SIREN(サイレン)のエロパロ第4日at EROPARO
SIREN(サイレン)のエロパロ第4日 - 暇つぶし2ch129:名無しさん@ピンキー
09/01/23 21:34:20 o7bcjw7E
JC

130:名無しさん@ピンキー
09/01/30 01:44:19 sq6n7TVW
>>129
JK

131:名無しさん@ピンキー
09/02/08 19:41:57 0SUhD9nY
GJ

132:名無しさん@ピンキー
09/02/16 06:54:17 qFoPLtRR
今更だけど
美耶子に後半名前を連呼された恭也は勝ち組でおk?
それだとハワード立場無いなw

133:名無しさん@ピンキー
09/02/17 21:32:47 u/YOHlTI
a

134:名無しさん@ピンキー
09/02/17 22:54:39 w9hL4yQV
(゚∀゚o彡°ツン子!ツコ子!

ツン子の黒髪で髪コキされたい……と、SDKが申しております。

135:名無しさん@ピンキー
09/02/18 21:47:49 Mm57sufY
髪コキしたいじゃなくて、髪コキされたいがミソなのかw

136:名無しさん@ピンキー
09/03/04 10:23:15 iAm6rpKZ
死守

137:名無しさん@ピンキー
09/03/07 18:47:03 YDzJsOJT
廃屋の納戸でSDKが床を踏み外した後の

みゃーこ「くすっ ぐーず」

↑にやられたのは俺だけだろうか

138:名無しさん@ピンキー
09/03/07 20:10:38 bOA/+zwb
>>137
あるあるあるw
美耶子は本当にカワイイよな

139:名無しさん@ピンキー
09/03/07 21:57:35 3sHVZj2x
ぐーず☆

140:名無しさん@ピンキー
09/03/07 22:18:55 RnIQy/jH
にぱー、ぐーず☆

141:名無しさん@ピンキー
09/03/07 23:21:48 jtQFV7S3
>>137
やはり無印だな
それよか「みゃーこ」
にやられたんだが
ぬこっぽいハァハァ(´д`*)

142:名無しさん@ピンキー
09/03/13 23:35:16 jZVYTuBx
たまには宮田美奈で付き合いはじめの幸せえっちがみたい。 
神様お願いします…

143:名無しさん@ピンキー
09/03/14 08:36:19 qfmeS7Lc
そもそもあの2人はどうやって付き合いだしたんだろう?美奈が惚れたんだろうなーとは思うけど、宮田が了承する流れが想像出来ない。

144:名無しさん@ピンキー
09/03/18 06:07:00 xc3WQAdG
つか宮田は美~奈をちゃんと愛してたんかな
医者なのに20そこそこの若い娘に中出ししたあげく絞殺してポイかよ


145:名無しさん@ピンキー
09/03/18 13:51:09 t96HR3mD
ペットや玩具に抱く程度の愛着ならあったと推測する。

146:名無しさん@ピンキー
09/03/18 23:16:08 jaYm/+Dv
自分は宮田が実は愛情表現があまりに下手だっただけで美奈を愛してたと妄想してる。
一番最後の「今行くよ」
の言い方が宮田にしては優しいというか、柔らかい感じだったから。
あとNTで宮田ポジションの犀賀がゆきえを愛してたみたいだから宮田も…?と。

147:名無しさん@ピンキー
09/03/19 21:54:26 OdVUQRr0
NTネタって今まで出てないの?

148:名無しさん@ピンキー
09/03/20 01:14:07 e9N/LK5t
宮田さんは美奈を愛していた
俺はそう信じている

149:名無しさん@ピンキー
09/03/21 05:00:16 tUTGtsuN
知子ちゃんは牧野に恋していた
俺はそう信じたい

150:名無しさん@ピンキー
09/03/21 10:03:36 ywi2jmhR
宮田って美奈のこと「しつこい女だ」って言ってなかったっけ

151:名無しさん@ピンキー
09/03/22 00:48:37 OD3xiR7N
外見美人で思考はゾンビの屍人に集団逆レイプされたい

152:名無しさん@ピンキー
09/03/22 23:59:12 moxDZ5Nv
犀賀と幸江で何か一つ書いてくれる職人いねがー

153:名無しさん@ピンキー
09/03/24 17:49:39 OpLtatLj
美耶子に蹴られたい

154:携帯より愛をこめて
09/03/30 16:50:53 stJKw2mo
規制でスレに落とせなかったので保管庫に直で入れました。

宮田×美耶子の続き
URLリンク(www26.atwiki.jp)
犀賀×幸江
URLリンク(www26.atwiki.jp)

読んで下さい。
感想くれるとなお有り難い。
というかこういうスレに落とさないやり方はありでしょうか?
落とす方としてはこの方が楽っちゃ楽なんですが、読む方には手間になってしまいますかね?
この件に関してのご意見も、気が向いたらよろしく。

155:名無しさん@ピンキー
09/03/31 00:59:11 RHUAEwiV
>>154
GJ!!みやみや密かに待ち続けてた甲斐があったよ。
エロくて面白くて、何よりもこういう読後感大好きだ。

自分は全然手間じゃないよ。
保管庫に入れてくれたという報告があればとんで見に行く。
規制あっても公開できる場があるのはいいね。

156:名無しさん@ピンキー
09/03/31 01:12:02 WUzcuqbn
>>154
ありだと思います!


いやーすっごく良かったです
前の宮美耶の続きが見れるとは思わなかった。この2人大好きだ。最期の美奈との会話は本当に有り得そうだった。美奈のキャラもリアル。結局、美耶子との逃亡は宮田の妄想だったってことで良いのでしょうか?
個人的には2人で逃げ切って欲しかったな…残念だけど、このバッドエンドが非常にサイレンらしかったです。
犀賀幸江の方は2人なりのハッピーエンドですよね?幸江の犀賀にべた惚れな感じが微笑ましかった。この2人は両想いが公式なので安心して読めました。
やっぱりサイレンには少し後味悪いエンドが似合いますね。サイレンの中で純粋なハッピーエンドが似合うのって恭也美耶子くらいな気がします。
できれば作者さんにはその後恭也と会う美耶子も書いて欲しいです。
感想長くてすみません。

157:名無しさん@ピンキー
09/03/31 01:14:59 WUzcuqbn
>>156
すみません!この感想重大なネタバレでした…ごめんなさい。

158:名無しさん@ピンキー
09/03/31 02:47:22 U2djWACd
今日初めて来たんだけど、保管庫のキバヤシ×ともえのキバヤシの最低さにワラタ
ともえカワイソス
阿部×ともえはほのぼのしてて良かったな。ともえの娘は阿部の子だと信じてる。

屍人とか闇人に凌辱されるやつが好きだけど、やっぱえげつないからか少ないね。
好きな人だったものに犯されて、嫌なのに感じちゃう!な女の子が好物なので
母胎(キバヤシ)×郁子はすげー萌えた。

159:名無しさん@ピンキー
09/03/31 09:17:36 OoGpAJSq
>>154
>>152ですが、目茶目茶良かったです。GJ!
最後の最後まで目を引く展開が流石。幸江可愛すぎる。
宮田美耶子の続きまで読めて、大満足です。

ここでお知らせしてくれれば、保管庫に直接投下でも構わないと思う。
職人さんのやりやすい形でやってもらえれば。

160:名無しさん@ピンキー
09/04/02 22:23:16 5y91jmVS
絵板ってあったっけ?あったらいいなあ

161:名無しさん@ピンキー
09/04/04 10:58:20 +d2Uf+Vb
絵板欲しいな
エログロ

162:名無しさん@ピンキー
09/04/11 12:23:21 jSgAeMtl
ほしゅ

163:名無しさん@ピンキー
09/04/12 05:44:35 k7j7z1nI
お初だが、永井の名前はあんま出てこないのな


164:名無しさん@ピンキー
09/04/15 20:17:49 o/O6vjAU
>>151
(↓ナースの様相も声もそれぞれ普通です)

夜中の廃病棟を散策する151…
しかし途中でこげ茶ロングヘアーの美人ナース(血は出てない)に

「だぁれ~~・・・・?? ま~ち~な~さ~い…」

と追いかけられる…
そして行き止まりに(逃げ込もうとした部屋の鍵がなかった)…
覚悟を決めた151。
そこへ…


ガチャ・・・

と逃げ込もうとしてた部屋のドアが突如開く…
中から出てきたのは黒セミロングのナイスバディなナースが
「しまった!」そう思ったときにはすでに遅く
黒セミロングに腕をつかまれてしまう…

ガシッ!

黒髪「ど~しましたか~~~??」

「は、はなせ! このっ!」

黒髪「いやぁ~~よぉ・・・・患者はおとなしく・・・ふふふふふ しなきゃぁ・・・」

「や、やめろ・・・!」

しかし黒セミロングだけに気を集中させていたためその後ろにいる
もう一人の深緑ロングヘアーの小悪魔系ナースの発見に遅れてしまい…

「…っ! まだいんのかよ!」

深緑「やぁだぁ・・・何の音・・・」

「く、くるな・・・・! バカ… やめ・・・」

こげ茶「つかまえた~~ さぁ~ 治療しましょ~ね~…」

「やめろ! 死にたく…! 死にたくない!

やめ・・・? う、うん?

…ちょ、あ、ああ! あぁぁああああああんん!!」



こうですか?

165:名無しさん@ピンキー
09/04/15 22:57:17 gmNJ8Wl8
ビッチじゃない美奈が見たい…。 
牧野に恋する知子が見たい…。 


166:名無しさん@ピンキー
09/04/16 21:56:44 ETCsrbzc
美奈はビッチじゃないよ
美浜はビッチだけど

167:名無しさん@ピンキー
09/04/16 22:07:12 l7650RUT
ビッチといえば百合だろう

168:名無しさん@ピンキー
09/04/25 02:12:26 dj7Lw8dl
依子は処女

169:名無しさん@ピンキー
09/05/02 15:48:04 ylDPIbQy
保守あげ

170:名無しさん@ピンキー
09/05/12 18:23:50 LiyxdKpr
ちっぱい

171:名無しさん@ピンキー
09/05/12 19:46:19 vuK3TLop
ジャンプの漫画と間違えやすいタイトルだな。

172:名無しさん@ピンキー
09/05/12 20:05:38 aMV4gP1y
依子のメガネぶっかけを希望する
美耶子の犬(名前忘れた)バター犬化を希望する
親父とともえの近親相姦を希望する
幸江の巨乳を活かしたパイズリを希望する
ソルとメリッサのラブロマンスは突然に18禁バージョンを希望しなくもない

173:名無しさん@ピンキー
09/05/12 20:06:30 aMV4gP1y
あげちまったごめん

174:名無しさん@ピンキー
09/05/12 23:15:49 5hqX3NM2
>>172
ケルブじゃなかったっけか?

175:名無しさん@ピンキー
09/05/13 02:39:40 06crtON0
そういえばトルコかどこかの料理でケルブサンドってあったな

176:名無しさん@ピンキー
09/05/13 21:07:53 Zqh8ufLo
ケルブ×美耶子×ケルブ
こうですか!?わかりません><

177:名無しさん@ピンキー
09/05/18 20:51:22 PkbrPoPh
>>176
ハァ?

178:名無しさん@ピンキー
09/05/18 23:11:08 xNCfZc1m
加奈江は非処女

179:名無しさん@ピンキー
09/05/19 00:26:00 GLp3sN4n
>>177
ハァ?

180:名無しさん@ピンキー
09/05/19 18:19:23 LLdxKenR
ハァハァ

181:名無しさん@ピンキー
09/05/20 19:57:25 DKf0kfsG
ごめん
ケルブサンドじゃなくてケバブサンドだった
ほんとごめん
素で間違えてた

182:名無しさん@ピンキー
09/05/22 12:21:54 5lD0SUJI
このゲーム遊んだことないんだけど、こんなにエロいのか?

183:名無しさん@ピンキー
09/05/22 12:36:41 /6zkybaS
>>182
1の主人公は初潮直後の聖処女と血の契りを結び文字通り無敵の男♂になる
2の主人公(?)は美少女に『待ってたの…私と一つになってくれる人を』
とか言われてホイホイついていき
そこには『私を見て…』胸をはだける美少女の姿が!
(まあ合体直前で別の女に邪魔されるが)

控えめに表現してもこんな感じだ

184:名無しさん@ピンキー
09/05/22 23:15:57 ptFH2Peb
>>182

俺は2未プレイだが、1だけでもこんなにエロい
>>183の聖処女の他にもナースや幼女、JC、メガネっこ女子大生、
アイドル、女教師などなど……どの層も大満足なゲームだ
「んっ……しょっと」「ひゃ……んっ」のようなエロボイスも聞ける

185:名無しさん@ピンキー
09/05/23 11:46:09 UpKwFSbu
しかも女教師なんて自己犠牲心のカタマリだしな

186:名無しさん@ピンキー
09/05/29 10:51:07 m2oNP6Mt
ほしゅ

187:名無しさん@ピンキー
09/06/04 19:17:54 Tc0ruCOF
こうしてNTは華麗にスルーされた

188:名無しさん@ピンキー
09/06/04 20:45:15 vksHn7Cx
NT(笑)

189:名無しさん@ピンキー
09/06/06 09:18:53 eFhaLgwq
NT

190:名無しさん@ピンキー
09/06/07 22:47:30 FI80eriR
NTはミヤコのちょっと大人びた美麗さとサイガ先生の微妙な良い人っぷりに萌えるゲームです

191:名無しさん@ピンキー
09/06/08 18:06:23 ilMaID7c
おっと幸江の乳を忘れてもらっちゃ困る

192:名無しさん@ピンキー
09/06/09 22:39:53 kGUkYv/D
二代目ロリコンもでたじゃまいか

193:名無しさん@ピンキー
09/06/17 19:10:07 quBXwdfe
>>154
遅レスだけど久々に来たらみやみや続きがあって嬉しかった。ありがとうありがとうー。
この作者さんの原作リスペクト精神は大好きだが、最終章のこの絶望感。まさにSIREN。
憎らしい!どうしてくれる!だがそれがSIREN。
トランクの黒と白の対比、絶望をイメージさせる黒が希望の象徴で、白を逆にしてるのも面白かった。
エロ薄めと思ったら犀賀×幸江の方でエロエロさせてたのな。GJGJ!

194:名無しさん@ピンキー
09/06/22 00:46:53 RFrO6gir
またみやみや読みたい

原作の範囲内だとこれ以上は難しいのだろうか

195:名無しさん@ピンキー
09/06/22 00:57:21 DQ62qav1
出来なくはない。

196:名無しさん@ピンキー
09/06/28 17:49:52 C9ZeMWYS
落ちるなー

197:名無しさん@ピンキー
09/07/09 23:52:40 s2gD7fmX
age

198:名無しさん@ピンキー
09/07/10 17:58:13 FmJf+gzG
屍人(闇人)沖田×市子ってありかな?

199:名無しさん@ピンキー
09/07/10 20:17:45 VlipSjua
>>198
ありじゃないかな。
市子はなんか苛めたくなる。怖いけど。藤田と市子ってのも好きだ。

200:名無しさん@ピンキー
09/07/11 14:48:32 PNw+mqdX
>>199
藤田と市子かあ、個人的に藤田から襲うってのは全然想像できないから市子から襲うっていう逆レイプものしか想像できん・・。
ちょっと沖田と市子で作品考えてみます。



201:名無しさん@ピンキー
09/07/12 01:38:47 phB697zb
>>200
良いねー
覚醒前の市子はほんとに可愛い。弱々しくてキャーキャー言ってるかんじがなんともいえん。楽しみにしてる!

202:名無しさん@ピンキー
09/07/12 12:07:46 JRjgkdQc
期待

203:黒い少女NT
09/07/12 19:27:17 Sm6kMYlt
美耶古がハワードとはぐれてしまい、一人で歩いているときのことだった・・。
「ねぇ・・どこ・・・。」
そのときだった・・・。
美耶古は「何か」に掴まれ、そのまま上空へと運ばれてしまった・・・。
「離せ!このぉ!」
必死で抵抗するがなかなか離れなかった・・。
「何か」の正体は羽根屍人だった・・・。
上空へ運ばれた美耶古のもとに、約六匹の羽根屍人が集まる。
そして二匹の羽根屍人に手足を完全に固定されてしまった。
(私・・死ぬの?)
死を覚悟した美耶古が受けた行為は、あまりに予想外の事だった。
「きゃっ!いや・・・、やめて!!」
甘い感覚が美耶古を襲った・・。
なんと羽根屍人の一匹が、黒いワンピースの上から美耶古の控えめな胸を揉みだしたのだ・・・。
「あ・・あふ・・やめて・・んっ・・!」
何度も何度も揉みしだき、先端の乳首をブラをつけていない服の上からつまむ・・・。
乳首をつままれると、よりいっそう強力な甘いしびれが美耶古に襲い掛かる・・・。
「や、やめろ!んはぁっ!あ、ああん・・・。」
するともう足を掴んでいた羽根屍人が美耶古の足を大きく開脚させた・・。
そしてもう一匹の羽根屍人が、美耶古の黒いスパッツを引き裂いた。
「やめろ!何をする気だ!」
そして、開脚した足の間に羽根屍人の顔がうずくまり、まだ毛の生えていない秘所を舐め上げた。
「んああぁぁぁっ・・・!!」
大きな快感の波が美耶古を襲う・・。
さらに残る羽根屍人も美耶古の体に群がり、美耶古の体をもてあそぶ・・・。
どうやら、下着だけを脱がし、服を脱がさないのが彼らの趣味のようだ・・。
ワンピースの間に手を入れ、乳首をこねくり回し、弄ぶ。
「いやっ・・はぁっ!ああああぁぁぁんっ!!」
同時にワンピースのスカートの脚の間から頭を入れ秘所を何度も舐められる・・。
「ああんっ、んんっ・・・・・んあぁぁぁ!!!」
上空で弄ばれているため、美耶古の愛液が雨のように滴り落ちる・・。


この行為が2時間以上も続き、美耶古は完全に自我を失っていた・・・。
飽きたのか、羽根屍人達はグッタリとした美耶古をどこかへ運んでいた・・。



─続く─



204:名無しさん@ピンキー
09/07/13 20:40:50 DFUPE/Vp
GJ

205:黒い少女NT
09/07/13 22:29:54 WhVaBhhv
美耶古が運ばれた先は蜘蛛屍人の巣だった・・・。
そこに一人落とされた美耶古は、力の入らない体を精一杯動かし、下着を着けていない状態で徘徊する。
「うっ・・、あいつら・・よくも・・・。きゃうっ!」
いきなり蜘蛛屍人に押し倒され、美耶古はつい子猫のような声を出してしまった・・。
「もっ、もしかしてこいつも・・・。」
美耶古の予感は的中した・・・。蜘蛛屍人は細い両腕で、美耶古の胸を服の上から揉む・・。
「くぅ・・、はぁん・あっ・・、んんんっ・!」
美耶古はあまりの快感に、ついいやらしい声を出してしまう・・。
蜘蛛屍人が何匹も美耶古の周りに集まる・・。
すると一体の蜘蛛屍人が美耶古の股間に顔を近づけ、69の体制をとった。
そして、ワンピースのスカートをめくりあげると、秘所にざらざらの唇を吸い付け、愛液を吸う・・。
「はぁぁぁっ!!んんっ!んあぁぁぁぁっ!!!」
チュゥゥといういやらしい音とともに、美耶古のあえぎ声が響き渡る。
それで興奮したのか、ほかの蜘蛛屍人達も、美耶古に近づいてきた。
そして、服の上から乳首を吸い上げられる。同時に秘所も吸われ、二重の快感が襲い掛かる・・。
「んあぁぁぁぁぁっ!あぁぁん・・・、いやぁっ・、んんんんっ!!」
何度も何度も、吸い上げられ、ついには達してしまう!!
「んあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
服は一切破かれたり捨てられていないので、美耶古の外見は普段と変わりなかった。
しかし、息を乱し、明らかに意識が朦朧としているところだけが違っていた。
「はぁっ・・、はぁ・・・。」
達したのもつかの間、また蜘蛛屍人たちによる吸引が開始された。
「また・・あふっ・・、んぁぁぁぁぁ!!」
今度ばかりは、さっきと比べ物にならない快感が何度も襲い掛かる。
「んあぁぁ・・、あぁぁぁんっ!んんんんっ・・・・。」

どのくらい吸引されただろうか・・。
続く吸引に美耶古の意識が飛びそうになりかけた瞬間。
人のシルエットが美耶古の視界に入った・・。



─続く─

206:名無しさん@ピンキー
09/07/14 00:06:48 lY7CyfKg
保管庫のSS増えてる?

207:名無しさん@ピンキー
09/07/14 04:44:18 Q9TuFslT
保管庫に弟を切るダブルパロktkr!!!ヌゲー大作GJ!
>>205といい神の流れですね

208:黒い少女NT
09/07/15 20:17:43 O42Gjda7
頭脳屍人だった・・・。
意識が飛びそうになった美耶古は、そのおぞましい姿に完全に意識を取り戻した。
体は通常の人なのだが、頭部が違い、無数の百足のような触手が完全に頭部を支配していた。
「あ・・・ひぃ・・。」
快感を味わった後というのもあるのだが、それよりも恐怖で足が動かなかった。
すると、頭脳屍人は無数の触手を美耶古の服へともぐりこませた。
「いやっ!もう・・、いやぁぁ!!」
すると、百足のザラザラとした足が、美耶古の乳首や秘所の割れ目に触れるたびに甘い感覚が美耶古を襲う・・。
「んん・・・、はぁ・・・、んああぁ・・・。」
そして、服の中の触手は、美耶古の乳首を完全に包み込み、吸いあげた。
「んんんっ・・・!!んああぁぁ!!!」
蜘蛛屍人の時とは比べ物にならない快感が襲う・・。
どうやら頭脳屍人の触手には性感を上げる効果があるようだ。
さらに触手は、秘所の中に入らないまでも、割れ目をなぞるようにくすぐる・・。
比例するように、美耶古の体がのけぞる。
「んあぁぁっ・・!!んん・・・あぁぁぁんん!!」
この行為を何分も続けた後、割れ目から出てきた愛液を吸うように、触手は美耶古の肉芽を吸い取る。
頭脳屍人のなかには、女の精液を好んですする者もいるようだ。
「んああぁぁぁぁぁぁぁ!!んんん・・・・・!!」
美耶古は心の中では拒んでいた・・。しかし、心の本当の奥には、微量ながら求めている部分もあったのかもしれない・・。
しかし、プライドのたかい美耶古は屈したことを認めなかった。
しかし、その態度は頭脳屍人をさらに奮い立たせる・・・。
頭脳屍人はさらに服の中へもぐりこませる触手を増やす・・。
乳首を撫で、吸い、秘所をこすり、愛液を吸い取る・・・。
「あぁぁぁぁん・・・!!んん・・・んあぁ・・・!!」

結局頭脳屍人の行為は終わりを迎えなかった・・・。
美耶古はすでに抵抗を諦め、頭脳屍人に身をゆだねた・・・。

─終わり─



209:名無しさん@ピンキー
09/07/16 19:04:36 d2vcaU8v
>>208乙型

210:名無しさん@ピンキー
09/07/19 14:31:39 mx0JYpRe
宮田×美耶子の第三弾投下。
長くなりそうなので連載形式にします。


211:名無しさん@ピンキー
09/07/19 14:32:28 mx0JYpRe

 暗闇の中に身を潜めていた。
 濡れた土の匂いが濃厚に漂う闇の中。
 息を殺し、のろのろと覚束ない足音が近付くのを、じっと待ち続けていた。
 もう少しだ。もう少しこちらに来い。
 吊り橋を渡り、粗末な線路を辿って、廃材に突き刺さった発煙筒を検めに行くがいい。

 足音が石段の前を通り過ぎた。
 このままやり過ごして、そっと吊り橋に向かっても構わない。
 相手は銃を持っている。相手にするのは避けた方が賢明だろう。

 ―いや、待てよ……。
 銃を持った相手に背中を向けるというのも、それはそれで危険な行動であるような気もする。
 今は発煙筒の煙に気を取られているからいいが、急に気が変わって元の場所へ―
吊り橋の方へ戻って来ないという、保証もない訳だから。
 きびすを返してあとに戻った。
 相も変わらず覚束ない、酔漢のような足取りで進む奴の背後へ、静かに歩を進める。
 真後ろに立った処でようやく奴は気がつき、間抜けな声と共に振り向こうとする。
 だがもう遅い。
 右手が振り上がる。
 小さいけれど重みのある金属製のスパナが微かに煌めき―
奴の脳天めがけ、真っ直ぐに振り下ろされた―。


 ベッドの端で、不安定な躰が傾いだ。
 何が起こったのかも判らぬまま、彼は―宮田司郎は、全裸のままベッドから落ちた。
「うぅ……」
 意味もなく呻いて、カーペットの床から起き上がる。
 ばりばりと頭を掻いてベッドを見た。
 美耶子はまだ眠っている。
 つややかな黒髪に覆われた後ろ頭をこちらに向け、今の騒ぎに気づく様子もなく、
安らかな寝息を立てている。

 宮田は大きく欠伸をし、枕元の携帯電話に手を伸ばして開いた。
 携帯の画面は目覚ましを鳴らした時刻、AM7:00を表示したまま止まっている。
 嫌な予感がして画面を元に戻すと、時刻はすでに8:00間近になっていた。
「いかん」
 宮田は慌てて立ち上がり、洗面所へと向かった。

 大急ぎで身支度をしてアパートを出ると、眩い朝の光が寝不足の躰に突き刺さった。
 古ぼけた建物も、薄汚れた街路さえも煌めかせる夏の朝。
 宮田は眼を眇め、鉄筋アパートの入口真横にある自転車置き場に向かい、
一番手前に置いてある黒い自転車のチェーンを外して跨った。

 診療所まで、近道を通って自転車を飛ばせば五分とかからない。
 宮田はいつも通っている大通り沿いの道ではなく、
狭く曲がりくねって通り辛い、歓楽街の裏道の方へと自転車を走らせた。
 ピンクチラシが大量の護符のように壁に貼り付いているガード下をくぐり、
夜中に酔っ払いが残して行った吐瀉物や、学校へ向かう小学生の群れを避けてすり抜け、
風俗店が軒を連ねている細い路地に入り込んだ。
 そのまま通り抜けようとした彼の視界の端に、煙草を燻らせてたむろしている、
数人の女の姿が入った。

「宮田先生やん」
 女の一人が声をかけてきたので、宮田は自転車を止めた。
 ソープランドの裏口。彼女らは、早朝ソープで働く嬢達だ。
「なあ先生、いつになったらうちの店来てくれるのん?」
「ほんまや。約束したやんなあ。サービスしたろ思てあたしらずっと待ってんねんで?」


212:名無しさん@ピンキー
09/07/19 14:33:15 mx0JYpRe
 女達の台詞に、宮田はふん、と鼻を鳴らす。
「やなこった。
俺はなあ、お前らみたいなへちゃむくれ相手に落す金は、持ち合わせてねえんだよ」
「へちゃむくれやて」
「ひどいなあ」
 宮田の言い草に女達は不満の声を漏らすが、
その言葉とは裏腹に、大して応えている様子もない。

「それよりお前らの方こそ、そろそろうちに来いよ。前の検診からもう三ヶ月近く経ってるぞ。
また面倒なのに土産持たせて騒ぎになっても知らないぞ」
 宮田は真面目くさった顔つきで女達を見廻す。
 通常、ソープランドでは月に一回、嬢達の性病の検査を行うきまりになっているものだが、
彼女らの働くソープはその義務を果たしていない。病院代をけちっているのだ。
 宮田が勤務医として働いている診療所は、ここと場所も近いことから、
格安の料金で彼女達の自主的な診察を受け付けているが、
それでもやはりこの、「自主的」というのがネックになっていて、
こうして促さないとなかなか来ようとしないのが現状だ。

「おっと……こんな処で油売ってる場合じゃなかった。遅刻しそうなんだ……。
いいかお前ら、次の日曜だ。全員、午後一番で診療所に来い。
俺が休日出勤してまとめて診てやるから。いいな? 忘れんなよ」
 女達を指さして言い、宮田は自転車のペダルを踏んだ。
 生ごみと小便の臭いが入り混じった風を頬に受け、
朝の光に煤け、くたびれたしどけない素顔を晒した裏道を進んで、職場へと急いだ。

「犀賀診療所」は、歓楽街から僅かばかり外れにある雑居ビルの三階に居を構えていた。
 エレベーターもついていないビルの狭い急な階段を、一段抜かしで駆け上がり、
宮田は、診療所の名前が入ったプレートつきドアを勢いよく開ける。
 三階への階段途中から漂い始めていた薬品の臭いが、扉を開けた途端いっそう明瞭になった。
 そして―。
「あら宮田先生、おはようございます」
 入口ドアのすぐ手前、受付の札を出した机の奥で、看護婦の河辺幸江が、
くりっとした眼を上げ宮田に挨拶をした。

「おはよう幸江さん……犀賀先生は?」
「川崎さんの処に往診に出かけてるわ」
「そうか……助かった」
 宮田はほっと胸を撫で下ろし、自分の席に向かうと、座り込んで大きなため息をついた。

 犀賀診療所の所長である犀賀省悟医師は、厳格な性質の男で、特に遅刻にはうるさかった。
 どちらかというと宮田はその逆で、一年前まで自身が院長を務めていた村の病院でも、
看護師達にさして厳しい態度を取りはしなかった。
 二人ともかつて、山奥の僻地にある村でただ一つの病院を経営していた、
という共通項があるのに、そういった面では全く対照的である。

「途中で道草食ったせいで、大分遅れたからな。
危うくまたお小言を頂戴するところだったよ……ところで、川崎さんはどうしたんだい?」
「うんまあ、特に何かあったってわけじゃないんだけどね。今の処血圧も安定してるし……。
ただ、あのおじいちゃん例の調子だから、心配なんでしょう」
 川崎家はこの診療所の創設以来、もう三十年近い患家であった。
 だが、犀賀がじきじきに取り上げた二人の娘は、すでに嫁いで余所の土地へと移り、
その母親も、二年ほど前にくも膜下出血でこの世を去っている。
 七十歳の川崎氏は独り団地に取り残され、やもめ暮らしの日々を送っていたが、
最近になって認知症の兆候が現れてきたので、犀賀は気にかけているらしかった。

「川崎のおじいちゃんも、奥さん亡くしてがっくりきちゃったのかしらねえ」
「嫁が居なくなると男は本当に脆いからなあ。
幸江さんも、躰は大事にしてくれよ? 犀賀先生がぼけたら俺一人じゃ面倒見きれん」
 幸江は、目尻に愛らしく皺を寄せて笑う。

213:名無しさん@ピンキー
09/07/19 14:33:54 mx0JYpRe

 五十路のベテラン看護婦である幸江は、犀賀の仕事上のパートナーであるばかりでなく、
実生活においても内縁の妻として犀賀を支えていた。
 二人の付き合いはこの町に診療所を構える以前、
まだ、村の病院の若き院長と新米看護婦であった時代から続いていると聞いたけれど、
それほどの期間一緒にいながら、なぜ二人が正式な夫婦として籍を入れないのかは不明である。
 犀賀も幸江もそこの処は詳しく語ろうとしなかったし、
宮田も無理に問い質すことはしなかった。

 誰にだって事情はあるし、他人に言えない秘密だって何かしら抱えているものだ。
 宮田は、自分と美耶子のことを考えていつも納得するのだ。
 そしてこうも考える。
 自分と美耶子が、なぜ二人してこの町に住むようになったのかを知ったとして。
 犀賀と幸江は、それでも自分達を受け入れてくれるのだろうか―と。


 その後、犀賀診療所では何事もなく時間が過ぎて行った。
 宵っ張りなこの町の診療所は午前中割りあい暇で、
しかも訪れる患者は、いつも通院してくる常連がほとんどであったから、
宮田の仕事も、世間話ついでの問診をし、処方箋を書いて渡すぐらいしかなかった。

 ただ、往診に出た犀賀はなかなか戻って来なかった。
 幸江によれば、おそらく、川崎家以外の独居老人の家にも立ち寄っているのだろう、
ということだった。
 元々は日雇い労働者達のドヤ街として発展したこの町も、
今や住民の高齢化が深刻化しているのは、御多分に漏れない。
 彼らの大半は身寄りもないし、地域が共同体としての機構を失って久しい現在、
躰が弱って来院することもままならないような老人に対しては、
こちらの方から積極的に診ようとするする努力が必要だった。

 そうはいっても、犀賀がこうして外に出て廻れるようになったのも、この一年ほどのこと。
 宮田がこの診療所に勤めるようになってからのことだった。
「宮田先生が来てくれて、本当に助かってるわ」
 患者が途絶えた後。書き仕事の手を止めて、幸江は宮田に言う。
「これまでは、往診受けるのも大変だったからねえ。
なにしろドクターが犀賀先生一人なんだもん。でも今は宮田先生が居てくれるから。
犀賀先生もすごく心強いし、安心できてると思うのよ……。
あの性分だから、そんな態度はおくびにも出さないけれどね」

 宮田は小さく笑う。
 犀賀が己の感情―とりわけ、人に対する情愛や感謝の念、
といった類のものを表に現すのが苦手な男であるのは、宮田も重々承知していた。
 それに関しては自身も似たようなものなので気にしない。
 気にしているのは、どちらかといえば幸江の方だろう。

「それにしても……もうすぐ十一時かあ。ちょっと遅過ぎるかもね。携帯にかけてみよっか」
 幸江は電話の受話器を取り上げる。
 それを見計らったように、入口のドアが開いた。
「ただいま……よう、ごくろうさん」
 白衣姿の犀賀省悟が、幸江と宮田それぞれに声をかける。

 診療所の所長である犀賀省悟は、今年で五十八歳になった。
 長身で、この世代の男にしては手足が長く、
筋肉の引き締まった均整の取れた躰つきをしているため、見た目の印象はかなり若々しい。


214:名無しさん@ピンキー
09/07/19 14:34:33 mx0JYpRe
 ただし、その頭髪の半分は筋を入れたような感じで白くなっていたし、
鬢の毛に至っては見事に真っ白く変じてはいたが。
 でもそれは、端整な顔の額や口元に刻まれた皺と同様、彼の重ねてきた人生を物語っていて、
かえって好ましい医師としての威厳と説得力にも繋がっていた。

 その犀賀が部屋に入るのを見ると、どうやら彼は、傍らに小柄な人物を伴っているようだ。
「さあ、こっちだよ」
 犀賀にそう促され、大事に庇うように部屋に招き入れられたその人物を見て、
宮田は眼を見開いた。
「美耶子!」

 現れたのは、宮田が共に暮らしている盲目の少女、美耶子であった。
「あらあ、美耶子ちゃん久しぶりねえ。元気だったあ?」
「こ、こんにちは……幸江さん」
 たどたどしく幸江に挨拶をした後、美耶子は宮田の下へ歩いて行った。
「……お兄ちゃん」

 美耶子は長い黒髪を後ろで一つに束ねていた。
 ついこの間、スーパーマーケットで買い与えたばかりの黄色いキャミソールに、
下はぴったりしたデニムのバミューダパンツ。
 膝丈より少し上のデニムの裾から、素晴しく長い色白な脚がすっと伸びていた。
「美耶子、お前なんだってここに」

「君ん家のアパートの前をうろうろしてたから、連れてきたんだ」
 犀賀の言葉を聞き、宮田は美耶子にとがめるような目線を送る。
「美耶子、また勝手に部屋を出たのか?」
「だって、ケルブがまた窓から出ちゃったから……捕まえようとしてるうちに前の道まで、
つい」
 宮田は眼を閉じ、首を横に振った。
 宮田と美耶子の暮らしているアパートの部屋は、一階にある。
 部屋を借りる際、全盲である美耶子が、宮田の留守に窓から落ちたりしないように、
と、配慮をして一階の部屋を選んだのだが、これがどうやら間違いの元だった。
 通りに面した窓の柵が低いのをいいことに、美耶子がこうして勝手に部屋を出てしまい、
あげく自力では戻れなくなって、宮田が帰宅するまで外で待っている、
というような事態が度々起こっているのだ。

「住む場所が失敗だったわねえ」
 幸江にもはっきり言われてしまった。
「そりゃあ、あそこら辺はこの町の中でも山の手の方だから、
昼ならそれほど危なくはないけどさ。
眼の見えない女の子を独りで置いとく場所としては、ちょっとねえ」
 確かにその通りではある。
 窓の外の路は、車両の入れない遊歩道であるから事故の心配こそないが、
盲目の美耶子が独りで表に出るということ自体、歓迎すべきものではない。

「もう留守中に窓を開けない、窓から出ないと約束しただろう?
暑ければ冷房を入れればいいんだから」
「それは判ってたけど……ケルブがベランダに出たがって……。
ちょっとだけ開けたの。そしたら通りまで行っちゃって」
「ケルブは腹が減ったら戻って来る。猫なんてそんなもんだ。放っておけばよかったんだよ。
それをお前は……」

「まあ、それぐらいにしておけ宮田君。
幸江の言うように、あんなアパートに妹さんを閉じ込めている君にも問題はあるんだ」
 犀賀が美耶子に助け舟を出す。美耶子は、ここぞとばかりうんうんと頷いた。
「犀賀先生、こいつを甘やかさないで下さいよ。ガキだからすぐ調子に乗るんです」
「ガキじゃないもん。ちゃんと生理だってあるんだから」


215:名無しさん@ピンキー
09/07/19 14:35:02 mx0JYpRe
 美耶子の言い様に、犀賀は声を上げて笑った。
「……生理といえば美耶子ちゃん、もしかして今そうなのかい?
少々顔色が冴えないようだけど」
「ううん。今は来てない、です」
「そうか……ご飯はちゃんと食べてるの?」

「ちゃんと食わせてますよ。俺と同じものを」
 宮田が口を挟むと、犀賀は眉をひそめた。
「君と同じものを? それはつまり、碌なものを食っとらんということじゃないか。
それじゃ栄養が偏って顔色が悪くなるのも道理だ」
 まだ成長期なのに、と付け加えて犀賀はため息をつく。
「美耶子の健康が心配だったら給料上げて下さいよ。
そしたらうちの食糧事情も向上して……」
 と言いかけた宮田を、犀賀は睨みつけて黙らせる。その時、美耶子のお腹が鳴った。

「今日、まだ何も食べてなかったから……」
 気恥ずかしそうに言い訳をして美耶子は俯く。
 食事の話を聞いて、空いた腹が反応してしまったのだろう。犀賀は肩を竦めた。
「しょうがないな。美耶子ちゃんが貧血でもおこしたら事だ。ちょっと早いが昼飯にしよう。
そうだな……栄養をつけるために鰻でも取るか。幸江、電話してくれ。四人前な」
「それって先生の奢りですか?」
 宮田が問うと、犀賀は黙って頷く。宮田は満面の笑みを浮かべた。
「やった得した。おい美耶子、お前これから毎日ここに来い」
「この野郎」
 半ば本気で、犀賀は宮田の頭をはたいた。


 一日の診療が終わり、宮田は美耶子を連れて帰宅の途に就いた。
 美耶子を後ろに乗せた自転車で、夕暮れの町をゆっくりと走り抜ける。

 結局、この日美耶子はずっと診療所に居続けた。
 暇を見てアパートに連れ帰るつもりでいたのだが、思いのほか午後の患者が多く、
タイミングを逃してしまったのだ。
「ごめんね美耶子ちゃん。退屈でしょう?」
 受付の横でちょこんと座っている美耶子に、幸江もすまなそうに呼びかけたが、
美耶子は微笑んでかぶりを振っていた。
 確かに美耶子は、“心の眼”を使い、患者を診ている宮田を“視”ていただろうから、
さほど退屈はしていなかったはずだ。

「晩飯どうする?」
 背中にぴったり張りつく美耶子に、宮田は訊いた。
「うーん……お昼たくさん食べたから、夜はあっさりしたのがいいよ」
「じゃあ、まだ素麺が残ってたから、あれを湯掻こうか」
「うん」

 夕日のオレンジに染まった路は、少しずつ翳って夜を迎える準備に取りかかっている。
 灼熱の昼間から開放される安堵に、町全体がぐったりと和やかな表情を見せる。
 そんなひととき。

 アパートに辿り着くと、窓の柵の上に灰色の老猫が座って待っていた。
「ケルブ!」
 自転車を飛び降り美耶子は駆け寄る。
 猫の方も、すとんと柵から降り立ち、尻尾を立てて女主人のふくらはぎにすり寄った。
「ケルブもご飯にしないとね」
 結構な大きさの、ふてぶてしい面構えをした猫を抱きかかえて美耶子は言う。


216:名無しさん@ピンキー
09/07/19 14:35:33 mx0JYpRe

 老猫ケルブは、このアパートに住み始めたその日に美耶子が拾った。
 美耶子は、他者の視界を己のものとして捉える特殊能力・幻視を使って、
ものを見ることが出来るが、宮田が仕事に出かけている間は、
近くに視界を持つ者が居なくなるので、それもできなくなってしまう。
「この子を新しいケルブにしたいの、いいでしょ?」
 美耶子の懇願に、宮田は頷くしかなかった。
 村に居た頃、美耶子はケルブという白い大型犬を、盲導犬代わりにつき従えていた。
 いつも孤独な美耶子だったけれど、ケルブと居ることで僅かな慰めを得ることができたのだ。
 彼女を闇と孤独から守るため。動物を宛がうことは、ある意味必要不可欠であるともいえた。

 コンクリ造りの建物内の廊下を一番奥まで進んで、突き当たりのドアに向かう。
 104号室。ここが宮田と美耶子の現在の住まいだ。
 青く塗られた鉄扉を開けると、靴箱の上に置かれた鉢植えのポトスが、
瑞々しい葉を広げて出迎えた。
 アパート内には他にも、至る処にこういった観葉植物や花などの鉢が置かれている。
 全ての部屋―それこそ、トイレや浴室も含めて置いていない場所はない。
 ケルブと共に、宮田不在の間、美耶子の孤独を癒す役目を果たしているのが、
この植物達なのだ。
 美耶子は毎日、甲斐甲斐しく草花の手入れをしていた。
 緑や花を楽しめる視力を持っている訳でもないのに―。
 それでも美耶子はケルブ同様、植物達にも愛情を注いだ。

 部屋に戻ると、宮田はすぐにキッチンで鍋を火にかけ、夕飯の仕度を始めた。
 美耶子はその横で、ケルブに与える缶詰を、慣れた手つきで開けている。
 四畳半のダイニングキッチン。
 その向こう側は六畳の居間、さらに、同じく六畳の寝室へと続いている。
 単身者、及び小家族向けと思われるこのアパートは、大きな田舎の家で育った二人には、
少々手狭な印象があった。
 宮田の方はまだしも、美耶子は村から一歩も出たことが無かったので、
新しい住まいの予想外な慎ましさに、当初は驚きを隠せない様子であった。

 けれどそれは、本当に最初のうちだけだった。
 好奇心旺盛な少女は、この小さな部屋にすぐさま順応し、快適に生活するようになっていた。
 なにより、部屋が狭ければ、いつでも宮田の存在を間近に感じられる。
 美耶子に取ってそれは、この上なく嬉しい、かけがえのない悦びだったのだ。

「ねえお兄ちゃん」
 二人がけのダイニングテーブルで、向かい合っての夕餉の席。
 見えない眼をものともせず、器用に箸を使いながら、美耶子は言った。
「犀賀先生って、優しい人だね。最初に逢った時は、もっと怖い人かと思ってたけど」
「ああ……」
「ケルブが居ないの、って言ったら、犀賀先生一緒に捜してくれたんだよ。
診療所に行く時は、ずっと手を繋いでてくれた。
途中で色んな人が先生に挨拶したけど、みんな、先生が好きみたいだった」

 犀賀省悟は、そういう男だ。
 愛想笑いをするような性格ではないので、初診の患者―特に小さな子供なんかには、
威圧感を与えて萎縮させてしまうのだが、辛抱強く付き合いを続けると、
その、思いやりに満ちた温かい心に気づかされることになるのだ。
 急患の知らせがあれば、夜中だろうが明け方だろうがすぐさま飛んで診に行くし、
料金の支払いに苦慮する患者の相談にも乗る。
 常に患者の立場に立ってものを見るその目線は、まさに「医は仁術」の手本そのものだ。

 宮田は、そういった犀賀の医師としての姿勢に強く惹かれ、感銘を受けていた。
 治安の悪い掃き溜めのようなこの町で、三十年近くもの間、
理想を見失わず、地道な町医者稼業を続けてきた犀賀は医者として、そして人間としても、
尊敬に値する人物だと思った。
 だからこそ宮田は、犀賀の診療所で、犀賀の下で働くことを決意したのだ。


217:名無しさん@ピンキー
09/07/19 14:36:02 mx0JYpRe
 もっと条件のいい金になる仕事も、探せば見つけられたことだろう。
 しかし宮田は、そのような安易な道を選択しなかった。
 誰のためでもない、自分自身のために。
 病に苦しむ人々を救う医者として生きていきたい。
 それは、暗黒の村の深淵を担うよう運命付けられていた彼が、
けっして叶えられないと諦めていた、長年の夢だった。


「お兄ちゃん、お風呂沸いたよ」
 素麺と、ゆうべの残りの惣菜での簡単な夕食の後。
 居間のソファーで、発泡酒の缶を片手にテレビのナイター中継を見ている宮田に、
美耶子は声をかけた。
「まあちょっと待て。今、赤星が出塁したとこだから」
「駄目。お風呂いくの」
 美耶子は宮田の腕を引っ張り、半強制的に浴室へといざなう。

 美耶子は風呂好きな少女だ。
 綺麗好きとだからいうより、どうやら風呂で躰を洗ってもらうことが好きらしい。
「要するに、甘えん坊なんだ」
 以前宮田は、揶揄するように言ったことがある。
 しかしそれは、必ずしも正しいとはいえない見解である。
 なぜなら美耶子は入浴の際いつも、単に甘える以上のことを宮田に望んでいるからだ。

 極々ささやかな、洗面所を兼ねた脱衣場で服を脱いで浴室に入る。
 中ではすでに全裸の美耶子が、床に敷いたマットに座り、宮田が来るのを待っていた。
 狭い浴室からはみ出しそうになっている脚を微妙に折り曲げ、後ろに両腕をついて、
ぼんやりとした瞳で宮田を見上げている。
 宮田は、美耶子の肢体に暫し感嘆の眼を向けた。

 美耶子と暮らすようになってから約一年。
 初めて美耶子の裸を見た時から数えたら、もう少し経っているだろうか?
 とにかく。その頃の美耶子はまだ、幼い貧弱な少女であった。
 手脚がすっきりと長く伸びているのは今とあまり変わらないが、
それはあまりにもか細く頼りなく、風が吹いただけでも手折れてしまいそうなほど、
儚い印象のものであった。
 乳房の膨らみも硬くて未熟な蕾そのものだったし、瑞々しい大陰唇の膨らみの狭間、
陰裂をそっと包み隠していた恥毛だって、しょぼしょぼと量が少なく、
その部分を守るにせよ誇示させるにせよ、中途半端で役立たずの代物でしかなかった。

 けれど今の美耶子は違った。
 あの頃と比べると明らかに成熟し、脂が乗って女としての美しさに磨きがかかっていた。

 膝から下が見事に長い脚線への微妙な肉付きは、単なる美しさ以上の妖しい色香を付け加え、
その上に連なる胴体の魅力を、よりいっそう引き立てている。
 豊かに広がった腰の線。胴の真ん中は絞られたようにくびれ、
近頃ことさらに目立ち出した乳房の丸みを乗せて、少々不自然に見えるほどの、
妙なる曲線を描き出していた。

 宮田は浴室の壁に身を擦り付けるようにしてしゃがむと、
美耶子の白い首筋から乳房に手を滑らせ、淡い処女の色味を残して息づく乳頭に、そっと触れた。
「先に頭を洗って」
「……判ってる」
 そう答えながらも、宮田の指先は美耶子の乳頭を離れることはない。
 そしてその視線は美耶子の女の源泉、つややかに生え揃った逆三角形の恥毛の中身へと、
じっと注がれていた。


218:名無しさん@ピンキー
09/07/19 14:36:51 mx0JYpRe

 黒く輝く若草の中。
 ぷくぷくっと二つに割れて合わさった陰部の肉からは、
かつての張り切って指先を弾き返すほどの新鮮さは失われていたが、
代わりに、淫らがましいほどの柔らかさで指先に吸い付くようになっていた。
「お兄ちゃんやだ……まだ、洗ってないのに」
 気づくと宮田は、美耶子の膨らんだ割れ目に手を伸ばして大陰唇を軽く突付き、
微かにはみ出た薄紅色の小陰唇を、くすぐるように撫で始めていた。

 美耶子は逃げるように腰をよじった。
 真っ直ぐに伸びていた腿が、少しだけ開く。
 汗の匂いに混じった美耶子そのものの匂いが漂い、宮田の肉体を強制的に昂ぶらせる。
「お兄ちゃん、先に洗ってってば」
「後でやる」
 宮田は、美耶子の躰の上に身を重ねた。

 家族風呂と呼ぶには手狭過ぎるこの浴室は、性行為の場所として、
あまり使い勝手のいいものではなかった。
 ちょっと股を開いただけでも、躰のあちこちが壁やら浴槽やらにぶつかってしまうし、
そもそも手足を伸ばして寝そべることができるほどの奥行きもないので、
小さく縮込まっての窮屈な作業になってしまう。
「美耶子、立って壁に手を着け」
 愛撫もままならない状態に焦れた宮田は、美耶子を立ち上がらせ、
後ろ向きに尻を突き出させた。
 白くて形の良い尻の谷間を割り、奥の女陰を指で押し広げると、
そこはすでに、滴るほどに濡れて熱を持っている。

 宮田は柔らかく解けた陰唇の内部粘膜をくちゅくちゅ鳴らしながら、揉んだり摩ったりした。
 もう一方の手は乳房に廻し、ふっくらと突き出た乳房の肉を探って、
頂点の乳首を指先に挟んで押し潰す。
 美耶子は甘い声を漏らした。
 快楽を教え込まれた若い躰は、こんな悪戯だけでも他愛なく舞い上がり、
頂点を極めてしまいそうになるのだ。

「なあ美耶子。
犀賀先生や幸江さんは、俺達がこんなことやっているのを知ったら、何て言うのかな?」
「ううっ、やぁ……し、知らないよぉ……」
「二人とも、お前のことはまだほんの子供だとばかり思いこんでるからなあ。
こんな、すぐに性器を濡らして、オルガスムスに達してしまうような女だなんて知らないんだ。
毎日最低、三回は絶頂を迎えている躰だなんてこと……」
「それは……お兄ちゃんが、そうさせるから」
「でも、実際に性器を痙攣させているのは、お前だ」

 宮田は美耶子の片脚を背後からすくい上げ、
煮えたぎって切なくひくついている穴に、ぐっさりと陰茎を挿し込んだ。
「うあぁあっ……いやっ、いや……こんな格好」
 卑猥過ぎる恥ずかしい姿勢を強いられた美耶子は、いやいやと首を振って拒絶を示す。
 だが宮田は美耶子のそんな、うわべばかりの恥じらいの仕草にまるで頓着することはなく、
ぐっと奥まで腰を押し進め、幼い女性器が受け入れられる限界の位置まで、
陰茎を到達させるのだった。

 宮田と美耶子は、世間的には兄妹の触れ込みで生活している。
 無論、二人は血縁同士でも何でもないし、戸籍上の関連だって何もない。
 それ以前に、美耶子は戸籍そのものさえ持ち合わせていなかったが……。
 それでもとにかく。
 職場や近隣の人々に対して妹だと紹介し、あまつさえ、自分を兄と呼ばせている少女の膣に、
こうやって陰茎を突き立てることは、ある種の背徳的な罪悪感を伴う行為であった。


219:名無しさん@ピンキー
09/07/19 14:40:21 26ZyhmhP

 だからこそ、その快楽も強くて凄まじい。
 しこしこと締まりながらも夥しくぬめり、繊細な襞で絡みついてくる美耶子の膣の中、
宮田はいつも込み上げるような劣情を覚え、自分でも不可解なほどの勢いでもって、
亀頭を震わせ、盛大な射精をしてしまうのだ。
「あはぁ、お、お兄ちゃん……お腹、熱い、あぁ、あぁ……うああああっ」
 片脚を小便する犬のように上げられ、思い切り大きく広がった美耶子の膣口が、
白濁した粘液を降り零しながらどくん、どくんと収縮する。
 膣の奥底から湧き起こった波状の蠕動は、宮田の陰茎を最後の一しずくまで、
搾り取る動きをしていた。

 嵌まった陰茎の射精につられて、呆気なく頂点を極めた美耶子の性器を、
宮田は慈しむように優しく撫でる。
 ついでに、粘液に浸った硬い陰核をもつるりと撫で上げ、指の先でころころと玩んだ。
「んんっ! あは……あぁ、ああ、あぁああー……」
 一番の急所である陰核を弄られた美耶子は、収まりかけていた絶頂のわななきが引き戻されて、
最後のあがきのように弱々しい痙攣を、再び繰り返してしまうのだった。

「はあっ……はあ、はあ、はあ……」
 永い永いオルガスムス地獄からようやく開放された美耶子は、
崩れ落ちるように床のマットに座り込んだ。
 終わりかけた絶頂の波を、快楽の釦を弄くることによって蘇らせ、引き伸ばす、
という淫らな責め苦を、短時間のうちに何度も繰り返されて、
精も根も尽き果ててしまった様子である。
 そんな美耶子の姿を横目に見ながら、宮田はシャワーのコックを捻り、
噴き出した熱い湯で床に散った二人の体液を洗い流した。

「美耶子、顔を仰向けにしろ。頭洗ってやるから」
 熱情から醒めた宮田は、美耶子の入浴を介助するという、本来の役割に立ち返る。
 手の平でシャンプーを泡立て、美耶子の頭皮をマッサージし始めた。
 美耶子は全盲ではあったけれど、生まれ持った幻視能力と長年の勘により、
その日常生活において、健常者と比べてもほとんど遜色のないくらい、自由に行動できている。
 しかし入浴に関しては、やはり独りだと難しいものがあった。
 少し訓練すれば、これも通常に行えるようになるのかもしれない。
 だが宮田は、その訓練をしようとは考えていなかった。
 自分が美耶子を洗ってやれば済むことだし、なにより、それが楽しかったからだ。

「痒い処ありませんか?」
「うふ……大丈夫でーす」
 美耶子の長い髪の毛を洗うのは、結構な重労働だ。
 面倒くさいので、短く切ってしまおうかと考えたこともあったが、すんでの処で思い留まった。
 この美しい黒髪を切ってしまうのは、やはりもったいない。
 この、絹のように手触りのよい黒髪も、美耶子の強い魅力の一部なのである。
 奪ってしまうことはできなかった。

 そして洗髪が終われば、次は当然躰の方だ。
 美耶子の躰を洗うのに、宮田はタオルやスポンジの類を使わなかった。全部手で洗う。
 美耶子の肌が弱いから―というのをその理由にしていたが、もちろんそれは建前だった。
「お兄ちゃん、背中もっと強く」
 肉の薄い背中を手の平で摩ると、心地好さげなため息と共に美耶子は言う。
「なんか最近、凝るんだよね。歳かなあ?」
「馬鹿、子供の癖に何言ってんだ。ただの運動不足だよ。家でじっとしてるからだ」
「でもそれは、しょうがないじゃない。勝手に表に出たら駄目なんでしょう?」
「家に居たって運動はできる。腕立て伏せとか腹筋とか」
「……つまんないからやりたくない」


220:名無しさん@ピンキー
09/07/19 14:41:14 26ZyhmhP

 宮田の手は、背中から腰のくびれを辿り、前に廻って乳房をくるくると撫で廻した。
 美耶子は嬌声を上げて宮田の手を押さえる。
「あはは……やだあ、おっぱいそんな風にしないで」
「感じてる場合か。こっちは真面目に洗ってやってんだ」
 そんなことを言うわりには、宮田の手は少々執拗過ぎる動作で、
ねちっこく乳房の上を這い廻っている。

 手の平に埋まる乳房の重みが、また少し増しているように思えた。
 その感触も、以前の痛々しいまでの硬さがなくなり、ふわんと柔らかく、
かつ、熟してみっしりと実の詰まった感触に変わっていた。
 宮田はその、旨そうに熟れ始めた乳房を、手の中でぷるんぷるんと揺すった。
「ああ、駄目だってばぁ……おっぱいが張ってるの。生理、近いから……」
 そういえば美耶子は、大体いつも月末頃に生理を迎えていた。
 前の時から計算するに、おそらくは明日か明後日ぐらいには来るのだろう。
 昼間、美耶子の顔色が冴えなかったのも、きっとそのせいだ。
 犀賀医師の見立てに、間違いはなかったということか。

 宮田は、通常よりも敏感さを増しているであろう美耶子の乳房を、労わるようにそっと撫ぜ、
硬く尖った乳首を泡の中でくすぐった。
 美耶子は大きく息を吐くと、宮田の胸に背中をもたせかける。
 泡にまみれた躰が、宮田の胸元をぬめぬめと刺激した。
「ほら、そんなにくっつくな。まだ洗い終わってないんだから」
「お兄ちゃん、またしたくなっちゃう?」
 美耶子はくるりと振り返り、首を伸ばして宮田の唇に口づけた。
 宮田は美耶子の頬に手を添え、紅い唇を強く吸った。

 熱した舌を絡み合わせながら手を下腹部にやると、美耶子の陰部は火照りを取り戻していて、
石鹸の泡とは違うものでぬらついている。
 もう一度姦してやろうか……。
 一瞬そうも考えたが、それはやめておくことにした。
 ここで二回も射精しては、この後がきつくなる。
 そのまま美耶子の全身を洗い上げ、濡れた女陰はシャワーで慰めてやった。
 M字に股を開かせて、陰核を中心に勢いのある温水を浴びせてやるのである。
 この強い刺激は、美耶子お気に入りの、長年慣れ親しんだ淫戯である。
 そしてそれは、宮田のお気に入りでもあった。
 その熾烈さに耐えかねて、美耶子は達する瞬間、いつもとっさに陰部を手で押さえようとする。
 それを無理やり押さえつけ、限度を越えた快楽のどん底に叩き込んでやるのが、
宮田には爽快なのであった。

 そうして、全身くまなく洗い上げた美耶子を湯船に浸からせている間に、
宮田自身は極々短い時間で自分の躰を洗ってしまう。
 その後、美耶子と入れ替わりに申し訳程度湯船に浸かれば、入浴の工程は全て完了である。

 ―いや、まだあった。美耶子の躰をバスタオルで拭い、髪を乾かさなくてはならない。
 美耶子の長い髪の毛は、完全に乾かすのには大変な手間ひまと時間を要した。
 ドライヤーを用いても、二、三十分はかかるのだ。
 宮田はその間、自分の髪を乾かすどころか、服さえまともに身に着けない。
 美耶子と暮らすようになってからというもの、宮田の生活は何事につけても、
美耶子を中心として動いていた。
 まるで、独りで子育てをしている母親のようだ。
 美耶子の世話をしている時、いつも自嘲気味に宮田は思う。
 しかし、虚しさや煩わしさといったものは別段感じなかった。
 これほどまでに若く美しい娘を独占する以上、これぐらいの苦労は当然のことと心得ていた。
 こんな苦労なら悪くない。むしろ、悦びですらあった。


221:名無しさん@ピンキー
09/07/19 14:42:00 26ZyhmhP

「お兄ちゃん、疲れた?」
 居間のソファーで、飲み残しの発泡酒を喉に流し込む宮田に寄り添い、美耶子が言う。
 宮田は黙って美耶子の肩を抱いた。
 ソファーの足元では猫のケルブが長く寝そべり、ごろごろと喉を鳴らしている。
 平和な時間だった。
 村に居た頃とは大違いの安らかな幸福。あの村で過ごした、苦渋に満ちた半生が嘘のような。
 シャンプーの甘い香りを漂わせた美耶子を見下ろす。
 美しい横顔。見ているうちに、ふっと現実味が喪失してめまいを起こしそうになる。
 この美少女と共に暮らしているのだという事実が、にわかに信じがたくなる。

 美耶子の顔が、宮田を見上げた。
 盲いた瞳に見つめられ、宮田はなぜか気恥ずかしさを覚える。
「どうしたの、お兄ちゃん?」
 宮田の変化を気配で察知したのか、美耶子が不思議そうに尋ねた。
 宮田はそれを誤魔化そうとして美耶子の髪を撫ぜ、こう言った。
「久しぶりに―踏んでくれないか」


 宮田と美耶子は、寝室へと場所を移した。
 寝室、とは言ってもそこは、居間とアコーディオンカーテンで仕切られているだけの、
ベッドと衣類箪笥しかない簡素な部屋である。
 本来ならば、寝室と居間の間は引き戸で仕切られていたものと思われるが、
今その引き戸はなく、代わりにアコーディオンカーテンがかけられていた。
 多分、前の住人が勝手に付けて行ったのだろうが、別に不都合はない。
 これだと閉めていてもケルブが入って来やすいというので、美耶子も歓迎していた。

 セミダブルのベッドの上で、宮田はうつ伏せに寝そべっている。
 天井の蛍光灯は豆球だけしかついておらず、室内はぼんやりと薄暗い。
 そして、Tシャツ一枚の彼の背中の上には、これもまたTシャツだけを身に着けた、
美耶子が立っていた。
「転ぶなよ美耶子」
「大丈夫だよ……ここら辺?」
 壁に手を添え、ゆっくりと足踏みしながら、美耶子は問う。

 いつも身の廻りの世話をしてくれる宮田に対し、美耶子はお返しとして、
時々こうやってマッサージのサービスをするのだ。
 宮田が美耶子の世話を厭わないように、
美耶子に取ってもまた、宮田に対するこうした奉仕は好ましいもののようだった。
 愛人への情というよりそれは、父親に甘える娘の気持ちに近いのかもしれない。

「ああ、もう少し上……肩甲骨の間ぐらい……そうそう」
 細身の美耶子は、全体重をかけても重過ぎないので、こうしたマッサージにはうってつけだ。
「楽になったよ……最後に肩を踏んで終わりでいい」
 美耶子は宮田の横に降りて、右、左と順番に片足で押した。
「……はい、ありがとう」
 安らかなため息をついて礼を言う宮田の背中に、美耶子は頭を乗せる。頬擦りをするように。
 背中から肩に。するりと滑って、耳元で囁いた。
「ねえ……他の処も踏んで欲しくない?」

 美耶子の手が、Tシャツの中に潜り込んで宮田の躰をまさぐっていた。
 その手は、やがてトランクスの中へと進む。
 指先が鞭のようにしなやかな陰茎を捕らえ、確かめるような動きで扱き始めた。
「力が弱い。やるんならもう少し強くしてくれ」
「やって下さい、でしょ?」
 美耶子は宮田の躰を横から押した。仰向けになるよう促しているのだ。
 宮田は美耶子の望みどおりの姿勢を取る。
 そしてTシャツを、トランクスを脱ぎ去った。
 早くも勃起をして赤味の増した陰茎が、大きく揺れて天井を向いた。


222:名無しさん@ピンキー
09/07/19 14:42:38 26ZyhmhP

「やって下さい女王様。これも、足で踏み躙ってくれ……」
 笑い混じりにそう言うと、美耶子も微笑んだ。
 彼女はヘッドボードの棚から、雛菊の鉢に隠れたローションボトルを、手探りで取り上げる。
 そして、その口を宮田の下腹部に向け、透明なジェル状の液体をとろとろと垂らしてから、
立ち上がってTシャツとパンティーを脱いだ。
 赤味がかった弱い照明の下、均整の取れた素晴しい裸身が夢のように現れ、静かに躍動する。

 美耶子はその真白き足を上げ、天井を衝く宮田の陰茎を、足の裏で腹の方に倒した。
 芯の通ったように硬い、聞かぬ気の陰茎は、ローションにぬめって微かに脈動している。
 以前、未だ美耶子が性交に慣れていなかった頃には、
苦痛を和らげる潤滑剤として活躍していたローションだったが、
もう美耶子の膣が陰茎の出し挿れにすっかり慣れ親しんだ現在でも、
こんな役割を果たすため、ベッドの枕元にいつでも常備されていた。

 美耶子は足の指を開き―首を絞めるようにカリ首を挟み込んで、締め上げた。
 その快感に耐え、宮田は硬く眼を閉ざした。
「うう……」
 宮田が小さく喘ぐ声を聞くと、美耶子は満足そうに口の端を上げ、足の動きを激しくしてゆく。
 足の指が、濡れて光る亀頭の膨らみをきゅっと挟み、まるで手の指のような器用さで、
扱いたり、ずりずり摩擦をしたりと立ち働く。
 角ばった踵は根元の強張りを絶妙な力で揉みほぐし、
足の裏のぐねぐねとした肉は、反り返った裏側を追い詰めるようにぎゅうと圧迫した。
「お兄ちゃんは、ここが好きだよね?」
 親指の腹で亀頭裏側の窪みをべたりと触れて、美耶子は言う。
 張りつめた筋をくすぐり、細かく震わせながら、
残りの指でくびれ目上部の張り出した部分を刺激した。

 変幻自在の指の蠢きと、強く激しい足の裏の摩擦に耐えかねて、
鈴口の裂け目からはぬるい液体が漏れ出し、ローションと入り混じって、
ねちゃねちゃとぬめり流れる。
 亀頭自体も真っ赤に膨張し、血管の絡む太い幹は金属のように硬く、
睾丸は、せり上がって今しも精液を押し出したがっているようだ。

「もう出したい?」
 少女の足に玩弄される快楽に耐えている宮田に、美耶子は訊いた。
 足の動きにつれベッドも揺れて、美耶子の声を震わせている。
 裸の乳房も。てっぺんの乳首も。
 宮田は閉ざしていた瞼を上げ、妖しく揺れる美耶子の肉体を見た。
 あともう少し。このまま強く擦り上げて貰えば、陰茎の快感は限度を超え、
広がった尿道口から止め処なく溢れ出ることだろう。
 噴き上がった精液は美耶子の白い足を、よりいっそう白い色に染め上げ、
どろどろに穢してしまうに違いない。

 けれどそれでは物足りない。
 宮田は手を伸ばし、蒼い静脈が透けて見える美耶子の足の甲に触れた。
「美耶子……足はもういいから、跨ってくれ」
 美耶子は小首を傾げる。
 こんな場合に宮田が跨れと言ったら、それは美耶子が上になって陰茎を膣に嵌めろ、
という意味だというのは判っていた。
 なのに美耶子は、わざと空とぼけて見せるのだ。

「どうしようかなあ……だって私、最近お兄ちゃんの出す処見てないもん。
それに、もうお風呂場で一度されちゃったからなあ」
 美耶子は足の裏で宮田の陰茎を責め立てることをやめぬどころか、かえって意地悪く、
射精に至る淫擦を続けようとするのであった。
 悪戯好きの残酷な妖魔と成り果てた美耶子。彼女を見上げる宮田の眼が光った。


223:名無しさん@ピンキー
09/07/19 14:43:15 26ZyhmhP

「きゃっ!?」
 ベッドの上でにわかに風が起こり、美耶子の足元を不安定にさらった。
 上下の感覚が消え去り―
気がつくと美耶子は、宮田と躰を入れ違え、
仰向けになってベッドに横たわっているのであった。
 絹のような黒髪が、ベッドいっぱいに広がってつやつやと輝く。
「跨ってくれないんだったら、こっちが跨ってやるまでだ」
 美耶子の上に覆い被さる宮田の影。
 黒い褥の上で。二人の意識は、美耶子のなまめかしく紅潮した表情だけを捉えていた。
 しかしそれも、美耶子の半開きの唇に宮田の唇が重なったことで暗転し、
何も見えなくなってしまう。

 強い力で舌を吸い上げられ。逆に、口の中を舌で掻き廻され。
 粘膜の触れ合い、吐息同士の交わり合いは、美耶子の意識を桃色に溶解させる。
 ねばねばする足の裏をシーツで拭くように滑らせれば、
開いた腿の間で宮田の巧みな指先が躍って、ぞわりと物狂おしい快味を伝える。
 美耶子のそこは、触れられればほとんど自動的に濡れて開く。
 それはもう、条件反射といっていいほどのものだった。
「もうこんなに……風呂であれだけいかせてやったってのに。全く……とんだ淫乱症だな。
このお姫様は」
「んん……あはぁ、ぜ、全部、お兄ちゃんのせいだもん」
 唾液が糸引く唇を離し、美耶子が反発の声を上げる。
 しかしそんなものは、濡れた膣口を丹念に揉まれ、指先に絡んだ淫液を、
包皮を弾き飛ばし、ぴょっこり顔を出した陰核に塗りつけられる心地よさの前には、跡形もない。
 美耶子はそこに、早く亀頭の丸みを押し込んで貰いたい気持ちでいっぱいになり、
自ら大きく股を広げて、宮田の攻勢を待ち侘びるのだった。

 頃合よしと見た宮田は、腰をおっ立てると淫欲に疼いてむず痒い陰茎を捧げ持ち、
喘ぐように入口をぱくつかせている陰門に、ぐずりぐずりと埋没させた。
「あはぁああ……」
 美耶子は悦びの声を漏らし、腰を突き上げて膣に這い込む陰茎を迎え入れた。

 一年前まで全くの生娘だった美耶子だったが、
ほぼ毎晩欠かすことなく宮田によって続けられた性交の賜物で、
今では全く苦痛を訴えることはなくなった。
 膣粘膜の濡れ方は夥しく、膣壁の筋肉もよく発達しており、その部分に関しては、
もうすっかり一人前と言っていい。
 ただ、ぽってりと腫れぼったい膣孔の狭さは、やはりまだ幼い少女のものだし、
特に、かあっと熱を持った奥の方は、幼いだけにさすがに未熟で、
大人の女のように、そこで骨も砕けるようなオルガスムスを感じて狂乱し、意識さえも失う、
という塩梅にはならなかった。

 でも、そんなことはたいした問題でもないだろう。
 時間が経てば躰は成熟するものだ。性的な感覚も。
 現に初交の時から一年が過ぎた今、美耶子は見違えるほどに美しくなり、
その躰が快楽を受ける割合も、いっそう深くなっているではないか。
 それに、この先さらに美耶子の躰を開発する余地があるというのは、幸福なことだ。
 細い腕を背中に廻し、しがみついて夢中になっている美耶子を抱き、
未知なる快楽に想いを馳せて、宮田はほくそ笑むのだ。

 そうだ。
 これからますます美耶子が、そして自分自身が、性の悦びを享受し得るようにするために。
 美耶子にはもっともっと様々なことを―様々な性交のやり方を、教えてやらねばならない。


224:名無しさん@ピンキー
09/07/19 14:43:48 26ZyhmhP

 宮田は美耶子に乗りかかって数回抜き挿しを行った後、
躰を横向きにし、その反動を利用するかのように美耶子を上にさせた。
「よし。このまま動いてごらん……この前、教えたように」
 美耶子は、乱れて頬にかかる髪もそのままに、虚ろに潤んだ瞳を宙に泳がせて、
こっくりと頷いた。

 ここ暫くの間、宮田は美耶子に、それまでの受身の性交以外に、
自ら能動的に動いてする性交を教え込んできた。
 それまでにもそうした試みは幾度かしていたし、
かつて二人の間に確かな繋がりを築くきっかけとなった、足を用いた陰茎の摩擦も、
ある意味美耶子が主導権を握る、能動的な性行為と呼べなくもないだろう。
 しかし、この度はもう一歩踏み込んで、美耶子自身が性器の快感に陶酔しながら、
なおかつ、宮田の方にも満足を与えるという状態を目指しているのだった。

 この一年間で、美耶子の性交の技術もかなり上達している。
 そろそろ完璧な状態―美耶子が上になって絶頂し、それと同時に宮田も果てるという、
完全なるクライマックスを経験する刻も、近かろうと思えるのだ。

「腰を使って―もっとお尻を上げ下げするんだ。こうして支えていてやるから……。
そうだ、いいぞ」
 宮田は下から腰を突き上げつつ、細身ながらもむっちりと肉付きの豊かな腰を両手で支え、
跳ね躍る臀部の感触を腿の付け根で味わった。
 無論、膣に嵌まって快擦される陰茎の、蕩けそうな感覚はこの上なく、
宮田は、射精を堪えて引き伸ばすのに苦労した。
「あんっ、あっ、あ、あ、あ、あ、あ」
 美耶子は、宮田の突き上げに翻弄される感じで尻を弾ませていたが、
次第に、膣の気持ちのよい場所に陰茎を擦りつける勘どころを把握し始め、
宮田の動きを押し返してねっちりと、錐揉み状に渦巻くような動きをして、
性器と性器を上手いこと揉み合わせるようになりつつあった。

 宮田は下から、はちきれんばかりに充溢して膨れ上がった乳房が揺れるのを、見上げていた。
 恍惚とした美しい顔が顎を反らして悩ましく歪む様に、うっとりと惹き込まれていた。
 美耶子が、自らの快感のために淫らがましく腰をくねらせ、
しっとりと汗に濡れた肌をほの赤く染めて、喘ぎ声を漏らしている。
 長い黒髪はさらさらと音を立てて舞い散り、まるで、この世のものとも思われないほどの、
妖しさ、霊妙さを醸し出して、粗末な寝室を不可思議な別世界へと変えてしまった。
 蜜を振り零す陰唇は、軟体動物めいた伸び縮みをして陰茎から離れず、
性の頂点に向かって狭く、きつくなってゆく膣の穴は、淫猥に襞をのたくらせながら、
宮田を欲望の化身を扼殺しようとしていた。

 宮田は、美耶子の膣に腰から下を喰いつかれ、込み上げてくる感覚を、
制御しきれなくなってきた。
 美耶子が達するのを待ちたい。けれどもう堪えきれない。ぶちまけたい。
 宮田が理性と本能の狭間で揺れ動き、苦悶とも快楽ともつかぬ境地で歯を食いしばっていた、
その時だった。

「うあぁ、お兄……ちゃん……いい、ああぁ、いあぁああ……!」
 宮田の脇腹を掴み、尻をくるくると回転させていた美耶子が、ばっと仰け反った。
 しこりきった乳首が天井を向くほどに弓反った躰の下の方、なだらかな下腹部が、
びくんびくんと痙攣している。
 膣の内部では、未だかつてないほどまで深く突き挿さった陰茎の亀頭が、
強烈な蠕動運動の波に巻き込まれ、行くことも引くこともできぬままに快感が来て、
精巣ごと吸い出されそうな物凄い衝撃と共に、淫欲の塊を勢いよく放出していた。
 宮田は頭の後ろがじいんと痺れ、背筋がぞわぞわする奇妙な悪寒に肌を粟立たせながら、
陰茎と膣、どちらのものだか判らない痙攣に、身を委ねた。
 脱力感に、美耶子を支えていることもできなくなって手を離すと、
美耶子はそのまま、ぱったりと後ろの方へ倒れてしまう。


225:名無しさん@ピンキー
09/07/19 14:45:12 26ZyhmhP

 そうして二人は、互いの脛の間に頭を挟んだ姿勢で、重なって仰向けに横たわり、
荒く湿り気を帯びた呼吸を繰り返すばかりの、完全なる弛緩状態となった。
 焼け爛れたような意識の中、宮田は自分の試みが成功したことを知り、
深く深く充たされた気持ちになっていた―。


 真夜中を過ぎて、ふと眼が覚めた。
 交接が終わった後、胸の中に抱いて眠ったはずの美耶子の躰がない。
「……美耶子?」

 美耶子は宮田の隣に居た。
 裸のまま上半身を起こし、立てた膝を覆うシーツの上に両手を乗せて、
じっと暗闇を見つめていた。
 宮田は美耶子の横顔に眼を凝らし、そして息を飲む。
 美耶子は泣いていた。

「どうした」
 宮田は、躰を起こして美耶子の肩に触れた。
 垂れた髪の毛で指先が滑る。
 頭のてっぺんからシーツの上まで流れ落ちる黒髪は、漆黒の水を思わせる。
 美しいことは美しいが、不吉な印象があるのも確かだ。
 美耶子は宮田の呼びかけに答えず、無言で顔を伏せた。
「……どこか痛いのか?」
 とりあえず訊いたが、顔を伏せたままかぶりを振るだけ。泣き止む気配もない。
宮田は困惑した。
「なんだよ……黙ってちゃ判らんじゃないか。俺、何かお前に嫌なことをしたか?
なあ……」

「……怖いの」
 宮田の言葉を遮るように。前屈みになってシーツに顔を埋めた美耶子は、ぽつりと呟いた。
「怖い夢でも見たのか?」
「そうじゃない……」
 美耶子はようやく顔を見せた。涙に濡れた眼元を指で拭い、洟を啜る。

「ねえ……私達が村から出て……もう一年になるんだよね」
「ああ、そうだな」
「一年前……本当はあの時、私は儀式に出なくちゃならなかったのに……
黙って逃げ出したんだ。お兄ちゃんと一緒に」
「もう済んだことだ。気にする必要はない」
「済んだこと?」
「そうだ。今さら考えたってどうしようもない。考える意味がない。
何しろもう……村は無くなっちまったんだからな」

 一年前まで、宮田と美耶子は、三方を山に囲まれた寒村で暮らしていた。
 美耶子は村随一の旧家の娘で、宮田は、その旧家に古くから使えていた村医の家の、
跡取り息子だった。
 嫌な村だった。
 旧い因習にいつまでも縛り付けられ、常に陰鬱な呪いに包囲されているような、
ほの暗くて薄気味の悪い土地柄。
 そして、村の呪いの中心にあったのが神代という旧家であり、取り分けその中でも美耶子は、
その呪いの全てを一身に受け、また、身をもって贖罪せねばならない宿命をも帯びていた。

「一年前のあの時。もしもお前があのまま村に居続けていたら……
お前は聖婚の儀式で、神の花嫁として常世に送られていただろう。
つまり、殺されたってことだ。あの土地を支配していた神への、捧げものとして、な」
 宮田は、美耶子の手の上に自らの手を置いて言った。


226:名無しさん@ピンキー
09/07/19 14:45:51 26ZyhmhP
 神代の家で生まれた妹娘としての宿命。それにはさしたる理由などなかった。
 ただ、昔から決まっているしきたりだからそうする。それだけのことだった。

 美耶子はそのしきたりに抗った。
 家業を継いで医師となり、神代家の主治医として屋敷に出入りしていた宮田に身を任せ、
連れて逃げてくれるよう、彼に懇願したのだ。
 宮田は迷ったあげく―美耶子の頼みを聞き入れ、共に村を出奔したのだった。

 そぼそぼと雨の降りしきる夜だった。
 今でも忘れることはない。
 雨に濡れ、診察室の入口に立ち尽くした美耶子の姿。
 酷い惨めな有様だったが、その瞳は、希望を抱いてきらきらと輝いていた。
 宮田という男を信じきり、一途にすがって胸に飛び込んだ。
 その純真さ―そしてそのまま、初めての交接までも許したいじらしさ―。
 美耶子の処女性は、神ではなく宮田を選んだのだ。

「あの夜―ほんとはすっごく痛くって、死ぬんじゃないかと思ったけれど……。
でも、お兄ちゃんがとっても優しくしてくれたから、私は幸せだったよ。
もう、どうなったっていいと思えた。
村を出て……もしもすぐに捕まっちゃったとしても、後悔はしないって、そう思えた。
だけど」
 宮田の手の下、美耶子の手が、ぎゅっとシーツを掴む。
「結局私達、捕まりはしなかったんだよね。だってあの夜、村には神罰が下ったから。
私が居なくなったことで儀式は失敗して……村は丸ごと、土砂に飲み込まれちゃった」

「美耶子、いいか」
 宮田は美耶子の手を握り締め、盲いた瞳を真正面から覗き込んだ。
「あれは単なる偶然だ。あの夜起こった土砂災害……。
考えても見ろ。あの夜の雨、物凄かっただろう? 地盤が緩んで山が崩れたって仕方が無い。
自然の摂理だよ。神罰なんてものじゃあ、断じて無い」

「でも!」
 美耶子は髪を振り、宮田の視線から顔を背けた。
「村が、あそこに住んでいた全ての村人が消えて無くなっちゃったのは、間違いない。
私達だけ助かったんだ。村を裏切って……神を裏切って逃げ出した、私達だけが」
「美耶子……」
「なのに……あれから一年が過ぎても、私達はこうして普通に暮らしてる。
普通に……ううん、多分普通より、ずっとずっと幸せに。
ねえ、どうして? 裏切り者の私達なのに、どうしてこんなに幸せでいられるの?
どうして私達だけ、神の呪いから無事でいられるの?」

「神の呪いなんてものは……最初からなかったんだよ、美耶子」
 宮田は美耶子の肩を引き寄せた。
「考えてみりゃあ、当たり前の話だ。そんな馬鹿げた話……本気にする方がどうかしてるのさ。
ま、そうは言っても俺だって、村に居た頃には、神様に処女の生贄を捧げる儀式をすることに、
さして疑問を感じていなかった訳だからなあ。
そういう意味では偉そうなことを言えた義理でもないが」

 言いながら、宮田は美耶子の肩を撫で摩った。
 美耶子は宮田の肩に頭を乗せる。流れる黒髪が、さらりと彼の二の腕を撫ぜた。
「でも、やっぱりなんだか怖いよ……村が無くなって、私達だけ生き延びて……
なのに毎日、こんなに幸せで。それに」

 不安を述べようとする美耶子の唇を、宮田は唇で塞いだ。
「んん……ん、お兄、ちゃ」
「つまらんことに頭を悩ませるのは、退屈している証拠だ。
躰の疲れが足りんから、その分無駄に頭を使って気疲れをしちまう。
解消するには、めいっぱい躰を動かしてくたくたになるのが一番いいんだ。
だから……こうしてやるよ」


227:名無しさん@ピンキー
09/07/19 14:48:42 lyd2aQTc
 宮田は頭を落とし、美耶子の乳首にちゅっと吸い付いた。

「やだお兄ちゃん! もう遅いのに……明日遅刻して犀賀先生に怒られても、知らないよ?」
「そしたら理由を説明するさ。
うちの妹がつまらないことで悩んで夜泣きするんで、遅くまであやしていて寝過ごしました。
ってな」
「もう……すぐ変なこと言うんだから」
 美耶子は、宮田の頭をぺちんと叩く。宮田に宥められ、どうにか機嫌は直ったようだ。

 暗い部屋には小さな忍び笑いの声が続き―
やがてそれが淫らな息遣いに変わるのに、そう長い時間はかからなかった。
 今夜も宮田は、充分な睡眠時間を取れそうにない。

【Continue to NEXT LOOP…】



  *このエロパロSSはフィクションであり、
   実在のゲーム・キャラクター・団体・事件及び地域などとは一切関係ありません。





228:名無しさん@ピンキー
09/07/20 18:05:12 T1AAuRGW
みやみやktkr!!
でれでれですなw
もうひとカップルもそろっちゃったことだし、
続き楽しみにしてまつ

229:名無しさん@ピンキー
09/07/21 00:40:19 4rH770GV
保管庫にも超大作きてたんだ~!
大変読み応えがありました。

今までWIKI用に編集してたのかな
演出も良かった。超GJ!

230:名無しさん@ピンキー
09/07/21 01:47:25 yTfmgF+9
どうかこのまま平和でいてくれ…

231:名無しさん@ピンキー
09/07/22 07:46:09 EaHy45Mc
宮田×美耶子の二話目です。今回本番なし。

月下奇人は今後も分岐を足していく予定です。
全シナリオをアップできたら保管庫かスレでお知らせします。

ゲームにしたくて吉里吉里までダウンロードしていたけれど、
文節ごとにタグを埋め込む作業に心が折れました。

232:名無しさん@ピンキー
09/07/22 07:46:50 EaHy45Mc

 床に伏した駐在警官の成れの果てを足下に置き、食堂内部を見渡した。
 二十七年前の土砂災害で失われたはずの商店街。
 ついさっき、バス停前で拾った恩田理沙を連れてこの地区から脱出し、
早く病院へと避難せねばならないというのに、わざわざ寄り道をしてこの大衆食堂まで来た。
 ふとした気掛かりがあった。この、朽ちて荒れ果てた食堂は通らねばならない。
そんな気がしたのだ。

 厨房扉の手前で不安げに佇んでいる理沙を尻目に、駐在が座っていた席を調べる。
 卓の隅に、黒いパスケースを見つけた。
 中に入っているのは学生証のようだ。手に取って調べる。
〈中野坂上高等学校・須田恭也〉
 この近辺にある学校の名前ではない。なぜここに、こんなものがあるのだろう?
 学校名、氏名の隣に添えられた学生の顔写真を見た。
 十代半ばくらいの、ごく普通の少年が写っている。
 真面目くさった表情を浮かべている少年の眼が、何かを訴えかけるように見返してきた―。


 毎日毎日飽きもせず、暑い日々が続いていた。
 暦も今日から八月。
 宮田と美耶子の暮らすこの町も連日熱帯夜で、アパートの冷房はつけっ放しの状態だ。
(電気料金が物凄いことになりそうだな……)
 暗澹たる思いで宮田は心に呟いたが、美耶子のことを思えばそれも致し方ない。
 治安の悪いこの町で、迂闊に窓を開けて過ごすのは危険だ。
 夜は言わずもがな。宮田が仕事に出ている間、
美耶子独りがアパートに取り残される昼間だって、注意は必要である。

 現に以前―まだ春先のことであったが、美耶子は昼間、危険な目に合っている。
 例の遊歩道に面した窓を開け、日向ぼっこをしていた美耶子の目前で、
変質者が全裸になって自慰行為をしていたことがあったのだ。
 露出癖のある男からすれば、美耶子のような美少女に見られながらの自慰は、
さだめし快感であったことだろう。
 ただ彼に取って誤算であったのは、美耶子が盲目で、
いかにその眼の前で卑猥な姿態を取ろうとも、全く気づかれることがなかったということだ。
 しかもその時、美耶子は耳にイヤホンを挿してラジオを聴いていた。
 よって、男が喚き散らしていたいやらしい言葉さえ、
彼女はまるで聞いていなかったのである。

「マムちゃんは、ババァをババァ呼ばわりするけど、
ちゃんとババァを思いやっているのが判るから、みんな怒らないんだよ」
 近隣住人の通報により男が逮捕された後、事情聴取の警官に向かって、
美耶子はこのように供述した。
 この事実を知った変質者は力なく項垂れ、
己の罪を悔い、故郷の母親に対する謝罪を口にしたという。

 とにかく。ことほど左様に、ここは危険な町なのである。
 宮田と美耶子のように、元居た土地から逃げて隠れる者に取っては、
懐の深い、居心地のいい場所ではあるのだが、常にそれ相応のリスクは覚悟せねばならない。
 玄関に施錠をするという概念すら浸透していなかった、山村の暮らしとは違うのだ。



233:名無しさん@ピンキー
09/07/22 07:47:30 EaHy45Mc

 この日も宮田は、独りアパートに残した美耶子の安否を気遣いつつ、
診療所からの帰路に就いていた。
 日曜日なので、本来ならば診療所は休みなのだが、
宮田はこの日、ソープ嬢達と性病の検診をする約束をしていたのだ。
 四人の嬢を相手に一通りの検診を行い、
ついでに毛じらみの予防だと言って、全員の陰毛を涼しげな丸剃りにしてやった。
 爽やかな気分で自転車を走らせていたのだが、自宅アパートが見えてきた辺りで、
少々不穏なものを目撃して立ち止まる。

 うだるような陽射しがようやく傾きかけた、午後の遊歩道。
 自宅の窓からカーテンがたなびいているのが見える。つまり、窓が開いているのだ。
 そしてその窓の前で―薄い緑のワンピースを着た美耶子が、地面にうずくまっている。
 美耶子の前には、リュックを背負い、モスグリーンのシャツを羽織った少年が、
棒立ちになっている。
 二人のそばには、おそらくは少年のものと思われるマウンテンバイクが、
横倒しになっていた。

 宮田は自転車を捨て、美耶子の元へ走った。
「美耶子!」
 脇目も振らず美耶子に駆け寄り、その肩を掴む。美耶子が顔を上げた。
 その瞬間、彼女の胸元が赤黒い血の色に染まっているのを見つけ、宮田はぎょっとする。
 しかしそれは、美耶子の流した血ではなかった。
「ケルブ……」

 それは、美耶子が大事に抱きかかえている猫、ケルブの血だった。
「君が?」
 宮田は、傍らで突っ立ったままの少年に向かって問う。少年は、蒼白な顔で頷いた。
「この路をチャリで横切ろうとした時に……。
猫が居たなんて、気づかなくて……避け切れなくて、それで」
 灰色の体毛をしたケルブは、石畳の地面と同化して見えにくかったのだろう。
「お兄ちゃん」
 涙で顔をぐしゃぐしゃにし、すがるように宮田を仰ぎ見る美耶子から、ケルブを受け取る。
 老猫は、すでに事切れていた。

「駄目だ。もう死んでる」
 宮田がそう言うと、美耶子はわっと泣き伏した。
 こんな場面になるといつも、宮田はどう身を処せばいいのか判らず、本当に無力だった。
 もう少し婉曲した、美耶子に衝撃を与えない言い廻しをすればよかったのだろうか?
 そうも考えるが、死んでいるものは死んでいるのだし、
どう言い換えようがその事実に変わりはないから、あまり意味が無いようにも思える。

 宮田は美耶子の前にしゃがみ込んだまま、炎天の名残りの熱気に炙られながら、
俯いている他なかった。
「あの……」
 一番先に口火を切ったのは、少年だった。
「その猫……俺がどっかに埋めてきますよ。轢いちゃったの、俺だし」
「いや、動物の死体を勝手に埋めるのは、いけないんじゃなかったかな?
どうするんだったか……生ごみで出せばいいのかな?」
 宮田は顎を捻る。
 美耶子が顔を上げた。決然とした表情でまず宮田に一発。次いで立ち上がり、少年にも一発。
 盲人とは思われぬほどに敏捷な仕草で、感性の鈍い二人の男どもに、
鋭い平手打ちを食らわせたのだった。


234:名無しさん@ピンキー
09/07/22 07:48:19 EaHy45Mc

「まあ座ってくれ」
 アイス珈琲を淹れたコップを二つ手に持ち、宮田は少年に声をかけた。
 少年は「どうも」と口の中で言い、ソファーの隅に腰を下ろした。

 少年の乗っていたマウンテンバイクは、タイヤがパンクしていた。
 ケルブを轢いた時、一緒に何かの破片でも踏んだものか。
 近くの自転車屋まで連れて行ってやったが、日曜なので閉まっていた。
 それで仕方なく、アパートへと一時撤退した訳だ。
「あの……妹さん、大丈夫なんですかね?」
 アコーディオンカーテンを閉め切った寝室を見やり、声を潜めて少年は問う。
 あの後美耶子は、ケルブの亡骸を抱いたまま離さず、自転車屋へ出かける二人に背を向け、
寝室に篭ってしまっていた。
 部屋に居るのは間違いないが、二人が帰っても何も反応しない。

「放っておけばいいさ。単に不貞腐れてるだけなんだから。気が済んだら出てくるだろう」
「で、でも……」
「いいんだ。そもそも俺の留守中、
勝手に窓を開けてはいけないという約束を破ったあいつにだって、非はあるんだから」
 宮田はカーペットの床にどっかりと腰を下ろし、アイス珈琲を一気に飲み干した。
 実際宮田は、美耶子のことはあまり心配していなかった。
 出掛けに聞こえていたすすり泣きの声も今はやんでいる。泣き疲れて眠ったか。
 それより今気になっていたのは、この、眼の前に居る少年の方だった。

「君はどこから来たんだ? この辺に住んでる人ではないだろう」
 宮田が訊くと、少年はこっくり頷いた。
「俺……東京から来たんです」
「東京から? まさかあのマウンテンバイクでか?」
「いや、この地方に来るまでは列車を使いました。マウンテンバイクを持って来たのは、
こっちで色々と見て廻るつもりだったから」

 少年の説明によると―
 東京の高校生である彼は、夏休みを利用し、
この地方の有名ミステリースポットを巡る計画を立てていたのだという。
「俺、オカルトマニアなんですよ。
ネットとかで面白そうな場所見つけては、そこへ探検に出かけるのが趣味なんです」
 暇を見つけて、いわく因縁のある廃墟などに赴いてはそこの写真をデジカメで撮り、
感想レポートを添えてインターネット上にアップする。
 一年ほど前から彼はそんな遊びをしていたのだが、
最近、そのミステリーレポートのネタに困るようになってきたそうだ。

「もう、東京近郊のめぼしい場所にはほとんど行っちゃったんです。
俺のアップ、楽しみにしてくれてる人も居るのに、申し訳なくて……。
それでこの夏休みに思い切って遠出して、余所の土地のスポットも廻ってみようかなあ、
って」
 彼はこの夏、この町を拠点に、一週間ほどかけてオカルト探訪をするつもりでいた。
 なるほどこの町なら、日雇い労働者向けの簡易宿泊所がごまんとある。
 近年は外国人バックパッカーも多数訪れ、利用しているのだとも聞いた。


235:名無しさん@ピンキー
09/07/22 07:49:37 EaHy45Mc
「……それで今日この町に着いて、ちょっと町ん中見て廻ってから宿を取ろうかなあって、
思ってたんすけど……まさか、あんな大変なことしでかすなんて」
「もうそのことは気にしなくていいよ、本当に。
仕方のないことだし、君も悪気があった訳じゃないんだろ?
美耶子だってそれは判っているはずだ。そうだろう、美耶子?」
 宮田は、アコーディオンカーテンをばっと引いた。

 驚いたことに、カーテンの向こうでは、美耶子がケルブを抱いて立ち尽くしていた。
 その状態で、二人の話を立ち聞きしていたものと思われる。
 少年は、ぽかんと口を開けて美耶子を見つめる。
 美耶子は、顔をしかめてそっぽを向いた。

「それで美耶子。ケルブをどうするんだ?
腐敗して白骨化するまで、そうして抱いているつもりか?」
 宮田が言うと、美耶子は険のある眼つきを見せたが、何も言い返すことなく眼を閉じ、
ケルブに頬擦りをして答えた。
「ケルブのお墓、作る」


 ケルブを埋葬する場所に、宮田はアパート裏の花壇を提案した。
 花壇と言ってもそれは、アパート駐車場の縁に作られた、
ささやかな植え込みスペースに過ぎない。
 宮田は、近い場所がよかろうと思ってそこを挙げただけなのだが、
花のある場所にケルブを埋葬するというのが、美耶子の感傷的な心情に合致したらしく、
彼女はえらくご満悦の様子だった。

 埋葬には宮田が付き添うつもりでいたが、少年は、どうしても自分が行きたいと言い張った。
 彼なりに責任を感じてのことらしいので、宮田はあえて異を唱えなかった。
「いちおう、気をつけてやってくれ。こいつ、ここが利かないから」
 玄関先でスコップを手渡しながら、宮田は自分の眼を指さして見せる。
 少年は少しびっくりした顔で美耶子を見たが、すぐに落ち着きを取り戻した。
「判りました―じゃあ行こう」
「あ、ちょっと」

 宮田の呼び止める声に、二人は振り向く。
 コンクリで造られた、薄暗いアパート通路の中央に立つ彼らは、
その釣り合いの取れた衣装の色合いといい、しっくりと釣り合いの取れた様子が、
さながら、子供向け冒険小説の主人公とヒロインの図、といった感じで、
どうも、何かの物語を予感させている気がしてならない。
「どうしたんですか?」
 呼び止めたまま何も言わない宮田を前に、少年が不思議そうに口を開く。
 宮田は少し照れ臭そうに頭を掻き、少年に言った。
「いや……そういえばまだ、君の名前を聞いていなかったよな」
「ああ。俺、恭也っていいます。須田恭也」
 眩いくらいに明るい笑顔を見せ、少年はそう名乗った。


 恭也と美耶子がケルブの埋葬に出ている間、宮田は三人分の夕食を作って待っていた。
 飯を炊き、冷凍食品等を温めるだけだから大した手間ではない。
 三十分もすれば戻るだろうと見当をつけた宮田の予測から少し遅れ、
四十分ほど経ってから二人が戻って来た頃には、すっかり食事も出来上がった。

「泥だらけだな。恭也君、先に風呂入ったらどうだ?」
 恭也の手や衣服には泥汚れのみならず、ケルブの流した血液もこびりついていた。
 今日逢ったばかりの、見ず知らずの人間に風呂と食事を勧められた恭也は、
さすがに遠慮をしてみせる。
 しかし美耶子に、
「いいから早く入ってきなよ。それまで、ご飯待っててあげるから」
と言われると、大人しくタオルと着替えを持って浴室に向かうのだった。

236:名無しさん@ピンキー
09/07/22 07:50:56 EaHy45Mc

「ねえお兄ちゃん」
 恭也がシャワーを使う音が響き出すのを待つように、美耶子が口を開いた。
「あのねあのね、恭也ってね……ちょっとエッチだよ」
「何かされたのか?」
「ううん、何も。でもね……恭也の眼、私の胸ん処いっぱい見てたの」
 宮田は美耶子の胸元を見た。
 淡い緑の格子柄ワンピースは襟ぐりの深い作りになっていて、彼女が少し前屈みになれば、
そのふっくら盛り上がった白い膨らみが、頂点の辺りまで見えそうになるほどのものだった。

「まあそのぐらいなら、しょうがないさ。気にするほどのもんじゃない」
 そう言って美耶子の頭をぐしゃぐしゃと掻き廻すが、宮田の心は僅かにざわめいていた。
 それは、恭也が美耶子の肉体を意識していたことに対してのものではない。
 美耶子が―出逢って間もない恭也に、簡単に打ち解けてしまったことに対してだった。

 羽生蛇村では家族も含め、ほとんど他者と接することなく過ごしてきた美耶子は、
並外れて人見知りの激しい、人との付き合いが下手な少女に育っていた。
 それは当初、宮田が考えていた以上に根深いものだった。

 なにせ美耶子は、この土地に来て宮田に教えられるまで、いわゆる敬語はもちろんのこと、
「おはよう」とか「こんにちは」などといった普通の挨拶の言葉すら、
口にしたことがなかったのだ。
 それに、都会の雑多な人間達そのものにも馴染めなかった。
 始めのうちはあの、人当たりのいい看護婦の幸江に対してさえ物怖じしてしまい、
いくら挨拶を促しても、宮田の背中にへばりついて震えているばかりという有様だったのだ。

 それなのに―。
 いくらあの頃よりも美耶子が町に慣れ、人間に慣れた賜物とはいえ。
 初対面の少年と二人きりになることを恐れなかったどころか、
すぐさま「恭也」と名前を呼び捨てにし、
ケルブが死んだことを忘れてしまったようなはしゃぎ振りで、彼の話しに興じるとは。

 ―いや……。
 宮田は小さく唇の端を上げ、己の中の憂鬱な暗雲を払いのけようとする。
 美耶子が同年代の少年と仲良くなれたというのは、喜ばしいことに違いない。
 それは美耶子の精神的な成長を意味している。
 美耶子が、人として当たり前の社会性を身に着けつつあるという、証明でもあるのだから。

 気がつくと、普段よりも一人分多い夕食を居間のテーブルに並べる宮田を、
部屋の隅に立った美耶子がじっと見つめていた。
 いや、実際にその眼が宮田を見ている訳ではないのだろう。
 けれど美耶子はひどく鋭い、心の深淵までも見透かすような視線を、宮田に向けているのだ。
 美耶子が時おり見せる不思議な眼差し。
 もしかすると彼女は本当に、人の心の内部を覗けるのかもしれない。
 通常の視力を持たない代償は、幻視能力だけではないのかも―。

(美耶子……お前のその眼に、俺はどんな風に映っているんだ?)
 戯れに宮田は、心の中で美耶子に問いかけてみる。
 けれど美耶子は、何も答えはしない。
 宮田を見ていた視線もいつしか外してしまい、つまらなそうな表情を浮かべ、
あらぬ方向に顔をそむけてしまった。


237:名無しさん@ピンキー
09/07/22 07:52:20 EaHy45Mc

 恭也の入浴は、烏の行水だった。
「本当に、ちゃんと洗ってきたの?」
 いつも宮田と長い時間をかけて入浴している美耶子は、五分足らずで出てきた恭也に、
驚き呆れる様子を隠せない。
「……洗ったっての」
 口を尖らせる恭也を居間に招き入れ、三人での夕食を始める。
 小さなソファーに宮田と美耶子が並んで掛け、恭也には床の座布団に座って貰った。
 その座布団はもともとケルブ愛用のものであったが、宮田も美耶子も、
それには触れないでおいた。

「全然、普通の人とおんなじなんですね」
 美耶子が器用に箸を使う様子を見て、恭也は感心したように言った。
「もう、ずっとだから」
 おそらくは宮田に向かって言ったと思われる恭也の言葉に、美耶子は自分で答える。
「生まれた時からだもんな」
 宮田もまた、美耶子の髪の毛をかき上げてやりながら答えた。
 食事の時も美耶子は幻視を使っているので、誰かが見ていてさえくれれば、
食事の手を誤ることなどはない。
 入浴と違って、これには介添えの必要などなかった。

 しかし今夜は恭也の手前、美耶子があまりおおっぴらに幻視を使うことは、憚られた。
 それで宮田は、形ばかり食事の手伝いをしてやることにする。
「美耶子、ここに唐揚げ置いとくからな」
 美耶子の手を取り、小皿に触れさせ場所を知らせる。
 まさしく手取り足取り、普段よりも密着しての食事に照れたのか、
美耶子はくすくすと笑っている。

「仲いいんですね」
 並んで食事をする宮田と美耶子を見て、恭也は柔らかく微笑んだ。
「宮田さんは、そうやってずっと妹さんの―美耶子さんの面倒、見てきたんですか?」
「ああ、そうだ」
 当然のように宮田は言う。
「美耶子の面倒は、俺が見る以外にないからな。
俺はずっと、美耶子のそばに居てやろうと決めているんだ。俺が……死ぬ時までな」

 美耶子の箸が、ふっと止まる。
 宮田が死ぬ時。
 その時は、いつか必ず訪れる。
 けれど美耶子は―。

「それじゃあ宮田さん、長生きしないと駄目ですね。なあ、そうだよね」
 二人の事情を知らぬ恭也は、なんの屈託もなく宮田に、そして美耶子に言った。
 美耶子は長いまつげを伏せ、
「うん……」
とだけ返した。


「美耶子の生活を補うために、盲導犬を手に入れようと思っている」
 夕食が終わった後、宮田は、美耶子と恭也に向かって語り始めた。
「俺も一日中家に居て、美耶子の世話だけしているって訳にはいかないしな。
昼の間、俺の代わりに美耶子の眼になる存在は必要だ。
それも確実に、忠実に仕事をしてくれる存在が。やはり猫には荷が重かったんだ」
 恭也と美耶子は黙って耳を傾けている。宮田は続けた。
「―まあそうはいっても、盲導犬というのはそう簡単に手に入る代物でもない。
 費用や手間の問題もあるが、何より数が少ないからな。
欲しいと言ってはいどうぞと貰える訳じゃない。
美耶子自身にも盲導犬を使いこなす訓練が必要だし、時間がかかるだろう」


238:名無しさん@ピンキー
09/07/22 07:54:02 EaHy45Mc

「そんな特別な犬じゃなくても大丈夫だよ? 前のケルブだって、普通の犬だった」
 美耶子はそう言うが、宮田は「いや」と首を横に振った。
「美耶子は……勘がいいから、確かに現状でも、健常者と変わりなく行動できている。
村に居た頃なら、あのケルブみたいな、普通よりも少し賢くて大人しいという程度の、
ありきたりな犬でよかったのかもしれん。
しかし美耶子、ここは都会なんだ。人も車も多い。ただ外を歩くだけでも注意が必要だ。
だからこれまで、お前を独りで外に出すことができなかったんだ。
俺だって何も好きこのんで、お前をこんな狭い部屋に閉じ込め続けていた訳じゃない。
それは判ってくれるだろう?」
「うん、判ってる……」
「それにな」
 と、宮田はなおも続ける。
「普通の犬ではこんなアパートじゃ飼えないよ。きちんと訓練された犬じゃないと」
 美耶子は、考え込むような顔つきで口を閉ざした。

 宮田は、今度は恭也の方に顔を向けた。
「それで―だ。すぐさま盲導犬を手に入れることができない以上、
美耶子は当分の間、眼になってくれる存在を奪われた状態に陥る訳だ。
俺が出勤して家を出ている間、美耶子は闇に閉ざされた世界で、
孤独に部屋に引き篭もっていなければならないことになる……」
 恭也は心苦しそうに目線を落す。

「―ところがここに、思わぬ僥倖が舞い込んだ。東京から遠路はるばるやって来た高校生だ。
夏休みの暇を持て余し、胡散臭いオカルトスポット巡り以外にすることもない。
おまけに泊まる場所の当てもなく、ドヤ街の不潔な寝苦しい安宿で、
強盗や変質者の脅威に怯えながら、不遇な生活を送ろうとしているんだ」
 実際のところ、この町の宿泊所も昔とは違い、
安全かつ清潔で快適なものに変わって久しいのだが、
恭也を脅しつけるため、わざと宮田はそう言っている。

「恭也君……どうだろう? 君、暫くここで過ごしていかないか?」
 恭也は、丸く眼を見開いて宮田を見た。
「君がどういうスケジュールでオカルトスポットを見て廻るつもりか知らないが、
一週間の間休みなく廻ってるって訳でもないんだろ?
それだったら、日中の何時間かでも美耶子のために割いてくれれば……。
君はまあまあ人並みの寝床と風呂と、今夜食った程度の食事を、
この地方に滞在中ずっと確保できることになるんだ。しかも、完全に無料で」

「それは……すげえ助かるっていうか、まじ半端ないんすけど……でも」
 恭也はちらりと美耶子に眼をやる。
 果たして美耶子が自分を受け入れるのか? 恭也の気がかりは、そこにあるようだ。
「こいつなら心配ない。君のことはすっかり気に入ってるよ。俺には判る」
「お兄ちゃん!」
 美耶子は頬を膨らます。そんな美耶子の肩を宮田は抱き寄せ、激しく揺さぶった。
「何だ、間違ってないだろ?
同年代の男の子とあんなに仲よさそうにしているお前を、俺は今日初めて見たぞ。
素直に認めたらどうなんだ?」

「違うもん! そんなんじゃないんだから!」
 美耶子は顔を真っ赤にして立ち上がり、ぷいっと後ろを向いてしまう。
 恭也は落胆を隠し切れない様子だ。
「……でも、恭也は泊まる処がなくて可哀相だから、ここに置いてやるのはいいと思う」
 少しの間を置いて、背中を向けたまま、美耶子は言った。

 宮田と恭也は顔を見合わせ―共に、苦笑いを浮かべた。


239:名無しさん@ピンキー
09/07/22 07:58:04 /IbvI+tF
 その後の話し合いの結果、
恭也は暫定的に、十日ほどこの部屋に滞在するということが決まった。
 暫定的、というのは、恭也の旅行期間がはっきりとは決まっていなかったからだ。
 最初に一週間と言っていたのも、主に金銭的な問題でそのくらいが限度だろうから、
というだけの話で、実際にはさほど綿密に計画だてて決めたものでもないらしい。
「ここに寝泊りさせて貰える、ってことだったら……せっかくだから、
遠過ぎるって理由で計画から外してた場所とかにも、行って見たいような気もします。
でも、あんまり長いとやっぱ迷惑ですかね?」
「こっちは全然構わない。“美耶子の眼”には、長く居て貰う方がむしろ助かる」

 宮田は寛容な態度を示しながらも、この、どこの馬の骨とも知れぬ少年に対し、
自分がこうも気を使って歓待している理由が解せず、なんとなく落ち着かなかった。
 その落ち着かなさは、恭也が当分の間この家で過ごすことが決まって、
花が咲いたように明るい、喜びの表情を露わにしている美耶子を見ることで、
いっそう明確になっていた。

「美耶子、風呂に入るぞ」
 もやもやした形のない感情を持て余した宮田は、美耶子を引き連れて浴室へと逃げた。
 その夜の入浴は、これまでに類を見ないほどに淡々とした、作業的なものとなった。
 それは恭也の存在を意識してのことだ。
 あまり長い時間、二人きりで浴室に篭っていては変に思われるだろうし、
淫らな行いに及んで声などを発し、それが聞かれてしまっては大変だ。
 美耶子もこの日は、いつものように甘えてくることはなく、
宮田の泡まみれの手が全身を這い廻っても、触診を受けている時のような神妙な態度で、
じっとしているだけだった。

 双方共に性的な気分に陥ることのない入浴は、日頃の半分にも満たない時間で済んだ。
 風呂から上がると、恭也はテレビをつけて待っていた。
 床に座り、画面に顔を向けているが、番組の内容の方は頭に入っていない様子だ。
「俺達が一緒に風呂に入ってるの、おかしいかい?」
 パジャマ姿の美耶子をダイニングの椅子にかけさせ、髪を拭いてやりながら、
宮田は恭也に向かって言った。
 恭也は一瞬、不穏な敵意にも似たものを発して躰を硬くしたが―
すぐにそれは治まり、今までと変わらぬ人懐っこい笑顔で、かぶりを振った。
「眼が見えないんじゃ、しょうがないっすよね」
「そうだな、しょうがない。手の掛かるやつなんだよ、こいつは」
 宮田は美耶子の髪をバスタオルで挟み、ぱんぱんと叩く。

「眼もあれなんだけど、肌も弱くてね。躰を洗う時にタオルの類が使えないんだ。
だからいつも、手で洗ってる」
「手で、ですか?」
「そうだよ」
 言いながら、洗面所からドライヤーを引っ張ってきてスイッチを入れる。
 強い風が吹き出し、美耶子の洗い髪の表面が舞い上がった。
「手に石鹸をつけて撫でるんだ。全身を隈なくな。知ってるか?
皮膚の洗浄は本来それで充分なんだよ。ナイロンタオルなんかでごしごし擦るのは、
皮膚表面を保護するのに必要な皮脂までこそげ取ってしまうから、あまり宜しくない」
「け、けど……」
 手で躰を撫で廻すなんて……という言葉を飲み込み、恭也は押し黙る。

「それに、そうして躰に触れることで、躰の状態を知ることもできるしな。
乳房を触れば、張り方でホルモンの状態が判るし、乳がんの検診にもなる。
骨が曲がっていないか。内蔵に異常はないか。それだけじゃない。生殖器を指で探れば……」
「お兄ちゃん」
 美耶子が、ドライヤーを使う宮田の腕を押しこくった。
「ああごめん、熱かったか?」
 美耶子は緊張したように肩を怒らせ、火照った肌を汗の雫でぬめらせて、俯いた。
 恭也はそんな美耶子にちらりと眼をくれ、横を向く。
 憮然とした表情。しかし、こちらを向いた耳が真っ赤に染まっている。

240:名無しさん@ピンキー
09/07/22 07:58:46 /IbvI+tF
 宮田は、彼らのぎこちない態度に全く気づいていないような無反応を決め込み、
美耶子の髪の毛の束をを掴んでは熱風に当てる作業のみ、淡々と行った。

 いつもより少々雑に美耶子の髪を乾かし終えた宮田は、恭也の寝床を用意しにかかった。
「こいつが、真の姿を現す時が来たな」
 ソファーの背もたれを倒すと、それはフラットなソファーベッドに変じる。
 別にどうってことのない、ありきたりなものなのだが、美耶子はとてもびっくりして、
「凄い凄い」と手を叩いた。
 美耶子の無邪気さに恭也は呆れる。
「君ってほんとに子供だよな」
 からかい口調で恭也に言われると、美耶子は「いーっ」と、顔をしかめた。

 その表情は、完全に子供だ。
 しかし宮田は知っている。
 彼女がそんな無邪気さ、あどけなさとはまったく別の、妖艶な女の顔も持っている、
ということを。
 恭也が思いも寄らないであろう、美耶子の房事での姿を思い起こすと、
宮田は胸のすくような優越感に充たされ、気持ちが楽になった。


 ソファーをベッドに変えると、狭い居間はよりいっそう狭くなった。
 まだ宵の口だったが、彼らはもう寝てしまうことにした。
「俺達はこっちに引っ込むけど、君は好きにしてていいよ。
テレビを見るもよし。冷蔵庫のものだって、適当に飲み食いして構わん」
 美耶子の肩を抱いて寝室に入り、アコーディオンカーテンの隙間から宮田は言った。
「いや、俺ももう寝ますよ。色々……疲れちゃったし」
 宮田に渡されたタオルケットを手に、恭也は答える。
「そうか。じゃあおやすみ」
「おやすみなさい」
「……おやすみ」
 宮田と恭也、そして美耶子は、それぞれに声をかけ合う。
 そして、アコーディオンカーテンは閉められた。

 電気を消してベッドに横たわると、エアコンの運転音がやけに耳についた。
 暗闇の中、宮田は、隣に寄りそう美耶子の腕を、ゆっくりと撫で摩る。
 今日は、美耶子の生理が明けているはずだった。
 いつもなら、束の間の禁欲状態から開放された美耶子の躰を思う存分責め立て、
随喜の涙に咽んで、気も狂わんばかりになるまで追いつめてやるところだが、
今宵それはできない。
 ほとんど厚さのないアコーディオンカーテンの向こう側に、赤の他人がいる状態では、
さすがにそんな気にはなれなかった。

 それは美耶子もやはり同じのようで、宮田の躰にぴったり身を寄せてはいるものの、
それ以上の生々しい接触を望んでいる素振りは見せなかった。
 互いの吐息を間近な位置で感じ合いながら。
 二人の意識は、眠りの世界に少しずつ引き込まれ、間もなく途絶えてしまった。


 エアコンの室外機が、突然唸り出す音を聞き、宮田の意識が浮上した。
 未だ真夜中だ。
 つい今しがたまで、なんだか妙に印象の強い夢を見ていた気もするが、
眼が覚めると同時にすっかり消え失せてしまい、覚えていない。
 その夢には、確か恭也も出てきたように思えるのだが―。
 その恭也はといえば、左側にある居間の方で、大人しい鼾を規則的に響かせ、
未だ眠りのさなかにある。


241:名無しさん@ピンキー
09/07/22 07:59:20 /IbvI+tF

 右側で壁に沿って寝ている美耶子は横向きに、宮田に背を向けているようだ。
 違和感を覚えたのは、その息遣いのせいだった。
 寝息にしては浅く、乱れて震えているようでもある。
 シーツを伝い、小刻みな震動が伝わっていた。
 その震動は下の方―美耶子の腰のある辺り、いやもっと正確にいえば、
美耶子の股間の辺りから、密やかに起こっているらしかった。

 宮田は腕を伸ばし、後ろ向きの美耶子の股座に、すっと手を差し挿れた。
 裸の皮膚がそこにあった。
 ずり下ろしたパジャマのズボンと下着の中から。
 熱く湿った尻たぶの間で、ぬらぬらと濡れた肛門の手触り。
 そして会陰の上で、ぬめってふやけきった指先の爪が、宮田の爪とぶつかって、
かちりと鳴る感覚。

 微震動が、ぴたっと止まった。

 宮田は手の指を滑らせ、自らの性器を覆っている美耶子の手を掴んだ。
 美耶子が自慰行為を覚えていたことは、宮田からすれば案外であった。
 この一年の間、様々な教育の合間にいつか教えてやろうと思ってはいたが、
まさか自分で勝手に覚えてしまうとは。

 美耶子の手を探ってみると、彼女は中指を膣の穴に埋め込んでいる様子だった。
 穴からは、物凄い量のよがり汁が溢れ出し、
こうしている間にもどくどくと湧いて流れ、陰部から指の股からもうべっとりだ。
 ―陰核は触っていなかったのだろうか?
 そう思い、まずは親指を調べてみるが、他の指と比べても、それほど濡れている様子はない。

 もう一方の手は、と手を動かせば、それはかなり上の方、
パジャマの上着の中に潜り込んでいた。
 パジャマの中で、乳房の膨らみをぎゅっと握り締めていた。
 宮田はそっと寝返りを打つと美耶子の背中に寄り添い、パジャマの釦を外した。
 乳房に宛がわれている美耶子の手を、上から押さえる。
 その指先は、しっとり湿っていた。
 おそらくは、つい先ほどまで、こっちの指で陰核も刺激していたのだろう。

 宮田は乳房から彼女自身の手を取り外して、乳房に触れた。
 いやに乳首がぬらついている。
 美耶子は、膣孔から漏れ出る淫水を乳首に塗り込めていたようだ。
「う……」
 宮田はぬめった乳首を、人さし指で素早く弾いて震動させた。
 すると股間を弄っている方の手が、再び蠢き出した。

「お前……いつもこんなことしてたのか?」
 美耶子の肩に顎を乗せ、宮田は耳元に囁いた。
「俺が居ない時にやってたのか? いつからだ?」
「……夜中、お兄ちゃんがあれの最中に、診療所に呼ばれて行ったその後に」
 それだったら随分前のことだ。宮田は驚いた。
 犀賀診療所での仕事にも慣れた昨年の晩秋、
宮田は美耶子と交接を行っている途中、急患で呼び出しを喰らったことがあった。

 宮田は美耶子の中から陰茎を引き抜くと、濡れた箇所の始末もそこそこに、
自転車を飛ばして診療所へ駆けつけた。
 犀賀と二人で患者の救急処置を施し、一命を取り留めた処で設備の整った大病院に搬送し、
その日はそのまま診療所で仮眠を取った。
 アパートに戻ったのは、その後一日の勤務が終わってからだった。

 確かにあの時、美耶子からすればいきなり性交を中断された状態で、躰が燃え上がって、
居ても立ってもいられなかったことだろうとは思う。



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