ちりとてちんでエロパロ 第四席at EROPARO
ちりとてちんでエロパロ 第四席 - 暇つぶし2ch91:夕蛍1
08/05/15 17:58:55 qn3k8lA2
夏の夕暮れ時、川べりの道を歩いていた。
夕陽が水面に映り、あたりは橙色の光に満ちている。
「綺麗ですねえ~…ちょっと電車に乗っただけで、こんな景色が見られるやなんて」
若狭が言った。
「今日はほんまに楽しかったです!あ、いえ、勉強になりました!」
ありがとうございました!と、はしゃいだ声で言う若狭に、
「そうか」
とだけ答え、四草は振り返りもせず歩き続ける。

四草が続けている、とある寺での落語会。
季節ごとのペースで、続けてきた。
勉強会という形だから非常にこじんまりしたものだが
はじめは数人だった客も少しずつ増えてきている。
毎回楽しみに顔を出し、わざわざ寝床寄席にまで足を運んでくれる客もいた。

…今度は妹弟子さんも一緒にやらはったら、どうですやろ。
寝床寄席に行かはった檀家さんが、妹弟子さんもおもろかったでぇ、
女の落語家さんも悪ないなぁ、て言わはって。

寺の住職からの提案を草若に告げると、草若は一二もなく頷いた。
「ああ、それはええな。若狭にももう少し場数踏ませたいと思っとったんや。
あっこなら、ようわかってくれてはるし、そりゃありがたいこっちゃ」
お~い若狭~と、草若は声を張る。ぱたぱたと走ってくる音。
「はいっ!師匠」
現れた妹弟子は、だぼだぼのTシャツにジーンズ姿。
その色気のない姿に、なぜこんなに引き付けられるのか。
師に悟られないよう、四草はそっと目をそらす。
草若が事情を説明すると、若狭はきらきらと目を輝かせた。
きっちりと手をついて、頭を下げる。
「ありがとうございます、師匠」
それから四草に向き直り、もう一度。
「四草にいさん、ありがとうございます。私、がんばりますさけ」
頭を上げ、まっすぐ自分に注がれる視線。
その大きな目に自分がどれだけ焦がれているか、この娘は知らない。
どれほど欲しているのか、気付いてすらいない。
だから、四草はいつもどおりに答える。
「恥かかん程度に、適当にな」
と。


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