08/07/01 14:30:44 p1knmSwO
向かい合ってお辞儀する二人。
一致団結した時の力は小学生といえどもすごいもので、予鈴がなるまでほとんど手付かずだった掃除を瞬く間に終わらせてしまう。
やるべきことをやり終えて一息ついてるチアキの横には、同じく先ほどまで掃き掃除をしてたチカがいた。
「アイツ、昔っからあぁなのよね・・・普段はただのバカなのに、遊びや食べ物のことになると途端に悪知恵を働かせるよーなヤツで」
「マコトなんて何があっても常にバカだぞ」
「あはは・・・でもいいじゃん、分かりやすくて」
「どうだろうな。私の明晰な頭脳にはあのバカは合わないらしい」
「ふふ、どうだろうね‥‥」
意味ありげな笑みを浮かべながら、またいつもの二人とバカ笑いをしているリョータを一瞥する。
「でもあんなバカなやつだけど、たまに私じゃ思いもつかないようなことをやってたり‥‥なんかアイツといると、飽きないのよね」
「そうか・・・チカは大人だな」
「そうかな?慣れてるだけだと思うよ」
5の2の教室に本鈴のチャイムが鳴り響いた。
それに伴い、各々教科書やノートなどの勉強道具を準備し始める。
「私も行かなきゃ。じゃ、また後でね!」
軽く右手を上げて自分の席へと走り去っていくチカ。通りすがりにリョータの頭をこつんと小突く姿が見えた。
チアキも席へと歩を進める。マコトはというと、いまだに教室の端で律儀にポリバケツを抱えている。
自分とは全く思考回路が異なる人間。
でもそれゆえに、自分じゃ考えもつかないことを思いついてしまう人間。
「まぁ、そういう考え方もあるか・・・」
授業が始まる。
5年2組は今日も平和だ。