つよきす prat2at EROPARO
つよきす prat2 - 暇つぶし2ch2:名無しさん@ピンキー
08/05/27 13:40:01 u9wyPRoK
2get

3:名無しさん@ピンキー
08/05/27 13:42:53 u9wyPRoK
>>2
すまん
隣にいる友人が勝手にレスしやがった
スルーで頼む

4:名無しさん@ピンキー
08/05/27 15:45:51 Qxrv0APf
>>1


5:名無しさん@ピンキー
08/05/27 16:00:46 eFYCjuVu
>>1

早速よっぴーに飼育されるレオ希望

6:名無しさん@ピンキー
08/05/27 20:23:43 98mOoxrO
スレタイのpartのつづり間違えた。
すまん。
あと前スレが落ちててURLが貼れなかった。


7:名無しさん@ピンキー
08/05/27 23:29:50 nf/qZ28W
>>1乙~
そしてドンマイwパラット(笑)

8:名無しさん@ピンキー
08/05/28 00:50:36 bIhICVdg
>>1ご祝儀
前スレ
つよきすのエロ
スレリンク(eroparo板)

9:名無しさん@ピンキー
08/05/29 16:15:11 Fx21Me8x
ほしゅ

10:名無しさん@ピンキー
08/05/29 19:31:40 zMDSBIz0
9レス目で保守とかw

11:名無しさん@ピンキー
08/05/30 00:26:54 r/G9/r1Z
まだかな~

12:名無しさん@ピンキー
08/05/31 15:19:39 Sb5NMuM6
まだ2学期購入しようか迷ってます。

13:名無しさん@ピンキー
08/05/31 22:56:19 2SpkqOKD
姫の対面座位まだかな?かな?

14:名無しさん@ピンキー
08/06/01 23:54:21 z2wB/quX
>>12
やめとけ。
近年稀に見る地雷だ。

15:お姉さんの人
08/06/02 03:43:29 ksVCxYFX
>>1
立たないのかと思ってた。というか前スレの強引さに吹いた
なんかまた書くかな

16:お姉さんの人
08/06/02 04:04:31 ksVCxYFX
>>13
それ書いて良い?

17:名無しさん@ピンキー
08/06/02 08:50:47 5q4EsDDp
>>16
よろしく頼む
キス多めで頼む
頼む

18:名無しさん@ピンキー
08/06/03 15:13:34 VUFw8nj5
>>16
孕んでしまうくらい、中出し多めで

19:名無しさん@ピンキー
08/06/04 00:04:28 HbqtWA8a
>>17
某MAD思い出して笑ってしまった


>>16
全裸待機してるわ
肺炎になる前に頼む
よろしく頼む

20:名無しさん@ピンキー
08/06/06 05:55:44 KKTuAtpA
待機

21:名無しさん@ピンキー
08/06/07 14:42:07 8DqKtqf+
待ちきれず1学期のなごみんで暴発した。スマソ

22:名無しさん@ピンキー
08/06/07 15:45:05 Ya2WrH52
>>21
大丈夫
誰もお前を責めはしない

23:名無しさん@ピンキー
08/06/07 22:48:32 gTcGMzmg
PS2のよっぴーの扱いの酷さに絶望した。

誰か救いの手を

24:お姉さんの人
08/06/08 00:47:35 3PDYWMlz
そもそもパソコンがぶっ壊れててやっと直ったぜ

25:名無しさん@ピンキー
08/06/08 00:50:17 bfAr48Sf
そいつは大変だったな

26:名無しさん@ピンキー
08/06/08 01:17:46 8LZvabZS
>>24

うちのパソコンもメンテっつーか、買い換えないとな……

27:名無しさん@ピンキー
08/06/10 05:40:08 EYt3LoFB
保守

28:名無しさん@ピンキー
08/06/10 16:41:07 axoZd/f5
ああ、オレも待ちきれず一学期の姫のラストで…orz

29:名無しさん@ピンキー
08/06/10 18:33:32 gUZ08cm7
まーだー?

30:お姉さんの人
08/06/10 21:19:24 fFx1esG4
デレ姫

オッス! 久しぶり! 対馬レオだ。
まぁそんな四次元的な発言は置いといて。俺と姫―霧夜エリカが竜鳴館を卒業して三年。
あの生徒会室での宣言通りに己を高めることに励んだ俺は、なんとエリカと同じ大学に通っている。
我ながら快挙だね。本当、血反吐吐くかと思った。もちろん今だって鍛錬や勉強は欠かしてないけど。
とは言えそこは華のキャンパスライフ。いわゆる合コンみたいな物にも顔を出すことはある。
「悪いな対馬。向こうがどうしてもって言うからさ」
「ははは。光栄だね」
今日も学科の友達の誘いで合コンだった。
学生用の安いチェーン居酒屋にて他愛も無い会話。しかしそこに全てを賭けている男もいる。
前に偶然フカヒレと一緒になった時はあまりの熱意に引いた。
俺自身は彼女のいる身分だからあまり興味は無いけれど、付き合いってものがある。
四対四だったのだが、俺と今日の幹事を務めた友達は二次会に出ずに帰宅路を辿る。
「幹事のくせに抜けて良いのか?」
「いーのいーの。俺は飲みを楽しみたくて行ってるだけだし。
お前こそホイホイ参加して良いのか? 姫に怒られたりして」
ちなみに大学でもエリカのあだ名は姫。
俺と姫が付き合ってることは学内では有名だ。むしろエリカの存在を知らない奴の方が少ない。
「大丈夫かな。むしろ可愛いくて巨乳の子を持ち帰って来いって命令されるよ」
「ほぉ。さすが姫。軽く受け流してるわけだ」
「多分本気で言ってるけどね……」
電車に揺られながら軽口を言い合う。
対馬ファミリーの連中と離れ離れになってしまったのは寂しいが、
別れがあれば新しい出会いがあるとはよく言ったもの。
大学の友達とも上手くやっている。
それに引っ越した訳じゃないので週末などはたまに会ったりするし。
「んじゃ、俺ここだから」
「おう、またな」
ホームに降り、手を振って友人を見送る。
家までの道中、フラフラとコンビニに立ち寄る。なぜ人は特に用も無いのにコンビニに入ってしまうのか。
そしてなぜ飲んだ後は麺類が食べたくなるのか。カップうどんを購入。
酔って火照った体に夜風が気持ち良い。まだまだ子供だけど、こんな時はなんだか大人になった気がする。
そんなことを考えていると我が家に到着。
「ただいまー」
相変わらず両親は海外だし、乙女さんもとっくに実家に帰っているので返事はあるはずもない。
「おかえり」
と思ったらリビングから声。考えてみたら明かりがついてる時点で誰かは居るはずだ。
当たり前だが鍵は掛けて出たので、窓からファミリーが侵入したとは考え難い。
ま、合鍵を持ってる人間は一人しかいないけど。
「来てたんだ」
「今日は時間があったから」
天然物の金髪に整った顔立ち、何より天性としか思えない大物のオーラ。
霧夜カンパニー時期総帥筆頭候補にして、俺の彼女、霧夜エリカ嬢でございます。

31:お姉さんの人
08/06/10 21:19:51 fFx1esG4
「今日合コンだったんでしょ? で、成果は?」
「まぁまぁかな」
ポットのお湯をカップに注ぎながら答える。
エリカはというと置いてあった煎餅をボリボリかじってたりして、オヤジ臭い。
これももう見慣れた光景だけど。
大学の連中に言っても信じないだろうなぁ。
「典型的な日本人の回答ね。そういうところは変わんないわね」
彼氏の家とは言え、勝手に人の煎餅を食べながら偉そうに話す姿がこれほど似合う人間がいるだろうか。
対面の椅子に座って三分待つ。
「どうせなら誰か上玉をお持ち帰りしてくれば良かったのにー」
「まだハーレムを諦めて無いの?」
「当然。乙女先輩やなごみんも逃がす気は無いわ。
おっぱいの為ならたとえ火の中、水の中、森の中、あの子のスカートの中」
「最後のは犯罪だからやめようね」
「ところでそれ、美味しそうね」
視線が俺の啜っているうどんに向かっている。
好奇心旺盛な性格なので、知らない物へは興味を持ちやすい。
「いる?」
「うん」
カップと箸を渡す。
「……」
手に持ったまま動かない。まさか食べ方が解からないなんてことはあるまい。
「熱い……」
そういことか。
「これは気が回りませんで」
箸を取り、うどんを一本すくう。息を吹きかけ、程よく冷ます。
もうそんなに熱く無いはずだが、野暮は言わない。
「はい」
「ん。ありがと」
うどんを租借するエリカ。
「うーん。ま、一般人の食べるものならこんなもんか」
「そりゃエリカの家と比べちゃ可哀想だ」
「あら、褒め言葉だったんだけど」
開発者が聞いたら泣くぞ。残りを食べ終え、片付ける。
「今日は泊まっていくの?」
「そのつもりだけど。それともこんな遅くに女の子を一人で歩かせるつもり?」
「まさか。大歓迎です」
「よろしい」
実際に痴漢が現れたらボコボコに打ちのめした上に、裸にして町内一周くらいはやらせそうだけど。
いや、命を取られないだけまだそれはマシかもしれん。
いろんな意味で命(タマ)の一つや二つ潰される覚悟が無いとエリカに狼藉は働けない。

32:お姉さんの人
08/06/10 21:20:12 fFx1esG4
健全な男女が一つ屋根の下に居ればすることは一つ。
ご多分に漏れず、俺達もやることはやってるわけでして。
「ん……はぁ」
エリカの中から息子を引き抜く。幾度と無く体を重ねているのに、全く飽きない。
お互いしか知らないけど、エリカ以上があるとは思えない。
「エリカ……」
「レオ」
唇を合わせる。行為が終わったばかりなので、本当に合わせる程度。
エリカの横に寝そべる。こうしていると無言で抱き締めてくれる。男女の立場が逆の気もするけど。
「ねぇレオ」
「ん?」
「合コンって楽しい?」
エリカは参加したことがない。声は毎日のように掛かるけど、全て断っている。
『私に釣り合うような男が来るとは思えないし。単純にそんな暇じゃないしね』
とのこと。
「まぁ楽しいのは楽しいかな。ワイワイ騒ぐのは嫌いじゃないし、たまに面白い人も来るし」
「可愛い子は?」
「俺の基準はエリカだから。エリカに匹敵するとなるとまずいないね。
客観的に見れば可愛い子はいっぱい居たけどね」
「あらあら。レオの癖にずいぶん生意気言うわね」
嬉しそうに言うエリカ。
「でもレオはそう思ってても向こうは違うんじゃない?」
「正直『二人で抜けない?』って誘われることはよくあるよ。行かないけどね」
「むぅ」
「ヤキモチ?」
「嫉妬するくらいなら最初から行かせないわよ。気になるのは確かだけど」
「至極光栄」
エリカにここまで気にかけてもらえるのは佐藤さんと俺くらいだろう。
「エリカの方こそ、仕事は順調なの? と言っても、不調ならここに来ないか」
「そういうこと。レオが頑張って私に着いて来てくれてるんだから、私も腑抜けてるわけにはいかないわ」
「さすが。でも授業との両輪だし、疲れたらいつでも甘えてくれて良いよ」
「ありがと。十分甘えてるわ」
もう一度キス。
贔屓目抜きでもエリカの努力は凄まじい。
大学に入って、勉学、カンパニーの仕事共にさらに忙しくなっているのに弱音を一切吐かない。
それに比べたら合コンに行く時間のある俺なんて甘ちゃんもいいとこだ。
もっと俺も頑張ろう―そう思っていると、
エリカに抱かれている心地良さも合わさってすぐに夢の中へ入っていった。

33:お姉さんの人
08/06/10 21:21:12 fFx1esG4
「うぉぉぉ!! 行くなぁぁぁ!!」
布団を跳ね飛ばし、上体を起こす。
「な、なに? どうしたの?」
さすがに驚いたのか、エリカも起きる。
「いや、ちょっと……恐ろしい夢を」
「夢?」
「うん。エリカが俺と別れて両親の薦めるお見合いに行くって夢……」
「はぁ?」
「なぜか髪が短くて金髪ってよりピンクになってて……」
「落ち着きなさい。現実はこっち」
「解かってるけど、嫌にリアルな夢だったぜ……」
時計を見ると七時半。目覚めは悪いが、起きるには丁度良い時間だ。
「汗かいてるわね。シャワー浴びた方がいいわ」
「そうする」
ベッドから抜け出す。
「エリカ、もし本当に両親が『対馬君とは別れてこの人と結婚しなさい』って言ってきたらどうする?」
一応聞いてみる。
「下らないわね。そんな妄想してる暇があるなら
如何にして乙女先輩のおっぱいと純潔を奪うかを考えた方が余程生産的だわ」
それも十分妄想だと思うけど、突っ込まない。
シャワーを浴び、朝食を作る。トーストとコーヒー程度の誰でも出来る朝食。
「毎日似たようなもので飽きないの?」
「たまにはご飯も炊くよ。何よりおにぎりじゃないってだけで新鮮だ」
「何の話?」
「内緒の話」
食べ終え、片付けたら大学へ出発。
校内に入るとさっそく視線が集まる。長い大学の歴史上唯一人入試で満点を取った姫とそのお供。
入学して以降もその実力を周囲に見せ付けているエリカはもはや大学の名物と言っていい。
賛辞の視線はエリカに向けられていると解かっているが、なんとなく俺も優越感にひたってしまう。
「この大学ってレベルが高いのは良いんだけど、中々私好みの胸が見つかんないのよね~」
本人はこんなだけど。
同じ学科とは言え、履修している授業は違う。
「じゃ、また昼休みに」
「わかった」
手を振り別れる。
さて、勉強は勉強でしっかりやらないと。
エリカや友達と面白可笑しく過ごすのも大事だけど、基礎が疎かになっては本末転倒だ。
何時までも乙女さんとスバルに尻を叩かれている俺じゃないぜ。

34:お姉さんの人
08/06/10 21:22:08 fFx1esG4
午前の授業が終わり、空き教室にてエリカを待つ。さっきメールを送ったのでもうすぐ来るはずだ。
二人で一緒に昼食を食べることは多い。人ごみを嫌うエリカは食堂よりも空き教室を使うのを好む。
もっとも、空いてる部屋を探すのは俺だけど。
ここの授業のレベルは高い。必死とまではいかないが、油断しているとすぐに置き去りにされる。
しかし不思議なもので、初めはうんざりすることもあったが、今では結構授業も楽しい。
何でも本気になれば面白いものなのかもしれない。
「対馬君」
何をするでもなく携帯をいじっていると、声をかけられた。
「えっと……同じ学科の山口さん?」
「そうそう」
何度か話したことがあるので憶えている。何の用かは検討もつかないけど。
「今、良いかな?」
どうしようか。そろそろエリカが来るはずだ。手早く済ませてもらおう。
「すぐに済む用事なら、大丈夫だよ」
「うん、大丈夫。あのさ、対馬君って霧夜さんと付き合ってるんだよね?」
「あー、うん。付き合ってる」
「彼女がいる人に言うのは自分でもどうかと思うけど、私じゃ駄目かな?」
「へ?」
駄目って何が駄目なんだ? いや、なんとなく……と言うか正直言わんとすることは解かるけど。
「別に二番でも良いんだよ。一夫多妻歓迎」
「いやちょっと待って」
「霧夜さんが凄過ぎて隠れてるけど、対馬君も相当魅力的だしね。抑えとけば将来安泰かも」
勝手に話を進める山口さん。普通なら嬉しいけどそうも言ってられん。
とりあえずお断りしようと口を開いた、その時。
「私の彼氏に手を出そうなんて、大した度胸ね」
降臨……満を持して。
ドアに背を預けて腕組みしているエリカ。マニュアルを見ずとも誰でも解かる。大変お怒りです。
「で? あなた誰?」
「同じ学科の人間くらい憶えときなさいよ。やっぱ腹立つわね、あんた」
エリカは強烈なカリスマの持ち主である分、アンチも同じく多い。山口さんもそのようだ。
「ごめんさいね。記憶容量の無駄遣いはしない主義だから。
て言うか、消えてくれない? それとも、消されたい?」
やばい。思ったより怒っていらっしゃる。学び舎を血の海にしない為にも俺が動かねば!
「そ、そういう訳だから、ごめんね山口さん」
彼女の背を押し、無理矢理教室から押し出す。素早くドアを閉めて鍵も掛ける。これで良し。
振り向くと仁王立ちのお姫様。
「気に食わないわね」
「ごめん」
「謝るような事したの?」
「いや……してない」
「じゃあ良いじゃない」
とは言えどう見ても怒りは静まって無いわけでして。
無言で時間が流れる。き、気まずい。

35:お姉さんの人
08/06/10 21:23:20 fFx1esG4
「盲点だったのよね」
先に口を開いたのはエリカだった。
「私に釣り合うくらいの男になれって言って、レオがそれに応えてくれたのは嬉しかったわ。
でも、私に釣り合う男って他の女の子から見ても魅力的よね」
確かに。自画自賛になるけど、大学に入ってから妙にモテる。
スバル共々、フカヒレに呪い殺されそうになるほどだ。
「最初はレオが私から離れるわけないと思ってたんだけどね。まぁ今も思ってるけど。
だから合コンとか行っても余裕だったわ。でも、レオから行かなくても、寄って来る悪い虫はいるわけだ」
「さっきみたいに?」
「そう。私は私でカンパニーの方の仕事もあるし、同じ大学同じ学科だからって毎日ベッタリとはいかない。
だから……レオを取られたらどうしようって、思うときもある。
嫌われたくないから、物分りの良い振りもしちゃうし」
「エリカ……」
見ているか元竜鳴館の生徒達よ! 諸君らの『姫』に俺はこれほど愛されているぞ!!
「ジレンマよね。レオが離れないように頑張るほどにレオと居る時間は減っていく。
かといってレオと野望を天秤に賭ける気も無い。どうしたらいいのやら」
何を今更。少し可笑しくなって笑う。
「ちょっと、人が真剣に話してるのに笑うなんて、どういうつもり?」
「ごめんごめん。うん、やっぱり、エリカは少し疲れてるよ」
「別に疲れてなんか……」
言い終わる前に抱き締める。急だったので抵抗されたがすぐに大人しくなる。
「あの放送憶えてる?」
「どうやって忘れるのよ。あんなもの」
「その時自分で言ったじゃん。男も野望も手に入れるって。そういうことだよ。
簡単な話だ。エリカはいつも通り、『私についてきなさい!』って言えば良い」
「レオ……」
「ま、ここまで来てドロップアウトする気は無いから勝手について行くけどね。
それに、昨日も言ったけど、いつでも甘えてくれて良いのに。合コン行って欲しく無かったら行かないし」
「行くな」
即答。
「了解」
「告白されるのは仕方ないけど、すぐ断る」
「了解」
「私がハーレム作るのは許されるけど、レオは駄目。レオは……レオは私だけのものなんだから」
そう言うとエリカの唇で俺の唇が塞がれる。しばらくお互いの口内を堪能する。
舌が独立した意思を持っているかのように絡み合う。静かな教室内にピチャピチャと音が響く。
「ぷは……」
ようやく顔が離れる。俺の胸にもたれるエリカ。十センチの身長差があるので丁度良い。
頭を撫でてみる。普段は俺が甘える方なので滅多に無い光景だ。
「ん……こういうのも、悪くないかもね」
「気に入った?」
調子に乗って髪に口付ける。
「うん。むしろ好きかも」
綺麗より可愛い。こんなエリカは本当に珍しい。
「ねぇ……したい」
「ゴム無いんだけど」
「大丈夫な日だから。お願い」
ここまで言われて立たない、いや、起たない奴は男じゃない。

36:お姉さんの人
08/06/10 21:24:03 fFx1esG4
「う……ん。あ、ふぅ」
平均より少し大きめのエリカの胸を揉み解す。下着と服の上からでも柔らかさが伝わってくる。
「レオってほんとに胸好きよね」
「エリカには負ける」
立ったままじゃやり難いので教員用の椅子に腰掛ける。
「エリカ、おいで」
膝に手招き。大人しく従うエリカ。挿入はしてないけど、いわゆる対面座位の形。
「誰か来ないかな?」
「次の時間はここ使わないし、大丈夫よ」
「なら、いいかな」
この体位の良い所はキスが非常にしやすいところだ。
当然、俺達も何度も唇を重ねる。
「はぁ……ん、んんぅ!」
キスしながらも胸への愛撫は忘れない。憶えたての頃は胸ではあまり感じなかったエリカだが、
俺の弛まぬ開発によって、十分な性感帯として機能している。
上着をめくると薄青色のブラジャーが現れる。
「おぉ、清楚系。珍しい」
「あのねぇ。私だってそういうのくらい持って……あぁ!」
ブラをずらし、乳首を甘噛み。首がちょっとつらい。
「ちょ……レオぉ、そんな、噛まないで」
頭を腕で押さえつけられる。噛んじゃ駄目なら舐めてみる。
「あ、あ、ああぁ!」
空いている方の手をスカートの中へ潜り込ませる。
「や! そこは……」
あえて本丸には行かずに太ももを撫でるだけ。それでも、汗がうっすらと浮いてくるのが解かる。
さーて、珍しくお姫様がデレモードだ。これを利用しない手は無いぜ。
背中に回している手をゆっくりと下ろす。キスに夢中なのか、エリカは気付いていないようだ。
ロックオン完了! 直腸の奥まで狙い打つ男だぜ俺は。
下着の上からエリカのお尻を撫でる。
「しっかり掴まっててね」
「え? あ……ふあぁ!?」
下着をずらし、中指を入れる。ただし、本来なら出す方の穴にだ。
「そ、そっちは駄目だってば! ん! あぁ!」
第二間接近くまで挿入し、曲げたりこねたり。動くたびにエリカの背が跳ね上がる。
それでも俺をガッシリ掴んで離さない。
本人は意地でも認めないけど、エリカは絶対後ろが弱い。
「ごめん、ちょっと腰上げて」
「?」
意図は解からなかったようだが、少し腰を浮かしてくれる。その隙間を利用して前にも指を入れる。
体勢は少々つらいが、膣は濡れていたのですんなり入る。
「二本差し」
「バ、バカ!」
不規則に動かすとエリカの体も合わせて動く。膣が痙攣するかのように指を締め付ける。
「イキそう?」
「キス……キスして」
俺の問いには答えず、ついでに返事も聞かずに、貪るように唇が奪われる。
にゅるりと舌が入ってくる。それに応えようと俺も舌を動かすが、許されない。
下は俺が、上はエリカが、それぞれ支配してお互いを感じあう。

37:お姉さんの人
08/06/10 21:24:30 fFx1esG4
「ん、エリカ、そろそろ」
「私も入れて欲しいけど、その前に……」
俺の膝から降りてしゃがむエリカ。
「こっちにもキスしてあげる」
意味を察した俺は自らズボンを下ろした。降臨……満を持してないけど。
「な、なんか私がしなくても準備万端ね」
「そんな事は無い。今か今かと息子共々待機中だ」
「じゃあ、あむ」
「うあ……」
サービス精神旺盛なのか、自分がやりたいだけなのか、イメージとは逆にエリカは割りとよくフェラをしてくれる。
「ん……」
性格的には大雑把なところもあるエリカだが、フェラは懇切丁寧。
持てるテクニックの全てを動員してくれる。
まぁそのサービスの裏には―
「う、あ、エリ、カ……」
「んー? 出ちゃいそうー?」
俺の反応を面白がってる節があるけど。
「こういうのは如何でしょう?」
亀頭を甘噛みされる。痛いような気持ち良いようなくすぐったいような。
「これは?」
尿道に熱い感触。指で開いて舌を差し込んだらしい。
奥までは入りようも無いのでほんの入り口程度だが、なんか不思議な感触だ。
「ちょっと気持ち良いかも……でもあんまりやらないで欲しいかも」
そう言って止まるエリカなら苦労しない。
「ふふ。ここが良いんだぁ? ねぇレオ? やられたらやり返せが鉄家の家訓だったわよね?」
「そうだけど俺は対馬家……うわ!」
さっきよりも強めにねじ込まれる。おまけに器用にも舌先を動かして刺激を与えてくる。
なんだか背中がビクビクするし、頭がボーっとする。
「さっきより硬くなったわよ。体は正直ね」
息子から口を離すエリカ。
「あ……」
「残念そうな顔しないの。出すんならこっちに、ね」
自分で下着を脱いで鞄の上に置くエリカ。
その姿を見ているとまたしても愚息が成長した気がする。

38:お姉さんの人
08/06/10 21:25:47 fFx1esG4
お互いの性器を合わせるとヌチャっと音がした。
「じゃ、行くよ」
「うん」
対面座位の体位に戻り、エリカが俺に体重を預ける。
「あ、あぁ!」
「ん……」
ズブズブと息子がエリカの中に埋まっていく。
ゴム無しでは滅多にしないから、感覚がついていかない。正直、すぐにでも発射しそうだ。
歯を食い縛って耐えるが、この締め付けとぬめりは反則だ。
「ん! はぁぁ! レオォ!!」
こっちのことはお構い無しに腰を動かしまくるエリカ。
この体位は女性のほうが動きやすい。
というか、ベッドの上ならまだしも、不安定な椅子で俺が動くと倒れかねない。
要するにやられるがまま。悔しいので乳首を噛んで反撃。
「ふぁぁぁ! そっちも気持ち良いけど、キス……」
「なんか、今日はずいぶんキスねだるね」
「たまには……良いじゃない」
「お安いご用だす」
顔を上げてキスを交わす。今日何度目かもう数え切れない。
今度は上も下もエリカの思うがまま。
「ちょ……エリカ、もう……」
「うん、いいよ……出して」
目を合わせるとゾクっとするほど色っぽい表情をしていた。
そんな顔されたら……。
「あ……出てる、熱い……」
そりゃー出ますとも。
「あれ……出したよね?」
「うん。でも……」
「まだいけそうね」
硬さを維持したままの我が愚息。そう、俺は質より量で勝負する男だぜ!
エリカのお尻を掴み、動かす。
「あ、あ、んぅ、はぁ、ちょ、少し休ませ、て……」
「だが断る」
息をつかせぬ無呼吸連打……じゃなくて、無呼吸ストローク。
息子によってエリカの中がかき回される。先端に感じる感触は子宮口だろうか?
「わ、私も、頭、おかしくなりそっ……!」
エリカが感じれば感じるほど膣も締め付けてくるわけで……。
「え? 出て……る? あ、んぁ! 出しながら……?」
「お婆ちゃんが言っていた、出しながら動けてこそ本当の男だと」
「な、何言って……あ! も、もう駄目! うあぁぁ!!」
一際大きく背を仰け反らす。慌てて支えなければ後ろに倒れてしまうところだ。
どうやらイッたっぽい。ようやく一息着く。

39:お姉さんの人
08/06/10 21:26:07 fFx1esG4
「結局抜かずに五回……か?」
「さぁ、数えてないわよ。さすがに疲れたわね……」
二人して教室の床に座り込む。
「腰いてぇ。動きたくないけど……」
「そうもいかないわね。ちょっとトイレ行って来る」
鞄と下着を持って出て行くエリカ。俺も立ち上がって服を正す。
ウェットティッシュで息子を拭くのも忘れない。
教室を出て待っているとエリカが戻ってきた。
「出し過ぎ。赤ちゃん出来たらどうすんのよ」
「うーむ、対馬エリカかぁ。それとも霧夜レオになるのか?」
「バーカ。まぁ良いわ。本当に危なかったら殴ってでも止めてるし」
「それにしても、授業サボってセックスって、実に大学生らしいね」
「サルよサル。ただの」
軽口を言い合いながら、並んで歩く。しばらくすると、腕を絡められた。
すでにキャンパスに出ているので周りの目線が痛い。
ただでさえエリカは目立つ。
「エリカ?」
「懐かしいわね。あの時もこうやって校内一周して、見せ付けたっけ」
「うん」
「もう一回やる?」
「嫌じゃないけど……」
「けど何よ?」
「そんなことしなくても、こうすりゃいい」
向かい合い、お互いの唇を合わせる。まぁすぐに離すんだけど。
「レオ……」
それでもエリカは嬉しそうで。恥ずかしいけど、やったかいはあったかな。
周りがざわめいている。うぅ。やっぱ恥ずかしい。
「なんなら『レオに手を出すな!』って宣言してやろうかな」
「それは多分男の台詞だよ」
再び歩き出す。
いつからかは忘れたけど、緊張せずに隣にいれるようになった。
「追い付いた、かな」
「ふふん。また置き去りにしてあげるわよ」
「そうはいかん」
ま、俺には一歩後ろが似合ってるかもしれないけどね。

END

40:名無しさん@ピンキー
08/06/10 21:27:32 bfLSMYfI


41:お姉さんの人
08/06/10 21:28:15 fFx1esG4
待たせた?
たまにはデレデレの姫もアリだと思ったんだぜ
俺は無類のヤキモチネタ好きだぜ
キスは意識して多くしたが、満足したかはわからんぜ
中だしも同じくだぜ


どうでもいいけど、ビスタ使いにくい気が
XPに戻そうかな……

42:名無しさん@ピンキー
08/06/10 23:02:51 xmlwfwdh
GJすぎるんだぜ

43:名無しさん@ピンキー
08/06/10 23:54:54 ETQM/+zR
GGGGJ!
雨あんまり降らなかったから肺炎にはならなかったぜ!w



ビスタよりXPのがいいと思うよ
ビスタ動かせるスペックならXPは更に快適っていうw

44:名無しさん@ピンキー
08/06/11 00:24:53 YKkuRG2c
待たされたけど、それに見合う価値があるから平気だ
俺も無類のやきもち好きだぜ
とにかくGJ!

45:名無しさん@ピンキー
08/06/11 00:40:10 nxdbhzEb
GJ!
姫スキーの俺にとっては最高だったぜ
姫可愛いよ姫

46:名無しさん@ピンキー
08/06/11 01:17:06 xHOgHrMC
gjすぐる

47:名無しさん@ピンキー
08/06/11 01:49:11 NrmeOSzo
ふぅ

48:名無しさん@ピンキー
08/06/11 03:22:25 4QY8D5UR
Job

49:名無しさん@ピンキー
08/06/11 10:09:56 rXOKz7Nk
ネタ枯れかねぇ

50:名無しさん@ピンキー
08/06/11 11:05:38 uijluBWf
職人が一人しかいないからな…

51:名無しさん@ピンキー
08/06/11 16:34:17 giKFmQwy
妄想(SS)の材料になる公式があのざまだからな…
職人も読み手もつよきすから離れていったのかもね

52:名無しさん@ピンキー
08/06/12 01:35:51 iqJwb7DL
ネタが無ければリクすれば良いじゃない
前スレを見るに大抵は消化してくれるし

53:名無しさん@ピンキー
08/06/12 06:59:47 akku/BtL
じゃあよっぴーの逆レイプをキボンしようか
レオが犯されるのは実にイイ(・∀・)

54:名無しさん@ピンキー
08/06/12 11:51:06 2rQYkQdY
もうエロしかないんだな

55:名無しさん@ピンキー
08/06/13 16:52:06 CTrj6kdT
そうか、二学期はレオのみた悪夢やったんや!
はじめから二学期なんてなかったんや!

56:名無しさん@ピンキー
08/06/14 01:13:09 j95r2r3L
なにをいまさら

57:お姉さんの人
08/06/14 03:04:10 gFIeSlW+
ユーロとMGS4で寝れん……
>>49
ぶっちゃけ否定出来ないでごわす
>>54
一応エロスレだし
まぁ前スレは半分以上エロ無しだったけど

58:名無しさん@ピンキー
08/06/14 20:14:25 fd7VdTdQ
あげ

59:名無しさん@ピンキー
08/06/16 00:46:38 rlv3Erg4




60:名無しさん@ピンキー
08/06/17 15:13:53 Dh6UYTiH
エロの有無なんかどうでもいいからなんか読ませておくれ

61:お姉さんの人
08/06/18 18:06:04 s9xrgByO
クロスオーバー


「これ、ホームランボールってやつですね。あたしはあんまり興味無いんで、センパイにあげます」
と言って、なごみがボールを差し出す。ありがたいけど、俺もあんまりいらな……。
「ちょっと待ったぁ!! 興味無いならアタシがもらったぁ!!」
ん? なごみの声が違う方向から……?
声のした方を見ると、真っ赤な長い髪をポニーテールに結んだ女の人がいた。
これほど主張するくらいだから余程熱心なファンなんだな。
まぁどうせならボールも愛してくれるファンの元へ行きたいだろう。
くれたなごみには悪いけど、渡すとするか。
「おいベニ公。いくら何でも人様の物を寄越せってのはないだろ」
ベニ公と呼ばれた赤髪の人の横から割り込みが入る。なんか目つきの悪いやっちゃな。
同時になんとなく親近感を覚えた。
「うるさいわよ下男。目の前で宝物を奪われた気持ちがあんたにわかる?」
「気持ちはわかるけどよ、少し落ち着けよ。ちっとも雅じゃねぇぞ」
「ぐ……確かに。ちょっと興奮しすぎたわね」
「あの、すいません、うちのアホが迷惑かけて」
「誰がアホじゃい!!」
目つきの悪い男が頭を下げる。悪い奴では無いらしい。よく見れば年も俺とそう変わらなさそうだ。
しかしなごみ似の声の人は怖ぇ。竜鳴館でも通じるなこれは。
「いや、良いですよ。ところでボールなんですけど、俺もなごみ……彼女もどうしても欲しいってほどじゃないんで、
良かったらもらってくれませんか? なごみ、良いだろ?」
横に座っているなごみに許可を求める。一瞬間があったがうなずく。
やはり自分があげた物を他人に渡されるのは嫌なのか。でも今更「やっぱ無理」とは言えないし。
また今度埋め合わせをしよう。
「良いの!? 正直遠慮無くもらっちゃうわよ?」
言うが早いか俺の手からボールを取り上げる。
「ベニ公」
「ちゃんとお礼くらいするわよ。そうね、夕飯奢りとかでどうかしら? そっちの時間があればだけど」
「俺達は大丈夫ですけど」
「じゃ決定ね。試合が終わったら球場の入り口で待ってるわ」

62:お姉さんの人
08/06/18 18:06:41 s9xrgByO
試合が終わり、例の二人と合流する。
「さて、それじゃ行きましょうか。と、その前にまだ名前聞いてなかったわね」
「俺は対馬レオです。こっちは椰子なごみ」
どうも、となごみが頭を下げる。
二人きりではないのでご機嫌斜めだが、俺が行くと言った手前、帰る気も無いようだ。
「レオとなごみね。アタシは朱子。皆ベニって呼ぶからそれで良いわ。んで、これは名無しの下男」
ベニさんが目つきの悪いのを指差す。
「このアホの言う事は放って置いていいぜ。俺は上杉錬。錬で良い」
「アンタなんか下男で十分よ」
「あぁ!?」
「何よ? やるって言うの?」
放置してたら終わらなさそうだ。
「ははは。仲良いんですね」
「「誰が!!」」
ステレオ突っ込み。やっぱり仲良しじゃん。
痴話喧嘩もそこそこに、ベニさんに先導され歩き出す。この辺は詳しくないので任せるしかない。
「おいベニ公、飯奢るのは良いけどさ、俺あんまり金持ってねーぞ」
「あらアタシもよ」
「っておい! どうすんだよ!」
「慌てない慌てない。アタシに雅な考えがあるから」
「カツアゲは犯罪だぞ。強盗も」
「あんた、アタシをどんな人間に思ってんのよ」
前を歩く二人の会話は絶えない。
「なんかカニとなごみみたいだな」
「そうですかね。あの二人は対等に見えますけど、あたしとカニには埋め難い格差がありますから」
「お互い、喧嘩するほど仲が良いって感じだけどなぁ」
「それは相手が人間の場合です。甲殻類相手は含まれません。喧嘩ではなく狩りです」
苦笑する。どうしてもカニと仲良し設定は嫌か。傍から見てれば仲の良い二人にしか見えないけど。
「ほら、ここ。着いたわよ」
ベニさんが自慢げに指差す方向には立派過ぎる屋敷が。レストランには見えない。
「なるほど、そういうことか。でも森羅様に許可取らなくていいのかよ?」
「とっくに連絡済。『面白いから連れて来い』ってさ」
「さすがだな」
「何か不安なんですけど」
「大丈夫大丈夫、さ、入って入って」
門を開けて手招きするベニさん。覚悟を決めて踏み入る。
「おかえりなさい、錬兄、ベニスさん」
「おう、客か。まぁゆっくりしていけや」
どこからともなく声がする。
しかし人影は見当たらない。
「ここだよ、ここ。下」
足元に目線を向けると……。
「なんですかねこれ? ラジコン?」
「おい! 黒髪ロンゲ! 俺様をラジコンなんかと一緒にするな! 俺様はデ・ニーロ、誇り高きロボットだぜ」
「何なのこれ?」
錬に尋ねる。
「一言で言うとロボットだな。性能は良いけど、口は悪い。ま、害は無いから無視しても大丈夫だ」
「ふーん」
「現実離れしてますね」
「ウチの館長とか乙女さんも相当なもんだし、人の事は言えん」
広い庭を抜けて、お屋敷の玄関へ。
「うぅ……誰も僕に構ってくれない」
後ろで声がした気がするけど、多分気のせいだろ。

63:お姉さんの人
08/06/18 18:07:26 s9xrgByO
「錬ちゃ~ん、おかえりなさ~い」
玄関を開けると中から人が飛び出して錬に抱きついた。この人は姫に声が似てるような。
「怪我とかしてませんか? ベニちゃんにいじめられませんでしたか? お姉ちゃん分は足りてますか?」
「怪我はしてないし、ベニ公はまともだったけど、姉分は足りない」
「まぁまぁ。それでは補給ですー」
「鳩ねぇ……」
明らかに胸を押し付けてる。会話から察するに姉弟なんだろうが、やり過ぎじゃなかろうか。
「あのーこれはいいんですかね?」
「あぁ、そのシスコン&ブラコンは死んでも治らないから」
「どこかの誰かさんみたいですね」
なんの事やら。
「ふむ、ベニスよ。客人は私が案内しよう。お前は着替えてきなさい」
「うぉ!」
何時の間にか背後を取られてた。でけぇ。櫛で髭を整えている謎の紳士。
「私はこの家で執事長を務めている、田尻と申します。気さくに大佐と呼んで下さって結構ですぞ」
「はぁ」
「ちなみにこれは私の美しい半生を綴った自伝でございます。お近づきの印にどうぞ」
俺となごみに一冊づつ手渡す。大佐が上半身裸で決めている写真が表紙だ。
言っちゃ悪いが売れないだろうな。
「プレミアですぞ」
嘘つけ。
「さて、ではこちらにお掛けになってお待ち下さい。すぐに支度をいたしますので」
食堂らしき部屋へ通される。
しかし外観だけでもわかるが、世の中あるとこには金があるんだな。
椅子に座って待つが、手持ち無沙汰だ。かと言ってチョロチョロ歩き回るのも失礼だし。
「緊張するな」
「取って食われたりはしないでしょう。こういう家の人が何を食べてるかは興味深いですね」
「普通の物だと思うけど」
「同じ料理でも食材によって味は全く違います。お金が有れば良い物が買えるのは事実ですから、
こういった機会は貴重です」
貪欲で結構。
「お待たせしました」
配膳車を押してベニさんが現れる。メイド服に着替えている。
「ここで住み込みのメイドってわけ。下男も同じく。あいつは執事だけど」
どうでもいいけど、下男って嫌なあだ名だな。
「鳩が仕込みをしてくれてたからすぐに出来たわ。主人を呼んでくるからもうちょい待っててね」
「その必要は無いぞ、ベニ」
ドアには絶世の美女。ん? どっかで見たような。
「森羅様、これからお呼びしようと」
「客人を待たせるのは好かん。それに、せっかくの料理が冷めてしまったらつまらないからな」
「森羅……森羅ってあの久遠寺森羅!?」
「ほう、少年、私を知っているのか?」
「そりゃー有名人ですから。あの、良かったら握手を……」
近付こうとするが手で制される。
「止めた方が良い。まだ死にたく無いだろう?」
意味はわからんが、目は真剣だ。本当に止めた方が良さそうだな。
大人しく椅子に戻る。
「アッハッハ! 素直で良いぞ少年」
豪快に笑う久遠寺森羅。テレビで見るのとはイメージが違うなぁ。

64:お姉さんの人
08/06/18 18:08:11 s9xrgByO
「いただきまーす」
ナトセさんと言う執事(メイド?)の元気溢れる声と共に食事は始まった。
「おかわり」
早過ぎるだろ。乙女さんもビックリだぜ。
「昼間はベニスが世話になったみたいね。姉さんに代わって礼を言うわ」
「いえ、こちらこそこんなに美味しい物を食べさせてもらって、感謝します」
実際なごみも文句無しのようだ。割りと珍しい。
「良いのよ。久遠寺家の家訓みたいなものだから、遠慮せずにドンドン食べなさい」
そう言ってくれるのはロリっ子……ではなく久遠寺家の次女、久遠寺未有さん。
何でも飛び級で大学を卒業するほどの天才で、あの卵ロボを作ったのも彼女らしい。
「夢も人助けキャラを目指そうかなぁ」
「夢っちじゃただの良い人で終わりそうね」
「ガーン」
三女は普通の人っぽい。
「時に少年、私のグラスにワインを注いでくれないか?」
「へ?」
「森羅様、そんな事は専属のアタシが……」
「私は少年に頼んでいるんだ」
「はぁ。別に構いませんけど、作法とか知りませんよ俺」
「気にするな、ほら」
グラスを向けられる。大佐から瓶を受け取り、森羅様のグラスに注ぐ。
「良く出来たな少年。褒美だ」
立ち上がった森羅様に頬を撫でられる。
「ちょ、あ、あの」
顔を近付けられる。なごみが立ち上がる音がした。
口を開きかけたところで顔が離れる。
「ハッハ、懐かしいな。錬が来たばかりの頃を思い出す。許せなごみ。ほんの戯れだ」
「姉さんの悪趣味に付き合っていると身が持たないわよ。むしろ抵抗すると余計に面白がるわ」
未有さんに言われて座るなごみ。あからさまに舌打ちしたけど。
相手が久遠寺森羅だろうとお構い無しに向かって行くのは我が彼女ながら凄い。
なんやかんだで食卓は賑やかだった。
生徒会ではワイワイ食べる機会は意外と少ないので、結構嬉しい。
久遠寺家の人も気さくで良い人ばかりだし。
「食後は私の美しい過去をじっくり、たっぷり、バッチリ語るとしましょう」
これは遠慮しておこう。

65:お姉さんの人
08/06/18 18:09:02 s9xrgByO
「どうもありがとうございました。すっかりご馳走になっちゃって」
門まで皆が見送ってくれる。
「ふ、こちらこそ楽しませてもらった。また機会があれば良いな」
「その時は是非。では俺達はこれで」
「あぁ。またな。と、その前に……」
森羅様がなごみの手を引っ張り、暗がりへ連れ込む。
しばらくすると二人とも戻ってきた。なんかなごみの顔が赤い。
「なんだったんですか?」
「秘密だ。同じ悩みを抱える同士の、な」
何のこっちゃ。
「それでは」
「うむ」
「バイバーイ」
夢さんが手を振ってくれる。
「良い人達だったな」
「そうですね。少々騒がしいですから、あの家に住む気にはなりませんけど」
「でも料理には満足したんじゃないか?」
「はい。食材に頼らず、作った人の腕がわかる味でした」
「最後森羅様と何してたんだ?」
「そ、それは……秘密です。『私は同族を見抜く眼力がある』だそうです」
ますますわからん。なごみと森羅様はあんまり似てない気がするけどな。
「しかしあの姉弟には笑わせてもらいましたね」
「まったくだ。姉弟愛もあそこまでいくと犯罪だな」
「人の事言えます?」
「世の中には俺なんか足元にも及ばないシスコンがいるってわけだな。
風の噂では八人もの姉と暮らしてる男もいるらしい。いや、漢と呼ぶべきか」
「わからない……」
「まぁそれより本物のメイドって俺初めて見たよ。こんどなごみに着せてみようかな」
「センパイ相手なら構いませんけど」
とりとめも無い会話をしつつ、夜は更けていった。

おしまい

66:お姉さんの人
08/06/18 18:11:07 s9xrgByO
最近、君ある終わらせたからPC版で唯一出てきたところを
なんか君あるのキャラ紹介みたいだけど気にしない

67:名無しさん@ピンキー
08/06/18 18:50:50 IgzYcJkJ
乙。呼び方は「レン」にしたほうがいいけど。
あと森羅様のレオの呼び方変じゃね?仮にも客なんだし。

68:名無しさん@ピンキー
08/06/18 20:52:26 JPynD0py
君あるはアニメしか詳しく知らないがGJ

眼力でわかるものなのかw

69:名無しさん@ピンキー
08/06/18 21:16:49 3X2xKhNl
GJ!
声優とか全然分かんないんだけど、同じ人なんだ?


大佐が良すぎるってか、うまいw

70:名無しさん@ピンキー
08/06/18 23:06:30 HXyO9w+W
ベイがようやく勝ってうれしいお

71:名無しさん@ピンキー
08/06/18 23:07:52 hgiKndno

>なんか君あるのキャラ紹介みたい
みたいじゃなくてキャラ紹介だw

72:名無しさん@ピンキー
08/06/18 23:08:17 JPynD0py
檻・・・

73:お姉さんの人
08/06/19 02:40:29 F1DVmE8X
>>67
当たり前だが互いの呼び方がわからぬ。久遠寺家に本当の客が来た描写も無かったし
錬→レンはやっぱ原作準拠にすべきか
>>71
ですよねーw
町内対抗運動会でもさせるか

74:名無しさん@ピンキー
08/06/21 00:40:42 EC3sMOOW
なーご

75:名無しさん@ピンキー
08/06/21 18:18:43 2rZP2Ivx
みん!!

76:名無しさん@ピンキー
08/06/21 20:10:45 5jXv0bpe
名ー護

77:名無しさん@ピンキー
08/06/21 20:16:07 Dy6oFy3H


78:名無しさん@ピンキー
08/06/22 09:04:02 EL9Us0eK
>>76
その命、神に返しなさい……!!

79:名無しさん@ピンキー
08/06/22 12:14:23 d2pHFR9Z
未だに迷う2学期より、君ある買えばいいかな?

80:名無しさん@ピンキー
08/06/22 12:35:33 23Yb/Il+
両方買え、そして「きみある2学期」買うんじゃなかったと後悔すればいいさ。

81:名無しさん@ピンキー
08/06/22 15:10:53 wY95pKPj
>>79
2学期買って生きていく事の苦しみってのを知れば良いと思うよ

82:名無しさん@ピンキー
08/06/23 00:23:27 5JVn1ta/
>>79

>>80-81の意見を参考に、2学期をスルーして君あるを買うんだ。

83:名無しさん@ピンキー
08/06/24 00:13:11 cSt5F7+9
のほほいさ

84:名無しさん@ピンキー
08/06/24 03:26:23 d/sbHP5n
>>79
オプーナを越えられる傑作だから買っとけ

85:名無しさん@ピンキー
08/06/25 00:06:53 MH0NrHaY
なごみ編ならなんでもいいです><

86:名無しさん@ピンキー
08/06/25 01:30:38 OCARt7sZ
素奈緒編ならなんでもいいです><

87:名無しさん@ピンキー
08/06/25 06:26:43 1jCCN3TS
良美編ならなんでもいいです><

88:お姉さんの人
08/06/25 10:02:53 JKl8AGYf
特に意味も無い1レスネタシリーズ
~もしもレオの脳みそにエロしか詰まってなかったら~

・乙女さん編
「技の名前はきりもみ乙女パンチなんてどうだ?」
「花びら大回転乙女パンツの方が良い」
「全校生徒の前で叫べるものなら叫んでみろ。当日口がきける状態ならな」

・カニ編
「昨日もテンチョーにこき使われて大変だったぜ」
「なにぃ!? 手コキに使われたぁ!?」
「オメー、フカヒレと一緒に二次元に帰れよ」

・なごみん編
「あたしは干渉されるのが嫌いなんです。気安く話しかけないで下さい」
「俺は浣腸されるのもするのも好きだぞ」
「死ね」

・姫編
「女だっておっぱいは好きよ」
「胸にばかり目が行って、尻には興味を示さない……二流だな」
「熱くなるところ違うと思うけど」

・よっぴー編
「よっぴー言わないでよぅ」
「じゃあマンp……」
「古いよ対馬君……」

・素奈緒編
「あーもう、いつまでも腐っててトサカ来る!!」
「俺の股間も相当トサカに来てるぜ」
「腐ってる方がまだマシね」

・瀬麗武編
「すまない対馬、教科書を貸してくれ」
「橘さんは処女っぽいからまずは『ふたりエッチ』からで良いかな?」
「天上より赤く染め上げてやろうか?」

・祈ちゃん編
「山は嫌いですわ」
「またまた~デッカイ山を二つも持ってるくせに」
「いじめを始めます」

89:お姉さんの人
08/06/25 10:03:49 JKl8AGYf
何やってんだろ俺……
二日も寝てないと人間は馬鹿になる良い見本
さて、レポート出しに行こう……

90:名無しさん@ピンキー
08/06/25 10:24:15 DCUJMGdX
NOB乙

91:名無しさん@ピンキー
08/06/25 10:50:50 rpwYTJnC
誰も喜ばない糞を垂れ流すなよ

92:名無しさん@ピンキー
08/06/25 13:11:33 1jCCN3TS
最後の職人は大切にしないとメーなの。

93:名無しさん@ピンキー
08/06/25 18:33:48 rpwYTJnC
ここは糞じゃなくてSSを載せるスレだろ
職人が最後だろうと一人だろうと贔屓する必要はない
俺はエロゲネタ板のSSも全部読んだが、今回のはトップクラスの酷さ
昔の職人の方が上手いよ活気があったしな

てかさ、公式発売の二学期も酷いのに、まだつよきすのSSなんか読みたいか?
職人が一人で住人もいないのは需要も供給も無い証だろ

94:名無しさん@ピンキー
08/06/25 19:16:29 MH0NrHaY
君みたいな荒らしがいるからまだ大丈夫

95:名無しさん@ピンキー
08/06/25 19:26:20 rpwYTJnC
俺は純粋にクオリティの高いものが読みたいだけだ

96:名無しさん@ピンキー
08/06/26 01:35:03 B9Th0ki6
そんなに不満なら読まなきゃいいような
もしくは自分で書けば?
どんだけ上から目線だよ

97:名無しさん@ピンキー
08/06/26 06:23:51 0br6vHuN
>>95
手が付けられんほどの自己中だな
百歩譲って、あんまりいいSSじゃなかったとしても、スルーすればいいだけの話だろうに・・・・
ゆとり、か・・・・

98:名無しさん@ピンキー
08/06/26 09:14:40 RZu7OqQ/
こんな時期に沸くなんて…夏休みはまだ早いですよ

99:名無しさん@ピンキー
08/06/26 12:43:11 Gjup2TmA
>>96
自分で書けとか安い挑発だな
書かなきゃ批判も批評もダメか?
そもそも俺はすぐにGJを出すお前らの姿勢が気に食わない
もっと作品を見る目を養えよ

>>97
何でもゆとりって言えば済むと思うなよ
スルーして読まなかったら意見も言えないだろ
そこから説明しないとダメか?

>>98
ちょっとまともに議論しようと思えば即荒らしかよ

100:名無しさん@ピンキー
08/06/26 12:50:04 +7nALrHn
>>99
自分で書けよ

101:名無しさん@ピンキー
08/06/26 12:52:11 ytl4Tw+p
おちつけお前らw

102:名無しさん@ピンキー
08/06/26 12:57:32 L2E9Gl5s
どこのスレにでも一回は現れる荒らしの典型だぞw
ずっとこういうのに構い続けると終わらないから放っておくべき。

103:名無しさん@ピンキー
08/06/26 13:03:41 +7nALrHn
つかこの手のマイワールド基準の思い上がり批評家気取りが暴れるとどこもスレが荒れ果てるからな。
多分荒らしの一種だろ
他でも俺の好きだったスレも2・3ヶ所は批評家イナゴが荒らしまくって崩壊した。



104:名無しさん@ピンキー
08/06/26 13:18:20 B9Th0ki6
職人もたまに思いつきの暇つぶしみたいなの書いたら
えらい噛みつかれて大変だな

別にお姉さんの人のSSを悪く言う気はないけど、

たかが2ちゃんのSSにそこまで本気にならんでも…

てかIDにGJ出てるがな

105:名無しさん@ピンキー
08/06/26 16:25:51 h1l6NZEx
>>99Gj

106:名無しさん@ピンキー
08/06/26 22:35:14 22zXwPBu
落ち着け…素数を数えるんだ…

107:名無しさん@ピンキー
08/06/26 22:44:10 xWJvZI6+
素奈緒が一匹
素奈緒が二匹・・

108:名無しさん@ピンキー
08/06/27 01:01:13 UbgaNqAK
お前ら読んでGJ出すだけで満足なのか?
少しでもスレのクオリティを上げようと努力しろよ

109:名無しさん@ピンキー
08/06/27 09:24:04 UAV/zbMv
>>99
いちいち返信するのが可愛いね(^^)
いい?荒らしはメーなの~

110:名無しさん@ピンキー
08/06/27 13:27:13 uqzXV5Ai
お姉さんの人のSSが好きな自分には、 >>99 さんの意見でお姉さんの人が書かなくなるかもしれないのが恐い。
確かに >>99 さんの言ってることもわかる気はするけど、
そこまで責める必要は無いと思う。

スイマセン!でしゃばりました!

111:名無しさん@ピンキー
08/06/27 16:29:50 v9+o0FaB
>99
スレの自治やクオリティーもなにも、お姉さんの人しか職人がいないのが現状なんだから。
お姉さんの人もノリで書いたって言ってるのに、お前が下らないこと言って職人が消えたら、それこそSS投下もなにもあったもんじゃないだろうが。
もう少し考えろ。


それに、そもそもノリで書いた文章をその態度が気に入らないからって猛烈に批判するのは良くないだろ。
嫌ならスルーすれば良いだけの話。

112:名無しさん@ピンキー
08/06/27 19:02:31 YenmFSfy
だからそいつはこのスレを廃墟にするのが目的なんだろうが

113:名無しさん@ピンキー
08/06/27 20:52:43 9RpfR2to
過疎ってるネギ板のスレ立てたヤツが妬んでるんじゃね
前スレも無理やり埋められたし

114:名無しさん@ピンキー
08/06/27 22:02:37 CgX0g+jf
>>113
>過疎ってるネギ板のスレ

キチガイ>>1が無理やりスレを立てて丸1年以上
一つの作品の投下もないのに必死に保守しつづけてるスレのことですね、わかります

115:名無しさん@ピンキー
08/06/28 00:47:57 gpqTAR0J
前スレ最後の埋めは確かに基地外染みてたな

116:名無しさん@ピンキー
08/06/28 02:45:24 cKlm9Q2J
そんなに俺を叩いて楽しいか?
職人を守ることよりスレを高める方が大事だと理解しろよ

117:名無しさん@ピンキー
08/06/28 04:15:37 cKlm9Q2J
ダメな職人ならいない方がマシだ
そして同様にこのスレの価値も無い
だいたいつよきすくらいの人気作ならSS職人くらいいくらでもいる
お姉さんの人にこだわる必要は無い
そもそもほぼ一人で一つのスレを埋めるのも気に入らない
お前の日記帳じゃないんだって話だ
書くなら書くでクオリティを要求するのは当然
これはつよきす愛にも繋がると思う
NOBと大差ないクオリティを読まされる身にもなれ

それから前スレを埋めたのは俺じゃない
余計な濡れ衣は勘弁してくれ

118:名無しさん@ピンキー
08/06/28 07:30:36 uaUUwONm
>>117
>お前の日記帳じゃない
その言葉、そっくり返してやるわw
つまんねえグチを読まされる身にもなれっての

119:名無しさん@ピンキー
08/06/28 08:59:54 cKlm9Q2J
他人の意見を愚痴としか思えないとは浅はかなやつだな

120:名無しさん@ピンキー
08/06/28 09:20:33 V4+ybfLa
(゚д゚)

121:名無しさん@ピンキー
08/06/28 10:08:59 41L+dCa0
>>117
いいから帰って過疎スレ保守してろよw

122:名無しさん@ピンキー
08/06/28 10:19:06 OPPV8bkN
職人は居るに越したことはない

123:名無しさん@ピンキー
08/06/28 11:11:19 uaUUwONm
>>119
SS職人が大量にいて玉石混合してるならいざしらず、過疎ってるのに選り好みって時点で愚痴だろw
つか、お前みたな上から目線の奴がスレ潰してることはあっても、それで向上したスレなんざねえよww

124:名無しさん@ピンキー
08/06/28 16:02:52 cKlm9Q2J
いくら言っても理解されないようだな
なんなら本気で俺がSS書いてやろうか?

125:名無しさん@ピンキー
08/06/28 16:12:13 i059tQ2l
>>124
素奈緒でよろしく!

126:名無しさん@ピンキー
08/06/28 17:40:13 1GqZFoHI
今まで充分楽しませてもらってるから、たった2レスくらいどうでもいい
無駄なコピペと保守しかない某スレよりは全然良いしな
てかお姉さんの人生きてる?Wなんかコメントしてくれないと不安だ




>>124糞の垂れ流しはいらないけど、真面目に書くならどうぞ

127:名無しさん@ピンキー
08/06/28 19:59:23 zD4UiY5u
>>126
書けるなら自分のスレにとっくに投下してるだろw

どうせゴミSSしか書けないクズだよ、放置

128:名無しさん@ピンキー
08/06/28 20:06:24 Pxked/wX
そこまで言うんなら自分でそれ以上の作品を投下してから
言うべきだな。それと批評と冒涜の違いくらいは理解しような。

129:お姉さんの人
08/06/28 22:23:52 autWC3SW
>>126
生きてるよw
まぁ正直書き込みづらかったけど
言われてもしょうがないかなって部分もあるし
色々考えてた

130:名無しさん@ピンキー
08/06/28 22:24:38 JL8GGuJq
もうお姉さんの人はこないのかな(´・ω・`)ショボーン
デレ姫面白かったから期待しているのになあ。

131:名無しさん@ピンキー
08/06/28 22:26:46 JL8GGuJq
>>129
何だよ、上に居たじゃん。
次の投下を待ってますので、ので。


132:名無しさん@ピンキー
08/06/28 22:39:18 gpqTAR0J
酉つけたほうがいいと思うんだがなぁ

133:お姉さんの人
08/06/28 22:59:52 autWC3SW
>>131
うーん、じゃあドイツが優勝したら……
>>132
あれってどうやってつけるんだっけ?

134:お姉さんの人 ◆Nn5alFm4UQ
08/06/28 23:31:44 41L+dCa0
>>133
名前欄に「#好きな文字列」
例:「お姉さんの人#お姉さんの人」で↑の名前

135:お姉さんの人 ◆Nz4quIuiW.
08/06/28 23:33:39 autWC3SW
こうか

136:お姉さんの人 ◆Nz4quIuiW.
08/06/28 23:40:40 autWC3SW
うむ、ありがとう

137:名無しさん@ピンキー
08/06/28 23:50:17 fsbsW+Nz
期待あげ

138:お姉さんの人2
08/06/28 23:53:50 cKlm9Q2J
何を偉そうにトリップまで付けてるのやら
俺が二代目になってやるからもう引っ込めよ

139:名無しさん@ピンキー
08/06/28 23:57:06 gpqTAR0J
>>138みたいなやつがお姉さんの人のふりして駄作作って評判下げないために酉を勧めたのさ

140:名無しさん@ピンキー
08/06/29 01:17:49 c4dSqE1L
なんかもう可哀相だな
スレとか立てたことないからわからんけど、書き込みが無いと
そんなに寂しいのかね

あー、お姉さんの人よ、いっそネタ板のほうにも投下したら?

141:名無しさん@ピンキー
08/06/29 02:01:47 1ngee+u8
この流れで彼が神としか言いようのない作品を投下すれば
凄いけど……

ところで過去スレを見れない俺に保管庫を求む

142:名無しさん@ピンキー
08/06/29 02:04:55 HlYcv7QH
荒らしたいだけなんだから放置しろよw
何で反応するかわかんねーw


お姉さんの人(の作品)大好きなんで、牛歩でもいいから引き続きご愛顧をry

143:名無しさん@ピンキー
08/06/29 04:02:10 dVgLZ84M
138は口先だけのようだね。

144:名無しさん@ピンキー
08/06/29 06:21:53 SetVmSE6
自分は特別だと思ってる厨二病の人なんだよ
荒らしかどうかはしらんが、こんな過疎に来るぐらいのやつなんだから

145:お姉さんの人 ◆Nz4quIuiW.
08/06/29 09:08:34 8mkCj7zf
>>138
ここまで絡まれると正直面倒くせぇな……

146:名無しさん@ピンキー
08/06/29 15:16:03 HlYcv7QH
最初は批評云々言ってたけど、成り代わりたがってる時点で嫉妬してるの確定だけどね

147:名無しさん@ピンキー
08/06/29 18:36:30 1ngee+u8
スレ内に影響力ある人はいるもんな
SSスレとかなら尚更
自分が中心に行きたいんだろね
方法がおかしいとは思うけど

148:名無しさん@ピンキー
08/06/30 01:10:57 8OIQ8/AA
>>143
昼まで待て

149:名無しさん@ピンキー
08/06/30 03:33:34 lyynzl5f
今ネットで検索してて、見つけたらコピーして適当に語尾とかいじるから
昼まで待てということか

さてはオマエNOBだなw

150:名無しさん@ピンキー
08/06/30 07:01:12 kCeNS+HB
残念スペインか

ところでそれぞれのメイン回を数えてみたんだが、
乙女さん一回、蟹一回、なごみ五回、エリカ三回、素直一回、セレブ一回
…俺の嫁である良美メインが無いことと、なごみが異常に贔屓されてる件について

151:名無しさん@ピンキー
08/06/30 07:05:50 2ils0QZD
>>150
まあなごみんは人気あるしな
でもカニは俺の嫁

152:名無しさん@ピンキー
08/06/30 11:54:07 7wAVD7Qf
姫が俺の嫁です

153:名無しさん@ピンキー
08/06/30 12:39:00 zMjzvK/P
素奈緒は頂いていく!!
つよきす再興の為に!!

154:名無しさん@ピンキー
08/06/30 12:53:09 6h3g02Rm
>>150
一番投下量の多いお姉さんの人がなごみん好きだから
俺もなごみん好きだから多いのは嬉しい
つまりお姉さんの人は俺の嫁

155:名無しさん@ピンキー
08/06/30 13:36:51 66L4xqQs
カニはスバルの嫁だろjk

乙女さん他は俺の嫁

156:名無しさん@ピンキー
08/06/30 17:39:18 6h3g02Rm
>>148
逃げました?それとももう相手しないのが吉か

157:名無しさん@ピンキー
08/06/30 18:19:57 848SfEcY
まあまあお手並み拝見してからで遅くはないでしょう

158:名無しさん@ピンキー
08/06/30 19:38:12 eJo30w+K
久々にきたらなんだよこのカオスww

お姉さんの人は悪くないだろ~良美がメインになってないこと以外は。

てかあんだけの啖呵切っておきながらまだ投下しないの?

159:名無しさん@ピンキー
08/06/30 21:08:31 6fskRxFw
で、素奈緒はまだかね?

160:名無しさん@ピンキー
08/06/30 21:12:34 8OIQ8/AA
え?真面目に待ってたの?
お前らが向上心持たない限り投下しないよ?

161:名無しさん@ピンキー
08/06/30 21:12:47 66L4xqQs
今日の昼とは言ってないとか言い出しそうだし、鬱陶しいから放置安定でしょ


どうせレス乞食なんだからほっときゃ消える

162:名無しさん@ピンキー
08/06/30 21:19:01 848SfEcY
>>160
だったらいらん
SS作るとかでしゃばらなくていいよ

163:名無しさん@ピンキー
08/06/30 21:53:30 eJo30w+K
見事に釣られたねw
自分が惨め過ぎてワロタwwww
チックショー見事に釣られた!助けてなごみ~ん


164:名無しさん@ピンキー
08/06/30 22:11:57 lyynzl5f
124 2008/06/28(土) 16:02:52 ID:cKlm9Q2J
名無しさん@ピンキー(sage)

いくら言っても理解されないようだな
なんなら本気で俺がSS書いてやろうか?

138 2008/06/28(土) 23:53:50 ID:cKlm9Q2J
お姉さんの人2(sage)

何を偉そうにトリップまで付けてるのやら
俺が二代目になってやるからもう引っ込めよ

143 2008/06/29(日) 04:02:10 ID:dVgLZ84M
名無しさん@ピンキー(sage)

138は口先だけのようだね。

148 2008/06/30(月) 01:10:57 ID:8OIQ8/AA
名無しさん@ピンキー(sage)

>>143
昼まで待て






160 2008/06/30(月) 21:12:34 ID:8OIQ8/AA
名無しさん@ピンキー(sage)

え?真面目に待ってたの?
お前らが向上心持たない限り投下しないよ?



やっぱり口先だけでしたw

165:名無しさん@ピンキー
08/06/30 22:45:44 3nE9s956
今ごろ>>160はジリジリしながらID変わるの待ってるんだろうなw

166:名無しさん@ピンキー
08/06/30 22:48:23 H4s3Wr9K
おまいら落ち着け。こういう時はスルーするのが一番いいんだ。

167:名無しさん@ピンキー
08/06/30 22:57:45 8OIQ8/AA
はぁ、たかがSS投下しなかったくらいで何なの?
たかが2ちゃんのスレなんだろ?

168:名無しさん@ピンキー
08/06/30 23:08:06 lyynzl5f
>>166
じゃあたかが2ちゃんのスレですら負け犬にしかなれない屑は以後スルーでw

169:名無しさん@ピンキー
08/06/30 23:09:34 3nE9s956
あっちの過疎スレに>>1がこんな悪さしてますって
事の顛末貼ってやればいいんじゃね

保守にもなるからいいだろ?w

170:名無しさん@ピンキー
08/06/30 23:12:33 66L4xqQs
釣りの仕込みも出来ない三流のレス乞食なんだから放置しとけってあれほどry

171:名無しさん@ピンキー
08/06/30 23:16:44 kCeNS+HB
このアホっぽいのはもういいよ

新規の職人歓迎
それかお姉さんの人の新作発言を待つ

172:お姉さんの人 ◆Nz4quIuiW.
08/06/30 23:41:44 rjpW60SP
実は三つくらいネタは溜まってる
実は明日明後日は何の予定も無かったりする
しかし絡まれるのは面倒
批判、批評は全然構わないんだけど……

173:名無しさん@ピンキー
08/06/30 23:48:01 7W/gmWk1
お姉さんの人には完全スルー、もしくは煽り返すくらいの感じで行ってほしい

174:名無しさん@ピンキー
08/06/30 23:52:56 xEe6UQDg
>>172
世の中には2ch専用ブラウザというものがありましてな・・・
それを使えば相手のIDを指定していくらでも見えなくすることが出来る機能も在りますゆえ。

175:お姉さんの人 ◆Nz4quIuiW.
08/07/01 00:06:26 rjpW60SP
>>173
「なごみんネタで俺を超えてから出なおして来い! このボケナスが!」
アホ丸出しやがなw

>>174
実は既に専ブラだったり
機能は半分も使ってないけど……

まぁとりあえずどれか一つは書こうと思う
色々擁護と言うか俺のSSを好きだと言って下さった方ありがとうございます
お礼ってわけでは無いですが、今までメインにしていない良美、素奈緒、ハーレム系のどれかでいこうかと

176:名無しさん@ピンキー
08/07/01 00:12:25 cPaeZ3is
>>175
おお、素奈緒大好きなオレがやってきました。
二学期でのよっぴー√のあまりにもな展開に泣いた俺も来ました。

177:名無しさん@ピンキー
08/07/01 00:13:25 aCgfqEXV
素奈緒は過去のレオのヘタレ化をどういう風に捉えていたっけ。
怪我した素奈緒を見たりだの孤立する素奈緒を見たりなどでああなったと思ったけど。
あの時にレオが「お前が傷付くのが嫌なんだよ!」とか言ってたらそのまま素奈緒ENDになっていそう。

178:お姉さんの人 ◆Nz4quIuiW.
08/07/01 00:16:24 sjKH3EC0
>>177
タカヒロ曰く「レオが素奈緒に対して何か行動した時点でルート突入」だったような

179:名無しさん@ピンキー
08/07/01 00:31:05 aCgfqEXV
なんというか素奈緒ルートに入り損ねたっていうのが過去話ではありありと伝わってきたw

180:名無しさん@ピンキー
08/07/01 00:49:53 bF1Km4Kz
お姉さんの人がまだ名無しだったころからの住人としては
荒らしのせいでいなくなって欲しくはないな
二学期発売まで一番の楽しみだったし


さてと初期住人の証、全裸待機でもするか

181:名無しさん@ピンキー
08/07/01 01:16:56 mns3K+xD
>>180
何だか懐古厨みたいだから落ち着け
別にいつの時期から住人になろうと良いじゃない
てかこのスレは古参ばっかりな気もするけど
一番最初のやつとか覚えてる?
保管庫が無い分、投下までは思い出話でもするか
もちろん全裸で

182:名無しさん@ピンキー
08/07/01 08:26:13 nm54gHjR
前スレに未完の惜しい作品が多すぎるぜ

183:名無しさん@ピンキー
08/07/01 11:34:51 q/MxGGyp
こんな状況の中、SSを書こうとするお姉さんの人さん最高です。
これからも楽しみにしています。とりあえず>>180さんと同じく全裸で待機しておきますかな。

184:名無しさん@ピンキー
08/07/02 01:42:04 G7Uzhzn+
なにがなごみネタで越えてみろだよ、偉そうに
住人が俺とお前のどちらを望んでいるかは期待値からして明らか
過疎スレとやらに帰ったらどうだ?

185:お姉さんの人 ◆Nz4quIuiW.
08/07/02 03:10:40 ZIW4mzQx
ライオンとクローバー


「そんなわけだから今日の生徒会活動は町のゴミ拾いになります」
暑さも多少和らぎ、秋が近付く中、竜宮に姫の声が響く。
『生徒会足る者、地域の為に働くべし!!』
館長の思いつきに近い鶴の一声でそういうことになってしまった。
元々竜鳴館はリサイクルを推奨しているし、自分の住んでいる町が綺麗になるのは喜ばしい。
しかし本音はやっぱり面倒なわけで。
「うーん、ダルいからボク帰って良い?」
「ダーメ、私が一番帰りたいんだから」
直球過ぎるカニの希望は即座に却下。つーか姫は姫でどうなんだその発言は。
「蟹沢も姫も、何を言っているんだ。こういうことは本来なら自ら進んでやるものだぞ」
さすが乙女さん。義と愛の戦士は言うことが違う。
「そうだ! こういうイベントは積極的に参加してこそ意義がある!」
おぉ。フカヒレがボランティアにヤル気を出すなんて、意外過ぎる。
「この混沌とした世の中のどこにフラグポイントがあるかわからん。
そう、ゴミ拾い一つでもどんな女性に会えるかは自分次第! 自分の足でフラグを立ててこそ真のギャルゲーマーだぜ!」
現実はゲームじゃないけどな。
「椰子は嫌じゃないのか?」
ずっと押し黙っている後輩に話を振ってみる。こうでもしないとこいつは会話に参加しようとしない。
「むしろ歓迎ですね。ここで頭がお花畑の先輩達に囲まれてるよりは有意義に過ごせるでしょうし」
同じ積極的な参加でも乙女さんとは大分理由が異なる。
一体何時になったらこいつは愛想が良くなるんだか。まぁ愛想の良い椰子はそれはそれで不気味かもしれんが。
ちなみにスバルは陸上の練習で抜けている。こんな場合に限れば羨ましい。
「うぐぅ!!」
「ど、どうしたのカニっち!?」
突如奇声を上げ倒れたカニを良美が心配する。
俺とフカヒレは静かにアイコンタクト。俺達幼馴染には予想がつく。
「じ、持病の脳梗塞が発動しちまったぜ……悪いが今日は参加出来そうもねぇ……」
全員がカニを哀れみを含んだ目で見る。
仕方ない、ここは代表して俺が。
「カニ……仮病はもう少し上手くやれ。突っ込み所が有り過ぎるが、とりあえずお前が抑えてるのは腹だ」
「う!」
「脳が頭に有ることすら知らんのか甲殻類。まさかここまで常識無しだとは」
椰子が止めをさす。
「うっせーんだよ! この黒髪ワカメ頭! 耳の穴に手ぇ突っ込んで奥歯ガタガタ言わせてやろうか!? あぁ!?」
カニがとても脳梗塞で倒れた人間とは思えないスピードで椰子に飛び掛る。
「うぐぅ!!」
今度は本当の悲鳴。椰子に届く前に首を乙女さんに抑えられた。
「そこまでだ。その元気は仕事にとっておけ」
「いつもの漫才も終わったところで、さっさと行くわよ」
姫の号令の下、出発する俺達。隣を見るとクスクス笑う良美の顔。
あの雨の日に追いかけて、本当に良かった。

186:お姉さんの人 ◆Nz4quIuiW.
08/07/02 03:11:18 ZIW4mzQx
一旦グラウンドに集合。
「じゃ、ここからは個人行動ってことで。そうね……二時間後にまた戻ってきて」
ゴミ袋を渡しながら進行する姫。
「ちょっと待ってくれ姫」
乙女さんから待ったが入る。
「お前達の事を信用していないわけでは無いが、一人にすると何をしでかすかわからんのも事実。
ここは二人一組で行動するのはどうだろう?」
「『お前達』の中に私も入ってます?」
「当然だ」
「この私を問題児扱いなんて心外です。ねぇよっぴー?」
「え? あ、あはは……エリーは自由だからね」
「そう、私は誰にも何にも束縛されないの」
「だからこそお前は私が見張ろう」
「げっ!」
「何だ? 嫌なのか?」
「いーえー光栄でございますー」
姫と言えども乙女さんには迂闊に逆らえない。てか察するにサボる気満々だったんだな。
「それから蟹沢と椰子、お前達は事有るごとに揉め過ぎだ。共同作業で少しは仲良くしてこい」
「それはこのチビと組めと言ってるんですか?」
「もちろんだ」
「嫌ですね」
「はっ! ボクの方こそ願い下げだよ。ココナッツと組むくらいならフカヒレと……ごめんやっぱ無し」
「何でだよ!!」
フカヒレの叫びがグラウンドに鳴り響く。
「つべこべ言うな。先輩命令だ」
体育界魂全開。実際カニと椰子には仲良くなってもらわんと困る。
喧嘩するほど仲が良いとも言うけど、それは元から仲が良い場合に限る気もする。
「となると必然的に……」
「私とレオ君だね」
「そうなるね」
「私だってそのくらいの気は利くからな」
偉そうに胸を張る乙女さん。ありがたいけど、自分で言っちゃ駄目でしょ。
「さて、それじゃ各自出発と行きますか。私と乙女さんは商店街、なごみん達は駅前、よっぴー達は公園の方をお願いね」
「了解」
「あの~」
おずおずと手を上げるフカヒレ。
「俺だけ一人なんですけど」
「お、そうだった。すまんな鮫氷。忘れていたわけじゃないぞ。ちゃんと助っ人を頼んである」
「うぉ~い、フカヒレ。お前の相棒は我輩だ」
空中から声がする。正体は空飛ぶ珍獣土永さん。いや、ただのオウムなんだけど、ただ者ではない。
「すまんな土永さん」
「気にするな。乙女の頼みなら我輩は何だってやってやろう」
「あ、ちなみにフカヒレ君の担当はさっき言った所以外全部だから」
強く生きろフカヒレ。

187:お姉さんの人 ◆Nz4quIuiW.
08/07/02 03:12:01 ZIW4mzQx
それぞれ持ち場に散って清掃開始。
そう言えばあの雨の日以来、外で良美と二人きりなのは久々だ。
「レオ君、ちょっと袋持って」
「はいよ」
とは言えサボってバレたら面倒だ。仕事は仕事で真面目にやるしかない。
「良い天気だねー」
「うん。それに風が吹いてるから暑さもキツくない。ずっとこんな気温が続けば良いのにな」
とりとめも無い会話。
以前の俺達はお互いの体を貪るだけで、コミュニケーションが不足し過ぎていた。
危ないことになる寸前で防げたのは僥倖だった。
それにしても……。
「全然終わらねー」
普段何気なく歩いている時には気付かないが、結構空き缶やら何やらがポイ捨てされている。
俺もやった事がないとは言えないが、他人のゴミを片付けるのはどこか腹立たしい。
本気でボランティアをやってる人は凄いな。真似出来そうに無い。
「ね、ねぇレオ君……」
「ん? どうかした?」
振り返って良美を見る。何やら草むらからこちらを手招きしている。
顔が引きつってるけど大丈夫か。
「あの……これ、取ってくれないかなぁ」
良美が指差す先には馬鹿デカいミミズのような物体。
顔を近付けてよく見ると―。
「コンドーム?」
しかもどう見ても使用済み。まったく、いくら涼しくなったからってはしゃぎ過ぎだろ。
「確かに女の子にこれは取り難いよねーって良美?」
目が明後日の方向を向いて、息が荒い。
まさかとは思うけど。
「おーい、良美さーん」
ほっぺたをムニムニ。現世に帰って来い。
「レ、レオ君」
「スイッチ入ってないよね?」
「そ、そのような事実は一切確認出来ておりません」
「政治家答弁禁止」
俺が言う立場になる日が来るとは。
「あう……」
「さすがに外で、ましてや仕事中にはしないよ?」
「ひ、酷いなぁレオ君。そんなこと考えてないよ」
「なら良いんだけど」
(逆に言えば仕事が終われば良いんだよね)
「え? 何か言った?」
「ううん。なにも」
そんな笑顔で言われたら信じるしかない。が、なんか嫌な予感がするのはなんでだ。

188:お姉さんの人 ◆Nz4quIuiW.
08/07/02 03:12:41 ZIW4mzQx
「ふぃー。やっと一段落かな」
少なくとも目立つようなゴミはもうない。我ながら良くやったもんだ。
「暗くなってきたし、休憩しようか」
太陽が落ちて夕刻になっている。最近はここから一気に真っ暗だ。
二人並んでベンチに腰掛ける。
「ぷはぁ! 労働後の一杯は美味い」
「あはは。レオ君、おじさんみたいだよ」
たかだか缶ジュースで十分な満足感。この瞬間の為なら働くのも悪くない。
「働いたあとは眠い」
体を捻って横たえ、頭を良美の太ももに乗せる。要するに膝枕。
「レオ君……」
「嫌?」
「ううん。子どもみたいで可愛い」
頭を撫でられる。ヤバイ、本当に睡魔が襲ってきた。
「なぁ良美」
「なに?」
「俺のこと、信じられる?」
答えは返って来ない。やっぱり、そんなすぐに変わるのは難しいか。
「信じてないよ」
「いぃ!?」
変わらないどころか悪化してるじゃねーか。
「レオ君すぐに女の人を目で追ってるし。今日だって掃除しながら綺麗な人が通るたびに見てたでしょ」
「うぅ」
正直反論出来ない。美人に惹かれるのはフカヒレ曰く本能を超えた超能だから仕方ないじゃないか。
「信じるにはまだまだ時間が足りないよ。お互いにね」
目を開けると良美の顔がアップで映る。
あぁ、大丈夫だ。今の良美の笑顔に偽りは無い。

189:お姉さんの人 ◆Nz4quIuiW.
08/07/02 03:13:25 ZIW4mzQx
「相手のことが信じられないなら時間をかけて信じられるようになれば良い。
こんな簡単なこと、なんで気付かなかったんだろうね。あ、もちろんレオ君のことは大好きだよ」
「ずっと気付かないよりよっぽど良いさ」
「レオ君、お願い聞いてくれるかな?」
「どうぞ」
「今度ね、遊園地とか行きたいなぁ」
「うん、良いよ」
「部屋の中ばっかりで、ちゃんとしたデートってあんまりしてないもんね。
自分で閉じ込めておいて、相手を信じようなんて無理な話なのに」
「これからは色んなとこに行こうか」
「うん。レオ君の色んな部分を見たいしね」
「俺も良美の色んなとこを見たい。体は隅々まで見てるけど」
「セ、セクハラだよぅ」
「そうだ、コレ」
ポケットから隠していたものを取り出す。
「四葉のクローバー?」
「さっき見つけたんだ。良美がこいつに関してあんまり良い思い出が無いのは知ってる。
だから、俺のプレゼントで思い出を上書きってことで」
「キザだねぇ」
割と一世一代だったから冷静に言われると恥ずかしいな。
「でも、ありがとう」
大事そうに両手で包む良美。
「良かった」
安心したらまた眠くなってきた。姫達には悪いけど、ちょっと仮眠を取ろう。
「レオ君……あれ? 本当に寝ちゃった?」
「すいませーん」
「え? あ、は、はいなんでしょう?」
「急にすいません。実は私、一応プロのカメラマンでして。
連載してる雑誌で『日常の幸せ』という企画をやってるんですが、一枚撮らせてもらってもよろしいですかね?」
「えっと、それは構いませんけど、なんで私達を?」
「いやいや、あなた達が何だか凄くお似合いのカップルに見えたもので。もうこれだ! と」
「それは……ありがとうございます」
「いえいえ。それじゃ、撮らせてもらいますね。タイトルは……お嬢さんが持ってるものにちなんで、『幸福の証し』」

おしまい

190:お姉さんの人 ◆Nz4quIuiW.
08/07/02 03:14:09 ZIW4mzQx
おまけ
「帰りが遅いと思ったらレオの野郎……今日と言う今日は許せねぇ!」
「手を貸すわよフカヒレ君。よっぴーの膝枕は私だけのものなんだから」
「あたしもう帰りたいんですけど。放って置けば良いじゃないですか」
「椰子の言う通りだ。覗きは良くない。ところで蟹沢と椰子はなんでホコリまみれなんだ?」
「このボケナッツが全部悪ぃんだよ! ボクに突っかかってきやがって!」
「最初に手を出したのはお前だろ。なんなら続きをやるか?」
「まったく、成長の無いヒヨっ子どもだな。我輩を少しは見慣らえ」
「オウムにダメだしされるようでは世も末だな……」

191:お姉さんの人 ◆Nz4quIuiW.
08/07/02 03:19:05 ZIW4mzQx
よっぴーこそヤンデレジェラシーエロエロネタ持って来いと思っていた人すいません
しかし日常パートでの救いが欲しかったんや……
タイトルの元ネタはハチミツとry

あーしかし>>184面倒だな
これは引っ込んだ方が賢い気がしてきた

192:名無しさん@ピンキー
08/07/02 03:20:24 DrArk40H
キタ━━━(゚∀゚)━━━ !!

これはとてもいいよっぴーSSですね。
甘露甘露。

193:名無しさん@ピンキー
08/07/02 07:35:53 27i8YrQs
お姉さんの人GJでした!!自分は付き合う前の逆レイプを望んでましたがこういった温かいのもとてもいいですね!
これからも期待しておきます!!
特によっぴー(・∀・)

194:名無しさん@ピンキー
08/07/02 10:12:16 wlSy4953
おまけは余計じゃねえかな

195:名無しさん@ピンキー
08/07/02 10:28:01 B8Lunnvw
お姉さんの人GJ
鬱陶しいのは、いちいち反応しないでNGしたり無視すればそのうちいなくなるよ
携帯だと無理だけどorz


おまけはおまけなんだからいいだろ
というか、何で余計だと思ったかわかんないわ

196:名無しさん@ピンキー
08/07/02 10:53:00 DsAjxTH5
オチまでの部分の方向とオチがズレてるので
唐突感というか取ってつけたような印象

おまけが余計は同意
オチをさらに落とすようなものにしないと

197:名無しさん@ピンキー
08/07/02 13:48:06 4e2rpbLt
おまけに文句言うやつってw

198:名無しさん@ピンキー
08/07/02 13:51:57 ATxRNRiN
GJ
うるさい奴やおまけに文句しか言えない奴はスルーで。
批判と批評は違うってこともわかってないみたいだから。

199:名無しさん@ピンキー
08/07/02 15:27:38 QemLYWj0
ちゃんとした批評も受け入れられないなら
そこまでのスレだね

>お姉さんの人
GJしか反応して欲しくないならそう言って欲しい
ここはそういうスレだと思うことにするから

200:名無しさん@ピンキー
08/07/02 15:30:16 yN152wDI
そういうスレです

201:名無しさん@ピンキー
08/07/02 18:29:30 B8Lunnvw
>>172


おまけいらない、とかいちゃもんつけてるようにしか見えねーから反応してんだけどな

食玩買って「このラムネはガンダムと関連性がない」とか言ってキレる人ですか?

202:名無しさん@ピンキー
08/07/02 19:15:59 fUqpuIBK
>>199
そこまでのスレです

早くクオリティの高いきゃんでいSSAAスレにかえりなよ^^

203:お姉さんの人 ◆Nz4quIuiW.
08/07/02 20:16:18 ZIW4mzQx
正直>>196みたいな感想を持つ人もいるとは思う
自分でも「会心の出来だ!」と思うようなSSの方が実は少ないし
いや、手抜きしてるわけではないけど
ただ読んでくれて、待ってくれる人がいるから、そこに甘えている部分はあるかも
そこは全面的に俺が悪いっす
それからGJだけが欲しいとも考えてない
褒められたらそれがモチベーションになるのも確かだけど

あ~、おまけについては俺がそういうのを好きってだけなので
毒にも薬にもなりません
書き終ったあとの締めとしてスッキリ終われると
あまりに見苦しいって人が多いなら今後はやめときます

本当は早く面白いものを量産出来れば一番良いんだろうけど、中々上手くいかんもんです
え~と、じゃあ反省を踏まえて
・投下に今以上の間隔が空くと思われる
・間隔が空くのはちょっとでも出来を良くするため
・エロいのも書けるように……?

読んで感想をいただいてる方達には本当に感謝してます
なんとか応えられるようにもっと精進してきます
それでは

204:名無しさん@ピンキー
08/07/02 21:06:11 9znvNgmm
読者がメインじゃないし、職人が気持ちよく書けるのが一番
批評も大事だが、批評が優先されて職人が消えても困る

>>203
自分のペースで書いてくれ
期待して待ってるけど、急かすつもりはないので
てか俺らなんて無視する勢いでww
お姉さんの人が書くほのぼの日常系の話が大好きなんで

205:名無しさん@ピンキー
08/07/02 21:53:59 wlSy4953
おまけいらないと言っただけでえらい反応だなw

まあ護送船団方式で頑張ってくれ

206:名無しさん@ピンキー
08/07/02 21:57:59 4e2rpbLt
そっちも保守がんばれよ

207:名無しさん@ピンキー
08/07/02 21:59:15 27i8YrQs
お姉さんの人いい人過ぎて感動したよ。

エロも待ってるから頑張って欲しいんだぜ

208:名無しさん@ピンキー
08/07/02 22:20:20 G7Uzhzn+
ようやくお前らも向上心を持つようになったな
俺が投下しても良いと思えるように頑張れよ

209:名無しさん@ピンキー
08/07/02 22:24:36 G7Uzhzn+
悪い上げた

210:名無しさん@ピンキー
08/07/02 22:33:27 Y4aN7Cau
もう夏か…

>>185
GJ!!
やっぱり、よっぴーは良いものだ

211:名無しさん@ピンキー
08/07/02 23:29:03 27i8YrQs
>>210
あれ…俺がいる?

212:名無しさん@ピンキー
08/07/03 00:25:58 VA24tUT9
小道具の使い方とか上手いと思うけどな

関係無いけど二学期についてお姉さんの人の意見が聞きたい

213:名無しさん@ピンキー
08/07/03 00:44:14 5lj6dbUx
GJ!やっぱよっぴーは可愛いな

>お姉さんの人
面倒な奴が沸いてるが、余り気にせず自分のペースで投下してほしい。
あのニ学期の悪夢から立ち直れたのはあんたのSSのおかげだし。
これからも期待しています。

214:名無しさん@ピンキー
08/07/03 02:45:35 RC5ds3k2
そろそろなごみんメインが来てもいいと思うんだ
お姉さんの人はなごみん嫌いなんかね?

215:名無しさん@ピンキー
08/07/03 13:23:33 qIjRARCk
むしろ大好物じゃね?
最近はメインに持ってきてないけど、脇役時の扱いもいいしw
確か前スレに書きやすさとかでほぼ全てなごみ一位、素奈緒最下位って
素奈緒派涙目なランキングがあったような

216:名無しさん@ピンキー
08/07/03 13:26:00 qIjRARCk
連レスすまん

あとは祈先生メインを書けばお姉さんの人的にヒロインコンプすることに気付いた
いや別にリクじゃないよ
リクじゃないってば

217:名無しさん@ピンキー
08/07/03 15:02:33 RC5ds3k2
ほほぅ SS部分以外は流してるから知らなんだ

218:名無しさん@ピンキー
08/07/04 00:18:57 kFtCAUgm
クオリティ君また来ないかな
いい暇つぶしなのにw

219:名無しさん@ピンキー
08/07/04 00:36:02 x2bYtU3Q
フカヒレとメインとの絡みSSは禁忌ですか?
もしかして過去にありました?

220:名無しさん@ピンキー
08/07/04 01:05:11 kFtCAUgm
禁忌じゃないし、過去の有無は関係ない
是非投下してくれたまえ
お姉さんの人亡き今のスレを盛り上げるのは君だ!

221:名無しさん@ピンキー
08/07/04 02:00:35 X2PGemXm
>>220
死んでねえw
てか前スレ終盤にきていた職人はどうしたんだ

222:名無しさん@ピンキー
08/07/04 13:45:04 W7lRarB+
読めるんならレオとスバルのアッー!でもおk

223:名無しさん@ピンキー
08/07/04 16:21:42 DDBgTZDH
801板へ
と言いたかったが唯一許せる801であることは確か

ところでおまいら、乙女お姉ちゃんのコト忘れてないか?

224:名無しさん@ピンキー
08/07/05 00:16:20 xOg6vmVf
ににんがし

225:お姉さんの人
08/07/05 02:12:38 X1r4gaZF
もう投下しませ~んwwwwwwwwwww

226:名無しさん@ピンキー
08/07/05 03:44:43 BkrLXT25
麻生

227:名無しさん@ピンキー
08/07/05 04:11:47 GacRvYw9
くー可愛いよくー

228:名無しさん@ピンキー
08/07/05 07:01:59 /g+LZ/P/
>>225
こういう愉快犯のせいでお姉さんの人だけでなく、
他の職人も投下を敬遠しそうで心配だ
最近はピリピリしてるし、状況を考えろ馬鹿

229:名無しさん@ピンキー
08/07/05 10:57:28 v+vqd9z6
このたわけが!!
スルースキルが足りんぞ

230:名無しさん@ピンキー
08/07/05 13:05:05 g5I3lZxW
荒らしに状況読む力求めるな馬鹿

231:名無しさん@ピンキー
08/07/05 18:39:27 xOg6vmVf
やっぱり酉は要るよね

232:名無しさん@ピンキー
08/07/06 00:24:17 9c9KfA+4
>>231
土永さんか…

233:名無しさん@ピンキー
08/07/06 11:15:00 VEywKeYj
もはや荒らしが遊ぶだけのスレか

234:お姉さんの人 ◆Nz4quIuiW.
08/07/06 17:04:30 /yNaqHw3
第一話『戦闘態勢、準備OK?』
(※全員デレ直前と脳内パッチをダウンロードしてお読み下さい)


ここは私立竜鳴館の生徒会室、通称竜宮。
普段は生徒会の活動が行われる場所だが、今日の主旨は少し違う。
生徒会役員はもちろん、顧問である大江山祈や直接生徒会とは関係の無い近衛素奈緒までいる。
そして集まったメンバーは女性のみであり、男子は影も形も無かった。
「霧夜、わざわざ休みの日に呼び出してなんの用だ? 今日は特に仕事は無かったはずだが」
長い銀髪に意志の強そうなツリ目の少女、橘瀬麗武が言う。
「だいたいなんでアタシまで呼ぶ必要があるのよ? 生徒会のことは生徒会で片付けてよね」
演劇部部長の近衛素奈緒。
生徒会長である霧夜エリカとは何かと衝突しているが、生徒会役員でもなんでもない彼女の言い分はもっともである。
「まぁまぁ。銀ちゃんも貧ちゃんも落ち着いて。ちゃんと説明するから」
専用のソファーに座り、悠然と構える生徒会長。
「貧ちゃんって誰のことよ?」
「なごみん、よっぴー、人数分の飲み物用意してくれる?」
「無視すんな!」
素奈緒の叫びが響く中、命令をテキパキとこなすなごみと良美。
本来なら全員麦茶で良さそうなものだが、好みにうるさいメンバーなので、それぞれ別個に用意しなければならない。
文句一つ言わずに働く二人だが、結構な手間だ。
しばらくして飲み物が行き渡る。
「さて、姫よ。そろそろ本題に入ったらどうだ?」
「そうだぜー。ボクの貴重な休みを削ってるんだから、サクサク頼むぜサクサク」
「まったくですわ。今日は新発売のお菓子を買いに行こうと思ってましたのに」
「あたしも家の手伝いがあったんですけど」
口々に不満が飛ぶ。
「それじゃ、単刀直入にいくわね。良い?」
そう言うと周りを見渡し、全員が頷くのを確認する。
「対馬君のことなんだけど」
「レオ? レオがどうかしたか?」
「えぇ。まぁ、何と言うか、ぶっちゃけた話、皆対馬君のことどう思ってるのかなと」
少し言い難そうに話すエリカ。前振りは威勢が良くても、突撃はしにくいようだ。
「どうもこうも、私にとっては弟みたいなものだからな。まぁ最近は良くやっているがな」
「ボクも同じかなぁ。やる時はやる奴だし」
「ただの先輩ってだけですね。やたらと話しかけられるのは鬱陶しいですけど」
「うーん……昔の対馬は良かったけど、今はちょっと、ね」
「そうかなぁ。今の対馬君も良いと思うけどなぁ」
「美味しそうな童て……コホン。生徒としては嫌いではないですわ」
「いや、私が聞きたいのはそうじゃなくてもっとこう……」
お互いがお互いの様子を窺うような展開に業を煮やす者が一人。
「面倒だな。霧夜、もっと分り易く訊いたらどうだ? 『この中で誰が対馬に相応しいか』とな」
瀬麗武の言葉をきっかけに、空気が一変した。

235:お姉さんの人 ◆Nz4quIuiW.
08/07/06 17:05:07 /yNaqHw3
「橘先輩……それだとまるであたし達が対馬先輩のことを好きみたいな話になるんですけど」
「あぁそうだ。毎日見ていればそれくらい私でも解る。そこの2-Aも同じくな」
「人をクラス番号で呼ばないでよ」
「サブヒロインに降格しちゃったもんね、なおちゃんと私は」
「佐藤さん、自虐ネタは止めて」
「はいはい、脱線はそこまで。銀ちゃんに台詞とられたけど、もう一回言うわね。
皆、隠し事は無しでお願いするわ。対馬君のこと、好きよね?」
エリカの問いに二名を除いてメンバーが頷く。
「あれ? なごみんとツインテールは? 違うの?」
頷かなかった内の一人、椰子なごみが口を開く。
「対馬先輩のことは嫌いじゃありません。ですが好きかどうかはわかりません」
「なごみんが無下に切り捨てないってだけで好きに等しいと思うけどね。ツインは?」
「たまにはまともに呼びなさいよ。さっき言ったでしょ。昔の対馬は……まぁ、好きだったけど」
「今のレオでは不満か?」
「はい。昔を知ってる分、余計に今の対馬を見るのがつらいです」
「昔、か。私は対馬と過ごした時間が一番少ない。なんだか羨ましいな」
「そういうことなら、ボクが一番レオに相応しいね!」
きぬの威勢の良い声が部屋を駆け抜ける。
立派な(?)胸を張り、無駄に偉そうだ。
「なんたって、ガキの頃から一緒だからね。あいつのことは何でも知ってるし、
あいつもボクのことを良く知ってる。これ以上の組み合わせは無いね」
「甲殻類にしては一理あるな」
「確かにカニさんは対馬さんと仲良しですわね」
「ちょっと待て」
全員が声の方向に顔を向ける。
そこには雄々しいとしか言いようの無い闘気を漲らせた鉄乙女。
「レオとの付き合いの長さなら私は蟹沢以上だぞ。何より私はレオと同居中だ。
言わば既にお互いの両親も納得している仲。お前達には悪いが、私がレオに相応しいと思うぞ」
同居。この状況においては最強の切り札と言っても過言ではないカード。
加えて普段レオが見せる乙女へのシスコン振りが絶大な説得力を乙女の言葉に与えていた。
だがここで怯むようならわざわざ呼び出したりはしない―。
霧夜エリカが動く。
「二人の意見は解るけど、一番大事なのは対馬君の気持ちでしょ?
彼が生徒会に入ったのは私目当てが大きいわよね? 対馬君が私に憧れてるのは知ってるし」
「でも対馬君のエリーへの気持ちは敬意であって、好意じゃないんじゃないかなぁ」
エリカの切り札を良美がすかさず潰す。
「よ、よっぴー……裏切るの?」
ありえないはずの反撃に動揺するエリカ。
乙女のようにゴリ押ししてくるならいくらでも返せるが、良美相手は分が悪い。
「それより対馬君に対して何をしてあげれるかが大事じゃないかな。
私なら何でもしてあげれるし、何よりこの中で一番対馬君のこと好きだしね」
「誰が一番好きかなんて、わからないじゃないですか」
「あれ? 椰子さんは別に対馬君のこと好きじゃないんだよねぇ?」
「う……」
いつもは欠片も見せない良美の攻撃性に皆驚きを隠せない。
「誰が対馬さんを一番好きでもどうでもいいですわ」
真意の見えない表情で話す祈
「私は対馬さんの童貞にしか興味ありませんので。
初物さえ戴けるならその後はどなたとくっつこうとご自由に、ですわ」
ある意味一番の暴言である。

236:お姉さんの人 ◆Nz4quIuiW.
08/07/06 17:06:11 /yNaqHw3
「ちょ、ちょっと待って下さい先生! そういうのは恋人同士がするもので」
「近衛の言う通りです! ちゃんと結婚して責任がとれるようになってから……」
「お堅いですわね~。セックスを特別視するのは処女特有の発想ですわ」
経験値ブッチギリナンバーワンの祈からすれば、彼女達の意見は子どもの戯言でしかない。
「あぁもう! 皆好き勝手言って! やっぱりあいつはアタシが面倒見ないといけないのかな」
「近衛……」
「い、いや、あくまで友達としての話ですよ」
「だからボクが一番だっての!」
「カニっち……あんまりうるさいと…………ろしちゃうかも」
「対馬君が私の誘いを断れるとは思えないけどなぁ」
「レオは私が面倒を見れば良い」
「では私が食べた後のお世話はお任せしますわ」
「下らん」
騒乱状態と化した場を瀬麗武が一喝する。
「この場でいくら話したところで結論は出まい。誰が対馬に一番相応しいか、結局決めるのは対馬なのだからな。
まぁ全員の想いがわかったのは収穫だが……」
言い終わると席を立つ瀬麗武。
「銀ちゃん帰るの?」
「ふむ……お前達の気持ちを教えてもらった礼だ。一つ教えておいてやる。
戦場では卑怯な手など一つも無い。勝った者が一番強い。抜け駆けされても、文句は言うなよ」
全員が瞬時に瀬麗武の言葉の意味を理解する。
話し合って結論が出ないなら―力ずくだ。
残りのメンバーもなごみを残して立ち上がる。
「じゃあ……誰が勝っても文句無しってことで」
「良いだろう。望むところだ」
「ボクが勝つのは決まってるけどね」
「不本意だけど、これ以上腐ってくのを見たくもないし」
「やだなぁ皆。安心して私に任せれば良いのに」
「早い者勝ち、ですわね」
ぞろぞろと出て行く女性陣。
残されたのは瀬麗武となごみのみ。
「とりあえず、コップを片付けるか」
「あたしがやります。橘先輩だと失礼ですけど割りそうなので」
「ズバズバ言う奴だな。自分の気持ちにもそれくらい素直になったらどうだ?」
「どういう意味です?」
コップを洗いながら背を向けて話すなごみ。一見冷静に見えるが、口調には棘がある。
「意地を張る場面を間違えるな」
「良いんですか? 敵に塩を送って」
「私を敵と認識するということは、お前も参戦すると判断していいんだな?」
「揚げ足を……」
「そう怒るな。敵は多い方が面白い。私が思うに、お前が一番戦いがいがありそうだ」
「いい迷惑です」
「いづれ本気を出してくれることを期待しているぞ。ではな」
まだ何か言いたそうななごみを無視して去る瀬麗武。
一人残されたなごみは再び椅子に座る。
(皆対馬先輩なんかに必死になって、バカバカしい)
悪い人間とは思わない。でも所詮は線の外側。自分にとっては関係の無い人間だ。
「そうだ―そうに決まってる」
自分に言い聞かすように呟く。
しかしその表情にも口調にも、絶対の自信は無かった。

残暑も終わり、秋が幕を開ける頃、少女達の争奪戦が始まろうとしていた。

237:お姉さんの人 ◆Nz4quIuiW.
08/07/06 17:10:05 /yNaqHw3
このあとオープニングムービーを挟み、主人公選択画面に入ります。
選択した主人公がいかにしてレオと結ばれるかをお楽しみ頂く、
いわばヒロイン視点のつよきすとなっております。
嘘です。

続く、かな?
でも終わらせようと思うと糞長くなりそう。

238:お姉さんの人 ◆Nz4quIuiW.
08/07/06 17:16:58 /yNaqHw3
>>212
近所の居酒屋で話そうか
>>216
素奈緒を書いた記憶が無い……

239:名無しさん@ピンキー
08/07/06 18:25:32 Px8v2t3t
真二学期ですね、わかります
あとはシステムとグラフィック担当者を捜せば同人で作れる?

240:名無しさん@ピンキー
08/07/06 18:31:42 FKlvKlxX
GJ
相変わらず面白いな
なごみんとか俺の嫁とかの行動が気になるんだぜ



しかしデレ期直前って、よっぴーとか先生はヤった後にデレるから……
いや、なんでもないです

241:名無しさん@ピンキー
08/07/06 18:35:14 S/qQuUnk
GJ

>>239
二学期誰のルートにも入らなかったということで、「三学期」でいいのでは。

242:名無しさん@ピンキー
08/07/06 19:03:21 VEywKeYj
>>240
感情の話であってストーリー的な時間軸はオリジナルなんじゃね?


それにしてもどう見てもなごみん主人公です本当にry
だが俺は乙女エンドに一票入れておくぜ

243:名無しさん@ピンキー
08/07/06 19:29:53 hsvCll0L
乙女さんに一票とかいちいち言わなくていいから

お姉さんの人に迷惑だろ

お姉さんの人GJ 次も楽しみだ

244:名無しさん@ピンキー
08/07/06 19:39:52 +AM/NUd0
超GJだ。
つ、続きなんて期待してないんだからね!!

245:名無しさん@ピンキー
08/07/06 21:50:27 N9rp52bS
>>237
既出

246:名無しさん@ピンキー
08/07/06 22:01:48 Q13KnPK9
>>238
うん、素奈緒は他ヒロインルートに入っちゃった後しか出番をもらってない気がする。

247:名無しさん@ピンキー
08/07/07 00:07:41 EFvAJ3CK
>>237
やっぱり素奈緒が一番さなあ。
ところでここの姫は金髪?それともピンク?

248:名無しさん@ピンキー
08/07/07 00:15:02 aE4wOTaK
>>245
エロパロ内では無かった気がするが
てか被りを気にしてたらなにも書けないんじゃね?気に入らんならスルーすれば?

249:名無しさん@ピンキー
08/07/07 02:35:46 m8VtEQgw
ハーレム期待
親子丼も

250:名無しさん@ピンキー
08/07/07 02:37:45 9kqFeyby
>>249
カニとマダムの親子丼とはお客さんもマニアだねえ

251:名無しさん@ピンキー
08/07/07 03:11:56 KFGzvKZV
ハーレムが楽しいのは出来あがるまで

252:名無しさん@ピンキー
08/07/07 05:28:46 oCovjMoH
霧夜家のハーレム総動員の乱交パーティーは?

253:名無しさん@ピンキー
08/07/07 19:27:22 715qZjlY
スバルが大人のリードで蟹を愛でるってのは…

254:名無しさん@ピンキー
08/07/07 19:32:02 WlAfuV/D
蟹沢邸VS対馬邸であえぎ声対決か。
レオの相手は誰だろう。

255:名無しさん@ピンキー
08/07/07 20:38:46 715qZjlY
乙女さんは家にいるだろうが…
ここは椰子なごみのニュアンスを感じました。

256:名無しさん@ピンキー
08/07/08 00:24:25 dwJtyY68
カニと来たらなごみんだろjk

257:名無しさん@ピンキー
08/07/08 02:12:06 sciI2JUb
対抗してスピーカーの音量上げてエロゲやるフカヒレ。

258:名無しさん@ピンキー
08/07/08 08:01:22 VnFtViAe
>>257吹いた

もちろん霧夜邸でもエリカとよしみが(ry

259:お姉さんの人 ◆Nz4quIuiW.
08/07/08 16:07:47 doZ7okMC
第二話『負けないでGO!』


竜宮で女傑達の宣戦布告が行われた翌日。
自分がどれほど恵まれた、あるいはとんでもない状況に置かれているか未だ気付かぬ少年。
少年の周りにはお馴染みの顔が並んでいる。いつも通りの昼休み。
「おいレオ、見てみろよこれ」
新一が指差す方向には胴着を着て仁王立ちする鉄乙女―の、ポスターが貼られている。
「『真の漢、乙女なら気合だ!』……言葉の意味はわからんが凄ぇ自身だな」
半ば呆れ顔で伊達スバルが呟く。
「拳法部が体験入部会を開くらしいから、その宣伝だろ」
「何でまたこんな時期に?」
「乙女さんが言うには夏合宿で着いて行けずに辞める部員も多いんだと。だからちょいちょい補充するってわけ」
「竜鳴館でもトップレベルのキツさだからなぁ。陸上部で助かったぜ」
「ほんと、ほんと。健全な学生は家でギャルゲーが正しい」
「それもどうなんだ」
「何を騒いでいるんだお前達は」
談笑するレオ達の背後から凛とした声。
「あ、橘さん」
「廊下で立ち止まっていたら邪魔だろう」
やる事成す事常識外れに見える瀬麗武だが、意外とまともなことを言ったりする。
「橘さんは部活入らないの?」
「あまり興味無いな」
「そのパワーがあればどんな部でも大活躍出来るのに」
「私が団体競技に向いていると思うか?」
「確かに」
「独裁者とは孤独なもの。戦う時は常に一人、それで十分だ。まぁ、部下の利用なら話は別だがな」
「お嬢も頑固だねぇ」
「大体私と勝負になる相手など……」
言葉を途中で切り、ポスターのある一点に視線を集中させる瀬麗武。
やがて瀬麗武の体から静かに闘気が立ち上がる。
武術経験など皆無に等しいレオや、ヘタレの象徴である新一でさえ目視可能なほどのオーラ。
「た、橘さん?」
「対馬……お前は鉄と同居しているんだったな?」
「う、うん。一応」
「鉄に伝えておけ、首を洗って待っていろとな」
言い終わると背を向け立ち去る瀬麗武。
出しっ放しのオーラに一般生徒が恐れをなし、道を開ける。まるでモーゼだった。
「お嬢の奴、急にどうしたんだ?」
改めて瀬麗武が凝視していた箇所を見るレオ達。
そこには『全国優勝した鉄先輩とスパーリングあり! 君も気軽に参加だ!』の一文。
「これ、か」
乙女との決着を着けたがっている瀬麗武がこのイベントを見逃すはずも無かった。
「お嬢対乙女さんか……こいつぁ儲け話の匂いがするぜ! さっそくトトカルチョの用意だ!」
言うが早いか走り去る新一。
目だけでそれを追う二人の顔は軽蔑の色が浮かんでいる。
「アホは置いといて、坊主、お前はどっちが勝つと思う?」
「うーん、乙女さんと言いたいけど、橘さんも相当なもんだしね」
「じゃあ、どっちに勝って欲しい?」
「へ?」
「いや、冗談だ。どっちにせよ、面白い試合になりそうだな」
「あぁ」

260:お姉さんの人 ◆Nz4quIuiW.
08/07/08 16:08:23 doZ7okMC
噂が広がるのは早い。
午後の授業が終わり、放課後になる頃には既に瀬麗武対乙女のワンマッチが確定したかのように騒がれていた。
新一主催のトトカルチョによるオッズでは現在乙女が大幅に有利であり、瀬麗武が大穴扱いだった。
瀬麗武の戦闘力は学内でも有名だが、『鉄の風紀委員』のネームバリューには届いていない。
「まったく、ただのスパーリングで大げさに騒ぎ過ぎだ」
騒ぎの中心の一人、鉄乙女は見回りの仕事を終え、竜宮で一休みしていた。
「で? 受けるんですか乙女先輩? 銀ちゃんの挑戦」
揉め事好きな会長が興味を隠さずに尋ねる。
「喧嘩なら受けないが、こちらが用意した玄関から堂々と来るんだ。無視は出来まい」
「拳法部の体験ってより、そっちがメインになっちゃいそうですね」
苦笑しながら話すのは良識派として名高い佐藤良美。
「問題はそこだ。いっそ橘が入部してくれれば良いんだがな」
「負けたら入部ってルールにすれば良いんじゃないですか?」
「自分の意思で入部しなければ意味は無い」
「生徒会には無理矢理入れたくせに」
「それとこれとは話が違う」
「とにかく三日後を楽しみにしてますよ」
(やれやれ)
内心で溜め息を吐く乙女。自分と互角の力を持つ瀬麗武との勝負は実は楽しみではある。
しかし本来の目的である部員勧誘とは違う方向で盛り上がってしまっているのが悩みだ。
「ところで、肝心の銀ちゃんは? てか対馬ファミリーは?」
「橘さんなら勝負が終わるまで竜宮には来ないって。敵と馴れ合う気は無いとかなんとか。
対馬君達は英語の補修じゃないかな」
「それは困るわねぇ。生徒会のことはやってもらわないと。
なごみんは家の手伝いで帰っちゃうし、自由な子って手が掛かるわね」
「お前が言うか姫……」
生徒会発足時のメンバーであるため、気心は知れている。
レオの事があるにしても、和気藹々とした雰囲気が崩れることは無い。
雑談が続く中、扉が勢いよく開かれた。
「鉄先輩いますか!?」
生徒会役員ではない女子が入ってくる。ネクタイの線が一本なので一年生だ。
「私ならここにいるが、どうかしたか? とりあえず落ち着くんだ」
女の子の肩に手を置き、落ち着かせる乙女。この辺りが男女問わない人気の秘密。
「あ、ありがとうございます。その、今グラウンドに変な人が来てて」
「変な人?」
「はい、なんか意味不明な事を叫びながら暴れてるんですけど、刃物を持っているから誰も近付けなくて……」
「わかった。後は私に任せておけ」
乙女の目付きが変わる。優しい先輩から最強の風紀委員へ。
竜鳴館の守護神の証し、地獄蝶々を手に取る。
「佐藤、警察に連絡しておいてくれ」
「わかりました」
「それでは、行って来る」
「了解。行ってらっしゃいませー」
ハンカチを振って見送るエリカ。ノリは軽いが、それは信頼の裏返しでもある。
単純な戦闘で乙女に勝てる人間など、館長とその兄くらいしか思いつかない。
悔しいが、自分でさえ本気になった乙女には遠く及ばないだろう。
(銀ちゃんには悪いけど、私も乙女先輩に賭けるかな)

261:お姉さんの人 ◆Nz4quIuiW.
08/07/08 16:09:02 doZ7okMC
「と言うことがあったんだ」
「最近は物騒だからね。乙女さんには怪我は無かったの?」
自宅のリビングにて行われている会話。
乙女特製のおにぎりを頬張りながらレオは新たな武勇伝を聞いていた。
「あぁ大丈夫だ」
「それは何より」
「ふふ。レオは優しいな」
乙女がレオの頭を撫でる。その力強さは母性的な癒しと言うより父性の安心感に近い。
事件は一瞬で片が付いた。
いかに刃物を振り回していようと、所詮は素人。乙女から見ればただの雑魚に過ぎない。
「でも怪我人がいなくて本当に良かったよ」
「伊達が上手く立ち回ってくれていたんでな。素早く生徒を逃がしていたようだ」
「さすがスバル」
「向かって行かなかったのも褒めるべきだな。
ああいう手合いは刺激するほど危険だ。妙な薬もやっていたようだしな」
自分が現場に居ればどうだっただろうか? 
親友ほど器用に動ける気はしない。隅っこで震えてたりして。
レオの脳裏にそんな考えがよぎる。
だが思考はすぐに打ち切られた。ある事を思い出したからだ。
「そうだ乙女さん。橘さんのことだけど、どうするの?」
「どうするも何も……挑戦してくるなら受けるまでだ」
「おぉ、竜鳴館最強決定戦」
「主旨が変わっているぞ」
「でもさ、乙女さんと橘さんの勝負を見て拳法部に興味持つ人も出てくるんじゃないかな?」
「む。そういう考え方もあるか」
「そうそう、何にせよ注目されてるってことは宣伝効果バッチリだよ」
「だと良いがな」
「あー忘れるところだった。橘さんから伝言『首を洗って待ってろ』だそうです」
「なぜ橘の伝言をお前が伝えるんだ?」
「いや、一緒に暮らしてるし、一番都合が良いからでしょ」
「むぅ」
どこか気に入らなさそうな姉の態度。
「お前と橘はよく話すのか?」
「まぁ同じクラスで席も隣だしね。橘さんは転校して日が浅いし、校内の案内とかはするかな」
「そうか……」
「乙女さん?」
「いや、レオは誰にでも優しいからな。人の世話をするのは良いことだ」
褒めてはいるが、納得はしていない。そんな微妙な差を理解出来るのはレオくらいのもの。
とはいえ迂闊には聞き辛くもある。しばしの沈黙。先に口を開いたのは乙女だった。
「私と橘、どっちが勝つと思う?」
「え? 難しいな……俺は乙女さんの強さを身をもって知ってるけど、橘さんも強いし……。
かと言って乙女さんが負ける姿も想像出来ないし。昼間スバルにも聞かれたけど、わかんないのが本音かな」
「すまんな。つまらない事を聞いてしまった。さぁ、もう寝ると良い。明日も学校だしな」
疑問は残るが大人しく従うレオ。
洗面所にて歯を磨き、二階へ上がる。
リビングに残った乙女は少しの間物思いに耽っていた。
(たかが伝言や学校を案内した程度にムキになって……私もまだまだだな。
橘とは出来れば純粋な勝負がしたい。が、まず何より拳法部の楽しさを知ってもらわないとな
その為にもレオのことは、しばし忘れるとしよう)
最強決定戦まで、あと三日。


次ページ
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch