08/07/09 02:06:00 zrooexwM
「……ということなんだ。その……ごめんな」
「ふ、ふ~~~ん」
幸福の絶頂にいるところで、いきなり「正妻だけど二号さん」宣言をされてしまい、気分がどっかりと落ち込む。
ああ、喜んで損したわ……。まあ、ある意味わかっていたことだけど……。
しかし、そんなケイを、啓太の言葉が救ってくれた。
「でも、その……。ようこは別として、俺はお前のことも好きだし、大事にしてやりたいとも思ってるんだ。だからってわけじゃないし、それは当然のことだから正直悪いとは思うんだけど……。受けてもらえないかな?」
「か、川平君……」
そうよ。何を落ち込んでるんだ、私。
確かに一番じゃないけど、それでも私のことを大事にしてくれるって言ってるんじゃない。それに、今はようこが一番でも、いつか逆転してやることだって不可能じゃないハズだわ!
さらに、少なくとも二番目の立ち位置は確保できるわけだし、それでいいじゃない。うん、おっけー!
とりあえず考えをまとめて、先程の問いへの答えは出せた。それは最初と変わらず。
「うん、わかった。私、あなたと結婚するわ」
あ、今、私、すごく良い顔してるわ。鏡で見てるわけじゃないけど、わかるんだな、こういうの。きっと、生きるって決めた時と同じくらいの顔してる。あの時も川平君のおかげだったし……。やっぱり、私にはこの人が必要なんだわ。
そんなケイの答えを聞き、表情を見て、啓太も嬉しそうな、ほっとしたような表情を浮かべる。
「そっか! さんきゅな、ケイ! じゃあ、早速なんだけど……」
あ。次、何て言うか予想できるわ。ていうかさっき予想したけど。
これは間違いないって断言できる。悲しいような、嬉しいような……。ほら、言うわよ。
「やらせて!」
はい、正解。
しっかし、ここまで見事に予想通りだと、なんか私まで同じ思考回路を持ってるような気がしちゃうわ……。
変態なのかしら、私。