【みなみけ】桜場コハル Part7【今日の5の2】at EROPARO
【みなみけ】桜場コハル Part7【今日の5の2】 - 暇つぶし2ch350:名無しさん@ピンキー
08/06/05 21:36:53 hCc/TkBh
自分の書いたSSが不評だったくらいでスレを荒らすとか、小学生並だな
ほんとうにここ18歳以下立ち入り禁止のPINKチャンネルなのか?

>>ID:in6bpTxG
今からお前をNGにするから俺にレスしないでね

351:名無しさん@ピンキー
08/06/05 22:07:19 in6bpTxG
>>386
把握した。しかし18歳以下立ち入り禁止のPINKチャンネルにも関わらずスルーできない奴が多くて困るよねぇ














ところで君NGにしたんじゃなかったの?

352:名無しさん@ピンキー
08/06/05 22:10:06 in6bpTxG
とりあえず今日のところはこの辺にしといてやんよ。明日また来るからよろしく

353:名無しさん@ピンキー
08/06/05 22:26:01 du+TIKdo
>>362
一通り見てきた。しかし何とも言えんな‥‥

「腹いせに荒らしてる」と「憶測された」だけであって、誰しもがそう思ってた訳じゃないだろ
現に俺は例の粘着荒らしとお前さんは全くの別の人だと思ってたし

スルースキルがない奴らばっかり、って言ってるけどそれはお前さんも一緒だと思う(もちろん俺もだけど
一部の人に誤解されてたとしても、今までにもこれからも弁解するような機会はあったはず
例えば粘着荒らしがいた日に「前回鉄アレイを書いたものです」と前置きして、2~3レス分でもいいから短編でも投下すれば、IDの違いから、粘着荒らしはお前さんや論破された奴が腹いせにやってるんじゃないってわかるしな

正直お前さんの被害妄想が入ってると思う
多少勘違いされたってスルーしておけば普通に流れたはず。弁解も出来たはず
それを今回みたいに「勘違いしてる奴がムカつくから荒らしに参加する」じゃあまりに強引すぎる

荒らしの目的はスレの雰囲気を悪くしたり、潰したりすること
粘着荒らしの手のひらで踊らされて、こんな何万とあるようなスレの端でひっそりとやってる小さなスレを荒らして、それでお前さんは満足なのか??


まぁ俺はめんどくさいしNGとかはしないんだが、このままお前さんがただの荒らしになってしまうのはあまりに忍びないんだぜ

354:名無しさん@ピンキー
08/06/05 22:30:41 smfghkkp
>>369
だったら、いっそのこと関わった奴のレスも削除するなり、
アクセス規制にでもすれば良いんだがなぁ。

ID:du+TIKdoやID:PA9Duav3、ID:146q58dTみたいに
わざわざアンカーまで付けてる奴は特に。

355:名無しさん@ピンキー
08/06/05 22:42:38 dtgfEwiY
ってか誘導

エロパロでエロネタ書いて叩かれた
スレリンク(eroparo板)

ここで批評してもらったら?

356:名無しさん@ピンキー
08/06/05 23:15:15 146q58dT
とりあえず藤岡×速水先輩の続きはまだか!

357:299
08/06/05 23:34:35 wDkiaEGJ
この野郎氏のツンデレっぷりに萌えた!!
ありがとうございます!!続きも楽しみにしてます

358:名無しさん@ピンキー
08/06/06 01:15:12 qwXJjSn2
つまんないことでもめるならバレー部でミスばかりでチームの足を引っ張るアツコに対し、速水
が鉄アレイを使った拡張プレイでおしおきというハードな内容のSS投下しちゃうよ

359:久留里
08/06/06 08:32:59 Gb4lv0L0
『ヨコハマ』何とかクライマックスまで書けた。


でも、そろそろ家でないと会社遅刻するので帰ってから書いて投下します。
>>394 よし、宣言した以上今すぐ投下するのだ。

360:名無しさん@ピンキー
08/06/06 13:00:34 zLQi3iSe
よし、今日は寄り道しないでまっすぐ帰ってくるんだぞ!

361:名無しさん@ピンキー
08/06/06 14:47:38 VhleyVzO
荒らしの巣窟になっててワロタwww
もうこのスレいらねぇだろ

362:名無しさん@ピンキー
08/06/06 14:54:24 Tjaeb+F5
>>395
全裸で待ってる

363:名無しさん@ピンキー
08/06/06 15:03:46 f+0M/KZv
全裸なんて下品だぞ!

オレはネクタイ締めて半裸で待ってる

364:名無しさん@ピンキー
08/06/06 15:29:26 QL+Jm0zH
じゃあ俺は頭にウンコ乗っけて全裸待機しとk(ry

365:名無しさん@ピンキー
08/06/06 19:06:46 aNVCPBeY
鉄アレイで体きたえて待ってる


366:名無しさん@ピンキー
08/06/06 19:13:48 RN5HL/eP
>>401
鍛えるのはいいよね、うん



ところでオナネタの提供はまだですか~?読んでやるから早く投下しろよグズが

367:名無しさん@ピンキー
08/06/06 19:30:01 f+0M/KZv
お前らwww
とりあえず風邪ひくなよw

368:名無しさん@ピンキー
08/06/06 19:54:27 tT2BqAyN
            /⌒ ヽ              /\  /ヽ
             / ^ ω ^ ヽ        ヽ、 lヽ'  ` ´   \/l
          ,ノ      ヽ、_,,,      ヽ `'          /
       /´`''" '"´``Y'""``'j   ヽ     |  ヽ /   V   l
      { ,ノ' i| ,. ,、 ,,|,,. 、_/´ ,-,,.;;l     .l    V    I   |
      '、 ヾ ,`''-‐‐'''" ̄_{ ,ノi,、;;;ノ      l   ┬    ・   |
       ヽ、,  ,.- ,.,'/`''`,,_ ,,/     ヽ.   │    ・   .|
        `''ゞ-‐'" `'ヽ、,,、,、,,r'       |.   ┴    ・    レ
          ,ノ  ヾ  ,, ''";l         |   r―、      l
         ./        ;ヽ       .|.   |― '      l
        .l   ヽ,,  ,/   ;;;l       |   r―、      |
        |    ,ヽ,, /    ;;;|      .|.   |― '       |
        |   ,' ;;;l l ;;'i,   ;|      |.   ┌―      |
        li   /  / l `'ヽ, 、;|      /    |―       l
       l jヾノ ,ノ  ヽ  l  ,i|     /    └─      ヽ
       l`'''" ヽ    `l: `''"`i     `l    | ̄)      l
       .l ,. i,'  }     li '、 ;;' |       |   | ̄\     ヽ
        l ; j / _, -― ' ̄ ̄`ー‐-、_   |           /´
 , .--、,,__,,-' ̄;;"`´ ;; __  __, -―- 、;; ̄`l ┌┐┌┐     |
 ;;  ,__   ;;'    r ' ´;;; ヽ_ゝ_;;|    lヽ, / .| | .| |     |
;, Y´| l  __  /`'| |   |  l  l;|     l ヽ l .└┘└┘    /
  | |.;;l_,-'l | V | |.l .|   .|    l  i i   | ;lヽ| ○  〇    l
 |.| ''.|/ l  |;;;| | | | ;|  |   | ;l l| i ;;;; l | l     _/ヽ │
;; i /   .il /| |.| |  |   i  |   | l i  '`i l /  ̄\/    ヽノ

369:名無しさん@ピンキー
08/06/06 19:59:51 kZHEXqYF
FBIから来ました

370:名無しさん@ピンキー
08/06/06 20:04:24 AWnLcXgl
『ラウンコからきますた

っていえって

371:名無しさん@ピンキー
08/06/06 20:08:43 tT2BqAyN
スレリンク(news4vip板)


『ラウンコからきますた』

372:名無しさん@ピンキー
08/06/06 20:57:17 zLQi3iSe
えぇぇい!! ヨコハマはまだかあぁぁーー!!

373:久留里
08/06/06 22:17:34 Gb4lv0L0
おばんです。何とか出来ましたので投下します。


『ハマコイ-K-』
・カナ×藤岡,カナ視点
・非エロ
・無駄に 12 レス消費
・現実の沼津市とは多少異なる場合があります。

・このSSはみなみけの平凡な日常をたんたんと書いてしまったものです。
 間違っても過度な期待はしないで下さい。
・あと、画面から30センチくらい離れて読みやがって下さい。

・それと、受け入れられない方はお隣の三島駅から新幹線名古屋方面をご利用下さい。
・更に… チアキ「いいからさっさとしろ、バカ野郎」

374:ハマコイ -01/12-
08/06/06 22:18:11 Gb4lv0L0
『横浜ー横浜ー、です。ご乗車、有り難う御座います』
『京急線、東急線、相鉄線、みなとみらい線、ブルーラインはお乗り換えです──』

「いっやぁー着いたー!!」
「えっと、きた改札は………出口が多くて迷うな…」
隣の三島駅から特急「踊り子」号に乗り、それに文字通り揺られること1時間半。
私と藤岡は生まれて初めて神奈川の中心地・横浜駅のホームへと舞い降りた。



          ~~~~~ ハ マ コ イ ~~~~~



事の発端は先週のある昼休みの事だった。
私がケイコと話している時に藤岡が私を呼び出して、「横浜に行かない?」と誘ったのだ。
私が以前『東京方面に行ったことが無く、いつか遊びに言ってみたい』と、
藤岡が家に来た時に話した事を覚えていた様で、まさか本当に連れて行ってくれるとはこの時は思ってもみなかった。
藤岡はどうも、私が好きなこと、やりたいことを理解しなはってるご様子で、
ここ最近は私が勝負をふっかけても負けてばかり。この前も駅前の美味しいプリンを持って来たしな。
流石は三代目番長。まぁいいか。私はコイツと喧嘩をしたいんじゃなくて、仲良くなりたいだけなんだから。

「南?」
「南口なら反対側だろ?」
「そっちの『南』じゃないよ」
「私のことはカナちゃんと呼べと言ったはずだ。……カナでもいいけど」
ただ、コイツの気に入らない点を一つ挙げるとすれば、私だけを苗字で呼ぶことだ。
ハルカもチアキもトウマもアキラもナツキも南じゃないかっ!!

私達はホームの端にある階段を見付けると、そこから降りて改札を出た。
横浜駅は「きた」「中央」「みなみ」の3箇所に改札があって、さらに「東口」と「西口」がそれぞれにある。
流石は大都会の中心駅。出口が地元(沼津駅)の3倍ある。最寄りの大岡駅だと6倍もある。
……っていうか、どうして「きた」と「みなみ」は漢字じゃなくて平仮名なんだ? ま、いいか。
「南」
「…………」
カナと呼ぶまでは返事してやらん。
「……カ、カナ?」
でも、実際に呼ばれるとちょっと照れる。普段から名前で呼ばれてるハズなのに、何でだろう。
「………何だよ」
「ひょっとして、怒ってる」
「怒ってはいないさ。……別に、何でもないよ」
「ごめん、ちょっと道が分からなくて……あ、あったよ。あっちがみなとみらい線の横浜駅だ」
何で謝るんだよ。お前は悪いことしていないだろ? あと、番長なんだからもっとしっかりしろよ。


375:名無しさん@ピンキー
08/06/06 22:18:15 skHnVB1L
NGワード増やしすぎてスレが20分の1ぐらいに圧縮されてしまったぞ。

376:ハマコイ -02/12-
08/06/06 22:18:38 Gb4lv0L0
藤岡と私は「きた東口」寄りにある地下への階段を降りて、東急とみなとみらい線の横浜駅に着いた。
流石は都会の駅。まさかあんなに階段やエスカレータで降りるとは思わなかったよ。
自動券売機の操作は藤岡に任せるとして、私はコンコースを見学する。
「うーん、やっぱりデカいなぁ」
ホームの数なら沼津の方が多いけれど、駅そのものはやっぱり横浜の方が大きい。
そりゃそうだ。横浜が沼津よりしょぼかったら、私は都会になんか憧れたりはしない。
まぁ、何だかんだ言って私は沼津に住み続けるだろうけどね。藤岡がいる限りは。
って、こら、藤岡! 私の頭の中にまで出てくるな!!
「南……いや、カナ?」
「うわぁああああああ!!!」
「?? どうしたの? カナ?」
「お前、頭の中にまで出てくるなぁ!!」
「????」
そう藤岡に怒鳴るが、彼は頭のまわりに「?」マークを浮かべるだけで首を傾げるだけ。
おのれ番長め。シラを切るつもりだな。
「と、とにかく、行こうよ。はい、これ、きっぷ」
「あ………」
ありがと。
藤岡から乗り放題の切符を受け取ると一緒に自動改札機を通る。
そういや携帯電話でタッチして改札を通っている人を見掛けたが、どういうカラクリなのだろうか。
因みにみなとみらい線はTOICAが使えない。地元の人は注意されたしっ。

エスカレータで更に深い深い所まで降りると、やっとホームが見える。
大規模な改札口とは打って変わって乗り場はたったの2つ。これは意外だった。
電光掲示板には発車する電車が順番に表示されている。
流石は都会。電車が2分おきだ。こっちでは想像が付かない。

『まもなく、1番線に、特急、元町・中華街行きがまいります』

「おい藤岡。今度のやつは特急だけど、大丈夫なのか?」
「え?」
「ほら、『特急』と言うからには『踊り子』みたいに別に切符が要るんじゃないのか?」
「そんな様子は無さそうだけど……」
で、結局私達は2本後の各駅停車に乗り、終点の元町・中華街駅まで向かった。
後で、みなとみらい線の電車はどれも特別料金は要らないことを駅員さんに教わって、2人揃って赤面。
田舎丸出しだね。私ら。

終点の「元町・中華街」駅はとにかく凄かった。私の中での地下鉄のイメージが大きく変わった。
地下鉄の駅って、もっと天井が低くて圧迫感がありそうな雰囲気で、横浜駅は実際に窮屈な印象だった。
ところが、この駅はどうだ。
上にもう一本線路が敷けそうなほど天井は高く、そこには色々な写真の様な壁画が描かれているではないか!!
この前駿テレで観たSF映画に出てくる、近未来の街の公園といった趣だ。
そう言えば途中で通り過ぎたみなとみらい駅も凄かったな。
(あと、降りた瞬間、2人同時に『すげー』って叫んじゃったのは、ここだけの話にしておいてくれ)


377:ハマコイ -03/12-
08/06/06 22:19:07 Gb4lv0L0
中華街の中華料理屋さんは中学生の私らには高すぎて入れなかったので、
水族館の入り口にあるカフェでお昼を食べることにした。
そして、中華街のど真ん中にある「おもしろ水族館」へいよいよ入館……それにしてもカップルが多いな。
はぐれないように藤岡の手を……繋ぐのはちょっと恥ずかしいのでショルダーバッグのベルトを掴んで一緒に館内を見て回る。
流石は吉本興業の水族館。入った途端からギャグ全開で、『カレーライス』にはやられた。
藤岡は元々こういうのが好きみたいで、興味津々。
藤岡も近くの田んぼでザリガニとか釣ったのかなぁ。私も男子に混じってやってたけどさ。
「あははっ、何だよコレ! 変なのー!!」
「あははは、そうだねっ!」
私がバカ笑いをしていると、藤岡も一緒に笑ってくれる。
ここまで付き合ってくれる『友達』、男子の中ではコイツが初めてだな。

「いやぁ、面白かった」
「そうだね。ただ可笑しかっただけじゃなくて、本当に面白かった」
「そりゃ『おもしろ水族館』が面白くなかったらただの『水族館』だろ」
「あ、そっか。ははは」
漫才みたいなやりとりをして水族館を後にする。
途中、藤岡の奢りでいかい(大きい)豚まんを食べながら、歩いて山下公園へと向かう。
ハタから見ていると、私と藤岡はどんな風に見えるんだろうか。
まぁ、誰がどう見たって『仲の良い中学生』にしか見えないだろう。
って、藤岡、何赤くなってんだ!! こっちの方が恥ずかしくなるだろーが!!
……って、あれ? 私…………いや、そんな事はない。私に『そういう意味での』好きな奴は今のところ居ない。

ガイドマップを便りに山下公園に着いた。
途中に「山下町公園」という紛らわしい公園があって、私はついつい「着いたー」と叫んでしまった。
ちょっとはしゃぎ過ぎかな……。でも、楽しめる時に楽しめないと。
せっかく大岡中の番長様が私を連れて行ってくれているのだから。
「へぇ、これが氷川丸か」
「みたいだよ。今は博物館になっているけど、それまではビアガーデンになっていて、
 大人のカップルに人気だったみたいだよ」
ちょっと照れくさそうに言う藤岡。ってお前、いちいち解説すんなよ。
「中、入ってみる?」
って、人の話を聞けよ。何か、今日はいつも以上に空回りしているような気がしないでもない。
藤岡(というか、藤岡が持っているガイドブック)の説明によると、
前の管理会社が南京割れして船も解体されそうになったらしいけど、日本ゆーせん(優先? 有線?)が引き取って改修したらしい。
私には美術センスも何も無いけれど、取り敢えずこの船は「凄い」って事が分かった。
当時はすんごい豪華客船だったらしく、戦争中も敵に襲われなかった奇蹟の船らしい。
そして番長はまたしても興味津々。お前、本当に番長か?
番長は博物館で目を輝かせたりとかしないんだぞ。それにそんな洒落た服なんか着ないんだぞ。
(私も今日の日のためにヨーカドーで服を買って貰ったんだけどさ)
「まったく、男子はお子様だなー」
「カナには言われたくないよ」
「お前にも言われたくないよっ!」
私と藤岡が展望室で言い合っていると、周囲から生暖かい視線がグサグサと差し込んでくる。
「ほら、お前のせいで私が恥ずかしい思いをしただろーが!」
「えぇ? オレのせいなの?」
「あのアイス食べたい。あれご馳走してくれたら許す」
「わ…分かったよ。強引だなぁ」
「何か言ったか?」
「い、いや、べ、別に」
おい、そこでお前が折れるなよ。番長なんだから喧嘩しないと。
ちょっと藤岡のことが心配になってきた。コイツはしばらく私が側に居て、根性をたたき直すしか無さそうだ。


378:ハマコイ -04/12-
08/06/06 22:20:15 Gb4lv0L0
ドタバタ騒動を起こした氷川丸を後にし、「臨港プロムナード」を歩いてみなとみらい方面へ。
藤岡は何を企んでいるのか知らんが、さっきから私にわれやこれやと説明してくる。
最初はちょっと鬱陶しかったけど、「大さん橋」や改修工事中のマリンタワー、
横浜税関に神奈川県庁と片っ端から話を聞いていると、これらの建物に次第に興味を持ち始める。
お前、もう横浜に住め。そしたら私が毎週遊びに行ってやるから。

大さん橋を横目に見て新港橋を渡り、非常に怪しいテントが見えた辺りから遊歩道へと折れる。
次に向かった先は、そう、テレビや漫画でもよく出てくる「赤レンガ倉庫」だ。
文字通りの赤レンガ倉庫は3階建てで、大きい方は中に色々なお店が入っていて、
小さい方(十分いかいけど)は文化ホールとなっているようだ。
そして、その建物の迫力は想像以上! 今にもあの大食い探偵が出てきそうだ。
「中で何かやってるみたいだよ。行こう!」
そう言うと、藤岡は私の手を引いて2号館の中へ。
手を繋がれていることに気付いたのはちょっと後の事だった……。

色々なところを廻ったのでちょっと疲れてきた。
そんな私の様子を察知したのか、藤岡は海に面した芝生で休もうと提案してきた。
「飲み物買ってくるから、そこで休んでて」
そう言って彼は走って行ってしまう。そんなに走らなくたって大丈夫だよ。

はぁ。
「今頃ハルカとチアキはどうしてるかなぁ」
2人には今日の事を既に話している。というか、藤岡が誘った当日に全てを話している。
藤岡と私の2人だけでは色々と不安なので、チアキに同伴を求めたが、何故かハルカに却下された。
あの時のやりとりが脳裏によみがえる。
『お前と番長のデートに私が居たら不自然だろう?』
『で、デートなんかじゃないよ! 私は藤岡と「ただ出掛ける」だけだよ!』
『くやしいが、藤岡はお前を選んだ。いっそのこと奴のハートを奪って倒してこい』
『なんだよ。なぁ、ハルカでもいいから頼むよ』
『2人の恋に私が邪魔しちゃ、ダメでしょ?』
全く。2人して何アホな事言ってんだ。私と藤岡は「ただの友達」であって、別に恋仲には無い。
そりゃ、確かにアイツには2度も告白されたけど、私はその気は無いし、
そもそも『そういう気持ち』が私にはまだ分からない。
「そうだ! アイツとは『友達』であって、別に好きとかそういうのとは違うんだーー!!」
自分でも訳が分からずに海へ向かって叫んでしまった。
だが、この時一番恥ずかしかったのは………、
「ど、どうしたの? カナ……」
……これを藤岡に見られたことだった。
「何でもない」
私は知らんぷりをして藤岡から炭酸飲料を奪い取ると、そのまま一気に飲み干した。
「た、炭酸をそんな一気に飲んだら、……」
「げほっげほっげほっ。何だコレは。ちょっと炭酸が強すぎやしないか?!」
「一気に飲むからだよ」
「五月蠅いなぁっ、あー、もうけったくそってゃー!!」
「どうしたの? カナ。さっきから苛々してるみたいだけど」
「苛々なんかしてないっ!!」
「あ、それ、オレの分……」
ごめん、藤岡。何か知らないけれど、あんたの顔見た途端、ちょっと………。

何だろうね、この気持ち。ちょっとどきどきする。


379:ハマコイ -05/12-
08/06/06 22:21:29 Gb4lv0L0
赤レンガパークでの騒動で私達はちょっと気まずくなってしまっていた。
悪いのは私なんだけど、口から出るのは思ってもいない事ばかり。
藤岡は喧嘩になるのを避けるためか、さっきから宥めたり聞き流したりしている。
いつもそうだけど、いつもよりも空回りしている様な気がする。私が。
今手元に鏡があれば、私は一体、どんな顔をしているのだろう。
藤岡にはどういう風に見られているんだろう。
このまま、「ごめんね」も言えないまま沼津に帰る事になるのかな。
せっかくの旅行なのに。
「カナ」
「…………なに?」
藤岡も藤岡だ。こんな私、ガツンと怒鳴って置いていってしまえばいいんだよ。
お前、バカだよ。私と同じくらいバカだよ。怒れよ。
「………何を考え………ランドマークタワー、登ってみよう」
「……………」
「今日は晴れているから、展望室まで行けば、きっとカナの曇り空も、きっと晴れるよ」
お前、本当にバカだよ。こんちくしょう。



開港の道を一緒に歩き、日本丸の前でちょっと立ち止まる。
藤岡は精一杯の笑顔を私に見せて、そして、「行こう」という。
私はその間、ずっと彼の背中を見ていた。藤岡って、結構体格いいんだよな……。
桜木町駅から続いていたらしい長い通路に合流して、ランドマークプラザに入る。
色んなお店が向こうに見えるけど、途中で曲がってランドマークタワーの入口へ。
行ったんエスカレータを降りてから入場券を買って列に並ぶ。
休日の昼間だというのにそれほど混雑はしていなかった。
藤岡は─多分敢えてそうしているのだろう─いつもの調子でガイドブック片手にあれこれ説明してくれている。
彼の説明によれば、ランドマークタワーの高さは296m。商業ビルの中では一番高いビルらしい。
展望室は東京タワーよりも高い位置にあるそうで、そこへは「日本最速のエレベータ」で一気に上がるという。
私達をぎっしり詰め込んだエレベータは扉を閉じ、いよいよ60階展望室へ。


380:ハマコイ -06/12-
08/06/06 22:21:52 Gb4lv0L0
「69階、展望台フロア『スカイガーデン』でございます」
あまりにも速過ぎて、あっけなく展望室に着いてしまった。
地上69階。イマイチ実感の湧かない高さだ。
うちのマンションの14倍の高さ。イーラdeでさえこの高さには敵わない。
まさに文字通りのランドマークタワーだ。

「ほら、眺めが綺麗だよ」
藤岡がそっと、私の背中に手を延ばし、軽く、一歩前へと進ませる。
「───!!」
そこに広がるのは、先ほど歩いてきた道、山下公園、大さん橋、赤レンガ倉庫……色々な建物が、
いや、それだけではない。そこからは横浜の『街』が一望出来る。
向こうに見えるのは伊豆……いや、三浦半島か。これは凄い。
まるで自分が鳥の様になったかのようだ。
でも、何だろう。小さな胸の中にある大きなモヤモヤがあるせいか、素直に喜べない。
もしかして、隣に藤岡が居るからかだろうか。私、どうしてコイツの事が気になるんだろう。
藤岡がちょっと不安げな顔で、私に問いかける。
「どうか…な?」
問いかけられて、返す言葉を選ぶ。私、頭単純だからベタな答えしか返せないや。
「…………うん、きれい」
だから、そう答えた。藤岡が笑った。
「そっか。良かった」
その笑顔は、まるで小さな子供のように純粋だ。
何処かあどけない藤岡。結構可愛いじゃないか。
「? オレの顔に何か付いてる?」
「……い、いや、別に」
どうやら彼をじーっと見つめてしまっていたようだ。

「そっか」
少し間をおいて、彼は短くそう答えた。

スカイガーデンは4面全てが展望スペースになっていて、それぞれに「西」や「南」の様に方角を示すプレートが貼られていた。
そこにはカップルや家族連れが居て、みんな思い思いに景色を楽しんだり、写真を撮っていたりする。
中には1人で登ってきたらしい人も何人か居た。三脚といかいカメラを持ってたから、多分プロの人だろう。
4面のうち1面はカフェになっているようで、お酒も置いてある。
夜は大人の社交場にもなっているようだ───ん?
あのお酒、以前速見先輩が持ってきた『高級ジュース』と良く似ているのだが、気のせいだろうか。
ふと右を向くと、藤岡が何やら言いたそうな顔をしている。
私、変な顔、してた?


381:ハマコイ -07/12-
08/06/06 22:22:56 Gb4lv0L0
「南!」
だからカナと呼べと言ったろうが! でも、ツッコむ気力が無かった。
疲れていた訳ではない。多分、胸の中のモヤモヤが悪戯しているのだろう。
「ほら、ここ、南……カナの特等席だよ!」
私が考え事をしている時に何言ってんだと一瞬思ったが、藤岡が指さす方を向くと、
そこにはプレートが貼られており、そこには「南 South」と書かれていた。
「…………寒かった、かな」
刹那、時間が止まったような気がした。
何処からか聞こえるBGMも、周りの人の話し声も、何もかもが静まり返った……様な気がした。
そして、私に異変が起こった。急に顔の筋肉が動き出したような気がして、口から声が出そうになる。
「ぷふっ」
間抜けな音が漏れた。藤岡はそんな私を見て肩を落としている。
急に笑いたくなった。だから笑ってやった。
「ぷはっ、あっはははははははは!!」
精一杯笑ってやった。周囲がざわめいたような気がしたが、そんなのどうでもいい。
胸の中のモヤモヤを押し出す様に、私は笑った。
「っはははははは、お前、どうせ駄洒落を言うならもっとヒネってから言えよ!
 あはははははははは!!」
多分、藤岡はともかくとして、周りはただのバカとしか思っていないだろう。
でも、いいよ。スカッとしたから。
笑い転げて息が詰まりそうだ。藤岡がちょっと引いている。可哀相なのでそこでストップした。

「ごめん」
「え?」
「さっきは、ごめん。ちょっと、考え事してて…………」
「…………どんな考え事?」
心配そうに私の顔を覗き込む藤岡。そんな目で見るなよ。お前の事だよ!!
「何か、スッキリしちゃった」
「……ああ、まぁね。あれだけ笑えばね」
「ごめん、ちょっと吃驚したでしょ?」
「うん、ちょっとね。でも、いつものカナに戻ったような気がして良かった」
「お前、それどういうつもりだよ! 何? 私がいつもバカ笑いしてると思ってるのか?」
「ち、違うよ。ただ……その、元気なカナが一番だからさ」
「…………ばか」
「え?」
「………何でもない。ほら、あれ、何だっけ? ベイブリッジだっけ?
 えらいいかい船が橋の下、通ってるぞ!!」
藤岡に察せられない様に、私はわざと話をそらせた。
大きな豪華客船がベイブリッジの下を通過しようとしていた。
「おわっ、凄い、豪華客船だ!! あれ、確か『あすか』じゃなかったっけ?」
「船の名前なんて分からないよ」
「昨日、テレビの特集でやってたの、観てなかった?」
「ああ、アレか。観た観た! いつか乗ってみてーなー」
「今のオレ達じゃちょっと無理かな?」
「今じゃなくていいよ。『いつかそのうち』乗ってみたいなーって」
「そっか。っははははは」
「ふふ、あははははは」
そして、2人で笑い合った。
結局、この時は私の藤岡に対する気持ちには気付かなかったけど、
少なくとも、私はコイツが気になっている、って事は分かったかな。
何か分からないけれども、藤岡と一緒にいると、何か楽しいんだよな。

存分に「空の散歩」を楽しんだ私達は、お土産を買ってエレベータへ。
日本最速のエレベータは「まだそこに居たい」という気持ちを吹き飛ばすかの様に、一気に降りていった。


382:ハマコイ -08/12-
08/06/06 22:23:43 Gb4lv0L0
その後で、派手な色彩のクィーンズスクエアを歩いて、色々なお店を廻って、
でもお金が無いから何も買わないで、2人で存分に楽しんだ。
藤岡と撮ったプリクラは、今でもキーホルダに大事に入れられている。2人の思い出だからね。

地下1階の「サブウェイ」というサンドイッチ屋(沼津には無い)でサンドイッチを食べて、
それからみなとみらい線で今度は日本大通り(にほんだいどおり、ではない)駅へ。
日が延びてきたとはいえ、流石にこの時間になると辺りは暗くなる。
陽が沈んでしまう前に次の場所へ行かなくては。
「キング」と呼ばれる神奈川県庁の前を過ぎ、大きな交差点を渡る。
昼間に通った臨港プロムナードの下をくぐって、手を繋ぎながら(いや、繋がれながら)着いたのは大さん橋。
屋上の展望スペースは一面ヨコハマの海が臨め、大小様々な船が見られる。
足もとは全面板張りで、さん橋全体が船のような形をしているので、平らな所が無くちょっと歩きづらい。
向かって左手にはちょうど豪華客船が停まっており、下では荷物の積み込みを行っているようだ。
「凄いぞー! こんないかい船、沼津じゃ見ないよ!!」
沼津にあるのは漁船とレジャーボートばかり。こんな大きな船とはスケールが違いすぎる。
藤岡がガイドブックにはさんだメモを見ながら、言った。
「この船はこの後、神戸へ向けて出航するみたいだよ」
「へぇ、神戸か。どんなトコなんだろうな」
「横浜みたいに景色が綺麗な所らしいよ? 『東の横浜・西の神戸』といった所かな?」
「へぇ、お前、何でも知ってんだな。流石は番長だ」
「ここで番長はやめてよ」
「何だよ、いいじゃないか。お前は大岡中の番長なんだから」
初代の妹が言ってやってんだから有り難く思いたまえ!!
「えいっ」
軽く彼の背中をつついてやった。
「おわっ?!」
バランスを崩して少しよろける藤岡。
「このーっ!」「うわっ、何をする?!」「お返しだ!!」「何をー! 藤岡のくせにー!!」
結局周囲の熱い視線を受けながら、大さん橋の上で私達は小さな子供のようにはしゃいだ。
今日の出来事は、例え頭を打ってパーになっても、きっと覚えているだろう。

そろそろ帰りの電車の時間が迫ってきた。
沼津へは遅くとも10時までには着かなくてはならない。時間はあと少しだけ。
「最後に観覧車、乗ろうか?」
「そんな金、もう無いだろ?」
あちこち廻った上、色んなものを食べたりしたので財布の中は帰りの電車代しか残っていない。
ちょっと食べ過ぎたか。特に私が。
「じゃあ、横浜駅まで散歩しよう」「えー、遠いから嫌だ」
「しょうがないなぁ。じゃあ電車で行こうか」「みなとみらい駅までなら歩く」
「分かったよ。ほら、行こう」「おう!」
ちょっとワガママになって、藤岡に甘えて見せる。ちょっとは女の子らしくなったかな。
藤岡は笑っているけど、流石に疲れが見え隠れしている。私、ちょっと騒ぎすぎたかな?
いや、藤岡は番長だ。ちょっとやそっとじゃヘタれないに違いない!!

大道芸を横目に見て階段を上り、2階の通路からクィーンズスクエアに入る。
藤岡曰く、このド派手な色彩は、とあるデザイナーの意匠によるらしい。
その人は九州の特急列車のデザインも担当したらしく、斬新で独特なデザインが評判らしい。
あまり興味は無い話題だったけど、ちょっと知識が増えた。


383:ハマコイ -09/12-
08/06/06 22:24:28 Gb4lv0L0
クィーンズスクエアの2階から一気に地下3階まで降りる長いエスカレータに乗る。
徐々に移っていく光景を見ながら、私は遂に藤岡に対する気持ちに気付いた。
気付いてしまった。
それがちょっと、恐かった。

私は、藤岡の事が好きだったんだ。
今の今まで気が付かなかったけど、今、やっと気が付いた。
友達として好きなんじゃない。『そういう意味で』好きなんだ。
もしかしたら間違っているのかも知れない。
それでも、少なくとも、『今』の私は、『彼』の側に居たい。ずっと居たい。
そういう気持ちで一杯だった。

地下2階を通り過ぎる。
前に立っている藤岡の背中に、そっと手を添える。
藤岡は何も反応しない。こいつ、わざと気が付かないフリをしているな?

フリーきっぷを自動改札機に通して、ホームへと降りる。
さっきとは反対側、つまり、横浜駅側で電車を待つ。
エスカレータにはあんなに人が乗っていたのに、駅のホームはがらんとしている。
皆、一体何処へ行ってしまったのだろう。
ホームから地上3階が見える中華街側とは異なり、こちら側は天井が低くて人も居ない。

(気持ちを伝えるなら、今がチャンスかな?)
彼は初めて私に告白してから今日まで、ずっと返事を待っているに違いない。
私は彼を散々待たせた。これ以上彼を待たせる訳にはいかない。
意を決して、彼に今の気持ちを伝えることにした。


『まもなく、2番線に、特急、渋谷行きが、10両編成で入ります』


「あのさ、藤岡」


何処からか風の音が聞こえる。自分との闘いが始まった。


「………なに?」
藤岡が私に振り向いた。ちょっと緊張している様だ。


『2番線ご注意下さい。渋谷行き特急電車の到着です。黄色い線の内側まで下がってお待ち下さい』


風の音が強まっていく。早く言わなきゃ!


「今、分かったよ!!」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………………、
地下トンネルに電車の走行音が響き渡る。強い風と共に電車がやって来た。


「私も!! あんたの事!! 藤岡の事!!」


ゴ、ゴ、ゴ、ゴ、ゴ、ゴ、ゴ…………。プシューッ。


384:ハマコイ -10/12-
08/06/06 22:26:09 Gb4lv0L0





「好きだぁああああっっっ!!!!」





『みなとみらい、みなとみらい。2番線の電車は、特急、渋谷行きです』

はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。
言ってやった。
思っくそ言ってやった。
半ば勢いに任せて、今の気持ちを、精一杯込めて、藤岡に、言った。
振り向けば、運転士が何事かと目を丸くしている。
しかし、もっと驚いているのは藤岡本人だ。

「最初はただの球蹴り番長としか思っていなかったけど、今、分かった!!」
「カナ………」

『♪~~~~~。
 2番線から、特急、渋谷行きが、発車いたします。閉まるドアにご注意下さい』

「お前が何でこんな私のこと、大事にしてくれるのか、今、分かった!!」

♪ポン、ピン。……………ガタン。

「お前……藤岡、お前、バカだよ!! もっと可愛い子が沢山居るじゃないか!!
 もっと私より頭の良い子が沢山居るじゃないか!! 何でだよ!! 何で私なんだよ!!」
「それは、オレが……」

キ─────ン…………、ゴ、ゴ、ゴ、ゴ、ゴ、ゴ、ゴゴゴゴゴゴゴゴ…………、

「お前のせいだよ!! お前が優しくしてくれるから!!
 私がお前のこと、好きになっちまったじゃないか!!
 『こんな』私が、お前の事、好きになっちまったじゃないか!!」
「だから、それは………」

カタン、カタン、

電車は何事もなかったかのように行ってしまった。鉄色の冷たい風を残して。


385:ハマコイ -11/12-
08/06/06 22:26:40 Gb4lv0L0
その直後だった。
「『こんな』って言うなよ!!」
藤岡が怒鳴り返した。
「『こんな』って言うなよ!! みな……カナ、カナはオレには持ってない良い所、沢山持ってるよ!!」
「オレがどんなに落ち込んでても、いつも側で元気付けてくれるのはカナなんだよ!!」
「この前サッカーの試合で負けた時もそうだ!! カナは笑いながら言ったじゃないか!!」
………何て言ったんだっけ?
「『次頑張ればいいら』って!! カナは自分で気付いてないかも知れないけれども、
 そうやってオレを……いや、みんなを元気付けてくれるんだよ!!
 だから負けても次頑張ろうって気になれるんだよ!!」
………そ、そんなんでいいのかよ。そんなんでいいのかよ。
「いいんだよ。むしろそうしてくれ!!」
「………するよ。じゃあそうするよ。後悔すんなよ!!」
「後悔なんか、する訳ないじゃないか」
「そう。じゃあ、お前の彼女になってやってもいい」
「………何だよ。相変わらずだな」
「…………何がさ?」
藤岡は私に何の問いには答えず、
「カナ」
とだけ言って私に近付いた。
私が怯んだ隙を狙ってか、そのまま、半ば勢いで顔を近づける。
「……………んむぅ」
藤岡の唇が、私の唇に触れた。チアキとは違う、男の子の唇。
そう言えば、男の子とのキスは、これが初めてだ。
意外と柔らかい。
私もやり返してやる。
「ん…………んむっ…………ん…………」
「………んっ………んんぅ…………」
結構な時間、私と藤岡は口づけをしていた様な気がした。実際にはほんの数分だけど。
手作りの苺チョコレートの様な、甘い甘い、キス。
私にはそう感ぜられた。

「カナ」
「な、何だよ」
「オレと、付き合って下さい」
「……………私より先に言うな。番長のくせに」
「………。カナらしいな」
「からかうな」


386:ハマコイ -12/12-
08/06/06 22:27:50 Gb4lv0L0
横浜駅に到着し、駅じゅう走り回ってやっと見付けた公衆電話から家に電話をする。
今、帰ります、と。

行きは特急列車だったけど、帰りは列車のダイヤの都合とお財布の都合で普通列車で帰ることになった。

『まもなく、4番線に、普通、沼津行きが、参ります。危ないですから、黄色い線まで、お下がり下さい』





「本当に、いいね」
「うん、いい」

横浜からの帰り道、晴れて恋人同士となった私と藤岡は、一緒に普通列車の1号車に乗車した。
急遽予定を変更して、ここから2時間、私と藤岡は禁断の領域へ通ずる階段へと足を伸ばした。

Fin.

387:ハマコイ by 久留里
08/06/06 22:28:50 Gb4lv0L0
何もかもが甘すぎる。
物語の味付けも、カナの心理描写も、そして自分自身も、何もかもが甘い。



だから今後も書きまくって経験値上昇していきます。
では。

388:名無しさん@ピンキー
08/06/06 22:51:10 skHnVB1L
>>423
良作ありがとう。
恋のある青春っていいよなあ!おい!

389:名無しさん@ピンキー
08/06/06 22:52:46 VhleyVzO
良作× オナニー文○ 

390:名無しさん@ピンキー
08/06/06 23:00:23 VhleyVzO
糞スレ晒しage

391:名無しさん@ピンキー
08/06/06 23:02:17 VhleyVzO
あんたらも自身の妄想公表して恥ずかしくねーの?w
これをお前らの親父さんが見たら
恥ずかしくて死ぬだろうよw
むしろ劣化遺伝しか残さん親は死んだ方がマシだがw

392:名無しさん@ピンキー
08/06/06 23:11:58 2OzSwCl3
 


393:久留里
08/06/06 23:13:20 Gb4lv0L0
最後にこれを書きたかったんだ↓


カナが恋をしたっていいじゃない。
だって女の子なんだもの。



横浜は近所なのでちょくちょく行っています。
デートにもうってつけですな。玉砕したけどorz

394:名無しさん@ピンキー
08/06/06 23:33:30 aNVCPBeY
なかなか面白かったが、他の奴が競ってご当地モノとか書かないようにはして欲しい。
こういうのは一番目だから良い。

395:名無しさん@ピンキー
08/06/06 23:34:04 sjJINiWN
>>423
GJ!
甘い雰囲気が素晴らしいね

396:名無しさん@ピンキー
08/06/07 00:08:00 Tjaeb+F5
>>429
GJ!
帰宅早々パソ付けて良かったよ

しかしカナはSSに使い勝手がいいな

397:名無しさん@ピンキー
08/06/07 00:25:50 PY1gVXY7
>>423
おかえりGJ!! 好きだ! 好きです!!
まってました。まさか12レスもあるなんて……ずいぶんとホッコリしました。

>だから今後も書きまくって経験値上昇していきます。
次回作、半裸で期待して待ってます。

398:名無しさん@ピンキー
08/06/07 05:55:31 pJG3uuX/
>>423
日本郵船やら飛鳥2やらが出てくるとは。なんかリアルだった。
日本の二大客船港たる横浜を思い出しながら読めました。
カナ萌え~GJです

399:名無しさん@ピンキー
08/06/07 07:20:36 zFk4jbNX
NGワードに指定したとかよく見かけるけどさ、いちいち宣言したりしたら構ってるのと同じだよね。馬鹿?w
あと本当に昨日の荒らし全部NGにした奴いたらそいつそうとうの暇人だなwwwwww

400:名無しさん@ピンキー
08/06/07 07:37:39 gTcGMzmg
ヨコハマキテター!GJ!
なんかヨコハマに行った事ないけど、藤岡のガイドのおかげでこっちまで行った気になれたよw

401:名無しさん@ピンキー
08/06/07 07:56:41 NWBp04Hy
やはりカナには藤岡だな

だが藤岡には千秋やトウマも似合うという矛盾…

402:名無しさん@ピンキー
08/06/07 14:05:40 DTZiIvKT
>>437
なんという汎用性の高さ!
藤岡はみんなのおもちゃだ( ゚∀゚)

403:久留里
08/06/07 15:48:30 o/ypY0Qj
おまけ。

***
カナとチアキが横浜に居る頃………。

「ハルカ姉さま」
「ん? なに?」
「今日は家の中がとても静かです」
「あら、たまにはいいじゃない。ちょっと寂しいけど」
ムードメーカにしてトラブルメーカのカナが居ない為、南家はひっそりと静まりかえっていた。
普段は毎日のように来るトウマ達もおらず、2人は退屈しているのだった。
リビングのコタツテーブルで向かい合う2人。その足もとには読み終えた本が高く積まれていた。

「ハルカ姉さま」
「どうしたの? チアキ。もしかして、カナが居なくて寂しいの?」
「ち、ち、違いますっ!! あんなバカ、居なくてむしろせいせいしています」
「そんなこと言わないの。あ、もしかして、藤岡君かしら?」
「そ………それは…………。」
「ふふ、チアキったら可愛いわね。2人とも、今、どうしているのかしら? ふふっ」
「ハルカ姉さま、何か嬉しそうですね」
「あら、チアキは嬉しくないの?」
チアキはご機嫌斜めのご様子だ。理由は……言うまでもない。

「ハルカ姉さま」
「なあに?」
「何か悔しいです」
「何が?」
「カナが藤岡に……、いや、藤岡がカナに……、えーと、
 と、と、とにかく、2人が仲良くしているのが悔しいです」
(チアキ、カナも藤岡君も好きだから、ちょっと焼き餅妬いているのかな?)
「ハルカ姉さま」
「チアキ」
「は……はい」
「ごはんにしよっか。出掛ける支度をしましょう」
「え?」
「ふふ、今日は特別よ。カナには言っちゃダメよ?」
「は………はい!!」

fin.

404:名無しさん@ピンキー
08/06/07 17:21:35 NoS7VhcE
カナと藤岡の間違いか?

405:名無しさん@ピンキー
08/06/08 15:50:56 Cx3lHxRH
なにが?

406:名無しさん@ピンキー
08/06/08 16:43:33 3N/k1oSo
冒頭の、
>おまけ。

***
カナとチアキが横浜に居る頃………。


って所じゃない?

407:名無しさん@ピンキー
08/06/08 18:13:59 5p1dGJAs
>>441
読解力の無い屑だな

408:名無しさん@ピンキー
08/06/08 18:26:38 Cx3lHxRH
>>442
サンクス
>>443
は?うぜーよ死ね!

409:名無しさん@ピンキー
08/06/08 23:18:43 5p1dGJAs
おまけに文章力も無いと来たか。やっぱゆとりだなw

410:名無しさん@ピンキー
08/06/08 23:20:03 ZJSU2ArI
マキ×藤岡とか…凄く良いと思うんだ

411:名無しさん@ピンキー
08/06/08 23:43:37 3N/k1oSo
藤岡は速水やアツコともいけたんだ
原作で関わりのあったマキくらい余裕でいただいちゃうだろ
むしろ頂かれちゃうだろ

412:久留里
08/06/09 00:01:08 +8cxgQGO
>>440,442
今開いた時に気付いた。
>>440が正しいです。すまぬ。

さて、
続編で帰りのシーンを描いた『ハマコイ~おかわり~』に手を出そうか、
それとも藤岡サイドを描いた『ハマコイ-F-』を書こうか考え中。

413:名無しさん@ピンキー
08/06/09 00:10:52 hbgpOVLA
『ハマコイ~おかわり~』に一票!
ただし、サブタイトルだけは変更を求む!!

414:名無しさん@ピンキー
08/06/09 00:16:06 Tfa17jbd
ハル×マコの続きが読みたくてずっと全裸待機なんですが、そろそろ風邪ひきそうです・・・

415:名無しさん@ピンキー
08/06/09 07:28:17 +TZ0axjn
>>445
文章力云々でてめーにとやかく言われる筋合いはねーよカス

416:名無しさん@ピンキー
08/06/09 09:15:50 Ej1f6pG5
読解力と文章力の無い屑が図星をつかれて暴れてるな。

417:名無しさん@ピンキー
08/06/09 10:47:47 lknKWLSm
>>450
無茶しやがって…


418:名無しさん@ピンキー
08/06/09 12:07:37 +TZ0axjn
>>452
カスって言われて否定しなかったねwwwwカス乙wwwww

419:名無しさん@ピンキー
08/06/09 12:41:39 Ej1f6pG5
なんとまあ貧困な頭。
他に使える言葉がこれだけとは、お子ちゃまだなぁ。

420:名無しさん@ピンキー
08/06/09 13:35:59 2S/tjzNN
喧嘩なら余所でやんなさい

421:名無しさん@ピンキー
08/06/09 17:51:57 +TZ0axjn
>>455
貧困な頭だって。それを言うなら貧相だろ。なんて貧困な頭の奴だwwww

422:名無しさん@ピンキー
08/06/09 18:05:03 Ej1f6pG5
貧相な頭って、荒らしてる奴はハゲだったんだ。

423:名無しさん@ピンキー
08/06/09 18:52:06 +TZ0axjn
またまたwwwwwひwwwwんwwwwこwwwwんwwwwなレスをwwwwwお前はアフリカの恵まれない子供達かwwww

424:名無しさん@ピンキー
08/06/09 19:20:58 Ej1f6pG5
w多すぎ。
読みづらいよハゲ。

425:名無しさん@ピンキー
08/06/09 19:35:16 +TZ0axjn
それは君の頭が貧困(笑)だからでは?wwwwwwww

426:名無しさん@ピンキー
08/06/09 20:26:57 Ej1f6pG5
君の頭が貧相なのは知ってるよ。

427:名無しさん@ピンキー
08/06/09 20:29:32 +TZ0axjn
会話になってねえwww馬鹿だこいつwwww

428:名無しさん@ピンキー
08/06/09 21:11:14 Ej1f6pG5
悔しいだろうなぁ。
まともに構ってもらえず、頭と同じく寂しいだろう。

429:名無しさん@ピンキー
08/06/09 21:18:53 EUxsfK0M
>>456
なんて大人なんだ・・・456にだったら抱かれてもかまわない!!

430:名無しさん@ピンキー
08/06/09 22:42:11 NDfcXH/2
お前ら速水×藤岡と藤岡×速水どっち読みたい?

431:久留里
08/06/09 23:07:02 +8cxgQGO
話の流れ、ぶった切っても良さそうですね。

おばんです。
『ハマコイ』の続きを考えていたら、何故かトンデモないモノが出来てしまった。
記念に投下しておきます。

『定点観測』
・カナ×藤岡(×リコ)・リコ視点
・中途半端にエロ
・無駄に 9 レス消費
・沼津市立大岡中学校とは一切関係ございません。
・このSSはみなみけの平凡からちょっと外れた日常をたんたんと書いてしまったものです。
 間違っても過度な期待はしないで下さい。
・あと、受け付けられない人は隣の三島駅から名古屋にでも大阪にでも行きやがって下さい。


432:定点観測 -1/9-
08/06/09 23:07:40 +8cxgQGO
カナの様子が何かおかしい。いや、おかしいのは元々なんだけど……。
そう言えば、藤岡君もちょっとだけ雰囲気が変わったような気がする。
カナは前よりも騒がしくなった様に見えるし、藤岡君もどこか動きがぎこちない。
──2人の間に何かあったわね?

私はリコ。藤岡君の事は、中学の入学式の日以来、想いを抱き続けている。
何度か話しかけた事はあるし、理科の実験でも同じ班になったこともある。
格好良くて、スポーツ万能で、とても優しい藤岡君。
学校で彼と会う度に、私の想いはどんどん強まっていった。

他のクラスメイトに「告白しちゃえば?」とは言われたものの、一つ問題があった。
彼は何を思ったか、同じクラスメイトのカナ─南夏奈─を好いていた。
カナの性格を考えると、彼がどうしてカナを選んだのかは到底理解出来ない。
別に私はカナが嫌いな訳ではない。でも、彼女に大して許せない事が一つある。
そう、カナは藤岡君に気がある訳でもなく、以前も話していたけど、
「そういう意味での好きな人は居ない」という。
藤岡君に対しても、実際、『友達』として接していると彼女は言うけれど、本当かしら?


433:定点観測 -2/9-
08/06/09 23:08:14 +8cxgQGO
翌日───。

田舎というのは噂が広まるのが早い。
今回はどんな噂が広まったかと言うと、カナと藤岡君の事だった。

「おはよう」
おっと、噂をすれば誰とやら。朝練を終えた藤岡君が、教室の中へ入ってきた。
「おはよう、藤岡く…「よう、旦那!! 奥さんはどうしたんだい!?」
私が挨拶しようとしたら、他の男子の大声で掻き消してしまった。
折角藤岡君に挨拶しようとしているのに、何てことするのよ!!
「え? お、奥さんって、おれ、結婚なんかしてないよ?」
「何言ってんだよ、お、さては早速夫婦喧嘩ですか?」
「藤岡も隅に置けんやっちゃなー」
「えっと、式は幾日だっけ?」
入って早々男子にからかわれる藤岡君。ちょっと照れている彼も格好良いけれども、
照れている相手が誰だか分かっている私は、彼のその様子を直視出来なかった。
「おいおい、からかうなよ。おれには、別に………その…………あ!!」

藤岡君の咄嗟の声に、クラスメイト全員が教室の前の扉に注目する。

 がらがらがら。

扉を開けて入ってきたのは、私達2年5組のムードメーカにしてトラブルメーカ、
そして、騒音メーカの南夏奈だった。
「お早う、南」
「お早う」
しかし、カナは短く挨拶を返しただけで、それから特に何も言わずに席に着いた。
藤岡君も特に気にしていない様子。

「何だ何だ? お前のカミさん、愛想悪いな」
「やっぱり喧嘩か? 南、怒るとおっかねゃーかんな」
「だから違うよ!」
明らかに2人の様子がおかしい。
私は丁度教室に入ってきたケイコのスカートを掴み、早速訊いてみた。
「カナと藤岡君、様子が変だけど、どうしたの?」
すると、ケイコは驚いた様子で私を見る。え? わ、私、何か悪い事言ったかしら?
「え?! 知らないの? リコが知らないんなら知らないでいいんだけど」
「一体何があったのよ?! もしかして、カナが藤岡君を虐めたとか?」
「うーん、それは無いと思うよ」
「じゃあ、何よ?」
「リコなら多分分かると思うよ?」
少し取り乱していたせいか、気が付けば私は、半ば脅迫するような姿勢でケイコに迫っていた。
「…………ご、ごめん」
ケイコのどこか遠回しな言い方で、2人の間に何があったか、ようやっと気付いた。
いや、昨日の時点で大体想像はしていたけれども、2人はどうやら付き合い出したのだ。

私にとって、『それ』は最悪の事態だった。


434:定点観測 -3/9-
08/06/09 23:08:49 +8cxgQGO
ケイコをトイレに強制連行し、彼女から話を伺う。
すると、2人は先日、何と横浜でデートをしてきたらしい。
塾帰りの男子がカナと藤岡君を目撃したとのことだった。
そして、何があったかは知らないけれど、2人はどういう訳か『汗だくだった』という。
「電車の中、そんなに暑かったのかしら?」
「さぁ、乗換の時に走った、とか?」
結局、何故2人が汗だくだったのかは誰も分からなかった。
ただ、2人が『とても仲良くしている様に見える』ことは、彼らの目には明らかだったという。

…………そして、この話が全校へと流れた。
田舎の恐ろしさを実感する。東京じゃこんな風にはならないらしいわね。想像だけど。

しかし、それにしては2人の朝のやりとりには違和感を覚える。
カナの事を考えると苛々してくるけれども、どうせ付き合ってるのなら、
朝から抱きついちゃうとかしちゃうんじゃないのかしら?
ほら、こうやって、さ。
「リ……リコ……頼むから、もう離して……息…出来ないよぉ」
あ、ごめん。つい取り乱してて。

付き合い始めて早々、2人に何かあったに違いない。
場合によっては私に藤岡君奪回のチャンスが訪れるかも知れない。
そうすれば、私はモーレツハッピーになれる!!
よし、2人におかしな様子が無いか、今日は一日中、2人を観察しよう。

***

私はカナと藤岡君の様子をずっと観察していた。
カナは私と同じ一番後ろの列なので、窓側を向けばその様子は分かる。
でも、お互いに隅っこ同士なので、間にいる6人が邪魔でしょうがない。
「そこ、ちゃんと黒板見なさい」
あっちゃー、先生に注意されちゃったわ。

午前中は、2人の間に特に変わった様子は無く、定刻通りに給食の時間を迎える。
相変わらずカナはケイコの分を横取りしようとしているし、
藤岡君も変わらず、班の皆と仲良く食べている。

午後は体育と理科。
体育は男女別だから、藤岡君の様子は分からなかった。
カナはいつも以上にケイコを振り回していただけで、特におかしな様子は無かった。
6時間目の理科も同じ。今日は理科室で実験だったけど、2人に変わった様子は無かった。

「はーぁ。結局何も起きなかったわね。何か決定的な事が起きないかしら?」
「私に訊かれても困るわ…」
「え? 私何か言ってた?」
「………………。分からなかったのならそれでいいわ」
どちらかと言えば、今日一日観察していて一番変だったのは、ケイコの様な気がした。
「変わってるのはリコの方よ?」
わ、私は普通よ、普通。何を基準に『普通』とするのか訊かれると、ちょっと困るけど。


435:定点観測 -4/9-
08/06/09 23:10:14 +8cxgQGO
「起立! 礼!」
「「「さようなら」」」
「はい、さようなら。気をつけて帰って下さい」

ホームルームが終わり、生徒達がどっと教室を飛び出す。
今日は午後練は休みなのか、藤岡君はいつもの様に外へ飛び出したりはせず、
せっせと教科書やノートを鞄に仕舞っている。
あれ? そう言えば、カナは?
カナはいつの間にか教室から姿を消していた。
彼女は、帰る時は必ず後の扉──そこには私の席がある──から出るので、必ず私の前なり後なりを通るハズ。
ところが、彼女の存在感たっぷりの気配は感ぜられなかった。
「カナったら、私に気付かれないように前から出てったわね?」
まぁ、でもいいわ。これで私は藤岡君が見放題なんだから。

「あれ? おれに何か用?」
私の視線に気付いたのか、藤岡君が私に振り向いた。ああ、何て素敵なんでしょう。
「い、いや、べ、べべべべ別に、な、ななななな何でもないです、はい」
焦ったあまりに私はどもってしまった。藤岡君の前ではラッパーになれそうだ。
「あ、そう。それならいいんだけど。じゃあ、おれはここで。また明日」
そう言って、彼は私に手を振って、教室を後にした。
あの笑顔はちゃんと画像データとして保存して、バックアップも1000回ほどしておいたわよ。

***

教室を後にして、昇降口へと向かう。私が最後だったので、戸締まりもちゃんと確認しておいた。
「あ、いけない。今日が期限日なんだった」
階段を降りている途中で図書室から借りていた本を返さなければいけない事に気付き、私は降りた階段を再び登る。
図書室は4階建ての校舎の4階、しかも今登っている階段からは一番遠い所にあるので、
行くだけで結構しんどい。
国語や社会科でもたまに使うんだから、もうちょっと近い場所に造ってくれたって良いと思う。
でも、今更文句を言ったって図書室が移転したりする訳が無いので、さっさと階段を登って廊下を真っ直ぐ突き進んだ。

「リコちゃん、最近凄いわね。結構借りてるじゃない。熱心ね、感心するわ」
図書室の先生が、私の図書カードを見て驚く。
そりゃそうよ。藤岡君が薦めてくれた本を全部読むために、私は片端から借りているんだから。
そう言えばとあるアニメ映画で、主人公の中学生の女の子が図書カードに書かれた男の人の名前が気になって、
その人が借りた後に本を借りる、というやつがあったわね。
あれは結局、2人でラブラブになってお仕舞いってやつだったけど。
確か、彼の方はヴァイオリン職人になるためにイタリアへ行っちゃったのよね。
「ああ、藤岡君もサッカー選手になるために、そのうち海外へ行っちゃうのかしら」
「その藤岡君って子、サッカーが上手なの?」
「ひぇ?! えっ? いや、えっと、あの、そのー…………」
も、もしかして、私、また思っていた事を声に出してたのかしら?


436:定点観測 -5/9-
08/06/09 23:10:41 +8cxgQGO
恥ずかしくなって図書室を飛び出した。
ああ、藤岡君の事を考えていると、ついつい変な方へ走ってしまうわ。
今日はさっさと帰りましょっと。

近道をするために、図書室の前にある階段を降りる。
途中でトイレに行きたくなったので、私は3階にある女子トイレへ向かった。
用を済まして、トイレを後にする。その時の事だった───。

『んぁあああんっ………んっ……んっ……んっ……んっ……んっ………』

微かにだけど、少女の喘ぎ声が何処からか聞こえる。

『ああああんっ………あんっ…あんっ…あんっ…あんっ…』
『──? ───?』
『んっ……んっ……、────』

何か喋っている様な気がするけれど、この位置からだと何を言っているのかまでは分からない。
気付かれないように、声のする方へ忍び足で近付く。
こんな恰好を先生に見られれば、私はただの間抜けな女子生徒だと思われるだろう。
段々声が近付く。その声が一番良く聞こえる所で立ち止まった。そこは今日の授業でも使った理科室だった。
厳密に言えば、そこは『理科準備室』。
人体模型とかホルマリン漬けの鮒が置かれている、怪談映画にもってこいの場所だ。
こっそりと理科室に侵入し、壁に耳を押し当てる。この角度なら見回りの先生も気付かないだろう。

 ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ、ぱんっ…………、
ラップ音(手を叩くような音)が、メトロノームの様に規則正しく4ビートを刻む。
手拍子でも打っているのだろうか?
『はあぁん…んっ…あんっ…あんっ…んっ…んっ…ああんっ…あんっ…あんっ…あんっ』
『はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ………、』
んなワケ無いわね。
鈍いラップ音と男女の喘ぎ声から考えるに、壁1枚隔てた向こうでしているのは、ただひとつ。

2人は『おかしなこと』としている──。
そこでは2人の(多分生徒だろう)男女が、互いに身体を交わらせ、しきりに求め合っていたのだった。

ああ、私、明らかに部外者よね? 知らんぷりしてさっさと帰るべきよね?
そう、そうよ、彼らにとって、私は異物の様なもの。せっかくお取り込み中なのに、邪魔しちゃ悪いわよね。
そう思った私は、こっそりと教室を出ようとした。ところが………、

『ああんっ…あんっ…あんっ…、き、気持ちいいよ、気持ちいいよ、藤岡!! あんっ…あんっ…』
『お、おれも、はぁ、はぁ、おれも、だよ。はぁ、はぁ、カナ!!』


437:定点観測 -6/9-
08/06/09 23:11:09 +8cxgQGO
────────っ!!!!!!!!!!

私の顔が超シリアス調に変わったのは言うまでもない。
何と、そこに居たのはカナと藤岡君だった!! いや、待って、まだ確定したワケじゃないわ。
この学校には「藤岡」という苗字の生徒は何人か居るだろうし、
「カナ」という名前も私の知っている限りでは校内に5人は居る。

『こ、こんどは、これで、どうかな?』
『う…後からは、ちょ、ちょっと恐い…』
『大丈夫、おれを信じて』
『う、うん、信じる』
一体どんなやりとりをしているのだろう?
いつもの私なら、その場でショックを受けて倒れるか、泣いて逃げ出すに違いないのだが、
妙な事に、私は自分でも意外と思うくらい、冷静だった。ちょっとドキドキしてるけど。
2人のやりとりが気になってしまっているのだ。
(全てが終わってから、こっそり帰るとしよう)
そう思った私は、壁にぴったりと耳を押し当て、時折、誰か入ってこないか、出口付近を警戒する。

『……じゃあ、入れるよ』
『うん……ぁあ、痛ッ!!』
『ご、ごめん』
『ゆ、ゆっくり入れろよ。まだ慣れてないんだから』
『ご、ごめん。ゆっくり、だったね』
『いいから早く、でもゆっくり入れて!!』
早くして欲しいのか、ゆっくりして欲しいのか、どっちよ!!
この声で確信した。間違いない。あの向こうに居るのは南夏奈と藤岡君ね。
『はい』
『はぁあああん!! っぁあ、ぁあ』
………藤岡君のアレが、入っちゃった瞬間だった。その様子が頭に思い浮かんでしまう。
「?!」
ふと、私自身の異変に気付いた。そっと、元々短いスカートの下からショーツに指を触れる。

くちゅ。

嫌らしい音が返ってきた。向こうには気付かれていない様だ。
私のショーツは少し濡れていた。か、感じちゃってるのかしら?
『いくよ』
『う、うん……あっ、あっ、ぁああん、あふっ、あふぅっ、ぁんっ、あんっ、んっ、あんっ』
藤岡君がゆっくり腰を動かしているのが頭に思い浮かぶ。
その動きは加速する蒸気機関車のロッドの様に、ずん、ずん、と力強くテンポを速めていく。
私は壁にもたれかかり、そのリズムに合わせてショーツの上に当てた指を動かしてみる。
──何て気持ち良いのだろう。
相手がカナだというのはとても悔しいけれど、どうだろう。
えっちの相手をカナから私に置き換えてイメージしてみれば、
そう、私と藤岡君が文字通り『繋がって』しまうのだ。


438:定点観測 -7/9-
08/06/09 23:12:13 +8cxgQGO
『あっ、あっ、あっ、あっ、あっあっあっあっあっあっあっあっ、ぁあああああん………!!!!!』
カナの喘ぎ声が隣から響く。カナのバカ、そんな大声出したら先生に見付かっちゃうじゃない。
私だって今、結構ヤバいんだからっ!!
私も段々ムラムラしてきて、遂に座ったままショーツを下ろし、指を、私の『中』に直接入れる。
馬鹿な妄想のせいで水浸しになった『中』は、なおもトロトロとやらしい液体を垂らし続ける。
感じている証拠だ。
でも、一度入れてしまった指はもはや制止不能。
余っていた手も遊ばせておくのは何か忍びないので、絶賛成長中の胸へと動かした。
「んっ…んっ…んっ…んっ…んあっ………んっ………んっ……んっ…………ぁあん」
声が廊下や隣の部屋へ聞こえない様に、必死に声を殺す。息が詰まりそうでとても苦しい。
『ぁああああん、あんっ、あんっ、ああん、あんっ、あんっ………あふっ、っぁふうっ、あふっ……』
「んんっ…んっ……んっ……んっ……んっ…、んっ…、んっ…、んっ…、んっ………」
胸と秘部。双方を刺激することによって、強い心地よさを感じる。
そう、私と藤岡君は繋がっている。そう、この指は藤岡君の………アレ。
2本入れればよりリアルに感じるのだろうが、今は1本が限界。これ以上入れるのはちょっとキツそうだ。
でも、カナは現に、藤岡君のを入れている。藤岡君のは、こんな人差し指1本よりもずっと太いハズ。
そっか、そうなのね。やっぱり本当に『する』のって、痛いのね。
だからカナ、大きな声、出しちゃうのね。

藤岡君の前後運動が激しくなったのか、2人の息がだいぶ荒くなってきた。
私もちゃっかり同じ状態に陥っている。
『はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、おれ、もう、イきそうだよ!!』
『わ、私も………そろそろ…………げんか…い……、はぁああああんんんんっっっ!!!』
「んっんっんっんっんっんっんっんっんっ、わ、私も、も、もう、そろそろ……!!』
つん、と立った乳首を左手で、既に決壊寸前の状態になった秘部を右手で更に刺激する。
──もう、限界だ。このままイってしまおう!!

『ぁあああああああ!!! カナ、カナ、カナ、カナぁああああ!!!』
『ふぁああああああ、ふ、ふじっ、ふじっ、ふじっ、ふじっ、藤岡ぁあああああ!!!』
「うん、んっ、はんっ、んっ、藤岡君、藤岡君、藤岡くぅぅぅうううん!!!!」

『も、も、もうダメだっ、もう、イクね、イッちゃうねっ、このままイクよ、おれ!!!!』
『わ、私も、イク、イクよ、いいよ、このままイっって、一緒にイこう!!!!』
「わ、私も、一緒に、一緒にイカせてぇぇええええ!!!!!!』





『『「ぁぁああああああああああああ!!!!!!!!!!」』』





それからどのくらい時が経ったのだろう。
既に傾いていた夕日は殆どが西の彼方へ沈んでおり、空は既に紫から紺色の美しいグラデーションで染まっていた。
私は理科室のペーパータオルで後始末をして、理科室を後にした。
部屋を出る前に、理科準備室の様子を伺った。そこには誰も居なかった……。

あの2人は、既に帰ったのだろう。という事は、私のこの情けない姿を見られたのかも知れない。


439:定点観測 -8/9-
08/06/09 23:12:45 +8cxgQGO
ここからはカナと藤岡の会話───。

「何か、下がヒリヒリする。お前、激しすぎなんだよっ!!」
「だ、だって、カナが『もっと!』って言うから」
「何だとー!! 藤岡のくせに逆らうのかー!!」
「べ、別にそういう訳じゃ。ほら、あの時…横浜行った帰りの時は失敗しちゃったからさ」
「ああ、あれね。お前、私の乳揉んでるだけだったじゃん。
 お前がおっぱい星人だって事がよーっく分かったよ。何なら今からハルカに乗り換えるか?
 リコやケイコの方がデカいぞ」
「そんなにすねなくたっていいじゃないか」
「う、うるさい。どうせ私は貧乳ですよ。こりゃ、多分、2年後にチアキに抜かれるね」
「………………(何と答えれば良いのだろう)」
「まぁ、まさか私がお前とこういうことになるとは、夢にも思わなかったな」
「うん、まぁ、そうだね。おれも、まさかカナと付き合えるなんて、思ってもみなかったから。
 最初は嫌われたんじゃないかと思って……」
「ったく。お前が果たし状なんか送るから私が勘違いするんだよ」
「えぇ、おれのせいなの?」
「そういうことにしておいてあげる」
「もう、相変わらずだなぁ」
「どーゆー意味だよ!!」
「よしよし。それにしても、今日のはちょっとマズかったね」
「な、撫でるなー/////////
 うん、確かに『誰かは分からなかったけど』、私達の事、バレちゃったっぽいしね」
「やっぱり、もっと別の所にしよう。学校は流石にマズいよ」
「って言ってもさ、ウチはハルカとチアキが居るからまず無理だろ?
 部屋でやったら家中に聞こえちゃうよ」
「あの、ホテルとかは?」
「中学生が堂々と行ける所じゃないだろ? バカだろ、お前」
「カナに言われたくないよ。あ、じゃあ………あそこはどうかな?」
「あそことは……おお、そうか!!」
「漁港の倉…」「お前ん家だ!!」
「そう、おれの家……って、ちょっと、それはっ!!」
「家に誰も居ない時を狙えばいいじゃないか。私、そういうのは得意だぞ」
「いつも家で何やってるんだよ」
「何をって、ナニを……って言わせるな!!」
「言ってるのはカナじゃん。てか、何でもヤればいいってもんじゃないよ。
 『それ』だけの為におれ達は付き合ってるワケじゃないんだからさ」
「わ、分かってるよ。ばか」
「それでさ、今度の土曜日、おれの家来ない? 部活、午前までだから午後は開いてるよ」
「い、いいのか?!」
「うん、ごはん、何食べる?」
「うーん、そうだなぁ、アレとコレとソレと……アレもいいなぁ……」
「カナ」
「ん?」
「欲張りすぎ」
「何だよ、いいじゃないか。ハルカに特製料理付くって貰って持って行ってやってもいいぞ」
「うーん、どうせなら……」
「どうせなら?」
「カナの手料理がいいな」
「デザートは?」
「…………恥ずかしい台詞禁止」
「なっ、ばっ、ちょっ、そういう意味じゃないよっ!! 何考えてんだ、このエロ番長!!」
「そ……それだけは堪忍」

fin.


440:定点観測 by 久留里
08/06/09 23:13:30 +8cxgQGO
あ、8レスで住みましたね。


チアキ「お前、リコと一緒に病院行ってこい」


行ってきます。では。

441:名無しさん@ピンキー
08/06/09 23:32:03 vXdoZZbL
乙でした。
最近ハイペースでありがたいですね。

442:名無しさん@ピンキー
08/06/09 23:38:39 hbgpOVLA
GJGJ!!
質も量も投下ペースも大満足です
リコが報われなさ過ぎて可哀そうだったw

>「あの、ホテルとかは?」
>「中学生が堂々と行ける所じゃないだろ? バカだろ、お前」
マコちゃんは既にデビュー済で(ry

443:名無しさん@ピンキー
08/06/10 02:58:11 p0JsmLDo
>466
藤岡×速水!

444:名無しさん@ピンキー
08/06/10 03:21:47 32//GJha
>>476
リコカワイソスww
それにしても藤岡は性欲を持て余しすぎw

>>466
期待させたからにはもちろん書いてくれるんだよな?w

445:名無しさん@ピンキー
08/06/10 04:58:02 1gZrazXp
>>464
頭の貧困なお前さんが構ってくれているじゃないか。それだけで十分さ

446:名無しさん@ピンキー
08/06/10 04:59:34 1gZrazXp
それにしてもたいした作品でもないのによいしょしすぎだろ。この野郎氏はまだか

447:名無しさん@ピンキー
08/06/10 05:57:45 NV9qdDsg
>>476
リコのカワイソスっぷりに脳内が涙の洪水ですがGJ
くるり氏のカナ、可愛いです。また期待してます

448:名無しさん@ピンキー
08/06/10 10:35:19 8NxlA6nI
>>476
GJ!
リコ哀れ…しかし、それがいい!

>>482
知能遅れの荒らしは消えろ、ハゲ

449:名無しさん@ピンキー
08/06/10 11:25:03 ekvm/VuR
>>482
いいから死ねよ、貧相な頭のキチガイ(笑)

450:名無しさん@ピンキー
08/06/10 12:24:41 1gZrazXp
>>484
我慢できなかったんだね。いいんだよいくらでも罵ってくれてwwwww
>>485
.>>485
いいから死ねよ、貧困な頭のキチガイ(笑)

451:名無しさん@ピンキー
08/06/10 12:32:34 mC+4Uvnt
また鉄アレイか・・・

452:名無しさん@ピンキー
08/06/10 12:51:58 1gZrazXp
>>487
バレたならしかたない。鉄アレイの恨みは怖いよwwww

453:名無しさん@ピンキー
08/06/10 13:58:15 vCnKqwZr
こぶつきデートの続編マダー?

454:名無しさん@ピンキー
08/06/10 14:50:37 8NxlA6nI
何だ鉄アレイだったのか。それなら作品と同じで貧相でつまらんから止めた。

455:名無しさん@ピンキー
08/06/10 14:57:22 +hmlnoL2
鉄アレイ×マコちゃんの続編まだぁ?

456:名無しさん@ピンキー
08/06/10 14:59:53 1gZrazXp
>>490
止めたとかwww俺じゃなきゃ構っちゃう気だったんすか?www嵐に構うのは嵐と同列だよゴミカスwwwwww

457:名無しさん@ピンキー
08/06/10 16:03:25 YfuJSWOV
意外と保坂×ハルカって無いんだな

458:名無しさん@ピンキー
08/06/10 17:58:14 32//GJha
保坂は…ハルカの前では臆病になるからねぇ

459:名無しさん@ピンキー
08/06/10 18:32:21 qtk1B2u/
妄想オチがあるじゃないか

460:名無しさん@ピンキー
08/06/10 19:09:42 jqvA7ZI8
ヒント:スルー
以下、荒らしや挑発っぽい言葉は全スルーで
職人もこの雰囲気じゃ投下しづらいだろう

461:名無しさん@ピンキー
08/06/10 19:44:52 RbEFr1OT
そろそろ王道マダー?

462:名無しさん@ピンキー
08/06/10 20:16:19 1gZrazXp
>>496
それが出来りゃ苦労しねーよwwww
ヒント:ここのスレ住人は学習しない

463:名無しさん@ピンキー
08/06/10 20:23:26 32//GJha
>>497
王道といえば藤岡×トウマですね。わかります

464:名無しさん@ピンキー
08/06/10 22:43:39 BHF1087E
作品を投稿してもよろしいですか?
流れ的にまずいかもしれませんが…

465:名無しさん@ピンキー
08/06/10 22:51:57 N6Gbudbo
どんどん変えてくり

466:名無しさん@ピンキー
08/06/10 22:55:12 BHF1087E
では、投下します。

467:名無しさん@ピンキー
08/06/10 22:56:05 vCnKqwZr
wktk

468:名無しさん@ピンキー
08/06/10 22:59:56 BHF1087E
「いい加減にしろこのバカ野郎!」

居間にゴッと鈍い音が鳴り響く。続いてどさっと何かが床に倒れる音

「お前が…悪いんだからな…」

そう呟く少女の手には5kgと表記された鉄アレイが握られている
これは正当防衛だ。実の姉妹だからというふざけた理由で何度も唇を奪われてたまるか
そう自分に言い聞かせ、目の前でうつ伏せに倒れているツインテールの少女を見やる
鈍器を使ったのは少しやり過ぎだっただろうか。足先で頭を小突いてみる。反応がない
いつもならこの辺で飛び起き、家庭内暴力反対etcとわめき散らしながら襲い掛かってくる筈なのに
片膝を着き倒れている姉の体を仰向けにする。呼吸をしていない。必死に体を揺さぶるがぴくりとも動かない

「嘘…だろ…」

不安と焦燥感が千秋を襲う。そこにあるのは姉の形をした死体だった

「おいカナ…起きろ…ねえ…起き…て…」

カナの上半身を抱きかかえる。僅かに残った体温が急速に失われていく
こんな筈じゃなかった。カナの存在を煩わしいと感じることはあっても消えて欲しいだなんて冗談でも願った事は無かった
誰よりも近くに居て誰よりも自分を構ってくれた存在。そのカナは死んだ。私が殺してしまったんだ

「うぁ…ひぃ…ぐすっ…うぇぇん…カナ…カナぁ…」

後悔の念が涙の奔流となって頬を伝っていく。と、その時

『その死体はフェイクだ!』

顔を上げると死んだはずのカナが腕を組み自分を見下ろしていた。え?じゃあ今自分が抱きかかえているのは…

「チアキ、私くらいその道を修めた人間ならば質量を持った残像くらい簡単に作れるもんさ」

そう言ってカナが空を指差す。正確には先程まで死体が横たわっていた場所をだ。死体は跡形も無く消え去っていた

「よ、よく分からんがカナ、お前生きてるんだな?幽霊じゃないんだな?」
「南さんちのカナちゃんはその不死身さ故にご近所でも評判だ…ってチアキ、いい加減泣き止め。五年生にもなってみっともないぞ?」
「うるさいよ!うるさいよ!私を騙しやがってコノヤロー!コノヤロー!」

カナに抱きつく。今日だけは特別だ。キスだってしてやるよ。絶対に離さない。もうあんな悪い夢はこりごりだから
カナの胸の中はなんだか消毒液の匂いがした


「先生、チアキは…」
「精神にひどいダメージを受けています。千秋さん次第ではありますが、回復の見込みは今の所なんとも」
「そうですか…」
「今日も千秋さんに面会をしてはいかれないのですか?」
「すみません。まだ心の準備が…」
「わかりました。ですが千秋さんには今この瞬間にもご家族の方が必要なんです。お気が変わりましたらいつでもご連絡下さい」
「はい。ありがとうございます…」

カーテンの締め切られた薄暗い部屋でテーブルに突っ伏しながら何をするでもなくただ無為な時間を過ごす
床にはカップメンやスナック菓子のゴミが散乱している。気を張る相手が居ないと自分はどこまでも怠けだす。あの子がそう言っていたのを思い出す
ふふ…本当にそのとおりね。でももういいの。この家には私しか居ないから。チアキはきっともう元には戻らない
戻らなければいいと思っている自分がいる。ひどい話よね。でもあなたを殺してしまったチアキを許してあげられる自信がないの
もう疲れたわ。もう眠りたいの。現実の続きはもうたくさん。二度と目覚めることの無い、深い深い眠りについて、そしたらあなたに会えるのかしら?

そして春香は眠りにつく。右手には大量の錠剤が入ったケースが握られている

469:名無しさん@ピンキー
08/06/10 23:00:39 BHF1087E
以上です。
ありがとうございました。

470:名無しさん@ピンキー
08/06/10 23:19:49 vCnKqwZr
続きwktk!!

471:小ネタ-ほさかなくわえたどらぬこ -1/3-
08/06/10 23:28:44 87XnCLvd
>>504
何という重量物。鉄アレイなだけに重い……これはGJせざるを得ないじゃないか。

せっかくの雰囲気を壊してしまって恐縮だが、こんなのが思いついた。
小ネタ「ホサカナくわえたどら猫」

*****

「───オレはそこで1時間早く来て、彼女を待つワケだ。
 いや、もしかしたら彼女も1時間早く来て、オレを待っているかも知れない。
 そこで、オレは更に1時間来て、彼女を待つ。
 そして待つこと1時間。公園の向こうから彼女はオレに気付く。
 そして、駿河湾から吹き付ける海風に髪をなびかせてオレの元へと駆けよる訳だ。
 すると、彼女はこう言う『お待たせして、すみません』
 実際、オレは2時間も待っていた訳だが、それほど待っていなかったように装い、こう言う。
 『いや、オレも今来たところだ』
 しかし、ここは遮る場所が何一つ無い広場。それにこの季節、この天気。
 そう、オレは2時間待っただけの汗を掻いている。
 だから、彼女は当然、この様に言う。
 『でも、凄い汗を掻いているじゃないですか』
 そこで、オレは敢えて嘘を言う。
 『ふっ、君に会いたいばかりに、つい、走って来てしまったんだ』
 するとどうだ。南春香はハンドバッグからタオルを取り出し、
 『と、とにかく、すぐに拭かないと風邪を引いてしまいますわ』
 ふふ、ふははは、パーフェクトな訳だ」
オレが南春香との最高のデートをシミュレートしながら街を歩いてた。
我ながら今回のシチュエーションは中々良かったと思う。後は実戦あるのみだ。
…………ん? 待てよ?
「…………ああ、オレは何と罪深い男なのだ。
 彼女に気を遣わせないあまり、嘘をついてしまったではないか。
 いかん。これではいかん。
 オレがこんな穢れた心を持っていれば、南春香のあの純粋な心まで泥に穢されてしまう。
 何か、何か良い手は……………ん? あれは何だ?」

ふと前方を見ると、中学生らしき少女が素行の悪そうな男達に囲まれている。
あれは厄介な連中だ。この辺一体を仕切っているドンではないか。
このままではあの子が危険だ。助け出さなければ。

「このまま大人しく付いて来(き)いや、コラ」
「女かて、大人しゅうせんかったらしばくぞ」
「は、離せ、離せよ!! 私なんか食っても上手くねーぞ!!」
男達が抵抗する彼女の髪を乱暴に掴んで脅している。もう1人は今にも手を出しそうだ。
これが南春香だったら……いや、今は彼女の事を考えるべきではない。
今、オレはあの子を助け出すのが最優先事項だ。

「オラ、立たんかいなワレ」
「だ、だから離せー!!」

「その子から手を離したまえ」


472:小ネタ-ほさかなくわえたどらぬこ -2/3-
08/06/10 23:29:43 87XnCLvd
「じ、自分誰や?」
「ふっ、名乗る程の者ではない。聞いていたであろう。早くその子の身柄を解放するのだ。
 さもなくば、お前らに明日は無いッ!!」
不毛な争いは避けたいので、彼女を救出した後は警察に任せるとしよう。
「兄ちゃん、ワシら取り込み中や。後にしたって」
「ふぅ、聞く耳持たずか。ならば実力行使に出るまでだ」
「上等じゃボケぇ!!いてこまして海に沈めたるわコラァ!!」
「覚悟せい、ワレぇ!!」
男達がオレに襲いかかる。オレは日々の練習で鍛えた肉体で彼らの攻撃をひらりと交わす。
おっと、まだ1人居たか。
「そこをどけ!!」
体当たりで3人目を倒すと、オレはすぐさま少女を抱きかかえて裏道を通り、
雑居ビルに身を隠してほとぼりがさめるのを待つことにした。

「怪我は無いか?」
「だ、大丈夫です」
今時珍しい、美しい黒色のツインテールが月夜に照らされていた。
彼女の顔からはようやく恐怖の色がとれ、安堵の笑みをこぼした。
「よし、また襲われては大変だ。オレが君の家まで送ろう。家は何処だね」
「だ、大丈夫です。こ、ここからなら歩いて帰れ……痛ッ?!」
「ど、どうした?」
「あ、足が……」
どうやら彼女は足を傷めていたようだ。あの男達に襲われた時に足をくじいてしまったようだ。
「よし、オレの背中に乗れ」
「え……で、でも………」
「このままでは君は家に帰ることが出来ない。ならばこれはどうだ?」
「いや、その………って、うゎっ?!」
また奴らに狙われては大変だ。オレはその場をすぐに離れるべく、彼女を抱きかかえて繁華街を出た。

御殿場線沿いの農道を歩き、住宅街へと入る。
その間、彼女はオレから目を離しながら、恥ずかしそうに頬を赤らめている。
良く見れば、彼女は南春香にそっくりではないか。髪色や雰囲気は違うが、目が南春香とよく似ている。
何とも可愛らしい子だ。

住宅街に入り、この界隈で一番大きい(それでも5階建てなのだが)マンションへと入る。
「あ、後は1人で帰れます。有り難う御座いました」
何と丁寧な子なのだろう。この子は将来、良き夫の良き妻となるであろう。
そう、南春香の様な、美しい女性になって─。
「挨拶を、させてくれないか?」
「えっ?! あ、ああ、まぁ、いいですけど……」
彼女に先導されてエレベータで2階へと上がり、通路を進む。彼女の家は角にあった。
足を引きずっているが、大丈夫だろうか。
「ただいまー」
「おかえりー……ちょっと、カナ、どうしたの? 脚、怪我しているじゃない!」
「んー、まぁね。ツバ付けとけば治るよ」
「バカな事言ってないでさっさと上がれ。今手当してやるから」
「だ、大丈夫だよ!」
「あら? カナ、後に居るのは………あっ?!」
「……なっ!!!!」


473:小ネタ-ほさかなくわえたどらぬこ -3/3-
08/06/10 23:30:52 87XnCLvd
何と言うことだろう。
何とそこには南春香が居た!! という事は、あの子は南春香の娘という訳か。
………それにしては些か身体が大きいような気がするが、それはまぁ、良しとしよう。
さて、問題はこの後だ。オレは今日のような日のために常にイメージトレーニングをしているというのに、
いざ本人の前に立てば頭の中が真っ白になってしまう。ああ、オレは何という軟弱な男なのだろう。
これでは汗を拭いて貰えないではないか。いや、汗はこの際どうでもいい。
考えろ。冷静に考えろ。冷静に考えるんだ。オレ。
「カナ、一体何があったの?」
「実は……………」
「…………保坂先輩が、カナを? ほ、保坂先輩、妹がご迷惑をお掛けしました」
「えっ?! あ、い、いや………その…………、」
ごほん。
「別に構う事はない。オレは困っていた人を見たら助けずには居られないんでね。
 そ、それではまた、学校で逢おう。さらばだ」

「あ、あの、先輩?」
「礼は不要だ!!」

「……………良かったら、夕飯一緒にって……行っちゃったわ」
「はーぁ。何か色々あって疲れた。あの人、ハルカの知り合いだったのか」
「うーん、厳密に言うとマキやアツコの先輩かな? それよりも、今度会ったらちゃんとお礼を言いなさい」
「はーい」

***

「しかし、あの子も中々可愛らしかったな…………」
「保坂~、ハルカちゃんに相手にされないからって妹に手ぇ出しちゃダメだよ~?」
「ば、バカを言うなっ!! お、オレは、だな……」
「あー、はいはい。そろそろ授業始まるよー」

*****

以上です。
ていうか、最近、妙に怪電波が入りまくるから困る。
吉野がアレとか、カナがアレとか、保坂がアレとか………。

474:名無しさん@ピンキー
08/06/10 23:42:46 1gZrazXp
シリアスがダメというんじゃなくて、そこが書き手のセンスなんだろうね。
ここの常連でもシチュに関係なくすごくセンスのいいSSをアップしてくれる人もいるし。
失礼ながら>>504はご勘弁をと率直に思ってしまう。




この書き込みされたとき凹んだなぁ

475:名無しさん@ピンキー
08/06/10 23:43:03 32//GJha
>>505
GJ
これって噂の鉄アレイ?それとも続編か何か?
シリアスだけど個人的にはありだづたな。
カナの復活キボンw



>>507
GJ!
保坂キモカッコイイ!w
はたしてカナに「今度会う日」が来るのかどうか……

吉野のアレに期待w

476:名無しさん@ピンキー
08/06/10 23:53:09 1gZrazXp
>>504
そうそう粗大ゴミとまで評された俺の会心の作品。俺はこれの私怨で荒らしてるわけ。明日も来るよ。おやす~

477:名無しさん@ピンキー
08/06/10 23:55:45 87XnCLvd
>>510
その書き込みを翻訳すると、「GJ!! もっともっと面白くしてくれ」になるのだが。
続きを激しく期待してますよ。

あ、注意書きは流石に書いた方が良いかと。
駄作ばかり書いてる漏れが言えたクチではないが。ほんとすまぬ。

>>511
おk。おら頑張ってみる。多分違うものが出来ると思うので、過度な期待は(ry

478:513
08/06/10 23:57:32 87XnCLvd
安価間違えた。よりによって……。

510ではなく>>504ですよ。ほな。

479:名無しさん@ピンキー
08/06/11 00:00:25 b/iWthhD
生ぬるいでしょ。
ハルカに睡眠薬飲ませるんじゃなくて、ヘロイン中毒のヤク漬にして、一生セックス依存症、
保坂だろうが藤岡だろうがナツキだろうが構わず股を広げまくるぐらいの展開にしなきゃ。

ていうのは冗談にしても、このスレ、久し振りに来たけどまだ荒れてたんだ……。

480:名無しさん@ピンキー
08/06/11 00:10:34 uijluBWf
>>351で「自分で読み返してみてもあれは酷いと思う」って書いといて、
>>512では「改心の出来」かw

話がコロコロ変わる辺り、ただ荒らしたいだけのバ(ry

481:名無しさん@ピンキー
08/06/11 00:11:39 UeGztF0w
鉄アレイは殿堂入りすべきだなw

482:名無しさん@ピンキー
08/06/11 00:20:27 h0OYzUla
取り敢えず、みんな落ち着くんだ。
多忙生活を送って居るであろうこの野郎氏の帰還を待とうではないか。

多分寸止めエロ攻撃が来るだろうから、今のうちに鉄アレイで鍛えようではないか。

483:名無しさん@ピンキー
08/06/11 00:24:45 50z6jEHa
あれ?この野郎氏って無職じゃなかったっけ?


484:名無しさん@ピンキー
08/06/11 00:27:37 74LQhCgL
>>516
会心の作品ってのは皮肉で言ってみただけなんだけどな。.察しなさいよ
てか話がころころ変わるって、おまいさんは荒らしに良識やモラルを求めてるのかい?頭沸いてるの?w
今度は『寝たんじゃなかったの?』とかくるのかな?w

485:名無しさん@ピンキー
08/06/11 00:40:01 9WkoIfOf
寝たんじゃなかったの?

486:名無しさん@ピンキー
08/06/11 00:42:23 uH0x1zEG
内田×俺のSS希望
それがだめならチアキ×マコトで

487:名無しさん@ピンキー
08/06/11 00:46:03 74LQhCgL
>>521
起きてました。すみません。今度こそ寝るかもしれないし徹夜でスレに張り付いてるかもです。ニートなもんでw

488:名無しさん@ピンキー
08/06/11 00:59:07 pi7egts2
結局、ひとりの職人だけが神格化されるスレって、よくも悪くも凝り固まっちゃうから長続きしないんだよな。

勿論他の職人が情けないのも一因なんだけど。

489:名無しさん@ピンキー
08/06/11 00:59:51 pi7egts2
結局、ひとりの職人だけが神格化されるスレって、よくも悪くも凝り固まっちゃうから長続きしないんだよな。

勿論他の職人が情けないのも一因なんだけど。

490:名無しさん@ピンキー
08/06/11 01:09:15 uijluBWf
大事な事なので2回言いました

491:名無しさん@ピンキー
08/06/11 01:09:50 uijluBWf
大事な事なので2回言いました

492:名無しさん@ピンキー
08/06/11 04:18:18 uvgvPY8q
というか
>>504って前スレの68のまんまコピペじゃないかい
なのに新しく作られた感じになっているのは
なんだかなぁ

493:名無しさん@ピンキー
08/06/11 14:15:23 8g6+HHJd
せめて鉄アレイの続編書いてくれればいいのに。
鉄アレイ、保管庫には入っているのかな、と思ったけど、全体的にストップ
しちゃってるのね・・・。

494:名無しさん@ピンキー
08/06/11 17:39:29 74LQhCgL
鉄アレイの続編投下→バッシングの嵐→俺涙目




お前は真性のSかw

495:名無しさん@ピンキー
08/06/11 18:09:00 50z6jEHa
鉄アレイ君頑張れ!!

496:名無しさん@ピンキー
08/06/11 21:02:09 h0OYzUla
いっそのこと、おまいらが二次創作したれ>鉄アレイ


漏れ? 今は別のやつ書いてるから無理。

497:この野郎 ◆9iVe4Scw5Q
08/06/11 23:15:51 OYuRp2H2
ハル×マコが長くなりそうなので挫折しつつ、藤岡×速水を5レス程投下します。
結論から言うと寸止め出来なかった。
久しぶりに電車に乗ってテンション上がり過ぎたせいかもしれない。

498:この野郎 ◆9iVe4Scw5Q
08/06/11 23:16:18 OYuRp2H2
 
後に藤岡は語る。頭がポーっとし、気がついたら自分はラブホテルで半裸になっていて、
更にその後の記憶が全く無く、再び気がつくと南家のリビングで寝ていました――と。


藤岡×速水


さぁて、なんとかホテルまで来たものの……キスをしてから彼、ずっとポーっとしてるけど大丈夫かしら?
「おーい、藤岡くーん?」
「………………」
だめだ、返事どころか反応もしない。どこか遠くの世界にでも旅立ったの?
まっ、とりあえず彼はベッドに置いといて、
私はお風呂でシャワーでも浴びて準備しとこうかなーっと♪

――サアァァァァ……

それにしても中学生かぁ……フフッ、保坂やナツキと違って、若い子って可愛がりがいがあるのよねぇ。
確か前に食べた子は……石川君だっけ? カナちゃんの中学で一番もてるって聞いたけど、
どうもイマイチって言うか、童貞じゃなかったのが気にくわなかったのよね。
それに比べて彼は違う。キスであんな風になっちゃうなんて、間違いなく童貞……
まさに熟れてない成長途中の青い果実って感じ。 ハアァ……そそるわぁ……♪
と言う訳で、さっさとお風呂を出ていただいちゃおう! その青い果実を!

「おまたせー……って、あら? まだ固まってたの?」
「………………」
むぅ、このバスタオル一枚巻いただけのナイスバディを目の前にして、一歩も動じないとは……
まぁ良いわ。そのうち嫌でも気付かせてあげるから。
って事で、もういただいちゃっても良いのかな? 良いよね? 

ベルトを外して、ジィーっとチャックを降ろして…………はい、ごたいめ~ん♪
「ふむふむ……これはなかなか……」
可愛い顔してる割には、結構なモノをお持ちで……
まだ勃起してないからハッキリとは分からないけど、保坂まではいかなくてもナツキくらいはあるんじゃないかしら?
まぁそれも勃起させちゃえばすぐに分かる事なんだけどね。
それではいただきま――

「んっ……あれ、ここは……? ……って! なな、何してるんですか?!」

まさにそれを手にとって口を開いた時、彼は正気を取り戻したのか慌てて私から離れ、
私は大きな口を開けたままその場で茫然としてしまっていた。

499:この野郎 ◆9iVe4Scw5Q
08/06/11 23:16:42 OYuRp2H2
「ちょっと、どう言うつもりよ!」
「それはこっちのセリフですよ!! どう言うつもりですか?!」
むむっ……確かに彼の言う通りか。まいったわね……。後一歩だったのに。
すると彼はいそいそとズボンを上げ、私がいただこうとしたソレを隠してしまった……

「ちょっと、隠すなんてひどいじゃない! ここまでしておいて……!
 あー……っと、ほら、ここまでしちゃったんだしついでに最後まで――」

「何言ってるんですか! それより先輩も早く服を着てください!」
「うぅ……酷いわ。寸止めなんて…………酷過ぎるわ……」

なんとか打開策を考えないと。…………って!
「ちょ、ちょっと! 待ちなさい! どこへ行くのよ?」
「ドコって……南の家へ帰るに決まってるじゃないですか」
まずいまずい、これは何とか引き留めないと。
何か良い考え……何か良い考え…………あっ、あった!

「藤沢君! せめてワンドリンクだけでも飲んで行こうじゃない。ほら、一杯無料なのよ♪」
「藤岡です……。いいですよ、のど乾いてませんから」
「そんな事言わないでさぁ~。これ飲んだら帰る! 今日あった事も全部忘れるから!」

その言葉を聞いてようやく歩みを止めた彼。
「本当ですか……? 握手の事も、その……キスも、ここに来た事も?」
「うんうん! 約束する、すべて忘れるわ!」
「じゃあ……一杯だけですよ」

ようやく私の条件を飲んだ彼を再びベッドへ座らせ、私はメニュー表を片手に、
「オレンジジュースでいいかな?」
と聞くと彼は頷き、私はすぐに注文をする。

「すみません、カシスオレンジ2つお願いしまーす」

届いたカシスオレンジがお酒とも知らず、彼はグラスを手に取り、口をつける。
「ほらほら、ググーっと一気に飲んじゃって早く帰ろっか♪」
なんて言うと、言われた通りにグラスの中身を一気飲み。
さてさて、これで何か変化が起きてくれればいいんだけど……

「う……あれ……、頭がフラフラして……目がまわる…………ん、」

――パタンッ……

500:この野郎 ◆9iVe4Scw5Q
08/06/11 23:17:09 OYuRp2H2
うーん……カシスオレンジとは言え、さすがに一気飲みはまずかったかしら……?
と思いつつも、倒れた彼のチャックを開けて再びご対……面…………
「なっ、何これ?!」
ナツキくらい……? とんでもない、これは……保坂以上! ヘビー級だわ!
なんだかんだ言いながらも、私のこの格好見て興奮してたのね。
フフッ、本当にウブなんだから♪ それじゃあ今度こそいただきま――……

――バサッ!!

「……っと、うわぁっ! なになに?!」
突然起き上がって私の上に覆いかぶさった彼は、私のバスタオルをはぎ取り裸にすると、
虚ろな目で私を見つめて顔を近づけてくる。
「な……なに? あ、あれれ~? どうしたの急に?」
少しおどけて見せてもその勢いは変わらず、そして……

「あの、近っ……んっ、……んんーっ! プハァッ、ちょ……ちょっと、本当にどうしたってのよ?」
突然唇を奪われ慌てる私に対し、彼は冷静に淡々とした口調で、
「コレは御返しのほんの一部ですよ。……これからが本番……覚悟してくださいね」
「御返しって……あれ? 私キスしかしてないよね? ちょ……あっ、こら! 何して……んっ!」

キスを終えると、今度は胸に手を当ててゆっくりと揉み始める彼。
まずい、目がすわってる……お酒を飲むと暴走するタイプだったみたい。
とうしよう。とりあえず斜め45度からのチョップで動きを止める?
あれ? でも良く考えれば、こうしたくて来たんじゃなかったっけ?
……と、とにかくなんとかしなくちゃ――……
「きゃっ、あっ、ああっ、ん……や……ッ、……んっ!」

……え? 何、今の声? 誰?
「ダ……メッ、そんなにしちゃ……んっ、……ぁっ」
「先輩、エッチの時は可愛い声で鳴いてくれるんですね……」
私? ……あぁ、私の声か?! って、そんな、こんな声――
でも確かに自分以外に誰もいないし……
そうか、私攻めるばっかりで『受け』ってした事無いから態勢がついてなぃ――

「んあっ、こ……こらっ! 乳首ばっかり……んっ、舐め……る……なぁ…………」
や……やばいわ! これは非常にまずい、予想外の状況。
この私が中学生ごときに翻弄されているなんて、あってはならない事だわ!
高校生のプライドに掛けて、絶対に!
……ん? 何、この感じ……? 
なんだか股のあたりに違和感が――……え? えぇぇ?!

501:この野郎 ◆9iVe4Scw5Q
08/06/11 23:17:33 OYuRp2H2
「ちょ、ちょっと! そんなっ、いきなりなんて無理よ! 濡れても無いのに入るわけ無いでしょ?!」
違和感の正体は彼のソレ。入口を探す様に先っぽをツンツンと当てられ、私は慌てて体を起こそうとした。
しかし彼は私を片手で抑え、もう片方の手を私の秘所へと運んでゆく。
何、この力? どっからこんな力が出てくるのよ! あー、もう!!

「先輩、もう準備はできてるじゃないですか」
「へ? 何言って……んっ、あ、きゃ……ぅ、……そんな……うそ……ッ」
彼は割れ目を指で軽く撫で、その手を私の目の前へ。
確かに濡れてる……それも、軽く撫でただけでこんなにビショビショに……
もしかして私は……攻められて感じてるの?

「こら……そんなの見せなくていいってば……」
おかしい……こんなの私じゃない。 私じゃ無いけど……でも、嫌な気はしない。
「それじゃあ、分かっていただいた所でそろそろ」
「えっ? ……ちょっ…………ッッ!! んんっ、あッ……こんな、……大き過ぎ……」

まるで入口をこじ開ける様に差し込まれたソレは、今までエッチした誰よりも私の膣内を広げ、
どんどんと奥へ突き進んでゆく。
――グチュッ……グチュッ……と彼が腰を振る度に下の口は苦しそうな音を出し、
それとは対照的に上の口からは、自分でも信じられない卑猥な喘ぎ声が止まらない。

「いいっ、すっごい……奥に当たって……あっ、んんっ! もっと、もっと……っ!」
膣の中が大きいので擦られて……焼ける様に熱い。
体中が痺れるみたいに……こんなの初めて。
「先輩……おれ、もう――ッ!」
「ちょ、ちょっと待って! ダメ、ゴムしてないんだから外に出しなさい! こらッ! 抜きなさ――あ……ッ!」

言う事を聞かず、彼は抜くどころか一番奥まで差し込んで射精をしてしまった。
まるで私を妊娠させる為と言わんばかりに、一番奥の子宮めがけての発射。
今日は危険日なのに……早くかき出さなきゃ………………って!
「な……なにしてるの? 早く抜いて…………ぇ? そんな、無理、無理だって!」

何を思ったか彼は、射精が終わったと言うのに抜く事もせずそのまま再び腰を振り始めた。
童貞は一回イっただけじゃ治まらないって聞くけど……いくらなんでもこんな事って……

「こんなに突かれたら……さっき出たのが奥に入って赤ちゃん出来ちゃうって……。
 ほ……ほら、キミもその年でお父さんとかまずいでしょ? ね?」
「ク…………イクッ……!」
「うそっ、……もう?! ダメだって、これ以上は本当に……ぃ…………キャ……ッ、んっ、あぁぁぁぁ!!!」

502:この野郎 ◆9iVe4Scw5Q
08/06/11 23:18:03 OYuRp2H2
二度目の射精を終え、ようやく落ち着いたのか、
彼は電池が切れてしまったかのように、その場にパタリと倒れてしまった。
情けない事に私の方も、体にまったく力が入らない。
早く精子を膣内から出して綺麗に洗わないとまずいのに……
なんとか膣に力を入れると、中からは大量の精子がゴポッと音を立てて溢れだす。

「まったく…………まぁ、何とかなるか……それよりも今は……」
もう少し余韻に浸っていたい。そう思いながら私はそっと瞳を閉じた。


「ん……? あっ、寝てたのか……」
時計を見るともう30分近くたっている。
相変わらず彼は顔を真っ赤にしたまま眠っているけど。
私はサッとシャワーを浴びてホテルを出る準備を済ますし、
彼にもズボンを穿かせて、起きないので背負ってホテルを後にした。

「おーい、戻ったよ~♪」
「おー、遅かったなぁ……って、藤岡?! どうしたんだ?」
「いやぁー、なんだか途中で寝ちゃったみたいでさ。私は帰るから後よろしくー♪」

カナちゃんに彼を引き渡し、私は家へ向かう。
夕飯に誘われたけど断った。……もういろんな意味でお腹はいっぱいだから。
お風呂で綺麗に洗ったはずなのに、歩いてるうちに奥に溜まっていた精子が溢れて、下着を汚してゆく……。


それから数か月、彼と会う事も何回かあったけど、あの時の事は何も覚えていないらしい。
お酒が入ると意識を失って暴走……まったく恐ろしい子だよ。
……はぁ、それにしてもまいったな。なんてい言えばいいんだろ? ……う~ん。

「速水先輩、助けて下さい! 保坂先輩がまたきもちわるい事を!!」
「どうしたの、マキ? 保坂がきもちわるいのはいつもの事でしょ?」
「それが、今度は『オレの事はPAPAと呼べ』とか言い出したんですよ!」
「PAPA? 何それ? ……ん、いや待てよ…………」

そうだ、こう言うのって形から入るのが大切なのかもしれないわね。うん、そうに違いないわ。
「マキ、私の事は今日から速水先輩と呼んではダメよ!」
「はい……? じゃあなんて呼べば……」
「いい? 今日から私の事は、MAMAと呼びなさい!!」

私はそう言って、唖然とするマキを置いて部活に戻った。


ほんの少しだけ大きくなったお腹を撫でながら――




おしまい

503:名無しさん@ピンキー
08/06/11 23:24:49 OYuRp2H2
 
もう、速水×藤岡・ハルカ×マコに続き、藤岡×千秋もホテルに放り込んでやろうかと思ってる。


504:名無しさん@ピンキー
08/06/12 00:22:06 3DRs3SCs
>>539
GJ! この展開は想像出来なんだ。

藤チアに激しく期待。
漏れが大好きな吉野もそのうち放り込まれるのだろうか。
それだけは許さん。むしろ漏れが送ってやうわなにをするやめあqwせdrftgyふじこlp;@:「

505:名無しさん@ピンキー
08/06/12 00:38:47 wXs8o460
>>539
GJ!!!!速水可愛いよ速水!

506:名無しさん@ピンキー
08/06/12 05:31:25 LNir2FW4
カナ可愛いよカナ

507:名無しさん@ピンキー
08/06/12 08:05:02 ASNWwFE8
>>539
おいおい、流石にマコとチアキは無理だろww





と言いつつ、どうやるか期待。
あと、速水に保坂成分が入ったのには笑ったw

508:名無しさん@ピンキー
08/06/12 15:45:27 iJ2u2v2y
やっぱ鉄アレイがないと今ひとつ締まらないな。

509:名無しさん@ピンキー
08/06/12 17:15:54 cLp2xibv
速水いいなぁ
欲を言えばもうちょっとおっぱい描写が欲しかった

510:名無しさん@ピンキー
08/06/12 17:16:45 akku/BtL
総受け速水かわいいよ速水

511:久留里
08/06/13 00:02:19 5YgtegAO
吉野が可愛すぎて困るので、ちょっと悪い子にしてみました。

『吉野警報発令中』
・吉野×いろいろな人達、吉野視点
・微妙にエロあり?
・多分 5 レスほど使用。
・何となく沼津くさいのは気のせいです。
・このSSはみなみけの平凡から大夫掛け離れた日常をたんたんと書いてしまったものです。
 間違っても過度な期待はしないで下さい。
・あと、受け付けられない人は隣の三島駅から新幹線でスルーしやがって下さい。

【 ! 注意】吉野が真っ黒です。


512:吉野警報発令中 -1/5-
08/06/13 00:03:01 5YgtegAO
昨日の事だった。
私は内田とチアキ達で、シュウイチ君の家に遊びに行っていた。
本当は一緒に宿題をやるのが目的なんだけど、こうして大勢集まると遊ぶことが多い。
宿題をさっさと片付けて、ゲームをしたりして楽しんだ。
その帰りの時の事だった。

帰りはチアキと一緒だった。
内田は用があると言ってさっさと帰っちゃったけど、一体何があったのかな。
「──結局、おかしなことは起こらなかった。
 起こっていたとしても、何が『おかしなこと』か、分からなかった」
そっか、分からなかったんだ。ふぅん──。
「私が知っている範囲だったら、教えてあげよっか?」
「おう、知ってるなら教えてくれ。
 カナのバカが妙な事を言いやがったせいで気になって仕方がないんだ」
ダメだよ、カナちゃん。チアキに変な事教えたら。
私の楽しみが減っちゃうよ。
「チアキ、ちょっと耳貸して」
チアキが私の方へ耳を向けると、私はそこに手を当てて、簡単に説明してあげた。
チアキの顔色がどんどん変わっていく。ちょっと面白い。
「───そ、それはカナが言っている『おかしなこと』とは違う様な気がする」
ほぅ。カナちゃん、ダメだよ。中途半端に話したら。
「そだね。どちらかと言えば『きもちいいこと』かな?」
「てか、お前、そんな事するのか」
「うん、ここだけの話だけどね」
「いつ頃からだ? その、『きもちいいこと』とやらを始めたのは」
「うーん、そーだな。お風呂入ってる時にちょっと指を入れたら気持ちよくなっちゃって……」
「!!」
そんなに驚かなくたっていいじゃない。チアキちゃんも試してみたら? でも、誰もいない所でやろうね。
「そうするよ。聞いてて恥ずかしくなった」

「あ、私はここで。じゃあ、また明日ね」
「おう、じゃなー」

明日、楽しみに待ってるからね。ふふふふふ……。


513:吉野警報発令中 -2/5-
08/06/13 00:03:28 5YgtegAO
一週間後──。
私は内田の家へ遊びに行っていた。
美味しいお菓子を食べて、本を読んだり、学校の事を話したりして楽しんでいた。
「──でさ、私も気になったんだけど、『おかしなこと』って、何?」
内田が訊きたがっているのは、先週、チアキが突然言ったあの一言。
あの現場に居合わせていて想像付かなかったってコトは、内田も結構『純』なんだね。
「『おかしなこと』は私も分からないけれど、『きもちいいこと』なら教えられるよ?」
『おかしなこと』については、どんなコトをするのかは知ってたりするけれど、
具体的にどうするかは流石に知らない。小学生で知ってるのもどうかと思うけどね。
「きもちいいこと?」
「そう、『きもちいいこと』。知りたい?」
そこで「はい」と答えるのが、スジってものだよね?
「う、うん……知りたい」
はい、良くできました。じゃあ、教えてあげるね。

「じゃあ、そこのベッドの上に座ろうか」
私は彼女の部屋の一角を占める、壁にぴったりくっついたベッドの方を指さした。
ふかふかのあったかそうなベッド。枕元のぬいぐるみが可愛いね。
私はベッドの上で内田と隣り合わせに座って、壁にもたれかかる。
自分はたまにやっているくせに、人に教えるのって何だか恥ずかしい。

そして──。

「んんっ──!!!!!」
「ぁあっ──!!!!!」
はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。
おしっことは違うトロトロとした液体が、私と内田の大事なところから溢れ出る。
ベッドの上は大惨事。予め切り開いたゴミ袋を下に敷いていたのは正解だった。

「──気持ちよかった?」
「な……なんか、変な感じ」
「ふーん、じゃあ、今度は私が内田を気持ちよくさせてあげるよ☆」
「へっ?」
「大丈夫。優しくしてあげるから」
「ちょ、ちょっと待って、え? ゎわっ、ひ、ひぃぃいいい!!」

私が内田の大事な所に指を入れる。そう言えば他の人のに入れるのは初めてだね。
内田をいじるのは面白い。彼女はあっという間に気持ちよくなってしまった。

「あまり大きな声は出さないほうがいいよ? ふふっ」
「ぁあ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、も、もうダメ、で、で、出ちゃう!!」
「じゃあ出しちゃえば?」
「ち、違うの!! さ、さっきのとは、ち、ちっ、違うの!!」
「?」
「さっきのと、いっ、一緒に……、お、おしっこも、で、出そうなの!!」
私はこの時、内田の言っている意味が分からなかった。
気持ちよくなる時に出てくるのは……アレであって、おしっこではない。
「へぇ~」
むしろ気になるのでもっともっと刺激を与えてあげた。いっちゃえ~!!
「だ、だから、もう、と、止めて、あ、あん、あんっ、もう、ダメ、ダメ! で、出ちゃう!!」
最後に私が見たのは、クジラの潮吹きの様に噴き出す、内田のアレだった。
ちょっと色が付いているのって………まさか、ね。
私も人にされると、ああなっちゃうのかなぁ。

「じゃあ、またね」
「う、うん。明日……学校でね……」
夕方、私は電池切れの内田と別れて家路に就いた。


514:吉野警報発令中 -3/5-
08/06/13 00:03:54 5YgtegAO
少し時間を戻すね。
チアキに「きもちいいこと」を教えてあげた次の日のことだった。

「おはよ~、チアキ」
「おう、お早う」
「どうしたの? 朝から疲れてるみたいだけど」
「どうもこうも、お前のせいだバカ野郎!!」
チアキが私に「バカ野郎」と言う程怒るのは珍しい。私、チアキに何かしたっけ?
「あぁ、やったんだ。きもちいいこと」
「う、うるさいよっ! あの後、カナが乱入して大変だったんだぞ」
へぇ、それは私も見たかったな。
「カナちゃんも一緒にしたの?」
「ち、違う。風呂場でやってたらあのバカがいきなり入ってきたんだよ」
それって、私はちっとも悪くないじゃん。
てか、何でチアキは顔を真っ赤にしてるんだろう。まぁいっか。
「それで? それで?」
「結局夜中までいじくり倒された。だからあまり寝てなくて眠……ふぁ~あ」
ハルカちゃん、チアキ達がこんなことやってたのに気が付かなかったのかな。

「ねぇ、今日、チアキの家に行ってもいい?」
「いいけどお前、カナに殺されるぞ」
カナちゃんはそんな酷いことする人じゃないよ? 私じゃないんだから。
「ん? 今何か言ったか?」
「ううん、別に。ねぇ、行ってもいい?」
「う、うん。いいよ」
何か『嫌な予感がする』って顔してるね。大丈夫だよ。悪いことはしないから。
私はチアキやカナちゃんと一緒に『きもちよく』なりたいだけなんだから。

***

放課後。
私は内田達と別れた後、チアキと一緒にチアキの家へ向かった。
チアキの家は私とは正反対。住宅街の中でひときわ目立つマンションに住んでいる。
向かっている途中で急に雨が降ってきた。しかも大降りだ。
予報では夜から降るとは行ってたけど、今は3時前。雨雲さん、ちょっとせっかちじゃない?
そうだ! 今日は折り畳み傘持って行くの忘れたんだった。チアキも持っていなかったみたいだ。
「急げ!!」
と、チアキは私と一緒に走るものの、私の方が足が速い。
結局私がチアキの腕を引っ張る形で、チアキの家へと向かった。

ザァァアアアアアアアア!!!!!!!

「ただいまー」「お邪魔しまーす」
川の様になった道をひたすら走り、国道と御殿場線を渡ってやっと家に到着した。
雨の止む気配は全くない。それよりも、私もチアキもびっしょりと濡れていた。
下着が透けていてちょっと恥ずかしい。チアキは何も着てなかったみたいでもっと大変な事になっている。
「誰も居ないね」
「何だ。カナは居ないのか」
へっくち。
「このままでは風邪を引く。吉野、先にシャワーを浴びれ」
「え、そしたらチアキ、風邪引いちゃうよ」
「いいから先入れ。客人に風邪引かせる訳にはいかん」
「じゃあさ、一緒に浴びようよ」
「おう、そうか。その手があったか。そうしよう」

私は、今日ばかりは雨雲さんに感謝した。
お陰でチアキちゃんと一緒に『たのしく』お風呂に入れたのだから。
私もきもちよくなれて良かったよ。本当に。



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