08/06/05 03:45:41 Qw6Kp2UU
「クロームが悪いのですよ?」
肩を掴んで骸は凪の体を自分の方に向かせ、困惑する瞳を宥めるように言った。
「……え?」
重なる影。雲雀がさっきやったように骸は唇を合わせた。
「………!?」
恋人である雲雀にキスをされたことは何度もある。しかし敬愛する主人である骸に……いよいよ、何が何だか解らない凪は躊躇いながらも骸の体を突きはねようと必死だ。
─そもそも、恭弥は?
そう思い、凪は恐る恐る雲雀を視界に入れるため瞳を動かした。
漆黒の瞳が凝視している。
凪の主人であれ絶対的な存在であれ自分の恋人にキスなど平気なはずはない。雲雀だって嫉妬がふつふつと煮え立つ。
しかし、収める方法は骸の行為をやめさせることではない。
すると後方から腕がのび腰を抱えてくる。そして四つんばいにされた。
「僕以外の男とキスしてるのに凪は抵抗しないんだ?」
骸がゆっくり唇を放した、まるで雲雀の問いに答えろ、と言うように。
「してるっ…!骸様、どうして…ッ?!」
「どうして、とは?僕はクロームを愛したいだけですよ?」
にっこりと微笑む主人にに凪は眩暈を覚えた。
「な、にを言ってらっしゃるのか…解りません…