が最初で最後だろうと思います。
今後の下地作り(伏線)とお考え下さり、温かく見守ってやってください。
この冬桃では、冬樹君と裏桃華をイチャイチャさせていきたいと思います。

85: ◆K8Bggv.zV2
08/08/16 01:54:47 LHT+gEta
>>57の続きです。


>>61にリクを頂きましたので、構想の中にありました冬桃を先行制作・投下させていただきます。
このエピソードの時制はギロ夏イチャイチャの後となります。



郊外の高速道路をのんびりとした速度で流す桃華専用のパールホワイトのリムジンの中。

運転席からパーティションガラスで仕切られた豪華な車室には、桃華とポールとクルルの姿があった。

「で、クルルさん。私にとって、“とても重要なお話”とはなんでしょうか?」

桃華が座っている高級な布張りの座席のその横の、頑丈だが簡素な造りの補助席には、
にこやかにしてはいるものの決して警戒を解かない表情のポールが控えている。

「俺はお嬢さんに『二人きりでお目にかかりたい』って申し上げたはずなんだが…」

クルルは少々の非難が混るジットリとした視線を桃華へと投げるが、
それを受け止めた桃華は、ちょっと小首を傾げながら表面だけの微笑をクルルへ返す。
ポールの同席を許せということらしい。
クルルは、首と両肩を少し竦めた。

「まあいい。で、こういうのに興味はあるかい?」

クルルは何処から取り出したのか一枚のCD-ROMを中指と人差し指に挟んでそれを桃華に示したが、
その表面には、桃華の位置からもはっきりと分かるくらいの大きな字で『極秘・冬樹』と書き込まれていた。

それまで曖昧な微笑みを浮かべていた桃華の眼差しが、一瞬にしてその文字に熱く収斂する。
ポールとクルルは同時にそれに気が付いたが、しかし、どちらもポーカーフェイスに徹した。

「それは?」

ポールが発言の予兆として僅かに上半身を乗り出したが、それを制するかのように桃華が急いで質問を返す。
そのCD-ROMが冬樹に関係あるものであるということ、
或いは少なくともクルルが桃華にそういう風に思わせたがっているということは明白であった。
しかし、こういう心理戦の場合、相手の思惑に乗せられたらもうその時点で負けであり、
桃華としては、クルルの目的や真意が不明である今の段階でCD-ROMへの興味をあからさまにすることによって
クルル主導の会話に引き込まれるという状態だけは避けたかった。
そして、それを避けるには、まず相手に存分にしゃべらせてからその中にある矛盾点を追及するのが最上であった。
だが、そんなことは先刻お見通しのクルルは、その質問を逆用して桃華の興味を煽り立てにかかる。
クルルは、桃華の美しいアメジストの瞳にジトッとした視線を据えながら、ゆっくりと話し始めた。

86: ◆K8Bggv.zV2
08/08/16 01:55:44 LHT+gEta
「このROMには、最新かつ詳細な日向冬樹のデータが入ってる」

「はい」

「アンタんとこに、『スーパーバーチャルシミュレーター』って奴があるだろ?」

「はい」

「このROMをそれにセットしてシミュを展開すりゃ、万事上手くいくって寸法なんだが…」

CD-ROMを摘んだクルルの手が、グイッと桃華の方へと突き出される。
桃華の細くて美しい指先が、それを受け取ろうとすっと伸びたその時…

「ご厚意は真に有り難いのですが、
西澤家も、そしてNPGも諜報部門を擁しておりましてな、独自に調査した情報を少々ながら持っておるのです」

桃華の親代わりを自負するポールの言葉が、CD-ROMの受け渡しを遮った。
ケロロ小隊は、桃華のイギリス留学話に絡んでの梅雄と彼が率いる特殊部隊の地下基地への侵入を体験しており、
その際、小隊は実質的に敗北を喫していたから、
クルルは西澤家の特殊活動部門の存在とその能力の高さを十分に知っていた。
そしてなにより、その時、ポールも共闘者としてその場にいたのである。
つまりこれは、クルルに対しての最大限の牽制なのであった。

「ですが、どうしても受け取れ、とおっしゃるなら致し方ございません。これは、このポールめがお預かりを…」

クルルが差し出すCD-ROMを無遠慮に鷲掴みにしようと伸ばされたポールの白手袋の指先を、
クルルは、CD-ROMを差し出しているその手をスッと引っ込めることで巧みに避ける。

「む!」
「まあ、待ちなって」

クルルが持ちかけた桃華への一方的な便宜供与に明らかな不安と不審を感じたポールは、
いささか強引かつ一方的に会見の幕引きを図ろうとしたが、それは敢え無く失敗した。

「『短気は損気』って言うだろ?」
「ほう…、この私めが“短気”だとおっしゃいますか?」

双方共に相当の抑制を効かせてはいるが、
その言葉や態度の端々には相手をして自らの意志に従わせようという強い意志が強く滲んでいた。
桃華としては、この二人を真っ向から対立させてはならないということは分かっているのだが、
しかし、ポールの行動はこの自分の身を案じてくれるが故であり、
だからといってクルルの目的や真意が読みきれない状況でその機嫌を損じれば、
さっきまでとは一転して、冬樹に関する最新で詳細なデータの提供を拒否されるかも知れない、
というジレンマの只中にあった。
また、この場でクルルからCD-ROMを無理やり奪っても無意味だろう。
結果が読めない交渉の場に『切り札』のすべてを持参するお人好しは居ないだろうし、
何より、それはただの一個の情報記録媒体であっていくらでも複製が可能なのであり、
本当に重視すべきは、
ケロロたちの基地のメインコンピュータの中にある元の、或いはもっと詳細なデータなのであった。
そうであるが故に、尚更、クルルと事を構えるのは得策とは言い難かった。

87: ◆K8Bggv.zV2
08/08/16 01:56:39 LHT+gEta
「クルルさん。お話は大変有り難いのですが、
私たちは、どうしてクルルさんが突然そういうご提案をなさったのか、そのお気持ちを量りかねているのです」

今回を逃せばもう二度と訪れないであろうチャンスをものにするために、桃華は直球で勝負を挑んだ。
直截に問題の核心を突けば、隠し事があるほうの分が悪くなるからだ。

「あんたの親父さんと、差しで話をしてえんだが…」

クルルの言葉が終わらぬうちに、『そらみたことか』と言わぬばかりの勢いでポールが話しに割って入る。

「お嬢様。この話、お断りになられるのがよろしいかと存じます!」

再三のポールの介入に、不愉快さを顕にしながらクルルが声を荒げる。
「話しは最後まで聞きな!ケッ、全く…、年甲斐のねえ爺さんだぜ…」
「何と!少々無礼が過ぎませんかな?クルル殿…」
「無礼、か…」

クルルは、摘んでいたCD-ROMを座席の上に無造作に放り出すと、これまた何処から取り出したのか、
時刻と簡単なコメントがびっしりと印刷されたB5版程度の紙切れを、今度はポールに向けてゆっくりと差し出した。

「これ、何だろうな~」

桃華の視線と関心は先ずはもちろん放り出されたそのCD-ROMに注がれたが、
その様子を看取したポールは、「動いてはなりません」という意味の視線を素早く桃華に送る。
それに納得した桃華は、
この緊迫した状況下で新たにクルルが提示した紙切れに興味を移し、それをそっと横から覗き込む。

「…!ポ…、ポールッ…!」

紙切れを一瞥した桃華は小さく悲鳴を上げ、その顔色からは見る見るうちに血の気が失せていく。
その様子に驚き、急いで紙切れに視線を落としたポールも、かなりの衝撃を受けた様子だ。

「はて…、それは何ですかな…?」

懸命に動揺を堪えつつしらばくれるポールに、クルルは容赦なく畳み掛ける。

「おいおい、『何ですかな?』はないだろ?ほれ、よく見てみなよ。そしたら思い出せるかもだぜぇ…」

それは紛れも無い、桃華の親衛隊が製作した冬樹をはじめとする日向家全員の行動記録であった。
そこには、起床から就寝までの全行動が分単位で詳細に記録されているだけでなく、
食事の内容やそれを食べる順番、学校での友人との会話の内容、
そして、あろうことか冬樹が自室のPCからアクセスしたサイトとその時間までもが記載されていた。

88: ◆K8Bggv.zV2
08/08/16 01:57:36 LHT+gEta
「それは文章だけのバージョンだが、写真入のレポートも作られてる。そうだな?ポールさんよ…」

「う…」

「それ、全部アンタがやらせてるんだよな?」

「ううむ…」

「まさか、アンタの隣にいるお嬢様の御指示でこんな趣味の悪い“覗き”をしてるんじゃあないよなぁ?」

「…」

勿論、厳密に言えば桃華の直接の指示ではなかったが、しかし、桃華はこの活動に暗黙の了解を与えると共に、
その成果を積極的に利用して何ら憚るところがなかった。
だが、ポールとしてはそうした事情を説明することなど絶対に出来なかった。
もっとも、これらの情報は絶対的に信頼できる少数の諜報部員たちの手で完全に数値化された後、
西澤家のメインコンピュータに入力されてデータベース化された後に利用されるので、
収集した情報が漏洩して冬樹たちの名誉を傷付けるようなことになる心配は無かったが、
しかしそれでも、床下や天井に潜み、
高感度の集音マイクなどの情報収集用の特殊機器を使って長期かつ計画的に行われているこの隠密の活動は、
明らかに非合法であると同時に、それを行っているものの品性を疑わせるに十分なものであった。
それらの活動が桃華の暗黙の了解無しには決して行われるものではないということをクルルは百も承知していたが、
しかしそれでも、いや、そうであればこそクルルはポールをネチネチと追い詰めた。
ポールがその紙切れの内容に関して合理的な説明を行えないとすれば、
ポールに対するクルルの優位は計り知れないものとなる。
また、桃華が自分の黙認下でそれが行われたことを白状した場合、クルルの優位は更に揺ぎ無いものとなるだろう。

「俺が無礼者だってんなら、アンタは“ストーカー”だ。
無礼者は嫌われるだけで逮捕なんぞされやしねぇが、ストーカーは立派な犯罪だぜぇ。
このことを日向家の連中が知ったら、どう思うかねぇ。クックックッ…」

それだけは絶対に避けなければならない。
この場合、「マスコミにバラす」などと言われても地球の経済の半分を牛耳る西澤家の者にとっては痛くも痒くもなかった。
そんな“つまらない”記事を掲載・配信したものは、黙って干し上げるだけだ。
だが、我が家の中のみならず、
学校や勤め先での一挙手一投足までを大規模かつ継続的に盗み見ていた者を簡単に赦免する者がいるなどとは、
さすがの桃華にもポールにも容易に想像できなかった。

「しかし、その資料が当家の製作にかかるものであるという証拠は…」

必死に平静を装ってのポールの反撃-悪足掻き-に、クルルは溜め息混じりに「やれやれ」と呟くと、
またも何処からか数枚の写真を取り出し、それをポールの膝の上にバラっと撒くように投げ出した。

そこには、透明フード付きのヘルメットに防弾・防刃仕様の隊員服を着こんだ桃華の親衛隊員である吉岡平が、
くもの巣が張る狭苦しい縁の下や埃だらけの天井裏で悪戦苦闘しながら通信機材を扱う様子が、
その表情がはっきり分かるくらい鮮明に写っていた。

「(もはや、これまで…)」

追い詰められたポールは、
なるべくクルルの注意を引かぬよう注意しながら、さりげなく車内のバーカウンターににじり寄った。

89: ◆K8Bggv.zV2
08/08/16 01:58:36 LHT+gEta
「いやはや、そこまでご存知だとは…。よろしゅうございます。
では、冷たいものでも飲みながら、詳しいお話を承ることと致しましょう」

神妙な言葉と共に、
ポールは高級材でカバーされた小型冷蔵庫の扉を静かに開けると、その中へと手を伸ばす。
その様子を、顔色を失ったままの桃華が思い詰めたような眼差しで眺めている。

冷蔵庫の中には、ソフトドリンクとそれを注ぐグラスが数個ずつ入っていたが、
それらが並べられている棚の更に奥には、緊急信号の発信ボタンが巧妙に隠されて取り付けられていた。
一度このボタンを押せば、
西澤家精鋭部隊の戦闘員を満載して付かず離れずの距離で随伴している黒塗りの大型ワンボックスカーが、
ものの数秒でこのリムジンのすぐ後ろにピタリと付くという算段になっていた。

慎重に伸ばされたポールの白手袋の指先が、もう少しでボタンに届くというその瞬間。

「高速に乗ってからずっと、この車の4、5台後ろを追尾してる黒くてデカいワゴン。
あん中には、この前、俺たちの基地に侵入した黒ずくめの鍵爪連中が山ほど乗ってるんだよな?」

土壇場でのクルルの直截な問いに、さすがのポールもついに開き直った。

「そうです!得体の知れぬ宇宙人からの不審な提案を、そのまま信じられるはずなどありませんからな!!」
「で、俺が妙なマネをしたら、あいつらに俺を始末させるってわけか…」
「クルル殿から桃華様にコンタクトが会った直後、
旦那様にお願いして本部の精鋭部隊から選り抜きを一個分隊ほど派遣していただいたのです。
いかなる手段を使おうともお守りすべきは、お嬢様お一人…」
「なら、そのスイッチは押さないほうがいいぜ」
「何をいまさら。侵略を事とする宇宙人でも、やはり死は恐ろしいのですかな?」

自らの逆転勝利を確信しクルルの向こうを張って皮肉っぽく口元を歪めてほくそえむポールに、
それ以上にヘラヘラとしたせせら笑いを浮かべたクルルが、大逆転の一撃を放った。

「いいか、爺さん。いま、俺たちの基地の自爆装置は、待機状態になってる。
で、俺の身体に埋め込まれてるセンサーは一定の信号を常時発信しているが、
一、死亡に伴う生体パルスの消失、二、身体への一定以上の物理的衝撃を原因とする神経パルスの異常、
三、極度の心理的動揺を原因とする血中のホルモン濃度の急激な変動、
のうちの一つ以上を感知すると信号の発信を停止する。
すると、それを感知した自爆装置がすぐさま起動するって寸法さ。
もちろん、意図的な妨害によって信号が受信できなくなった場合でも同様だ」

クルルは、まるで他人事のような調子でそう言うと、
『これがその信号の発信用のアンテナだ』といわぬばかりの手つきで
片方のヘッドホンを操作してアンテナをピンと一本突き出すと、
それを弄りながらクーックックックッと心の底から愉快そうに笑った。

90: ◆K8Bggv.zV2
08/08/16 01:59:25 LHT+gEta
「爆発の威力は、地球人に分かりやすくいうなら、戦闘機で運搬・投下が可能な核兵器クラスってところだ。
基地は地下にあるから、当然、爆風は上の方へ抜けることになる。そして、俺たちの基地は、日向家の真下。
確か、冬樹は今頃、オカルト仲間とチャットで大盛り上がりのはずだったな…」

クルルの言わずもがなの説明に、桃華の顔色が蝋のようになる。

「おのれ…」

チリリリリン、チリリリリン、チリリリリン…

逆転勝利にニヤけるクルルを狩るものの目で睨み付け、握り締めた拳を憤怒で小刻みに震わせるポールの横で、
車室備え付けの優雅な形の自動車電話のベルが涼やかに鳴った。

「旦那様…!」

通常、この車にかかってきた電話は、まず助手席のSPが受け、それから車室の電話機へと転送する。
その手順を踏まずにいきなり車室の電話が鳴ったということは、
電話の主は、直通回線の番号を知っている者、すなわち梅雄以外では有り得なかった。
ポールは握り拳を解いて、受話器を取り上げ、耳に当てた。

「もしもし…」
『ポール、なかなか難儀をしているようだな』
「旦那様…」

もちろん梅雄は、今までの車内の会話をすべてモニターしていた。
ポールから精鋭部隊派遣の要請があった以上、これは当然の措置だった。

「いや…、その…」
『そこにいるクルルというのは確か黄色い固体だったな。電話を替わってくれ』
「しかし…」
『大丈夫だよ。久しぶりに面白い交渉が出来そうだ』
「はあ…」

梅雄からの直接の指示を受け、ポールは全く無表情な一使用人の顔に戻って丁寧にクルルへと受話器を差し出す。
クルルもそれを丁寧に受け取ると、ヘッドホン越しに耳に押し当てる。

「もしもし、そちらはNPG総裁、西澤梅雄様でしょうか」
『ああ、そうだ』
「自己紹介させていただいてもよろしいでしょうか?」
『うむ』
「自分は、ガマ星雲第58番惑星宇宙侵攻軍特殊先行工作部隊作戦通信参謀クルル曹長であります。
直接お話しするのは、今回が初めてかと…」
『そうだな。で、私との一対一の直接交渉が望みだとか』
「はい。是非とも…」
『了解した。で、こちらからもいくつかお願いがあるのだが、聞き入れてもらえるかな?』
「はい」
『では、先ず一つ。自爆装置のリンクをなるべく早期に解除してもらいたい。
二つ。ポールたちの行った日向家に対する情報収集活動については、日向家の方々に内密に願いたい』
「了解いたしました」
『有り難う。では、我々が“差し”で話が出来るような環境を整えねばならんな。
秘密回線などの用意があれば、この場で差し支えない程度にそれを承ろうか』

世界の半分を統べる男と宇宙からの侵略者の交渉は、順調に始動した。

91: ◆K8Bggv.zV2
08/08/16 02:00:48 LHT+gEta
西澤家。シミュレーター室。

広大な部屋の真ん中に設置された巨大なシミュレーターの前に佇む桃華とポール。

クルルから提供を受けたデータが入力されたスーパーバーチャルシミュレーターは、
今まさに計算の結果を弾き出そうとしていた。

「桃華様、私は未だにクルル殿の真意が…」

これが最後、とポールは桃華に疑念を伝えるが、桃華はそれににっこり微笑んで答えた。

「お父様が大丈夫とおっしゃったのだからきっと大丈夫です」

あの時、リムジンの中で行われたのはクルルと梅雄が直接交渉するための下準備に関する打ち合わせであり、
後に行われた両者の交渉の内容は桃華にもポールにも知らされなかった。
しかし梅雄は、クルルからもたらされる情報について『有効に使わせてもらったらどうか』と言ったし、
桃華としても、その情報の安全性と有効性にある種の確信を持っていた。
なぜといって、梅雄に紹介してもらう見返りに提供した冬樹のデータが役に立たなかったとなれば、
クルルは、桃華だけでなく梅雄の機嫌をも大いに損じる危険に直面するからだ。
それに、その気になればケロロたちは梅雄と直接コンタクトを取ることが可能なのであり、
それを考えれば、わざわざ桃華を間に入れたということには何か重大な意味が隠されているに違いないからだった。
そして、桃華にとってはこれが一番重要なことだったのだが、
クルルからの情報を有効に活用せよと言うことによって、梅雄は、桃華が冬樹に接近することに許しを与えたのだった。


シミュレーターが計算の終了をブザーで知らせた。

「では、行ってきますね」

桃華は、心配げなポールの視線を背中に感じつつ、シミュレーターの中へと消えていった。

92: ◆K8Bggv.zV2
08/08/16 02:01:35 LHT+gEta
数十分後。
突然、シミュレータールーム内に警報音が響いた。

「何事だ!」

クルルが提供した情報に未だに信を置いていないポールが、苛ついた声を上げる。
すかさず、隣接する制御室の技師からスピーカーを通じて説明がなされる。

『桃華様ご自身により、シミュレーションのリセットおよびリスタートが行われました』

「うむむ…」

心中に盤踞するクルルへの苦々しさをそのまま表情に出しつつ、ポールは唸りとも溜息ともつかぬ声を漏らした。

『シミュレーター、リスタート!』

スピーカーからの技師の声と同時に冷却ファンの音を高鳴らせはじめたシミュレーターを横目で見ながら、
ポールは、厳しい声で指示を出す。

「桃華様の心身に過度の負担がかかっていると判断される場合には、シミュレートを強制終了するのだ。よいな!!」
『はい』

もちろん技師はすぐさま返事をしたが、
しかし、その後も数十分おきに数回に亘って桃華自身の手によるリセットとリスタートが繰り返され、
そして、制御室からの強制終了信号も、桃華自身の操作によって悉く退けられた。

93: ◆K8Bggv.zV2
08/08/16 02:02:36 LHT+gEta
もう、とうに夕食の時間は過ぎていた。

シミュレーションルーム内には、メイド隊によって桃華の食事用のダイニングテーブルが設えられ、
ポールにもサンドウィッチなどの軽食が供されたが、もちろん彼はそれに手をつけなかった。
ポールは、早い時期から技師たちに命じてシミュレーター内の桃華の心身の状態をモニターさせており、
その結果によれば、桃華は大変に疲労してはいるもののその心身に病理学上の異常は生じていないという。

「桃華お嬢様…」

その内部での、
桃華の死闘とも呼べる程の労苦を全く知らぬ気なシミュレーターの静かな佇まいを見上げるポールの胸中に、
さまざまな思いが渦巻く。

やはり、あの宇宙人を信頼してはならなかったのではないか…
いや、桃華様ご自身のご意志でシミュレーションを繰り返しておられるのだから、
桃華様は、そこに何らかの意味や意義を見出していらっしゃるのだろう…
それにしても、これほどの時間がかかるとは、果たして…

その時。

『シミュレーションを終了します』

かすかなモーター音と共にシミュレーターの入り口が開き、そこから静かに桃華が歩み出てきた。

「桃華様ッ!」

桃華の下へと早足で近寄ったポールは、彼女のただならぬ有様に思わず絶句した。

桃華は、普段なら鮮やかな肌色で柔らかな微笑を絶やさない可愛いらしい顔を青白く強張らせ
その視線は定まらず、全身を脂汗でじっとりと濡らしていた。ポールへと歩み寄る足元も覚束無い。

「お嬢様…」
「ポール…。大変なことになりました…」
「何ですと!」

桃華の弱々しい返事に、ポールの目が一瞬にして『狩るものの目』へと変ずる。

「やはりあのクルルという者の言うことなど、信用してはならなかったのです…!」

ポールの激昂を宥め、そして、シミュレーターの中での出来事を説明しようと、
桃華は憔悴しきった顔をふっと上げ、腕を力なく伸ばすと掌をそっと彼の二の腕に当てた。

「そうではないのです…」
「しかし、その御様子は…」
「違うのです…。ですが…、私には…、余りにも…」

力無く俯き青白い頬を涙で濡らしながら呟く桃華の様子に、
ポールは上品な白手袋に包まれたがっしりとした握り拳をぶるぶると震わせる。

「あのクルルなる者…。かくなる上は、私がこの手で…!」
「そうではないのですッ!ポールッ!!」

桃華は悲鳴のような声を上げ、
さっと上げた顔をくしゃくしゃに歪めて半ベソになりながらポールの腕をゆさゆさと揺さぶる。

「ありとあらゆる方法を試しました…。お食事を食べさせてあげたり…、ペルーの遺跡で夕日を観たり
お風呂に無理やり一緒に入ったり、冬樹君の部屋に夜中に忍び込んだり…」

94: ◆K8Bggv.zV2
08/08/16 02:05:13 LHT+gEta
ここで、ツッタカスッポコという暢気なBGMに乗せて桃華の回想が展開される。

『はい、あ~んしてください。冬樹君!』
『いいよ、自分で食べられるから…』
『そ、そうですか…』

『夕日、綺麗ですね…』
『うん…、でも、国立博物館の特別展示、見たかったな~』
『はあ…』

『ふ、ふ、ふ、冬樹君…、お、お背中、お流しします…』
『わあっ!だ、ダメだよ、女の子が入ってきちゃ!僕、もう上がるから、良いって言うまで、目、瞑っててくれるかな…』
『すみません…』

『だ、誰!?西澤さん…?西澤さんなの?どうしたの、こんな夜中に!』
『あ、あ、あの…、ふ、ふ、冬樹君と一緒に…、寝たくて…』
『僕のベッド、シングルだから一緒は無理だよ。僕、リビングのソファーで寝るから、西澤さんは僕のベッド使って』
『あ…、有り難うございます…』

「つまり、あのクルルという宇宙人からもたらされた情報は、何の役にも立っていないということではありませんか!」

桃華の回想に尚更いきり立つポールに、がっくりと肩を落とした桃華が首を左右にフルフルと力無く振りながら答える。

「いえ…、最後の最後で、大いに役に立ちましたわ…」


95: ◆K8Bggv.zV2
08/08/16 02:06:04 LHT+gEta
またもツッカタスッポコというBGMに乗せての桃華の回想。

『冬樹君…。その…、女性が苦手とか…、女性が嫌いとか…、そういったことは…』
『ないよ』
『では、今、お付き合いなさっている女性がいるとか…』
『いないよ』
『冬樹君は、私のことが御嫌いですか?そうでなくても、私のことを迷惑とお感じでしょうか?』
『全然そんなこと無いよ』
『では、私とお付き合いしていただけないでしょうか…?』
『うん、いいよ』
『えっ…?いいんですか!?』
『うん』
『…本当に…?』
『うん。これから、宜しくね』
『…はい』

「…ということは、つまり…」
「…はい…」
「直截な申し入れが、最も効果的である、と…」
「…そうなんです…」

この結果に、ポールは、うーむと腹の底からの唸りが混じった溜め息をつき、
桃華は、この結果を他者に告げたことで緊張の糸が切れたのか、へなへなと力なくその場にへたり込んだ

「お嬢様…」

ポールは桃華を優しく助け起こすと、そのままその手をとって、設えられているテーブルへと導いた。
席に着いた桃華の斜め後ろに着いたメイドが、冷たいお絞りをさっと差し出す。
アイスティーが作られ、それは運ばれてきたサンドウィッチと共に桃華に供された。

「ポールにも同じものを」
「かしこまりました」

桃華は身振りでポールにテーブルに着くように勧め、ポールは「恐れ入ります」と深々と一礼してその指示に従う。
桃華の白く細い指先が優雅な仕草でティーカップの取っ手を摘み上げ、そのまま口元へと運んでいく。
金の縁取りが施された白いティーカップの縁が、
ようやく血色を取り戻した桃華の愛らしい唇に軽く押し当てられる。

と、次の瞬間…

桃華はそのままティーカップをグイッと煽り、
細い喉仏をコクコクと鳴らしながら冷たい紅茶を一気に喉の奥へと流し込んだ。

「ぷはーッ!あー、生き返るゼ!!」
「お嬢様…!」

思わずハッと桃華の表情を窺うポール。
そこには、普段は可愛らしくカールしているこめかみの飾り毛をピンと立て、
眉と目を挑戦的にキリリと吊り上げ表情を引き締めた裏桃華の顔があった。
表のそれよりも明らかに逞しい手がスッと差し出すカップに、すぐにメイドがなみなみとアイスティーを注いだ。

「ポール…、早速、明日…、な!」
「承知いたしました…!」

不敵な笑みを浮かべる主に、老執事は丁重だが力強い言葉を返した。

96:名無しさん@ピンキー
08/08/16 02:07:19 LHT+gEta
今回は、以上です。

97:名無しさん@ピンキー
08/08/16 09:59:17 7tNT4TqU
GJ!
続きを期待しております!!

98:名無しさん@ピンキー
08/08/17 19:04:26 u+X06UZw
保守

99:名無しさん@ピンキー
08/08/17 22:34:19 lZuSeFJ/
続き気になる! なるべく早くイチャイチャさせてあげてください!
待ってます!

100:名無しさん@ピンキー
08/08/19 21:01:12 uOdyH3Uj
保守

101:名無しさん@ピンキー
08/08/21 20:28:26 oK2q7FXf
保守

102:名無しさん@ピンキー
08/08/22 22:37:31 ZImS6hgQ
補修

103:名無しさん@ピンキー
08/08/24 15:37:16 KHlua0Ao
保守

104:名無しさん@ピンキー
08/08/25 21:23:38 ZqM3xXqx
hosyu

105:名無しさん@ピンキー
08/08/27 20:17:33 U1tVPUDP
保守

106:名無しさん@ピンキー
08/08/31 07:42:29 OUpSQ7ZZ
保守

107:名無しさん@ピンキー
08/09/03 21:12:38 sKyzMOiC
保守

108:名無しさん@ピンキー
08/09/05 00:23:27 IwtqX7QV
ケロ夏が好きな自分は少数派か…

109:名無しさん@ピンキー
08/09/05 02:17:47 JdH3+0m2
ケロモアも少なくない?王道だと思ってたのに…(泣)

110:名無しさん@ピンキー
08/09/05 14:29:49 CjiOAjDD
同じ王道でも冬桃は割りと多いよな
ガルプルもまた誰か書いて欲しい


あとついでに景気アゲ

111:名無しさん@ピンキー
08/09/05 16:43:37 ZVnfx0mz
>>108>>109
もっとマイナーな
夏ギロ派の俺がいます


112:名無しさん@ピンキー
08/09/05 18:17:40 5NSRsnQR
>>111
ここに同志がいるから大丈夫

113:名無しさん@ピンキー
08/09/06 12:53:36 v0YbCOTp
だからおまいら作品化する作業へ戻れと

114:名無しさん@ピンキー
08/09/06 20:48:40 cdnOotZK
架空請求メールを配達して届け先のヴァイパーに乱暴されるメルルのSS求む

115:名無しさん@ピンキー
08/09/06 22:04:09 2zBWx7t2
>>95の続きとクル秋待ち保守

116:名無しさん@ピンキー
08/09/09 01:38:16 aj9P92vs
冬樹×ナスカ(ミルルも可)派は私だけだろうな…。

117:名無しさん@ピンキー
08/09/09 14:21:08 PO/fs+ZE
さぁ、SSを投下して布教活動に入るんだ!

118:名無しさん@ピンキー
08/09/09 17:25:55 oJKC5aGG
ダークケロロ×ミルル(ナスカ)誰か求む

119:名無しさん@ピンキー
08/09/09 23:31:47 2Qr5NR96
>>116
たぶん、君だけだ。
けれどナスカの巨乳は鷲掴みにしたいとおもう

120:名無しさん@ピンキー
08/09/12 21:14:28 KXxCQC+H
ガルプルだよ!!
ダークケロロ×ミルルだよ!!
メルマルだよ!
蛇メルだよ!!
とりあえずケロン人だよ!!

121:名無しさん@ピンキー
08/09/13 11:33:29 I4NwWodp
766 名前:風の谷の名無しさん@実況は実況板で[sage] 投稿日:2008/09/13(土) 11:14:26 ID:8wz8olgx
夏美の目に映ってた文字

『夏美どの、そんなことしたらい
 きっとほんとうは、やっちゃいけ
 分かっていたんでありましょう?』

何の話だろ




ここなら言える
どうみてもオナーニ覗かれてます。本当にありがとうございました

122:名無しさん@ピンキー
08/09/13 11:39:13 Lcv5B5p4
>>121
オカズはやはりサブロー先輩?

123: ◆K8Bggv.zV2
08/09/14 11:35:30 QEWi4/n6
※お詫びとお断り
エロくないし、イチャイチャもしてません。それなのに、めちゃくちゃ長いです。
また、H要素を殆ど持っていない冬樹を桃華に対して何とか合理的にムラムラさせるため、延々と心理描写を展開し、
原作とアニメ(TV・劇場版)のエピソードを混在させると共に二人の年齢と学年を13歳・中学二年とさせていただきました。

124: ◆K8Bggv.zV2
08/09/14 11:36:35 QEWi4/n6
「冬樹君…、その…」
「うん。何か気付いたことや特に気になる展示品はあった?」

太陽は完全に傾き空は群青色に染まりかけていたが、まだまだ大気は湿った熱気に満ちていた。
そんな外気と隔絶され快適にエアコンが効いた冬樹の部屋の真ん中には、
床に臨時に設えられた小さな円卓を挟むようにして、
爽やかな緑色の半袖の開襟シャツに白いハーフパンツという如何にも涼しげな姿の冬樹と、
エレガントなデザインの白いノースリーブのワンピースを優雅に着こなした桃華がそれぞれ楽に足を崩して座っている。
円卓の上には『マヤ・インカ・アステカ 古代文明への招待』という表題の厚いパンフレットが二冊と、
よく冷えたミネラルウォーターを満たしたコップが二つ仲良く並んでいた。
二人は、オカルトクラブの活動の一環として、
国立中央博物館で行われている文部科学院主催の特別展示を今日一日を費やしてじっくりと見学したのだった。
この日程自体は、夏休みが始まる前から既に冬樹によって企画されていたもので、
桃華は昨日の疲れがまだ完全には抜けていなかったものの、昨日の決意どおり、今日告白することにしたのである。
だから、桃華にとってこの博物館見学はデート以外の何物でもなかったのだが、
食中りの心配がある時期だけに手作りの弁当の持参は断念して、お昼は館内の簡易食堂で軽く済ませ、
三時のおやつはこれまた売店でお土産用の『縄文クッキー』とやらを一袋買って慎ましく二人で分けて食べ、その代わり、
先ほど済ませた少し早めの夕食は、桃華行きつけのレストランを借り切っての飛び切り豪華なものとしたのだった。

「で、西澤さんが面白いって感じた展示品は、何?」
「あ…、あの…、ですね…」

「ん?」と小首を傾げてこちらを覗き込む冬樹の大きくて澄み切ったサファイアの瞳に、
桃華は一瞬にして頬から耳の先までをその名の通り桃の花びらのような可愛らしい桃色に染め上げて、俯いてしまう。

冬樹へ、自分の想いを伝える…

ただそれだけのことなのに、身体全体がカッと熱くなり、額に脂汗が滲み、心臓は早鐘を打つように高鳴り、
水泳中に息継ぎが上手くゆかないときのように呼吸が苦しくなって、肘と膝の振るえを抑えるのがやっとだ。
そんな桃華の心の中で、いつも通りの裏桃華と表桃華の口喧嘩が開始される。

「(こら、表!さっさとコクらねぇか!!)」
「(そ、そ、そんなに急かさないでください…。こういうことには、タイミングというものが…)」

俄かに美しいアメジストの瞳を伏せて脂汗を流しながらモジモジし始めた桃華に、
朴念仁代表たる冬樹が、悪気など全く無いにしても、どうしようもない一言を浴びせる。

「トイレ?」

「(ほら見ろ!テメェがはっきりしねぇから、トイレ我慢してるみたいに見えてるじゃねぇか!!
早くコクらねぇと、場の雰囲気がコントか堂々巡りの勘違いラブコメみてぇになっちまうぞ!)」
「(う~…)」

冬樹の善意(?)の勘違いと裏桃華からの核心を突く指摘という十字砲火に曝され、
一瞬にして完全に退路を塞がれた表桃華は激しく動揺し、その人格制御力が著しい低下の兆しを見せ始める。
このままでは、表裏共にそれを望んでいなくても、自動的に裏桃華の人格が肉体を支配することになってしまうだろう。

125: ◆K8Bggv.zV2
08/09/14 11:38:40 QEWi4/n6
「(何をぐずぐずしてやがる!!面と向かってバシッとコクりゃ上手くいくってシミュの結果が出てんだろうが!!)」
「(そ…、そうですね…)」
「(『そうですね』じゃねぇよ!早くコクれっつの!)」
「(はい…)」

裏の叱咤を受けた表は、おずおずと冬樹に向かって顔を上げ、話を切り出す。

「あの…、冬樹君…」
「(おっしゃー!いけー!そのまま一気に行けーッ!!)」
「うん?」
「あ…、え~と…、その…、お、王様などの支配者の埋葬のときに仮面を被せるという習慣は、
ふ、普遍的なものと考えていいのでしょうか?」
「(だあああああああーーーーッ!!馬鹿ヤローッ!!)」
「なかなか面白いところに注目したんだね。さすが西澤さん!
うん、そうだね。確かに今日見たみたいな貴石や宝石を素材にしていたり、エジプトのピラミッドに葬られたような…」

桃華にも分かりやすいようにと言葉を選んでゆっくりと丁寧に自説の開陳を開始する冬樹の嬉しそうな顔を見ながら、
桃華の心の中で、
両肘の先を両外側へとグッと張って胸の前で握り締めた両の拳をプルプルと震わせる裏が、思い切り表を詰りつけた。

「(こらッ!表ぇッ!!この期に及んで、テメェは一体何言ってやがる!
王様のお面の話なんざ、付き合い始めてからゆっくり聞きゃあいいじゃねぇか!!)」
「(ですが『さすが西澤さん』と褒めていただきました…)」
「(馬鹿ヤロ!!褒めてもらうのが目的じゃねぇだろうが!!早くコクれよ、この野郎ッ!!)」

表のこうした優柔不断さや一見コントのようにも見える表裏の遣り取りは、決してただの照れ隠しではなかった。
その根底には、桃華が普段から不知不識の内に感じ抱いている深刻な危機感があったのである。

西澤梅雄という男と西澤家、そして彼が総裁を務めるNPGは全世界の経済の半分を掌握しており、
その影響力は経済のみならず政治を始めとする社会全体に深甚に及んでいた。
だから、そんな西澤家の周囲には、何時も何某かの意図を持った相当数の人物が右往左往していた。
その大半は、西澤家が持つ権勢のおこぼれに何とか預かろうという姑息な意図を持った小物であったが、
中には、極めて危険な意図を持った者もいた。

具体的には、事業に失敗した経営者や社会の落伍者、政治活動家や社会運動家たちなどであり、
彼らのほぼ全てが、己の不遇や社会にある諸悪の根源をNPGの責任として恨み、憎む者だった。
そうした彼らの脅威は、桃華の身の上に『暗殺と誘拐の危険』という具体的な影響を及ぼしていた。

126: ◆K8Bggv.zV2
08/09/14 11:39:41 QEWi4/n6
この際、身代金を要求するいわゆる営利誘拐については、さほど心配する必要は無かった。
『西澤家からせしめた金で一生涯遊んで暮らす』などということは、
同家の調査能力と本部直轄の精鋭部隊の実力を見誤った大間抜けの夢想でしかなく、
実際、NPGの海外現地法人の社員を狙った誘拐事件は過去に数件あったのだが、
いずれのケースでも、犯人たちは仲間割れによる撃ち合いなどを原因としてほぼ全員が死亡しており、
生き残った犯人は例外なく警察に駆け込んで自首し、その後の生涯を刑務所の中で“平穏”に過ごしていた。
これについては、鉱山の開発や観光施設の建設の中止を要求しての犯行に関しても同様だった。
何故なら、『NPGの者を誘拐すれば要求が通る』という先例を作れば、
そうした犯行が続発することは火を見るよりも明らかだったからである。

だが、問題は“捨て身”の暗殺者や誘拐者であった。
桃華をその場で、或いは誘拐して殺害した犯人に犯行後に自殺されてしまった場合、
如何に梅雄といえども全く為す術はなかったからだ。

もちろん、こうした深刻で生々しい想定や懸念は桃華本人に直接告げられたことは無かったが、
それでも感受性が豊かな桃華は、ポールや親衛隊の動向などから大体の事情は察知していた。
今現在だって親衛隊が日向家を遠巻きにしていたし、
これからの帰宅も、本当は冬樹に屋敷まで送ってもらいたいのを辛抱して、
迎えのリムジンの通行が可能な大通りまでのほんの数十メートルのエスコートのみに泣く泣く止めたのだった。
そんな状態だったから、桃華にとって、冬樹に交際を申し込むということは、
こうした自分の全く尋常とは言い難い境遇に冬樹を巻き込むということ以外の何物でもなかったのだが、
しかし、逆にそうであったが故にこそ、
冬樹のその何の虚飾も無い純粋で暖かな人柄から滲み出てくる本当の優しさと安らぎを、
どうしても桃華は必要としたである。


「(よぉしッ!決めたッ!!)」
「(…?)」

裏は強い決意を漲らせた眼差しで、困惑に沈む表の顔を睨み付けた。

「(テメェが冬樹君にコクらねぇんなら、俺がコクるぜッ!!)」
「(ええッ…!?)」

二人は同一の人格なのだから、どちらが告白しようとも同じなのではないか?という疑問は、
正しく当事者以外のお気楽なものというべきであろう。根本的には同一の存在であるからこそ、
逆にその些細な相違が当事者同士(?)にとっては重大で決定的なものに感じられるのである。

「(テメェが冬樹君のこと要らねぇってんだったら、この俺が貰う!!)」
「(ちょっと!一体何を言い出すかと思えば…)」
「(ふん!いくらしっかりきっちり段取り整えたって、テメェはコクらねぇじゃねぇかッ!
小学校ん時からずっと想い続けてきた男の心がすぐ手が届くところにあるってのに…)」
「(…)」
「(テメェみてぇな根性無しに、冬樹君はもったいねぇんだよ!
俺だけ冬樹君と幸せになるから、テメェは黙って指銜えて見てな!!)」

127: ◆K8Bggv.zV2
08/09/14 11:40:26 QEWi4/n6
ニヤリと口元を歪め、「さぁ~て」と言いながら身体の支配権を奪取しにかかる裏を、
表が必死に大声で制する。

「(待ちなさいッ!!)」
「(待たないね!俺は、いや、俺たちは、今まで散々待ったろうが!!)」
「(とにかくお待ちなさい!)」
「(何時まで待ちゃいんだよ!十年後か?百年後か?
テメェだけ千年でも一万年でも待ってな!俺は、今すぐコクる!!)」

裏の言葉の正しさも、その苛立ちも、表は痛いほどに十分よく理解していた。
ならば、とるべき行動は、最早一つだった。

「(告白します…!)」
「(またまた~。無理すんなって。ま、デートの時は付いてきてもいいからよ!だけど、見るだけだぜ~)」
「(いいえ!私、告白いたします!!)」

ようやく決意を固めた表を、ニヤニヤしながら裏が更に煽り立てる。

「(へ~え、コクるんだ…)」
「(ええ!)」
「(ホントにか?)」
「(はい!)」
「(この場で?)」
「(そうです!)」
「(今すぐ?)」
「(しつこいですわ!)」
「(ふう~ん…)」

「じゃあ…」と言うが早いか、表の一瞬の隙を付いて身体の支配権を奪取した裏は、
テーブルの上にバシッと両手をつくとズイッと上半身を冬樹の方へと乗り出し、
その顔を冬樹のそれにぎりぎりまでぐっと近付けた。

「わぁッ!ど、どうしたの!?西澤さん…」
「表の奴が、冬樹君に話があるっていうから、聞いてやってくれッ!」
「お…、『表』って…。君は…」

冬樹は、桃華の表情が先程までと明らかに違うことにすぐ気が付いたが、
そうこうする内に裏は桃華の心の奥にすっと引っ込んで、そして、突き飛ばすように表を前面へと押し出した。
だが、冬樹に思い切り顔を近付けた状態のままの交替だったため、表-つまり何時もの桃華-は、
瞬時に首から上を真っ赤に染め上げながら机の上に大きく乗り出している上半身を素早く手前に引っ込めると、
そのまま腰を引きつつ白くて綺麗な細い足をきちんと畳んで正座し、冬樹にきちんと正対した。

「西澤さん…、その…、今のは確か…」

桃華の様子のめまぐるしい変転に冬樹は目を白黒させているが、しかし裏が言うように、『その時』は今しかない。
桃華は自らを鼓舞するように、
無意識のままぐっと握り締めた拳をもう片方の掌で強く包み、それを自らの心臓の辺りにギュウッと押し当てた。

「冬樹君!!」
「はい!」

128: ◆K8Bggv.zV2
08/09/14 11:41:06 QEWi4/n6
その表情と声音を切なさで一杯にしながらの桃華の懸命の呼びかけに、
思わず生来の生真面目さが出た冬樹は胡坐をパッと解き、桃華に倣って慌ててきちんと正座する。

「私は、冬樹君のことが好きです!」

桃華は気恥ずかしさを必死に堪え、戸惑いが浮かんでいる冬樹のサファイアの瞳をじっと見詰めながら、
清水の舞台から飛び降りる覚悟をもって、自分の人生で唯一最大の望みを一気呵成に言の葉に載せて冬樹へと伝えた。

「え…?」

全く予想だにしていなかった桃華の言葉に虚をつかれた冬樹の表情が一瞬虚ろになるが、しかし、
それは決してその申し込みを迷惑だと思ったり断る口実を模索する為のものでない事は、桃華にも容易に理解できた。
品よくぴたりと合わせた膝先の振るえを何とか堪えつつ、桃華は更に話を核心へと導いていく。

「私と、お付き合いしてください!!」
「…、僕と?」
「はい!」
「…、西澤さんが…?」
「はい!小学校の時から好きでした…。ずっと、ずっと…!」
「…、小学校の時って…」

桃華の言葉によって話の概要が見えてきたことで、虚ろだった冬樹の顔に僅かながら表情が戻ってきた。
しかし、その心中(しんちゅう)では何かが激しく揺れ騒いでいるらしく、その目線は微妙に定まりを欠いている。
だが、もう、このまま突き進む他に桃華の採るべき途は無かった。

「是非お願いします!!」

拳を解いた桃華の両掌が、細かく震えるその膝の前にそっと揃えられ、
桃華は美しい所作で深々と頭を下げた。
その際、座っている場所がテーブルに近かったので、
その下げた頭の先がテーブルの縁に軽く当たって小さくコツンと音を立てたが、
双方共にそんなことに関心を向ける余裕など勿論全く持ち合わせてはいなかった。

部屋を、そして二人を支配する沈黙と静寂…

それはほんの数秒も無く、そして決して重苦しいものでもなかったが、
しかし、桃華にとっては永劫にも感じられる永い永いものであった。

129: ◆K8Bggv.zV2
08/09/14 11:42:09 QEWi4/n6
冬樹は、「小学校の頃から好きだった」という桃華の言葉に、
小学校時代からの桃華との関わりについてその全てを思い出そうと必死になっていた。
そして…

「(そんな…)」

冬樹は、とんでもないことに気が付いた。
そう、これまで冬樹の傍には何時でも桃華がいたのであり、
そして、それは全く偶然などではなく、桃華の必死の努力の結果であったのだ。

小学校時代、桃華と二人で学校非公認の『オカルトクラブ』を立ち上げ、卒業に際しては、
桃華は進学が決まっていた名門校への入学を辞退して冬樹と同じ吉祥学園への入学を選択した。
ケロン人の居候を抱える者同士が日向家に集合して行った情報交換が終了した後、
玄関で見送った冬樹が「どうして決まってた進学校やめて、吉祥学園に来ることにしたの?」と問うと、
桃華は、暫しの沈黙の後、幸せそうに頬を染めて微笑みながら「ナイショです」と答えた。
中学に入ってからは、西澤家所有のリゾート用の島への旅行に始まり、日向家地下のケロン軍基地の調査、
バレンタインデー、ケロロたちとの怪談勝負、裏桃華の誕生、桃華のイギリス留学騒動での梅雄との対面や、
桃華親衛隊の抜き打ち試験にやってきた桃華の母・桜華との対面など矢継ぎ早にいろいろなイベントが発生したし、
更に、ケロン軍の古代兵器・キルルとの戦闘やNPGの海洋調査隊が発見した謎の生物の正体を探る旅では、
命の危機にも遭遇しながら二人は共に同じ時間を過ごしたのであった。

進学先を変えるということは、その後の人生行路のほぼ全てを変えるに等しいだろう。
また、桃華が表裏二人に分裂した騒動の折には、
大財閥の令嬢という一見華やかな立場は実は“籠の鳥”だと説明するポールの言葉を補足するように、
「それだけではない気がするんです」と表桃華は呟いていたし、
何より、梅雄によってイギリスへ連れて行かれそうになった際、普段なら父に逆らうことなど思いもよらない桃華が、
真正面から必死に梅雄と対峙しつつその背中で自分を庇う冬樹の袖をぎゅっと掴みながら、
「私は、ここにいたいんです!」と涙声で叫んだのではなかったか。

そればかりではない。そうした様々な出来事の最中、
桃華は冬樹に対していきなりモジモジしだしたり謎をかけたりと珍妙に思える言動をとることがままあったが、
それが、冬樹に対しての所謂『アプローチ』だったということは、最早疑いようがなかった。
それに、桃華の分裂の原因の一端がこの自分にあることは今や明白だった。
そうまでしてこの自分の傍に居ることを選択してくれたその上に、
いろいろな機会を捉えて不断に懸命なアプローチを繰り返し、しかしそれが一向に通じなくとも、
それでも諦めずに想い続けてくれていた桃華の切なく真剣なその心情は冬樹にも容易に理解できた。

「(なんてことだ…)」 

全身からサァッと音を立てて血の気が引いていくのが分かる。
それと入れ替わりに、とても嫌な冷や汗が首筋や背中、腋の下にじわじわと滲み出してくる。
冬樹は、最早犯罪的とも言うべき己の鈍感さを、今までの人生で一度も経験したことが無い程の激しさで憎み、悔いた。

「(僕は今まで、西澤さんに、どれほど辛い思いをさせてきたんだろう…)」

130: ◆K8Bggv.zV2
08/09/14 11:43:09 QEWi4/n6
桃華への申し訳無さと己自身への憤りが嵐のように激しく冬樹の心を苛み、その苦しみは容赦なく身体をも蝕んでゆく。
肋間の筋肉の強張りと横隔膜の鈍痛によって呼吸は深さもリズムも思うに任せず、
心臓はギシギシと軋みながらやっと必要最低限の鼓動を維持している。
その余りの胸苦しさに冬樹はこめかみに脂汗を浮かべ、我知らず奥歯をギリリッと噛み締めて眉間に深い皺を寄せた。
だがしかし、こんな苦しみも、桃華が今までに過ごしてきた眠れぬ夜の苦悶に比べれば遥かに軽いに違いなかった。

とにかく桃華に、今までのことを詫びなければならない。

勿論、たった一言二言の詫びの言葉によって桃華の心が癒されるとは思われないが、しかし、それでも、
詫びることによって、桃華が今までに蒙った精神的苦痛の責任が、
この自分の常軌を逸した一種異常とも言える朴念仁振りにあったのだということを認めるべきだと冬樹は強く思った。
桃華に聞こえぬように注意しながら、冬樹は、んんッと小さな苦しい溜め息を鼻から吐いて胸元の緊張を僅かに解すと、
苦しい喉元を必死に励まし、
テーブルの向こう側で深々と頭を下げている桃華に向けて短い詫びの言葉を何とか搾り出した。

「ごめん…」

シミュレーションの結果と180度相違する冬樹のこの言葉に、心臓が止まるほどの衝撃を受けたのは桃華である。
これを-当然のことながら-交際の申し込みの拒絶と受け取った桃華は、
それまで全くの二つ折りに伏せ続けていた上体を、両の腕を思い切り突っ張って一息に引き起こした。
その顔は既に表情と血の気を失いかけていたが、冬樹のその厳しい表情を目の当たりにするや、
桃華の顔色は、見る見るうちに死人のそれのような半透明の薄青色に変じていった。

「い…、今…、何て…」

喉元を何回もヒクつかせた後でやっとそれだけを呟くことができた桃華の絶望に沈むアメジストの瞳から、
大粒の涙が後から後からぽろぽろと零れ、それは生気と何時ものふくよかな張りの失せた頬を伝い下り、
細かく震える顎先から、同じく力なく震える膝元へと引切り無しに滴り落ちていく。
シミュレーションなどというものは、喩え半日を費やして何度も何度も反復したとしても、
やはりそれは結局のところシミュレーションにしか過ぎないのであろうか…?

「に…、西澤…、さん…?」

この桃華の有様を目の当たりにして驚いたのが冬樹であった。
ただ一言なりと詫びることを許してもらいたいとの思案の末に出た言葉が「ごめん」だったのであり、
冬樹としては、桃華を地獄の縁に追い詰めるようなことを言った覚えなど全くなかったからである。
激しい落胆により気を失わんばかりの桃華は、普段の美しい血色を失った唇を何度か力なくパクパクと動かした後、
消え入るような擦れ声をやっとのことでようやく絞り出した。

「お付き合い…、して…いただけない…のですか…?」
「え…?ええッ!!」

又も冬樹は大いに驚いた。
勿論それは、今、この自分が桃華に対して交際の申し込みを受け入れるか否かについての返答を、
ましてやそれを拒絶するような返答をした覚えなど全くなかったからであるが、
しかし、良くも悪くも、これが『日向冬樹』という男なのであった。

131: ◆K8Bggv.zV2
08/09/14 11:43:51 QEWi4/n6
「ちょっと待ってッ!違うよッ!!」
「ヒヘッ!?」

いきなりの冬樹の大声に、勘違いの失意によって腰が抜けかかっていた桃華は小さく飛び上がり、
正座の状態できちんと揃えられていた両足首は外側にずれ、そうしてできた隙間に可愛い尻がポンと嵌まり込んだ。
冬樹は、慣れない正座に痺れかかっていた両足を振り回すように解いて少しよろけながらも素早く立ち上がり、
少しふらつく足首を励まして桃華に歩み寄ると、その真横にペタリと正座し、これ以上無いほどの真剣で深刻な表情で、
涙の跡がくっきりと残る桃華の顔をじっと覗き込んだ。

「違うんだ!」
「は、はい!」
「西澤さんと付き合わないって言ってるんじゃないんだ!」
「はい…」

状況が良く飲み込めない桃華は、泣き腫らした大きなアメジストの瞳をパチクリさせながら冬樹の顔をそっと覗き込む。
自分の言葉が足りぬばかりに桃華の可愛らしい顔を涙で汚してしまった冬樹は、またも謝る他無かった。

「ごめんね…」
「はい…」

桃華は、この自分に対して冬樹が何かを詫びているということは理解できたが、何を詫びて知るのかが分からなかった。
しかし、状況は桃華自身が思っているよりも絶望的ではないということは、何となくではあるが分かった。

「そうじゃなくて…」
「はい…」

やはり何が『そうじゃない』のかは不明だが、しかし、この言葉が更なる何らかの発言の前置きであることは確かだ。

「…、今まで…、気が付かなくって…、ごめんね…」
「はい…」

つまりこの『ごめん』は、自分が『今まで気が付かなかった』ことに対しての詫びの言葉らしい。
ならば冬樹は、今まで『何に』気が付かなかったことをこんなにも真剣にこの自分に対して詫びているのだろうか?
桃華が、ようやく活動を再開し始めた思考で、冬樹と自分の『今まで』のことを思い返し始めた、その時…

「今まで、西澤さんの気持ちに気が付かなくて…、本当に…、本当に、ごめんッ!!」

膝の先に両掌をしっかりとつき、そして深々と頭を下げた冬樹は、
すぐ目の前の絨毯の毛並みをじっと睨み付けながら、桃華に心底から詫び続ける。

「今まで…、ほんとに、ごめん!ほんとに気が付かなかったんだ!
わざと知らん振りしてたわけじゃないんだ。ほんとに、本当に、ごめんなさいッ!!」

滑稽なまでの生真面目さと不器用な誠実さ。
やはりこれが、『日向冬樹』という男なのである。

132: ◆K8Bggv.zV2
08/09/14 11:44:45 QEWi4/n6
「西澤さんが二人に分裂したのも、僕の責任だと思う…。
僕が…、もっと早く西澤さんの気持ちに気付いていれば…、あんなことには…」

桃華は、暫くただぼんやりと、
自分のすぐ横で額を絨毯に擦り付けんばかりに身体を全くの二つ折りにして縮こまりながら懸命に詫び続ける冬樹の背中を眺めていたが、
やがて、まだ泣いた後の腫れがうっすらと残る両の瞼をふっと軽く閉じると、重ね合わせた両掌をそっと胸元に押し当てた。

「(冬樹君…)」

桃華の頬が、まだ涙の跡を残しながらも見る見るうちに何時もの美しい血色とふくよかさを取り戻していく。
冬樹のことを好きになってからもう何年も経つけれど、
今この瞬間ほど、冬樹のことを好きになってよかったと思ったことは無かった。
冬樹という男と出会えた幸せを噛み締めながら、桃華は、やはり何時もの愛らしい薄桃色に復した唇を微かに動かして、
そこから、まるで天使が語りかけるような優しく慈しみ深い囁きを冬樹の頭上に降らせた。

「いいえ…、許してあげません…」
「ごめんなさいッ!本当に、ごめんなさいッ!!」

その声音の優しさに一向に気付かず、ただ『許さない』という台詞のみに激しく反応する冬樹に、
桃華は思わず笑い出しそうになったが、しかし、これからのこともあるので、もう少しばかり冬樹を困らせることにした。

「いいえ、許しません!」
「…、どうすれば…、許してくれる…?」

おずおずと頭を上げる冬樹に、すかさず桃華は頬をぷっと膨らませてプイッと反対側を向くと、
先程よりもトーンを落とし硬くした口調で苦情を述べ始める。

「女の子の片思いの辛さというものを、少しは男の子も理解すべきです」
「はい…」
「それを、『気が付きませんでした。ごめんなさい』で済まされては、女の子は皆、恋煩いで死んでしまいます」
「うん…」

冬樹の神妙な相槌が可笑しくて仕方ない桃華だったが、しかし、もう潮時だろう。
桃華は、そっぽを向いたまま、微笑みそうになる口元を必死に力を込めて歪め、
なるべく深刻そうな声音が出るように懸命に喉と声帯を調節して、止めの質問を繰り出した。

「冬樹君は、私が死んでしまってもいいというのですか?」

133: ◆K8Bggv.zV2
08/09/14 11:45:31 QEWi4/n6
桃華はこの『死』という単語をしっかりとした覚悟の下で使っていた。
冬樹の“特別な存在”になれないとすれば、桃華にとって、この世での生など全く何の意味も価値も無かったからである。
だが先程、自身の不注意な発言によって桃華を死人のような有様にしてしまった冬樹にとって、
この質問は如何にも生々し過ぎるものだった。

「そんなこと…!とんでもないよ!!そんなこと、一度だって思ったことない!!」

冬樹は弾かれた様に顔を上げ、思わず己の立場を忘れてグッと膝を乗り出しつつキッと引き締めた表情で気色ばむが、
しかし、それに全く動じない桃華は、それまで顔と喉元に入れていた余計な力を全て抜くと、身体はそのままに、まず、
ふんわりと優しく微笑んだ顔だけを冬樹の方へ向けて、
まだ多少の緊張が残っている冬樹の大きなサファイアの瞳をじっと見詰めながら優しい声音でそっと優しく囁く。

「なら、私が死ななくても済むように…」

そして桃華は、
足の両側に掌をついて二挙動ほどをかけて身体全体を冬樹の方へ向け、その正面にきちんと正座すると、
それまで柔らかく微笑んでいたその表情をほんの少しだけ引き締めて、ゆっくりと言葉を完結させた。

「私のことを、好きになってください!」

「西澤さん…」

冬樹は思わず自分でも気恥ずかしさを感じるくらい切ない声で目の前の桃華の名を呼んでしまったが、
それは半ば、桃華がほぼ完全に落ち着きを取り戻したことに安心し、
半ば、その真剣な告白に感動してのことだった。
この、「命懸けです」と言わぬばかりの桃華の告白に、
この自分が桃華に与えている影響が如何に大きいのかを思い知らされた冬樹は、
ついさっきの桃華と同様、しっかりと覚悟を定めて、ちょっと前に屈んですっと両手を伸ばして桃華の手をとると、
それをそっと持ち上げてから優しくキュッと握り締め、
桃華の美しいアメジストの瞳を真正面から見詰め返しながらしっかりと頷いた。

「うん、わかった」

それまで硬く引き締められていた桃華の表情が、
まるで嵐が去った直後の雲間に日差しが差し込むようにパアッと何時もの明るさと柔らかさを取り戻し、
そして、それは更にこれ以上無い位の幸せな満面の笑みへと変わっていく。

「それじゃあ…!」

桃華の劇的な変化の有様を文字通り目の当たりにした冬樹は、自分自身にもしっかりと言い聞かせるように、
一番肝心な言葉を桃華に告げる。

「うん!好きになるッ!」

表情を更にパァッと明るくする桃華に、
冬樹は太陽の様に眩しくて優しくて温かい笑顔を贈りながら、もう一度、その全てをはっきりと告げた。

「僕、西澤さんのこと、好きになるよ!」

134:名無しさん@ピンキー
08/09/14 11:46:20 QEWi4/n6
今回は、以上です。

135:名無しさん@ピンキー
08/09/15 08:49:14 TdnEiov9
GJ!
つーか、素晴らしい最終回ですた

136:名無しさん@ピンキー
08/09/15 09:30:20 eVFXEKrv
下衆な俺には眩しくてGJとしか言い様がありません


>>135
終わらせんじゃねええw

137:名無しさん@ピンキー
08/09/15 13:48:40 JPvxwiVr
投稿乙です

じっくりと読ませてもらいましたよ、次回以降も期待しています


138:名無しさん@ピンキー
08/09/16 21:48:33 cKocJtYE
言葉遊びになるかも知れないけど、
「西澤さんに死んで欲しくない」
と思っている時点で、もう既に好きになってるのでは?

ぶっちゃけ、何とも思ってない相手なら生きようが死のうが
知ったこっちゃないし...

139:名無しさん@ピンキー
08/09/17 00:01:40 /+mbonWJ
恋愛感情のないただの友達またはクラスメートや部活仲間でも
死んで欲しくないと思うもんじゃないか、普通は

140:名無しさん@ピンキー
08/09/17 00:28:23 hitXF/8I
>>139同意。
138は好きな奴以外どうでもいいのか。

141:名無しさん@ピンキー
08/09/17 14:50:03 SYXYUHAU
0か1かのデジタル世代なんだろ

142:名無しさん@ピンキー
08/09/20 00:08:50 2qat37zE
保守

143:名無しさん@ピンキー
08/09/20 01:08:59 vmpH6LT6
新参なんだけどさ、擬人化で女体化でロリなクルルって駄目?
需要あったら書きたいんだけど。

144:名無しさん@ピンキー
08/09/20 07:36:09 PQT03FSQ
ケロロ小隊全員女体化なら見たい

145:名無しさん@ピンキー
08/09/20 10:36:45 TuoUhQ0Y
正直ロリなのに純粋じゃないからダメ

146: ◆HegzoUyjQs
08/09/20 16:58:43 O6mVci3U
【お詫び】
クル夏が好き過ぎて頭がどうにかしそうだったので文字にしました。
未熟な面の多い文章ですので初めにごめんなさい。
誰か一人にでも楽しんでいただけたら幸いです。

147:クル夏(1/3) ◆HegzoUyjQs
08/09/20 17:01:04 O6mVci3U
「このっ、ボケガエルー!」
「ケロッ!」

ケロロは反射的に跳ねる。
夏美の回し蹴りはケロロのつま先ギリギリを通過。
思わぬ成功に喜びの表情を浮かべるもつかの間、手のひらを最大限に使った頭部鷲掴み、そして投げられる。思い切り。
背面だけがぺったんこになったケロロに、元通りにしなさいよっ。と背中越しに言い去っていく夏美。
そこでDVDは終了した。
4色のカエルの集まった一室でケロロは机をバンッと叩き、注目を集める。

「諸君!どう思うかね!この怪力!」
「どうっていわれてもぉー・・・」

軍曹への返答に困ったタママはチラリとギロロ、クルルの反応を待つ。

「ふんっ、いつもと変わらないじゃないか」

ギロロと思った事が同じだったのに安心し、そうですよぅ。と頷く。
ところでちゃんと壊した家具は直したんですか?と夏美の怒りの原因について聞こうとタママがお菓子を飲み込み発言しようとしたが、特殊な笑い声が聞こえてやめる。飲み込む前に口内のポテチを増やした。

「クックック、前より力が強くなったな」
「そう!そうであります!さすがクルル曹長!前より体のひねりが少ないのに力が強化されているのであります!これは由々しき事態!」
「貴様の鍛錬が足らんのだ」
「ちょっとギロロ伍長!そんな他人事みたいに!」
「他人事だろうが!悔しければ鍛えろ!軍人だろ!」
「あ、軍曹さん、今日はそろそろ帰りますねぇー」

桃っちと約束があるんですよー。とにこにこと席を立つタママ。
便乗しギロロも今日の議題がこれだけなら帰る。と続く。
タママは笑顔で手を振り、ギロロは眼でケロロを貫く。
それに怯んだケロロは引き止める言葉も喉に詰まる。
大きな眼には部下の背中が扉で完全に遮られる光景が映った。
ガクリ。と大げさに項垂れるケロロ。
だがそのまま控えめなククク笑いをしているクルルに悲劇のヒロインのように弱弱しく、しかししっかりとしがみ付いた。

「ねぇーん。クルルぅー」
「ククっ。それで、オレはどうすればいいんだ?」
「なんかこうーペコポン人の筋力を弱めるーとかそういう発明できないかなぁーなーんてぇー」

これはペコポン侵略にもおおいに役立つと思うんだよね!と私的な恨みをカモフラージュするケロロ。
そして期待していた答えを見事言うクルルにケロロは顔を輝かせた。

後日、『か弱いか弱い夏美殿作戦』の手順が決定、そして決行。
実験対象、日向夏美。
作戦開始。実験対象者帰宅直後。

「くぅー、ドキドキしてきたぁー」

148:クル夏(2/3) ◆HegzoUyjQs
08/09/20 17:02:47 O6mVci3U
作戦開始までもう少し。ケロロの体内時計が鳴りはじめる。
この作戦が成功すれば、もう夏美殿が我輩にあれこれ偉そうに命令することもなくなるであります。
ペコポン侵略もこれが成功したら予算を集めて規模を大きくすれば・・・。
ケロロの頭に邪な考えが駆け巡り、素敵な未来にケーロケロと鳴いた。
その時無線機が鳴る。とる。

「標的、日向夏美。もうすぐ玄関につくぜぇー。クックック」
「こっちはすでに準備完了であります!」

無線機を端っこに置くとケロロはエプロンのポケットの中の感触を確認する。
準備OK。玄関のドアを瞬きもせずに凝視する。
ドアノブが動く。緊張が走る。

「ただいまー。あれ、ボケガエルどうしたの?」

ドアが閉められる。これで空気の逃げ道は減った。
まるいまるい眼を見開く、ポケットに手を突っ込む、取り出す。

「夏美殿!覚悟であります!」
「え、ちょっ!な」

ポケットから取り出したのはスイッチ。夏美が何か言い終えるの前に押す。
瞬間ブシューっと玄関が白い煙に包まれる。
作戦手順その1、眠らせる。
ケロロはすばやく近くの部屋に非難。
夏美も後追いかけ部屋に入ってくる事も予定していたが、驚きから煙を吸い込んでしまったらしく音がない。
そっ・・・と顔半分を出し覗く。玄関に横たわる赤い髪。

「こちらケロロ軍曹であります。作戦成功!ぐっすりであります」
「じゃぁさっそくこっちまで運ばなきゃな。ククッ」

ケロロは作戦通りクルルの発明品を使って一人夏美を運ぶ。迅速に。
クルルのラボに着くとそこにはペコポン人一人横たわれる台。
そこに夏美を横たえる。
台の上を見れば何か大きく緻密な機械。

「おぉ!これでペコポン人の筋肉を弱めるのでありますな!」
「この機械で特殊な電波を出し筋肉を脂肪に変える。それで筋力は著しく落ちて、か弱い、平均女子以下となる。クークックック」
「ほほーぅ、さすがクルル曹長!でー、どのくらいかかるでありますか?」
「まぁ1時間くらい状況をみながらだな。やりすぎちまうと脂肪しかない大変な状況になっちまう」
「脂肪だけのふにゃふにゃペコポン人になったら大変でありますからな!」
「ほい、スイッチオン」

クルルがスイッチを押すと静かな起動音をたて動き出す。
特殊な見えない電波が夏美を包んでいる証拠だろう。
しかし一時間何をしていようか。とケロロは悩む。
クルルは夏美殿の様子を見ているし。と思った所で眼を見開く。

「ク、クルル曹長?」

149:クル夏(3/3) ◆HegzoUyjQs
08/09/20 17:04:35 O6mVci3U
実験対象の上着をグイっと捲る。
下着も外すのではなくずり上げる。
弾力のあるものが開放。

「なななななななにをしてるでありますか!?」

突然の行動に頭が混乱するケロロ。
それに見向きもせず今度は2つのものを両手で掴む。揉む。

「筋力が脂肪に変わるのを確認してんだよ。自らの手で確認するのが一番確実だからな。クーッククク」
「い、いやしかし、そそそこは脂肪の塊というか」

そこを確認してもあまり意味はないのではとモゴモゴ口を動かすケロロをさらに無視してクルルは作業を続ける。
グッと力を入れれば力の通りに形が変わる。
もにゅ、もにゅ、もみ、もにゅ。

「わーわー!クルル曹長!夏美殿が起きてしまうでありまーす!」

ケロロは息を吐くように話して静かに騒ぐ。
夏美殿起きないで起きないでと願いつつも夏美殿起きてー!と矛盾した考えがぐるぐるぐるぐる。

「・・・んっ・・・・・」
「ケロッ!」

夏美から吐息が洩れる。
ケロロはビクリと体を硬直させる。
が、少し顔の位置をずらすとまた小さな寝息をたてはじめた。
その間も構わず自在に柔らかいものを動かすクルル。
両側から包み込む。そして揉む。
豊富なそれはどう力を込めても柔らかに動く。
眼で楽しむ手で楽しむ。
そして指の間に突起を挟みこみさらに揉みしだく。
催眠ガスはよほど協力なのか夏美が起きないのに罪悪感が募る。

「ク、クルル曹長、そんなにする必要は・・・なぁぁぁぁぁぁ!!」

片手の力を緩めへその方へと滑らせ、その先へと滑り下りようとする指先にケロロは話途中で絶叫した。
近くにあったものを引っ掴みクルルを力の限りぶっ叩く。

「にょ!」
「さ、作戦は中止であります!」

連れてきたのと同様の方法でケロロは光の速さで夏美を連れて移動する。
とり残されたクルルは頭の痛みをさすって自分を誤魔化しながら椅子に座りなおす。

「感触忘れない内にぬいとくか」

~fin~

150: ◆HegzoUyjQs
08/09/20 17:07:42 O6mVci3U
妄想晒し失礼しました
お読みくださった方はありがとうございました

151:名無しさん@ピンキー
08/09/21 15:26:20 rI9Hfio/
エロが足りねぇぇ!

が、投下してくれる人には頭下がる。ありがとう。

152:クル夏 ◆HegzoUyjQs
08/09/23 08:34:34 aoIvyrYJ
えろくもないアホなものでごめんなさい。

ぷにっ
夏美は自身の頬をつつく。

「ねぇ冬樹。もしかして私・・・太った?」
「え、全然そんな事ないよ」

冬樹の言う通り、特に以前と変わった様子は見られない。
だが夏美は両の手で頬を包み込むと不服そうな顔だ。

「ゲーロゲロゲロ!夏美殿はどんどんどんどん太ってダルマのようになってしまうのであります」
「ぐ、軍曹・・・」

ケロロの挑発にガーン・・・と夏美の精神に響く音。
嫌ー!そんなの嫌よー!痩せなきゃー!と多くの乙女が通る道、ダイエットを決める。

「ククーッ。顔の部分痩せダイエットにオススメ、小顔棒を持ってきてやったぜぇ。コレを舐めてればあら不思議ー。顔の筋肉シェイプアップー」
「またあんたはどこからともなく現れてくるわね・・・」
「ほらよ」

ポイっと渡される飴のような棒。バナナのような形。持ちやすい。
舐めているだけでいいという事でクルルに礼を言うとさっそく舐めはじめる。なんだか美味しい。
勿論ノンカロリーで美味しく楽しくダイエットだ。ククッ。という開発者の説明に安心すると、味も堪能して舐め続ける。

「たくさん舐めれば舐める程効果は上がるぜぇ」
「もっと舌を使えよ」
「しっかり隅々まで舐めるといいぜ」
「先の方だけ舐めるとかいうのもアリだな」
「あとは吸い上げる感じだ」

一気に説明せず逐一言うのにイラッとしたがそこは良い物を提供してくれた事での感謝で自分を誤魔化す。
しっかり・・・説明の通りしっかりと、口の中に入るだけ突っ込んでみる。
さらに口内で舌を使って念入りに舐める。
一度口からソレを空気に晒すと、下から舐め上げてみたり先だけペロペロ舐めてみたり。
吸い上げる?ちょっと考えて閃く。しっかり口に入れると言葉の通り吸いながら先端が顔を出すまで顔を動かす。
クルルをチラリと上目で見ると、特有の笑い声を発しながら、そうそう。と頷いてくれている。
よし!こうか!と夏美は出し入れを繰り返す。
うぅーん、なんだか口周りの筋肉が疲れてきた。これは絶対痩せられる。
ツインテールを揺り動かしながら、効果を実感すると俄然やる気を出す。

「夏美。芋が焼けたんだが一緒に・・・・・ななななにをしているんだ!?」
「・・んむ・・・・・ふぁっ。何ってダイエットよ。あ、私お芋いらないから、冬樹にあげて」

しばらくお芋は食べないわ。太るから。と拒否されたショックより混乱が大きいギロロ。
夏美の口が舌が一生懸命動くのを真正面のソファに座り眺めるクルルにギロロが詰め寄る。

「ななななななな夏美にななななな何をさせて」
「クーックックックック。ちなみにアレのサイズはオレのサイズだぜぇ」
「なぁぁぁぁああぁぁあぁ」
「ギロロうるさい」

~fin~
という保守。連続失礼しました。
読んでくれた方はありがとうございました。
もうなんでも投下してくれる人来ないかな・・・。

153:名無しさん@ピンキー
08/09/25 00:14:23 /h437cHu
投下ありがとっありがとっっっ!!!!

154:名無しさん@ピンキー
08/09/26 20:06:52 zS6z6wgo
保守

155:名無しさん@ピンキー
08/09/26 20:40:32 l6v3Z9SD
>>146 >>152
ありがたやありがたや

156:名無しさん@ピンキー
08/09/27 00:09:56 8M6c5XSv
仔ケロプルをぉぉぉぉ!!

157:ガル(擬人)夏 ◆HegzoUyjQs
08/09/29 00:14:05 v7x4GK7L
「このスレが落ちないための・・・保守だからっ・・・」
「それで自らネタを提供しに来たのか・・・健気だな。ならば・・・・・来なさい。望み通りにしてあげよう」

紫の髪が夏美の額に触れる。顔をしっかりと固定し、柔らかな体は片腕に納まる。
唇を触れ合わせるが抵抗はない。
頬を染め、しっかりと目を閉じる彼女はいつになく素直なのかもしれない。
隙間に舌をゆっくりと入れ、口内を犯す。
同じように舌を動かそうとするのがなんとも初々しい。
顔を押さえていた手を服の下に移動させる。ビクっと一瞬彼女は身を引いたが、構わず下着を外す。
下着と肌の間の隙間がガルルの手を受け入れた。先端を指先で弄ぶ。
ずり上がっていく上着。夏美はゆっくりと目を開けたが、ガルルと目が合うと途端に伏せてしまった。
先を胸の中に押し込むように力を込める。

「ぁっ・・!」

喉元で無理矢理押し返していたであろう声が漏れる。
下半身が優越感に浸ったのか、血の巡りがさらに良くなる。ペコポン人の体はまだ把握しきれていないが、これが最大ではない気がする。
ベッドに腰掛けると、夏美の姿勢を低くさせる。

「・・・分かるね」

その一言で夏美を促すと、悦に浸った顔が一度だけ小さく下に振れた。
彼女はたどたどしく彼の下半身を露出させ、出てきたものを口に含む。
生暖かい感触が直に波としてやってきた。顔には出さず、その感覚を受け入れる。
・・・だがそれ以降、やはり知識としてしか蓄えられていないらしいその行為は満足といくものではない。
温度になれた自身のものは、萎える事はないがそれ以上に大きな快感を生み出すものでもなかった。
ガルルは少し想定外の事に苦笑し、夏美の頭を撫でた。
─誘っておいて、これでは生殺しだ。
突然撫でられた事に驚き、咥えながら上目で見たガルルの表情に夏美もなんとなく察した。
恥ずかしさで顔が真っ赤になる。このまま口で奉仕するのも滑稽だと思い、それを開放する。

「さぁ、もう保守もこれくらいでいいだろう。私は十分に満足した。ありがとう」
「うぅ・・・」

ガルルの大人な対応に夏美はどこかの赤蛙の如く恥に染まる。
出さずに終わる事は辛い。それくらいはそういう知識の乏しい彼女だって知っていた。
処女を気遣い初めから散らす事はしない気だったのだろう。
─バカにしないでよ。顔を上げ、ガルルを睨む。

「なんで・・・なんで最後までやらないのよバカ!保守だなんて口実なのは分かるでしょう!」
「夏美君。こんなに長い保守は逆に邪魔となるかもしれない。◆HegzoUyjQsはには自重が必要だ。ヤケを起こすのはよくない」
「・・・・・ヤケじゃないもん。好きなんだから」

拗ねた顔をガルルにずいずいと近づける。真っ直ぐ彼を見据えたまま、もう一度「好きなんだから」と繰り返す。
彼はしばらく悩むように沈黙した後、彼女の頭の撫で、口元を緩ませた。
その表情に夏美は心拍数が上昇する─不意打ちはずるい。彼とかち合っていた目線を外す。
そのまま夏美は意を決して下着ごとホットパンツをずりおろした。あ、なんか色気のない脱ぎ方。上昇した気合が少し落ちる。
おずおずと彼の半身を跨ぐように膝立ちしようと体を安定させるが、ガルルはひょいと夏美を抱くとベッドに押し倒した。
二人分の体重に圧迫されているベッドは心なしか柔らかさに欠ける。
味方が少なくなったような、そんな不思議な気分にさせられた。
彼の指が割れ目をなぞる。自分から分泌された液のおかげで、難なく滑るのが触覚で分かった。
指を1本侵入させられる。なんだか鈍く痛いが、耐えられないわけではない。

158:ガル(擬人)夏 ◆HegzoUyjQs
08/09/29 00:16:51 v7x4GK7L
「・・・笑わないでよ」
「いや、すまない」

こんなに濡らしてるとは思わなかった。とぬいた指についたのを確認される。
それは薄暗い部屋では分かりにくいが、夏美は彼の指に水のようなものがまとわりついているのを確認してしまった。
─恥ずかしい。
だがそんな弱気な事で言っている場合ではない。
これから行われる行為は、もっともっと恥ずかしいものになる事は容易に想像出来る。
心の準備が出来ると、彼を見る。彼は夏美の肩を押さえると、ゆっくりと挿入していく。

「いっ・・・・・!」

たい。と出た言葉の続きを頭で補う。
彼の首に腕を回し、しかし絞めないように、痛みを自分の中だけで消し去る事に集中した。
じょじょに開拓される内側は、痛みが鈍い痛みに和らいできた事で、彼のすべてを受け入れた事を連想する。
今度は動き始める。下腹部に鈍い痛みが若干残るが、摩擦されている場所は、だんだんとなんとも言えない痺れとなって夏美を襲い始める。

「・・・・んんっ─なんか変な・・・っ!ぁ、・・・あぁっ!」

中で動くものに夏美の感覚が委ねられる。
奥を突けばそれに合わせるように彼女の高い声が鳴る。
しばらく楽しんだ後、スピードを上げた。

「えっ、何─だめっ!ぃぁっ!あっ!あぁ!」

嬌声がだんだんと大きくなる。
─だめっ。これ、ヘンになっちゃ・・・。
静止の言葉を聞いてもその動きを緩めないガルル。
目があうと夏美は糸が切れたように、体を震わし、達した。
が、快感の波の原因は、あと少しピストンを続ける。

「もうだめっ!─ふぁっ!はぁっ。──あっ、あぁっ、ああぁーーー!」
「・・・っ」

彼は欲望を放出する。どくんどくんと脈打つのが、感度の高まった膣に、緩い波として伝わる。
中に液体が溢れると共に、夏美の脚腰がびくんと震える。
ガルルはまた夏美の頭を撫でる。今度はそのまま頬にまで手を下げる。
彼女は法悦した目で見つめた。彼はそれに満足気な笑みで返した。

「お疲れ様だ、夏美君。保守は達成したよ」
「うん・・・保守っ」

~fin~
このスレが活気あるスレになりますように。
読んでくれた方、ありがとうございました。

159:名無しさん@ピンキー
08/09/29 12:31:20 Yv81l5Wc
>>157-158
まさかの保守SSに吹いたw&萌えた
ガル夏いいな

160:名無しさん@ピンキー
08/09/29 21:25:51 CF/3v2Ai
保守SSが一番好みだったとかもうね

161: ◆HegzoUyjQs
08/09/29 21:32:19 v7x4GK7L
>>160
なんかごめん

162:名無しさん@ピンキー
08/09/30 21:12:41 8MXUyhTt
ガル夏なんか新しいのぅ
でもやっぱケロロ好きとしてはケロン体絡み好きだな
擬人はあんまり・・・

163:名無しさん@ピンキー
08/09/30 23:25:09 WZw3yMUw
まぁ人それぞれってことで

164:名無しさん@ピンキー
08/09/30 23:28:31 kOS96XQd
夏ギロなんて書いたら怒る?

165:名無しさん@ピンキー
08/09/30 23:45:55 CGqOF93N
>>164
むしろ大歓迎

166: ◆HegzoUyjQs
08/09/30 23:54:30 4w07HC/d
>>162
ケロン体も勿論好きなんだがチンコどうしようって考えたら擬人にしてしまった。
すまん。
ケロン体のエロ勉強しに過去の他の職人さんのSS読み直してくる。
まったり保守代わりにまたSS投下すると思うけど、
名前欄か、書き始めにちゃんと注意的なものを書くので、
それで読むかどうかの判断材料にしてください。

167:名無しさん@ピンキー
08/10/02 09:36:38 mrcP8hGV
ほすあげ。

168:名無しさん@ピンキー
08/10/07 01:40:17 vMYkDXHj
age

169:ケロ夏(1/2) ◆HegzoUyjQs
08/10/10 23:45:45 IKIKet6j
「いたっ!痛い!痛いであります!」
「お・と・な・し・く、しなさーい!」
「ヘチマはぁ、ヘチマはだめぇぇぇぇ!あぁん」

日向家の浴室に絶叫が響く。
長袖を半袖になるまで捲くり、ケロロを買ったばかりのヘチマで擦るのは夏美。
この経緯に至ったのは単純明解である。
散歩中のケロロが肥溜めに落ちる→くさい→洗う→匂いがとれない→ヘチマ(冬樹が少し前に学校の学習の一環として収穫して持って帰ってきた)

「いやいやいやいや!なんでヘチマにな─痛い痛い痛い!自分で!自分でするから!自分でぇぇぇぇぇ!」
「だってアンタ自分ですると柔く洗うから匂いとれないじゃない」
「我輩超デリケート?みたいなー──ぷわっ」

バシャーっと頭から風呂の湯をかけ、両脇を掴み持ち上げると顔を近づけ臭いを確かめる。
ケロロの眼前に少し泡や水の被害を被ったツインテールが揺れる。夏美の額にペタリと引っ付く前髪。
よし、いい匂いになった!とやり遂げた笑顔を向ける夏美。
──我輩、ぬいぐるみ扱いでありますか。
なんだかちょっぴり酷いよ夏美殿。
男として見てなんて贅沢だけれど、生態的には雄だし、夏美殿が開放的な格好をしている時だってムラムラする事もあるし。
リビングで夏美殿が寝てる時に乳を揉み逃げだってするお年頃なんであります。ご馳走様でした。
じゃなくて、とにかく夏美殿は隙が多いのであります。だから好きになっちゃう輩が出てきちゃうのでありますよ。

「たぁぁぁぁぁ!」
「きゃっ、ちょっと何!?いたっ!」

突然のケロロの捨て身タックルに夏美は壁に後頭部を打ち付ける。
強打、という程の事でもないので心配はないが地味に痛いようだ。
─夏美殿をちょっと懲らしめるであります。
てぇい!と夏美の手をケロロは近くにあったタオルで縛る。
夏美はクラリとする頭が機能を再開すると、解くより先に自由な足で攻撃をする。
が、ケーロケロと喉を鳴らしながら蛙はひらりとかわす。
股の間に入り込むとホットパンツの留め金とチャックを器用に開けた。

「ゲロゲロリ。洗濯たたみの経験地が今ここで発揮されるでありま─すぅ!!」
「これ解きなさいよボケガエル!何するつもりよ!」

股の間のケロロを追い出すのは困難。太ももに挟み苦しめる事で自主的な反省を促す。
しかしケロロも負けずに両手で突然の奇襲に応じる。ぐぐぐぐぐぐっと足を閉じる力と開ける力が反発する。
いつも蹴られたりしている鬱憤、軍人の底力を見せてやる!とさらにバカ力を捻り出し、夏美の力を上回る。
ジリジリとV字に開かれているチャックの間から見える下着に近づいていくと夏美の表情にも切羽詰った焦りが浮かぶ。
夏美に勝っている優越感に浸ると気分が乗ってくるというもの。
にやにやした笑みを浮かべると、舌を思いっきり出し、目の前の下着を唾液で湿らせる。
抗議の声も今は悪戯心と優越感を満たすものにしかならなかった。
一番届きやすいのは性器の恥丘の下。クリトリス。舌の先をそこにあてる。

170:ケロ夏(2/2) ◆HegzoUyjQs
08/10/10 23:51:05 IKIKet6j
「そんなとこっ・・・んっ!─や、やぁ、あ、ぁ・・・あぁぁ!ボケガエ─んんぅ」

ぐりぐりぐりぐり。舌先でそれを動かすと夏美からは我慢しきれない声が漏れる。
唾液で湿った布が敏感な部位を擦り、擦り、擦り、擦り。
時折違う動きをすれば、ビクンと体が素直な反応を見せる。
既に足には力がなく、ケロロの手は添えるだけとなっていた。
舌を休め、夏美の顔を見れば、目を閉じ、はぁ。と吐息をついていた。
見えた瞳は潤み、何かを求めるようにケロロの丸い目を捉える。
これが雰囲気に流されるというものか。それとも「体が火照っちゃって我慢できない!お願い、頂戴!」というアレか。
─自分から襲っておきながら、なんだか普段見ない可愛い夏美殿に気恥ずかしくなってきた。(後悔はしていないが)
懲らしめている(お仕置き中)の主の如く思考を切り替えるケロロ。
─それにしてもエロい体しているでありますな。
しまった、これではただのエロオヤジではないか。ローアングルから見る夏美殿の体につい本音が。
えぇい!もうとにかく攻めちゃうもんね!もっとエロい夏美殿を誰より早くたくさんみるもんね!と思ったが勝ち、下着の中に手を入れる。
ぬる。とした感触はきっと自分の唾液ではない。ぬるぬるを先ほど攻めた場所まで持っていく。ぬる。ぬるぬる。
ケロロが手を動かせば動かす程夏美の腰が悩ましく動く。
指で虐めれば声が上がる。手を止めると、ひくひく痙攣している場所からまたぬるぬるが溢れる。
夏美は既に肩で息をしていた。

「夏美殿ってばやらしーい。ここがひくひく動いているでありますよ」

調子に乗って冗談めかしく言うケロロ。
緩んだ夏美の脳みそが途端に目を覚ました。
刹那ケロロのバランスを崩させ、蹴りが届くようにする。そして勿論蹴る。
ゲロッ!と対応に遅れたケロロが風呂の壁に張り付く。
─私の・・・バカ。だけど、ボケガエル、あんたはもっとバカ。
初めての快感に酔ってしまった後悔と情けなさと羞恥と他複雑な乙女心エトセトラ。
いろんな感情を吐き出すべく溜息をつくと、拘束された手を口使って頑張って解く。
ひとまずは湿った下着のまま服の乱れを直すと、動かないケロロ(気絶)を抱き上げる。

「順序が違うでしょ──ほんとボケガエルなんだから」

性的な意味でなく、恋愛的な意味で呟いた。

~fin~
結局自重しなくてごめんなさい。
他の方を待つためのほっしゅほしゅ、暇つぶしに。

171:名無しさん@ピンキー
08/10/11 08:52:51 Rilz3Rnj
キタ嗚呼嗚呼!
何を隠そうケロ夏大好物であります!

もしよろしければ続きをお待ちしているであります!

172:名無しさん@ピンキー
08/10/11 09:38:46 l4/CwsgF
ケロ夏好きだ!GJ!
ご馳走様でした。

173: ◆K8Bggv.zV2
08/10/11 19:05:32 DqeWTduz
スレの皆様、お久しぶりです。

◆HegzoUyjQsさんが来て下さったことでスレに往時の活気が戻ってきたこと、
及び、作者の現実世界での生活が少々変化致しました事に鑑み、
>>133をもちまして投下の終了とさせていただきます。

本作品は、保守用の小ネタとしては壮大なストーリー展開を予定しておりました。
その内容は、軍本部からの最後通牒に腹を括ったクルルとケロロの共同謀議によって、
先ずギロロと夏美をくっ付け、次に桃華と冬樹(書かせていただいたのはここまで)、ケロロとモア、
ドロロと小雪、そしてクルルと秋を離れられない位の強さでくっ付けて(つまり、同意の上のハニートラップ)、
地球を無血占領するために訪れたケロン軍との交渉に、
桃華から懇請された冬樹と予めクルルから事前に説明を受けていた梅雄が当たり、
同軍と戦おうとする夏美をギロロが必死で止め、
クルルと軍本部の秘密の合意に気付いたドロロは「それは人の心を弄ぶものだ」とそれを怒るけれども、
小雪との関係を軍法会議で問うと脅かされて沈黙してしまうものの、
ケロロ小隊と関係の深い地球人を『名誉ケロン人』にするということで軍幹部たちとケロロ小隊が妥協し、
かくてケロン軍の地球無血占領が完了する、というものでした。
また、ケロロとモアの組み合わせは、もし同軍がクルルとの事前調整を反故にして武力侵攻の挙に出た時は、
モアからモアパパに働きかけてケロン軍とケロロ小隊と間に仲裁に入ってもらおうという、
クルルが考えた一種の『保険』として構想しました。

なお、本作品の保管庫への収蔵は辞退させて頂きたく思います。

長い間のご愛読、本当に有り難うございました。

174:名無しさん@ピンキー
08/10/12 00:23:55 ObHHMjQm
めんどくさくなった、と一言いえばいいのに。

175:名無しさん@ピンキー
08/10/13 17:25:14 sHiFsfoV
>>173 今まで乙でした 良ければ又来てくださいね

>>174 ◆K8Bggv.zV2氏が投下を始めた時のここの状況知ってて言ってんのかよ
お前こそ「僕、オナニーは得意だけど日本語読むのは不得意だから、長文読むのが辛かった」って正直に言ったら?wwww
自宅警備の夜勤中の書き込み乙

176:名無しさん@ピンキー
08/10/13 18:52:34 guFGDhQq
>>175
>◆K8Bggv.zV2氏が投下を始めた時のここの状況知ってて言ってんのかよ

そんな事情、誰も興味ないって


177:名無しさん@ピンキー
08/10/13 20:57:10 uO5oJlFq
>>175
本人乙w

178:名無しさん@ピンキー
08/10/13 21:15:47 sHiFsfoV
なるほど ◆HegzoUyjQs=>>174ね 失礼しました

179:名無しさん@ピンキー
08/10/14 01:19:23 7RxKcDWQ
>>178
誰かこの超理論を説明してくれ。
俺には何をどうしてそういう結論になるのかわからないんだ

180:名無しさん@ピンキー
08/10/14 08:49:28 AykFR8dB
ただのアンカミスだろ

181:名無しさん@ピンキー
08/10/14 18:33:43 sZ5OMpwq
一通り見たんだが、ダークケロロの話はないんか

182:名無しさん@ピンキー
08/10/15 08:03:09 RNanuS34
>>◆K8Bggv.zV2
長い間乙でした!
書き手にしてもROMにしても、また来てくれるといいな。と思います。

>>178
違うよ違うよ(';ω;`)!

183:クル夏(1/3) ◆HegzoUyjQs
08/10/15 08:07:09 RNanuS34
突然ですがクル夏投下。クル夏好きはあまりいないみたいだけれども・・・。
夏美オナニー要素含みます。
-----
エロ本。18歳未満の所有、閲覧は禁止されている。
それが、何故弟の部屋にあったかは分からない。ただ、偶然にも見つけてしまった。
そして疼く好奇心を抑えきれず、気付いた時にはしっかりとその内容が脳に焼き付いて離れない。

冬樹の部屋に勝手に入った事がまずよくなかった。
はさみを借りるという些細な理由でも、家族間のプライバシーというものは大切だとしみじみ思う。
文房具なら机の一番取り出しやすい引き出しに入れているものという偏見は間違いではなかったのだが、同時に何かを一時的に隠し、忘れてしまう場所でもあったようだ。
引き出しを開けた途端に、どーん。と見せられたのは平面に描かれた女の子。
前かがみのポーズに、両手を自らの股間にあて、頬は羞恥色に塗られ、口から唾液を垂らす、濃厚に塗られたイラストはいやらしさ満点だった。
家族として、すぐに見なかった事にするのが一番良い対処なのだが、夏美の好奇心と外出したばかりの弟の帰宅時間の想定が『見てから見なかった事にしよう』という悪魔の囁きを支援した。
開いてみればそれは漫画の短編集のようなもの。
一人の部屋。誰もいない。えっちな事しても・・・ばれないよね?もし自分の大事なトコロを触られたら・・・。
あ、あぁん。なんか自分で弄ったら気持ちいいよぉ。手が止まらない・・・!もっと気持ち良くなるには・・・あぁぁぁ!ココ弄ると気持ちいい!
ぁ!お兄ちゃん勝手に部屋に入らな─えっちな事してるのバレちゃったぁ・・・でも、もう気持ちいいの止められないよぅ。
ねぇお兄ちゃん、なんだかもっこりしてるよ?あ、お兄ちゃんもしかして・・・。ねぇ、お兄ちゃん私と──

「夏美?居るのか?」
「ななななにギロロ!?」

突然の呼びかけに光の速さで本を元に戻す。片付けた直後、手には何も持っていないが、なんとなく背中で手を揉み解す。
焼き芋の誘いに「た、食べる食べる」と応じてギロロより先に縁側に向かう。
「・・・冬樹の部屋で何をしていたんだ?」「ち、ちょっとはさみを借りただけよ」「・・・そうか」となんだか挙動不審の夏美にとりあえずの形でギロロは納得。
その後は1人と1匹縁側に並んでもぐもぐと焼き芋の甘さを堪能した。

その日から、夏美は自分を慰める夜が始まる。
あの漫画の女の子の痴態を見てからというもの、夜、ベッドに入ると、秘部に手を伸ばしてしまう。
はじめは少し下着越しに擦るだけ。次の日は指先でクリクリと。その次の日は─。
誰に犯されているだのの妄想は特にない。ただ、自身が誰にも言えないような事をしている背徳感。それでも手を伸ばしてしまう体の疼き。
そんな淫らな自分に興奮して濡らしていたのかもしれない。
慰めて、気付いたら腰を自らほんの少し浮かしていたり、そしてそれがこの快感をさらに高めてくれる事も発見した。
快感を高めて、高めて、高めて・・・・・疼く体をベッドに丸めて朝を迎える日々。

184:クル夏(2/3) ◆HegzoUyjQs
08/10/15 08:08:39 RNanuS34
「クーックックック。今夜もオナニーか」

大画面に映し出されるもぞもぞと動く毛布。枕に乗せた頭も映る表情は寝る前の余興に浸っている。
クルルのラボではその映像が生中継されていた。
日向家に取り付けた隠しカメラも、いつしかどんどん追加されていった。
暇だし風呂でも覗くか。夏美の体が成長しているな、データでも取っておこう。着替えも覗いてブラジャーのサイズでもチェックするか。
なんだ日に焼けた肌も結構綺麗だな。覗かれてるとも知らずなんとまぁ無邪気な寝顔。ローアングルもまた堪らないな。ついでにここにもつけとくか。
気付けば机の上、枕の近く、床から天井への斜め目線と夏美の部屋のカメラだけが必要以上に増えていった。
思春期かコノヤロー。と自分で自分に突っ込む。そんな自分の苛立ちをこの女が悪い。と八つ当たりに思っていた矢先のオナニー映像。
──これ、イってんのか?
ふとした疑問。やり始めの頃よりは腰を少し上げたりしてまぁ気持ちいいのだろうが、それにしてもオナニーの時間が短い。
当人の体感では長く感じるのかもしれないが、実際3分としていない。
しばらく思考して、腹の底が笑う。イイ事教えてやろうじゃないか。と。

次の日。アンチバリアで見えなくなった状態でクルルはある物を持って夏美の部屋に潜む。
夏美はいつものように一頻勉強に勤しむと、ベッドに腹ばいになり何やら雑誌を読み、あくびが出た所で電気を消して布団に潜り込んだ。
布団に入ってから自慰行為に至るまでにしばしの時間があるのは、少女の理性と本能の葛藤。
やがて本能が勝ると、横に向き直りもぞもぞもぞもぞ。
─さて。楽しませてくれよ。
事前に部屋から音が漏れないバリアを張った今、準備は完了している。
手に持っているのは、スイッチをオンにするとちょっぴり煩い振動音を立ててぶるぶる震えるアレ。

「お楽しみだな」
「へ? え、えぇ!? ちょ、ななななな」

突然の出現に目を丸くし、途端顔を真っ赤になる夏美。
とりあえず飛び起きベッドに座るが、クルルとより多く距離をとるため壁に背中をくっつける。
一呼吸置いて「何しにきたのよ。覗きなんて悪趣味よ」とは言うが真っ最中だった彼女の未だ朱に染まっている顔には特に凄みもない。
さらに事前に拘束用として待機させていたニョロロに合図を送る。ひょこり、と姿を見せたニョロロに夏美に嫌な予感を過ぎらせる。

「まさか・・・─いやぁぁぁぁ!」

夏美は抵抗から逃亡への作戦変更も虚しく、後ろ手にされ足を引っ張られバランスを崩す。
うつ伏せで足元にいるついでとばかりに下半身を露出させられる。
即座に使命をまっとうし、想像以上の働きのニョロロに満足するクルル。
お尻をよく観察できる位置に移動すると彼はアレのスイッチをオンにした。
ヴヴヴヴヴヴという変な音に、驚き振り向こうとするがうつ伏せではなかなか首の自由がきかない。

「な、何よソレ! 今なら許してあげるからやめ─」
「上から言える状況じゃねーだろ淫乱女。クーックックックク」
「い、淫乱じゃ─っ!」
「オナニーでこんなに濡れてやがる。何想像してたんだかな」

尻を上げさせて性器に触れやすい体制にさせて、さっそくそこに触れると愛液が手につく。
誰を想像していたか予想は出来るがそれが妙に頭にくる。苛立ちついでに先ほどからヴヴヴと煩いやつを性器にあてる。
ビクッと夏美の体が驚く。

「何─ぁん─っ! や・・・ぁ!」
「淫乱には丁度いい玩具だろ?ククク」
「やめ、てぇ・・・・・・あぁ・・・やっ・・・」
「ここを自分で弄ってたんだろ?」

185:クル夏(3/3) ◆HegzoUyjQs
08/10/15 08:11:21 RNanuS34
クリトリスに強く押し付けると、夏美は一層高い声を上げた。
びくびくと震える腰。初めての快感に体がついてきていないようだ。
問いかけに否定しないのは肯定の意。否定したとしても事実だ。
今、クルルの力加減一つで彼女は微弱の振動に足を震わせ、大きな波に体を反らせる。
─なんか楽しくねぇ?
おもむろにスイッチを『強』にする。

「ふぇぁ! ─あぁ! はぁ、んっ! あ、あぁぁぁぁぁぁ!!」

動ける範囲を腰が逃げ回る。
勿論たいした移動が出来ないその場所を逃がすはずもなく、動きに合わせて玩具もついてまわる。

「おねが─っ! だ、めぇ! 変、なる─っ、ぁぁ!」
「ほーれ、ほーれ」
「やだぁ! もう、だ──ん、あ、あぁぁぁぁぁ!」

─おもらし?いや、これが潮吹きってやつか。
しつこくに攻めすぎた。予想以上にシーツの上に滴る水分を見るとちょっと焦る。
大丈夫なのかコレ。一度スイッチをオフにする。
びくん、びくんと最後の波を受けると夏美は息を整える事に専念していた。

「は・・・ぁ、はぁ。くる、クルルぅー・・・あんた─」
「なんだまだ元気だな。クーックックック」
「え、ちょっと! 無理に決まって─!」

─今絶対生意気な事口走ろうとしやがった。
喋れるなら元気。そう断定してスイッチをオン。
一度イって敏感になったクリトリスはもはや刺激が強かろうが弱かろうが関係なく、未知の快感を夏美に与える。
勿論、強く的確な場所への刺激はそれ相応の快感となる。

「あ・・・・はっ─だめ! も、だめ、だ、って─あぁ、はぁ! あぁぁぁ!」

しばらくして、また、びくん、と大きく震え、掠れるような声が聞こえたのを機に、スイッチをオフにする。
今度は何か言う様子がない。動かない。
否、酸素を求めて肩が動いている。ニョロロが離れると布団に埋もれる。
─気絶?
まだ楽しむ予定だったのに。と手の玩具を持て余す。
快楽に困惑する顔を見ておけばよかったと少々の後悔はあった。
が、今度大きい玩具で処女喪失の痛みに耐える顔を見よう。その次は快楽に溺れていくのを堪能しよう。
さらにその次は・・・─先の予定を考えてクルルは一頻いつもの笑いを木霊させた。
笑い済んだらちょいちょいと汚れを始末して夏美を温かくして寝かせた。

~fin~
あのウネウネした長い触手みたいなのってニョロロだったっけ・・・と自信がないですが・・・。

186:名無しさん@ピンキー
08/10/15 20:25:50 I9yWg9gr
GJです!
クル夏いいなぁ

187:名無しさん@ピンキー
08/10/15 21:49:29 kfar+kho
GJ! 夏美受けならなんでもおいしい。
ていうかエロ本隠してる冬樹君にちょっと萌えてしまったw

188:名無しさん@ピンキー
08/10/18 21:51:29 v3tJjztc
age

189:名無しさん@ピンキー
08/10/21 10:26:58 U9afAjDO
貧乳くのいち小雪って需要ありますか?

190:名無しさん@ピンキー
08/10/21 22:06:06 S9mPU/y8
>>189
ある!

191:名無しさん@ピンキー
08/10/22 12:19:11 afH/mTp8
>>189
そりゃあもう

192:名無しさん@ピンキー
08/10/23 09:40:28 PjVQWhtm
>>189
小雪なら愛しているけど何か?

193:名無しさん@ピンキー
08/10/25 11:19:04 mip1Nn96
アリサは俺の嫁で、小雪は俺の愛人だよ

194:名無しさん@ピンキー
08/10/25 13:44:04 bIcoPXBo
今月のエースのケロロはタママやギロロが怖じ気付かなきゃ間違いなく18Rな展開になったはず
ボスのケロロに秋ママが凌辱されるSS希望

195:名無しさん@ピンキー
08/10/28 19:31:55 8pCxh/vR
アゲ

196:名無しさん@ピンキー
08/11/02 02:20:47 qDQQxm8e
それにしても、レスもSSも少ないな
とりあえず保守

197:名無しさん@ピンキー
08/11/02 19:44:02 MODkOgVe
プルも小説に出してくれ~~~~

198:名無しさん@ピンキー
08/11/06 00:12:18 rIxH5zLy
保守


199:名無しさん@ピンキー
08/11/08 05:00:55 eDC+wlPo
カラチロのレズ小説下さい。

200:名無しさん@ピンキー
08/11/08 18:20:39 P0rTbVrg
以外にここも持つねぇ
んで ちびの話を書いてください お願いします


201:名無しさん@ピンキー
08/11/08 18:38:50 MYMkD/Yt
夏ギロ読みたい。
書きたい。

202:名無しさん@ピンキー
08/11/08 19:08:17 6Wa8guZz
>>201
はげど
逆なら多いけど、あえてそのカプで読みたい

203:名無しさん@ピンキー
08/11/10 23:57:00 VsFSPlz7
逆カプか…
プルガルとか雪ドロとかモアタマとか見てみたい

204:名無しさん@ピンキー
08/11/12 03:05:57 LIR4ceZi
秋冬はありがちすぎるか

205:名無しさん@ピンキー
08/11/17 00:03:21 UsGklq9d
hosyu

206:名無しさん@ピンキー
08/11/21 23:45:02 m+LP/j35
気長に待つ

207:名無しさん@ピンキー
08/11/22 11:16:51 QYhOLwGX
仔プルを~~
それかDケロを~

208:名無しさん@ピンキー
08/11/22 11:43:20 4Rll2s2z
そういえば劇場版3ネタのSSって無いな

209:名無しさん@ピンキー
08/11/23 11:41:08 KsEI+c81
だからこそやるべきかと

210:試しに作ってみた~もはや王では無いけれど~
08/11/25 00:47:45 +ylFN7r/
夜、日向家、冬樹の部屋にて

部屋の主は2冊の冊子を本棚から取り出す
その冊子は両方ともアルバムであり学校行事での写真が詰め込まれている
そう、例えば修学旅行や運動会等が定番だろう

アルバムの適当なページを開くと主である冬樹少年は服を脱ぎ捨て、一糸纏わぬ姿となった
何枚かの写真とにらめっこらしきことをした後に少年は自身の尾を握りしめ、そして扱き始めた

少年の相手の定番は普段学校でつるんでいる青髪の少女だ
付き合ってこそいないが常に近くにいる分意識してしまうことが多く、たまに今夜の様に発散する必要に迫られる
ちなみに今夜はプール開きの写真である

最初は四つん這いで扱いていたが気持ちが高ぶったのか発情期の室内犬の如くクッション相手に腰を振り始めた「はあっはあっ・・・西澤さん・・・!」
放出が近くなり再び手による刺激に切り替える

「も、桃華!いく「久しぶりだな冬樹」

・・・・・・
硬直する少年をよそに詰め込みすぎ教育で微妙に空気の読めない元王は持論を述べる
「冬樹よ、桃華が好きならはっきりと告白した方が良いぞ。そうやって溜め込むのが一番良くない」

211:~もはや王では無いけれど~
08/11/25 01:01:45 +ylFN7r/
>>210続き
本人曰く「我はもう王ではないが、友達としてアドバイスをしてやっている」とのこと
友達相手に微妙に尊大な態度で話し終えた元王は踵を返し
「もう一人の我に会ってくる。今日1日はペコポンにいるから、何かあったら友達である我に頼ってくれ。何でもしよう―」

バタン

ドアが閉じられ残された冬樹少年
突然の乱入で尾は萎える一方で放出を止められたために体はまだ軽く興奮を続けている

「・・・」
写真を変え、硬さを失った尾をしつこく扱き始めた

「・・・」
冬樹少年のなんとなく寂しい夜はまだまだ長い―





続くかもしれない?

212:名無しさん@ピンキー
08/11/25 22:43:32 6tB1fOc4
続いてほしいかもしれない

213:名無しさん@ピンキー
08/11/27 17:04:49 paLpVIiy
>>211
だれがギャグを書けと

214:名無しさん@ピンキー
08/11/29 09:57:08 /pJU7F8f
まぁ・・・うん
・・・いいんじゃない!!?
どせならDケロで 書いて欲しかったがw

215:名無しさん@ピンキー
08/11/30 10:19:30 dYfFmEjN
軍上層部による夏輪姦フラグ立ちますた



326はカエレ

216:名無しさん@ピンキー
08/12/02 11:17:29 hgExMKQD
ほとんどなさそうなギロモア、ドロモアに興味あり。

217:名無しさん@ピンキー
08/12/02 23:11:48 kllFe6gt
プルタマねーかな

218:名無しさん@ピンキー
08/12/03 18:53:57 KZjzS+Sx
夏ギロとか書いたら読む奴おる?

219:名無しさん@ピンキー
08/12/03 20:24:29 meYmGJri
>>218
全力で頭じべたにこすりつけておぬがいしちゃいます。
書いてください。せひぜひ。

220:名無しさん@ピンキー
08/12/04 19:38:24 N//5Rzoq
めっちゃ見たいんですが!! 夏ギロ!
この二人の組み合わせなら何でもOKですから!

221:名無しさん@ピンキー
08/12/05 21:24:03 BRbImhkV
ギロ夏もかな~り好きだがやっぱ
いつも見ないCP見たいな~

222:名無しさん@ピンキー
08/12/09 08:50:46 db+Pyppe
ほすあげ~

223:名無しさん@ピンキー
08/12/09 15:00:45 DySHmy3e
>>218
夏美攻め派の自分には涎モノです!
書いてください。
夏ギロ萌え!ギロ夏あるのに夏ギロ少なくて悲しい・・・

224:名無しさん@ピンキー
08/12/10 15:25:18 S4QxPtZb
そのころ日向家近辺は、カエルたちの鳴き声に包まれていた。
・・・といっても別に、軍曹達が共鳴していたわけではない。

「あ~もう、うるさい!このカエルの声なんとかならないの?!」

夏美が耐えかねて耳をおさえ、叫ぶ。

「ハハ・・・。たしかにスゴイ声だよね。」
「笑い事じゃないわよ冬樹!・・ただでさえ普段からカエルどもには悩まされてんのに、このうえ本物の蛙まで来られちゃたまんないわよ!――いったいどこから聞こえてくるのかしら?」
「ああこれ、東谷センパイの家からだよ。」
「――小雪ちゃん家、から?」

冬樹が読んでいたオカルト本を脇において、説明する。

「あのね、宅地造成で近所の池が埋め立てられちゃったんだって。いま蛙の繁殖時期だから、せめてその間だけでも・・・ってドロロがおとなりにため池を作って保護してるらしいよ。
卵が生まれたら田舎へつれていくって言ってたから、それまでの辛抱だよ。」
「う~ん・・・まあ、そういうことなら・・・。」

夏美がしぶしぶ納得する。

「――まあ、本物の蛙にツミはないもんね。・・悪ダクミするわけじゃないし。
オフロにでも入って気分をリフレッシュしようかな。」

本の続きを目で追いながら、冬樹もニッコリ笑った。

「そうしなよ。さっき軍曹がおフロ洗っていたからちょうどいいんじゃない?」

・・・さて、その日のフロ掃除当番・われらがケロロ軍曹は――
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「ゲロ~~~今日もピカピカに磨き上げたであります!」

 ケロロ軍曹は、腰に手をあてて自分の作業の成果をながめた。あたりに満ちる蛙の鳴き声が、こころなしか自分の偉業をたたえる歓声に聞こえる。あとは洗剤を流すだけだがまだ水が冷たいこの時期、水作業は
正直気が乗らなかった。―我輩こんだけガンバッたんだし・・あったか~いお湯で流すくらい、イインジャネ?
 思い立ったら即座に実行!が彼・ケロロ軍曹のポリシーである。
過去にそれで何度も事件を引き起こし、そのつど痛い目にあってきたわけであるが――。このときも即刻シャワーの給湯で熱い湯をひねり出した。モウモウと湯気が立ち、洗い場の鏡が白く曇る。
からだを包む湿気に気分がますます高揚する。うかれて石鹸を足に履き、軍曹はかるくスケートのようにすべらせてみた。
―――ヲヲヲヲッ!ちょ、ちょっとこの動き!なんかドムのホバーみたいでカッチョイイでありますッ!

「フハハハハハッ連邦の白いモビルスーツめ!覚悟するでありますッ!」

 湯の噴出するシャワーの首をオルテガハンマーのように両手で頭上にかかげながら、調子にのって洗い場をところせましと滑走する。のけぞって高笑いをしようとしたところで、ふいに足元の石鹸がはずれた。

「ゲロ――――――――ッッ!!」

 大きくもんどりうって水道の角で腰を打ち、そのままフタが半分閉じられた浴槽の中へと転がりこむ。シャワーの首がお湯を吐き出し続けたまま床に転がった。立ち上がろうとしたがあまりの激痛に声が出ない。
 いれちがいに夏美が入ってきた。この惨状をみて、怒りに声をふるわせる。

「・・・あのボケガエルッ!またやりっぱなしでッ!!」

夏美は軍曹の存在には気がつかない。
(・・・・な、ナツミドノッ・・・たすけて、でありますっ・・)
「お湯がもったいないじゃない!―あとでとっちめてやらなきゃッ!!」

 夏美は浴槽の栓がはまっているのを目で確認して、シャワーのカランを水道側に切り替えた。
もうすこし奥まで覗きこんでいさえすれば、軍曹が浴槽の隅で倒れていたのを見つけられたであろう。
だが・・・怒り心頭の夏美にそんな余裕はなかった。
(ナツミど・・・・ゴボッガボガボゴボゴボ・・・ッ)
――この瞬間、せまいオフロ場はさきほどからのシャワーにより充分暖められ、局地的に軍曹の故郷であるケロン星の湿度にかぎりなく近づいていた。この湿気とあたりに満ちみちる発情期の蛙の鳴き声・そして
夏美にたいする暗い復讐心がケロロ軍曹にかつてない変化をもたらし、やがては甚大な被害を自分にもたらすことを、このときの夏美はまだ知るよしもないのであった―――。


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