麻生優子妄想同盟(夢幻戦士ヴァリス) 第七幕at EROPARO
麻生優子妄想同盟(夢幻戦士ヴァリス) 第七幕 - 暇つぶし2ch185:ARCH DUKE
08/11/02 22:41:03 FEYxnUTV
(25)

「さぁて、どうしようかしらねぇ。
小娘はデルフィナちゃんと愛の逃避行中だし、麗子は行方知れずだし」

未だ冷めやらぬ殺戮の悦楽に口元をにやけさせながら、今後について思考を巡らせる炎の魔人。
女エルフの行方を追おうにも、空間転移の痕跡は巧妙に隠蔽され、
まともに調べようとするならば、かなりの時間が必要だろう。
無論、そんな無理を重ねたからには、彼女の魔力も完全に底を尽いており、
態勢を立て直して勝負を挑んでくるのは先の話と考えて間違いない筈なのだが・・・・。

「ウフフッ、仕方ないわねぇ。
あの二人が隠れていそうなトコロ全部、シラミ潰しに灰にしてやるわ」

満面に笑みを浮かべ、ベノンは己れの導き出した結論にウットリとなった。
ログレスの台頭によって、ヴェカンティの内戦が一応終結して以後、
都市を丸ごと焼き払い、人々を殺し尽くす戦いは久しく絶えていただけに、
心ゆくまで虐殺の愉悦に浸るチャンスは願っても無い。
それに、この方法ならば、同じ時間をかけるにしても、
地道な探索活動などよりも、余程自分の性に合っている・・・・。



186:ARCH DUKE
08/11/02 22:41:58 FEYxnUTV
(26)

現実界。東京都内。某ホテルの一室。

『・・・・ご覧下さい。渋谷の中心街は火の海です。
駅前付近から発生した原因不明の大火災はなおも延焼を続けており、火の勢いは留まるところを知りません。
ヘリの中の我々にも、凄まじい熱気が伝わって・・・・』

「ベノンめッ」

小さく吐き捨てると、女剣士は備え付けのTVの電源を切り、忌々しい画像を視界から追い払った。
それでも、窓の外からは消防車や救急車のサイレンや報道ヘリのプロペラ音が容赦なく侵入し、
彼女と、新しくこの部屋の住人となった少女の感情を掻き乱さずにはいない。

「デルフィナさん」

思い詰めた表情で口を開きかける優子。
画面の中の、市街地を舐め尽くすように燃え広がっていた猛火の様子、
・・・・数え切れない程の人々をその地獄に置き去りにして、
自分達だけ安全な場所に逃げ延びてきたのだ、という後ろめたさによって、
顔色は青褪め、黄金の肩当ての先端がカタカタと揺れ続けている。



187:ARCH DUKE
08/11/02 22:43:01 FEYxnUTV
(27)

「・・・・駄目だ。今はまだ駄目だ。」

まるで、自身に言い聞かせるような口ぶりで、ダメだ、と繰り返す女剣士。
だが、彼女もまた、火傷を負っていない方の拳をきつく握り締め、必死に感情を抑えていた。
八つ裂きにしても飽き足らない仇敵を目の当たりにしつつ、逃げ延びるしかなかった悔しさ、
そして、その男が勝ち誇りながら己れの存在を誇示しているにも関わらず、
息を殺してじっとしている事しか出来ない無力感が、怒りに油を注いでいる。

「この腕では到底まともには戦えない。
お前だって、導き手の元に連れて行かない限り、<戦士>としての覚醒は望めまい」

冷徹な指摘に、押し黙るしかない優子。
たしかに、ベノンの炎を浴びて、表面が炭化するほどの重度の火傷を負ったデルフィナの右腕は、
すでに組織の再生が始まっているらしく、少しずつ生気を取り戻してはいるものの、
自由に動かせるようになるにはまだまだ時間が必要だろう。
何より、もう一つの指摘に対して、『違う』と断言するのは不可能だった。
アイザードは(己れの身を犠牲にして)自分を助けてくれたが、
同時に、自らの中にある<ヴァリスの戦士>としての戦いへの疑問
――今まで、過酷な戦いを生き延びるのに精一杯で、敢えて無視し続けていた心の声――を、
決定的なものにしたのも彼である。
女エルフの言う通り、心底から納得できる答えが得られない限り、
自分自身を欺き続けるのは難しいと言わざるを得ないだろう。



188:ARCH DUKE
08/11/02 22:43:47 FEYxnUTV
(28)

「・・・・汗をかいた。シャワーを浴びてくる。
私の次で良ければお前も使え。少しは頭も冷えるだろう」

これ以上話し合う気は無い、という意味なのだろうか、隻眼の女剣士は、クルリ、と背中を向けると、
カチャカチャ小騒さい音を立てながら、身に纏った甲冑を外し始めた。
ベッドの上に座り込んだまま、ぼんやりとその後ろ姿を眺めやる蒼髪の少女。
投げかけられる視線が気になったのか、デルフィナは独り言のように呟きを漏らす。

「私は、生まれながらの戦士だ。
だから、正直、お前の気持ちは良く分からない。
私の人生において、戦いとは、すなわち、生きる事だった」

カチャン、という乾いた音を立てて、革製の胸甲を固定していた金具が外れる。
姿を現した白い肌には、肩口から背中にかけて、鋭い刀傷が走っていた。
他にも、幾つも散見される矢傷や打撲の跡は、
彼女の独白が何ら誇張されたもので�さに、
己れの考えの至らなさを思い知らされ、暗澹たる気分に襲われる、隻眼の美女。
優子を――主から託された<ヴァリスの戦士>を逃がすためならば、
たとえ、剣士のプライドをかなぐり捨て、女としての恥辱にまみれようとも悔いは無い、と決意してはいたが、
それすら叶わないのであれば、何の意味も無いのではないだろうか・・・・?



189:ARCH DUKE
09/01/12 21:39:17 Oe1ALnh6
(26)

(ダメだッ。これぐらいで諦めてどうする!?
あの方の理想を実現できる者は、もう私しか残っていないんだぞッ!!)

心の中で強くかぶりを振ると、デルフィナは、弱気に陥りかけた自分自身を叱り飛ばし、気力を奮い立たせた。
アイザードの部下として、否、同志として、彼の理想に殉じる覚悟は出来ている。
たとえ、カラダを汚され、白濁にまみれようとも、
生命尽き果てる瞬間まで、眼前の下劣漢に一矢報いる機会を狙い続けてやるのだ・・・・!!

(ほう、まだこんな生意気なカオをするワケ?
クククッ、さすがはあの若僧の情婦ってところかしら。
まぁ、いいわ。その態度がいつまで保つか、試させてもらうとしましょう)

圧倒的に劣勢な状況下にあってもなお、
矜持を捨て去る事無く、昂然と自分を睨みつけてくる女エルフに、
暗黒五邪神の双眸の奥では暗い嗜虐の炎がメラメラと燃え上がった。
この期に及んでもなお、楯突くのを止めぬ、というなら容赦はしない。
いっそ殺して欲しい、と懇願するようになるまで、徹底的に責め抜いて、
抵抗心をへし折り、プライドをひしゃぎ潰して、絶望のどん底に叩き込んでやるだけだ。

(フフフッ、後悔させてやるわよ・・・・このアタシを本気で怒らせた事をねぇッ!!)



190:ARCH DUKE
09/01/12 21:40:13 Oe1ALnh6
(27)

「まずは・・・・そうねぇ、ここに這いつくばりなさい。
そして、立派なお尻を、小娘にもよぉく見せてやってちょうだい」

プライドをしたたかに打ち据える、嘲りの眼差し。
だが、デルフィナは、屈辱に蒼褪めながらも、一言も発さずに、
ゆっくりと地面に屈み込み、赤ん坊の如く、四つん這いの姿勢を取った。

「そんな・・・・デルフィナさんッ!!」

叫んだのは、炎の檻に囚われた少女の方だった。
だが、金髪のエルフは、敢えて、目を合わせようとはせず、沈黙を決め込む。
今の彼女の様子を視界のうちにとらえようものなら、
自分の中に充満している、悔しさやら情けなさやらが、理性の箍を弾き飛ばして、一気に暴発しかねない。
そうなれば、一巻の終わり・・・・武器を捨てた剣士と戦う意志を失った戦士に勝ち目などあろう筈もなく、
二人仲良く魔性の業火に包まれて、消し炭に変えられる末路が待っているだけだろう。



191:ARCH DUKE
09/01/12 21:41:10 Oe1ALnh6
(28)

「ほらほら、お嬢ちゃんも心配してるわよ。
ボロボロになるまで犯されて、おつむがパーになる前に、何か言い残してやったらどう?」

「・・・・・・・・」

悲壮な決意を知ってか知らずか、変態貴族の嘲弄は執拗に続く。
容赦ない言葉の暴力に、美しい口元が醜く引き攣っていった。
パートナーの前で、無様に地面に這いつくばらされているだけでも充分に屈辱的だったが、
更に臀部を高々と振り上げ、交尾を仕掛けられる雌犬のような姿勢を維持しなければならないのである。

「アハハハッ、いいわぁ、その表情・・・・眺めてるだけでゾクゾクしてきちゃう」

これで何度目だろうか、けたたましい哄笑が響き渡る。
加えて今度は、斬り落とされずにいた左手を使って、目の前で揺れ動く革製のスカートを捲って、
下に隠された、簡素な麻のショーツを露出させるというおまけ付きだった。
下着越しに感じるおぞましい感触に、顔面を朱に染める隻眼の美女・・・・
かろうじて、握り締めた拳をブルブルと震わせる以上の行動に出たりはしなかったものの、
激しい怒りとそれに倍する悔しさに責め苛まれているのだろう、
張り裂けんばかりに見開かれた双眸の奥には、我知らず、熱い涙滴がジワリと浮かんでいる。



192:ARCH DUKE
09/01/12 21:43:05 Oe1ALnh6
(29)

「クックックッ、どうしたの、まだ下着の上から触ってるだけよ?
今からこの調子じゃあ、いくらも保たないわよォ?」

悦に入りながら、耳障りな声で囁きかける暗黒五邪神。
四つん這いになった女囚は、ぎりりっ、と、奥歯を噛み鳴らし、唇を血が滲むほど強く食い締めて、
下穿きの表面を這い回る、節くれだった指先の動きに堪え続ける。
何度か愛撫を繰り返して、おおよその性感帯の位置を確認し終えたベノンは、
ひと呼吸の後、ショーツの縁を鷲掴みにし、にんまりといやらしい笑みをこぼした。

「ほ~~~ら、ご開帳よォ。
アンタの恥ずかしいトコロ、たっぷりと拝見させてもらうわ」

荒々しい息遣いと共に、左手から毒々しい緑色の炎が立ち昇り、薄布へと燃え移る。
一瞬、全身を硬直させるデルフィナだが、
さいわい、彼の行為は邪魔になる布切れを燃やし尽くすのが目的であり、
彼女の下半身をバーベキューにしたいという訳ではなかった。
魔性の炎は、簡素な布切れをメラメラと炎上させ、瞬く間に灰へと変えてしまったものの、
たわわに実った豊満な美尻にも、肉付きの良い、むっちりとした太腿にも、
そして、勿論、頭髪と同色の縮れ毛に覆われた恥丘にも、一切危害を及ぼす事は無かったのである。



193:ARCH DUKE
09/01/12 21:44:13 Oe1ALnh6
(30)

「へへぇ・・・・さすがエルフの牝ねぇ。
見てくれといい、弾力といい、肌触りといい、最高だわ」

一糸纏わぬ姿に剥き上げられた、妖艶な腰、
分けても、豊かな質感に恵まれたヒップの曲線に、熱い眼差しが注がれる。
暗黒界の大貴族は、不健康な紫色をした長い舌先で、人差し指をベロベロとしゃぶると、
唾液を塗りつけた先端部分を、白桃色の尻たぶの間――左右の脹らみに挟まれた肉溝へと伸ばし、
小刻みに震え慄く柔肌のわななきとじっとりと汗の滲んだ淫靡な感触とを愉しみ始める。

「あうッ・・・・くッ・・・・うううッ!!」

敏感な場所をネチネチと弄ぶ、ベノンの手付きは、悪辣なまでに巧妙だった。
これに後押しされる形で、肺腑の底から押し寄せてくる熱い衝動に対して、
隻眼の剣士は、自制心を総動員して口元を引き締め、必死の防戦を試みたものの、
ともすれば、湿り気を孕んだ吐息の塊は切迫した喘ぎへと変化して溢れ出してしまう。
恥ずかしいやら情けないやらで、思わず、真っ赤に赤面する女エルフ・・・・
その様子を冷やかに見下しつつ、炎の魔人は責めの対象を尻たぶ全体へとエスカレートさせ、
匂い立つような白いフルーツを力強いストロークで揉みしだいた。



194:ARCH DUKE
09/01/12 21:45:07 Oe1ALnh6
(31)

「はくぅッ!!こ、これぐらいの事で・・・・ひはぁッ!!
・・・・か、感じたりなんか・・・・はひゃあッ・・・・するものかぁッ!!」

端正な顔立ちを苦悶に歪め、額には脂汗まで浮べつつも、
襲い来る悦楽の大波に抗い、押し返そうと試みる。
だが、快楽を否定する言葉の合間に漏れる切迫した呼吸音は、
着実に蓄積していく性感の影響だろう、甘い響きを増し続けていた。

「ホホホ、痩せ我慢はカラダに良くないわ。もっと自分に素直になった方が楽になれるわよ?」

「う、うるさい・・・・んはぁぁッ!!」

むっちりとした尻たぶに絡み付いた左手がゆっくりと弧を描くたび、
適度な弾力と瑞々しさを兼ね備えた柔肉の塊がガクガクと震え上がった。
陰険姑息な陰謀家であるベノンの性格は、性技の面にも色濃く現れており、
焦らず急がず、ネチネチと獲物を嬲り抜こうとする。
無論、デルフィナとて、アイザードに処女を奪われて以来、幾度と無く、色事の修羅場も経験し、
多少の責めでは動じないという自負を抱いてさえいたのだが、
宿敵の技量の高さは、率直なところ、予想外と認めざるを得なかった。



195:ARCH DUKE
09/01/12 21:46:06 Oe1ALnh6
(32)

「あらあら、オマンコから垂れたおツユで太腿がベトベトじゃない。
アナルもぷっくり膨らんで良い匂いがしてきたわ・・・・ウフフ、やっぱり、カラダは正直なモノねぇ」

「だ、だまれッ・・・・あひぃぃッ!?」

未だ口だけは達者だが、冷酷な指摘通り、女エルフの熟れた肢体は、
暗黒界を離れて以来、久方ぶりとなる牡との交わりに興奮し、肉のヨロコビを受け容れ始めていた。
だが、それを認めるという事は、彼女にとって、一人の女としての陥落というだけではなく、
アイザードの最後の部下、あるいは同志の敗北を意味している。

(ま、負けない・・・・絶対に負ける訳にはいかないッ!!)

子宮の奥から湧き出してくる熱い衝動が下半身全体へと広がっていくのを自覚しつつ、
女剣士は歯を食いしばり、続けざまに何度もかぶりを振った。
忠誠を誓った主であり、理想を分かち合った友であり、
何より、夜毎に寝床を共にし、朝まで互いを睦み合った愛しい男の生命を奪った、憎むべき敵・・・・
その外道によって組み敷かれ、好き放題に弄ばれているだけでも屈辱だというのに、
ましてや、こんな男の性技に屈して快楽に溺れるなど、死んでも御免である。
たとえ、優子を逃がすためであろうと、そんな痴態を晒すような事があれば、
デルフィナは、自分自身を決して許さない、と心に固く誓っていた。

――そう、奸智に長けた指先が、鋭敏さを増した排泄器官へと押し入り、
あの青年魔道士ですら与える事の出来なかった、禁断の快感を刻み付ける瞬間までは・・・・。



196:ARCH DUKE
09/01/12 21:47:13 Oe1ALnh6
(33)

にちゅッ・・・・ぢゅぐちゅッ!!

「ひぎッ!?な、何・・・・そこはッ!?」

何の前触れも無く、不浄のすぼまりを抉り抜かれて、
女エルフは苦痛に顔面を引き攣らせ、甲高い絶叫を炸裂させる。
――否、単に肛門に異物を突っ込まれただけならば、
いくら不意をつかれたとはいえ、こうまで無様な姿を晒したりはしなかっただろうが、
ベノンの尻穴責めには、いかにも彼らしい、陰虐な第二段階が用意されていた。

「フフフ、覚悟なさい。今から、アンタの尻穴、こんがりとローストしてあげる」

高らかに宣言すると、炎邪の二つ名を冠せられた暗黒五邪神は、
狭苦しいアナルに突き入れた指先から、直腸めがけて火炎を噴射した。
無論、内臓器官へのダメージを与えるのが目的ではないため、
致命的な損傷を引き起こす事の無いよう、熱量を最低レベルに絞ってのものだったが、
さしもの女偉丈夫も、身体の内側に火を放たれては、とても冷静さなど保てない。
無防備状態の粘膜が炎に焙られ、括約筋が、ギクギクギクッ、と狂ったような痙攣を発するのと同時に、
彼の目論見通り、デルフィナの理性は吹き飛び、感情は焼死への恐怖によって支配されてしまった。



197:ARCH DUKE
09/01/12 21:48:11 Oe1ALnh6
(34)

「あぐぁうぅッ・・・・ひあぎぃいいいッッッ!!!!」

凄絶な絶叫を迸らせる、隻眼の美女。
真っ赤に充血した菊門からは、湯気とも煙とも付かない白い気体が漏れ出し、
かすかに焦げ臭い匂いが、しばらくの間、周囲に立ち込める。
その瞬間、すでにパニックに陥っていた思考は完全に崩壊し、彼女の抵抗は最後の時を迎えた。

「ヒャハハハッ!!さすがに、アナルに放火されるなんて思わなかったでしょう!?
クククッ、でもね、こんなのはまだまだ序の口よ。次はもっと素敵な経験をさせてあげるッ!!」

「ひいいッ!!い、いやぁッ・・・・来ないでェェッ!!」

ベノンの言葉に、哀れな敗北者は、もはや生きた心地も無く、
必死に体をよじって逃げ出そうと試みる。
・・・・だが、生きながらにして内臓をホルモン焼きにされる戦慄は、
先程までの気丈な表情を微塵も無く消し去り、手足を萎え縮ませてしまっていた。
憎むべき敵の目の前で、地べたを這い摺り回るしかない無残な変わり様に、
クククッ、と喉を鳴らした炎の魔人は、肛門から引き抜いたばかりで腸液の滴る手指で、
振り乱され、ベットリと汗に濡れそぼったブロンドを引っ掴み、無理矢理に顔を上げさせる。



198:ARCH DUKE
09/01/12 21:49:11 Oe1ALnh6
(35)

「ハッ、甘ちゃんのアイザードなら兎も角、アタシから逃げられるとでも思ってるのかい!?」

パニックに陥り、泣き喚く生贄に向かって残忍な笑いを浮べると、
ベノンは、ゴミの袋でも投げ捨てるかの如く、彼女の身体を放り投げた。
さらに、瓦礫の中に倒れ込んだ彼女の周囲を取り囲む形に、
とぐろを巻いた大蛇の姿をした炎の帯を展開させ、オレンジ色の鎌首をもたげて威嚇する。

「さあ、続きを始めるわよ。
今度逃げようとしたら、そいつにアンタの尻穴を食い破らせるから、覚悟なさい」

四方から業火に押し包まれ、逃げ場を失った女囚に近付きながら、
暗黒界の大貴族が冷酷極まりない宣告を発すると、
魔力で出来た蛇は、まるで意志を持っているかの如く、猛々しく燃え盛る。
その様子を恐怖に凍てついた目で眺めながら、自動人形のようにコクコクと何度も首肯する隻眼のエルフ・・・・。
禍々しく舞い踊る炎光が絶望に駆られた哀れな犠牲者の横顔を照らし出し、
見る影も無く憔悴しきった表情を、グロテスクなまでに写実的に浮かび上がらせた。



199:ARCH DUKE
09/01/12 21:50:04 Oe1ALnh6
(36)

「フフフ、じゃあ、コレをしゃぶってもらおうかしらねぇ?」

ニィィ、と唇を歪めた炎の魔人の手が、小高く隆起して、テントを張っている股間へと伸びる。
悪趣味なまでに華美な装飾で飾り立てた甲冑の下から姿を現したのは、
一体、どれだけの女を犯せばこんな色に染まるのだろうか?
信じられない程、どす黒く濁りきり、ぞっとするような臭気に包まれた醜怪な肉の盛り上がり・・・・。

「ひィィッ・・・・!!」

ビュクン、ビュクン、と不気味に脈打つ陰茎を一目見るなり、
囚われのエルフはおぞましさに口元を強張らせ、弱々しくかぶりを振った。
だが、ベノンは、お構い無しに、大きくエラの張り出した亀頭を唇に押し付け、
左手を彼女の後頭部に回して動きを封じつつ、そのまま強引に突入させようとする。
歯並びを割って押し入ってくる侵入者の不気味な感触に、
猛烈なえずきに襲われたデルフィナは、くぐもった悲鳴を漏らして悶絶するだけ・・・・。



200:ARCH DUKE
09/01/12 21:51:03 Oe1ALnh6
(37)

「ヒャハハハッ!!どう、アタシのイチモツはッ!?
アイザードのフニャチンなんかとは比べ物にならないでしょう!?」

狂気じみた哄笑を放ち上げながら、
暗黒界の魔将軍は、口腔を冒した肉槍を喉奥にまで突進させた。
気道を塞がれて呼吸もままならなくなったのだろう、
デルフィナの声が弱々しくなり、顔色に至っては蒼白を通り越して土気色へと近付いていく。

「あうう・・・・も、もう・・・・うぐッ・・・・やめて・・・・い、息がぁ・・・・!!」

苦悶に満ちた表情を浮かべ、息も絶え絶えに赦しを乞う女剣士。
それでも、責めの手は緩められる気配さえ無く、
否、むしろ、もはや呻き声すら擦れかけている獲物の姿にサディスティックな悦びを見出して、
酸欠状態に陥りかけた美しい犠牲者の喉の中で、イマラチオの快楽を堪能し続ける。



201:ARCH DUKE
09/01/12 21:52:04 Oe1ALnh6
(38)

(これは・・・・これは本当に現実なの・・・・?)

禍々しい瘴気を帯びた火牢の中から、今まさに朽ち果てなんとしているパートナーを眺めつつ、
敗残の<戦士>は、地面に突っ伏し、茫然と呟きを漏らした。

(デルフィナさん・・・・ごめんなさい・・・・私のせいで・・・・)

残された最後の希望が、呆気なく潰え去ろうとしている事実を目の当たりにして、
少女の精神もまた、果てしない虚無に呑み込まれようとしていた。
敗北感と無力感、そして、絶望感――圧倒的なマイナスの感情が大波となって押し寄せ、
己れの内面にある全てが、漆黒・・・・<ヴェカンタ>の暗色によって塗り潰されていく。

(何もかも・・・・無駄だったというの?
わたしの戦いも・・・・アイザードの自己犠牲も・・・・)

邪悪な魔道の業によって生み出された炎の牢獄・・・・
時折、隙間から垣間見える市街もまた、破壊と殺戮に満ち溢れている。
自分の見慣れた街が、自分が生まれ育った世界が、
信じられないくらいに容易く、叩き壊され、焼き尽くされていく光景に、
優子の心はポッキリと折れたまま、回復する兆しさえ無く、
ただひたすら、無力な自分自身に向かって、血を吐くような呪詛の言葉を投げ付ける事しか出来ないでいた。

「何が<ヴァリスの戦士>よッ!!わたしには何の力も無いじゃないッ!!
誰かを救うための力も・・・・何かを守るための力も・・・・私には何一つ出来やしないッ・・・・!!」


――――TO BE CONTINUED.


202:ARCH DUKE
09/01/12 22:13:02 Oe1ALnh6
以上、第13章をお送りいたしました~。
お楽しみ頂けたのであれば幸いです。

次の第14章は、(年度末の人事で異動が無ければ)3月中旬の完成・発表予定で、
第13章のラストシーンから始まり、優子の<戦士>としての再覚醒~ベノンの最期あたりまで
(コミック本編で言えば、第12話の後半から第14話のラストに相当する部分)を
一気に書き切ってしまいたいと思います。
ただし、本章に引き続いて、麗子とドラゴとヴォルデスの登場シーンはカットします。
これまでの彼女達に関わる部分は、第15章でまとめてエロパロ化する予定ですので、
麗子ファンの方はもうしばらくお待ち下さい。

それでは本日はこの辺で~。


203:名無しさん@ピンキー
09/01/12 23:39:42 ObsU83Ur
新年一発目、読ませていただきました。乙です!

204:名無しさん@ピンキー
09/01/12 23:44:15 /LdYhT4q

優子の復活に期待する。

205:名無しさん@ピンキー
09/01/18 00:58:39 aV1E9pY/
GJ!!

206:名無しさん@ピンキー
09/01/21 22:15:19 y0rBNQ0S
ヴァルキリーの更新キタ。
今月もあんまり期待できなさそう。

207:名無しさん@ピンキー
09/01/23 19:38:56 w6d4RSCY
ヴァルキリーの早売りGETしたけど、今月は極小パンチラがたった1コマ。
後はコミック2巻が2月下旬と概出の情報のみ。

208:名無しさん@ピンキー
09/01/28 23:19:47 pAgZ0mAp
コミヴァ最新号ゲット。
「ヴァリスⅢ」のハゲ親父が出てきてワロタ。
こいつが「導き手」だとすると今後の優子の運命は・・・。

209:名無しさん@ピンキー
09/01/30 00:21:03 A+Gim3FK
またオリキャラ登場か?と思ったら原作に登場するキャラだったのか

210:名無しさん@ピンキー
09/02/02 22:30:41 j6MAkt3m
セーラー服とヴァリスソードってトップのリンクからだとエラーが出るけど
サイト検索するといくつかのコンテンツは生きてるな。

211:名無しさん@ピンキー
09/02/07 00:38:35 5sVVTLPc
>>286
再開するつもりはないのかな?
パソコン版とPCエンジン版のビジュアルシーンを全部見る事の出来る良サイトだったんだが

212:名無しさん@ピンキー
09/02/07 01:06:54 qVJj0n18
ヴァリスcomplete買えw

…はわわっ!オレ開封して「フィギュアあるな、よしよし」っつって
そのまんまフタ閉めてインスコも未だしてない

213:名無しさん@ピンキー
09/02/07 20:47:53 UCAhxQgI
>>288
クリアしなくてもストーリーが解るという意味では?それにヴァリスシリーズは結構難易度が高いし。
それに2次創作をする人にはいい資料だったらしいし。

214:名無しさん@ピンキー
09/02/10 00:15:37 2LK7ouQ5
そもそもcompleteにはパソコン版Ⅰ・Ⅱ入ってないし

215:名無しさん@ピンキー
09/02/10 07:30:19 Zr1KOyha
コミックス2巻の表紙絵がきましたな

URLリンク(blog-imgs-18.fc2.com)

216:名無しさん@ピンキー
09/02/10 09:02:25 v8kRRt+k
>>291え、エロ杉る

217:名無しさん@ピンキー
09/02/12 22:16:31 Z3cLynZ5
>>291の画像消えてるんで張り直しとこう

URLリンク(www.amazon.co.jp)

アイザード&侍女sとの濡れ場シーン描き足されてるといいな・・・

218:名無しさん@ピンキー
09/02/18 00:59:43 fag/FKbf
保守

219:名無しさん@ピンキー
09/02/19 08:14:45 mCkuFHWc
やっと二巻出るのか・・・楽しみだ。

220:名無しさん@ピンキー
09/02/23 22:46:30 nAgSDcaf
今週の終わり頃には店頭に並ぶのか。

221:名無しさん@ピンキー
09/02/26 21:11:07 vZJJc9FV
秋葉原で早売りしてた


222:名無しさん@ピンキー
09/02/27 19:14:42 TVPY8SPs
>>293
残念、期待のシーンには加筆修正なしだ。

223:名無しさん@ピンキー
09/02/28 00:57:23 QUJsLjKP
3巻で優子と麗子のレズにも似た決闘シーンとか描いてくれればそれでいいよ>コミックス

224:名無しさん@ピンキー
09/03/01 04:15:07 vnakc1HI
あと書きの優子と麗子が何気にエロイ
優子の身体の上に馬乗りになってる麗子とそれを茫然と見上げてる優子


225:名無しさん@ピンキー
09/03/02 06:49:58 64ZlLOYm
描き直しや足してある箇所とかあるんかのぅ・・・2巻

226:名無しさん@ピンキー
09/03/03 23:51:47 +AuMHvVk
ZOL先生のブログによると最終回の展開考えてるらしい。
3巻で終わりか…

ヴァルキリーが終わりのような肝

227:名無しさん@ピンキー
09/03/04 00:41:39 gtR18mdg
>>302な、なに!メガス陛下の話はやらんのか!
優子タンがメガス機械獣軍団の性奴に成り下がるとこ見たかったのに!
けしからん!ゲフンゲフン

228:名無しさん@ピンキー
09/03/05 23:09:51 mELh4Iqh
>>301
一応あるらしい。
セリフも雑誌連載時のものから変更になって、
設定やストーリー背景が理解しやすくなってるようだ。

229:名無しさん@ピンキー
09/03/06 12:24:30 JFVsPjhN
>>302
ウチの方は1巻の頃はVCをいくつかスットコしてる書店もあったが
今じゃヴァル誌もあったりなかったり…オワタ

…ふ、ふんだ!最初っから密林しかアテにしてないんだからねっ!!

230:名無しさん@ピンキー
09/03/06 22:35:12 qHIbzEWR
計算するとあと連載3回で終了か。
7月号までだな。

腹痛で原稿落としたのに、その後ぬけぬけとコミケに行ったみたくるみはともかく、
真面目に通ってネーム書いてるZOLの連載が唐突に終わるってヘンだよね。
連載陣が手薄なのに人減らすってことはヴァルキリーそのものが終了なのかな。

円高ウォン安だからまた韓国から買ってきて埋める手はあるけど、今でさえコミックコリアなのに。

231:名無しさん@ピンキー
09/03/07 22:19:51 FtujQpc5
まだボスが二体と麗子が残ってるのに後三回は無理でしょ…
俺たちの戦いはこれからだエンドならともかく。

232:ARCH DUKE
09/03/08 00:35:10 JRlHGWL/
お待たせしました~。

『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)』第14章、たった今、完成いたしました。
本日22:00より投下作業を開始いたしますので、
お手空きの方は、連投規制回避のため、ご支援方宜しくお願いいたします~。

>本編の残り話数
ヴォルデス、麗子、ログレスとの戦いに各2話ずつと、
麗子死亡シーン・エピローグに1話ずつで、あと8話ぐらいではないでしょうか?
(各話20~25ページと計算すれば、丁度単行本1冊分ぐらいの分量になりますし)


233:名無しさん@ピンキー
09/03/08 01:07:53 /Sys3RNW
いつも良質なエロスをありがとうございます…

>>307
黒岩先生ですかw
あるいはRUSHとかで何事も無かった様に連載が続くとか

麗子とボスの相討ちっていう荒業は無いだろうし

234:ARCH DUKE
09/03/08 22:03:04 JRlHGWL/
お待たせしました~。

只今より、『3V(ヴァリス・ヴァルキリー・バージョン)』第14章の発表を開始いたします。
なお、本章は、本編の第12話ラストから第14話まで(単行本2巻P124~P169)の内容のうち、
麗子とドラゴ、ヴォルデスが登場するシーン以外を再編集してエロパロ化したものです。

それでは、お楽しみ下さいませ~。


235:ARCH DUKE
09/03/08 22:03:51 JRlHGWL/
(1)

――現実界。東京都内。火の海と化した市街の一角。

「何が・・・・<ヴァリスの戦士>よ・・・・」

焼け爛れた大地に突っ伏したまま、肩を震わせる蒼髪の少女――麻生優子。
あまりにも無力な自分に打ちひしがれ、絶望に押し潰されて、
目の前に広がる地獄絵図を眺めている事しか出来ない、惨めな捕囚。

「わたしは・・・・誰も救えない・・・・」

炎の牢獄の向こう側、手を伸ばせば届きそうなくらいの場所では、
心通い合わせた友である女エルフが、陰険狡猾な暗黒界の大貴族に尻穴を無慈悲に抉り抜かれて、
苦痛に顔面を引き攣らせ、喘ぎ泣いている。

「わたしの世界を・・・・燃やされても・・・・」

業火を噴き上げて燃え盛る高層マンション。黒煙に包まれたファッション・ビル。
無残に崩れ落ち、瓦礫の山と化した、ビル、家屋、店舗。
灼熱地獄に響き渡る、断末魔の悲鳴と救いを求める無数の叫び声。
そこかしこで、人々の生命を冷酷に押し潰し呑み込みながら響き渡る圧壊音。



236:ARCH DUKE
09/03/08 22:04:25 JRlHGWL/
(2)

「なんて、無力なのッ!!」

血が滲むほどきつく握り締めた拳を、だんッ、と、地面に叩きつける。
喰いしばった口元から搾り出されるのは血を吐くような呪詛の言葉。
逆巻く猛火に照らされつつ、何百回、何千回、何万回、飽きる事無く、己れ自身を責め立てる。 

「わたしにもっと力があればッ!!わたしに・・・・!!」

血の気を失い、青白く歪んだ頬筋を、生温い涙が伝う。
しっとりと落ち着いた色合いの蒼髪は炭塵にまみれて見る影も無く煤け、
やや色白だが申し分なく健康的だった柔肌は、
吹き付ける熱風に晒されてカサカサに乾き切り、灰色に薄汚れていた。
眩いばかりの黄金の光輝に満たされていた筈の聖なる甲冑さえもが、
今では、闇に冒された主の心を映すかの如く、暗くくすんでしまっている・・・・。



237:ARCH DUKE
09/03/08 22:04:59 JRlHGWL/
(3)

「ひぎぃぃッ!!いぎッ・・・・ぎぁあぁああッッッ!!」

炎邪の名を冠する暗黒五邪神による陵辱は、いよいよ激しさを増していた。
情け容赦なく繰り出される醜怪なイチモツが、喉奥を犯し、秘裂を貫き、子宮を掻き回す。
分けても、弾力と張りが絶妙なバランスで融合した尻たぶと、
ピクンピクンと淫蕩なひくつきを発している排泄器官に対しては、
異常なまでの執着心を感じているのか、徹底的に嬲り抜き、責め尽くそうとしていた。

「あううう・・・・そ、そんなに、お尻ばかり責めないで・・・・ひぃあぁああッ!!!!」

最も恥ずかしい部分を集中攻撃されて、
呼吸もままならぬ様子で弱々しく喘ぎ続ける女エルフ。
凛とした気迫と美貌に恵まれていた相貌は、今や汗と唾液にまみれてドロドロに汚れていた。
どんよりと濁りきった瞳は虚ろな眼差しを浮べて陵辱者を眺めやり、
しまりなく開かれた唇からはヨダレの糸が垂れ落ちている。
だが、体力の殆どを蕩尽し尽くし、気力さえ限界に達した現状にあっても、
熱いクサビを打ち込まれる都度、むっちりとした尻肉は、ブルブルッ、と狂ったように打ち震え、
真っ赤に充血した肛門も、抗い難い快楽に命じられるまま、肉の凶器を喰いしばっていた。



238:ARCH DUKE
09/03/08 22:05:34 JRlHGWL/
(4)

「あああッ!!あ、熱い・・・・カラダが、燃えてしまいそうッ!!」

代わる代わる巨根を挿入され、最奥部まで突き上げられた前後の秘穴は、
愛蜜と精汁と腸液とが入り混じった得体の知れない粘液が溢れ返り、熱い滾りに覆われている。
下半身全体がとろ火で焙られているかの如き灼熱感に襲われて、
囚われの剣士はあさましく身悶えしながら、秘唇をビュクビュクと痙攣させていた。

「フフフ、どうやら我慢の限界みたいねぇ。
アナルの蕾がいやらしく膨らんで、おねだりしてるわ」

ニヤニヤしながら、ヴェカンティの大貴族は、
ぽってりと充血した尻穴に向かって生温い呼気を吐きかけた。
表面を吐息にくすぐられただけにも関わらず、
繊細な粘膜は敏感に反応し、ひくつきが一段と激しさを増していく。
あさましいまでに正直なリアクションに甲高い嘲笑を浴びせたベノンは、
疲れ知らずの牡槍の穂先をすぼまりへとあてがい、そのまま一気に吶喊させた。



239:ARCH DUKE
09/03/08 22:06:11 JRlHGWL/
(5)

「ひぐぁああッ!!がはぁッ・・・・はぐぁああああッッッ!!!!」

括約筋をメリメリと押し破り、直腸へと突入した肉棒が、
繊細な粘膜をじゅるじゅると擦り回し、ピストン運動を繰り返す。
強烈な刺激に、囚われのエルフは腰をガクガクとわななかせ、激しいよがり泣きを噴きこぼした。
しなやかな両脚の筋肉が、今にも引き千切れそうな勢いで、ピン、と伸び切っている。

「ヒャーハッハッハッ!!まだまだッ、これぐらいでダウンされたんじゃ面白くも何ともないわッ!!」

気絶しかけたデルフィナに向かって罵声を吐きかけると、
炎の魔人は、短めに切り揃えたブロンドを乱暴に引っ掴んで、
ぶんぶんと頭を揺すり立て、混濁の淵に立たされていた意識を強引に呼び戻した。
もっとも、下半身を覆い尽くす悪寒にも似たゾクゾク感に魂を奪われているのだろう、
女剣士はぼんやりと薄目を開いただけで、身動きはおろか、言葉を発する事さえ出来なかったのだが。
それでも、ベノンは、お構いなしだと言わんばかりに剛直を振り立てると、
ピンクの襞をのぞかせるアナルに対して、中断していた責めを再開する。



240:ARCH DUKE
09/03/08 22:06:45 JRlHGWL/
(6)

「ひぃいいいッ!!も、もう・・・・ひゃめてぇッ!!!!」

ろれつの怪しくなった悲鳴が淀んだ大気を震わせるのと前後して、
野太い血管を浮き上がらせた怒張が狭苦しい蕾へと突き入れられる。
鋭い槍先によって身体を串刺しにされる激痛に、火の付いたように泣き叫ぶ金髪の美女。

「クックックッ、遠慮はいらないわよ、たっぷりと味わって頂戴」

だが、暗黒界の魔将軍は、囚人の哀願を無視して、
・・・・否、プライドも何もかもかなぐり捨てて許しを乞う彼女に、明らかに邪まな悦びを覚えつつ、
ビュクンビュクンと荒々しく脈を打つ欲望の塊りを根元まで押し込もうと試みた。
今にも張り裂けそうなまでに拡がった、ピンク色の狭口が、
傍若無人に暴れ回る極太の陰茎をパックリと咥え込み、ギリギリと喰い締めると同時に、
直腸内では熱く火照った腸壁粘膜がねっとりと亀頭に絡み付いてくる。
並みの男ならば呆気なく果ててしまいかねない甘美な締め付けに興奮したオカマ魔人は、
だらしなく口元を緩めながら、尻穴の快感を味わうべく、荒腰に更なる拍車をかけるのだった。



241:ARCH DUKE
09/03/08 22:07:20 JRlHGWL/
(7)

「ひぃいいいッ!!カラダが・・・・ばりゃばりゃになるぅぅぅ・・・・!!」

臓腑を抉られる激しい衝撃が意識の内側をグルグルと駆け巡る。
ぶんぶんとかぶりを振りながら、大粒の涙を流し、断末魔の悲鳴を漏らすデルフィナ。
灼熱の棒でカラダを貫かれ、ハラワタを焼き焦がされる苦しみと、
一見それと相反する、だが、より深い部分でしっかりと手を握り合った、狂おしい肉悦とが、
正気を呑み込み、ズタズタに切り刻み、咀嚼し尽くしてしまう。

「ひぎぃぃッ!!お、お願ひ・・・・抜ひてぇッ!!
もう・・・・もう、許ひてぇ・・・・お腹が苦ひくて・・・・裂けひょうなのォッ!!」

剛直がうなりを上げるたび、身体の奥底で激烈な噴火が巻き起こり、
子宮から引き摺り出された悦楽の波動が火砕流と化して全身の感覚を呑み込んでいく。
飽きる事無く反復される肛虐のピストン運動は、
苦痛と快感とが無秩序に入り混じった性衝動を呼び起こし、
誇り高いエルフを一匹の獣に変えてしまっていた。
半開きになった口元から大量の唾液を垂れ流し、身も世も無く悶え泣きつつ、
より深い快楽を求めて自ら下半身を揺さぶり、突き上げてくる男根を食い締めてしまう、あさましい牝へと。



242:ARCH DUKE
09/03/08 22:07:55 JRlHGWL/
(8)

「オホホホッ!!どう、凄いでしょ、アタシのテクニックはッ!?
アイザードみたいな青二才なんかとは比べ物にならないわよね、そうでしょうッ!?」

変態貴族のテンションも上昇しっ放しで、まさに天井知らずだった。
尻穴に牡槍を突っ込んだまま、片方しかない手指を器用に駆使して、乳房を、陰核を、膣口を弄び、
すでに十分火照っている五体を極限まで昂ぶらせて、エクスタシーの頂点に容赦なく追い上げていく。

「ハァッ、ハァッ・・・・は、はい・・・・しゅごい、しゅごいです・・・・ベノンしゃま!!
あああッ・・・・もう・・・・ら、らめぇッ・・・・お尻が・・・・もう我慢できないッッッ!!!!」

女剣士もまた、輝きを失った双眸に酒に酔ったような濁った光を浮べつつ、
襲い来る欲情の大波に身を任せて、正体もなく肉欲の波間に耽溺しきっていた。
敬愛する主君の生命を奪った宿敵を、あろう事か、敬称付きで呼んだばかりか、
野太いイチモツに下腹部を掻き回されるたびに、喜悦に打ち震え腰をくねらせて迎合する。
昏迷しきった思考回路は真っ白に染まり切り、
唯一、逞しく力強いストロークによって昇り詰めたい、という原初の本能だけが、
理性も自制心も何もかもが破壊されて空っぽになった心の中で際限なく膨張を続けていた。



243:ARCH DUKE
09/03/08 22:08:29 JRlHGWL/
(9)

「あああ――ッ!!も、もうだめぇええぇぇぇッ!!!!」

追い詰められたデルフィナの中で、何かが切れた。
普段の冷静沈着な態度からは想像も出来ない淫らな口調で、
赤裸々な痴情を曝け出し、巨根に貫かれた裸身を悶絶させる。
総身を責め苛む疼きはもはや心身の許容限界を遥かにオーバーしており、
快楽の絶頂を極めたいという欲情の滾りが全身の血液をグラグラと沸騰させていた。

「イ、イクぅぅぅッ!!お尻で・・・・お尻の穴で、イッちゃうううッッッ!!!!」

声を震わせて、よがり狂う女エルフ。
逞しい脈動と熱い充足感とがもどかしい疼きを吹き飛ばすと同時に、
徹底的に責め抜かれてメロメロになっていたすぼまりが激しく収縮を繰り返した。
極太の剛直で粘膜をこそぎ取られる感触がどうしようもなく甘美で、もう居ても立ってもいられない。

「オホホホッ!!イクのね?もう辛抱堪らないのねッ!?
・・・・だったら、こっちの穴も弄ってあげるわ。両方いっぺんにイッちゃいなさいッ!!」

けたたましい哄笑を轟かせながら、
ヴェカンティの魔人は、ぱっくりと捲れ返った秘唇に骨ばった指を2本一緒に捻じ入れた。
絶頂間際の膣穴は、灼熱のマグマを溜め込んだ噴火口の如く蕩けきり、
吸い付いてくる肉襞を軽くなぞっただけでも、
子宮から湧出するドロドロの愛液が突き入れられた異物を水浸しにしてしまう。



244:ARCH DUKE
09/03/08 22:09:03 JRlHGWL/
(10)

「あぅう・・・・うあああッ!!ひぁうぅう・・・・くひあぁあああッッッ!!!!」

膣裂と肛門、それぞれの穴の奥で刺激が混じり合い、
凄まじいまでの快美な感覚と化して、胎内で弾け飛んだ。
脊髄神経を走り抜けた嵐のような快楽電流が、
頭蓋骨の内側で激しく炸裂したかと思うと、極彩色の光の渦となって意識を埋め尽くす。

下半身は完全に惚けきり、正常な五感と言えるものはとうに雲散霧消していた。
熱い脈動に包まれた肉筒が、ビュクビュクビュクッ、と小刻みに痙攣し、
煮え滾った精液が絶頂の歓喜に打ち震える直腸の内腔を白濁に染め上げる。
膣内でも、射精こそ無かったものの、快楽のきわみに達した括約筋が、
挿入された指先を千切りとらんばかりにきつく喰いしばり、
蠕動する粘膜が、キュウウウッ、と吸い付いて離そうとしなかった。

えも謂われぬ快感に、狂気じみた雄叫びを発したベノンは、
尻穴に精を放って間もない男根を再び怒張させると、猛然と腰を振り始める。
休む間もなく責め立てられて黄色い悲鳴を上げる隻眼の剣士・・・・
アイス・ブルーの瞳がトロトロになり、視界一面には欲情の業火が燃え盛っていた――。



245:ARCH DUKE
09/03/08 22:09:37 JRlHGWL/
(11)

「デルフィナ、さん・・・・」

目の前で繰り広げられる、あまりにも酸鼻な情景に吐き気さえ覚えて、
弱々しく呟きを漏らす蒼髪の少女。

「ごめんなさい・・・・わたしが、戦えないばかりに・・・・。
わたしに・・・・何の力も無い・・・・せいで・・・・」

――その、刹那。

『・・・・随分としおらしい様だな』

唐突に、頭の中に響き渡る、涼しげな<声>。
静かでいながら、妙に熱のこもった・・・・何より、とても懐かしい言葉の響き。

『君のそういう所は嫌いじゃないが、やり過ぎはちと鼻につくね』

「ま、まさかッ!?」

驚愕に駆られ、キョロキョロと周囲を眺め回す優子。
勿論、人影などない・・・・ある筈が無い――だが、しかし・・・・。

(確かに感じる・・・・あの人の存在をッ!!!!)



246:ARCH DUKE
09/03/08 22:10:11 JRlHGWL/
(12)

――次の瞬間。

少女の視界は眩く輝く白い光に満たされ、
全身が何とも心地よい不可思議な感触によって包まれた。
重々しい枷から解き放たれた五感が、四方八方に向かって、サア――ッと広がっていき、
広大無辺な世界のあちこちで、様々な存在とリンクしていく。

「やっぱり、あなたなのねッ!!」

虚空に向かって叫び声を上げる、蒼髪の<戦士>。
――もはや、疑いの余地はなかった。
一時的に肉体から遊離し、意識体と化したこの感覚。
そして、周囲に満ち満ちているのは、
かつて、暗黒界から現実界へと転移する際、自分を守り導いてくれた、懐かしい大気のエネルギー。
勿論、全く状況は異なっているものの、周囲に展開された魔力の力場は、あの時と同じく、
草原に吹くそよ風の優しさと大洋を鳴動させる風津波の力強さの両側面を等しく兼ね備えていた。



247:ARCH DUKE
09/03/08 22:10:45 JRlHGWL/
(13)

『分かっている筈だ。君はすでに力を持っている、と・・・・』

懐かしい思念の主は、少女の問いかけには直接答えようとせず、
代わりに、(時折、耳にした事のある)少しシニカルな口調で語り始める。

『・・・・そして、力を持つ者が背負わねばならない、逃れ得ない宿命も。違うかい?』

(・・・・・・・・)

反論しようとして果たせず、押し黙る<ヴァリスの戦士>。
蘇った過去の記憶がイメージの奔流となって、次々にフラッシュバックを開始する。

・・・・地下鉄構内での、麗子との別れ。
・・・・地の底から現れた、ガイーダとヴェカンティの怪物たち。
・・・・初めて握った<ヴァリスの剣>。全身を包んだ、黄金の甲冑の清らかな感触。
・・・・光り輝くファンタズム・ジュエリー。夢幻界への召喚。

・・・・そして、<幻想王女>ヴァリアとの邂逅。



248:ARCH DUKE
09/03/08 22:11:18 JRlHGWL/
(14)

『――よく思い返してみたまえ。君と出会った時、ヴァリアは何と言った?』

(・・・・!!)

・・・・・・・・そうだ。
たしかに、あの時、夢幻界の女王は、わたしに向かって告げた筈ではなかったか?
呟くような小さな声で、しかし、魂に刻み付けるように重く響く言葉を。

『優子・・・・戦いの中で、あなたが目覚めてくれる事を私は信じています。
たとえかけがえの無いものを失う事になっても、それが<戦士>の宿命だと・・・・』

『君自身、もうとっくの昔に理解していたんじゃないか?
・・・・ただ、十分過ぎるほど理解していながら、君は認めたくなかった。違うかい?』

(そ、それは・・・・!!)

鋭い指摘に、再び絶句を余儀なくされる蒼髪の少女。
・・・・これ以上は無いくらい、彼の言は正鵠を射抜いていた。
確かに、自分はかなり早い段階で――おそらくは無自覚のうちに、だが――気付いていた。
だが同時に、断じてそれを認めようとせず、意識の奥底へと追いやった上、
何重にも封印を施して外に漏れ出すのを固く禁じてきたのだ。



249:ARCH DUKE
09/03/08 22:11:54 JRlHGWL/
(15)

(そうよ・・・・わたしは、自分にウソをつき続けてきた。長い間ずっと・・・・)

苦渋に眉を寄せる優子。
出来れば二度と思い出したくなかった情景が、
記憶の牢獄を押し破って、白昼夢の如く溢れ返る。

・・・・暗黒の鎧を身に纏い、漆黒の切っ先を突きつけてきた麗子。
・・・・切り結ばれる二本の剣。激しい、しかし、相手の心には決して響く事の無い会話。
・・・・怒りと憎悪に歪んだ麗子の表情。だが同時に、彼女の瞳に映るわたし自身もまた――。

(・・・・だって・・・・もし、認めてしまったら・・・・)

・・・・強大な力に吹き飛ばされる、麗子の身体。
・・・・ボロボロに傷付き消耗しながらもなお、戦いをやめようとしない麗子。
・・・・苦痛と恐怖に蒼褪め、引き攣った麗子の相貌。彼女の瞳に映っているのは――。

(わたしは・・・・この手で・・・・麗子を・・・・)



250:ARCH DUKE
09/03/08 22:12:28 JRlHGWL/
(16)

『・・・・君は、最後まで目を背けて、悲劇のヒロインを気取りたいのかい?
もし、そうなら・・・・そんな<戦士>しか選べなかった世界は、滅ぶのも道理かもしれないな』

心に鋭く突き刺さる言葉が冷酷な現実を思い出させる。
――こうしている間にも、東京は燃え続け、
数多の人々が必死に逃げ惑いつつ救いを求めている、という事実を。

・・・・炎の中に立ち、禍々しい笑いを轟かせているベノン。
・・・・魔性の業火によって焼き尽くされる、商店街。ビル。自動車。人々。
・・・・絶叫。悲鳴。怒号。そして、沈黙。

(・・・・・・・・)

無言のまま、自分の両手に視線を落とす、現実界の少女。
ちょっとした衝撃でたやすく手折れてしまいそうな細い手首に連なる、小さな白い手の平。
その中心に、ポツリ、と凍てつくような涙の粒が零れ落ちて。

――次の瞬間、ぎゅっ、と握り締められた。



251:ARCH DUKE
09/03/08 22:13:02 JRlHGWL/
(17)

「・・・・ついこの間まで、生徒会の選挙だって他人事だったのよ。
そんなわたしが、世界を救う、だなんて・・・・」

束の間。脳裏をよぎる、平和だった頃の想い出。
学校。家。通学路。両親や級友達。勉強。部活。友人達とのおしゃべり。
一介の女子高生としての、平凡な、しかし、満ち足りた日々。

(戻れるものなら戻りたい・・・・あの頃に)

・・・・だが、自分の前に横たわっている現実はどうだろう?
今まさに圧倒的な悪意によって焼き尽くされようとしている世界の、
一体何処を探せば、そんなものが残っているというのだろうか?

(・・・・もう、戻れないのね。
何も知らなかった・・・・知る必要さえなかった、わたしには・・・・)

ゆっくりと顔を上げるリアリティの少女。
胸の奥で静かにかぶりを振り、セピア色に染まった記憶の欠片を心の抽斗へとしまい込む。
真っ赤に泣き腫らした目元から、最後の涙がキラキラと尾を引きながら滑り落ちていった。



252:ARCH DUKE
09/03/08 22:13:38 JRlHGWL/
(18)

「――そうでしょう、アイザード?」

ぽっかりと開いた胸の隙間を埋め合わせるかの如く、すうううっ、と深く息を吸う優子。
握り締めた拳の間から仄かな光が零れ出し、
温もりに満ちた心落ち着かせる波動が、喪失の痛みを和らげていく。

そして・・・・。

目の前が、パアーーーッ、と開け、
心象世界の白い光の壁が取り払われるのと同時に、
禍々しい瘴気に満ちた炎の壁が再び立ち現れる。

「はあああああッッッッ!!!!」

身体の奥からこみ上がってくる、強大なエネルギー。
黄金の鎧が、かつてのように、否、それ以上の何かを得て、燦然と光り輝いていた。
両手の中では、完全に実体を取り戻した<ヴァリスの剣>が、
細身の刀身から、今まで感じた事もない強大な闘気を立ち昇らせている。



253:ARCH DUKE
09/03/08 22:14:12 JRlHGWL/
(19)

「・・・・風よッ!!」

無意識のうちに、紡ぎ出された言葉・・・・いや、呪文。
直後、裂帛の気迫と共に斬光が一閃し、
立ち塞がる毒々しい色の業火を、一瞬にして、邪悪な魔力もろとも、切り裂き吹き飛ばした。

「な、何ィッ!?」

予想もしなかった反撃に、思わず、デルフィナを嬲る動きを止めるヴェカンティの魔人。
汚らわしいそのカラダに向かって、炎の牢獄を一撃で消し去った斬撃
――<剣>本来の力に、宝玉のパワーが組み合わさった、強烈な衝撃波――が襲い掛かり、
局地的な竜巻のような勢いで、女剣士から暗黒界の大貴族を引き剥がす。
そして、まるで、風に舞う木の葉の如く、彼を巻き上げると、
墓標のように黒々と聳え立つ、高層ビルの頂きへと放り投げてしまった。



254:ARCH DUKE
09/03/08 22:14:44 JRlHGWL/
(20)

「・・・・うう・・・ゅ・・・・ゆう・・・・こ・・・・?」

あおりを喰らって地面に投げ落とされたデルフィナが、
青白い顔色のまま、しかし、地獄の責めから解放された安堵感に表情を緩めつつ、
よろよろと体を起こし、駆け寄ってくる<戦士>を仰ぎ見る。

・・・・と、輝きを取り戻しかけた隻眼に驚愕が走り抜けた。

「・・・・ッ!?ま、まさか!?」

均整の取れた面立ちと腰まで伸ばした艶やかな蒼髪が印象的な、現実界の美少女。
彼女のカラダと重なり合うかの如く、背後に寄り添っているもう一人の人影
――薄い水色の長衣を纏った、プラチナ・ブロンドの魔道士。
忘れもしないその横顔に愕然と目を凝らした女エルフに向かって、
まるで、悪戯のバレた悪童のような笑いを浮かべた彼は、
次の瞬間、一陣のつむじ風と化して優子の左腕へと絡み付くと、何かの形へと姿を変えた。



255:ARCH DUKE
09/03/08 22:15:17 JRlHGWL/
(21)

「だいじょうぶ、デルフィナさん!?」

心配そうに掛けられた言葉に、ハッ、と正気付く金髪の美女。
・・・・あ、ああ、と曖昧に返事を返しつつ、
蒼氷色の瞳は、自然に、とある一点へと吸い寄せられていった。

「・・・・優子、それは?」

「え?な、何だろ・・・・これ?」

パートナーの怪訝そうな視線に、戸惑いの表情を浮べる<ヴァリスの戦士>。
どうやら、指摘を受けるまで、自分に起きた変化に気付いていなかったらしく、
何処からともなく左肘の真ん中に出現した、薄い水色をした円形の防具――盾に、目を丸くしていた。

ほぼ完全な円形で、直径はおよそ30ないし40センチメートル、
平板ではなく、中華鍋を少し平たくしたような形状をしている。 
やや灰色がかったライトブルーの地肌には翼を広げた鳥をモチーフにした装飾彫りが刻み込まれ、
落ち着いた風合いの、なめらかな光沢が表面を覆っていた。
地金の色合いや意匠のセンスは微妙に異なっているものの、
決して冷たくはなく、むしろ、まるで身体の一部であるかの如く肌になじむその感触は、
身に纏っている黄金の甲冑と何ら変わりない。



256:ARCH DUKE
09/03/08 22:15:51 JRlHGWL/
(22)

「何だか良く分からないけど、ガイーダやギーヴァの時と同じみたいね。
アイザードの<ファンタズム・ジュエリー>が新しい力をくれたようだわ」

呟きながら、優子は瞼を閉じ、呼吸を整えた。
五感を研ぎ澄まし、周囲の空間に存在する様々なエネルギーに知覚の網を投げかけて、
自らの推測が正しいかどうか?見極めようと試みる。

「やっぱり、そうだわ・・・・以前よりもずっと明瞭に、大気や風の流れを感じ取れる。
たぶん、自由自在に操ったりも出来るんじゃないかしら」

(まるで・・・・あの人みたいに)

声には出す事無く、そっと胸の奥で独りごちる蒼髪の少女。
・・・・もっと正確に言えば、この盾には、単なる魔力だけではなく、
あの青年の意志や存在といったものが封じられているように思えてならなかった。
あたかも、今この瞬間、彼が傍にいて、<ジュエリー>からエネルギーを獲得し、
魔道力として転換する方法を指南してくれているかの如く――。



257:ARCH DUKE
09/03/08 22:17:07 JRlHGWL/
(23)

「ところで・・・・もう、大丈夫なのか?その・・・・何ていうか・・・・」

先刻優子が発したのと同じ科白を口にしながら、探るような眼差しをパートナーに投げかける女剣士。
もっとも、言葉は同じであっても、込められている意図は全く別物である。
そして、おそらくはその問いかけが来るのを半ば予期していたのだろう、蒼髪の少女は、
静かに微笑むと、ゆっくりとした口調で答えを返した。

「振りかかる火の粉は払わなきゃね・・・・」

あくまでも穏やかな口調。
――だが、デルフィナは、その奥に、
今までの彼女からは一度として感じた事のない、強い決意を嗅ぎ取っていた。
そう、迷いを捨て去り、引き返す道を自らの手で断ち切った者のみが持つ、
啓明の輝き、あるいは、不退転の意志を。



258:ARCH DUKE
09/03/08 22:17:46 JRlHGWL/
(24)

「ヴァリアが私を選んだ時点で、選択の余地なんか無くなっていたのよ。
ボヤボヤしていたら、現実界が・・・・わたしの生まれた世界が滅茶苦茶にされてしまうだけ」

――こんな風に、と言わんばかりに、
痛みのこもった視線を無残に焼け焦げた市街へと向ける現実界の少女。

・・・・でも、わたしは怖かった。
選択の余地など無い、と頭では分かっていても、
実際に廃墟と化した東京を目にするまで、どうしても受け容れられなかった。
単に戦いが恐ろしかったのではない。
無論、強大なログレスの軍勢に恐怖を抱かなかったという訳ではないが、
戦いそのものよりも、彼らを相手に戦い抜く能力を手にする事の方がずっと恐ろしく思えたのだ。

「・・・・だって、世界を護れるほどの力なら、逆に滅ぼしてしまう事だって可能かもしれないでしょ?
そんな計り知れないパワーを引き受けるのが――怖くて堪らなかったの。
クラスの友達とテレビや雑誌の話題で盛り上がったり、成績や進路に悩んだり・・・・
家と学校を結ぶ円の中での物事だけ考えていれば良かった、聖心女子学園の麻生優子ではなくなって、
否も応もなく、世界の行方を左右する存在になってしまう・・・・運命が・・・・」



259:ARCH DUKE
09/03/08 22:18:19 JRlHGWL/
(25)

「それが、怖くて堪らなかったの・・・・」

喋り終えて、小さく息を吐くパートナーを見つめながら、
どう返事をしたものか、と思案顔になるデルフィナ。
・・・・だが、すぐに肩をすくめると。

「現実界人というのは、いちいち面倒な事を考えるんだな。
以前も言ったが、生まれついての<戦士>の私には、正直、お前の気持ちは理解し難い」

率直な――ある意味、率直過ぎる――回答に、
そうだね、と苦笑を漏らすしかない、蒼髪の少女。

(でも・・・・一番辛いのは・・・・)

表情には笑みを浮かべたまま、心の中からは笑いを消す。
代わりに浮かび上がってくるのは、切ないまでの寂しさ、
・・・・そして、もう一つ、赤毛の級友の相貌。

(・・・・戦う相手を、選べないって事かな・・・・)



260:ARCH DUKE
09/03/08 22:18:52 JRlHGWL/
(26)

パチパチパチパチ・・・・・・・・。

不意に頭上から響き渡る、乾き切った拍手の音。
耳障りな笑い声に続いて、侮蔑に満ちた言葉が響き渡った。

「いや~、ごちそうさま~。実に感動的なお話でしたねぇ。
揺れ動く乙女の心情、現実界人の言う、メランコリックってヤツかしら~」

<ヴェカンタ>の瘴気を身に纏い、
空中から地上へと舞い降りてくる暗黒五邪神・炎邪ベノン。
先刻にも増して邪悪さを増した凶相には、他者に対する嘲りの感情が満ち溢れている。

「・・・・まァ、今回だけはそこのメス豚ちゃんに同意するわ。
現実界人の感傷にいちいち付き合っていられる程、アタシもヒマじゃないんだから。
フン、何がメランコリックよ、阿呆らしいッ!!」




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