ちりとてちんでエロパロ 第四席at EROPAROちりとてちんでエロパロ 第四席 - 暇つぶし2ch■コピペモード□スレを通常表示□オプションモード□このスレッドのURL■項目テキスト350:Romanticist Egoist 1 08/06/14 05:05:20 tQ8HY28b 彼女と出会った日のことは、今でも鮮明に覚えている。 あれは、まだ入門前だった妹弟子――師匠の家に下宿していた喜ィ公に焚き付けられて 三年ぶりの高座をなんとかやり通せたその翌日。 目茶苦茶ではあったが、それでも俺の為に下座を務めてくれた喜ィ公への礼で 久し振りにレストランへ入ったその帰りに。 絵に描いたように可憐な少女が微笑んでいた。 少女の顔には見覚えがあった。福井で恐竜の化石を発見した女子高生。 切り抜いた新聞記事の不鮮明な写真よりもずっと、実物の彼女は美しかった。 いや、美しいのは見た目だけじゃない。 「あの化石、ほんまはビーコなんです…」 そう正直に打ち明けてくれた真直ぐな瞳。 その目から零れる涙を見た時、俺はその美しさに心を奪われた。 彼女と出会ってから、目の前に拡がる世界は一変した。 この世はこんなにも鮮やかな景色を持っていたのか。 燻り続けた三年の月日が嘘のように俺の体が心がざわめいている。 兄弟弟子と数を競って付き合った娘たちや、肌を合わせた女たちには持ち得なかった感情。 これが、恋か。 俺は今、恋に落ちたのか。 噺の中だけなら何度となく自分の口から語ってきたこの情に、俺は初めて捕われた。 最初は俺の片思いだったこの恋は、ひょんなことから実を結んだ。 切っ掛けは俺の一門に入り、若狭と呼ばれるようになった妹弟子が 彼女へ、俺の高座を見るよう勧めてくれたことからだった。 「ビーコ、どうしてます?落語頑張ってます?」 俺と会う時はいつも必ず妹弟子のことを尋ねてくる彼女。 その妹弟子も、俺が出かけるたび 「今日、エーコと会いなるんです?」 気のないふりをしつつも興味津々といった目で聞いてくる。 (ほんま、よう似とる) 行きつけの居酒屋で、理不尽に彼女へ罵声を浴びせた若狭を怒鳴りつけたこともあったが 本来、ふたりは親友なのだろう。落語の喜六と清八のように。 幼馴染みだという少女ふたりの学生生活を思い浮かべてみる。 同姓同名で、小学生の頃からエーコ、ビーコと呼び合っていたというふたり。 きっと姉妹のように仲良く、いつも一緒にいたのだろう。 想像は飛躍する。 落語の稽古をする俺の隣で微笑む彼女。 照れくさそうに親友を「姉さん」と呼ぶ妹弟子。 それは、そう遠くない未来予想図に思えた。 彼女が、俺と俺たちの落語を支えてくれる。 若狭もきっと喜ぶだろう。 次ページ最新レス表示レスジャンプ類似スレ一覧スレッドの検索話題のニュースおまかせリストオプションしおりを挟むスレッドに書込スレッドの一覧暇つぶし2ch