【忍たま】忍たま乱太郎のエロ小説【落乱】 其の参at EROPARO
【忍たま】忍たま乱太郎のエロ小説【落乱】 其の参 - 暇つぶし2ch150:名無しさん@ピンキー
08/06/29 01:51:16 EnlBL3rC
晒しても全く恥ずかしいと思ってないみたいだし無駄だろう。
腐は迷惑の代名詞みたいだな。

151:名無しさん@ピンキー
08/06/29 10:34:07 sWNT0zm+
あれは腐じゃなくて嫌腐。数字荒らすのに仲間が欲しくて腐のふりしてる。

152:名無しさん@ピンキー
08/06/29 10:44:41 c17RAIJ2
ガーン
吊られた訳か…orz
腐同士の抗争ってキメエ。

153:名無しさん@ピンキー
08/06/29 12:52:17 1MQ4HORx
しろべの人!清すぎてこっちまでムズムズするじゃないかwww
焦らしプレイがうまいな本当に…w

154:名無しさん@ピンキー
08/06/29 15:34:14 N3H2IDTj
>>148のレス、
ひょっとして自演で称賛コメつけたのかと思ってしまった…
さすがに穿ちすぎだよな、昔話の人ごめんw


155:名無しさん@ピンキー
08/06/29 15:46:52 Gvw4GCL2
一生懸命書いてこんなことまで言われて不幸な…
一人のKYで何人が迷惑被ってるんだ。

156:名無しさん@ピンキー
08/06/29 16:23:48 Gu9WsV5u
しろべの人も巻き込まれ不幸ら。GJ

157:名無しさん@ピンキー
08/06/29 19:58:19 vt/YgIeb
154もKYだな。
wつけながら書くようなことじゃないだろ。
失礼すぎ。

158:名無しさん@ピンキー
08/06/29 20:14:43 a3UNEmje
昔話の人が投下しにくくなるのが心配だ・・・
続き楽しみに待ってます!


159:日本昔下話  黄薔薇の咲く頃10
08/06/30 01:35:40 mXRNQ1e0
居待ち月が明るく、星はすっかり色を無くしてしまった夜。
学園のあちらこちらから、甘い囁きや嬌声や悲鳴が聞こえてくるのは、今日が閨房術のテストの日だからです。
茂みの陰や図書室の本棚の間、忍たま長屋や、はては厠と、試験の場所は個人個人で違いました。
くの一教室の自室が試験会場のユキはこっそり障子を見ました。その方向には、離れを当てた恵々子がいるのです。
(恵々子ちゃん大丈夫かしら?辛くないといいんだけど。)
「ユキちゃん、よそ見してると一気に行っちゃうよ?」
「うっるさい!デリカシーなさすぎ!」
ユキはそう言って、乱太郎の腰に絡めていた足に力を入れてカニバサミをしました。

かすかな声に囲まれ、恵々子は小さく息を吐きます。部屋の中には月光が満ち満ちて、明かりをつけなくてもよいほどです。
だからこそ、恵々子はため息を吐いたのです。
もし、新月だったならば、いえ、曇りだったならば、厚着先生の顔を見なくてすんだのに、と。
そして、厚着先生も自分の顔を見ずに済んだのに、と。
苦しくなった恵々子はそっと体を前に倒しました。ひんやり冷たい床に耳をつけると、廊下が鳴いている音がしました。
この重く低い音は、男の足音です。そして、ここへ向ってくるということは……。
恵々子は身体を起こし、襟を直しました。薄く塗った白粉の匂いが優しく鼻腔を擽ります。
八日前の自分だったら、この状況を嬉々としていたことでしょう。憧れている人に、試験の上とはいえ抱かれるのですから。
むしろ、ここで告白して恋人同士になったり、なんて甘く考えていたかもしれません。
足音が近くなり、障子に影が写ります。恵々子はお腹に力を入れて、背筋を伸ばしました。


160:日本昔下話  黄薔薇の咲く頃11
08/06/30 01:36:17 mXRNQ1e0
離れへの廊下はぎしぎしと鳴き、そろそろ点検を考える時期に来ているようです。
合図のように、わざわざ音を立てながら厚着先生は歩きました。
試験の一週間前から生徒が調査を始める、と聞いていましたが、その気配は一向にないまま当日になってしまいました。
(まあ、相手が誰であろうと、自分は試験官なのだから関係ないだろう。)
厚着先生は乾いた笑いを浮かべて、障子を開けました。
月の明かりが部屋の隅まで行き届く中、その子は部屋の真ん中に敷かれた布団の前に行儀よく正座をしています。
「先生、よろしくお願いします。」
三つ指を突いて頭を下げると、ふんわりと柔らかそうな髪が肩から零れます。
この声は恵々子のものです。久方ぶりに耳にした恵々子の言葉に、なぜか安心を覚えました。
知っている生徒ならば、少し厳しくしたほうがいいか。教師らしいことを考えながら腰を下ろします。探りあいが始まるか、と思った途端に恵々子が先に動きました。
「先生、これを。」
恵々子は立ち上がり、胸元から帯を取り出すと、厚着先生の目をそれで塞いでしまいました。
「恵々子?」
生徒の思惑がわからない厚着先生は、思わず頓狂な声を出しますが、恵々子は答えてくれません。
自身の油断に舌打ちしてももう遅いのです。真っ暗になった世界では、四つの感覚のみが便りでした。
襟が捲られ、隠れていた肌にすっと冷気が当たります。柔らかいものが首筋に触れ、それはゆるゆると下に下りていきます。
厚着先生は、行動しているであろう恵々子の肩に手を置きました。
おとなしい子だと思っていたが、やはりくの一か。頭にそんなことをぼんやり浮かべていると、柔らかいものが、下腹部に到着します。
細い指が下帯にかかり、ゆっくりと自身が外に出されます。恵々子の息遣いが耳に届き、厚着先生は心の中で小さく笑いました。
(もうずっと、任務でしか使われていないそれを、このくの一は扱い切る事が出来るかな?)
冷え切った柔らかい肌が震えながら男根に絡みつき、緩慢に動き始めます。それは稚拙で、平素ならば満足のいくものではないでしょう。
しかし視覚を奪われてしまったせいか、それはわりとすぐに反応し始めました。
ひくひくと動くそれの先に、指以上に柔らかいものが当たります。どうやら口淫を始めたようです。
ぴちゃり、ぴちゃり、という音の中に、恵々子のくぐもった吐息が聞こえます。
(視覚を奪うとは、なかなか考えたものだ。)
行う方は大胆に出来るし、受ける方は残された感覚がいつも以上に働くせいで隙が大きくなる。
厚着先生はあくまで試験官として対応していました。手を伸ばし、実技が上手く出来た子供を褒める様に、恵々子の頭を撫でます。
張り切ったのか、恵々子は亀頭に唇を押し付けると一気にそれを口に入れます。
さすがの行動に、厚着先生は息を呑みました。久しぶりの口の中はとても暖かく、まるで。
そう、まるで…・…遠い記憶の彼方に放ってしまった……
思い出そうとしても、もう欠片ほどにしか出てこない、顔すらも薄れ始めたあの女の。
「恵々子。」
意識を引き締めると恵々子の肩を掴んで引き剥がします。
白い靄が掛かり始めた頭をふるい、視覚を封じている帯の結び目を解きます。
「お前ばかりが攻めていては仕方がない。私もやらせてもらうぞ。」
暗闇に閉じこもっていた瞳に、今日の月の明かりは毒でした。一瞬視界が真っ白になり、すこうし瞼を閉じてから、厚着先生は目を開けました。
徐々に輪郭を成してゆく世界の中、目の前の恵々子の眸から真珠粒が零れ落ちています。それは次第に数を増してゆき……とうとう一本の川になってしまいました。
「え、え、子?」
手を伸ばすと、恵々子は厚着先生の胸に飛び込みました。先生、先生、と、泣きながら。
ただただ嗚咽する恵々子の背を、先生は撫でることしか出来ませんでした。



161:日本昔下話  黄薔薇の咲く頃12
08/06/30 01:36:56 mXRNQ1e0
「はい、お疲れ様。」
渡された報告書を持って、シナ先生は笑顔を見せました。恵々子はそれに対し、ただ力なく笑うことしかできません。
結局、試験は不合格。通常ならば、相手を変えての再試験なのですが、今年は問題行動が多発した(結婚の申し込みだとか、穴を間違えたなど)とかで、
不合格理由を考察して報告書にまとめる、というものになったそうです。
(もしかしたら、山本シナ先生は考えてくれたんだろうか)
自分のことを、と恵々子は思いますが、シナ先生はきっと答えてくれないでしょう。
部屋を出た後、恵々子は男子側の方に面している廊下に座っていました。柔らかい日差しの中に、甘い花の香りが混ざります。
「……で、校庭……だ。始め!」
あの人の声が風に紛れて、ここまできました。恵々子はびくん、と身体を震わせると、自分を抱きしめます。
「……先生……。」
(やっぱり、ダメ。……あきらめるなんて、出来ない。)
あの夜の、自分を呼ぶ声が、泣きじゃくる自分の背中を摩ってくれた優しい手が消えてくれないのです。
恵々子は、もう一度、先生、と呟くと膝を抱えて目を閉じました。
厚着先生の声はもう聞こえません。……

その夜、厚着先生は山本シナ先生の部屋を訪れていました。今度の出張の打ち合わせをするためです。
声をかけて了解をもらい、障子を開けた先は、紙の海になっていました。
「えらく大量の報告書ですな。」
苦笑いを浮かべながら、厚着先生は一枚一枚を重ねて整えます。一年は組のきり丸ではありませんが、もったいないですから。
「ええ、私もえらい目にあいましたよ……二本挿しとか。」
「何か言いましたか?」
「いいえ、ちっとも!」
一枚を手に取った瞬間、動きが止まりました。見慣れた名前を厚着先生はじっと正視します。
「あ、もしよかったらどうぞ。恵々子ちゃんだったんでしょう?お相手。」
シナ先生はこちらを見ずにそう言うと、忙しい忙しいと、採点をします。腰を据え、恵々子の報告書を読み始めました。
最初は、きちんとしたものを書こうとしていたのでしょう。女の子らしい丸い文字で、整然とした文章が並んでいました。
しかし、途中から千々と乱れ始め、次第に自分への気持ちの吐露になっていました。
それは若い者に特有の熱さと甘さと、青さを含んだもので、最後の一文字を読み終えた時、厚着先生の額には玉の汗が浮かんでいました。
「……シナ先生。」
読み終えたものを整えると、読むように薦めた人を見ます。しかし彼女は、やっぱり振り向いてくれませんでした。
「若いっていいですわね。」
「……ずるいですな。」
一言を無視して、シナ先生は報告書をとんとん、と音を立てて整えます。
「じゃあ始めましょうか。今度の出張で連れて行く子は……。」
話し合いをしながら、ちらり、と山の頂上に置かれている恵々子のものを見ます。
それは、一見綺麗のようですが、よく見ると皺が入り、汗を吸ったのか波打っていました。
「なにか、おかしいことでも?」
「いいえ、ちっとも。」
くすり、と目の前のくの一が唇を吊り上げたのを、厚着先生は見逃しませんでした。


162:日本昔下話  黄薔薇の咲く頃13
08/06/30 01:37:38 mXRNQ1e0
空の色はあくまでも青く、日の光は柔らかい鳥の子色をしています。
暖かい、穏やかな昼下がりです。どこからか、鶯の鳴く良い声がしました。きっと、裏に生えている梅の木にいるのでしょう。
「お茶ですよ。」
頬杖を突いて寝転んでいる自分に声がかけられます。
身体を起こし、その人がいるだろう場所を向きます。
「あ……。」
厚着先生は固まります。もう、のっぺらぼうにしか思い出せないその人の顔がはっきりしていたからです。
「どう、私、こんな顔だったのよ。」
その人はそういうと、隣に座りました。声すらも、鮮明に聞こえています。
硬く握られた手に、優しい指が触れました。
「二度と思い出せないと思っていた。」
やっと絞り出した声は上ずり、掠れています。顔を一撫でして、その手を握りました。
「何年も、私のこと、思っていてくれたのね。」
ひばりの声が三回聞こえた後、女は感慨深げに呟きました。
目の奥が熱くなり、視界がぶれますが、何度も擦って正常に戻しました。
二度と、その姿を忘れない為に。
「私はきっと、一番の幸せ者ね。ありがとう。……覚えていてくれて。」
「これくらいしか、できないからな。」
でも、と目の前の人は言います。
「もう、忘れてもいいわ。」
その人は、とんでもないことを言っているのに、満足げに笑っていました。
「好きな人が出来たんでしょ。」
「好きだなんて……ただ、気に掛かっているだけだ。」
「あら、私の時もそうだった。」
白い手が一層白くなっています。体温も、さっきは日差しのようだったのに今では氷のように冷たくなっていました。
「忘れたくない。」
「貴方は真面目な人だから。……いつまでも、囚われてなくていいわ。」
「だって、お前。

お前の傍にいてやれなかった。」

鳥が飛び立つ音が聞こえます。一拍置いて、その人はまた笑いました。
「あら、ずっといてくれたじゃない。私の傍に。」
手が厚い胸板を撫でます。
「今日までずっと、私のことを思っていてくれた。それは、私の傍にいてくれたってことでしょ?」
心の中ではあの日から今日まで、共に暮らしていた。
目には見えないけれど、ずっと隣にいた。
「今度は、あの子の傍にいてあげて。」
「お前は……それでいいのか?」
厚着先生の問いに、彼女は頷きます。その顔は変わらず明るいものでした。
「誤解しないでね。耐えるとか、そんなんじゃないわ。馬鹿みたいに真面目な貴方の手を繋げる人なんて、そうそういないわよ。」
「馬鹿って、お前。」
「そんな人が貴方を見つけてくれたから、私は行くことができるの。」
日差しが強く瞬きました。まるで、迷う者を誘う様に。
「私の代わりなんかじゃなくて、精一杯その人を愛してあげてね。」
その人は静かに立ち上がりました。もう足はうっすらと消えています。
「行くのか。」
「ええ。ありがとう。……さようなら。」
待ってくれ、と手を伸ばした瞬間に


「……あぁ。」
目が覚めました。熱病に罹ったように熱い体を起して、目を塞ぎます。
以前だったら、もうぼんやりとした輪郭しかない彼女の顔が、はっきりと見えました。
「置き土産、か……。」
優しい人だった。
厚着先生は小さく呟いて、一滴を目から落としました。
「ありがとう。愛してい、た。」

続く

163:日本昔下話  黄薔薇の咲く頃
08/06/30 01:39:12 mXRNQ1e0
中の人です。
次回で最終回です。予告してたよりもエロ少なくてすいません。
むしろリリカルですいません。
むしろおっさんの(略)

次回はがっつり行きたいです。

164:sage
08/06/30 01:58:08 wyeZ1RfC
昔話の人GJ!!
本文もさることながら、さりげに乱交試験とリンクしててすごい!
続きまってます

165:名無しさん@ピンキー
08/06/30 11:50:50 5jE1I3lI
昔話の人に悪いと思うならこっちにかけよ
しかし全く誠意が感じられん。またやるなコイツ。


291 名無しさん@ピンキー sage 2008/06/29(日) 07:19:49 ID:4il+pL8F
ちょっとまて>>891>>892は別人だぞと891本人が誤爆しておく!

まあ、確かにアタマ悪い文章だったのは反省しているが、
関係ないレス繋げたコピペまでネタ元スレに貼るか?
あと容量が501KBまでなの位知ってるよ!

本当、件の書き手さまには申し訳ありませんでした。
元スレの話も楽しみにしてます。

166:名無しさん@ピンキー
08/06/30 12:09:09 UWCCgcTY
>>165
だから釣りなんだろ
これ以上触らないのが賢明だ

167:名無しさん@ピンキー
08/06/30 12:34:15 0bFI3NJh
すごい勢いで厚かましいな。判っていない。>>165
これ以後スルーだな。

168:名無しさん@ピンキー
08/06/30 12:37:37 FVP998C8
昔話の人GJです!お疲れ様です

169:名無しさん@ピンキー
08/06/30 21:08:19 ehPBhTLs
昔話の人GJ!!
泣きそうだったよ自分・・・。
続き待ってます。

170:名無しさん@ピンキー
08/06/30 21:23:06 GfehBBXc
くそ…泣いたぞ昔話の人!
謝罪と(ry

171:宵の恋 4
08/06/30 22:26:19 i8v+0xuu
昔話の人GJ!
不覚にも夜中に泣いてしまったじゃないか…。

続き投下

宵の空は群青に塗られ、空には満点の星が瞬いている。
涼やかな夜風を浴び、寝られずしおりは校庭を散歩していた。
黒髪を風に靡かせ、しおりは月を見上げた。
雲一つない済んだ宵に、月が煌煌と照り映えている。

房術の試験を知らされ、未だ心の内は晴れない。
四郎兵衛に知らせた方が良いのか、それとも知らせずに試験を行った方が良いのだろうか。
どちらにせよ後者は先輩に迷惑が掛かってしまうだろう。生娘が相手だなんて、向こうも戸惑ってしまう。
四郎兵衛に言うとしても、彼は何て言うだろう。はしたないと思われてしまうのだろうか。

「…はぁ…。」

こんな時自分に足りないのは積極さだ。肝心な所で怖気づいてしまう。
散々自分を追い詰めて、やっと紡ぎ出せた想い。
いきなり「抱いて下さい」だなんて言ったら、流石に四郎兵衛も戸惑う。
しおりの心は彷徨い、どんな答えを出せば良いのか解らない。

「…四郎兵衛。」

呟いた言葉は、夜の虚空へと消えていった。


日は無情にも昇り、忍術学園は明けの空に包まれた。
空は何処までも青く、白い雲が泳いでいる。

結局しおりは一睡も出来ず、会計委員長よろしく隈をこさえ、夜を過ごした。
眠たいのに寝れない。この状態が二週間続くのかと思うと、しおりは肩を震わせた。

「しおりちゃん…、大丈夫?」
「…何とか。」

みかが心配そうに覗き込み、弱弱しい笑みを作る。
それがかえって辛そうに見えて、何とも痛々しい。
奥手な級友に何とか良い案は無い物だろうか、頭を捻って案を出している。
数分、みかが目を輝かせながら提案を投げ掛けて来た。

「言葉で言えないなら、手紙なんかどうかな?」
「…てが、み?」
「そう。手紙なら気持ちが伝わると思うし。」
「……そうだ、ね…。やってみる…。」

ふらふらとよろめくしおりをあやかが支え、どうしたものかと溜息を吐いた。
手紙を書くのは良いが、この様子じゃ保健室へ一旦運んだ方が良さそうだ。
一旦休ませてから手紙を書かせよう。
そうみかに伝え、二人はしおりを保健室へと連れて行く。


172:宵の恋 5
08/06/30 22:56:06 i8v+0xuu
場所は変わり、此処は6年は組の長屋。
珍しく食満留三郎は部屋に篭り、朝食も食べずに居た。
その場所に座り、険しい顔をしながら唸っている。眉間に皺を寄せ、元々鋭い目つきが更に鋭くなる。
知らない者が居合わせたら、竦み上がることだろう。

「何でこんな事になったんだ…。」

うああ、と嘆きの声を上げ、ごろごろと床をのた打ち回る。
二週間後に行われるくの一との房術試験。相手が知らされる日にちはまだ先の筈だった。
所が如何言う訳か早々と相手が知らされる事になり、6年生は昨夜、シナ先生に呼び出されていた。

しおりの相手は誰なのか。
皆誰しも、同じクラスの善法寺伊作がしおりの相手を勤めるだろうと思っていた所だった。
だが結果は残酷な知らせで、しおりの相手は自分だと言う事が判明した直後の記憶がない。
どうせなら小平太に変えて欲しいと思ったが、あの体力馬鹿の事だ。彼女に無理をさせるに決まってる。
伊作の不運が感染したんだ、と他のクラスでは実しやかに噂される始末だ。

「食満ー。早くご飯食べろって。」
「うっわあ!!こここ、小平太?!」

不意に背後から声が掛けられ、口から心臓が飛び出そうな位驚いた。
6年生にもなって何やってんだと自分に言い聞かせ、一呼吸置いて小平太を見やる。
当の本人はにこにこと上機嫌で、房術を楽しみにさえしている。
最も、小平太は誰であろうと構いはしないだろう。その能天気さがつくづく羨ましい。

「どうした?ご飯食べないのか?」
「…食べる気力がない…。何でよりによって四郎兵衛の彼女…。」
「仕方ないじゃないか、くじで決まったんだし。」

肩を落とす食満とは対照的に小平太はからからと笑い飛ばしている。
確かに決まった物は仕方ない。だがこれでは寝取る様な気分がして四郎兵衛には申し訳ない。
頭を抱えて悩む食満を困ったように小平太は頭をかいた。
当たった食満は可哀想だと思うが、自分は他の子と行う事になってる。
暫く考え込むと、とんでもない提案が発せられた。

「なあ、いっその事、四郎兵衛としおりちゃんとお前で、3人でやったら?食満が教える係りで。」

ひゅう、と涼しい風が通り抜ける。
刹那、廊下中に叫び声と破壊音が木霊した。扉を突き破り、小平太の身体が宙を舞う。

「何考えてんだお前はああああああ!!!!さっ…三人だなんてっ…、あの子に負担掛かるだろうが!」
「良い提案だと思うんだけどなぁ。じゃ、シナ先生に申し出を…。」
「やめろやめろやめろ!!!!!」

校庭に投げ出された小平太は受身を取り、衝撃を物ともせずに立ち直った。
見事な巴投げで、着地が遅かったら地に穴が開いてただろう。
真っ赤に顔を染め、食満が怒鳴り込んでくる。意に介せずシナ先生の所に行こうとする小平太を、必死で食満が押さえ込む。
その光景に、遠目で見ていた下級生たちが何事だと目を丸くした。


173:宵の恋 6
08/06/30 23:45:06 i8v+0xuu
くの一と5・6年生の房術が2週間後に行われる事など知らない少年、時友四郎兵衛。
相変わらずぽけっと空を見上げていたら、目の前に二つの影法師が身体を包んだ。
見上げる先には、作法委員長、立花仙蔵と、会計委員長の潮江文次郎が立っていた。
い組の二人が自分に直接出向くとは珍しい。何の事かと腰を上げようとしたら、待ったと手を翳された。

「四郎兵衛君、君に大事な話がある。落ち着いて聞いて欲しい。」
「そして、何があっても他言してはならない。良いな?」
「はい…。」

真剣な面持ちで二人は自分の前に腰を降ろし、極力回りに聞こえない様に囁いた。
知らされた内容は、まず第一にくの一と5.6年生で房術の試験が2週間後に開催される。
第二に、しおりの相手が早々と決まった。相手は食満留三郎。

「以上を踏まえた上で率直に問おう。君としおりちゃんは、経験済みか?」
「…………ほえ?」
「…こりゃ経験済みじゃないな…。」

一気に捲くし立てられた所為なのか、それとも理解出来てないのか。
文次郎が簡潔に説明をしてくれて、漸く意味が解ったのか、顔が見る見る内に変色して行った。
紅く染まったり、青く染まったりと見ている分には面白い。

「…あの子はどうなんだ?」
「私に聞くな。…多分彼女もまだだろうな、あの様子じゃ。」
「…お互い未経験、か。」

複雑な表情で四郎兵衛を見やり、深く溜息を吐いた。
微笑ましい事には変わりないが、いずれはお互い通る道だ。それが二人には早まっただけだ。
男女の関係の最も核心に触れられ、四郎兵衛は如何する事も出来ず、ただおろおろとするばかりだった。


保健室へ運ばれたしおりを見るや否や、伊作は颯爽と布団を敷いた。
何時でも患者が来たら寝れる様に、布団は清潔な物に取り替えてある。

「最近、しおりちゃん良く運ばれるね。…何か悩み事かい?」
「いえっ!とんでもないです!!」

穏やかなくせに、時折この人は鋭い。
やはり腐っても6年生なのだろうか、それとも、長年人の世話をして来た貫禄なのだろうか。
悩みなら、言って解決出来る物なら言いたい。けれどやはり男相手だと言い辛い。
見かねたあやかが、そっと耳打ちをした。

「…しおりちゃん、ちょっと恥ずかしいかもだけど…。一緒にお風呂入るのどう?」
「!?!?!?!」
「ああ、御免ね…。でもさ、肌を触れ合う事で、恥ずかしさが紛れるかもよ?」
「ででででで、でもでも…。おおおおお、おふ、お風呂…。」
「きゃあっ?!しおりちゃん!?」

あやかの提案にしおりは言葉も出なかった。
一緒にお風呂に入って背中を流してその後に***…。
ダイレクトな提案にしおりの体温は急上昇してしまい、その場に突っ伏した。
悲鳴が遠くに聞こえた。薄れ行く意識の中、それも良いかも知れない、と頭の片隅に思った。

そして、今宵――。
しおりは動き出す事を決心した。

続。


174:日本昔下話  黄薔薇の咲く頃14
08/07/02 20:03:54 FPD7hbqv
しろべの人ご苦労様、いよいよかと想うとwktkするぜ
というわけで、最終回です


道を行く旅人の姿は様々で、中には牛や馬もいます。脇に生えている花をつけた野草を眺める人も入れば、無言で目的地へと急ぐ人もいました。
恵々子は前を行く厚着先生の背を、ただ黙って追いかけます。
「出張に行く厚着先生のお供をして欲しい。」
なんて山本シナ先生に言われた時はどうしようと思ったものです。名前を聞いた途端に心の臓が壊れるほどの音を立てていましたし。
(先生はどうして、私に言ったんだろう。)
私のことを知っていたから?それとも……。わからぬままに、恵々子はその広い背を見失わない程度の間隔を開けて歩きます。
出張といっても、堺の福富屋さんに今度授業で使う品々を注文しただけのもので、それはすぐに終わってしまいました。本当に自分が必要なのかと内心疑ったぐらい簡単な仕事なのです。
なぜだかわからず、ぼんやりとした頭で歩いていると、何か柔らかいものを踏みました。驚いて足をどけると。
「危ない!」
厚着先生は恵々子が踏んだそれに小刀を刺します。茶色い、長い蛇です。刃物は頭のすぐ近くに辺り、大きく口を開けると蛇は小さな痙攣をして動かなくなりました。
「大丈夫か?」
刀を抜いて、尻餅をついた恵々子に声をかけてくれます。
「毒のないものだが……噛まれていないか?」
蛇を踏んだ足を触りながら、丹念に調べます。視線が突き刺さって、恵々子はなんだか恥ずかしい気持ちになりました。
「だ、だいじょうぶですっ……ありがとうございます……。」
乱れた裾を直すと、厚着先生の手を借りて立ち上がります。まだ、どきどきと鼓動が煩いのは、蛇のせいだけではないようです。……

その日のうちに学園まで帰れず、二人は茶屋で一泊することにしました。
茶屋の風呂に入りながら、恵々子は厚着先生に触られた足に、丹念に湯をかけます。倒れた時に出来た擦り傷の消毒のためですが、ひりひりと沁みこんで痛みます。
(あの時、先生ちょっと安心してたよね……?)
立ち上がった時、先生は確かに安堵したような表情を浮かべていました。なんだか勘違いしてしまいそうで、恵々子は首を振ります。
(生徒に怪我がなかったからに決まっているじゃない。)
「私」に怪我がなかったから、じゃない。
それはわかっていることなのに、どうしても勘違いしてしまいます。もし他の先生だったら、すぐにそう思うはずなのです。
恵々子は湯から上がり、手早く着替えました。山からの夜風は冷たくて、湯にのぼせたのか、それとも自分の考えにのぼせたのかわからない熱い頭を冷やしてくれます。
なんだか、部屋に帰るのが怖い。
そんなことを感じながら、恵々子は風呂を後にしました。

175:日本昔下話  黄薔薇の咲く頃14
08/07/02 20:05:54 FPD7hbqv
「ただいま戻りました。」
戸板を開けると、一際涼しい風が迎えてくれます。
目を閉じて風の感触をやり過ごし、恐る恐る開くと銀色の月がまず見えました。
格子を掲げて月見をしていた厚着先生に影が差します。浮き出た陰影に恵々子は思わず息を呑みました。
普段はかっこいい、という言葉が似合う人ですが、今の彼には美しい、という単語の方が当てはまるのです。
「恵々子、戸を閉めなさい。」
ぼんやりと見とれていた恵々子に喝を入れるように厳しい声で言うと、彼女は慌てて戸を閉めます。
その様子が可愛らしく、厚着先生は少し頬を緩めました。
「……。」
戸を閉め終えた恵々子は、視線に気づいてそちらを向きます。
先生が、何かを言いたそうに自分を見つめているのです。
期待させないで欲しい。
柔らかい唇を噛んで、少しだけ視線をずらします。
勘違いをさせないで。
しかしそれでも、眼の気配を感じるのです。
「恵々子。」
空気が動き、音が聞こえました。厚着先生は静かな表情で、手招きをしています。
「こちらに来なさい。もっと、近くに。」
恵々子が言葉通りに近寄ると、厚着先生はゆっくりを話を始めます。
あの、古い、遠い時の向こうに霞んでしまった恋の話を。
そして、この間見た、夢の中の会話を。
最後の一文字まで語り終えた後、先生は震える恵々子の手をとりました。
「……わしは多分、お前を好いている。」
声をかけられ、恵々子は顔を上げます。
好いているというなら、どうしてこんなことを言うの?
恵々子はそんなことを言いたかった事でしょう。
しかし厚着先生は言葉を続けます。
「お前はきっと、あいつの代わりじゃないかと思うかもしれないがそれは違う。
お前に話した全てが積み重なって、今の自分になれた。だから、こそ……聞いてほしかった。」
握られている手に力が込められます。かすかに肩が震えていることがわかりました。
人を好きになるということは難しいことです。
その人の過去も好きにならなければならないからで、現在だけをつまむわけにはいかないのです。
「私が……。」
握り返しながら、恵々子は口を開きます。風呂から出てだいぶ経つというのに、身体は熱いままなのです。
「私が好きなのは、先生です。
でも、その人のことがなかったら、先生はきっと、全く別の性格の先生になっていたかもしれません。」
だから、と恵々子は続けます。喉の奥でどくんどくん、と音が聞こえます。
血管が膨れているのか、圧迫されているような痛みがありました。
「先生の昔も含めて全部好きです。……大好き、です……。」
最後の言葉は痛みに震えて掠れていました。
ぽろり、と涙が零れたのは痛みのせいだけではきっとないでしょう。
厚着先生は恵々子の名前を呼ぶと、ゆっくりと腕を背に回しました。


176:日本昔下話  黄薔薇の咲く頃16
08/07/02 20:10:27 FPD7hbqv
格子が下げられた部屋の中、恵々子は敷かれた薄い布団の上に寝転んでいました。
「あの、これって。」
目隠しをされ、暗闇の中恵々子は先生の腕を探します。
空に手を彷徨わせ、やっと袖を見つけた途端に唇を吸われました。
「ふぅ……う……。」
かさついた唇は、本来なら心地のよいものではないでしょうが、今の恵々子にそんなふうに感じられませんでした。
柔らかいものが口に入ってきます。歯や上あごを舐めて探っていたそれは恵々子の舌を見つけると、ねっとりと絡み付いてきます。
「ん、ふぁ、あ……。」
唇が離れてた後、口の端から唾液が零れていることに気づきましたが、それを拭うまもなく胸元を開かれます。
硬い指先がいくらか膨らんだ乳房を鷲掴みます。
掌は空気に反して熱を持っていて、目隠しをされているせいで恵々子はその熱さだけで身じろぎしました。
指の間に乳首を挟まれ、ゆっくりと揉まれます。
優しい手つきでしたが時々意地悪するように強くなったり早くなったりするので、恵々子は声を抑えることができません。
「あ……あぅ……う……。」
感覚から、乳首が立ち上がっていることはわかります。
先生はころり、とそれを転がして、口に含んで、先ほどと同じようにころころと舌で遊びます。
片方を舐め回し、もう片方を口に入れると、こちらはかるーく歯を立てます。
痛くて、でもなんとなく気持ちがよくて、恵々子は白い喉を仰け反らせますと、先生は今度はそこに唇を押し当てて音を軽く立てて吸いました。
「ん……。」
こんなとこですらも感じてしまい、恥ずかしくなりますが先生は遠慮しません。
首筋から、鎖骨まで、伝い落ちるように音を立てています。
口の動きばかりに気をとられているうちに、手が足の間に入ってきました。内股を摩り、こちらは上へ上へと昇ってゆきます。閉じようとしますが先生の腕の力のほうが強くて敵いません。
人差し指が膨れかけた実を揺らします。胸の時よりも強い刺激に恵々子は息をつめました。
「……は、……ふぅ……あぁ……。」
指が動く間、口は胸で遊びます。
両方の刺激は心地よく、けれども経験のない(閨房術の時はやらずに終わりましたから)ない恵々子にはちょっときついようです。
次第に喘ぐ声は早く、回数を増してゆきます。
「意外と慣れているな。」
耳元で囁き声が聞こえます。息の乱れた自分と違い、厚着先生はいつもどおりのしゃべり方です。
「自分で触ったことがあるか?」
わしを想って。そう続けられ、恵々子はこくん、と頷きます。素直に答えないと、止められてしまいそうだからです。
「なら、ちょっとばかし、無理をしてもらおうか。」
そう言うと先生は指を実から蜜壷へと移動させます。少し太めの指が、湿り気を帯びてきた中に入ってきました。
「あ、ふと……っ。」
荒れた指の腹で内壁を摩ります。出し入れするものですから、ぐぷんぐぷんとくぐもった音が耳に届きました。
「あ、あ、アぅ……はぁ……ア。」
親指で実を、中指と人差し指(いつの間にか増えていました)で中を弄られ、恵々子はもう降参寸前です。
しかし先生は、丁度いいところでわざと動かなくなるので、達することはありませんでした。
「せん、せ……ヒィ……イカせ……フゥっ……。」
強請っても先生はそれを叶えてくれません。ほどなく、指が完全に離れてしまいました。
「あ、厚着……せん……?」
衣擦れの音の後、足を掴まれて広げられます。
目隠しされているので、詳しいことはわかりません。けれども自分の現在の様子を想像して、恵々子は周知に身震いします。
濡れたその部分に、何かが触れます。


177:日本昔下話  黄薔薇の咲く頃17
08/07/02 20:10:53 FPD7hbqv
割れ目をなぞり、指で開いた入り口を見つけると、指よりも太くて硬いそれは中に入ってきたのです。
「アアッー!!」
引き連れるような痛みに、恵々子は堪らず声を上げました。
授業で痛いと習っていましたが、まさかこんなものとは。呼吸をして力を抜きますが、ずくずくと入ってくるそれには焼け石に水でした。
「ア、ハ、ウウ、フゥっ……。」
一番太い部分が入り、少し隙間が出来て、でもまたきつきつに満ちてきて……。肌が触れ合うまでの時間が長く感じられます。
「あ……。」
「全部入ったぞ。」
頭を撫でながら先生は言います。確かにそこには、ざりざりとした毛の感触がありました。
「先生……目隠し、解いて……。」
胸板に触れながら、恵々子は懇願します。ここまで来て、先生の顔が見れないのは嫌でしたから。
先生は先ほどと違い、今度はすぐに解いてくれました。
「先生……。」
月明かりの中、やっと見れた先生の顔はとても優しく笑っていました。
手を伸ばして、繋がっている部分を撫でます。きっちりと、根元まで入っていて、恵々子もまた、笑いました。
「では、動かすぞ。最初はゆっくりだが、次第に早くなってくるからな。」
頬を意地悪げに吊り上げると、先生は腰を打ちつけ始めます。
最初は、本当に予告通り緩慢なものでしたが、次第に早くなってゆきました。
「あ、ア、せんせっ、ハン……っ。」
ほんの僅かでも離れないように、身体に足を絡めます。途中で唇が降りてきて、肌に痕を残してゆきます。
恵々子は本当に幸せで、もうこれ以上の幸福はないように思えました。
「せんせ、せんせぇっ、ア、ア、ヒャアぁっ……っ!」
だから、絶頂に達した時、先生が離れないように、しっかりとしがみ付いて、
そのせいで背中に爪を立ててしまったとしても仕方がないことなのです。

178:日本昔下話  黄薔薇の咲く頃 終わり
08/07/02 20:11:43 FPD7hbqv
春が逝き、夏が去り、秋が果て、冬が散り……
そんなことを五回ほど繰り返したある日、厚着先生は校門の前で人を待っていました。
来年は自分の教え子たちが巣立つ番なのだな、と想うと、今目の前で散ってゆく桜にも感慨が浮かびます。
ふと、塀の隅に生えている花に目が行きました。黄色い、花びらが十重にも八重にもなった花です。
珍しい。そう呟きながら花に触れようと手を伸ばすと、それは煙のように消えてしまいました。
「……。」
黄色い、かすかに残った煙を掴もうとしますが、霧散して掌には何も残りません。
ふと、耳に、あの人の声がかすかに聞こえました。
幸せに、とそんな言葉のような……。
「先生ー!」
ふ、と空を見上げた厚着先生に声が掛かります。卒業証書を持った恵々子です。
「すいません、遅くなって!早く行きましょう!」
「あ、ああ。なあに、今からなら十分間に合うだろう。」
手を握り、二人は歩き出します。これから、恵々子の両親に挨拶に行くのです。


終わり

179:日本昔下話  黄薔薇の咲く頃 あとがき
08/07/02 20:13:49 FPD7hbqv
しばらく厚着先生がまともにみれなさそうな中の人です。
題名の黄薔薇は、花言葉からとりました(黄色のバラの花言葉はさようなら。ただし諸説あります。
長い話ですいません。今度はギャグっぽい奴でいきたいです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

180:名無しさん@ピンキー
08/07/02 22:49:21 +JyqI9ij
ヤヴァイ・・・
泣けるよ!

泣けてエロくて女の子が可愛くて男がカコイイって
最 高 ジ ャ マ イ カ !!

恵々子ちゃんお幸せにw
次回ギャグっぽいの、期待してます

181:名無しさん@ピンキー
08/07/03 08:26:30 57HY5wOS
しろべの人も昔話の人もGJです!

182:宵の恋 7
08/07/03 20:10:05 0cdUESSF
昔話の人GJ!切ない恋、とても感動しました!
笑える話、期待してるぜ


此処は忍術学園のある一室。その部屋は多分誰も知らない。
この部屋に集まっている、6年生以外は………。
もう直ぐ日が沈む頃とはいえ、それでも夜中の部屋の様に薄暗い。
熱気が立ちこめ、額から汗が零れ落ちる。不意に無機質な音がぱたりと止んだ。

「…よし、こんなもんで上出来だろ。どうだ?」
「流石修補のスペシャリストの用具委員長!」
「色合いも完っ璧だ!」

作業が終わり、食満留三郎は手を休めた。
それは皆が賞賛するほどの出来栄えで、小さく拍手が送られた。
後はあの二人をこの部屋に案内するだけだ。
これからの事を考えると、湧き上がる好奇心と期待を隠す事は出来ない。
6人は顔を見合わせると、小さく笑いながら、互いに手を重ね合った。

「…絶対に抜かるなよ。」
「お前に言われるまでもない。成功させるさ。」
「…小平太。」
「必ず成功させるって!此処まで皆やったんだ。」
「うん、やってやろう!」


そう言うと6人は部屋を後にし、それぞれの計画を実行させる為、定位置へと赴いた。



茜色の夕日が沈み、空には夜の蒼が塗られかかっている。
保健室で休養を取り、体調も万全となったしおりは、落ち着きなく庭を歩き回ってる。
多分今が決行の時だろう。級友の後押しのお陰で、一歩踏み出す決心が出来た。
幾度となく応援してくれたりしているのだ。後で必ず恩を返そうとも思っていた。

四郎兵衛は多分遅くなる。その方が都合が良い。
ちょっと抜けているけれど、何時も自分を気遣ってくれる四郎兵衛。
もう決心は付いた。

(あたしのたった一つのこの操…。貴方に捧げます!!)


「あ、えーっと…、しおり、ちゃん?」
「うひゃっ!」

不意に背後から声を掛けられ、その場から飛び上がる。
独り言が聞かれたのだろうか、おろおろしていると「あの、」とまた声が掛けられた。
後ろを向くと、深緑の制服を包んだ6年生が立っていた。
目付きがキツく、短い髷を結っている。

確か用具委員長の食満留三郎だ。
武闘派と名高く、あの潮江文次郎と互角に戦える6年生と聞いている。
だが目の前に居るのは、目付きこそは鋭いものの、何処か人の良さそうな雰囲気を纏っている。

「な、何でしょうか、食満先輩。」
「えーっと、その。ちょっといいかな?」


183:宵の恋 8
08/07/03 20:50:52 0cdUESSF
ばつが悪そうに頭をがしがしと掻き、用件を言い難そうに口をもごもごとさせている。
どうも様子がおかしい。怪訝に見つめるしおりの視線に気付いたのか、はた、と目が合う。

「食満先輩?」
「あ。その、2週間後に房術の試験があるだろ?」
「…はい。」

俯くしおりをちらりと見やり、食満の心臓がずきずきと痛む。
言わなければいけないのだろう。何で俺がこんな事に。そう思うだけで今度は胃も痛くなってきた。
罪悪感に苛まれつつも首を横に振り、言葉を選んでいる。

「試験の相手、俺なんだ…。」
「え?!」

放った言葉に、しおりは目を丸くさせている。だから言いたくなかったんだと思いつつも、次の言葉が出て来ない。
嫌な予感がしつつも、口を開こうとしたその矢先。

「しおりちゃーん、お待たせ~。」

その場面に何とも気の抜けた言葉が聞こえて来た。
後ろを振り向くと、泥まみれになった四郎兵衛が、ふらふらと歩いている。
この様子だとまた振り回されたらしい。四郎兵衛を見るなり、食満は頭を下げた。

「四郎兵衛すまん!!しおりちゃんの試験の相手、俺なんだ!!」
「…知ってます。」
「え?」
「立花先輩と潮江先輩に聞きました~。」
「嫌じゃないの、か?」

そう言うと、四郎兵衛は下を向き、うーんと考え込んでいた。

「…決まった事なら…仕方…ないです…。」

それは消えそうな言葉だった。疲れの所為もあるのだろうが、顔はとても悲しそうで見るに耐えない。
御免な、と小さく謝ると、首を小さく横に振る。

ばつの悪い空気が流れ、しおりはただおろおろするばかりだ。
取り敢えず二人になりたい、そう思い四郎兵衛の手を引いた。

「食満先輩報告有難うございました!!それじゃ2週間後お願いします!!」

手を取った後に、電光石火の如き速さで四郎兵衛を引っ張って行った。
力が強いのか、四郎兵衛は宙へと浮いている。
その後姿を見つつ、食満は草叢へと目配りをした。
ぎりぎりと目付きが吊り上り、仙蔵と文次郎はすまん、と笑った。


184:宵の恋 9
08/07/03 21:29:19 0cdUESSF
場所は変わり、連れて来られたのは脱衣所。
しおりの意図が理解できず、ただぽけっと四郎兵衛は突っ立っている。

「…あの、しおりちゃん?」
「あ、あの。しろ、べえ。い、一緒にお風呂に入りましょう!!」
「うん。……………………え!?」

何気無しに頷いたが、暫く考えると意味が理解出来たのか、驚きの声が響いた。
二人は何時も控えめで、手を繋ぐのにも一苦労だ。接吻も告白の時以来で、清い交際をしていた。
四郎兵衛は特にしおりが言わなければ何もして来ない。所謂受身だった。
自分でも大胆だろうと思うが、一刻を争う時だ。

「し、四郎兵衛疲れてるでしょ??あ、あたしが背中洗ってあげるから…、ね?」
「あ、あの、でも、その…。お願いします。」

まるで懇願する様に見上げられ、四郎兵衛の胸は高鳴るばかりだ。
思わずお願いと頼んだが、やはり恥ずかしい。
互いに後ろを向いたまま、服を脱ぎ始めた。衣擦れの音が響き、互いの鼓動が五月蝿い位だ。
布を固定し、四郎兵衛は先に風呂場へ入っていった。続けてしおりが入り、「清掃中」という札を掲げた。
これで多分誰も入って来ないだろう、そう思い、速やかに四郎兵衛の所へ駆け寄った。

背筋を真っ直ぐ伸ばし、見るからに緊張している。その証拠に、耳まで真っ赤だ。
背中にお湯を掛け、布に石鹸を絡ませてから泡立てる。
四郎兵衛の背中は小さく、何処か頼りない。背丈なら自分の方が若干高いから仕方ないと言える。
そう言えば四郎兵衛を意識したのも、風呂場が原因だった。
頼りないのに、何処か安心する。

「お疲れ様、四郎兵衛。」
「あ、ありがと…。」

湯浴みの心地良さにぼんやりするも、しおりの手が身体に触れた途端、緩んだ糸がぴんと突っ張る。
柔らかく白い手が肌に触れる。胸の音がしおりに聞こえるのではないかと思う位五月蝿く感じられる。
ふと、四郎兵衛がぽつりと呟いた。

「…しおりちゃん。ごめんね。」
「…え?」
「…食満先輩が相手だって知らされて、ぼく、何が何だか解らなくなっちゃって…。」
「四郎兵衛?」
「仕方ないって言ってたけど、本当はしおりちゃんが誰かに抱かれるの…嫌なんだ。」

四郎兵衛の言葉に、しおりの胸は高鳴る。
四郎兵衛は普段ぽけっとしてて、こう言った試験も誰と当たろうが気にしなさそうだったのに。
発せられた言葉は紛れもない「嫉妬」と言う二文字だった。


185:宵の恋 10
08/07/03 22:45:54 0cdUESSF
くの一となれば、少なからず色を駆使して相手を惑わさなければならない事も出てくる。
そして、必要とあれば誰かと寝る事も厭わない事態に置かれることも。
それを理解するのには、四郎兵衛はまだ幼すぎた。
誰かに渡したくない。自分だけを見て欲しい。自分にこんな感情があるだなんて知らなかった。

どろりとした黒い闇なんて知らなかった。
知らされた時に、ちりちりと何かが胸を焦がした。仕方ない事は解っている。
こんな事言ったら、しおりは困ってしまうだろうし、食満だって困る。

「…っごめんね、ぼく…。」
「…しろべ…。」

ふるふると肩を震わせ、小さな嗚咽が聞こえた。
自分だって本当は嫌だ。

「あたしも…四郎兵衛以外嫌だよ…。」
「…しおり、ちゃん?」

後ろから抱きしめ、自分の方を向かせた。
はらりと巻いていた布が落ち、そのまま自然と二人は抱き合う。
同じ思いを胸に抱いていた事が嬉しくて、はらはらと涙を零す。自分だけじゃなかったと。

不意にお腹に固いものが当たる。
視線を下に落とすと、四郎兵衛自身が元気に天井を仰いでいた。
ばつが悪そうにぽつぽつと言葉を紡ぐ。

「しおりちゃん、ごめんね…。ぼく…。」
「四郎兵衛…あの。四郎兵衛なら…いいよ。」

それは肯定の合図だった。
こくりと頷くと、再度気持ちを確かめる様に口付けを落とす。
叢雲に霞んだ月が、二人の様子をそっと見守るように、雲の隙間から覗いていた。



次からエロ入ります!待たせてすいませんorz

186:名無しさん@ピンキー
08/07/03 23:01:22 cGfLPgUU
GJ!
いよいよだね!

六年生部屋セッティングの苦労は報われるのか?
使って欲しいけど、無理かな~

187:名無しさん@ピンキー
08/07/04 00:07:50 2338FKHI
昔話の人GJ!!
こういう雰囲気の話好きだな。
次回のギャグも期待してるよ!!

しろべの人もGJ!!
ついにエロか・・・
待ってます。

188:ひみつの転校生 後日段
08/07/04 22:03:16 m+TORlr+
昔話の人感動をありがとう…!!
久々に泣いたら目が腫れたがこっちまで幸せになった!

しろべの人エロ超待ってた!セッティングが気になるな…w

転校生話ラスト。投下させて頂きます。


あれから一月。
突如転校生が「一身上の都合」とやらで再び転校していったらしい。
その情報が流れるや否や、がっかりとした表情の生徒が後を絶たなかった。
いや、生徒だけではない。先生もがっかりする者が多かった。

「ねえきり丸。最近土井先生元気ないよね。」
「元気ないっていうかさ、おかしいよな。今朝なんて竹輪食っても気づいてなかったぜ。」
「どーりで僕のところに竹輪持って来なかったわけだぁ。」
大嫌いな練り物を食べても気づかないような事が何かあっただろうか。
一年は組はまた、自分たちが何かやらかしたのではないかと悩んでいた。
「まーたテキスト遅れてんのか?これだからは組は!」
「い組の伝七!」
窓から2クラス向こうのい組の生徒、黒門伝七がは組をからかう。
「どうせは組の成績が悪すぎて土井先生の胃が軽石みたいになってんじゃないのォ?」
そーそー、と後ろから左吉も顔をのぞかせて言う。
「うちの担任の安藤先生は超元気で授業もサックサク進むしなー!」
あっはははと笑いながら廊下の奥へ二人は消えていった。
「くっそー、相変わらず厭味だよなー。」
「…ん?まって。安藤先生が元気?」
「どしたの庄ちゃん。」
は組の頭脳、庄左ヱ門が何かに気づいた。
「思い出してみろよ。元気のない人と普通の人。例えば…」

「おーっと、そこまで、だ!」
「不破先輩!…と不破先輩。」
「いやいや、どっちかが鉢屋だと言ってくれ。」
庄左ヱ門の推理の静止に入ったのは五年の不破と鉢屋だった。
「何で止めるんですか?僕達は先生の事が心配で…」
ビッ、と庄左ヱ門言葉を止めるように手のひらを突き出し、目を閉じて首を振る。
普段なら鉢屋がふざけて何かやらかしそうなのだが、鉢屋さえも本気の静止だった。
「一年よ。まだ十歳なんだから純粋でいろ。な。」
「そうだよ。南蛮では『ぴゅあ』って言うんだけど、いい言葉だろ?」
本気の静止をしているが、二人の目線と思考は遠くの方に行っていた。

「…先輩も元気ないね…。ピューレの味が忘れられないのかなぁ?」
「しんべヱヨダレヨダレ。ピュア、ね。」
「でもさ、本当…、この件からは手を引こうよ庄ちゃん。」
「何でさ乱太郎。」
「なんとなく…。とぉーい未来から『真実はいつも1つ』とか聞こえた気もするし。」
「?なんじゃそら?」

首をかしげる一年生の頬を、初夏の風が優しく撫でていたその頃…

189:ひみつの転校生 後日段2
08/07/04 22:05:20 m+TORlr+
「ただいま戻りました…。」
風魔流忍術学園の戸を叩く音がした。
重々しい音を立て、内側から強面の男性、この学校の教師の山野金太が現れた。
「おおお前か。ご苦労であったな。」
恐い顔を崩し、ニコニコと優しく笑って転校生を迎える。
一歩前に脚を踏み入れると、慣れ親しんだ我が母校、風魔流忍術学園。
転校生はヘナヘナと全身の力が抜け、「はへぇ~」と声をもらした。
「どうした帰るなり。そんなに大変だったのか。」
「えぇとても…。」
駆けめぐるのはバレないようにする努力でも一月過ごす事でも図面を起こす事でもない。
ただただ、来る日も来る日も分刻みであり得ないシュチュエーションでバレてしまって
口止め料としての隠事をしたどぎつい桃色の日々…。
お陰で若くしてガバガバになっていたらどうしようかと思っていたが、
給食当番だったしょくまん(と呼んだら怒られました。)に茄子を入れられた時、
緩んでそうなので陰部を締め付けたら茄子が真っ二つにちぎれたのだ。
中に入ったままの茄子が取れなくなって危うく漬け物になりかけていたのを
保健委員の善法寺先輩に取ってもらったが故にまたバレてそんでもって…
思い出したらきりがない。
「お前と交換学生として来ていた忍術学園のくノ一のなおみちゃんも苦労しておったわ。」
「へ、そんな事がいつの間に。」
「お前必死すぎて話最後まで聞いとらんかったな?」
「サーセン…。」
それほど必死だったというのに、と考えると、更にぐったりした。

「では、結果を見せて貰おう。」
「は、ハイ。」
教員室横の小部屋で転校生は忍術学園の見取り図面を拡げた。
「ほお。見事だな。ここに洞窟が?わしの知らない場所まで描かれておる。」
ほうほうとうなずきながら関心する先生は端から端まで細かく目を通す。
そりゃそうだ。書き起こし不可と言われていた学園内をここまで書き起こせたのは
生徒1人1人が秘密の隠れ場所を知っていたからだ。
学園見取り図であると同時に、自分の性記録となってしまった。
上から下までじっくりと図面を眺める先生を手に汗握り、じっと見つめる。
タカ丸に「女の子でしょ」と言われた時よりも心臓がドキドキとうるさい。
もしかしたら進級できるかもしれないし不合格かもしれない。瀬戸際掛けっぷち。

190:ひみつの転校生 後日段3
08/07/04 22:06:02 m+TORlr+
「…ふむ。図面はよかろう。合格じゃ。」
「本当ですか!?」
緊張はすっ飛び、転校生の曇った顔は、ぱぁっと晴れた。望みはまだある。
「うむ。一月耐えて学園内で過ごしたしな。だが…。」
再び転校生の心臓がドキッと跳ねる。
「……だ、だが…?」
「恐るべし忍術学園、といったところじゃな。凄まじいバレ方じゃ。」
「し、ししし知っておいてでしたかかかかか」
真っ白になって固まり、口から脱魂してしまった。
「おぉ、当たり前じゃ。ずぅー…っと見ておったからな!」
がっはっはっはっと豪快に笑う先生の前で転校生の顔面が真っ赤になった。
ずっとって…、あんな淫事こんな淫事、いっぱいあるけど全て見られていたという事か。
転校生は恥と悔しさで覚悟をした。女は引き際が肝心なのだ。
「…解りました。四年間、大変お世話になりました…。」
留年するくらいならば、いっそ学園を去ろう。そして田舎に帰ってリンゴでも作ろう。
「まぁ待て。点数を言い渡す。図面40点、一月一日一点で30点、性別がバレたので0点、計70点。」
合格点は85点。やはりダメだ。
「しかし口止めとしてのくノ一の術、見事であった。これは補習で補ってやろう。」
「え。」
「補習を受ければ合格、進級確定じゃ。」
「本当ですか!?」
再び肩の力が抜け、前のめりにへにょっと倒れ込んでしまった。
「よし、では早速補習じゃ!」
へろへろしている転校生が力なく目線を上げると、年季の入った巨木が目の前にあった。
「へ!?うへぇっ!?」
もんじr…ゴキブリのようにシャカシャカと後ろに後ずさり、勢いよく壁にぶつかる。
何がどうして先生の見た事のない年期の入った色も形大きさもも素晴らしい陰茎が目の前に。
「口止めの技、実践以外では評価しようもあるまい。よって、実践じゃ!」
「なん…だと?」

191:ひみつの転校生 後日段4
08/07/04 22:07:00 m+TORlr+
数日後、忍術学園に手紙が来た。
「なおみちゃん、お手紙だよ。」
「あら小松田さん。ありがとう。」
受け取った手紙が汚れていた。この人はどこまでダメなんだろう。
「なおみちゃんにお手紙なんて珍しいわねー。ねえ誰から?」
「もしかして恋文?」
「え!?なおみちゃんが恋文もらったって!?」
「うそォー!!誰から誰からー!?」
どやどやとなおみの周りにくノ一達が集まり、なおみは焦った。
「ちょ、ちょっとぉ、恋文と決まった訳じゃないのにそんなに集まられても…。」
「いいからいいから!ねえ誰?」
「えぇと…、差出…人…は、と。」
手紙を裏返したが、肝心の名前の部分が汚れと湿り気で滲んでいて読めない。
「肝心な所を滲ませるなんて…。さすが小松田さん。」
それでも読める所を解読していく。
「かぜ…、…ま?かな?な、がれる…、あ。風魔流!?」
「風魔ってこの前なおみちゃんが一月行ってたあの学校!?」
途端になおみの顔が火照った。与四郎とのあの事が否が応でも頭に過ぎる。
「ぷ、ぷらいべぇとな事だから先に読ませて!成績の話だったら恥ずかしいし!」
と拒否したなおみの手には、既に手紙が無かった。
「えーとなになに?『拝啓忍術学園くノ一教室なおみ様…』こっから滲んで読めないわね。」
「猪々子おおおおおおおおっ!?」
「あれ?もう一枚ある…。」


忍術学園潜入報告書

山野先生が一番凄い


「…なにこれ。」
「間違って報告書送ってきちゃったのかしら。」
なおみは与四郎からではなかった事に安心したが、その一文で全てを悟って
無言で風魔流忍術学園の方角に向かって敬礼をした。



長い事おつき合いありがとうございました。
最後の最後で長くなってスイマセンでしたorz

192:名無しさん@ピンキー
08/07/05 05:00:02 Q0ZVmJve
GJ!
ありがとうございます。
笑いがこらえきれなかったw
食満、、しょくまんてずっと読んでてごめんね。
転校生、浮き沈み人生ww
リンゴでも作ろう。って故郷は青森か長野なのだろうか?
他の地方でもありえる訳だが、青森だとしたらえらく遠いなw


193:宵の恋 10
08/07/05 13:21:27 Q2G+LiFg
転校生の人GJ!!
最初から最後まで笑いが止まらなかったぜ!腹筋返せw

しろべとしおりちゃん、ラスト。

群青に塗られた夜空に、くすんだ色の雲が掛かる。
その雲間にはひっそりと朧げな月が覗いており、静寂に包まれた学園を見守っている。
湿った床に、ぴちゃん、と水が一滴跳ねた。
薄桃色の唇が微かに震える。これから起こる事に、僅かな期待と不安でしおりは身を震わせた。
それは四郎兵衛も同じで、互いに経験などない。
胸の高鳴りが五月蝿く、余計な事まで考えてしまいそうになる頭を横に振り、
そっとしおりを床に押し倒そうとした――矢先だった。

急に床に穴が開き、その事態が飲み込めずに漆黒の闇の中へと落ちて行く。
ただどうする事も出来ずにいたが、それでもしおりに怪我をさせまいと、落ちて行く最中でしっかりと抱き止めた。
迫り来るであろう衝撃に固く目を瞑ったが、その衝撃は何とも情けないもので、二人が落ちた先は柔らかい地面だった。
その手触りは心地良く、上質なもので、多分絹なのだろう。
ふわふわとした手触りと、落ちた場所が解らず、二人は目を泳がせたままだ。

不意にその場所に灯りがついた。
二人が見た物は、まるでどこかの貴族が寝泊りでもするような寝室で、どれも豪勢な物だった。
忍術学園に何でこんな物が置いてあるのかは解らないが、見事に作られたその部屋に、しおりは目を輝かせていた。
所々南蛮じみた装飾があり、和と洋の合わせ技といった所か。
だが、風雅な佇まいの部屋は、何処となく違っていた。
葡萄酒のような色の布が壁に掛かり、二人が座っている場所は如何見ても寝る場所だと想像はつく。
布団は上質なもので、何故か丸型の舞台に羽織られている。

「…凄いね、この部屋。」
「うん!でも誰がやったんだろ?」

そんな会話を二人がしている同時刻。
浴室に向かった伊作と仙蔵は、顔を見合わせほくそ笑んだ。
後は二人の時間だ。

薄暗い部屋の中で、行灯の光がゆらゆらと二人の影を映す。
部屋の興奮が漸く治まったしおりは、目的を思い出したのか、はた、と四郎兵衛を見やる。
丸い目が数度瞬き、やがて四郎兵衛も思い出したのか頬を赤らめる。


194:宵の恋 12
08/07/05 13:49:21 Q2G+LiFg
上の11でしたorz

「あ、あの。しおり、ちゃん。ぼくで良いの?」
「うん…。」

こくりと頷くと、しおりは三つ指を立てた後、深々と頭を下げた。
続いて四郎兵衛も頭を下げる。
最早後戻りは出来ない。
後戻りだなんて、とうに捨ててしまっている。ただ身を任せるだけだ。

「お願いします。」
「こちらこそ、お願いします。」

そう言ったものの、経験と技術は皆無。
如何すれば良いのかさっぱり解らない。長次に貰った本には、まず相手を思いやる事だと書いてあった。
考え込む四郎兵衛を、しおりは只見つめているだけで、自分からは何もして来ない。
ふと四郎兵衛の下半身に目をやると、先程まで元気になっていたソレは、時間が経ったのかしゅんと萎えてしまっている。
少しの好奇心で、おずおずとしおりは四郎兵衛自身に手を伸ばす。

「し、しおり、ちゃん?!」
「し、四郎兵衛の、元気ないから…。あたしが…元気にしてあげる…。」
「うえっ?!…っ、う…。」

四郎兵衛の竿をゆっくりと撫で上げると、それが気持ち良いと言うように軽く動いた。
拙い手付きで、今度は両手でそっと包み込み、ゆるゆるとした動きで上下に動かす。
自分でもまだ数度しか経験のない快感は、四郎兵衛にとっては軽い拷問のようだ。
手の中で硬度を増す四郎兵衛のモノに、しおりは不思議そうに見入っていた。

「っく、し、しおりちゃん…。」
「四郎兵衛、もっと良くなって…。」

瞳を潤ませ、普段結った髪が肩に掛かるその様は、酷く扇情的だった。
不意にぬるりとした感触が全身に広がる。
今度は口を使い、四郎兵衛に奉仕する形を取っている。

「し、しおりちゃん!駄目だよ!!汚い…から…。」
「汚くなんか…ないもん…。好きだから出来るんだもん…。」

その健気な言葉に、四郎兵衛の胸は甘く疼く。
自分を全て受け入れてくれると思うと、こんなに嬉しいことはない。
温かい口腔と、ちろちろと拙くも心地良い舌の感触に限界が来たのか、小さく呻くと欲を吐き出した。
白濁の欲望がしおりの口元を汚し、四郎兵衛は慌てる。

「ご、ごめん、しおりちゃん…。」
「四郎兵衛が気持ち良かったなら、嬉しいよ…。」

咳き込みながら放つその言葉には、何の裏表も感じられない。
好きな男が自分の拙い技術で達してくれたのだ。嬉しくない訳がない。





195:宵の恋 13
08/07/05 14:24:42 Q2G+LiFg
息を整えると、四郎兵衛はそっとしおりを横に倒した。覆い被さり、啄ばむ様な口付けの音が部屋に木霊する。
幼い口付けでは足りないと言う様に、深く貪る様に舌を滑り込ませる。
驚いたしおりだったが、自分もその舌を重ねるように絡ませ、互いに求める様に口を吸い合う。

やがて口が離され、おずおずとその手はしおりの膨らみを撫でる。
まだ熟れ切っていない未熟ながらも形の良い乳房、なだらかな丘陵の先端には、可愛らしい桃色の飾りが咲いていた。
白い肌は、何処か甘い香りが漂う様にも思えた。
それは正しく媚薬の如く、四郎兵衛の僅かな理性を焼き切る程だった。

まだ誰も見た事がない、見せたことのない裸体に、四郎兵衛は僅かな優越感に口を歪ませた。
暫くじっと見惚れている四郎兵衛の下で、しおりの羞恥に染まった声が零れた。
僅かな抵抗なのだろうか、それは返って逆効果で、情欲を煽る材料にしかならない。
そっとしおりの乳房を包み、その膨らみをなぞる様に撫でて行く。

「あ……ぅっ!」

柔らかく撫でる手付きが、徐々に強さを増して行く。
弧を描く様に揉みしだき、しおりはその刺激に漏れそうな声を必死で押し殺す。
その様子に気付いたのか、四郎兵衛はその飾りを摘みあげる。

「ひゃぁっ…。」
「しおりちゃん、声、聞かせて?」
「で、でも…っ…。」
「聞きたい。」

その眸は、まるで欲望に燃えた狼の様に思えた。
四郎兵衛はこんな少年だっただろうか?
普段と酷く違うその眼差しに、しおりはなす術は持ち合わせてなかった。

飾りを口に含み、音を立てて吸い上げる。
もう一つの手は飾りを転がしたり、摘んだり、膨らみを撫でたりしている。
身体に電流を送られた様に、身体が痺れる。
決して気持ち悪いものではなく、不思議と心地良い。

口が離され、手はゆるりと太股を撫で上げる。
ぴったりと貝のように閉じた中心に、そっと指が触れた。
花の中心を優しく開くように、ゆっくりと指でなぞって行く。
くすぐったい感覚に身を捩らせようとしたが、四郎兵衛にしっかりと掴まれていて、身動きが出来ない。



196:宵の恋 14
08/07/05 14:53:41 Q2G+LiFg
秘所を触られる感覚に、しおりの身体が大きく撥ねる。
自分ですら数度しか触れた事のない場所に触れられ、怖くなったのか四郎兵衛にしがみ付く。

「しろ、べえ…。」
「ご、ごめんね、怖がらせて…。大丈夫だよ。」
「っ…うん。」

しおりを安心させる様に、ぽんぽんと肩を一定のリズムで優しく叩く。
欲望のままにしおりを怖がらせてしまった事に、四郎兵衛は自分自身の愚行に眉を顰めた。

「…ごめんね…、ぼく…。」
「良いよ…、続けて、ね?」

四郎兵衛の頭を軽く撫でると、小さく頷いた。
そっと花弁を押し分け、指をそこに埋没させた。
侵入する痛みに眉を顰め、それを見るなり動きを止め、暫くすると指の根元まで様子を見ながら埋め込んで行く。
四郎兵衛の指は、ずっと脚の間で蠢いていて、しおりは自分の身体がどうなっているのか解らなかった。
ただ、広げられたり、擦られている感触は解る。

じわりとした蜜が、四郎兵衛の指に伝わる。
蜜を指に絡ませ、花芽を擦り上げると一際大きな声が上がった。
こうすると良いのかな、と、曖昧な知識でそこをきゅっと摘む。

「ひゃ、ぁんっ!…はぁ。」
「ご、ごめん。痛い?」
「…へーき…。」

指に絡ませた蜜をぺろりと舐め、しおりの脚を割り開く。
もう自分自身も限界に近づいていた。顔は燃える様に紅く染まり、息も荒い。
切迫した様子に、しおりは慌てて四郎兵衛を押し戻す。

「あ、あの、あの。四郎兵衛、や、優しく…して、ね?」
「う、うん…。」


紅潮した頬に、眸は潤んでいる。
髪が顔に張り付き、何とも悩ましい。
その様子とは裏腹に、出てきた言葉は正に乙女そのものの初々しさで、四郎兵衛も言葉を飲み込む。

197:宵の恋 15
08/07/05 15:44:45 Q2G+LiFg
ふるふると寒さに耐える小鳥の様に身を震わせ、四郎兵衛は落ち着く様に息を吐いた。
そっと自分自身を秘所に押し当て、ゆっくりとしおりの中へと自身を埋める。

「ひ…あ…あぁ…。」

上擦った声が聞こえた―その直後、声は悲鳴と変わった。
無理矢理に侵入してくる異物に、鈍い痛みを伴いながら、ソレは推し進められた。
一瞬ではない、長引きそうな痛みに、圧迫感も混ざり合い、か細い悲鳴が聞こえた。

「痛…あぁ!痛いぃっ!!」


今まで経験したことの無い痛みに、ただしおりは耐える事しか出来なかった。
閉じられた瞳に、薄っすらと涙が浮かび、一滴零れ落ちた。

「しおりちゃん…、ごめんね、ごめんね…。」
「しろ、べ?」

恐る恐る目を開けると、四郎兵衛の眸にも涙が浮かんでいた。
紅潮した頬は明らかに興奮している証拠だが、切なそうに眉を下げている。
気持ち良いのではないのだろうか、ふとした疑問が脳裏を掠める。

「大丈夫…、大丈夫…だから。」
「しおりちゃ…っ…!」

自分だって辛い筈なのに、四郎兵衛を安心させようと笑みを浮かべる。
強く抱きしめた後、ゆっくりと抽送を始めた。

「っ…うぅっ…あはぁっ…!」
「しおりちゃ…っしおり…。」

湧き上がる熱さに、しおりは怖くなり必死で四郎兵衛にしがみ付く。
微かに漏れる嬌声も、卑猥な音も、背中に刻まれる痛みも、全てが愛おしい。
まるで現実と引き離されたように思えて、必死で名前を呼んでみる。
夢ならば醒めないで欲しい、現実なら証が欲しい。ただそれだけを強く思い、拙い動きでしおりを貫く。

「っああぁ!!しろ、べえ…!!」
「くっ!」

一度ごとに、刻み付ける様に突き上げる。
奥の奥まで蹂躙するように、限界も近い事を忘れてナカを抉る。
小さな喘ぎと共に、名前を呼ばれ、ぞくりと何かが震えた瞬間、全てを吐き出した。

渦巻いていた欲望は、熱い奔流となりしおりの胎内に注がれる。
自分を満たす熱さと、僅かな快楽に身を震わせ、行為が終わったのだと悟った



198:宵の恋 16
08/07/05 16:06:54 Q2G+LiFg
静かに自身を引き抜くと、白濁した液体が彼女の蜜と混じって、とろりと結合部から流れ出す。
それには破瓜による紅い雫も混じり、太股を伝って、薄紅色の花が咲いた様に布団に散った。
それは彼女が先程まで、生娘だった証拠だ。

手に入れた―。
それは四郎兵衛の胸の奥にある、どろりとした感情を満たしていた。
しおりを見ると、健やかな寝息を立てている。昨夜寝られなかった所為もあるのだろう。
四郎兵衛自身も、委員会の疲れも相まって睡魔が襲ってくる。
汚れた場所をふき取り、そっと布団を掛ける。

やがて数秒も経たない内に、四郎兵衛も寝息を立てた。

闇雲に隠れた朧月が、心地の良い風と共に優しく照らし出す。
荒ぶる戦乱の時代故に、平和は何時来るのだろうか。
時代が違えば、二人はまた違っていたのだろうか?
儚くも柔らかな月光は、何を想うのだろうか――。

幼い二人は、そんな事は知る事も無い。
例え遠く遠く離れたとしても、想いは変わらないだろう。
宵に包まれて寝ている二人は、互いに手を繋いでいた。


宵の恋は、まだ終わらない――。



199:しろべの人
08/07/05 16:14:44 Q2G+LiFg
何か微妙に四郎兵衛が黒く見える…。
取り敢えず二人の初体験はおわりますた。次回予定してるのは食満との房術試験。
3Pでもやっちまおうかと。

拙い文章ですが、此処まで読んで下さった皆さんに感謝です!


200:ひみつの転校生 後日段4
08/07/05 16:16:55 2zQTXSzN
リアタイで読めたこの幸せ…激しくGJ!!!
感動エロに目覚めそうだw
ありがとうしろべの人!ありがとうしろべの人!
大事な事なので2回言いました。

201:転校生の人
08/07/05 16:18:51 2zQTXSzN
名前ミスってスマソ
3Pも期待してるんだぜwww

202:名無しさん@ピンキー
08/07/06 00:50:29 n6Pioa4i
ほほえましい純愛のあと、一気に3Pとはなんというステップアップ!
食満がどう絡んでくるのか楽しみです。

203:名無しさん@ピンキー
08/07/06 20:23:57 mnlCbLwe
しろべの人&転校生の人GJ!
四郎兵衛としおりの初々しいエロ最高!
転校生の描かれなかった桃色の日々も気になる・・・

204:仙蔵×町娘 1/2
08/07/07 01:10:58 zqD/6d91
仙蔵×町娘、投下させて頂きます。



上級生ともなれば、夜中に学園をこっそり抜け出して女の元へ行く生徒がいるのだという。
六年い組の立花仙蔵は、その生徒の一人だった。


時は夜半。生徒は寝静まり、学園内が静寂に包まれる。
仙蔵は私服に着替え、笠を深く被る。自部屋を出て、辺りを伺いながら塀に向かう。
鉤縄を駆使して軽々と塀に登り、音もなく着地すると、町のほうへと駆け出した。

行燈を灯し、独り、町娘はいた。
子供のようなあどけなさが残っている顔つきだが、身体は成熟した女に近く、艶めかしさを漂わせていた。
不意に戸を叩く音がした。こんな夜半に訪ねてくるのは何者か。
注意を払いつつ、戸を開けるとそこには笠を目深く被っている、すらりとした体型の男がいた。
娘ははっとする。なぜならその姿は身に覚えがあったからだ。男は笠を上げ、顔を覗かせる。
「…久しぶりだ」

二人は円座に座り、他愛もない会話をし始める。
娘はよく笑話を求めてきて、仙蔵にとってはくだらない話でも、娘は笑みを浮かべていた。
彼女のその表情を見ると、本当に純粋な町娘なのだと安心する。
「…さて」
仙蔵は茶を飲み干し、湯呑みを床に置いて一言、そう呟いた。
和やかだった場の空気が、一気に変わる。娘の鼓動が昂ぶり始めた。



205:仙蔵×町娘 2/2
08/07/07 01:11:25 zqD/6d91
仙蔵は娘を布団の上にゆっくりと押し倒す。互いの指を絡ませ、唇を重ねる。
とくん、とくん、と娘の跳ね上がる鼓動が、着物越しでもはっきり伝わってくるのがわかった。
娘の口内へ舌を這わせると、娘は甘い吐息を漏らした。
仙蔵は片方の手を離し、娘の二の腕、肩、乳房、腰を伝っていく。
着物の隙間から手を滑り込ませ、太股を舐めるように撫でると娘の身体が緊張する。
そっと顔を離すと、互いの舌からは銀の糸が架かっていた。

仙蔵は娘の着物に手を掛け、帯を緩めると華奢な体が露わになった。
彼に負けず劣らず透き通るような美しい肌、形の良い豊満な乳房、
すっきりと括れた腰、女性特有の曲線を描く尻。それらは行燈に照らされ、妖艶だった。
扇動するような姿に、仙蔵の自身がそそり立つ。そこらの悪漢なら今にも
獣の如く襲いかかるであろう猛りを抑え、理性を保ち、冷静でいる。
仙蔵の頬筋が緩んだ。裸体を露わにされ、頬を紅く染め上げ、目を逸らし、羞恥している姿が愛おしかった。

仙蔵は娘の豊満な乳房を揉みしだく。桃色の突起を指で弄んだり、舌で舐めると
娘は目を細めて甘い喘ぎ声を漏らし、徐々に息は荒げ、身を捩る。
娘の秘部に手を伸ばし、二本の指を這わせると、そこはすでに愛液で漏れていた。
指で突起を擦ったり、膣内を掻き回すと娘の腰がびくりと跳ね上がる。
目を潤ませ、切ない喘ぎ声が溢れる。足はがくがくと震えていた。

娘の秘部が十分に漏れているのを確認すると、娘の脹ら脛に手を掛ける。
軽く持ち上げて腰を浮かせ、足を開かせた。自身を袴から抜き出し、秘部に宛がうとゆっくり沈める。
娘の膣内は自身に纏わり付き、繊細に蠢いている。それは仙蔵を酷く煽るようだった。
気を緩めば、今にも果ててしまいそうな衝動を殺し、体重を掛けて突き上げる。
卑しい水音と甘い喘ぎ声が静寂な室内に響き、女の、蒸れる熱と匂いが立ち込めてゆく。
仙蔵は普段の涼しげな顔にそぐわない、額に汗をうっすらと浮かべていた。
娘は、奥へと突き上げられる度に身体に電流が走り、体を仰け反らす。
快感に溺れたように恍惚の表情を浮かべ、呼吸は乱れ、嬌声を上げている。
仙蔵の着物に縋りつき、求めるように彼の名を呼ぶと、娘は絶頂を迎えた。
膣内が波打った瞬間、仙蔵は限界に達し、精を放つ。娘は膣内が満たされる感覚に酔いしれる。
二人は肩で息をしながら余韻に浸っていた。


「今日は急に訪ねてしまって、すまなかったな」
草鞋を履いて立ち上がると、振り返って娘を見やる。娘は首を横に振り、頬をほんのり赤らめて微笑んだ。
それは悦楽した表情だったが、次第に名残惜しい表情へと変わっていった。
仙蔵は笠を目深く下げ、踵を返した瞬間、娘は問いかけた。即座に振り返る。
一言、娘は短く告げると、仙蔵は穏やかな表情で応答した。

娘は闇の中へと消えてゆく彼の後ろ姿を、いつまでも見つめていた。







以上です。
それでは名無しに戻ります。
どろん

206:名無しさん@ピンキー
08/07/07 02:07:54 yvsosiRu
なんか、エロスというのを超えて、文学っぽいね
耽美GJ!
ご馳走様でした


207:名無しさん@ピンキー
08/07/07 10:32:20 cUoqrVp4
仙蔵のイメージががらりと変わったよ。
さわやか青春エロGJ!

208:名無しさん@ピンキー
08/07/07 18:39:21 y0lDh56L
ぶ、文学~

209:名無しさん@ピンキー
08/07/08 00:04:03 EPbgGaGN
こ、これは文学!
静かなエロもいいなあ。

210:名無しさん@ピンキー
08/07/08 02:30:31 B+pxaYG1
閑かで美しい…!

ところで、性に疎い&性格はともかく見目麗しい&体つきが整ってきてる割に、声変わりや精通がまだ(妊娠の心配なし)…のトリプルコンボから、くノ一達に房中術の練習と称した逆レイプを受けまくる三木ヱ門が急に読みたくなった。
あまりにも騒ぎ立てるので両腕を拘束&目隠しをされ、「私をユリコだと思えばいいでしょ!」と宥められるも、
事ある事に泣き喚き、時にはしゃくりあげながら「ユリコはそんなこと言わない。」と呟く様はどうみても飛影はそんなこと言わないの腐女子です。本当にありがとうございました。

211:名無しさん@ピンキー
08/07/08 04:34:18 Xe72spr/
>>210
飛影はそんなこと言わない吹いたw懐かしいw
逆レイプするくノ一いいな。
初なゆきに手取り足取り教える積極的なともみを誰か書いてくれ。

212:名無しさん@ピンキー
08/07/10 12:39:01 7wZ00Mrx
ほしゅう

213:名無しさん@ピンキー
08/07/10 12:41:52 MVDMo7oe
>210
そのテンションの高さは、あんた転校生の人か?w
とりあえずもちつけw


今更だけどこへユキ書くって言ってた人、
全裸でまってますんでよろしく!

214:名無しさん@ピンキー
08/07/10 12:44:56 pAHfyZtx
URLリンク(www.guruguru.net)
エロ漫画一冊100円送料無料です。
処分したいんです。一刻も早く手放したくて・・・
多分これだけデタラメな取引ないですよ。
欲しい方に二束三文で渡したいのです。
山に置いて来るのも、燃やすのも忍びないので・・・
北海道の地方から元払いで送ります。
送料もコッチ持ちです。

215:名無しさん@ピンキー
08/07/10 15:25:25 lqKtjmZx
あちぃ~

216:与四郎なおみ書いた人
08/07/10 23:54:38 mdQ2gaFA
ひぃ・・・!
しばらくもぐっている間に色々終結してたんだね

秘密の人、あんなもんでも拾ってくれてありがとう!!
神奈川弁が難しくて放置してたのに・・・
本当にありがとう!!!!


217:名無しさん@ピンキー
08/07/11 21:32:39 QmA6Eggh
昔某時代物漫画を読んで以来、髪結いといえば髪を結うついでにセクロスして情報を盗む密偵役というイメージがある
タカ丸も将来忍者になったらやんごとなき身分の奥方の若いツバメとしてそういう仕事をするんだろうか
「奥様の髪は僕が今まで見た中で一等綺麗です」
「まあ、上手ね。でも最近旦那が忙しくなってて手入れが行き届かないわ」
「と、いうと」
「ここだけの話ね、近いうちに戦が起こるかもしれないのよ」
「へえ。そりゃこわいなぁ」
みたいな…

218:転校生の人
08/07/11 22:57:43 mk6zwMkU
>>213
違うぞwテンション高けりゃ自分ってどういう事だw

>>216
お礼を言いたいのはこちらの方だ!何度読んでもいいな与四郎なおみw
ただ言いにくいのだが、神奈川弁がさっぱりわからなかった…w

219:名無しさん@ピンキー
08/07/11 23:21:46 szwhdSWT
>>217
違和感なさすぎるタカ○www

220:名無しさん@ピンキー
08/07/12 00:11:56 U/KNR6Ld
>>217
まさに能あるタカは爪を隠す

221:名無しさん@ピンキー
08/07/12 02:07:46 OgyzJOnO
15歳メンバーだと誰が一番デカいんだろうか。
もちろん股間的な意味でだぞ。身長じゃないぞ。

自分は、ろ組はデカそうな予感がするんだ。タカ丸も…頭からして…


一年は組のフリチンがあるんだから六年があってもいいとおもうんだ。




222:名無しさん@ピンキー
08/07/12 04:21:34 9A0aM4yu
>>221
六年のフリチンなんか確実に放映できないw
BPOに苦情が殺到ww

223:名無しさん@ピンキー
08/07/12 05:52:30 U/KNR6Ld
>>221
長次、小平太、文次郎あたりだろか
保健委員という特性で伊作とか

1年のだって今はもう無理だろう

頭とムスコって比例するの?


224:名無しさん@ピンキー
08/07/12 06:06:19 V+kACEMU
文次郎は案外粗チンぽい

225:名無しさん@ピンキー
08/07/12 08:05:45 Lj+rMbkm
====●


あ。>>224の方角に向かって砲弾が…!
逃げてー!もしくは男一本で粉砕してー!

226:名無しさん@ピンキー
08/07/12 10:14:51 dIg4Q55c
おまいら大木先生のどこんじょう棒を忘れてはいけないよ

227:名無しさん@ピンキー
08/07/12 15:56:58 07DlpQbj
文次郎はサイズは普通で黒くて硬そう
長次は巨チン

228:名無しさん@ピンキー
08/07/12 18:16:16 fwoEBDNU
女子の皆さん、そろそろやめようぜ

229:名無しさん@ピンキー
08/07/12 18:40:00 Lj+rMbkm
再びカキコすまん。

>>221
昔のマガジンの漫画みたいだが、風呂場でブツ比べとかやりそうではあるな。

発端が食満VS文次郎辺りで、鼻で笑う仙蔵がとばっちり受けて、
七松と伊作が面白そうだと話に乗って、遅れて風呂に来た長次に全員顔を引きつらせ、
最後に何も知らず入ってきたタカ丸に皆涙目。

『男は大きさじゃないよな』と6年各自心に言い聞かせつつも、
しばらく無意識の内にタカ丸に敬語を使っていたという。


……って電波が届いた気がするので書いてみた。反省はしている。
ちょっと男一本で崖崩してくるわ。ノシ

230:名無しさん@ピンキー
08/07/13 12:40:28 733DZ5oJ
>>229
前のレスでたしなめられてるのも見えないの?
男キャラしか関係しないシモ話は
誤解を招かないためにも数字でやろうよ

231:名無しさん@ピンキー
08/07/13 18:00:26 4duW3v4h
↓マターリと。

232:名無しさん@ピンキー
08/07/13 19:04:59 uHcVSjQp
職忍さんまだかなー
wktkがとまらない

233:つまみに竹高様でもどうぞ
08/07/13 23:06:34 zVulvVRQ
「ほれ、どうした?先ほどの鶴の声ももう出ないか。」
「あ、アァ、ハァッ、アゥッ。」
 寝所の布団の上で、女は生まれた姿のまま足を開いていた。
 ドクタケ城城主木野小次郎竹高は、その間に身体を収め、こちらは寝間着を着たままで、女の秘所に指戯を施している。
 指で遊んで、かれこれもう十分以上だろうか?濡れそぼり、艶やかに開花した華は今か今かとその時を待ち蜜を零す。
「殿……お願いです、早く……ぅ……。」
 まろやかな尻を揺すり、女は懇願するが、この男は首を縦に振らなかった。
「まだ、じゃ。わしはこう、女が本当に腰抜けになるまでするのが好みでな。」
 ずぷぅっ、と中指が奥まで入り込む。三本の指を先ほどまでしゃぶっていたそこは、そんなものなど容易く飲み込むことが出来た。
「アッ……もう、指だけでは……ァア……ッ。」
 中指がきゅん、と子壷の入り口を撫ぜる。筆で舐められた衝撃が走り、女の腰がひどくはねた。
「しょうがないのう……。」
 竹高の声を聞き、女は息を吐いた。これで、これでようやく。
 しかしその期待は脆くも崩れ去った。彼は褌を外すこともなく、親指で赤く充血した実を、中指と人差し指で蜜壷を、薬指で後孔を同時に愛撫したのだl
「アァー!!!!」
 三箇所からの激しい快楽に耐え切れず、彼女は声を上げて見事に果てた。

 気絶した女を見下ろしながら、懐紙で指を拭う。月光の下、女のくねる肢体は妙に艶かしい。
「殿。」
 八方斎が障子越しから声をかけてきた。いつもながら大きい頭の影が滑稽である。
「良いくの一だな。肉でわしのものを食いちぎるつもりだったらしい。」
 纏っている空気があまりにも普通の女で、一瞬だまされそうになったが、中の感触は普通の女と違い、まるで岩を撫でている様に硬かった。
「いかが致しましょう。」
「地下の牢でたっぷりと遊んでやれ。解れた頃に、わしが遊ぶとしよう。」
「わかりました……。」
 竹高が寝所を出た後、後ろの部屋が騒がしくなる。
 さて、あの女どれくらいでものになるか。と、彼は一人静かに日数を数えていた。

 終わり

 おつまみ代わりにどうぞ。そういや来週から竹高さんでるっすね。

234:名無しさん@ピンキー
08/07/14 00:51:52 TlIfkGEF
GJ!!
まさかの竹高様に興奮が治まらないよ!!
つまみ以上のものをありがとう。

235:名無しさん@ピンキー
08/07/14 01:09:52 RAyhEquz
あれ?殿と八宝菜がかっこよく見えるよ?
GJ!落乱の一応悪役の面目躍如だな!

236:乱×ユキ 1
08/07/14 23:33:19 Y7A271u4
ドクタケぇ…!伊達に殿様じゃないな竹高様。
ありがとうおいしくい頂いた!

自分も書けたのでちょいと投下。
流血、死ネタ的な雰囲気注意。


ガタガタと風で納屋の戸が鳴る。
深々と積もる雪は音をそっとくるんで無に還す。

「ねぇ…。しっかりしてよ乱太郎…。」
乱太郎の服の裾を握るユキの手が、寒さと心でガタガタと震える。
納屋の戸の音は、実は震えるユキから出ている音ではないか、と乱太郎は朧気に思った。
白い息が浮かんでは消え、体温が徐々に奪われていく。
「乱太郎、大丈夫よね?こんな傷平気よね?」


あぁユキちゃんが泣いてる。


「あたしが手当てしてあげたのよ?治んなかったら承知…しないんだ…からぁ…。」


息も凍てつく寒さなのにユキちゃんの涙はどうして暖かいの?


刺された胸とは別の場所がズキンと痛む。
忍び込んだ城に、たまたま女中に化けていたユキがいた事が嬉しかったのだろうか。油断をした。
卒業をしてから、城の内定をなんとかもらって三流ながらも忍び仕事を頑張っていた。
一足先に学園を卒業したユキは、家業をしながらフリーのくノ一をやっている、という事は乱太郎も耳にしていた。
いじわるをされたあの日から、乱太郎にとって特別な存在だった彼女。
なにも告げられぬまま離れてしまっていたのに、こんなかたちで出会えるなど誰が予想したであろうか。

なのに、乱太郎の視界は霞んでいく一方であった。
虫の息。今の自分にぴったりのあだ名を思いついて少し笑う。
体温を奪われて白くなっていく顔に対し、胸に巻かれた白い包帯は赤く染まっていく。
「だめ、ダメ、乱太郎、駄目よ。」
必死に止血をしようと傷口付近に手をやると、青白くなった手が赤く染まる。
「止まってよ。止まってよ。止まってよ…。」
乱太郎の血以上にユキの涙が溢れて止まらない。

237:乱×ユキ 2
08/07/14 23:34:10 Y7A271u4
「…最期だよ。」
白い息の向こう、乱太郎が笑う。
「バカ!何で諦めるのよ!」
「ユキちゃんたら大きな声出しちゃダメじゃないか。誰かに見つかったらユキちゃんが危ないよ…。」
「…どうして人の心配ばっか…。昔からそうよ。アンタ人の心配ばっかして自分は二の次三の次…で…っ、」
目を開けていられないほど涙がどんどん溢れて乱太郎の服や体に染み込む。
涙の暖かさと感触が、何故か懐かしく心地よく感じた。
「ユキちゃん…。私、やっぱダメた。最期にユキちゃんに会えて…よかった。」
「バカな事言わないでよ!これから助かって一緒に帰って、一緒に暮らしてずーっとずーっと死ぬまで一緒にいるの!」
乱太郎は霞む目を見開いた。必死に焦点をあわせてユキの顔をはっきりと見ようとする。
少しだけはっきりと見えた彼女の顔は本気だった。
「ありがと…。嬉しい。」
にこりと微笑んでみせると、ユキは安心したのか、いつもの様な笑顔になった。
「やっぱ、ユキちゃんは笑顔がかわいい。」
震える手をゆっくりとユキの頬に持って行くと、ユキはその手を取り、頬に当てた。

つめたい。

ヒヤリではなく、血の気がない冷たさ。
また乱太郎の視界がぼやけて白む。
胸が苦しくて大きく息も出来なくて苦しい。


わたしはここでおわるよ


一度大きく息を吸ってみた。
傷口がプチプチと音をたてて開き、大量の血が溢れた。
「…やっぱだめか。」
「え?」
「…ううん。おなかすいたなって。」
「バカ…っ。」
多分今ユキが笑ったのだろう。もう見えない。


「ねえゆきちゃん。」
「なに?乱太郎。」
「抱いていい?」
「…え?」
頬に当たる手に、暖かさを感じた気がした。
「何言ってんのよ!こんな時に…。」
「だって、ここからかえったらわたしたち夫婦になるんだよね?じゃあいいよね?」
乱太郎の瞳の奥にユキは乱太郎の想いを見た。

もう無理、だと。

「……わかった。」
溢れそうな涙をぐっと堪えて頷いたユキは必死に笑顔を作る。

238:乱×ユキ 3
08/07/14 23:35:31 Y7A271u4
「ん…っ。」
絡まる舌はまるで別の生き物のようにぬるぬると動く。
なんとなく喜三太を思い出す。
音を立てて吸ったり、貪るようでいてただ触れるだけの口付けをしたりと、お互いを求めて止まない。
ユキが乱太郎の腰紐に手をかけてゆっくりと解いた。
褌を緩め、横から性器を出す。
手でゆっくりと愛撫すると、硬く大きくなっていった。
冷たい手と違い、熱く熱を持った乱太郎の性器はユキの体も熱くさせる。
「立派だね…、乱太郎の。」
乱太郎はユキの一言で嬉しそうに笑った。
どんな形であれ、ユキに立派だと言ってもらえた嬉しさは神様からのご褒美だろうか。また、目が霞む。
笑ったような声が聞こえ、ユキは乱太郎を見た。
ユキの後ろ、ずっとずっと向こうを見ている。
目が合っているのに乱太郎はユキが見えていないようだった。

下に流れる血。

乱太郎の視線。

体の冷たさ。

ぽろりとユキの目から涙がこぼれた。
ぽろり、ぽろり。乱太郎の血に混じって分からなくなる。
「乱太郎。いれるね?」
うん、と聞こえた声は昔の乱太郎の声。頭の中から聞こえた。
「あたしね、乱太郎の為に大事にとっておいたの。」仕事を失敗してでも死守してきた処女。
まわりがどんどん女になっていく中、一人守りぬいてきた。

乱太郎の上にまたがり、ゆっくりと腰を下ろした。
たっぷりと濡れてはいたが、自身の一部を失う行為は愛液でまかないきれるものではない。
力を込めれば込めるほど膜が悲鳴をあげる。
ぬるぬると亀頭を焦らすように滑るユキの肉は乱太郎をますます興奮させた。

今すぐ欲しい。

体が動かない。

気持ちいいよ、と言ってあげたい。

どれも叶わない。

239:乱×ユキ 4
08/07/14 23:37:26 Y7A271u4
今すぐ欲しい。

体が動かない。

気持ちいいよ、と言ってあげたい。

どれも叶わない。

ユキは痛さを堪えて、全身の力をかけて入れた。
くぅ、と痛さに声が漏れる。
ユキの痛さとは対象的に乱太郎の性器はぎゅうっと心地よい圧迫感が走った。
腹と尻の肉が当たり、全て入ったのだ、と実感させた。
苦悶の声をあげてユキが少し腰を上げると、二人の間から血が溢れた。ユキの純潔であった証。
乱太郎の腹を伝い、乱太郎の血と交じりあってその血はただの血と化す。
小刻みに震えながらゆっくり、ゆっくりと腰を上下すると水音が狭い小屋に響く。
より一層白い息を吐いたユキの息はいかほどの熱を帯びているのだろう。
「乱太ろ…、きもち…い?」
「い…たく…ない?」
腹の底から捻り出した声はユキを気遣う言葉。
「なんでよ…。本当に人の心配ばっか…。」

だからあんたの事が好きなのよ。

ユキは乱太郎の手をとり、繋がった部分へとあてがった。
「分かる?一つになってるんだよ?」
血塗れのお互いの手が、血で濡れた結合部分に触れる。乱太郎の指先が返答の代わりにピクリと動いた。
目は更に遠くを見つめていた。天井を見上げて白い息を吐くだけ。
感じているか否かはもはやどうでもよかった。
もっとお互いを求め合っていたい。
もっとお互いを知りたい。もっともっと。

老いるまで。

「ら、んたろ…っ、あ…っ!」
ユキの腰の動きが早くなる。
「乱太郎…っ、乱太郎…っ!」
大きく痙攣したかと思うと、乱太郎に向かってパタリと倒れこんだ。
雪の深々と降る夜だというのにユキの体は真夏のように火照り、顔は紅葉を散らしたようだった。
息荒く乱太郎に縋るように抱きつく。
そっと体をずらすとつなぎ止めていた部分が離れて血混じりの白濁色の体液が溢れ流れた。
余韻にひたるユキの体がひくひくと小さく痙攣する。

「乱た…」
呼びかけた名を止めた。
身を起こして乱太郎の顔に、胸に。手を当ててぐっと目を閉じた。

力の入らない足で立ち上がり、身を整えた。
戸に手をかけると彼の体より温かく感じた気がした。
戸を開けると相変らず雪は深々と降り続けていた。

ユキは乱太郎を振り返り、そっと呟いた。


「愛してる。」


お粗末様でした。

240:名無しさん@ピンキー
08/07/14 23:39:03 Y7A271u4
今すぐ欲しい。

>体が動かない。

気持ちいいよ、と言ってあげたい。

どれも叶わない。

間違えてかぶった…。誠に申し訳ない。

241:名無しさん@ピンキー
08/07/15 04:17:44 WOU5Bphs
な ん と い う 情 景 美

乙!!

242:名無しさん@ピンキー
08/07/15 16:09:24 +rDBLSJa
GJ!
なんか泣けてきた…

でも死にネタには注意書きつけた方がよかったんじゃないだろうか…

243:名無しさん@ピンキー
08/07/15 18:07:17 3b9FQczN
>>242

つ>流血、死ネタ的な雰囲気注意

244:ふぶ鬼×山ぶ鬼1/5
08/07/17 22:11:16 TzjniqSE
>>236->>239
全私が泣いた…!
乱ユキ好きだから、この後奇跡が起こったことを祈ってるよ!


ふぶ鬼×山ぶ鬼 成長パロ
やや悲恋ぽいです



近頃のふぶ鬼は変わった。
あんなにも父親思いだったのに、親父のようにはなりたくないというのが口癖になり、
気弱だったのが嘘のように進んで危険な忍務につきたがるようになった。
彼の表情からは、思春期の少年にありがちながむしゃらさというよりも、
むしろ何かに焦っているような様子が見え隠れしていた。
「ふぶ鬼、いつも熱心だね。さすがはドクタケ忍軍期待の若手」
無心に手裏剣を投げるふぶ鬼の背後で、明るい少女の声がした。
振り返らなくても誰かは分かる。山ぶ鬼だ。
「…厭味のつもりかよ」

幼かった頃、世間の評判がどうであれ彼らにとってドクタケは絶対の正義だった。
いつまでも四人で一緒に、「ドクタケのために」戦うのだと無邪気に信じていた。
だがいつの間にか、固く繋いだはずの手は離れ、白漆喰の美しい城壁も以前のように輝いては見えなくなってしまっていた。
山ぶ鬼はある時を境に黒戸カゲについて別に修行をすることが増え、
しぶ鬼は父親と共に他の城へ移ることを考えているらしい。
いぶ鬼もふぶ鬼ほどドクタケに入れこんでいる様子はなく、なんとなく距離が広がったようだ。
数年前まで、確かに評判が悪くはあったが強大で、畿内の奸雄と呼ばれたドクタケ城も、今はかつてほどの勢いはない。
ふぶ鬼の姿は、たった一本でぐらつく巨木を支えようとする細い支柱のようだった。
「嫌ねえひねくれちゃって。これ、お腹空いてるかと思って持ってきたの」
山ぶ鬼はほんのりと温かい小さな風呂敷包みを差し出した。
中には、竹の皮に包んだ握り飯が入っていた。
たねは小魚の佃煮で、山菜の塩漬が添えてある。
以前はわざとふぶ鬼の嫌いな梅干しを入れる悪戯をされたこともあるが、今はそんなことはない。
尤もふぶ鬼の方も、今は何を出されても顔色を変えずに食べることが出来る。
お互い大人になったということだ。
食事の前には手を洗いなさい。昔言いつけられたことを忠実に守るように、ふぶ鬼は竹筒を傾けて手に水をかけ、手拭いでぬぐった。
とはいえ、すでに汗まみれのそれで拭いたのでは、手を洗った意味もあるものかどうか分からなかったが。
口元に近付けた手からは、まだかすかに鉄の臭いがする。
黙々と握り飯を頬張るふぶ鬼を、山ぶ鬼は穏やかな表情で見つめていた。
「…何だよ」
「ふぶ鬼は、変わったね」
ぽつりと呟くと、神経質そうな細面が眉をひそめる。
指についた米粒を舌先で舐めとって、彼は言い返した。
「お前こそ」
言い返しながら、ドクタケの力が衰えたとはいえ、こうして一介の雇われ平忍者の子に過ぎない自分でさえ
こうして白米を好きなだけ口に出来るのだから、まだ今のところは大丈夫だろうなどと楽観的なことを思った。
山ぶきは背中の中ほどにまで伸びた髪を思わせぶりにかき上げて、大袈裟にしなを作るふりをした。
「そりゃあそうよ。あたしはくノ一だもん」

245:ふぶ鬼×山ぶ鬼2/5
08/07/17 22:11:44 TzjniqSE
その瞬間、心臓が大きく跳ねたことに気がついて、ふぶ鬼は色眼鏡の下で目をそらした。
大きくなるにつれて感じる回数が増えた、これといった理由のない気づまりな沈黙が流れる。
以前なら、何を言っても言われても、丁々発止の言葉の投げ合いが止まることなどなかったし、
たとえ会話が途切れたとしても、少しの居心地の悪さも感じなかったのに。
何かを言わなければ、重い無言に飲みこまれてしまいそうな気がして、
ふぶ鬼が何を言えばよいのか思いつかないままともかく口を開きかけた瞬間。
山ぶ鬼は唐突に彼の手をとって、自分の胸に触れさせた。
「や、山ぶ鬼!?」
「全部、昔とは違うの。体だって」
「…そのつもりで来たのか」
「そうよ。いけない?」
山ぶ鬼は、ふぶ鬼が見たことのない顔をしていた。
裏返りそうな声を必死に抑える。
「なんで、今頃急に…。その手の修行がしたいなら、しぶ鬼かいぶ鬼に頼めよ」
「嫌。あたしはふぶ鬼がいいの」
そう言う彼女の顔には、何か鬼気迫るものが宿ってるようだった。
気圧されたふぶ鬼の膝の間に強引にわりこんで、彼女は彼の唇の端をつうっと舐めた。
尻がもぞつくような、不可解な高揚感が身震いになって全身を走った。
「ご飯粒、ついてるよ」
彼女の声が、水中で聞く音のようにぼんやりと響き、拡散していった。

気がつくと彼は山ぶ鬼の着物の襟を広げ、白々とした膨らみを見下ろしていた。
じれったそうに体を揺すって、彼女は肩に残った着物を自ら脱ぎ落とした。
ちょうど一番美しく輝く年頃に差しかかったばかりの少女の肌は、練り絹のような滑らかさだった。
いくぶんぽっちゃりとした体はしかし、以前のようなころころした子供の太り方
──ドクタケ忍術教室講師の魔界之は、かつて「姫だるまみたいで可愛いねえ」
などと言って、数日間彼女に口をきいてもらえなかった──とは違う。
腰にはくびれがあって、尻はまん丸く持ち上がっている。
ほとんど毎日見ていたはずなのに、いや、それゆえに気付かなかったのだろうか。
いつの間にか、彼女の体はすっかり「女」になっていた。
ほんの何年か前まで、一緒になって裸で水浴びをしていたぺたんこの胸も
どこが腹でどこが腰だか分からない寸胴も、もうどこにもなかった。
山ぶ鬼が、髪にかざっていた笄をすう、と引き抜いた。
四年生の時、始めての忍務で貰った報酬でふぶ鬼が贈ったものだった。
「任地に向かう往路の弁当を作ってくれた礼に」と理由をつけたが本当は違う。
もしこの先の忍務で自分が命を落とすことがあっても、何らかの形で彼女の側にいたかったのだ。

ふぶ鬼は、山ぶ鬼を好いていた。
多分、山ぶ鬼も。
けれど、あまりにも長く男女としてではなく同志として共にいすぎたせいで、
想いを告げる機会を失ってしまって、互いに一言たりともはっきりと口に出すことはなかった。
ただ、ふぶ鬼が目に見えて変わり、いぶ鬼やしぶ鬼とさえ疎遠になってからも、
山ぶ鬼だけは何かにつけてふぶ鬼を気遣い、時に寄り添ってくれた。
ふぶ鬼にとっては、今はそれで十分だった。
今の今まではそう思っていた。
だが、性に目覚めて間もない若い体は、本当はもっと深く山ぶ鬼を欲していたようだった。
彼の陰茎は、すでに彼女の中に入ることへの期待で、きりきりと充血していた。
山ぶ鬼の解いた髪が肌の上にさらさらと落ちて、白地に濃い茶の揺れる縞模様を描いた。

246:ふぶ鬼×山ぶ鬼3/5
08/07/17 22:12:07 TzjniqSE
「あたしだけ裸にするなんてずるいよ。ふぶ鬼も脱いで」
彼女はふぶ鬼の着物を母親のような手つきで脱がせると、彼の体についた傷を労るように指でなぞった。
腹筋を過ぎ臍の脇を通り、緩やかに湾曲しながら勃ち上がった性器に触れる。
ふわっと包み込んだ手が、その弾力を確かめるように時折わずかな強弱をつけて上下し始めた。
好きな相手だから快感が増幅しているのか、彼女の技の巧みさによるのか分からないが、
彼女の手が動くたびに脈動の大きさが増し、甘い痺れが背筋を走り抜けた。
自慰とは比べものにならない気持ちよさだった。
落ちてくる髪を時折指で耳にひっかけ、山ぶ鬼はふぶ鬼の勃起を
いとおしげに注視しながら奇跡のような指遣いで愛撫を続ける。
腕の動きに合わせてぷるぷると小さく揺れる乳房が、誘っているようだ。
「…触っても、いい?」
震える声で確かめると、山ぶ鬼はこくんと頷いた。
大きすぎず小さすぎず、ちょうど手の平に収まる乳房を持ち上げて優しく揉み、口をつけてみる。
それは羽二重のように柔らかで、強く触れたら壊れてしまいそうに思えた。
薄い茶褐色のぷっくりした半円に、試しに少しだけ歯を立てると、山ぶ鬼は嬌声をあげ、胴体を捻転させた。
「あっ、ぁんん…」
痛痒いようなくすぐったいような刺激によって下肢の間に生まれた
切ない疼きが、か細い悲鳴まじりの吐息になって杏色の唇から漏れる。
ふぶ鬼は彼女の持ちあがった腰の裏を撫でさすり、すべすべの乳房に頬ずりし、
小さな果実のような乳首をますます夢中になって舌先で転がしつついて吸い上げた。
「駄目だよお…あたし、そこ弱…っ」
頬を紅潮させた彼女の表情を見、声を聞いているだけで、ふぶ鬼の先端からはじわじわと先走りが漏れてくる。
頭の中身が残らず溶け出てしまいそうな感覚。
だかその片隅で、経験豊富であろうくノ一の彼女が、色事に関しては素人同然の自分の
拙い愛撫で本当に感じているのだろうか、という疑問も拭いきることが出来なかった。
胡乱げその視線に気づいたのか、山ぶ鬼は少し哀しそうに眉を寄せ、彼の顔を両手で包みこんだ。
「ふぶ鬼、あたしのこと疑ってる?あたし、嘘なんてついてない。
これは演技なんかじゃないよ。ふぶ鬼に触ってもらえて本当に気持ちいいの…」
そう言って彼女は大きく足を開き、ふぶ鬼に全てをさらけ出した。
緩やかに盛り上がった丘があり、薄く黒い和毛の下の彼女の最も女らしい部分は、その言葉通りふぶ鬼を待ちわびて潤みきっていた。
一際鮮やかに色づいた割れ目の上の花芯を指先でごく軽くこすると、白い裸体がびくびくと悶え、
こぼれた愛液がその下のもう一つの穴まで垂れて、それ自体が濡れそぼっているかのように見せた。
「もう、いいよ…きて、ふぶ鬼」
大胆な催促に誘われるまま、濡れた花びらをかき分けて先端を当てると、
くちゅ、とかすかな音をたてて肉の扉がすんなりと割り開かれて──そして、驚くほど強く締めつけてくる。
だが、不思議と痛くはなく、その温かい圧力は甘美ですらあった。
「はぁっ…は、山ぶ鬼…」
「ああ…ふぶ鬼の…全部ここに入ってるよ」
彼女は臍の下を手の平でくるくると撫で、うっとりしたように言った。
「初めて…」
「え?」
「"初めて"なの、好きな人とこうするの」
「山ぶ鬼…」
山ぶ鬼のくりくりとした目には、光るものが浮かんでいるように見えた。
当然のことと言うべきか、彼女は生娘ではなかった。
破瓜の相手や時期など知りたくもなかった。
ドクタケに尽くすくノ一になるため心ならずも失ったものを取り戻すように、彼女は何度もこれが初めて、と呟く。
「あたしの初めて、ふぶ鬼にあげる」
ふぶ鬼は黙って、彼女の体を強く抱きしめた。

247:ふぶ鬼×山ぶ鬼4/5
08/07/17 22:12:55 TzjniqSE
どれくらい、そうしてじっとしていただろう。
「ふぶ鬼、」
ふいに名前を呼ばれた。
白い指が、色眼鏡のつるにかかる。
軽く首を振って拒もうとしたが、
「お願い。ふぶ鬼の顔、ちゃんと見せて」
どうしてもと上目遣いで懇願されて、結局山ぶ鬼の好きにさせた。
きっとこれが、最初で最後だから。
ふぶ鬼に見えないところで、彼女の唇がそう動いた。

ふぶ鬼は軽く腰を回すようにしながら、ゆっくりめに突き上げ、半ばほどまで引き抜く動きを繰り返す。
膣内は柔らかく、それでいてざらざらとした絶妙な刺激を与えてくる膣内は、
一生このまま捕えられたままになってもいいと思えるほど居心地が良い。
「っあー…ぁく、はぁ…っんん!もっとぉ…奥、ちょうだいっ」
軽く首を振り聴覚から男を蕩かすような声をあげながら、山ぶ鬼は彼の抽送に応えてぎゅうぎゅうに絡みついてくる。
受け口気味の口元から、食いしばった歯をのぞかせて、ふぶ鬼もまた押し殺した声を漏らした。
「ふぅ…う、あぁ……」
恋い慕い続けてきた相手の最奥の抱擁をもっと感じていたい。
何度も何度も小刻みに出し入れしながら山ぶ鬼を見下ろすその目には、
限りない優しさとぎらぎらとした雄の光とが同時に宿っていた。
繋がった部分から互いの体内に温かい波がじんわりと広がり、末端まで染み渡る。
ふぶ鬼の体から山ぶ鬼のもっちりとした肌に落ちた汗が彼女のそれと混ざり、新しい一つの粒になって流れていった。
結合部からは、くちくちと湿った音が絶え間なく聞こえている。
「くふ…っぁ、あ…山ぶ鬼ぃ、気持ちいいよ…っ」
「あっ、あっ、…たしも…ふぶ、鬼…嬉し…」
隙間なくぴったりと肌を密着させると、互いに味わっている快感が共鳴しあい、二乗されて返ってくるようだ。
太古の昔から連綿と続いてきた営みの原始的な至福に酔いしれているうち、
いよいよ欲の奔流がせり上がってくるのをふぶ鬼は感じた。
「うあ、で…あぁっ…!」
掠れた声をあげながら、どうにか欠片だけ残っていた理性を総動員して、
彼は咄嗟に性器を山ぶ鬼の膣内から引き抜き、彼女の腹の上に射精した。
「ぁは、あったかい…」
とろりと垂れた白濁を見て、山ぶ鬼はほうっと息を吐いた。

248:ふぶ鬼×山ぶ鬼5/5
08/07/17 22:17:09 TzjniqSE
「ふぶ鬼、」
「ん?」
「あたしね、卒業したらお嫁にいくんだ」
「え……!?
まだ心地よい気だるさに浸っていたい体を起こして衣服を整えた矢先、唐突に告げられた言葉に、ふぶ鬼は絶句した。
ドクタケ初の優秀な若いくノ一は、かねてからドクタケ城主である木野小次郎竹高の遠縁に嫁ぐことが決まっていた。
口をぽかんと半開きにしたまま呆然としている彼に、山ぶ鬼は寂しげな笑みを向けた。
ふっくらした頬にえくぼが出来る。
「だけど、たとえ離ればなれになっても、"一緒に"ドクタケのために戦うのは変わらないから。
あたしはいつまでもずっと…ずっと、ふぶ鬼のこと……」
いつか交わしたように小指を絡め、山ぶ鬼は一粒だけ涙をこぼした。
ひょっとすると、それさえもふぶ鬼の見間違いだったのかもしれない。
彼女はすぐに何事もなかったような表情を作り直すと、
すくっと立ち上がり背中を向けて、抑揚のない声で言った。
「ふぶ鬼。あたし、ふぶ鬼のお嫁さんになりたかったよ」
「山ぶ鬼!」
山ぶ鬼は振り返らなかった。
なだらかな両肩の後姿が、水の上を滑るようにするすると遠ざかってゆく。
後を追おうとして、ふぶ鬼はふと、足元に彼女がよく身に着けていた気に入りの組紐が落ちていることに気がついた。
彼女の名前と同じ鮮やかな山吹色に、雪のような白糸が織り込まれたそれを
拾い上げてみると、滲んだ墨文字の羅列を認めることが出来た。

我が形見 見つつ偲はせ 新玉の 年の緒長く 我れも偲はむ

ふぶ鬼は息をのんだ。
「山ぶ鬼…!」
もっともっと強くなって、胸を張って自分は一流だと言える忍になれば、
その時こそはっきり彼女に想いを伝えることが出来ると。
ずっと彼女と共に、背中を預け合って戦えると、漠然と信じていた。
けれど、それはもはや永久にかなわない夢になってしまったのだ。
ただ一度の消えない記憶を残して、彼女は消える。
同じ心を抱いてそこにいることは分かっているのに、決して手の届かない場所へ。
彼はその場にがくりと膝をつくと、まだ鮮明にその身に残る愛しい少女の温もりを抱きしめ、声を出さずに泣いた。


-終-

249:244
08/07/17 22:19:12 TzjniqSE
今日の放送でふぶ鬼を見てふと思いたち
一気に書いたので、おかしなところがあったらすみません

250:名無しさん@ピンキー
08/07/18 07:32:59 40rXcLf5
朝から泣いたよ!GJです!!
ふぶ鬼が梅干し嫌いな事や魔界野先生の無神経さとか
さりげにアニメのネタ入れてるのが上手いなー

251:名無しさん@ピンキー
08/07/19 17:08:34 rTMZYxCA
忍者って、泣けるな。

252:名無しさん@ピンキー
08/07/19 19:56:40 DwGedhJ9
GJ!!涙腺がヤバイ超ヤバイ。
もう一回放送見直してこよう…。

253:名無しさん@ピンキー
08/07/20 00:26:22 4ZlqB+6C
やばいやばいやばい
まさかドク玉で来るとは思わなかった
ありがとう!

254:名無しさん@ピンキー
08/07/22 22:18:51 23VcTsi5
今日のアニメ見て過去ログの事務のおばちゃん×小松田を思い出してしまったw

255:委員長は苦労性!1
08/07/22 23:06:30 bFh+Ig4P
夏は夜、こんばんはしろべの人ですノシ
二週間経ったんで房術試験を投下致します。
サブタイトルは「食満留三郎の憂鬱」。相変わらず食満は苦労してます。


じりじりとした太陽の光が肌を焦がす。
滝の様に流れ出る汗を拭う事もせず、少年の横に空を切る音が響いていた。
何時までやっているのだろうか、木陰で休んでいる少年は、級友をただ見守る事しか出来ないでいた。
鍛錬に勤しむのは良いのだが、身体を壊してしまっては元も子もない。

「留三郎、もう休憩にしたらどうだい?」
「…………そう……する……。」

6年は組の食満留三郎は、級友の善法寺伊作にそう呼ばれ、息も絶え絶えに千鳥足で木陰へ向かった。
顔は火を灯した様に紅く染まり、だらだらと汗を流している。
濡れた手拭を渡すと、心底気持ち良さそうに息を吐いた。

「鍛錬も良いけど、今日位休んだら?体力続かなくなるよ?」
「……休みたいのは山々なんだが…、どうしても余計な事が浮かんでくるんだ。」

がっくりと項垂れる食満を見、伊作はやれやれと溜息を吐いた。
事の発端は2週間前に遡る。


夏の宵に行われる、5・6年生とくの一との合同授業「房術」。
去年までは何とも思わなかった自分達だったのだが、今年は違う。
何故なら、2年は組の時友四郎兵衛と恋仲であるしおりの事を考えると、皆気が気でないのだ。
そして運悪く当たってしまったのが、食満留三郎であった。

2年生から6年生まで四郎兵衛としおりの恋を応援していただけあり、この存在をすっかり忘れていた。
忍たまといえど、思春期の少年、人の色恋沙汰にはやはり興味が沸いてしまう年頃だった。
食満がしおりの相手だと知らされたその後、本人曰く全く記憶が無いらしい。

「気付いたら布団に入ってた。」

それもその筈、である。
まず知らされた後、その場で卒倒。気付いたと思ったら、自棄酒を始めて泥酔。
そしてそのまま寝てしまった、と言う事だった。

「…俺本当に酒飲んだのか?」
「…本当だよ、文次郎でさえ心配する有様だったんだから…。」



256:委員長は苦労性!2
08/07/22 23:41:50 bFh+Ig4P
と、まあ自棄酒で、そのまま大暴れした挙句、本人はその事を覚えていない。
沈んだ彼に、酒は一切飲まさないでおこうと決意した15の夜だった。

今でもまだ痣が残っているよ、と伊作は言うが、食満は首を傾げるばかりだ。
確かに自棄酒に走る気持ちも解らないでもない。
事実、小平太と同じ、それ以上に二人の応援をしていた食満だ。
世話焼きで責任感が強い、そして尚且つ苦労性なのだ。

知らされた後の彼は、まるでどこぞのギンギン忍者よろしく鍛錬に励み、昼夜を問わず
それこそ寝る間も惜しんで鍛錬を続けていた。
結果、三日三晩の徹夜で保健室へと強制連行されたのは、言うまでもない。

こってりと油を絞られた為か、今では自省しているようだ。

「はい、水。」
「お、悪いな。」

冷たい水が心地良い。木陰で暫く休んでいると爽涼な風が吹き、髪を撫ぜる。
時は一刻を刻み、本日がその「房術」の授業日なのだ。
以前よりは流石に落ち着いたが、それでもまだ何処か落ち着かない。
授業の一環だと言うのは理屈では解っているのだが、心の内では何処か罪悪感が湧き上がって来てしまう。

忍の世界は非情なる世界。
学園を卒業したら、皆敵となるかも知れない。こんな事でうだうだ悩んでも仕方が無いのだ。
来るべき時が来た、ただそれだけだ。

「四郎兵衛君も、きっと解ってくれると思うよ。」
「…だと良いけどな。」
「話はしたんだろう?」
「一応、な。」

あの夜、四郎兵衛は決まった事だから仕方が無いと言ったが、眸はとても悲しそうだった。
誰が見ても本心は嫌なんだろうと言う事が一目瞭然だ。
当然と言えば当然だろう、彼女が他の男に抱かれると言うのは、まともな神経の人間であれば誰だって嫌だ。

2週間前の夜が明けて四郎兵衛をふと見たら、何処か「一皮剥けた」雰囲気になっていた。
解る者は解るのか、横を通り過ぎた5年生がほくそ笑んでいたのを見かけた。
無論、食満も伊作も顔を見合わせ、頬を思い切り緩ませたのは言うまでもない。
そして上級生全員で、夜中に宴会を開き、後輩達は羨ましがる者、首を傾げる物等様々だった。

「アレは楽しかった。」
「小平太も三郎君も悪乗りしてたね、君も。」
「俺悪乗りなんかした覚えないぞ。」
「マイクもって「リズムに乗るぜ!」だなんて歌った人は何処の誰だっけ?」
「あれは何かが脳裏をよぎったんだよ。」

どうやら宴会はカオスな流れだったらしく、皆一同ここぞとばかりにはじけまくったらしく
何人か二日酔いで潰れてしまったとの報告が来た。

時刻は正午、夜まであと数時間。
溜息を吐いた食満は、これまでとは違った顔を見せた。
それは決意の表れであり、伊作はそっと心で応援を送った。

しかしその後、予想外の報告を聞かされる事となり、決意が揺らぐのは数時間後の事である。




257:名無しさん@ピンキー
08/07/23 10:47:32 MrXe5MCb
乙。
続き楽しみにしてます。

258:名無しさん@ピンキー
08/07/25 00:04:49 8sYTQa+5
この六年生あったけぇ……!
GJ!いつもながらよかった

259:名無しさん@ピンキー
08/07/25 00:41:56 vzPUkbbH
しろべの人乙です!
今から展開が楽しみ…!

ってか、リズムにのるぜってw

260:名無しさん@ピンキー
08/07/25 22:04:03 SwfkrYM/
しろべの人待ってたー!乙です!!

261:委員長は苦労性!3
08/07/29 23:23:50 5iy5zIrG
突っ込んでくれて有難うwwww

続き投下


文月の空は高く、眩い太陽の光が降り注ぐ。
長屋を吹き抜ける風は心地よく、走る生徒達の髪を撫ぜた。
何処かで、風が気持ち良いね、とあどけない声が響く。

つい五年前までは、自分達もああだったものだと、食満はその様子に目を細めている。
気分はすっかり卒業生なのか、食満の様子に伊作は苦笑を漏らす。

「まだ僕らは卒業してないよ。」
「知ってるっての。でも懐かしいよ、あいつら見てると。」
「まだ1年あるよ。」
「…だな。」

何時かは巣立つこの学び舎を、二人、否六人は悔いの残らぬ様に過ごそうと決めた。
色々とあったし、1年は組達が来てからは更にゴタゴタに巻き込まれた。
だがそれも悪くない、寧ろ楽しんでいる自分たちが居た。
それは六人とも同じな様で、何だかんだと培ってきた絆があるのだ。

食堂に着くと、何時ものようにおばちゃんから声が掛けられる。
他愛も無い談笑だが、この一秒こそが掛け替えの無い日々なのだ。
カウンターをからメニューを頼み、暫くするとおばちゃんから手渡される。

「はい、たんとお食べ!食満君も善法寺君も、お残しは許しまへんでえ!」
「解ってますよおばちゃん!」

お盆を受け取ると、如何にも食欲を誘う香りが鼻から全身に広がる。
その匂いに耐えられなくなったのか、食満の腹から元気な雷鳴が響いた。
隣に居た伊作は、きょとん、と目を数回瞬かせた直後、食堂に笑いが響いた。
それはおばちゃんにも聞こえた様で、二人揃って腹を抱えながら笑っている。

「ちょ…、笑わないで下さいよおばちゃん!伊作も何時までも笑ってんじゃねぇ!」
「痛っ!あはは、ごめんごめん!」
「それだけ元気なら、お残しも無いわねえ。」

笑い続ける伊作の頭を小突き、すたすたとテーブルの方へ持って行くと、
半ばやけくそ気味で、頂きます!と叫び、忙しなく箸を進めている。
笑われた事が恥ずかしかったのか、厚さの所為なのか、顔が真っ赤だ。

「ほら、善法寺君も早く食べないと、冷めちゃうわよ。」
「あぁっ、はい!」

伊作をそう促すと、もう殆ど食べ終えた食満の隣に座り、舌鼓を打ちながら食べている。
6年生と言っても、まだ15歳。
食べ盛り、育ち盛りな様子は、おばちゃんにとってはわが子の成長を見守る様な物だ。



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