【忍たま】忍たま乱太郎のエロ小説【落乱】 其の参at EROPARO
【忍たま】忍たま乱太郎のエロ小説【落乱】 其の参 - 暇つぶし2ch350:3年後のきり丸×トモミ2
08/08/22 00:58:42 sKUkv/Kp
時が経過しても、相変わらずトモミは道の端でうずくまったままだった。
とてもじゃないがこんな情けない姿で忍術学園に戻る訳にはいかない。
かと言って今更来た道を戻る訳にも…。
「トモミちゃん?」
いきなり背後から名を呼ばれ、トモミはびくりと顔をあげた。
姿を確認するまでも無い。聞き慣れた声だけで誰だかわかる。
「…きり丸?」
「大丈夫?体の具合悪いの?」
それは出会って4年にもなる下級生。
最近は昔ほどからかって遊ぶこともなくなったが、それでも弱みは見せたく無かった。
トモミは慌てて涙を拭ったが、少し遅かったようだ。
「えっ、泣いてるの?」
「…っ」
いくら暗闇の中とは言え、拭っても拭っても溢れ出る涙は誤魔化せそうにはなかった。
「な、なんであんたがこんな所にいるのよっ」
「アルバイトの帰りだけど」
トモミちゃんは?と聞き返されるが、言葉が出てこず沈黙が流れる。
「大丈夫?」
軽くなだめるつもりだったのだろう。きり丸はトモミの肩にぽんと手をおいた。
しかしその途端、トモミは体をびくっと震わせて後ろに飛び退いた。
そのあからさまな拒絶の反応に、さすがのきり丸も戸惑いを覚える。
「ご…ごめん」
訳も分からぬままとりあえず謝ってみるが、トモミは下を向いたままだった。
トモミもトモミで、自分自身の今の反応が信じられず驚いていたのだった。
…情けない。くの一のたまごともあろう自分が、たかだか肩に触れられただけで取り乱して。
「きり丸」
もうここまで来たら恥ずかしいも何も無い。
きっと、馬鹿にして笑いのネタにされるんだろう。
それか口止め料を払わされるかも。
ゆっくりと顔を上げると、困ったような顔をしたきり丸と目が合う。
一度離れた距離を詰めて隣に座り、一呼吸おいてから話し始めた。

351:3年後のきり丸×トモミ3
08/08/22 01:00:53 sKUkv/Kp
「私…今実習を逃げ出してきちゃったんだ」
「え?実習って、合戦場とか?」
「違うわよ…きり丸も知ってるでしょ?…くの一の色の実習」
はっとしたようにきり丸の目が見開く。
「………初めて、だったのよ」
言いながら、自分の顔が赤く染まっていくのをトモミは感じた。
しかしそれはきり丸も同じ事で、目の前の少女の突然の告白に、耳まで赤くしている。
「あっ、あんな知らないおじさんに…触られて……耳元で囁かれて…」
一度は止まった涙と震えが再び襲ってくる。
「……怖かった」
かすかな声で呟くトモミに、いつもの強さは見られなかった。
「ふふ。笑うでしょ…情けなくて。いつもあんた達を馬鹿にしてたのにね」
自嘲の笑みを浮かべてきり丸を見る。
しかし彼は笑わずに、今度はゆっくり、トモミの肩を抱き寄せた。
「…もう大丈夫だよ」
いつもとは違う優しい声のトーンに、トモミは先ほどの恐怖や嫌悪とは違う
温かな安心感に包まれるのを感じた。

出会った頃は、一つ年上のトモミの方が頭一つ分背が高かった。
今年、トモミが5年、きり丸が4年に上がる頃に並び、ほんの数か月で彼はトモミを追い越していった。
こうやって肩を抱かれると、まるで体全部がすっぽりと覆われるみたいで、改めてその体格差を感じる。
トモミの体が大人の女性へと変化するのと同様に、
きり丸もまた少年から青年の体へと成長を遂げているのであった。

「…俺がこうするのも、怖い?」
きり丸の問い掛けに、トモミは首を横に降る。
すると、きり丸はトモミの顔を覗き込むようにじっと見つめてきた。
その目は強く真っ直ぐトモミに向けられ、視線をそらす事も、体を動かす事も出来ない。
ゆっくり、少しずつきり丸の顔が近付いてくる。
それが何を意味しているかわからない程子供では無かったが、
不思議と拒否する気持ちは沸いてこなかった。
静かに、唇と唇が触れる。その柔らかな感触を味わう前に唇は離された。
「…これは、嫌?」
「……いや、じゃない」
掠れた声で言うと、今度はもっと深い口付けが降って来た。

352:3年後のきり丸×トモミ4
08/08/22 01:05:22 sKUkv/Kp
道を逸れた草むらで、二人は何度も口付けを交わした。
どちらからともなく舌を絡ませ合い、唾液を交換して。
「…んっ…ふ」
息の仕方を忘れる程のキスに、苦しそうな声が洩れる。
ようやく唇を放すと、きり丸はトモミ扇情的の扇情的な姿に目を奪われた。
実習のために用意したものだろうか。
いつもより大人びた柄の着物は襟元が乱れ、嫌でもはだけた白い胸に目がいく。
時間をかけた熱い口付けにトモミの頬は染まり、うるんだ瞳はじっときり丸を見つめている。
土台の弱い13歳の理性が、ガラガラと崩れていく音がした。

「トモミちゃん…」
「なに?」
「…怖かったら言って。すぐやめるから」
そう一言だけ言うと、きり丸はトモミの着物の帯を緩めた。
「え…ちょっときり丸!」
トモミは草むらの上に押し倒され、露わになった胸の頂きにきり丸の舌先が触れた。
「ひゃっ」
その途端、弱い電流が走ったかのようにぴくりとトモミの体がはねた。
―…ずるい。
舌での愛撫を受けながらトモミは思った。
…そんな優しく触られて、怖いなんて思うわけないじゃない。
舌全体で包むように、ねっとりと胸の突起をねぶられ、
下から上へ持ち上げられるように乳房をもみしだかれる。
「…っ…ん、あ」
丁寧すぎるほどに胸を攻められ、トモミは脳の奥が痺れるような感覚に襲われてきた。
「ねっ……きり丸」
やっとの思いで言葉を発する。
「何でそんな胸ばっかり…」
「…大きくて、綺麗だから」
トモミの問いかけにそう一言答えて、きり丸はすでにぷくりと立ち上がった突起を
再び口にふくんで優しく転がす。
条件反射のようにびくんとトモミの体は反応するが、顔はとても悲しげだった。
「…私は、こんな胸、いらない…」
その言葉に、ようやくきり丸が愛撫の手を止め顔をあげた。

353:3年後のきり丸×トモミ5
08/08/22 01:08:41 sKUkv/Kp
もともと早熟な方だったトモミの体であったが、ここ最近の成長は著しかった。
ふくよかな胸に、丸みを帯びた腰のライン。
思春期真っ只中の忍たま男子の、好奇に満ちた視線を感じる事も少なくなかった。
「さらしで締め付けても男の子達は見てくるし、忍術の練習にも邪魔になる…それに」
再び大きな瞳から涙がぽろりと零れる。
「こんな授業も…っ」
「トモミちゃん…」
「嫌っ……体ばっかり大人になって…もうわかんない…っ」
成熟した体と知識はあっても、その本質はどこにでもいる14歳。
心だけが追い付かないでぽつんと取り残されているのだろう。
きり丸の下で泣きじゃくるトモミは、やけに幼く子供のように見えた。
きり丸はトモミの涙を指でそっと拭って言った。
「トモミちゃんは、くの一になりたいんでしょ?」
「…えっ」
きょとんとした顔できり丸を見返す。しかし彼の顔は真剣そのものだった。

「……うん」
そうよ。ずっとくの一になりたくて、辛い訓練もこれまで耐えてきたんだから。
涙に濡れてはいるものの、トモミの瞳には強い意思が感じられた。
その瞳をまっすぐ見つめながら、きり丸が言った。
「俺は……好きな子が知らない奴に抱かれるのはすげーやだけど…
……夢なら、その夢を大切にしてほしい」
―…え?
トモミの心臓がドキリと音をたてる。
「…きり丸、今なんて」
「トモミちゃんはこんな事で夢を諦める子じゃないよね」
…だって、俺が好きになった子だから。
耳元で、小さいがはっきりとした声でそう囁かれた。
その瞬間、先ほどまでとはまた別の感情につき動かされて、再びトモミの頬を涙が伝った。
「きり丸…っ」
すがりつくようにきり丸の首に腕を回し、今度はトモミから口付けた。

354:3年後のきり丸×トモミ6
08/08/22 01:11:47 sKUkv/Kp
再び愛撫が始まる。
今度は胸だけではなく、脇腹や内腿まで指が這い周り、ぞわりと肌が粟立つのを感じた。
「…あっ…んん」
トモミは与えられる快感に耐えながら、きり丸のスカーフをぐいぐいと引っ張る。
その手が何をしたいか察したきり丸は、トモミを制し、自らスカーフと着物を脱ぎ捨てた。
闇の中にぼんやりと、鍛えあげられた肉体が浮かぶ。
まだ成長段階ではあるが、その厚い胸板とがっしりとした腕、上下に動く喉仏は、
相手が男で自分は女だと思い知らされるには十分なものであった。
そんな男の体に見惚れていると、きり丸の指がトモミの秘所に触れた。
「…んっ」
ぴたりと閉じた割れ目をつぅ、となぞれば、きり丸の指がわずかに湿る。
触れるか触れないかぎりぎりの所を何度か行き来すると、その湿り気は確かなものになり、
ぬるりとした愛液が指先に絡みついた。
「んっ…やぁ…」
内側から沸き上がる熱に堪えるように、あるいは微弱な刺激に物足りないとでも言うように、
トモミの口からは途切れ途切れに切なげな声が洩れる。
「…気持ちい?」
「ん…よくわかんない…むずむずする」
初めて与えられる刺激。
くすぐったいけど、それだけじゃなくて…。
自然とトモミの腰が揺れる。もっと触ってほしいとせがむように。

「指、入れていい?」
一方、きり丸もきり丸で焦っていた。
ここまでしてみたは良いものの、実は彼もまた女を抱くのはこれが初めて。
自分の指に舌に、トモミが切ない声を漏らし悶える姿はそんな経験不足の彼には
耐えられないほど刺激的で。
「い、入れるよ…」
ゆっくり、トモミに気遣いながら指を一本挿入する。
直接感じた女の体温、それが思いを寄せていたトモミのならば尚の事、
その締め付けて来る熱い柔肉に、指だけでなく心までもがふやけてしまいそうだった。
一本指を収めると、指の腹で内側の感触を確かめるように優しく押していく。
「あっ…あっ…」
痛そうなそぶりは無く、指を動かすたび、短い喘ぎが聞こえる。
きり丸は続いて2本目の指の挿入を試みた。
「っ…!!」
途端にトモミの表情が歪む。苦しそうな顔。
「ごめん!痛い?」
「だ…大丈夫」
言葉とは裏腹に、体は指の侵入を拒んでいるのは明らかだった。
まだ半分も入っていないというのに、トモミのそこはきり丸の指を押し出そうと
収縮を繰り返していた。

355:3年後のきり丸×トモミ7
08/08/22 01:14:31 sKUkv/Kp
このままでは埒が明かないが、彼女に負担はかけたくない。
きり丸は、昔先輩に聞いた知識を働かせ、ためらいながらもトモミの秘部へと顔を近付けていく。
「や、やだッ…きり丸、見ないで」
誰にも見せた事のないその場所。
きり丸の指を咥える場所、そのわずか上にあるちいさな芽に、きり丸の舌が触れた。
「ああっ!」
新たな刺激に、ひと際大きな声があがる。
その隙を見計らったように、きり丸の2本の指は一気に最奥まで進んだ。
「ひっ…んっんあ」
舌先で肉芽を弄びながら、奥まで入れた指を小刻みに震わせる。
止まらない愛撫から生まれる快感に、トモミは涙をこぼして耐えるしかなかった。

指を動かすたびに生まれる愛液と、水音。
トモミはもちろんの事、きり丸ももう限界だった。
「トモミちゃん…」
返事をすることもままならないのか、トモミは目線だけをきり丸に向ける。
「もう、入れてもいいかな…」
そう言いながら取り出したそれは、高く天を向いていた。
処女の痛みとは、話には聞けど実際実感のわかないものである。
トモミには、そういった意味で未知の領域に進むことに若干の恐れはあったが
自分を熱い眼差しで見つめるきり丸や、きり丸自身に対する恐怖心や嫌悪感はわかなかった。
むしろ、彼を「欲しい」とすら思った。
「……うん、いいよ…」
その返事に安堵の表情を見せるきり丸。
被さるように体を重ね、口付けを交わす。
とろとろと蜜の溢れるそこに、指とは比べ物にならない程、熱く固いものが当たる。
トモミの神経をそちらから逸らそうとするかのように、より激しくなる口付け。
しかしそれでも、きり丸が入って来る痛みはかなりのものだった。
「いっ…!!」
「ごめん、ごめんトモミちゃんっ…」
ただ謝るしか出来ないきり丸。
「だ…大丈夫だから……」
痛みを堪えつつも、笑顔を作るトモミ。
ずいぶんと遠回りした2人は、ここでようやく一つになった。
「トモミちゃんの中、すっげぇ、気持ちいい…」
「きり丸のも、入ってるのわかるよ…」
至福の気持ちが痛みを越えた時、再び内からわき上がるような快感がトモミを襲ってきた。
「あっ…あっ…」
始めはこれでもかという位ゆっくり、段々と中を慣らすように腰の動きを早めていく。
それに煽られるかのように、トモミの声も大きくなる。

356:3年後のきり丸×トモミ8
08/08/22 01:18:54 sKUkv/Kp
トモミは戸惑っていた。
きり丸が中を行き来するたびに生まれる熱を、どこへ逃がせばわからなかった。
わからず、何かに振り落とされないように、ただ必死にきり丸にしがみつく。
朦朧とする意識の中で、トモミは自分の限界を感じた。
ダメだ…このままじゃ……
蓄積する熱で、体がはぜちゃいそう…。
そんな中、トモミはきり丸の顔を見た。
汗をかきながら、息を乱し、ただひたすら自分を求める姿に男を感じ、また体が熱くなる。
「きり…丸っ……」
「……何?」
眉を寄せたきり丸が、腰の動きはそのままにトモミを見る。
「あっ…あのねっ…あっ…だっ…」
熱が頭の先から爪先まで全身を麻痺させ、思うように喋れない。
「あっ…だ……大好きっ…」
言い終わるか終わらないかの時、トモミの腰がびくんびくんと大きくはねた。
「あああっ……!!!!」
「くっ……」
その瞬間、トモミは生まれて初めて、女であることの喜びを心から感じた。


結局、トモミは学園に帰ってからシナにこってり絞られたそうだ。
反省文10枚に、校庭20周。
そして一週間後に再び実習を行う事を言い渡された。
多分、その時になればまた恐れや嫌悪を抱くのだろう。
しかし、もう逃げない。
夢を諦めない、と最愛の人と約束したから。

「きり丸ー!」
「トモミちゃん」
「今からアルバイト?」
「うん」
「途中までついて行っていい?」
夕焼けが、男と女を茜色に染める。
じきに、闇が空を支配するのだろう。
しかし今はまだ、太陽は彼らを照らし続けていた。



357:3年後のきり丸×トモミ
08/08/22 01:23:44 sKUkv/Kp
以上です。
本当に使いまわされた内容というか、浅い内容で申し訳ないです
また熟女もの書こうかと思いましたが創作意欲がどうしてもわきませんでしたww

358:3年後のきり丸×トモミ
08/08/22 01:39:32 sKUkv/Kp
あばばばばば誤字発見

>>352
×トモミ扇情的の扇情的な姿に
○トモミの扇情的な姿に

>>354
×這い周り
○這い回りor這いまわり

他にもあるかもしれませんが失礼しましたorz

359:名無しさん@ピンキー
08/08/22 03:45:02 cElhsDiv
GJ!!
きりトモはこういう初々しさが好きだわ。

360:名無しさん@ピンキー
08/08/22 09:02:41 PRt4dhR6
きりトモ!しかも3年後だと!? 

も、萌えるじゃないかっ!! 
GJすぎるよ!!

361:名無しさん@ピンキー
08/08/22 09:32:17 GHMrfsSz
きりトモ…!!!!最高でした!
素敵な作品をありがとうございます!

362:名無しさん@ピンキー
08/08/23 10:42:13 P7YSOvNC
童貞な上級生を集団でからかうくのいちが最近の流行りだ

童貞が許されるのは三年生までだよねー!と詰ってほしい。

363:名無しさん@ピンキー
08/08/23 12:25:31 q68YtkKr
>>362
滝の事かー!!


個人的に「くのいち含め女なんて信用しない!」で妖精候補まっしぐらの会計委員長って設定も捨てがたい。
ギンギンは絶倫なのにくのいち連中に呆れられて童貞って所にそうこちゃんが…ってな妄想が脳内で絶賛ドーパミン。

364:名無しさん@ピンキー
08/08/23 15:36:40 aKppPHd2
>>363
何 故 書 か ぬ

さあ今すぐそのドーパミンをキーボードに叩きつけるんだ!
ところでその場合、そうこちゃんが処女かどうかを追求したい。

365:名無しさん@ピンキー
08/08/23 20:58:09 q68YtkKr
>>364
脳内でニヨニヨしてただけだったー!そうかその手が。

実は今、七松ネタを練ってたので、併走させてみるか…色々頑張れ自分(文章力を中心に)

366:名無しさん@ピンキー
08/08/23 21:04:05 FgEv2YVB
>>365
七松!?七松と言ったな!?
よーし、全裸で待っちゃうぞ!

文次郎×そうこも超期待!
六年生大好きだ

367:名無しさん@ピンキー
08/08/24 08:35:35 L+ELLRui
そういえば、五年ってあんまり見ないな
竹谷とか久々知とか読んでみたい

368:名無しさん@ピンキー
08/08/24 17:25:59 qaqk4yWL
豆腐プレイと申したか

369:名無しさん@ピンキー
08/08/24 19:23:39 67rtoVmX
中在家×カメ子のすまたプレイを誰か><

370:名無しさん@ピンキー
08/08/25 02:42:36 wrFdUy26
原作のゆきちゃんと三郎

371:名無しさん@ピンキー
08/08/25 08:47:40 0r8N173q
鉢屋からは(勿論好きなキャラだが)素顔が明かされてない分、
カップルクラッシャーというかNTR系の気配がする今日この頃。


潮江×そうこ前提で、房術試験でそうこの相手になった鉢屋が
潮江の声と顔でそうこの名前呼んだりするが、そうこに

「上手く化けてもだめですよ鉢屋先輩…あの人、あたしの事、名前で呼んだこと無いんですから」
まだまだですね。


とかたしなめられる電波が朝一番に届いた。鉢屋ごめん鉢屋。
鉢×ユキも好きだ。

372:名無しさん@ピンキー
08/08/25 11:40:49 H31fJhe3
>>371
さあ今すぐ執筆活動に入るんだ


373:6年生のオカズ妄想
08/08/25 12:24:26 nGVlOcfP
6年生がオカズにしそうな妄想を考えてみた。
【文次郎】
そうこ「し、潮江先輩のすっごい大きい・・・・はむぅっ・・・・」
文次郎「こ、こら、何をするんだ・・・・くっ・・・・」
そうこ「わぁ・・・こんなに硬くなって・・・・!先輩、そうこがご奉仕させていただきます!」
文次郎「わ、何するちょ待(ry」

ご奉仕妄想でギンギーン!
【小平太】

ユキ「わぁっ、七松先輩ってたくましくてス・テ・キ」
トモミ「せんぱーい、トモミもう我慢できませんーっ!」
ユキ「あーっ、トモミちゃん駄目よ、七松先輩はわたしとエッチするんだからぁ!
    ね、せんぱーい☆」
トモミ「あっずるーいユキちゃんっ!」
小平太「ははは、しょうがないなー、二人まとめて相手にしてやろうじゃないか!
     さぁおいでー!」
小平太は3P妄想で抜いてそう。そして絶倫。
【仙蔵】

シナ「やっ、やめて立花君、生徒が来てしまうわ!」
仙蔵「やめてといっている割には、先生・・・・もうココはグチャグチャですが?」
シナ「だっ、だめ、かきまわさないでぇっ・・・・!!!あああああーーーーーっ」

年上調教妄想。(仙シナ神のSSからインスパイア!)

照代「なっ何すんのよ離しなさいよ、6年ボーズ!」
仙蔵「夜道を女一人でのんきに歩いているほうが悪いんですよ、北石先生・・」
照代「きゃぁぁぁっ、やめてぇっ!!!」

照代「(くやしぃっ・・・・・・でも感じちゃうっ・・・・・!」)

ク○ムゾン的レイープ妄想。
【伊作】

ユキ「アアッ、き、きもちいいよぉ・・・トモミちゃん・・・・」
トモミ「だめよ、あんまり大きな声だしちゃ・・・隣に伊作先輩がいるんだからっ・・・!」
ユキ「だっってぇ!トモミちゃんのあそこ、ぬるぬるしてきもちいいんだもんっ!」
トモミ「ユキちゃんだって、こんなにトロトロ・・・・・ひぁっ」

伊作「(これだから保健委員はや め ら れ な い ・・・・・っ!)」

百合貝合わせのぞき妄想。

【食満】

ユキ「あの・・・・食満先輩・・・・先輩のこと、おにいちゃんって・・・、呼んでもいいですか・・・・・?」
食満「ああ、いいとも、優しくするから、怖がらなくてもいいぞ?さぁ、こっちへおいで・・・」
ユキ「は、はい、おにいちゃん・・・・」

いもうと妄想。
【長次】

カメ子「中在家さまっ・・・・・ああっ、中在家さま・・・・・・
     カメ子は悪い子です、お許しくださいっ・・・・中在家様のお部屋に勝手に入って
     中在家を想いながら自慰をしているなんてっ・・・・・・!ああ、中在家さまっ、カメ子はもう
     どうにかなってしまいそうですぅっ!」

5歳児の自慰妄想。
長次・・・・は じ ま っ た な w

374:名無しさん@ピンキー
08/08/25 12:27:06 nGVlOcfP
×中在家を想いながら
○中在家様の事を想いながら

スマーソ。

375:名無しさん@ピンキー
08/08/25 18:19:28 n9lOl1zE
>>373
食満もひそかに始まってる件w
いや伊作も……

376:名無しさん@ピンキー
08/08/25 18:30:22 8VA+OEeB
むしろみんな始まってるw

377:名無しさん@ピンキー
08/08/25 23:45:20 rOBLPx0y
食満が一番の重症患者

378:名無しさん@ピンキー
08/08/26 00:18:27 eg8bucER
食満が妹萌え……ありえそうに思えてきたどうしよう
というか、女の子に攻められる妄想とハーレム妄想と年上の女性への支配願望と
百合萌え妹萌えにロリコン……

だめだ六年生はもうだめだ

379:名無しさん@ピンキー
08/08/26 00:35:33 vAJsV+4p
いやー6年生は個性豊かですね!

小平太がいちばん15才っぽいかな・・?

>378
なぜかわからないが、わたしも食満の妹萌えはしっくりくるんだ



380:名無しさん@ピンキー
08/08/26 19:22:02 kQ4mY7bL
373のネタで五年生。
六年生は簡単に思い付くのに、五年生はなかなか難しいな。

【竹谷の場合】

「いやっ!中は、中は駄目ぇ!ひぁ!」
「大丈夫っ、子供が出来ても、俺、責任取るからっ……う!」
「ああぁ!いや、だめ……中に出されてるぅ……赤ちゃん出来ちゃうよぉ……ふあぁ!」
「……は、いい子を孕んでくれよ……」

種付け妄想


【鉢屋の場合】

「やめてよ!なんでこんなことするの!」
「そうか、君は私に抱かれるのが嫌か。まぁちょっとお待ち……ほぉら、これでどうだい。君の憧れの人の顔だよ」
「!何で知って……」
「これで文句無いだろう?さぁ続きといこうか」
「く……最低……!あぁっ!」
「淫乱だねぇ、顔が同じなら誰にでも感じるのかい?

変装して無理矢理&言葉責め妄想


雷蔵はどうしても思い付かなかった。誰か頼む。
久々知は敢えて考えなかった。何故なら誰もが予想できるものだからさ。


381:名無しさん@ピンキー
08/08/26 19:32:37 eg8bucER
書かれてない久々知が1番破壊力ある件ww
雷蔵は……そうだなぁ
オカズを誰にするかで一日迷い続けるとか

382:名無しさん@ピンキー
08/08/26 20:11:51 MWa8O/nI
いや待て、さんざん迷う挙げ句おおざっぱな決断を下す雷蔵のこと、

「えーと、年上と年下どちらがいいかな。熟練のお姉様のテクニックに翻弄されるのは憧れだし、
でも年下の娘を優しくリードするのも捨てがたいし…えーとえーと」
……。
…。

翌朝
「……何で事務のおばちゃんで抜いちゃったんだorz」

…おおざっぱにも程があった。今では反省している

383:委員長は苦労性!22
08/08/26 21:17:20 aBsZA1az
5、6年の妄想に水噴いてディスプレイが水浸しになったじゃねーかどうしてくれるwww
六年駄目スグルwww特には組wwww
雷蔵に死ぬ程噴いたwwww

投下します

夜風が闇に包まれた学園に吹き抜ける。
穏やかだった風の音は、吹き荒ぶ様にごうごうと外で鳴り響いている。
荒い風は木々を揺らし、葉が夜の虚空へと舞い上がる。

ゆらゆらと行灯の火が、室内に妖しく揺らめく。
漆黒の影法師が二つ、少女の影に覆い被さる。

四郎兵衛の眸は何処か虚ろで、それなのに真摯な光を放っていた。
例えるならば、小さな狼が、獣の本性を現そうとしていると言った所だろうか。
先程達したばかりのソレは、今か今かとしおりを待ち望んでいる。
しおりの方も愛しい少年を待ち望むかのように、食満の精を受けた場所は、ひくひくと蠢いていた。

「四郎兵衛・・・、あたし、熱いの・・・。」

潤んだ眸が、縋る様に四郎兵衛の眸に映る。
それは酷く蠱惑的で、身体の隅々さえもその熱さに侵されてしまいそうな気分だった。
二人は求めるように口を重ね合い、浴衣を羽織っただけの状態の侭、ただ只管に求め合った。

しおりの白魚の様な手に、幼さを残した指が絡み合う。
軽く四郎兵衛の手を握ると、嬉しそうに微笑み、頬に口付けを落とした。
しおりの首筋に舌を這わせると、甘い吐息が頭上から響く。

経験も、技術も、どう足掻いても6年生である食満には敵わない。
だが、しおりを想う気持ちだけは誰にも負けない、負けたく無いという気持ちがあった。

誰にも渡さない―そう想いを込めてしおりを強く抱き締めると、そっと背中にしおりの腕が絡んできた。

「しおりちゃん・・・ぼく、あのね・・・。」
「しろべえ・・・。」

もごもごと言葉を言い辛そうにする四郎兵衛の口を、今度はしおりの口が塞ぐ。
啄む様な軽い口付けが部屋に響き、自然に四郎兵衛の手がしおりの膨らみを撫でる。
媚薬に侵された身体は、それだけでも甘い疼きとなり、刺激を求める様に身体を密着させた。

384:委員長は苦労性!22
08/08/26 21:47:20 aBsZA1az
↑21だった。

しおりの身体は、まるで火を灯した様に熱を帯び、触れる自分自身でさえもその炎に巻き込まれそうになった。
同時に、四郎兵衛の身体も同じ事であった。
熟れていない膨らみを両手で掬い上げ、只求めるままに桃色に色付いた飾りへと吸い付く。
それは生易しいものでは無く、飾りが取れてしまうのではないのかと言う位、強い吸付きだった。
あまりのその刺激に耐えられず、思わずしおりの上擦った悲鳴が聞こえた。

「っあ!い、たぁ!」
「ご、ごめん。」

聞こえた悲鳴に思わず四郎兵衛は口を離し、申し分けなさそうに頭を垂れた。
桃色の飾りは、淡い朱色へと色付き、輪の周りには薄っすらと歯形が刻まれていた。
我を忘れた四郎兵衛の後頭部に、食満の手が軽く小突いた。

「いたっ。」
「四郎兵衛、女の子には優しくしなさい。」
「ごめんなさい。」

先輩としての権限か、思わず口が出てしまった。
四郎兵衛に悪気は無いのは重々承知だし、何より強力な媚薬を飲んでしまっているのだから
自分も理性の鎖が何時絶ち切れるか解らない。
正直、自分も今瀬戸際まで立たされている。

ふと、手を握り続ける二人を見、食満の脳裏に何かが過ぎった。

徐に自分の髷を結っていた紐を解き、二人の握っている手首に絡ませ、小さいリボンを作り結び付ける。
正確には、二人の手首を縛りつけたと言ってもいい。
食満の意図が解らず、只二人は呆気に囚われるだけだが、当の本人は満足げに微笑んでいる。




385:しろべのひと
08/08/26 22:59:13 aBsZA1az
ごめんなさい、続きは近々上げますorz

386:名無しさん@ピンキー
08/08/28 00:46:40 gNRHe4ra
原作のくのいち女の子はエロカワイイ

387:名無しさん@ピンキー
08/08/28 01:04:12 em9hfJBi
>>383
GJ!
これからの展開が楽しみだ。

388:名無しさん@ピンキー
08/08/28 23:52:54 MKmz5f1O
再来週のアニメが楽しみな件

389:名無しさん@ピンキー
08/08/29 01:12:13 WHjHZAia
再来週って何やるの?

390:名無しさん@ピンキー
08/08/29 01:27:11 eU6BveAk
「くの一のかくれんぼ」の事かな?

391:名無しさん@ピンキー
08/08/29 02:14:37 E6Auqh8v
>>390
そうそれ
土曜日はまた照代さん出るし何かテンションあがりまくったんだけど。

392:名無しさん@ピンキー
08/08/29 23:53:06 qJL6qJOl
原作でくの一メインの話やってくれないかな

393:長次×カメ子1
08/08/30 14:31:59 6p20WrfE
割り込みすみません。
>>369さんのレスと六年妄想ネタを少々拝借しての長次×カメ子投下します。

********
「はっ……あ、あふっ」
 蝉時雨も止まない、真夏の午後。
 忍たま長屋のとある一室に、住人のそれとは異なる甘く小さな娘の声がこぼれた。
 そもそも女人禁制の長屋から女の声がする事自体、異常ではあるのだが―更に異常たらしめんとしたのは、
彼女に甘い声をこぼさせる行為。
「くっ…だめ、カメ子……こんな所中在家さまに見られ…たら、はっ、でも、んっ!」
 首を振り、禿(かむろ)に揃えた髪を乱し、言葉では抗ってみせても、男を受け入れるにはあまりにも小さすぎる性花を
責め立てる己が手指を止めることは出来なかった。

 声の主、福富カメ子は、五歳という市井では子守も必要かと思わしき年頃の幼子である。
 しかし、大貿易商・福富屋を裏で仕切るとも噂が立つほどの、大人顔負けの聡明さを誇る娘でもあった。
 そんな彼女が何故に―問うのは愚問というものであろうか。

「あぁ…ごめんなさい、中在家さ、ふぁっ……カメ子は、カメ子は悪い子でございます。遠くから懸想するだけに
飽き足らず、中在家さまの、お部屋に忍び込んで…こんな、ふし、だら、な」
 中在家さま―忍術学園六年ろ組・中在家長次が眉を顰め、一瞥する姿を想像し、カメ子の背が羞恥にくっ、と引きつる。
 幼い体の蠢きにつられるように、身体の下に敷かれてあった男物の寝間着が波を打つ。
 鼻腔に漂う、嗅ぎ覚えのある男の匂いがカメ子の身体を包み、カメ子は更なる快楽の深みへと堕ちていった。
 ぷちゅん。ちゅっ、ちゅく、くちゅっ。
「はぁっ…!」
 柔く短い指は、蜜を吐き出し続ける女芯の入口や、赤く腫れた実をまさぐるが、その短さゆえ、決して奥に突き進む事はできない。
 己が幼さが課した枷にもどかしさを、そしてそれを解き放ってくれるであろう幻想の男の姿に、後ろめたさと幾許かの期待を抱き―。
「……!! くぅ…んっ! んくぅっ、ううっ!」
 幼子は夢想の中、身をこわばらせ、独り絶頂の吐息を蝉時雨の内に紛れ込ませた。


394:長次×カメ子2
08/08/30 14:32:41 6p20WrfE
*    
「………!!」
 がたん、と文机の上に積んでいた古書が崩れる音に、中在家長次の意識がうたかたの夢から、忍術学園図書室内という現実へと引き戻された。
 ―いつの間に眠っていたものか。声に出さず、呟く。
 幸い図書室には他に人の姿は無く、長次は最高学年らしからぬ失態を衆目に晒す事態だけは避けられた。
 もとより今日の忍術学園は休講日である。全寮制の学園では滅多に取れない休日に、大半の生徒は大いに羽を伸ばしている事だろう。
 かく言う長次もつい数刻前、級友から町へ繰り出さないかという誘いを受けていたのだが、どうにも気が乗らず断った次第だった。
 ―その末が、独り図書室で見る淫夢とは。
 それも、年端もいかない幼子の―ありえないだろそれは。
 思い返し、柄にも無く頬が熱くなる。
 夢の娘―カメ子と長次は面識がある。後輩の妹で、十にも満たない子供で、けれど気遣いの出来る明るく良く出来た娘だった。
 家系なのか、やや太い眉と、ふっくらとした頬と、くりくりとした円らな瞳がとても愛らしい―いやいや待て。
 取り留めない考えが妙な方へと向かっていくのを感じ、長次は固く目を閉じた。
「……寝よう」
 たっぷり十分ほどの思慮の果てに、長次は一言だけぼそりと呟き図書室を後にした。

 油蝉、にいにい蝉、熊蝉―幾種、数多もの蝉の鳴き声が山々にこだまする。
 それらの声が頭の中にまで鈍く跳ね返るのを感じ、この暑さで体調まで崩したかと、長次は自分の身体具合を他人事のように分析した。
 だとすれば級友の誘いを断ったのは正解らしい。
 こんな頭にモヤがかかったような状態で町に繰り出しても、楽しむどころか周りに迷惑をかけるのが関の山だ。
 ふう、と一つ溜息を吐き、長屋の自室前に立ち―障子戸に手を掛けようとしたその時。
「……?」
 ―人の、気配?
 確か同室の男も町に出たはずなのに、もう帰って来たのだろうか―疑問を確認するように、長次の手がそっと障子を開けると、
「……!」
 疑問は驚きへと変わった。
 自室の中に居たのは誰あらん、先程長次に淫らな夢を見せた人物、福富カメ子その人であった。
 円らな瞳を閉じ、板張りの床にしどけなく身を横たえながら、すやすやと幽かな寝息を立てている。
 ―なんで彼女が学園に。
 いや、それは兄が学園内に居るのだから問うまでもないが、何で俺の部屋に。
 困惑を含んだ目で、己が身の丈の半分も無いであろうカメ子の小さな寝姿をしばし眺め考えた後、長次は布団でも敷いておくか、と呟いた。
 経緯は分からないが、このまま放っておける程長次は冷血漢ではない。
 押入れから布団を出し、小さな体を抱き上げようとして―ふと、長次の視線が彼女の着物のやや乱れた裾へと向いた。
 脳裏に、蝉時雨に混じって紡がれた、彼女の舌足らずな甘い言葉がよぎる。

 ―こんなところを中在家さまに見られたら。
 ―カメ子は、悪い子にございます。

「……あれは、夢だ」
 首を振り、声に出し打ち消そうと試みるも、夢の残滓は長次の中から消え去ってくれなかった。
 自制する心と裏腹に、どくん、と強く鳴る胸が自分の手に更なる悪行を唆す。
 ―勘違いするな。あれは夢魔が見せた、只のまやかしだ。
 ―だが、本当にまやかしなのか。
 ―確かめて
 どくん、どくん、どくん。
 長次の手が、捲れた裾の合わせ目にそっと潜り込み、柔肌に触れる。
 脛から膝裏、そして、太股へ。
 傷一つ無い滑らかな幼子の肌は、夏の暑気のせいか微かに汗を滲ませ、固い長次の掌にぴったりと吸い付くようだった。


395:長次×カメ子3
08/08/30 14:33:23 6p20WrfE
「…ん」

 杏色の唇が吐息をこぼす音に、長次の手が止まった。同時に、熱に浮かされたように茫洋としていた意識が正気を取り戻す。
 ―何、を、しているんだ。曲がりなりにも僅か五つの子が、自慰などする訳がないだろうが。
 それよりも、これでは俺のほうが不審極まりない。
 いい年をした男が、胸を高鳴らせて十も離れた娘の太股をまさぐる姿など―長次の中に残ったのは羞恥と自責の念であった。
「…すまん」
 外で鳴く蝉の声よりも小さな声で謝り、潜り込ませていた手を引き抜こうと意を決した、が。
 ぬるっ。「―!」
 指先に纏わり付いた微かな液体の感触に、再び長次の心は揺らいだのだった。

 それが汗や、ましてや粗相の跡ではない事は、触れる液体の質感で分かった。
 ―濡れて…いる?
 着物に隠れた太股に一筋残る、幼子に似つかわしくない情欲の証に長次は、取り戻したはずだった理性が崩れるような感覚に襲われた。
「………」
 ぐっ、と喉を鳴らし、引き抜きかけた手を再び、カメ子の太股へと這わせる。
 今度は胡坐をかいた己の膝上に、眠ったままのカメ子を乗せ、空いていたもう片方の手で小さな肩を抱きながら。
 腕の中の彼女からは、子供特有の乳臭さと女特有のほのかに甘酸っぱい匂いがした。
 育ちの良さを表したかのように、むっちりと張った尻に手を遣ると、腕の中の幼女の体がぴくり、と小さく跳ねた。
「…ぇ…あ?」
 今度は眠りから醒めたらしい―しかし、長次の手は柔らかに熟れた水蜜桃の如きカメ子の双臀から離れようとはしなかった。
 太股同様に蜜の残る尻を撫で、無言のまま指を足の付け根へと忍ばせようとする長次に、カメ子は瞬時に顔を赤らめ、身をよじる。
 だが、がっちりと肩を掴む長次の片腕によって、身を離す事も叶わなかった。
「!! な、中在家様っ? …何…を」
「………」
「あっ、その、勝手にお部屋に…入ってしまわれた事はお、わびっ、致しますっ!」
 南蛮の書物を積んだ貿易船が着いた旨を知らせに来た―というのがカメ子がここに来た理由らしい。
 だが、蜜をこぼし続けている秘所を無言のまままさぐる長次の耳には、そんなカメ子の言葉も素通りするばかりだった。
 ぬめる指腹が柔襞の間を滑り、指先が実をくすぐる度に、娘の肩は震え、杏色の唇は酸欠の魚のようにぱくぱくと喘いだ。
「だから、はぁっ…戯れ、は、お止めくださ…」
「……戯れだと、思っているのか」
 手を止め、長次は低い囁きをカメ子の耳朶に落とした。
 声にびくり、と身をこわばらせたカメ子の瞳から、みるみるうちに大粒の涙が溢れていく。
「戯れ…じゃなければ、望外の夢、だと思います。…だって、っく、私は…ずっと…中在家様の事を…」
 声はそれ以上言葉にならず、カメ子の頬を伝う涙が硝子細工のような煌めきを放つ。

 ―夢、か。
 カメ子の言葉を心の内で反芻し、長次の顔が苦笑に―表情の変化に乏しいこの男なりに―歪んだ。
 奇しくも先程の自分と同じような事を、この娘は思っている。
 彼女が、自分を想って独り熱い吐息をこぼした事を、
 自分が、この幼き娘に情欲を抱かんとしている事を、
 望外の夢だと。
「なら……夢だと思え」
 涙に濡れたカメ子の目が見開かれる。何か言葉を紡ごうとした唇を、長次は己が唇で塞いだ。


396:長次×カメ子4
08/08/30 14:34:01 6p20WrfE
*    
 布団の脇の二組の着物は脱ぎ散らかされ、猥雑ささえ伺える皺を作り出している。
「ぷぁっ…ん、んむ、んうっ」
 だがそんなものは、何度も何度も唇を重ね合い、舌を絡め合い、吐息を混ぜ合う二人にはどうでもいいものだった。
「はっ…あ…なか、ざいけさま…」
 うっとりと名を呼び、上気した頬に汗を伝わせる娘の可愛らしさが、愛しさが、長次の女陰を責める指に更に勢いをつける。
「んぅっ、あ、や…だ、めっ!」
 膣口に挿し込まれた指で、体の内から責められるという彼女には未経験であろう快楽に、髪が乱れ、幾筋か汗をかいた頬に貼り付く。
 幼子とも思えないほどの、婀娜たる気配の片鱗を見せるカメ子の表情に、長次の胸は高鳴り、下腹部の痛みは強まる。

「……っ!」

 一際激しく指が奥を抉ったその時―カメ子の背が強く跳ね、ごぽり、とこぼれた蜜が長次の手首まで熱く濡らした。
 ―達したか。
 ぐったりとした娘の荒い息が落ち着くのをしばし待つと、長次は小さな体を抱き上げ、再び胡坐座の膝の上へと座らせた。
 先程と違うのは、お互い一糸纏わぬ裸である事と、脚を開かせ、向かい合うように座らせた事。
「…これ、で、いいのですか…?」
 慣れない姿態にやや困惑ぎみなカメ子の問いに、長次はこくりとうなづいた。
 彼女があとわずか齢を重ねれば、この体位が俗に『茶臼がらみ』と呼ばれる物だと知るだろうか。
 未熟なカメ子の女陰は、男を受け入れるにはもうしばらくの歳月が必要だった為、長次は考えた末に、屹立した己自身を
まだ蜜でぬめる柔肉で挟み込んで、擬似的な情交に及ぼうと試みることにした。
「ごめんなさい…私がもう少し、大人なら…ひとつになれたのに」
 ―この娘は、こんな時にも相手を思う。
 目を伏せ、悔しさからか唇を噛むカメ子の頭を、気にするな、と長次は優しく撫でた。
「……それより、しっかり掴まれ」
 声に応えるかのように、しがみ付くカメ子の手足に力が入る。
 体と体が密着し、間に挟まれている自身に余す所なく蜜が纏わりついたのを合図に、長次はカメ子の双臀を掴み、ゆっくりと
上下させ始めた。

「……っ!!」
「ひゃあんっ!!」

 裏筋をなぞり上げる柔らかくぬめる襞が、女陰を擦り付ける熱く脈打つ杭が、双方に電流に似た刺激を与える。
「あ、あ…中在家さ、ま、のがっ、あた…って」
 体を揺すぶられ、鈴口と実がぶつかり合う度に幼い女陰はひくひくと蠢き、新たに溢れる蜜が潤滑油となって更なる快楽を生む。
 ぬちぬちと響く卑猥な音が、唇からこぼれる吐息の音が、密着した胸から伝わる鼓動が、極みは近いと二人に教えていた。
「あぁっ…なか、ざいけさまっ、カメ子は…カメ子は…もうっ!」
「く……っ!」
 喉奥から漏れた短い呻き声と共に、長次は絶頂の飛沫をカメ子の腹に、胸に浴びせかけた。
「んくっ…ふぁあっ!!」
 心拍と呼応するように脈動する肉杭を直に感じ、カメ子もまた絶頂に至った。
「ああ、あ…はあっ」
 ほの紅く染まった肌を、己が体液で白く染め上げられた娘の身体は、とても淫らで、背徳的で、それでいてこの上なく綺麗で―。
 長次は、身体を繋げることは出来なくともそれより深い場所が繋がったかのような充足感を、彼女の姿に見出していた。
「……がんばったな」
 杏色の唇から一筋こぼれる涎をそっと指腹で拭い、唇を重ねあう。
 止まない蝉時雨が響く、部屋の中で。

 ―蝉時雨が。


397:長次×カメ子 ラスト
08/08/30 14:34:42 6p20WrfE
*       
 ごすっ。ばさばさばさっ。
「……っ!!」
 突如頭上に降り注いだ衝撃と本の崩れる音に、中在家長次の意識がうたかたの夢から、忍術学園図書室の書架の下へと戻る。
 ―夢、だと!?
 転がる巻物も散らかる和綴りの本もそのままに、しばし長次はその場で愕然としていた。
 匂いも感触も残る、一蹴するにはあまりにも生々しすぎる余韻は、脳天に巻物が直撃した痛みでも中々消えそうにない。
 ―いや、それよりも。
「何で…あんな夢を」
 呟いて口を塞ぐ。こんな姿、とてもではないが下級生にも同級生にも見せられるものではない。
 幸い図書室に人は居らず、長次の呟きは書架の薄闇に溶けて消えた。
 淫夢を見るのは別に構わない。何やかやと言いつつも、自分は十代も半ばの男で、人並みに情欲は持ち合わせているつもりだ。
 問題は場所と相手だ。十も年の離れた幼子に―なんという事を。
 羞恥と後悔の念に、長次の頬が不気味に引きつる。
 笑顔にも見えるこの表情は、彼が心底憤った時特有のものであった。
「は…はは…ははははは」

 図書室から漏れ聞こえる気味の悪い笑い声に、近くを通りかかった下級生が慌てて踵を返したなどということは、勿論長次には
知る余地もない事である。

 じりじりと差す真夏の日差しが、長屋の廊下を歩く長次の肌を灼く。
 蝉の合唱と、霞掛かったままの頭の中が、気だるさに拍車を掛けているようだった。
 数日続きの暑気に身をやられたのだろうか―こういう時は眠るに越したことはない。
 同室の男は確か町に繰り出してから戻って来ていないはずだ。
 ならばついでに手慰みのひとつでも―いや、さっきの今だ。また妙な夢を見かねない。
 ―そもそもあの夢だって。

 足を止め、長次は自分の見た淫夢の由縁を思い出した。
 彼女の柔らかな肌も、甘い声も、潤んだ瞳も、独り慰める姿も、全て数日前に妄想していたモノそのものだった。
 夢は、己が強く意識するものを映し出すという―だとしたら今の自分は彼女を意識していたのだろうか。
 慰める姿を夢想するに飽き足らず、彼女を抱きたいと、強く思ったのだろうか。
「………」
 答えは出てこない。
 ただ思うことは、次に彼女に会った時、詫びの言葉を入れるべきかどうかという、新たな疑問だった。
 彼の娘にしてみれば、自分などさほど面識もない、兄の知人に過ぎない。
 仮令、自分が彼女をどう思っていたとしても。

 つれづれと考えるまま、気付けば自室の前に長次は立っていた。
 ―もう考えるな。夢は夢だ。
 そう結論づけ、障子戸に手を掛けようとしたその時。
 蝉の声に紛れ水音と、か細い声が、部屋の中から漏れ聞こえるのが長次の耳に届いた。 

『……あ…はぁっ、ご、ごめんなさい、中在家さま、カメ子、は、ふしだらな娘に、ござい、ます。いけないと…わかって、
いるのに、こんな…ああっ、あ、はっ…!』

 ―俺はまだ、夢の中にいるのだろうか。
 目前の淫らな吐息が、背後の蝉時雨が、そして己が内での高鳴る鼓動が、さざめきあい頭の中で奇妙な旋律を紡ぎ上げていく。
 ぐらり。足元が揺らめくような眩暈を感じ、戸に手を掛けたまま長次は目を閉じ息を吐いた。

 今度見る夢は、きっと醒めることはないだろう。
 だが、それも悪くない―心の中で呟き、目を開けると長次は静かに障子戸を開けた。

******
以上です。駆け足失礼しました。読んでくださった方、ありがとうございます。


398:名無しさん@ピンキー
08/08/30 14:41:15 jR1/r7PX
GJ!!初めてリアルタイム投下に遭遇した!
カメ子上品エロ可愛いよカメ子
構成がすごい上手いなー

399:名無しさん@ピンキー
08/08/30 15:35:47 6Exu0SEJ
長カメイイヨー!!GJ!
嫉妬するほどウメエ

400:委員長は苦労性!23
08/08/30 16:46:26 eaEGG08I
ぐぎゃああああああくぁせdrふじこ@
GJGJ!!!!盛大にぐっじょおおおおぶ!!!
長カメイイヨーイイヨーハァハァ(*´Д`)

よおし俺も頑張っちゃうぞ!


「あの、食満先輩。これは・・・。」
「何となくな。気にするな。」

にこにこと微笑む食満を見、二人は顔を見合わせた。
縛られた双方の手首を見、何となくではあるが理解は出来る。
だがこれでは続きをするのには邪魔だろう、そう思い二人はその紐を解いた。

「あぁ!折角結んだのに!」
「でも続きができません。」

後背の最もな返答に、食満も言葉を飲み込む。
余りに見せつけてくれるので、少しばかりの嫌がらせのつもりだったのだが、伝わらなかったようだ。
がっくりと肩を落とした後、気を取り直したのか、しおりの方にすっと腰を下ろした。

「け、けま、せんぱ、い?」

しおりを引き起こすと、徐にしおりの身体の曲線に従って手を這わす。
手を下肢へと移動させると、そのまま脚を開かせた。
先程より意識がはっきりしているのか、嫌々をするように首を横に振り続ける。

羞恥に肢体を震わせるしおりをよそに、食満の手はしおりの花に沿い、桜色の真珠を指で挟み、
しおり自身から溢れ出てくる蜜と、自分の精を絡めさせ、その珠を擦り上げる。
堪らずしおりの口から、艶を帯びた悲鳴が聞こえ、その声が更に食満の淀んだ劣情を増幅させた。

珠を指の腹で擦り上げ、二本の指を使い、あたかも自分自身の穢れた精を掻き出すようにしおりの蜜壺を刺激する。
片方の手は強弱の定まらないリズムで、膨らみをもみしだき、飾りを器用に弄んでいる。

「はぁぁ・・・、あぁっ!」

しおりは食満の巧妙な指に翻弄され、ただ無力に啼き続ける。
どちらともつかない大量の蜜がしおりの花をしとどに濡らし続け、何度も絶頂に導かれる。
それなのに身体の疼きと熱は上昇するばかりで、しおり自身も、戸惑うばかりだった。


401:委員長は苦労性!24
08/08/30 18:18:31 eaEGG08I
しなやかな脚を閉じる事も無く、なすがままにされるしおりの股座に、ふわりとした何かが触れた。
虚ろな眸を数回瞬かせ、視界を下に落とすと、四郎兵衛がまじまじと蜜に濡れる花の様子を見詰めていた。
流石に恥ずかしかったのか、慌てて脚を閉じようとすると、食満の力は思った以上に強く、
ただ四郎兵衛に見詰められるままだった。

四郎兵衛は不思議そうに花から溢れ出る蜜を眺め、恐る恐る口を近づけ、蜜を自身の舌で掬い取る。
それが引き金となったのか、四郎兵衛の何処かで、ぷちん、と何かが音を立てて切れた。
まるであたかも蜜に引き寄せられる蜂の如く、四郎兵衛はその花を舐め上げ、
薄桃色の真珠を舌先でつつき、蜜壷の奥を探るように舌を差し入れた。

「ふぁあ…っ…。しろ、べえ、汚い…よっ…。」
「汚くなんてないよ…、綺麗な桃色だよ。」

どんなに舐めても、蜜は溢れ、零れ続ける。
布団に大きな染みを作る間も、しおりの啼き声は止まらなかった。
卑猥な水音が部屋に響き、灯りに映る影法師が艶かしい踊りを披露した。

否定する言葉とは裏腹に、狂おしい程の悦楽を求め、堪らずしおりは咽び泣いた。

舌をそっと離し、息を弾ませているしおりにそっと覆い被さる。
泪で濡れた眸は艶かしく、それでいて可憐な少女のように、四郎兵衛の背中にしがみ付いた。
先程から既に硬くなった自身を、そっとしおりの秘所に擦り付け、もどかしい快楽を与え続けている。

「四郎兵衛…っ…、は、やく…。」

その言葉を待っていたと言わんばかりに、四郎兵衛はゆっくりとしおりのナカへと自身を埋めてゆく。
食満とは多少大きさが違うが、愛しい少年を受け入れた証か、自然と口元が綻ぶ。

「あはぁぁっ…!四郎兵衛っ…、四郎兵衛!」

ずぶずぶと柔らかい肉壁を、四郎兵衛自身が乱暴に掻き回して行く。
優しさも忘れて、ただしおりを求め、欲望のままにしおりを抱く。
僅かな痛みさえも心地良く、必死で助けを求めるように縋り付く。




402:委員長は苦労性!25
08/08/30 18:43:07 eaEGG08I
誰でもいい、只誰かに縋り付きたい。
熱さに耐えられず、布団をただ握り締め、四郎兵衛の動きに従って上下に揺れている。
不意に、しおりの頬に食満のそそり立った男根が当たる。

「んぁっ…、せんぱ…、食満先輩…っ!」
「しおりちゃん、咥えて。」

言われるがままに食満自身を口に含み、拙い動きで裏筋を舌でなぞる。
揺さ振られているのか、口から離れ、口に含み、の繰り返しに業を煮やし、些か乱暴ではあるが
しおりの頭を押さえつける。
息苦しさに咳き込むと、慌てて「ごめん」と声が聞こえた。

その様子を見て、四郎兵衛はしおりと初めて交わった頃の様に、浅めにゆっくりと抜差をしながら、
徐々に深く突き入れ始めた。
クスリに浮かされ、乱暴にしてしまった侘びなのか、四郎兵衛の動きは緩い快楽与える様に小さく、浅く動いた。
だがそれでは足りぬと言う様に、浅めに動いていた筈の四郎兵衛が、しおりの奥深くまで沈み込む程の動きに変化した。
最奥まで激しく突かれ始め、ただはらはらと悦を浮かべた泪を零す。

「ふぁっ、あ、あぁっ、んぅっ…。い、あぁんっ。」

結合部分から、ぐちゃぐちゃと粘着質な水音が部屋に響き、
四郎兵衛に衝かれる度に、しおりはあられもない声をあげ続ける。
幼さを残した顔立ちは、羞恥と快楽で紅く染まり、未熟ながらも形の良い膨らみが衝かれる度に小刻みに震え
陶器のように白い身体を、艶かしく捩らせる。


403:名無しさん@ピンキー
08/08/30 20:06:29 uHe0cX5D
長かめすげえ!色っぽいし物語としても面白い!
GJでした。また書いてくだされ!

404:名無しさん@ピンキー
08/08/30 21:10:12 Pfci3PSc
長カメGJ!!
ほんと、ラストはそうきたか!ってかんじ
挿入なしのようι゛ょモノでもこんなにエロく書けるものなんだな
感動した!

405:名無しさん@ピンキー
08/08/31 02:44:25 s6gA8OX+
長カメGJ!
そんなはずは・・・の段、なんとなく思い出した。

しろべの人もGJ!
エロに入っているけど焦らしプレイな感じがたまりませんw

406:名無しさん@ピンキー
08/08/31 03:05:44 s6gA8OX+
>>405

× そんなはずは・・・の段
○ハンサムな・・・の段でした。
本当にごめんなさい。

407:名無しさん@ピンキー
08/08/31 07:29:40 IKhN7oYy
しろべの人と長カメの人GJ!すばらしいです

408:委員長は苦労性!26
08/08/31 22:29:52 IOKqqNkT
すいません、昨日PCの電源切れましたorz
中途半端で終わって申し訳ないです(・ω・`)


「しおりちゃん・・・すっごく・・・あったかい・・・。」

快楽と自分自身の熱で蕩けそうになるしおりが、理性の狭間で何かを求める様に四郎兵衛の首に手を絡ませる。
柔らかく微笑んだ四郎兵衛が、そっとしおりの桃色の唇に自分自身の唇を重ね合わせた。
口を離すと、自ら求める様に上に座っている食満自身を、強弱を付けて咥え込み、
吸い上げ、舌を這わせる。

「く・・・ぅ。」
「食満先輩・・・、気持ち、良い、ですか?」
「あ、あぁ・・・。良い、よっ・・・。」

忘れられた頃に、食満自身にも熱が上がってきた。
昂ぶった欲望はすっかり静まった所を、一気にまた劣情の熱が燃え上がる。
食満が小さく呻くと、しおりの口腔内にどろりとした白濁液が広がる。

「あぁ・・・っ、ごめん、しおりちゃん!」

ちり紙を口元にあて、その精を吐き出す様に支持すると、一頻り咳き込んだ後
素直にその紙の上に吐き出した。
未だ四郎兵衛に貫かれている律動で、口元から残った精がとろりと流れ、酷く扇情的だった。
その様子に煽られたのか、四郎兵衛も自身を引き抜き、欲を迸らせる。

やっと開放された――と思うのも束の間で、今度は食満がしおりを抱きすくめ
舌を首筋に這わせる。


あれから、何度交わったことだろう。
しおりが何度かの絶頂に導かれた時だった。


409:委員長は苦労性!27
08/08/31 22:57:09 IOKqqNkT

食満がしおりを貫く体位を変えようと、しおりから自身を引き抜き、彼女の腰を抱え込むと、
しおりが食満の身体に圧し掛かって来た。
しおりが半ば強引に食満を押し倒そうとして来たので、食満は意図が解らずそれに従う。
が、しおりの目当ては食満では無く、四郎兵衛だった。


ぽやんとしている四郎兵衛を押し倒し、仰向けになった四郎兵衛の上に、しおりが馬乗りになる。
しおりの意図が解らず、ただ四郎兵衛は戸惑うばかりで、抵抗は見せなかった。
それは少しの恐怖と好奇心で、先の事を期待するとつい顔が綻んでしまう。

「しおりちゃん・・・何・・・するの?」
「自分達ばっかり・・・ずるいよっ・・・。あたし・・・からも・・・。」

か細い声で彼女はそう言った。黒い眸は潤んでおり、声も何処か艶を帯びている。
しおりは恐る恐る四郎兵衛自身に手を添え、先端を秘所に擦り付け、ゆっくりと腰を沈めた。

「っはあぁん・・・!」

馬乗りになり、男を咥え込むという事をしなかったしおりのナカが、きゅんと熱く疼く。
柔らかい肉壁が硬い欲望に擦られる感覚に、しおりは思わず甘い声を室内に響き渡らせる。

可也感度が高くなっているしおりにはこれ以上の刺激は辛かったが、
それでも堪えてゆっくりと動き始めた。

「ん…ふっ…ぅんっ…」

根元まで咥え込み、ぎゅっと締め付けながら、ギリギリまで腰を引き上げ、また腰を落とす。
しおりは、ただ只管四郎兵衛を擦りあげた。
甘い声をか細く洩らし、快楽を堪えながら淫らに動くその姿は、まさに恋する男に奉仕する健気な乙女の様でもあり、
更なる快楽を求めて男に貪りつつ男を惑わす、くの一そのものでもある。

その淫らで扇情的な姿に、ただ四郎兵衛はしおりに翻弄されるだけだった。

まるで立場が逆だが、たまには良いかも知れないと、呑気に思っていた。

「しろべー・・・気持ち、良い?」
「・・・っう、んっ!」

快楽に耐える四郎兵衛の表情を見、しおりは満足げにその頬に軽く口付けを落とした。
二人が交わっている頃、食満はそんな二人の様子を、遠い目で見詰めていた。

410:委員長は苦労性!28
08/08/31 23:27:01 IOKqqNkT
胸の何処かで、劣情に溺れそうな自分がいる事に気付いた食満は、
何処か冷え切った眸で二人を見ていた。

そう、これはあくまで房術の「授業」なだけだ。

俺は、彼女と性行為をしている訳じゃない。
『くの一』として、彼女を導いていかなければならない。
優しさなんて感情は必要ない、愛しさだなんていらない。

忍術学園を卒業し、在学中でも課題によってはこういう状況にでも出くわすだろう。
この戦乱の世に、戦力となるくの一を―育てるだけだ。

気配を消したまま、四郎兵衛に馬乗りになり、貪欲に腰を落とし続けるしおりの尻を
食満の指が菊座に沿いながら、擽るように指の腹を這わせている。
流石に後ろは驚いたのか、しおりは困惑の声を上げた。

「やっ・・・・けま、せんぱ・・・っ!」
「・・・こっちの方も、いずれは使えるようにならないとな・・・。」

しおりの蜜を絡めとり、沈んだ色の菊座に二本指で刺激を与える。
くりくりと押す様に入り口を押すと、それを拒絶する様に侵入を拒む。

「いっ・・・いやぁ!・・・お尻っ・・・やっあ゛ぁっ!」
「慣れてくると・・・病みつきになるんだってよ・・・?」


執拗にその部分を愛撫すると、拒みはあるものの大分解れて来、
しおりの菊座に、食満の指がするりと侵入して来た。

「うあぁっ!」

新しい刺激と、媚薬に侵された身体が否が応にも反応してしまい、
食満の指をぎゅう、と締め付ける。
口と身体は正反対で、食満の指に与えられる刺激と、四郎兵衛に与えられる刺激で
ただしおりは甘い声を上げる事しか出来ないでいた。

「ほら、大分ほぐれてきたぞ。」
「嫌がってるのに、しおりちゃんのナカ・・・きついよ?」
「あ、あぁぁっ!!」

食満がしおりの菊座から指を引き抜き、自分自身をぴたりと当てる。


411:委員長は苦労性!29
08/09/01 00:11:35 ZvgjtSBS
「しおりちゃん、出来るだけ力抜いて。」
「で、も・・・。」

言うが早いが、食満はしおりの菊腔にゆっくり自身を埋没させる。
肉壁越しに、二つの男根がキツク擦り合う感覚に、しおりは声を漏らした。
力が入っていて苦しいのか、一定のリズムで安心させる様に食満は軽く肩を叩いた。
まるで幼い子の様に扱われて居る様だが、不思議と安心してしまう。

「んっ・・・はぁ・・・うぅんっ・・・・。
「うん、息吸って・・・吐いて・・・。うん、良い子。」

はあ、と一呼吸置いて、食満はしおりの菊花を傷付けないように、そっと浅く軽く腰を動かす。
四郎兵衛は逆に上から突き上げる様にしおりを貫き、その動きに翻弄され続けている。
身体の中心が、まるで炎に焼けるように熱い。
尻に火がつく、と言うのは違うのだろうが、しおりは今まさにその熱に蕩けている。

「あぁぁっ!熱い、熱い・・・よぉ・・・。」

花と菊、両方の秘孔を真逆の動きで貫かれ、僅かな甘い痛みさえも自分にとっては悦楽の対象でしかない。
髪を振り乱し、涙をはらはらと零し、喘ぐ様は年不相応な位色っぽい。
卑猥な水音が部屋に木霊する。食満も、四郎兵衛も、しおりも、もう限界が来ていた。

「は、ぁぁあ!もう・・・っ駄目ぇっ!」

一際大きな嬌声が聞こえた後、二人は小さく呻いた。
直後、二人がしおりの中に熱い欲望をなみなみと注ぎ込む。

ぐったりと息を弾ませ、やっと二人に一矢報いられた気がしたしおりは、満足げに微笑んだ。
しおりがよろよろと腰を上げると、四郎兵衛は腹筋を使って身体を起こし、食満は両手で彼女の腰を掴んで、
うつ伏せに寝かせた。

「し、四郎兵衛?せ、せんぱ・・・っあぁ・・!」

うつ伏せになったしおりの腰を両手で固定しながら、臀部を上向きに持ち上げ、自身を突き入れた。
さっきのしおりの行為で理性の箍が外れた四郎兵衛は、思う存分しおりの身体を貪らんとしていた。
それは食満も同様で、目の前に居るのは最早理性と言う名の鎖を外した狼の様に眸をぎらつかせている。


その行為は激しく、しおりの「休ませて」という懇願も無視し、夜がとっぷり沈んだ寅の刻まで行われた。




412:しろべのひと
08/09/01 00:14:46 ZvgjtSBS
えろシーンは終わりですが、後日談がまだあります。
細々ですが委員長シリーズやってこうかな。

次回予定してるのは盆過ぎたけど夏はまだ終わってない!
食満単品をやってみようかと。

413:名無しさん@ピンキー
08/09/01 00:22:49 fvVk2a7i
>>412
食満単品って一人でシュッシュするの?

414:しろべのひと
08/09/01 00:25:17 ZvgjtSBS
>>413
いやいや、そう言う意味じゃwww
夏の風物詩として不思議系な話でも。

415:名無しさん@ピンキー
08/09/01 10:39:20 8O9UndmC
>>369書いた者です
長カメの方GJGJGJ!!!!!こういうのを読んでみたかったあああああ!!!!!
すまた幼女フェチにはたまらんですハアハア
ありがとうございました

416:名無しさん@ピンキー
08/09/01 11:15:22 jS9m5tuL
>>413
食満一人でシュッシュワロタwww
ぜひ誰か書いてくれ

417:名無しさん@ピンキー
08/09/01 14:08:31 3qPYFFiJ
ちょうど最近妹萌え説でたもんなw

しろべの人乙です!エロかわいいしおりちゃん有難うございます!

418:393
08/09/01 19:22:00 Cd89c7s7
>しろべの人(割り込みすみませんでした)
しおりちゃんサンドイッチプレイGJ!
十代性欲の暴走っぷりがなんか清々しささえ伺えますなw
今後も楽しみにしてます。

長×カメSSに温かいレス本当にありがとうございました。
また機会がございましたら(次はもう少し羽目外しますw)、
宜しくお願いします。

419:委員長は苦労性!30
08/09/01 23:01:39 ZvgjtSBS
長カメの人>
文章構成も素晴しさも元より、何しろカメ子ちゃんの可愛さにやられましたw

これで食満としおりちゃん、四郎兵衛の試験は終わりです


夏の夜風が髪を撫ぜる。
荒々しい嵐の様な雨音も、今はすっかり宵の雲が広がった静寂の星空となっていた。
食満留三郎は綿のよう疲れる様子で、よろよろと起き上がった。
ちらりと下を見ると、横には房術試験で疲れてしまったのか、しおりと四郎兵衛がぐったりと横たわっていた。
数を数えると何回しただろう。朧げな意識で憶えている限りは4回くらいだった。
その後の事を考えると、最低でも両手の指の数程情交を続けただろう。

後輩二人は健康的な寝息を立てて、年相応の寝顔を見せていた。
二人の傍にそっと近付くと、寝乱れた布団を直してやり、その部屋を後にした。

縁側で休もうと足を進めたら、同じく6年ろ組の七松小平太が座っていた。
食満を見るなり明るい笑顔で、よお、と返してきた。

「そっち、どうだった?」
「・・・疲れたよ、誰かのお陰でな・・・。」

元を正せば小平太が原因だ。こいつの所為で自分にとって過去最高記録を樹立したと言っても良い。
じろりと恨みがましい視線を送る食満を、小平太はばつが悪そうに苦笑を漏らした。
吹き抜ける夜風に、ちらちらと蛍の光が飛んで行くのを見た二人は、どちらとも無く笑い合った。

「所で、何でお前はシナ先生に頼んだんだよ?」
「ああ、あれ・・・。」

ふと、食満は心のどこかで引っ掛かっていた事を問い掛けた。
何故3人なのか、そして渡されたあの媚薬の事だ。
小平太はしばし考えると、だって、と子供の様に頬を膨らませた。

「留三郎は優しいんだよ。」
「はあ?」
「だから、何時も私達の壊した物修理したり、いらん事まで背負い込んで。
今回だってしおりちゃんの事でうだうだ悩んでただろ。」

荒療治なのは解ってるけど、こうでもしないと吹っ切れないだろ!

夜の空に、小平太の叫びが学園の庭に響いた。
声がでかい、と一つ拳骨で頭を殴ると、食満もはあ、と溜息を吐いた。



420:委員長は苦労性!31
08/09/01 23:22:43 ZvgjtSBS
「お前らもいらん世話掛けすぎだろ・・・。」
「仕方ないだろ、四郎兵衛は私の後輩だし、お前だって何かと遠慮するだろうし。」
「で?媚薬は誰だ?伊作か?」
「当たり。で、留三郎には即効性でめっちゃくちゃ強力な薬だって言ってた。」

どうりであの噎せ返るほどの甘さか。伊作め、後で一つ殴っておこう。

6年生5人が言う食満留三郎と言う少年は、気が強くて、喧嘩っ早い武闘派。
その癖後輩の面倒見が良く、世話焼きで、苦労性。

食満が悩んでいる最中、6年生五人が見かねて知恵を出し合い、荒療治だか
ああいった結果となった。

「・・・御免。もう遅いかもしんないけど。」
「・・・もう怒る気力もねえよ、一応気持ちは受け取っとく。」

呆れながらも、食満の表情は何処か嬉しそうで、小平太も釣られて笑みを零した。
七松小平太、明るく豪快、その実、見れる所はきちんと見ているヤツなのだ。

きらりと光る一番星を眺め、食満は不思議と穏やかな気持ちになった。

仲間が居る事
守るべき後輩達がいる事

そして自分自身の、ほのかにしおりに抱いた淡い想いを胸にしまった。
あの子は四郎兵衛と幸せになって貰いたい。
戦乱の乱世、学園を出たら離れてしまうかもしれない。
だから―学園に居るまでは、二人だけの時間を過ごして欲しい。



421:委員長は苦労性!32
08/09/01 23:44:42 ZvgjtSBS
別れだなんて、今は考えたくは無い。
皆で笑い合って、泣いて、怒って、喧嘩をして―
これからの日々を過ごそう。

例えそれが、何時しか対する関係となろうとも迷いはしない。
それが忍者の運命(さだめ)であり、運命から目を決して背いたりはしない。

ただ、そんな日が来なければ良い。

近い未来、時代ゆえに、命を落としてしまうだろう。
遠い未来、何時か戦争がない平和な時代に自分達が生まれていれば、
こんな感傷に浸る事もないだろう。

全ては何時も時代が変わらない、月だけが知っている事だろう。

小平太と別れ、ふらりと校内を散歩していると、微かな光が横を過ぎった。
何事かと学園長の部屋の池へと辿り着くと、数匹の蛍が、ちらちらと周りを飛んでいた。

群青に塗られた夜に光る、微かな灯火。
それは幻想的な光景で、知らずと食満の眸から涙が零れた。

最上級生なのに泣くだなんてみっともない。
それなのに、苦しいほど胸が締め付けられてくる。
しおりの艶姿がちらつき、それを振り払うように頭を横に振る。

「・・・好き、なんだろうなあ。」

伝えたくても伝えられない。伝える事は許されない。
少し泣いたら、また朝は何時も通り振舞えるはずだろう。
あの二人の看病が終わったら、自分の奢りとして団子屋にでも連れて行ってやろう。

袖で強引に涙を拭うと、食満は月に向かって背伸びをした。

そろそろ明けの空が来るだろう。
二人の様子を確かめに、食満留三郎は二人が眠っている部屋へと向かった―





422:しろべのひと
08/09/01 23:50:05 ZvgjtSBS
委員長シリーズ、食満編終わりますた。
思ってたより長かったorz

グダグダですが、読んでくださった皆さん有難う御座います!

423:名無しさん@ピンキー
08/09/02 10:18:13 JEhraMFY
GJ!!お疲れ様でした!
な、泣いてなんてないんだからねっ!

424:名無しさん@ピンキー
08/09/02 19:02:19 2s6UbtSd
食満編ありがとうございました!!!
くはー満腹だww


425:名無しさん@ピンキー
08/09/02 20:58:04 Y0ycD6wE
纏めて失礼ながら職忍さんたち乙ですGJです!
素敵な作品たちに頬緩みっぱなしでした!


そんな自分は下書きがまだエロ部分に到達せず…。オラにギンギンの徹夜力といけどんの体力と長次の博識とお父さんの優しさと厳禁頭領のサラストと美しさと不運委員長の人運を分けてくれー。

後半関係なかった。

426:名無しさん@ピンキー
08/09/02 21:59:34 Yrs3tzFH
しろべの人GJ!
お疲れ様でした。最後の切なさがいいよ
他の委員長シリーズも楽しみに待ってます!

427:委員長は感染症!?1
08/09/04 20:16:55 bLPk3NDS
こんばんは。しろべの人です。
余り日が経って居ませんが、先に委員長シリーズ投下します。
サブタイトルは善法寺伊作の困惑

・食満編とリンクしてます(後日談)。
・えろはあまりないかも
・一応伊作×卯子ちゃん

文月の空は高く、じりじりとした太陽の光が忍術学園に降り注ぐ。
鬱陶しい水無月が過ぎてから、梅雨のじめっとした空気を振り払う様な眩しさに、思わず目を細めた。
それにしても良く晴れたものだ、そう思いながら毎日恒例であるトイレットペーパーの補充をしに、
でかい風呂敷を背負っている。
回りを見渡し、怪我をしていない生徒が居ないか確かめつつ歩いていると、ふと後ろから可愛らしい声が掛けられた。
後ろを向くと、目のパッチリしたくの一が微笑んでいた。

「善法寺先輩、何してるんですか?」
「ああ、卯子ちゃん。見ての通り、便所紙の補充にね。どうかしたのかい?」

優しく微笑むと、卯子は乙女の様にその白い頬を桜色に染め、手を後ろに回してもじもじとしている。
伊作は笑みを崩さず、卯子の出だしを待っている。
ちら、と卯子が恥ずかしそうに伊作の顔を見上げ、また視線を下げる。

「何か言いにくい事でもあるのかい?」
「あ、あの。そうじゃなくて・・・、これ。」

問い掛けると、卯子はそっと小さな巾着を取り出し、伊作の前に突き出した。
抹茶色の渋い巾着で、女の子が好みそうな花が散りばめられている。
有難うと受け取ると、卯子はそのまま顔を両手で覆い、そのまま走り去ってしまった。
ぽつんとその場に残された伊作は、巾着の中身が気になり、丁寧に結ばれた紐を解き、
中身を確認しようとした―刹那だった。

解いた瞬間、その場に爆発音が響き、周りに居た生徒が涙を流し噎せ返る。
強烈な匂いと、目に来た刺激を真っ向から受け、伊作の瞳から大粒の涙が零れ落ち、盛大なくしゃみが響き渡った。


428:委員長は感染症!?2
08/09/04 20:48:49 bLPk3NDS
木陰に隠れた卯子は、その様子をみるなりしてやったりとほくそ笑んだ。
善法寺伊作、密かに卯子が想いを寄せている先輩なのだが、ついついからかってしまう。
罠が成功して嬉しいのと、後にまた上手く伝えられなかったという後悔がやってくる。
くの一としての、所謂悪い癖だ。

「・・・卯子ちゃん、またやっちゃったの?」
「ひゃあ!しおりちゃん?!」

後ろからいきなり声を掛けられ、卯子は思わず木に飛び乗る。
見るからには、とても素晴らしい身のこなしだろう。
よくよく見ると、友人であるしおりが上から困ったように眺めている。
ご免と謝ると、身を翻し軽々と木から飛び降りた。

「・・・卯子ちゃん、たまには素直に伝える事も必要だよ?」
「う、しおりちゃんが言うと説得力あるなあ・・・。」

目の前居る彼女―しおりもかつては自分の気持ちを中々伝えられずに一人で抱え込んでいたのを良く見かけた。
その少年がしおりを助けた事を機に、漸く気持ちを伝えられ、今は清い交際を続けているとの事だ。
だが自分にはそのきっかけすら掴めない。気持ちでは解っているのだが、ついつい悪い癖が出る物で、
好きな子に意地悪をする、男の子の逆だと言っても良い。
ただ単に、本当は伝えるのが怖い―と言うのが本心らしい。

しおりも自分と同じ様な物だが、くの一の中では控えめな方だ。
自分はどちらかと言うとその逆の癖に、全く勇気が出ない。

「あたしはしおりちゃんが羨ましいよ。女の子らしいし。」
「あたしは卯子ちゃんの元気さが欲しい。」

お互い無いもの強請りね、と笑い合った後、しおりは用事があるからと出掛けてしまった。
所謂用事と言う名のデートの様で、くの一達はその「用事」の後、どうだったと聞いて来るのが日課だ。
確か四郎兵衛と言った、ぽやんとした顔の男の子だった。
突いてしまえばそのまま吹っ飛んで行ってしまいそうな雰囲気に思えた。

「・・・・しおりちゃん、何であの子を好きになったのかしら?」

人の好みは十人十色だが、あの少年はどうにも頼りなさそうだ。
そんな事を言ってしまえば、自分は何故善法寺伊作と言う先輩が好きになったのか問われる事だが―


429:委員長は感染症!?3
08/09/04 21:42:38 bLPk3NDS
理由を問うのならば、あの優しさだろう。
何時も怪我をしたら丁寧に手当てをしてくれて、その後も調子を尋ねてくれる。
無論保健委員の性―と言うよりは彼の性格からだろう。
包みこんでくれる様な優しさと、あえて言うならからかい易さだ。
ああ、こう言う性格直さないと、と卯子は頭を抱えた。

同時刻、目から大粒の涙を零し、鼻からはずるずると鼻水をたらし、口からはだらだらと涎をたらし―とどのつまり顔から出るもの全部出ている状態の伊作は、
驚いた拍子に落とし紙を全部ばら撒いてしまい、丁度池の近くを通りかかっていた運の悪さに加え、殆ど池へと流れてしまった。
流す用途は合ってるものの、これでは紙の無駄遣いだ。
何とか無事に死守したのは一個だけで、手持ちのちり紙も無い。
仕方ないのでこれを使い、出る物を拭き取った。
鼻をかんでいる最中、同じ組の食満留三郎が通りかかり、乱暴に持っていた紙で顔全体を吹いてくれた。

「・・・お前またやられたのか?で、今度は誰だよ?」

何時もながらくの一に良く引っ掛かる奴だと半ば呆れるが、それ程伊作は人気が高いのだろう。
自分はたまに声が掛けられるが、くの一のちょっとした悪戯には慣れて来てしまい、ここ最近は声は掛からない。
顔を押さえた伊作が、困った様な顔をしながら何時もの事のように笑っていた。

「卯子ちゃんって言う子。結構元気な子でね、くの一の子では良くお世話になりに来るかな?」
「あー、あの子・・・。見るからにお転婆そうな子だな、ユキちゃんっぽい。」
「ユキちゃんに失礼だよ、卯子ちゃんはそうだなー、どっちかと言うと男の子っぽいかな?」
「それってユキちゃんより・・・。」
「うん、元気だよ。・・・でも、頑張ってる子は可愛いよね。」

にっこりと裏表の無い笑みを作り、さらりと言ってのける。
食満は何となく卯子の伊作に対する悪戯の意図が掴めた。
(成程、好きな子ほど苛めたいって奴か。)
やれやれと溜息を吐き、伊作の水筒を手渡す。

「それより、早く行こうよ。二人が出かける時間帯だろうし。」
「おう、今日は何処の茶屋だ?」
「仙蔵お勧めのあの「縁祝楽」だって!」
「よし行くぞ伊作!早く着替えろ!」
「うん、ちょっとま・・・うわあああ!!」
「だから俺を巻き込む・・うぎゃああああっ!!」

急いで二人はしおり達が向かう茶屋へと行こうと言い、長屋へと私服に着替えに行こうとした矢先だった。
走り込んだ少しの間を置いて、綾部喜八郎作の落とし穴に足を滑らせた伊作が、食満の袖を掴み、
そのまま二人は穴へと落ちた。
巻き込まれた腹いせに一発殴ってやってから穴へと這い上がり、急いで長屋へと足を進めた。

私服に着替え、小松田に尋ねると先程出て言ったとの事で、二人は出門票にサインをした。
急いではいるが、サインをしない小松田の恐ろしさは、13日の金曜日に出てくると言う怪物より恐ろしい。

「はい、それじゃあ行ってきます。」
「行ってらっしゃい、善法寺君、食満君。」

二人を見送ると、小松田は仕事をやり終えた満足感なのか、嬉しそうに微笑んでいる。
元服を済ませたとは言え、その表情はあどけない。
そう言えばふと疑問に思っていた事があった。

「最近四郎兵衛君としおりちゃんの後に、良く上級生が外出届をだしてくるなあ?」
何でだろう?と小松田は一人ごち、吉野先生の呼ばれる方向へと掛け出して行った。

430:委員長は感染症!?4
08/09/04 23:03:58 bLPk3NDS
二人に見付からないように後をつけ、しおり達の様子を伺っている。
二人はとても仲が良さそうに、団子を食べさせ合っている。
美味しいね、だの、そっちはどう?だの、微笑ましい会話が耳に届く。
どうやら二人の関係は上々の様で、伊作と食満は嬉しそうに帳面に様子を記録している。

やがて夕焼け空が広がり、二人がその場を後にした数分後、伊作達も忍術学園へと戻って行く。
茜色の空は優しげな光で、思わず二人も目を細めた。

「うん、今日も喧嘩した事もなく、無事に終わったねー。」
「ああ、・・・ホント、仲良いよな。」
「・・・留三郎?」

嬉しそうな伊作とは対照に、食満は何処か寂しげな目で夕日を見ていた。
が、直ぐにさっさと戻らないとどやされるぞ、と何時もの調子で話かけてきた。
あれは見間違いだったのだろうか?
そう思う事間も無く、伊作は食満の後を追った。途中、何故か足を滑らせて田んぼに落ちてしまった。

これは何時もの日常であり、二人の応援をする事が上級生達の日課となっていた。
特に小平太率いる体育委員は自分の事のように出かける度に嬉々としてその様子を身振り手ぶり伝えている。
最近は、何故か食満も嬉しそう、と言うか複雑な表情を見せるようになった。
そして―明後日の夜に、彼が物凄く奈落に吐き落とされる羽目になるのは、知る由も無かった。



日は変わり、今日も今日とて忍術学園は焦げる様な暑さに包まれていた。
だらだらと汗を流し、伊作は自分で作った氷袋を額に当て、暑さを紛らわせている。
休んでいた所、保健委員顧問である新野洋一先生が、伊作に声を掛けた。

「どうされたんですか?新野先生。」
「ああ、善法寺君。君にお知らせだよ、二週間後の夜、くの一達と「房術」の授業が開催されるって。」
「房術・・・、ですか?」
「うん、それで今日の夜、シナ先生が6年生全員に相手を知らせるって。」
「解りました。」

そう言うと新野先生は、熱中症には気をつけてねと声を掛けると、また何処かへ行ってしまった。
何故か今年はやけに早く発表されるなぁ?と考えると、伊作の脳裏に保健委員長としての勘が働いた。

・・・もしかして、しおりちゃんの相手って・・・僕・・・だったりして・・・。
いやいやまさかな。あ、でもでもこれまでの事を考えると―。

だが結果は、予想外と言っても良かった―。


431:委員長は感染症!?5
08/09/04 23:55:31 bLPk3NDS
そしてその夜、6年生6人はシナ先生に呼び出され、緊張した様子で結果を待っていた。
皆伊作がしおりの相手をするだろう、何とも不運なヤツだと早々と憐れんだ様子で眺めていると、
その様子に気がついたのか、まだ何も決まってないと噛み付く。
シナ先生は絶えずたおやかな笑みを作っていて、こほん、と艶のある声が掛けられた。

「皆揃ってくれて有難う。じゃあ、まずはは組からね。善法寺君は―卯子ちゃん。」
「えっ!?う、卯子ちゃんですか?!」
「そうよ、頑張ってね。」

驚いた事に伊作がしおりの相手ではない―、早くも周りがざわめき始めた。
そして、伊作の知らせを聞いた瞬間、食満の顔がなにやら蒼ざめている。
どうしたのと声をかけるも、それどころではない。だらだらと冷や汗をかき、手を震わせている。
そして、シナ先生の口が開かれた―

「食満君は、しおりちゃんに決まったわ。」

その直後、食満の瞳からふっと光が消え、その場に盛大な音を立てて卒倒してしまった。
流石にこれは長次も驚いた様で、慌てて食満に駆け寄る。

「おい!留三郎!!聞こえるか!?」
「しっかりしろ!!気を確かに持て!!!」
「・・・・完全に、意識、飛んでる・・・・。」

流石にこのままではまずいと思ったのか、伊作は食満を肩に背負い、自室へと連れ戻して行く。
後は簡潔に相手を伝え、解散という形となった。
残された4人は、食満の様子を確かめに二人の長屋へと向かった。

場所は変わり、6年は組の長屋。
食満は伊作に連れ戻され、伊作は布団を敷こうとしていた―途中だった。

「あ、気付いた?いきなり倒れるから吃驚したよ。ねえ留三郎?とめさぶ―。」

布団を敷き終え、床に寝かせていた食満が徐に起き上がった。
伊作は声を掛けてみるも、その瞳は虚ろで、何も映して居ないように思えた。
ごそごそと戸棚をあさり、取り出したのは何処から持ってきたのか、銘酒「恋桜」という日本酒だ。
蓋を取り、食満は一気にその酒を―ぐびぐびとやけくそで飲み干した。
呆気に取られると、出てくる出てくる、他の国の銘酒。
出雲国の「大蛇殺し」や、薩摩の「島乙女」。一体どこから調達して来たんだ?!

驚く伊作の後ろで、四人の悲鳴が聞こえた。
その悲鳴に触発されたのか、急いで食満から酒を奪う。


432:委員長は感染症!?6
08/09/04 23:57:48 bLPk3NDS
「てめぇ何しやがる伊作!!それは俺の酒だあ!」
「一体何があったんだ伊作!留三郎べろんべろんだぞ!!」
「うるへー!!てめぇに俺の気持ちが・・・っく、わかんのか文次郎ぅ!」
「ちょ!酒臭っ!!!伊作、俺と文次郎と長次で押さえるから酒片付けて!!」
「わ、解った!留三郎、未成年の飲酒は禁止・・・ってうわあああ!??」
「俺はもう十五歳じゃあああああ!!!未成年ちゃうわボケェ!!!てめぇら何勝手にしくさっとんじゃごらぁ!!」

酒を片付けようとする伊作に、押さえていたはずの三人が食満に投げ飛ばされて宙を舞う。
投げられた文次郎に巻き込まれ、伊作は思わず酒を手放してしまった。
三人に押さえつけられても物ともせず、食満は伊作から酒を引ったくり、酒を浴びる様に飲んでいる。
すっかり出来上がり、普段は出さない方言まで出してしまっており、ただ5人はどうする事も出来ずに居た。

数時間後、流石に酔いつぶれてしまい、健康的な寝息を立てる食満留三郎が目撃されたのは、
5人が何処かに怪我を負った後で、伊作に至っては食満に沈められていた始末だった―。

結論、食満留三郎の自棄酒は一番迷惑を蒙る。5人の脳裏に、新しく加えられた事件だった。



委員長シリーズ伊作編です。
卯子ちゃんは自分の中では男勝りなお転婆系だと思っております。
食満の話と照らし合わせると面白い、かも?

433:名無しさん@ピンキー
08/09/05 04:02:35 tELWr95r
仕事早っ(誉め言葉)!しろべの人伊作編突入GJ!
食満の酒癖やしろしおデートにニヤリとしつつ、ボーイッシュ卯子ちゃんの可愛らしさに
ときめかせて貰いました。続きワッフルワッフル!


…最初タイトル見て、『感染症って…性病か?』と考えた自分はとりあえず蛸壺嵌ってきます。

434:名無しさん@ピンキー
08/09/05 23:05:30 XdkbJT57
しろべの人GJです!

そして>>433と同じこと考えてましたorz<感染症
縄梯子で吊ってきます

435:秋風夜伽話・1
08/09/06 08:34:42 Z+UPgldX
しろべの人の書くくのたまは乙女で可愛いですねえ。続き楽しみにしてます。
あと自分も感染症は…おや向こうから縄標g

さて、先日は長カメ失礼しました393(同板別スレではAQと名乗ってました)です。
一足早い(終わる頃にはちょうど良くなる…筈)秋の話を投下します。
*注意書き*
以前>>305に書いた房中試験ネタです。
・設定の解説が長く感じるかもしれません。
・ほんのりNTR風味。固定カップリング・特定人物が好きな方すみません。
・ネタバレしといた方が良いかな…潮江×そうこに鉢屋が絡む話です。
・続き物で、今回・次回はさわりの部分となります。
苦手に思われた方は『秋風夜伽話』でNG指定&脳内スルーお願いします。
******

*其の一*

 町から東へ三里程。ひなびた街道を行く先に、老夫婦の営む饅頭屋があるという。
 何でも元居た都では、朝に晩に人の絶えない繁盛振りだったそうなのだが、二人とも寄る年波には勝てず、この最近静かな道沿いに店を移し、
細々と自分達が満足に作れるだけの量の饅頭を作るようにしたという。
 そんな店の自慢は、密度の濃いこし餡もさることながら、頬張ればふんわりと柔かく、ほのかに酒薫漂う皮が魅力の酒饅頭である。
 蒸かしたてなら辺り一面に、心を浮き立たせる酒麹の香りが満ちるその店は、甘味好きの町人や旅行く者の間で密かな人気を誇る店であった。

 ―うん、うまい。
 雲ひとつない秋晴れの空の下、店先に備え付けられたさほど広くない茶屋の椅子に腰掛けて饅頭を頬張る男は、心の中で一人呟いた。
 大概、評判とされる饅頭というのは、やたら餡ばかり力を入れすぎて皮をおざなりにしがちだが、ここは違う。
 酒の風味が程よく残る皮は、ふうわりとした口当たりともっちりした歯ごたえを併せ持ち、それでいて餡の魅力を全く削いでない。
 人の好みによって評は分かれるかもしれないが、男にとっては、正に逸品であった。
「いい店を教えてもらったな」
 熱い渋茶で舌を洗い、ふう、と一息ついて、男は満足気な言葉を涼やかな秋風に流した。
 普段は旅人や町からの人で賑わうという茶屋も、農繁期のせいか腰を下ろす人影はまばらで、店に来るのはもっぱら稲刈りの休憩の
アテにと買い込む近隣住民ばかりである。
 一人ふらりと店に入るなら、こういう時がいい。
 ゆったりのんびりと羽を伸ばし、日々の憂い事を忘れるには、ある程度の静寂が必要なのかもしれない。
 赤蜻蛉が羽を震わせ、すぅいっ、と風の間を滑る姿が視界に入り、男は知らず目を細めた。

「あ、あった! 見て先輩、ホラあの湯気、あれきっとお饅頭屋さんの湯気でしょ?」
「あー…そうかそうか。分かったから袖を引くな。尻の青いガキかお前は」
「ほらほら、早くしないと、蒸かしたてはすぐ売り切れちゃうんだって!」
 遠くから響く賑やかな声が、一人ぼんやりとしていた男の意識に輪郭を与える。
 視線を赤蜻蛉から声の方角へと移せば、道の向こうからはしゃぐ娘と、体格のいい男の二人連れの姿があった。
「大体なあ、普通饅頭なんて甘ったるいモンは茶を片手に、二つ三つ食って腹にたまれば上等だろう。そういうのに美味いも不味いも
評判もあるのか?」
 ふん、と鼻息混じりに悪態を吐く、眼下の隈が印象的な男と、
「今の台詞は聞き捨てなんないわよ! じゃあ文次郎先輩が食べる分のお饅頭は、どんっなにっ! 美味しくても、三つまでだからね!」
 指を三本、びしりと男の目前に突き立て啖呵を切る、扁桃型の目をした少女。
 会話の内容から二人が戯れ合う兄妹では無いのは、男にも容易にわかった。
 ―だとすれば、この二人は。
「ちょっと待て、お前幾つ食うつもりだ?」
「もっちろん、食べられるだけ食べるに決まってんじゃない! …うふふ。同じ教室のユキちゃんに話聞いた時から、ずっと楽しみに
してたんだから」
 両手を組み、頬を染め、うっとりと夢見る乙女のように―内容はさておき―呟く少女の背後で、額に青筋を立てた男が無言で
ぐっ、と拳を固める。
 ―どつき漫才師二人組か。
 想像し、男は二人に見えない位置で小さく、ぷっと噴き出した。
 きっとその考えは、二人にしてみれば不本意極まりない事であろうが。


436:秋風夜伽話・2
08/09/06 08:35:15 Z+UPgldX
 男の想像など欠片も知らぬ二人は、店に着き早々自慢の酒饅頭を『軽く』十ほど頼み、茶屋の老婆の目を丸くさせていた。
「…懲りないヤツだなお前。そんなに食ったら太るぞ」
「おあいにく様。あたしは食べても太らない体質なんです。…あ、隣いいですか?」
 文次郎、と呼ばれた男の軽口(ちなみに、返り討ちにされたか目の周りには青痣が出来上がっていた)に、べー、と舌を出す少女は、
すぐに態度を改めると先客である男に微笑み、隣に空いた席を指差した。
「どうぞ」
 後一つに結われた、少女の緑がかった黒髪が、腰を下ろす弾みにさらりと揺れる。
 同時に、文次郎の訝しげな視線が男の肌に刺さったのだが、男は気付かぬ振りをして、再び饅頭に手を伸ばした。
 ―やっぱり、うまい。
 皮と餡との見事な調和のとれた饅頭を咀嚼する男の隣で、おまたせしました、と皿に山盛りの饅頭が運ばれてくる。
 改めて見ると、やはり冗談染みた量だ。
「わあっ、来た来たっ。いっただっきまーす」
「……我、今幸いにこの清き食を受く…」
 目を閉じ、手を合わせて、ぶつぶつと念仏のような口上を述べ始める文次郎の横で、少女は両手に饅頭を持ち、ぱくりと大きく頬張った。
「んーっ!」
 喜色満面。掌ほどの大きさの饅頭を、次々と平らげていく少女の姿を知らない文次郎の口上は尚続く。
「…その功徳を念じて、品の多少を選らばじ……いただきます」
 口上を終え、目を開けた文次郎は皿に手を伸ばした―が、触れるのは固い皿の質感ばかりであった。
「んなぁっ!?」
「ふぇ? ふぉーふぃふぁんふぇふふぁふぇんふぁい?(え? どうしたんですか先輩)」
 愕然とする文次郎に、口を動かしながら、きょとんとした表情で少女は尋ねた。

「…んぐふっ!」

 ついうっかり盛大に噴き出してしまった音に、二人の視線が一点に重なった。
 自分の頬張る饅頭もそこそこに一部始終を眺めていた男の、笑いの臨界点を超えるにはその光景だけで充分だったのだ。
「ぷぷっ……ははは、あはははははっ! ははははははははっ!!」
 腹を押さえ、涙を浮かべて笑う男の様を、少女と文次郎は呆気に取られた目で眺めている。
 しかし一度ツボに嵌ってしまった笑いは、中々治まらないものだ。
「く、くくっ、ぷわはっ、ははははは、ひくっ、ははははははは!!」
「「………」」
 くきゅっ、と喉の鳴る音と、大丈夫ですか? と心配そうに尋ねる低い声に、しばらく経ってようやく笑いの波がおさまってきた。
「あーはははは、ひ…くくっ、す…スミマセン…芸忍のツボに嵌ってしまって…あーおかしい」
「げいにん?」
 耳慣れぬ単語に、少女が首を傾げる。―おっと、余計なことを口にしたようだ。
「こちらの話です。ん、んん。理由はさておき、見ず知らずの人に対しての無礼、大変申し訳ありませんでした」
 お詫びといっては何ですが―と咳払いをしつつ男は手際よく財布を出し、更に五つ、隣に座る二人に饅頭を振舞った。
「これはほんの気持ちです。それでは、先に失礼します。お二方とも、努々芸の精進をたゆまぬよう…」
「え? あ、ちょっと」
 何か勘違いしてませんか―文次郎の言葉を聞かぬ振りして、男は店を後にした。
 秋空は相変わらず青く澄み、赤蜻蛉との色の対比も美しい。
「……ぷぷぷっ」
 脳裏に、頬いっぱいに饅頭を詰め込んだ少女の顔が浮かび、男はまた、肩を震わせた。

 ―静かさだけでは憂鬱は晴れないもんだ。
 そんな結論を胸に抱きながら。


437:秋風夜伽話・3
08/09/06 08:36:04 Z+UPgldX
*       
「…行っちゃった」
 茶屋を遠ざかっていく、少年と青年の間ほどの年格好の男の、花菱柄の着物を眺めながら、少女―そうこはぽつりと呟いた。
 直後、彼女の脳天に、ごつん、と鈍い音が響く。
「痛いっ!」
「痛いじゃねぇバカタレがぁっ! 何つー恥をかかせやがるんだお前は!」
 涙目で振り返れば、体中の肌を真っ赤にさせた男―潮江文次郎が憤怒の表情でそうこを睨みつけていた。
 二人が属する学び舎―忍術学園で『地獄の会計委員長』の異名をとる文次郎の、怒髪天を衝く姿など、同じ学校の一年ボーズが
目にすれば失禁間違いなしの代物であったが、そうこは臆せず逆に睨み返した。
「は…恥って何がよ!」
「それすらも分からんのかオマエはっ!? 鈍感にも程があるぞ!」
「何ですってぇ!? つーかアンタに言われたくないっ!」
「んだとぉ!?」
「…あのぉ…ま、饅頭お待たせしました」
 バチバチと火花散らす二人の諍いを止めたのは、茶店の老婆の弱々しい声であった。
 寿命が七年縮むかと思った―後に老婆は語るが、その言葉を二人が知る事は無い。

「…ところで、気が付いたか?」
 ごくん、と咀嚼を終えた饅頭を飲み込み尋ねる文次郎に、湯飲みを両手に持ったそうこは不貞腐れたまま、何を、と素っ気無く返した。
 ―お饅頭、どんなに美味しくても三つまでって言ったのに。
 皿に手を伸ばすそうこの手を叩き、四つ目の饅頭を平らげた文次郎に対する不満が、そうこの太眉の間に皺を刻む。
 そんな彼女の態など黙殺した文次郎は、ゆっくりと五つ目の饅頭を手にした。
「さっきの奴。…ありゃ忍びだ」
「!!」
 そうこの耳にギリギリ聞こえるか程の声で囁く男に、そうこの目が少女のものから『くの一(のタマゴ)』のものに変わった。
「そう、なの? 先輩どこで…」
「最初隣に座った時、袖から少しだが服の裏地が見えた。…変わり衣の術なんぞ、そこらの奴が使うモンじゃないだろ」
 ず、と音立てて渋茶を啜り、ぷはーーっ、と長く息を吐く。
 こういう仕草が『オッサン臭い』だの『絶対歳サバ読みまくっている』だの『どこかで時空の穴に落ちたに違いない』といった、
彼の外見に尽きぬ酷評に拍車をかけるのだろう。
「悟られるほど詰めが甘いのは、まだ若いせいかな。…しかし、どこの忍者だろな。あんな奴、合戦場でも見たこと無いんだが…」
「……」
 申し訳ないほどに、気付かなかった。そうこは饅頭に夢中で周りを見なかった自分の未熟さを恥じた。

 ―ああ、やっぱり。
 やっぱりこの男は先輩で、あたしよりもちゃんと『忍者』してるんだな。
 口をつけてない饅頭を手にしたまま、独り呟き始める文次郎の横顔に視線を向け、そうこは同時にそんな感想を抱いた。
 歪さの伺える鼻梁も、手入れのされてない太い眉も、少しエラ張った顎の線も、上下する喉仏も。
 自分より歳を重ねた、男の成長の証というものなのだろう。
 あたしも―そんな風に歳を重ねていけるだろうか。
 知識を、技を、経験を身につけて、いつか、この男の隣に立つ事が出来るだろうか。

「…ナニぼーっとしてんだお前」
 いつの間にか独り言を止め、横目でそうこを見る文次郎の視線に、そうこの顔が、ぼんっ、と音立てて真っ赤になった。
 ―や、ややや、ヤダあたし、ずっと文次郎先輩の顔見てた!?
「なっ、なな何でも無いっ! っていうか、その、いつになったらお饅頭食べるのかなーなんて思ったりとか…」
 動揺のせいで、赤面のまま返す言葉もみるみる内に小さくなる。
 視線に耐えかね俯き、もじもじと湯飲みを弄ぶそうこの結髪を、文次郎はしばし無言で見つめた後おもむろに手の内の饅頭を
二つに割り、
「…『短歌行』」
 と呟きながら割った半分の饅頭をそうこに向け放った。
「へ?」
「三国時代、魏の武帝の詩だ。習っとらんのか?」
 えーと、えーと。―間を置き、意図を悟ったそうこの顔が再び赤く染まる。
「今日の『鍛練』、俺はそれで行く。食い終わったら出るぞ」
 言うだけ言うと、文次郎はそのまま半分割りの饅頭を一口で平らげた。
「……はい」
 一言応え、そうこもまた半分割りの饅頭を口にした。
 口の中に甘味が広ると共に、そうこの胸の内にもまた、きゅんと甘い痛みが広がりつつあった。


438:秋風夜伽話・4
08/09/06 08:36:41 Z+UPgldX
*    
「……くっ…はっ!」
 ぎゅうっ、と股間の一点に、引き絞られるような快楽が走り、促されるまま欲を放つ。
 外の青空とうってかわって薄暗い、使われなくなって久しい気配のする物置小屋の片隅に、文次郎は塊と化しそうなほど詰めた息を、
喉奥から吐き出した。
「ん…んくっ、んんっ…」
 熱にぼやけた視界の下端で、結髪を解いた全裸の少女が唇で脈動を感じながら、白濁した欲の証を口腔で受け止めている。
 耳朶に落とされる嚥下の音が、腰に回された細い指が、彼女の幼さの残る外見と相反して、なにやら妙に不埒で艶かしい。
「…ふふ、先輩。『短歌行』の暗唱、する気になりました?」
 唇を離し、そうこもまた熱っぽい瞳で文次郎に問うた。
「バカタレ…六、年を、侮るんじゃ…ねぇぞ。それ、と、こういうのは、寸止めが基本だろうが。何、最後までやりやがる、か」
「だって、先輩の凄く苦しそうにしてたんだもの。出したいって張り詰めて…ほら、まだぴくぴくしてる」
 ちゅっ。
 そう言って、そうこは精を放って少し萎えかけた文次郎の先端を可愛がるように、軽く口付けた。
 唇が触れた程度の刺激に過敏かつ正直に反応し、ぴくんと脈打った自身がなんともいたたまれなくて、文次郎は目を逸らす。
 ―畜生、ちょっと前まで痛いだなんだとピーピーわめいてた癖に、何なんだこの変わり様は!
 ぎしっ、と奥歯を噛み締めて、文次郎は再び固くなりだした肉茎に小さな舌を這わせる恋人に向け、届かぬ文句をこぼした。

 恋人。
 それが、『忍術学園一ギンギンに忍者している男』潮江文次郎と、『忍術学園一底無し胃袋を持つくのたま』そうこの間柄である。
 そして、今二人が行っているのは情交―ではなく、あくまで『鍛練』であった。

 ―忍者のタマゴ、略して忍たまたるもの、徒に快楽に溺れ、ましてや忍者を目指す己の本分を忘れるなんぞ言語道断!
 ―だが、互いが互いを持ち得る限りの手管で陥としあい、かつそれに耐える為の鍛練だというなら、俺は受けて立つ。

 かつて、一向に契りを結ぼうとしない恋人に向け、涙ながらに迫ったそうこに対し、鍛練バカの文次郎はこう説いた。
 体よく言いくるめて、まだ未通女だった彼女にやりたい放題しようなどという、邪な考えを抱かなかったという辺りが、何とも
この男らしい話ではあるが、下らないと激怒しても不思議ではない、文次郎の馬鹿げた案をあっさりすんなりと了承してしまった
そうこもそうこである。
 ともあれ、結果として二人は結ばれ―今に至る。
 ちなみに、先程から会話に出ている漢詩の題は、己が相手の手管に陥ちたのを認めた時に述べ上げる、『忍びの実戦』で言うところの
『機密情報』の代わりのようなものらしい。
 最初はもっと違う『台詞』だったのだが、根が強情な二人は妥協に妥協を重ね、今の形に落ち着いたのだった。
 二人の何とも返答に窮する『鍛練』を知る、一部の忍たま・くのたまは皆、口を揃えて二人を『似た者同士の(鍛練)バカップル』と
陰で称しているが、知らぬは当人ばかりなり、という話だ。


439:秋風夜伽話・5
08/09/06 08:37:21 Z+UPgldX
 それはさておき。
 ついばむ様な口付けを幾度も落とされ、先程達したばかりだった筈の自身はすっかり硬さと熱を取り戻していた。
「本当、同じ先輩のカラダなのに、口とここじゃあ大違いよね。…こっちは、凄く正直」
「……!」
 暗唱しないなら、このまま全部搾り取っちゃおうかなぁ―裏筋を指でなぞりながら、謳うように紡がれるそうこの言葉に、
文次郎の中で、ぷちん、と何かが切れた。
 肩を掴み身を離すと、力づくで背を向かせ、そのまま着物を敷いた、朽ちかけの竹床の上に押し倒す。
「ひゃんっ!」
「…調子に乗るなよくのたま。そっちこそ、泣いて詫びても知らんからな」
 言うなり、文次郎は彼女の腰を掴むとそのまま背後から貫いた。
「……っ!!」
 胎の入口まで一気に抉りこまれた衝撃に、そうこの身体が大きく脈打つ。
「くっ…随分すんなり入るようになったじゃないか」
 先手を打たれた為、前戯を施す間も無かったのだが、口淫の間に勝手に熱く潤んだらしい彼女の女陰は、挿し込めば柔らかく受け入れ、
引き抜こうとすれば絡み付き締め上げてくる幾重もの襞でもって、背後の男に目も眩むような快楽を与えようとしていた。
「んっ! ふぅっ、せ…先輩が、こんな、風に、しちゃった、んでしょ…! あたし、こん、なにっ、いやらしく…なんか……ああっ!」

 胎を突き上げる衝撃に声は熱い吐息と化し、言葉に意味を失わせていくが、勢いを増して登りつめていく中では言葉自体が無意味だ。
 ―勿論、普通の恋人同士なら、の話だが。

 手入れも絶えた畦の脇にある物置小屋から、微かに漏れる吐息と水音と嬌声は、茜色が混じりつつある秋空へと昇って溶けていく。
 八重桜に似た秘芯が精を搾らんと打ち震え、そうこの身体がもう少しで絶頂の極みに達しようとしていた刹那―。
 不意に、胎を打ちつける肉杭が動きを止めた。
「ふあぁあっ!?」
「…っと、危ないとこだった。はっ、…くのたま、気を遣るのはいいが、その前…に、言う事があるんじゃないか?」
 じんじんと耳の裏が快楽に痺れる中、息も切れ切れに文次郎は尋ねた。
 文次郎が今回『短歌行』を陥落を認めた時の口上に選んだように、そうこもまた、一篇の詩を口上に選んでいる。
「…やぁあ…」
 身を伏せ、敷かれた着物を握り締める彼女は、首を振り、駄々っ子のような声を発した。
 しかし、内で燃え広がる官能の炎はそう簡単に治まらないらしく、動かぬ肉茎を咥えこんだままの柔襞は、快楽を与えるように、
あるいは貪るように、ひくひくと蠢いている。
「悪足掻きは止せ。…そんな甘い腰遣いじゃ、搾れるモンも搾れんわ」
 うそぶく文次郎だが、自分もまた絶頂が近いのは、己自身痛い程よく分かっていた。
 只でさえ熱くぬめった襞に絡み付かれている状態で、その上、少しでも視線を下げれば、汗に濡れたそうこのあられもない姿が
視界に入ってしまう。
 本人は自覚していないし、こちらも教えるつもりは無いが、近頃丸みを帯び始めた胸や腰周りが伝える彼女の『女』の部分は、
やはり十代半ばの男には堪えがたい魔性を孕んでいる。

 ―陥とすが先か、陥とされるが先か。
 体の内の堤防が崩れていくのを自覚する文次郎の、頬から伝う汗が一滴、白い背中に落ちた。


440:秋風夜伽話・6
08/09/06 08:38:02 Z+UPgldX

 酒に対して当(まさ)に歌うべし、
 人生 幾許ぞ。
 譬(たと)えば朝露の如し、
 去る日は苦(はなは)だ多し。

「遅い帰りだな、文次郎」
 秋の日も落ちた、忍たま達の塒(ねぐら)―忍たま長屋の廊下を歩く文次郎が声の方向を見ると、明かりの点る一室から、
同じ組の立花仙蔵が、ひょいと顔をのぞかせていた。
 見れば格好は寝間着姿で、元結を解いた髪は水気を含んでいる。
「…風呂の最後は俺か」
「いいや。まだ戻ってない奴が居るから、最後じゃないらしいぞ。それよりどうだったんだ久々の逢引は。相変わらず
頓珍漢な真似をして、彼女に恥をかかせたんじゃないのか?」
 ―恥をかいたのは自分だ。
 思ったが、口にしたところで恥ずかしい話には違いないので、文次郎は細めた目で級友の嫌な笑顔を睨む程度に留めた。
「勘違いするな。逢引じゃない、鍛練だ」
「ふうん。…で、勝敗は」
 件の『鍛練』の中身を―文次郎にとっては甚だ腹立たしい話だが―知る、数少ない男は文次郎の訂正を軽く流し、
返す刀で尋ねる。
「聞いて楽しいかお前? …くのたまの手管に陥ちる程、俺は落ちぶれとらんわ」

 じゃあ答えなければいいのに―仙蔵は思うが、微かにニヤつきが抑え切れていない男の口端に、接戦の気配を感じ黙った。
 代わりに、違う話を振ってみるか、と内心で呟く。

「去年の房術試験でさんざんだったお前の手管で陥ちるとは、彼女は余程素質のある身体をしてるんだな。機会があれば、
手合わせ願いたい……冗談だ。そんな悪鬼のような目で睨むな」
 ―冗談にしてはタチが悪い。
 同じく房術試験の時に、相手となった学園に縁のある手練くの一を泣かせまくった挙句、再起不能にまで陥れた男には
口にしてもらいたくない類の台詞だ。
 同級故に、この優男の悪行を知る文次郎が、刃傷沙汰も辞さない目で仙蔵を睨むのも無理の無い話である。
 仙蔵は気迫に負けたと言わんばかりに一つ溜息をこぼし、やれやれと肩をすくめてみせた。
「…そんな調子で今年の房術試験、上手く事が運ぶものかな」
「何で話がそっちに飛ぶんだ。大体、くのたまに試験は関係無いだろう」
 心身共にまだ未熟なくのたまは、まだ性の手管を教えるのもままならない―距離も歳も一番身近な異性である彼女達が、
試験の相手とならなかった理由に関し、文次郎は担当教師から、そう話を聞いた記憶がある。
「それは去年の話だろ、一年もあれば女は充分熟するさ。ましてやくの一を目指す彼女達なら尚更な」
 どくん。
 横になり、廊下に頬杖をついて語る仙蔵の言葉が、妙な胸騒ぎと強まる鼓動を伴って文次郎の中で響きあう。
 ―まさか。
「…ちょっと待て仙蔵。まさか今年の試験……」
「時に文次郎」
「ん?」
 街道脇の酒饅頭は、随分美味いと評判らしいな―片手で頬杖をついたまま、笑顔で手を差し出す仙蔵の顔めがけ、
文次郎は持っていた包みを力一杯投げつけた。


441:秋風夜伽話・7
08/09/06 08:38:41 Z+UPgldX
*     
 文次郎の強肩が唸りを上げてから約半刻の後―忍たま長屋の棟の異なる一室にて、障子戸が静かに開き足を踏み入れる音に、
燈台の明かりで本を読む、部屋の中の男が振り返った。
「おかえり」
「…ありゃ。雷蔵、まだ起きてたのかい? 私はてっきり寝たと思って、珍しく静かに入ったつもりだったんだけどな」
「出来るならいつも静かに入って貰いたいんだけどね、僕としては。…いや、今度の試験のことで色々調べとこうと思って。
やっぱり知識の一つも無いと、相手に失礼だろう」
 向き直り、再び書に視線を落とす雷蔵―忍術学園五年ろ組・不破雷蔵の横顔を目に、男はふうん、と相槌を打った。
「知識位、私に言ってくれればいくらでも披露す「断る」
 横顔が渋面に歪むと同時に、にべも無い返事が飛ぶ。
 ―冷たいものだ。
 雷蔵の反応に、男は大仰に肩を落とした仕草をとって見せたが、慣れたものか雷蔵は知らん振りを通す。
 四年半程の間、この男と顔をつき合わせ、時に泣かされ、時に痛い目に遭った彼なりの対応である。
「…冗談はともかく、今年の房術試験はくの一教室の女子も参加するって噂じゃないか。年上の女性が相手ならまだしも、
経験があるかどうかも怪しい女の子相手に、無様な所なんて見せられないよ」
「だから知識なら私が「断るっての」
 即答、再び。
 しかし男もまた慣れたもので、そんな同室の男の反応に不快な顔を見せる事は無かった。
「それより今日の風呂、君が最後だそうだから、垢がこびりつかない内に掃除するようお達しが届いたよ」
「うへー。休日だからって、ちょっと羽を伸ばしすぎたかな」
「…僕の顔で羽目を外してないだろうね」
 じと、と訝し気な視線を寄越す雷蔵に、男はどうだろうねぇ、と韜晦染みた言葉を返してみる。

 苦虫を噛み潰したような渋面と、にんまりと笑みを浮かべる顔。
 顔の基本構造は、双方共同じではあったが、二人は双子ではない。
 一人が、もう一人の顔を精巧に真似た仮面を付けているのだ。

「冗談、違う顔だよ。もう、そんな怖い顔して眉間の皺が残ったら、真似するのも面倒臭くなっちゃうじゃないか」
「気にする所はそこか三郎。というか君から受ける心労で皺が出来る事に、いいかげん気付いてくれ」
「悪かったって。じゃあ、心労続きの雷蔵に、ひとつ手土産を渡しておこうかね」
 そう言うと三郎―忍術学園五年ろ組・鉢屋三郎は背中の荷を解き、竹の皮に包まれたモノを級友に手渡した。
 持てばずっしりと重く、竹皮の匂いに紛れてほのかに酒の香りの昇る包みに、雷蔵の表情が変わった。
「ああ、酒饅頭。食べに行ったんだ?」
「うん、人も少ない時に当たったみたいで丁度良かっ……」
「?」
 急に止まった三郎の声に、雷蔵の視線が包みから自分と同じ顔の級友へと向けられる。
 ぽかんと口を開けたままの三郎の視線は宙をさまよい、まるで何かを思い出しているかのようだった。
「く、くくっ、ぷぷぷ…」
「え? 何?」
 肩を震わせる程度に始まった三郎の思い出し笑いは、次第に声の大きさを増し、果てには腹を抱えるほどの爆笑へと変化した。
「ど、どうしたの、いきなり笑い出したりなんかして」

 ―全く、あんな顔するなんて、とんでもない反則だ。
 ―二人とも無防備にも程がある。

 まるで、これから待ってる事を何ひとつ知らないみたいに。

 腹を抱え乱れた衿の合わせ目から、花菱文様の裏地が覗く。
 『千の顔を持つ』変装名人・鉢屋三郎は、疑問符を頭上に掲げる雷蔵をよそに、いつまでも笑い続けていた。

******
いやあ、芸忍っていい言葉ですね。
今回はここまで。続きは後日(遅筆ゆえスグにはゴニョゴニョ…)。次はエロなしだけど女の子もう少し出します。


442:名無しさん@ピンキー
08/09/06 14:59:58 WAUGhzg/
668 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 22:07:16
エロパロの流れがうざい件

672 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 22:35:32
>>668
言ってやるな

681 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:04:00
しかしツロベの人、ここまで長くなるとは思わなかった…まだ続いてるけど

682 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:05:04
>>678
気が付けばスレ独占状態だと言われだして
住民からも何時まで続くか等突付き出された職人さんは
スレ告知でファンだけ連れて後々HPでサイト立ち上げたらSsの続きをやる人も居るけどな

685 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:09:53
HPを持ってたら>>682の言うようにスレじゃ終了宣言で
続きは西都でやる職人さんもいるけど
ツロベの人は長いんじゃなくて、あの人
1~2スレ分だけUPって間が開いたりするし
その場で打ち込んでる感があるんで、スレが西都代わりになっていそうな職人さんじゃね?

686 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:10:09
それはまたケースが別だろ

687 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:11:32
エロパロ好きなんでゆっくりでも流れててほしいんだけど…
正直ツロベたんにはレスつけるのしんどい
つーか読むのつらい

688 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:13:04
でもツロベの人向こうで言われ出すとあそこだけがSSの書ける場だと
思っていそうで行き場なくなりそうな人だよな

689 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:14:29
>>688
それはきっと皆思ってる
だから長文で連投して今回で完結させればいいのにと思ったりする

443:名無しさん@ピンキー
08/09/06 15:00:25 WAUGhzg/
690 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:15:41
前もツロベの人うざいって話題出たよなそういや
乳タンはエロパロに投下する時点では名無しだからツロベの人とは違うだろ
仮にそうだったとしたら再録もしてるはずだし
塚ツロベの人テンションが空回りしてるかんじで見ててなんか恥ずかしいわ
本人が思ってるほど住人はツロベの人だけを待ち詫びてるわけじゃないと思う

691 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:16:46
六年全員いく気か

692 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:16:55
疲れつつ、アイデアの泉みたいに本人なってるだろうから
ツロx誰だっけくの一xケマ西都をボログででも作れば良いのにね
余計な心配だけどアカウントのとり方知らないのかな?

693 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:18:32
>>687
そういう時は無理して読んだりレスつけたりせんでもええんよせっちゃん
あそこのスレ住民がもうちょっと優しさを捨ててスルーしたら
本人も自分のKYぶりに気づ…かないか

694 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:19:24
>誰だっけくの一www
ちゃんと読みに言ってやれよ。確か大食いしたくのだったか、オリキャラ?
漏れも人のこと言えないや

696 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:21:26
>>693
なんのかんので間が開いて単発投稿でも
やっと終ったとオモタラ
夏の夜の夢不思議系ネタ宣言だしな

699 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:22:54
可哀相な子ほど見放せない心境
見てられないけど見てやんない的な

701 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:24:40
ネ申扱いされてた日記の人も一時期スレ占拠状態だったけど
ここまでウザくはなかったよね
何が違うんだろう、文章力?

702 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:24:49
>>699
見放してるじゃねーかwww

703 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:25:42
>>701
今ならわからんよ
あの頃は職人がいなかったから重宝されただけだと思うけど

705 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:27:57
>>703
あーなる。確かにSSの立ち初めは
住人が飢えていて光臨してくだすった職人様誰でも在り難や~になるもんな

707 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:40:01
それにしてもこの流れの速さすげえ
ツロベたんの人気に嫉妬

444:名無しさん@ピンキー
08/09/06 15:01:40 WAUGhzg/
713 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/04(木) 23:45:12
いや書き込み見てつねられたみたくイタッてなるのは
ツロベたんくらいのもん

40 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/06(土) 02:16:36
ツロベの人全委員長UPるのだらうか
パターンが同じだし・・・・

64 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/06(土) 09:09:28
白べえの人はもう萌えよりマンセーされる自分に
酔いたくて書いてるってかんじだな
いい加減住民も飽きてるのと
他の職人が投稿しにくいのに気づかないのか

65 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/06(土) 09:13:49
つかツロベの人もうオリキャr

68 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/06(土) 09:49:48
ツロベの人にライバル出現の予感

69 名前: 名無し草 [sage] 投稿日: 2008/09/06(土) 10:10:05
エロパロスレって行けば必ずツロベの人いるな


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