【あかほん・濱中】氏家ト全 25時間目【妹・生徒会】at EROPARO
【あかほん・濱中】氏家ト全 25時間目【妹・生徒会】 - 暇つぶし2ch500:名無しさん@ピンキー
08/08/18 20:28:09 mb8xDQUl
わーいペピトーン氏乙ー
これからもがんばってください

501:名無しさん@ピンキー
08/08/18 22:16:34 vQbHGp+s
畑さんが写真をネタにタカトシ君を脅迫するというのはどうでせう。

502:名無しさん@ピンキー
08/08/19 04:31:55 ealX4y3i
>>501

畑『津田副会長、この写真、分かるわよね?』

津田『………………』

畑『何も言えないってことは肯定ととっても良いって事よね。』

津田『………………』

みたいな感じっすか?

503:名無しさん@ピンキー
08/08/19 12:08:00 6SaG6jdb
>>502
今すぐそれで書いて

504:名無しさん@ピンキー
08/08/19 23:27:55 4oX4IxOg
>>501のネタを参考に思い付いたので
さわりの部分だけでも投稿します

505:名無しさん@ピンキー
08/08/19 23:35:00 4oX4IxOg
とある日の放課後,今日も生徒会室ではいつもの四人が仕事を行っていた。
そんな生徒会室に一人の生徒が訪れた。

「失礼します。新聞部の畑です。」
「久しぶりだな,今日は急にどうしたんだ?」
生徒会長の天草シノが突然の来訪者に応対する。
「突然で申し訳ないですけれど,写真部の清掃を行っていたのですが
部員だけでは人手が足りないので,力を借りようと思いまして訪れました。」
シノの問いに畑は淡々と答える。
「そうか,だがこちらも作業中だからな…。」
シノが悩んでいるところにタカトシが手を挙げる。
「あの…会長,なんなら俺が手伝いに行きましょうか?」
「おお,津田それは助かるが作業の方はまだ残ってるんじゃないか?」
「シノちゃん大丈夫よ。私の分はほとんど終わったから,津田君の分は私とスズちゃんで引き継ぐわ。
それに,力仕事もあるから男の子の力も必要でしょうし。」
「そうですよ,皆で手伝いに行っても逆に邪魔になるかもしれません。」
難色を示すシノにアリアとスズが救いの手を出す。
「それもそうだな。そうしてくれるか二人共?」
「分かったわ~。」
「分かりました。」
三人が作業の調整をしている所に畑が,
「すみません。生徒会の仕事を邪魔するみたいになってしまって。」
「いや大丈夫だ。困っている所を助けるのも生徒会の仕事だからな。」
「会長,七条先輩ありがとうございます。じゃあ畑先輩,行きましょうか。」
そう言って,タカトシと畑は生徒会室を後にしていった。


506:名無しさん@ピンキー
08/08/19 23:42:21 4oX4IxOg
こんな感じで
っていうか,そもそもSSを書くのは全くもって初めてで
先輩方のように即戦力ルーキーにはなれませんが実力をつけていきたいと思います
この続きはさわりの部分を改めて書き直して投稿しようと思っています
(目標は今月中を目指しています)
皆さんのご指導ご鞭撻のほどをよろしくお願いします

507:501
08/08/19 23:49:11 UmRVwWgx
GJです。お粗末な妄想にお付き合いいただきありがとうございます。
俺としてはそうしてタカトシ君の弱みを握った畑さんが性的な意味でタカトシ君を
いじめるのがいいなと考えてます。他の読者様のお眼鏡に叶うようなストーリーが
できたなら当方でも書いてみようかと思案しているのですが宜しいでしょうか?

508:名無しさん@ピンキー
08/08/20 00:27:36 wbS04JNd
なんかいい感じの流れになってきたね♪

期待してます!wktk~


509:名無しさん@ピンキー
08/08/20 01:48:08 5PWMN1RN
乙~


他のスレはあまり覗かないが、
エロなしでも特に問題なし・原作雰囲気重視・短編長編問わず・通算職人多数なこのスレはもしかしてめちゃくちゃ恵まれてる?

510:名無しさん@ピンキー
08/08/20 03:33:50 rNfv6njt
乙鍋

てか仕事が早いなw

511:Y-275
08/08/20 14:12:56 ukd7Qdm/
住人、職人、保管庫管理人の皆様、こんにちは、お疲れ様です。
前に書いたアリアSSの続編。今回はスズ目線の話になります。
スルー対象ワードは

『マガスペ設定』
『展開強引』
『足コキ』です。

では、投下。

512:Y-275
08/08/20 14:14:47 ukd7Qdm/

『さて、新学期だ。2学期は体育祭、文化祭と大忙しだからな。夏休み気分も昨日までだ。』

夏休みが終わり、一番最初の生徒会会議。
2学期はイベントが多い。
そのそれぞれに実行委員会があるものの、私達が休めるというわけではない。
だから新学期も初日から生徒会役員は召集され会議を行う。

『それじゃあ、アリア、去年の競技の書き出し頼む。』

一見すると普段通り。だけど、その表情は陰りがちな会長。
七条先輩も普段通りだけれど、やけにニコニコと笑みを称えている時間が増えた。
そして津田は七条先輩の方へちらちらと視線を送ってはなにやら落ち着かない様子。

気に食わない、ほんとに気に食わない。
私だけが蚊帳の外。
この3人の間に何かしらあったであろうことは容易に想像できる。
だから余計に気に食わない。
小さい頃友達から仲間外れにされた時のような疎外感。
ホントにイライラする。
秋の生徒会活動は私の苛立ちとともにスタートした。

………………………………

『スズちゃん、なんかイライラしてない?』

今日は生徒会役員会議後、書記、会計各々の仕事を片付けるために七条先輩と2人居残っている。

『別にしてませんよ、イライラなんて。』

明らかに刺のある声、言い方で返事をしてしまう。

『明らかにしてるんだけど…もしかして、2日目?』

なんていうか、予想通りのボケが帰ってきた。会長といい、七条先輩といい、少しは真面目に出来ないのだろうか?

513:Y-275
08/08/20 14:17:53 ukd7Qdm/

『いえ、大丈夫ですよ。』

さらに上乗せされた苛立ちも隠さずに言葉を返す。

『…………………』

頑なな私の態度に遂に七条先輩は返す言葉も無くなり、生徒会室は居心地の悪い沈黙に包まれる。

『…津田と最近何かありました?』

沈黙に耐え切れなくなって、私は先に話しかける。私の苛立ちの原因を少しでも解消するために。

『なるほど、それが苛立ちの原因だったりするわけね。』

『…ご想像にお任せします。』

先程の会話の流れからいえば自分から相手の疑問を解消する答えを与えてしまったのは明らかだ。

『ええ。あったわよ。生徒会合宿でね。』

『何があったんですか?最近の様子から察するに津田が七条先輩を意識して、会長が気を落とすような事ですよね?』

『ん~。半分は正解。だけど、半分は違うわ。』

『どういう事ですか?』

無意識に先を促す。

『シノちゃんはね、津田くんの事が好きなのよ。』

『は?え、だってそれって校則違反じゃ?』

『人を好きになる事が校則違反だなんて、どこにも書いて無いわよ?それに2人は付き合ってるわけじゃ無いの。』

『そうなんですか?じゃあ、なんで会長は落ち込んでるんですか?』

『ん~、私がライバル宣言しちゃったから?』

なんで疑問符なのだろうか?いまいち話が見えて来ない。

『私もね、津田くんの事好きなのよ。ううん、合宿期間中に好きになってしまったのよ。』

『つまり、前もって会長の心を知りながら、七条先輩は割り込み、それによって会長は気を落としている。そういうことでいいんですか?』

『うん。多分ね。結局私はシノちゃん本人ではないから、心の中まではわからないの。』

なるほど、さっきの疑問符はそういうことか。

『それで、津田の事は何があったんですか?』

『あぁ、それは私が胸でシテあげたのよ。』

………………

思わず固まってしまう。

514:Y-275
08/08/20 14:19:21 ukd7Qdm/
胸でシた?何をだ?

『何をしたんですか?』

『パイズリでヌいてあげたの。津田くんのすごい立派だった。』

頬に手を当て、紅くなりながら告げる七条先輩。
私が知らないところで、そんないかがわしいことが行われていようとは…
というか、津田が盛りのついたオス犬のように思えてきた。
会長に気があるように見せてその気にさせて、片や七条先輩にも手を出している。見る目を変えざるを得ない。

"コンコン"

その時、不意に生徒会室のドアがノックされる。

『あの、すいません、忘れ物したんで、中入りたいんすけど、今、入っちゃって大丈夫すか?』

飛んで火にいる夏の虫。今まさに考えていた人間がすぐ側まで来ている。ここらで一つちゃんと教え込まないと、生徒会として汚点を残すことになる。
盛りのついた犬はちゃんと躾ておかねば。

『は~い、どうぞ。』

私が考えている間に七条先輩は返事を返す。

………………………………

『このエロ犬がっ!!』

私はドアが開かれると同時に飛び出し、思い切り津田のスネを蹴り飛ばしてやった。

その場で悶絶して転げ回る津田。

『ちょっと、男の癖にだらし無いわよ!!』

『いや、萩村先輩さっきのはシャレにならないですよ!!』

私の怒りを込めた一撃。少しはこいつが反省すれば良いが…

『あらあら。』

七条先輩の事で私は思い切りこいつを蹴飛ばしたというのに、当の本人は呑気に笑っている。

515:Y-275
08/08/20 14:21:29 ukd7Qdm/


『スズちゃん、そんなに津田くんの事…』

『は?』

次の一撃も辞さない。そんな気持ちで構えを解かずにいた私は間の抜けた声を出し毒気を抜かれてしまう。

『好きだからこそ許せないんでしょう?』

続けて発射される2言目。どこからそんな考えに至るのだろうか?
つまりは好きな子ほどいじめてしまうそんな風に脳内で変換されたとでも言うのだろうか?
だとしたら甚だ心外だ。
身なりは子供っぽくても心はそれなりに成熟しているつもりだ。
好きな人間に好きだと言うことぐらい私は出来る。

『私はそんなことありません!!』

声のトーンをあげて私は否定する。

『あらあら、これは図星かしら?』

『いや、そんなことありません!!』

否定すれば否定するほどドツボにはまっていく気がする。

『良いのよ?素直になって?人を好きになる事はそんな難しい事ではないのだから。』

ダメだ。ここまで来てしまうとこの人は止められない。もし、止められるとしたら津田のツッコミだけ。不本意だけど期待してるわ。本当に不本意だけど。
私が津田へと視線を移す…
…津田も固まってしまっていてこれは期待できそうもない。
そんな津田の側まで七条先輩は近づいていく。

『えいっ!!』

何気ない動作で津田を倒す。一片の無駄もなかった。合気道かなにかだろうか?多くの習い事を習っている七条先輩なだけに不思議はない。
それから七条先輩は何気ない動作で津田のチャックを下ろしていく。

516:Y-275
08/08/20 14:23:12 ukd7Qdm/

『でもね…』

そこで初めて七条先輩は口を開く。

『一つだけ、大事な事があるの…』

『…っつ!!』

なんのためらいも無く津田のペニスを取り出した七条先輩に私は短く息を吐き出す。

『それはね、"シタい時にスルこと"なの。』

………………………………

『ちょっ!!七条先輩シャレになってないです。勘弁してください。』

逃れようとする津田は身体をよじるが、七条先輩は体重のかけ方一つでそれを制する。なにかしら習っているであろうことを今更疑う余地はない。

『ふふ、スズちゃん、良いのよ?』

津田は華麗にスルーされてしまっている。とは言っても良いって何を?七条先輩は遥か前方。私をかなり彼方に置き去りに話を進めている。

『津田くんのこと好きなのでしょう?初めては約束だからシノちゃんに取っておかなきゃダメだけど、私がしたみたいに本番前までなら良いのよ?』

『ちょっ、七条先輩何を言っ…ぐあっ!!』

津田は最後まで言葉を紡げないまま情けない声をあげる。
七条先輩が津田のペニスに触れゆっくりと上下に扱き出したから。
七条先輩の手の中で反応するそれを思わず凝視してしまう。

517:Y-275
08/08/20 14:24:35 ukd7Qdm/
そうこうしているうちに津田のペニスは完全に勃起してしまう。
いけない、見入っているうちに事態は確実に悪化している。

『このエロ!!変態副会長!!何勃ててるのよ!!』

七条先輩の暴走のせいだというのはわかっている。しかし、七条先輩は責められない。それに津田も少しは自制出来ないのだろうか?これではほんとに発情期の犬と変わりが無い。

『ちょっ、なんで、俺…』

津田は半泣きになっている。

『何半泣きになってるのよ!!ほんとだらし無いにもほどがあるわ!!』

『ふふふ、ほんとにスズちゃんは頑固ねぇ。そんな事言ってる割には視線は釘づけのようだけど?』

『うっ…』

痛いところを付かれて私は思わず呻いてしまう。
私だって女なのだ、初めて見るペニスに興味が無いといったら嘘になる。それゆえに凝視してしまった。
それに頬が熱を持ち始めている自覚だってある。

『良いのよ、スズちゃん?』

再三に渡る七条先輩からの言葉。
徐々にその言葉に、含まれている誘惑に身を任せても良いような気がしてきてしまう。

『…………』

私は何も言わず唾を飲み込むと津田のペニスへと手を伸ばす。

ビクッ

その時、津田のペニスが反応した。
びっくりして私は手をひいてしまう。

『あらあら、相変わらず、正直ねぇ。』

七条先輩は可笑しそうに笑う。

『………………』

私は再度手を伸ばし、ゆっくりと掴む。

『萩村先輩、気を確かに。』

相変わらず半泣きな津田の声が聞こえる。

『五月蝿いわね!!黙ってなさいよ!!』

反射的に身をひいて私は立ち上がる。
蹴りでもいれてやろうかしら?
足を振り上げて私はふと思う。
なにも手でやる必要性は無いのではなかろうか?
よくよく考えてみればこれでは津田が気持ちいいだけ。
それに七条先輩に流されてしまったとはいえ、津田は躾てやる必要性がある。

518:Y-275
08/08/20 14:26:03 ukd7Qdm/
それならば、手でしてやる等と役得を与える必要性はない。

『そうね、それが良いわ。』

私は呟くとおもむろに上履きを脱ぎストッキング越しに津田のペニスに触れる。
ストッキング越しであっても十分な熱と脈を伝えてくるそれを私はゆっくりと上下していく。

『…くっ、ちょ、は、?…』

津田は屈辱感と快感がないまぜになったような表情を浮かべている。
正直、良い気味だと思う。

『ふふん。少しは自分の発情加減を恥じなさいよ!!』

そう、これは躾。何故自分がそういう立場におかれているかよくわからせる必要がある。

私は徐々にペースをあげていく。
それに合わせて徐々に足の裏がヌルついていくのがわかる。
同時にビクンビクンと津田のペニスの反応が強くなっているのがよくわかる。

『っ…ちょっ、俺、もう!!く、あっ、……!!』

津田の声とともに不快な臭気と足の裏に温もりが広がる。
津田は私の足で果てた。

………………………………

その後私は七条先輩の『足コキ…なんてマニアックなの…』という言葉、呆気に取られたようなさまに急に恥ずかしくなり生徒会室から逃げ出した。
幸い今日は体育があった為替えの靴下はあった。
しかしながら、いつまでも足の裏に温もりが残っている気がしてならない。
足の温もりを気にしだすと、自然と火照るのがわかる。
今日は流されるまま妙な事をしてしまった。
そう考えると自己嫌悪に陥る。同時にあの光景も焼き付いているようで自然と再生されて私はまた火照ってしまう。
それにしても津田の奴!!

これも何度も繰り返したループ。
一言目にはさっきの事、二言目には身体の火照り、三言目には津田。
それはまるで吊橋効果でどんどんと順序、思考が入れ代わって、モヤモヤとする。

私は横の電柱に視線を向け足を止める。
高く伸びた電柱は私のことを見下しているようで妙に気に食わなかった。
とどのつまり自分の戸惑いを苛立ちとしてぶつけられればそれで良いのだ。

『私は絶対、デレ無いんだから!!』

思い切り叫びながら蹴りをいれる。
それでも電柱は微動だにしない。
それが腹立たしくてまた蹴り飛ばす。

これで良い。まさか津田の事で自分が悩むなど有り得ない。さっきあんなことをしたせいだ。
そう自分に言い聞かせながら私は帰り道を歩く。
それでも、やはり頭をよぎる津田の事を考えながら。

続くわよ!!

519:Y-275
08/08/20 14:33:59 ukd7Qdm/
以上です。
なかなか文体が安定しないので読みにくくて申し訳ないです。
タイトルは
『そんな生徒会役員の秋』
で。
マガスペ設定なのは台詞の問題というよりも、その設定の方がスズの上から目線が自然だからだったりします。
次回はこの続編のシノ目線を予定してます。

ペピトーン氏、504氏、ほんとに乙&GJです。このスレがかなり元気になってきた気がしてうれしいです。
駄文乱文失礼致しました。
それでは失礼します。

520:名無しさん@ピンキー
08/08/20 14:50:38 feWkvKWf
すんばらしぃ!GJ!!でござるよ!

521:名無しさん@ピンキー
08/08/20 16:56:38 +gKhubuu
乙乙
エースの風格を感じるようになってきたぜ!

>>509
基本エロパロ板だしエロなしSSは本来対象外なんだろうけどな
でもこのスレなら全然無問題

522:名無しさん@ピンキー
08/08/20 17:33:29 ye5B98q6
果てしなくGJ

Y-275氏の絶倫っぷりは異常
こっちの腰がガクガクですぜ

523:名無しさん@ピンキー
08/08/21 00:17:49 fp0ON3Ux
思ったんだが
スズって津田とタメだよな

524:名無しさん@ピンキー
08/08/21 00:32:40 7bjYIiYP
>>523
最初に『マガスペ設定』と書いてある
マガスペ設定では
シノ、アリア→3年
スズ→2年
タカトシ→1年
だった

525:名無しさん@ピンキー
08/08/21 13:23:48 Lt7cMJof
シノ、アリア、スズ、ムツミ、カエデ、横島、畑、コトミ、スズ母
何気にあかほんだけでなく濱中よりもキャラが増えたな、生徒会

引っ越しにより消えてしまった三年生の新キャラはくるか?

526:名無しさん@ピンキー
08/08/22 13:43:54 lSmxE4aE
やはりタメになったならタメの設定が読みたいな。
全員先輩ってのもあれだし

527:名無しさん@ピンキー
08/08/22 17:47:05 HQyV90Ci
まとめ更新されてた乙
しかし中堅非看板漫画家のSSなのにとんでもねー量だ

528:名無しさん@ピンキー
08/08/22 22:54:58 bi1YQSsA
ペドで先輩なのが良いんじゃないか

529:名無しさん@ピンキー
08/08/22 23:48:01 yC8uRN6j
せめてロリっていえ!!

530:504
08/08/23 12:02:46 Nma3+xQc
遅ればせながらY-275氏乙です
あとGJ頂き有難うございました

さて,投下予告をしていたのですが
文章もほぼ完成し後は細かい所の修整を残すのみとなったので
早ければ今日の夕方以降には投下することができそうですが皆さん宜しいでしょうか?


531:名無しさん@ピンキー
08/08/23 17:17:20 x5MB8ymF
ちょっくらティッシュ買ってくる

532:504改めボルト
08/08/23 20:39:09 Nma3+xQc
文章が完成したので投下させて頂きます。
ただ完成したといっても前編部分+エロ無しなのですが,宜しくお願いします。


533:ボルト
08/08/23 20:41:01 Nma3+xQc
 とある日の放課後,今日も生徒会室ではいつもの四人が仕事を行っていた。
 そんな中,生徒会室のドアをコンコンと叩く音がした。
「どうぞ~,鍵は開いていますよ~」
 生徒会の一人,七条アリアはそう答えると,一人の生徒が入って来た。
「失礼します。新聞部の畑です」
「久しぶりだな,今日は何の用だ?」
 生徒会長の天草シノが畑に問い掛ける。
「急な話で申し訳ないですが,写真部の清掃を行っていたのですけど,
 私一人だけでは人手が足りなくて,それで生徒会なら手伝ってくれると思って訪れました」
 シノの問いに畑は淡々と答える。
「そうか大変だな,だがこちらも仕事中だからな…」
 どうしたものかとシノが悩んでいるところにタカトシが手を挙げる。
「あの…会長,なんなら俺が手伝いに行きましょうか?」
「私は構わないが仕事の方はまだ残ってるだろう?」
「あ…,そう言われればそうですね」
 タカトシは自分の目の前に置かれている資料を見渡す。まだ半分しか終わっていなさそうだ。すると前からアリアとスズが,
「シノちゃん。それなら大丈夫よ。私の分はほとんど終わったから,津田君の残りは私とスズちゃんで引き継ぐわ。
 それにね,力仕事もあるなら男の子の力が必要でしょう?」
「そうですよ,皆で手伝いに行っても逆に邪魔になるかもしれません」
 難色を示すシノに二人が提案する。
「そうしてくれたら有り難いが,大丈夫か二人共?」
「平気よ~」
「私は問題ないです」
 四人で仕事の調整をしている所に畑が,
「すみません。皆さんのお仕事を邪魔してしまって」
「いや気にすることは無い。困っている人を助けるのも生徒会の仕事だからな」
「みんな有難うございます。それじゃあ,畑先輩行きましょうか」
 そう言って,タカトシと畑は生徒会室を後に写真部へと行った。

534:ボルト
08/08/23 20:41:58 Nma3+xQc
 
………数分後
 
「着いたわ,ここが新聞部の部室よ」
「ここですか。そういえば,新聞部に来るのはオレは初めてですね」
「そうね,じゃあ先に中に入って」
「あ,すみません。失礼します」
 そう言ってタカトシは部屋の中に入っていった。それに続いて畑も入っていく。
 部屋の中に入ったタカトシ。たが,目の前の光景に違和感を感じた。
「あれ?特に散らかっているように見えないんですけど…」
 そんなタカトシの言葉を余所に後から入って来た畑が後ろ手に部屋の鍵を掛ける。
「畑先輩?片付ける所ってどこにあるんですか?」
 タカトシの問い掛けに対し畑は答える。
「ごめんね,掃除をするって言ったことは嘘なの」
「え?それってどういう事ですか?」
 畑はタカトシに近づきながら話を続ける。
「実はね,津田君に大事な話があるの。だからここに来てもらったの」
「話なら生徒会室で良かったんじゃないですか?わざわざ嘘までつかなくても…」
「言ったでしょ?大事な話って」
 そう話すと畑は机の引き出しから1枚の写真を取り出した。

535:ボルト
08/08/23 20:42:49 Nma3+xQc
「この写真を見てくれるかしら」
 そう言うと畑はタカトシに1枚の写真を見せる。
 それは雨の中をタカトシとシノが二人で相合い傘をしている写真でだった。
「これって確か会長の誕生日会の時の…って,いつ撮ったんですか?」
「ジャーナリストたる者,何時でもスクープを探しているものよ」
「まさか雨の中オレと会長を付け回してたんですか」
「その通りよ」
 冷静に畑は答える
「この写真を見る限り,とてもお似合いのカップルね。二人共いい笑顔をしているわ。
 実はこの写真を使って来週の校内新聞の記事にするつもりなの。
 『大スクープ!生徒会長・天草シノと副会長・津田タカトシ二人の熱愛発覚!』
 って所かしら」
「何考えているんですか!別に俺と会長は付き合っている訳じゃ無いんですよ」
「これが全校生徒に知れたら大変な事になりそうね。
 生徒会長と副会長が自ら校則違反をしているんだから」
「人の話聞いています?付き合ってないですって」
「あなたが付き合ってないと言っても,噂が広まれば嘘も事実と同じよ。
 もしこの件が職員会議とかになったら軽くて厳重注意,重ければ解任や停学もありえるかもね。
 知ってるでしょ?元々ここは伝統のある女子高だって。
 男子の受け入れを始めて,すぐに問題を起こしちゃったら,それなりの処罰が待っているのは当然でしょ。もちろん会長も処罰は免れないと思うわよ。
 それに会長のファンクラブの子達からも目をつけられるかもね。命の危険もあるかも知れないわよ」

536:ボルト
08/08/23 20:43:56 Nma3+xQc
 畑は矢継ぎ早に怖いことを言い続ける。
「…結局,何が言いたいんですか畑先輩?」
「まだ分からない?この事を記事にされたくなかったら,大人しく私の言う事を聞いてもらうわ」
「約束してくれるなら,写真のデータは津田君に渡してあげる」
 タカトシは畑の余りにも身勝手な発言に言葉を失っていた。
(この人は急に何を言い出すんだ?だけどもし逆らったらオレも会長も…)
 少しの沈黙が流れた後,タカトシは,
「…一日だけ待ってください。それまでに答えを出します」
「いいわよ。だけどこれはあなたにとって,決して損はしない話だと私は思っているの」
「えっ?損はしないって…?」
「…とりあえず今日はここまでね。あなたに私の携帯のメルアドと番号を教えてあげる。
 明日,時間を決めて呼び出すから確認をとれるようにしてね。
 もし来なかったら交渉は不成立と受け取るわよ」
 そう言われて,畑から番号の書かれた紙を受け取ると,タカトシは何も言わずに生徒会室へ戻っていった。
 
………
 
「…ただいま戻りました」
「ご苦労だったな。ん?どうした?私の顔を見つめて」
「あらあら~?津田君,まさかシノちゃんを相手にHな妄想してるのかしら?」
「何考えているの津田!イヤラしいわね!」
「いえ別に…,別に何もないです…」
「そうか?それならいいが…,ちょうど私達もいま仕事が終わった所だ。
 そろそろ暗くなって来るし,ここで終わりにするか」
「じゃあ帰りましょうか~」
「そうですね。明日も頑張りましょう」
「お疲れ様でした…」
 そう言って4人は生徒会室を後にし,それぞれの家路に着いた。
 
 その夜,タカトシは畑の言った最後の一言に疑問を感じていた。
「…どうしようもないよな。皆に迷惑かけられないし。
 でも,損はしないってどういう事なんだろう?」

537:ボルト
08/08/23 20:44:44 Nma3+xQc
 
次の日…
 
タカトシの携帯に一つの着信メールがあった。そこには…
 
『今日の午後5時に写真部に来てちょうだい 畑』
 
 
その頃2-Bの教室では…
「シノちゃん。昨日のタカトシ君,新聞部から戻って来た時,何が様子がおかしくなかった?」
「そうだったか?私は別に変な風には感じなかったが」
「もしかしてシノちゃんの事を好きだったりして」
「そうなのか?いくら私の事が好きでも校内恋愛禁止だからな…」
 生徒会長として真面目な事を言いながらも,顔を朱くするシノ。
(あらあら,顔を朱く染めちゃって。可愛いわよシノちゃん。
でもタカトシ君の方は気になるわね。後で様子でも見に行ってこようかしら)

538:ボルト
08/08/23 20:51:04 Nma3+xQc
以上が前編になります。
一応,タイトルは『a photograph』となります。
コテハンは今,旬の人であるウサイン・ボルト氏から採らせて頂きました。
また初めてのSS投下という事で誤字・脱字と,皆さんのお目を煩わせる点があったかもしれませんが,
これからも皆さんが楽しんで下さるよう頑張って行く次第であります。


539:名無しさん@ピンキー
08/08/23 22:08:24 Oo929hos
乙です!!
また新しい職人さんの登場ですねいや~嬉しいです
コテ名の通り最速の男になることを期待して続編待ってますよ

540:名無しさん@ピンキー
08/08/23 23:41:20 SZ4nZ13b
乙ガンダム
がんばれー!

541:501
08/08/24 00:05:30 kbpxP+2W
アク禁で苦しんでいたところ、俺の妄想を素晴らしい形で具現化していただき
ありがとうございました。後編も楽しみにしてますよ。

542:ピンキリ ◆UsBfe3iKus
08/08/24 17:12:19 Hr384j1N
皆さんお疲れ様です。

「ハナとプチ」で三つ目のSSになります。
スルー対象ワードは「エロ会話」 、タイトルは『お祭りでプレイ』でお願いします。

543:ピンキリ ◆UsBfe3iKus
08/08/24 17:13:23 Hr384j1N
「わあ、凄い人ですねえ」
「そうね」
「この辺りで一番大きなお祭りらしいんですって」
「わんわんわん」
 華やかな提灯にたくさんの露店、そして賑やかなお囃子。
どこから見ても紛うことなき“夏祭り”である。
「おいおい皆、先々行くんじゃない。迷子になるぞ」
「すいませーん」
「先にイクのは男に抱かれてる時だけにしときなさい」
「すいません、一緒に歩くと恥ずかしいので先に行っていいですか?」
 その夏祭りに遊びに来ているのだった。
私立雛菊女子高きくもじ寮のおなじみの面子が。

 一年生のハナ、三年生のヒカリとエレナ、寮母の叢雲、そして犬のプチ。
雛菊女子高等学校のきくもじ寮で暮らす四人と一匹である。
夏休みの最中だが、ヒカリとエレナは大学受験対策の夏季講習があるために寮に残っていたのだ。
じゃあハナはどうしているのかというと、これは単純に寮と実家がそんなに離れていないから。
「二年半寮で生活しているけど、このお祭りに来るのは初めてだわ」
「え、ヒカリ先輩、初めてなんですか?」
「そうよ」
「じゃあロストバージンですね、今日」
「……」
 雛菊女子は付近でも有名な進学校であり、校則も寮則もそれなりに厳しい。
門限以降の時間の生徒だけの外出は基本的に禁止なのだが、
今回は寮母の叢雲が同伴ということで特別に許可されたのだ。
最もこの寮母叢雲、禁煙のはずの寮内で堂々喫煙する、寮生の前で酒は飲む、
時にいかがわしい発言をかまして皆を困惑させる等々、よくお前寮母になれたなという人物であるからして、
ヒカリなどから見れば一緒に来たからと言ってまったく安心出来なかったりするわけだが。
「ハナちゃん、プチの手綱を離しちゃダメよ」
「はいっ」
「ハナにも首輪つけときゃいいんじゃない。エレナ、今持ってる?」
「ごめんなさい叢雲さん、今は残念ながら所持してなくて」
「素でそういう会話をしないでくれ、この人混みの中で」
「わんわんわん」
 ボケを飛ばしまくる叢雲とエレナ。
この二人、波長が合う上にとにかくエロ方面に知識が豊富なので、
ほったらかしとくとどんどん交わす言葉の内容がエスカレートしていってしまう。
ハナも基本ボケタイプであり、プチは何といってもただの犬。
自然、ヒカリがこの中でまとめ役というかストッパーになるのはいた仕方ないところなのだった。
「でもアレですね」
「なあに、ハナちゃん?」
「結構浴衣を着てくる人って多いんだなあ、と思って」
 ハナの言葉を受け、エレナとヒカリは周囲をぐるりと視線を走らせた。
成る程、彼女の言う通り、主に女性を中心に浴衣姿の人がかなり見受けれられる。

544:ピンキリ ◆UsBfe3iKus
08/08/24 17:15:12 Hr384j1N
「日本の伝統文化だものね」
「お祭りに浴衣って当たり前なような気もしますけどね」
「でも確かにあんまり着た記憶がないわね、せいぜい旅館に泊まる時くらい?」
「ま、かくいう私らも浴衣姿だけどな」
 そう、四人はそれぞれに鮮やかな模様が入った浴衣を身に纏っていた。
ハナは白地に黄色い揚羽蝶、エレナは薄い青地に金魚と水草、ヒカリは桃地に撫子、叢雲は紺地に藤といった塩梅だ。
これは各自個人の持ち物ではなく、一式全て寮母の叢雲の物。
着付けから全て彼女が行い、髪型のセット、さらには下駄や帯の色も浴衣に合わせて選ぶという結構な凝りようだった。
こういうのをさらっとこなす辺り、なかなか叢雲は侮れない女なのだが、
普段が普段だけにあまり尊敬されないのが悲しいところではあった。
「でも叢雲さん、何で四着も浴衣を持ってるんですか?」
「んー? まだまだあるわよ、部屋っつーか押入れに」
「へえ、叢雲さんって浴衣マニア?」
「どっちかって言うと私はメイド服マニアなんだけどな。いやまあ、前の寮母さんが辞める時に置いていったってワケ」
 きっと叢雲の前の寮母も、こうして寮生たちに浴衣を貸して、祭りに繰り出したりしていたのであろう。
きくもじ寮の微笑ましい伝統と言えなくもないかなと、叢雲の話を聞きつつヒカリは思った。
「浴衣もプレイとしては悪くないんだけど、浴衣イコール屋外でってなもんだから面倒なのよねぇ」
「適当な茂みを探すのに手間取るんですよね」
「見つけても先客がいたりな」
「寮母と寮生の会話と思えん」
 叢雲が色々経験豊富なのは承知しているが、さてエレナは本当のところはどうなのか。
きくもじ寮には一年の頃から一緒にいるが、
実家に帰っている時は知らずもこっちでは彼女に男の影を感じたことはない。
となると、中学時代によっぽど経験を積んできていることになる。
親友ながら、その辺りをどう突っ込んで聞いていいものやら、ちょっと怖い処女のヒカリである。
「しかし夏だけに汗が鬱陶しくて」
「べとべとになるんですよね、それで草とか貼りついちゃって」
「それと蚊がな」
「虫よけスプレー必須ですね」
「浴衣はパンツはかない時もあるし、一度太股の付け根を噛まれてなー」
「今日は女の子だけですから普通にはいてますけど、男の人と一緒だとはかない方が喜んでくれますよね」
「もうそろそろ二人ともやめにしてくれないか
 テープにでも起こせばその筋に高値で売れそうな会話だが、
実際側で聞いているヒカリにしてみればたまったものではない。
なおさっきからハナがまったくの無言になっているが、
これは話についていけないのではなくて綿菓子を舐めるのに必死になっているからである。
鼻の頭に綿菓子をぽつんと一欠片くっつけている辺り、なかなかこの娘は天然の萌え要素を持っているのかもしれない。
「で、結局部屋に戻ってすることになったり」
「お殿様プレイは絶対ですよね」
「ああ、帯を引っ張ってくるくるくるー、ね」
「はい」
「あれさぁ、一度本気で目を回して倒れて吐いた覚えが」
「あらあら、大丈夫だったんですか?」
「んー、出して気持ち悪くなったけど、すぐに出されて気持ちよくなったし」
「ストップです! 祭りを楽しんで下さい!」

545:ピンキリ ◆UsBfe3iKus
08/08/24 17:16:53 Hr384j1N
 ここいらが限界と見て、ヒカリは二人の間に割って入った。
このタイミング、きくもじ寮で暮らすうちに身についた“流れを読む力”のタマモノであろうか。
今後社会に出てそれがどれだけ活用出来るスキルかはわからないが。
「あー、金魚すくいだ」
 と、ここでようやく綿菓子を食べ終わったハナが輪に戻ってきた。
彼女が舐めていたのは普通サイズの綿菓子だったが、
も一つ上の大きさのビッグサイズ(100円増し)だったらあと五分以上はかかっていたことだろう。
「叢雲さん、やっていいですかあ?」
 目をキラキラと輝かせて叢雲にお願いするハナ。
プチを拾ってきた経緯もあることだし、この娘はどうやら“小さくて可愛らしいもの”に弱いらしい。
「ダメー」
「えーっ」
 叢雲、一刀両断。
口に咥えたタバコのせいか、言い方にあまり寮母としての威厳を感じ取れないのが残念なところではある。
「寮内ペット禁止だから」
「金魚もダメなんですか」
「立派なペットにあたる」
「もうすでにプチがいるじゃないんですかあ」
「金魚はバター舐めないでしょ」
 バター舐めるなら蛇でもトカゲでもはたまたノコギリエイやモリアオガエルでも許可するんだろうか、
とはヒカリは思っただけで言葉にはしなかった。
あまりにもバカバカしかったので。
「じゃ、じゃあウナギ釣りとかヤドカリ釣り、フナ釣り、タガメ釣り、カマキリ釣りもダメなんですか?」
「今どきそんな露店ないと思うけど」
「えー、実家の近くのお祭りじゃありましたよぉ」
「あんた、どこ出身だったっけ?」
「カラーひよこもありました」
「問題だろ……それ」
 ハナ、ヒカリ、エレナ、叢雲、そしてプチ。
まあ、こんな感じで何やかやと騒ぎつつ、祭りの奥へ奥へと進んでいくのだった。
「じゃ、じゃあ射的やりましょうよぉ、おもちゃ取りましょうおもちゃ」
「景品に大人のおもちゃとかあるかしら?」
「あるわけない」
「下着ならあるかもねー」
「わんわんわーん」
 四人と一匹、肩を並べて。



   F   I   N

546:ピンキリ ◆UsBfe3iKus
08/08/24 17:18:16 Hr384j1N
ここまでです。

ペピトーン氏にY-275氏、そしてボルト氏、乙&GJです。
これからもぼちぼちとですが頑張っていきたいと思います。

547:名無しさん@ピンキー
08/08/24 22:42:22 ctChoAvP
ふぅ‥‥

548:名無しさん@ピンキー
08/08/25 07:14:33 qIID0zNf
GJです!相変わらずここの職人は雰囲気作るの上手いなぁ

549:ボルト
08/08/25 12:28:47 RU3ZT5+5
皆さん有難うございます。
最初に一つ訂正があります。
>>533の最後で写真部とありますが新聞部の間違いでした。
何度も何度も確認したのですが間違いが出てしまいました。
 
さて後編なんですが,構想もまとまってきたので,近い内に投下出来ればいいかなと思っています。
ただ一つ,畑さんの下の名前が分かれば,自分にとってうまくいく展開に書けそうな気がします。

550:名無しさん@ピンキー
08/08/25 17:38:58 l8CIcGsF
思春期のケイの苗字が不明なので郭氏が暫定的に「木佐貫ケイ」にしたことも以前あったな
キョウコからケイ、マリアからアリアの例もあるように名前とかは結構氏家マンガじゃ適当だからなあ
畑さんの名前も下手すりゃずっと不明のままかもしれないw

とにかく応援してますよボルト氏!
これからもがんばってエースを目指してください!

551:名無しさん@ピンキー
08/08/26 00:29:55 2UYsxJ0l
>>549
ボルト氏ガンガレ!

552:ボルト
08/08/26 21:11:43 nDULRpRZ
どうもボルトです。
後編が完成しました。
スルー対象ワードは
「ややクーデレ?」
「微エロ」
です。
では『a photograph 後編』を投下します。

553:ボルト
08/08/26 21:13:01 nDULRpRZ
 
……………
 
 畑から,呼び出しのメールを貰ったタカトシ。幸い今日は,生徒会の仕事も無かっので放課後は適当に時間を潰し,新聞部へと向かって行った。
 新聞部の前に着いたタカトシは,不安に駆られながらも,観念したかのようにドアを叩いた。
「…津田ですけど,畑先輩いますか?」
「――待ってたわよ,中にどうぞ」
「…失礼します」
「いらっしゃい。あ,ちゃんと鍵を閉めてね」
 そう言われるとタカトシは部室の鍵を掛ける
「そこの椅子でいいから座ってくれる?」
 タカトシは言われるがままに椅子に座る。
 タカトシの前に立った畑は写真を片手に話を始めた。
「約束通り来てくれたという事は,私の言う事を聞くと受け取って構わないわね?」
「…はい。皆には迷惑をかけられないです。オレ一人が我慢すればいい事ですから…」
「正しい判断よ。じゃあ早速,一つ聞いてもらいましょうか」
「…分かりました。何をすればいいんですか?」
「まず目をつぶって。そのあと,手を膝に当てて,軽くかがんで」
「…これでいいですか」
 軽く中腰になるタカトシ。
「そうよ。そのままじっとしてて」
 畑の言われたままにするタカトシ。すると抱き付かれた感触があった。
「ん……ちゅっ………ちゅっ…んふっ…」
 さらに口元に何が柔らかい物が当たっている。
 タカトシは薄目になると,目の前の光景に驚く。畑の唇が自分の唇と触れ合っていたのだから。

554:ボルト
08/08/26 21:13:52 nDULRpRZ
(畑先輩がオレにキスをしている!)
 タカトシは思わず目を見開く。
 それに気付いた畑は,そっと唇を離して,
「駄目よ。目を閉じてなきゃ。ばらされてもいいの?」
 畑にそう言われると,タカトシは頭の中が混乱しながらもゆっくりと目を閉じた。
(急にキスをするなんて…何で?畑先輩は何でオレに……?)
「んっ……ちゅ……ちゅっ,……ん……んふっ……」
 優しく唇が触れ合うだけのキスをする畑。
「…ちゅっ……ちゅっ……んふっ……んふぅん………」
 暫くすると,畑は舌を入れてタカトシの口の中を無理矢理こじ開けていく。
「ちゅっ……ちゅるっ,じゅじゅ……ちゅぱっ……はふっ,んふっ……れろれろっ…」
(……!?…舌が入って来た!)
 更に予想もつかない行動に,思わずタカトシは口を離して距離をあける。
「ぷはっ…はー,はーっ………嫌っ,離れないで。……お願い,このまま続けて」
「…でも,急にこんな事…」
「……約束でしょ?」
 タカトシよりも背の低い畑は上目使いでそう答える。
 
………ぷつっ
 
 普段は一度も見せた事の無い畑の行動に,タカトシは理性が弾け飛んでしまった。
 今度は自らキスをして,舌を口の中に挿し入れていく。
「…ちゅっ,ちゅっ…………じゅるっ……ちゅぱっ……ちゅぱっ…………」
「…ちゅぱっ……ん,んんっ……じゅじゅっ……ちゅっ,ちゅっ………」
 舌と舌を絡ませる程,激しいキスをする二人。お互いの唾液が相手の喉を通っていく。息をするのも忘れたかのように二人はキスを続けていた。
 やがて息が続かなくなったのか,二人は同時に離れて大きく息を吸った。
「ふー,ふーっ………ふぅ……ふぅ…」
「はぁはぁはぁっ……はーっ……はー……はぁ……」
 すると互いに目があった二人。息を整えているのにも関わらず,二人は再び口づける。
「……ちゅっ…ちゅっ,じゅじゅじゅっ……ちゅぱっ,ちゅっ……ちゅっ………」
「………じゅっ…じゅるじゅるっ……れろっ……れろれろれろっ……ちゅぱっ…」

555:ボルト
08/08/26 21:14:38 nDULRpRZ
 
…………
 
 それから何分経っただろうか?5分ぐらいだろうか?だけど二人にしてみれば時間の流れはとても緩やかに感じただろう。
 
…………
 
「…気持ち良かった?」
「…はい,でも何で急にこんな…」
「まだ気付かないの?意外と鈍い所があるのね。実はね,私………あなたの事が好きなの」
「はい……………………はいっ!?」
「好きになったのは,あなたに初めて出会った時からよ。
 あなたの事を考えてたら,胸が張り裂けそうなほど好き。
この写真だって本当はあなたの写真を撮ろうとしたの。でも会長と二人で傘を差してるなんて思わなかった。気付いたらシャッターを押していたわ。………見て」
 そう言うと,畑は机から写真の束を取り出した。その数は裕に百枚以上はある。それらは全てタカトシの写っていた写真だった。
「軽蔑した?私が隠し撮りするような人だって」
「…知らなかったです。先輩がオレの事を好きだったなんて。
 本当の事を言うとオレも先輩の事が気になっていました。最初に会った時は正直変な人だなと思っていました。
 けど,先輩が生徒会に来る度にだんだん好きになってしまって。告白しようと考えていた時もありました。
 だけど副会長として校則を破る訳にはいかなかったから,それが出来なかったんです…」
「…嬉しい。お互いそう想っていたなんて。……校則の事は分かっているわ,でも一緒にいたいの。ただ,津田君の側に居たいの。それだけでいいの」
「…こんなオレなんかでいいんですか?」
「うん…」
「分かりました。オレも一緒に居たいです……これから宜しくお願いします,畑先輩」
「ありがとう津田君。…ねぇ,もう一つお願いがあるの。二人でいる時は下の名前で…『タカトシ君』って呼んでいいかしら?」
「…構いませんよ」
「…ありがとう。嬉しい」
 そう言うと二人はお互い顔を見合わせたまま,口を近づけて行き,再び濃厚なキスを始めた。
「……ちゅっ,ちゅぱっ……じゅじゅっ……ちゅっ………んふっ,………んんっ………」
「……ちゅるっ……ちゅっちゅっ……じゅるっ……じゅじゅじゅっ……んふっ……ちゅぱっ………」

556:ボルト
08/08/26 21:16:47 nDULRpRZ
 
…………
 
 新聞部の中をずっと見続けている人がいた。七条アリアだった。その手には部室の鍵が握られている。
 タカトシの様子が気になったのか後を付けていると,新聞部の中に入っていく様子が見えたので,生徒会室から鍵を取りに行き,再び戻って鍵を開け,ドアを数センチ開くと,まさに濃厚なキスの真っ最中だった。
(あらあら~こんな事になっていたなんて。…本当はいけない事なんだけど,二人の為にもシノちゃんには黙っておきましょう)
 そう心に思うと,そっと鍵を掛けて新聞部から離れて行った。
 
…………
 
「ごめんね,脅したりして」
「………いえ,オレを脅して下さい。一緒に居ないと写真の事をばらすぞって」
「……………ふふっ,うふふっ」
「…………ははっ,あはははっ」
 お互いに笑い出す。
「ねえタカトシ君,もう一つお願いがあるの」
「何ですか?先輩」
「写真を撮ってもいいかしら?今まで,あなた一人の写真しか撮ってこなかったから,今度は二人で一緒に写りたいの」
「…もちろんですよ先輩」
 
 そう言って畑は写真の準備をする。
 タイマーをセットしてタカトシの側に近づいていく――

557:ボルト
08/08/26 21:17:36 nDULRpRZ
 
………………………
 
 畑は一枚の写真を見ていた。
「先輩~,柔道部の取材に行くんでしょ~,先に行ってますよ~」
「ごめんね,今行くから」
 新聞部の後輩が急がすように畑を呼んでいる。
 畑はその写真を自分の机の中にそっと入れて部室を出て行った。
 
 片やタカトシも一枚の写真を見ていた。すると,
「津田,ぼっとするな。早く柔道部の応援に行くぞ」
「すみません,会長。今行きますから」
 シノに怒られたタカトシは慌てて準備をして出て行く。もちろんその写真は大切にカバンの中に入れている。
 その横でアリアが優しく微笑んでいる。
 スズは呆れたような顔をしていた。
 
…………………………
 
 二人が見ていたその写真は,タカトシと畑が仲良く寄り添っている写真だった。
 
 この先,二人の関係はばれるかもしれない。
 だけど,二人にとってそんな事は関係なかった。
 この写真のように,どんな事があっても二人仲良く居続けようと心に誓うタカトシと畑だった。
 
FIN.

558:ボルト
08/08/26 21:27:25 nDULRpRZ
これにて『a photograph』完結になります。
今回が初めてという事で苦労する所が多々ありましたが,何とか完成することが出来ました。
これも皆さんの激励があったからこそです。ありがとうございました。
また,>>501さんにはSSを書くきっかけを作って下さって,特に感謝してます。

さて,次回作ですが,生徒会3人娘の誰かor今回のアフターストーリー的な物を予定しています。
個人としてはSSは生徒会一本に絞って書こうと思っています。

最後まで読んで下さった方々,ありがとうございました。<(__)>

559:名無しさん@ピンキー
08/08/27 00:17:27 SjRg3uLM
乙です

最近久々に濱中読み直したら、ミサキが可愛い過ぎる件について

560:名無しさん@ピンキー
08/08/27 00:30:15 I6ot0m2h
ぼけーっとしてたらいつのまにやら新作が来ていたので驚いた
ボルト氏にGJ!

561:名無しさん@ピンキー
08/08/27 01:57:42 ozMyDO/P
ボルト氏GJ
これからのさらなる成長を期待してます!

562:501
08/08/27 08:54:23 kE1Geh99
ども、ボルト氏GJです。
個人的にはこの後畑さんがタカトシにシノちゃんに興味示さないようにとか言って
タカトシの(3文字ほど自主規制)を手や口で慰めるって展開を考えてたのですが
あんまり暗いのも氏家先生の漫画には合わなそうだしと思ってましたが、元ネタの
ようにほのぼのした感じでまとめて下さって嬉しいです。次回作も楽しみにしてますよ。

563:名無しさん@ピンキー
08/08/27 16:56:03 OmZgT5Yw
ボルト氏GJ!
今後に期待してますよ!

ペピトーン氏→Y-275氏→ボルト氏→ピンキリ氏→ボルト氏ときて、
さあいよいよ郭氏がマウンドにあがるのか

564:名無しさん@ピンキー
08/08/27 20:19:40 gNhoBaQL
ベテランと若手が良い感じで噛み合ってきた!


565:名無しさん@ピンキー
08/08/28 07:26:17 liwqmCj2
ボルト氏GJです!
次回作も期待していますよ。

566:名無しさん@ピンキー
08/08/28 12:09:27 XZ7OxzzD
濱中世代ではなく生徒会世代の職人参入か、感慨深いぜ
こうして歴史は流れていくんだな

567:ボルト
08/08/28 15:12:23 zLxPOfql
どうもボルトです
もう一つ訂正を
>>537の畑さんのメールで
写真部→新聞部です

どうしても写真部と新聞部がごっちゃになってしまいます
最初は畑さんは新聞部じゃなくて写真部の設定でしたっけ?

568:名無しさん@ピンキー
08/08/28 16:10:28 zuXF0nNp
どうだっけ、切り抜いて持っておいたらよかったなあ>マガスペ初期分

569:名無しさん@ピンキー
08/08/28 17:05:32 vFnbM7Hu
生徒会役員共1巻買えよww

570:ボルト
08/08/28 17:14:43 zLxPOfql
まぁ,次の投下の時によく確認します。
その投下ですが,予告通り,畑さんとの話の後日談的な物を構想中で,
話の流れはほぼ決まったので,2~3日後には投下します。
……あと,1巻はちゃんと発売日に買いました。

571:名無しさん@ピンキー
08/08/28 20:52:47 NZSny2Gf
>>567一番最初だけ写真部でした。
2回目登場以後、単行本は全部新聞部ですが。

572:名無しさん@ピンキー
08/08/29 12:05:15 q8M6j5un
訂正も氏家漫画のお約束だな

573:郭@出張帰
08/08/29 17:43:05 0nlBYPWB
はい、どうも郭でおま。前スレラスト近くでブツ切りになってた、
アキ×タカトシのミクスチュアSSと、マサヒコ×ミサキのアフターSSを投下します。
NGワードはどちらも「途中、エロこれから」です。
では、投下。

574:郭@出張帰
08/08/29 17:43:40 0nlBYPWB
「………」
「……………」
『ブルー・ドラゴンズ』を出てからも、しばし無言のままのアキ&ヒロキ。
が、ふたりの間に気まずい空気が流れているというわけでもなかった。
(先輩………確かに、マジで感謝なんすけど、その)
(井戸田さんは、確かに悪い人じゃない感じだけど、でも)
ふたりとも、どちらが話を切り出して良いものやら、タイミングを手探りしている状態なのであった。
しかし、ようやく。ちょっとぎこちなく微笑んで、アキが口を開く。
「………面白い人でしたね、中村さんって」
「あ、中村先輩のこと?あははは。ま、長い付き合いだと面白いだけってわけにもいかないんだけど」
「なんだか、井戸田さんも思いっきり遊ばれてる感じだし」
「あた!やっぱバレてるよね?矢野さんの言うとおりで反論できないのがつらいけど」
「でもカッコいい人でしたね。センスも良いし、お店も良い感じでしたし。なんて言うか、自由人って感じで」
「はは、他の人には内緒だよ?ああ見えて先輩、つい最近までいつつば銀行に勤めてたんだ」
「え?ほ、ホントですか?いつつばって言ったら、私でも知ってるくらいの超大手銀行じゃないですか!」
「うん。しかも総合職で、エリートコースだったんだけどね。結局上司と大喧嘩して辞めちゃったんだ」
「………もったいない」
「その辞めるときのセリフが傑作でね。俺も人から聞いた話なんだけど、
『アンタみたいな金勘定しか考えてない男の下で、これ以上働けるかっつの。
だいたいクチ臭いんだよ、このセクハラオヤジ』
って言って思いっきり辞表をその人の顔面にぶつけたんだって」
「す、すごいっていうか。マンガみたいですね」
「でもさ、ひどいと思わない?“金勘定しか考えてない男”って、銀行員にそれ言っちゃおしまいじゃん」
「……確かにそうですけど。でも、いるんですね、そんな人が実際に」
「無茶苦茶やってるみたいだけど、こっからがあの人の凄いところでさ。
実は銀行員やってた頃に、株の勉強をして相当儲けていたらしくて。
その資金を元手にあの家を親戚の人から借りて住居兼自分の趣味の店にしたってわけ」
「??あそこに住んでるんですか、あの人」
「そ。二階もこれまた自分の趣味の空間にしちゃってね。
自分で作った陶器とか、気に入った画家の絵とかを飾ってあるんだよ」
「へえ~~~すごい。でも、それで生活ってできちゃうんですか?
雑誌とかで取り上げられてるくらいだから繁盛してるかもしれないですけど、
今日見てみたらホントに思いっきり趣味のショップって、感じですし」
「ん?それなりに大丈夫みたいだよ。最初はそりゃなんていうか、常連さんばっかだったらしいけど。
それにね、あの店の収入って、服とかグッズだけじゃないんだよ」
「???他に何が………あ、ネット通販とか??」
「ま、それもあるみたいなんだけどね。ほら、あの店にCDとかおいてあったよね?
ああいうインディーで活動してるバンドやシンガーのライヴを企画したりしてるんだよ。
そういう人らって、熱心なファンがついているとかで、客入りも結構良いらしくてね」
「へえ~~~すごい!」
感心した顔で、アキが呟く。それはどこか、中村への憧れが入り混じった表情で。
(ああ良かった、話繋がって………しかし、今回だけは先輩にマジ感謝だな。
ていうか、いつも振り回されてるし、これでもマイナスのような気が)
そんなことを思いながらまた苦笑するヒロキだが、気付けば結構歩いていたのだろう。
いつの間にか、目的の店の近くまで来ていた。
「矢野さん?ここなんてどうかな?」
「あ!はい。こ、ここで良いです!」
慌てたように、アキが頷く。ほどよく古びた煉瓦造りの看板に、白い漆喰の壁。
そこは、ちょっと大人っぽい感じのするカフェだった。

「えっと、じゃ、もう一回自己紹介しておこうか。俺は井戸田ヒロキ、23歳。
レイ・プリンセス事務所でスカウト兼マネージャーをやってます。担当は、トリプル・ブッキング」
「………私は、矢野アキと言います。小笠原高校の一年生です」
ヒロキがチャイを、アキがアイスティーを注文した後、ふたりはお互い照れたように見つめ合う。
その雰囲気は、やはり初々しい恋人同士のようだった。


575:郭@出張帰
08/08/29 17:45:51 0nlBYPWB
「井戸田さん?聞いても、良いですか?」
「?なにかな、矢野さん」
「なんで、私に声をかけたりしたんですか?」
「そりゃ、目立ってたからだよ」
「?私、そんなにキョロキョロしてました?」
「違うよ。一応俺もスカウトなんでね。“目立つ”ってのは、そういう意味じゃなくて。
そうだな、一目見ただけで印象に残るっていう感じかな。矢野さんも、そうだったんだ」
「印象に?」
「うん。『ブルー・ドラゴンズ』を探してたときの矢野さんなんだけど、
君の周りだけちょっと空気が違ったって言うか。それで、思わず声をかけたってわけ」
「………あんまり、良く分らないです」
「あはは、そりゃ自分じゃ分らないだろうね。芸能界の仕事をしてて思うのはね、
単にキレイな子とか可愛い子とかってのは、表現は悪いけどいくらでもいるんだよ。
ただそういうモデルどまりの子と、タレントになれる子ってのは空気が違うんだ。
矢野さんに、俺はそれを感じたってことなんだけど」
「い、いきなりそんなこと言われても、私」
「はは、ゴメン。そりゃビックリするよね?ま、俺もこんな風に言ってるけど、
正直一目見ただけじゃ分らないことも多いんだよね。でもさっき、
『ブルー・ドラゴンズ』でアクセサリーを手にしてた矢野さんを見て、俺、間違いないって思ったんだ」
「??なにが、ですか?」
「君にはね、そういう空気って言うか、オーラがあるって思ったんだ」
「??あの、私、良く男っぽいとか言われるんですけど」
「俺は、それがまた良いと思うんだけど」
「え?」
「怒んないで聞いてほしいんだけど、初めて君を見たときは確かにちょっとボーイッシュっていうか、
そんな感じだと俺も思ってたんだ。でもあのときの矢野さんは、
すごくあのショップの雰囲気にしっくりきてて。なにより………すごくキレイだった」
「!」
ヒロキの言葉に顔を赤らめるアキだが、ヒロキは真剣な表情で彼女に語りかけていた。
「人気の出る子っていうのはね、そういう意外性っていうか、ドキっとする要素を持った子が多いんだ。
それに君は男に媚びた感じもないから、同性からの人気も出ると思う。そんな風に、俺は思ったんだ」
「…………」
ヒロキは語り終えると、アキを見つめる。アキは戸惑いながら、思っていた。
(井戸田さんが、悪い人じゃないってのは分るし、怪しいスカウトとかじゃないのも分るけど………)
「あの………井戸田さん?もうひとつ、聞いても良いですか?」
ふっと思い付いたことを、アキは口にしていた。
「え?う、うん」
「井戸田さんは、なんで、そういうお仕事をしているんですか?」
「へ??な、なんでって???」
「なんとなく、思ったんです。井戸田さん、すごくお仕事に熱心っていうか。なんでかな、って」
「…………え~~~っと」
はぐらかすために聞いたのかな、と思ったが、アキの目は真剣なものだった。その強い視線に――
(はぁ~~~やっぱりキレイだな、この子)
つくづくと、ヒロキはアキという素材に惚れ込んでしまっていた。
だから。つい、話してしまっていた。自分の心の奥にしまっていたはずの、『あの』ことに。
「ヘンなこと言うようだけど俺ってさ、学生時代勉強もスポーツもそこそここなせる方だったんだよね」
「…………?」
「んでね、その、自慢するみたいだけど、女の子ともそれなりに付き合ったりして」
「ふふ、なんとなく分りますよ。モテそうですもんね、井戸田さん」
「あた。からかわないでよ。でも大学に入ってからそういう自分が全部ダメになるようなことに出会ったんだ」
「?なんですか」
「笑わないでね?失恋しちゃったんだよ」
「!?」
「大学のいっこ上の先輩でさ。俺の方から惚れて、告白して、付き合うようになったんだけど。
でも、ある日言われたんだ。『本当は、好きな人がいる、もうヒロ君とは付き合えないって』」


576:郭@出張帰
08/08/29 17:46:55 0nlBYPWB
「………それって」
「最初はそりゃキツかったけど、フラれたことだって一回や二回じゃないし、
そのうち忘れちゃうだろうって思ってたんだ。でもね、ダメだった。
その人のことを見かけるだけで死ぬほどつらくてさ。どんどん自分が無意味でダメな奴みたいに思えてきて。
うん、我ながらすごくショックだった。その人にそこまで惚れていたってことにもショックだったし、
自分がそんなに情けない奴だったってこともショックだった。それでね、ホント情けないけど……
引きこもりみたいになって、結局親に黙ってまま大学も辞めちゃったんだ」
「え!」
(…………俺、なんでここまで)
ヒロキは自分に驚いていた。中村以外の人間に、身の上話をこんなにも語ったことは、無かった。
しかし、今初対面のアキに向かって自分はかつて無いほど饒舌に―止まらず、話しかけていた。
「もうアパートとコンビニの往復だけみたいな感じの生活になってさ。それまで仲良くしてたつもりだった奴らも、
こっちから連絡しなくなったら全く切れちゃってさ。そんでもう、本当にこのまま俺、
ダメになるって思ってたときに…………助けてくれたのが、中村先輩だったんだよ」
「!さっきの人が?」
「うん。そんな状態が三ヶ月も続いた頃にね、突然俺の部屋を訪れてきて。
俺がフラれたその人とも中村先輩は仲が良かったから、正直会いたくなくってさ。
居留守を使おうとしたらいきなりドアを蹴り飛ばして入ってきて。
ゴミだらけの中で死んだふりをしてた俺をいきなりぶん殴ったうえに、
『いい加減甘ったれるのは止めたら?もう起きる時間だろうが』って言ったんだよ」
「ほ、本当に、すごい人なんですね、中村さんって」
「はは、そうでしょ?それから俺をたたき起こして、町に連れ出してさ。
気付いたら中村先輩の知り合いの芸能事務所に連れてかれて、バイトさせられてたってわけ。
「はぁ……………で、今そこの会社で働いているんですか?」
「ううん、違うんだ。ま、そこの社長がすごく良い人でさ。最初はチラシ配りとか、
そんな仕事ばっかやってたんだけど。そのうち俺、スカウトの仕事をやってみたくなって。
ちょうど知り合いの事務所でスカウトを探してるから、って社長が今の事務所を紹介してくれたんだ」
「で、でも元引きこもりからスカウトって、大丈夫だったんですか?」
「あはは、そう思うよね?俺も最初は人の目を見るのもイヤだったのに、なんでって思ったんだけど。
でも事務所で働いているうちにさ、人と一緒に頑張るのって良いなって思えるようになったんだよ」
「………?」
「前の事務所の先輩がさ、自分でアイドルとかバンドを見つけてきて契約して、
その子たちと一緒に頑張って仕事をしてるのを見ててさ。そういうの、良いなあって。
なんていうか、そうだね、毎日が学園祭みたいな感じなんだよ」
「??学園祭」
「うん。ホラ、学園祭ってみんなで一緒に頑張って準備して、当日すげえ忙しかったりして、
でも終わった後、楽しかったりするじゃん?もちろん地味な仕事もいっぱいあるんだけど、
この仕事って毎日がそういう準備とお祭り当日みたいなところがあってさ」
「…………へえ」
素直に感心するアキ。しかし、ヒロキはひとしきり話した後、苦笑いを浮かべて、言った。
「………って、でもこんな話面白い?」
「面白い……って言ったら、井戸田さんに悪いですけど。でも、
すごく井戸田さんが真面目な人なんだってことは、わかりました。あの、作り話とかじゃ、無いですよね?」
「違う違う。こんな話、今までスカウトしてきた子どころか、ウチの事務所の誰にもしたことないよ。
あ~~あ、なんで俺、君にこんな情けない過去を話しちゃったんだろう」
気まずそうな表情のヒロキだが、アキは、むしろ。
「………井戸田さん?」
「あ、ゴメンね、矢野さん。やっぱキモかった?」
「あの。もう一回、考えさせてもらっても良いですか?」
「え?」
「決めたわけじゃないんですけど………私の………友達とも話したいんです」
「!!!良いよ!良いよ、全然OK!なんなら今度その友達の子と一緒に会おうか?」
「え?い、良いんですか?」
「もちろんだよ。だって中にはご両親と同席で話をしたいって子もいるくらいだからね」
「あの、私、親はまだ」


577:郭@出張帰
08/08/29 17:48:25 0nlBYPWB
「あ、それはそういう子もいるってことで。とにかく、いつでも連絡してよ」
(やった!脈有りじゃん、アキちゃん!)
スカウト失敗と思っていたヒロキだが、アキの言葉に心が躍るのを隠せなかった。
アキはそんなヒロキを微笑みながら見守っている。
(………わからないけど。でも、お祭りかぁ。私、お祭り好きだし)
その後、ふたりはアキの高校生活やその友人の話題でひとしきり盛り上がり、カフェを後にした。
「でも………良いんですか?私、おごってもらちゃって」
「あはは、大丈夫。これもスカウトにとっては必要経費だから」
「すいません。ごちそうになります」
(ま、ホントは自腹なんだけど………今日は、いっか)
なにせ今日はアキという久々の逸材に出会えたのだ。ヒロキは上機嫌だった。
「じゃあ、またね?って言っても良いんだよね?矢野さん」
「あ、はい。連絡は、します。今日は……色々、ありがとうございました、井戸田さん」
「うん、待ってる。それじゃ、気をつけてね」
駅までアキを送った後、彼女の後ろ姿が人混みのなかに吸いこまれていくのを見つめていた。
アキの背中が消えてしまったあと、ヒロキは――心の中に穴があいたような気持ちになっていた。
そういう気持ちになったのは、久しぶりだということに、気付いていた。
(…………アイさん)
写真も、メールも、全部捨てたはずだった。それでも、その携帯の画像だけは、消去できず。
しかし、あれから、見る勇気も無く、ただ保存してあった。
ヒロキは、なぜか、今日なら。あのことがあってから、初めて。
それを、見ることが出来るような気がして。
携帯を開いて、フォルダを。
(……………………)
ふたりで撮った、画像だった。そこには笑顔のふたりが、いた。
(女々しいかな、俺って)
久しぶりに見るその画像の自分は――せいぜい三年程度前のはずだが、随分と幼い感じがした。
そして、ヒロキの隣には混じりけのない笑顔のアイがいた。
(……………バカだな、俺)
携帯を閉じて、淡い後悔と共にそう思った。本当は、分っていた。まだ、彼女のことが好きな自分を。
それなのに、なぜ今、自分がそれを見る気になったのか。見ることができたのか。
それがとても不思議なことだと思いながら、ヒロキはしばし町の空を見上げていた。

「で?どうなの、アキちゃんは?」
「どうって………話だけは聞いたんだけど、えっと、まだ迷ってるっていうか」
「アキさんの場合はまずグラビアでしょうけど」
「………勝手に決めつけるなよ」
さて、舞台は変わって城島家では、今日のヒロキとのことをマナカナコンビに相談するアキの姿があった。
「怪しいスカウトとかじゃ、ないんだよね?アキちゃんの体目当てとかの」
「う~~ん、正直初めは疑ってたんだけど、そんな感じの人じゃなかったのよね」
「具体的にその井戸田って人はどんな感じの人だったんですか?」
「話しかけてきたときはチャラ男っぽい感じだな、って思ったんだけど。
でもなんていうか、話してみると人が良さそうっていうか」
「それが作戦とか?」
「やっぱり私、だまされてるのかな?」
“ガチャ”
「はい、どうぞ。お茶入ったよ」
「ねえねえお兄ちゃん、アキちゃんってすごいんだよ!」
「あ!こ、コラ、カナミ!」
「矢野ちゃんが、どうしたんだ?」
「実はですね、アキさんがタレント事務所にスカウトされたんですよ」
「へえ~~~すごいじゃん、矢野ちゃん」
「………そんな、すごくなんてないですよ」
顔を赤らめるアキの様子をニヤニヤしながら見ると、カナミはシンジの隣で耳打ちした。
「お兄ちゃんは、どうなの?」


578:郭@出張帰
08/08/29 17:49:34 0nlBYPWB
「ん?なにが?」
「アキちゃんが、グラビアアイドルとかになって水着とかきても平気?
きっとアキちゃんのことだから、すぐに人気が出ちゃうよ~~~~」
「!だ、だからカナミ、私別に決めた訳じゃ」
「はは、照れなくてもいいじゃん、矢野ちゃん。スカウトされたってのはやっぱすごい事だと思うし」
「…………シンジさんは」
「え?」
「私が、グラビアとかやっても………その、良いと思います?」
「えっと………そうだな、分らないけど、なんとなく嬉しいような恥ずかしいような気持ちになるかな。
だって妹の友達の子が水着で雑誌とか出るわけだもんね」
「…………そう、ですか」
微妙な表情のアキと、彼女の気持ちも知らず、のほほんとした様子のシンジ。
そんな二人を見ながら、マナカナコンビはひそひそと囁き合う。
「相変わらず鈍いですねえ、シンジさんは」
「女心ってのが分ってないよねえ………だからあの年まで童貞なんだよね」
「コラ。お前らなに言ってるんだ?」
「「な~~~んでも、ありませ~~~ん」」
(ふぅ…………)
三人のやりとりを見ながら、アキは内心溜息をつくのであった。
「ねえね、それはともかく。さっきマナカちゃんとも話したんだけどね。
どうせ付き添いで行くならみんなで行くってのはどう?アキちゃん」
「え?」
「私たちだけじゃなくて、ショーコさんや金城さんにも声をかけたいんですよ」
「ちょ、ちょっと待ってよ。そんな、大人数じゃ」
「アキちゃん、言っておくけど冷やかしとかじゃないよ?私たちだけじゃなくて、
ショーコちゃんやカオルちゃんにそのスカウトって人を見てもらって品定めするのも重要だと思うんだ」
「私たち全員を納得させることができるくらいの方なら、アキさんを任せても大丈夫だと思いますし」
「で、でも」
「ダメだよ、アキちゃん!」
「?なによ?」
「これは冗談じゃなくね。アキちゃんは私たちの大事な友達なんだから。
怖いスカウトにひっかかって、危ない目にあわせたくないの。いくら相手が変なことを考えていても、
1対5ならビビると思うし。あとね、もしものときのことを考えて、お兄ちゃんにも来て欲しいんだ」
「え?お、俺?」
「!シンジさんにまで、そんな」
「アキちゃん、備えておいて悪いってことはないんだから」
「カナミさんの言うとおりです。チンが一、ではなく万が一相手が実力行使にでたときのために、
シンジさんにも待機してもらっておけば万全です」
「だから、マナカ。井戸田さんはそんな悪い人じゃ」
「いいえ!アキさんにもしものことがあってはいけません!」
「いや、ま、どうせ暇だから俺は良いんだけど」
「…………すいません、シンジさん」
「それじゃ当日の作戦とか、私たちで考えておくからね♪」
「さ、作戦?」
「ええ。当日のことは私たちに任せて下さい」
(…………なんていうか)
(…………逆にすごく不安なんだけど)
顔を見合わせるアキとシンジだが、マナカナコンビは実に真剣な様子で。
「じゃ、おにいちゃん、アキちゃんを送ってあげて♪」
「へ?」
「そうですね、アキさんはデビュー前の大事な身なわけですから」
「あのさ、一応私もその作戦とか聞いておかなくて良いの?」
「いいえ。こういう場合、主役であるアキさんはむしろ何も知らない方が良いのです」
「そういうもんなのか?」
「ええ。シンジさんには後で作戦をお伝えしますが、アキさんは自然体でいて欲しいのです」


579:郭@出張帰
08/08/29 17:51:18 0nlBYPWB
「はぁ………ま、じゃ、任せるけどさ」
暴走特急状態のマナカナにすっかり諦めモードのアキは腰をあげてショルダーバッグを手にした。
「じゃあ送ってくよ、アキちゃん」
「あ、別にいいんですよ、シンジさん」
「いや、どうせスーパーで今日のおかずの材料買ってこないとだし」
「そうそう。今日は『エロリスト天国』の発売日だし」
「そっちのおかずじゃねーーーーーー!!!!!」

「あの………すいませんね、シンジさん」
「ん?いや、こっちこそゴメンね、矢野ちゃん。またどうもカナミが暴走してるみたいでさ」
いつもながらの城島家を後にしたアキとシンジは、夕暮れの町を歩いていた。
「カナミもマナカも私のことを真剣に心配してくれてるんだと思います。ただちょっとズレてるだけで」
「あはは、その通りなんだけど、ちょっとじゃ済まないことが多いから困るんだよね」
「ぷっ。そうなんですよね」
苦笑するシンジとアキ。それは、ふたりが散々経験してきたことで。
「でも、本当にすいません。なんだかシンジさんまで巻き込んじゃって」
「いや、俺だってアキちゃんを危ない目に遭わせたくはないからね。全然OKだよ」
「あの…………シンジさん?」
「?なに?」
「さっきも聞きましたけど……もしもですけど、私がタレントになったりしても、良いって………思います?」
「矢野ちゃんなら、大丈夫だと思うよ。しっかりしてるし、そこらのアイドルに負けないぐらい可愛いし、
スタイルもいいしさ。はは、本人の目の前でこんなこと言うのもなんかアレだけど」
「…………そんなこと」
「ま、カナミたちの言ってることもまんざらデタラメじゃないと思うよ。
矢野ちゃんも心配だろうけど、ショーコちゃんや金城ちゃんにも来てもらえば心強いだろうし」
「それは………確かに、そうなんですけど」
「あ。矢野ちゃん、見なよ」
「え?」
シンジの目線を追うアキ。そこには、夕暮れにぽっかりと浮かぶ、白い月があった。
「キレイだよね。夜のお月様も好きだけど、俺、こういう夕方のお月様も好きなんだ」
「私も、好きです。なんていうか、儚い感じがしますよね」
「儚い………そうだね。なんとなく、消えちゃいそうな感じがするよね。あ、もう矢野ちゃんちだね。それじゃ」
「あ、はい」
シンジは軽くアキに手を振ると、矢野家を後にしていった。その後ろ姿を――
「…………………」
アキは、少しだけ切ない気持ちで見送るのだった。
(………………意気地なし)
心の中で、そう呟いていた。
それが果たして今目の前から去っていった青年のことを指しているのか。
それともそれは自分のことを言っているのか。
自分の言葉にもかかわらず、それがアキには分らなかった。

「わ~~~い、アキちゃんの言うとおり、イケメンさんなんだね、井戸田さんって!」
「ふむふむ。確かに少々チャラ男っぽくはありますが、合格点ではありますね」
「あ、私はチョコパフェ追加でお願いしま~~す」
「ちょ、ちょっとショーコ、あんたいくらなんでも」
「いいじゃん。どうせこの場は会社持ちなんだろうし。金城も頼めば?部活帰りだから小腹空いてるっしょ?」
「え~~~~じゃ、私もフローズンヨーグルト」
「…………………すいません、井戸田さん」
「ははははははは…………は。良いんだけどさ」
日と舞台は変わってとあるファミレス――そこでは、予定通り思春期メンバーが勢揃いしており。
それはそれは、姦しいことこのうえない状況になってしまっていた。
女子高生パワーの前に完全に圧倒され、ヒロキは力無く笑うしかなくて。
(しかし…………別の意味で、すごいな)
しかし、ヒロキもただ圧倒されているわけではなかった。しっかりと、今日集まったメンバーを観察していた。


580:郭@出張帰
08/08/29 17:52:23 0nlBYPWB
(普通は可愛い子の友達っていうとその子よりはレベルが落ちるもんだけど、今日は打率十割じゃん。
アキちゃんの友達って、みんなすぐにデビューできそうなくらいな子ばっかだ)
クールビューティのショーコ、ネコ系美少女のマナカ、長身スレンダー美人のカオルと、
確かにアキの友人という子たちは皆タイプは違えど美少女ぞろいなのであった。
(でも俺的にはこの子かな、ちょっと声をかけてみたいのは)
中でもアキと一番仲の良さそうなカナミという少女が、ヒロキは気になっていた。
(もちろん他の子も可愛いんだけど、この子はなんていうか、素材の良さが際だってるな)
くりっと大きな瞳が印象的な正統派美少女だが、表情にはどこか悪戯っぽさがあり、
それがなんとも男心をくすぐる感じだった。
「ホラ、カナミさん。井戸田さんが獣のような目であなたを見ていますよ。気をつけないと」
「!!!ちちちち、違うって!」
「きゃ~~!ねえねえアキちゃん、私もアキちゃんと一緒にAVデビューが決まりそうだよ!」
「そんなもんにデビューせんわああああああ!!!!」
「あのねえ…………」
(しかし………なんかこの子からはシホの匂いがするのが気になるんだが)
微妙にイヤな予感のするヒロキだが、このままグダグダモードでいるわけにもいかず、話を切り出した。
「まあ、友達も連れてきてよって言ったのは俺だから、別に良いんだけど。
改めてみんなにも自己紹介しておくよ。俺の名前は井戸田ヒロキ。
レイ・プリンセス事務所でスカウト兼トリプルブッキングのマネージャーをやってます」
「え!」
「井戸田さんってTBのマネージャーだったんですか!」
「アレ?このこと話してなかったの?矢野さん」
「あ、そう言えばみんなに話してなかったかも」
「ええ~~~早く言ってよ、アキちゃん!私シホちゃんの大ファンなんだよ!」
「私もカルナちゃんのファンなんだ!ウチの学校でも人気あるんだから」
「でも、それは本当なんですか?」
「ん~~っと、そうだな…………これで証拠になる?」
そう言うと、ヒロキは携帯の待受画像を5人の前に見せた。そこには。
「!わあ!」
「すごい、ホンモノだ!」
「確かにこれを見せられては否定できませんね」
「ていうか、なんだか井戸田さん、これって」
「言わないでよ。俺だって気に入ってるわけじゃないんだから。あの子たちがこれを待受にしろって言うから」
その画像では、シホとカルナがヒロキの両腕に抱きつき、
さらにユーリがヒロキに肩車され、三人とも笑顔で――もとい、
カルナだけは例のしかめっ面で、ピースサインをしていた。
「ふ~~ん、仲が良いんですね、マネージャーとタレントって」
「仲が良いっていうか、これはウチのHP用にいろいろ写真を撮っていたときの試しカットでさ。
なぜか三人ともこれを気に入って、で、無理矢理PCから落して待受にされたってわけなんだけど」
「でも良い笑顔ですよ、シホちゃんもユーリちゃんも。カルナちゃんはちょっと違うけど」
「カルナちゃんって普段はこんな感じなんだよ。悪気は無いんだけどね」
「へえ~~、でもマジだったんですね」
4人の空気が一気に変わったのを感じたヒロキは、ここぞとばかりに畳みかける。
「じゃ、俺が本物のスカウトだって信じてもらえたみたいなんで、本題に入らさせてもらうよ。
え~~っと、みんな矢野さんと同じ高校の友達なのかな?」
「私だけ違いますけど」
「金城さんだけ別なんだ?ま、それはおいといて。ここでもし矢野さんにOKをもらっても、
それですぐにデビューってわけじゃないんだ。矢野さんのご両親にも挨拶をさせてもらって
許可をとらないといけないし、学生の場合は学校にも話を通さないといけない。
一応俺も調べさせてもらったけど、小笠原高校は公立高校だよね?」
「あ、はい」
「そんなに厳しい学校じゃないようだから大丈夫だと思うけど、学校側からダメ出しされる場合だってある。
そういう場合は、その子が学校を卒業するまで待って契約するってこともあるんだよね」
「へえ………意外に真面目というか」
「キチンとしてるんですね」


581:郭@出張帰
08/08/29 17:53:57 0nlBYPWB
「はは、芸能界ってすごく適当なトコロに思われてるけど、一人の社会人としてプロ契約するわけだからね。
その子の周りにも筋を通さないと、後々トラブルになることだってあるし。
ウチはそんな大手じゃないけど、そのあたりはキチンとしてもらってるんだ」
「はあ~~~すごい世界に行くことになるんだね、アキは」
「あのね、だからまだ決めた訳じゃ」
「でも聞いている限りではしっかりした話のようですし」
「アキちゃんの言うとおり、井戸田さんも変な人じゃないみたいだし」
「こ、コラ、カナミ!」
「あはは、ま、良いって。そう言うわけだから、もし矢野さんが今日OKしてくれたら、
次はウチの事務所で社長と話をしてもらって、納得してもらえればご両親に挨拶って感じかな。
とりあえずこんな感じなんだけど、他になにか質問はあるかな?」
「え~~っと、ぶっちゃけアキはいくらくらい貰えるんですか?」
「あのねえ、ショーコ。アンタ、ぶっちゃけすぎ」
「でもそれも重要な話だよね。がっかりさせるみたいだけど、最初はアルバイト程度の金額になると思うよ」
「え~~~そんな~~~、アキちゃんが体を張って頑張ってるのに………」
「まだ張っとらんわぁぁぁ!!」
「初めはね、雑誌のエキストラモデルとか、そんな地味な仕事をコツコツこなすしかないんだ。
そういう歩合給にプラス基本給なんだけど、それだけだと普通のOLさんくらいの収入にしかならないよ。
ある程度人気が出て声がかかるようになればそれなりの収入にはなるけど」
「それでも高校生にしたら、結構な額なのではないですか?」
「うん、でも普通のバイトよりはマシってくらいかな?トリプルブッキングだっていきなり売れたわけじゃなくて、
最初の頃の仕事は地方の小さなイベントとかばっかりだったしね」
「はぁ…………芸能界も大変なんだね」
「ただ、そうした期間も暇なわけじゃないよ。芝居とかダンスとか歌のレッスンを受けてもらって、
その子の適正を見ないといけないし」
「え!」
「そんなこともするんですか?」
「もちろん本人が希望すればだけどね。小池マイちゃんなんかも初めはグラビアだったけど、
芝居の方に元々興味があった子だからそっちのレッスンを増やしていって、
今は完全にドラマ方向にシフトしている訳だし」
「小池マイも同じ事務所なんだ!」
「あの子キラ~~~イ!裏表あるって噂だし」
「男女関係の醜聞が絶えない人でもありますね」
「あはは………こりゃ手厳しいな。そんなに悪い子じゃあ無いんだけどね。
ま、それはともかく。俺の考えとしては矢野さんの場合、初めはモデルとかをこなしてもらって、
それから矢野さん自身の希望や適正を見ながら次のステップを決めていくって感じかな」
「へ~~~え、時間がかかるんですね」
「ん、まあね。一人のタレント育てるのには結構な時間とお金がかかるのが実際の話なんだよ」
「でもこう見えてアキさんは歌も結構お上手ですし」
「運動神経も悪くないよね?」
「それになんといっても………うう………巨乳だし」
「おまけに処女だし」
「頼むからそういうことをこういう場所で言わないでよ、ショーコ」
ショーコの発言に顔を真っ赤にして慌てるアキだが。
(ていうか今否定しなかったよな?し、処女なんだ、アキちゃん?)
ヒロキは思わず飲みかけのコーヒーを吹き出しそうになっていた。
「で、さあ。アキちゃん、ここまで井戸田さんにも説明してもらったわけだし。アキちゃんとしては、どうなの?」
「え?」
「そうですね。アキさん自身のお気持ちをそろそろ聞いてみたいといいますか」
「私も、アキがどうしたいのか聞いてみたい。どうなの?」
友人達に促され、言葉につまるアキだが――ゆっくりと、話し始めた。
「マナカみたいに将来やりたい夢も特にないわけだし、とりあえず進学できればって考えていたくらいだし。
そういう仕事が………自分に向いているかどうかも分かんないけど、
でもやってみても良いかな、って思ってるのが本当の気持ち、なんだけど………」
「ほ、本当?矢野さん」


582:郭@出張帰
08/08/29 17:55:27 0nlBYPWB
アキ×タカトシ、今回は以上。続いてミサキ×マサヒコ、ほんのさわりですが投下。

583:郭@出張帰
08/08/29 17:56:09 0nlBYPWB
「お?よ~~~っす、ミサキじゃん」
「あ!中村先生!」
場所は東が丘駅前のとある大型書店のレジ、ときは晩夏の昼下がり――
天野ミサキと中村リョーコは、偶然の出会いを喜んでいた。
「メールだけはしょっちゅうだったけど」
「会うのは久しぶりですもんね。わぁ………嬉しいです」
「なはは、そんな風に喜ばれるのもアレなんだけどね。あ、そっか。ミサキも夏休みか」
「はい。平日にここにいるってことは、中村先生もお休みなんですか?」
「そ。ま、今日は休日出勤の代休なんだけど」
「やっぱり、忙しいんですね」
「まあまあ、そんな顔しないでよ。社会人ともなれば、それなりにね。それはともかくさ。
久しぶりに会ったんだし、ちょっとお茶しない?」
「あ!はい!」
「へへ、ミサキをナンパしちゃった♪」
「?な、ナンパって、中村先生?」
「だってさっきの私の誘い方さ、いかにもって感じだったじゃん。あはは」
「もう………相変わらずですね!」
苦笑気味のミサキと笑顔のリョーコは、駅前のスターバックスへと足を運ぶのだった。
「へぇ~~~、しかし金本先生まだ独身なんだ?」
「あ、はい。あんなにキレイで優しいのに不思議ですよね」
「うん、ウチらの頃も生徒に人気があったし、絶対モテるはずなのになんで?って言ってたんだけど」
学生生活の話に花が咲くリョーコとミサキ。歳こそ離れてはいるが、
このふたりは同じ高校の先輩と後輩であり自然と共通の話題も多い。
元はと言えばリョーコは的山リンコの家庭教師であり、
ミサキはそのリンコの友人にしか過ぎないという関係だったはずなのだが、
その後読者ご承知のとおり、ミサキの思い人である小久保マサヒコとリョーコの後輩である濱中アイを通して
ふたりもいつの間にか親しくなり――中学卒業後の現在でも、
頻繁にメールのやりとりをする仲になっていた。
「ところでさ?ミサキ。どう?マサとは、順調?」
「!あの………はい、おかげさまで、はい」
突然話題を振られてちょっとしどろもどろになってしまうミサキだが、
リョーコは意外にもふざけた表情ではなかった。
「うん、なら良いんだけど。ゴメンね?あの後直接そういうことに触れたメールがこなかったから、
逆に気になっちゃって。順調ならそれで良いし、話したくなければそれも別に良いんだけど」
「…………………」
リョーコの話を聞きながら――無言で、ストローを啜るミサキ。
その表情は、むしろ言葉よりも饒舌に彼女の心情を語っていた。
それくらいのことが分らぬリョーコではなかったが、少し無言でいることにした。
(別に………からかう気も、意地悪してる気もないんだけどさ)
こう見えてリョーコは姉御肌というか、自分を頼ってくる人間を放っておけないタイプである。
ミサキからのあのメールに対しても、普段のエロボケを封印して誠心誠意答えた、つもりだった。
「あの………中村先生。本当は、相談しようかどうか、迷ってたことが、あるんです」
たっぷり3分ほども沈黙が続いただろうか。ようやく決意したのか、ミサキが言葉を発した。
「今日は別に暇あるから聞いたげるけど?なに?」
「………ちょっと、そういう話だから、えっと」
「あ~~、そうね。んじゃ、私の部屋に来る?」
「え?良いんですか?」
「こういう女子トークってのも久しぶりだしね。午前中に掃除したけどまだちょっと片づいてなくて良ければ」
「すいませんけど………中村先生がよろしかったら」
「ん、OK。じゃ、行こうか?」
「はい………あ!そんな、支払いくらい」
「良いって良いって。社会人になってから使うところもないし、こんくらい奢らせないさいって」
「………あの、すいません」
「ミサキ?」
「は、はい?」


584:郭@出張帰
08/08/29 17:57:34 0nlBYPWB
「そういうときは、ありがとう、で良いのよ?」
「はい!ありがとうございます!」
「うん、OK」
にっこりと笑顔になると、リョーコが伝票を手に席をたつ。
彼女の背中を見つめながら、ミサキはその後を追うのであった。

「はいよ、ミサキ。パックの紅茶くらいしかなくて悪いけど」
「そんな、全然」
「で、単刀直入に聞くけど、マサとの間でなにがあったわけ?初体験は、上手くいったんだよね?」
「!…………あの。はい」
ミサキが頬を赤く染めてリョーコの言葉に肯う。
「相談されたから一応確認させてもらうけど、避妊はキチンとしてくれた?」
「大丈夫です。マサちゃんもしないとダメだって自分から言ってましたから」
「うん、そのあたりはマサらしいね。初体験だと特に流れでしちゃうことが多いから。
妊娠の危険も高くなるし、本当は初体験こそしっかり避妊しないといけないんだけどね」
「はい。最初中村先生にあれを渡されたときはびっくりしましたけど………」
「おせっかいだとは思ったんだけどね」
「いつもの冗談だと思ったんです。でも、中村先生すごく真剣だったから」
「アンタ達の場合はお互いが好きあってるのは分ってたし、そうなるのも時間の問題だと思ってたから。
なおさら初めてで悲しい目にあって欲しくなくってさ。あはは、なんだかガラにもないことしちゃったけど」
「いいえ、本当にありがとございました」
ぺこり、とミサキが頭を下げる。少女の金色のつむじを、照れくさそうに中村は見つめていた。
「ズバリ聞くけど、じゃ、アンタの悩みはなんなの?マサが冷たくなったとか?
マサがからだばっかり求めてくるとか?変な体位でしたがるとか?」
「そんなことは、ないんです。マサちゃんは優しいし、変なことをしようなんてしないし。
あの………むしろ、その逆っていうか」
「?逆」
「私、マサちゃんが分からないっていうか………優しいのは良いんですけど、
私からしようって言わないと全然そういう素振りもみせないし。それに………あの」
「ま~~マサって元々淡泊な方だからなんとなく想像はできるけど」
「中村先生はするとき、声って出ます?」
「p:♯*???はぁ???」
「私はすごく声が出ちゃうんですけど、マサちゃんは全然声を出さないんです。
するときもすごく冷静だし。私なんて恥ずかしいくらい乱れちゃうのに。もしかしたら、
気持ち良いのは私だけで、マサちゃんは気持ち良くないのかなあって思っちゃうんです」
「あ、あのねえ、ミサキ」
「中村先生にしかこんなこと聞けないんですけど……男の人って、あんな風なんですか?
それともマサちゃんやっぱり………」
(これは…………しかし)
性の猛者・リョーコも爆弾発言連発のミサキにさすがに呆れてしまっていた。
恋愛に対して少女的な幻想を抱いている感のあったミサキだが、
マサヒコとの初恋が実り初体験までを順調に経過した結果、
どうもその幻想が妙な方向へと向いてしまったようだ。
(う~~~ん、だったら他の男としてみれば、とも言えないわよね)
真剣に思い詰めた表情のミサキにからかう気も失せたリョーコは、慰めるように言った。
「まあさ。あくまで私の経験だけど、男ってあんま声出さないと思うわよ。
それにアレって女の方が痛みも快楽も男よりずっと上だって言うし」
「でも、男の人ってしてるときにあんな悲しそうっていうか、切なさそうな顔になるんですか?」
「ん~~~それは多分、出すのを我慢してる表情じゃないかな」
「そうなんですか………」
「それにねえ、ミサキ。まあアンタの性格を考えたらちょっと難しいかもしれないけど。
直接マサに聞いてみるってのも手だよ?本当に信頼しあうパートナーになりたいならさ、
そういうことをふたりで相談し合うことも大切なことだと」
「聞いてるんです。でも、マサちゃん、『気持ち良かったから、大丈夫』って言ってくれるんですけど、でも」
(はぁぁぁぁ………この子のば~~い、これが惚気じゃないから困るのよね)


585:郭@出張帰
08/08/29 17:58:27 0nlBYPWB
ミサキの暴走状態に珍しくまともな回答を返し続けているリョーコだが、
相手がその上をいってしまうのだから始末に負えなかった。
「まあ、さ。高校も別になったし、マサと一緒にいる時間も少なくなっただろうから、
不安になるのも分からないじゃないけど。アイツを信用しなさいって」
「信用は、してるんです。でも………」
ミサキの様子を見ながら、リョーコは彼女が抱えるもうひとつの不安を見抜いていた。
(マサは浮気なんてするタイプじゃないけどね。でもこの子が不安になるのもちょっと分かるかな)
中学三年の頃から背が伸び始め、徐々に少年の面影が消えて男っぽくなってきていたマサヒコ。
ミサキの恋愛フィルターを抜きにしても、彼が魅力的な青年へと成長しつつあるのは中村も認めるところで。
(マサは性格も良いし、顔も良いわけだしね。リンも言ってたけど、学校でも人気あるみたいだし)
「だってマサはミサキのこと、大切にしてくれてんでしょ?それに不満はないんでしょ?」
「それは、そうですけど。でもやっぱり不安になるんです。
私とマサちゃんじゃ、本当は釣り合わないんじゃないかとか思っちゃって」
「お世辞を言うつもりもないけどさ。ミサキだって十分可愛いと思うよ?」
「………私なんて、可愛くないです。今だってマサちゃんのこと疑うようなこと言ってるし、
若田部さんみたいに美人でスタイルが良いわけでもないし」
それだけ言うと下を向いて沈黙してしまうミサキ。
リョーコはポリポリと頭を掻きながら、言葉を探すしかなかった。
(う~~~~ん。なんていうかなぁ。そういうわけか)
もともとミサキに自分を卑下する癖があるということは、リョーコも承知していた。
しかし、今のミサキの心にはそれ以外にも──
友人である若田部アヤナの存在が、小さな影を落としているようだった。
(アメリカに行く前にアヤナがマサヒコのことを嫌いじゃないって言ったっていうのを、
ま~~だ気にしてるわけね、この子は)
そのことは、ミサキからもアヤナからも聞いていた。
それはアヤナなりのミサキへの励ましであり、友情だったとリョーコは思っていたのだが。
どうもミサキはリョーコと違う風にとらえているようだった。
(でもミサキだって本当に可愛い子だと、私は思うんだけどな)
高校に入ってから大人びてきたのはマサヒコだけではない。
ミサキも幼さが消えはじめ、少しずつ大人びた女性としての魅力が備わりはじめていた。
顔立ちはもともと美少女然としたアイドル顔だったのだし、
細かっただけのからだもどこか丸みを帯びた女性的な肉体に変化しつつあるように見えた。
(セックスを経験すると女は変わるって言うけど、ミサキも………あ、もしかしてこの子は?)
ふと、気がついた。なぜ、こんなにもミサキがマサヒコとのセックスにこだわるのかを。
(自分に自信がないから、相手の男にせめてセックスで満足して欲しいって思っちゃって、
だけど満足してないって勝手に思いこんで不安になってるわけ?
あちゃあ~~~それって一番ダメになるパターンじゃん)
肉体の対価として心を縛り付けようとするのは、恋愛で一番失敗しやすい例である。
恥ずかしながらリョーコにも、そうした時期が無かったわけではない。
(う~~~ん、これは案外根が深いかも)
らしくなく、考え込んでしまうリョーコ。彼女のそんな様子を見て、少女は申し訳なさそうな声を出す。
「すいません、中村先生。変なこと相談しちゃって」
「ううん、いいんだけどね。ねえ、ミサキ?ここまで話したから、ぶっちゃけ聞いちゃうけど。
マサとのセックスで、アンタは気持ち良いんだよね?」
「あ!………はい。それは、ホントです。でも、私だけ気持ち良いのが」
「ストップ!それは、良いから。てことは、マサが気持ち良くなってくれてるかだけが気になるんだよね?」
「………はい」
「そっか。でもねえ~~~私がアンタたちのしてるところを見るとかしない限り、
マサが本当に気持ち良くなってるかなんて、分からないからねえ」
「それ、お願いしても良いですか?」
「へ?」
「中村先生に、見て欲しいんです。私たちが、してるところを」
「ちょ、ちょっとミサキ?」
「こんなことを頼めるのは中村先生しかいないんです。私たちのセックスが大丈夫なのか、
マサちゃんが気持ち良くなってくれてるのか、見てくれませんか?」


586:郭@出張帰
08/08/29 17:59:52 0nlBYPWB
以上、今回は2編とも寸止めでしたが次回はなんとか。
では股。

587:郭@携帯
08/08/29 19:43:16 Kq0qgahg
あ、さっそく気付いた。
タカトシじゃなくアキ×ヒロキでしたね。失礼ぶっこきました!

588:名無しさん@ピンキー
08/08/30 00:10:12 5vQPSIEC
郭氏夫婦乙です

ヒロキが好きだった人=アイ=アイが好きな人=マサヒコですかな?

589:名無しさん@ピンキー
08/08/30 07:37:44 tCoUfCCc
郭氏キタ━━━━━━!!
GJ&乙!

590:Y-275
08/08/30 13:35:00 oaHwTYw/
住人、職人、保管庫管理人の皆さんこんにちは。
前回投下の続きもの、シノ目線でのSS投下します。
スルー対象ワードは

『エロゲー』
『展開強引』



591:Y-275
08/08/30 13:36:22 oaHwTYw/

『早くしないと私とスズちゃんで津田くんのこと独占しちゃうよ?』

先日アリアに言われたことを思い出す。

1学期。私は自身の思いを、戸惑いを親友の彼女に相談した。
彼女は手助けをしてくれると確かに告げてくれた。
はずだったのだが気付けば津田とアリアは…

考えるだけで私の胸は張り裂けそうになる。
別にアリアのことを恨んではいない。
むしろ、『大切なことはヤリたいときにヤること。』などと言う言葉を振りかざし、積極的に私と津田に関係を結ばせたがる。
きっと、彼女は悪気はないだろう。
そして、彼女なりに私の背中を押してくれているということなのだと思う。
しかし、だからこそ戸惑ってしまう。

そう頭に考えを巡らせながら私は何気なくPCのモニターの選択肢をクリックする。
画面は切り替わり、私がお気に入りのヒロインのルートへと話は流れていく。
相手を一途に思いやり。
主人公と共に成長していく少女。
どこか甘酸っぱくて、切なくて、でも、そんな日々の中で輝く彼女は凄く可愛くて…
そんな彼女を思う主人公の思いに私は憧れを抱いた。
私もこんな風に思ってもらえたら…
そう思い、画面を流れる文章を読む。
造られた物語は進行していく。現実に生きる私達のように。

私が心から欲しているのはこのゲームのような心温まる純愛。
その昔ジャケ買いして後悔した所謂抜きゲーのような展開ではない。

しかしながら現実はどうも私の望みなど叶えてくれるような意志はなさそうだ。
私の好きな人はハーレムルートへのフラグを立てることにかけて天賦の才を発揮するらしい。
それでもこの想いは変わらない。今日も溢れ出して私を満たしていく。
アリアの言うように気軽に関係を結べるのならば苦労などしない。

………………………………

592:Y-275
08/08/30 13:38:09 oaHwTYw/
『さて、今日も会議始めていくぞ。』

最近の生徒会室の空気は正直言って微妙だ。
というよりあまりよろしくない。
アリアは相変わらず微笑みが多い。津田はなんだか落ち着かずそわそわと。萩村はむっつりと黙り込んでいる。
このような空気になってしまっている理由を私は把握している。逐一アリアが報告してくれるからな。
だからこそ私の心も陰ってしまう。
私は一つため息を吐き出す。
それでも会議は進行し、雑務も行う頃になるとそれぞれがそれぞれの仕事をこなしていく。
なのだから私もそれに習い書類の入った段ボールを持ち上げ…
きれずに私はバランスを崩した。

"グキッ"

耳からは一番遠い場所からのはずなのに強く自覚できる嫌な音と強烈な痛みが走る。

『…いっつ…』

『大丈夫ですか?会長!?』

津田が駆け寄ってくる。

『あ、ああ…』

私は生返事を返す。

『全然大丈夫そうじゃないですね…七条先輩、会長を保健室に連れていって良いですか?』

『そうね。私達はそれぞれの仕事があるし、津田くんお願いできるかしら?』

『はい!』

そういって、私の肩を抱く津田。
思わずドキリと胸が高鳴る。
生徒会室からの去り際ふと振り返って見たアリアはウィンクをしていた。

………………………………

『ただの捻挫っぽいですね。』

津田が私の足を冷やしながら呟く。その手際の良さはかなりのものだ。
それにしても校医が普通にいないとは思いもしなかった。おかげでこうして津田が私の怪我を見てくれているのだが…

593:Y-275
08/08/30 13:39:24 oaHwTYw/
『手慣れた物だな。』

津田が先程から私の足に触れるのがくすぐったくて私は言う。

『中学時代はサッカー部でしょっちゅう捻挫してましたからね。』

『いや、女性の身体に触れるのがなんだが…』

『ええ~~…なにそれ』

『まぁ、冗談だ。ありがとうな、津田。』

私のおふざけにもきちんと答えてくれる。
おかげでいくらかは私の緊張も解れるというものだ。
だからこそ、こいつとの距離感は心地が良い。それに、

『はい、これで処置は完了ですよ。』

黙々とすべき事はきちんと行う津田は頼りになる。
だからこそ、気付けば私はこいつが好きになったのだ。
本来ならば生徒会長という立場上校則違反など、あってはならないこと。
だからこそ、自分を厳しく律して来た。

『ほんとにありがとうな…』

自らの思考の流れの中で強く津田を意識してしまった為か、まともに津田の顔を見ながら言うことが出来ない。

『大丈夫ですか?』

そんな私に津田が問い掛けてくる。

『なにがだ?』

『いや、最近ずっと元気なさ気なんで。』

ふむ、どうやら、津田なりに感じるものはあったらしいな。
だが、事の原因が自分であるということに気づかないのは鈍感というかなんというか…

『まぁ、少々考え事をな。』

私は短く息を吐き出す。

『だから普段の会長にしてはらしくない怪我をしたんですか。』

らしくない…か、確かに最近はそうとられても仕方が無い気がする。
しかし、私とて完璧なわけではない。
恋だってするし、自分の体型にコンプレックスだって抱く。
私だって一人の女子高生なのだ。

594:Y-275
08/08/30 13:40:44 oaHwTYw/

『言って気が楽になるなら言ってくださいね。解決は出来無くても、力になれるよう努力ぐらいはしますよ。』

本人にその気は無くとも、こんなだから私は心配せざるを得ないのだ。
基本的には良い奴で、何気なく周りに気を配れる。
だからこそ、アリアや萩村は…
そして、彼女達は既に一歩先に踏み出していて、津田には十分に意識されている。

『それなら、私の話を聞いてくれるな。』

『はい。』

そんな状況が悔しくて、腹立たしくて、自分の意識とは関係無しに言葉は溢れ出していく。

『どうやら、私は恋をしてしまったらしい。そいつは凄く優しくて、気もきく。そんなだからライバルは多い。』

『はい。』

短く津田が相槌をつく。
それを受けて私は続ける。

『既に2人ほどと関係を結ぶ直前までは行ったらしい。』

『はぁ…』

『それ以来、その2人の変化と、そして、彼女達を意識してそわそわとしているそいつが嫌でも目につくわけだ。』

『…………』

もう、津田は何も答えない。いくら鈍くてもここまでいえば思い当たるのだろう。
だから思い切って私は直接的に告げる。

『私は津田、お前に恋をしてしまったんだ。』

『…………』

なおも津田は何も答えない。

『もうここまで言ってしまったのだ、お前の気持ちを聞かせてもらおう。』

………………………………

『俺は…』

歯切れ悪く津田はそれだけを呟く。

『………………』

私は無言で津田の顔を覗き込む。

『2人にシてもらったことは、いずれちゃんとしようと思ってます。』

声を掠れさせながら津田は呟く。

595:Y-275
08/08/30 13:42:00 oaHwTYw/

『なんて言うんでしょう、2人とは確かにそういう事はしましたけど、ここまでストレートに言われたのは初めてで、どう答えたものなのか…』

『ふむ。』

私は一つ相槌をつく。津田の戸惑いもよく分かる。
同時に煮え切らない津田を見ているとアリアの言った事もなんとなく理解できる気がする。
『ヤリたいときにヤること。』つまりは難しく考えるよりかは先に進んでしまえということか。
なるほどな。と私は思う。
それならば、この場で津田の返事を待つことよりも直接津田の身体に問いかけてしまう方が早い。
それで、事に及べるのであれば、津田の心の中に少なからず、私の居場所はある。

『津田。』

『はい?』

私は津田に呼び掛けると首に腕を回していく。

『ちょっと、会長!?』

『津田は私とシたいか?』

一言だけ呟くと、目を閉じて、津田に何も言わせまいと私は津田に唇を押し付ける。
そのまま舌で津田の唇をこじ開け侵入すると、自らの舌で津田の舌を絡め取り、しばらく感触を味わっていく。

『ぷは…』

息が苦しくなって、私は唇を離す。
頭が呆けて来ているのが自覚できる。
そのまま首に回していた手を津田の背中に回すと津田を巻き込みながら腰掛けていたベッドへと倒れ込む。

『会長?でも、俺、2人と…』

津田の言いたい事は解る。

『構わないさ。理解した上で私は津田に抱かれたいと思う。津田の事が好きだから。津田の気持ちを知りたいから。嫌か?』

596:Y-275
08/08/30 13:43:41 oaHwTYw/

すぐ側にある津田の瞳を見据えながら私は津田に問いかける。

『…嫌じゃないです。』

『そうか。』

まだ若干の戸惑いの色を見せながら、津田は私の制服へと手を伸ばしていく。
前を開き、スカートを捲りあげる。
ブラを押し上げ、ショーツをさげていく。

『妙に手慣れてないか?』

『そうすかね?』

『やっぱり、津田はエロいな。』

『否定は出来ないです。』

まぁ、それはそうだろうな。実際にここまでしておいて否定も何もないだろう。

『それじゃあ、会長しますね?』

『あぁ、初めてだから優しく頼む。それと…下の名前で呼んではくれないだろうか?』

もうこれから事に及ぶ、既に素肌を晒した状況なのに、何でこういうことを言うときは恥ずかしいのだろうな。

『わかりました、シノ。出来る限り優しくします。これで良いですか?』

『シノ』下の名前で呼ばれることはなんと甘美なのだろう。
私はうっとりとしてしまう。

『あぁ、頼むぞ、タカトシ。』

だから、少しでも津田…タカトシも私と同じ気持ちになってくれれば良い。
そう思い私は彼の名前を呼んだ。
………………………………

津田は丁寧に私の身体にキスの雨を降らせていく。

その度に私は、

『んっ、くっ、はっ…』

等と短い息を漏らしていく。
タカトシの唇は肩、肩甲骨を中心に時には耳や、首筋、うなじなど私の弱いところを中心に動き回っていく。
手の平も私の太ももや下腹部等かなりぎりぎりの所を撫で回すように動き回る。
正直言ってかなりの快感を私に与えてくるのは確かで、気を抜くと

『ん、あっ、あん…』

自分でも驚くほど艶やかな声を上げてしまう。
私の身体はこんなに敏感だっただろうか?
相手がタカトシだから。
私はそう思い込むことにする。
正直言って思考は快感の波にのまれつつある。

『ん、あっ、ん、タカトシ、もっと…』

597:Y-275
08/08/30 13:45:27 oaHwTYw/

呆け始めた頭ははしたなくもさらにタカトシを求めていく。
それに答えタカトシの愛撫にも熱がこもってくるのがよく解る。

『んあっ、…ん、ふっ…あぁ』

熱のこもりはじめたタカトシの愛撫に私は声をあげていく。

『ん!あっ、あぁっ、ふっ!!』

そんな私の反応に気をよくしたのか、タカトシが直に私の胸に触れはじめる。
思わず、びっくりしたような声を私はあげてしまう。
ただ、肌を撫でられていた時とは違う、身体に熱を与えてくるような快感が私を飲み込んでいく。

『ふっ、んんっ、あっ、…ん、あ、タカ…トシ…』

そんな快感を堪えきれなくなり私はタカトシの名前を呼ぶ。
タカトシは私の呼びかけに答えるようにあいた手で私の手を握るとキスをしてくる。

『んあっ…ふっ、んん、…んっ、ちゅっ、むう、ふぁぁ』

私の心が満たされていくのがはっきりと解る。
快感の中で不安げに揺れていた私の心はこの行為でとろとろに溶かされていく。
この人に身を任せても大丈夫。
この人から与えられる快感になら身を任せても大丈夫。
本気でそう思えた。

………………………………

『それじゃ、俺、そろそろ…』

私の身体の隅々まで、愛撫したのち、タカトシは告げてくる。
愛撫に身を委ね、嬌声をあげ、
膣に指を挿れられ、異物感に苛まれながらも、優しくキスをしてくれたタカトシのおかげでそれは快感になった。
恥ずかしくも私の膣は既に愛液でしとどに濡れそぼっている。

598:Y-275
08/08/30 13:46:25 oaHwTYw/

『あぁ、良いぞ…でも、』

私は一度言うのをためらってしまう。
それでも口から出かかった言葉をもう一度飲み込むことなど不可能に近い。
ましてや後は本番だけと火照りきった身体とその熱に呆けたこの頭では。

『…もう一度、抱きしめて、もう一度、キスをして、もう一度、名前を呼んで…』

もう一度、安心が欲しかった。
確かにタカトシの中に私はいるから、身を任せても大丈夫だという安心が。
それとともに身体だけでなく、心までも満たしていく、あの甘美な快感が欲しかった。

『わかりました。シノ…』

『ちゅっ、んっ、ふっ、んっ…』

敬語なのに呼び捨て。
物凄く違和感があるはずなのに、私の心には安心が広がっていく。

『それじゃ…』

『挿れて…』

唇を離したタカトシが告げるよりも先に私は言う。
その言葉にタカトシは一つ頷くと私を抱きしめたまま、ゆっくりと膣に体重をかけてくる。
"ズズッ"
丹念な前戯の甲斐があってか、挿入されるペニスが愛液と音を立てているのが良く解る。
幸い痛みは無い。ただただ、膣内は熱を伝えてくる。
その熱が自身の物なのか、タカトシの物なのか等と考える余裕は無い。
考える必要も無いと思う。
このまま、2人の熱が混ざり合ってしまえば良い。

『シノ…』

ふと呼ばれた声に私は目を開く。
目を閉じ、膣から血を流す私は相当痛々しかったらしく、タカトシはペニスを全て挿入した後、動き出さずに、ただ、ただ、抱きしめて待っていてくれた。

599:Y-275
08/08/30 13:47:20 oaHwTYw/

『…ん、あっ、あぁ、大丈夫だ。動いても。幸い…ん、熱いだけで、あ、ん、痛みはほとんど無い…』

声を出してみて私は驚く。
痛みが無いことに嘘はない。
ただ、異物感に私の声は自然と掠れる。

『わかりました。でも、キツかったら言ってくださいね。』

そう言って、タカトシは唇を合わせてくれる。
それだけで充分だった。
"ズズッ、ズッ、ズッ…"
室内に響くくぐもった、どこか粘着質な水音とともにタカトシが腰を動かしていく。

『あっ、んっ、はあっ…!ふあっ、ん、ん、あ、つッ……!』

私の膣に鈍い痺れと熱が広がっていく。

『あっ…あっ、ん、ふ、はぁ、ん…』

やがてそれは疼きへと変わり…
"ズチュ、グッ、ズッ、ズチュ…"

『あ、あっ!ん、は…はぁ、ん!あっ…』

快感へと変わっていく。

『ん!あっ、あっ、はっ!ん、あぁぁ!タカトシ、ん!…はっ、もっ…と!!』

その快感が私を飲み込んで、私は先をねだる。
やがて、タカトシのピストンは力強い物へと変化していき、再奥の膣口を叩いていく。

『ふああぁぁぁっ!!んっ!ふっ、それ…良い!!っあ、ふ、ん、ああぁぁ…』

自分でもはしたない声だなと思う。
それでも、快感の前に追い詰められている自分自身にはこれが限界なのだ。

『あっ、あぁぁぁ、ん、あっ、ふぁ…ん!あぁぁぁぁ!!ん………!!』

嬌声が室内に響き渡る。
呆気ないほど簡単に私は達してしまった。

………………………………

600:Y-275
08/08/30 13:48:27 oaHwTYw/

『んっ…ふぅ…はぁ…』

『シノ…』

絶頂の余韻からか未だ息の調わない私を心配そうにタカトシが覗き込む。

『ふふ…大丈夫だ…タカトシ、それより…』

『?』

私の言葉にタカトシは疑問を浮かべる。
いくらか余裕の出てきた頭はその先を促す。

『タカトシの上に乗りたい…ダメか…?』

『騎乗位ですか?』

『いや、座位だ。』

自分の中で強い憧れのある体位。
その体位で今度は挿れたい。
私は自分の考えを津田に伝える。

『わかりました。』

そう言うやいなや、私の背中に手を回し、タカトシが私を自らの胡座の上へと招く。
そこからストンと自重で挿入されるペニスから再度強い快感がもたらされる。

『くッ、あっ、あっ、ふあっ!!』

再度膣口を叩くペニスの感触と、伝わる熱で私は再び軽い絶頂を味わう。

『大丈夫?』

タカトシは不安げな表情を見せる。

『んっ…ふぅ…はぁ…キス…して…』

私は再三の要求をする。
"チュッ"
そして、タカトシはそれに答えてくれる。

『このまま…んっ、ふ、あっ、動いて…んんッ!!』

タカトシは私の背中に回した手に力を込めて私を動かしていく。

『ちゅっ、んっ、ふあっ、あっ、…あっ!ん、ふっ!…ちゅっ…』

そんなタカトシに再度キスをして、さらには舌まで絡めながら私はそれを受け止めていく。

『あ、あっ!ん、は…はぁ、ん!あっ…んっ!ふっ、それ…良い!!っあ、ふ、ん、ああぁぁ…』

強く膣口を叩かれる度、私の身体は快感にうち震える。

601:Y-275
08/08/30 13:49:26 oaHwTYw/
『くッ、あっ、俺!!』

そうしているうちにタカトシは限界が近いのか声をあげる。
その直後、今までとは段違いの熱が私の膣内に広がっていく。

『ふあぁぁぁぁぁっ!!あ、…熱っ…んっ、ふ、あっ!!タカトシの…中、私の…んっ、…あっ!!』

その熱に溺れるように私はこの日最後の絶頂を迎えた。

………………………………

家に帰りPCのアイコンをクリックする。
かなり前に全員攻略したゲームが立ち上がる。
その画面の右下にあるおまけをクリックすると、画面はハーレムルートへと進んでいく。
攻略する過程のシナリオが良くてやっていたので、ハーレムルートは初見だ。
かなり強引な気もするが話は進んでいく。
なるほど、これはこれでありかもしれない。
今だから思えるのであろう事は自明の理だが…
ヒロイン一人一人を思いながら、全員を相手する主人公。
主人公の心の中には確かに全員が存在しているのだ。
誰ひとり漏れる事なく。

津田と関係を結ぶまではただ嫌っていた形。
ただ、今は少なくとも嫌ではない。
結局の所、私もハーレムルートのヒロインの一人になってしまった。
それでも、私が津田の…タカトシの心の中にいれるのであれば文句はない。
私の好きになった人はハーレムルートのフラグを立てる天才。
そんな奴が相手でも私はこの想いを貫けるだろう。
そんな事を思う私を夜とPCの駆動音が包み込んでいった。

まだ、続くぞ。


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