SIREN(サイレン)のエロパロ第4日at EROPARO
SIREN(サイレン)のエロパロ第4日 - 暇つぶし2ch54:神代美耶子/神代家廊下/数ヶ月前/23:59:59
08/07/13 12:40:14 kIRIFEvT
 淳の気配が消えたのを確認すると、美耶子はふっと安堵の息を吐いた。
 そして気付く。自分が、宮田の身を案じて庇っていたのだということを。
 ―ううん、違う。私はただ、淳の思い通りにさせたくなかっただけ。
 淳は、以前から宮田を疎んじていた。
 医師という立場上、自分よりも美耶子に―美耶子の肉体に接することの出来る宮田に、
淳は嫉妬しているのだ。
 かといって淳は、美耶子を愛している訳ではない。
 淳が美耶子に抱いているのは、執着心と独占欲だけだ。美耶子はそれを見透かしていた。

 ―淳は私を自分の持ち物だと思っていて、それを他人に取られたくないだけなんだ。
 そんな下らない理由で宮田を失脚させようとする淳が、美耶子には腹立たしかった。
 ―そんな我儘であいつを……あの医者を、私から奪おうとするなんて……。

 ここまで考えて、美耶子はハッとする。
 自分は、宮田のあの健診を、望んでいる?
 違う。そんなはずはない。
 あの羞恥と屈辱の時間を自ら欲しているなんて、そんな馬鹿げたことは……。

 美耶子は一人首を振り、大きく深呼吸をした。
 息を吸うと、未だ鼻腔に残っている宮田の精液の香が蘇り、美耶子の躰を熱くする。
 足の裏で感じたあのしなやかな硬さ。切ない震え。そして、そして―。

「いやあっ!」
 闇の中で美耶子は叫び、手探りで座敷の中に駆け込んだ。
 用意されていた夜具に伏し、早鐘を打つ胸を布団に押し付けた。

「こんなの嫌。みんな嫌い。大嫌い……」
 火照る躰が、宮田の感触を反芻しようとするのを拒絶するように。
 美耶子は枕に顔を埋め、弱々しく呟いた。

【了】



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