08/06/04 00:38:06 dVy27hJy
>>136
「さぁキョン、もう店じまいよ、アンタはもう帰って、あたしは片づけをするから」
さっきまでとは一転しハルヒは手際よくイチジクや検尿カップやパンストや眼鏡、様々な制服などなどのオプションの残骸を片付け始める。
「実をいうとね、あたしはお金を節約するためにお店の控え室に布団敷いて泊まってるの、ご飯も自炊ね。それで稼いだお金はほとんど返済にあててるの」
ハルヒ……俺……。
「いいことキョン、ここはキョンのバイト代くらいじゃ滅多にこれないんだから、もうここに来ちゃだめよ。あたしのことはもう忘れて頂戴」
俺が…俺がなんとかする……だから……
「帰って、もう帰ってよキョン、そして…もうこないで!」
……俺は言い知れない挫折感を味わいながら店をでた。
「お疲れ様でした、お送りしましょう」
そしてにやけ顔が俺を出迎える。俺は流されるまま古泉の車にのった。
「どうでしたか」
………。おれは古泉の問いには答えず、流れて行く景色を見つつづけた。
そうだハルヒの親父さん達はどうしてるんだ、勘当とか絶縁とかそういうのだったら相談してなんとか……
「お二人は…涼宮さんのために全財産を使われました、しかし焼け石に水、おまけに心労がたたり揃って倒れられて人事不省、今もって入院されています
実はその費用だけで毎月十万以上必要なんです、ですから借金を全額返済されても涼宮さんがお金が必要な状況には変わりありませんね」
新たに知らされた事実に俺は胸を突かれた、ハルヒと付き合い始めたころハルヒの家に呼ばれ『娘を宜しく頼む』と頭を下げられた、その親御さん達がそんな羽目になっているとは……。
そうだ入院ってもしかしてあの病院か?
「えぇ例の病院です、あなたも入院されましたよね」
だったら入院費用とかは何とかならないのか、俺の時はそうだったよな。お前ら機関の病院なんだろ。
「元機関のです、今は普通の病院ですよ、それでも便宜ははかっているんですよ。普通なら退院させられて自宅療養に切りかえさせられている所です」
そうなのか……すまん。
「まぁ涼宮さんが事務長に頼み込んだという事情もありますがね、いわゆるバーターです」
……バーターって……。
「事務長は事務室でのナースプレイがお好みとだけいっておきましょう、つまりはそういうことです」
またもや突きつけられた汚い現実に俺は押しだまった。