08/07/06 23:04:32 a801W8sT
質問なんですが
A このまま一気にヒロインと(ry
B 修介君のかわいそうな姿を見たい
C 幼なじみ登場!長編化
どれがいいですか?参考までに答えてもらえるとうれしいです
155:(´・ω・)
08/07/06 23:20:00 NkRlahAp
個人的にはCだな、かなりGJなレベルだし長編化希望させていただきたい
156:名無しさん@ピンキー
08/07/07 00:40:41 BrkANO8v
無論Cで
157:名無しさん@ピンキー
08/07/07 00:43:47 4jW4rec2
まずBで、その後Cの展開になる事をwktkしてみる。
でも続きなら何でもいいよー。
158:名無しさん@ピンキー
08/07/07 00:54:01 cFObrMET
後味がいいのが好きだからAで
曲がりなりにもレイプ物に後味を求めるのはおかしいかも知れんが
159:名無しさん@ピンキー
08/07/07 19:15:20 a/BHbvVc
>>154
ぜんぶ!
160:名無しさん@ピンキー
08/07/07 21:49:49 wRKJmRVL
いや、それにしても改めて観察してみると、
川崎って可愛いよなぁ。
年齢の割には幼い顔立ちに、肩よりほんの少し長い黒髪がよく似合っている。
その一方で、低めの身長に不釣り合いに大きい胸がなんともアンバランスで、
こうしてみると実際修介がベタ惚れなのもわかるきがした。
「あ、あのっ立石君」
「え、あ、なに?」
不意に投げかけられた声に、はっとして顔を上げると川崎が切なげな瞳でこちらを見つめていた。
心臓がドクンと脈打つのがわかった。
161:名無しさん@ピンキー
08/07/07 21:50:52 wRKJmRVL
「わ、私、立石君のこと、好きですっ!」
一瞬、意味が分からなかった。数拍遅れて理解したときには、
俺は「え?」と間抜けな声を上げていた。
「川崎が、俺を?」
おそるおそる聞き返す。信じられなかった。
「う、うん……」
川崎が、小さいながらもしっかりと肯定したことで
あやふやなイメージだったものが、形をなしていくのがわかった。
「だ、だから私と……つ、つき合ってくださいっ」
しばしの沈黙。川崎はさすがに羞恥が限界にきたのか、
顔を耳まで真っ赤にしてうつむいている。
「お、俺は……」
一瞬、修介のことが脳裏をよぎった。
もし俺がここで川崎の気持ちに応えたら、
修介を裏切ることになるんじゃないか? と。
「うん、こちらこそよろしく」
が、俺はあっさりとその考えを捨てた。
なぜならどう足掻いても修介の思いが実ることはないからだ。
「え……ほ、ほんとに?」
川崎は、信じられないといった表情でこちらを見つめてきた。
「うれしい……」
川崎は涙を堪えながら、にっこりと微笑んだ。
162:名無しさん@ピンキー
08/07/07 21:51:59 wRKJmRVL
「えー明日から冬休みだが……くれぐれも犯罪にまきこまれないように。では解散」
先生が教室からでていくと、教室内は活気に包まれた。
まぁ、明日から冬休みだし当然だ。
ああ、冬休み。なんといい響きだろうか。
「あの……立石君」
感慨に耽っていると、いつの間にか隣に川崎が立っていた。
「あ、どうした?」
「え、えっとね、この前の約束大丈夫かなぁって……」
川崎は上目遣いで心配そうに見つめてくる。
今すぐに抱きしめたい衝動に駆られたが、教室内なので自重しておく。
「うん。大丈夫だよ」
「ほ、ほんと? よかったぁ……それじゃ、また後でね」
川崎はにこっと笑うと、一足先に帰っていった。
川崎と付き合いだして数日が過ぎたが、懸念だった修介のことは、
修介に正直にはなすと理解してもらえた。
自分でも無理なことはわかっていたらしい。
とまぁ、諦めてもらった修介には悪いが
俺たちは清い関係が続いていた。
キスはおろか抱きしめたことすらない。
俺に甲斐性がないのか……
まあ、とにもかくにも今は帰ってから約束の準備をしなければ。
俺は荷物をまとめると、喧噪に包まれた教室を後にした。
163:名無しさん@ピンキー
08/07/07 21:53:44 wRKJmRVL
今回はここまでです。生殺しですんません
正直展開には焦っちゃった感が否めないですw
ちなみにAルートです
CはAが終わり次第書く予定です
164:名無しさん@ピンキー
08/07/08 07:07:08 VVvSxrps
GJ!
まさか2つ書いてもらえるとは思わんかった
続きを楽しみに待ってます
165:名無しさん@ピンキー
08/07/08 17:06:40 TWbRFbdW
はよ!!はよかいてぇや!!!
166:名無しさん@ピンキー
08/07/09 11:38:01 NwNaY2Nh
「ふうー間に合った」
俺は地元の駅前にきていた。
なぜかってそりゃ川崎との
約束があるからだよ。いわゆるデートだ。
まだ行き先は聞いていない。
あの日、川崎に告白されて付き合いだした俺たちだが、
まるで恋人らしいことはしていなかった。
せいぜい夜中に何通かメールを交わすだけだ。
だから今回のお誘いはうれしかった。
携帯で時間を確認すると午後三時を少し回っている。
川崎との約束の時間は三時10分なのだが、まだ川崎は来ていないようだ。
川崎のイメージだと約束の時間30分前には到着してそうなんだが。
「こねーなー」
辺りを見回しながらつぶやく。
この時間帯の駅前は、
ここが田舎ということもあり
閑散としている。
メールきてないかな、と携帯を開くと未読メールが一件。
開いてみると川崎からではなく、級友からのくだらないメールだった。
なんか腹が立ったのでスルーしよう。
167:名無しさん@ピンキー
08/07/09 11:38:53 NwNaY2Nh
携帯で時間をつぶしながら待っていると、タクシーから川崎がおりてきた。
「おーい川崎ー」
川崎に手を振ると、
川崎もこちらに気づいたのか小さく手を振り返してくる。
「ご、ごめん……待たせちゃって……」
「いや、それはいいんだけど」
申し訳なさそうな川崎の言葉を遮って
俺は最大の疑問を発した。
「なんで旅行バッグ?」
「……だめ?」
「いや……だめとかじゃなくて。どこいくつもり?」
「……ここ」
川崎は、俺に一枚の紙切れを差し出してきた。
168:名無しさん@ピンキー
08/07/09 11:40:04 NwNaY2Nh
「えーと……これって現実なんだよな?」
「うん……」
妙に嬉しそうに、川崎が頷く。
やっぱ現実だよなぁ……。
俺たちは、川崎家所有の別荘に来ていた。
先ほど、川崎が手渡してきたのは、飛行機のチケットだった。
最初はわけがわからなかった。
だが用意周到に旅行バッグをもってきている川崎をみると
それがマジなんだと理解できた。
『日帰りでこんなとこ行けるのかよ』
と聞くと
『うちの別荘があるから……』
らしい。つまり金持ちだってことだ。しかも大が付くほどの。
169:名無しさん@ピンキー
08/07/09 11:42:05 NwNaY2Nh
こうして俺たちは今、別荘にいるわけだ。
ソファーに座って、二人でコーヒーを飲んでいるのだが、
どうもぎこちない。
もともとぎこちないのだが、さらにぎこちないのだ。
あからさまに緊張しているのがわかる。お互いにだ。
それでもしばらく雑談していたら、すっかり夜になった。
「私、シャワー浴びてくるね……
」
頃合いを見計らったように、川崎がそそくさと席を立った。
おいおいこれって……と1人妄想していたら、川崎が戻ってきた。
「……どうした?」
「お、お風呂にお湯張ったから……」
「え?」
俺はつい間抜けな声を発していた。
「い、一緒に入ろ……?」
あ、あれ、これは早くも……?
「えええっ!?」
「あ、や、やっぱりだめ、だよね……」
「だ、だめじゃない!」思わず叫んでいた。だめなわけないじゃないか!
「ほ、ほんと……?」
「う、うん」
首をぶんぶんと振る俺。
「よかった……。だったら、いこ?」
俺は川崎と手をつないで、浴場へ向かった。
170:名無しさん@ピンキー
08/07/09 11:42:52 NwNaY2Nh
終了です
なかなか濡れ場をかけない自分がもどかしいです
171:名無しさん@ピンキー
08/07/09 12:47:26 W6ssI/Wq
ここから逆レイプに持っていくのって難しくないか?
172:名無しさん@ピンキー
08/07/09 13:09:52 NwNaY2Nh
>>171
ですよねー
173:名無しさん@ピンキー
08/07/09 13:24:02 1jPkhiVX
>>172
SS書いている本人が、ソレを認めてどーする
あぁ、もーこんなニブチン(立石君)は、一気に“最後まで”どころか
“子作り”までする気満々な川崎さんに壊れる寸前まで、逆レされてしまえ
174:名無しさん@ピンキー
08/07/09 23:53:15 3mm9Ggvl
おいおい、ちょっと待ってくれよ。
別荘に 二 人 き り だぜ?
声を上げようが助けは来ないんだぜ?
川崎さんはいきなり風呂に誘うような 行 動 力 & 用 意 周 到 だぜ?
俺はこの時点でドキドキだぜ?
きっともっとドキドキできると信じてるんだぜ?
175:名無しさん@ピンキー
08/07/10 02:36:50 8NhDxOFH
>>171
風呂に入った瞬間にスタンガンで(ry
とかじゃねwww
うはw早く読みてええw
176:名無しさん@ピンキー
08/07/10 09:10:38 i33O+ZWz
ここまでラブラブだと逆レイプする必要n(rx
177:名無しさん@ピンキー
08/07/10 16:47:03 iM3enjlo
>>176
それを妥協するのが俺というクオリティ
うん、みんなごめんね
でも僕がんばるから!!
178:名無しさん@ピンキー
08/07/11 09:40:52 qIktgO33
>>174
そこまでやっても襲わないヘタレ君にブチ切れた川崎さんが
バイド化
179:名無しさん@ピンキー
08/07/11 19:55:01 kKrTXSqx
>178
包囲される前に攻撃態勢に入って突破ですねうむ緊急連絡だ
180:名無しさん@ピンキー
08/07/12 00:44:18 GjkUZ5yF
たぶん、これから「電話線が切られてる!!」「町までの唯一の橋が・・・」な展開に
181:名無しさん@ピンキー
08/07/12 10:28:17 215R5wS8
バーローwwwww
182:名無しさん@ピンキー
08/07/12 20:41:51 rOYjVDpb
「妊娠は絶対してみせる……。あなたのナニかけて!」
183:名無しさん@ピンキー
08/07/13 03:58:21 hgmuMeVr
初めてですが試しに書いてみます誤字脱字などあると思いますが
気をつけますんでよろしくお願いします
184:名無しさん@ピンキー
08/07/13 04:22:26 hgmuMeVr
気が付くと見知らぬ天井にいたしかしなぜ自分がここにいるのかが
分からなかった、窓はカーテンで分からないが明かりがない事から夜だとわかった
記憶を探っていくとあるところで途絶えていた。
僕は部活も委員会にも入ってなかったので学校が終わるとその日の授業を復習してから
帰るのが日課になっていた。今日も学校が終わると復習に励んでいた
この時はもう掃除も終わって外から運動部の声が聞こえる程度で教室には
誰もいない・・・はずだった。いつもは一人で机に向かって勉強をしているのだが
今日は女の子が椅子に座っていた、その子は「白石 亜子」 僕が気になって
仕方のない人なのだが彼女は学校ではあまり話をしている所を見たことがなく話しかけるのが
難しかった。難しいのは彼女だけではない他の女の子にも全くと言っていいほど話かけられないのが
悩みだが最近では諦めがついて来てしまった。「男子とはうまくいくんだけどなぁ」
そんな事を思っているうちに復習も終わり帰りの身支度を済ませ帰ろうと立ち上がった時後ろから「・・って」
僅かにしか聞こえなかったので後ろを振り向くと白石さんがすぐ後ろにまで迫っていた
「待って、今日も復習お疲れ様 いつも欠かさずやっててすごいです」
「え?あ、ありがと・・」いきなりの事だったので咄嗟に答えた。
落ち着いて状況を整理していくと今度は話しかけられている事に気付き
そのまま緊張してしまった
185:名無しさん@ピンキー
08/07/13 04:40:22 hgmuMeVr
「あの・・この後予定ありますか?」
聞かれたので「ない・・です」と短い発言しかできなかった
「そうですか・・では・・失礼します」と言った直後プシュッ
その音と共に顔にスプレーのようなものが顔にかかり今度は眠気が襲ってきた
「・・うっ、なんなんだ」と思ったのが最後意識を失ってしまった
「そうか僕は白石さんに催眠スプレーをかけられて思い出したぞ」
そして起きようとゆっくり体を起こそうとするが動かない。まだスプレーが効いているのか激しく体を動かす事もできずただ天井を見つめる形となった
ガチャ、ドアが開く音の方向を見るとそこには白石さんが立っていた
「お目覚めになりましたか、いきなりこんなことをして申し訳ないです、しかし私には時間が無いんです」
ようやく頭が回復して来たと同時にまた何時間前かの緊張と疑問が浮かび上がってきた
「時間?」僕の疑問を察したのか彼女は答えた「私来月には転校してしまうんです、だからあなたとの思い出が
欲しかったんです・・強引で本当にすみません」
確かに普段の彼女を見ていればこの状況を彼女が作ったのは考えられないほどの驚きだがそれと同等の驚きがいくつかあった。
転校と「あなたとの思い出」という部分もうこの状況にも慣れてきてしまったせいか疑問をぶつけてみた
186:名無しさん@ピンキー
08/07/13 05:03:08 hgmuMeVr
「転校って白石さんが?それに思い出って今の状況の・・事?」それなりに簡単に言ってみたすると白石さんは
ゆっくり口を開き言った「来月私、転校するんです広島のほうにだから伊藤君と一回でいいから話してみたかったの・・こんな強引なやり方になってしまったけど」
「来月転校するのはわかった・・・けどなんでこんな強引なやり方になったの?普通に接してくれれば・・」
最後まで言おうとしたのだが彼女がそれを遮るように言った「だって今時本ばっかり読んでて喋ったり、表情一つ滅多に変えない人からいきなり話かけられたら迷惑かと」
本当は皆と仲良くしたかったのかぁそれに気付いてればなぁと思いながら僕はその事に否定を始めた
「そんな事無いよ本を読む事だって立派な趣味だし、表情変えないのはこれからなんとかしていけばいいじゃない」
実は言うと早くこの状況を打開したくフォローしたがそれは彼女の欲望を駆り立てるだけだった
「やっぱり私の思った通り、伊藤君は優しいです。私あなたを好きになってよかった」その言葉に思考が停止し恥ずかしくなり俯いてしまった
と頬に人肌が来ていたと思うと白石さんが唇を重ねていた「!!ちょ、え?ど、ど・・え?」頭がパニックに陥ってしまった。
「あ・・あの・・キス・させていただき・・ました」彼女もまた顔を真っ赤に染めていたが唇しか見ていなかった、暫く沈黙が続き
187:名無しさん@ピンキー
08/07/13 05:23:45 hgmuMeVr
「こんな事だめだよ、大人になってからだよ」好きな人とキスできたのは
嬉しかったが、諦めがついていた分もっとちゃんとした人として欲しかった
「大人ってもう高校生ですよこうゆう事は当たり前なんですよそれに
さっきもいいましたがもう時間がないんです、後悔したくないんです」
彼女の瞳には涙が滲んでいた。「でもさっき携帯のアドレス、見ちゃったんでこれで安心です」とにっこりと笑顔で微笑んだ
「勝手に見られちゃったって事?」「そうです。」最近では友達とすらメール
してないのにどうすればと考えてるのもつかの間 「では、本題に入らさせていただきます」
と彼女はこっちに近寄ってくる心臓が震え目をつぶる何をされるんだ?とボタンをはずされ
Yシャツを脱がされ上半身が露になった「え?」もう何がなんだか頭が沸騰しそうな勢い
「やっぱり体は白くてきれい、女の子みたいです」と向こうはテンションが一気に上昇
こっちは女の子に体を見られ女の子の様な体といわれ泣きそうになっていた
「ごめんなさい、泣かないで下さい私あなたの事思うと眠れなくなるぐらい
好きなんです」彼女はもう学校で見ている白石さんではなくなっていた。
体を撫でられ、舐められ、抱きつかれと身動きできない状態で息が上がるくらいに
弄られた
188:184
08/07/13 05:28:32 hgmuMeVr
眠気と身内が起きたので危険かとおもわれ一旦堕ちます
今日の深夜か明日の深夜か安全な時間に書きたいとおもいます
次回には終わるとおもいますので感想聞かせてください
長文ばっかりですみません展開もめちゃくちゃだぁorz
189:名無しさん@ピンキー
08/07/13 09:00:38 yPTilLpD
>>183-188
初めてなりに妄想を形にしようとする、その意気や極めて良し。
以下、多少手厳しいツッコミになると思うが、読み専のお小言と思って話半分で読み流してくれ。
まず、読点を入れること。行末の句点を省かないこと。「~と言った」は表現として最も杜撰なので工夫すること。
ある程度のボリュームになる文章は直接入力・随時カキコすると段々分かり難くなるので、
10レス分以内を目安にメモ帳などに書き貯めて、一度黙読して表現を確認、適宜推敲すること。
書き上げてからカキコまでの推敲期間はある程度固定して、推敲が煮詰まって投稿を諦めることは避けるべし。
後は、身内の動向には注意することと、年齢未達は来ちゃダメよw
190:名無しさん@ピンキー
08/07/13 15:11:29 nRgkOeLd
>>188
身内起きるのはやすぎだろw
191:名無しさん@ピンキー
08/07/13 20:27:42 nRgkOeLd
「そ、それじゃ、服……脱ごう?」
「う、うん」
学校とずいぶんキャラ違いなオイ。
つくづく女という生き物はわからない。
俺が躊躇っている間に川崎は
すらすらと生まれた姿に近づいていく。
さすがに下着をとるのは少し躊躇したようだが、
それも剥ぎ取ると、川崎は顔を真っ赤にして俯いた。
「た、立石君も……早く……」
「あ、う、うん」
早く、などと催促されても
俺にはできない理由がある。たっているのだ。
192:名無しさん@ピンキー
08/07/13 20:28:13 nRgkOeLd
いやいや、仕方ないだろ?
だってこれは男の生理現象で……
い、いや言い訳しても仕方がないな。
「……」
川崎が俯いているのを確認すると、俺は一気にジーンズとトランクスを脱いだ。
「ぬ、脱いだから風呂はいろうぜ」
「う、うん」
俺は手で息子を隠しつつ、浴室に入った。カッコ悪い。
193:名無しさん@ピンキー
08/07/13 20:29:00 nRgkOeLd
「ひろっ!!」
「そ、そうかな……?普通だと思うけど……」
浴場を見渡して、第一の感想だった。
ゆうに自分の家の風呂の三倍はある大きさ。
別荘なんだよな、ここ……
「た、立石君、お風呂はいろ……?」
「う、うん」
掛け湯を被りお湯に浸かると、絶妙な湯加減だった。
口から思わず気持ちいい~という言葉が
もれそうになったのをこらえ、ふうと息を吐き出した。
「ど、どうかな?熱すぎたり……してない?」
「ちょうどいいよ」
「そ、そっか。よかったぁ」
194:名無しさん@ピンキー
08/07/13 20:29:42 nRgkOeLd
「い、いや……やめて……」
「オラオラッ叫んでも誰もこないぜ!」
「あ、あ、だめっ!」
俺は嫌がる川崎を無理や……
「た、立石君……」
川崎の声に、俺は妄想の世界から連れ戻された
いかんいかん。やけに具体的だったな……
「ん……なに?」
なにやら見透かされてるような感覚を感じながら冷静を装い言葉を返す。
が、次に発せられた声に、俺の冷静さは脆くも崩れ去ってしまう。
「背中……流すから……」
「え」
「あがって……?」
二人きりの空間に川崎の控えめの声が響く。
内容はちっとも控えめじゃあないけど。
「え、あ、でも」
しどろもどろになる俺。
期待60……いや80%、不安20%だ。
「いいから……」
川崎の真っ白な細い手が、俺の手をつかんだ。
力そのものは弱かったが、
有無をいわせない何かがあった。
195:名無しさん@ピンキー
08/07/13 20:30:16 nRgkOeLd
「き、気持ちいい……?」
「うん……」
夢のようだった。
川崎の手つきは強すぎず痛すぎず、
つぼを心得たものだった。
時折背中にぶつかる二つの柔らかな感触が、
川崎の存在を、女の存在を発していた。
「あ、前は自分でやるから」
あらかた背中を洗い終えた後、俺は川崎に告げた。
このままの勢いだと、川崎は前まで洗いかねないからだ。
「だめ……私がしてあげるから」
「え、ちょっと……」
だが、俺の言葉はなんの力ももたない。
川崎は僕の正面にくると、無言で僕の前を洗い始めた。
川崎の身を隠すものはなにもない。
川崎の雪のように真っ白な肌も、
見た目より大きめな胸も、
薄めなヘアも、全てが俺の視界に入り込んできた。
当然、大きくなる俺の息子。
「あ……」
川崎は手を止めると、俺の息子をまじまじと見つめる。
「ご、ごめん……俺」
謝りながらも、川崎の身体から目を離すことができない。
「ううん……私をみてこうなったんだから、うれしいから……きにしないで……」
川崎ははにかんだように笑うと、手の動きを再開した。
196:名無しさん@ピンキー
08/07/13 20:31:21 nRgkOeLd
「そろそろ上がろうか」
川崎に体を洗ってもらった後、
俺も川崎の身体を洗ってあげようかと思ったが、やめた。
いきなりこちらもアクションにでると
川崎も驚くだろうし、何より自分の理性を保てる自信がなかった。
「……うん」
川崎の声に、恨めしそうな感情が含まれていることに俺は気づかなかった。
川崎の手作りの晩御飯を食べ、リビングでゴロゴロしていた矢先、
「そろそろ寝よ?」
という川崎の言葉で、俺たちは寝室に向かった。
寝室には大きめなベッドが一つ。
「いいから……一緒に寝よ……」
と躊躇っている俺を強引に寝かすと、川崎は照明を消し、ベッドに入ってきた。
「おやすみなさい……」川崎は一言そう言ったきり、俺に背を向けた。
俺はというと、ベッドに入ったからといって
こんな状況で寝付けるはずもなく、沈黙が支配する闇の空間に
ただただ視線をさまよわせているだけだった。
しかし、20分―あるいはそれ以上かもしれいが―ほどたったとき、川崎は唐突に口を開いた。「起きてる……よね」
「うん」
俺は天井を見つめたまま応える。
「……どうして?」
「……どうして襲ってくれないの?」
怒りとも悲しみともつかない声音で、川崎が叫ぶ。
声自体がそう大きな訳ではなかった。
ただ、圧倒される何かがあった。
「私たちつき合ってるんだよね……?」
「私の身体ってそんなに魅力ないかな……?」
「それとも私以外に好きな人でもいるの……?」
川崎は一言一言に負の感情を載せて淡々と言い募ってくる。
だが、それは荒波のように激しい怒気ではない。
めちゃくちゃに怒る人間はそう怖くないものだ。むしろ、淡々と、静かに怒るような人間のほうが怖い。
「否定してくれないってことは……やっぱりそうなんだね……」
違う!と叫ぼうとした。だが、川崎の速さが勝っている。
俺の言葉は口から出ることなく、俺に跨ってきた川崎の唇に吸い込まれた。
197:名無しさん@ピンキー
08/07/13 20:34:17 nRgkOeLd
あ、ありのまま今起こったことを話すぜッ
俺はセクロスに持って行くことだけを考えて書いていたら
いつのまにかセクロスぎりぎりのところで終わっていた
俺が何をいってるのかわからねーと思うが
俺も何をされたのかわからなかった
書き手の技術不足だとか
強引すぎる展開だとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえッ
もっと恐ろしいモノの片鱗を味わったぜ……
198:名無しさん@ピンキー
08/07/13 20:35:14 kKTi8iBb
ワッフルワッフル
199:名無しさん@ピンキー
08/07/13 22:42:49 yPTilLpD
>179
「>何をされたか」じゃねぇだろw 書いたのはオマイだwwww
極めてワッフルだが、チビ巨乳は最近の流行りなのか?文句とかでなく、単純な興味での質問で。
200:名無しさん@ピンキー
08/07/13 23:27:57 IjebqNFV
>>197
まあ…よくわからんが続きは期待してる
201:名無しさん@ピンキー
08/07/13 23:48:20 nRgkOeLd
>>191は>>169の続きです
書き忘れてました
申し訳ない
202:名無しさん@ピンキー
08/07/13 23:57:21 nRgkOeLd
>>199
流行りなのかな
こういうシチュはヒンヌーよりキョヌーが書きやすそうだったから
選んだだけだよ
作者の願望だなんて口が裂けても言えない
203:名無しさん@ピンキー
08/07/15 09:09:36 B+GOPtaP
>気が付くと見知らぬ天井にいたしかしなぜ自分がここにいるのかが
>分からなかった、
ここでリタイヤした、ケータイショーセツ読むとじんましんが出る俺が通ります。
204:名無しさん@ピンキー
08/07/15 21:01:16 2mLoccaZ
↑絶対文化財に軽い気持ちで落書きするタイプだな
205:名無しさん@ピンキー
08/07/15 22:16:44 fYqXNaPR
ワッフルワッフル
待った甲斐がある予感がビンビンするぜ!
206:名無しさん@ピンキー
08/07/15 22:26:12 MqSWRhCM
俺クラスに川崎って名字でキャラ的にもそんな感じのやつが居る
ちょっとおどろいた
207:名無しさん@ピンキー
08/07/16 05:44:33 sDkU0aEs
大学にクラスは無いだろ。
年齢未達は来るなっつーか、せめてバレないカキコを心掛けろと。
208:名無しさん@ピンキー
08/07/16 09:55:05 6hL7R50y
大学によってはクラスがあるところもあるよ
まぁどうでもいいけどね
209:名無しさん@ピンキー
08/07/16 12:41:21 bGfedYMh
まあ18才になったばかりということもあり得る
210:名無しさん@ピンキー
08/07/16 14:33:33 euhnytyn
うちの大学はクラスあるな
総計やマーチでもクラスあるし、普通だと思われ
過剰反応せずに全裸で投下待とうぜ
211:名無しさん@ピンキー
08/07/16 14:49:58 PZ9r7OwY
俺は全裸に靴下とネクタイで。
212:名無しさん@ピンキー
08/07/16 16:16:27 /Og/7Y5Q
うちの学校もクラスあるな。国立だが。普通だ
213:名無しさん@ピンキー
08/07/16 17:19:35 1Zu5rAbF
>>203
こんな所でそんなこと言われても……
君は本屋に行ったほうがいいんじゃない?
>>207
俺の大学にもあったな……名前と顔が一致しないやつらばっかりだったけど
214:名無しさん@ピンキー
08/07/18 02:00:20 fk9qfMby
>>207
うちも国立やけどクラスあるわ
つまり、おまえは18歳以下のガキorニートってことを自白してんだよ
215:名無しさん@ピンキー
08/07/18 02:13:50 3eDxtBuN
>>214
俺、私立だったけど無かったぞ。ちょっとびっくり。
しかし、みんな頭いいなぁ。ちょっとびっくり。
216:名無しさん@ピンキー
08/07/18 02:18:46 jMeLHaKQ
とりあえず、一番痛いのは『自分の知っている事が世界のすべて』と勘違いしてる人たちって事で。
クラスに関しては学校によりけりって事なんじゃないのか?
217:名無しさん@ピンキー
08/07/18 02:25:49 pX0CL9jR
だろうね
自分とこは国立だがクラスと呼べるものはないなぁ
それっぽいのはあるけど1年の前期までだ
218:名無しさん@ピンキー
08/07/18 05:54:35 F5ixPQjE
オレは高専から大学に編入したが、高専の時点でクラスらしいクラスは無かったぜ。
何しろ、高専では1学科1クラス、大学に至っては固有の教室は無かったしな。
別荘監禁マダー?
219:名無しさん@ピンキー
08/07/18 11:48:50 NDltFpQb
何歳だろうがあんまり年齢を語らないほうがいいな
もちろん18歳以下は論外で
220:名無しさん@ピンキー
08/07/18 21:09:25 fKuYJY64
「襲ってくれないなら私から襲っちゃうんだからっ!」
唇を離して開口一番、川崎は普段の川崎からは
想像できない言葉を口走った。、
「と、突然どうしたんだよ!?」
俺は冷静さを失った、うわずった声で叫びながら
再びしがみついてくる川崎を突き飛ばした。
川崎の小さな身体が、ベッドから転げ落ちる。
「……祐介君、私は祐介君の何なのかな?」
俺の呼び名が立石君から名前に変わっていたが、そんなことは気にしていられなかった。
221:名無しさん@ピンキー
08/07/18 21:10:23 fKuYJY64
「私たち……恋人同士だよね?」
「私……祐介君との仲を深めたくてここに誘ったのに」
「今だってすごく勇気がいった……。なのに」
「なのに受け入れてくれなかった……。おかしいよ……」
虚ろな目で、俺たちの関係が異常だと滔々と説く川崎。
「祐介君は……やっぱ私のこと嫌いなのかな?」
川崎は微笑を浮かべると、
ゆらりと立ち上がった。
222:名無しさん@ピンキー
08/07/18 21:11:05 fKuYJY64
「……いや、嫌いならついてこないって。好きだよ」
なにかまずいと感じながら、
俺は冷静に言葉を吟味しながら、一言一言を絞り出していった。
実際好きというか好きになりかけていた、というのが正しいか。
「好きなんだ……。ふーん、好き、か」
「じゃあ、あの……藤崎真奈美より?」
「な!?」
幼なじみの名前があがった瞬間、なにか嫌な予感がした。
冷静になりかけていた頭に血が上るのがわかった。
「ふふ……祐介君は¨私だけが好き¨なのにね。あの泥棒猫」
川崎が意味ありげに呟いたとき、
俺はもはや冷静さを取り繕うことも忘れ、叫んでいた。
「お前真奈美に何をした!?」
223:名無しさん@ピンキー
08/07/18 21:13:29 fKuYJY64
「何って……私と祐介君が似合わないなんて言うから……ちょっとお仕置きを―」
落ち着き払った川崎の態度が、
俺の神経を逆なでした。
「くそっ!」
俺は立ち上がり、床を蹴り走り出した
―はずだったのだが。
俺はその場にばたんと倒れていた。
(え?)
立てない。体が動かない。
「祐介君……。ごめんね」
いつの間にか、俺の目の前に移動した川崎が俺を見下ろしていた。
「なにを……した……」
「さっきの晩御飯にね、薬を盛ったの……」
「な……く、薬?」
わけがわからなかった。薬?
どこのドラマだよ。
「私のモノに……私だけのモノにするためにはこうするしかなかったの!」
動けない俺にのしかかると、川崎は俺の唇にむしゃぶりついた。
ひとしきり俺の口内を犯した後、息をみだしながら、川崎は言った。
「ほんとは愛し合いながらやりたかったけど……ごめんね」
川崎は一糸まとわぬ姿になると、俺の着ていたものをはぎとり、
ゆっくりと俺を体内に迎え入れた。
224:名無しさん@ピンキー
08/07/18 21:14:03 fKuYJY64
川崎の薬に墜ちて、何日がたっただろう。
いや、何日がたったなんてどうでもいいのだ。
俺の目の前には裸の川崎がいる。
それだけで十分じゃないか。
「祐介君。私の胸……さわって」
川崎の手が、俺の手を胸に導く。俺の手が動くと、川崎がくぐもった声を漏らす。
俺の手が動いているのか、川崎が俺の手を動かしているのか
もうどうでもよかった。
225:名無しさん@ピンキー
08/07/18 21:14:42 fKuYJY64
「祐介君……きて」
頬を紅潮させ、女の媚びに満ちな笑みを浮かべ、川崎が哀願してくる
俺は自分の息子を濡れそぼった局部にあてがうと一気に貫いた。
「あっ……入ってる……」
俺は川崎の脚を肩にかつぐと、激しく腰を動かした。
「あんっ……きゅ、急にどう……したのっ」
俺は川崎の問いには答えず、腰をうちつける。
「やっ……あん……いいよぉ……ああっ!すごいよぉっ!」
髪を振り乱しながら、幼い顔立ちに似合わない大きな胸を揺らしながら、
美少女がよがる。
最高だった。
226:名無しさん@ピンキー
08/07/18 21:15:24 fKuYJY64
あの日、真奈美を助けられなかった自分。
浅ましくも快楽に負けた自分。
消し去りたくても消えない事実から、
自分を守るためには快楽に溺れるしかなかった。「ああ……祐介君っ!きてっ!あ、あんっ」
潤んだ瞳と自分を求める声に射精感が高まり、
俺は一気に腰をうちつけた。
「あっ、こんな……ああんっ!わたし、私おかしくなっちゃうよぉ!祐介君っ……あああっ!」
川崎の絶叫にあわせ、俺は川崎の中に自分の種をまき散らした。
だがまだ収まらない。
俺は力の入らない川崎を
四つん這いにさせると、再びそそりたった肉棒で川崎を貫いた。
もう、なにもかもどうでもいい。
227:名無しさん@ピンキー
08/07/18 21:18:27 fKuYJY64
BAD ENDです
俺に足りないもの!それは!
語彙構成力文章力気品優雅さ勤勉さ!
そしてなによりも
速さが足りない!
228:名無しさん@ピンキー
08/07/18 21:36:31 lYhEmhyn
乙!
229:名無しさん@ピンキー
08/07/18 22:24:47 fKuYJY64
次は幼なじみルートを書きますが構いませんねッ
230:名無しさん@ピンキー
08/07/18 22:32:18 lYhEmhyn
>>229
つ【カルボナーラの皿】
231:名無しさん@ピンキー
08/07/21 21:26:44 3TtUjZJW
バイドスピリット発射した
次の幼なじみルートに備え、スピリットのチャージに入る
うむっ緊急連絡だ
232:名無しさん@ピンキー
08/07/22 00:20:21 sU4sK1R6
これが!!完成するまで!!起きるのを!!やめない!!
233:名無しさん@ピンキー
08/07/22 00:22:50 lWfcf9Ke
日本語でおk
234:名無しさん@ピンキー
08/07/22 01:34:35 sU4sK1R6
>>233
脳みそがクソになってました
ごめんなさい
235:名無しさん@ピンキー
08/07/22 01:38:53 lWfcf9Ke
全裸待機してますんで
236:名無しさん@ピンキー
08/07/22 02:28:42 sU4sK1R6
たった今気づいた
幼なじみENDは許されるのか
237:名無しさん@ピンキー
08/07/22 02:29:48 lLAKXRDK
おとなしければいんじゃね?スレ的には
238:名無しさん@ピンキー
08/07/24 10:08:54 1Xfe1B6p
おとなしい女の子たちに逆レイプ三昧ってのも新鮮すぎですよねw
239:名無しさん@ピンキー
08/07/25 19:40:18 60Q7LFrH
それがいいんじゃないか
240:名無しさん@ピンキー
08/07/27 21:29:27 wROuHSf7
>>147からの分岐です
「あ、あんたこんな時間に何やってるのよ」
教室の入り口に、幼なじみが立っていた。
「見てわかんないか? 勉強してたんだよ」
「ふーん……ま、やらないよりはマシでしょうけど」
こんな風に俺にすぐ喧嘩をうってくる幼なじみ、名前は藤崎真奈美という。
241:名無しさん@ピンキー
08/07/27 21:30:32 wROuHSf7
テニスで鍛えられている健康的にすらりと伸びた肢体に、
長い黒髪を後ろの方でポニーテールにしているのがとても似合っている。
ついでにいうと、清楚な可愛らしさに似合わず胸の膨らみもなかなかのものだ。
と、容姿の面ではいうことのない彼女なのだが。
さっきのように、こう、毒舌というかびしっと言うというか
まあ、口が悪い。それでも何人もの男に告白されてるんだから大したもんだ。
242:名無しさん@ピンキー
08/07/27 21:31:28 wROuHSf7
「まあ、あんたが勉強してるとかはいいんだけど。一緒に帰るわよ」
真奈美は有無をいわさないといった口調だ。
だが、ここは日本、民主主義国家である。俺には抵抗する権利がある。
「やだね。俺は勉強する」
「あんたね、女の子が一人暗い夜道歩いてたら襲われるかもしれないのよ?」
「大丈夫だ。真奈美なら痴漢くらい撃退す―あ、いえ、お供させていただきます!」
真奈美がテニスラケットを取り出したことで、
俺の抵抗はむなしくも鎮圧された。
俺は勉強道具をバックに詰め込むと、席をたった。
「ん、よろしい」
真奈美はにこっと向日葵のような笑顔をさかせる。ちくしょう、可愛いじゃねーか。
243:名無しさん@ピンキー
08/07/27 21:32:51 wROuHSf7
俺たちの吐く白い息は、すぐさま空気に溶けこんでいった。
空を見上げると、漆黒の闇に、無数の星が輝きを放っている。
ちらりと傍らを歩く真奈美を盗みみる。
こいつと帰るのは何ヶ月ぶりだろうか。
小中はともかく高校に入ってからも、
俺たちはしばらく一緒に帰っていた。
が、真奈美はテニス部で俺は帰宅部だ。
だんだんと時間があわなくなり、たまに今日みたく
偶然会った日くらいにしか一緒に帰ることはなくなっていった。
244:名無しさん@ピンキー
08/07/27 21:33:26 wROuHSf7
それでなくとも、男女共に人気のある真奈美に、俺が気後れを感じていたこともある。
いぜんそのことをなじられたことがあった。
真奈美は気にするな、と言っていたが認めざるを得ないのもまた事実だった。
「ねぇ、祐介」
不意に真奈美が口を開いた。
「ん?」
「今日さ、久々にうち寄ってかない?」
心なしか、少し期待をふくむような真奈美の声。
245:名無しさん@ピンキー
08/07/27 21:33:51 wROuHSf7
ちなみに、寄っていくというのは俺と真奈美の間ではご飯を食べてけって意味だ。
「あー……」
「はい決定」
応えあぐねてる俺に、真奈美は勝手に決定を下した。
まあ、断る理由もないといえばないのだが。
「まだ何も言ってない……」
少しふてくされたようにいう。せめてもの抵抗だ。
「うちのお母さんも祐介に会いたがってたし、
それにさっき勉強の邪魔しちゃったじゃない?
だから私が見てあげようと思ってさ」
言い忘れていたが、真奈美は成績もよかった。いつも学年10番くらいの位置にいる。
いうなれば完璧超人だな。
「んーじゃあ久々にお邪魔しますかね」
俺は今更のように決定事項を繰り返した。
246:名無しさん@ピンキー
08/07/27 21:44:39 wROuHSf7
「ただいまー」
「おじゃましまーす」
久々に藤崎家の玄関をくぐると、懐かしい香りが鼻先をかすめた。
「お帰り……ってあらあら、祐ちゃんじゃないの!」
リビングからでてきたおばさんは、俺に走り寄ってくると、ひしと抱きついてきた。
「わーー、もう!! お母さん何やってるのよ!!」
すっとんきょうなこえを出した真奈美が、おばさんを無理やり引き剥がす。
247:名無しさん@ピンキー
08/07/27 21:46:12 wROuHSf7
「どういうつもりなのよ!?」
「久々に祐ちゃん見たら懐かしくなっちゃって……あら、嫉妬?」
「ち、違うわよ!」
「あ、ご飯できてるから二人ともうがいして手を洗ってきなさい」
「なんなのよ……すごい負けた気がする……」
かくして、漫才勝負はおばさんの勝利に終わった。
ちなみに、おばさんは美人だ。
どうみても30台前半、いや20台後半にしか見えない。
エプロンを内側からたくしあげる胸は、かなりの大きさだ。
その一方で細身の身体が、なんともアンバランスな魅力を放っている。
腰のあたりまで伸びている黒髪が清楚な雰囲気を醸し出しているが、
それもまた身体とのギャップのためエロティックだ。
「……何ぼさっとしてんのよ!」
真奈美はぷいとそっぽをむくと、先に洗面所に消えていった。
248:名無しさん@ピンキー
08/07/27 21:48:21 wROuHSf7
久しぶりですよ
ここまでスレタイをコケにしたおばかさんは……
いや、すいません……
249:(´゚ω゚)
08/07/27 21:54:31 w30CfwvX
>>248いや、かなりGJだぜ?もちっと自信もって良いと思う
お主の作品見ていて書きたくなってきたくらいだ…
250:名無しさん@ピンキー
08/07/27 22:43:48 dLQZZHAI
作者様に一言アドバイス(または悪魔の囁き)を。
幼なじみの姉妹も、幼なじみなんだぜ?
251:名無しさん@ピンキー
08/07/27 22:44:51 ypHRg5cc
>>248
スレタイとは違うけど、主人公を強気で引っ張っていく女の子も良いね
そして、それとの対比で描かれるヒロインに期待してます
252:名無しさん@ピンキー
08/07/29 01:39:31 CtrANzGx
保守
253:名無しさん@ピンキー
08/07/30 21:26:47 x6gcRIyw
期待
254:名無しさん@ピンキー
08/08/01 04:11:23 vunC66RH
スピンオフということにすれば強気な子も大歓迎だ
255:名無しさん@ピンキー
08/08/01 10:01:32 zIl7LmQC
【愛知】男子高生にみだらな行為 条例違反容疑で34歳女を逮捕
URLリンク(bbs68.meiwasuisan.com)
男子高校生にみだらな行為をしたとして、愛知県警豊田署は31日、
愛知県青少年保護育成条例違反の疑いで名古屋市千種区桜が丘、
無職藤山美保容疑者(34)を逮捕した。
調べでは、藤山容疑者は昨年6月16日、豊田市の男子高校生(17)を
名古屋市内のホテルに呼び出してみだらな行為をした疑い。
藤山容疑者は2004年6月ごろ、インターネットのオンラインゲームを通じて
男子生徒と知り合い、当初はメールを交換。
同容疑者が交際を求めるようになり、生徒が断ったところ、
自分の裸の画像をメールで送り付けた上、「画像を見たことを学校で言いふらす」
などと脅して面会を強要。ホテルで会ったのが初対面だったという。
この後も繰り返し交際を求めるメールを送り付けたため、生徒が同署に相談していた。
ソース:デイリースポーツ
URLリンク(www.daily.co.jp)
256:名無しさん@ピンキー
08/08/04 17:12:45 POTx3ajJ
?
257:名無しさん@ピンキー
08/08/05 21:23:18 BG6aiW9s
?
258:名無しさん@ピンキー
08/08/09 15:49:25 dP6o3i0O
???
259:名無しさん@ピンキー
08/08/11 18:30:19 8ZpmosY3
規制
260:名無しさん@ピンキー
08/08/11 18:32:03 8ZpmosY3
川崎さんの作者です。二週間くらいドコモ携帯が規制にあってて……でも解除されたんで投下
遅くなりすみません
261:名無しさん@ピンキー
08/08/11 18:32:51 8ZpmosY3
「さっきは驚かせてごめんなさいね。祐ちゃん見たら懐かしくなっちゃって……」
にこにこと笑いながら謝罪の言葉を口にするおばさん。
多分、いや絶対反省はしていない。
「迷惑だった?」
にやっといたずらっぽい笑みをするおばさん。半ば確信犯的な犯行だ。
「いや、全然迷惑じゃないっす」
いくらおばさんと言っても、真奈美のお母さんは近所随一の美人と評判である。
熟女趣味はないが、おばさんなら気にしない。
「祐介は迷惑じゃないかもしれないけど私が迷惑なの!」
不機嫌そうにピシャリと言い放った真奈美は、
ずずっと味噌汁をすする。
262:名無しさん@ピンキー
08/08/11 18:33:42 8ZpmosY3
「ごめんなさいね真奈美。大事な彼氏をとっちゃって」
「なっ!」
おばさんの素早い切り返しに、真奈美は味噌汁を吹き出しそうになった。
「な、なにいってんのよ!」
「え? だって真奈美と祐ちゃんって付き合ってるんじゃないの?」
「べ、別に付き合ってるわけじゃ!」
「えー?ほんと?」
怪訝そうな表情のおばさん。どうやら本気で勘違いしているようだ。
しどろもどろな真奈美が可哀想なので助け船をだしてやることにした。
「あの、おばさん。俺たちほんとにつき合ってる訳じゃないです」
「あら、ほんとにそうなの?」
意外そうな顔に変わったおばさん。まあ、幼なじみだし誤解されていても仕方がないのだろうか。
「真奈美結構告白されてるみたいだし、他に彼氏いるんじゃないかな。
それに俺と真奈美じゃ釣り合いがとれてないですし」
「べ、別に彼氏なんていないし、釣り合いとか関係ないと思うけど!」
またもや不機嫌そうに言い放つ真奈美は、ずずっと味噌汁をすすった。
「真奈美の言うとおりよ。よし、真奈美、あんた祐ちゃんとつき合っちゃいなさい」
「なっ!」
そしてまたもや味噌汁を吹き出しそうになる真奈美。
「な、げほっ、なに言ってんのよ!?」
真奈美は苦しそうにせき込みながら、顔を真っ赤にする。
「え? だって。二人ともお似合いじゃない?
それに真奈美の彼氏が祐ちゃんだったらお母さんうれしいんだけど」
「そ、え、でも祐介にだって彼女いるかもだし……」
弱々しく呟く真奈美。おばさんと真奈美の視線が俺に集中する。
「ど、どうなの?」
真奈美が緊張した面もちで聞いてくる。まぁ、嘘ついても仕方がないわな。
「いませんよ。彼女なんて」
はぁっとため息をつきながら白状するが、やれやれと言った感じだ。
263:名無しさん@ピンキー
08/08/11 18:34:30 8ZpmosY3
「だってよ? 真奈美」
「あ、あ……えっと」
いつもの真奈美らしくないな。きっぱりと断っちゃえばいいのに。
幼なじみだからって同情されるほど落ちぶれてはいないぜ。
「祐介、私と」
真奈美が俺の手を握ってきた。びっくりして顔を上げると、顔を真っ赤にした真奈美がいる。
演技うまいな真奈美。いつもみたく「冗談だったら!」
とかいってバシッと叩いてくるんだろうが。
「私と……つき」
だが、その言葉は最後まできくには至らなかった。
玄関が開く音と共に、ただいま、という声が聞こえてきた。
真奈美ははっとして俺から手を離す。
「あら、帰ってきたみたいね」
「ただいま……あ、あれ、兄さん……?」
ガチャリという音とリビングに入ってきたのは、真奈美の妹、美奈だった。
264:名無しさん@ピンキー
08/08/12 09:58:19 pX5EMk9e
姉に取られるならいっそ・・・→姉乱入
→姉妹丼ですね。わかります。
265:名無しさん@ピンキー
08/08/12 18:12:59 LoJUYyKw
>>264
いいえケフィアです
266:名無しさん@ピンキー
08/08/13 19:54:58 sTZ3MTYB
やずや乙
267:名無しさん@ピンキー
08/08/15 02:09:37 +vRqRkKp
保守兼投下
「い、池田君・・・わ、私と・・・付き合ってください!」
自分の声が震えて聞こえた。相手の足元さえろくに見られない。
相手の返事が気になるが、相手はまだ黙っている。
小寺早紀。私の名前だ。もうそろそろで高校三年生だ。
池田優(すぐる)。私の目の前に立っている人の名前だ。
クラスの中には必ず一人はいるいじられキャラだ。
だけど・・・優しい。私が好きなのはそこだ。
私が今告白しててるのは親友の福原由美のおかげだし、せいでもある。
入学して由美に声をかけられて仲良くなった。
正直、クラスでもてる由美が声をかけてきたのは驚いた。
由美は優君と中学校が同じだったので色々と知っている。
髪の長い人が好きだとか、料理上手な人が好きだとか。
そのおかげで毎日お弁当を作ってあげたりと、私なりにアプローチしているつもりだ。
でも、全く分かってくれない。
でも、お弁当を「おいしい」と笑顔で誉めてくれることが嬉しかった。
だけど由美は、私がなかなか告白しないことを怒り、とうとうこんなことを言った。
「告白してダメなら押し倒してでもいいから手に入れるの!お分かり!?」
それから由美はある計画を考え出した。
押し倒す。そして既成事実をでっち上げる。
本当はいけないことだと分かってる。でも本当に好きなのだ。
由美が考えた段取りはこうだ。
1、体育館裏に呼び出して告白。これでOKだったらそのまま付き合う。
2、断ったら、そのとき由美が後ろから殴りかかって気絶させる。
3、そのまま、私の家まで連れ込む。
4、襲う
頭の中で、昨日のことを思い出しつつ顔を上げる。
池田君は苦笑いをして、そいて後ずさりしながらこう言った。
「・・・小寺さん。俺さ、付き合うとかそういうのよく分かんないから・・・」
2実行として池田君の後ろの木陰から由美が木刀を持ってこっそり出て来るはずだった。
「おっと・・・うわっ!」
池田君が後ずさりしながら段差にコケたのだ。そして後頭部をコンクリートにぶつけ沈黙。
「ありゃりゃ・・・こんなところでボケかまさなくても・・・」
由美が池田君の顔を覗き込みながら言う。
「・・・大丈夫かな・・・」
「血出てないから大丈夫でしょ・・・それより、3実行するよ?はい肩貸して」
ためらいもなく、池田君を起こす由美。
「えっ!で、でも・・・」
「あの返事は断ろうとしてたんだよ?聞いてた?」
「あうぅ・・・」
確かに聞いてた。耳に残ってる。大好きな人の大好きな声だ。
あのままであっても、池田君は由美に殴られ結果的に気絶していただろう。
「気絶してるんだからOKよ。大丈夫」
納得できないが同じように肩を貸して持ち上げる。思ったより重い。
「さ、早く済ませちゃいましょ」
何で由美はちょっとだけ笑っているのだろう。私がこんなに頑張ってるのに。
これからのことを心配すると泣きたくなってきた。
268:名無しさん@ピンキー
08/08/15 02:11:24 +vRqRkKp
「暑いわね」
「・・・うん」
ちょうど5時だ。太陽が傾いてきたとはいえ7月の半ばだ。
そして三人くっついて並ぶように歩いている。
ただ私は嬉しかった。こんなに近くで優君の匂いをかげるのだ。
これが大好きな人の匂い・・・そう思うと顔が熱くなる。
思い切って顔を近づける。汗臭いかと思ったがふわふわとした香りがした。
好きな人はやっぱり匂いも違うんだ。
嗅いだ瞬間、嬉しくなって、でも泣きそうになってしまった。
自分のやっていることが悪いことだと思い出される。
私は本当に池田君が好きだから。池田君を虜にすれば言いと由美も言っていた。
そう自分に言い聞かせているうちに家に着いた。
「よいしょっと」
私のベッドに学ランを脱がせた池田君を優しく横にねかせる。
「・・・これでよし。準備は万端ね」
ベッドの隅に両手を鎖で繋げる。
がっしりと取れないように。私から逃れられないように。
そういえばこの鎖は由美が持ってきたものだ。一体どうやって入手したんだろう。
気になったけど今は目の前のやらなければいけないことに集中した。
「じゃあ、これ。やっぱり気をつけなさいよ」
いきなり何か手渡された。
「何・・・これ・・・」
「避妊具。またの名をコンドーム」
本当にどこまで準備していたんだろう。
「じゃあ、色々と頑張って。」
「色々・・・」
「じゃあね」
そう言い残して由美は帰ってしまった。
残されたのは私と池田君だけ。とりあえず観察する。
ベッドの横から顔を覗き込む。
くぅくぅと女の子のような寝息を立てながら寝ている。
この可愛らしく罪のない寝顔を見てると確かに何かしたくなる。
そういえば、修学旅行のときに女子に上半身裸にされて風邪を引きかけていた。
たまらなくなって思わず、頬をつついてみる。
ふに
やわらかくて気持ちいい。もう一回・・・
ふにふに
止まらない。あと一回だけ・・・
ふにふにふに・・・・・・
「うぅ~ん」
危ない。今にも起きそうだった。
池田君は反対側に顔を向ける。セーフらしい。
(これから・・・どうすればいいの・・・)
段取りは決めたものの、その後が決まってなかった。
肝心の由美は、
「大丈夫!下着姿で抱きつけば男なんて簡単!」
などと適当なことを言っていた。
もちろん、私にそんなことできる勇気はない。
今更ながら、慌ててきた。
「あぅ・・・」
泣きそうになってきた。目に涙が溜まってくる。
その時、池田君が顔を上げた。目を覚ましたようだ。
「ん~。アイテテ・・・頭いてぇ~・・・ってあり?」
目が合う。
「あれ? あれれ?」
場が凍りついた。
269:名無しさん@ピンキー
08/08/15 02:43:52 LK6QhdJO
ええいっ!
続きはまだか!
270:名無しさん@ピンキー
08/08/15 18:53:04 9cwykvWQ
ほしゆ
271:名無しさん@ピンキー
08/08/15 20:25:50 kBNr3Up9
うおぉぉぉいっっ!!!
気になる所で止めんなや。
続き続き!
272:268の続き
08/08/15 20:29:08 +vRqRkKp
謎だった。全てが。
小寺さんに手紙で体育館裏に呼び出された。
別に期待してたわけじゃない。卑猥なことを考えていたわけでもない。
恥ずかしがり屋だから、みんなの前じゃ言いづらいんだろう。
何だろうな?料理を試食してほしいとかでよくお弁当を作ってくれだけど、それ関係かな?
それとも料理の材料の買い物で荷物持ちでも頼まれるかも?
そんなことを呑気なことを考えていた考えていた俺が間違いだったのかもしれない。
人生初めての告白をされた。
うん、告白は確かにみんなの前じゃ言えないな。納得納得。
別に告白が嫌じゃなかった。小寺さんは恥ずかしがり屋だけどその姿が可愛いとかで人気がある。
そんな相手からの告白だ。嫌じゃないとかじゃなく嬉しかった。
ただ俺は恋愛とかそういうのが全くわからない。
人を好きになることが分からないだけだ。でも、人に嫌われることは嫌だ。
だから俺はいつも笑っているようにした。そして誰にも優しくするようにした。
ケンカもしないし、起きても殴り返さない。とにかく人を傷つける行動を一切しないようにした。
こうすれば人には嫌われないと思っていた。
おかげで、みんなからドMと呼ばれるようになったのは心苦しいけど。
ただそれだけなのに。
どうして――どうして俺はこんな場所にいるんだ?
告白を断ったあと、よく分からないが真っ青な空が見えた。
そういえば夏が近いな。熱くなってきたし、アイス食べたいなあ。
そんな呑気なことを考えた後、後頭部に鈍い痛みを感じて――
今に至る。
顔を上げる。まだ少し頭が痛かったが、目の前の状況が分からなかった。
オレンジ色の可愛らしいベッドの上にいる。女物のようだ。
俺は学ランを脱がされワイシャツ状態。
そして両手がベッドの角に鎖で繋がれている。
そして目の前には俺の顔を覗き込む涙目の小寺さん。
小寺さんは俺と目が合うと、泣き出してしまった。
・・・とにかく落ち着こう、俺。
273:268の続き
08/08/15 20:30:13 +vRqRkKp
怖かった。自分のやっていることがばれれば、池田君に嫌われる。
そう思うともう目に溜まっていた涙を止める術はなかった。
「・・・あうぅ・・・グスン・・・グスン・・・」
「こ、小寺さん!?ちょっと落ち着いて。頼むから泣かないでくれ」
顔を覆っていた指の間から池田君を見る。
彼の顔は、いつもクラスメイトにイタズラされている時と同じ困惑の顔だった。
そのいつもの顔を見ると少し安心してきた。
「と、とりあえずこの状態は何?本格的なイジメ?」
「・・・違うんです・・・グスン」
「危ない人体実験?」
「・・・違います・・・ヒック」
自分が襲われているということを考えの候補にも入れていないと思うと悲しくなった。
同時に自分の好意を理解してくれない池田君に腹立たしくもなってきた。
「・・・とりあえずこれ外してくれない?」
「それは無理・・・というか嫌です」
「何で?」
池田君の顔が青ざめてきた。自分の置かれている状況を理解してきたらしい。
「・・・これは私が・・・あなたを・・・池田君を襲うために付けたんです」
沈黙。
「・・・そういうことで始めます」
ベルトの金具に手をかける。カチャカチャと外していると、池田君が叫びだした。
「いやいやいや、お、襲う?そんなこと普通、男が女にすることだから!いや、それも犯罪だけど」
「普通はそうですね・・・でも池田君・・・名前で呼んでもいいですか?・・・優君はドMだからいいんです」
「俺の反応待ってないし・・・確かにそうだけど・・・小寺さんがそんなことやっちゃダメだ」
「何で・・・ですか」
「道徳的な問題って言うか、小寺さんのキャラ的にって言うか」
優君らしく真面目な答えだ。
「名前で呼んでください・・・早紀です・・・」
「えっと、早紀さん・・・とにかく辞めて下さい」
明らかな拒絶だ。そんなに私のことが嫌いなのだろうか。
「私告白しましたよね。それでダメだったからこうして・・・虜にしてやろうって思って・・・」
「と、虜・・・冗談にしては危ない言葉を使うね・・・」
「じょ、冗談何かじゃありません!私は本当に優君のことが好きなんです!」
そう叫ぶと、優君は黙ってしまった。
「どうして私の思いを受けとめてくれないんですか?私が嫌いなんですか?それとも好きな人がいるんですか?」
「・・・そういうわけじゃないさ・・・でも・・・でもこんなのやっぱり、間違ってる・・・」
「・・・携帯見せてください」
ズボンのポケットに手を入れる。携帯を取り出してまずはメールボックスを見る。
「辞めて・・・本当に辞めてくれ・・・」
やっぱりパスワードが掛かっている。
「パスワードは誕生日ですか?そうなら、三月三日、雛祭りの日ですね・・・」
これは密かに優君の鞄をあさって、生徒手帳を見た時に知った。優君は目を大きくして驚いた。
「何で人の恥ずかしい誕生日を!誰にも言ってないのに・・・」
そこには、クラスの女子だけではなく知らない女の子もたくさん登録されていた。
「・・・こんなに女の子が登録されています。一体どういうことですか?」
十五人ぐらい登録されている。何なんだこれは。携帯を優君に突きつける。
274:268の続き
08/08/15 20:30:40 +vRqRkKp
「これはみんなから色々手伝って欲しいとか相談があるとかで・・・」
「そんなの知りません。この中の一人ぐらい、優君が好きかも知りません」
早紀さんは怒って俺の携帯をそこらへんに投げた。
「そんなことないよ・・・」
「羨ましいです・・・みんな気軽に優君に話し掛けていて・・・私、恥ずかしがり屋で・・・」
また涙が込み上げてくる。私はやっぱり弱い。そう思う。
「私、すぐ泣いちゃうし・・・ヒック・・・自分から話し掛けられないし・・・グスン」
優君は私と目を合わせてくれているが、何も言わず黙っている。
「・・・優君は初めて私が好きになった人なんです・・・」
今度は顔が可愛らしく赤くなり、目を少しそらした。
「こんな私にも話し掛けてくれる。優しくしてくれる。・・・気付いたら私は優君のことが好きになってたんです!」
顔が真っ赤になりながらも私のことを見つめてくれる優君を見ているとこっちも顔が赤くなってくる。
「・・・私、毎日お弁当を作ってあげましたよね・・・笑顔でおいしい、って言ってくれる優君を見て嬉しかった・・・」
恐る恐る優君の頬に両手を伸ばす。熱いくらい赤い顔に。
「でもそれまででした。いくら頑張っても優君は私の好意には気付いてくれなかった・・・」
手に何か液体が触れる。見てみると、優君の涙だった。
そしてやっと喋りだした。
「ごめんなさい・・・俺、バカだからさ・・・そういう他人の気持ちとか考えないで・・・」
「な、泣かないで下さい・・・優君が悪いわけじゃないんです」
「いや、俺のせいで迷惑かけたんだ・・・本当に反省します・・・すいませんでした」
鎖で拘束された人が深々と頭を下げている。変な光景、と思う。
「それで・・・本当に私と付き合ってくれませんか・・・」
恐る恐る、だが相手の目をまっすぐ見ながらもう一度問う。
対して優君も私の目を見ながら申し訳なさそうに言った。
「・・・ごめん。やっぱり俺は誰とも、早紀さんでも付き合わない」
「そう・・・ですか・・・」
「それで・・・もう解放してくれないか」
鎖で繋がれた手をわずかに動かしながら言う。
「・・・・・・」
どうしたのだろう。何も言わない。
「早紀さん・・・?」
突然、ベッドの上で俺に重なるように四つん這いになった。
「え・・・まさか・・・?」
ゆっくりと俺の方に手を伸ばしてきて、ワイシャツのボタンを一つ一つ丁寧に外す。
「ちょっと待ったあぁ!」
後一つというところで、出来る限りの範囲で身をよじらせ、早紀さんの手を払いのける。
「な、何やってんの!?もう早紀さんの思いは分かったんだし、これで・・・解放してくれるんじゃないの!?」
「・・・やっぱり告白してもダメだった・・・さっきも言ったように、もう最後の手段に出ます・・・」
最後の手段。背筋がゾクゾク冷える。俺には女子に襲われたいなどという願望はない。
諦めずに手を伸ばしてくるので、身をよじらして払いのける。
そして思いきり動かした足が早紀さんにぶつかった。
「痛っ!」
「あっ、ごめん。大丈夫か?」
「・・・やっぱり優君は優しいです。名前の通りですね」
油断した。その一瞬だった。
すぐに俺の足をM字開脚状態に開き、その間に入り最後のボタンを外す。
そして露になった俺の体をまじまじと見つめた。
「案外、筋肉質ですね・・・」
「みんなに殴られたり、女子にボディーブローされているうちに筋肉がついたんだ・・・」
俺の悲しい過去を話しているうちに、早紀さんは俺の胸に顔をうずめてきた。
「ちょ・・・ちょっと・・・」
「優君、いい匂いがするし肌白くて綺麗で女の子みたいです」
「くぅ・・・みんなに言われる・・・」
そして俺の胸に耳を当てる。
「心臓もドキドキしています。これって私のせいですか?」
真っ赤になって上目使いで見てくる早紀さんは、とても可愛い。
ちくしょう、現実から目を背けたくなってきた。
275:名無しさん@ピンキー
08/08/15 21:07:22 mhMMyze2
書いてみたら大人しい女の子と言うより単にアイスドール系な感じがしたけど、せっかく書いたので投下してみる。
URLリンク(s3.voka.jp)
ところで奇形武器って中学二年生的ロマンだよね。
276:名無しさん@ピンキー
08/08/15 21:10:10 mhMMyze2
うわごめん、投下中にお邪魔しました。お詫びに死にます。ぎゃー。
277:名無しさん@ピンキー
08/08/15 22:33:38 cIy/Yttr
続き・・・
278:274の続き
08/08/15 22:55:22 +vRqRkKp
今思った。このスレにはBADENDとGOODEND、どちらが需要あるのかと。
279:名無しさん@ピンキー
08/08/15 23:31:30 mhMMyze2
>>278
とりあえず自分の中の需要を満たすように書けばいんじゃね?
「俺、こーゆー話嫌い」なものを書いても楽しくないだろうし。
280:274の続き
08/08/15 23:36:50 +vRqRkKp
>>279そうか、有難い。では続きを
281:274の続き
08/08/15 23:39:24 +vRqRkKp
このままじゃ危ない。俺の童貞が。いやいや、ここは落ち着いて考えろ。逆転の発想だ。
早紀さんに付き合うって言ったら、ひとまず辞めてくれるんじゃないか?
「早紀さん・・・分かったから・・・俺と付き合っていいよ」
「本当ですか!?私、嬉しいです・・・」
早紀さんは一気に笑顔になる。うん、笑顔は可愛いけど中身は案外黒い人なんだな。
早紀さんはご機嫌な様子で俺の首に手を回して抱きついてキスをしてきた。
「うわっ!ファ、ファーストキスを・・・」
泣きたい。悔しい。でもこんな状況でそんなことしても悪い方に進むだけだ。
ふと気付けば体が密着している。今まで気にしていなかったが、とてもいい匂いだ。
女の子らしい・・・いや濃厚な雌の匂いという感じだ。俺の股間が大きくなる前にこの事態を何とかしなければ。
「そ、それでさ・・・あの、鎖を・・・」
早紀さんはにっこりと笑いながらこう言った。
「それはちょっと無理・・・です」
そして俺から離れて立ち上がり、自分の服に手をかけた。
「え?マジ?」
「こ、恋人同士だからこそするんです!」
地雷踏んだ。
自分でも冷や汗をかいてるのが分かる。
自分の目の前の現実を見ないように顔を手で覆いたかったが、鎖のせいでそれも出来ない。
身をよじらせようとするが、それでも視界の端に入る。大人しく見るわけにもいかないので、懸命に目を閉じる。
男の欲望に負けそうだ。何たってクラスで人気のある女子が自分の目の前で裸になろうとしている。
クラスメイトに見られたら俺、殺されるだろうな。パサッ、パサッと制服の落ちる音がそんな思いを吹き飛ばした。
「優君・・・目を開けてください・・・」
「俺はこんなことされたくない」
目を閉じたまま出来るだけ冷静に言う。
「私はしたいんです!」
「ダメだ!こんなの間違ってる!人が嫌がることなんてしちゃダメだ!」
精一杯の大声で叫ぶ。目は開けていないから、早紀さんの表情は読み取れない。
「・・・私のこと嫌なんですか・・・」
グサリ、いやズブリと俺の心に深く突き刺さる。
「いや、嫌いなわけじゃない・・・ただ・・・」
「もうそんな話聞きたくありません」
282:274の続き
08/08/15 23:41:53 +vRqRkKp
俺の言葉なんて聞かず、無理矢理ズボンとトランクスを下ろす。
いきなりそんなことされたのだ。驚いて目を開ける。
と、目の前には下着姿の早紀さんが。俺の股間をじっくりと覗き込んでいた。
「・・・・・・!!」
純白の下着。それは早紀さんに似合っていて可愛い。しかも胸の谷間が見える。
決して大きいというわけじゃない大きさだが俺を、俺の息子を興奮させるには十分だった。
先ほどの着替えで興奮しかけていたが、完全に俺の息子は成長しきっていた。
「これが・・・優君の・・・」
ゆっくりと手を伸ばしてくる。逃れられない。
優しく包み込むようにでも、しっかりと離さないように俺の息子を握る。
他人に触られた瞬間、背筋がゾクゾク震えた。
「うわっ!」
「ご、ごめんなさい!」
素直に謝ってくる。謝るくらならやらないで欲しい。
「・・・えと、これを私の中に・・・入れれば・・・」
下着を完全に脱ぐ。俺はまたもや興奮する。
俺の上に跨り、自分の中へ迎え入れようとする早紀さん。先端が突入する前に叫んだ。
「待った!これ以上やると俺は君を・・・恨むよ」
無言で見つめ返してくる。
「今放してくれれば、何もなかったことにするから・・・いつもどおり・・・今まで通りにさ・・・」
早紀さんは真っ赤な顔を俺の望む方向へとは振らなかった。
「・・・せめてコンドームとか・・・」
「・・・これ・・・ですか?」
俺の目の前に出す。せめてもの救いだ。
「・・・頼むよ・・・」
「私は・・・優君と本当に一つになりたいんです・・・」
そう言って早紀さんはコンドームをどこかに投げ捨てた。
男としては言われてみたいセリフだ。でも、こんな状況で言われても全く嬉しくない。
「じゃあ・・・行きます!」
ゆっくりと、体を下ろし俺を入れていく。
「くぅ・・・ううう・・・」
入っていく。早紀さんの中に。快感に襲われる。俺はこんなの望んでいないのに。
中はとても温かい。包まれているより飲み込まれているといったほうが近い。
早紀さんは目をつぶっている。彼女も相当苦しいのだろう。
入っていくうちに先端が何かに当たった。純潔の証である。
俺が引き返せる最後の可能性でもあり、希望だ。
「い、今すぐ抜いて・・・まだ引き返せるから・・・」
「優しい・・・ですね・・・やっぱり優君は大好きです」
出来るだけの笑顔をした後、彼女は一気に腰を降ろし俺で貫かせた。
小刻みに震える体。乱れた呼吸。
痛みで涙がこぼれそうな目。ただその目の奥は嬉しそうに輝かせている。
彼女の性器から血が出て俺の体にも付着している。
もしかしたら、これは夢なのかもしれない。
そんな甘い希望も、それを見て打ち砕かれた。
早紀さんは呼吸が整い、痛みが和らいだだろう時に俺に、こう尋ねた。
「気持ち・・・いいですか?」
何も言えない。気持ちいいのは事実だが嬉しくも何ともない。
「私、動きますね・・・」
俺の体に手を置き、腰を上げ体をゆっくりと上下に動かし始める。
その振動は俺に現実離れした、と言うより現実から離れさせていくような快感を与えた。
「・・・・・・・・・ッ!」
せめて言葉には出さないようにしたものの、刺激に耐え切れず声が漏れる。
「う、嬉しいです。気持ちよさそうにしてくれるなんて」
そう言って腰を振る速度を速めてくる。快感も罪悪感もましてきた。
悔しさで胸がいっぱいになる。ちくしょう。
283:274の続き
08/08/15 23:42:35 +vRqRkKp
俺の肉棒で感じている早紀さんとは目を合わせられず、思わず横を見る。
大きな鏡があった。鏡の中に見えるのは、俺の上で満足そうに腰を振る早紀さんと快感に顔を歪める俺。
――俺は望んでいないのに何故鏡の中の俺はこんなに気持ちよさそうなんだ?
悔しかった。もう絶望した。抵抗する気も失せた。
全身の力が抜けていく。それでも性器は力が漲っている。
もうどうだっていい。もう出そうだ。我慢する必要もない。
「早紀さん・・・も・・・もう出るっ!!」
「イ・・・イってください!・・・私の!・・・私の中で!!」
早紀さんも絶頂を迎えたようだ。
俺は早紀さんの中に自分のあらゆるものを吐き出した。
後悔、絶望、罪悪感・・・自分に溜まっていたもの全て。
俺に倒れこむ早紀さんの顔。喜びに満ち溢れた顔。それを見ても怒りなどは一切湧いてこない。
俺たちはそのまま気を失った。
もうどうだっていいさ――
BAD END
284:274の続き
08/08/15 23:43:41 +vRqRkKp
まあ、こんなものだ。まあ暇つぶしにでも読んでもらえると嬉しい
285:名無しさん@ピンキー
08/08/15 23:51:32 mhMMyze2
逆レイプっぽくっていいんじゃないでしょうか。
はたしてBAD ENDなのか良くわかりませんが。
286:名無しさん@ピンキー
08/08/16 00:00:26 FfV9WAFN
>>285GOODではないだろうという感じだ(スレ的にはGOODだと思うが)
287:名無しさん@ピンキー
08/08/16 00:00:38 LfAv3LqZ
>>276
発想がいいしおもしろいとオモ。たしかに多少厨2ぽいかもですがwそんな深刻なわけじゃないし
>>284
王道ってかんじですな。
職人も増えたし俺もがんばらなきゃ。需要ねーよwなんていったら今晩ヤンデレ娘がうわ、やm
288:名無しさん@ピンキー
08/08/16 11:05:18 D8gKosPY
一人称の視点の切り替えの時には、一行空けした方がいいな。
男鈍感すぎるぞ。殴れw
289:名無しさん@ピンキー
08/08/17 15:06:27 FJEkCNF/
続きを書いたんで投下
290:名無しさん@ピンキー
08/08/17 15:09:17 FJEkCNF/
>>263続き
数ヶ月ぶりの美奈に、俺は思わず息をのんだ。
冬用の紺のセーラー服に、最近の女の子としては丈が長めのスカート。
そしてすらりと伸びた白い脚を覆う黒のニーソックス。
腰のあたりまで伸びている艶やかな黒い髪は、彼女の白い肌に調和し美しさを増している。
真奈美のような人目を引く美しさとは違う、静かな魅力が美奈にはあった。
「あんた、何じろじろ見てんのよ!」
「あだっ!」
殴られた俺までも心地よくなるような快音と共に振動が脳を揺さぶる。
「何すんだ!」
「あんたが美奈のことじろじろ見てるからよ。美奈、襲われないよう気をつけなさい」
真奈美の中では、見ているだけで変態と認定されるらしい。
「冤罪もいいとこだな」「はっ、どーだか。頭の中ではやらしいことでも考えてるんでしょ」
「お姉ちゃん」
静かにに、美奈が口を開いた。
「兄さんがかわいそうだよ」
291:名無しさん@ピンキー
08/08/17 15:10:08 FJEkCNF/
雰囲気が変わった。別に憤怒の形相というわけでも、声を荒くしているわけでもない。
ただ静かに、だが正確に針を突き刺すように、美奈は言う。
「お姉ちゃんは相手の気持ち、もう少し考えた方がいいんじゃない?」
どうしようもない正論だった。俺も真奈美も、おばさんまでもぽかんとしている。
「それに、私は兄さんになら、何されたっていいもの」
美奈はなんでもないことのようにさらっと言い放つと、「荷物を置いてきます」と二階に上がっていった。
292:名無しさん@ピンキー
08/08/17 15:12:45 FJEkCNF/
「……あんな美奈、初めて見たわ」
おばさんも驚きを隠せないようだ。確かにさっきの美奈は迫力があった。
頭の回転が速く、口では負けない真奈美すら何も言えなかったのだ。
「……祐介、私の部屋いこ」
真奈美は俺の手をつかむと、ぐいと引っ張る。
「え? でも」
俺は食べ終わっていたが真奈美はまだ少し食べ残している。
「いいから!」
「真奈美、待ちなさい!」
おばさんの制止もきかず、真奈美は俺の手を強く握ったまま、リビングをでた。
真奈美が、美奈の来ない間に自分の部屋に逃げようとしているのは明白だった。
相手に媚びることを知らない真奈美の、この行動は意外であった。
が、神様のいたずらか、ちょうど階段から美奈が降りてきたのである。
293:名無しさん@ピンキー
08/08/17 15:14:34 FJEkCNF/
「どこに行くんです? 兄さん」
上品な微笑みを俺に向ける美奈。そして、やたら「兄さん」を強調する。
まるで隣にいる真奈美を無視しているようでもある。
「もしよければ、兄さんてお話ししたいな」
「今から私の部屋いくから。また今度にして」
いらだちを隠そうともせずに言い放つ真奈美。
「兄さん、だめ?」
これは……なんだ?俺は状況を飲み込めない。
美奈も真奈美もこんなに仲が悪かったか?
少し会わぬ間に二人とも変わってしまったのか?
294:名無しさん@ピンキー
08/08/17 15:20:32 FJEkCNF/
今回は終了です
正直いいや、限界だッ!おすね!って感じで濡れ場にいくかと思えば到達できなかった!
>>275
いい意味で型月さんみたいな感じですなwこう思ったのは俺だけ!?
>>284
まとめ上手ですね。俺が遅いだけ!?
295:名無しさん@ピンキー
08/08/17 19:01:39 E0uTMCA7
GJ!
続きwktkしてます
296:名無しさん@ピンキー
08/08/18 00:45:48 CUFjCz5I
超GJ!!
これは続きが気になる
297:名無しさん@ピンキー
08/08/18 22:55:31 IrG1RS8S
さぁ速く執筆作業に戻るんだ
さもないと夜中にヨガのポーズをした俺が扉を叩くことになる
298:名無しさん@ピンキー
08/08/18 23:53:26 7XONS4L2
>>297
お断りします
お断りします
ハハ ハハ
(゚ω゚)゚ω゚)
/ \ \
((⊂ ) ノ\つノ\つ)
(_⌒ヽ ⌒ヽ
丶 ヘ | ヘ |
εニ三 ノノ Jノ J
299:名無しさん@ピンキー
08/08/18 23:54:35 7XONS4L2
「なぁ……さっきのあれ……なんだったんだ?」
無論、「あれ」とは真奈美美奈姉妹のけんかである。
あのあと、結局俺は真奈美との約束を優先し、真奈美の部屋にいった。
だが、先ほどの会話がいやでも脳裏に甦り勉強がてにつかない。
そりゃ昔からけんかが全くなかったわけではない。
だが、はきはきとした真奈美と物静かな美奈はよく調和していた。
仲良しだった。
だが先ほどの言い争いからはそんな様子は微塵も感じられない。
「なぁ、黙ってちゃわかんないだろ? つかお前らしくないぜ? そういうの」
やはり、真奈美は黙っている。何か相当深い確執がありそうだな……。
俺はベッドに腰掛けている真奈美の隣に移動し、顔をのぞき込んだ。
彼女らしからぬ、思いつめた表情だった。聞き出すのは無理だな、と思った。
300:名無しさん@ピンキー
08/08/18 23:55:51 7XONS4L2
「まぁ、無理に話せとは言わないけどさ―うわっ」
突然視界が揺れ、世界が反転した。
「お、おいちょっと―」
真奈美に押し倒されたとわかったのは、唇を塞がれてからだった。
何がなんだかわからず、咄嗟の瞬間が過ぎた後に、真奈美から唇を離した。
「……ごめん」
俺を押し倒した態勢のまま、真奈美は表情を陰らせた。
「祐介、私を抱いて」
俺は、頭を殴られたような衝撃を受けた。
俺は、少なくとも真奈美の貞操観念を疑ってはいなかった。
こいつが誰とでも寝るやつだとは思ってなかった。
というか、真奈美の口から「抱いて」、
なんて言葉がでること自体考えてなかった。
301:名無しさん@ピンキー
08/08/18 23:58:30 7XONS4L2
「……嫌、なの?」
しおらしい、明らかにいつもとは違った真奈美だった。
芯の強さを窺わせる声色はなく、女の媚びに満ちたものだった。。
「……突然おかしいよ。落ち着けよ」
俺は起きあがろうとしたが真奈美は許さなかった。
俺は心の底からため息をつき、いった。
「俺、真奈美はもっとしっかりしたやつと思ってた。誰とでも寝るやつだったのか?」
「そんなことない!」
俺の頬に、一粒の光が落ちてきた。ハッとして真奈美を見ると、
漆黒の黒い宝石のような瞳は涙に濡れていた。
「私は……祐介だから……祐介のこと、好きだから」
302:名無しさん@ピンキー
08/08/18 23:59:52 7XONS4L2
突然の告白だった。
真奈美が俺のことを好き……?
完璧超人の真奈美がぐうたらの俺を?
「俺は……」
言葉が、でない。嫌いじゃないんだ。じゃあ好き?
多分好きだ。でも……この気持ちはなんだ?
付き合うとか、そういうのじゃない気がする。
「ごめん、やっぱり俺……付き合えない」
「……そう」
真奈美はこれ以上ないくらいに冷ややかだった。
構わず起きあがろうとした俺。
この時の行動次第で運命は変わっていたかもしれない。
「だからどいて―」
またも、唇を奪われた。しかも、さっき以上に激しく。
「何すんだ!」
「既成事実つくれば……」
「はあ!?お前っ」
「仕方がないじゃない! こうするしか!」
真奈美は俺にきつく抱きつくと、片腕を首に回し、もう片方を俺の股間に伸ばした。
真奈美は錯乱している。そう思った。
真奈美だけが錯乱している、そう思った。
「お前はこんなやつじゃないだろ!?」
「こんなやつなの! 祐介のこと思ってオナニーだってしたし、
色々妄想だってした! 私はずっと好きだったの!」
「なんなんだよ!」
今は真奈美の独白を気にする余裕はなかった。
俺は押し返そうとするが、本気で真奈美を拒めなかった。
頭のどこかで冗談だと信じていたから。
303:名無しさん@ピンキー
08/08/19 00:01:03 7XONS4L2
だが現実に、俺は真奈美にまたもキスされ、舌を強く吸われた。
何度もそういう応酬が続き、俺の精神は折れかけていた。
目の前の真奈美が服を脱いでいく姿を見て、俺は弱々しい呟きを漏らすしかなかった。
「なんで……なんでだよ」
涙がでてきた。情けなかった。自分に対しても彼女に対しても。
「祐介、私は愛してるから。絶対幸せにしてみせる」
304:名無しさん@ピンキー
08/08/19 00:02:23 +v7BvHv7
俺の涙に気づいたららしい真奈美が、再び俺にキスを迫ってくる。
俺は最後の抵抗にと、キスをかわした。
「……祐介」
これ以上ないくらいに悲壮な表情になった真奈美。やばい、と思った。
「愛してるから!」
「やめろ!」
本能からか、再び俺が真奈美を押しのけようとした時だった。
「……兄さん? お姉ちゃん!?」
扉の前に、美奈がいた。
「お姉ちゃん、兄さんに何してるの!?」
美奈はこちらに駆け寄ると、真奈美を無理やり引き剥がし、俺を優しく抱擁した。
「兄さん、大丈夫ですか?」
美奈皆は赤子をあやすように俺の髪を撫でた後、真奈美に言った。
「お姉ちゃん、最低だよ。兄さんがかわいそう」
真奈美が何か叫んだ。うるさい!だったかなんだったかわからない。
「兄さん、私の部屋にいきましょう」
俺は優しく美奈に支えられながら、真奈美の部屋を後にした。
305:名無しさん@ピンキー
08/08/19 00:05:34 +v7BvHv7
これは試練だ。過去に打ち勝てという試練と俺は受け取った
人の成長は未熟な過去に打ち勝つことだとな。
とか言いながら俺は成長できねぇッ!
相変わらず濡れ場にいかない俺の行動!俺は敬意を表するッ
306:名無しさん@ピンキー
08/08/19 00:08:35 +v7BvHv7
おっと今回は終了です。受験勉強が進まない……執筆も進まない……
あああ誰か英語助けてください河合模試で130くらいしかとれないです……
ちなみに浪人生なんで
(´∀`)
って俺は何してるんだ!
307:名無しさん@ピンキー
08/08/19 00:41:51 3a6SudXM
妙なピン芸入れてないで、シンプルに作品にGJを言わせなさいw
308:名無しさん@ピンキー
08/08/19 09:29:27 o46dypOh
GJ過ぎる(´・ω・`)
妹フラグが立って関係がさらに複雑に…いいね
あまり無理はなさらぬように
309:名無しさん@ピンキー
08/08/19 13:56:30 GJMehaTO
英語がダメならドイツ語で答えればいいじゃない(マリー
310:名無しさん@ピンキー
08/08/19 14:52:35 52ttJGcz
もしかしてそのマリーは・・・
311:名無しさん@ピンキー
08/08/19 15:19:50 upHfkSyk
フーリガンフーリガン!
>>306
無理しないように。だが期待してます。
ってかお断りしてねぇじゃねぇかw
312:名無しさん@ピンキー
08/08/19 17:40:54 UpqUD4oT
一つ質問させていただきます。
このスレ用に少し長めのもの(大体60kbほど)を一篇書き上げたのですが、
ここまでの分量になるとやはり何回かに分けて投下した方がいいでしょうか?
313:名無しさん@ピンキー
08/08/19 18:03:46 R66czdD7
早く読みたいのが本音だけど2,3回に分けたほうが盛り上がるかもね
314:名無しさん@ピンキー
08/08/19 22:21:47 w7h6vU/P
ロダというてもある。
315:名無しさん@ピンキー
08/08/21 14:25:37 lhglEpv9
1日に20kbずつ、3日に分けた方が無難かと
316:名無しさん@ピンキー
08/08/24 12:59:41 xQtKVCxM
保守
317:名無しさん@ピンキー
08/08/24 17:03:18 U4I6jzK9
投下する……
318:名無しさん@ピンキー
08/08/24 17:07:15 U4I6jzK9
何もしないをする。
まさしくそんな感じだった。
わかるのは、何も考えられないことと、美奈に膝枕をされていることだ。
何分たったのだろうか。わからない。
ただ、言葉がでてくる。考えて言っているわけではない。ただでてくるのだ。
「俺、真奈美のこと好きだったんだ」
そう、真奈美のことは好きだった。真奈美の好きとは違ったかもしれない。
それでも大切な人だった。なのに。
319:名無しさん@ピンキー
08/08/24 17:08:53 U4I6jzK9
「なのに……あいつは……」
裏切った。そう言いたかった。言葉は言葉として形を持たず、
嗚咽となってあふれる。
「兄さん、私がついてますから……安心してください」
美奈のなめらかな、ひんやりとした手が、俺の髪をなでた。
限界だった。
激情は理性を簡単に破壊し、爆発した。
俺はどうしようもなく、美奈の膝の上で泣いた。
「兄さんは、私が守ります」
美奈は、優しく、慈しむようにいつまでも俺の髪を撫で続けた。
320:名無しさん@ピンキー
08/08/24 17:10:34 U4I6jzK9
次の日俺は普通に登校したが、内心気が気でなく、休み時間になる度教室を飛び出していた。
そのかいあってか、一度も真奈美と遭遇することはなかった。
友達の話によると休み時間になる度に真奈美がきていたらしいが、
目的である俺がいないとわかると、俺に手紙を残していったらしい。
クラスメイトは「ついに告白か!?」と盛り上がり、
露骨に冷やかしてくるやつもいた。
321:名無しさん@ピンキー
08/08/24 17:12:00 U4I6jzK9
事が事であるだけに、俺は学校では封を切らず、
家に帰ってから読むことにした。
ホームルームが終わった瞬間教室を飛び出し、一目散に校門まで走る。
無論真奈美との遭遇を回避するためだ。
振り返る。人影はない。
前を向く。人がいた。
「こんにちは、兄さん」投げかけられる軽やかな声色。そこには、セーラー服に身を包んだ美奈がいた。
322:名無しさん@ピンキー
08/08/24 17:13:02 U4I6jzK9
口内炎テラウザス
今回はここまでだ
恨むなら口内炎を恨むんだな……
ククク
323:名無しさん@ピンキー
08/08/24 22:39:04 MdOiBgJ5
続き楽しみにしてるぜ
324:名無しさん@ピンキー
08/08/24 23:18:23 Z2GQzZ2x
>>322
おのれ口内炎め!!!!!!!
口内炎ってビタミンCだったかDが足りないからできるんじゃなかったっけ?
325:名無しさん@ピンキー
08/08/24 23:38:59 OMBpQQEJ
ちっくしょぉぉぉ!
チョ○ラBBを!チョ○ラBBを作者に誰か買ってくれぇぇぇぇ!
続きが楽しみです。
326:名無しさん@ピンキー
08/08/25 02:38:05 K1bv/z/x
乙。
できるときは何やってもできる上にできちまったら耐えるしかないのが口内炎の辛いところ。
327:名無しさん@ピンキー
08/08/25 21:05:59 tasrX5uQ
>>324
ビタミンBですね。
あとはうがい薬などで口内を殺菌すると治りが早いです。
328:名無しさん@ピンキー
08/08/25 21:22:39 sS1qtu0E
なるほど病んで離れるに離れられない
口内炎とはまさにヤンデレですね
329:名無しさん@ピンキー
08/08/25 21:46:40 Vjq9/aSh
とうかします
330:名無しさん@ピンキー
08/08/25 21:48:10 Vjq9/aSh
「……で? 悩みってなんだよ」
俺の名前は西川太一。普通の会社でなんとなく働いてるただのリーマンだ。
……あとはなにもない。
過去においてきてしまったから。何もかも。
おっとこんなことはどうでもいいな。
今日は金曜日、つまり週末だ。
週末恒例の飲み会に同僚とくり出す予定だったのだが。
同僚の一人である水城が俺に相談したいとかで、近所の居酒屋に二人でいくことになった。
店にはいると、どうやら深刻な悩みがあるとかで個室につれてかれた。
……が、それからかれこれ10分はたつが、水城が口を開く気配はない。
「さっさと言えよ。酒が不味くなる」
水城の、こういうてきとーな性格は同僚からもあまり好かれていない。
つい強い口調になるのはそのためだ。
331:名無しさん@ピンキー
08/08/25 21:48:53 Vjq9/aSh
「あのさ……西川、俺」ためらいがちに口を開く水城。
表情から察するに、どうやら相当な悩みらしい。
相手が本気だと理解した俺は、静かにその次の言葉を待った。
「……再婚しようと思うんだ」
数刻待ったのち、水城はためらいがちに、だがはっきりとそう口にした。
……相当に悩んで出した答えなのだろう。俺がとやかくいえる立場じゃない。俺は一言「おめでとう」といった。
332:名無しさん@ピンキー
08/08/25 21:49:48 Vjq9/aSh
「それでさ、ほら、俺に娘いたろ。何回かお前も会ってるはずだよな?」
「ああ」
それなら覚えてる。そういえば、こいつには娘がいた。
離婚した前妻との間にできた子らしい。
確か名前をみなせとか言ってたっけ。
……それ以外は思い出せん。
「それが?」
「それでさ……一生のお願いがある」
水城は座布団からおりると、床に手を突いて言った。
「頼む! みなせをお前の養子にしてやってくれ!!」
……ん? 養子?
養子ってーとみなせちゃんが俺の娘になるってか?
……理解した。
「ふざけんな! お前はそれでも親か!?」
テーブルの上のビールが倒れるくらい、
俺は力一杯両手をテーブルに叩きつけていた。
333:名無しさん@ピンキー
08/08/25 21:50:29 Vjq9/aSh
「仕方ないだろ! もう決めちまったんだよ!」
逆ギレした水城も声を荒くしてまくしたてる。
「決めたってなんだ? 年頃の娘ほっといてか!?」
「相手は妊娠してんだ!」
……馬鹿だこいつ。そのとき、俺は思い切り冷めた目で目の前の人間を見ていた。
「い、いや妊娠してるからもあるけど……何より愛してるんだ。俺もあいつも」
俺の蔑んだ眼差しがさすがにこたえたのか、一瞬ばつが悪い表情になった。
「……で、それと娘さんを養子にしろってのはどう関係する?」
一口ビールを飲み、出掛かっている言葉を飲み干す。俺まで冷静さを失ってはならないのだ。
「相手がさ、俺のことはマジで愛してる、
けど年頃の娘さんがいるならさすがに結婚は無理だって……」
つまり、自分が女と結婚したい。だから邪魔な娘を引き取れと。
……そういうわけか。
334:名無しさん@ピンキー
08/08/25 21:51:20 Vjq9/aSh
「わ、わかってくれたか?」
俺が黙っているのを了承と受け取ったらしい。底なしの最低野郎だ。
「わかるわけねーだろ!」
再び、俺はテーブルに両手を叩きつけていた。
「自分が結婚したいから娘を処理しろだ? ふざけんな!」
「だったらどうしろってんだ? お腹の中の子を殺せってのか!」
「そうはいってない!」
「娘を大切に思ってるからお前に頼んでるんだ! そうじゃないならとっくに施設にいれてる!」
「だが―」
「子育ての経験があるお前だからこそ言ってるんだ!」
335:名無しさん@ピンキー
08/08/25 21:53:24 Vjq9/aSh
水城の一言は、失われた―とうの昔に失われた鍵のように、
俺の心の奥の奥にしまわれた記憶の扉。
その鍵を開けた。
かつて、俺に家族がいたころの記憶。
娘と妻と……真珠のように小さかったけど、輝いていた日々。
事故で、たった一つの偶然が全てをぶち壊し、
それ以来、俺の心は死んでいくだけだった。
……しかも、俺が引き取らないとみなせちゃんは施設にいかされる、と。
「……わかった」
ぽつりと一言、口からこぼれ落ちた言葉。
「ほ、本当か!?」
水城は俺の両手をつかむと、信じられないといった表情をした。
336:名無しさん@ピンキー
08/08/25 21:54:12 Vjq9/aSh
トウノオレガイチバンシンジラレナインダガ。
「ありがとう! 西川ならわかってくれると思ってたんだ!」
俺は黙っている。決意? 決心?
「あ、そ、それで金なんだけどさ。その、今から金かかるから、しばらく……」
「いいよ。みなせちゃんの養育費は俺が払う」
他に使い道もないしな、と自嘲する。
「あ、ありがとう! それじゃ明日お前のマンションにみなせとくるからな!」
「ああ」
異常に興奮している水城とは対照的に、俺は冷めていた。
あのころの綺麗な記憶は、頭から消え去っていた。
337:名無しさん@ピンキー
08/08/25 21:55:30 Vjq9/aSh
次の日の午前10時。みなせちゃんを連れた水城が、マンションにやってきた。
「ほら、みなせ、挨拶しなさい」
「水城みなせっていいます。これからよろしくお願いします」
水城とは対照的に……いやこの子も水城だが。
とても礼儀正しく、とてもしっかりしていた。
まるで水城の子だとは思えないほどに。
338:名無しさん@ピンキー
08/08/25 21:56:22 Vjq9/aSh
「あ、ああ、よろしく」
可愛しい少女だった。
陶器のようになめらかで白い肌と、腰のあたりまで伸びた黒い髪がとても印象的だった。
目鼻立ちに幼さは残るものの、それが逆に魅力となり、美しさを引き立てている。
それでいて、優しい柔らかい雰囲気を纏っている彼女は、本当に水城の娘には見えなかった。
339:名無しさん@ピンキー
08/08/25 21:59:30 Vjq9/aSh
一旦終了です
口内炎二つできてるししかも一週間以上続いてます
とんだヤンデレに哀されちまったぜ……
記述模試で早稲田法E判定くらいました\(^o^)/
340:名無しさん@ピンキー
08/08/25 22:00:30 tasrX5uQ
>>339
うわあ、GJなのに続きを期待するのが危険な雰囲気w
341:名無しさん@ピンキー
08/08/26 01:57:36 x36HVjjy
GJ!!
続きが気になるんだぜ
342:名無しさん@ピンキー
08/08/26 03:21:48 uA3QmgTf
>>339
一応聞くけどこれと同じものをどっかのサイトに投稿してた人?
343:名無しさん@ピンキー
08/08/26 04:10:18 MmXNiKvv
激しくGJ!!養女で幼女とは…ゴクリ…
344:名無しさん@ピンキー
08/08/26 09:20:14 Ctxa9V7o
URLリンク(m.nicovideo.jp)
345:名無しさん@ピンキー
08/08/26 10:11:01 Smy7ReNQ
ちなみに口内炎はビタミンバランスもともかく、亜鉛を摂ってると耐性がつくぜ。
余計なところが元気になっても責任は取らんがな!!
346:名無しさん@ピンキー
08/08/26 10:20:50 IO0wgr1K
>>345
まったくだ
余裕で2桁いけるようになったから困る
347:名無しさん@ピンキー
08/08/26 10:25:46 0Vl7dMcC
>>342
そんなこと聞かなくていいだろ
348:名無しさん@ピンキー
08/08/27 20:44:49 thhWK+Vn
「……なんでここにいるわけ?」
「言ったじゃないですか。兄さんは私が守りますと」
美奈はためらいなく言い放つ。
「さっ、いきましょう」
「え、あ」
もごもごしている俺の手を握ると、美奈はすたすたと歩き出した。
「うー……寒いですね」
「寒いな……」
確かにもう12月も折り返しだ。充分な真冬である。
……ん?
「ちょっと待った。美奈、お前まさかずっと待ってたのか?」
「はい。待ってましたよ」
349:名無しさん@ピンキー
08/08/27 20:47:30 thhWK+Vn
にこっと笑みを見せる美奈。
「……風邪ひいたらどうすんだよ」
「私の身体より兄さんのほうが大事ですから」
「いや、俺は大丈夫だから。明日からはもういいから―」
「兄さん。私は兄さんを誰より大事に思ってますから。明日からも来ます」
「でも」
「来ますから」
なんの躊躇いもなくぴしゃりと宣言する。
美奈は静かなように見えて、真奈美より頑固な面がある。
こうなってはもう何を言っても無駄だな……。
350:名無しさん@ピンキー
08/08/27 20:49:13 thhWK+Vn
……実際、悪い気はしない。真奈美も美奈と同じく幼なじみだし。
美奈に悪いとか思いつつ、喜んでいる自分がいた。
木枯らしの吹く夕暮れの道の中、ただ美奈と繋がれた右手だけが暖かかった。
351:名無しさん@ピンキー
08/08/27 20:51:07 thhWK+Vn
「わぁ、兄さんの部屋、久しぶりです」
美奈が感慨深げに呟く。確かに美奈を部屋に入れたのは数ヶ月、もしくは一年ぶりだろうか。
送ってくれたお礼にせめてお茶くらいだそうと家にあがってもらったのだ。
「まぁ、結構片づいてるっしょ? あ、お茶もってくるから」
俺はバッグをベッドに放り投げると、一階に降りた。
352:名無しさん@ピンキー
08/08/27 20:52:55 thhWK+Vn
実は俺の隠れた趣味にお菓子づくりがある。
二日ほど前に作ったチーズケーキ……
ラッピングしてチルドで保管していたし大丈夫だろうと、
二人分の温かいお茶と共にお盆に載る。
美奈はおいしいといってくれるだろうかなどと呑気に考えながら、自室に戻った。
そして、そんな俺を待っていたのは。
「……兄さん、これは?」
開口一番、美奈の冷ややかな声が俺を襲った。
美奈が握っているのは、真奈美からの手紙だった。
353:名無しさん@ピンキー
08/08/27 20:54:40 thhWK+Vn
口内炎\(^o^)/
今回はここまでやねん
なんか思いつきで書いた養子の話のほうがうまくいきそうだ\(^o^)/
354:名無しさん@ピンキー
08/08/27 21:18:22 bOC4/keO
ハッ、乙とか言って欲しいのか?
お、おっ・・・ぉっ・・・。
うっ、うるせーな何でもねーよバーカバーカ!
355:名無しさん@ピンキー
08/08/27 21:27:21 +PguwrK4
おぉぉ GJ!
続きが楽しみだぜ!
ヤンデレスレで軽くツンデレ(?)るとは(笑)
356:名無しさん@ピンキー
08/08/28 02:33:18 1DiEf3EJ
>>353
乙。あんまり口内炎をひっぱると通称口内炎の人とかで認識されるぞww
357:名無しさん@ピンキー
08/08/28 02:54:56 i9C6kPkq
>>353
実に乙
358:名無しさん@ピンキー
08/08/28 03:28:44 hgFYZ4Ox
>>356
もう口内炎の人で良いんじゃね?
359:名無しさん@ピンキー
08/08/28 10:53:21 0Ry4F9W5
二、三行毎に投稿とか
スレッドの燃費が悪すぎる
360:名無しさん@ピンキー
08/08/28 12:48:01 G+c5Vkcb
それはある。携帯電話から見る分には楽だが。
1レス20行くらいを目安に投下して欲しいもんだ。
361:名無しさん@ピンキー
08/08/28 13:54:58 i35wjcpm
すいません
携帯からなんでイマイチ間隔が掴めませんでした
362:名無しさん@ピンキー
08/08/28 23:07:51 sM6GLjIC
原稿用紙1枚分くらいは書けるよ。
363:名無しさん@ピンキー
08/08/29 00:34:40 mjugbcep
GJすぐるwww
早稲田のセンター利用かな
結構キツいと思うけど頑張れ!
364:名無しさん@ピンキー
08/08/31 01:55:51 t4hj3SmR
「お姉ちゃんから……ですね?」
俺は答えることができなかった。
俺が肯定すれば美奈が「なんらかのそういったアクション」を起こすことはなんとなく予想はついたからだ。
だが人間、とっさの考えに思慮は回らないものだ。
そしていつも後悔するのだ。
なぜあのときこう答えなかったのか、と。
かといって「違うよ」と、平気で嘘をつくような姑息さも、俺は持ち合わせているわけではなかった。
「やっぱり、そうなんですね」
沈黙は肯定だ。答えは二択ではない。
美奈はおもむろに封を破ると、中身を取り出した。
「おい、ちょっと」
「兄さん」
悲しげな表情だった。
先ほどの、触れれば身を裂くような、
鋭利な刃物のようなそれではなく。
「兄さんのためなんです。私が先に確認して問題なければ渡します」
……そうだった。
この手紙が謝罪や弁解のためだとは決まっていないのだ。
「あ、でも心配しないでください。きっとお姉ちゃんだって仲直りしたいはずです」
俺の表情が暗くなったのを見て、慌てながら言った。
「私も仲直りしてほしいですし」と微笑みながら付け加え。
「いいですよね? 兄さん」
俺はこくんと頷いた。
美奈は俺の同意をうけ、ふっと微笑んだ。
美奈が文面に目を通し始める。
俺は美奈が笑顔のままでいてくれる、そんな結末を予想した。
そうなると思っていたんだ。
だが、目の前の美奈の表情は、俺の見た未来とは逆の方向に向かっていた。
「……ひどい、こんなの」
ぽつりと呟いた言葉が、俺の心に突き刺さった。
「……兄さん。これは渡せないみたいです」
最も聞きたくなかった台詞だった。
「兄さん、これは私が預かっておきます。兄さん……」
美奈は静かに、そして慈しむように俺を抱きしめた。
不思議と涙はでなかった。
俺は崩れそうになる心を美奈に預け、返ってくるはずのない自問をした。
365:名無しさん@ピンキー
08/08/31 01:57:11 t4hj3SmR
今回はテストも兼ね
1レスこれくらいでいいでしょうか?
366:名無しさん@ピンキー
08/08/31 02:03:06 n7BQ2vHY
GJ!これからどの方向に向かっていくのか…
続き楽しみにしてます!!
文の量は問題無いと思います。
オレ的には全然OKです。
367:名無しさん@ピンキー
08/09/01 21:16:06 Y9dzetf3
「お前! 藤崎さんに何したんだ!?」
翌日の昼休み。
授業が長引き、放浪の旅に出遅れた俺は、教室でどっか見たことあるような男にとっつかまった。
「昨日から藤崎さんの様子がおかしいから聞いてみたら……お前が原因らしいな」
眼前の男は俺を威嚇するように鋭く睨みつける。
「部活でも動きにキレがなかった。お前が藤崎さんに何かしたんだろ!」
俺が黙っているのを肯定と受け取ったのか、男は更に言い募る。
……ん?
ああ、思い出した。こいつはテニス部の部長だ。
昔、真奈美に誘われてテニス部の練習を見に行ったときちらっと見たな。
「どうなんだ!?」
俺の机をバン!と叩くと、男は更に勢いづいたようだった。
「いや、どうなんだと言われてもなぁ」
ぶっちゃけ面倒くさい。
真奈美をまかなきゃいけねーのに。
しかもギャラリーがこそこそ言ってるじゃねーか。ううむ……。
そもそもこいつは中途半端に、というかほぼ内容自体は知らされていないのだろう。
そらそーだわな。知らされてんのならこんなことにはならん。
だが説明できない。真奈美の名誉のためだ。甘いのかもしれんが……。
「おい、そこのテニス部部長さんよ」
ギャラリーの中の一人だった―いつもの軽薄なノリはいずこやら、真剣な表情な修が、俺を庇うように男との間に割り込む。
「さっきから俺のダチに好き勝手言ってくれてるけどな。てめーがこいつらの何を知ってんだ?」「突然なんなんだ君は。関係ないだろ」
「関係? 大ありだよ。それにお前はこいつらのことを全くわかってねえ」
確信ありげに言い放つ修。意外と友達思いなんだなぁ。と感心した矢先。
「こいつらはな、婚約してんだよ! 未来を誓いあってんだよ!」
……。
「そりゃな? 確かに真奈美ちゃんと喧嘩しちまったかもしんねー。
だがな、そんなもんはこれからの夫婦生活の……二人で乗り越えるべき壁なんだよ!」
とりあえず、ひとまず喋り終わったらしい修は、ハァハァと肩を上下させている。
相手の男もポカンとした表情だ。
クラスのギャラリーから婚約がどうだこうだ聞こえてるが……うーむ。
「おーい、伊藤、松本」
俺はレスリング部のクラスメイトを呼ぶと、体育館裏の人気のないトイレに拉致るようお願いした。
ガチムチ二人に連れ去られながら「俺にそのケはねぇー!」
と叫ぶ修をみて、最初からこうしておけばよかった、と思った。
368:名無しさん@ピンキー
08/09/01 21:18:44 Y9dzetf3
「で、話を聞かせてもらおうか」
修をガチムチの生贄に捧げた後、俺たちは屋上に移動した。
この時期に屋上にいるやつはほとんどいないし、ギャラリーがうざかったからだ。
でもこれにはデメリットがある。人目を気にしないでいい分、こいつがさらに勢いづくことだ。
「お前……暴行したんじゃないだろうな」
いきなり、きた。暴行、つまりレイプとでも言いたいんだろう。まあ俺がされそうになったわけだが。
真実はいえないが……とはいえど、このままやられっぱなしもムカつく。
「あんたは、真奈美から何を聞いたんだ?」
「お前が関わっているとは聞いたな」
「内容までは聞いてないだろ」
「確かにな。だがこういった場合、藤崎さんが被害者とみるほうが正しいんじゃあないか?」
まあ、逆レイプなんて滅多にないんだろうしなぁ。
でもこの場合その滅多に起こらないことが起こってるわけで。
「そうかもしれない。でもそうじゃないかもしれない」
「はぐらかすな!」
男が一際大きな声を出す。
……ただの義憤じゃないだろうな。
こいつとは話したことがないからどういう人間かは知らない。
だが部長を務めているあたり人望は一応あるんだろう。無論表だけかもしれないが。
だがこの行動も真奈美を思っての行動……だと思いたい。
まだ完全に信用するのは早すぎるが。
「真奈美が被害者だとして、だ。なぜ全て語らないと思う?」
「お前と藤崎さんは幼なじみらしいな。大方お前を庇ったりしてるんじゃないか?」
そうとるのが普通だろうな。でも、お前は真奈美の心に入り込んではいないんだ。
「なら、その逆だってありえるんじゃあないか?」
「はっ、責任逃れもいいとこだな」
……こいつ完全に真奈美に惚れてやがるな。
盲愛もいいところだ。
「どう思おうが勝手だけどな。もういいだろ? じゃあな」
もう何を言っても無駄だと判断した俺は、相手に背を向け、歩き出した。
相手がまだ何か言っているのが聞こえたが、予鈴の音にかき消されていた。
……やれやれ。これから面倒なことになりそうだ。
369:名無しさん@ピンキー
08/09/01 21:23:54 Y9dzetf3
翌日の放課後。俺は昨日と同じく美奈と正門で合流した。
歩き始めると、俺を励まそうとしてかどんどん話題を降ってくる姿が痛々しかった。
かつての美奈は、俺と真奈美の後についてくるような大人しいやつだったから、
この変化が俺を慰めるためだということは明白だった。
そして今の俺は楽しそうに話す美奈をみて、今日の昼休みの出来事を話すか迷っている。
話せば、美奈の笑顔は失われてしまう。
……なんでこんなことになったんだ。悪いのは俺なのか?
あのとき真奈美が言っていた。―愛してるから。それに気づかなかったから?気づいてあげられなかったから?
答えはでない。苛立ちだけがぐるぐると回っている。
「兄さん!!」
不意に、頭の中で美奈の声が弾けた。
横を向くと、傍らを歩いているはずの美奈の姿がなかった。
え? と思った瞬間、俺はぐいと後方へ引っ張られ、柔らかい何かに抱き留められていた。
その後ろを、甲高い音をたて、大きな質量をもった何かが通過していくのがわかった。
「ぼさっとしてんじゃあねえぞ! クソガキがーッ!」
ついで、罵声。
大型トラックに引かれそうになったんだとわかったのは、数秒後だった。
そして、頭に回された手。柔らかな膨らみ。自分が美奈の胸の中にいるとわかったのもその数秒後だった。
「わ、美奈、とりあえず離せっ」
「嫌です!」
じたばたともがく俺をしっかりホールドする。
む、胸が……こいつ意外に胸あるんだなぁなどと不埒なことを考えていると、ヒクッヒクッとすすり泣くのが聞こえた。
「み、美奈……?」
「どおして……兄さん……死ぬかって……兄さんが死んだら、私……」
……そうだ。俺は何をしてたんだ。苦しんでるのは自分だけと思って。
結局美奈を悲しませて。一番最低なのは俺じゃないか。
何か、わかったきがした。
「美奈、離して」
「嫌です!」
「大丈夫だから。どこにもいかないから」
優しくいうと、数秒おいて美奈は手を離した。
美奈の顔は赤く染まり、くしゃくしゃになっている。
「……あんまり、見ないでください。今、私とてもひどい顔してるから」
泣き顔を隠すように俯いた美奈が愛しかった。
「ごめんな」
美奈の小さな体を抱きしめる。美奈が痛いくらいの力で抱き返してくる。
迷ってる場合じゃないんだ。
俺のことをこんなにも大事に思ってくれる人がいる。
……それ以上に理由が必要だろうか?
370:名無しさん@ピンキー
08/09/01 21:26:37 Y9dzetf3
今回はここまでです。
これでよければ、以後一レスあたりこれくらいで投下しようと思います。ご迷惑をおかけしました。
あと
口内炎治ったよー!
イヤッッホォォォオオォオウ!
* + 巛へ
〒| +
+ 。||
* + / /
∧_∧ / /
(´∀`/ / +
/⌒ f
/ュヘ |*
+〈_) ) |
/ i +
ガタン / /ヽ |
||| j / | ||||
―――――
371:名無しさん@ピンキー
08/09/01 23:05:55 rs95s6ug
GJすぎる
これは次の口内炎フラグ…
372:名無しさん@ピンキー
08/09/01 23:20:48 lRd+L6jR
GJすぎだぜ。
おら、わくわくしてきた!!
そして口内炎完治オメデト。
373:名無しさん@ピンキー
08/09/02 01:36:34 TOTMPI8N
GJ!!!
真奈美のターンはもう来ないのかな?
374:名無しさん@ピンキー
08/09/03 03:07:13 wTe3BKRW
最終的に3Pに決まってんだろ……修と平行して
375:名無しさん@ピンキー
08/09/03 16:44:41 yXWMBPPc
まあそこらへんはネ申の御心のままにってことで
376:名無しさん@ピンキー
08/09/04 22:09:55 nwVMn/rD
夜空に輝く月と星々。丑三つ時あたりだろうか。なぜかラケットをもった真奈美と竹刀を構えた美奈が激突していた。
「あんたは大人しく……私と祐介の後ろについてくればいいのよ!」
真奈美は矢のごとき速さで接近すると、ラケットを振り抜く。
だが、真奈美渾身の一撃は空を薙いだだけであった。
「甘いですね」
真奈美の横薙ぎをバックステップで回避していた美奈。
「そんなんだから兄さんに嫌われるんですよ!」
今度は美奈が攻勢に転じた。
まるで動きが見えなかった。女性でもこんなに速く動けるものなのか?
気づいたら、真奈美が美奈の突きを辛うじてかわしていた。
……間違いなく殺すつもりの攻撃だ。
「二人とも! やめ―」
止めに入ろうとした俺だったが、最後まで言葉を出せなかった。
二人いったん戦いを止め、濁ったような、もしくは何かに取り付かれたような瞳でこちらを凝視してくる。
「兄さん。これは儀式なんですよ」
「勝った方があんたの側にいるの。一生」
「ま、もちろん」
「勝つのは」
「私だけどね!」「私ですがね!」
両者は、残像を散らすかのような勢いで互いに急迫する。
振り下ろしたラケットがかわされ、薙払われた竹刀をよける。
月夜に照らされ、交わる二人の姿は、まるで流麗な舞のようであった。
「あんたも知ってるだろうけど、私たちは結婚の約束だってしてるし、この前はディープキスだってやったのよ!」
「はっ、よくいいますね。無理やりのくせに。それなら兄さんは先日、自らの意志で私を抱きしめてくださいましたよ!」
「なっ!?そ、そんなのっ」
美奈の言葉に、一瞬、ほんの一瞬だが真奈美がたじろいだ。
そして、その隙を見逃す美奈ではない。
真奈美のラケットが宙を舞う。振り上げられた美奈の竹刀が、真奈美の手からもぎとったのだ。
「これで終わりですね!」
完全に無防備になった真奈美に、竹刀が振り下ろされる。
「やはり兄さんは私のも……」
美奈は勝利を確信しただろう。俺も真奈美の敗北を確信した。
377:名無しさん@ピンキー
08/09/04 22:14:57 nwVMn/rD
が、そこには信じられない光景が広がっていたのだった。
真奈美が両の手のひらで、竹刀を挟み込んでいたのだ。いわゆる白羽どりだ。
「祐介は私のもの、ですって?」
「あ……なっ……」
愕然としている美奈の手から素早く竹刀をもぎとると、ラケットを綺麗に受け止め―
「寝言は寝てから言いなさいよっ!」
「きゃっ!?」
真奈美の横薙ぎをもろにくらった美奈が横に吹っ飛ばされる。
吹っ飛ばされる時、同時に竹刀を掴んでいるのはさすがというべきか。
「まだまだ!」
真奈美は立て続けに三発のテニスボールを打ち込む。
美奈は不安定な体勢のまま竹刀を操り、二つを打ち落としたが、一発が左の手の甲に直撃した。
「くっ……」
硬式のボールゆえ、ダメージはかなりのものだろう。美奈が苦痛に顔を歪めた。
……それからどれくらい時が経っただろう。お互いが満身創痍になっていた。そして両者武器を構え、間合いをとっている。
数刻の膠着の後、じり、と両者が動いた。
―まずい!
直感的に何かを感じた時、俺は両者に向かって走っていた。
美奈の喉元を狙った突きが、真奈美の脳天を狙った振り下ろしが―
間に合うか!?
「真奈美!! 美奈ーー!!」
そこで、俺は目を覚ました。そこは暗い真夜中のどこかなどではなく―カーテンを通して、太陽の光が部屋に降り注いでいた。
―夢?
なんかものすごい夢だったなぁ……。
「祐介ー! 美奈ちゃんがきてるわよー!」
「へっ!? ええっ!?」
なぜ朝っぱらから美奈が?
俺はベッドから跳ね起きると、クローゼットから制服をとりだし、訳の分からぬままに着替えた。
夢のことなど、頭からすっ飛んでいた。
「で、今日はなんでまた」
「んー……。少しでも長く兄さんと一緒にいたかったから……です」
傍らを歩く美奈。中学の制服と高校の制服。あーなんとなく視線がいてえ。
「それで……その兄さん」
急に上目遣いになる美奈。ううむ……この流れは。
「手、繋ぎたいです」
やはり、きた。
「だめ……ですか?」
あからさまにしょんぼりとする美奈。俺は甘いやつだなぁ……。
「ほれ」
美奈の左手を握る。
「あ、痛っ」
美奈の左手には、痛々しく包帯が巻かれていた。
「お、おい、大丈夫かよ? てかどうしたんだ?」
「ちょっと……へましちゃいまして」
えへへ、とごまかすように笑う美奈。
「へまって……料理とかで?」
「料理ですか……確かに……うん」
少し考え込んだ後、
「料理ですね、うん」
「なんなんだよ……ま、大事にならなくてよかったな」
「優しく握ってくださいね」
「……なんか忘れてる気がするなぁ」
美奈が小さく何か言った気がしたが、冬の風に飛ばされ、消えていった。