08/07/01 14:30:19 p1knmSwO
「・・・ポリバケツを持ってこい。今すぐだ」
「イヤソレ無理むりっ!いくら何でも腕が──」
「うるさいよっ!バカでどうしようもないバカ野郎はバカみたいに大きなポリバケツでも持ってればいいんだよこのバカ野郎ーっ!!」
「う・・・うあああぁあああぁああぁぁぁあぁんっ!!!ハルカさぁあーんっ!!」
泣き叫びながら、廊下へと走り去っていくマコト。
「‥‥アイツ、今ハルカ姉さまの名前を口にしたな・・・せっかく空のポリバケツで我慢しといてやろうと思ったんだが、やっぱりいつも通り水も追加しておくか」
「あ、あははは・・・」
遠ざかっていく叫び声を苦笑いで見送る一同。
ふと、聞こえてくるチャイム。
‥‥それは授業開始、5分前を告げる予鈴のチャイムだった。
「‥‥ありゃ?」
「このバカ野郎ども・・・今が、いったい何の時間だったか言ってみろっ・・・!」
チアキの獲物は箒。だが他の面々の手には・・・何もない。
戦いで言うならば、戦意喪失。ぶっちゃけ掃除する気なんかありませんよー、という何よりも明確な意思表示でもあった。
「よ、よーし!みんなっ、頑張って掃除をするぞーっ!!」
「「「おーっ!!」」」
いち早くチアキの怒りを察したチカが号令をかけると、まるで蜘蛛の子でも散らすようにそれぞれの持ち場へと離れていった。
チアキの「まったく・・・」という呟きは、みんなの耳に入ったのか入っていないのか。
「チアキちゃん、ごめんね・・・うちのリョータが」
「‥‥いえ、こちらこそうちのマコトが迷惑をかけまして」