08/06/15 23:11:29 SNDA9UXI
「ヨーシ、じゃあ第二次試験、行ってみよー!!」
何とか生き返った私達は、カナちゃんの部屋に移動した。
相変わらず凄い部屋だね……。
でも、部屋のところどころに女の子らしさが垣間見えるのが、カナちゃんらしくて面白い。
チアキ、いいなぁ。私もカナちゃんみたいなお姉さん、欲しいよ。ハルカちゃんでもいいけど。
第2回戦といいつつも、始まったのは『おかしなこと』ではなく、
ただ、ベッドの上に座って、他愛もない話をするだけだった。
本当ならば、チアキのことでカナちゃんが私を怒って、
その後で私がカナちゃんを『きもちよく』してあげるつもりだった。お詫びの印として。
でも、今はこの有様。カナちゃんは物事を面白い方向へ持って行くのが上手な人だ。
私も行きしなの下らない考えは捨てて、今はすっかりカナちゃんと楽しんでいる。
実際、この方が楽しいしね。やっぱり私もお姉ちゃんが欲しかったなぁ。
「吉野、お前結構可愛いやつじゃないか。気に入ったぞ」
「へへへ、有り難う」
「へへへじゃないよ! ったく、こうしてやる」
「きゃー!!」
私とカナちゃんのじゃれ合いが(特にカナちゃんの方が)エスカレートしていく。
「とりゃー!!」
とうとう私はベッドの上に押し倒されてしまった。
「あはは、いやらしいおじさんが居るよー」
「えっちなお嬢様には言われたくないよ。ほれっ」
「ひゃー☆」
初めはただはしゃいでいただけだったのに、知らぬ間に『おかしな』方向へと進んでいた。
ぷちゅ。
いきなり唇を塞がれた。カナちゃんの唇によって。
つまりこれは、私の初めてのキスだった。
「んっ…………」
アメリカの映画にあるような挨拶代わりのキスではない。
『先生と二ノ宮くん』の様な、好きな人同士がするような、キス。
カナちゃんの甘い香りを、何故か口の中で感じた。
何だろう、この感じ。
「んっ……、んっ………、…………!!!」
にゅるり、と何かが入ってきた。カナちゃんの舌だ。
カナちゃんの舌が、私の口を割って入ってきた。もしかして、私を求めているの?
ぺろり、ぺろり、ぺろり、ぺろり、
やっぱり……だ。
私も真似して、舌を前に出してみた。すると──、
くちゅ。
変な音が確かに聞こえた。
カナちゃんの舌と私の舌が絡み合う音。
くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ…………、
いやらしい音が静かに、静かに響く。
さっきの大騒ぎは何処へやら。耳に入るのは、私とカナちゃんとのいやらしいキスの音──。
557:夏奈高気圧接近中 2/10
08/06/15 23:12:00 SNDA9UXI
私達は、どのくらい続けていたのだろう。
やがて、カナちゃんがそっと顔を離すと、口と口の間からつーっと銀色の糸が光った。
私の涎とカナちゃんの涎が混じったもの。冷製に考えれば汚いモノなんだけど、何故だろう。
頭がぼうっとしてきた。
「──服、脱ごっか?」
「う………、うん」
カナちゃんに言われて、服を脱ぐ。
私は重ね着風のTシャツを、カナちゃんは「I AM BOSS」と書かれた黒いTシャツを脱ぐ。
お互い下着姿になって向かい合う。女の子同士で、お風呂とかで裸も見ているのに、何だか恥ずかしい。
「吉野、結構あるな。てか、何だその下着は。まるで水着みたいじゃないか」
「そ、そんなに無いよ」
膨らみ始めたのに気付いたのは、5年生になってからなんだから。
私は今日、初めてブラジャーというものを身につけていた。大人の人がする、そう、あれ。
お母さんがこの前買ってきてくれたんだけど、窮屈そうだったから、付けるのにずっと躊躇していた。
ブラといっても私のは小学生用で、カナちゃんが付けてるものとは形も違うし、付け方も違う。
「どれどれ、絶賛成長中の吉野のおムネでも拝見いたしましょう。ウヒヒッ」
「やだー☆ カナちゃん、変なおじさんみたーい」
カナちゃんは妙に嬉しそうにニコニコしながら、私のブラをたくし上げる。
成長が始まったばかりの微かな膨らみが、カナちゃんの前に晒される。
「……と思ったら、なんだ。流石にまだか」
そんなこと言われたってしょうがないじゃん。小学生なんだから。
悔しいので私もカナちゃんのブラに手を触れる。ホックは前の方にあったけど、上手く外れない。
結局カナちゃんが自分で外してしまった。
「そんなにジロジロ見るなよ。見るほど無いだろ?」
それでもカナちゃんは、ふん、とわざとらしく身体を反らせる。
その反動でカナちゃんの胸が少しだけ揺れた。
「無い無いって言うけど、カナちゃんは揺れるだけの大きさが、あ、あるじゃん!」
小さく見えるのは、ハルカちゃんのがすごく大きいからだよ、きっと。
「何だお前、私の胸が羨ましいのか?」
「いや、そういう訳じゃぁ……」
「安心しな。お前は将来有望だ。私は中学あがるまでペッタンコだった。
そのうちチアキどころか、私まで追い抜くよ、きっと………くそぅ」
今、最後に何か言った?
「えへ、何か嬉しいなぁ」
「何照れてんだよ。ツッコめよ!」
あれ? 逆にツッコまれちゃった。てへ。
「てへ、じゃないよ! ヨーシ、お前の分を吸い取ってやる。それ!」
「へ……ちょ……ふわぁああっ!」
カナちゃんが胸に飛びつくと、突然片方を舐め始めた。
もう片方は手で軽く撫でる。円を描くように。
手つきが違う。カナちゃんもまた、やり慣れているのだろうか。
もしかして、カナちゃんも1人で『きもちいいこと』をするのだろうか。
──中学生って、よく分からないや。
558:夏奈高気圧接近中 3/10
08/06/15 23:12:33 SNDA9UXI
くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ…………、
「んああぁぁ…………」
段々カナちゃんの舐め方がいやらしくなってきた。
わざと音を立てて乳首を舐める。もう片方は軽く揉んだまま。
カナちゃんが舐めれば舐める程、私の乳首はどんどん固くなっていく。
「うっ………んんうっ………うっく………き、きもちいい」
時折、同じリズムで揉む側と舐める側が入れ替わる。
「っん、…………んっく、………ん、………んんっ」
きもちよくなっているせいかな。無意識のうちにえっちな声が漏れてしまう。
自分が人にされるって、こうも気持ちが良いとは思わなかった。
ずっとおっぱいを舐められていたせいで、だんだん下の方が熱くなってきた。
「ふぅぁああああっ」
「ふぅーん。結構やらしいんだな。吉野も」
「か、カナちゃんだって………その、……えっちじゃん」
特に舐め方が。
「…………バレた?」
うん。バレバレ。
「…………。よし」
「?」
カナちゃんが何かを決意したようで、余っている方の手をそっとお腹の方へとのばす。
「──ッ!!??」
案の定、今度は私の下……アソコに指を入れてきた。
「ああっ、だめ、そ、そこは……」
とろり。
「ぉお~お~、感じてる感じてる」
ブラと同じデザインのショーツが、びっしょりと濡れたのを感じた。
カナちゃんの指がショーツに現れた『筋』を上下に動く。
その度に身体がびくん、びくんと動く。
「くっ、ふぁあああああ…!!」
カナちゃんの指は、はじめはショーツの上を行ったり来たり─さっき私が1人でした時の様に─
している。
その度に私が反応してしまうものだから、カナちゃんは半分面白がってその行為を続ける。
本当はもっときもちよくなる所があって、カナちゃんも知っていると思うんだけど、
一向に攻める気配は無い。それはそれで有り難いんだけど……。
「カ……カナちゃん…………」
「ん? どうした?」
意を決して訊いてみる。
「………な、何で、……んっ、せ、攻めない……の……んんっ!!」
くちゅり、くちゅりとアソコがどんどん濡れていく。
カナちゃん、もしかして焦らしてる?
同じ行為がしばらく続いてから、指の動きに変化が現れた。
カナちゃんがショーツの横から指を入れようする。
「だ、ダメ。……ま、まだ………こ、心の………じゅ、準備が…………」
私は開きかかっていた脚をすぐに閉じた。それでも、カナちゃんの攻撃は収まらない。
「何だよ。自分でする時は平気なくせに、人にされる時は抵抗するのかよ」
耳を甘く噛みながらカナちゃんが私に抗議する。私は恐かった。
559:夏奈高気圧接近中 4/10
08/06/15 23:12:57 SNDA9UXI
今まで内田やチアキだけじゃなく、男の子のマコトくんにまで手を出したことを思い出す。
人に『きもちいいこと』をしてあげることに、強い快感を覚えていた。無論、ひとりでする時も。
ところが、今はどうだろう。私はカナちゃんに『きもちよく』されることによって、
自分が壊れてしまうのではないかと怯えている。
内田は2回目の波が来た時に、失神してしまった。息はしていたのでそっとベッドの上で寝かせたけど、
彼女は2回目の事は全く覚えていないという。内田は壊れる寸前だった。
今、カナちゃんは私の『中』に入り込もうとしている。
嫌、嫌だ。入れないで。カナちゃんでもそれはダメ!!
カナちゃんは諦めずに何度も何度も突破を試みる。
攻められているのはアソコだけじゃない。さっきから胸や脇の下、首筋、耳、鎖骨や鳩尾(みぞおち)、
色んな所を舐められている。
「………んふぅ、……んふぅ、………んんっ……んんんっ!!」
『下』の方の指も、遂に『もっときもちよくなる所』をショーツの上から突かれる。
「ふぁあぁああ、ぁあああっ、ぁああぁんっ、ぅぁあぁああぁんっっ」
ダメだ………。身体がカナちゃんの攻撃を許してしまう。
あちこちを舐められる度に、私は興奮してしまい、全身から段々力が抜けていってしまう。
くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、
「あ、ダメ……、ダメ……、ダメ…、ダメぇ!!」
脚の力が抜けていく。突破されるのも時間の問題だ! 私は朧気な意識を脚に集中させて、力を振り絞った。
ところが………。
くちゅ。
「?」
突然、カナちゃんの抵抗が止んだ。
カナちゃんは左の乳首を一舐めしてから身を起こして、私から離れる。
アソコはまだヒクヒクしている。
「───うすうす気付いていたんだが、私が一方的に攻めるのは不公平だと思うんだ」
突然何を言い出すの?!
「だから」
「だから?」
「お前も私を攻めるべきだ。まずは私の乳を揉め」
「えっ………」
私はカナちゃんの言ったことに驚いた。
カナちゃんは私を最後まできもちよくするつもりじゃなかったの?
「どうした。チアキにした様にやってみろ」
これは罠だ。私にきもちよくさせようとして、逆に私をきもちよくさせるつもりなんだ。
「早く掛かって来なさいよッ!」
「ひゃっ!!」
私が躊躇していたら、カナちゃんは片手で私の頭を押さえて、無理矢理自分の胸へと引きつける。
顔じゅうでカナちゃんの汗の臭いの混じった甘い香りと、柔らかな感触を感じ取る。
「わ、分かったよ………」
胸への圧迫を逃れた私は、息を大きく吸った。
一体何を企んでいるのだろう。ロクなことを考えていないのは確かだ。
560:夏奈高気圧接近中 5/10
08/06/15 23:13:37 SNDA9UXI
アヒル足で座って、私とカナちゃんは向かい合った。
「じゃ、じゃあ、行くよ」
カナちゃんのおっぱいに触れる。
むにゅ。
程よく膨らんでいるカナちゃんのおっぱいは、
私のとは比べ物にならない(比べること自体、無意味だけど…)ほど柔らかく、感触もずっと大きい。
『揉んでる』っていうのが良く分かる。
「どうだ?」
カナちゃんは今のところ平気みたい。揉み慣れているのだろうか。
「うん、カナちゃん、女の子じゃないね」
「なッ!? お、おま、お前、いくら小さいからって言って良いことと悪いことがあるんだぞ?!」
「か、勘違いだよ!」
さっき自分で小さいって言ってくせに。
「じゃあどういう意味だよ!」
「お、女の子じゃなくて、お姉さんだなって………」
「お、お姉さんって言われたの………初めて……かな……」
カナちゃんは少し顔を赤らめた。照れているのかな?
カナちゃんが油断している隙に、私はカナちゃんがさっきしていた様に、
片手で片方の乳首をつまみ、もう片方の乳首は舌で突っついてみる。
「───ッ!!」
カナちゃんの目が虚ろになる。感じ始めたんだ。
片方は乳首をつまむ力を加減してみたり、つまんだままぐりぐり回してみたりして、
もう片方は舐めたり、赤ちゃんの様に吸ってみたりする。
内田やチアキのとは違って、カナちゃんのおっぱいは大人の人のそれと同じで、先端部は円錐形だ。
先端が円錐形の場合、まだまだ成長する証しだという。これからも大きくなっていくのだろう。
カナちゃんは高校生になったら、やっぱりハルカちゃんみたいになるのだろうか。
しゅちゅ、くちゅ、ぴちゅ、んちゅ………………、
じゅるるるるるるるっ…………、っはぁ、
くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、──、
あまり使われて居なさそうな机から、置き時計の時を刻む音が聞こえる。
くちゅり。
再び私のアソコから、えっちな汁が出始めた。
ショーツを失ったアソコからはどんどんえっちな汁が出てきて、ベッドの掛け布団を汚していく。
「……んっ、……んっ、…………んっ、……んっ、………んっ、……………んっ」
「何してんだよ」
「!?」
カナちゃんが真顔で問いかけられて、私ははっとした。
私はカナちゃんのおっぱいを揉んだりつまんだりしながら、残った手の中指をアソコに入れていた。
「自分で入れてんじゃないよ」
と言いつつも、カナちゃんはそれを止めようとはしない。
「私もそうさせて……貰うから」
そう言って、カナちゃんはショーツの中に手を入れて、自分のアソコを刺激しはじめた。
「カナちゃんも、ちゃっかり感じてるみたいだね」
カナちゃんのショーツも、すっかり濡れていた。
561:夏奈高気圧接近中 6/10
08/06/15 23:14:20 SNDA9UXI
くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、………………、
「んっ……、んっ……、んっ……、んっ……、…………んんっ、んっ……、」
くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、…………、
「んっ……、んっ……、んっ……、んっ……、…………んんっ、んっ……、」
お互いに自分のアソコを刺激していく。
でも、私のは既に限界に達していた。散々カナちゃんに弄られた後だったので。
このままだと、カナちゃんよりも先にきもちよくなっちゃう。
「んはぁあああ!!」
ダメ、きもちよくなっちゃうよ!!!
がぶ。
「痛ァアアアアア!!!!!!」
どん!!
『きもちよく』なる直前で、私は突然カナちゃんに勢いよく突き飛ばされた。
コンクリートの壁に頭を打って、危うく気を失う所だった。
「いたたたたたたたた…………」
「痛いのはこっちだよ!! 噛むなよッ!!」
凄い剣幕で怒られた。カナちゃんは私がさっき声を上げた時に、思い切り乳首を噛んだと言う。
「ご、ごめん」
「もう怒った。こうしてやるっ!!」
言うやいなや、カナちゃんは私を強く押し倒す。本気で怒っているカナちゃんはめずらし……恐い!!
でも、悪いのは私だ。大事な所を噛んじゃったんだから。
カナちゃんは破けそうな勢いでショーツを引き脱がす。ずっと隠し続けていたアソコが外気に触れ、肌寒さを感じる。
「ふふん、随分生意気なオチョコじゃねーか」
何処のどの辺りが生意気なのか分からないけれども、
突き刺すように私を睨みながら笑うカナちゃんには、流石の私も訊こうとは思わなかった。
「こんなにパックリ開いてたら、まるで『今すぐ入れて下さい』と言ってるみたいじゃないか」
「そ、そんなにハッキリ言わないでよ!!」
「うるさい!!」
ずぷっ!!
「─────ぁあッッ!!!!!!!!!!」
今までに経験したことのない激しい痛みが、私を襲った。
くちゃ、くちゃ、くちゃ、くちゃ、くちゃ、くちゃ、くちゃ、くちゃ…………………、
激しい勢いで、カナちゃんの指が私のアソコの中を引っかき回す。
「いゃぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!」
それも、いきなり3本。
562:夏奈高気圧接近中 7/10
08/06/15 23:14:53 SNDA9UXI
くちゃ、くちゃ、くちゃ、くちゃ、くちゃ、くちゃ、くちゃ、くちゃ、くちゃ、
「あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、ぁあああああっ!!!!」
「良いこと教えてあげるよ。男のアレって、これより太いんだぜ?」
「あっ、あっ、あっ、あっ、お、男の、あっ、ひとの、あ、アレ、って、あっ、ぁああ!!」
男の人のアレとはアレのことだ。確かカナちゃん、『おかしなこと』この前したんだっけ?
「まだ喋る元気があるみたいだな」
くちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃ…………、
「あっあっあっあっあっあっ、ぁあああああああああああんんんんんッッッッ!!!!!!!」
だ、ダメ、ダメ、ダメ、も、もうダメ、もう、来ちゃうよ、来ちゃうよォ!!!!
「ぁああああああ、も、も、も、もう、だ、ダメぇぇぇぇええええ!!!!!!
…もち…く……ちゃう、……ち……なっちゃう、きもちよくなっちゃうよぉ!!!!」
「このままイけぇぇぇぇぇぇええええええええ!!!!!!!!」
「ひゃぁぁあああああああああああああああんんんんんんんんんんんッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!」
大きな津波が、身体の中を駆ける。私のアソコからは、おびただしい量のアレが溢れ出した。
その量は、自分でした時のよりもずっと多くて、身体から水分が抜けきったような感じ。
もう、身体の何処にも、力が入らない……………。
っはぁ、はぁ、はぁ、はぁ………、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、…………、
乱れた息を何とか押さえようと深呼吸しようとする。が、それが出来ない。
くるしい。
心臓がドクドクと激しい脈を打つ。今にも爆発しそう。
そんな悲惨な状況の中でも、私の中には『やり遂げた!』という達成感があった。
「カ、カナちゃん」
「どうだ参ったか」
「き、気持ちよかった」
「イった時の感想は聞いていない」
「いく?」
「お前が言う、『気持ちよくなった』時の事を『イく』って言うんだよ」
「ま、参りました~」
「ヨーシ、じゃあ、次、行こうか」
「え、ぇえ?!」
「ぇえ? じゃないよ。まだ私がイってないじゃないか」
「で、でも……………」
そんな体力、もう、無いよ………。
「何を甘えてる! 気合いが足りん!! 不合格にするぞ!!」
試験って、まだ続いてたんだ。
「今度は私が気持ちよくなりたいから、一緒に『する』ぞっ!!」
「一緒に……する?」
「そうだ。一緒にだ」
「ど、どうやって?」
「まずは、こうしてだなぁ……」
と言って、カナちゃんはベッドの上に座ったままショーツを完全に下ろした。
年相応に生えそろった『毛』が、大人を感じさせる。カナちゃんは女の子ではない。『女』だ。
カナちゃんのアソコは、毛を含めてびっしょりと濡れていた。
563:夏奈高気圧接近中 8/10
08/06/15 23:15:58 SNDA9UXI
カナちゃんは、私を寝かせたまま右脚だけを上げる。カナちゃんがその脚に絡みつく様に上に乗る。
身体と身体が密着して、アソコとアソコが密着した。
私のアソコがじんじんする。まだ収まりきっていない胸の鼓動が、少しずつ加速する。
「じゃあ、行くぞ」
カナちゃんが真顔でゴーサインを送る。
「う、うん」
拒否なんて、出来るわけがない。この体勢では逃げようにも逃げられない。
カナちゃんが、ゆっくりと、腰を動かす。
くちゅ。
「んんっ」
「んぁあっ!!」
私とカナちゃんのアソコとアソコが擦れる。私のえっちな汁とカナちゃんのえっちな汁で濡れているせいか、
くちゅ、といういやらしい音がした。
くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、
カナちゃんが腰を動かせば動かす程、私とカナちゃんの『とてもきもちよくなる所』が触れ合う。
どっちも固くなっているみたいで、擦れる度に当たっているのが良く分かる。
くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、
「ぁあああああん」
「ぁああ、ぁああ、ぁああ、」
くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、
腰の動きが少しずつ、少しずつ加速する。私を求めるように。カナちゃん、本当にきもちよくなりたいんだ。
くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、
「ぁあああああん、あんっ、あんっ、あんっ、あんっ、」
「あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、」
カナちゃんの出す声は、どことなく色っぽくて、大胆だ。
これがきもちよくなってる時の『女』なんだ。カナちゃんは、やっぱり女の子ではない。『女』だ。
くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、…………、
「あんっ、あんっ、あんっ、あんっ、あんっ、あんっ、あんっ、ぁああああんっ!!!!」
「あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、ぅぁああああっ!!!」
カナちゃんの腰の動きが加速する。が、突然、速度が落ちる。
くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ、…………、
「あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、ぁああんっ!」
あれ? 良く見ると、カナちゃんの動きが停まっている。
私は、何と、知らぬ間に自分でも腰を動かしていた。しかも、全然止まらない!!
身体が、私の身体が、私の身体がカナちゃんを求めてる!!
全然意識していなかった。
カナちゃんが、カナちゃんが好きだから?
そして、再びカナちゃんが動き始めた。今度は上下だけじゃなくて、左右にも動く。
複雑に擦れ合うアソコからは、ひっきりなしにいやらしい音が聞こえる。
564:夏奈高気圧接近中 9/10
08/06/15 23:16:22 SNDA9UXI
くちゅっくちゅっくちゅっくちゅっくちゅっくちゅっくちゅっくちゅっくちゅっくちゅっ
くちゅっくちゅっくちゅっくちゅっくちゅっくちゅっくちゅっ……………………………
いやらしい音が部屋中に響く。
「ぁあああん、ああんっ、あんっ、あんっ、あんっ、あんっ、」
「あっ、あっ、あっ、あっ、ご、ごめん、い、い、イきそう…………ぁああっ、」
「あんっ、あんっ、あんっ、あんっ、も、もう少し、が、が、我慢しろっ!」
「ふぁああああっ、あっ、あっ、あっ、ぅぁああああっ!!!」
さっき気持ちよく……イったばかりなのに、また津波が迫ってくる。
ダメ、ダメだよ私!! か、カナちゃんが、カナちゃんが、待ってるんだから!!
頑張れ、頑張れ私!! ま、まだ、き、気持ちよく……、い、イっちゃ、ダメぇぇええええ!!!!
くちゅっくちゅっくちゅっくちゅっくちゅっくちゅっくちゅっくちゅっくちゅっ………
「あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あ、あと少し、あと少しだッ!!」
「あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、う、うん、も、も少し、が、頑張るッ!!」
でも、でも、もうそろそろ限界………。
くちゅっくちゅっくちゅっくちゅっくちゅっくちゅっくちゅっくちゅっくちゅっ………
「じゃあ、行くよ、行くよ!!」
カナちゃんがラストスパートをかけることを宣言する。
私はそれに答える。
「う、うんっ!!」
すると、カナちゃんの動きが一気に速くなった。私はそれを相殺しない様に、横へ激しく動かす。
くちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃ…………
「あっあっあっあっあっあっあっあっあっイくっ、イくっ、イくっ、イっちゃう!!」
「あっあっあっあっあっあっあっあっあっあっあっ、わ、わ、わたしもっ!!」
くちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃ…………
「ぁああああああんっ、ぁあああああああああんっ、い、一緒に、一緒にイこう!!」
「くっぅうううん、くぅぅうううああああんっ、う、う、うん、うん、イこう、一緒にイこう!!」
くちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃくちゃ…………
2人のゴールが目前に迫る。私達は全力で身体を、腰を、動かす。
溢れんばかりのえっちな液が、更に更にいやらしい音を大きくしていく。
「イくっ、イくっ、イくぅ、イくぅ、イっちゃうぅぅ!!」
「あっあっあっあっあっあっあんっあんっあんっわ、私もぉぉおお!!!」
「「ふぅぁああああああああああああああああああっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!!!」」
565:夏奈高気圧接近中 10a/10
08/06/15 23:17:18 SNDA9UXI
その後からの記憶は一切無い。カナちゃんも同じだった。
どうやら私もカナちゃんも、気持ちよくなった……イった時と同時に失神してしまったようで、
そのままベッドの上に倒れてしまったようだった。
ベランダからは梅雨のオレンジの夕日が差し込む。
「そろそろハルカ達が帰ってくる」
「え?! じゃ、じゃあ、急がないとっ」
2人で気持ちよくなった後の余韻に浸っている場合ではなかった。
てか、意識が飛んじゃったので、浸れる余韻すら無い。
すぐさま撤収作業に入り、カナちゃんはびっしょり濡れた布団カバーを剥ぎ取って、洗濯機へ放り込んだ。
どうして買えたのかは知らないけれど、南家の洗濯機は乾燥も出来るドラム式。
布団カバー一式とネットに入れた下着を放り込んでスイッチを入れる。すぐに乾燥するから心配無いとのこと。
洗濯機を回している間、私はカナちゃんと一緒にお風呂場へ。
ここだと裸になってもちっとも恥ずかしく無い……無いハズだったんだけど、
『下』を見た途端、顔が赤くなってしまった。
カナちゃんも、少し赤い。
「カナちゃん、途中で色々あったけど、気持ちよかったよ」
「あ、うん。私も気持ちよかった。でも次は噛むなよ? 死ぬかと思ったんだぞ?」
「えへへ、今度から気をつけるね…………って、」
『次は』?!
「………ま、また、試験してやるから。こ、今度も、頑張れよ」
カナちゃんが言いたいことがすぐに分かった。成る程。そう言うことか。
「は、はい! お願いします、カナ師匠!!」
「分かればよろしい」
「うふ、うふふふふ!!」
「ふふっ、ふふふふ、ふはははは!!」
「「あはははははは、はははははは!!」」
何だかおかしくなってしまって、私もカナちゃんも、一緒に笑ってしまった。
たまには、こういう時も、いい………のかな?
とにかく、これが私の初めての『おかしなこと』だった。
566:夏奈高気圧接近中 10b/10
08/06/15 23:17:44 SNDA9UXI
「おい、カナ。じゃなかった、バカ野郎」
「何でそこで間違った方へ訂正するんだよ!」
「バカにバカと言って何が悪いんだ。このバカ野郎」
「だから何だよ! ハルカー、チアキが明日、ピーマンの肉詰めと人参飯食べたいってさ」
「2人ともやめなさい。お客さんも居るんだから」
「「………はーい」」
「えへへ。なんか、チアキの家って、いつも賑やかでいいね」
「ていうか、そもそもお前がここに居ることが不思議だ」
「そう言えば、最近よく来るようになったわね」
「すみません。カナちゃん……えっと、チアキが会いたくてしょうがないって言うから……うわっ?!」
チアキに頬っぺたを引っ張られる。
「お前に毎日夕飯を食べに来いとは言っていない。
ハルカ姉さまが良いって言ってるから別に構わんが」
「何だよチアキ。お前、最近私が吉野と一緒だから妬いてるのか?」
「う、うるさいっ。ただ、お前のバカが移らないかどうか不安なだけだっ」
「てへ。大丈夫だよ。チアキが居るから勉強の方は大丈夫だよ」
「勉強以外の方でバカになりそうだから、私は心配しているんだっ」
「チアキ、落ち着きなさい。カナもチアキをあんまり構わないの。
ほら、食べましょ? 折角持ってきてくれたんだから。今日は有り難う」
「いえ、お構いなく」
「でも、お前、いいのか? 家の人、寂しがってないのか?」
「うん、大丈夫。こっちで食べる時はちゃんとお手伝いさんに伝えてあるから」
「「「お、お手伝い?」」」
「うん」
「………は、ハルカ姉さま、何ですか? その、お手伝いさんとは?」
「えっとね、お家の中をお手伝いする人のことよ?」
「さっぱり意味が分かりません」
「くそう、このブルジョアめ」
「そういや吉野の家って何やってるんだっけ?」
「おい、バカ、それは私が訊こうとした質問だ」
「お父さんはどんなお仕事しているの?」
「えっと、その……………白い粉を作ってます」
しばしの沈黙。
「し、ししししししし白い粉って……………」
「ま、まさか、あ、アレの、こ、こと?」
「ハルカ姉さま、アレって何ですか?」
「チアキ、それはだなー。元気の出ない人が突然元気になるそれはそれ……ふごっ?!」
「カナ。変な風に教えないで?」
「あれ? みんなどうしちゃったの?」
567:夏奈高気圧接近中 by 久留里
08/06/15 23:19:32 SNDA9UXI
以上でございます。予告の時に使用レス数間違えた上、1レスオーバーしたorz
ご迷惑様でした。
小学生向けのブラってどういうのがあるのか気になったので、
某大手下着メーカのサイトで調べてみた。奥が深すぎワロタ。
568:おじさま
08/06/15 23:22:04 bXYO1koi
相変わらずいい仕事をしているね
569:名無しさん@ピンキー
08/06/15 23:38:29 sBwHgYmN
>>604
おじさま!
570:名無しさん@ピンキー
08/06/16 00:57:13 46UH1I2L
>>587
GJ!
ケイコ可愛いよケイコ。そして黒いよw
続き期待して待ってます
>>603
GJ!
吉野の総攻めになると思いきや、カナの攻めだったんですぬぇ。
白い粉を作ってる……って、小麦粉ですね。わかります
571:名無しさん@ピンキー
08/06/16 02:15:47 02nMCCCG
久留里さんGJ!!
攻められる吉野と攻める夏奈に激しく萌えた
さて、そろそろ男女がみたいわけだ。
高校生ぐらいになった千秋とマコトが見てみたいな。普通に付き合ってそうだし。
572:名無しさん@ピンキー
08/06/16 02:54:19 InWqHrH0
最近投下が多くてホクホクさせてもらってます。
本当にありがとうござ(ry
573:名無しさん@ピンキー
08/06/16 14:48:06 umbcX64b
ヒトミ再登場記念SSを希望と言ってみるテスト
574:名無しさん@ピンキー
08/06/16 15:19:03 7XQYGb2Y
高校生になったトウマが社会人になった藤岡と付き合う
…という電波が届いた
575:名無しさん@ピンキー
08/06/16 17:22:31 P+qXK5qO
てことは藤岡は良くて高卒だな、3学年差だし
576:名無しさん@ピンキー
08/06/16 22:01:15 1NcUn9Lq
個人的に、夏奈とアキラとのラヴラヴなHが見たいZE!
577:久留里
08/06/16 22:12:37 eWOd6Ka5
初めてのエロSSだったので、臨場感がイマイチorz
でも、みなさんおおきにです。
>>606下
小ネタ『よしの組』
******
この日、吉野は風邪をひいて学校を休んでいた。
学校で配られたプリントを届けにチアキと内田、それにマコトの3人は吉野の家へ向かっていた。
「おいマコト、本当にこの道で合ってるんだろうな?」
「うーん、番地はここだと思うんだけど」
3人が歩いていた一本道は、住宅街が途切れると車幅が一気に狭まった。
向かって右側は林、左側は大きな垣根が延々と続いている。
担任から貰った住所が書かれたメモを便りに周辺を探しているのだが、彼女の家とは中々見付からない。
「どこかで道、間違えたんじゃないの?」
「いや、ここで合ってるハズだ! この地区に行くにはここしか無いんだから」
「お前のは説得力が足りないから不安だ」
林が途切れたところで、内田が声を上げた。
「あ?!」
「い、いきなり叫ぶな。バカ野郎」
「ごめん。ほら、あれ、見て」
内田が指さす方へと、チアキとマコトが振り向く。
そこには沼津城の様な大きくて立派な門があり、左上には「吉野」という表札もあった。
………が、
「お、おい、こ、ここって………やばいんじゃないのか?」
「何処がどうやばいんだ。説明しろ」
「ほ、ほほほほ、ほら、チアキ、ドラマとかで良くあるじゃん」
「お前達の言っている事はさっぱり分からん」
この大きな屋敷には、大きな門はあるものの何故か門扉が無い。
つまり、門の向こうも見渡せる。
純和風の前庭の向こうには、どっしりとした純日本家屋があった。
脇のガレージには黒塗りの高級車がズラリと並ぶ。
3人が屋敷の入り口で呆然としていると、中から人が現れた。2人いる。
1人は坊主頭で派手な柄のシャツを着た、がっちりとした体格の男。
もう1人はパンチパーマでサングラスを掛け、金色のネックレスをした男だった。
「坊主達、何のご用でい?」
声を掛けられた3人は、驚いて姿勢を正す。
「み、南……」
「恐いよぉ」
「マコト、こういう時はお前の番だろ。何とかしろ、バカ野郎」
「何とかしろって、どうすりゃいいんだよ! オレ達、さらわれちゃうぞ、きっと」
「なっ…………」
ふと気が付くと、さっきの男達が3人の目の前に立っていた。
「その制服は………」
「ひょっとして、お嬢のご友人かい?」
578:久留里
08/06/16 22:13:09 eWOd6Ka5
(つづき)
***
「ははは、何だ、そういう事か」
内田が差し出されたジュースを飲みながら、からからと笑った。
「驚かせちゃってごめんね。あの人達、ウチのお手伝いさんなの。
見た目は恐そうだけど、とっても優しい人だよ」
パジャマに袢纏を羽織った吉野は、学校のプリントとノートを受け取りながら笑って返した。
「経緯はどうであれ、お前のお父さんは本当に社長さんだったのか」
チアキが納得した表情を見せる。
「な? 思ってた通りだろ? 吉野の家が恐いおじさんの家な訳が無いじゃないか!」
「真っ先に疑ったのはマコトくんでしょう?」
「そうだ。吉野に謝れ」
「大丈夫。よく間違われてるから。お父さん、ちょっと変わってるからね」
そう、彼女の父親は製粉工場の社長であり、
静岡県内のスーパーで売られている小麦粉などの粉製品は、その殆どが吉野製粉で作られている。
しかし、この家がしばしば「そのスジの家」と誤解されているのは、別の理由にある。
話すと長くなるので割愛するが、取り敢えず、
周りが思っているような事はしていないのでご安心して頂きたい。
「今日は来てくれて有り難う。明日はちゃんと学校行くね」
「う……うん。またね」
「おう、今度はあのバカを連れて来てやるよ」
バカとはチアキの下の姉であるカナの事だ。
「よーし、今度はオレがお詫びにプリンを持ってこよう!」
「ふふふ、楽しみにしているね」
***
「それでチアキ、私にお土産は無いのか?」
「無いに決まってるだろ。私は吉野にプリントを届けに行っただけだ」
「でも、誤解が解けて良かったわ。私もてっきり、あちらの方かと思っちゃって。
いつか謝らないとね」
「さて、そろそろ焼けて来たな~」
「じゃあ、頂きましょうか」
「「「いただきます」」」
fin.
579:名無しさん@ピンキー
08/06/16 22:28:40 tKUmJoqC
>>613-614
なんか某5才児が出てくる漫画にも似たような話があった気がする
何はともあれGJ
580:名無しさん@ピンキー
08/06/16 22:31:39 46UH1I2L
やっぱり小麦粉だったんですね。
そりゃもうオレは吉野の事1%も疑って無かったですよ、えぇ本当に。
GJ
581:名無しさん@ピンキー
08/06/16 23:29:43 q+JuPkBx
吉野の家がヤの頭文字の、主として暴力を生業とする商売のおうちだったなんて、
漏れはつゆほども思っていませんですたが、勘違いした香具師反省汁!
582:久留里
08/06/17 01:26:37 lE3FCSCI
>>617
ごめんなさい。
吉野「一番謎なのは、チアキの家だよね~。お金無かったらあんな大きなマンションに(ry」
583:名無しさん@ピンキー
08/06/17 19:39:21 0XpFHUVO
>>610
なんか想像して萌えた
しかしトウマ高校生だと千秋と藤岡を取り合いしそうだよな…
584:ぬしかさ
08/06/17 22:47:57 2Z6wukkw
ケイコSS考えてる時、小ネタ系をいくつか思いつきました
そのうちの一つが書き終わったので投下します
[誤解]
・たぶん微エロ
・ベースは原作第51話
・およそ3スレほど
585:ぬしかさ
08/06/17 22:56:26 2Z6wukkw
[誤解]
アキラ「はあ~、今回のテスト散々ですよ。特に国語が」
カナ 「ほー国語がか。何点だった?」
アキラ「62点です。漢字の書き間違いが多くて・・・」
カナ 「そうかそうか。ちなみに私は65点だ。どうだ、人間らしいだろう」
アキラ「なんだ、たった3点の差じゃないですか」
カナ 「なにを言うっ、一年生と二年生では1点の差は五倍あるんだぞ!」
アキラ「ええっ、じゃあ15点差ですか!キツイなー」
藤岡 (またあの男・・・南と活発な意見交換を!!)
(何を話しているんだ?この距離じゃよく聞こえない・・・)
アキラ「だいたいひらがなとカタカナがあれば十分なんですよ。それだけで人間生きていけるんですよ」
「難しい漢字をいちいち覚えていったって日常生活じゃそんなに使うことないでしょう?」
カナ 「いや、それなりに使ってるよ」
アキラ「あ、でも漢字じゃないと変な誤解を招くこともあるからな~」
カナ 「例えば?」
アキラ「例えばカタカナでですけど、100万個って言葉を・・・・・・」
藤岡 「・・・・・・カナ・・・・・・・・・まんこ・・・・・・を・・・。なっ、マンコ!!」
リコ 「っ!!」
(今藤岡君が『マンコ』って言った!藤岡君が『マンコ』って言ったのを聞いちゃった!!)
(きゃーーーっ、藤岡君のレア台詞!!)
ケイコ「リコ、なんかご機嫌だね。いいことでもあったの?」
藤岡 (あの男、南のマンコをどうするっていうんだ!!)
586:ぬしかさ
08/06/17 22:57:40 2Z6wukkw
カナ 「あー、いや待て。下ネタは言わなくて結構だよ」
アキラ「下ネタって、そんなことカナの前じゃ恐れ多くて言えませんよ」
カナ 「やれやれ、赤点ギリギリなのにちゃんと勉強せずにそんなこと考えてるお前に、一生彼女が出来ることなんてないぞ」
藤岡 (あ・・・いや・・・・・・ねた・・・・・・よ)
(・・・・・・そんな・・・かな・・・おそ・・・い・・・・・・)
(や・・・や・・・あか・・・・・・ちゃん・・・・・・・・・おまえ・・・でき・・・なんて・・・)
藤岡 (これはもしかして・・・)
『あっ、いやっ!お前なんかと寝たくないよ!!』
『へっへっへ、そんなカナちゃんだからこそ襲いたくなるぜ!』
『やだっ、やだぁ、赤ちゃん出来ちゃう!!お前の赤ちゃんが出来るのなんてやだよう!!』
/´〉,、 | ̄|rヘ
l、 ̄ ̄了〈_ノ<_/(^ーヵ L__」L/ ∧ /~7 /)
二コ ,| r三'_」 r--、 (/ /二~|/_/∠/
/__」 _,,,ニコ〈 〈〉 / ̄ 」 /^ヽ、 /〉
'´ (__,,,-ー'' ~~ ̄ ャー-、フ /´く//>
`ー-、__,| ''
アキラ(あれ番長さんが睨んでる?すごく睨んでる!!なんかゴゴゴゴゴって音がする!?)
ガタン ガタン ガタンッ
アキラ(まっすぐこっちに来る!!)
ガシッ
藤岡 「君の言葉、しっかりと俺の所まで届いたよ」
「つまり、宣戦布告ってことだね」
アキラ「ええ!?」
藤岡 「さあ、勝負をしようじゃないか」
アキラ「いやっ、そんなっ、オレは何も!?」
カナ 「勝負するのか?勝負するなら体育館の裏に空きがあるけど?」
藤岡 「さあ、体育館の裏に行こうじゃないか」
アキラ「いやっ、そんなっ、助けてーーーーー!!」
ケイコ「藤岡君が誰かを引きずって出て行ったけど?」
カナ 「しかしなんだ、番長とは勝負したがるものなんだな」
ケイコ「番長だから勝負したがるってのはどうだろう」
おしまい
587:名無しさん@ピンキー
08/06/17 23:27:53 0XpFHUVO
>>622
あるあr…ねーよw
588:おじさま
08/06/17 23:48:54 X/HBclex
やあ 書き手ちゃん
相変らず良い妄想をしているね
589:名無しさん@ピンキー
08/06/18 00:06:43 iFvxf23u
これは何というアホGJww
リコのセリフに思わず吹いたwww
ケイコSSも期待して待ってるよ
590:名無しさん@ピンキー
08/06/18 00:43:46 V60UUv5+
GJなんだが、アキラはカナのこと「カナさん」って呼んでた気がする
591:名無しさん@ピンキー
08/06/18 02:41:56 tcpICze+
>575
>続きを書いている途中で
>「吉野が藤岡に片思いする」という電波を受信してしまった。
>漏れの藤カナ設定をどうしてくれる。
次はこれが来ると思って裸で待機してたのに!
592:名無しさん@ピンキー
08/06/18 18:00:46 YdpDRo5F
保管庫管理人は更新する気が無いなら素直にそういえよ屑
593:名無しさん@ピンキー
08/06/18 18:08:20 YdpDRo5F
>現在管理人が多忙につき保管作業を行う時間がない。
>一応スレのログは定期的に取っているので、まとまった時間が取れ次第再開する。
しかもなんでこいつこんなに偉そうなの?ろくに仕事もしないくせに管理人名乗ってんじゃねーよカス
こういうゴミはwiki管理人降板したほうがいい。スレ住人もそれを望んでいる。こいつ管理人の才能ゼロだな
594:名無しさん@ピンキー
08/06/18 18:14:40 3dC/yUN5
YOUアカウント取得して編集しちゃいなよ
ってか勝手にスレの総意にすんな
595:名無しさん@ピンキー
08/06/18 19:42:41 sOv69mkK
何やってんだ鉄アレイ。
596:名無しさん@ピンキー
08/06/18 20:36:37 WaGAavIh
鉄アレイって何?
新参者だからよくわかんない
597:名無しさん@ピンキー
08/06/18 20:49:25 9sDXPSkX
>>628
安心しろ
お前は人間の屑だから
598:久留里
08/06/18 21:37:40 PaoC4hC6
>>627
シコって……いや仕込んでるから待ってて。
この野郎氏の「メルト」を保管庫で読んだのだが、
チアキが可愛すぎて糖尿病になりかけたぞこの野郎。
よーし、小学生らしく甘~い展開で行くとしよう。
吉野が恋をしたっていいじゃない。
599:名無しさん@ピンキー
08/06/18 22:12:35 YdpDRo5F
>>633
俺だけかな。いつも思うんだけどこの人の日本語ってなんか不自由だよね
脈絡がないっていうか、意味が通じないというか。俺がいえたことじゃないですがね
600:名無しさん@ピンキー
08/06/18 22:29:42 PaoC4hC6
コウジ「お子さまの喧嘩は放っておいて……」
ツバサ「……大人の僕らはさっさと着替えますか」
夏奈「待てー、お菓子返せー!!」
601:名無しさん@ピンキー
08/06/18 23:33:28 iFvxf23u
>>634
コレはwktkせざる得ないww
602:名無しさん@ピンキー
08/06/18 23:38:42 sK5hBuoY
ハルマコまだぁ?
603:名無しさん@ピンキー
08/06/20 03:09:17 FeNJ/LfE
ここにきて思ったこと(気付いたこと)
内田は潮吹き体質。
それはもう激しい。
604:名無しさん@ピンキー
08/06/20 19:35:26 V2G9C19m
明日から休みだから吉野SS書くよ
605:「迷惑だよこの野郎!!」 ガチャッ カナ 「ただいまー」 カナが帰ってきた。 カナ 「どうしたチアキ?いつも以上に不機嫌そうだけど」 チアキ「うるさいよ!それよりさっさとおやつ出せよ!」 カナ 「わかったよわかったよ。ほら、おやつだぞー」 カナは買い物袋から大きめな箱を取り出した。 トウマ「なんだこれ?」 カナ 「ケーキ。1ホール丸々一個」 内田 「ええっ、そんなに!」 カナ 「ケーキが大安売りだったんだよ」 箱からホイップクリームたっぷりのケーキを取り出す。
606:ぬしかさ
08/06/21 03:03:52 lG6i7vLm
カナ 「じゃあ切り分けるぞー」
トウマ「オレとカナとチアキと内田と吉野で五等分だろ。切るの難しくないか?」
カナ 「いいよ四等分で。私はいらないから」
チアキ「めずらしいな、変な物でも口にしたか?」
カナ 「私はもう食べたから。シュークリーム五個」
内田 「五個!」
カナ 「シュークリームも大安売りだったんだよ」
綺麗に四等分に切り分け、それぞれの皿へと運ぶ。
内田 「一人四分の一って結構多いね」
チアキ「あれ、炭酸がないぞ」
カナ 「炭酸なら冷蔵庫にあるよ」
チアキ「取ってこいよ」
カナ 「やだよ。シュークリーム五個で腹が重いんだもん」
チアキ「やれやれ・・・」
チアキが炭酸を取りに台所へ行った。
「カァ」
チアキの姿が見えなくなった途端、さっきまでじっとしていたカラスが動き出した。
カナ 「おお、なんだ?カラス?」
トウマ「そいつ吉野なんだってさ」
カナ 「吉野?・・・ああ、そういう遊びか」
ヒョコヒョコッ バサッ
カラスは食卓に飛び乗った。
カナ 「なかなか礼儀正しいやつじゃないか」
トウマ「そうか?」
「カァッ」
ガツッ ガツッ
食卓に上ったカラスは、そばにあったケーキをついばみ始めた。
カナ 「こいつケーキも食べるのか。贅沢なやつだな」
内田 「っていうよりそれ、チアキの分じゃ・・・」
チアキ「あーーーーーーー!!」
炭酸を取って戻ったチアキが叫ぶ。
「ガァッ」
バサバサッ バサッ バサッ
チアキの声に驚いたのか、カラスはベランダの開いた窓から大空へと飛び去っていった。
607:ぬしかさ
08/06/21 03:04:44 lG6i7vLm
チアキ「待てっ、吉野ーーーーー!!」
急いで後を追うも、相手は空の彼方。
内田 「ケーキ、ほとんど全部食べられちゃったね」
チアキ「うわーーーーーん!」
ガチャッ
吉野 「おじゃましまーす」
チアキが泣き叫んでいたとき、吉野がやってきた。
吉野 「あれ、チアキどうしたの?」
カナ 「実はな・・・」
かくかくしかじか
吉野 「そうなんだ。じゃあ私の分のケーキをあげるよ」
チアキ「・・・・・・ありがとう」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
チアキ「ていうかお前が盗ったんだろ!」
吉野 「なんで?」
チアキ「口元に白いのが付いてるんだよ!」
吉野 「え?あ、ホントだ」
吉野は口元のクリームを拭って恥ずかしそうに笑った。
吉野 「実は用事っていうのがお母さんに頼まれたお買い物だったんだ」
「それでお買い物済ませて戻ったらおやつのケーキが用意してあってさ。家でおやつ済ませちゃったんだ」
チアキ「それで口元にクリームが付いてたのか」
吉野 「うん」
チアキ「じゃあなんで私の髪を突いていじめようとしたんだ?」
吉野 「いじめる?そんな、私チアキをいじめたりしないよ」
「だってチアキのこと大好きなんだもん」
チアキ「その言葉、どこまでが本当なんだ・・・」
吉野 「信じられないかな?」
チアキ「・・・いや、もういい。全部水に流そう。さっさと宿題を終わらせるぞ」
吉野 「そうだね」
こうして平凡な日常に起こった事件は、静かに幕を閉じたのだった。
内田 「でもなんであのカラス、チアキだけいじめたんだろ?」
カナ 「あれだろ。ついつい好きな子にはちょっかいを出しちゃうっていうあれ」
トウマ「まっさかー」
おしまい
608:名無しさん@ピンキー
08/06/21 06:29:34 WREALlnS
乙J!
でも、部屋にカラスを入れるのは危険過ぎるww
千秋のホイップがむしり取られなくて安心したw
609:名無しさん@ピンキー
08/06/21 11:17:57 2UMUrb0s
吉野SSまだぁ?
610:名無しさん@ピンキー
08/06/21 12:28:56 TH2SpwGs
超GJ!
吉チアいいよ吉チア
611:名無しさん@ピンキー
08/06/21 15:29:52 SKa/nuJN
アニメ見て藤岡嫌いになった……演技って大事だな
612:名無しさん@ピンキー
08/06/21 16:22:18 O7yYg7mF
それはアンチスレで言えよ
613:名無しさん@ピンキー
08/06/21 21:41:00 oBWLt1xy
藤岡いいとおもったけど??
もれはだれかっていうとアキラが最初違和感あったけど
614:名無しさん@ピンキー
08/06/21 21:48:07 CYdux6RL
チアキが可愛い。それだけで満足です。はい
615:久留里
08/06/22 01:22:03 C7M7mPF+
おばんです。メルトの影響を受けたので、無駄に長編になってしまいそうです。
『ライラック 第一幕』
・アニメ無印版ベース
・吉野×藤岡、吉野視点
・エロなし
・多分 5 レスほど使用。
・沼津のかほりがするのは、多分気のせいです。
・このSSはみなみけの(ry 間違っても過度な期待はしないで下さい。
・あと、受け付けられない人は新幹線にでも乗ってスルーしやがって下さい。
******
0.
北海道から持ってきたというライラック花が、ウチの庭で咲き乱れている。
うす紫色の花は、とても可愛らしい。
花言葉は『初恋』。
私の中にも、いつかそのうち芽生えるのだろうか。
616:ライラック 1. -1/4-
08/06/22 01:23:08 C7M7mPF+
1.
「王子様は絶対に居るって!!」
「それは外国での話だろ?」
「違う! そっちの王子様じゃないの! 王子様はね、絶対居るんだから!
王子様はいつか白馬に乗って、私の家までお迎えに来てくれるの。
それで、お城の舞踏会に連れて行ってくれるんだよ」
「分かった分かった。沼津城にでも行けばいるんじゃねーの?」
「何よ! チアキだってサンタ信じてるじゃん!」
「実際に居るんだから信じるしか無いだろ」
「だったら私にも信じる自由を!」
「いいか、内田。外国に行けば王子はいくらでもいるが、『王子様』は絵本の中での話だ」
昼休み。チアキと内田が教壇の前で激しく言い合う。
パッと見だと口げんかにも見えるけど、これは一種の漫才のようなもので、5年2組の『日常』だ。
だから、私も他のクラスメイトも2人を止めようとはしない。
もし、本当に喧嘩になりかけたら、私が止めてあげればいい。
因みに、沼津城は明治時代に無くなって、今は中央公園になっている。
「チアキの言ってるサンタって、藤岡くんのことじゃん!」
藤岡くん?
私はその単語に思わず反応した。
「何度言えば分かるんだ。藤岡とサンタはイコールだ」
「違うよ! 藤岡くんはサンタじゃないよ! チアキのためにサンタに変装したんだよ!」
何か、いつの間にか話題が変わっている様な気が……。まぁいいや。見ていて面白いから。
藤岡くんは、チアキの2番目のお姉さん─カナちゃん─のクラスメイトで、
しょっちゅうチアキの家にお邪魔しているらしい。
617:ライラック 1. -2/4-
08/06/22 01:23:33 C7M7mPF+
「ん? どうした吉野」
「えっ?!」
チアキに声を掛けられて、私はハッとした。
いつの間にかサンタの話は終わっていて、2人はどうやらぼーっとしていたらしい私を不思議そうに見つめている。
私を見たって良いこと無いよ?
「何だ? お前も藤岡が気になるのか?」
「うーん……」
ちょっとだけ。
「何々? もしかして、藤岡くんのこと、好きなの?」
「ち、違うよ! どうしてそうなるの!?」
内田にからかわれるとは思わなかった。
「えー、だって私とチアキが藤岡サンタの話をしてる時、ぼーっとしてたじゃん」
あ、本当にぼーっとしてたんだ。私らしくないや。
てか、2人の会話はサンタの話で終わったのかと思ったよ。知らない間に藤岡くんの話もしてたんだ。
「言っておくけど、藤岡くん、競争率高いらしいよ? 中学校だと女の子に人気があるみたいだし、
それに、チアキも気に入ってるみたいだし」
「なっ、そ、それは違う! お前と一緒にするな!!」
「じゃあ、内田こそどう思ってるの? 藤岡くんのこと」
「もっちろん、素敵な王子様に決まってるじゃない」
「いいや、藤岡はサンタだ。そんなに王子が好きなら製紙工場にでも行けば良い」
………あ、近所にある王子製紙の工場のことか。
というか、2人の会話がまたややこしくなってきた。
「王子様なの!!」
「サンタだ!!」
「王子様!!」
「サンタだ!!」
「「ぬぅ~~~~っ!!」」
2人が教壇を挟んで向かい合い、火花を散らす。マズい。そろそろ止めないと。
てか、どうして私は巻き込まれたんだろうか。
「と、取り敢えず、私は藤岡くんは王子様じゃないと思ってるよ。藤岡くんは藤岡くんだよ」
「サンタかどうかについてはどうなんだ?」
これも答えないといけない、か。
「チアキがサンタさんだって言うから、多分サンタさんだよ」
「なっ、ひ、ひっどーい!! 何でチアキの肩を持つ訳?」
「吉野はお前のバカさ加減に呆れてるだけだ。諦めろ。バカ野郎」
そ、そこまで思ってないよ……。
「もういいもん! 王子様は居るんだもん! 藤岡くんは王子様なんだもん」
内田は何故か泣きながら、さっさと教室を出て行ってしまった。
いつもの事だから、私もチアキも気にしない。5分もすれば元に戻るからだ。
内田をいじるのは結構楽しい。
618:ライラック 1. -3/4-
08/06/22 01:24:17 C7M7mPF+
「じゃあね」
「うん、また明日」
本当にわずか5分で立ち直った内田と別れた私は、市街地を北に進んでコクイチ(国道1号線)のバイパスを渡る。
私の家は住宅街の外れにある、地元では「地主階級」と呼ばれる人が住む地区にあって、結構歩く。
うーん、沼津駅からチアキの家に行くくらいはあるかなぁ。
結構歩くけど、今は体力も付いて来たので、この長い道のりもそれほど苦にはならない。
市道に入ってマルトモの前を通りがかった時だった。
「あれ、おかしいな………」
詰め襟を着た男子中学生っぽい人が、下を向きながらスーパーのまわりをぐるぐると歩き回っている。
何か探し物をしているようだ。
──はて、この人、何処かで見覚えのある様な。
「何か、お探しですか?」
「あ、うん。財布を落としちゃったみたいでね。それを探しているん──ああっ!!」
目が合って、彼が誰なのかがすぐに思い出せた。そう、彼は藤岡くんだった。
藤岡くんが何でこんな所に居るのか知らないけれども、
取り敢えず、彼が探しているとおぼしきモノが目に入った私は、それを指摘してみる。
「………で、そのお尻のポケットに入っているのは、何ですか?」
藤岡くんは「えっ?」と言いながらズボンのお尻のポケットに手を延ばす。
それに手が触れると、彼はそれを取り出した。
「ああ、本当だ。有り難う。えっと…………」
「吉野です。あの、チアキの友達の…」
「ああ、やっぱりそうだ。吉野…さん、でいいかな?」
「うん」
私の下の名前は覚えづらいからね。チアキに名前を忘れられた内田の二の舞にはなりたくない。
619:ライラック 1. -4/4-
08/06/22 01:25:07 C7M7mPF+
「本当に有り難う。助かったよ。こっちの方面だったんだね」
「藤岡くんもこっちだったんだね。あれ? でも、そしたら学校は門(かど)中じゃないの?」
門中とは、沼津市立門池中学校のことだ。
「あはは、おれ、学区外通学なんだ。小学校は門(かど)小だけど。色々あってね」
その『色々』で何があったかとても気になるけれども、詮索するのはやめておこう。
知っても幸せにはなれなさそうだから。
「へぇ。私がもし門池小だったら、私は藤岡くんの後輩だったんだね」
「あ、ま、まぁ、そういうことになるね」
狭い県道を歩いていくと、国道とぶつかる交差点に出る。
「じゃあ、私はここで」
「うん、気をつけてね」
彼に手を振られて、私は歩道橋の階段を上がる。
上がり掛けたところで、私は藤岡くんに呼び止められた。
「あ、待って」
「?」
「こんど、お礼させて」
「え、別にいいよ。大したことしてないし」
本当に大したことしてないし……。
「ううん。おれに何かさせてくれないかな?」
「うーん…。じゃあ、次会った時に考えさせて」
「分かった」
彼にそう答えると、彼は笑顔で手を振った。
よく考えると、彼もずいぶんと遠距離通学だ。
中学だと自転車が使えるらしいけど、使わないのかな?
…………あれ??
「次会った、時?」
私は確かに、彼にそう言った。
無意識のうちに、そう言ってしまった。
何故だろう。何故なんだろうか。
「ああ、そうか」
私は多分、どこかで偶然会うだろうと思っているんだ。多分そうなんだ。きっとそうなんだ。
「さって、お父さんが心配するから帰ろっと」
私はやや早歩きで歩道橋の階段を下り、住宅街の外れの道へと進んだ。
***
ライラックの芽が、いつの間にか私の中に植えられていた。
この事に気付いたのは、ずっと、ずっと後の事だ。
620:ライラック 1. by久留里
08/06/22 01:27:07 C7M7mPF+
以上です。
まだまだ始まったばかりなので、何が一体どうなるのかさっぱり分かりませんねぇ。
続きはまたこんど。でも、過度な期待はしないで下さい。
621:名無しさん@ピンキー
08/06/22 02:40:06 kTvOgWqs
GJ!
ライラックと聞くと弟切草を思い出す
622:名無しさん@ピンキー
08/06/22 13:03:40 UW4tTK44
最近またゴミ職人が増えたね。この野郎氏の作品投下されるまでの繋ぎとして一応読んでやってるけど
ゴミ職人と言えばぶち切れ氏最近見かけないね。身の程をわきまえたのかな?
623:名無しさん@ピンキー
08/06/22 13:17:27 sa8GuVmu
>>661
GJ!続き投下されるまで半裸で待機してる
624:名無しさん@ピンキー
08/06/22 14:25:08 raNZnqDX
>>661
吉野の話なのに内田が気になって仕方無かったwww
続きwktkしながら待ってる
625:名無しさん@ピンキー
08/06/22 21:12:28 R/LQpaim
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626:名無しさん@ピンキー
08/06/22 21:37:53 R/LQpaim
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627:名無しさん@ピンキー
08/06/23 16:46:34 afUhp/yE
吉野続きまだぁー?
628:久留里
08/06/23 23:11:51 E/u8Lsvh
おばんです。吉野が毎晩夢に出てきて萌え死にそうなので、続きを投下します。
『ライラック 2.』
・アニメ無印版基準(but シリアス展開)
・吉野×藤岡、吉野視点
・エロなし
・多分 6 レスほど使用。
・現実の沼津市立大岡中学校とは一切関係ありません。
・このSSはみなみけの(ry 間違っても過度な期待はしないで下さい。
・あと、受け付けられない人は新幹線にでも乗ってスルーしやがって下さい。
629:ライラック 2. -1/6-
08/06/23 23:12:53 E/u8Lsvh
2.
それからというものの、私は何となくだけど、藤岡くんの事が気になるようになった。
本当に何となくで、別に好きとか嫌いとかいう考えは無いし、
そもそも『そういう意味での好き』は、まだ私には分からない。
例えば、マコトくんやシュウイチくんは確かに好きだけど、多分、『そういう意味での好き』とは違うと思う。
ただ、マコトくんやシュウイチくんのとは違い、藤岡くんは私の中でちょっと気になる…程度だった。
4月も終わりに差し掛かる。
あの一件以来、私は藤岡くんとはめっきり会わなくなった。
チアキの話によると、藤岡くんはサッカー部に入っていて、朝早く出て、夕方遅くに帰る生活をしているという。
学校から家までの距離を考えれば、朝は私よりもずっと早く出ているだろうし、
夕方は私が家に帰ったずっと後に帰宅しているのだろう。
それにしても………。
「どうしてチアキが藤岡くんのこと、知ってるの?」
ずっと気になっていたことを、訊いてみる。
「ああ、あいつたまに来るんだよ。去年の秋くらいかな?
カナが果たし状を受け取って以来、何故かうちによく来るようになった」
「果たし状?」
「ああ。ラブレターに見せかけてカナに決闘を申し込んだんだ」
ラブレター? 申し込んだ?
私の中では次々と「?」マークが浮かび上がる。
「女に不自由しない藤岡のことだ。あんなバカに用があるとしたらあいつを黙らせるくらいしか考えられない」
藤岡くん、やっぱりモテるんだ。確かにモテそうな感じがするよね。
「──という訳で、藤岡がたまにうちに来るようになった」
「へぇ~」
藤岡くんはちょっと複雑な経緯でカナちゃんと友達になったんだ。
いいなぁ。
「ん? 何か言ったか?」
チアキがいつも以上に顔をしかめて私に訊く。
「ううん、何でもない」
ほんと、何でもないよ。
630:ライラック 2. -2/6-
08/06/23 23:13:16 E/u8Lsvh
土曜日の放課後──。
「じゃなー、内田」
「明日、一緒に遊ぼうね」
「うん、2人とも、じゃあね」
内田と別れた私は、チアキと一緒に自由ケ丘団地を通り抜ける。
「本当に大丈夫なの?」
「ああ。カナの話だと、サッカー部は土曜日は昼までしか練習しないらしい」
藤岡くんやカナちゃんが通う中学校は市立(いちりつ)なので、土曜日は授業がない。
でも、その代わり部活動の練習があるので、一部の生徒は土日も学校に行くという。
「まぁ、お前がどうして藤岡に会いたいのかは知らんが、悪い奴じゃないからそんなに緊張するな。
ほら、着いたぞ」
チアキがそう言って指さしたのは、大岡中学校の校門。
グラウンドではちょうど、サッカー部が練習を終えたところらしかった。
チアキはハルカちゃんと買い物に行くからと言って、先に帰ることになった。
「じゃなー」
チアキは手を振ってその場を後にした。が、少し離れてから思い出したように私に振り返る。
「あ、カナには気をつけろよ?
あいつ、お前のことを知ったら、また妙なことをやらかすに違いないから」
『悪気は無いんだけど』と付け加えて、チアキは私に忠告した。
どうしてチアキはこうも、カナちゃんのことを警戒するのだろうか。
「カナちゃんのこと、そんなに嫌いなの?」
「い、いや、違う。あいつは本当にしょうもないバカだから、周りに迷惑掛けないか心配なんだ。
お前のことだから大丈夫だろうけど、一応、な」
「う、うん。分かった」
そして、改めてチアキは手を振り、帰途に就いた。
私がほっと一息つくと、後から突然声がした。
「誰がしょうもないバカだって?」
振り向くと、何とそこにはカナちゃんが居た。私服姿なので、おそらく学校には用は無いのだろう。
「か、カナちゃん、どうしたの?」
突然だったので、私は驚きの表情のままカナちゃんに尋ねてしまった。
「どうもこうもないよ。私はただ、コンビニで買い物をしていただけだよ」
そう言って、手に提げたビニール袋をガシャガシャと振る。
中には特大サイズのプリンが3個入っていた。みなみけのみんなは本当にプリンが大好きだ。
「チアキのやつ、またバカって言ったな。
吉野、安心しな。私は吉野と藤岡の仲を邪魔するつもりはない。むしろ応援してやるぞ。
泥船に乗ったつもりでいておくれ」
「泥船じゃ尚更心配だよ」
それに、私が藤岡くんと2人っきりで会ったのはあの時だけだし。
「ヨーシ。チアキは罰としてプリン没収の刑だ。吉野、ほれ。食べな」
「え? 悪いよ…。チアキ、多分スネちゃうよ?」
「いいよいいよ。私にバカと言ったのが悪いんだから。ほれ、持ってけ」
そう言って、袋から取り出したプリンとスプーンを半ば強引に突きだした。
私はどう答えていいか分からないまま、言われるがままにプリンを受け取る。
ホント、カナちゃんには敵わないよ。
「じゃ、そゆことで。あ、そうだ」
帰ろうとしたカナちゃんは、もう一度私に向き直る。
「藤岡は普段は間抜けな顔してるけど、仮にも番長だからな? 蹴られないように気をつけろよ?」
「カナちゃんじゃないから大丈夫だよ」
「そっか。それもそうだな…………ん? 何か吉野に非道いこと言われたような……」
「気のせいだよ。ほら、早く帰らないとプリン溶けちゃうよ?」
「お、それもそうだな。うん。じゃなー」
「じゃあね」
手を振ってカナちゃんを見送る。カナちゃんは手を少しだけ振って、鼻歌を歌いながら去ってしまった。
631:ライラック 2. -3/6-
08/06/23 23:13:41 E/u8Lsvh
その直後だった。
「あれ? どうしたの?」
カナちゃんが線路の向こうへと消えたのと同時に、藤岡くんが姿を現した。
今日は授業が無いからだろう。藤岡くんはジャージ姿にスポーツバッグを肩から掛けていた。
今の今まで練習に励んでいたのだろう。ちょっと汗臭い。
「ちょ、ちょっと、カナちゃんと話してたから……」
ここに来た理由を素直に話せないまま、中途半端な言い訳を藤岡くんにする。
「南が? 休みの日にここを通るなんて、珍しいね」
「え?! そうなの?」
「うん。南が外に出る時は買い物に行く時か、友達の家に行く時くらいで、
普段はあっちの線路沿いを歩いて沼津まで行っちゃうんだよ」
そう言って、藤岡くんは御殿場線の単線のレールを指さす。ちょうど、2両編成の御殿場方面行き列車が通過した。
「それで、吉野さんはどうしてここに?」
「あ、あの……実は……」
藤岡くんが気になるあまりに、チアキに無理言って中学校まで案内してもらったなんて、言おうにも言えなかった。
「あ、言いにくかったら別にいいよ」
そう言って、藤岡くんは私に笑顔で言った。
632:ライラック 2. -4/6-
08/06/23 23:14:14 E/u8Lsvh
「あはは、そういうことだったんだ」
私はやっとの思いで、私が中学校まで行った理由(わけ)を話した。
「おれもいつかお礼をしようと思っててね」
「あ、べ、別にいいよ。うん、大丈夫だから」
お礼のこと、覚えてたんだね。
「それにしても、私立は土曜日も授業かぁ。おれだったら土曜日は授業があってもサッカーをしてたかもね」
昔は市立も土曜日は授業があったらしい。それが、会社みたいに土日が休みになったそうだ。
「授業があるって言っても第二と第四はお休みだよ。それに、授業があるって言っても3時間だけだし、
3時間目は学活(学級活動)の時間だから、大したことはやらないよ」
「そっか」
それから藤岡くんは、小学校時代の話をしてくれた。
話を聞いていると、同じ小学校でも私立と市立はずいぶんと違うものなんだな、と感じた。
藤岡くんのイメージだと、私が通ってる学校は何だか窮屈なイメージがあるのだという。
「でも、吉野さんのこと見てると、そうでもなさそうだね」
「なんで?」
「何か、楽しそうだから」
「うん、楽しいよ」
「何だ。おれも私立に行けば良かったなぁ。
まぁ、うちは貧乏だから行くお金なんて無いし、そもそもおれがバカだから、受験しても落ちただろうね」
藤岡くんは半ば自虐的に言いながら、笑った。
「藤岡くんは、バカじゃないよ」
「どうして?」
わざと意地悪く訊かれる。
「うーん、根拠は無いけど……、藤岡くんは優しいし、しっかりしているから、それと……」
「それと?」
「えー……っと………」
「?」
藤岡くんはその場で立ち止まり、しゃがんで私に目線を合わせる。
興味深そうに私を見つめて、そして、頬笑む。
何か、恥ずかしくなって来ちゃった。胸も少しだけドキドキし始めた。
「有り難う」
「へ?」
少しだけ気まずい空気が流れた後、何故か私は彼にお礼を言われた。
間抜けな声でそれに答えた私は、恥ずかしさのあまり、思わず下を向く。
「そう言われると嬉しいよ。あと、自分で言うのもなんだけれど、サッカーだけは唯一取り柄があると思うんだ。
あまり上手じゃないけれど、もっと練習してみんなと一緒に県大会まで出場したいね」
「そっか。うん。私、応援するね」
「うん、有り難う」
話が途中で変わってしまったけれども、何とか上手くやれた。うん。私、頑張った。
633:ライラック 2. -5/6-
08/06/23 23:15:54 E/u8Lsvh
途中、コンビニに寄ってアイスを奢って貰った。
私と藤岡くんは、ソフトクリームを食べながら2人で新幹線の下をくぐる。
猛スピードで風を切り裂く新幹線は、両方向からひっきりなしにやってくる。
ヒュンヒュンヒュンヒュンという鋭い音が住宅街に響き渡る。その音は、私の家の中に居てもよく聞こえる。
「そう言えば、お礼のこと……」
「だから気にしなくていいよ」
藤岡くん、律儀で嬉しいんだけど意外としつこいかも知れない。
「じゃあ、こうしよう。お願い! おれにお礼をさせて下さい!」
ぱんっ、と手を合わせて私の前で頭を下げる。
下げられた私は呆気にとられて目を丸くする。
「そ、そこまで言うなら………」
「君がしたいこと、行きたいとこ、何でもいいよ。何なりと申してください」
絵本の召使いの様にわざとらしく手を前に添え、深々と頭を下げる。
ちょっとおかしくて、笑ってしまった。
「え、おれ、そんなにヘンだったかなぁ」
頭を掻きながら苦笑い。藤岡くんはよく笑う人なんだなぁ。
「うん、ヘンだった」
からかうつもりで、ストレートに答えてあげた。
すると、藤岡くんは「そっか」と言ってまた笑う。笑顔が絶えない人だ。
私が一番好きなタイプの人かも知れない。
634:ライラック 2. -6/6-
08/06/23 23:16:42 E/u8Lsvh
そうだ、藤岡くんの『お礼』、何にしようかな?
「うーん、だったら………」
少しだけ考えること数分。ちょっとだけ無理を言ってみる。
「魚が見たいなぁ」
当然、魚市場の方ではない。
「魚かぁ。うーん…………」
西伊豆にある、あの大きな水族館に行きたいな。
「ちょっと、遠いかな」
藤岡くんは、ややためらいがちに断った。
「藤岡くんの方だよ? 何でも願いを叶えるって言ったのは」
「うーん、おれたち、直接接点がある訳じゃないし、まだ会ったばかりだから、ちょっと……」
藤岡くんの様子を見るに、直接の関わりがない私と一緒に、
少し離れた水族館まで行くのは何かと気まずいらしい。
うーん、確かに。私と藤岡くんは、チアキとカナちゃんが居なければまず顔を合わせなかっただろうし、
いきなり遠い所へ行くのは、やはり気が引けるのかも知れない。
うん、そうだよね。歳が離れている上に、私はまだ小学生。だから、やっぱり難しいんだよね。
「うーん、それじゃあ千本浜公園に行きたいな」
千本浜公園とは、沼津駅から1kmほど離れた所にある砂浜に面した公園だ。
海水浴場もあるので、夏は毎年、内田やチアキ達と一緒に行くこともある。
「うん。それだったらいいよ」
「じゃあ、何時にしようか?」
「連休の最初の土曜日──つまり、来週の土曜なら空いてるよ。一緒に行こう」
「分かった。約束だよ」
こうして、私は藤岡くんの『お礼』をされることになった。
でも、これって、よく考えると……………、……………!!!
「で、で、デート??!!」
ぽっと、顔が赤くなったような気がした。
「ど、どうしたの? 顔、赤いよ?」
「え? う、うん……えっと、その……うん、な、ななな何でも無いよ? うん、何でもない!!」
私は必死に平静を装おうとした。でも、何かドキドキしてしまって仕方がない。
違うの! 私は藤岡くんのこと、そんな風には思ってないの! うん、そうだよ!
この時、何でこんなに必死だったのかは分からない。でも、何か、ドキドキしてしまった。
「じゃ、じゃあ、ま、ま、ま、また今度、また今度ねっ! バイバイ!!」
私はダッシュで歩道橋を渡り、住宅街を外れる一本道へと走って行った。
藤岡くんは、こんな私を見て、どんな風に思ったのだろうか。
ライラックの芽が顔を覗かせた。
芽は瞬く間に成長したけど、私はそれには全く気が付かなかった。
635:ライラック 2. by 久留里
08/06/23 23:18:59 E/u8Lsvh
以上です。
何やら少女漫画的展開でデートフラグが立った模様です。
次回はただでさえ可愛い吉野が更に可愛くなる予定ですが、
その前に今度の土曜日にリアルで沼津行ってきますノシ
自転車持って行こうかな?
636:名無しさん@ピンキー
08/06/23 23:19:28 QDxjD9iU
いいね。
SSで白い吉野って珍しいからよけいにね。
637:名無しさん@ピンキー
08/06/23 23:27:11 sLkgn2Ty
>>676
乙
っ旦~
638:名無しさん@ピンキー
08/06/23 23:40:49 1+qmxJFo
それからというものの、私は何となくだけど、藤岡くんの事が気になるようになった。
本当に何となくで、別に好きとか嫌いとかいう考えは無いし、
そもそも『そういう意味での好き』は、まだ私には分からない。
例えば、マコトくんやシュウイチくんは確かに好きだけど、多分、『そういう意味での好き』とは違うと思う。
ただ、マコトくんやシュウイチくんのとは違い、藤岡くんは私の中でちょっと気になる…程度だった。
4月も終わりに差し掛かる。
あの一件以来、私は藤岡くんとはめっきり会わなくなった。
チアキの話によると、藤岡くんはサッカー部に入っていて、朝早く出て、夕方遅くに帰る生活をしているという。
学校から家までの距離を考えれば、朝は私よりもずっと早く出ているだろうし、
夕方は私が家に帰ったずっと後に帰宅しているのだろう。
それにしても………。
「どうしてチアキが藤岡くんのこと、知ってるの?」
ずっと気になっていたことを、訊いてみる。
「ああ、あいつたまに来るんだよ。去年の秋くらいかな?
カナが果たし状を受け取って以来、何故かうちによく来るようになった」
「果たし状?」
「ああ。ラブレターに見せかけてカナに決闘を申し込んだんだ」
ラブレター? 申し込んだ?
私の中では次々と「?」マークが浮かび上がる。
「女に不自由しない藤岡のことだ。あんなバカに用があるとしたらあいつを黙らせるくらいしか考えられない」
藤岡くん、やっぱりモテるんだ。確かにモテそうな感じがするよね。
「──という訳で、藤岡がたまにうちに来るようになった」
「へぇ~」
藤岡くんはちょっと複雑な経緯でカナちゃんと友達になったんだ。
いいなぁ。
「ん? 何か言ったか?」
チアキがいつも以上に顔をしかめて私に訊く。
「ううん、何でもない」
ほんと、何でもないよ。
639:名無しさん@ピンキー
08/06/23 23:41:10 1+qmxJFo
そうだ、藤岡くんの『お礼』、何にしようかな?
「うーん、だったら………」
少しだけ考えること数分。ちょっとだけ無理を言ってみる。
「魚が見たいなぁ」
当然、魚市場の方ではない。
「魚かぁ。うーん…………」
西伊豆にある、あの大きな水族館に行きたいな。
「ちょっと、遠いかな」
藤岡くんは、ややためらいがちに断った。
「藤岡くんの方だよ? 何でも願いを叶えるって言ったのは」
「うーん、おれたち、直接接点がある訳じゃないし、まだ会ったばかりだから、ちょっと……」
藤岡くんの様子を見るに、直接の関わりがない私と一緒に、
少し離れた水族館まで行くのは何かと気まずいらしい。
うーん、確かに。私と藤岡くんは、チアキとカナちゃんが居なければまず顔を合わせなかっただろうし、
いきなり遠い所へ行くのは、やはり気が引けるのかも知れない。
うん、そうだよね。歳が離れている上に、私はまだ小学生。だから、やっぱり難しいんだよね。
「うーん、それじゃあ千本浜公園に行きたいな」
千本浜公園とは、沼津駅から1kmほど離れた所にある砂浜に面した公園だ。
海水浴場もあるので、夏は毎年、内田やチアキ達と一緒に行くこともある。
「うん。それだったらいいよ」
「じゃあ、何時にしようか?」
「連休の最初の土曜日──つまり、来週の土曜なら空いてるよ。一緒に行こう」
「分かった。約束だよ」
こうして、私は藤岡くんの『お礼』をされることになった。
でも、これって、よく考えると……………、……………!!!
「で、で、デート??!!」
ぽっと、顔が赤くなったような気がした。
「ど、どうしたの? 顔、赤いよ?」
「え? う、うん……えっと、その……うん、な、ななな何でも無いよ? うん、何でもない!!」
私は必死に平静を装おうとした。でも、何かドキドキしてしまって仕方がない。
違うの! 私は藤岡くんのこと、そんな風には思ってないの! うん、そうだよ!
この時、何でこんなに必死だったのかは分からない。でも、何か、ドキドキしてしまった。
「じゃ、じゃあ、ま、ま、ま、また今度、また今度ねっ! バイバイ!!」
私はダッシュで歩道橋を渡り、住宅街を外れる一本道へと走って行った。
藤岡くんは、こんな私を見て、どんな風に思ったのだろうか。
ライラックの芽が顔を覗かせた。
芽は瞬く間に成長したけど、私はそれには全く気が付かなかった。
640:名無しさん@ピンキー
08/06/23 23:41:31 1+qmxJFo
途中、コンビニに寄ってアイスを奢って貰った。
私と藤岡くんは、ソフトクリームを食べながら2人で新幹線の下をくぐる。
猛スピードで風を切り裂く新幹線は、両方向からひっきりなしにやってくる。
ヒュンヒュンヒュンヒュンという鋭い音が住宅街に響き渡る。その音は、私の家の中に居てもよく聞こえる。
「そう言えば、お礼のこと……」
「だから気にしなくていいよ」
藤岡くん、律儀で嬉しいんだけど意外としつこいかも知れない。
「じゃあ、こうしよう。お願い! おれにお礼をさせて下さい!」
ぱんっ、と手を合わせて私の前で頭を下げる。
下げられた私は呆気にとられて目を丸くする。
「そ、そこまで言うなら………」
「君がしたいこと、行きたいとこ、何でもいいよ。何なりと申してください」
絵本の召使いの様にわざとらしく手を前に添え、深々と頭を下げる。
ちょっとおかしくて、笑ってしまった。
「え、おれ、そんなにヘンだったかなぁ」
頭を掻きながら苦笑い。藤岡くんはよく笑う人なんだなぁ。
「うん、ヘンだった」
からかうつもりで、ストレートに答えてあげた。
すると、藤岡くんは「そっか」と言ってまた笑う。笑顔が絶えない人だ。
私が一番好きなタイプの人かも知れない。
641:ライラック 2
08/06/23 23:41:56 1+qmxJFo
途中、コンビニに寄ってアイスを奢って貰った。
私と藤岡くんは、ソフトクリームを食べながら2人で新幹線の下をくぐる。
猛スピードで風を切り裂く新幹線は、両方向からひっきりなしにやってくる。
ヒュンヒュンヒュンヒュンという鋭い音が住宅街に響き渡る。その音は、私の家の中に居てもよく聞こえる。
「そう言えば、お礼のこと……」
「だから気にしなくていいよ」
藤岡くん、律儀で嬉しいんだけど意外としつこいかも知れない。
「じゃあ、こうしよう。お願い! おれにお礼をさせて下さい!」
ぱんっ、と手を合わせて私の前で頭を下げる。
下げられた私は呆気にとられて目を丸くする。
「そ、そこまで言うなら………」
「君がしたいこと、行きたいとこ、何でもいいよ。何なりと申してください」
絵本の召使いの様にわざとらしく手を前に添え、深々と頭を下げる。
ちょっとおかしくて、笑ってしまった。
「え、おれ、そんなにヘンだったかなぁ」
頭を掻きながら苦笑い。藤岡くんはよく笑う人なんだなぁ。
「うん、ヘンだった」
からかうつもりで、ストレートに答えてあげた。
すると、藤岡くんは「そっか」と言ってまた笑う。笑顔が絶えない人だ。
私が一番好きなタイプの人かも知れない。
642:ライラック 2
08/06/23 23:42:16 1+qmxJFo
「あはは、そういうことだったんだ」
私はやっとの思いで、私が中学校まで行った理由(わけ)を話した。
「おれもいつかお礼をしようと思っててね」
「あ、べ、別にいいよ。うん、大丈夫だから」
お礼のこと、覚えてたんだね。
「それにしても、私立は土曜日も授業かぁ。おれだったら土曜日は授業があってもサッカーをしてたかもね」
昔は市立も土曜日は授業があったらしい。それが、会社みたいに土日が休みになったそうだ。
「授業があるって言っても第二と第四はお休みだよ。それに、授業があるって言っても3時間だけだし、
3時間目は学活(学級活動)の時間だから、大したことはやらないよ」
「そっか」
それから藤岡くんは、小学校時代の話をしてくれた。
話を聞いていると、同じ小学校でも私立と市立はずいぶんと違うものなんだな、と感じた。
藤岡くんのイメージだと、私が通ってる学校は何だか窮屈なイメージがあるのだという。
「でも、吉野さんのこと見てると、そうでもなさそうだね」
「なんで?」
「何か、楽しそうだから」
「うん、楽しいよ」
「何だ。おれも私立に行けば良かったなぁ。
まぁ、うちは貧乏だから行くお金なんて無いし、そもそもおれがバカだから、受験しても落ちただろうね」
藤岡くんは半ば自虐的に言いながら、笑った。
「藤岡くんは、バカじゃないよ」
「どうして?」
わざと意地悪く訊かれる。
「うーん、根拠は無いけど……、藤岡くんは優しいし、しっかりしているから、それと……」
「それと?」
「えー……っと………」
「?」
藤岡くんはその場で立ち止まり、しゃがんで私に目線を合わせる。
興味深そうに私を見つめて、そして、頬笑む。
何か、恥ずかしくなって来ちゃった。胸も少しだけドキドキし始めた。
「有り難う」
「へ?」
少しだけ気まずい空気が流れた後、何故か私は彼にお礼を言われた。
間抜けな声でそれに答えた私は、恥ずかしさのあまり、思わず下を向く。
「そう言われると嬉しいよ。あと、自分で言うのもなんだけれど、サッカーだけは唯一取り柄があると思うんだ。
あまり上手じゃないけれど、もっと練習してみんなと一緒に県大会まで出場したいね」
「そっか。うん。私、応援するね」
「うん、有り難う」
話が途中で変わってしまったけれども、何とか上手くやれた。うん。私、頑張った。
643:名無しさん@ピンキー
08/06/23 23:49:29 TZJOvYYk
よいか?他の作品でもいえる事だけどなんか無理して褒めてるようにしか思えない
社交辞令もいいけど、ほどほどにしないと本人のためにもならないような気がするね
644:名無しさん@ピンキー
08/06/24 00:27:38 UVyycGQS
>>676
吉野キテタァァ――!! GJ!
黒くない吉野もかわいいよ吉野。
前作の吉野が黒かったから、そのギャップに萌えますw
つづきもwktkして待ってるよ
645:名無しさん@ピンキー
08/06/24 00:35:00 zg0S0WVk
まあ野暮なこといいなさんな
社交辞令だってそれで作品が投下しやすい環境になるなら
大歓迎だな。個人的には。
実際、楽しく読ませてもらってるし
684がどれほどの高いレベルをたかがエロパロスレに望んでるのか知らないが
本人のためを思うと、このスレを見るのはやめてプロの官能小説
でも読んだほうがいいんじゃないの?まじめな話、時間とかもったいないだろう?
646:久留里
08/06/24 01:21:35 +6Ugcu8x
>>685ほか
まいどおおきに。
自分で書いておいてアレだが、吉野は下手に動かすとキャラが壊れるから、
結構神経使う。(これでも結構気を遣ってるつもり)
それと、『みなみけ』の小学生サイドと『今日の5の2』の子達を混ぜると、色々な意味で面白くなる様な希ガス。
647:名無しさん@ピンキー
08/06/24 19:25:40 PIhx0YoQ
>それと、『みなみけ』の小学生サイドと『今日の5の2』の子達を混ぜると、色々な意味で面白くなる様な希ガス。
なぜ俺の考えてることがわかった!?さては貴様エスパーだな!
648:名無しさん@ピンキー
08/06/25 19:19:44 +xJPPSdP
藤岡×マコマダー?
649:名無しさん@ピンキー
08/06/25 21:04:09 1jCCN3TS
>>689
そんな事言ったら本当に実行する者がいるから気をつけろと(ry
650:名無しさん@ピンキー
08/06/25 21:35:42 iC7zvjzq
吉野パラダイスだな
ロリコンの俺は大いに結構。
651:名無しさん@ピンキー
08/06/25 23:41:15 caBdWMqA
吉野ー!! えぇぃ! 吉野はまだかーー!!!
652:名無しさん@ピンキー
08/06/26 02:40:30 p0KHzTX9
>>689-690
え……? そ……それは書けと言う自分へのキラーパスですか?!
俺のマコちゃんは108話まであるぞ!
嘘です自重します。。。
653:ぬしかさ
08/06/26 07:22:10 oLrsTiK3
吉野SS希望かいい?
あいにくハルカSS執筆中なんだよ
また今度ね
654:名無しさん@ピンキー
08/06/26 11:53:15 8mER9/oZ
ハルカ!ハルカ!
ところでチアキ分が足りなくなってきたんだが・・・
655:名無しさん@ピンキー
08/06/26 19:08:24 9e+9a0Gs
>>695
初心に戻って千秋×藤岡が見たいと申すか
656:名無しさん@ピンキー
08/06/26 19:18:07 hryVUAPW
それはまた素敵な話だ
657:久留里
08/06/26 20:55:50 dMWggcTA
>>692
私の方は『取材』してから書きますよ。
昨日第二次性徴について真面目に調べていたせいか、またネタが降ってきた。
寝る前に書けたら投下する。
>>693
つ【言い出しっぺ実行の法則】
658:名無しさん@ピンキー
08/06/27 01:14:23 ig0ole4X
>>698
寝る前に投下があると信じて、目をしょぼしょぼさせながら待ってますww
659:名無しさん@ピンキー
08/06/27 01:47:11 y9Qe8up1
>>696
千秋×冬馬とかよくね?
660:名無しさん@ピンキー
08/06/27 02:10:45 ig0ole4X
「おい、カナ。本当にちゃんと呼んだんだろうな?」
「お前は本当に姉を信用しないやつだな。さっきから何度もそう言ってるだろ?」
カナが学校から帰ってきてから、この質問はこれで5度目だろうか?
チアキはしきりに同じ事を繰り返し訪ね続け、その度にカナはめんどくさそうに同じ事を答えていた。
「ほらほら、二人ともケンカしないで。チアキもたまにはカナを信用してあげなさい。ね?」
「おい、ハルカ! 『たまには』ってなんだ! 『たまには』って!!」
――ピンポーン
「こんにちわ」
チアキの期待を一身に受け、南家の玄関に現れたのは藤岡。
チャイムの音を聞いた瞬間にチアキは走り出し、藤岡の体に飛びついた。
「会いたかったぞ、バカ野郎……」
小声でそう言う千秋。すると奥の部屋からカナが現れ、藤岡に事情を説明し始める。
「わるいな藤岡。チアキのやつがさ、『昨日藤岡が遠くへ引っ越す夢を見たからすぐに呼べ!』……ってうるさかったんだよ」
「あぁ、そう言う事……うん、オレは全然平気だから。どうせ暇だったし気にしないでよ」
「え? あっ、そう?」
あっさりと事情を飲み込んだ藤岡を見て、カナは不思議そうに首をかしげながら部屋へ戻って行く。
玄関で二人きりになったチアキと藤岡。藤岡はチアキのホイップに手を乗せ、頭を撫で始めた。
「これで少しは安心したかな?」
「わ、私は、お前が遠くに引っ越す夢を…………ほ、本当だぞ! 別に会いたいから嘘付いたとか、そんなんじゃ……」
何も言われていないのに必死に言い訳をするチアキ。
その顔は真っ赤で、嘘を付いているのは誰の目にも明らかだった。
「あははっ、声が裏返って顔が真っ赤だよ? 本当に嘘をつけない子だね。チアキは……」
「だから嘘じゃない……って! こら! 家では呼び捨てにするなとあれ程……ッ!!」
二人が玄関先でそんなやり取りをしているうちに、キッチンから玄関へ夕食のいい匂いが漂う。
中からエプロンをしたハルカが現れ、
「藤岡君、せっかくだし夕飯食べていくわよね?」
と聞くと、
「藤岡は夕飯を食べていきます」
と、藤岡よりも早くチアキが答えた。
その後もいつも以上に藤岡にべったりのチアキ。
藤岡にギュッと抱きついてみたり、体に頬ずりをしてみたり。
「カナ、今日はチアキがこんなだから、たまには洗い物するの手伝って」
「だ・か・ら!! 『たまには』ってなんだよ! 『たまには』って!! これじゃあまるで私が、普段は手伝いをしていないみた――」
文句を言いながらもハルカと共にキッチンへ消えていくカナを見送り、チアキは藤岡の体を上って肩に手をかける。
「藤岡、今なら誰も見て無いから……」
「見て無いから……何?」
「察しなさいよ…………バカ……野郎。…………ちゅッ……」
チアキは肩に掛けていた手を首に移し、藤岡の唇へ自分の唇を押し付ける。
藤岡は二人が戻ってこないかキッチンに目を向けながらも、チアキのキスに答え続けた。
「おーい、お前ら! 食後のデザートはいかがする?」
キッチンから聞こえてくるカナの声に驚き、慌てて藤岡から離れるチアキ。
「い、……いるに決まってんだろ! このバカ野郎!!」
そう答えると、チアキは再び藤岡の体にしっかりと抱きつく。
そんな姿を見て、藤岡はある事を疑問に思っていた。
「ねぇ、チアキ……ちゃん。オレ達の事、一応二人には内緒にしてるんでしょ?」
「ん? あぁ、カナにバレるとめんどくさそうだしな」
「じゃあさ、さすがにこんなにひっついてちゃ不味いんじゃないの?」
確かに二人は今日、あまりにも不自然な程くっついていた。それもカナとハルカ、二人の目の前で。
それでもチアキは余裕の表情で答えた。
「大丈夫だ。この日の為に、『カナがいなくなる夢を見た』って前にも同じ様にしといたから……多分何も疑われてないよ」
この日、策士チアキは藤岡とべったりな一日を堪能したという……
661:名無しさん@ピンキー
08/06/27 02:12:20 ig0ole4X
うへ……間違って先に投稿してしまった。
投下待ちの間に暇だったので、チアキ×藤岡(メルト)の続きをば1レスだけ書きました。
吉野はまだかーー!!
662:ぬしかさ
08/06/27 04:21:57 ztfuvsWh
「いけないこと 前編 」
速水 「やっほーーー」
ハルカ「速水先輩、いらっしゃい。マキとアツコは一緒じゃないんですか?」
速水 「とある先輩に捕まってたから、けっこう遅れてくるかもね」
ビニール袋を片手に、速水がやってくる。
今日はバレー部の面々が南家に集まろうということになっていた。
ハルカ「先輩、その袋は?」
速水 「これ?高級ジュース。もう飲んじゃおっか」
ハルカ「じゃあ私が・・・」
速水 「いいのいいのっ、私が注ぎ分けるからさ」
高級ジュースのラベルをハルカから見られないよう袋から取り出し、台所へと向かった。
ガサ・・・
放り出された袋には、まだ何か入っているようだった。
ハルカ「他にも何か持ってきてるんですか?」
速水 「ああそれ、読んでていいよ」
袋から取り出したそれは、なにやら雑誌のようだった。
ハルカ「『イチャイチャハーレム 女子高生乱舞の巻』?変わった名前ですね」
変な名前ながらも、興味が湧いたのでパラパラとめくってみた。
ハルカ「・・・え?」
ハルカの目に、女子高生のあられもない姿の写真が飛び込んできた。
ハルカ「先輩っ、これ・・・これ!?」
速水 「んー?」
ハルカ「なんですかこれは!!」
速水 「なになにー?あーそれね」
高級ジュースを注いだコップをもって速水が戻ってきた。
速水 「エロ本だけど」
ハルカ「だけどじゃありません!なんでこんなものを買ってるんですか!」
速水 「おもしろいよ」
ハルカ「おもしろくありません!こんなっ・・・その・・・あの・・・」
速水 「性交で乱交で卑猥なもの?」
ハルカ「そうです!ああっ、そうじゃなくて!いえ、そうですけど・・・」
おかしなものを見てしまったせいで、すっかり混乱してしまったハルカ。
速水 「まあまあ落ち着いて。さあ、これをグイッっといっちゃって落ち着こう」
ハルカ「はあ・・・もう、いただきますっ」
冷静さを失ってしまったハルカは、渡された高級ジュースがどんなものかを確認せずに飲んでしまった。
663:ぬしかさ
08/06/27 04:22:28 ztfuvsWh
ハルカ「ん・・・ぷはぁっ」
速水 「お、いけるじゃない」
ハルカ「それよりも、こんなものをウチに持ち込まないでくださいっ」
速水 「いやー、ハルカちゃんは興味があるんじゃないかと思って」
ハルカ「ありませんっ」
速水 「えーホントに?例えばさ、これとか・・・」
ハルカ「きゃあっ、もう!見せないでくださいっ」
速水 「これは騎乗位って言うんだって。プロレスみたいで面白いでしょ」
ハルカ「おもしろくないからっ!だいたいこんなの私たちにはまだ・・・」
速水 「あ、この上に乗ってる子中学三年生なんだって」
ハルカ「早いっ、早すぎる!」
高級ジュースの成分が回ってきたのか、ハルカの挙動がおかしくなり始めた。
ハルカ「もっと・・・こう、健全に・・・」
速水 「恋愛もエロも自由だからねー」
ハルカ「でもこんな、いやら・・・しいものなんて」
速水 「気持ちよければそれで良し、なんじゃない」
ハルカ「そんなの・・・ああ・・・」
フラ・・・ フラフラ・・・
ハルカ「やだぁ・・・・・・」
ドサッ
完全に酔いが回り、ハルカは倒れてしまった。
速水 「あら、ハルカちゃーん?」
ハルカ「う~ん・・・・・・」
速水 「こんなところで寝ちゃうと、お姉ちゃんがいけないことをしちゃうよー」
ハルカ「すぅ・・・」
速水 「ホントに寝ちゃったわ」
ハルカは速水の前で、無防備な寝顔と可愛らしい寝息をさらけ出してしまっていた。
速水 「んっふっふ~♪」
速水の目が怪しく見開かれた。
664:ぬしかさ
08/06/27 04:23:27 ztfuvsWh
速水は酔いつぶれたハルカを、ハルカの部屋へと抱えていった。
そしてハルカをベッドに寝かせる。
ここまでだったら、面倒見のいい優しい先輩だといえるのだが・・・
速水 「これはもう、どうぞご自由にーってことよね~」
これではもはやエッチなお姉さんとしかいえない。
実は速水、南家に来る前に高級ジュースを2本ほど煽っていた。
理性のリミッターはすでに完全解除されている。
速水 「じゃあまずは体を改めさせてもらおっか」
速水はハルカの服を手際よく脱がせていく。
速水 「ほほう、真っ白ですか。そそるわね~」
少しもしない間に、ハルカは白のブラとパンツのみの下着姿となった。
速水 「綺麗な体ね~、無垢な子供のようだわ」
まずは胸を鷲掴みする。
ハルカ「んっ・・・・・・」
速水 「これはっ!私といい勝負ね・・・」
大きさ、形、柔らかさ、揉みごたえをしつこく確認する。
ハルカ「んっ・・・うんっ・・・・・・」
揉むたびに、ハルカの唇から声が漏れ出てくる。
速水 「さてさて」
ブラに手をかけてめくりあげた。
ふくよかな乳房とピンク色んの乳首が露になる。
速水 「いっただっきまーすっ」
カプッ
速水はハルカの胸を甘噛みする。
そして舌先で乳首を転がす。
ハルカ「あっ・・・・・・あんっ・・・・・・」
ハルカの寝息が、卑猥な喘ぎへと変貌する。
665:ぬしかさ
08/06/27 04:23:55 ztfuvsWh
速水 「ハルカちゃんってば、ホント可愛いわね」
速水は両手を胸から腰へと、撫でるように移動させる。
ハルカの引き締まったウエストをなぞるように撫で下ろしていく手が、パンツの両サイドに掛かる。
速水 「本日のメインディッシュー♪」
そのままスルスルとパンツがずり下ろされ、ハルカの陰部が露出した。
速水 「もしかして、ハルカちゃんにここまでしたのは私が初めてだったりする?」
ハルカ「んん・・・・・・」
寝ているので返事はなし。
速水 「まいっか。それじゃ、ハルカちゃんの処女もーらい♪」
速水はハルカの陰部に顔を突っ込む
ピンポーンッ
まさにその直前、インターホンが鳴った。
『ハルカー、おじゃまするよー』
『あれ、居ないのかな?』
玄関から聞き覚えのある声。
速水 「あちゃ、残念。もー来たか」
速水はハルカの下着を元に戻し、そのまま布団を掛ける。
ガチャッ
マキ 「ハルカー?」
布団を掛け終えた時、部屋のドアが開き、そこからマキが顔を覗かせた。
マキ 「あれ、速水先輩?来てたんですか」
速水 「うん、ちょっと前にね」
アツコ「ハルカ、寝てるんですか?」
速水 「私が来た時にはリビングでうつ伏せしちゃってたからねー」
マキ 「なら起こすのもなんですし、向こうで騒ぎましょうか」
速水 「よーし、行こ行こー」
マキ、アツコ、速水がハルカの部屋から出ていく。
速水 「ふむ・・・」
速水がドアを閉める前に、ハルカのほうを振り返る。
さっきまでの喘ぎ声は止み、小さな寝息のみが聞こえる。
速水 「やれはて、ハルカちゃんのバージンは誰が奪っちゃうのかしらね」
そして速水は音を立てないよう、ゆっくりとドアを閉めた。
つづく
666:名無しさん@ピンキー
08/06/27 12:39:18 GzL958fr
GJ!
速水先輩大好き&百合大好きな俺歓喜www
そのうち冬馬も速水神への生贄になればいいのに。
667:名無しさん@ピンキー
08/06/27 18:00:02 r5a0DhgL
GJだけど他の人が投稿した直後に間隔をあけずに投稿するのはどうなのかな
668:名無しさん@ピンキー
08/06/27 18:37:13 UAV/zbMv
ならばあえて>>701にGJと言おうじゃないか!
そして>>706にもGJと言おうじゃないか!
669:名無しさん@ピンキー
08/06/27 19:42:42 q+ly1Ezz
>>708
自分が投下しようか迷いがあって、誰か投下するのをみて投下する気になるのはいいが、
間髪なく投下して感想とか書きづらいしちゃう無神経な奴多いよな。
670:名無しさん@ピンキー
08/06/27 19:51:52 SQvQT94m
何か直前の番号が飛んでるけど、構わず>>701,706に最大限のGJを送ろう!!
メルトは大のお気に入りなんですぜ、兄貴。
671:名無しさん@ピンキー
08/06/28 01:32:21 n1oEgjha
>>706
乙
内容そのものは悪くないけれど、投下宣言や、注意書きを書く等、
それから台本形式なところは直した方が良いと思います。
>>708
>>710
間と言うだけなら、二時間は空いてる訳だけどな。
672:名無しさん@ピンキー
08/06/28 02:10:29 qh3iYJs2
この野郎氏はここを離れてスクライドスレに住み替えたのか…
せめて藤岡×アツコ完結させとほしかったぜ
673:名無しさん@ピンキー
08/06/28 02:20:28 iRl/xgt7
>>708
>>710
>>712
ごめん 配慮が足りなかった
これからはちゃんと投下OKか確認するように努めるよ
674:名無しさん@ピンキー
08/06/28 03:05:46 hhObO8/f
>>714
中途半端に1レスだけ投下してすまなんだです……小ネタだったし、全然気にしないで下さい。
そしてGJ。無抵抗なハルカいいなぁ……わっふるわっふる! 何気にケイコの続きも期待してます。
>>713
漏れは今もこのスレに寄生しているよ!!
675:名無しさん@ピンキー
08/06/28 12:12:11 /9qIB7DB
何気に
佐藤×相原を見てみたくなったww
676:名無しさん@ピンキー
08/06/29 15:20:20 IAm21cpb
佐藤・マコト×チカ・千秋というのも(ry
677:名無しさん@ピンキー
08/06/30 03:17:20 GX/wUr/7
チカちゃんは可愛いよ、と
何気に今日の5の2の方が好きだったりするのは俺だけだな‥‥多分
678:名無しさん@ピンキー
08/06/30 05:01:42 RlWMN3jC
やっぱりチカxカズミかな
そして返り討ち
679:名無しさん@ピンキー
08/06/30 08:25:59 +IMjdqI3
>>718
まさか同志を発見できるとは思わなかった。みなみけも好きだけど。
680:名無しさん@ピンキー
08/06/30 12:13:20 y0KoEpGK
これは、みなみけ×今日の5の2でクロスSS書いても良い流れなのか!!?
681:名無しさん@ピンキー
08/06/30 18:40:58 N6eGJPID
>>721
神がそれを聞くか?
神のお望みのままにお書きくだされ
682:名無しさん@ピンキー
08/06/30 23:57:53 hCs1gJug
マキ×藤岡って今まであったっけ?
なかったら見てみたい…あの二人面識なさそうだが
683:名無しさん@ピンキー
08/07/01 00:31:54 p1knmSwO
シュウイチの一人称って「オレ」「僕」のどっちだかわかるヤツいる??
>>717っぽいものを書いてるんだが、援護射撃とかしてくれるとうれしいかもしんない
684:名無しさん@ピンキー
08/07/01 01:07:07 F1HQhGHd
>>724
シュウイチが一人称を話してるシーンはないみたいだから、
好きにしちゃっていいんじゃないかな
685:名無しさん@ピンキー
08/07/01 01:14:56 p1knmSwO
>>725
サンクス。じゃあ適当に「オレ」ってことにしときます
686:名無しさん@ピンキー
08/07/01 03:09:37 9pCmhY2G
真っ先に相原×マコが思い浮かんだのは自分だけなのか?!
687:名無しさん@ピンキー
08/07/01 14:26:52 p1knmSwO
>>717っぽいものが出来たので投下します。
*このSSは「みなみけ」と「今日の5の2」のクロスオーバーです。片方しか知らない方、ゴメンナサイorz
*エロもなければチラもなし、オチすらありません。過度な期待はしないでください。
*チカちゃんを嫁にしたいです。
688:みなみけ×今日の5の2
08/07/01 14:27:39 p1knmSwO
「必殺っ!チョーク手裏剣!!!」
「こらっ、やめろよマコト──」
些細なことから始まった追いかけっこ。
距離が開いていたための最終手段としてマコトが取った行動だった。もはや『掃除の時間』などという単語は既に彼の頭の中からは消え去っているだろう。
だが、そこへ一人の少女が通りかかる。
箒を片手にせっせと教室のごみをかき集めているその頭には、そう・・・あえて形容するならば、泡立てたホイップクリームのようなトンガリが一つ。
標的となったシュウイチとチョークを投げたマコトの直線状を、ちょうどさえぎるようにして少女は立っていた。
「あっ!チアキ危なっ・・・・あれ?」
「‥‥ん?何だ、マコト」
「い、いやぁなんでも・・・」
チアキの質問に苦笑いで答えつつも、視線はキョロキョロと床をさ迷っている。
ハテナ顔で去っていくチアキを冷や汗ながらに見送って、本当ならば今頃チョーク手裏剣の直撃を喰っていたであろうシュウイチと合流した。
「おい、投げたチョークはどこに行ったんだ??」
「お、俺もいま目つぶってたから・・・」
二人して辺りを見渡す。
あれほどピカピカで、使った形跡すら皆無だった赤いチョークは欠片すらも見当たらない。
「まさかシュウイチ、お前・・・給食のコッペパンじゃ食い足らず、チョークにまで手を出したんじゃねーだろうなっ!!」
「誰があんなもん食うかっ!!そもそもチョークなんて食べられるわけ──」
自分が知る限りの世間一般的常識をマコトに叩き込もうとした、その時。
饒舌にまくし立てるシュウイチの口が誰かの手で覆われた。
689:みなみけ×今日の5の2
08/07/01 14:28:06 p1knmSwO
ツンツン頭の小さな少年・・・佐藤リョータ。
「ふっふっふ・・・キミタチ、チョークは実は美味しいという事実を知らんのかね・・・?」
「「はぁ??」」
面白いように揃って首をかしげる二人の目の前に、先ほどなくしたはずの赤いチョークが差し出された。
「なんだよリョータ、いきなり見えすいたウソを言いやがって・・・」
「分かってないねぇ。最近のチョークは安全性を踏まえて、小さい子供が間違って食べてもダイジョーブなように・・・」
怪訝な目を向ける二人に向かって、さも美味な食べ物だと言わんばかりにずいずいっとチョークを突き出すリョータ。
「甘くて美味しくて、しかも女性に優しいカロリーオフなのだよ!!」
「ほ、本当かっ!!?」
目をきらきらと輝かせ、いち早くその手からチョークを奪い取ったのはマコトだった。
未知の『食べ物』を前にして、ごくっと唾を飲み込む。
一呼吸おいて、いざかぶりつこうとめいっぱい口を開けた。
「コラーっ!リョーターっ!!」
「あてっ!」
歯とチョークが触れる数ミリ手前の時に横から聞こえたのは、スパーンという小気味いい音。
遠くから投げられた上履きが見事にクリーンヒットし、頭から倒れこむリョータ。
690:みなみけ×今日の5の2
08/07/01 14:28:52 p1knmSwO
踵に書いてある上履きの主の名前。そこには“小泉チカ”と記されていた。
「何ヘンなこと教え込んでるのよ!チョークなんて食べられるわけないじゃない!!」
「何だよ!だいたい最初にチョーク食べられるなんてウソついたのお前だろ!?」
自分が投げた上履きをしっかり履きなおしてから、寝そべったままの幼なじみに仁王立ち。
お互い知った仲だからなのか、遠慮の欠片もないすごい剣幕で言い争いを始めた。
「アレは引っかかるリョータが悪いのよっ!大体あんなの少し考えたら分かることでしょ?!」
「じゃあ今のだって騙されたマコトが悪いってことになるだろっ!!」
「自分が騙されたからってそれを人にやっちゃいけないの!」
「じゃあお前はオレがどうなってもいいっていうのかよっ??!」
「いいもーん!!リョータなんか、こうしてやるっ!」
「ちょっと待っ、ぐあっ!」
うつ伏せのまま反論し続けていた幼なじみにヒップドロップをかましてそのまま馬乗りになる。
他人が入り込む余地など、ここにはありはしなかった。
周りが口々に「また痴話ゲンカがはじまったよ・・・」と呟く。
しかし、その流れを断ち切らんかのごとく、大きく踏み出した一歩の地響きが教室に響いた。
「・・・おい、そこのバカ野郎ども」
ゆらり。
まさにそんな言葉がふさわしい。何やら不気味なオーラに包まれながら、今までおとなしく掃除をしていたはずのチアキが渦中に飛び込んできた。
「誰がバカ野郎だ!誰がっ!」
「たとえば・・・お前だよ。そこの女の尻に敷かれたハリネズミ」
「オレかよ!!」
普段は一見おとなしく、何を考えているか分からないミステリアスな雰囲気を纏ったチアキは、リョータにとってカズミと並んで苦手な存在だった。
それ故にあまり話したこともなく自分が話を振られることはない・・・と、たかをくくっていたのだが。
「お前、さっきのチョーク‥‥いったいどこから取ってきた?」
「え・・・それは、その」
691:みなみけ×今日の5の2
08/07/01 14:29:36 p1knmSwO
リョータは急に気まずそうな顔をする。
それもそのはず。もしかしたら本人の所有物かも知れないものを、その場のノリで勝手に奪い取ったのだから・・・。
「ゴメンナサイっ!南の頭に刺さってたヤツを抜き取りましたっ!!」
「・・・そうか」
呟きながら、チアキは自分の頭にあるホイップの部分に手をやる。
そこには確かに、指が一本入りそうな‥‥チョークがさっきまで刺さっていたような形跡があった。
「なぁ、南・・・ひとつ聞いていいか」
「何だ」
「その・・・頭にチョークを刺して髪飾り代わりにするのも、お前のファッションのひとつだったのか‥‥??」
「そんなファッションがどこの世界にあるんだこのバカ野郎ッ!!」
リョータのまるで珍獣を相手にするような、たどたどしい問いかけに呆れつつも答える。
チアキは大きなため息を一つついて、くるりと回れ右。
そこには、チョークを野に放って今回の騒動となる元凶を作り出した張本人がいた。
チアキの眼力がもう既に言葉を発していた。
『またお前か』・・・と。
「‥‥イヤっ、何でそこでいきなりオレになるんだよチアキっ!!」
「ここまでバカなことをするヤツを、私は二人しか知らない」
グーになったままの右手を出すと、その人差し指と中指でたった二つのカウントを開始する。
「一人は私の愚姉であるカナ・・・だがカナは中学生だ。当然、小学校(ここ)にいるはずもない。となると・・・」
チョキの指を、そのまま目の前の人間‥‥マコトに突き出した。
「お前以外に誰がいるんだよ、このバカ野郎!」
「だから勘違いだって言ってんだろ!!オレはシュウイチにチョークをぶつけようとしただけで・・・・あ」
隣にいたシュウイチが小さく「バカ‥‥」と呟いて顔を伏せた。
692:みなみけ×今日の5の2
08/07/01 14:30:19 p1knmSwO
「・・・ポリバケツを持ってこい。今すぐだ」
「イヤソレ無理むりっ!いくら何でも腕が──」
「うるさいよっ!バカでどうしようもないバカ野郎はバカみたいに大きなポリバケツでも持ってればいいんだよこのバカ野郎ーっ!!」
「う・・・うあああぁあああぁああぁぁぁあぁんっ!!!ハルカさぁあーんっ!!」
泣き叫びながら、廊下へと走り去っていくマコト。
「‥‥アイツ、今ハルカ姉さまの名前を口にしたな・・・せっかく空のポリバケツで我慢しといてやろうと思ったんだが、やっぱりいつも通り水も追加しておくか」
「あ、あははは・・・」
遠ざかっていく叫び声を苦笑いで見送る一同。
ふと、聞こえてくるチャイム。
‥‥それは授業開始、5分前を告げる予鈴のチャイムだった。
「‥‥ありゃ?」
「このバカ野郎ども・・・今が、いったい何の時間だったか言ってみろっ・・・!」
チアキの獲物は箒。だが他の面々の手には・・・何もない。
戦いで言うならば、戦意喪失。ぶっちゃけ掃除する気なんかありませんよー、という何よりも明確な意思表示でもあった。
「よ、よーし!みんなっ、頑張って掃除をするぞーっ!!」
「「「おーっ!!」」」
いち早くチアキの怒りを察したチカが号令をかけると、まるで蜘蛛の子でも散らすようにそれぞれの持ち場へと離れていった。
チアキの「まったく・・・」という呟きは、みんなの耳に入ったのか入っていないのか。
「チアキちゃん、ごめんね・・・うちのリョータが」
「‥‥いえ、こちらこそうちのマコトが迷惑をかけまして」