【総合】新ジャンルでエロパロpart6【混沌】at EROPARO
【総合】新ジャンルでエロパロpart6【混沌】 - 暇つぶし2ch2:名無しさん@ピンキー
08/04/19 14:13:23 3J+i9LZS
2なら2get

3:名無しさん@ピンキー
08/04/19 14:28:29 3R8fehDI
おっさんゲット

4:名無しさん@ピンキー
08/04/20 01:02:22 6723bqNy
女「男~、やったよ~」
男「ん?」
女「おっさんゲットした」
男「逃がしなさい」
女「え~」
男「え~、じゃないの」
おっさん「え~」
男「え~じゃなくて本体は帰れ。財布は置いてけ」

既出ジャンル「オヤジ狩り」

5:名無しさん@ピンキー
08/04/20 19:34:28 e0smoagy
>青春の人
新キャラキターwww 名前と性格設定頼みますorz …どう動かしたものだか
>1
乙であります
以下投下

いつもの様に迎えた月曜日。いつもと変わらないように見える教室の風景。
しかし、新たな変化が訪れた事を青山春樹は友の口から聞く。

「聞いたか?今日付けで美術の先生が来るそうだ。」
「ふ~ん。となると、朝礼の時に顔を拝めるわけか…。」
「そういうことだな。何でもスゲー美人らしいぞ?胸もでかくてスタイル良いらしいし。」
「でかい…のか?それは良いな。」
「おっ?お前もようやくムッツリすけべの仮面を外したか?
 …でも俺はやっぱ会長だな。胸は無いけど日焼けした野生なイメージで妙に迫力ありそうだ。」
「いや、豆田はああ見えて色白だぞ?あと、恥らってる様子は意外に可憐な感じだな。」
「!?」
「どうした?」
「……………なぁ。」
「何だ?」
「…………………会長の胸、見たのか?」
「………ああ。………でもあれは事故…って聞いちゃいないか。」
「っぅううわああああああぁぁぁぁぁぁぁん!!会長の純潔がぁぁぁぁぁぁ!!!(涙ながらにダッシュ)」

遥か彼方まで走り去っていった友。
呆気に取られその姿を見送るだけの春樹だったが、2人の少女達の声に現実に引き戻される。
「はるくん、たいいくかんにしゅうごうですよ?」
「青山くん、行こうよ。」
「……あ、ああ。そうだな。」

そこで意外と早く訪れた再会。
「青山春樹くんか?…久しぶりだね。」
新たな役者が舞台に殴りこみ、台本の無い物語はさらに混沌を増す。

新ジャンル「めぐりあい 体育館」新醤油学園野望編

6:名無しさん@ピンキー
08/04/21 00:38:11 /GBxWSGH
>>1
オールウェイズ全裸www
乙。

7:名無しさん@ピンキー
08/04/21 21:36:44 kUgLqCGH
男 「ここが新しい町かぁ……友達、できるといいなぁ………なんて、俺は小学生かっ!
   でも、正直友達できるといいなぁ……。できれば彼女できるといいなぁ………」
女 「………」

バッタリ

男 (あ、全裸だ)

女 「…………」
男 「………………」
女 「……………………」
男 「…………………………全裸?」

女 「きゃあああああああああああああああああ!!!!」
男 「わぁぁああ……ってなんで!?なんでそっちが悲鳴あげるの?全裸なのに!そっちが全裸なのに!!」

K察「朝っぱらからうら若き乙女の悲鳴を聞きつけ即参上!町の平和を守りマニアのお巡りさんです!!」

男 「あ!お巡りさん!大変です!全裸の女の子が目の前に!」
K察「……何だ、女さんじゃないですか」
男 「え!?知り合い?」
女 「あの人が……わたしのこと、全裸って!!」
K察「……君、本当かね」
男 「えぇ!?言いましたけど!何?この空気!何で僕が悪いみたいになってんの?」
女 「わたし、わたしどうしていいか……」
K察「大丈夫、もう大丈夫ですよ。……君、ちょっと話を聞かせてもらおうか」
男 「待って!なんで!?僕悪くないよね!?」
女 「わたしのこと、いやらしい目で見てたくせに!!」
男 「服着ろよ!!」


新ジャンル「オールウェイズ全裸」

8:名無しさん@ピンキー
08/04/21 21:58:13 EUEkf1mA
女「メリークリスマス!男くん!」
男「…」
女「みてーキレイでしょう!ほらチカチカーって」
男「…えーと…何のまね?」
女「えー、見てわからないかなー」
男「分らないから聞いてるんだけど」
女「ほらー緑のワンピに白い綿とキラキラのイルミネーション、頭に☆だよ、☆」
男「なんで…今なんだよ…」

新ジャンル「ツリーデレ」



三平「べ、べつに魚心さんの事、なんとも思ってないんだからぁ!」

新ジャンル「釣りデレ」



9:名無しさん@ピンキー
08/04/22 18:34:18 xUR19VFc
>>7
テラ理不尽w

10:名無しさん@ピンキー
08/04/23 01:46:11 dVDy6pfo
女「新ジャンル」
男「無謀チャレンジャー」
女「これができたら100万円!!」
男「……いや、100万円は貰えないけど。なんだ、その懐かしい番組は」
女「ホント、ウッチャンナンチャンをもう一度ダンス以外の番組で見てみたいものだよね」
男「………それについては色々黒い噂があるのでスルーします。
  この番組は好奇心の赴くままに遥か銀河へ一直線!な俺の彼女、浅井 茶々(あさい ちゃちゃ)と」
女「最終鬼畜チャレンジャー、M.Dレンジは彼氏だった!なわたしの彼氏、美鳥 蓮二(みどり れんじ)でお送りします」
男「……納得いかないものがあるけど、ここはスルーだ。で、今日は何するだ?」
女「この前さ、足コキってやってみたじゃん」
男「ああ、途中でお前の足が攣って丁度いいところでおあずけ食らったやつな。それが?」
女「それでね、今日は一風変わったコキをやってみようかなって」
男「一風変わった……てことは、脇とかか?」
女「ノン。我々は日々新たな性癖を開発しようと逢瀬を重ねる大いなる挑戦者、無謀チャレンジャー。
  今日のチャレンジはこれです!!『千歯コキ』!!!!」
男「……よし、ちょっと待とうか浅井 茶々クン」
女「すごくない?『千』で『コキ』だよ?みみず千匹っていうけど、それでコキだよ?すごそうじゃない?」
男「すごそうだな確かに。すごい勢いで脱穀できそうだ」
女「『歯』がナゾかなって思ったんだけど。ああ、きっとこれはアレだね。歯ブラシみたいにアレでしゃこしゃこと」
男「痛そうなイメージしか出てこないんだが。フェラはあくまで歯に当たらないようにするから気持ちいいんであって、
  積極的に歯を使おうとする辺りなんとも。人体で一番硬いんだぞ歯って。新しいっちゃ新しいけど」
女「新しい!?やっぱり!?えへへ、これはチャレンジしなくっちゃね!レンくん!!」
男「………」
男「……………」
男「……………………ああ、そうだな」
女「わーい!」

男(……あの笑顔にゃ、敵わないからなぁ………)


……………案の定、痛かった。


新ジャンル「農具」

11:名無しさん@ピンキー
08/04/23 01:55:35 dVDy6pfo
ペリー「ははは、もうこんなになってるじゃないか」
日本 「くぱぁ」

新ジャンル「開国」

12:名無しさん@ピンキー
08/04/23 12:21:10 z23tPmW1
>>11
いやらしい子!(笑)



13:名無しさん@ピンキー
08/04/23 17:59:42 dVDy6pfo
女「ごめんね~、待ったぁ?」
男「え、あー……ううん、全然待ってないよ!今来たところだよ!」
女「でも待ち合わせは一時間前なn」
男「さ、早く遊びに行こうよ!とりあえず移動!あ、どっか行きたいところある?」
女「家」
男「……………うん?」
女「家帰りたいなぁ」
男「いやいやいや!いやいやいやいやいや!!来たばっかでしょ!?」
女「でも、帰り遅くなると怒られるんだ私」
男「来たばっかだよね!?なんで既に帰ること考えてるの!?」
女「門限まであと30分」
男「帰れェェェェェ!!!!」


新ジャンル「やる気0」

14:名無しさん@ピンキー
08/04/23 22:20:01 CYTzUqbO
>>10
ちょww思わずぐぐったが……コレかよ……
URLリンク(images.google.co.jp)

ご子息が夭折されてないか心配だな…

15:名無しさん@ピンキー
08/04/24 22:05:49 ejyHZBMd
拷問器具にしか見えないんだが

16:名無しさん@ピンキー
08/04/24 23:02:14 5z9L6d2i
これで一体ナニをどうしようと言うのだ・・・

17:名無しさん@ピンキー
08/04/25 22:43:26 3PI5xgu0
春樹の話にショックを受けて、ダッシュで駆け去った友が帰ってきたのは、昼休みも終わる頃だった。
「……ハル、帰って来て良かった……強い子に会えて……」
「友ーっ!?」
一言を残し、倒れこんだ友を心配する青山春樹。
「いったい全体何が?」

保健室へ友を運び寝かせた後、春樹は再び教室へと戻る。

『友の衰弱には一体何が隠されているんだ?』
考え込んだ春樹、しかしその行動はある事件を引き起こす。

ドンッ!!

「あたた…す、すまない。考えこん…(ムニュ)…えっ!?何だこの感触は(ムニュムニュ)!!」
「青山くん、ぶつかったのは兎も角、新任教師の胸を揉むのは感心しないぞ」
「でぇ!?さっきの!?」
倒れた春樹の下には新任の美貌女教師。
春樹の手は知らず知らずの内に、女教師の豊かな胸を揉みほぐしていた。

「名前は先程名乗った筈なんだが。…千所舞(ちどころまい)だ」
「ち、千所って校長の苗字じゃ!?」
「校長は私の姉だ。それはそうと退いてくれないか?」


18:名無しさん@ピンキー
08/04/25 22:47:37 3PI5xgu0
傍からみれば、春樹が廊下の真ん中で押し倒しているようにしか見えない。

「あっ、すみません!!」
「こんな所を見られたら誤解…された様だ」
「えっ!?」
「……春樹さん……!!」
「…………………」

慌ててはね起きた春樹の視界に入った少女二人。

いつも無表情な豆田貴子の怒った顔と、感情豊かな筈の妹・春香の氷ついた顔だった。


新醤油学園 青春編
「新任教師は校長妹」

おまけ

「あれ?薫~何だか顔ツヤツヤだけど~?」
「あ、夕圭。おはよう」
「普段遅刻しない薫が重役出勤なんて珍しいね~」
「なに、ちょっと浮気な幼馴染みにお灸を」
「……?」

女2こと仁科薫。
只今男友こと音胡友の彼女でもある…
言うまでもなく友の衰弱の原因とは。


「か、薫…も、もう出ないよ…あ、そんな所に指入れちゃ……………!!
アーッ!!!!」


19:名無しさん@ピンキー
08/04/27 11:08:09 ujuKyrFC
今もあるのかどうか知らないが即死回避

20:名無しさん@ピンキー
08/04/27 19:23:45 zhB8uX0M
wikiの人、更新乙です!


21:名無しさん@ピンキー
08/04/27 19:43:11 beqeGRlB
ほんとだ!更新されてる!!
wiki乙!!

22:名無しさん@ピンキー
08/04/27 22:42:27 pfZyDriJ
WIKIの方、更新お疲れ様です。


桜吹雪女学園。
共学の新醤油学園及び東部味噌工業高校とは異なり、女子高である。
さて、昼休み前に堂々と校舎を後にする人影が。

「…理菜ちゃん?」
「お、おばさま!?」

ギリギリ

「あだだだだ!!」
「お・ば・さ・ま?」
「い、いえ!!あ、青山校長先生!!は、離して~」

過去幾多の不良を更正&セクハラ教師を地獄へ送ったアイアンクローから、
遠山理菜はようやく解放された。

「…理菜ちゃん、まだ授業中でしょ。感心しないわね」
理菜は校長―青山夏実―に懇願する。

「胸騒ぎがするんです」
「胸騒ぎとは穏やかじゃないわね…」
「春くんに魔の手が迫ってる気がするんです!!」

理菜は幼馴染みの名前を相手に告げる。

「春樹に?まぁ、女性絡みの問題よね」
「母親としていいんですか!?そんな態度で!!」
「だってあの子しっかりしてるし、昔から慣れっこだからね」

ケラケラ笑う青山校長。
息子を信じていると言うよりは、単に面白がっている様にしか見えない。

『春くん、待ってて!!私が今助けに行くから!!』

手を握り締めて、堅く決意する理菜。

『それにあの泥棒猫Sにもリベンジしなきゃ!!』


新醤油学園 青春編
「逆襲の理菜」

23:名無しさん@ピンキー
08/04/28 02:05:46 c62tJgaf
wikiの人、乙です!!


妙齢の女教師の胸を、事故とはいえ揉みしだいてしまった青山春樹。
その事実を部分的に誤認され、見事に修羅場な流れに突入している。

「………春樹さん。浮気は駄目。」
「ハル?私なら良いけど、他の女性を押したりしちゃダメだよ?」

珍しく怒りを露わにしている豆田貴子に、凍りついた表情で空ろな視線を向けてくる青山春香。
…正直、怖い。慄いた春樹は助けを請うべく、もう一人の当事者の千所舞に顔を向ける。
そんな少年に対し、美術教師は艶然とした笑みを浮かべた。
私に任せるが良い…とでも言いたげに。

だが、期待と言うものは常に裏切られる為に存在する。
…発火点ギリギリまで加熱された少女達の怒りは、魅惑の女教師の放り込んだ火種によって爆轟となる。
「そうだぞ、青山くん。女性の身体は壊れ物なんだ。胸一つ揉むにも、もっと優しくしてくれないとな。」

「「お仕置き決定!!!」」
「ちょっと待ったぁぁぁぁ!!!」
飛び掛ろうとした彼女たちの前に立ちふさがる一人の少女の姿。

「……お姉ちゃん?」
「豆田姉?」

困惑する少女達に、珍しく真剣な表情をした豆田陽子が口を開く。
「それよりも緊急事態だ、貴!!哨戒に出ていたL班から、桜吹雪女学園方面より重大な脅威が迫っているそうだ!!」
 通常の3倍の速度で走ってるらしく、もう1分もしたら本校に突入する!!」

「ね、ねぇハル…。…何なの?」
「さ、さあ?」

困惑する青山兄妹を脇目に、肩を並べて身構える豆田姉妹。

「…お姉ちゃん!」
「ああ!来る!!」

やがて校舎を揺るがす爆音と振動。
煙が立ち上るその中心部にて立ち上がる、一人の影。

「新醤油学園よ!!私は私は帰って来た!!…なんてね。ふふふ。春くん、迎えにきたよ?」

新ジャンル「オペレーション・メテオ」新醤油学園野望編

24:名無しさん@ピンキー
08/04/28 11:46:12 LZzLrvzm
「別に君のことなんか、好きではない」
「『この子宮に君の熱い子種を注いでほしい』なんて全然想ってない」


新ジャンル「ツン素クール」

25:名無しさん@ピンキー
08/04/28 20:11:02 BG4MUDH9
>>24
なんでかドラえもんの道具を連想した。
嘘が現実になる薬。


爆音と爆煙の中に佇む遠山理菜だったが。
「ゲホッ、火薬の量多すぎたかな?…しかもちょっと派手な音したし。
…仕方ない。ここは姿を隠すか…」

煙が晴れた後には人影はなく、ただ爆破の痕跡が残るのみ。
駆け付けた豆田姉妹にも手掛りが掴めなかった。


「番長とどこ行こうかな~♪やっぱ定番の遊園地かな?」
「おいっ!!チーマー…じゃない芝村!!妄想に浸っている場合じゃねぇ!!」
「どしたの?姉妹揃ってさ……仕事?」
中庭で一人、お弁当を食べながら番長とのデートプランを考える少女、芝村麻里愛。
又の名を四天王チーマージャン。その彼女に豆田姉妹が声を掛けた。

「…L5班から連絡。ピンクブリザード方面より侵入者…」
「貴にゃん、侵入者の数はどのくらい?」
「…一人。それと…『貴にゃん』は辞めて…」

ちょっと嫌そうに貴子が答える。一方の姉、陽子は『すぐに追跡!!』と足踏みをしている。


26:名無しさん@ピンキー
08/04/28 20:13:43 BG4MUDH9
「テンメン…夕圭の奴がファンシーモード入って使い物になんねぇんだよぉ!!手伝え!!」
「ファンシーって…ああまた例の病気か」
「…病気というよりか、もはや業……」
「うーん、多分死んでも直らないね」
「だー!!呑気にくっちゃべってんじゃねぇ!!」

他愛ない二人の会話に、ぶち切れる陽子。しかし
『一人ということは多分…ターゲットは恐らく春樹さん。ならば対策も…』
『あの子にも困ったね…まぁ片想い仲間として助けてやりたいけど』
二人の頭の中では、既に容疑者が割り出されていたりする。
『しかし何故、校舎を爆発させる必要性が!?』

一方その頃。
「おかし♪おかし♪」
鼻唄を歌いながら、購買部へ急ぐ真智子の前に…

「見つけた!!泥棒猫ロリ1号め!!この前の恨み晴らさせて貰うわ!!」
「ふえっ?…あ、がちゆりのひと!!」
「違う!!私は春くん一筋なの!!そんなデマ…」
「…ならわたしのてきですね……(ギロリ)」
『な、なにこの殺気は!?こ、こんなロリ娘に私がプレッシャーを!!』

真智子VS理菜。今ここに春樹を巡るガチバトルが始まる!!
…かもしれない…


新醤油学園 青春編
「激闘は憎しみ?深く」


おまけ
「え、で、でも薫。いつの間に音胡くんと!?」
「ちょっと前に」
「ひどいよー、教えてくれたっていいのに…」
「すまない…夕圭」
「で…どこまで進んでるのかな?」
夕圭の瞳がキラキラ輝いている。彼女が校内の異変に気付くまで、もう少しかかるだろう……

新醤油学園 青春編
「F-MODE 起動中」

27:名無しさん@ピンキー
08/04/29 13:05:08 ttXIFghp
女「おきょ…おちょこきゅん!」
男「え?何」
女「わたすはなちありゅね」
男「なんて言ってるかわかんねーよ!」
女「わ・た・し・は・にゃ・し・が・あ・りゅ・の」
男「話って何だよ?」(こまぎれにしてしゃべってもちゃんと言えないってある意味すげぇ)
女「おきょこちゅん!しね!」
男「え……」
女は顔を赤くして走り去っていった。
女(ちゃんと好きって言えた!)
男「なんなんだよいったい!」
 
新ジャンル「カミカミ」

28:名無しさん@ピンキー
08/04/29 22:02:05 3Sxth79M
一触即発まで殺気を高めた囲炉裏真知と遠山理菜。
「…あなたは、わたしのてきなのですね?」
「ならどうする?……そんなことより覚悟はいいわね?泥棒猫!!」

気勢を上げ、一気に距離を詰めて攻めかかる理菜。
「はぁ!!!」
フェイント無し、さらに踏み込みの加速と全身の体重を乗せた右ストレート。
しかし、真知の左手に払われた拳は空を切り、理菜はたたらを踏んで体勢を整える。
「ちっ!!」
続けて後ろ回し蹴りを放つが、これも受け流される。
「むだです!だげきなんて、ただのべくとるです!だから、べつほうこうのちからをかけることで、かんたんにむりょくかできます!!」
『ちっ!このロリ娘!!それでも私の打撃を見切らなきゃできない芸当じゃない!!
 …でも、組み付いたらどうかしら!?』

戦術を変え、タックルを仕掛けてテイクダウンを奪う理菜。マウントポジションをとった以上、勝敗は決したにも等しい。
「どう?これだけ近接したなら、よっぽど強いベクトルを与えないと直撃は避けられないよね?………じゃ、さよなら!!」
理菜は止めを刺すべく拳を振り上げているが、こんな危機的状況ですら真知は余裕の表情すら浮かべている。
そして……。
「たすけて~~~~!!はるくん~~~~!!がちゆりさんにおかされます~~~~!!!」
「ちょっ!?な、なんて事を!!?」

うろたえる理菜に対し、勝者の笑みを隠さない真知。
『はたからみれば、がちゆりさんがわたしをおそっているようにしかみえません!
 これではるくんがかけつければ、わたしのかんぜんしょうりです!!』
だが、その声に呼ばれて現れた人影は彼女にとっても想定外の人物だった。

「おや?校内での淫行沙汰はご法度だよ?…でも、私の居室なら問題はないぞ。
 ……ふふふ。天国に招待してあげるよ?」

「え?ぇえええ!?なんではるくんじゃなくてこうちょうせんせいがくるんですかぁ~~~!?」
「そんなに思い通りに行く訳ないでしょ!?…でも、何、この人。すっごくヤバ目な格好と目付きしてるんですけど!!?」

「…喧しいな。えい。」
騒ぐ二人に一瞥をよこす校長。ハンカチに含ませた薬品を吸引させ、手早く意識を刈り取る。
「え?なに?ちょっとオバサン?…う(くたっ)」
「こ、こうちょうせんせい……。…なに…を(がくっ)」

「ふふ…。囲炉裏真知ゲット…だな。それにこの娘は遠山家の…。ふふふ、美味しそうな身体をしている。」
脱力した二人を抱え上げ、己が根城へと歩を進める恥女校長。
果たして真知と理菜の運命や如何に…。

新ジャンル「漁夫の利」新醤油学園野望編

29:名無しさん@ピンキー
08/04/29 22:02:43 3Sxth79M
真知と理菜が激闘を交わしている頃、春樹たちは豆田姉妹および芝村と合流していた。

「…きっとターゲットの狙いは春樹さん。…だから動かず防御に徹したほうが得策。」
「へ~~。さすが貴にゃん」
「……貴にゃんはやめて。」

「で、春樹?新任の女性教師に悪さしたってのは本当なのか!?」
「そ~よ!ハル!!ダメじゃない!!
「彼は積極的だよ?初対面なのに私に対して綺麗とまで言ってくれたし、さっきだって……ふふ(///)」
「ちょ!?せ、先生!?」

「……春樹さん。」
「春樹!!」
「ハル!!」

突き刺さる3対の瞳。…後ずさる青山春樹だが、時既に遅く。
「「「お仕置き!!!!」」
「アッーーーーー!!」

昼下がりに響き渡る少年の断末魔…。彼が意識を取り戻すとき、運命の歯車はどう廻っているのだろうか?

新ジャンル「実刑判決および刑執行」新醤油学園野望編

30:名無しさん@ピンキー
08/04/30 10:09:57 AZsNBQud
春樹への制裁を終了した三人だったが、傍観者・芝村麻里愛からある指摘を受ける。
「言い辛いんだけどさ…侵入者が青山君を狙ってるなら、今の制裁を止めたんじゃない?」
「「「……………」」」
言葉の出ない三人。

「…春樹さん、悪いのはお姉ちゃんとルカさんだから…」
「貴子ちゃん!!」
「貴、自分だけ良い子になるなんて卑怯だぞ!!」
制裁者三人が仲間割れしていると。
「何やってんの?もう授業始まるよー」
「あ、夕圭ちゃん」
「てめえ!!今頃来てその言い草はなんだ!!」
ようやくやって来た夕圭に食ってかかる陽子。慌てて麻里愛は事情を説明する。

「…真智ちゃんの姿が見えないのよ」
事情を聞き終わった夕圭が発した言葉に、貴子が答える。
「…この際囲炉裏は…関係ない…」
「…そうかな?」
「悪いが囲炉裏のことは後回しだ。あたし達は校内を巡回、ルカは春樹を保健室へ。
…夕圭は校長へ報告だ」
「「「「OK!!」」」」

新醤油学園 青春編
「四天王+1 揃い踏み」


31:名無しさん@ピンキー
08/04/30 10:17:01 AZsNBQud
みんなと別れ、夕圭は校長室へと足を運ぶ。
「参ったなぁ…最近成果も挙げてないし、侵入者を許すなんて…
大目玉食らうのかなぁ」
夕圭は一人愚痴を溢す。
「…!!あれは!!」

身を廊下の端に隠した夕圭が目にしたもの。
『校長…!!真智ちゃんと……理菜ちゃん!?事情は分からないけど、校長に捕まった!?』
夕圭は急いで頭脳をフル回転させる。

『このまま放っておけば二人は校長に××されちゃうし、報酬もパー!!』
『でも助けると一気に退学も…が真智ちゃんを見捨てる訳には…』
ピンポンパンポン

「校長先生、校長先生。応接室でナイスミドルな青山さんがお待ちです」

校内放送が入り、校長の興奮を更に掻き立てる。
「なんだと!!!!あ、青山先生が!!!!人生で最高に幸せな日だなっ!!!!」
くねくね踊りながら、校長室を出ていく痴女クール校長。

しばらくして校長室の窓が音もなく開く…

「ごめん、校長…」


五分後、戻って来た校長の鼻息が荒い。
「くそっ!!悪戯にしては度が過ぎる!!犯人を見付けたら、死ぬ程可愛がってやる…………
……二人が消えた――っ!!!!!!うーん……」
その場にショックで崩れ落ちる痴女クール校長だった………


遠山理菜が目覚めたのはある少女の背中だった。
「う…うーん…えっ!?」
「気がついた?安心…」
「お、お前は!?は、離しなさい!!」
「わ、あ、暴れちゃ駄目だよ…と、ととと!!!」

ボチャン!!

中庭の池に落ちた少女が二人。やはり夕圭はオチ要員だった…


新醤油学園 青春編
「オチてません。」

32:名無しさん@ピンキー
08/04/30 10:23:51 AZsNBQud
>>31途中抜けorz

『見捨てる訳には…』の後に


『仕方ない…隠密行動で行くしかない』

校長室へ苦心して二人を運んだ校長。自然と笑顔がいやらしい物になる。
「はははは!!!!囲炉裏だけではなく、遠山の娘まで手に入れるとはな!!!!
……いかん鼻血が」
首筋をトントンと叩く、痴女クール校長。
そこへ…

ピンポンパンポン

です…


さて続き

「ふにゃあ…もうたべられない…」
古典的な寝言を言う真智子。春樹は優しく……
「…ですか、はるくん?…ならわたしがもらいますね」

ズルッ

春樹の体勢が崩れた。

目覚めた春樹の横に眠っていたのは真智子。思わず大声を出しかけたが、気持ち良い寝顔の
真智子を憚って、声を飲んだ春樹だった。

『…本当に平和そうな顔で寝てるよな。でも多分、俺が寝てるのを心配して居てくれたんだな…』

無論事実は異なる。が誰も告げる事はない。

「はるくん…おいしいですよ……」
『囲炉裏…今日はお前の大好きな献立にしてやるよ……ありがとな』

新醤油学園 青春編
「知らぬが仏・ヒロインのターン」


おまけ


「…お姉ちゃん…侵入者は何処へ…」
「…帰ったとか?」
「な訳ねえ!!相手はこっちがダレるのを待ってるんだよ!!!!」
「そうかな?」
「見付だすまで巡回だ!!気合い入れろっ!!!!」
『えーーっorz』


「さ、寒いよぉ…必死に二人を助けたのに………(ヒックシュン)」

「私の……出番……」

33:名無しさん@ピンキー
08/04/30 10:27:04 AZsNBQud
「……8.5℃。結構熱がでてるな。大丈夫か?」
「うん…(ゴホンゴホン)…頭いたい…」
「ちゃんと寝てろよ。今何か作ってくるから」
「うん…」

春樹は部屋を出て、階下の台所へと向かう。
『にしても…黒田が熱を出すなんてな』


「理菜の逆襲」事件翌日のこと。中々起きてこない夕圭を心配し、春樹が見に行ったところ、
赤い顔をしてだるそうな夕圭を発見。
体温計で計ってみれば、熱がありいわゆる風邪の症状。
病人を一人放っておく事もできず、学校を休んで看病する春樹。

『…疲れがでたのかな?いつも黒田に面倒かけちゃってるしな』

実際のところは、自分で池に落ちたのが原因なのだが、春樹は知らない。

『まずはお粥とリンゴを持って行くか』


「何だと!?テンメンジャンが風邪!!更に春樹まで休みだって!!!」
「…春樹さんから聞いたから…間違いない…」
驚いた陽子だったが、日頃感情を表さない貴子の心底悔しそうな表情で、我に帰る。
「かーっ!!こうしちゃいられねぇ!!貴っ、あたし達も行く…」
「…春樹さんから念を押された…『俺が見てるからちゃんと学校へ行きなよ』と…」

貴子からすれば気が気ではない。二人が急接近する可能性は十分ある。
『…夫を信頼するのは妻の役目…でもテンメンジャンは策士…心配…』
『…あのクサレおっぱい女…春樹さんに手を出したら………!!』


34:名無しさん@ピンキー
08/04/30 10:33:32 AZsNBQud
妹の危険な表情に気付いていない陽子がある一言を漏らす。
「策があるにはあるんだけどな…でもな…」
「…お姉ちゃん!!」
ガシッと肩を掴んで姉へ迫る貴子。
「教えて!!その策を!!」
「た、貴!?き、キャラ違わないか!?」
「…早く!!」
『春樹…貴が怖いよ…』
内心で春樹に助けを求める陽子だった。


「…真智ちゃん、ちょっとお菓子食べ過ぎよ」
「…はるくんのごはんじゃないと、はらもちわるいんです」
「ハルも、何も休まなくてもねえ…心配なのは分かるんだけど」
教室で朝からお菓子を食べ続ける真智子と夕圭の代わり、お守り役ルカ。
『夕圭ちゃんも大変なのね…真智ちゃんのお守り役なんて』
「……るかさん、しつれいなことかんがえてます?」
「べーつーにぃー」
ムッとした真智子だが、ルカは気にしない。
「ゆかさん…だいじょうですよね…」
「まあねぇ。ハルもいるから特に問題は…」
「……しまったです」
「どうしたの?」
「えいごのれぽーとをわすれてきました。とりにかえります」

そう言うと慌てて支度を整え、真智子は教室を出ていった。
……鞄を持って。

「…………逃げたな」
呟いたルカの表情に
「私も帰ろう」という色が浮かんでいた。


新醤油学園 青春編
「風邪引き対応」



>野望の人
ネタが進んで一気に書いてしまった。申し訳ない。
しかも、そっちの投下から半日しか経ってないのに…




35:名無しさん@ピンキー
08/04/30 16:42:33 bI7jj6RR
おー、すげぇすげぇ。
ウィキも更新されたことだし醤油学園もー一回読んでくるー

36:名無しさん@ピンキー
08/04/30 19:13:50 T/9NpYFr
しかしもちろんこれが醤油のペースだとはわかっているけど、
長いのも読みたいなーとか思ってる俺

37:名無しさん@ピンキー
08/05/01 01:37:58 UFw7aKw3
>34
こちらはちと遅れ気味ですが、構わずにどんどん書いて下さいな

>36
魔王の人とか、奈良の人、あと妖艶伝の人とかチャレンジャーの人に期待ですな


新醤油学園から青山家に至る道。二人の少女が疾走していた。
「るかさん!!なんでついてくるのですか!?」
「私も忘れ物しちゃったんだよ~~。…夕圭ちゃんの部屋に。」
「……るかさん。……まさか?」
「…真知ちゃん、同時突入よ。時刻合わせて。」
「りょうかいです!」
敵対よりも共闘を選んだ二人…。
彼女らの向かう先には、こんな光景が繰り広げられていたりした。

「黒田、食べられるか?」
「うん。ありがと。」
湯気を立てるお粥と、丁寧に剥かれたリンゴ。
ちなみに添え物の梅干は、先日の温泉旅行の際に春樹は惚れ込んで購入した一品だったりする。
「…味、どうだ?」
「うん。美味しい。すごく美味しいよ。」
「そうか…、良かった。…黒田?どうした?何で泣いてるんだ?」
少女の頬を伝う涙…。こんな展開になれば、経験値の低い春樹はオロオロするしかない。

「…ゴメン。…凄く嬉しいんだ。今まで一人で暮らしてきたけど、今は一人じゃないんだって…。
 傍に青山くんや真知ちゃん、ルカちゃんたちが一緒に居て、ほんとに今は寂しくないんだ…。」
「そうだな。…お前、ずっと一人で頑張ってきたもんな。」
思わず夕圭の肩を抱きしめる春樹。
「春樹……くん。」
夕圭も春樹に身を委ね、彼の胸元に顔を埋める。
「元気が出るおまじないってヤツかな?ルカには特に効果覿面だったな。
 …黒田も無理するなよ。囲炉裏に振り回されながら生徒会も頑張って…。抱え込みすぎだ。
 俺なんかでよければもっと頼ってくれ。」

38:名無しさん@ピンキー
08/05/01 01:38:36 UFw7aKw3
夕圭からの返事は無い…。しかし額が擦れる感覚から、何度も頷いていることは察知できる。
やがて春樹の胸元の濡れた感触は次第に乾いてゆき、さらに暫く後には安らかな寝息を立てている夕圭。
ベッドに優しく横たえ、彼女の眠りが深くなりつつ頃合を見計らい、台所に戻ろうとしたところ…。

「ゆかさ~~ん!!かぜ、なおりましたか~~~!?」
「ハル~~~~~!!夕圭さんの具合、どうなの!?」

勢い良く、黒田夕圭の部屋に突入してくる真知とルカ。
『だいなみっくえんとりー、せいこう…ですね!?』
『まだよ、囲炉裏巡査長!!ハルと夕圭ちゃんの分断まで行って、ようやく作戦成功なのよ!?』

しかし、彼女らを迎えたのは春樹の無言のリアクションだった。
人差し指を唇に当てた…それだけの格好なのに圧倒的な迫力が醸されていたりする。
『バカヤロー!!病人がいるんだぞ!?自重しろ!!』

予定外の事態に、当然慌てる二人。
『あ、あわわわわ。はるくん、ほんきでおこっちゃったです……。』
『あちゃ~~、こりゃ撤退…しかないか……。真知ちゃん、策を練り直すわよ……。』

乱入者の撤退を見届けたところで、再び夕圭に視線を向ける。
煩かったのか少し眉を潜めつつ寝返りをうつ夕圭の手を握ってやると、人肌の感触に安心したのか、安らかな寝顔に戻る。
『もう少し、ここにいるか…。』

しかし、彼は知らない…。第一波の真知、ルカの再襲来だけでなく、豆田姉妹も密かに策を練っていることも…。
彼は、黒田夕圭の穏やかな眠りを守れるのか…?

新ジャンル「看病会戦 突入失敗」新醤油学園野望編

39:名無しさん@ピンキー
08/05/01 21:15:13 ShlFPzGB

くされおっぱいに吹いたww
そして春くん、あんだけいい思いしておいて経験値の低いとは何事かっ!

風邪引きイベントといえば色々思い浮かぶけど
ここは職人のイマジネーションを穢さないように発言を控えさせていただくぜ!

40:名無しさん@ピンキー
08/05/01 22:26:53 7/s58Eir
風邪ネタ……

夕圭の着替・おっぱい・口移し…とりあえずそんなのしか浮かばないorz
従って突入前まで…



真智子とルカ、二人の侵入者を退けた春樹だが、ある事に気付く。
「まだ昼前…って事はあいつら学校サボリか…」
いささか憮然とする春樹の頭に、『本日晩御飯抜き』と厳しい制裁案が浮かぶ。
「…ったくあいつら」


「はわわ…はるくん、おこってました…」
「ハルが本気になって怒ると恐いから…どうしようか…」
「でも…ゆかさんとぶんだんしなきゃ」
真智子とルカ、二人揃って顔を見合わせるばかりで、いい案は出ない。
「こまりました…」


さて豆田姉妹は。
「…お姉ちゃん、どうやって早退許可を?」
「生徒会規則32章2項…ここを読んでみ」
陽子は生徒手帳を貴子に手渡す。
「…『生徒会役員は生徒会行事その他適時に応じ、欠席を公休へ申請できる』…………
お姉ちゃんが校則に詳しいなんて…意外」
「芝村に教えて貰って、都合が良いから覚えてたんだよ。つー事であたし達はサボリじゃない!!」
陽子は薄い胸を張る。
「…でもどういった作戦をとるの?…テンメンジャンは病気だけど策士…」
「ねぇよ」
「…は?」
「あたしが思い付いたのは学校を出るまで!!後は正面から!!力押しなら負けはしない!!」
熱く燃える姉を見て、貴子は心中で呟く。
『やっぱり馬鹿姉…』

41:名無しさん@ピンキー
08/05/01 22:28:30 7/s58Eir
豆田姉妹は青山家近くの公園で作戦を練る。
「なんだよ?春樹んち行かねえのか?」
「……待って。今策を………………」
『貴の悪い癖だな…』
さすが姉妹。お互いの欠点は十分理解している…
「…よし、お姉ちゃんちょっと耳を…」
「おっ!?何かひらめ……(ガシッ)…うっ!!」
耳を寄せた陽子に、死角から攻撃を入れた貴子。
「……ごめんね、お姉ちゃん。具合が悪くなったお姉ちゃんを…青山家に運ぶ作戦に…」

…貴子の作戦。それは『具合の悪い姉を青山家に運び、内部に入り込む口実を作る』
というものだった。

「…今日はお肉料理にするからね…」
そう言って姉の体に手をかけ―

ドムッ

「かはっ!!……」
突然の急所攻撃に意識を刈り取られる貴子。

「…甘えよ。何と無く嫌な予感がしたから、警戒はしてたんだ。悪ぃな貴……」

陽子が済まなそうな顔で倒れた妹を見る。
「あたしがきっちり春樹をモノにしてやる!!」


新醤油学園 青春編
「颯爽たる陽子」


42:名無しさん@ピンキー
08/05/03 02:00:22 34W8Cf7o
青山家近くのコンビニで黄昏ている少女二人。
「るかさん…。どうしましょうか…?」
「どうしよ…。完全に八方塞がりだよ…。……最悪、晩御飯抜きかな。」
「……ひじょうにまずいです!!るかさん!!
「………謝って許してくれるかな?…………あんなに怒ったハル、何年ぶりだろ。」
食事抜きくらいで済むなら、まだ良い。
以前…かなり遠い昔に怒らせた時は、3日間も口をきいてくれなかった。
『ハルに嫌われる…それだけは嫌…。』

一方、妹と血で血を洗いあった豆田陽子。
己の一撃で昏倒した貴子を担ぎ上げ、意気揚々と青山家への道を進む。
「しかし、具合が悪くなった貴をダシにして春樹の家に行く…か。
 さすが貴、良い策を練ってくれたじゃないか!!」

そして青山家玄関。己の策と妹の策…この二つがあれば、自分の頭脳でも春樹を言いくるめられるはず。
…だったのだが。
「生徒会役員は、正当な理由があれば早退できる権利…ねぇ。
 …で、貴子ちゃんはでっかいタンコブ作って倒れた訳は何だよ?」
「…あ(しまった~~~!!誤魔化し利かない場所殴てた~~~!!)」
「まったく…。また喧嘩でもしたのか?
 お前も貴子ちゃんも嫁入り前の女の子なんだから…。キズモノになったらどうするつもりなんだ?」
「…(嫁入り…///)…も、貰ってくれるなら(ぼそぼそ)。」
「ん?何か言ったか?」
「…いや…なんでもない。」

それでも結果オーライらしく、屋内に導かれる陽子。
「ともかく、貴子ちゃんは客間のソファに寝かせてやれ。俺は黒田の容態が安定するまで、もう少し診る。」
「え!?貴は放置!?」
無論、春樹とてそんな事をするつもりもない。携帯電話を取り出し、通話開始。
「ルカ、近くに居るんだろ?戻ってきてくれないか?力を貸して欲しい。」

43:名無しさん@ピンキー
08/05/03 02:00:59 34W8Cf7o
数分後、帰って来たルカは気まずそうに春樹の様子を伺う。
「…怒らないの?」
「授業を抜け出したのは良くない…。でも俺も学校休んだし、人のことは言えないからな。」
「……私でいいの?」
「ルカを頼りにしてるからだ。…この前温泉に行った時だって、凄く助かったしな。
 貴子ちゃんを頼むぞ?」
そう言いつつ、ルカの頬に手を当てながら真っ直ぐ見つめる春樹。
「ハル…。…うん、しょうがないね。」
不安げな顔が、次第に笑みを取り戻す。
「私にバ~ンと任せて。…ハルは夕圭ちゃん診てていいから。」
「…ゴメンな。面倒ばっかりかけて。」
「埋め合わせはデートがいいな。…今度、二人っきりであの公園に行こ?」
「お安い御用だ。…弁当のリクエストはあるか?」

兄妹の会話にしては妙に甘ったるい雰囲気にげんなりとする真智子と陽子。
「…はるくんとるかさんが、すごくなかよしさんなのはわかりました。…で、わたしたちはなにをすればいいのですか?」
「そうだぞ!ここまで来てあたしと囲炉裏だけ蚊帳の外ってのはないだろ!?」
そんな少女たちに一つの土鍋を差し出す春樹。
「…そうだな。俺の代わりに理菜の見舞いに行ってくれ。何故かアイツも風邪引いたらしくてな。
 これ、お見舞いの品のお粥だから、温めて食べさせてやれ。帰ってきたらおやつくらいは出す。
 プリン、冷蔵庫でひえてるぞ。」
「いそいでいきましょう!!!」
「ちょ!ま、待て!!なんでプリン程度のエサに!!…おい!引っ張るなって!!」

青山春樹と黒田夕圭を分断するまでは味方に付くと見ていたルカ、真智子もあっさりと篭絡された。
妹の貴子も昏倒させてしまった今、戦力になりそうな駒は思い当たらない。
『ちっ。へんな小細工せずに、力押しの正攻法で行けばよかった!!』
何が悲しくて憎き遠山理菜の見舞いなど…。…いっそ見舞いの品のお粥、この場で食べてやろうか。
捲土重来の機会を待ちながら、豆田陽子は囲炉裏真智子とともに遠山家に向かう羽目となった。

一方その頃…。
眠りに落ちていた夕圭は目を覚まし…少し前の自分の行動に悶える羽目になる。
『え~と…。私、一体………。春樹…くんの前で泣いちゃって…抱きしめられて、そのまま寝ちゃって…。
 熱……上がっちゃった……かも(///)』
平熱だったら遠慮なく床の上を転がりまわっていただろう。
それが無理なので、布団に潜り込むだけで我慢しておく。

新ジャンル「天然策士 無意識な離間の計」新醤油学園野望編

44:名無しさん@ピンキー
08/05/04 09:58:13 umQ2YmK/
嫁「あ。お義母さま、おはようございます」
姑「ふん。何がおはようですか。もう七時ですよ?朝食はどうしたんです?」
嫁「え、あ……いえ、その。これから……」
姑「もう結構。もう私が作りましたから。まったく、最近の娘はこれだから……」
嫁「………」
姑「なんですその目は。言いたいことがあるならはっきりと言ったらどうなんです?」
嫁「……いえ、今後気をつけます」
姑「そうして欲しいものですね。さ、さっさとご飯、食べちゃって頂戴」
嫁「え?わたしの分もお義母さまが作ってくださったんですか?」
姑「………」
嫁「……………」
姑「ふん!」
嫁「ありがとうございます!」
姑「か、勘違いしないでよねっ!別にアンタの為に作ったわけじゃないんだからぁ!」



夫「母さんキメェ」


新ジャンル「ツン姑」

45:名無しさん@ピンキー
08/05/04 12:30:23 umQ2YmK/
女「うにょうにょうにょ」
男「よう、女。今日も元気だな」
女「うにょうにょうにょ!」
男「はっはっは。痛い。触手を絡ませるな魔神を呼び寄せるな復活するな」
女「うにょうにょうにょ」
男「照れてなんかない。ただ朝っぱらから顔面に吸盤の跡をつけたくないだけだ」
女「うにょうにょうにょ」
男「本当だっての。お袋にさんざ言われるんだからな。アンタたちつきあってるのかって。
  冗談じゃない、誰がお前みたいな旧支配者と……あ」
女「うにょうにょ……」
男「あ、ん、んん。あー、言いたかったのはそういうことじゃなくて、だな。その……」
女「うにょ………」
男「え?行くところが?あ、そ、そうか……じゃあな」
女「うにょうにょうにょ……」

男「………」
男「……………」
男「………くそっ、俺はバカだ。旧支配者だろうが、何だろうが、女は女だろう!」

――うにょうにょうにょ……

男「そうだよ、な……俺は、あいつのことが……!」


新ジャンル「素直クトゥルフ」

46:名無しさん@ピンキー
08/05/04 12:55:05 umQ2YmK/
女「唐突だが男くん。キミは文通というものをしたことがあるかね」
男「文通ね。……いや、ないな」
女「そうだろう。ならばコレを受け取るがいい」
男「大学ノート?なになに。……最初の1ページだけ使ってある。びっしりと。
  好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ好きだ……なんだこれは。新手の呪いか」
女「鉛筆を貸してやろう。次のページに返事を書き込んで私に返せ」
男「ふむ。……おれは、そうでも、ない……と。ほら」
女「確かに。ふっふっふ。罠に落ちたな男よ」
男「何」
女「これで私はお前にとって『はじめて文通した女』になったのだ。
  この調子でお前のはじめてをどんどん奪ってやる」
男「なんて女だ。動機を聞こう」
女「しらばっくれるな。男よ。盗みを働いたろう」
男「いや、俺は窃盗など犯した覚えはないが」
女「いいえ、お前は私から大変なものを盗んでいきました。私の心です」
男「ならば返そう」
女「返品は受け付けない。生ものなのでお早めにお召し上がりください。スキあり」チュ
男「む」
女「……初キスだ。ふははははは」スッタカター
男「おい、どこへ行く」

女「知れたこと。恥ずかしくてお前の顔を見ていられん。今日はもう家に帰って布団で悶えることにする。
  また明日くるから顔を洗って待っているがいい。ふははははははははは」

男「そうか。楽しみにしていよう」


新ジャンル『淡々とかたり合う二人』

47:名無しさん@ピンキー
08/05/04 17:00:52 RZu0MSC2
>>44
まさかとは思ったが、本当にそう来るとはwww

>>45
まさかとは以下略

>>46
こういうの大好きwww


48:名無しさん@ピンキー
08/05/06 20:52:02 Put1GGhX
カランコローン

男「へー、ここが女がバイトしてる店かぁ……思ったよりずっとシックな感じ」
友「場違い、だよなぁ俺ら。思いっきり普段着だぞ俺」

女「いらっしゃい。来てくれたんだ」

男「おわ、お前……女か?」
女「そだよ?」
友「なんか……」
男「うん……」
女「な、なによう?」
男「かっこいいな」
友「うん……」
女「………!……!………!!シャカシャカシャカシャカ!!!」
男「おぉおおぉぉ~~!」
友「シャカシャカだ!シャカシャカだ!」
女「シェ、シェイカーっていうんだよ友くん」
男「よし、せっかくバーに来たんだからなにか頼まないとな」
友「せっかくだからシェイカーで作ってもらえるようなのにしようぜ!」
女「えへへ」
男「……!!?」
友「………!!!?」
女「……どうしたの?」
男「………………」
友「……………なん、だと……?」
女「何が?」
男「……………………」
友「………………」
女「もしもし?」
男「……女、水。ロックで」
女「それただの氷水だよね?」
友「高ぇんだよ……」


新ジャンル「バーテンダー娘」

49:名無しさん@ピンキー
08/05/06 21:00:06 DV45R2QQ
>>48
何故か高橋しんの絵でめっちゃかわいい娘が浮かんできて萌えた

なんで高橋しんなのかはちょっとわからない

50:名無しさん@ピンキー
08/05/06 21:28:42 Put1GGhX
女「ごめんね……男くん。あたし、こんな身体になっちゃった……」
男「女……」


――抱きしめた女の身体は、

    シェイカーの音がしなかった――


 最 終 バ ー テ ン ダ ー 彼 女 



こうですかわかりません><

51:名無しさん@ピンキー
08/05/06 21:53:15 DV45R2QQ
>>50
シェイカーの音がする身体のがおかしいだろっ!?wwww


52:名無しさん@ピンキー
08/05/06 23:37:24 +/NAX4F1
>>50

つまり。

男「…じゃあさ、ソルティドッグを」
女「うん。…(カチャカチャ)…では……(ゴックン)」
男「お、おい!?飲んでどうするんだよ…」
女「ふーっ。次に…(シャカシャカシャカシャカ)」
男「踊るなよ!!…待て、オチが読めたz」
女「えー、作ったものは出さないと…」
男「だからズボンを下ろすな、パンツを脱ぐn」
女「じゃあ上から?」
男「断じて断る!!」


新ジャンル「人間バーテンダー(お下劣版)」

違うなorz

53:名無しさん@ピンキー
08/05/07 01:47:31 6G8WiwHM
>>48
ガールズバーね!
ガールズバーならそんなに高く無いし普段着でもおKなんだからぁ!
>>52
それだと人間シェイカーよ!ばかばかぁ!

とりあえずあなたたちいつもの人たちじゃないわね!うわぁわああああん!

新ジャンル「ツンデレス」

54:名無しさん@ピンキー
08/05/07 03:42:09 V5I+MM9i
書けるよな

55:名無しさん@ピンキー
08/05/07 07:27:09 NO9JynWB
ああ、お前にならきっと素晴らしい作品が書けるよ

56:名無しさん@ピンキー
08/05/07 21:58:13 rrFRxI64
俺が書いた>>52を、今改めて見て気付いたが。

バーテンダーは人間に決まってるよorz




男「……この前と同じことはするなよ」
女「任せて。あれからちゃんと修行したし」
男「わかった。では前と同じく、ソルティドッグを頼む…」
女「はい…(カチャカチャ)…」
男『今度は大丈夫そうだな…一安心だ』
女「はっ…(シャカシャカ)…お待たせしまし…いっけなーい!!塩を忘れた!!」
男「あ、グラスの回りに塗る塩か。別に構わないが」
女「駄目!!あと30分待ってね!!」
男「は?なんで30分もかかるんだよ?」
女「私の汗や色々な液を煮詰めた塩が…」
男「いらんわ!!」


新ジャンル「お下劣バーテンダー2」

57:名無しさん@ピンキー
08/05/08 22:45:13 IS8/GgwO
「ふふっ。そろそろ春くんが様子を伺いにやって来るはず…
ベッドに引きずり込んでしまえば、私の勝ち!!」
理菜はベッドの中でほくそ笑む。昨日池へ落ちた後に思い付いた起死回生の作戦。

『風邪のふりで、グラウンド勝負inアダルト』

「早くこないかな~」
理菜は静かにベッドの中で獲物を待つ…


「おい、囲炉裏。勝手に入って良いのか?」
「かぎあいてましたし、だれかいるはず。ようすみてぷりんです」
既に頭はプリンで一杯の真智子。反対に陽子は嫌な予感が頭から離れない。
『どうも妙だ、嫌な予感しまくりだぜ…』


ガチャ

「(小声で)ねてるようですから、おかゆをおいておきましょう」
真智子がベッドそばのサイドボードにお粥を置いた。

次の瞬間。

ベッドから手が伸び、真智子の姿が消える。

「○※△%◇!!!」
「春く―ん!!!!」
「い、囲炉裏っ!!!!」


貴子は頭の痛みで目を覚ました。
「……つぅ!!……お姉ちゃん……?」
「気が付いた?貴子ちゃん」
「…ルカさん?…ここは……春樹さんの…?」
「そうよ。頭にコブなんて喧嘩したの?」

貴子が頭に手をやると大きなコブが出来ていて、おまけにかなり痛い。
『…そうだ、お姉ちゃんに反撃されて……お姉ちゃんの晩ご飯は【お麩だけ】の刑…!!』

貴子が密かに決意した時、ルカが貴子に尋ねた。
「貴子ちゃんは……ハルのどんな所が気に入ったのかな?」
「!!…ル、ルカさん!?」
余りにも直球な質問に慌てる貴子。
「い、一体…そ、その質問は……」
「……ごめん、変な事を聞いて。忘れて」
下を向くルカの表情を、貴子からは読む事が出来ない。
「……春樹さんといると暖かいから……春樹さんに笑って貰えると幸せだから……」
「貴子ちゃん……」


58:名無しさん@ピンキー
08/05/08 22:47:39 IS8/GgwO
「黒田?起きてたのか」
「う、うん。さすがに目が冴えちゃって…」
春樹が夕圭の部屋を訪れると、ベッドに半身を起こした夕圭の姿が。
「顔色も随分良くなったみたいだし…どれ熱はどうかな……」
春樹が夕圭の額に手を当てる。
『ひゃっ!!春樹…くんの手が…!!』
「ありゃ?意外にまだ高いな……って顔赤くなってる。熱上がった?」
「わ、分かんないよ……そんなの……」
「まあ、ゆっくり休んでおけよ。何かして欲しい事あるか?」

夕圭は少し躊躇いがちに切り出す。
「……あのね」
「おう、なんだ?」
「あ、青山くんのことを『春樹くん』て呼んでも……いい……かな?」
顔に血が集まるのを感じるのと同時に、再び頭がクラクラとなる夕圭。
『やば…わ、私何を……言って……』
「ああ。構わないが?」

「!!……うん、ありがとう……春樹……くん」
ニコリと柔らかく微笑む夕圭を見て、春樹の心は踊る。
『黒田ってこんな優しい顔で笑うんだ……な、なんか胸が……!!』
普段とは違う夕圭の笑顔に揺れ動く、春樹の(恋愛経験値低い)男心。
更に百合地獄へ引きずり込まれた、囲炉裏真智子の運命は!?


新醤油学園 青春編
「風邪引き 中盤戦」

59:名無しさん@ピンキー
08/05/09 11:22:58 d+XKAl5K
はるくん的に一番高感度高いのは誰なんだろうね!
だが熱はかるのに手を使う時点でまだ甘い。
男ならデコを使えデコを!
ポイズン

>>56
ネタ的にもしょっぱいよ!ギリギリだよ!

60:名無しさん@ピンキー
08/05/09 20:42:44 JcK6PeeW
>>56
すごい臭いがしそうだな、その塩

61:名無しさん@ピンキー
08/05/10 17:54:26 knix7v0Y
女「男。このテストの点はなんだ。勉強していないな」
男「あ、ああ。ちょっと部活の練習が…」
女「駄目だ。学生の本分は勉強だ。そんなことでは先が思いやられる」
男「うっ…」
女「だいたい男は…」
(30分経過)
男『な、長い説教だ。いい加減切り上げて…』
女「聞いているのか!?」
男「は、はいっ」
女「全く…そうだちょっと待て」
男『何だよ…説教中にメールなんて………………ん?俺の携帯にメール?…女!?」


『今度また頑張れば大丈夫だよ。分からない所は教えるからね(///)』

男「…………」
女「い、言いたい事はそれだけだ。またな…」


男『口に出して言えば良いのに…』


新しくないジャンル
「ツンメール」

62:名無しさん@ピンキー
08/05/10 17:55:50 knix7v0Y
女「男くんの嫌いな物って何かある?」
男「ん?特にないな……何でだ?」
女「や、やっぱり付き合ってるから、男くんの事をもっとたくさん知りたいなって」
男「(キュン)女……」
女「男くんの性感帯ならバッチリなんだけど」
男「ほぉ…それは俺に対する挑戦と見ていいんだな?」
女「…試してみる?」
男「望むところ!!」



女「やっぱりお尻弱かったねぇ。あんなに声出しちゃって」
男「母さん…俺…汚れちゃったよ…(シクシク)」


新ジャンル
「アナリスト」

63:名無しさん@ピンキー
08/05/10 18:36:50 P1wLrDSz
意味違うやんかw

64:名無しさん@ピンキー
08/05/10 20:54:55 AaTWt55q
>>62
不覚にも…





「はぅん」ってなった…orz


65:名無しさん@ピンキー
08/05/12 15:41:09 YnYmNyAF
男「……なぁ」
女「んー?」
男「宇宙ってさ」
女「うん」
男「あるじゃん」
女「うん……ん?」
男「宇宙ってあるじゃん」
女「うん」
男「無重力じゃん」
女「宇宙ね」
男「うん」
女「で?」
男「オナニーするときどうすんのかな」
女「オナニー?」
男「そう、オナニー」
女「……あー」
男「無重力だとさ。液体ってこう、ブァーってなるわけ」
女「あー」
男「で、こう、なるわけ。イッたときに。ドピュッと」
女「精子が」
男「そう」
女「あー」
男「やだろ」
女「相当やだね」
男「宇宙ヤバイな」
女「宇宙ヤバイね」

新ジャンル「宇宙」

66:名無しさん@ピンキー
08/05/12 15:53:57 YnYmNyAF
男「おっぱいってさ」
女「うん」
男「なんて数えんのかな」
女「数える?」
男「そう」
女「一個、二個じゃない?」
男「でもさ。おっぱいって、こう、左右でワンセットじゃん」
女「あー」
男「靴もさ、左右でワンセットじゃない?」
女「えー、じゃあ、『足』?」
男「いや『足』じゃないだろ。それまんま足だし」
女「じゃあなに?『パイ』?」
男「いや、それだとイカになっちゃうから」
女「でも、お椀型っていうし」
男「……は!」
女「半円を描くという意味でもπじゃないかなぁ、とか」
男「……は!」
女「……は!」

新ジャンル「数え方」

67:名無しさん@ピンキー
08/05/12 15:59:06 YnYmNyAF
男「手淫」
女「朱印?」
男「手淫」
女「朱印がどうしたの」
男「シュイン!」
女「速い!」

新ジャンル「手淫」

68:名無しさん@ピンキー
08/05/12 19:11:20 Vlg2Rt0E
女「究極の選択です」
男「ん?」
女「付き合うならどっち。私の顔した世紀末モヒカン男と、世紀末モヒカン男の顔した私」
男「むーん」
女「ちなみに前者は火炎放射とかしてきます。後者はトゲトゲの肩当とかしてます」
男「後者かなぁ」
女「ほほう」
男「なんか、慣れると思う。モヒカンでも」
女「付き合いますか、モヒカンと」
男「お友達からだな。様子を見たい」
女「よかったね」
男「なにが」
女「私の外見が、私で」
男「………そういやそうだな」
女「でしょー?」
男「よかった」
女「よかった」

新ジャンル「モヒカン世紀末」

69:名無しさん@ピンキー
08/05/12 19:41:20 Vlg2Rt0E
男「薄着の季節ですな」
女「暑いからねー」
男「薄着というと」
女「うん」
男「ラインが見えるわけよ」
女「ブラの?」
男「ブラの」
女「……」
男「ウヒョヒョ」
女「………ニヤリ」
男「ナニッ!?見えない!ぶらじゃあのラインが見えないッ!何故だッッ!!」
女「そう来ると思って、今日はノーブラで来たのよ!」
男「ああー!それが真実だと示すかのように胸を張ったそこには謎のポッチ(乳首)がー!!」
女「………………」
男「……………………」
女「…………………………///」
男「着替えてこい」
女「はい」

新ジャンル「のーぶら」

70:名無しさん@ピンキー
08/05/12 20:08:49 Vlg2Rt0E
女「携帯電話」
男「うん?」
女「携帯するから」
男「うん」
女「読んで字の如く」
男「携帯電話」
女「うん」
男「で?」
女「でもさ、マナーとかあるじゃん」
男「あるな」
女「いくら携帯電話がさ。携帯する電話だとしてもさ」
男「うん」
女「限度ってものがあると思うわけよ」
男「あー」
女「電車の中とか、ご飯食べてるときとか」
男「マナーね」
女「そう。マナー」
男「女」
女「うん?」
男「も、ちょっと足広げて」
女「………」
男「………」
女「やだ」
男「えー」
女「マナー違反」
男「大丈夫。マナーモードにしてあるから」
女「そういう問題じゃなくて」
男「マナーモードだから」
女「撮るな」


カシャ

新ジャンル「携帯電話」

71:名無しさん@ピンキー
08/05/12 21:10:07 EbCS0nNK
面白過ぎるwww
このシリーズをずっと見ていたい感じだなあ

72:名無しさん@ピンキー
08/05/12 22:26:38 o0qbEVvQ
>>65
マジでヤバイよマジヤバイ。


しかし一個一個がマジウケルwww
シュイン!が夢に出そうだwww

73:続・妄執のマジュヌーン(1/12)
08/05/13 00:05:19 Vlg2Rt0E
ジョン・ディ・フルカネリは部屋のドアを開けると、音を立てないようにベッドに近づいた。
二人寝るには少し狭い、でもそれだけくっついていられるからいいじゃん、と相棒が笑っていた寝床には、
今リオルが一人で安らかな寝息を立てていた。
広がる翡翠色の髪に長い睫毛、朱がさした頬。
柔らかそうな唇は、この世界のどんな果実より甘い味がすることを彼は知っている。

愛おしい、僕の恋人。

その胸元に、そっと手を触れた。
暖かな鼓動は、彼女が紛れもなく生きていることを教えてくれる。
しかし、これは本物の心臓ではない。
彼女の心臓はジョンが培養した仮初のもの。
リオルの命はそこにはなく、さらに奥底、胸の中心に埋め込まれている親指大の
小さな結晶によって生み出されているのだ。

「………リオル」

その名を、呼ぶ。
――そこには、溢れるような情愛が込められていた。


生物と非生物を隔てる絶対の壁、それは魔力を自己回復できるかどうかである。
どんなに強大で、幾多の命を葬り去ることができるゴーレムでも、魔力を使い切ってしまえば指ひとつ動かせない。
そうなってしまえば唯の土くれ、物陰に隠れ住むネズミにも劣る物体に過ぎなくなる。
ゾンビや式神もそう。珍しい種類のものでは自己の意識を持つものもいるが、所詮は術師の傀儡に過ぎない。
魔力の供給がなくては機能を停止する、その程度の存在である。
魔力とは流体だ。一点に留まることなく、常に循環している。
魔力を汲み取ることができないモノは、たとえ魔力を帯びていたとしても常にそれを消費し、
空になってしまえばもう機動することはできなくなってしまう。
反面、生命は魔力を取り入れ、また放出させることで常に魔力を自らの裡に留めているのだ。
この『呼吸』こそが生命の根源、そして世界を循環させる鼓動の連鎖。

魔力の自己回復とは、唯一生命を持つもののみに許された『世界との繋がり』なのである。

だからこそ、世界は命を育み、また繁栄を許しているといえよう。
世界も一つの大いなる生命――この星の理。

その円環から切り離されたものは、最早輪の中に戻る術などない。
命あるものが、魔力の呼吸を失う。それが、死なのだ。
死から蘇ることはできない。死んだ瞬間に、それはモノに成り下がる。

たとえば、以前ヒロトたちが出会ったヌシの中に、ククという名のアルラウネがいた。
彼女は森の番人である恋人と共に暮らしていたが、ある日神々の社から脱走した勇者の
凶刃をその身に受け、肉体を破壊され絶命してしまう。
ヒロトたちがその場に駆けつけたときには既に命はなく、手の施しようがなかったのだが、
魔王リュリルライアの絶大な魔力によって蘇生され、今は再び恋人と共に静かに、幸せに暮らしている。

……と、されているが、実のところこれは誤解なのだった。
蘇生ではない。この世に蘇ったとはいえ、それは新たな命を得たことにはならない。
ククはリューによって製造された義体に魂を移し変えられ、活動に十分な魔力を注ぎこまれたにすぎないのだ。
――いや『すぎない』といっても義体が今後何十年も不自由なく動いていけるだけの魔力を与えられたのだから、
それはそれで世界中の魔導師たちが目を剥いて腰を抜かすほどの大魔法ではあるのだが、
生命の根源、魔力の呼吸ができるかといえば答えはNOだ。すなわち『生き』返ったわけではない。
結局のところ、かのアルラウネはものすごく高性能なゾンビの域を出ないのである。


74:続・妄執のマジュヌーン(2/15)
08/05/13 00:07:44 Vlg2Rt0E
死者は蘇らない。
生命は戻らない。
それが世界の理。
たとえどんなに悲しくとも。
それが、世界の理。


しかし、それを覆すことができたとしたら?
死を乗り越えることができたとしたら、それはどれほどの偉業だろう。
人間たちは遥かな古代からそれを目指していた。
たとえ夜空の星に手を伸ばすが如き行為であろうとも。
人々は届かない高みを目指すことをやめようとはしなかった。

何故って、ヒトにとってそれは―――。



リオルが目覚めた時には、既に日は高く昇っていた。

「むにゃ?」

ぼんやりした頭で、辺りを見回す。
簡素なベッド。枕元には小さなランプ。
閉じられたカーテンの隙間からは日の光が差し、鳥の声は森が近いことを教えてくれる。
ひびの入った土壁に掛けられた花の絵。乱暴なタッチで描かれたそれは決して絵描きのものではない。
素人が投げやりに描いたもの丸出しだ。
……見るからに安宿の一室といった内装だった。そしてそこはまさしく、
リオルたちがビサレタの町で部屋をとっている宿の一室に違いない。
リオルは首を傾げた。

「あ痛」

途端、身体を走る激痛に思わず声をあげてしまう。
そうそう、そうだった。昨夜はヒロトを手伝って森でドラゴン相手に大暴れしたんだっけ。
木が二、三本まとめてへし折られるような勢いで叩きつけられたり、斬り裂かれたり、
傷を自分で焼いて塞いだりしたために、いかに頑丈なリオルといえど受けたダメージは相当なものだったのだ。
その後魔力切れを起こしたのか気が遠くなって――現在に至る。
身体は動く。傷も、大きなものは未だ包帯が巻かれているものの細かな傷は綺麗に消えていた。
きっとヒロトが倒れたリオルをここまで運び、そしてジョンが治療してくれたのだろう。
意識もはっきりしているから魔力補充もしてくれたに違いない。

「あ………」

そこまで把握して、リオルは気まずそうに肩を落とした。
魔力補充は決して愛を語らいあう行為ではないにしても、意識を失った相手を抱くのは
いい気持ちのするもんじゃないとジョンからは再三言われていたことだったのだ。
また、ジョンに小言を言われるのだろうか。
………いや、でもまぁ、昨日のアレはヒロトの仕事の手伝いで仕方なかったことだったのだ。
そこんとこ、ジョンも汲んでくれるだろう。ヒロトだって助け舟を出してくれるに違いない。
っていうか、見捨てたら恨む。

「お腹、すいたなぁ……」


75:続・妄執のマジュヌーン(3/15)
08/05/13 00:08:56 DnQzPn9R
ぽつり、と呟いた。
思い出したかのような言葉だったが、真実お腹はぺこぺこだった。
義体が栄養を欲している。今何時くらいなのだろうか。お昼は過ぎているだろうか。

「ん、しょ」

とりあえず降りてみんなと合流するか、と身を起こして、据え置きの机にジョンが向かっているのに気が付いた。

「ジョン、おはよ」
「………………………」

ジョンは答えない。振り向くこともなかった。
む、と思ったがどうも無視というわけでもないようだ。
羊皮紙にペンを物凄い勢いで走らせていた。その両脇には召喚したのだろうか、何冊もの分厚い魔道書が積み重なっていた。
こういうジョンは随分久しぶりだ。少なくとも、ヒロトたちと合流してからはこんなに集中して式を組むことはなかったように思う。
新しい錬金の術を思いついたとき、ジョンは頭の中にあるイメージをこうやって紙に書いて数列として残すのだ。
頭の中だけでは輪郭のはっきりしない考えでも、ペンを走らせて形を与えることではっきりした答えとして見ることができるらしい。
もっとも、その大半は役に立たない、という結論にたどり着くという。
現実には組み立てられないアイデアがほとんどなのだとか。
こういうのをまさに机上の空論というのだとジョンが言っていたのをよく覚えている。

それが妙に懐かしくて、リオルはしばらくジョンを見つめていることにした。

「……………………?」

……眉が、寄る。
ジョンの様子がおかしいことに気付いたのだ。
ジョンは何かに追われるようにペンを走らせている。集中しているのは同じなのだけど、
どこか精彩を欠くというか、いつものジョンとは違う様子だ。
ジョンが何かを閃いたとき。それを図式に表すとき。
その表情は、宝物を見つけた子供のように輝いていたというのに。

「ジョン」

リオルはたまらずに、もう一度声をかけた。
今度こそはジョンは気が付いて、肩越しに振り返る。

「――ああ、リオル。目が覚めたんですね」
「うん」

こくん、と頷く。
やっぱり変だ。ジョンの笑顔がどこか寂しい。
影のあるような、リオルを切ないようなものとして見ている目だ。
リオルはどこかその目を見たことがあるような気がして、ふと思い至った。
リオルはもともとジョンが、リューとの交渉のために命を助けた存在だ。
ジョンの技術を魔王にアピールした上で、その確かな技術力を提供する代わりに
魔王城の書庫の利用を許可してもらおうという計画だったのである。
そのため、ジョンはかつてリオルをどうしても『交渉道具』として扱うことを余儀なくされた時期があった。
リオルに情が移ってしまったことを差っ引いても、優しいジョンにとってそれはつらいことだったに違いない。
明るく、ジョンに懐き、生命力溢れるリオルが相手ならなおさらのことだ。
そうした『一線を引く』ように努めているとき、ジョンはしばしばこういった寂しそうな目をすることを思い出した。
これも、ヒロトたちと合流してリューの軍門に下ったときからこっち、さっぱり見なかったことだった。


76:続・妄執のマジュヌーン(4/15)
08/05/13 00:10:56 DnQzPn9R
リオルは普段の能天気さからはかけ離れた恐るべき洞察力で――おそらくは、ジョン限定に働くものだろう――それに気が付いた。

(……でも、リュリルライア様の仲間になって、もう賢者の石の研究には目処がついたはずなんじゃなかったっけ?)

顎に指をあてて小首を傾げる。まあ、考えてもリオルには錬金術のことは
さっぱりわからないから、目星なんかつくわけないのだが。

「リオル、すみません。少し集中したいのでヒロトさんたちのところへ行っていてもらえませんか。
 朝から教会に行っているはずですから」

ジョンは最後に微笑むと、また机に向かってしまった。
もう少し話をしていたかったが、ジョンはそうではないのだろう。

リオルは、む、と少しだけ唇を尖らせた。



「………なんで我がこんなことせにゃならんのだ」

リュー、むむー、と唇を尖らせていた。

「仕方ないでしょう。壊したのも散らかしたのも私たちなのですから。ってうか貴方なのですから」

その隣でじろりとリューを睨みつけるのはローラである。
箒にエプロン、三角巾。完全なお掃除ルックで昨夜砕け散ったステンドグラスの後片付けをしているのだった。
もともとはブレイズと交戦したことによって聖堂教会から何か通達がるのではとE.D.E.N.を観にきたのだが、
来てみれば何故か美しかった教会が見るも無残に倒壊していたのだった。
そして神官の話によると、昨夜ここから飛び去っていった何かがとてつもない衝撃波を起こし、
そのせいで教会が嵐の日の木こり小屋のように吹き飛ばされたためらしい。

………その『何か』に、ものすごく心当たりのある三人だった。

「我のせいかよ!?」
「フレズヴェルグの衝撃波でこうなったのですから、術師の貴方のせいに決まっているでしょう」
「待て待て待て。しかし昨夜はフレズヴェルグで飛ぶしか間に合う方法はなかったろう!」
「それにしても、加速の加減を考えて欲しいものですわ。腰を打つわ、建物は壊すわ、使いにくいったらありませんもの」

はぁぁあ、と深いため息をつく。その嫌味ったらしい態度に、リューのこめかみがぴくぴくと震えた。

「………それなら俺にも責任はある。フレズヴェルグに乗ろうと決めたのは俺なんだからな」

一日で急激に成長するという伝説の豆、ジャックスビーンよりも勢いよく跳ね上がったリューの怒りメーターが、
その一言でこれまたあっという間に冷却される。

「ヒロト」
「ヒロト様」


77:続・妄執のマジュヌーン(5/15)
08/05/13 00:12:23 DnQzPn9R
ヒロトである。
屋根の上で傾いた十字架や崩れた天井の大穴を直していたヒロトが戻ってきていた。
まったく、魔王を模して造られた古代の怪物さえ撃退した勇者のすることとはとても思えないが、何せ人手が足りないのだ。
恰幅のいいここの神官は決して身軽とは言えないし、町の人々にはそれぞれ仕事がある。
そこへ行くと、ヒロトは片手で重い祭壇だって軽々と持ち上げてしまう怪力と
ひと蹴りで屋根まで飛び越える脚力の持ち主。作業が進むのもやたらと早い。

それに何より、彼らはヒマなのだ。

一応ヒロトの件に関してはお咎めはない、というかどうもブレイズは聖堂教会に昨日のことを報告していないようだとわかったのだが、
帰ってきてみたらジョンが何やらすごい勢いでペンを走らせていたのだった。
話しかけても返ってくるのは生返事だけだし、食事どころか水の一杯さえいらないという。
リオルがまだ眠りこけていたことを考えても、ヒロトたちだけで次の町へ出発するわけにもいかないし。

「………ジョンさん、どうしたんでしょう?」

ローラが心配そうに言った。ジョンの様子は尋常じゃなかった。
あんなジョンを見るのは、ローラたちにとっては始めてのことだったのだ。

「……さてな。リオルの身体は順調に回復していると言っていたが」

リューの声にも心配そうな影が見える。
考えてみれば、リューたちはジョンがああやって『デスクワーク』をしているところを初めて見たのだ。
ラルティーグの魔導師は、そのほとんどが錬金術師。
つまり研究職なのだが、ジョンはといえば勇者に選定されただけあってどちらかといえば
フィールドワークの方が得意なようだった。もしかしたら、案外机に向かうと豹変するタイプなのかも知れない。
………そうだと、いいのだが。

「ヒロト様はどう思います?」

話を振られて、ヒロトは困ったような、厳しいような、複雑な顔になった。
そうしてしばらく言葉を選ぶように考えて、口を開く。

「ジョンが何か困っているなら、もちろん力になるつもりだ。でも、多分ジョンは今、それを望んでいないと思う。
 あいつは頭がいいからきっと、本当に助けが必要なときはちゃんと助けを求めることができるだろ」

……まあ、確かにそうだが。
それは、ようはジョンを放っておくということだ。
聞きようによっては冷たくそっけないとも取れるヒロトの言葉。しかしそれは、同時に信頼の裏返しでもある。
ヒロトだって以前、勇み足でローラから説教を食らった身だ。
同じように溜め込むタイプであろうジョンとヒロトはどこか通じるものがあるのかも知れない。
男同士、言葉無くとも分かり合えるというヤツか。なんだか妬いてしまう二人であった。

「それに、ジョンの力になるのなら俺たちよりもっと相応しいヤツがいるから」

リューとローラの脳裏に、能天気な少女の顔が思い浮かんだ。

「リオレイア、か……」
「……まぁ、確かに」
「俺たちは下手に手を出さないほうがいいと思う。
 俺にお前たちがいてくれているように、ジョンを一番に支えているのはリオルなんだから」

遠く、宿の方向を見つめて目を細める。


78:続・妄執のマジュヌーン(6/15)
08/05/13 00:13:54 DnQzPn9R
「………またこの男は……」
「……………ずるいですわ……」

一方リューとローラの方は、さらっと嬉し恥ずかしいことを言われて少し頬を赤くしていた。
昨日のフレズヴェルグで頼りにしているという告白といい、
この青年は真正面から照れることを言うから、その、少し困る。
しかもおそらくは自覚なしに。嘘をつけるような性格ではないことはわかっているから本心に違いない。
それがとてつもなく嬉しく、同時にくすぐったくて参ってしまう。
まったく、惚れた方はこれだから『負けて』いるというのだ。

「……でも、まぁ」
「そういうことなら……」

そっとしておくことにするか、と呟いて。
再び、教会の傾いた十字紋様を見上げるのだった。



「………はぁ」

ジョンは大きく深い息をつくと、ぎ、と床を軋ませて椅子にもたれかかった。
ついさっきまでがりがりと走らせていたペンを置いて、目と目の間を揉みほぐす。
肘が当たってしまい、山と積まれていた魔道書がばさばさと落ちたが拾う気も起きなかった。
そもそも、手垢で汚れたそれらは既にジョンの頭の中にすっかり入ってしまっているのだ。
拙い召喚術で呼び寄せたそれらはジョンの私物である。
ラルティーグの実家兼研究所に置いてきた、フルカネリ家の研究資料。亡き父の遺産だ。
ジョンが幼少の頃から何度も何度も捲ってきたページには、賢者の石にまつわる知識の粋が記されている。
魔道書といってもフルカネリの血を継ぐもの以外には表紙を開けないだけで、
持っているだけで魔力を食い尽くされるようなものでもなければ、
特別な魔法や魔獣が封印されているわけでもない。
そこに書かれているのは単なる『技術』だ。誰にでも再現が可能な知識の結晶。
魔道の真髄である『奇跡』とは真逆に位置するものだった。

―――そう。『技術』だ。

ジョンたちラルティーグの錬金術師は気の遠くなるような時間をかけてそれを培ってきた。
昔は貴族や王族、魔道の家系のみが独占していた『奇跡』を
『技術』として平民たちに分け与えたのはラルティーグの錬金術師である。
無論猛反発はあったものの、これにより世界は飛躍的な進歩を遂げたといえよう。
深夜でも昼間のように仕事ができ、猛暑の中でも氷を齧れて、指先ひとつで火を熾せるようになった。
これらは全てラルティーグの技術あってもの。
近年、世界中に根を張り巡らせたE.D.E.N.の根幹――情報を保管し、
共有する特性さえも賢者の石の研究過程で生み出されたノウハウから成り立っている。

技術は万人が為に。

それがラルティーグの在り方なのだ。

「リオル」

小さく、名を呼んだ。
ほとんど辺りに拡散しない、聞こえるか聞こえないかのその声に、少女は当然のようにぴくりと耳を動かした。


79:続・妄執のマジュヌーン(7/15)
08/05/13 00:14:53 DnQzPn9R
「なに?」

毛布に包まったままのリオルが顔をあげる。
ジョンは出て行くように言ったはずなのに。
何故かまだ彼女はベッドから降りずに毛布に包まっていたのだった。

「――身体の調子はどうですか?」
「ん。傷はまだ痛いけど、動かさなければ大丈夫みたい。
 それよりあたしお腹すいちゃった。レーション食べていい?」
「食堂に行けばいいじゃないですか」
「ううん。いい」
「……………」

リオルの言うことは矛盾している。空腹なら食堂に行って好きなだけ食事を取ればいいのだ。
保存食のレーションは決して美味しいとはいえないし、リオルだって好きじゃなかったはずなのに。

「…………………」
「…………」

リオルはジョンの了解を得ないままにもぞもぞと動いて荷物を漁ると、
角ばった袋を開けて固形食を齧り始めた。
視線は、ジョンの背中に。確かめたわけではないが、わかる。
リオルはもそもそと美味しくもないレーションを食べながらも、
じっとジョンから目を逸らしてはいないに違いない。

静かだった。
どこからか遠くで釘を打つような音が聞こえる。

何故リオルがここにいたがるのか。
それは、ジョンにはわかっている。
何故リオルがなにも訊かないのか。
それも、ジョンにはわかっていた。

「………リオル」

だから、ジョンは言った。

「何?」
「ボクは昨日、魔力補充をしていません」
「………?」

リオルはよくわかっていないようだ。
もぐもぐごくん、と口の中のものを飲み込んで、首を傾げているのがわかる。

「いえ、いつものようにリオルに魔力を充填しようとしたのですが、しかしその必要はなかったんですよ」
「どゆこと?」

ジョンはゆっくりと振り返った。
隈が色濃く縁取った目でリオルの姿を認めると力なく、息をついた。

「キミは、いいですか、リオル。キミは、自力で魔力を回復したんです。
 キミの胸に埋め込まれている賢者の石はそんな機能はない。ならば何故?それがわからないんです。
 もし。もしですよ。リオルに自力で魔力を回復できる能力が備わったなら。これがどういう意味かわかりますか。
 それは、きっと、『本当の』賢者の石に大きく近づいたことになる。100年の停滞に終止符が打たれるんです。
 いえ、それどころじゃありません。もしかしたら、届くのかも知れない。
 これが、これこそが。ボクたちの望んでいた賢者の石そのものなのかも知れないんです」


80:続・妄執のマジュヌーン(8/15)
08/05/13 00:15:55 DnQzPn9R
ジョンはさらに目を見開くと、大仰に両手を広げてみせた。

「さらに、リオル、さらにですよ。まだあるんです。話はもう、そこにすら留まらない。
 一度魔力循環の力を失ったリオルが再びこれを取り戻したとなれば、これはもう間違いない。事実上の死者蘇生です。
 まだ実現されていない、ラルティーグの錬金術師が、ユグドレシアの魔術師が、ケムトの精霊使いが、ヴォドゥンの呪法師が、
 パナパの祈祷師が、インの仙人が、ヒイヅルの巫が、ナルヴィタートの神官が――世界中の、
 ありとあらゆる魔導師たちが目指し、そして未だ達成していない大魔法が実現することになる。
 これは、これはね。今まで生きた星の数ほどの研究者たちの、夢が。望んで、手に入らなかったものが。
 リオル。はは、よりにもよって!キミの胸に!埋め込まれているってことなんですよ!」

がん、と机を叩いた。
その剣幕にリオルは驚いて、しかし、正直なところやはりよくわかっていない。
ただ、なにやらとんでもないことになっているということだけは理解できたようだ。

そう。
しかし、問題はここから先にある。

問題は、問題は、――何故、リオルの賢者の石に変化が起きたのか。
そこなのだから。

「……ボクの練成した賢者の石に元々そんな能力はなかった。これはまず間違いありません。
 開発したときにあらゆる面から実験を繰り返してきましたからね。
 考えられるとすれば、リオル。キミの義体がリオレイアの魂によって変質したように、
 強力な龍の魂魄の力で賢者の石の試作品にもまた、何らかの変化が起きたのではないかということです。
 これも所詮、推測に過ぎませんけどね。そう。推測を立てるくらいしかできないんですよ。ボクにはね。
 その変化が何なのか、どうすればそれを再現できるのか。それを確かめることが、ボクにはできない」

ジョンはぎしり、と奥歯を噛み締め、両手で髪の毛を鷲摑みにした。
これほど動揺しているジョンを見るのは初めてだった。苦渋に満ち満ちた視線は絶えず彷徨い、
しかしリオルの目だけは決して見ようとしていない。

「………………」
「だって、仕方がないじゃないですか。変質したのは――リオル。キミの『生命』そのものだ。
 それを、それを、はは、摘出して、実験する?そんなことをしたら、キミが死んでしまう!!
 ええ、ボクだって一度瀕死のキミを救ったんだ。今度だって、命を抜き取られたリオルを
 何とか死なずに済ませることが出来るかもしれない。そう思いましたよ。一度はね。
 でも、駄目だ。わかってましたよ。無理なんだ。不可能なんだ、そんなことは!」

――ああ、そうか、と。

リオルはやっと、ジョンの苦悩がどこにあるのかを悟った。

リオルの義体はジョンがリオルの為に造ったものだ。
正確には、ホムンクルスの種に絶命寸前だったリオレイアの魂を移し変えてから作成したリオルの第二の肉体。
そして、その核となったものが賢者の石なのである。
賢者の石を引き抜くということは、文字通りリオルの命を引き抜くことを意味していた。
そうなれば、リオルは今度こそ絶命する。
それでもリューなら、あの無尽の魔力を誇る魔王なら莫大な魔力で無理矢理に延命させることができるかも知れない。

81:続・妄執のマジュヌーン(9/15)
08/05/13 00:16:39 DnQzPn9R
――リオルが、ジョンの眷属でさえなければ。
そう、これもまた無理な話なのだった。身の内にある魔力とは無色ではない。術師によって色づけされているものだ。
これを『魔法』ではなく、『魔力』のままで交換できるのは術師の眷族となった者のみ。
そしてリオルは、既にジョンの魔力によって染め上げられた眷属となってしまっている。
もとはといえば灼炎龍リオレイアを制御するために練った策が、ここにきて落とし穴となっていた。

だが、賢者の石を調べなければ『どうして』がわからない。
予想を立てることはできるだろう。だがそれらは純然たる『解答』に比べれば吹けば飛ぶ程度のものに過ぎない。
答えはここにある。リオルの心臓を抉り、賢者の石を摘出すれば、あるいは何か秘密がわかるかもしれない。
さらには、それをしないということはジョンにとって耐え難い裏切りをなってしまう。
ジョンはヒトの技術の発展に信念を掲げた民の一員なのだ。
ラルティーグを裏切るということは、ジョンの今までの人生を裏切るということなのである。

二者択一。
リオルの命か、祖国の――いや、人類の夢か。

「……………………………………そっか」

胸元に。
指を這わせる。

そこにあるのは、なんだろう。

「考えたこと、なかったなぁ」

リオルはポツリと呟いた。

「あたしね、今まで、あたしはあたしだと思ってたよ」

ジョンは驚いて顔をあげた。
リオルは笑っている。でも、その笑顔はいつもの無邪気なリオルのものではなかった。
ジョンは呼吸を忘れた。心臓が痛い。鈎針のついた鉄線でがんじがらめにされたように。

「でもね。今の話で、思ったよ。この身体はジョンにもらったもので、リオレイアの魂もジョンに助けてもらったもの。
 で――この、なんていうのかな。生命?賢者の石は、これまで頑張ってきたジョンの仲間みんなもので――。
 だったら、ええと、あたしはさ。その役に立ちたいわけで」

――リオルは、そうだ。

いつだってジョンの気持ちを汲んでくれる。
それがリオル生来のものか、ジョンに気持ちを寄せてくれているからなのか。
はたまた、ジョンとの術的な繋がりが作用しているのか……それはわからないけれど。
ジョンが求めたとき、望んだとき。きっと、リオルはそれを察してくれるのだ。

それが、今。
何を意味しているのか。
気付いたとき、ジョンは体中の血が凍りつく音を聞いた。

「ジョン。あたしは」


82:続・妄執のマジュヌーン(10/15)
08/05/13 00:17:24 DnQzPn9R
 
言うな。
言わせるな。
違う。
ボクはこんなこと、望んでいない。
発展に犠牲は必要かもしれない。でも。
リオルは――リオルは、ボクにとって。
差を、つけるのか。他の全てと、リオルに?
馬鹿な。ああ。
言葉が出ない。
歯を。
食いしばるな。
喉を振るわせろ。
ここで言わないと。
ボクは――ラルティーグの悲願が、叶うかもしれない。
煩い。
関係ない。関係ない?
ボクは勇者だ――関係あるだろう!
畜生。
畜生!


「――あ、」

ジョンは口を開け、しかし言葉は出てこない。少しだけ唇を噛んで、目を伏せ、そして見開いた。
リオルの手が、膝の上で握り締められて――小さく、震えている。

「―――……」

ジョンは、奥歯を砕くように強く、強く噛み締めて。



―――そう、言った。



高い太陽に雲が差し、辺りはあっという間に薄暗くなっていった。

「……雨になるな」

ヒロトはぼりぼりと頭を掻いた。
教会の屋根の上、ソニックブームでばらばらになった煉瓦を新しいものに補修しているのだ。
急がないと雨漏りで大変なことになってしまう。予備の煉瓦があまりないので
何箇所か雨漏りすることは最早この教会には避けられないことなのだが。

「勇者様。もう充分ですのでどうかお下りください。
天下のヒロト様やそのお連れ様にこんな雑務をさせるなんて、やはり申し訳がありません」

下から神官が声を掛けてくる。
そうもいかない。この屋根にしたって………まぁ、もともとボロではあったとしても実際吹き飛ばしたのはヒロトたちなんだから。
その主犯格であるリューは、屋根の上に登っても修理する技術に欠けるのでとりあえず
ローラと共に教会の掃除を言いつけておいた。そのせいで余計に神官は恐縮しているのだろう。
まぁそれはわかるのだが、急がないと雨が降ってきそうだし、それに何より、ヒロトたちはヒマなのだ。
リオルの目が覚めているのかどうかはわからないけど、とりあえず夜になるまでは宿にも戻らないほうがいい。
そう決めていたから。


83:続・妄執のマジュヌーン(11/15)
08/05/13 00:18:16 DnQzPn9R
「気にしないで。好きでやっていることです」
「しかし、ならせめて休憩をされては……。お茶を淹れますので」

お茶、ね。

ヒロトは暗い空を見上げた。

「雨漏りはもう、仕方がないものですから」
「……そう、ですね。じゃあ、リューたちに淹れてやってください。俺の分はいいですから」

空を見上げたまま、ヒロトが呟く。

「え?」
「少し、用事ができたようですので」

そう、口にしたが早いか、ヒロトは手元にあった煉瓦をひとつ掴むと、身体を捻らせて思い切り投擲した。
そのままならば地面と水平にどこまでも飛んでいくかと思われた煉瓦は、
数メートルもいかないうちに破壊され砕けて粉々になってしまう。

「え?……あ、れ?」

神官は突然のことに目を白黒している。
しかし、見る者が見ればわかっただろう。
それは、どこからか飛んできた空気の塊に衝突し、それを相殺する形で防いだのだということが。

「………………」

ヒロトはすっと真顔になると、立ち上がった。
彼方、離れた屋根の上にばさばさとたなびく薄汚れた白衣の少年がいる。
薄い茶色のクセっ毛に梟のような眼鏡。光の加減で表情はよく見えないが、あの背格好は見慣れたものだ。
間違いない。さっきの『攻撃』は、彼がヒロトを狙った風の魔法だろう。

ジョン・ディ・フルカネリ。

稀代の天才と謳われたかの勇者が、ヒロトに仕掛けてきたのだ。

「―――……」

ジョンは両手を広げた。
何か呪文を詠唱したようだ。その手にそれぞれ砂埃が渦を作る。風が逆巻き、砲弾が生まれているのだ。
ジョンは錬金術師でありながら攻撃魔法も嗜んでいる。その多芸はジョンを天才と言わしめているよ要素のひとつだった。
だが。

「これしき!」

ヒロトは丸腰だった。屋根の修理に剣は必要ない。だからそのままぶん、と手を大きく振って――。
――それだけで、放たれた真空弾をかき消した。

話にならない。攻撃魔法というなら、昨夜食らいつかれたブレイズのバルクンドやアフアナールとは
比べ物にならないほどの差があった。
所詮は手習い程度の攻撃魔法、そこらの魔獣ならともかく相手がヒロトでは通用する道理もない。
そもそも、ジョンの得意は接近戦。拳打と共に呪いを送り込み肉体を破壊する“霊拳”にこそあるのだろうに。


84:続・妄執のマジュヌーン(12/15)
08/05/13 00:19:36 DnQzPn9R
「……来いってのか」

それでも、ヒロトには遠距離攻撃の術がない。
確かに以前、空中のリオルを剣の風圧で落としたりしたことがあったものの、
あれは攻撃というよりは牽制、それも手品みたいなものであって、
ようは同じ平面状にいない相手をびっくりさせて隙を作るワザ、それだけだったりする。
そもそも狙いがどうしても甘くなるので街中では使えないし。

「ゆ、勇者様?どうなされたので?」

神官のいる地上からはジョンの姿は見えない。おろおろしている神官に、なんでもない、と頷いた。

「少しここを離れますが、リューたちは好きにこき使っていいですから」
「え、はぁ……」

ヒロトは跳躍した。
ジョンも屋根を降りて、走り出す。さっきのは声を掛けたようなものに過ぎない。
ジョンは初めから場所を変えるつもりだったようだ。
ヒロトも追いつこうとはせず、その誘導に従うことにした。
屋根の上を跳び越え、ジョンの背中を追う。
その後姿からは、ジョンが何を考えているのかは、わからなかった。



「……行ったか」
「そのようですわね」

二人の勇者が町から離れていくのを、リューとローラはそのただならぬ気配から感じ取っていた。
礼拝堂の奥、ヒロトの言いつけで掃除を手伝っていた魔王と王女は天井を見上げてやれやれと肩をすくめた。
ジョンがヒロトを襲ったことについては、二人は特に驚いてはいないようだ。
それもそうだろう。大方の予想はついていたのだ。ジョンが『相談』を持ちかけるのなら、それはヒロトだと。

リューは人間世界に降りてきてから何度か小説で読んだことがある。
いわゆる男の友情。一発ブン殴ってスッキリするというアレである。
リューにはとことん理解しがたいが、どうもオトコという生き物はそういうコミュニケーションをしばしば取るものらしい。
拳と拳で語り合う特殊言語。それが証拠に、ヒロトは剣を置いていった。
男のドツキ合いにエモノはいらない、というワケだ。

………度し難い愚か者である。男という生き物は。

「そうは思わんか、ローラ」
「まったくですわ、リュー」

二人の少女はコクコクと頷きあった。

お前ら似たようなことやったじゃん、というツッコミを入れる者は、その場にはいなかったけれど。



85:続・妄執のマジュヌーン(13/15)
08/05/13 00:20:27 DnQzPn9R
 
――もう微かにしか覚えてはいない、父や母との思い出。
自分を育ててくれた祖父の背中。
ラルティーグの施設で共に学んだ仲間たち。
研究の上で関わった全てのヒトが、ジョン・ディ・フルカネリの礎となっていた。
ジョンが恵まれていたのは何も才能だけではない。天性の才能というなら、
ジョンが生まれ育てられた環境こそ、奇跡のようなバランスで構成された天の恩恵に違いなかった。

匠の国ラルティーグの、錬金の名家フルカネリに生まれたこと。
息をするだけで罪とされるような戦乱の世のように、磨いた技術を殺戮の道具にはされない時代に成長できたこと。
どこか一筋縄ではいかない、けど信頼しあえる同胞たちと切磋琢磨できたこと。
認められること。
笑顔でいられること。

その、全てが、ジョン・ディ・フルカネリの持つ計り知れない才覚なのだ。10

だからこそ、他のヒトビトの想いを受け、技術の発展に身を捧げる決心をした。
おそらくはそれは、ラルティーグで脈々と受け継がれてきた絆なのだろう。

「渇きの国で外道に堕ちた同胞を見たとき、ボクは悲しかった。
 あれだけの力を持ち、実現できるなら――そこには必ず、先人たちの努力があってこそ。
 彼はそれを踏みにじった。ラルティーグの誇りを汚したんだ。それが、許せなかったんですよ」

小柄なジョンと長身のヒロト。体格差はあるものの、格闘戦にはジョンに一日の長がある。
剣を持たない剣士の拳をいなし、躱し、懐に入り込んで一撃を叩き込む。
が、ジョンの祖父にして師匠直伝の拳法の技ですらヒロトとの差を埋めるには足りない。
打ち込んだ拳が筋肉の鎧に止められる。硬い。まるで鉄の塊を殴っているようだ。
拳打を打ち込んだ手が逆に傷つき、血が滲んむほどに。
それでも、ジョンは拳を緩めない。
身の裡から湧き出す感情を、そのままヒロトにぶつけるように。

血が滴る拳がヒロトの頬に突き刺さる。と、ジョンのまぶたの裏に星が飛んだ。
腕を交差させるような形でジョンにヒロトの拳が食い込んでいる。クロスカウンターだ。
拳の重さと自らの勢いが加重された攻撃に、ジョンはよろけるどころではない。踏ん張りもきかずに吹き飛ばされた。
地面を無様に転がり、鉄の味が口内に広がっていく。それでもジョンの慟哭は止まらない。
よろけながら、血をべ、と吐き出しながら立ち上がる。

身体が濡れている。
いつの間にかしとしとと雨が降っていた。

「でもね。一番許せないのはボク自身だ。
 ラルティーグの勇者であるくせに。リオルが大切だというのに。
 ボクは結局どちらを選んだと思います?どちらを犠牲にしようとしたと思います?
 選べなかったんですよ。どちらもね。選ばなかったことで、どちらも傷付けてしまった。
 ボクがリオルに何を言わせようとしたか――どんなに残酷で!卑怯なことか!
 初めから、答えは出てたっていうのに!!」

ごん、と。
鈍い音がして、ジョンの視界がぐるんと回った。
ヒロトの拳がまともに入ったのだ。先程のように軌道を反らそうと手を添えようとしたが、その動作が間に合わない。
頭に血が昇っているのを自覚する。それで身体に染み付いている型さえも崩れてきているのか。
それとも、剣神と謳われたヒロトが得物を必要としない拳闘に慣れてきたのか。
がくん、と膝から力が抜けた。倒れる――奥歯を食い縛る。


86:続・妄執のマジュヌーン(14/15)
08/05/13 00:21:44 DnQzPn9R
 

『――リオルを失いたくない。ボクは、キミに傍にいて欲しい』


血が滲む拳に魔力が灯った。
唯の殴り合いには必要ない筈のその技は、しかし紛れもないジョンの全力。
一撃必殺の呪拳――“霊拳”を握り締めた。
力の抜けた足を踏ん張り、地面に突き立てる。
雨水で滑りそうになる。それでも、踏みしめ、往く。

ジョン・ディ・フルカネリはいつか、過去を顧みて――今の、この決定をどう思うだろうか。
愚かだと笑うだろうか。計り知れない幸運を見逃したと呆れ果てるだろうか。
でも、それでも――きっと後悔はしない。
ジョン・ディ・フルカネリはリオルを犠牲にした瞬間、死んでしまうだろうから。
奇跡のような才覚に恵まれたジョンの錬金術師としての矜持が、かけがえの無いひとを殺したことで嘘になる。
それがヒトの夢を裏切る行為なら、ジョンは代わりに幸運に頼ることなくそこに至ろう。
きっと、どれほど遠い道であっても倒れることはない。
支えてくれる彼女がいるのだから。

――きっと。


「あ――ぁぁぁああああああああああああ!!!!」


喉が張り裂けそうな程に叫んだ。

その声が、ラルティーグの同胞に対する懺悔の声だったのか、それはわからないけど。

ジョンは持てる全ての想いを込め、拳を打ち込んだのだった。



リオルは教会に足を運んできていた。
身体を動かすと時々痛むけど、腕の傷以外は大したことはない。
自分で塞いだ傷が一番痛むというのは皮肉というものか。

どうも来るタイミングが良かったようだ。
教会の扉を開けると、リューとローラがお茶を飲んでいるところだった。
リューとローラはお菓子の取り分が減ってあからさまに嫌な顔をしたけど、
そこはジョンとの話の報告も兼ねて、ということで。

「――お前の胸に真の賢者の石が、ねぇ」
「本当だったら物凄いことですわ」

身を乗り出すローラとは対照的に、リューはどこかつまらなそうだ。
頬杖をつきながら、お茶請けのクッキーを口に放り込んでいく。

「本当だったら、な」

ジョンはリオルを取ったのだ。リオルの胸に埋め込まれている賢者の石が『本物』かどうか、確かめる術はない。


87:続・妄執のマジュヌーン(15/15)
08/05/13 00:25:49 DnQzPn9R
「魔力を回復できるっていう性能は確からしいんですけどねー。その仕組みを解明できなきゃ技術とはいえない、とかなんとか」
「道理だな」
「まあ、それはそうですけど」

リューはずずず、と行儀悪くお茶を啜っている。

リューは――嫉妬しているのかも知れない、と思っていた。
ジョンはいわば、自分の夢の達成よりリオルを優先させたのだ。
そこまで愛されることに対しての嫉妬。そして、おそらくは――ヒロトはそうではないだろうという確信。
ヒロトはおそらく、リューが障害となった場合、その剣をリューに向けてくるだろう。
心を殺し、刃となって。
もちろん、リューはヒロトの敵となるつもりは全くないが……。

リューは砂糖をもうひとつお茶に放り込むと、



―――雨の降りしきる空を見上げた。



頬をつたう。
熱い雨水で、視界がぼやけている。

雨が降っていてよかったと、ぼんやりと思った。


「――すみません。ヒロトさんには関係がなかったのに、付き合わせてしまって」
「いいさ。こんなことでいいなら、いつでも」
「遠慮しておきます。身体がもちそうにないですから」
「……気分は」
「すっきりしましたよ。こうやって雨に打たれるのも悪くない」
「そりゃ、よかった」
「ところで――お願いがあるのですが」
「ん」
「その、町までおぶっていってくれませんか?」

大の字にひっくり返って動けないジョンが照れたように笑う。ヒロトは口元を緩めて、頷いた。
両目から溢れるものでジョンの笑顔はひきつっていたものの、
小雨の振る灰色の空とは逆に――晴れ晴れとしていたようにヒロトには見えたのだった。



              続・妄執のマジュヌーン~新ジャンル「錬金術師」英雄伝~ 完



88:名無しさん@ピンキー
08/05/13 00:42:00 DRDFXPGm
勇者キターーーーー!
一番槍GJwww
しかし青春なステゴロなタイマンだことで
毎回、戦闘描写には脱帽ですわ

89:名無しさん@ピンキー
08/05/13 14:33:21 sJtlMjN5
久々に見つけたよ…
ノーパソのキーボード死んだおかげで見れなかったよ…


蓮華「お久しぶりですっ」
番長「元気してたか?」
芝村「私達の愛は「そんなもん元からねぇよ」えー!?」

90:名無しさん@ピンキー
08/05/13 23:50:49 DnQzPn9R
男「ナマコってさ」
女「ナマコ?」
男「そう」
女「………」
男「海にいる」
女「………あー」
男「エロくね?」
女「何が?」
男「形が」
女「………」
男「太いし、長いし」
女「………」
男「オナホっぽくね?見た目」
女「いや、知らんけど」
男「海の男って欲求不満じゃん」
女「なんで」
男「女、船乗せちゃいけないから」
女「そうなの?」
男「昔はな」
女「へー」
男「で、欲求不満だから、こう、ナマコを上手く加工してオナホに」
女「そうなの?」
男「したんじゃね?って話」
女「へー」
男「想像だからね?」
女「うん」
男「………」
女「………」
男「………」
女「……ヒトデ?」
男「ナマコ」

新ジャンル「海のいきもの」

91:名無しさん@ピンキー
08/05/14 01:29:45 cZKFFxOS
>>90
ナマコは知らないが、イギリスの軍艦は雌ヤギを乗せていたとかいう噂が…

92:名無しさん@ピンキー
08/05/14 04:31:47 wozIPuqq
男「………」
女「何?」
男「考えてる」
女「何を」
男「生下着」
女「生下着?」
男「そう」
女「生下着がなんなの」
男「生下着はどこまでが生下着なんだろうか」
女「ん?」
男「お前がはいてるぱんつ。これは生下着か?」
女「んー」
男「おそらく違うだろう。中身があるからな。ちょ、ぱんつ脱いでみ」
女「え?いいけど……はい」
男「今さっき脱いだ状態の下着。これは生下着だな。間違いなく」
女「あ。取るなよう」
男「これはサンプルに必要なんだ」
女「なんと」
男「……………」
女「……………」
男「はい、下着から体温のぬくもりがなくなりました。これは生下着でしょうか」
女「見ないで」
男「ここが重要なところなんだ。これを洗濯すると、これはもう生下着じゃない。ただのぱんつだ」
女「匂いをかがないで」
男「つまり生下着か否か、その分かれ目がここにあるということになる」
女「咥えないで」
男「俺としては体温を失った下着でも何か手を加えたわけではないのだから『生』下着と呼んで差し支えないと思っている」
女「かぶらないで」
男「しかしこれは非常に慎重にならなければいけない問題だ。帰ってからまた考えるとしよう」
女「返して」
男「明日返す。じゃあな」
女「すーすーする……」

新ジャンル「生下着」

93:名無しさん@ピンキー
08/05/14 05:39:05 PCsK3kk9
何故か萌えた

94:名無しさん@ピンキー
08/05/15 04:22:34 bCUp44l2
ケーキ「ゎーなにそれータルトちゃんそのバッグかゎスギ♪」
タルト「あーこれぇ?ダリンがね→買ってくれたんだけどーパチで勝ったからとか言って」
ケーキ「え→ぜったぃ照れ隠しだょ♪」
タルト「でもぁぃつこの前隠れて合コンとかぃってたのゎかってさ→」
ケーキ「そーなんだ-。黙ってはサイアクだねー」
タルト「でしょ?だからさーぁたしも合コンぃってゃろうと思ぅんだケドK→チャソも来るょね」
ケーキ「ぁたし着てく服なぃょ」
タルト「じゃ→ぁたし前めっちゃかゎぃぃワンピ売ってるトコ見つけたからさー。一緒に買い行こー?」
ケーキ「マジでー?」


バナナ「………」


タルト「あ→でも人足りるかな→」
ケーキ「テキトーにTELすれば集まるんじゃなぃ?」


バナナ「………」


タルト「トリアーエズスフレ辺りにTELしてみるゎ」
ケーキ「ぁぃつカレシと別れたっぽぃから今きっとオトコに飢ぇてるょ♪」


バナナ「………」


新ジャンル「バナナはスイーツに入りますか?」

95:名無しさん@ピンキー
08/05/16 07:17:16 ekKL3oRv
スイーツ(笑)ってか(笑)
こっちにも行ってあげて
URLリンク(same.u.la)

96:名無しさん@ピンキー
08/05/17 21:32:29 lsmpaIyf
>>92
はぁはぁする……

97:名無しさん@ピンキー
08/05/17 22:42:42 zBstyRj0
>58
ごめんよ 遅くなったけど今投下

囲炉裏が飲み込まれて数秒、不気味に布団は蠢いている…。まるで捕獲した獲物を食しているかのように…。

後に豆田陽子は語る。
「あ…ありのまま、あの時起こった事を話すぜ!
『囲炉裏が布団の中に引きずり込まれた。…そして桃色な声が聞こえてきた。』
な…何を言ってるのかわからねーと思うが、あたしも何が起こったのかわからなかった…
頭がどうにかなりそうだった…。レズだとか百合地獄だとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…。」

そして現状の再確認を実施する。
『看護対象のハズの遠山理菜…。コイツは全くピンピンしている。
 で、一緒に来た囲炉裏が現在進行形で誤食されてる。…コイツら、放って帰っても別に問題ないよな?』

囲炉裏の不用意な行動が招いた結果だが、そのお陰で厄介な遠山理菜の足止めに成功しているようだし…。
それ以上に春樹と夕圭の仲が、これ以上進展するのを阻止することが当面の優先事項である。
お粥を置いてくる事がミッションクリアの条件だが、これを果たした以上、長居してやる義理もない。

布団の中から、囲炉裏のものと思われるブラやショーツが飛んでくるのを脇目に、踵を返して玄関に向かう陽子。
特に、彼女のブラに対しては優越感を憐れみの混じった表情を浮かべながら…。

「……囲炉裏。聞こえているなら、君の胸の不作を恨むがいい。」
布団の中から何かが呻く様な『音』は聞こえるが、明瞭な声としては聞き取れない。
『哀れな…。押し倒された上に口も塞がれたか…。『口を使って』塞がれてなけりゃ良いが…。』

後日、囲炉裏の涙ながらの証言から、青山春樹は『やっぱり理菜、レズだったんだな』と再度確信を得たそうである。
 
新ジャンル「食うもの 食われるもの …見捨てるもの」新醤油学園野望編

98:名無しさん@ピンキー
08/05/17 22:44:09 zBstyRj0
一方、青山宅の春香さんと貴子さん。
「……ルカさんも…なの?」
「……バレちゃった?」
「……見てれば判る。」

春香の一言によって真意を引きずり出された貴子…。
もっとも、そんな彼女とて春香の胸の内など容易に読めている。
そして、ため息を一つ吐いて、改めて己が心情を語り始めたルカ。

「……私だけのハル…だったんだけどなぁ。…生まれた時から今まで、ずっと傍に居てくれた男の子。
 でもさ、ハルって結構モテるでしょ?それで、最近ハル分が不足してる感じ。…今日も夕圭ちゃんにとられちゃったし…。
 …おまけに貴子ちゃんが来るようになってから、妹ポジションまで取られかねない勢いだしさ。」
そんなルカを元気付けるように、彼女の手を握り、瞳を見つめながら語りかける貴子。
「……いいえ。春樹さんはルカさんだけのお兄さん。」
思わず見つめ返すルカ。
「………貴子ちゃん。」

ここまでにすれば、実に麗しい女同士の友情物語…。…しかし。
「…そして、春樹さんは私の未来の旦那さま(///)。…未来の義姉妹ということで、これからも仲良くして下さい(///)」
「…………」
頬を染め、うっとりした表情を浮かべて爆弾を投下する貴子。
ちょっぴりイラっときた春香は無言で拳を叩き込む。…ピンポイントにたんこぶを狙って。
「…はぅ。」
相当ダメージが残っていたのか、あっさりと昏倒する貴子を尻目に、嘯く春香。

「貴子ちゃん…。候補者は他にも居るから競争が激しいことをしっかり覚悟した方が良いよ~?
 …それに私も、今まで通りハルの傍から離れるつもりはないしね。」

新ジャンル「宣戦布告」新醤油学園野望編

99:名無しさん@ピンキー
08/05/17 22:45:50 zBstyRj0
一方、黒田夕圭の部屋の中では…。
「ともかく黒田、熱が上がってきたなら横になれ。
 さっきも解熱剤を飲む前に寝ちまっただろ?今からでも飲め。」
必死に照れ隠しをしている青山春樹。
『マズイ…。黒田が普段の3割り増しで色っぽい…。
 …風邪で弱ってるのに、不謹慎だよな、俺。』

「…うん。でもその前に、ちょっと肩を貸してくれないかな?」
「…いいけど、どうした?」
「……トイレよ。」
「す、スマン…。」

上体を起こしていた夕圭だが、そんな彼女の肩に腕を回して立たせる春樹。
当然密着しているので、彼女の柔らかい感触や匂いを普段よりも強く感じてしまう。

『黒田の匂い…。囲炉裏や豆田姉妹とは違う、女の匂いだな…。』

そんな彼の様子に、当然気づいてしまう夕圭。
「…春樹くん?…やだ。あんまり匂い嗅がないよ。…熱のせいで汗かいてるんだし。」
「あ、ああ。…身体を拭きたいなら、後でルカに手伝ってもらうか?」
「……なら、春樹くんにお願いしようかな?」
「…はぁ?」
「…春樹くんなら…いいよ。」

普段の軽い調子なら、『冗談言ってないで寝てろ』とか『さっさとトイレに行くぞ』とでも受け流せるのだが…。
妙に潤んだ瞳で見つめる夕圭に対して、春樹は適切な返事が思いつかなかった。

新ジャンル「誘う女」新醤油学園野望編

100:名無しさん@ピンキー
08/05/18 11:32:35 REOGkBrq
ハルくーーーん!!
ハルくんチャーーーーーンス!!

101:名無しさん@ピンキー
08/05/18 13:31:22 jE6i3/zz
健気クールなんてどう?


102:名無しさん@ピンキー
08/05/18 13:57:43 REOGkBrq
女「男、弁当だ」
男「弁当?」
女「ああ。恋人となったのだからな。キミの分も作ってきた」
男「あ、ありが――」

友「ヒューヒュー!健気だね、女ちゃん!」

女「うむ。わたしは男の恋人だからな」
男「……ッ!い、いいよ。頼んでないし!」
女「え……」
男「つきあうからって……余計なことすんなよな!」
女「………すまん」
男「………」
友「お、おい男」
男「いいよ。行こうぜ、友」
友「……ご、ごめんな。俺が変なこと言ったせいで」
女「いや、いいんだ。こんな人目のあるところで渡そうとしたわたしも悪い」

………………。
…………。
……。

友「あれから、一週間か……女ちゃん弁当作ってこなくなったな」
男「………」
友「お前、ちゃんと謝った?」
男「ふん」
友「お前さぁ……女ちゃんがああいう性格だってことはわかってんだろ?
  それでお前、ちょっと言いすぎだったんじゃないの?俺も悪かったけど」
男「うるさいな」
友「うるさいって、お前な」
男「うるさいってんだよ!友も!それから、女も!」

女「………!!」ビク

男「弁当!」
女「え……?」
男「作ってきてるんだろ?出せってんだよ」
友「お前、わがままだな……」
男「うるせ」
女「ばれていたんだな……」
男「ふん!毎日毎日、指怪我してきやがって。馬鹿でもわかるわ」
女「流石だな!男!さあ、食べてくれ!!」

新ジャンル「健気クール」

こんな感じ?

103:名無しさん@ピンキー
08/05/18 15:42:58 r7Jwujyb
>>102
(・∀・)イイ!!

104:名無しさん@ピンキー
08/05/18 17:58:52 snBynzbu
クールもヒートも、感情を素直にぶつけてくるってのは
相手にとっちゃ決していいもんとは限らないからなぁ……
それが、たとえ好意であれ

105:名無しさん@ピンキー
08/05/18 18:25:46 znOomp/t
児玉清でお願いします

106:名無しさん@ピンキー
08/05/18 19:34:40 o/sRZgcD
陽子が遠山理菜の部屋を立ち去ってから暫く……
布団の中から這い出た一人の少女。

「まめあね…えぐれむねのくせに…!!」

憤然とする囲炉裏真智子であった。


―布団の中に引きずり込まれた瞬間こそ、訳が分からず慌てた真智子。
しかし襲いかかった理菜が、春樹とは違うロリな感触に手を止めた所で、抜手一本で失神させていた。

『…ちゃんすです。がちゆりさんにおそわれたことにすれば…』

とっさに判断して自ら服を脱ぎ、陽子をミスリードした真智子。
しかし、ブラを投げた後の陽子の声に怒りを覚え、なんとか布団を噛んで我慢した―


「もう、がちゆりさんにようはないです。かえってぷりんとはるくんにあまえ、
まめあねに……!!」


一般的に欠点を指摘されて愉快な人間はいない。
ましてや、自分と変わらない境遇(貧乳)の相手から言われれば尚更。

「あ、がちゆりさんにまだようがありました」

真智子が手にした物は…



その日の夜、遠山家の風呂で必死に全身を洗う理菜の姿があった。

「油性マジックで落書きするか普通!!しかも胸に『がちゆりむだきょにゅう』なんて!!」

鏡を見た瞬間の理菜の驚きと嘆きの声は、辺り1kmに響いたという…


新醤油学園 青春編
「奇跡の生還」


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