08/05/31 00:49:23 drO9va90
「何処まで行くつもりなんだよ」
「着いたぞ」
行き着いた場所は、駅から三十分ほど離れた場所にある、沼津港。
言うまでも無いよね。我が家の海の幸は、みなここで水揚げされたモノばかりだ。
で、こんな所で一体、私をどうするつもりだ?
回転寿司をご馳走してくれるのか? マコトがそんな事する訳が無い。
じゃあ…………まさか。
「あっちに行こうぜ」
マコちゃんは私の腕を掴んで倉庫へと走り出した。
ちょ、待て。私を冷凍鮪にするつもりか?!
ひょ、ひょっとして、ひょっとすると…………???
「お前、私をどうするつもりだ?!」
「どうするって、オレがカナ『で』遊ぶに決まってんじゃん」
私『と』じゃなくて、私『で』遊ぶのか。って、本気かよ?!
空っぽの廃倉庫で、私『で』遊ぶ。
こいつ、わたしと『おかしなこと』をする気だな。
マコちゃんは確かにそこらの女の子よりも可愛いかも知れない。
だが、あいつは男だ。おかしなことでもされたらシャレにならない。
よし、逃げるか。
「どうしたんだよ、カナ」
「ふっ、バカめ。お子さまのお前にこのカナさまをいじり倒せるとでも思っているのか?」
「えっ?」
って今、お前、『お前にバカって言われたくねーよ』って顔しただろ?
「残念だが、お前に『これ』はやれん。残念だったな。さらばだっ!!」
マコトにそう告げると、私は持ち前の体力を活かしてダッシュで逃げる。
「あ、ちょ、ちょっと待て。待てってば!!」
「待てと言って待つバカがどこに居るかー!!」
「………ったく。折角渡したいものがあったのに。この冷凍鮪、どうすりゃいいんだよ」