ちりとてちんでエロパロ 第四席at EROPARO
ちりとてちんでエロパロ 第四席 - 暇つぶし2ch350:Romanticist Egoist 1
08/06/14 05:05:20 tQ8HY28b
彼女と出会った日のことは、今でも鮮明に覚えている。

あれは、まだ入門前だった妹弟子―師匠の家に下宿していた喜ィ公に焚き付けられて
三年ぶりの高座をなんとかやり通せたその翌日。
目茶苦茶ではあったが、それでも俺の為に下座を務めてくれた喜ィ公への礼で
久し振りにレストランへ入ったその帰りに。

絵に描いたように可憐な少女が微笑んでいた。

少女の顔には見覚えがあった。福井で恐竜の化石を発見した女子高生。
切り抜いた新聞記事の不鮮明な写真よりもずっと、実物の彼女は美しかった。
いや、美しいのは見た目だけじゃない。
「あの化石、ほんまはビーコなんです…」
そう正直に打ち明けてくれた真直ぐな瞳。
その目から零れる涙を見た時、俺はその美しさに心を奪われた。

彼女と出会ってから、目の前に拡がる世界は一変した。
この世はこんなにも鮮やかな景色を持っていたのか。
燻り続けた三年の月日が嘘のように俺の体が心がざわめいている。
兄弟弟子と数を競って付き合った娘たちや、肌を合わせた女たちには持ち得なかった感情。

これが、恋か。
俺は今、恋に落ちたのか。

噺の中だけなら何度となく自分の口から語ってきたこの情に、俺は初めて捕われた。

最初は俺の片思いだったこの恋は、ひょんなことから実を結んだ。
切っ掛けは俺の一門に入り、若狭と呼ばれるようになった妹弟子が
彼女へ、俺の高座を見るよう勧めてくれたことからだった。

「ビーコ、どうしてます?落語頑張ってます?」
俺と会う時はいつも必ず妹弟子のことを尋ねてくる彼女。
その妹弟子も、俺が出かけるたび
「今日、エーコと会いなるんです?」
気のないふりをしつつも興味津々といった目で聞いてくる。
(ほんま、よう似とる)

行きつけの居酒屋で、理不尽に彼女へ罵声を浴びせた若狭を怒鳴りつけたこともあったが
本来、ふたりは親友なのだろう。落語の喜六と清八のように。
幼馴染みだという少女ふたりの学生生活を思い浮かべてみる。
同姓同名で、小学生の頃からエーコ、ビーコと呼び合っていたというふたり。
きっと姉妹のように仲良く、いつも一緒にいたのだろう。
想像は飛躍する。
落語の稽古をする俺の隣で微笑む彼女。
照れくさそうに親友を「姉さん」と呼ぶ妹弟子。
それは、そう遠くない未来予想図に思えた。
彼女が、俺と俺たちの落語を支えてくれる。
若狭もきっと喜ぶだろう。

351:Romanticist Egoist 2
08/06/14 05:05:58 tQ8HY28b
紫陽花が濡れる頃に始まった恋は、身を焦がすような夏を経て
萩の零れる季節を迎えた。

彼女に、東京行きの話が持ち上がったのは丁度その頃だった。
大阪ローカル局で番組アシスタントや天気予報キャスターを務めていた彼女へ
東京のニュース番組がスカウトの声をかけてきたのだという。
「エーコが活躍するとこ、見たいな」
親友の成功を夢見る無邪気な妹弟子のように、俺は素直に喜べなかった。
むしろ、手前勝手な恐怖が先立っていた。
彼女が、俺の側から離れてしまう。
遠距離恋愛。そんなものは考えられない。
俺の望みはただ一つ。彼女と一緒にいることなのだから。

「東京へは、行かんといて欲しい。好きやから、一緒にいて欲しい」
俺の精一杯の告白に、彼女は迷っているようだった。

「今夜、部屋へ来てくれませんか?」
彼女から連絡があったのは、俺が一門恒例の居酒屋の寄席を
直前の下らない喧嘩で出番禁止となった、冴えない夜のことだった。
「…どうしたんや、エーコちゃん!?」
ドアを開けて俺を出迎えた彼女は、酷く泣き腫らした顔をしていた。
「なんでもない…なんでもないんです」
強がって微笑む彼女を俺は黙って腕の中へ引き寄せる。
「…俺の前で無理して笑うこと無い」
しかし彼女は、気丈にも俺の腕をそっと押し退けた。
「今日は、草々さんにお願い、あるんです」

彼女の纏う雰囲気そのままに清楚で、それでいて華やかなこの部屋。
ここでの思い出はどれも温かくて甘酸っぱいものばかりだ。
そんな部屋の真中で彼女は切り出した。
「東京、行こう思てるんです」
「……そ、か」
終った。そう理解した俺はそのままこの部屋を出ようとした。その時。

「待ってください」
俺の服を掴んで俯いたまま、引き止める彼女。
「最後に、思い出、欲しいんです」
「…思い出?」
意を決したように、彼女は美しい顔を持ち上げる。
「……私のこと、抱いてください」

「…残酷やな、エーコちゃん」
俺は初めて。
恐れるものなど何も無い、傍若無人な彼女の若さを憎んだ。
俺は君が思うほどそんなに強い男じゃない。
今、君を抱いてしまえば。俺は一生君を忘れられない。
行かないでくれと、ここに居てくれと、また無様にすがってしまうかも知れない。
躊躇う俺に、彼女は必死に訴える。
「草々さんと最後に思い出作れたら、私、東京でも頑張れる気ぃするんです」
―思い出。

352:Romanticist Egoist 3
08/06/14 05:06:54 tQ8HY28b
「俺は、エーコちゃんに思い出になんかされた無い」
大人気ない、みっともない反発。
「判ってます…私が、どんな酷いこと言ってるか」
でも、と真摯な瞳が俺を貫く。
「草々さん、だから。私が初めて好きになった、私が尊敬する草々さんだから」
私の、初めてのひとになって欲しいんです。

「…後悔、しないな」
漸く絞り出した俺の答に、彼女は黙って頷いた。


初めて入る、彼女の寝室。
ふわりと甘い香りが漂い、俺の鼻腔を刺激する。
「草々さん、これ…」
突っ立っている俺に、おずおずと彼女が渡した小さな袋。
「……どうしたんや、これ」
「…前、大学の友達に、冷やかし半分で持たされてたんです」
「そやな…嫁入り前の身体、やもんな」
渡された避妊具を、俺は握り締めていた。

部屋の電気を消して、寝具の上へ彼女をそっと横たえる。
そのまま、静かにブラウスのボタンへ指をかける。
カーテンから漏れる月明りの中、白く儚げな裸身が徐々に浮かび上がる。
下着へ指を伸ばした時一瞬びくりと慄いた身体は、それでも抵抗なくされるがままだった。
全てを露わにしてから、俺は彼女に口付ける。
初めて触れた唇は甘く苦い味がした。

初めて触れる君の肌。初めて耳にする君の声。
君の全てを知るのは、君が俺の元へ来てくれる時だと信じていた。
冷えきった心のまま、それでも俺は君の温もりを求め続ける。
君の身体に潮が満ちる頃、避妊具をつけた俺は静かに君に潜っていった。
たった零コンマ数ミリの樹脂の厚みがもどかしい。
本当は。
生で君を感じたい。生の君の胎内に注ぎ込みたい。
ずっと側にいて欲しい。ずっと俺を支えて欲しい。
病める時も健かなる時も。死がふたりを分かつまで、永遠に。

終りの時がくる。
少女の中から身を引き、崩れる身体をまたそっと横たえる。
破瓜を終えた彼女は、言葉も無くはらはらと涙を流していた。
「…ごめん、痛かったよな」
「違います…違うんです、草々さん、私」
「なんも言わんでええ」
涙を拭い白く細い身体を胸の中に引き寄せる。
堰を切ったように嗚咽する彼女。その下から震える唇が紡いだ名は。

「びーこ…」

俺では無い、幼馴染みのもの。
びーこ。びーこ。びーこ。びーこ。
泣きじゃくりながらただ一心に親友の名を呼び続ける彼女。
その真意を知る術を俺は持たず。
もう二度と抱くことのない細い肩をただ抱き締めていた。

353:Romanticist Egoist 4
08/06/14 05:07:50 tQ8HY28b
「…大丈夫、ですよ」
彼女に正式に別れを告げた日の夜。
縁側からぼんやり月を眺めていた俺に、若狭は言葉を選ぶように話しかけてきた。
彼女に思い止どまるよう、俺の側にいてやって欲しいと頼み込んでくれたという妹弟子。
最後の夜。俺の腕の中で俺ではなく、彼女が呼んでいた彼女の親友。

そういえば。
彼女と別れて、家に戻った俺を待ち構えていたこの妹弟子は。
話を聞くやいなや、俺を押し退けるように彼女を追って飛び出して行ったのだ。
その後、ふたりの間にどんなやり取りがあったか知る由も無いが。
帰ってきた若狭は泣きそうな、それでいて戸惑っているような妙な顔をしていた。
俺は、そんな若狭に何も言えないまま無為の時間を過ごしていた。

ふと、先日の寄席で出番禁止となった兄弟弟子との喧嘩の原因。
若狭が俺を好きだという小草若の話を思い出した。
試しにその与太話を伝えてみると案の定、妹弟子はきょとんとした顔をしていた。
「あるわけ無いやないですか」
そう笑い飛ばす若狭の顔は、どこか寂しそうだった。
(…当たり前や)
若狭はずっと俺と彼女との仲を心配してくれていたではないか。
(小草若の奴、適当なことを)

若狭と彼女は、俺なんかよりもずっと。それこそ小学校の頃から付き合っていた親友なのだ。
なのに今日、その親友に別離を告げられたのだ。
俺の、せいで。

すまん、若狭。
腑甲斐ない兄弟子ですまん。
おまえが引き合わせてくれた、おまえの大事な親友にフラれてまうような兄貴ですまん。
せっかく、おまえが引き止めてくれたというのに、俺は彼女を。

乏しい頭の中、謝罪の科白だけなら山ほど浮かんではきたが。
どれもこれも口に出した途端、嘘臭くなりそうなものばかりで止めた。
「…ありがとうな」
やっとそれだけ言葉にすると。
「ええ妹弟子持って良かったですね」
若狭は笑って、ちょっとおどけて返してみせた。
「ほんまやな」
駄目な兄貴思いの、妹の頭をわしわし撫でてやる。
くすぐったそうに撫でられている若狭へ、俺自信にも言い聞かせるように。
「落語、頑張ろうな」
そう、告げた。

頑張ろう。遠い東の空の下で、ひとりで頑張る彼女の耳に届くように。
俺たちは俺たちの目の前にある落語を。
そしていつの日か。再会するであろう彼女に、胸を張って向き合えるように。
俺たち兄妹、力を合わせて。
頑張ろうな。



〈終〉


354:名無しさん@ピンキー
08/06/14 06:07:12 tZJv7B2b
乙!
ええで、ええで!

355:名無しさん@ピンキー
08/06/14 12:05:30 nE+jjT7W
うわー、めちゃくちゃ新鮮な思考でした、乙です!
草々の純粋かつ単純思考に、唸らされました。
やっぱり、エーコと草々って似ている部分があるんですね。

356:名無しさん@ピンキー
08/06/15 17:05:53 T7LAqqVR
ロマンティストエゴイストか・・・

357:名無しさん@ピンキー
08/06/16 00:08:17 RgiVQcIY
A子とやってるほうがソウソウは自然だと思う。うん。
GJです

358:名無しさん@ピンキー
08/06/16 06:00:49 mDFSGPVd
独身時代は理想の清楚可憐なお嬢様系美女と交際して
一つ屋根の下にいた自分にメロメロな妹的美少女と結婚…
マガジン系エロコメの主人公かお前>草々

359:名無しさん@ピンキー
08/06/16 10:46:01 FTDoXh3Z
前に草々×若狭の職人さんが書いてたけど
天然ドジっ子、コケティッシュに可愛くて巨乳、
出会ってからずっと草々一筋でゾッコン、加えて血は繋がらない妹キャラ

本当にどんなエロゲのヒロインですか
国営放送のヒロインとは思えん

360:名無しさん@ピンキー
08/06/17 00:45:56 0idw/ou9
>>359
ちりとてちんがエロゲVer.だとこんな感じ?

天然ドジっ娘、ロリでハンドボール大のお乳なわかさちゃんは落語家の卵なんです
そんなわかさちゃんは兄弟子の草々おにいちゃんがだーい好きv
だけど草々おにいちゃんは現役女子大生美人お天気おねえさんのエーコちゃんに夢中…
草々おにいちゃんを取られたくないわかさちゃんは、お師匠さんや草原おにいちゃん
小草若おにいちゃんや四草おにいちゃんに手伝ってもらって
今日も「大人の女の人」を目指してお色気のお稽古に励んじゃうんです!

どんな一門やねん(尊建)

361:名無しさん@ピンキー
08/06/17 00:48:42 cPbKMHCr
>>360 wwwwwwwww

362:名無しさん@ピンキー
08/06/17 10:26:30 zXPol6op
>>360
最後の一行にハゲワラ

363:名無しさん@ピンキー
08/06/17 10:59:49 hKf6QDhG
お師匠さんやおにいちゃん達が、どんな手伝いをしてくれるのか、
激しく気になるエロゲだwww

364:名無しさん@ピンキー
08/06/17 12:11:03 x53Wa1WN
お手伝いの途中で4番目のお兄ちゃんに美味しく頂かれる
分岐シナリオがやりたいですw

365:名無しさん@ピンキー
08/06/17 17:25:06 Q1YhHEV/
ちりとてはエロゲ、つーより乙女ゲーの方が近いんでね?

366:名無しさん@ピンキー
08/06/17 17:29:38 Rt7pQJaO
小草若ルートや四草ルートがやってみたいww

367:名無しさん@ピンキー
08/06/17 17:59:56 oJbl+xnh
若狭を主人公にした場合は乙女ゲーで
草々を主人公にした場合はエロゲだな

エロゲの場合は小草若や四草や師匠による寝取られ要素有り

しかしお嬢様で清楚な清海と
天然で妹キャラの喜代美

二人のきよみの間で揺れ動く男て
どんなあだち充漫画

368:名無しさん@ピンキー
08/06/17 22:48:19 KiDwiYxA
ついでだから友春ルート、あるいは尊建・柳眉ルートも入れてくれ。
乙女ゲーにしても、A子とか順子主人公もアリだよなー、正平ルートとか。

369:名無しさん@ピンキー
08/06/18 00:54:23 DwfH73Uu
>>368
特典ディスクで糸子のドキドキ夫婦生活編もつけて下さい

370:名無しさん@ピンキー
08/06/18 00:57:16 r9gZTgqi
>>369
奈津子の仰天生活もぜひw

371:名無しさん@ピンキー
08/06/18 01:12:12 gHtk9Ru4
正平ルートで近親相姦とかどうだろうかw

372:名無しさん@ピンキー
08/06/18 04:02:19 treahKcG
オイオイwwww

373:名無しさん@ピンキー
08/06/18 07:44:09 rhv/m6LD
隠しシナリオで鞍馬会長ルートがあるんですね、わかります。

374:名無しさん@ピンキー
08/06/18 12:11:53 Tsr1fVWA
>>373
それもう乙女ゲー違うから。
なんか徒然亭若狭の野望~風雲血風録~だから。

375:名無しさん@ピンキー
08/06/18 18:13:49 1uHK/4qK
僕は姉に恋をする

376:名無しさん@ピンキー
08/06/18 18:19:36 FYxCJb/d
糸子&奈津子を荒縄拘束

377:名無しさん@ピンキー
08/06/18 22:27:17 r9gZTgqi
3もソンケンも縛られ系似合うな

378:名無しさん@ピンキー
08/06/19 08:56:49 mynBiusf
変態柳眉の一人勝ち

379:名無しさん@ピンキー
08/06/19 12:35:14 6G4RJdfG
W清海の肉便器


380:名無しさん@ピンキー
08/06/19 21:25:04 NbBDBkE9
おまえらwww

381:名無しさん@ピンキー
08/06/19 22:46:19 cKToXXyr
ひぐらし亭のなく頃に

382:名無しさん@ピンキー
08/06/19 22:54:08 OMtxldqn
ひぐらし亭がないたらホラーだなぁw

383:名無しさん@ピンキー
08/06/19 23:01:22 YPDJPwC+
カナカナカナカナカナ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ギャーーーー

384:名無しさん@ピンキー
08/06/20 15:46:40 A8x+hwO3
みんなDVDに夢中ですね

385:名無しさん@ピンキー
08/06/20 16:27:21 JVjb33Jt
一気に見ると面白いもんね
自分は小浜編見てないから新鮮だった


と言うわけでABキボン

386:名無しさん@ピンキー
08/06/20 19:16:22 OT23QrXN
Bのレイプものキボン
AVみたいなの

387:名無しさん@ピンキー
08/06/22 00:54:09 TSTv6oRe
完全に趣味で書いた小次郎×奈津子の日常ネタです。
エロどころか色気もない小話です。
本編の肉じゃが記念日の回が自分的に好きすぎて
このバカップルはお互いベタ惚れなんだろうなーという妄想から書きました。
性格やら口調やら違ってても気にしないで下さい…
小次郎が200万当てる前の話です。

388:あるくみち 1
08/06/22 00:54:46 TSTv6oRe
カタカタカタ。
興に乗っているときはキーボードを叩く指が軽い。
「―いくだろう、マルっと。よっしゃ、ノルマ達成!」
後でチェック入れて送れば十分締切りに間に合う。
他にも仕事は滞留してはいるが、近々に迫っているものは……
「しまった、あの記事書かなきゃ」
手帳を開いて至急の依頼を思い出した。
書き終えたばかりの文書を保存して閉じる。
次なるノルマの資料を探すべく立ち上がると、背後でがさごそと音がした。
「ん?」
ボサボサ髪にヘアバンド、眼鏡という在宅スタイルのまま振り返った。
「なっちゃん、仕事終わったんか」
「小次郎、帰ってたの」
スーパーへ買い物に行っているとばかり思っていたが、いつの間にか帰ってきたようだ。
床に散乱していた雑誌やら紙片が仕事前より整然としている。
音を立てないように整理してくれていたことに気付いた。
「ほんまに集中しとると聞こえんのやなぁ。不用心やで」
いつもと同じおっとりした口調。
の、はずが妙につっけんどんに聞こえた。
「小次郎、機嫌悪い? どないかしたん?」
そう水を向けてみたものの。
「別にどうもしませんよーだ」
……この子どもっぽい言い方こそ、ご機嫌ナナメの証拠。
何か原因あるだろうかと考えるも、目の前のノルマを思い出すと仕事モードに切り替わる。
「そうだ資料! ここに置いといたコピーとバックナンバーに付箋つけたのどこ?」
「ほい、これ一式」
床の上のひとつの山を示されて、ありがとう~と言いながら取り上げた。
そのまま机にバサッと置いて、また仕事に取り掛かる。
取材の録音テープを聞き直し、無造作に資料を広げてはブツブツ独り言を唱える。
勢いとモチベーションが保たれているうちに、と没頭しながら、ふと思う。
こんなときは、体温のない機械にでもなったかのようだ。
今の格好といい、どこまでも女を捨てている。
ちらりと苦笑したが、点滅するカーソルにぱっと気持ちを切り替えた。
これさえ終われば一段落できる。
そうしたら小次郎ともゆっくり過ごせるのだという、我ながら判りやすい目標を掲げ、猛然とキーボードを叩き出した。

389:あるくみち 2
08/06/22 00:55:52 TSTv6oRe

「小次郎~お腹空いたんやけど」
仕事机からくるっと振り向くと、ラップのかかった皿とメモがテーブルに載っていた。
「小次郎? いないん?」
立ち上がってメモを手に取る。
「―こんな時間に宝くじを買いに出るって?」
ピクリとこめかみが脈打つのが判った。
夕飯、というより既に夜食に近い時間になっているが、支度しておいてくれたのは助かる。
しかし、作った張本人は室内どこにも姿はなく。
「どこへ泊まるっていうんよ!」
ぺしっとメモをテーブルに叩きつけた。
イライラもそのままにあぐらをかいて視線をめぐらす。
そのとき、整理された資料の山の隣に郵便物が積まれているのが目に入った。
「おかしいな……」
重要なものもあるので、判りやすく机かテーブルに載せてあるのが常なのに。
―まるで私が見てはいけないかのように、目立たないように置かれている。
とはいえ、見本誌やらダイレクトメールやらで、目新しいものはない。
「ん?」
ひらり、と封書が一通、郵便物の間から滑り落ちた。
拾い上げると、真っ白な封筒に手書きで宛名が記されている。
差出人は、もう忘れかけていた、ずっと遠い過去の男。
他のものをすべて床へ放置して、封を切るのももどかしく、中身を広げた。
家庭的な面のなにひとつない自分に失望して去っていった男のひとりだった。
目を通して、他愛無い内容であったことにほっとする。
「まぎらわしい出し方せんといてよ、もう」
片手に握ったままだった封筒を改めて見つめた。
明らかに仕事関係ではない体裁の、男からの手紙。
小次郎が不機嫌になった理由はこれだろうか?
こんなものに嫉妬するような男ではないことくらい、承知しているはずなのに。
ふっと苦笑して、手紙を封筒に戻すと脇へ放った。
「そうそう、お腹空いてたんやった」
電子レンジで温め直した夜食を食べつつ、隅に置かれたエプロンを見る。
長年の生活でひとりなど慣れたはずだった。
小次郎と暮らし始めて、ふたりで過ごす日常の心地よさを知ってしまった。
こんな夜は、どれだけ部屋が散乱していても広く感じて。
機械を解体して、体温の戻った女になって、情けないくらい寂しさを覚えた。

390:あるくみち 3
08/06/22 00:56:49 TSTv6oRe
まだ真夏に入る前の季節、冷房をかけずに寝ても明け方は涼しい。
―それなのに、妙に暑く、寝苦しさを感じた。
それでも昼間取材に駆け回り、夜は原稿に打ち込んでいた日のこと。
意地でも朝まで眠ってやる、と頑張って目をつぶってみたが。
「重いっ! 苦しい!」
首元になにか圧迫感を覚えて、異物を勢いよく腕ではねのけて目を開けた。
「痛たた……なっちゃん、乱暴やで」
「小次郎!」
暗がりではっきりは見えないが、小次郎が腕をさすっているところからすると、異物はそれだったようだ。
枕元の時計を見ると、時刻は午前五時。
「ていうか、いつの間に帰ってきたんよ」
すっかり目が覚めてしまい、身体を起こしてぺたんと座った。
気まずそうに小次郎もあぐらをかいて向き直る。
「さっき」
「さっき? こんな時間に?」
「高速バス乗って、バス停からここまで歩いてきたら今になったいうわけや」
「歩いてって」
「まだ電車もあらへん時間やで、面白いから線路歩いて、ほれ」
最寄駅の名を言って、へへへと笑う。
いたずらが成功した子どもか、とがっくり肩を落としかけて。
懐かしい映画のワンシーンを思い出した。
まあ、帰ってきたからいいか。
「とりあえず、おかえり」
でもなんといっても眠い!と布団にもぐり込む体勢になる。
「なっちゃん、あのなあ」
「ん?」
「もう出てけ思ったときは、ちゃんとそう言ってくれて構わんで」
「……はぁ? あんた、なに言ってんの」
身体を倒しかけた、半ば寝る格好のままで呆気に取られる。
薄闇の中、なんだかしょんぼりと情けない顔をした小次郎が自分を見ている。
中途半端な体勢のせいで、職業病の肩こりと腰痛が一気に襲ってきた。
「あいたた……」
「えっ! なんや痛そうやけど大丈夫なんか?」
「んー、まあなんとか」
よいしょ、とまた身体を起こして、肩をさすって軽く舌打ちする。
―原稿終えた後にマッサージしてもらわなかったからだ。
「あのね、いつあたしが出てってほしい思うような言動に出た?」
「いや、その」
「手紙のせい?」
ストレートに聞くと、小次郎はさっと目を逸らして、頭をぽりぽりと掻いた。
その判りやすさに肩の痛みも忘れて、思わず笑ってしまった。
「笑うとこやないやろー。あれ前付き合ってた男なんやろ、より戻したいとかそういうんやろどうせ」
「そんなわけあらへんわ、今さら」
「昔の男ってのはほんまなんか」
ぷい、とそっぽ向かれたまま聞かれて、小さく頷いた。
「そうね、当たってる」
もうずっと昔すぎて顔も覚えてない、と言うと、横目でちらりと視線が向けられた。
お菓子を出されて機嫌の直りかけた子どものような表情に、頬が緩む。
こんな男が自分に惚れてくれて、しかも一緒に暮らしている、今。
声を上げて世界中あらゆるものに感謝したいと思ってるなんて、恥ずかしくて言えないけど。
「映像関係の仕事してて、こないだ自主制作で映画作ったら賞取ったっていうのよ」
その上映会の招待と、ついでにどこかで記事にしてくれないかという依頼だったのだと告げた。

391:あるくみち 4
08/06/22 00:57:24 TSTv6oRe
「ちなみに! その作品で主演した女優さんと去年結婚したんだって」
「ほー、結婚……」
「小次郎が心配するようなこと、なにもないんだから」
「ははっ、なんやそんな内容だったんかぁ。まぎらわしいのう」
「あんたが早とちりしたんやないの」
ふふっと笑ってから、思いついたことを聞いてみる。
「ねえ、嫉妬した?」
「はあっ?」
「したでしょ? だから夜に宝くじなんて口実作って出てったんでしょ」
「してませんよーだ。ほんまに宝くじ買いに行こう思っただけやで」
くだらない言い合いをしながら、ごろんと寝そべった。
慣れた手つきで小次郎がマッサージをしてくれて、肩こりやら腰痛やら不安やらが消えていって。
心地よさに半ばウトウトしていると、色んなことがどうでもよくなった。
「絶対、わしも二百万当てたるからな」
「ほんまに絶対当ててみせてよね」
夜明けまで、あと少し。
シングルベッドでふたり、寄り添ってもう一眠り。
こんな日常が続くなら、結婚なんて形態にこだわらなくてもいいかなと思う。
ぼんやりと考えているうちに意識が落ちていった。
そうしてまた浅い眠りの世界に戻って、夢を見た。
小次郎と手をつないで、真夜中ふたりで線路をどこまでも歩いている。
少しずつ空が明るくなって、線路を出て、一面の緑の中を朝日に向かってさらに進む。
光に溢れて、眩しくて、どこまでも歩いていけそうで。
―こんな風に、人生も歩いていくのだろう。


 <終>

392:名無しさん@ピンキー
08/06/22 02:00:12 Ib+0plwW
GJ!!
あたたかくてとても素敵でした!
小次郎いつまでも子供みたいで、それがまた小次郎らしいね。
変なカップルだったけどw、何気に見ていて一番安心できる
カップルでもあったなあ。

393:名無しさん@ピンキー
08/06/22 12:51:23 tsg3pfpd
>>387
GJ!
雨の日に爽やかなCPが読めてとっても良かったです。
奈津子さんに弱気な小次郎おじちゃんと、
そんなおじちゃんにメロメロな奈津子さんえーなー。
なんかもうどこまでも手ぇ繋いで歩いていったらええねん!

394:名無しさん@ピンキー
08/06/22 18:56:44 td63eEja
>>387
GJ!
小次郎おじちゃんも奈津子さんもかわいくて、すごくよかったです!!
二人ともお互いが大好きなんだろうなぁ、って感じがにじみ出てて、ほんわかした気持ちになりました。

395:名無しさん@ピンキー
08/06/24 02:57:34 XTW1tREJ
発作的投下失礼します。
年季明けのかかった天狗座の一門会後の設定で独身の兄弟子三人→若狭。
一部エロ妄想ありです。

396:ハーレクインどもの夜(延陽伯の上階)
08/06/24 02:58:46 XTW1tREJ

眠れぬ夜は、つらつらと妹弟子の姿を思い浮かべる。

三年前、十九で入門してから酒も煙草も色恋も禁じられ、ひたすら内弟子修行に励む
色気の欠片も無い子どもは、気がつけば密やかに女に育っていた。
いつまでたっても垢抜けない衣服の下に豊かな乳房と細い腰と
形の良い尻を持っていることを俺は知っている。
そして、その身はまだ男を知らずにいることを。

白く肌理細かな肌は触り心地が良さそうだ。
柔らかな少し癖のある髪。長い睫毛に縁取られた大きな瞳。
ぷくんと膨らむ薄紅の唇。まるい頬。
あの少女のように愛らしい顔が俺に向けられ、少しはにかんで俺の名を呼び、
俺の腕の中で情欲に濡れてゆく。
―四草、兄さん…
甘い声を思い描いた瞬間、ぞくりと背筋が震えた。
(…そんな年でもないやろ)
勃ち上がりかけたブツに自嘲し、手を伸ばす。まるで青臭いガキに戻ったようだ。
瞼を閉じ、女の姿態を呼び起こす。服を剥いだ白い裸が闇に浮かぶ。
たわわに実る乳房の先にある乳首は唇と同じ薄紅色だろう。
指を添えれば固く尖り舌で転がせばいい声で鳴くだろう。
滑らかな下腹を辿れば、髪と同じように癖のある柔らかな恥毛が茂っている。
その中に沈む小さな突起を擦れば奥の泉が溢れ出す。
充分に潤みを湛えたそこへ、猛る己を突き刺し揺さぶる。
甘い歓喜の悲鳴を脳内に響かせ、熱を解放した。

熱の引いた体を起こし後始末をする。まだ女の残像は消えない。
昨夕の一門会でのあいつは傑作だった。
直前まで無理だの何だのと騒いでいた癖に、本番では
師匠や俺たちを枕に使い、堂々と一門の露払いをしてみせた度胸の良さ。
(ほんま、ええ女になったもんや…)

一つ気になることがある。
ずっとをあの女を追っていた兄弟子のみならず、鈍感な想われ男まで
最近、もの欲しげな目であいつを見るようになった。
―あのガキどもに渡してしまうのは少々惜しい。

一門会の高座をやり遂げたあいつの年季明けは、師匠の宣言通り今年の大晦日まで。
内弟子部屋を出、師匠とも想う兄弟子とも離れて暮らすようになる。
大して収入も無い妹弟子を、兄弟子の俺が食事に誘うのはごく自然のことだ。
(…天満で飯でも奢ってやるか)
純真無垢な女に、絵空事でない色恋を教えるのもまた一興。
まずはこの俺を、ただの兄弟子では無くお前を狙う男の一人だと判らせてやろう。

算段はついたか、平兵衛?

397:ハーレクインどもの夜(マンションの一室)
08/06/24 02:59:28 XTW1tREJ

喉の渇きで目覚めて、ガンガンと唸る頭を持ち上げてベッドを抜け出す午前三時。
(たた…完全に飲み過ぎ、や)
ほうほうの体で辿り着いた洗面所で口を濯ぎ、流れる水を顔にかける。

六年ぶりの一門会は大盛況に終った。
徒然亭一門は晴れて天狗芸能傘下の落語家として大手を振って歩いて行ける。
父も、草原兄さんも、草々も、四草も。
そして、年明けから一人前の落語家として巣立ってゆく喜代美ちゃんも。
だけど、俺は。
タレント活動にも陰りが見え、落語家としてもうだつの上がらない俺は。

冷たい部屋の空気は酔いの醒めた体になおさら寒い。
唯一の温もりが、己の体温を移した布団だけというのがなんとも惨めだ。
嫌でも孤独を実感してしまう、こんな夜は。
考えまいとしているあのことに頭が向いてしまう。

―この部屋に、喜代美ちゃんがいてくれたら。

あまりにも現実味の無い願望。あの子は、残酷なまでに草々しか見ていない。
一度きりの抱擁は、あの子の冷たい目とともに突き放された。
思い出すだけでキリキリと心の臓が痛む。
それなのに、手酷く拒絶されたというのに俺の腕は
浅ましくも抱き締めたあの子の感触を忘れられない。
あの子の小さくて温かくて柔らかな体。
ふわんと仄かに甘い、いい匂いのする女の子の体。
俺を突き飛ばした筈の細い腕は、俺の背にまわりぎゅっと抱き締めてくれる。
俺の大好きな可愛い顔で俺を見上げて微笑んでくれる。
ぴったりとくっついた体が下からとろとろに溶けて混ざりあって。
蕩けるような快感が全身を貫き、くすぐったいキスを何度も何度も交わして。
―小草若、兄さん…

なんて幸福で愚かで空虚な妄想。

それでも俺は、一縷の望みに縋ってしまう。
母も、父も、落語も。
俺の欲しかったものは全てあいつに奪われてしまった。
せめて、あの子だけは。

あの子があいつを見なくなる日なんて来るのだろうか。
まして、俺に振り向いてくれる日なんて。
ベッドに戻り、冷えた布団の中でまんじりともせず考える。
年が明ければ、あの子はあの部屋を出る。やっとあいつから離れられる。
あの子がここへ来てくれたら。俺はやって行けそうな気がする。
ふたりで力を合わせて、辛い時間も乗り越えられそうな気がする。
例え勝機は儚くても、あの子の笑顔が手に入るのなら。
俺は最後の希望に掛けよう。

それが、この永い恋の敗北だとしても。

398:ハーレクインどもの夜(草若邸内弟子部屋)
08/06/24 03:00:09 XTW1tREJ

夢を見た。

独りぼっちで闇の中に取り残される、あれは幼い俺。
泣きじゃくりながら、それでも叶わぬ恋をするように光を求めて彷徨う。
ふいに、暗闇の中で俺は温かくて柔らかなものに引き寄せられた。
淡く光を纏うそれは、人の、若い女の像を結ぶ。
そのかたちは俺のよく知る娘の姿となる。
(わ、かさ…?)
俺を安心させるかのように、ふわりと微笑んだ彼女は
腿の上に小さな俺を乗せ、ふくよかな胸に俺を抱く。
―独りには、させません
冷たく濡れる俺の頬に温かな唇が落ちて、流れる涙をそっと吸いあげる。
まるで、慈母。
彼女の胸の中で俺は、やっと見つけた光に包まれる幸せを感じていた。
―草々、兄さん…

ぽかりと目が開いた闇の中、見知った天井にそっと息を吐く。
(今の夢…)
あれは紛れも無い、つい先日にあった記憶の残滓。
師匠に破門を宣告されて、当ても無く独り日雇いの仕事に就いていた俺を
単身迎えに来てくれた妹弟子。
あの時、朝の光の中にいた若狭に包み込まれるように見つめられて
俺の中に満ちてきた思いは、あれは。

出会ってから三年。
気がつけばいつも俺の傍らに若狭がいた。
桜の映える春も。焼けつく空の夏も。紅葉の照る秋も。木枯しの吹く冬も。
巡る季節を続く日々を若狭とともに過ごしていた。

首を回らせ、薄い壁を見る。
腕一本は優に入る穴。そこは一枚のカレンダーで塞がれているだけだ。
その向こうにあの娘がいる。
若狭がここにいるのもあと僅かだ。年季が明ければ内弟子は皆、師匠の家を出る。
当たり前のことだ。
だが、隣室で眠る娘がここを去るのは奇妙に不自然に思えてならない。

今まで意識したことも無かったが、若狭ももう二十一だ。
年季明けにはちょうど二十二になる。
二十二の若い女の一人暮らし。
俺や師匠の目を離れた途端、妙な男が近付くかも知れない。
不吉な予測に鮮明な映像が浮かぶ。
誰とも知らない男が若狭の横にいる。若狭が男に寄り添う。
男はあの小さな肩を抱き、まるい顎を持ち上げそして淫らな口づけを―
やめろ、触るな、そいつは俺の―俺の大事な―
(若狭は、俺の、何や?)

体を起こし、薄い壁に凭れる。若狭の寝息を感じようと息を殺す。
しかし、隔てられた距離はあまりに遠い。
布団を抜けた俺に、しんしんと冷気が忍び寄る。
あの温かな光が恋しい。闇の中で俺を包んでくれた光。

…若狭。

399:名無しさん@ピンキー
08/06/24 10:40:05 SaUbqyIP
うおお、カッコいい!
三者三様の愛情がグッときた!!
GJっす!

400:名無しさん@ピンキー
08/06/24 23:07:25 Ypf+p1q+
わー。
このところ新作少なかったから、コジロウナツコも三者も嬉しい。
どっちもGJです。うう、新作うれしいよ。

DVD2も出たし、また投下いっぱいあると良いなあ。

401:名無しさん@ピンキー
08/06/25 01:42:28 vVvX/DdF
>>395
発作的にこれだけ書けるってすごい…GJです
副題も凝ってるなぁ
四草パートの色男らしい締め方と、小草若パートの覚悟を決めた締め方に特にやられた~

402:名無しさん@ピンキー
08/06/25 02:26:03 avpt41ff
>>387 GJ!
ナツコジええなあ~破れ鍋に綴じ蓋CPは最高に萌えなんだぜ
ビジュアルも対照的なのがさらに良v

ところでハーレクインていうとか○くりサーカスの
ヒロインに横恋慕してた関西弁の自動人形が真っ先に浮かんでしまうね…

403:名無しさん@ピンキー
08/06/25 03:52:46 tJjq62Eg
>>402藻ちょっと詳しく知りたい。関西弁の自動人形。

404:名無しさん@ピンキー
08/06/25 12:30:34 pFLv8Xas
>>396
年季明けでいきなり人妻になっちゃった喜代美に
寝床で昼ごはん奢らせたのは
  そ  の  せ  い  か  !

405:名無しさん@ピンキー
08/06/25 22:21:08 FUYIRgKJ
>>395
GJ!!!
それぞれ特徴が出ていて上手いですね~。
ホント、発作的とは思えない完成度の高さです。
四草が一番ムッツリなのがウケましたw
また期待しております!

406:名無しさん@ピンキー
08/06/26 22:54:48 Y6tnOYQO
このスレで四草=ムッツリが刷り込まれたせいで
DVDの四の視線がヨコシマなもんに見えて困る

407:名無しさん@ピンキー
08/06/27 00:25:22 q8fZ0cqT
ようやっとDVD3巻と4巻をレンタルできた
これはたまらん(´Д`;)ハァハァ
消えかけてた火がまた灯っちゃったよ
職人さんたちもDVDで充電してまた戻ってきてください

408:名無しさん@ピンキー
08/06/28 11:44:40 +VhnyFcc
自分はダメだ
小草若が可哀想杉で
エロ妄想どころじゃないよ

DVD3が出ないと
ゆっくり妄想も出来やしねぇ

409:名無しさん@ピンキー
08/06/29 12:28:20 0mH51FMq
保守がわりに偏った趣味全開のギャグネタ投下で失礼します。
「聞かぬは一生の箸」に出てきた小浜市民会館の落語会のチラシの名前を
若狭と同期の若手落語家じゃないかな?と勝手に思った妄想の産物です。
設定は若狭新婚の年の夏で海ネタです。

410:夏のビーチの開放感はハンパねえ1
08/06/29 12:28:59 0mH51FMq
万葉亭柳笑、土佐屋尊朝、鏡福々。
聞き慣れない名前かも知れませんが、しばしのお付き合いをお願いします。

僕らは平均年齢23.5才。
万葉亭一門、土佐屋一門、鏡一門。
上方落語の名門の末席を汚します、年季明け1年未満の超・若手落語家なんです。
未来の上方落語界を担う期待の新星たち…と言えば聞こえは良いけど
金無し。芸無し。仕事無し。
それぞれ一門の兄弟子たちに日々こき使われるぺーぺーなのです。
そんな僕らの同期にいるのが徒然亭一門の紅一点、末っ子弟子の徒然亭若狭。
上方で数少ない女噺家の中でも彼女は出色だったりします。
なにってビジュアルが。
落語家だってのに彼女はちょっとしたアイドル並にカワイイんです。
年齢は僕らとほぼ同じ22才なんですけど、
黙っていれば10代でも余裕で通るくらいの童顔。
ちっちゃくて色白で大きな瞳に愛らしい唇。
にこって笑うとその目がきゅってなくなるのがまた可愛くて。
そんでもってかくれ巨乳!
唯一の汚点と言えば。
「これで人妻や無かったらなぁ…」
そう。彼女は同期で唯一の既婚者なんです。
なんせ年季明け早々、同門の兄弟子に手ぇ付けられてしまったもんですから。
それも女食いで有名な四草兄さんでは無く、落語バカの草々兄さんに。

年明けまで天狗芸能に半分干され状態にあった徒然亭一門にいては
同期とはいえ、他一門の人間は彼女に近付く機会はなかなか無くて。
まして内弟子修行中の身ならなおさらで。
歯がみする思いで年季明けするを待っていたというのに、この仕打ち。
落語の神様、僕らのことお嫌いですか?

そうは言っても同期の僕らは一人立ちとなった今、
彼女と仕事で一緒になる機会も増えたわけで。
で、人妻とはいえやっぱりカワイイ女の子と仲良くなれるのは嬉しいわけで。
そりゃ兄さんの女に手ぇ出すなんて仁義に反することしでかしたら
この業界で生きていけないことはわかってますけど、
ちょっとくらい親しくなってもええと思うんですよ同期としては。
そんなわけで僕ら3人、徒然亭の若狭ちゃんと一緒の仕事があれば
一にも二もなく飛び付くようになってたんです。
まあ、仕事選ぶ余裕なんて無いからけっこうギリギリなんですけど。
辛くて厳しい内弟子修行をやっと終えた今、
このくらいの楽しみがあったってバチは当たらないと思うんです。
そうやないですか神様?僕ら間違ってませんよね?

411:夏のビーチの開放感はハンパねえ2
08/06/29 12:29:34 0mH51FMq
青い海。白い砂浜。眩しい太陽。
なにより、うるさい兄弟子連中がいない開放的空間!

本日の営業は、天狗芸能所属タレントさんのビーチイベントの司会&前説という
別に落語家でなくてもええやん的お仕事だったけど、文句は言いっこ無し。
なんたって今回のこの仕事、イベントアシスタントが若狭ちゃんなんです!
年明けから数ヶ月、テレビタレントをしていた若狭ちゃんは
落語家に専念するようになった今でも、知名度はバツグンなわけで。
この手のイベントには引っ張りだこだったりするんです。
ビーチイベント=海水浴場。
打ち上げは当然、この海岸で!もちろん若狭ちゃんも一緒に!
僕らにとってのメインイベントはむしろこっち、みたいな?
それを思えば炎天下の元、汗まみれの砂まみれで走り回る苦労もなんのその。
「お疲れさまです!」
「はい、お疲れ」
ビーチイベントは大盛り上がりの中、無事終了。
渡されたわずかなギャラを握り締めた僕らは、いよいよ本日のメインイベント
『徒然亭若狭ちゃんと打ち上げパーティー』に向けて闘志を燃やしてました。

「へ?ここで打ち上げやるん?」
とっくに帰り支度をしていた若狭ちゃんを呼び止めて、準備開始。
「そそ。まだ日ぃも高いし、せっかく海に来てるんやし」
「こうやって同期の僕らだけで集まるのも滅多にないやろ?」
「若狭ちゃんとこの草々兄さん、今日は泊まりで落語会やて聞いたで」
もちろんこれはリサーチ済みの情報。主役に帰られたら元も子もない。
う~ん…てちょっと考えていた若狭ちゃんだけど。
「そやね。せっかくみんなで海、来てるんやもんね」
よっしゃあああ!

青い海。白い砂浜。まだまだ眩しい太陽。そして
「柳笑くん尊朝くん福々くん、こっち空いとんなるで!」
眩しい笑顔で手を振る僕らの姫君。この柔らかい福井なまりがまたカワイイ。
「こんなんやったら水着、持ってくれば良かったぁ…」
服の裾を摘んでぼやく彼女に僕らの目がキラーンと光る。
「水着やったらそこのショップに売ってるで、買うたろか?」
「ええよ、そんなん。お金もったいないし」
「ええて、せっかく海に来てるんやで?」
「僕、昔スポーツ用品店でバイトしてたからええの選んだる」
「ほやかて…」
渋る彼女に最後の駄目押し。
「実は僕らも海パン買お思てるんや。若狭ちゃんも一緒にどや?」
「あの店まとめて買うたら割引きなるらしいで」

412:夏のビーチの開放感はハンパねえ3
08/06/29 12:30:24 0mH51FMq
『割引き』『みんなで』『せっかくの海』
このフレーズが効いたみたいで、僕らは若狭ちゃんとショップに入りました。
出先の出費はかなり痛いけど、それもこれも若狭ちゃんの水着姿のため。
「う~…これにしよ」
無難にワンピを選ぼうとする若狭ちゃんを慌てて止める。
「若狭ちゃん、それ上下左右に伸びるから体型モロバレなるで」
「えええっ!そうなん?」
「そや、むしろこういうほうが目立んでええんやで?」
そう言って僕らが勧めたのはビキニ+パレオの最強コンボ。
「ほら、これ着てる人けっこういるやろ」
「ほやね~、ありがと柳笑くん」
(…やった)
言い訳するみたいだけど、僕の説明にウソは無いですよ?
ワンピ系がかえって体型目立つのは本当の話。
ただここまで来たなら、噂の若狭ちゃんの巨乳を一目拝みたい思うのは
男子としてイケナイことでしょうか?

細工は隆々、仕上げをごろうじろ。
「若狭ちゃ~ん、準備できた?」
「ん~、もうちょっと」
ビール、焼きそば、タコ焼き、イカ焼き、焼きモロコシにスイカ。
準備万端な僕らは主役の登場を今か今かと待構えてました。
僕らが若狭ちゃんに選んだのは、ホルターネックタイプのビキニとロングパレオ。
彼女の白い肌に似合う、パステルカラーの花柄プリント。
そんでもって。
「おい、アレ用意できたか?」
「ばっちりレンタルしてきたで」
鼻息も荒く引きずってきたのは、一人乗り用のバナナボート。
…えーと、白状します。
バナナボートにまたがるビキニの女の子が、どんな格好になるかは
賢明な諸兄ならご存じでしょう。
…まあ、つまりそーゆーコトです。
落語家である前に、僕らは健全な男の子なんで!
海でビキニで女の子ときたら、シタゴコロ全開になるのはしょうがない話なんで!
なにしろ、人妻な若狭ちゃんとこんな風に遊べる機会はまたと無いし、
そう思えば自然とヒートアップしてきてしまうんです僕ら。

青い海。白い砂浜。眩しい太陽。
素晴らしきかなこの開放的空間!まさにパラダイス!

「ほー…なかなか楽しそうやないか」
突然、背後から聞こえた声に僕らは一瞬で固まりました。
「またえらくハメ外したカッコしてるなお前ら」
「仕事場に海パンねえ…」
「落語家ゆうん忘れてるんちゃうか?」
…ええ、まさか思いもしませんでした。
まさかまさか大阪にいるハズの兄弟子連中が、こんなとこに現れるなんて!

413:夏のビーチの開放感はハンパねえ4
08/06/29 12:30:54 0mH51FMq
青い海。白い砂浜。眩しい太陽。

その下に現れたまるでチンピラかヤクザのような男4人。
万葉亭の柳眉兄さん。土佐屋の尊建兄さん。
そして、徒然亭の小草若兄さんに四草兄さん。
(なんで?なんでいんのこの人ら)
(今日は確か高座入ってたんちゃうの?)
僕らの心の声が聞こえたみたいにニヤリと笑う兄弟子たち。
「高座終わらしてから、お前らが心配になって見に来たったんや」
「わざわざ俺のスーパーカー!出してな」
「運転したのは僕ですけどね」
あー、小草若兄さんのスポーツカー飛ばしてきたんですか…
そのお目当ては。
「で、若狭は?」
…やっぱり。
噂では聞いていたんです。若狭ちゃんがこの兄弟子たちに可愛がられてること。
そして、草々兄さん以外にも若狭ちゃん狙いの兄さんがいたらしいということ。
だけど。
(こんなフルメンバーやなんて聞いてないで!)

マズい。非常にマズい。この人らにあの若狭ちゃんを見せてしまったら…!
「柳笑くん尊朝くん福々くん、お待たせ…てなんで兄さんらぁがおるん?」
思いっきりバッドタイミングや若狭ちゃん…
更衣室から現れて僕らと兄弟子たちの注目を集めた、その姿は。

トップスからあふれそうになっている、噂どおりの超巨乳。
きゅっとくびれたウエストに形の良いおへそ。
パレオのスリットからのぞく真っ白な太腿がまたセクシーで。
当初の予定なら大歓迎のハズやけど…

「…どうしたんや、その水着」
めっちゃ気まずい沈黙が落ちる中、口火を切ったのは
若狭ちゃんを上から下までじっくり見ていた小草若兄さん。
「あ、これ柳笑くんらぁが選んでくれたんです。昔、スポーツ用品店でバイトしてたって」
「ほー、スポーツ用品店でバイト…初耳やな」
わざとらしい感嘆の声をあげる柳眉兄さん。
若狭ちゃんんん!それ思いっきり地雷いいいっ!
「…で、そのバナナボートは?まさか若狭乗せる気ちゃうやろな?」
げえっ!尊建兄さん目敏い!
慌てて隠したけれど後の祭り。心なしか気温が下がってるよーな…
その時、一陣の風がヒューっとパレオを巻き上げて
「きゃあっ!」
めくれた下からハイレグカットのビキニパンツが。
「…ほんま、ええ趣味しとるな。お前ら」
すうっと四草兄さんの口角がV字につり上がる。
…目が笑ってない、目が笑ってないこの人おおお!

神様、落語の神様。僕らのこと本気で嫌ってます?



終了

414:名無しさん@ピンキー
08/06/29 13:28:55 QCJM7wOf
>>409
監視という名の便乗ですね?わかります

GJGJ!!
小草若は非難しつつ鼻血出してそう
四草って泳いだりするんだろうか…

415:名無しさん@ピンキー
08/06/29 13:36:44 amHkx/4Z
四草は日陰を探して歩いてそうなイメージがある

416:名無しさん@ピンキー
08/06/29 15:38:47 PgQ6DWH3
四草は夜行性

417:名無しさん@ピンキー
08/06/29 16:01:06 Mt7nbu4t
小草若以外は海水浴場が似合わなさそう

418:名無しさん@ピンキー
08/06/29 16:06:43 iuXnV6YB
小草若だけは底抜けに似合いそうだ
カラフルでアホな色の海グッズに囲まれてもよし、
海の家のお兄さんになって人気者になるもよし

草々は熱血ライフガード

419:名無しさん@ピンキー
08/06/29 16:38:53 U1rbiR33
>>409
GJ!!楽しく読ませてもらいました。

小草若も尊建も海水浴似合いそう。
つーかこの二人で海の家のお兄さんやったら似合う。

アロハシャツ着てグラサンかけて、
カキ氷ざりざり山盛りに盛って出してくれそう。

420:名無しさん@ピンキー
08/06/29 17:01:56 NtvEa8cX
>>409
GJ!! GJです!!!!
あれですね、小浜の落語会のポスターにいた連中!!
怖い兄さんs勢揃いに噴きました。
若狭ちゃんと同期の弟弟子連中蹴散らすために、一時的に手を組んだってやつですね。

421:名無しさん@ピンキー
08/06/29 17:16:17 MWFTozu2
>草々は熱血ライフガード

そういえば、草々の中の人は海猿だったっけ・・・・

422:名無しさん@ピンキー
08/06/29 17:47:36 6fgqUKKE
>>409
超GJです!!
こういうの読みたかったので鼻息荒く読ませて頂きました。
四草もだけど、柳眉も海似合わない…というより
着物以外のイメージないから絵的に見てみたいw

423:名無しさん@ピンキー
08/06/29 19:22:30 A0ZZjGjB
>>409
底抜けにGJ! 他門下の同期から見た若狭と徒然亭一門という
視点が新鮮で面白かったです。3バカトリオが健気で可愛いよ

424:名無しさん@ピンキー
08/06/29 23:32:37 QAV+L7Wt
>>409
GJ!面白かった!

>>422
ぐるっと関西だったかな、柳眉兄さんが愛宕山に登るレポしてた時に
ちょっとぴったりめのシャツ着てていいカラダしてました。
きっと海パンも似合いそう。

425:名無しさん@ピンキー
08/06/30 01:47:00 M2HFWcxJ
>>424
いいなあ、ひんぱんに小草若ちゃんと柳眉兄さんが見れる関西の人。
ぴたシャツ柳眉兄さん見たいいい!

426:名無しさん@ピンキー
08/06/30 02:06:55 5CBgVMjJ
>>409 GJ!
兄さん達は弟弟子たちに
感謝しないと駄目だろ~
いいモン見れたんだからさ

427:名無しさん@ピンキー
08/06/30 21:49:16 dOLQMqDu
ちちんぷいぷいに草原兄さんが出てたけどこれも、関西だけ?

428:名無しさん@ピンキー
08/07/01 00:06:43 Zhd5S2WB
>四草って泳いだりするんだろうか…

無理やりイメージしてみたら、なぜか昔の長そで長パンツつなぎの
囚人服みたいな水着姿しか浮かばんかったw


429:名無しさん@ピンキー
08/07/01 00:54:46 ixior7Kp
>>416 カラスですか?

430:名無しさん@ピンキー
08/07/01 00:59:26 0Z3d27cU
>>428
ハゲワロタ なぜそれなんだ!?
昔ドリフのコントで志村けんが着ていた記憶が…

四草はインテリ&モテ設定だからカナヅチってことはないはずだよなぁ
小草若は番組のコントで囚人水着経験済みってことでw

431:名無しさん@ピンキー
08/07/01 02:59:59 zVCot3FY
四草ブランド物の黒の海パン
小草若アロハ柄の海パンかビキニ
草々白フンドシか普通の海パン
尊健ビキニ
柳眉競泳選手みたいな乳首が隠れる長ズボンタイプ
小草々ビキニか短海パン
草原トランクス
草若赤フンドシ


432:名無しさん@ピンキー
08/07/01 09:11:20 4uYvfwSj
同じこと考えてた<草々白褌

433:名無しさん@ピンキー
08/07/01 12:28:45 CJPkmrVN
>>431
超GJ!
全員が容易に想像できたw
誰かこれを元にSS書いてくれないだろーか(・∀・人)

434:名無しさん@ピンキー
08/07/01 12:40:59 PHxn7vpM
若狭ってむだ毛処理に無頓着で2~3本はみ毛してそう。

435:名無しさん@ピンキー
08/07/01 13:02:06 mb1Xa6gb
若狭って自分のスタイルの良さとかを自覚してないんじゃないかな?
で、あれよあれよと乳やら尻やらほっぽり出す様な水着を着せられ、辺りを血の海にしてしまう…

436:名無しさん@ピンキー
08/07/01 18:28:03 Q6WUrtgf
若狭はパイパンだよきっと

437:名無しさん@ピンキー
08/07/01 23:17:40 hpfrlFf0
>>435
テレビで売れっ子だった頃にそんな仕事させられてたかもw
で、それを知った師匠&兄弟子sがキレて仕事なくなったとか

438:名無しさん@ピンキー
08/07/02 23:33:26 ZVw1IRBn
ドキッ☆ 落語家だらけの水着大会

誰かヨロシク

439:名無しさん@ピンキー
08/07/02 23:47:37 K2E+Jbyf
ポロリを、ポロリを頼む!
しかし、当時って女流の上方落語家は、片手の指に足りるほどしかいなかったんだよな…

440:名無しさん@ピンキー
08/07/03 00:25:55 PIWU72ig
>>429 九(ry

その水着ネタ、ここはひとつ>>409氏に書いてもらいたいな
409の続編ってことでいけそう
ちゃっかり水着用意していた兄弟子たちw

441:429
08/07/03 01:51:12 vEabcipa
うわ、ふと軽い妄想書いたらえらい盛り上がってるっ。
431さんすばらしいです。自分のズレた発想が情けなや。

囚人服系レトロ水着、柳眉兄さんのほうが合うかも←まだ言うか

442:441
08/07/03 01:53:47 vEabcipa
すんませんアンカーミス
>>441>>428です。

443:名無しさん@ピンキー
08/07/04 09:47:39 OUWjyozw
草々若狭の浜辺エチ

444:名無しさん@ピンキー
08/07/04 14:55:16 pwMWmjpl
糸子の巨乳がユッサユッサ

445:名無しさん@ピンキー
08/07/04 17:22:04 OUWjyozw
喜代美の高校のときのスク水をもったいないさけぇと言いながら着る糸子。

446:名無しさん@ピンキー
08/07/07 02:47:40 BckcNEeC
空気読まずに草々×若狭の下品なエロネタ投下します。
AVのジャンルで言うと若奥さまオナニーものです。

447:夫婦胸算用 1
08/07/07 02:50:49 BckcNEeC
落語家、というのは基本的に家を開けることの多い職業だ。
寄席は演芸場よりも各地の市民会館に呼ばれる方が多いし
司会や講演、観光ガイドなど営業の仕事が入ることもある。
落語界でも珍しい、夫婦で噺家をやっている草々と若狭は
そんなわけで互いの仕事ですれ違いの日が続くことも
しょっちゅうだったりするのだ。

「……ふう」
その晩。
地方の営業の仕事から帰ってきた若狭は、一人寝の布団の中
十何度目かの寝返りを打っていた。
今日は夫の草々も師匠の草若もそれぞれ泊まりで落語会があり
草若邸の留守を預かるのは、徒然亭一門の五番弟子であり
草々の妻の若狭ただ一人であった。
結婚して二年。二十四歳の成人女性。なにも子どもの頃のように
留守番が怖くて眠れないというわけでは無い。
不眠の原因はもっと人妻らしい理由にある。

―もう十日も夫の肌に触れていない。

三年越しの片思いを実らせ、生娘のまま嫁いだ若狭は
新婚二日目にして夫に処女を捧げることになった。
それまでドラマや少女漫画で漠然と描いていた恋愛と違い、
生身の男女には当然性欲が伴う。
一門では堅物で通っている夫も一通りの女遊びは経験済みの
芸人であり、未通娘の妻を翻弄させるには充分な性技を持っていた。
二年の歳月。肌を重ねた回数は彼女から女の官能を引き出していた。

転々と寝返りを打つ若狭は、遠い空の下にいる夫に思いを馳せる。
落語会はうまくいったのだろうか。ちゃんと食べてるだろうか。
今頃はもう、休んでいるのだろうか。
布団の中でここにはいない夫の顔を思い浮かべていると、
嫌でもそれは夜の営みの記憶へと繋がってしまう。
夫に男を教え込まれた肌は容易に彼の熱を呼び起こす。
(…あっ、あかん)
荒々しい息遣い、自分をまさぐる大きな手、太い指、厚い唇、そして。
『…若狭』
自分の名を愛しげ呼ぶ、低く掠れたあの声音。
自分を捕らえて離さない、野生の獣にも似た鋭くて優しい大きな目。
(……あっ)
じわりと身体の奥に火が点る。
知らず、若狭の腕は己の身体を抱き締めていた。
腕の中の乳房が熱い。
両の掌で鷲掴みにされ、思うさま揉みしだかれた感触が甦る。
(草々兄さん…)
布地の上からそっと自分の指で輪郭を撫ぜる。
(……あっ)
己の細い指が夫の太い指に重なる。
彼がいつもするようにボタンを外し指先を肌へ滑らせると
甘い痺れが全身を貫いた。

448:夫婦胸算用 2
08/07/07 02:51:26 BckcNEeC
「…あっ……はぁっ……あっ……」
荒く息を吐きながら己の乳房に指を這わせる。
熱に浮かされた頭のどこか一点、醒めた部分が呟く。
―なにしてるんやろ、私
布団の中で一人、こんな熱くなって自分で自分を撫でまわして。
―前はこんなこと、ようせんかったのに
あの永い永い片想いの間も、こんなやらしいことはしなかったのに。

辛く苦しい片想いに終止符が打たれた時、ほっとしていたのだ。
これでもう、彼の顔を見るたび胸を焦がさずに澄む。
あの息苦しい焦躁と嫉妬から解放される。
結婚後はもっと穏やかで温かな愛情が育まれる。
そう、信じていたのに。
夫の指で目で舌でこの身を暴かれて。
愛しい男の重みの下で乱れ狂うことを教えられて。
薄紙を一枚また一枚剥ぐように現れた知らない自分。
夫の肌に熱に匂いに溺れ耽る貪婪な自分。
こうして、たった十日触れていないだけでこんなにも飢えている
浅ましくてはしたない自分。
―私って、こんな女だったんやろか

乳房をなぞる指先は、固く尖るその先端へ向かう。
(……んっ)
夫の指を思い出しながら、そっと摘む。くりくりと弄ってみる。
「あっ……ああっ……!」
強い快感と伴に、愛撫の記憶が鮮明に呼び覚まされる。
太い指に弾かれ、分厚い唇に吸われ、ざらついた舌で舐められる、そこ。
己の細い指を動かすうちに、太腿の奥がじんと疼いてくる。
足りない。これだけでは全然足りない。
もっともっと、強い刺激が欲しい。
本能に命じられるまま、ショーツをずり下げる。
うっすらと湿ったそこへおそるおそるもう片方の指を埋める。
「はっ……ぁあん……っ!」
茂みをかき分け、小さく膨らむ陰核を掠めた途端、
電撃のような快感が全身に走った。
つうっと内股に生暖かい粘液が流れる感触。
その支流へ指を進めると
「ああ…」
覚えのある心地好さがひたひたと押し寄せてくる。
何度となく夫の逞しいものに貫かれ愛されたその部分は熱く
さらなる快楽を訴えもがいていた。
「にいさん……そうそう…にいさん…」
欲しい。
草々兄さんが欲しい。今、すぐに。
ここにはいない夫の影を瞼に描き、指を差し込む。中を擦る。
「あっ、あっ、あん……」
白い闇が鈍く頭を包みチカチカと閃光が瞬く。
ふわふわと身体が宙に浮く感覚に襲われたその時。
「わか、さ…?」
求めていた声が明確な響きを持って鼓膜を打った。
すぐ側で。

449:夫婦胸算用 3
08/07/07 02:51:59 BckcNEeC
「そっ、そそそそそそおそおにいさん!?」
電光の下、無惨に狼狽える妻を草々は呆然と見下ろしていた。
白い光に晒されたそこには、顔を火照らせ寝間着を乱し
明らかに快楽に耽っていたことを物語る若狭がいた。
「なっななななななん、なんでっ!?」
「…いや、お前一人の留守番や思たら、急に心配なって」
「でっでででででん、でんわっ!?」
「こんな夜中に電話かけて、お前起こすのもなんや悪い気ぃして」
それにしても、と草々は妻の姿態をつくづくと眺めた。
「お前が、こういうことする女だったとはな…」
初めて知った。
その呟きは、若狭に新婚当時の悪夢のような日々を思い出させる。
『こんな女とは思わんかった』
そう言って、自分の前から姿を消した二年前の夫。
「きっ、きらいにならんといてくださいっ!」
あの時と同じように涙声で若狭は叫んでいた。

(…嫌いになんぞなるかい)
涙に潤んだ瞳で取り乱す妻をよしよしと大きな手で宥めながら
草々は腹の底からふつふつと沸き上がる可笑し味を感じていた。
この、未だにどこか幼さの残る小さな可愛らしい妻が
一人寝の布団の中、自分を想って高ぶる身体を慰めていたかと思うと
愛しさで自然と笑みが零れてくるのを押さえられない。
恥ずかしがり屋で奥手で娘々したこの妻を
こんな淫らな行為に駆り立てた原因が自分だと思うと
嬉しくて仕方がない。
惚れられている。
その男としていい気な自惚れが、結婚して二年を迎えた今でも
こうして自分を酔わせていることを、若狭は知っているだろうか。

真っ赤になって俯く妻を宥めるうちに、ふと悪戯心が芽生えてきた。
「こうして顔合わせんのも久し振りやな」
ひーふーみーと指折り数え、十日かと呟いてみせる。
「折角やし、お前可愛がってやりたいのは山々なんやけど」
愛する妻の期待に満ちた目差しをわざと逸らし、すっとぼける。
「俺も年や、すぐには元気になれん」
「…草々兄さん?」
訳が分からないといった風情の若狭を抱き寄せて耳元で囁く。
彼女の一番お気に入りの低い掠れた声で。
―さっきの続き、してみせてくれや

「でっできませんそんなことっ!」
たっぷり五分は固った後、殆ど悲鳴のような声で若狭は叫ぶ。
「嫌ならええんやで?俺も疲れてるし」
わざとらしい欠伸をしてみせる草々。
「…意地悪」
羞恥に身体を震わせながらも身を起こす妻に夫はほくそ笑んだ。

450:夫婦胸算用 4
08/07/07 02:52:28 BckcNEeC
なんで、なんでこんなことに。

草々の視線に晒されながら、若狭は今更ながら困惑していた。
先程のような自慰ですら、数えるほどしかやったことないのに
愛する夫に現場を見られた上、彼の前で公開オナニー。
―なんの罰ゲームや、これは

寝間着のズボンとショーツは布団の中の行為で脱いでしまっていて
下半身は裸のままだ。
それでも、大事な部分を隠すようにぺたんと座ると
上着のボタンを震える指で一つ一つ外してゆく。
露わになった乳房に、夫の目が集中するのを感じてカッと熱くなる。
欲情している。この異常な状況に。

片手で乳房を持ち上げると、もう片方の手で唇をなぞる。
ちゅく、と人差し指を吸い、唾液を絡めたそれで己の身を這わせる。
まるい顎から喉へ。鎖骨を彷徨ってから胸の谷間へ。
テラテラと濡れて光るその軌跡には覚えがあった。
「…ワンパターンやて言いたいんか?」
それは、草々の舌が好んで通るお決まりのコース。
苦笑する彼に違うとかぶりを振りつつも、若狭の指は止らない。
今度は両手で乳房を掴み、つんと尖る乳首を摘んで弄ってみせる。
「ああ……」
蕩けるような甘い嬌声が唇から漏れる。
胸への刺激だけでは足りないのか、太腿を擦り合わせ始める若狭。
乳房から離れた指が下方へ向かうのを見て、ポンと彼女の膝を叩く。
「足、開き?」
ひくん、と戦慄く妻へ容赦なく命じる。
「肝心なとこが見えんやろ」

暫しの躊躇い。それでも情欲には抗えないと見えて、膝を立たせ
ゆるゆると内股が開いてゆく。
現れたそこは既に愛液でとろとろに濡れていた。
可愛らしい陰核は赤く尖り欲情を訴えている。
白い指がそこを擦ると一段と高い嬌声があがる。
とろりと新たな蜜が溢れる。
ごくり。
喉を鳴らし瞠目する男の目と、妻の蕩ける目がかち合う。
「草々、兄さん」
ぞくりとするほど色を帯びた声が彼を呼ぶ。
「見てるだけで…ええんですか…?」
熟れた唇の奥、赤い舌がちろりと踊る。男を誘う蠱惑の笑み。

―完敗、や

妻の誘惑に負けた男は、潔く滴るような女体に齧りつく。
「やん、も、草々兄さんがっつき過ぎ」
くすくすと身を捩って若狭は逃れようとする。
「疲れとるんやなかったんですか?」
お返しとばかりに可愛く責める妻にすまんと詫びつつ
その白く艶めかしい身体を捕らえ抱き締めた。
「ただいま、若狭」
「お帰りなさい、草々兄さん」

451:夫婦胸算用 5
08/07/07 02:52:58 BckcNEeC
(それにしても、お咲さんの言うてた通りや)
十日ぶりの逢瀬をたっぷりと味わい、妻を腕に納めた草々は
出立前の居酒屋での忠告を思い出していた。
『ええっ?十日も若狭ちゃん一人にすんの?危ないわ、草々くん』
何気なく伝えたスケジュールに居酒屋「寝床」の女将、咲は
すっ頓狂な声を上げたのだ。
『若狭も子どもやないし、大丈夫やて』
呑気に返す草々に咲は甘いな!と気色ばむ。
『最近、若狭ちゃん目当てにこの店来る若い子おるんよ?』
『なんやて?』
そんな話は初耳だ。

『草々くんと結婚してることはみんな知ってるけど』
若狭ちゃん若くて可愛いし、と腰に手を当て滔々と続ける咲。
『それに、女の私から見てもなんや綺麗になってるしな』
確かに、結婚当初は子ども子どもしていた妻は年を経るごとに
美しくなっている。夫としては実に喜ばしいのだが。
『一人寝の人妻に近づく男、おるかもしれへんよ?』

正直、油断していたのだ。
なにしろ若狭との結婚を宣言した当時。
『ようもあんなカワイイ喜代美ちゃんを!』
まともに悔しがってくれたのは小草若くらいなもので。
『はあ、若狭と…ね』
『草々お前、ああゆうんが好みやったんか…』
三国志の柳眉と尊建にはなんとも微妙な顔をされ。
『もうちょっと考えたほうがええんとちゃうか?』
草原兄さんには心配され。もう一人の弟弟子、四草に至っては
『…アレが女に見える草々兄さんを尊敬します』
『せんでええわ!』
新妻をけちょんけちょんにけなされてすっかり拗ねていた草々は
(嫁は色気や無い、気立てや)
と、若狭に色気は無いものと決め込んでいたのだ。
それがどうだ。
今宵の滴るような色香の妻ときたら。
散々色気が無いとバカにした四草でさえ、この若狭を見たら
むしゃぶりつきたくなるに違いない。最も見せる気は毛頭無いが。
女として開花した妻に目をつける男が出ても不思議では無いのだ。
(無理して早く帰ってきて正解や)

「次の高座は確か来週やったな」
咲から聞き出した「若狭目当ての若い子」の面々を思い浮かべる。
心当たりはある。いずれも、妻と同期の若い落語家たちだ。
(…見せつけておくか)
妻の楽屋を訪れるであろう後輩どもへ。
妙な気を起こさせないようにしっかりと。
そんな夫の胸の内など露知らず、久し振りの腕の中で
くふんと甘えた声を出し、若狭は幸せな眠りにつくのだった。




452:名無しさん@ピンキー
08/07/07 21:26:02 7hvYbgDW
>>446
超GJ!!!!!!!
エロスの極致を堪能いたしました~。素晴らしいです!
表現が日活ロマンポルノ的な昭和な感じがして、さらに良かったです。
この夫婦はいつまでもこんな風にいちゃこいてたらいいと思いますw

453:名無しさん@ピンキー
08/07/08 00:05:59 8MSg9DpV
GJ!!!すごくよかったです!
若狭可愛いだけじゃなくエロくて最高。
本編でも、結婚してからのほうが何かと色っぽかったですよね。


454:名無しさん@ピンキー
08/07/08 22:00:37 E8U+4idp
GJ!エロいよ若狭若狭エロい。

何か前半のシーンが読み覚えあるような気がしたんですけど
もしかして過去に書いておられた作品のリメイクでしょうか?


455:名無しさん@ピンキー
08/07/09 20:44:26 k+wH/srK
本編では小草若や若狭がタレント業やったり
草々がモギリの押しかけバイトしてた描写があったけど
四草も売れないころは同じことしてたんだろか?
想像できない。

チラ裏だけど、自分が草原中の人を生で見たのは
水上バスの観光案内だったわ。

456:名無しさん@ピンキー
08/07/09 20:56:56 zLKXROTR
女が勝手に貢いできたから、バイトはしてない

と、たまたま今日見たDVDに出てきたw
年季が明けたとたんに師匠が一門会すっぽかしたという
小草若に負けず劣らず間の悪い弟子なんだ四草は。

457:名無しさん@ピンキー
08/07/09 23:05:32 zHatOv1P
しかし中華屋の2階に住んでる以上、多少は店手伝ってるだろう
東京でも二ツ目くらいだと普通にバイトしなきゃ食べていけないし

458:名無しさん@ピンキー
08/07/10 01:51:19 uoCA7jpP
草々のアタクシ(嫁の)実家へ帰らせていただきます!事件の時、
若狭のタレントの仕事を「行く先々でヤンチャやらかし」てたみたいだから
一応、四草も営業らしきことやってたんじゃないかなて妄想。


新米AD、佐藤くんは困惑していた。
今日の収録は、最近売れセンの女の子落語家ちゃんがゲストだったのに
何故かニラニラ薄気味悪く笑う陰気な男が楽屋で待っていたのだ。
「すんません、若狭急に出られんようになってしもたんで…」
マネージャーから紹介されたそいつは女落語家ちゃんの兄弟子なのだという。
(こんな暗い奴が落語家?つかなに考えてんねん天狗芸能!)
いくらなんでも女の子の代わりに野郎よこすことないやろ!
佐藤くんはツッコミたかったが、相手は関西を牛耳る大手芸能事務所だ。
いち放送局のヒラ社員が逆らえる相手ではない。
(どーすんやろ今日の企画…)
またギリで書き直しかよてっぺんまわるまで帰れんやんけクソタレが。
心の中で悪態をつきつつ、ヨロシクお願いしますね~とへらへら笑いかけると
こっちを見透かすような胡乱な目つきでジロジロねめまわしたあと
にまぁっと笑ってみせたのだ。
(うわっカンジ悪っ!)
「と、とりあえずコレはナシですよね、女モノやし」
場を取り繕うつもりで楽屋に用意してあった着物を片付けようとする佐藤くん。
すると今度はその着物をじ~っと見ていた陰気男、
いきなり持ってたコップの水を着物にひっかけたのだ!
「な、なにすん…!」
慌てて止めようとした佐藤くんの前で、ドロドロ溶け出す着物。
(ヤバッ)
実はこの着物、いつものよーに悪ノリする一条Pの鶴の一声で作らせた
水で溶けちゃうペーパー着物だったのだ。
『今度来る落語家ちゃんてデカ乳なんやろ?タダの着物じゃもったいないわ~』
『でもその子、天狗芸能なんでしょ?ヤバないです?』
『だーいじょーぶ!あそこの九郎ちゃんとオレ、仲良しこよしや』
そんなこんなで落語家ちゃんに着せる予定だった特注着物は
今やタダのドロドロと化していた。
「え、えーと、あの、その…」
しどろもどろになる佐藤くんに陰気男は坦々と話し始める。
「今日来る予定だった若狭、実はウチの会長のお気に入りなんですよ」
「…ええっ?」
ギョッとなる佐藤くんに再びにまぁっと笑いかける陰気男。
「…ギャラは倍掛けでけっこうですよ?」
(なんやねんこの男っ!)

おわる

459:名無しさん@ピンキー
08/07/10 02:16:06 dR4KJ6qb
おおー!なんという展開
いっぱい想像しました
GJです

460:名無しさん@ピンキー
08/07/10 20:24:10 IlFGPrOS
>>458
GJ! 四草、特注着物をすぐ見抜くってことは昔は相当悪いことしてたろw

461:名無しさん@ピンキー
08/07/10 23:12:31 3HvDQMnL
>>458
ワロタ。
まさかのTV局の算段。
それを一瞬で見抜く陰気男。
まあ、徒然亭と天狗芸能を相手に回そうってのが、甘いなw

462:名無しさん@ピンキー
08/07/12 13:45:11 I0yGSLUM
若狭が福井帰ってた時、テレビの仕事みんなで割り振ってたみたいだけど
あの伝説の「おいそしー」なお店紹介のほかにも
フリップ持って街頭アンケートとか、クイズでモンゴウイカ答えるとか
やってたってコトだよね?…四草も

463:名無しさん@ピンキー
08/07/12 21:51:59 f1FJseWp
草原兄さんのカミカミレポート
底抜け無し小草若の盛り上がらない街頭アンケート
陰気な答えしか言わない四草のクイズ…

464:名無しさん@ピンキー
08/07/13 10:00:33 yESA2h2G
エアコンのCMに出てる四草の中の人を見てると、
純情で朴訥な恋愛パロも読んでみたくなる…

465:名無しさん@ピンキー
08/07/13 11:29:04 hkgpC6Yv
しかし、ちりとてに限って言うと、純情で朴訥が似合うのは草原兄さんだぞ。

466:名無しさん@ピンキー
08/07/13 11:50:57 1EnHlq9v
草々だって純情・朴訥では負けない

四草は朴訥じゃないけど、奥底では純情

467:名無しさん@ピンキー
08/07/13 22:55:42 sv6b5xFQ
バイトネタで前に思いついたのがなんとか形になったので投下します。
結婚後半年すぎたくらいの四草→若狭な地味な話。
エロもなにもありません。
言葉遣い、細部など違ってたら指摘頂けると嬉しいです。

468:共有 1
08/07/13 22:56:21 sv6b5xFQ
梅雨も明け、連日の猛暑に辟易している七月の終わり。
一門会も盛況のうちに幕を下ろし、いつものように寝床で打ち上げが繰り広げられた。
だいぶ酒が回り始めた面々をウーロン茶を飲みつつ横目で眺めていると。
「四草兄さん」
ウーロン茶が半分ほど入ったコップを手に取る、若狭が隣にきた。
「今日はお疲れさまでした」
上気した顔で座り、少々舌足らずな口調で言った。
にっこり笑ってコップを持ち上げたので、とりあえずカチンと音を立てて合わせてやる。
落語会の反省やら演目のこと、終わった後の開放感からか、互いにあれこれと言い合った。
「あ、ウーロン茶もらってきますね」
話が途切れたところで、若狭が立ち上がってカウンターへ向かう。
軽く椅子にもたれるような体勢のまま、店内を見回した。
師匠は一番弟子となにやら話し込んでいる。
一日違いの二番弟子と三番弟子は酔っ払い的なくだらない口論を延々続けている。
その二番弟子の新妻である若狭が、ウーロン茶を手に戻ってきた。
向かいではなく、また隣に腰を下ろす。
肩が触れる距離で、その顔を見た。
「酔うてんのか」
「判りますかぁ? なんやいつもより飲み過ぎたみたいやでぇ、ええ気持ちです」
うふふ、と血色の良い顔をほころばせる。
「あっちはもっと飲んどるやろ」
草々と小草若を指すと、かすかに若狭の目が眇められた。
それは、ほんの一瞬のこと。
シラフでなければ気付かなかったかもしれない。
「ええんです、どうせ明日は仕事入ってへんし」
「そやな」
「四草兄さんも、今日師匠のとこ泊まっていきませんか?」
あの様子だと小草若兄さんも帰れそうにあらへんし、と続ける。
「お前はそれでええんか」
仮にも結婚数ヶ月の夫婦のこと、一応尋ねた。
心にもない、型通りの問いに若狭は笑う。
「ええですよ、もちろん。たまには楽しいやないですか」
「楽天的な奴やな」
「だって、わたしも草々兄さんもほんまに明日何もあらへんし」
「……そうか」
メディアの仕事を減らし、夫婦揃って細々と高座で生活している。
しかし本当は、若狭が短期間で稼いだ貯金で食い繋いでいるのが現状らしい。

469:共有 2
08/07/13 22:57:26 sv6b5xFQ
「四草兄さん」
「なんや」
「ちょっと、相談があるんですけど」
「なんや、面倒なことか」
「実は、バイト探そう思うとるんです」
「―バイト?」
「本当のとこ、やっぱり生活厳しいさけ、他の噺家さんにも聞いてみたんです」
内弟子修行を終えてから、落語だけで食べていけるのかどうか。
若狭の口から聞くまでもなく、判り切っていることだった。
他ならぬ自分も、回数は少なくとも中華屋のアルバイトは続けている。
「草々兄さんに相談したら、俺が食わせてやるの一点張りで……」
小浜まで行って、嫁の家族まで巻き込んで解決したんじゃなかったのか。
ちらりと草々を見て、小草若と一気飲み対決などしている能天気ぶりに小さく笑う。
「ほやさけ、短時間で週何日かだけでもバイトしよう思うてるんです」
「バレんようにか」
「……ほうです」
「生活費が増えたら不審に思うやろ、いくら草々兄さんでも」
「でも、今だって把握してへんし、それに―お金の計算苦手な人やし」
「それはそうやな」
細かいこと、特に数字を管理することの不得手なのは昔から知っている。
若狭と結婚が決まったと知ったときも、二人の生活のやりくりについて、兄弟子ふたりともよく話のネタにした。
「どこか、いいとこ知っとったら教えてください」
「いいとこ、な……」
また、若狭をちらりと見る。
大きな目をまっすぐに向けて、ほど良く酒がまわって頬も唇もあざやかに染まっている。
普段はゆったりした服や着物で隠されてはいるが、スタイルもなかなか悪くない。
その手の商売ならいくらでも稼げる女だろうと値踏みしかけて、ふっと目を逸らした。
不特定多数の男を相手に媚びる姿が一瞬で脳裏に浮かんだのを、強引に打ち消す。
「お前、バイト経験ほとんどないやろ」
「えっと、はい。奈津子さんの手伝いと何回かやらせてもらった延陽伯くらいです」
どちらもバイト経験といえるほどのものではない。
「他の誰かには相談しとらんのか」
「してへんです。なんや他の人にはこういうこと、話にくい感じがして」
「俺ならええんか」
軽く睨むように横目で見ると、慌てていえいえ!と手を振った。
「だって今も住み込みで続けてはるし―それに」
「それに?」
「四草兄さんには判ってもらえそうな気がしとんなったんです」
視界に入る草々や小草若をよそに、自分だけに言われるには悪くない言葉だった。
コップに残ったウーロン茶を黙って飲み干す。
しかし、相手は結婚一年にも満たないいわゆる新妻。
「なんでも話し合うんが、夫婦いうもんちゃうんか」
思ったことをストレートに言うと、図星を指されたという表情でぐっと詰まった。
「話し合いにもならへんから困っとんのです」
はーっと深いため息をついて、若狭は肩を落とす。

470:共有 3
08/07/13 22:58:23 sv6b5xFQ
「でも、もっとちゃんと言わなあかんのかな……」
いつもなら席を立ってしまいそうな愚痴だったが、妙に気になった。
―実は上手くいっていないのか?
そんな疑念がよぎり、しばし若狭をじっと見つめた。
腕を伸ばせばコップより手前で触れる肩に、指を伸ばしかける。
「おーい、そろそろお開きにしよか」
師匠の声が響いて、不自然にならない動きで腕を下ろした。
ようやく、だらだら続いていた打ち上げが終わった。
家路に着いた草原以外、ぞろぞろと向かいの師匠宅へと入っていく。
足取りの危うい草々を脇から支えて夫妻の部屋へ戻っていく若狭の後ろ姿。
同じくふらふらの小草若に肩を貸しつつ敷地に入ったところで、兄弟子の足が止まった。
隣を見ると、薄く開けた目が二人の影を追っていた。
「未練がましいですよ、小草若兄さん」
「ふん、うっさいねんお前は」
「しっかり歩いて下さいよ。そこ、つまずかんように」
小草若が横にいなかったら、自分が同じようにまばたきもせずに見てしまっただろう。
「あんな気難しいやつの嫁なんちゅうもん、ようやっとる思うただけや」
酔っ払いの独り言を聞き流しながら、家へ入る。
居間に着いたとたんに脱力したように倒れた小草若を見下ろし、踵を返す。
さっさと自室に引っ込んだ師匠に挨拶をしてから、廊下の雨戸を少しだけ開けた。
今宵は新月、星はよく見えるが月明かりがなく、暗い夜空だった。
軽く深呼吸をしつつ空を仰いでいると、閉めたはずの玄関が開く音がした。
「四草兄さん」
外の空気で酔いが引いたのか、若狭がいつもの顔で近付いてきた。
「草々兄さんはええんか」
「もう寝ちゃいました。小草若兄さんは?」
無言のまま目で居間を示すと、布団くらい敷かんと、と慌てて部屋へ入っていった。
柱にもたれたまま、若狭が甲斐甲斐しく布団を広げるさまを眺める。
その白い手が小草若の肩にかけられる寸前。
もたれていた身体を起こし、若狭より早く小草若兄さん―と呼んだ。
軽く目を見開く妹弟子を無視して、突っ伏したままの小草若を無理やり起こす。
そうしてなんとか布団に押し込めると、明かりを消すべく電灯の紐に手を伸ばした。

471:共有 4
08/07/13 23:00:03 sv6b5xFQ
「四草兄さんは―やっぱり泊まらんのですか」
ひとつ屋根の下、起きているのは自分と若狭だけだった。
伸ばしている腕の角度を変えれば簡単に触れてしまう、息遣いまで伝わる距離。
ギリギリの感触に、酔いが回ったように足元が揺れた。
電灯を消して、斜めから受ける廊下の明かりを頼りに振り返る。
視線が、ぶつかった。
「……ああ」
あと一歩半、近かったら手を出していたかもしれない。
間合いを測るようにゆっくり顔をめぐらせて、息を吐いた。
「帰るわ」
ぼそっと言って背を向ける。
表の通りに出ると、ぱたぱたと足音を立てて若狭もついてきた。
「なんやねん」
「いえ、さっきの話なんですけど―その、バイト」
「ああ」
「やっぱり、もうちょっと考えてみます」
「そうか」
酔漢と化した草々を支えながら、寄り添って部屋に戻っていった後ろ姿。
隠し事の苦手な女だから、貫き通すのは無理だろう。
「ほやさけ、わたしが言ったことも、内緒にしとってください」
「黙っとけばええんやろ」
「はい。秘密です」
でも生活は厳しいから、やっぱり草々兄さんにちゃんと言わんと……とぶつぶつと呟いている。
そんな若狭をちらりと見ながら、秘密の二文字が胸の奥底に落ちていくのを感じた。
「若狭」
「なんですか?」
「草々兄さんと結婚して、良かったか」
若狭はなにを問われているのか判らない様子で、きょとんと見返された。
わずか一瞬だけ目が地面へと逸らされて、それから明るく笑い出す。
コンマ何秒かの表情は、これ以上ないほどはっきりと自分の瞼に焼きついた。
「当たり前やないですかぁ。幸せですよ」
そうのろける笑顔は、いつも誰にも見せている顔だった。
見間違いなのか、他愛無い新婚の憂いなのか、深い意味はないのかもしれない。
―でも、もし……そうでなければ?
「お前はいつでも楽しそうでええな」
湧き上がる感情とは裏腹に、どうでもいい軽口を叩いた。
「じゃあ四草兄さんも、楽しんでください」
「なにを」
「うーん、人生かなぁ」
なんだか呑気なことを言って、また楽しげにふふふと笑っている。
戸口から漏れる明かりと街灯の頼りない光だけの、真夜中の闇にふたり。
また、距離感が失われそうになった。
「阿呆なこと言ってないで、さっさと寝ろ」
「やっぱり帰るんですね。じゃあ、おやすみなさい」
「ああ」
若狭に背を向けて、夜道をひとり歩き出す。
たいした内容でもない秘密と、深い意味などないかもしれない一瞬の表情。
そんなものでも、知っているのは自分の他に誰もいない。
あの兄弟子も知らないこと。
ふと足を止めて、振り返った。
師匠宅も内弟子部屋もわずかに漏れる明かりだけで、物音もなくひっそりとしている。
不意に、大声で笑い出したいような心持になった。
―今だけは、誰よりも若狭と距離が近いのは自分だ。
馬鹿げた考えが浮かんで、くくくっと小さく笑った。
どうせ誰も見ていない、知っちゃいないのだ。
明日また顔を合わせるまでの短い時間、ささやかな優越感に身を任せていてもいいだろう。
新月の闇夜を見上げてそんなことを思って、再び歩き出した。


<終>

472:名無しさん@ピンキー
08/07/14 00:26:33 5qoZ9Gv2
>>467
GJ!です!
憂いの人妻と醒めた男のもどかしい闇夜がなんともエロティック!
耐え忍びながらも密やかな占有に胸を焦がす彼の色香に酔いました。

473:名無しさん@ピンキー
08/07/14 23:07:29 A/Q6iwGo
GJです!
なんか、ほのかに色気が漂う大人のSSですねぇ。
草々みたいなタイプの男と現実に一緒になると、恐らくこういう心境になるだろうな。

474:名無しさん@ピンキー
08/07/17 23:49:18 2GLkBXW/
メモリアル本見てつくづく思う。
このドラマ、美男美女は出て無いのに、基本ホームドラマなのに
なんでこんなにエロいんだろ?

475:名無しさん@ピンキー
08/07/18 20:19:26 wgyNa3i/
中の人が全員エロいから

476:名無しさん@ピンキー
08/07/18 21:49:55 1gDIZ6sk
週刊文春の原色美女図鑑に載ってたよ>若狭

477:名無しさん@ピンキー
08/07/18 21:57:30 mIBQEsYq
エロ気って大事だよね

容姿とは関係ないものだよね

478:名無しさん@ピンキー
08/07/18 22:58:06 0fsZrxkm
>>476
気付かなかった
ちょうど家族が買ってきてたのがあったので見たよ
若狭カワイイなぁ

479:名無しさん@ピンキー
08/07/18 23:06:54 DdcSK+cz
美男はともかく、美女はそれなりに出てると思うぞw
若狭の中の人ならファットフォトの写真がめっちゃ可愛かった

しかしここもそのうち寂れていくんだろうか…

480:名無しさん@ピンキー
08/07/19 20:59:01 kapEt6TW
>>476
すんません保守ですが小ネタ作ったんで投下します。バカです。
設定とかいろいろ無視で。勢いってコエーなオイ。

481:四草が何やらかしたかはこっぱずかしいので省略。
08/07/19 20:59:45 kapEt6TW

いつものように出前から戻り、いつものように店の片隅に陣取り
いつものように遅い夕食を賄いのチャーハンで済ませた四草は
何気なく開いた雑誌に息を飲んだ。
巻頭のカラー写真に登場しているのは、四草のよく見知った女性。
同門の妹弟子、徒然亭若狭その人であった。
そういえば数週間前、若狭にグラビアの仕事が入ったとかで
彼女の夫である兄弟子の草々が愚痴をこぼしていたのを思い出す。
―落語家はタレントちゃうねんぞ、なんでグラビアなんか…
その時は、ああまた女落語家ゆうんで珍獣扱いされてんのやな
程度に聞き流していたのだが。
目の前の写真は、珍獣どころか彼女の瑞々しい表情を捕えていた。
澄んだ空の下、広い高原の中からこちらを見つめる若い女。
四草はそのまま雑誌を掴むと席を立った。
「あっ!また店の本勝手に持ってくか!」
背中でわめく店員の中国語を聞きながら二階の自室へ階段を上る。
部屋の中央に坐して制服のボタンをくつろげ、改めて雑誌を開く。
グラビアのタイトルは原色美女図鑑。
(美女、やて)
仰々しい題に普段の妹弟子を重ねてくすりと笑う。
しかし、そこにはタイトルに恥じない女の姿が写されていた。
さらさらと吹く風に髪を靡かせ、思いを馳せるように振り返る
悩ましげなその顔。
かと思えば天幕から姿を覗かせ、ふわりと無防備に微笑んでみせる。
カメラマンの腕がいいのか、着ているものはいつもの見慣れた
シャツにジーンズというシンプルな装いであるにも拘わらず、
その姿は妙に彼女を艶めかしく引き立ていた。
(ま、プロの仕事やな)
ざわつく鼓動をごまかすように言い聞かせてページを繰る。
ぴた、と指が止った。
ふいに現れた写真に心臓を鷲掴みにされる。
穏やかな自然の中とは打って変わって大写しのショット。
髪の乱れにも構わず大きく見据えられた瞳。力強く引き結ばれた唇。
四草の知らない女の顔がそこにあった。
まるで何かを求めているかのような。そして挑発しているかのような。
囚われる。
ふいに息苦しさを感じた四草は慌てて雑誌を放り投げた。
―今、俺は何をしてた?
自分の行動のあまりの幼稚さにカッと頬が熱くなる。
(…カメラマンが変に気合い入れるからや)
これはあいつではない。四草のよく知る女では。
あえて間抜けな妹弟子の姿を思い浮かべて、雑誌は放り投げたまま
頭から布団を被り目をつぶった。


終。

482:名無しさん@ピンキー
08/07/19 23:16:20 3NJTR4OB
GJ!!
あーやっぱり四草はムッツリが似合いすぎるw
そしてたぶん小草若やら尊建やらも同じ行動取ってる気が。
また思いつく限りの投下をお待ちしております!

483:名無しさん@ピンキー
08/07/20 00:26:16 pNvak+VX
GJです。草々兄さんの反応も気になるところ・・・・・

484:名無しさん@ピンキー
08/07/20 03:06:31 fx7wSWxi
GJです。面白かったです!
カメラマンのせいにしてる四草にフイタw
それと「あっ!また店の本勝手に持ってくか!」→この中国語っぷりがツボった。
というか四草、何回雑誌勝手に持っていってるねんw
またの投下お待ちしてます。

485:名無しさん@ピンキー
08/07/20 06:26:44 sRQl/OFB
>>484
わかるw

>「あっ!また店の本勝手に持ってくか!」
頭の中で自動的にちゅこく訛りの日本語に変換されたアルヨー。

486:名無しさん@ピンキー
08/07/21 22:38:45 iPdLDwpW
連休最終日にこっそり投下しときます。
小草々くんが草々師匠夫婦を語る形式の下ネタギャグです。
先に謝っときます。
ごめんなさいつい出来心でやりました反省してます。

487:ここだけの話 1
08/07/21 22:39:19 iPdLDwpW
や、もう呑めません、限界です勘弁してくださいよ。
いや、内弟子の務めや言われましても…
そうだ、座興代わりにうちの師匠の趣味をひとつバラしちゃいます。
え?草々の趣味なんか昔から知ってるし興味もないですって?
師匠がおかみさんにさせてるあっちの趣味の話でも?
…お、尊建師匠食いついてきましたね。
いいでしょう、お話します。あ、でもこれオフレコでお願いしますよ?
…実はうちの師匠、膝枕フェチなんです。
あ、今なんやそれって顔しましたね?ふふふ、そうくると思いました。
ええそうです、さすが四草師匠鋭い。ただの膝枕やないんですよ。
まず、膝枕させるおかみさんを長襦袢姿にするんです。
それで…これ言ってもええのかな…はいはい勿体つけずに言います。
師匠、おかみさんに下着つけさせないんですよ…
ああっ小草若師匠!鼻血鼻血!
…すいません、ちょっと刺激強すぎました?やめときます?
小草若はほっといてええて…ドライですね柳眉師匠。
じゃ、続けますね。
そうです、胸押えもパンツも無しで長襦袢だけで。
それで膝枕させるんですけど、師匠こだわりがあって。
ふつう膝枕ってこう太腿の横に頭のせますでしょう?
せやけどアレって首のとこガクッてなるんで収まり悪いんですよね。
なんで師匠の場合、横やのうて縦に頭のっけるんですよ。
そうです、ちょうど太腿と太腿の谷間のとこです。
そこだとしっかり首入るんで、ええ枕になるんだそうです。
しかも師匠、おかみさんの襦袢の裾わってから枕にするんですよ。
ほら、うちのおかみさんけっこう太腿むちむちしてはるでしょ?
そこへ生で頭のっけるわけですから、そらもうむちむちのすべすべで
極楽のような枕になるて…小草若師匠、鼻血大丈夫ですか?
そんでもって、師匠って天パですから太腿の内側にチクチク当たるて
おかみさんくすぐったがるんですけど、それもなんやじっとしてると
ええ感じになってくるらしくて、満更でもないみたいなんですよ。
それで耳掻きしたりヒゲ剃ったりしてるんですけど。
さっきも言うた通り、おかみさん襦袢の下の胸押え外してますから
膝枕する師匠の顔の上へたぷんっておっぱいが落ちてきて。
…ええ、あの巨乳ですもん。絶景なんてもんやないですよ。
おかみさん、手元狂うからやめて言うんですけど、師匠も男ですから。
時々膝枕のままイタズラ仕掛けたりして楽しんでるんですよ。

488:ここだけの話 2
08/07/21 22:39:54 iPdLDwpW
なんです柳眉師匠?
草々も若狭もそんな話、おまえにせえへんやろて?
ええ、そらそうです。師匠もおかみさんもそんなこと喋ったりしません。
でもね。
僕の内弟子部屋て、師匠ら夫婦のすぐ隣なんですよ?
同じ徒然亭の小草若師匠や四草師匠ならご存じや思いますけど、
あそこの壁、ものっすご薄いんですよ。
一応、師匠らも気ぃ使うてくれてはるみたいですけど。
それでも夜になると…ね?やっぱり夫婦ですから。
そんで、僕の部屋まで筒抜けになってまうんですよ。
え?若狭はダンナの悪趣味になんも言わへんのかって?
悪趣味もなにも…おかみさん、わかってへんですもん。
ほら、師匠がたも知ってると思いますけど。
おかみさんて結婚するまで男と付き合ったことないんですよ。
男の人ゆうたら後にも先にも草々師匠ただ一人。
そら他と比べようがないですしね。
…我が師匠ながら、うまいことやったな思いますよ僕も。
あんなカワイイ奥さんが、なんも知らんまんまで嫁いできて。
しかも師匠にベタ惚れやから疑うゆうことも無いですし。
源氏の若紫でしたっけ?
可愛い女の子手元おいて自分好みに育てるゆう話。
まさにあのまんま、師匠好みの女なんですよねおかみさんて。
せやけど、もし。
もし、おかみさんが師匠より先に誰か他の男と出会っていたら。
例えば、ここにいる師匠がたのような魅力的な男性と出会っていたら。
草々師匠のこと、もっと違う目ぇで見てたかもしれへんですけど。
…って、あれ?どしたんです?なんや空気湿っぽくなってません?
そんな深刻な顔せえへんでも…僕、なんや変なこと言いました?

…あ、誰かおもて見えたみたいですね。僕、出迎えてきます。

……草々師匠!
お疲れさまです、お待ちしてました。
へ?別にビックリなんてしてませんよ?
あはは…やだなぁもう。師匠らもみんなお揃いで先始めてますよ。
…え?みんなでなんの話してたかですって?
ええ、ちょうど今おかみさんの膝枕の話してたんです。
やだなあアレですよアレ、「ヒゲのおいらん膝枕DEEP」
おかみさんが奈津子さんから借りてきたギャグ映画のDVDですよ。
なんやマッチョなオカマが強引に膝枕させえ!て襲ってくる変な映画。
師匠もくだらんゆうて笑ろてたやないですか…そうそうアレの話です。
…おや、どうしました師匠がた?
そんな吉本新喜劇バリにずっこけはって。




おそまつ

489:名無しさん@ピンキー
08/07/23 01:50:44 w2yPfrrL
>>486
嘘山師匠GJ! 奈津子さんどんなマニアックな映画持ってんすか。
もしかしてそれも嘘なん?ジブンワカラヘン!!

490:名無しさん@ピンキー
08/07/23 02:06:49 dUG2iHEG
>>486
GJ!ラストにワロタw
そういえばヒゲのおいらんって、熊五郎がやってたんだよな。

491:名無しさん@ピンキー
08/07/25 07:43:46 Ygh2NxNg
ここはまいごのネタバレおけ?

492:名無しさん@ピンキー
08/07/26 12:44:21 tP31l66v
せんといて!

493:名無しさん@ピンキー
08/07/27 02:14:25 CwLGlpuI
ドラマ板でまいごネタがネタバレスレの間は自重かなー、と思ってる。

494:名無しさん@ピンキー
08/07/27 10:20:46 E5WXmPag
あと2週間の辛抱じゃ

495:名無しさん@ピンキー
08/07/27 17:19:02 iAxgRnip
子供は女の子だから落子ちゃんか。

496:名無しさん@ピンキー
08/07/27 17:38:58 vi6pK5RC
草原兄さんの酔っ払いぶりみてたら、このスレで何度か拝読した
「草原兄さんデー」の実写化が激しく見たくなったwww

497:名無しさん@ピンキー
08/07/27 22:12:49 mYKZoHhx
草々の枕、なんつーか、つくづく嫁さん大好きなのな

498:名無しさん@ピンキー
08/07/28 00:17:49 0oYu1M+A
マクラで夫婦生活が垣間見れてニヤニヤしっぱなしw
しかし、分かってたけど若狭出ないと寂しいもんだ
つーか画面に華がない…

499:名無しさん@ピンキー
08/07/28 20:03:46 BLVeNTI1
>>498
あやまれ!ちえ子さんにあやまれ!

500:名無しさん@ピンキー
08/07/29 18:02:05 3juo8Dj5
おっぱいバレー

501:名無しさん@ピンキー
08/07/30 23:32:12 K3Bw4maY
>>496
そういえば、草原兄さんデーは、このスレのオリジナル設定だったな。
いつの間にか、公式設定だと思ってた自分がいたよ。

502:名無しさん@ピンキー
08/08/02 23:23:54 c30xPPqJ
まいごとは全く関係ないのですが、前に趣味で書いた四草×若狭投下します。
年季明け後、売れっ子になった若狭と四草の不倫ネタ。
なので草々ファンの方には色々すいません。
その上、季節設定が冬です。なんかもー本当にすいません。

503:深海 1
08/08/02 23:24:26 c30xPPqJ
遮光カーテンを閉じて、人工的な夜を作る。
それでも隙間から漏れる光が、俗世との境界を示していた。
白が基調になっている部屋は清潔感に溢れていて、圧迫感があった。
迫るような白から逃れるように視線を動かして。
ようやく、互いを見た。
薄暗さの中で、白い顔が浮かび上がる。
「慣れてはるんですね、こういうとこ」
「お前は―そうか、外泊すらないんか」
確認したことはないが、処女のまま結婚して旅行もしたことがない夫婦のこと。
外で男と泊まった経験もないのだと気付く。
「はい、初めてです」
薄く笑って部屋を見回す女に、臆したところはない。
窓へ向いてカーテンの隙間から外を眺める、その後ろ姿。
少し、痩せただろうか。
「仕事、大変そうやな」
放ったのは、そんなありきたりな言葉で。
「テレビの仕事いうんは時間が不規則やし、大変です」
返ってきたのも、中身のない言葉。
互いに必要な言葉ほど、出てこない。
若狭の後ろから抱きしめるように腕を回して、同じように外に目を向けた。
世界でも指折りといわれる美しい港を、静かに望む。
コンテナを積んだ大型の船舶が遠くから近付いてくるのが見えた。
かすかに聞こえる汽笛は幻聴だろうか。
「初めていうんは、なんや緊張しますね」
そう言って若狭は、手を四草の腕に重ねた。
この瞬間だけ切り取って見れば、どこにでもいる当たり前の恋人同士の風景。
角度を変えれば不倫旅行か―と、脳裏のどこかで思う。
「初めてであって、初めてやないやろ。……シャワー浴びてこい」
耳元で囁くように言うと、くすぐったそうに肩をすくめた。
若狭はそのまま首だけで振り向くと、まばたきもせずに自分を見つめた。
数秒の沈黙。
するり、と腕の中から逃げ出した女は、堂々とした足取りでシャワールームへ向かった。
「なんや、あいつは」
笑うでも照れるでもない、不思議な瞳、あれは―共犯の光か。


神戸で開かれたイベント的な落語会で一席終えた数時間前。
楽屋のドアを開いた先に、若狭が座っていた。
地方ロケから戻り、今日は他に仕事ないため伊丹空港でマネージャーと別れて来たと言った。
その意図が読み取れない自分ではない。
落語会は親子向けの早い時間の開催だったため、片付け終えても夕方には解放された。
「草々兄さんには、明日帰る言うてあるんです」
なにを言いたいのか、確認する前に歩き出した。
海が見たいと言う若狭と港の見える遊歩道を往く。
日曜ということもあり、同じような男女二人連れが多かった。
強い海風に、寄り添って歩く恋人たちとすれ違っていく。
「寒いか」
「小浜も冬は寒かったでぇ、これくらい平気です」
「こういうときは寒い言うもんや」
腕を伸ばして肩を抱き寄せると、嬉しそうに身体をくっつけてきた。
寒風が触れ合う部分の体温を上げていく。
「草々兄さんはこないなことしてくれんから、嬉しい」
ぽつりと零された一言に、さざ波が立った。

504:深海 2
08/08/02 23:25:00 c30xPPqJ
四草がシャワーを終えて出てくると、肩にタオルを掛けた若狭がまた窓辺に立っていた。
カーテンを少しだけ開いて、ぼんやりと外を眺めている。
その横顔に刻まれた翳が、言葉よりも雄弁に孤独を物語っていた。
慣れないメディアの世界に飛び込んで、理解者であるはずの夫とは溝が生じて。
心開く相手もおらず、若狭はたったひとりで立ち尽くしていた。
どんなに後ろ向きでも、くよくよ悩んでいても、若狭の周囲では常に誰かが手を差し伸べていて。
その手を取って、いつもは最後には笑っていたはずだった。
「四草兄さん」
振り返って見せたのは、作り慣れた笑い方。
―もっと早く気付いてやれれば。
自分がもっとも見たくない姿が目の前にあって、あらゆるものに苛立ちが募った。
「いつもみたいに、わがまま言ったらどうや」
「怖い顔して、どないしたんですか」
「無理に笑わんでもええ」
張り付いたような笑顔に慣れてしまっている姿が痛々しい。
たまらずに、するりと頬を撫でてやった。
「四草兄さん……」
泣けばいい、と思ったのに、戸惑ったように自分を見返すばかりだった。
「辛いならそう言え」
「なんや、四草兄さんらしくないですね」
首を傾げた若狭の髪から、水滴がひとしずく滑り落ちた。
その一滴が足元の絨毯にしみ込む前に、身体を抱き寄せる。
ぎゅっと音がしそうなくらい腕に力を込めると、カーテンを掴んでいた手が背中にまわされた。
伝わる温かさに、小さく息を吐き出す。
「あったかい……」
「寒かったやろ、ひとりで」
「すっごく、寒かった……」
腕の中、肩が小さく震えた。
距離を置いて見るよりもずっと細くて壊れそうな身体。
自分ならこんな想いはさせないのに、と女々しい考えがよぎって目を閉じる。
「泣き方も忘れてしもて、笑うことしかできん……」
こんな言葉を聞くために、腕を伸ばしたわけではないのに。
今の自分にできるのは、ただこうして抱き留めてやることしかなかった。

505:深海 3
08/08/02 23:25:39 c30xPPqJ
冬の海を思わせる部屋で、手を離さずに溺れていく。
初めて抱く女なのに、帰ってきたような懐かしさが満ちて。
不思議なほどに穏やかな感情が支配していた。
涙を忘れた若狭は時折泣きそうな表情になったが、流れるものはなにもなく。
達してベッドに崩れ落ちても、変わらなかった。
「……若狭」
耳元で呼びかけても、声はない。
沈み込むように眠る女を眺めているうちに、いつの間にか意識が薄れて。
―とても長いような、それでいて短いような。
不思議な夜をひとときも離れずに過ごした。
太陽がすっかり姿を見せた頃、静かにベッドを抜け出した。
窓辺に立ってカーテンを開ける。
「……朝、ですか」
くぐもった声がして振り返ると、シーツにくるまった若狭がぼんやりとこっちを見ていた。
「起きたか」
「おはよう、ございます」
一夜を共にした後、朝の光の中で顔を合わせる。
今までに感じたことのない気恥ずかしさに、さり気なく目を逸らした。
衣擦れの音に続いて、ペタペタという足音とともにと近付く気配。
冬の柔らかい陽射しが溢れる窓際にふたり、言葉もなく並んだ。
大阪へ帰れば、何事もなかったかのように兄妹弟子の間柄に戻る。
落語会に出たのも、ずいぶん前のことのように思えた。
「いい天気ですね」
囁くように、若狭が言った。
遠く、水面輝く海を大型の貨物船が通り過ぎていくのを目で追っていく。
この先なにひとつ願いが叶わなくてもいいから―
今、世界も時間も止まったらいい。
不意に浮かんだ詮ない想いを振り払うように、若狭を見た。
「若狭」
去っていく船を見つめるその横顔に、ひとすじの雫。
「……太陽が眩しい」
そう言って、涙を落とした。
「なんや、まだ泣けるんや私……」
何度も見たはずの泣き笑いの顔が、妙に幼く映った。
もう、言葉は不要だった。
黙って抱きしめて、唇が触れないようにそっと頬を重ねる。
最後の抱擁は、ひどく悲しく、そしてどこまでも温かかった。

506:深海 4
08/08/02 23:26:39 c30xPPqJ
何年経っても忘れがたく、あの一夜を思い出すことがある。
夢か幻か―記憶を手繰るごとに、現実感は遠のいていく。
触れ合った肌の温かさ、零された吐息の熱さ。
ひっそりと落ちた涙。
自分だけが知っている、そのささやかな優越感だけは褪せることがない。
それから十年以上が過ぎ、若狭は引退して出産した。
互いに顔を合わせても、もう何事もなかったかのような日々。
「四草兄さん。来とんなったんですね」
ひぐらし亭の楽屋に入ったところで、背後から声を掛けられた。
振り返ると、今お茶淹れますねと言いながら若狭が台所へ戻っていった。
同じ一門といえども個々に仕事が入るため、頻繁に顔を合わせるものでもない。
若狭が育児のために居室にいる時間も長いため、姿を見たのも久々である。
―見間違いでなければ。
瞬間、心に浮かんだ疑念は近付く声にかき消された。
「おう四草、来とったんか」
「おはようございます、四草師匠」
弟子を連れた草々が楽屋へ入ってきた。
挨拶の後、企画中の一門の地方興行の軽い打ち合わせをする。
途中で若狭が茶を運んできて、そのまま同席した。
細々とした部分のメモを取り、ときに確認のために口を挟む。
その一連の草々との会話に、遥か昔の商社勤務時代が頭をよぎる。
かつて見たような、営業とアシスタントの図だった。
意識的に若狭を見ないように努めながら、短いミーティングは終わった。
「確認取れたら連絡ください」
そう言って立ち上がり、さっさと辞した。
季節はまた、冬になっていた。
その数日後、単発の落語会で昼席の出番を終えた。
瞼の裏に焼きついて離れない横顔に軽く頭を振って、楽屋の扉を開ける。
「―なんで、ここに」
「待ってたんです」
お疲れさまでした、四草兄さん―と、若狭が微笑した。

507:深海 5
08/08/02 23:27:28 c30xPPqJ
遊泳禁止と書かれた看板が朽ちかけて、傾いている。
人影のない冬の海岸、風だけがなにかを主張するように強く吹き付けていた。
湿った砂に足跡を残しながら、肩を並べて歩く。
「子ども、預けてるんやろ」
「十時くらいに帰る言うてきました。たまの息抜きやからそれくらいまでならええって」
陽が落ちた海沿いは暗く、時計を確認することはできない。
互いに示し合わせたように、足を止めた。
測るように、数えるように、じっと見つめ合う。
―きっかけを待っているのだと判っていたから、唇を開いた。
「寒いか」
「……寒そうに見えますか」
そう言って目を逸らす横顔は、いつか窓の外を眺めていたものと同じだった。
「ああ」
腕を絡ませて、若狭が寄りかかってきた。
ゆっくりと、足取り揃えて歩き出す。
一夜かけて取り除いてやったはずの翳はまた、若狭を蝕んでいた。
あの頃よりもずっと、お互いの枷は重くなっている。
それでも同じように待っていた若狭の、声のない叫びを振り払える自分ではなかった。
どれだけ年月が経っても、たったひとりの女にいつまでも縛られている。
他のどんな女を抱いたところで、代わりなどどこにもいなかった。
たいして会話もせずに、海のそばの一室へ入る。
時間を惜しむように、性急に求め合って、乱れて、果てた。
「やっぱり、寒かった……」
ぽつりと若狭が呟いて、目を閉じる。
その顔を眺めながら、これからのことを考えた。
こうして時折、自分を逃げ場にすれば、若狭は上手く過ごしていけるだろうか。
あの、打ち合わせの一場面。育児をこなす母。弟子の面倒をみるおかみさん。
草々にとって、そういう若狭が必要なのであって、女である若狭を求めているわけではない。
―ならば、女の部分くらい戴いても悪いことはないだろう。
そこまで思考が行き着いたとき、すぐ横で若狭が軽く頭を上げた。
「潮騒が聞こえる……」
「そうやな」
「また―海、連れてきてもらってもええですか」
そうしてバランスが保たれれば。
若狭がひとり立ち尽くすことがなければ。
そのためなら、なにをしても構わない。
「お前が望むなら」
狭いベッドの中、視線を合わせた。
若狭の眼が自分を捕える。
いつかも見た、不思議な瞳―
そこには、共犯の光が宿っていた。

 <終>

508:名無しさん@ピンキー
08/08/03 05:16:39 B5SyY2BM
GJです。
泣くことも忘れてしまっていた若狭が痛々しい…。
あのまま、草々に理解されない売れっ子状態が冬まで続いていたら
こんな風な心を抱えてしまっていたのかもしれないと思うと切なかったです。
若狭の空洞をただ一人理解して、けれど重過ぎる枷を取り除くことはできなくて。
彼女を抱く四草、本当に切なくて泣きそうになった。切ない男だな…
冬っていう季節がぴったりの素敵SS、ありがとうございました!

509:名無しさん@ピンキー
08/08/03 12:25:53 yFJBQegb
GJです。
なんで四草は切ないのが似あうんだろうなあ…。
作中の底知れない感じの冷たい空気感がすごくよかったです。

510:名無しさん@ピンキー
08/08/03 20:50:20 XKL8CmIt
>>502
GJです!新作お待ちしてました!
>>502さんの描かれる若狭はどこか陰があって謎めいていて
秘密は女を女にする―A secret makes a woman woman
(元ネタは名探偵コナンですが…)
て雰囲気で大ファンです。

511:名無しさん@ピンキー
08/08/04 06:30:21 lr1iYfzd
GJです!いつもながら美しいお話ありがとうございました。
暑い部屋で読んでるのに、描写が素晴らしいので、冬の海風まで感じてしまいました。是非ぜひまたお願いします!

512:名無しさん@ピンキー
08/08/06 01:16:25 iuL/EEw2
保守

513:名無しさん@ピンキー
08/08/07 00:04:45 F8zqGCob
まいご三兄弟放送までの保守というこで。
内弟子修行時代の若狭と草々で小ネタ投下しときます。バカネタです。


「…やさしく、してください」
どこか舌足らずな甘い声がピンクの唇から零れる。
「そうそう、にいさん……」
細い肩を頼りなげに震わせ、小さな手をきゅっと胸の前で組み、
潤んだ大きな黒い瞳がひしと草々を見上げる。

ハタチの女の子と二人きりの密室でこのセリフ、このシチュエーション。
古い歌謡曲で言うとこの、あなたに女の子の一番大切なものをあげるわ的
ベタな展開が始まりそうな状況に、くらあっと理性が吹っ飛びかけたが
ここは上方落語の名門、徒然亭草若宅の稽古部屋。
相手の女の子というのはアホの末っ子弟子、徒然亭若狭。

なんやかんやで弟子入り前から同じ屋根の下で暮らしているが、
そんな色仕掛けが出来るような娘でないことは草々がよく知っている。
「…………誰に習った?」
「はい、師匠から」
今までの雰囲気はどこへやら、草々の問いにけろっと答える若狭。
「師匠から?」
「はい、兄さんらに稽古つけてもらう時はこうせえって」
「…それ、みんなにもやったんか?」
「小草若兄さんはまだですけど、草原兄さんと四草兄さんに」
(それでか)

ここ最近、元から若狭にデレデレな小草若はともかく
他の兄弟弟子までミョーに、この妹弟子に甘くなっていたのだ。
こと妹の面倒見るのを億劫がってたはずの四草にいたっては
ここんとこ、買い物につきあったり芝居見物に連れてったりと
すっかり甲斐々々しく若狭の世話焼きに転じていた。

(さすがです師匠……!)
カラクリの解けた草々は、師匠・草若の深謀遠慮に感じいっていた。
あの女タラシの四草さえも、こんなお子さま若狭に落とさせて
なおかつしっかり兄弟子修行をさせてしまうとは。

(師匠!男・青木一、一生あなたについて行きます!)
改めて師への尊敬を深める草々であった。

「あのー、わたしのお稽古は?」

514:名無しさん@ピンキー
08/08/07 08:28:06 RtJ5RGsl
GJGJです~!めっちゃワロたw
師匠の算段にどっぷりはまって、あの恐竜草々よりも判断力が鈍ってる
四草兄さん哀れなりwまた楽しみにしてます!

515:名無しさん@ピンキー
08/08/07 15:06:46 H/Ci7LfX
GJGJ!
師匠が若狭にレクチャーしてるさまを想像して、
バカウケしました。
しかし、若狭…裏をばらしちゃあかんやろ、しかも草々にw
ここは色仕掛けで落とせ!


516:名無しさん@ピンキー
08/08/07 23:38:57 9ioU/yMB
>>513
GJです!いや~なんか容易に想像つきますw
面倒見のいい四草、はたから見たら笑えそうです。


チラ裏ですが、中の人の雰囲気のせいか、和菓子屋になっても
師匠やら兄弟子と危うい関係になりそうで秘かに萌え。

517:名無しさん@ピンキー
08/08/08 10:07:46 EtFLPuBh
>>516
和菓子屋、自分は見てないんですよね~
あまりにも彼女は若狭だったもんだから、他のドラマが見られない・・・orz
どうなんでしょ、和菓子屋は萌え系ですか?


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