ちりとてちんでエロパロ 第四席at EROPAROちりとてちんでエロパロ 第四席 - 暇つぶし2ch■コピペモード□スレを通常表示□オプションモード□このスレッドのURL■項目テキスト351:Romanticist Egoist 2 08/06/14 05:05:58 tQ8HY28b 紫陽花が濡れる頃に始まった恋は、身を焦がすような夏を経て 萩の零れる季節を迎えた。 彼女に、東京行きの話が持ち上がったのは丁度その頃だった。 大阪ローカル局で番組アシスタントや天気予報キャスターを務めていた彼女へ 東京のニュース番組がスカウトの声をかけてきたのだという。 「エーコが活躍するとこ、見たいな」 親友の成功を夢見る無邪気な妹弟子のように、俺は素直に喜べなかった。 むしろ、手前勝手な恐怖が先立っていた。 彼女が、俺の側から離れてしまう。 遠距離恋愛。そんなものは考えられない。 俺の望みはただ一つ。彼女と一緒にいることなのだから。 「東京へは、行かんといて欲しい。好きやから、一緒にいて欲しい」 俺の精一杯の告白に、彼女は迷っているようだった。 「今夜、部屋へ来てくれませんか?」 彼女から連絡があったのは、俺が一門恒例の居酒屋の寄席を 直前の下らない喧嘩で出番禁止となった、冴えない夜のことだった。 「…どうしたんや、エーコちゃん!?」 ドアを開けて俺を出迎えた彼女は、酷く泣き腫らした顔をしていた。 「なんでもない…なんでもないんです」 強がって微笑む彼女を俺は黙って腕の中へ引き寄せる。 「…俺の前で無理して笑うこと無い」 しかし彼女は、気丈にも俺の腕をそっと押し退けた。 「今日は、草々さんにお願い、あるんです」 彼女の纏う雰囲気そのままに清楚で、それでいて華やかなこの部屋。 ここでの思い出はどれも温かくて甘酸っぱいものばかりだ。 そんな部屋の真中で彼女は切り出した。 「東京、行こう思てるんです」 「……そ、か」 終った。そう理解した俺はそのままこの部屋を出ようとした。その時。 「待ってください」 俺の服を掴んで俯いたまま、引き止める彼女。 「最後に、思い出、欲しいんです」 「…思い出?」 意を決したように、彼女は美しい顔を持ち上げる。 「……私のこと、抱いてください」 「…残酷やな、エーコちゃん」 俺は初めて。 恐れるものなど何も無い、傍若無人な彼女の若さを憎んだ。 俺は君が思うほどそんなに強い男じゃない。 今、君を抱いてしまえば。俺は一生君を忘れられない。 行かないでくれと、ここに居てくれと、また無様にすがってしまうかも知れない。 躊躇う俺に、彼女は必死に訴える。 「草々さんと最後に思い出作れたら、私、東京でも頑張れる気ぃするんです」 ――思い出。 次ページ最新レス表示レスジャンプ類似スレ一覧スレッドの検索話題のニュースおまかせリストオプションしおりを挟むスレッドに書込スレッドの一覧暇つぶし2ch