【カノカレ】上月司作品でエロパロ【れでぃ×ばと】at EROPARO
【カノカレ】上月司作品でエロパロ【れでぃ×ばと】 - 暇つぶし2ch700:名無しさん@ピンキー
10/04/14 17:34:55 nVQQ5fc2
多分秋晴がガチ告白されて一番ビビりそうなのは大地

一番揺らぎそうなのは深閑

701:名無しさん@ピンキー
10/04/14 17:52:53 m0EMx+sV
>>698
で、場違いすぎて陰口叩かれる秋晴
→それを見て、何時ものふざけた態度から一変、憤慨する理事長だな


>>700
上のSSじゃないが四季鏡姉妹もかなり揺らぎそう
姉妹ともに秋晴視点から性的な意味で「女」意識されてるキャラクターな上に、
秋晴は本気にしてないとはいえ、好意をちゃんと前面に出して秋晴と接してるからな
身分的なハードルも低いし


702:名無しさん@ピンキー
10/04/14 22:18:08 nVQQ5fc2
>>701
誰かを支えるっていう秋晴の理念も貫けるしな。

あれ、これだけで話一ついけなくない?

後、むしろ理事長が秋晴を誇らしく自慢したりすると思った俺は負け組。


携帯からは書き込めるし、携帯で軽く作ってみようかねぇ

703:名無しさん@ピンキー
10/04/15 13:06:09 FcMW72CX
アイシェお嬢様を忘れていませんか
手を出したら人生の墓場だが妾は公認なんだぜ
そういやピナとくっついた場合も妾は有りなんだろう
王族の一員になるわけだが

704:名無しさん@ピンキー
10/04/15 16:26:36 sSW14lra
まさかの棗の母親とか腹黒の母親、ヘディエがヒロイン

705:名無しさん@ピンキー
10/04/15 18:18:12 sSW14lra
後、暇潰しにれでぃ×ばと!をギャルゲーにした際の攻略難度は如何なもんかと想像してみた。
上から順に下に行けば行くだけ難しくなる。

・桜沢みみな
(一番簡単。強制で出会いイベント発生、初期に必須イベントがあるが、それをこなせば個別ルートに入れる)
・セルニア=伊織=フレイムハート
(簡単。ツンツンしてるようでも、好感度は確実に上がる。試験の際にパートナーカードを率先して持ってくるようになれば大安定)
・ピナ
(相当簡単な部類。みみなの好感度も上げていれば両手に花エンドも。)
・四季鏡早苗
(簡単。兎に角彼女のサポートを心掛けて。姉妹丼エンドあり)
・大地
(そこそこ簡単。必須イベントがあるが、必須イベントクリア後は二種のルートに分岐、そのまま二種のエンドに別れる)
・鳳
(簡単。セルニアとの二股、彼女の家を継ぐ、彼女と新たに暮らし始めるの三種エンドがある。鳳がれでぃ×ばと!の真ヒロインでいいよね)
・深閑
(簡単と難しいの分岐点。クールな深閑とのシリアスな恋愛か、淫乱な深閑とのラブコメかの、極端な分岐ルートがある)
・アイシェ
(そこそこ難しい。兎に角出会いが遅く、ヘディエのせいで好感度も一度に稼ぎきれない。一度彼女をクリアした後、二周目に新規の選択が出てくる。)
・四季鏡早織
(難しい。四季鏡早苗トゥルーエンドを一度達成していることが前提。彼女が仕事のサポートを求めてくるまでが勝負)
・腹黒
(非常に難しい。まず誰かの好感度を相当な位置まで上げていることが攻略の大前提という変わり種。)
・ヘディエ
(極難。アイシェトゥルーを二種見ていることがルート成立大前提。その上でアイシェとヘディエ二人を侍らせることが出来るシナリオが開ける。)
・楓
(ランダム。兎に角ランダム。なお他のキャラクターのエンドをバッドも含めて全て見ていることが前提)
・ハーレム
(楓を含む全ヒロインの好感度が均一であり、しかも高くないと到達出来ない究極のルート。最早ネタ。)


暇だの俺

706:名無しさん@ピンキー
10/04/15 19:16:28 WFqYHYgw
>>701-702
オマイラの想像力は異常
理事長ルートマダー?

>>705
恋愛ADVれでぃ×ばと発売マダー?

707:名無しさん@ピンキー
10/04/15 22:25:44 6WMUB5Co
しかしその構成だと他の子狙いでやっててもとあるごとに腹黒絡んできてぶっちゃけウザs




……あれ? 今もそう?

708:名無しさん@ピンキー
10/04/15 23:04:04 A5GCPCJD
>>705
ルートひとつ追加したぜ!

・ミケ
(ヘディエ並の難さ。なにしろ上育科の女子全員の評価が相当高いことが
大前提だから困ったもの。無論コイツもクリアしないと
ハーレムルートに進めない。注意)

709:名無しさん@ピンキー
10/04/16 06:50:19 vqNAhNE1
なお番外編で攻略可能になるヒロイン

・棗
(ファンディスクで攻略可能なヒロインの一人。シリーズ通して唯一の陵辱されるヒロイン。但し攻略は選択肢二つで終わる上、本人は秋晴になら殺されてもいいぐらいに彼を受け入れている。秋晴が真の愛に目覚めてラブコメか、棗が被虐の悦びに目覚めて陵辱かは貴方次第)

・彩京美佳子
(腹黒の母。不倫なため、やたら難しいような印象も受けるが、実際はかなり楽であり、一度限りの逢瀬で終わるか、彼女が秋晴との禁じられた関係に溺れるかでエンドが変わる。腹黒との母娘丼もあるが、正直腹を壊すよねそれ)

さらにファンディスクで追加されるシナリオ。

・セルニア&鳳ルート
(セルニアと鳳の二人を平等に愛すると約束した秋晴と、全力で秋晴を愛すると約束した二人の、幸せでエロスな日々。両手に花の結婚式もあるよ!)

・みみな&ピナルート
(みみなの大好きな内緒の場所で、毎日のように行われるみみなと秋晴、そしてピナの睦事。結婚式はないけど、三人でピナの国にて暮らしたりするよ!)

・腹黒&セルニアルート
(お腹壊しそうだぜ)

・早織&早苗ルート
(巨乳で淫乱な姉妹をたっぷり食べて、更に孕ませたりするルート。とにかくラブラブ、エロエロ、場合によってはミルク搾りもできるよ!)

・深閑&楓ルート
(教師丼。秋晴にはデレデレだが、楓には天性のドSっぷりを遺憾なく発揮する深閑と、秋晴&深閑の手で体のあらゆる場所で感じるように躾られたドMな楓を楽しもう!)

・大地個別
(愛し合ってからの二人の同室生活!毎日いちゃいちゃ、二人でお風呂や添い寝は当たり前)

710:名無しさん@ピンキー
10/04/16 08:02:57 nD6no4Hg
>>708
まさかの男の娘枠ワロタwwwww
確かに攻略は色んな意味で難しそうだwwww
ま、好き嫌いは別れるだろうが少なくとも両刀な俺には嬉しい限りだ

711:名無しさん@ピンキー
10/04/16 09:23:31 t4pPLDq/
孕ませ姉妹丼√が素晴らしい件

712:名無しさん@ピンキー
10/04/16 17:24:59 u6KkMJQU
そういえば姉妹丼モノSSはありそうでなかったな

713:名無しさん@ピンキー
10/04/16 17:48:31 CGNoKhAR
>>705から>>709
とうぜんPC版に移植で「エロシーン」は有るんだよな?w
純愛なイチャラブHシーンとダークな調教Hシーン、
バッドENDで「目の前で、NTR二穴・三穴凌辱Hシーン」も…w

714:名無しさん@ピンキー
10/04/16 18:17:26 vqNAhNE1
>>713
いやいや
バッドエンドは誰にも愛想を尽かされ、一人切なく就職活動をするんだって。
NTRが苦手ですマジサーセン。

んじゃ電車の中で暇潰しがてらに書いた捏造早織さんEDをうpします。
以下の事項にご注意下さい。

・何も参考にせず、記憶にあるまま書いたため、相当雑です。
そういうのがダメな人は見ないでください。
・秋晴と早織さんは恋人同士です。
それが許せない人は見ないでください。
・直接的な性交渉の描写はありませんが、言葉の端々にそんなのが見え隠れします。そんなのが嫌いな人は見ないでください。

んじゃ次から行きますよっと

715:捏造ED・早織変
10/04/16 18:22:53 vqNAhNE1
日野秋晴は、極々普通の青年である。
少しヤンキー顔で、そこそこのヘタレで、しかし優しい心を持つ点を除けば、となるが。
誰かを支えられる人間になりたいという思いからお嬢様学校である白麗陵の従育科に編入したのは、もう数年前の事。
今は二人の女性の御主人様として、平穏な日々を送っている。
そして、彼を旦那様、御主人様と慕うのは四季鏡早苗と四季鏡早織。
そう、白麗陵にて出会った、二人の美少女たちだった。


たぷんたぷんと揺れる爆乳を隠そうともせずに、美姉妹の姉は四つん這いのまま秋晴の元へと進む。
恥ずかしさが以前はあったが、今はもう慣れている―否、こうしていないと落ち着かない。
首には人間用の首輪―きちんとSaori Hinoとドッグタグも着いている―が光っており、名実共に彼女が日野秋晴の奴隷であることを表している――

「旦那様」
「早織さん?・・・・いやいや、なんで首輪なんかしてんだ」
「え、ダメですか?こうすれば、もう私が旦那様のものだってすぐに解ると思ったんですけど~」
「ダメだ、アウト!っつーか、旦那様って何だよ。俺は早織さんの従者、兼恋人でしょうが」
「・・秋晴さん、本当にダメかしら?」

「旦那様」
「早織さん?・・・・いやいや、なんで首輪なんかしてんだ」
「え、ダメですか?こうすれば、もう私が旦那様のものだってすぐに解ると思ったんですけど~」
「ダメだ、アウト!っつーか、旦那様って何だよ。俺は早織さんの従者、兼恋人でしょうが」
「・・秋晴さん、本当にダメかしら?」

――訳ではなく、秋晴はまだ学生だし、姉妹を奴隷にしているわけでもない。
強いて言えば四季鏡姉の恋人である。
まぁ当然と言えば当然だが、その魅力的な肢体は端から端まで全部満喫してはいるが。
ついでに言えば、今は二泊三日で早織のグラビア写真集のための撮影に来ている。
一度目に秋晴が撮影に随伴した時に取ったグラビアの出来が良く、しかも秋晴が来ない時と来ている時とでは、そもそもの早織の表情さえもが変わっている。
ならばと早織は秋晴に毎回の随伴を、わざわざパートナーカードを利用したりして頼んでいた。

716:捏造ED・早織変
10/04/16 18:28:15 vqNAhNE1
こうなると、二人の距離は急速に近付いて行った。

とは言えどもである。
流石に首輪を付けてどうこうは秋晴の予想の外の事だった。
秋晴が早織を諭すように言うと、まだ納得してはいないようだったが、彼女も小さく頷いた。
早織とて知っている。
秋晴がどれだけ優しく、どれだけ自分に尽くしてくれているかぐらい、知っている―だからこそ、自分の体を好きにしていいことで感謝の証にしたいのだ。

「ほら、もうすぐ撮影が始まる時間だぜ?水着に着替えて、首輪なんか外してくれよ?」
「うん・・・・」

秋晴に柔らかな髪を撫でられながら首輪を外す早織の表情は、暗く。
仕方ないとばかりに、秋晴は彼女に対する一番の文句を早織の耳元で囁いた。

(今日で最後なんだろ?だったら、今晩から嫌ってぐらい抱いてやるから。前も後ろも、俺ので一杯になるぐらい出してやるから、な?)

我ながら悪役な言い方だと秋晴は苦笑する。
しかし早織はと言えば、ほぅっと頬を赤らめて、そして嬉しそうに呟いた。

「約束ですよ、秋晴さん」
「あぁ、約束だ。だから今日1日頑張れ、早織さん」

秋晴の声に、早織は首を縦に振る。
期待を豊満な胸に秘めて。
主従――その枠を超えた秋晴と早織の恋愛は、まだ始まったばかりなのだから。

717:捏造ED・早織変(不要な余談変)
10/04/16 18:31:54 vqNAhNE1
「それでさ、早織さん」
「ふぁぁい?」
「何でわざわざ首輪とか着けたんだ?」
「・・・・・」

白濁にまみれた体をだらしなく投げ出した早織に、秋晴は問い掛ける。
朝にした約束をきっちりと守り、秋晴は早織を散々に犯してやったからか、声に疲労の色がありありと浮かんでいた。
最も早織はもっと酷く、顔にも胸にも秋晴の精液がかかっているし、膣穴からも尻穴からさえも精液が溢れ出ている。
最初は嬉々として奉仕し、犯されていた早織が、涙を流しながら、気が狂うと鳴きながら、実際に意識を喪失するまで犯し抜いたのだから、仕方はないが。
呂律が回らない辺り、今し方意識を取り戻したとは言えまだ快楽の余韻は体中に残っているのだろう。

「もしかしたら、と思うけど」
「・・・私は秋晴さんのモノだって、身も心も未来も全て秋晴さんに捧げるって、そう周りに示したかったんです」
「・・・そりゃあ、また・・」
「だって、」

きちんと喋りだした早織の邪魔をしないために、秋晴は備え付けの椅子に腰を下ろす。

「早苗さんや彩京さんも、みんな秋晴さんの事が好きですから。だけど、私は欲張りで、だから、私が、私だけが、秋晴さんのそばにいるんだって、そう示したくて、首輪をしたんです・・・・」

早織が訴えかけるように言った言葉に、秋晴は心当たりがないとは言わない。
確かに自分は知っている。
寄せられる好意の数を。
意味は違えども、好意という名で括るのならば、それらは全て同じものである。

「もしかしたら悪い女って思われるかも知れなかったから、ああいう風にふざけて、」
「もういいぜ、早織さん。要は早織さんが俺の一番だって示したいんだよな?」

早織の言葉を途切れさせた秋晴の声に、しかし早織は頷く。

「だったら、そうだな。資金が貯まったら・・・・結婚しよう。式は無理でも、指輪ぐらいなら贈れると思うし、ならその指輪が俺の一番である何よりの証になる」
「は、はいっ!」

感極まったのか、早織はその瞳から涙の雫をこぼしだす。
それが哀しみからくる涙でないことを知っているから、秋晴はそのまま早織を見守っていた。



718:名無しさん@ピンキー
10/04/16 18:33:02 vqNAhNE1
以上で。
矢張り何かを書くのなら、原作をきちんと参考にしないとダメだと痛感しました失礼します。

719:名無しさん@ピンキー
10/04/16 23:54:26 FXiPirhS
早織さんって嫉妬すんのかな~?GJ                             

720:名無しさん@ピンキー
10/04/16 23:57:04 u6KkMJQU
沙織さんはあんまり嫉妬しないで姉妹丼も複数プレイok

四季鏡妹の方は腕引っ張って独占しようとするが姉に巧みに騙されて姉妹丼

こんなイメージ

721:名無しさん@ピンキー
10/04/17 00:01:26 QE3I3AH5
四季鏡妹は姉を信じすぎてるような気がしないでもない
だから、姉に「二人で日野さんにご奉仕したら、きっとひとりでご奉仕するよりずっと喜んでもらえますよ」って言われて、毎回二人でご奉仕とかしそうだ

722:名無しさん@ピンキー
10/04/17 14:24:28 t3zCrCCO
GJ!全然問題ないっす。

>>705氏…(で、いいのかな?…)
PC版は各キャラエロ何回づつですかw
それとハーレムシーン、複数プレイシーンに二穴・三穴シーンはありますか?w
買うか買わないかの重要要素ですのでw

723:名無しさん@ピンキー
10/04/17 14:56:16 QE3I3AH5
>>722
各キャラ個別ルートで3つずつ
うちピナ、アイシェ、みみな、大地、セルニアは尻あり
なお個別ルートでは1回ずつコスプレあったり
ハーレム&複数ルートではペニバン使用の二穴攻め、及び顔面騎乗&騎乗位などもあり。

ファンディスクでの追加ヒロインは各自個別ルートにて2回ずつ、さらに後日談くさいアフターストーリーでは(大地ルート以外)ダブルヒロインにそれぞれ一回ずつ及び3P一回で計3回
大地ルートは個別として2回
早織&早苗ルートはデート毎に特殊プレイ可能、唯一鬼畜な調教も出来たり(なお一回の攻略での最大数は7回、調教プレイの回数でエンディング分岐あり)。

早織さんがメインヒロインクラスに優遇されてるけど、まぁ問題ないよね


724:名無しさん@ピンキー
10/04/17 19:02:35 QE3I3AH5
またまた、電車に乗ってる時間に作った捏造EDを投下。
短いのは最早仕様。
今回はセルニア。
以下の仕様ですのでご注意を。
・R-15
・セルニアが弱い子。
・でもラブコメ。
・セルニアは露出プレイしたり、衆人環視の元でオナニーショウしたり、リンカーンされて喜ぶ変態でないと許せない人は見ないが吉。

では行きますよ

725:捏造ED・セルニア変
10/04/17 19:06:31 QE3I3AH5
四月も中頃を過ぎた、とある日の朝。
テーブルには出来立ての朝食が二人分並び、食べられる時をまだかとばかりに待っている。
ただ、この朝食を作った張本人とその妻は、現在目覚ましがてらのシャワー中であり、これらはまだ暫くの間テーブルを占拠したままになりそうだった。


一方、こちらは風呂場。
湯気で視界を隠されるが、朝だと言うのに夫婦が風呂に入っていた。
毎週の日曜日の恒例である朝風呂だが、これは妻の寝起きがあまり良くないことと、昨夜の情事で白濁にまみれた体を清める意味を持っていた。

「目は覚めたか、セルニア?」
「ひゃんっ!?も、もうすっきりはっきりしてますわよっ!」

秋晴―現在は秋晴=フレイムハートだ―に胸の先端を摘まれたセルニアが、甘い声を出す。
秋晴の耳のピンは全てなくなり、また険しいことが多かった表情もかなり丸くなっていた。

「もう、夕べに7回もしたでしょう?朝ぐらいそういうのを抜きに、甘えさせて欲しいですわ?」
「甘えさせて、ねぇ」
「・・・やっぱり秋晴は意地悪ですわ」

デレデレと甘えた顔で、しかしセルニアは頬を膨らませる。
結婚するまえは秋晴の女関係で荒れたりもしたが、結婚してからはセルニアも甘えるようになった。
そして、秋晴が他の女性―とは言ってもセルニアの知己に限るが―と性交渉することも認めているし、自分が一番でさえあれば他に誰が秋晴の愛人になろうと認める旨のことも公言している。

726:捏造ED・セルニア変
10/04/17 19:09:31 QE3I3AH5
セルニアは、秋晴を自分だけのものにするという選択を拒んだのだ。
最も、秋晴はセルニア以外とそういうことをする気はないのだが。

「秋晴は、本当に私で良かったんですの?」
「・・それ、毎週言ってるぞ?」
「だって、他の女性のほうが私より素敵だったり、秋晴のことを大切に想っていたりしたら・・・・」
「でも、俺が一番大切に想ってるのはセルニアだって。ずっと言ってるけどな」

ぬるくなった湯船の中、秋晴はセルニアを後ろから抱きしめる。
ふたつの果実が、湯の波紋にたゆんだ。

「俺がセルニアを一番に考えてて、セルニアが俺を一番に考えてくれりゃ、他のやつの考えなんて関係ねぇだろ?」
「えぇ・・・そうですわね」

毎週繰り返す問答。
毎週同じ答えを秋晴が出して、セルニアはそれで心を静める。
秋晴は自分を過小評価しているが、実際はそれ以上に魅力的だと知っているから。

「秋晴、今日は1日、ずぅっと家で過ごしますわよ?」
「まぁ、俺は構わねぇけどさ」
「今日はたっぷりと愛し合いますわよ、お父様にも早く孫を見せて欲しいって急かされてますもの」

今は、秋晴の優しさに触れながら、たっぷりと愛されたい。
身も心も捧げたが、それでも足りない。
自分が二度と不安にならないように、自分が秋晴だけのものだと刻んでほしい。
自分を抱きしめる秋晴の手が、豊満な胸の先端で屹立するものに触れたことを、セルニアは咎めない。
今からきっと愛されるのだ、この風呂場の中で。

「じゃあ、まずは最初の一回目だな」
「えぇ、たっぷりと私に注いで、私をとろけさせてくださいまし♪」

セルニアの喜色が混じった艶やかな声が引き金となり、二人の長い長い1日が始まった。
テーブルの上に並んだ秋晴の料理がまだまだ食べてもらえそうにないのは、風呂場に響く肉のぶつかる音とセルニアの嬌声が示していた。

727:名無しさん@ピンキー
10/04/17 19:11:58 QE3I3AH5
セルニアは繊細な子。
でもデレたらデレデレ、エッチなことも好きな人とならいっぱいするし、エッチに作り替えられて喜んだりする。

・・・・ゆがんでて済みませぬ。

728:名無しさん@ピンキー
10/04/17 19:40:29 yMJz12kt
いや、そんなことないと思いますよ。GJでした

729:名無しさん@ピンキー
10/04/17 22:17:37 t3zCrCCO
722っす またまたGJでありました

>>723
よし購入決定w。
早速虎でポチるか…、
ところでハーレムルートとセルニア単独&セルニア複数ルートの
『二穴責めシーンの体位・アングル、単独アナルシーンの体位・アングル』は、
どんな感じでしょうか?w

(挿入部アップなアングル超希望w)

730:名無しさん@ピンキー
10/04/17 22:35:44 2vQmjElH
久しぶりに来たらSS投稿されてる……

しかも四季鏡姉妹モノが投下されてる
なんという楽園

731:名無しさん@ピンキー
10/04/18 14:27:06 xgvMkf4b
なんとなく思いついたんで、深閑の捏造EDを投下します。
以下の要素を含みますので、ご覧になる場合は注意ください。

・深閑はデレたら今までのクールさを覆すほど甘えたりエロっ娘になります。
・深閑はドSに見えて、実は被虐的な目にあいたがるドM
・深閑は寂しがり屋。

多分一番酷い出来なんで、その点ご注意下さいませ。
では捏造深閑エンドです

732:捏造ED・深閑変
10/04/18 14:28:51 xgvMkf4b
目映い程の陽光が、窓から深閑の裸体を照らす。
デジタル時計は午前七時を表示し、しかし騒がしく鳴ることはない。

「・・・いい天気、ね」

ぽつりと呟いた言葉は、すぐに消えて。
代わりに、自分が全裸であることを深閑は思い出して。

「私、秋晴さんの妻になったのね・・」

もう一度、呟く。
但しさっきとは違い、その言葉が深閑の胸に染み入るような気がして、その事実を頭の中で何度も反芻して、その度に心が騒ぐのが分かった。
ずっと大切に守っていた処女を、年下の夫―元教え子でもある―に捧げ、彼の童貞を自分が奪い。
最初は痛い痛いと言っていただけの自分が、気がついたらもっと、もっとと喘ぎ、鳴き、甘えて、乱れていた。

「私は淫乱だったのかしら」

答えが返ってくる訳もない問い。
ただ、彼が隣にいれば、きっと笑いながら「淫乱でもなんでも深閑は深閑だろ?」と言ってくれるに違いない。
優しいから、彼は。

「・・・そういえば、秋晴さんはどこかしら」

彼も自分と同じように、結婚してから数週間は休みのはずだ。
寝室は二人で一部屋だから、今は居間にいるか、風呂場でシャワーを浴びているかの何れかだろうか。
兎に角秋晴の顔が見たくなった深閑は立ち上がろうとして、自分の股間が鈍い痛みを発していることに気付いた。


733:捏造ED・深閑変
10/04/18 14:30:29 xgvMkf4b
その鈍い痛みが、自身の処女を愛する人に捧げた証のような気がして、深閑は端正な顔を少しだけ、ほんの少しだけ緩ませた。

「あぁ、起きたのか深閑」
「秋晴さん」

ドアを音も立てずに開けて入ってきた夫―秋晴の声が聞こえた瞬間に、深閑は緩んだ顔を引き締める。
甘えたい、もっと甘えていたい、だけれど、長らく変わらなかった性格は、そうそう直ったりもしない。

「何をいていたんですか?」
「喉が渇いたから、水を飲みに」
「・・・なら、一言ぐらい言ってから行っても良かったのでは?」

あぁ、そんな事を言いたいんじゃない。
朝起きて、隣に貴方がいなかったから寂しかったんだ、貴方の温もりを感じさせて欲しいって、ぎゅうっと抱きしめてって、そう言いたいのに。

「いや、深閑が気持ちよさそうに寝てたしな。水を飲みに行くぐらいで起こすのも悪いと思ったし」
「・・・今回は多目に見ますから、これからは注意してください」
「・・なぁ、もしかして寂しかったりしたか?」
「!!!」

秋晴の何気ない一言で、深閑の顔は一気に茹で蛸の如く朱に染まる。

「だったら、ほら、ぎゅーっと。な?」
「ひぁぁっ」

小さな悲鳴を上げて、しかし全裸の深閑は容易く秋晴に抱き締められる。
深閑の鼻孔を、秋晴の汗臭い匂いが刺激する。
この臭いを、深閑は知っている。
昨夜、自分が女になった瞬間も、初めて気をやった瞬間も、舌と舌を絡め合った時も、尻穴の初めてを捧げた時も、膣と尻穴に溢れんばかりの精液を注がれていた時も、須くこの臭いが鼻を刺激していた。

「も、もうっ!こんなに強く抱きしめないでくださいっ!こんなに優しくされたら、・・・・秋晴さんに、犯されたくなりますから」

犯されたくなりますから?
違う、犯して欲しい。
冷然とした女教師の仮面を脱ぎ捨て、一匹の雌犬のように、一頭の雌豚のように、秋晴に蹂躙され、虐げられ、そして自分が秋晴だけの雌奴隷だと刻んで欲しいのだ。

深閑を抱き締めたまま、幾らか悩んだ秋晴は、しかしはっきりと言い放つ。

「それじゃ、今からやろうぜ?」
「今から、ですか」

反芻しながら、しかしもう体は期待に打ち振るえている。
秋晴が自分の体を押し倒すのを拒みもせずに、深閑は身を委ねる。
これから始まる最愛の人との、愛と愛欲に満ちた日々のことを少しだけ考えて、しかし秋晴の唇が自身のそれに触れる頃には、もう目の前の男のことしか考えられなくな

734:名無しさん@ピンキー
10/04/18 14:39:35 xgvMkf4b
以上です。

後、適当に考えたギャルゲー・れでぃ×ばと!ファンディスクにルートを追加。

・母娘丼ルート
(美佳子トゥルーを見た後に再度美佳子ルートに入ったら出来る新たなルート。自分の母と、自分の想い人が激しく愛する様を見てしまった朋美は・・・・)

・マタニティハーレム
(全てのルートを見た後で、新規に追加される真・隠しシナリオ。FDでの追加ヒロインを含める全てのヒロインが孕んでいるという誰得ルート。)

・ハーレムウェディング
(マタニティハーレムを除く全てのルートを見た後で新規に追加される隠しシナリオ。日本の法をねじ曲げて、全てのヒロインと秋晴の結婚式が始まる!)


・・・・ダメだ、頭が何かにやられたみたいです

735:名無しさん@ピンキー
10/04/18 16:14:40 Hsqr3pbJ
>>734
スゲェ!! 先生、あんたマジで最高だ!! GJっ!!

…ルートごとのストーリーを超希望!!
(アナル、二穴・三穴シーン細かい描写を…w)

736:名無しさん@ピンキー
10/04/18 16:31:25 YJ029H8u
あれ?なんか「あぼ~ん」になってると思ったらNGexで「処 女」を
NGにしてあったww

737:名無しさん@ピンキー
10/04/19 14:04:43 mucA0kjF
朋美って伊南屋さんのセルニアのヤツの手コキ以外でエロSSないのかw

738:名無しさん@ピンキー
10/04/19 15:38:46 JVmfnulN
てす

739:名無しさん@ピンキー
10/04/19 19:37:52 JVmfnulN
壊れた携帯が無事戻ってきた記念に捏造ED・朋美変の古いやつを投下します。
以下の点が含まれますので、読まれる際には十分ご注意下さい。

・捏造恋愛
・朋美がボテ腹
・ほとんど朋美の回想
・つか何も参考にしてないから口調があやふや。

では次から投下します。

740:捏造ED・朋美変
10/04/19 19:39:21 JVmfnulN
始まりが何時だったかなんて、もう覚えていない。
ただ、忘れていない一つの事は、秋晴との別れになったあの時のことだ。
母親が再婚し、庶民から令嬢になり、令嬢として恥ずかしくないよう自分を磨き、学び、周りの期待に答えようと頑張った日々のこと。
自分が結果を出す度に、母や父は喜んでくれた。
欲しいものはあまりなかったけれど、でも必要なものが出来たら、少し言えばすぐに買って貰えた。
不満だと言えば、間違いなく贅沢といわれる程に満たされている日々。

――いや、満たされてなどいなかった。
好きだった少年と会えなくなり、その代わりに夢の中で少年とデートしたり遊んだりして、ただ少年の夢さえも見なくなって。
忘れた頃に、偶然、本当に偶然再会した少年は、自分が思いもしない程の苦境にありながらも、高潔なまでの夢を持っていた。

―ファーストキスのこと、覚えてる?
―へぇ、忘れたんだ?
―じゃあ、これが秋晴くんのファーストキスです。私のファーストキスでもあるんですけど。

幼い頃に一度しただけのキスの記憶が、忘れかけていた彼への想いを蘇らせる切っ掛けとなって。

―初めて、なんだから。
―優しくしてよ?ゆっくり、優しく。
―あ・・はぁっ・・これで、私は、秋晴くんのものになっちゃったんだ・・・♪

ロストヴァージンは、二人きりのデートの帰りに。

―え・・・?これって・・
―結婚してくれ・・・って・・
―嫌なわけ、ないわよ・・・バカ・・

渡された指輪は、かなりの安物だった――それでも、朋美にはこの世の全てを足しても足りない宝物になった。

741:捏造ED・朋美変
10/04/19 19:42:43 JVmfnulN
その宝物の指輪を左手の薬指にはめ、朋美は小さな涙の粒を溢す。
思えば色々あった―喧嘩も数え切れないぐらいしたし、一度だけだが喧嘩したときに遠くに旅に出たりもした。
それでも、自分は秋晴の元に戻った。
彼が謝ったとかじゃあない。
悪いのは、自分の嫉妬心だから。

―ごめんね、秋晴。私、嫉妬ばかりしてるよね?

答えはいつも優しいキスと、朝まで終わらぬ優しい性交。
こんもりと膨らんだ腹部には、彼との愛の結晶が二人も入っている。

「朋美、用意はいいか?」

ドアの隙間から、最愛の人の声が届く。

「ねぇ秋晴くん、少し来てください」

昔のように、彼を呼ぶ。
幾らか悩んだ後、秋晴はおずおずと部屋に入り、朋美のほうに歩いてきた。

「どうした?なんか問題があるか?」
「はい、大問題です」
「え?」
「秋晴くん、私にキスしてください」

朋美が甘えた声でねだると、秋晴は朋美の頬に手を当て、優しく口づけしてくれる。
唇が触れ合い、朋美が舌を使って秋晴の口内を犯すと、今度は秋晴が朋美の舌に自分の舌を絡めてくれる。
唾液と唾液が混じり、甘い甘いジュースになったものを、朋美は飲み下す。

「これで、頑張れる」
「・・あぁ、そうだな」

秋晴が、膨らんだ朋美の腹を優しく撫でると、朋美は嬉しそうに微笑む。
こんなボテ腹で結婚式をしようなんて、自分は気が狂ったのかと、最初はそう思ったけれど。
ボテ腹で結婚式だからこそ、意味があるのだ。
秋晴と自分が、もうこういう関係なのだとライバル達に知らしめる意味が。

「そろそろ始まるし、俺は行くぞ」

秋晴の言葉に首肯を返し、朋美は大きく微笑んだ。
間も無く始まる、自分と秋晴の結婚式。
そしてこれから始まる、秋晴との日々。
幸せな日々を送ることを朋美に予感させるそれは、紛れもなく直感。
ただ、この直感に間違いはないと、朋美の頭が告げている。

―幸せにしてくださいね、秋晴くん?

朋美の予感が実現するのかは、これからの二人次第だった。
が、その予感は、この世界の何より正しいのだと、朋美と秋晴はそう信じていた。

742:名無しさん@ピンキー
10/04/19 19:43:43 JVmfnulN
割かし普通。
在り来たりですみませんです。

743:名無しさん@ピンキー
10/04/19 19:51:09 hEPTlHHP
>>737
需要あるの?

744:名無しさん@ピンキー
10/04/20 17:13:09 eC6lKvyx
>>738
GJ!

>>743
需要あるよ!


745:名無しさん@ピンキー
10/04/20 21:49:54 r9rz2WLR
おっzaq解除されてる

髭清氏、早くきてくれー(AAry

746:名無しさん@ピンキー
10/04/20 22:06:37 AdSaJx6y
>>742
GJ。
幸せでいい感じ。朋美は人気無いみたいだけど俺は好きだぜ。
どうでもいいけどボテ腹って表現に笑ってしまったw朋美なら言いそうだけど。


747:名無しさん@ピンキー
10/04/20 22:12:46 AWeQi7su
人気無いとか言うな

748:名無しさん@ピンキー
10/04/20 22:27:53 ppJizaxr
正確に言うと2ちゃんによく来るようなオタには、って感じだろうな
ああいう妙に生々しさを感じさせる女には大抵がいい思い出持ってない反動なんだろうけど

749:名無しさん@ピンキー
10/04/20 23:55:18 Gq1n4h1V
朋美は黒いけど、フェアだから俺は好きだぜ。
ただちょっと他キャラに比べると地味か・・・?

750:名無しさん@ピンキー
10/04/21 00:11:28 OSOiawWZ
腹黒な所を除くと以外と特徴が少ないんだよなあ。
美人で優等生というくらいで

751:名無しさん@ピンキー
10/04/21 00:15:59 WlO8UhCz
一応幼馴染みって接点はあるけど、胸のサイズも80って中途半端だからなぁ
みみなやピナみたいにつるんぺたんだったり、深閑や四季鏡みたいにばいんばいんだったらまだ印象もあるんだが

むしろ鳳が秋晴と昔どんな接点があったのかが気になる。
私的には幼い頃に家族と日本に来た鳳が一人で迷ってしまったのを、幼い頃の秋晴に助けられて、それが鳳の初恋で、そのまま初恋の相手を想い続けてるとか、幼い頃の秋晴との別れに際して「おおきくなったら結婚しようね」って約束してたりとか

752:名無しさん@ピンキー
10/04/21 00:34:14 R2Ob3MLZ
朋美はそういう意味で明治にとって一種の基準というかニュートラルに近いんだよな
こういうハーレムエロゲだと100cmおっぱいとか絶壁とか妹とか先輩とか高飛車みたいにパッと見で目立つ属性があるキャラのほうが特定のファンがつきやすい

753:名無しさん@ピンキー
10/04/21 00:54:42 WlO8UhCz
>>752
まぁ幼馴染みってだけで十二分にヒロインとしての強みはあるんだけどね。
朋美はどちらかと言えば、東鳩2のタマ姉に似てるかな、タイプ的には。



754:名無しさん@ピンキー
10/04/21 06:13:50 EnV/RT2Q
>>753
タマ姉はどちらかといえば白よりだと思う。
再会型幼馴染で主人公より立場が上・高性能・空回りしがちとか共通点はあるが今まで腹黒さんに似てると思ったことはないな。
二人ともダブルヒロインの片割れといってもいいだろうが、
・腹黒さん:扱い的には第一のヒロインだが人気はない(らしい)
・タマ姉:第一のヒロインではないが人気は高い
・・・黒すぎると一般受けしにくいだろうけど、腹黒さんは黒いからこそだし難しいな。

755:名無しさん@ピンキー
10/04/21 07:33:21 WlO8UhCz
>>754
後、忘れられがちだが主人公に何らかのことをした結果、後々忘れられないトラウマ的なものを植え付けてるな。

セルニアさん家のメイドさんをヒロインにしたくなってきた
理由はない

756:名無しさん@ピンキー
10/04/21 11:49:20 R2Ob3MLZ
世話焼きとお姉さんでは似てはいても大きな差があるからね
単純にまだ明治に対して自分がどうするかを決めかねているからタマ姉にある恋する乙女成分がほとんど見受けられないのも大きい気が

757:名無しさん@ピンキー
10/04/21 13:42:18 WlO8UhCz
まぁちょい似てるかなって思ったぐらいなだけだから、気にしないで貰えると助かる

758:名無しさん@ピンキー
10/04/21 22:13:27 EnV/RT2Q
逆に、腹黒さんがタマ姉みたいに最初から秋晴への想いを自覚していてその成就のために策を巡らすキャラだったら、
よほどのうっかりかへたれでもないかぎり他のヒロインが付け入る隙が無くなる気がする。タマ姉は参戦遅くしてバランスとってたな。
メインヒロインの独走を許さないキャラづくりのバランスは、メインばっか優遇して他のヒロインのファン涙目なラノベにも分けてあげて欲しいところだ。

759:名無しさん@ピンキー
10/04/22 12:09:21 iD4PY2gE
>>755
アンナはぽっと出の割にインパクトあったよなー

760:名無しさん@ピンキー
10/04/22 23:23:59 0fpMpXMB
俺的にはセルニア父のほうがインバクトあったな

761:名無しさん@ピンキー
10/04/23 00:07:53 C+ziOzzE
セルニア父と朋美父はインパクト強すぎるわ。


美佳子さんとラブコメするやつ書いてたら、少しだけ鬱になった

762:名無しさん@ピンキー
10/04/25 16:19:27 FvYlwhQT
朋美の叔父(オリキャラ)が朋美にえっちぃ乱暴してて
朋美はそれを断れなくて、なぜか大地に八つ当たり
みたいなss書いてるんだけど

どうしてもオリ設定、キャラ&百合っぽいの

が必要になってくるんだけれども、これについてこの掲示板の
許容範囲はどの程度なのか教えてほしいです。

一応カプはノーマル(彩京、大地→秋春)なわけなんだが

763:名無しさん@ピンキー
10/04/25 16:57:52 GzP/YOpf
世界観残ってればおkなんじゃね

764:名無しさん@ピンキー
10/04/25 18:53:21 oGURKr+u
ただ、そういうのを嫌う人もいるから、最初に注意とNG用に何か用意しておくといい

765:名無しさん@ピンキー
10/04/25 21:09:16 dF8g5KD4
投下前に属性言ってトリつけてくれればなんでもいいよ

766:名無しさん@ピンキー
10/04/25 23:41:22 MCR5LbnI
注意書きさえあればいいよ

767:名無しさん@ピンキー
10/04/25 23:47:48 wQ/0Lyst
面白けりゃなんでもいいよ

768:名無しさん@ピンキー
10/04/26 02:25:10 c3lFpM23
762ですありがとう。とりあえず前書きは理解 。おもしろければとか真理すぎてワロタ

あと767の言ってるトリってなんのことで?

769:名無しさん@ピンキー
10/04/26 02:28:25 c3lFpM23
あ ↑765です

770: ◆kR9lpurGm.
10/04/26 03:53:57 DCdQZxbW
>>769
トリップのこと。
名前欄で名前の後に"#"を入力したあと適当な文字列なりパスワードなりをいれて書き込むと暗号化された文字列が出る。
パスワードが同じなら毎回同じトリップになるので、職人さんやコテの本人証明に使われたりする。
上は名前欄に「#7777」と入れた場合。

771:名無しさん@ピンキー
10/04/26 23:32:08 OPGaPUPC
本人確認というかNG用だろうね

772:名無しさん@ピンキー
10/04/27 15:41:01 q5ChBrXu
保管庫入れた後引き取るときに必要
特にアレげなのがよく沸くスレだと

773:名無しさん@ピンキー
10/04/27 15:45:22 XYyGb/yX
ここは、あんまりアレな人は沸かないけど、やはりトリップは
付けてくれた方が分かり易くて良い。
てか、本スレもこのところ平和だが、いつもの奴も規制されてるのか

774:名無しさん@ピンキー
10/04/27 18:27:06 dyDGnc6Q
>>773
いつものやつ?

775:伊南屋 ◆WsILX6i4pM
10/04/27 23:18:59 VCxDfd8O
『AWE OF SHE』

 甘い薫り、大気を伝わる体温、浅く荒い吐息。
 潤んだ瞳、薔薇色に染まる頬、半開きの口唇。
 薄闇の中に浮かぶ艶姿。虚ろに揺らめく視線が微かに絡む。
 居心地の悪い照れくささから思わず視線を逸らし、虚空をさ迷う。それでも重ねられた手は離さずに。
「…………」
 端的に言ってこっ恥ずかしい。
 なんだこれは、なんなんだこれは。
 日野秋晴にとってこんな体験は初めてだった。
 間接照明だけが灯された部屋。しかもそれが女子の部屋と来ている。挙げ句、部屋の主と向かいあって密着距離でベッドに座っている。妙な緊張感と親密さの折り混ざった複雑な雰囲気から、秋晴は微動だに出来ずにいた。
 まるで恋人のように。
 まるで秘事のように。
 二人は掌を重ね、互いの体温が感じられるような距離で相対している。
 ましてその相手が、あの―彩京朋美なのだ。
 まるで初夜を過ごす彼氏彼女だ。
 いや、あながち間違いでもないのだろうか。彼氏彼女では―ないけれど。
 付き合う訳じゃない。気の置けない友人同士のじゃれあい、その延長だ。
 その、はずだ。
「秋晴……」
「お、おう」
 朋美が秋晴を見つめる。気圧されて仰け反りそうになるのをなんとか堪えて秋晴は応えた。
 真っ直ぐに視線がぶつかる。互いの瞳に映る真意を図るように二人は見つめ合う。
 きゅっと、朋美の手が秋晴の掌を掴む。縋るような、それでいて躊躇うような。そんな力加減。
 朋美がゆっくりと身を寄せる。鼻先、いくらか見下ろすような位置まで朋美の顔が近付く。
 熱の篭もった吐息が秋晴の顎を掠め、総毛立たせた。
 痺れたような思考。目の前の見慣れた少女を掻き抱きたくなる衝動をなんとか抑える。
 しかしそれはあっけなく揺さぶられた。上目遣いで放った朋美の、たった一言で。

「ちゅー、して?」

 † † †

 ―遡ること約半日。
 最早、秋晴にとって恒常業務の一部となりつつあるVSセルニア戦が今日もセルニアが登校してすぐの早朝から(秋晴の意志に反して)勃発した。
「何をいやらしい目で見ていますの?」
 本当に、本当にたまたま目を向けた先が丁度教室に入ってきたセルニアの胸元だったと言うだけじゃこの掘削機は黙っちゃくれないんだろうなぁ。
 というかチラ見しただけなのにあっさり気付く辺りこいつもどういう勘の良さをしてるんだか。

776:伊南屋 ◆WsILX6i4pM
10/04/27 23:20:09 VCxDfd8O
 さて、どう反応したものやら。しばし思考を巡らせシミュレートしてみる。
 別に見ちゃいない。→「しらばっくれるなんて本当に下衆ですわね!」
 お前をいやらしい目で見るわけない。→「私に魅力がないとでも言うつもりですの!?」
 胸じゃなくドリルを見ていたんだ。→「私をバカにしていますの!?」
 うん。分かっちゃいたんだがいつも通り八方塞がりっぽい。
「あ~そのなんだ」
「なんですの? 言い訳なら聞きますますわよ。聞くだけですけど」
 ……素直に謝ろうかとも思ったが、その意欲を持って行かれてしまった。なんでこいつは朝からこうまでしてキレられるんだ?
 願わくば、その余りあるエネルギーを分けて欲しいとすら思う。
「どうしましたの秋晴? それとも自らの変態性を認める気にでもなりましたの?
 良いですわよ。それならば然るべき国家権力に通報の上フレイムハート家の誇りにかけて二重に社会的抹殺をしてあげますわ」
 ……なんっでこんなにコイツはキレてんだろうなぁ!? 俺のことがそんなに気に入らないか!?
 流石に秋晴の方も怒りの感情を高ぶりを自覚し始めた時、不意に二人の会話に乱入する者が現れた。
「そこまでですよセルニアさん」
「……っ! 彩京さん……!」
「あんまり秋晴くんを虐めないであげて下さい。可哀想じゃないですか」
「貴女はこの性犯罪者を庇い立てする気ですの?」
「話が一方的だと言ってるんです。たまたま視線がそこに向いただけという可能性だってない訳ではないと思いますが?」
 そこまで言って朋美は苦笑を浮かべる。
「だってほら、セルニアさんのは……目立ちますから」
 なんてタマだ。と秋晴は内心驚嘆する。
 それこそ自分のような男子が言ったら間違いなくセクハラに該当するような事をしれっと言ったのだ。
「それともセルニアさんは自らの身体を恥じていらっしゃるんですか?」
「何をバカな! 私、セルニア・伊織・フレイムハートに恥じる部分など髪の毛一本からつま先の爪まで一つとしてありませんわ!」
「でしたら多少、視線を浴びるくらいは許してあげるのも女の度量だと思いますよ?」
「……っ!」
 言葉に詰まるセルニアを見て、秋晴は上手くはぐらかしたなと朋美を見る。
 そうとは気付かれない内に秋晴が故意に、劣情があって見たのかという問題からセルニアの度量という問題にすり替えた。
 人一倍プライドが高いセルニアの性格を上手く使った誘導だった。

777:伊南屋 ◆WsILX6i4pM
10/04/27 23:21:21 VCxDfd8O
 まして頭に血が昇ったセルニアはその事に気付いていない。
「というわけで今回の所は許してあげませんか?」
「~~っ! ふんっ!!」
 ぐるりと踵を返し、セルニアが自分の席へと向かっていく背中を見ながら、秋晴はそっと朋美に耳打ちをする。
「何が目的だ」
「どういう事かしら?」
「お前が何の対価もなく俺を助けるとは思えないんだよ」
「ふ~ん……残念。今回は正真正銘の良心からくるボランティアよ」
「は?」
「セルニアさんも女の子だからね、イラつく日があるのは分かるんだけど、余りにも見てられなかったから」
「イラつく……日?」
「秋晴、言っておくけど、それ以上は本当にセクハラよ?」
 じとりと睨まれてようやく秋晴も朋美の言わんとする事を理解した。
「あ~……すまん」
 流石にこれは反省すべきだった。
「わかれば良いのよ」
「で、だ。やっぱりだな、助けられて終わりってのも俺が落ち着かないんだ。なんかして欲しい事とかないか?」
「あら、殊勝な心がけね? じゃあ卒業まで使いっ走りにさせて貰おうかな?」
「な、おま……」
 無茶な要求に狼狽える秋晴を見て、朋美が悪戯げに笑う。
「ふふっ、冗談よ。さっきも言ったけどボランティアのつもりだったんだから。でもそうね。せっかくだから後で愚痴聞きでもして貰おうかな?」
「愚痴聞き?」
「そう。あんたならわかるでしょ? 私が普段どれだけ猫被って我慢してるか」
「そりゃまあ……」
 そのストレスの捌け口にいびられる身としては堪ったものではないが。
「不安そうにしないの。本当に愚痴聞いて貰うだけよ。何もサンドバッグにしようって訳じゃないんだから」
「まあ、そういう事なら良いんだけどよ。じゃあどうする? 明日は休みだしどこかに出掛けるか?」
 そこで朋美は少し考える素振りを見せて答えた。
「そうね……いや、別に出掛けるのも悪くはないけどどこで誰に見られるか分からないわ」
「まあ外出するのが俺らだけって訳でもないだろうけどよ。でもどうすんだよ? 白麗陵の方がよっぽど見られる心配が多いだろ」
「そうでもないわ。多少のリスクがあるけど一カ所だけ他人の目を気にしなくて良い場所があるもの」
「そんなとこ一体どこにあるんだよ? 人目が付かないなんてそれこそ個室がある上育科の寮くら……い……の」
 まさか、と秋晴は息を呑む。
「そう。私の部屋なら人目の心配ないわ」

 † † †

 そして夜である。

778:伊南屋 ◆WsILX6i4pM
10/04/27 23:22:24 VCxDfd8O
 当然、正面きって寮に入ろうものなら即座に門前払いが関の山だろう。
 ならば忍び込むしかないが、こちらの場合は見付かれば更にヤバい。痴漢扱いされてご用となることだって考えられる。
 深閑に説教されるくらいならまだしも場合によっては退学、最悪警察に引き渡される恐れすらある。
 今更になって他にやりようがあったのではないかと後悔するが時既に遅し。
 今や寮の玄関から朋美の部屋まで半分を超過する行程を消化してしまっていた。
 こうなれば進んだ方がリスクは少ない。帰りは皆が寝静まった頃を狙えばその際のリスクはぐっと低くなる。
 ……行くしかない。
 覚悟を決めて踏み出す。残るは階段を一階分と朋美の部屋までの直線。
 階段を一気に駆け昇る。階上に辿り着いた所で壁に張り付いて廊下の向こうの様子を伺う。
「……ちっ」
 人影が二つ。その二つは話をしながらこちらに近付いてくる。そのままどこかの部屋に入ってしまえば良いが、このままこちらに来るようでは非常にまずい。
 じり、と後退る。
 声は徐々に近付いてくる。どうもこのまま階段まで来るようだ。
 どうする? 引き返すか? 考える暇はない。ここに居ても見付かるだけだ。
 後退を決意した秋晴だったが、その決意はあっさりと絶望に変えられる。
 かつ、かつ、かつ。階下から響く足音に自らが青ざめていくのを感じる。
 万事休すか。思わず頂垂れて瞼を閉じる。
 まるでギロチンの刃を待つ死刑囚のような心持ちだった。
 近いのは階段の足音。それが近付いてくる度脈拍が激しさを増していく。
 足音がすぐ傍で止まり、肩に手が置かれる。
 ―終わった。ゲームオーバーだ。もう助からない。
「何してるのよ秋晴」
「ぅおわっ!?」
(ばかっ! しーっ!)
 口を掌で抑えられ、声を制される。
 見れば口元に指を当てて「静かに」のジェスチャーをしている朋美が居た。
「あら? 今の声は……」
「男の方だったような気が……」
 角の向こうから訝しむ声がする。
(もう……こっち来て!)
(お、おう)
 手を引かれ階段を駆け降りる。降りきった所で壁に張り付き、朋美がざっと廊下を確認すると、再び手を引かれる。
(ここに隠れて!)
(なっ!?)
 背中から押し込まれたのは階段下に設置してある掃除ロッカーだった。基本的に業者が清掃を行うのだが、一応の備品として掃除用具は揃っている。

779:伊南屋 ◆WsILX6i4pM
10/04/27 23:23:30 VCxDfd8O
 お陰で箒やらモップやらをしこたまぶつけたがなんとか悲鳴はこらえた。
「あ、彩京さん」
「どうも、ご機嫌よう」
 ロッカーの扉越し、階段を降りてきたのであろう上育科生と猫を被った朋美の会話が漏れ聞こえてくる。
「今、殿方の声がしたような気がするんですけど」
「そうなんですか?」
「ええ、一瞬なので確かな事は言えないんですが」
 上育科生の言葉に、朋美は考えるように間を置いてから答えた。
「寮生のどなたかが男の子でも連れ込んでいるのかも知れませんね?」
「まさか、そんな上育科生はいませんよ」
「ええ、そうですね。ですからきっと気のせいですよ」
「そうなのかしら?」
「ええ」
 それから二、三言交わしてから二人の上育科生が立ち去っていく足音が聞こえてきた。
 それでも尚、息を殺しているとロッカーの扉が外から開いた。
「もういいわよ」
 促されてロッカーから出る。
「悪いな」
「いいわ、こんなリスキーな事言い出したのは私だし。貸し借りはなしにしてあげる」
 その言葉については秋晴も異論なく承諾する。
「しかし、よくもまあ堂々とシラが切れるもんだな」
「堂々としてなきゃ切れるシラも切れないわよ。そんな事より早く行きましょう。また誰か来るかも知れないんだから」
「おう」
 そのまま朋美の先導に従い歩き始める。幸いそこからは誰かに脅かされる事無く部屋まで辿り着くことが出来た。
「寿命が縮まるぞ、まったく……」
 中に入り、扉が閉まった所で秋晴は堪えていたものを全て吐き出すように盛大な溜め息を漏らした。
「何事もなくて良かったじゃない。ちょっと待ってね。飲み物出すから」
 そう言って備え付けてある冷蔵庫まで歩いて行く朋美の後ろを追うように部屋の中を進む。
 見慣れぬ女子の部屋だと思うとどうにも居心地が悪いような気もして、秋晴は妙にそわそわしてしまう。
「まあ座ったら?」
 言われ、部屋の中央に置かれた小さな応接セットの椅子に腰掛ける。
 テーブルに置かれたのはグラスに注がれたコーラだった。
「紅茶とかじゃないんだな」
「そりゃあこれから盛大に愚痴を吐こうってのに紅茶もないんじゃない? それに私は部屋に居るときはこういう飲み物の方が多いわよ?」
 そう言って朋美自身も椅子に腰掛ける。

780:伊南屋 ◆WsILX6i4pM
10/04/27 23:24:31 VCxDfd8O
「部屋に一人で居るとき位は好きなものを楽しみたいじゃない? 校舎内だとどうしてもお茶とかばかりになっちゃうから、ね?
 美味しいんだけど、そればっかりだとやっぱり味気ないし」
 既に愚痴吐きは始まっているらしく、朋美は饒舌に話し始めた。
 それに耳を傾け、時折返答を返す。
 同意をしてやったりすると、意外な程嬉しそうに「そうでしょ?」と返して来て、本当に感情を共有できる相手がいないのだと思わされる。
 堅苦しい暮らし。演じなければならない優等生。成績を保つ為の労力。
 孤独なのだと思った。辛いのだろうとも思う。
 性悪な部分。腹黒い部分もあるにせよ、それを投げ出さずひたむきに耐える朋美を秋晴は単純にすごい、と思った。
 ―いや、今更か。
 それらを常に完璧にこなしたからこそ、人望を集め、トップの成績を出し続けているのだ。
 でもそれは―。

 寂しいんじゃなかろうか?

 本当の自分を誰にも見せずに、優等生の仮面を被り、偽りの自分という殻に閉じこもっている。
 だとしたら、唯一素の顔を見せることが出来る自分は、朋美にとっての救いなのではないだろうか?
 愚痴を聞いて欲しいというのも、本心からの願いなのではないだろうか?
「朋美」
「それで―え? なに?」
「お前って凄いよな」
「な、なによ藪から棒に」
「いや、改めてそう思ってさ。辛いのによく頑張ってんなって」
「そ、そう……」
 急に沈黙が降りてきてしまって焦る。
(な、なんか変な事言ったか? 俺)
 気まずさが徐々に重みを増そうとするのを遮ったのは朋美の方だった。
「朝のさ」
「え?」
「朝のアレって実際どうだったの?」
「アレ?」
「だから、セルニアさんの胸。本当はどうだったの?」
「んなっ!? た、たまたまだ! たまたま!」
「でも、興味はあるんじゃない?」
「いや……う……」
 強く否定する事もし難く、言葉に詰まる秋晴に、朋美は意外な程無邪気な笑いを向けた。
「良いのよ。別に責めてるんじゃないわ。普段こういう下世話な話も出来ないから、なんとなくね」
「そうか……」
「で、どうなの?」
「ない……とは言えねえよ流石に。男の性だな」
「あはは、オトコの子って感じね」
 なんとなくバカにされたような気がするが、必死になって反論するのもみっともないような気がして、秋晴は黙り込んでしまう。
「ま、私もね……男の子についてとか、興味あるけど話せないから……」

781:伊南屋 ◆WsILX6i4pM
10/04/27 23:26:32 VCxDfd8O
「興味って……」
「バカね。恋愛とかの話よ」
「う、悪い」
「その……“そういうの”も興味ないわけじゃないんだけど……」
 少しだけ顔を赤らめて朋美がぽつりと呟く。
「え……っ」
「な、なに言ってるんだろ私」
 急に恥ずかしくなったのか椅子から立ち上がると、そのままベッドまで歩いてうつ伏せに身を投げる。
 秋晴から見えないようにシーツに埋めた顔を僅かに向けて、朋美が零す。
「…………試してみる?」
「……何をだよ?」
「秋晴は女の子に興味がある、私も男の子に興味がある。だけどお互いに何も知らない。だから試してみようかなって」
「……だから、試すって何を」
「恋人ごっこ……かな?」
 心臓が早鐘のように鳴る。今目の前の少女が何を言っているのか、にわかに理解出来なくなる。
「イヤ……かな」
 嫌ではない。単純な見た目の話をすれば整った顔立ちをしているし、十分に魅力的な存在だ。
 性格も、確かに腹黒さや人にトラウマを植え付けた挙げ句ほじくり返すような所はあれど、結局の所は嫌いになれないのだ。
 でなければ何故、今まで友人付き合いを続けて来たのか。
 つまるところ、日野秋晴は彩京朋美という存在を嫌いになれない。あまつさえ、好意とも呼べる感情を持っているのだ。
「いやじゃ……ない」
「じゃあさ」
 言って朋美が身を起こし、ベッド上にぺたんと座る。
「こっち来てよ」
 誘われるまま、フラフラと立ち上がりベッドに近付く。
「ちょっと待って」
 朋美が枕元にあったリモコンを手に取る。照明用のものだったらしく、操作に応じて室内が薄暗くなっていく。
「少しは雰囲気出るかな?」
 照れたように言って、朋美は自分の正面を掌で軽く叩いた。
「座ってよ」
 心臓が早鐘のように鳴るのを聴きながら、秋晴はベッドへと上がる。僅かに軋んだベッドの音が、二人分の体重を主張するように鳴る。
 静かに伸びて来た手が、そっと重ねられる。それに伴って互いの距離が近付く。
「あくまで恋人ごっこ……だからね」
 確かめるような朋美の声を、秋晴はどこか遠くの事のように聞いていた。
 そうして―。
「秋晴……」
「お、おう」
「ちゅー、して?」
 話は冒頭に戻るのだった。



782:名無しさん@ピンキー
10/04/27 23:28:01 XYyGb/yX
おお、腹黒さんなのに萌えるww
続き、正座して待ってるよ

783:伊南屋 ◆WsILX6i4pM
10/04/27 23:28:50 VCxDfd8O
以上、秋晴×朋美でAWE OF SHEでした。
もっと短かめでイチャイチャした話にするつもりがシリアス度増して続き物になりました。
本番は次になります。ではでは。

784:名無しさん@ピンキー
10/04/27 23:35:31 K1sVxORL
まさかのリアルタイム

続きにやにやして待ってます

785:名無しさん@ピンキー
10/04/27 23:36:10 q5ChBrXu
朋美がやるならこんな感じっぽいなーと思いつつ続きを全裸待機

786:名無しさん@ピンキー
10/04/28 13:13:05 KPGr3/3U
伊南屋さん久しぶりGJ!

787:名無しさん@ピンキー
10/04/28 18:39:06 r2N0yNz5
伊南屋さんの朋美待ってました!!!
GJです!!!

788:名無しさん@ピンキー
10/04/28 21:32:59 rIwg5gIo
久々の朋美
GJです

789:名無しさん@ピンキー
10/05/01 19:05:31 CM7rZq2Q
GJ!!

790:名無しさん@ピンキー
10/05/01 19:06:00 CM7rZq2Q
sage忘れ

791:名無しさん@ピンキー
10/05/02 23:13:36 YKTM0NNY
これでエロシーンまでいけばようやく、朋美は初HSSかw

792:名無しさん@ピンキー
10/05/03 00:01:11 5fyOQOcc
GJです

793:名無しさん@ピンキー
10/05/04 11:57:55 wlDLPm8b
萌王で簡易カレンダーみたいなのがあったが大地結構顔出してるんだよな

794:名無しさん@ピンキー
10/05/04 15:37:59 lDeFzVaG
アニメ終了後、原作全巻読んで漸くここにたどり着いたが、最高だな。
特に伊南屋氏の大地モノと髭右近氏の四季鏡モノは最高すぎる。

795:名無しさん@ピンキー
10/05/04 19:33:22 2EneFhJL
髭右近氏には是非、四季鏡続編や別の話、もしくは他のルートを書いて欲しい。

796:名無しさん@ピンキー
10/05/14 18:44:32 A5kPLfph
また新作あがってる!
GJです

797:伊南屋 ◆WsILX6i4pM
10/05/16 22:25:05 DSonOKCy
『AWE OF SHE』

「ちゅー、して?」
 微かなその囁きはしかし、秋晴の脳を―思考を確かに揺さぶった。
 喉が鳴りそうになるのを堪えて、秋晴は朋美の唇へと、ゆっくり自らのそれを近付けていく。
 後数センチという距離になって、朋美の瞼が閉じられる。薄い瞼を縁取る睫の一本一本すら確認できるその距離は、秋晴の血圧を更に高める。
 掠める吐息の暖かさに、今度こそ秋晴の喉が鳴った。
 ひりつくほど渇いた喉を唾液が濡らす。それでもやはり喉は渇きを訴え続けた。
 不意に、重ねた掌を朋美が動かした。一瞬離れるのかと思い、追いすがりそうになった秋晴の手を再び朋美の手が捉える。今度は指を絡めて。
 重ねられた掌。その接触面がじっとりと汗ばむ。
 それでも離す事はせず、むしろ愛撫するように指を蠢かせ、すり合わせる。
 秋晴が恐る恐る力を込めれば、朋美が握り返し、密着してくる。
 求められている。その確信は秋晴の背中を押し、決心を促した。
 躊躇いが薄まり、思い切って唇を近付け、触れあわせる。
「ん……」
 重ねた唇の僅かな隙間から漏れる朋美の声と、ぷっくりとした柔らかさ、暖かさに秋晴の動悸が跳ね上がる。
 ばくばくと聞こえそうな程に激しく脈打つ心音を聴きながら、それすら気にならない程秋晴は重ねた唇に意識を集中させていた。
 自然な衝動として、ほぼ無意識の内により、強く唇を押し付ける。不慣れな秋晴のその動作は互いの歯の衝突を引き起こした。
 かちり、と歯がぶつかって軽い衝撃が互いを襲う。
「……へたくそ」
「悪い……」
 謝る秋晴に対して朋美が取った行動は笑いを零すというものだった。
「嘘よ。これで慣れてたら本当に怒ってたけどね」
 くすくすと笑う朋美に、秋晴の方も肩の力が抜ける。
 ひとしきり朋美が笑うと、再び手に力が込められた。
「もっと……して?」
 ぐ、と息を飲む。
 甘えるような声音、縋る視線、やわやわと絡ませた掌。
 まるで恋人にするような仕草だが、どこかぎこちなさもある。
(そりゃ、“ごっこ”だもんな)
 考えないようにして更に唇を重ねる。柔らかさを確かめるような慎重なキスはやがて、互いの柔らかさを求めるようなそれに変わっていく。
「んん……」
 時折漏れる声に、甘く痺れるような陶酔を感じながら無心に口付ける。
「ふ……は」
 ようやく秋晴が唇を離すと、今度は朋美の方からキスをしてきた。

798:伊南屋 ◆WsILX6i4pM
10/05/16 22:26:27 DSonOKCy
 互いに昴ぶりを隠せないまま、キスを繰り返していく。
「ん……、ん……」
 ちゅ、ちゅ。と啄むような口付けを交わしたかと思えば、唇を擦り付けるように押し付ける。
 ようやく、今度こそキスを止ませると荒い息を吐きながら朋美が俯いて囁いた。
「……どうだった?」
「ぅ……え?」
 余韻に惚けていたせいで気の抜けた返事をすると、朋美が幾分責めるような口調になる。
「だから、キス……してみて」
 上目遣いに恥ずかしげに問う朋美に少しだけ胸を高鳴らせながら秋晴も照れ混じりに正直な答えを口にする。
「あぁ……なんていうか……驚いた」
「驚いた?」
「いや、気持ちよくて……」
「……私も」
 顔を真っ赤にして背けながら、手はむしろ強く握って朋美が答える。
「ね、秋晴……」
「……なんだ?」
「ぎゅって……して?」
 朋美が絡めた手を解き、両腕を差し出すように広げる。胸が締め付けられるような感覚。
 そっと、身を寄せて包み込むように抱き締めてみる。
「ふあ……」
 吐息の漏らした吐息が首筋を撫で、ぞくりとする。
「なんかね?」
「おう」
「……ほっとする」
「……俺も」
 躊躇いがちなやりとりの間に、朋美の腕が秋晴の背に回される。
「……ん~」
 やんわりと締め付けられ、体の密着度が高まった。
 朋美の女らしい柔らかさや匂いがより感じられるようになって、思わず秋晴も腕に力を込める。
「ん……っ」
「悪い、痛かったか?」
「ん~ん、……もっと」
「お、おう」
 容易く潰れそうな柔らかさにおっかなびっくり抱き締める力をきつくする。
「これくらい……か?」
「ん……」
 はふ、と朋美が息を吐く。
「……なんかさっきから子供みたいだな」
 甘えた口調、態度からそんな事を零す。
「そうかな? ……そうかも」
 朋美はぼんやりと呟いて、それを恥じるでもなく更に要求を重ねた。
「もう一回、ちゅーして?」
 言葉にはせず、行動で応える。
「ん……っ」
 口付けをした瞬間、朋美の身体が微かに震えて硬直するが、すぐに積極的なキスと抱擁をしてくるようになった。
 重ねた唇と、寄せ合った身体。その柔らかさ、ぬくもりに否が応にも本能を刺激される。
 これ以上は理性が保たない。そう判断して秋晴は身体を離す。
「ぁ……」
 名残惜しげに漏れた声を黙殺して秋晴は告げた。
「ここら辺でよくないか?」
「どうして……?」

799:伊南屋 ◆WsILX6i4pM
10/05/16 22:27:37 DSonOKCy
「どうしてって……これ以上エスカレートするわけにもいかないだろ?」
「嫌なの?」
「……っ! 嫌じゃないから困るんだろうが!」
 思わず声を荒げて秋晴が答える。
「……悪い」
「…………」
 朋美がしばらく考える素振りを取る。
「う~ん……。……えいっ」
「ぅのわっ!?」
 いきなり強く肩を押され後ろに倒れ込む。ベッドの柔らかさのおかげで痛みを感じる事はなかったが、面食らったお陰で思考も動作も停止した。
 その隙を突いて、秋晴の身体に朋美の身体がのし掛かった。
「……私もね? 嫌じゃないよ?」
「は……?」
 秋晴が何かを答えるより早く、唇が重ねられる。
「んむ!? ん……んん!」
 抵抗しようにも華奢な身体をどう扱ったものか考えあぐね手が出ない。
 そうこうする内に首に腕が回され、折り重なるように身体が密着していく。
 胸も腰も何から何まで当たっているというのに朋美は更に身体を触れあわせてくる。
 再び本能のぐらつきを感じる。危険だと思う間にも、身体は反応していく。
「やめ……ん、止めろって! んむぅ!?」
 抵抗を口にしても、その合間にキスを重ねられ上手く喋る事が出来ない。
 いよいよ下半身へと流れ込む血液の集中を止められなくなってくる。意志の力も限界が近い。
「ちょ……っ、これ……んぅ! 以上はっ……ん!」
「ん……いいから」
 何が、と問う前に秋晴は遂に自分の下半身が硬さを得た事を自覚した。
 羞恥が頭を染める。せめて気取られぬようにと身体を動かそうとして、しかしそれは朋美に機先を制された。
 ぐり、と半ば膨張した部位に、朋美の腰が押し付けられた。
 更にそれは断続的な動きとして秋晴を刺激し、より硬い吃立を促す。それに抗う事が出来る筈もなく硬さはどんどんと増していく。
「ぅくっ!」
 与えられる刺激に声を上げてしまう。それを見て朋美の口端が吊り上がり、嗜虐的な笑みを象った。
「ん……」
 首筋に朋美の唇が触れる。小刻みにキスを重ねられると、背筋がざわついて総毛立った。
「朋……美……」
 みるみるうちに最高潮まで膨らんでいく股関は、既にその存在を隠す事は出来ない程で、朋美の押し付けられる腰は迷いなく的確な動きになっていく。
「ぅく……っ!」
 痒痛にも似た快感が走り、声を漏らす秋晴を、朋美がじっと見る。
 どう動けば秋晴が感じるのかを一つ一つ探るようにしていく。

800:伊南屋 ◆WsILX6i4pM
10/05/16 22:29:59 DSonOKCy
 時折、思い出したようにキスをするが、その頻度が徐々に落ちていった。
 違和感を感じて朋美の表情を観察してみる。
「ん……ん……」
 微かに口から声を零しながら、その表情は陶然としていた。
 それは嗜虐の喜びだけでなく純粋な悦楽に濡れているように見えた。
 感じているのか。そう思うと朋美と目が合った。
「…………」
 声に出したかどうかすら曖昧に朋美が唇を動かす。
「え?」
「なんでもない」
 言って動きを再開する。触れ合った部分が熱いのは摩擦か体温か。判然としないそれをぼんやりと感じる。
「……したい?」
 唐突な問い掛けだったが、その意図はすぐに知れた。この状況だ、連想は一つしかない。
 意図は分かる。分かるからこそ答えられない。
「だんまり?」
 更に問う朋美を睨むようにして秋晴は沈黙を貫く。
「……意地っ張り」
 拗ねたように朋美が言って、動きを止ませる。
 身体が離れていくのに安堵したのも束の間、下半身に朋美の手が伸びてきた。
 手際良く動く朋美の手に、ろくな反応も出来ないままに下半身を晒す事になってしまう。
 秋晴が抗議しようと口を開こうとすると、朋美が狙い澄ましたかのように唇を奪う。
 驚いて硬直する間に、更に舌が滑り込んで来る。
 ぬるぬると口腔を這い回る肉の塊。柔らかいその感触と、自分の物ではない唾液の味。
 たっぷり秋晴の粘膜を蹂躙してから朋美が離れていく。二人の唇に掛かる透明な糸を驚愕と混乱を抱えたまま秋晴は見ていた。
「な……ん……」
 秋晴が言葉にならない疑問をぶつけても、朋美は何も答えない。代わりに朋美が剥き出しとなった下半身に跨るように腰を下ろす。
 違和感―いや、分かっている。
「お前……いつの間に!?」
 晒された下半身に触れたのは下着越しではない直接の粘膜。微かにぬかるんだそれが、音を立てて滑った。
「キスしてる間に」
 それだけ言って朋美が越しを揺り動かす。今度ははっきりと秋晴を擦り上げ、未知の感覚に腰が震えた。
 堅くなった幹を朋美の愛液が濡らす。濡れた箇所が空気に触れるとひんやりとして、まるで痺れたようだった。
「ん……」
 眉根を寄せながら、朋美が割れ目を押し付ける。一層ぬかるんだその部位は更に高く音を立てる。
「……っはぁ」
 熱の篭もった吐息が鼻先を掠める。ひくりと分身が疼いて、情動が沸き立つ。
 気が付けば秋晴は、自分からも動きを起こしていた。


801:伊南屋 ◆WsILX6i4pM
10/05/16 22:31:02 DSonOKCy
「んっ……ふ……はっ……ぁ」
 秋晴も、朋美も無心だった。触れ合った粘膜が卑猥な音を立てるのも構わず擦り付け合う。
 熱が高まるのを抑える事も出来ずに秋晴は快感を貪る。
 激しくなっていく動きに刺激は増す一方だったが、ある一点でそれが止まった。
「……入りそう」
 朋美が呟く。
 その言葉通り、大きく腰を引いた秋晴の切先は朋美の中心を捉え、身を埋没させようとしていた。
 潤んだ花弁から幹へ、雫が伝い落ちていく。
「秋晴……したい?」
「いいのか?」
「うん……」
 朋美の答えを聞いても躊躇いは消えなかった。
 それを察してか、先に動いたのは朋美だった。
「……っ」
 秋晴に朋美の体重がのし掛かる。腰を沈めようとしているが、抵抗と痛みからだろう。それはなかなか進まない。
 唇を噛んで受け入れる痛みに耐える朋美に胸が痛む。
「無理は……」
「無理じゃ、ないっ」
 更に腰が沈む。
 先端に感じる抵抗が更に増し、やがて肉を裂くような感覚に取って代わる。
「ぁく……っ!」
 不意に取っ掛かりが消えたかのようにすとんと朋美の腰が落ち、根元まで飲み込まれた。
「はい……った……」
 証拠とばかりにきつい締め付けが起こり、秋晴にも実感を与える。
 結合部からは血が滲むように流れ、純潔が散った事を示している。
「あきは……る……っ」
 目尻に雫を浮かべて見詰める朋美を見て胸が痛む。
 ―俺が……朋美の初めてを奪ってしまった。
 想いを確かめた訳ではない。
 付き合ってもいないのに、好き合ってもいないのに。
「朋美……」
 自分が萎えていくのが分かる。そっと朋美の体を押し退けようと肩に手をかける。
「嫌……だった?」
 朋美の声がそれを制する。
「……嫌なわけじゃない。けどよ、これで良いのか? 付き合ってる訳じゃないんだ。恋人ごっこ……なんだろ?」
「……っ」
 朋美が秋晴をきつく抱擁する。僅かに震えた体を抱き返そうとして、しかし躊躇いがそれを許さなかった。
「私は……好きなの」
「え?」
「好きなの……秋晴が。だけど、答えを聞くのが怖かった……。秋晴の心が誰を向いてるか分からなくて。
 だからこんな騙すみたいな事したの。もっと優しくして欲しいの。秋晴が欲しいの。秋晴に欲しいがってもらいたいの」
「朋美……」

802:伊南屋 ◆WsILX6i4pM
10/05/16 22:31:54 DSonOKCy
「だめ、なの? ならそう言って。謝るから……」
「……朋美っ!」
 あらんばかりの力で朋美を抱き締める。その事に躊躇いはもうなかった。
「俺は……嫌なんかじゃねえよ。お前は……、誰よりも頑張って、誰よりも我慢して、誰にも弱音吐かないで……。
 それだけだったらすごい奴で終わりだった。
 ……でも、俺に愚痴ってるお前見て、すごいけど普通の奴なんだなって思った。完璧なんかじゃない、普通に弱さも持った人間なんだって。
 支えたいって……思ったんだ」
 朋美の肩を支え、僅かに体を引き離して、じっと瞳を見詰めて秋晴は言う。
「支えさせてくれないか? お前を。ずっと誰かを支えたいって想ってた。その誰かが分からなかったけど、今は分かる」

「朋美。お前を支えたい」

 朋美の顔が、くしゃりと歪む。
「秋晴……ぅ……っ」
 嗚咽を遮るようにキスをする。優しさと慈しみを込めて。
「ん……ぅ、ん……ちゅ」
 愛おしい。愛おしい。愛おしい。
 心に溢れる想いを伝えるように、朋美の暖かさを求める。
「俺を、朋美のものにしてくれ」
「うん……っ、うんっ」
 萎えた自身はとうに硬さを取り戻していた。
 その幹をなぞるように、朋美の秘部がゆっくりと上下する。甘さと痺れのない交ぜになった快感が脳髄を刺激する。
 抜ける直前まで引き抜かれ、また最奥へと埋没していく。
 肉の滑る感覚。潤んだ柔肉に包まれ扱かれる官能。
 それは今まで感じたどんな快感よりも強く、秋晴を陶酔させる。
 たどたどしい抽挿は徐々に小慣れた動きになり、一層の心地よさを与える。
 幹を伝う鮮血すら潤滑液となって二人の結合を助ける。
「あき……はる」
「朋美……っ」
 互いの名前を呼ぶことすら心を昴ぶらせ、悦楽を呼び覚ます。
「痛く……ないか?」
「……ちょっと。でも、気持ち良いよ?」
「……そうか」
 強がりだとは分かっている。分かっていて敢えて指摘する事はしない。
 ただ少し優しく動く事を心掛ける。それだけで十分だ。
「んっ……! く……っ、ふぅ……っ!」
 熱に包まれ、愛液により滑らかな摩擦が繰り返される度に絶頂へとじりじり追いやられる。
 亀頭がざらついた粘膜を擦り上げると、秋晴の背筋に悪寒めいた快感が走り、朋美の方も内壁を収縮させる。
「そこ……いい……っ」
 無言で頷いて、そこに集中的に当たるようにしてやる。


803:伊南屋 ◆WsILX6i4pM
10/05/16 22:33:02 DSonOKCy
 効果は覿面で、朋美の声に甘さが混じり、繋がった部分は潤みを増した。
「ぁ……っ、あき……は、る……っ!」
 しがみつくようにして名前を呼ばれる。背に回した腕に力を込める事で応えやると、朋美の甘い嬌声が上がった。
「ん……っ、あっ! あ……はぁ……っ!」
 ぬちゃぬちゃと卑猥な音を立てる結合部と、微かに涎で濡れた唇から零れる嬌声とで聴覚を刺激される。
 重ねた肌、触れた柔らかさ、朋美の匂い、蕩けた痴態。唇を重ねれば微かに甘くすら感じる唾液。
 五感全てが心地良かった。
 全身の器官が性感帯にでもなったかのように、あらゆる一つ一つが互いを絶頂へと追いやっていく。
 腰がぶるりと震えた。
「朋……美っ!」
「でる……? でちゃう?」
「あぁ……っ」
 答えた刹那、朋美の秘壺がぎゅっと締まる。そのまま出せと言わんばかりの動きに、また腰が震える。
「朋美……ヤバい……っ」
「うん……、うん……っ!」
 最奥を押し付けながら擦り付けられる。亀頭の先端がぐりぐりと押し潰され、射精感が限界に近付く。
「ちょ……このままじゃ……膣中にっ!」
「いい……から、いいから……出して」
「あ、あ、あぁぁっ」
 頭が真っ白に爆ぜる。次の一瞬には下半身が激しい脈動と共に精液を朋美の胎内に吐き出していた。
「は……はぁ、は……っ」
「んん……っ、く……ぅ」
 肺が酸素を求めて激しく喘ぐ。徐々に呼吸が落ち着いていくのを確かめてからようやく秋晴は朋美を見た。
 陶然と満たされた表情を浮かべる朋美に問いを投げ掛ける。
「良かったのかよ……膣中に出して……」
「……さぁ?」
「さぁ? っておい」
「支えてくれるんでしょ? それともこういうのは範疇外?」
「いや……そういうわけじゃないけど」
「……大丈夫な日よ」
「え……あ?」
「私がそこまで考えてないわけないじゃない」
 朋美がしたり顔で笑う。
「出来ちゃったらもったいないじゃない。秋晴と出来なくなっちゃうし」
 そこまで言うと今度は照れた様子で「ま……いずれは欲しいけど」と呟いた。
 秋晴はしばらく呆けていたが、すぐに苦笑を浮かべた。
「……ったく。まあそん時はそん時で責任とるつもりだから、引っ掛けみたいなのは無しにしてくれよ?」
「……うん。ありがと」
 お互いなんとなく可笑しいような、幸せなような空気に包まれて、笑みを浮かべる。
 ひとしきり笑うと、不意に朋美が照れながら言った。

804:伊南屋 ◆WsILX6i4pM
10/05/16 22:34:16 DSonOKCy
「その、さ。今日大丈夫な日だし。私も落ち着いたからさ……あの、したかったら……良いのよ?」
 言われて、秋晴は自分がまだ朋美から引き抜いておらず、しかも硬さを残したままだった事に気付いた。
「あ~、じゃあ……いいか?」
「うん……」
 そっと朋美を抱き締めて、今度は自分が上になるように体を重ねる。
 そっと口付けて、秋晴は朋美を再び求めていった―。

 † † †

「痛ぇ……」
「私も……」
 昼も近い、遅い朝。目を覚ました二人に襲いかかったのは筋肉痛だった。
「やっぱり普段使わない筋肉使うんだな……内股が痛ぇ」
「そうね……私なんかまだ何か入ってる気がする。……嫌ではないんだけど」
 嫌ではないの一言に気恥ずかしさを覚えて、秋晴は赤面を誤魔化すように切り出した。
「あ~……、そろそろ帰るわ」
「え? ゆっくりしてけば良いじゃない」
「いや、さっき見たら携帯に大地の着信が何件も……心配かけるのも悪いし帰るわ」
「そう……」
「……大地に、ってか周りには黙ってた方が良いか?」
「そうね……私も一応卒業までは優等生の仮面被らなきゃだし……あ~~っ!」
「ど、どうした!?」
「うっさい! 本当はもっと学校でもイチャイチャしたいのに我慢しなきゃいけないんだもん!」
「ばっ……馬鹿っ! そんなんこっちも……」
「う~……っ」
 呻きを溜め息に変えて朋美が言う。
「でも我慢する。我慢するから秋晴」
「なんだ?」
「頑張れるようにちゅー」
「……分かったよ」
 全く仕方ないお嬢様だ、と秋晴は苦笑する。
 でも、頼って貰えたり、甘えられるのは悪くないとも思う。
 自分の存在で支えられる相手が居ることは嬉しい。
 だから秋晴はキスをする。

 愛しい、自分の敬う少女へと。



805:伊南屋 ◆WsILX6i4pM
10/05/16 22:36:53 DSonOKCy
毎度、伊南屋です。
というわけで『AWE OF SHE』でした。
予定よりシリアスになったな……と思っているのでもっとイチャラブした後日談でも書こうかしら。とか言って確約できないですけど。
ではではまたお会いしましょう。
以上、伊南屋でした。

806:名無しさん@ピンキー
10/05/16 23:04:21 Jg2GAs44
>>805


807:名無しさん@ピンキー
10/05/17 00:05:07 U6/ryTh6
流石のクオリティですね
なんだかんだでいい終わり方で良かったです

808:名無しさん@ピンキー
10/05/17 05:33:26 Uxs5VKwx
>>805
乙です。
原作のイメージが全然崩れないのでとても読みやすかったです。
後日談も期待。

809:名無しさん@ピンキー
10/05/17 17:02:42 QI5+K9cB
>>805
GJ!
後日談とか楽しみすぎる

810:御秀堂
10/05/17 17:03:24 3oLeD2gV
URLリンク(www.akanpo.com) SexSlave
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811:名無しさん@ピンキー
10/05/17 19:58:36 yGMkqepZ
>>805
うおおおおおGJ!

>もっとイチャラブした後日談でも書こうかしら
今からwktk

812:名無しさん@ピンキー
10/05/19 00:56:55 r2oLNW8X
>>805

GJ
朋美が可愛い・・・・


暇つぶしに考えてたデレデレ深閑×優しい秋晴のやつを真剣に作ってみようかなぁ

813:名無しさん@ピンキー
10/05/19 13:14:39 jhyx/M9X
>>812
期待して待ってるぜ

814:名無しさん@ピンキー
10/05/19 19:32:34 OQ+5ulom
深閑先生期待

815:名無しさん@ピンキー
10/05/24 22:05:50 UnnSG/F1
朋美とセルニアの二股ものってのは、
どうだろう
誰か、書いてくれないかな

816:名無しさん@ピンキー
10/05/25 09:10:42 TUItgvcb
二股の後に両手に花エンドしか見えない。


そりゃそうと、深閑ネタを書くために深閑がメインに食い込む話を読み返したが、あのスペックでデレたらチート以外の何物でもないな

817:名無しさん@ピンキー
10/05/25 09:42:16 3NAHZQ71
アイシェお嬢様と一緒になればハーレム公認で全指に花エンドが!

深閑√はもれなく付いてきそうなオマケな子がチート分相殺するんじゃね?

818:名無しさん@ピンキー
10/05/25 09:52:39 TUItgvcb
>>817
つか深閑√のキーパーソンがダメ理事長くさいよな。


彩京母の単独ルートとかマジ欲しいな

819:KAL ◆oEZLeorcXc
10/05/27 17:57:06 IwbDScWx
スレの流れを読まず初投稿。
SS自体初なので助言いただけると嬉しいです。
特に一回のどれくらい似たほうがいいとかあったらよろしくです。

注意書き的なもの?
秋晴×みみな
11巻直後くらい?
エロまでいってない
誤字脱字見直しましたがあったらすみません


820:KAL ◆oEZLeorcXc
10/05/27 18:00:15 IwbDScWx
『Her wherever you like』

 暖かな日差しの差し込む午後のカフェテラス、日増しに気温が下がる中で今日は比較的に暖かい。
 今日みたいな日を小春日和と言うんだろうか。あと半月で今年も終わる。
 思い返せばいろんなことがあった。白麗陵に来たこと自体もそうだがそれ以上に白麗陵に来てからは毎日がお祭り騒ぎで楽しかった。もっとも再開した幼馴染や身の敵にされている金髪ドリルや様々な苦難や困難の阿鼻叫喚もなかったと言えば嘘になるが。
 それも最近は落ち着いてきて安定した平和とも言えなくもない日々を秋晴は送ることが出来てきた。
 しかし―
「…………今日も暇だ……」
 ―秋晴は誰も寄りつかない担当エリアでぼーっとしていた。
 誰も来ないとは言っても服や髪をビシッっとセットし、待っている姿勢も背筋を伸ばしている。誰がいつ来てもいいように。
 ただ実際は誰も来ないのが現実だ。日常茶飯事とさえ言える。編入して半年以上経って知り合いは増えたものの秋晴に付きまとうイメージは未だに最悪なものだった。
 普段ならば知り合いの誰か―特に最近はセルニアと朋美が競って訪れるのだがそれでも毎日ではないし、今日は互いに用事があるらしく誰も訪れず閑古鳥が鳴いている状態だ。
 毎度のことと覚悟はしているがやはり辛い。それにやはり知り合いではどうしたって奉仕活動の本懐よりも別の部分の方が大きくなってしまう。全く知らない相手とは言わなくてもあまり知らない相手を迎えたい。現状それは無理な話であるが。
 それでも一縷の望みと直立していると―

『―……生徒の呼び出しを行います。高等部一年従育科日野秋晴さん、すぐに理事長室まで来て下さい。繰り返します、生徒の呼び出しをします―』

 ―身に覚えの無い呼び出しがかかる。
 何かしただろうか?秋晴は記憶を辿るが心当たりはない。それに自分が奉仕活動の最中なのはあのパーフェクトな深閑ならば把握しているはずなので呼び出しを受ける事自体がおかしい。
 何か緊急事態でもあったのだろうか?時間を確認すると奉仕活動の終了時間はあと五分ほど。少し考えて―そのまま呼び出しに応じることにする。
 幸か不幸か誰にも給仕をしていないので片付けるものもない。残り時間はあと少しで誰も来る予定がないのだから早めに切り上げても問題はないだろう。
 秋晴は同じ従育科の生徒に先に抜けることだけを伝えて理事長室に向かった。


「―という訳で日野さんには数日間、桜沢さんのお手伝いをしてもらいます」
 理事長室で秋晴を待っていたのは部屋の主である天壌慈楓はおらず、呼び出した本人の深閑と予想外の人物―白麗陵で誰よりも年上で誰よりも年下な見た目で有名な桜沢みみな先輩だった。
「……いきなりだな」
「それは重々承知しております。しかし今回の限っては可及的速やかに事を運ばねばなりませんので」
 深閑の口調はいつも通りだがその中に少しだけ、本当に少しだけだが焦りのようなものを感じる。
 あの常に冷静で何事にも動じなであろう完璧超人が若干でも焦っている―これは相当な事態だと秋晴は判断する。
「…………嫌……だった、かな……?」
 状況を理解している秋晴が嫌がっていると思ったのだろう。いつものスケッチブックを持ったみみなが少し涙目になっていた。
「いや、そうじゃない。嫌じゃない。ただ、あんまりにも急過ぎて……個展ってその…何日、それどころか何カ月も前から準備するものだろ?だから不思議に思ってさ」
 焦って答えた秋晴の言葉にみみなは安心する。同時にみみなの機嫌が直ったことに秋晴は安心する。
「確かに本来はそうです。そうなのですが―今回は非常に特殊なケースと考えてください。それと個展というよりはレセプションに近いものなのです」
「まあ、そこら辺は別にいいんだけどさ…」
 その言い方はどうにもバツの悪そうで……今日の深閑は本当に珍しい、なんて不謹慎なことを秋晴は考えていた。

821:KAL ◆oEZLeorcXc
10/05/27 18:01:51 IwbDScWx
 深閑の話を要約するとこうだった。
 一ヶ月後に白麗陵主催のパーティ、その筋の社会を主賓とした催しがある。その中に桜沢みみなの熱烈なファンも存在する。そして二ヶ月後に桜沢みみなの個展が開かれる事が決定していた。その流れでパーティの参加者が新作が見れるなら、と絡めてきたのだ。
 来月にはちょうどみみなの個展が開催される予定であり、期間的には余裕もあった。ずっと活動を休んでいたみみなも悪いと思ってかその件に了承、そこまではよかったのだが―
 いろいろあってパーティの日程がズレてしまったのだ。もちろんそれは誰の責任でもないし、誰もが期待していたみみなの新作が見れないと言うのは残念だが仕方ない、そう思っていたのだが―誰でもない桜沢みみながそれをよしとしなかったのだ。
 もちろん立派な油絵なんかは新作として出すことはできないが、今からでも見せれるものはある。無論それは描けばいいと言うわけではなくて完成された作品でなくてはいけない。
 白麗陵としてもみみなを利用するわけではないが本人の意思が元である。故に特例として授業休んでの作品制作の許可が出た。
 そしてその間の手伝いとして秋晴に白羽の矢が立ったのだった。
「期間としては今週末までを予定していますが、今週末まで必ずという限りではありません。桜沢さんの作品の目処がつき次第になります。その間日野さんにも授業を休んで頂く形になります」
「その間の授業はどうするんだ?」
「幸い今週から来週にかけての授業内容は今期の復習という形でしたので休んで頂いても支障はありません」
 深閑が緊急事態とはいえ授業を休むなどと言う許可を深閑が出したのはそういう理由か。
「それに従育科試験ではありませんがこういった事も必要な経験ですのである意味授業の一環とも言えます。ただ―当然強制ではありません」
 強制ではない。つまりは断ってもいいと言うことだ。断れると言うことだが―秋晴はチラリと小さなみみなの様子を窺ってから聞いた。
「仮に俺がいつもの授業に出たいですって言ったらどうなるんだ?誰かが替わりをするのか?」
 おそらく自分が呼ばれたのはみみなの指名なんだろう。絵を描くなんて神経を使う作業に全然知らない他人を同伴させるなんてできないだろうし、お世辞にもみみなは知り合いが多いとは言えない。
 その知り合いも考えてみれば朋美やピナや上育科が殆どのはずだ。従育科で知り合いとなると秋晴以外は四季鏡早苗くらいである。
「その場合は桜沢さん一人で行って頂く予定です」
 ああ、やっぱりそうなのか。秋晴は薄々感づいていた。もちろん四季鏡が役に立たないと思ったわけではない。
 もう一度、みみなの方を見る。顔を真っ赤にして真剣にこちらを見ている。耳まで真っ赤だ。その目は涙目で、手に持ったスケッチブックは力いっぱい握りしめられている。
 何もしていないのにこちらが悪物の気分になる。いや、何もしていないのが悪いんだろう。
 とりあえずこの視線には耐えられない。何というか本当は欲しいお菓子を無理やり我慢させられている子供みたいな、無言の訴え。みみなの外見でやられてしまうと反則である。
「どうしますか?日野さん」
「……キ、キミが嫌ならいいんだよ?……復習だって、大切だし……授業を休むのは、よくないことだと思うし……」
 ますますみみなの目が涙目になる。そして深閑の視線が痛い。いや、普段通りなのだがみみなを苛めている自分に対しての冷ややかな視線に感じられる。被害妄想だろう。
「…………まあ、断る理由なんてないんだけどな。俺でよければ手伝うぜ、先輩」
「本当っ!?」
 一瞬でみみなの目が輝く。さっきまでこの世の終わりみたいな目をしていたと言うのに。
「ああ、俺に力になれることなら何でも言ってくれ。よろしくな、先輩」

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

次の日、いくつかの画材を持った秋晴とみみなは白麗陵の敷地内を歩いていた。
 本来ならば授業が行われている時間なのでとても静かだった。
「結構重いんだな……」
「ゴ、ゴメンね……」

822:KAL ◆oEZLeorcXc
10/05/27 18:02:53 IwbDScWx
「いや、先輩がいつもスケッチブックしか持ってなかった理由が分かった。絵描く人っていろいろ持ち歩いてるイメージだったからなんでだろうとは思ってたんだけどな」
 秋晴は手に持った、そして一部担いだ様々ん道具を見る。初めて見るものばかりで、授業でいろいろな知識の造詣を深めたつもりだったがまだまだ自分の知識は底の浅いものだと実感をする。
「にしてもいっぱい種類があるんだな。知らない世界だっとはいえ改めて驚いた」
「……まだ何描くか決まってないからいろいろあった方がいいかなって……ゴメンね」
「気にすんなって。その為に俺がいるんだからさ」
「う、うん…」
 本来ならばこの量の画材は必要ない。言ってしまえば秋晴は油絵や水彩画や他諸々の画材をまとめて持っているのだ。重いのは当然である。
 それを理解しているみみなは悪い気がするし、逆にどれを何に使うか分からない秋晴には「こんなにもいろいろ使うって大変だな」と思うだけであった。

「先輩は描くことだけ考えてくれればいいからさ。そっちは手伝えないしな」
「…ありがと」
「気にすんなよ。それに礼なら絵が完成する時まで取っといてくれよ」
「う、うん……わかった」
 元気のなかったみみなが笑顔になる。それを見て、
「やっと笑ってくれたな」
「え?」
 何のことだか分からずにきょとんとしたみみなとは対照的に秋晴の表情は一安心した顔になり―

「いや、朝からずっと元気なさそうな顔してたから気になっててな。やっぱ先輩は笑顔が一番だ」
 
 と何の気なしに言った。
 実際秋晴にはその言葉以上の意図はなかったし、その言葉以上の意味もなかった。しかしそれは聞く人が聞けば勘違いをする言葉だ。
「えぇっ…………またキミはっ……そういうことをいう…………」
 そしてみみなはその勘違いをする側の人間だった。
 顔はおろか耳まで真っ赤にして照れてしまった。元々達者でない口もいつもに増して重くなる。
 ここまで動揺してしまえば誰だって自分の発言を思い直し気付くのだ、気がきくのに抜けている、言ってしまえば朴念仁の秋晴にはそんな心配は無用だった。
「だって落ち込んでたり俺に気を使ってちゃいい作品なんてできないだろ?」
 重たいものを持っていた為にみみなの方を見ていなかったのも理由の一つではあるんだろう、秋晴はいたっていつも通りだった。
「…………そっち…………なんだ……」
 みみなは先程の動揺と違う方向で動揺した。もちろん秋晴の言葉は彼の本当の気持ちであって嘘ではないのだろう。
 だからこそ過剰反応してしまった自分が情けない。
「どうかしたのか?」
「な、なんでもないっ」
 なぜか落ち込んだり沈んだりといった方向の変化には敏感な秋晴はこういう時に厄介だ。
 女心を全く持って分かっていない。
「いや、でも何か、」
「なんでもないのっ!」
「……ス、スマン」

823:KAL ◆oEZLeorcXc
10/05/27 18:03:25 IwbDScWx
 二人の間に微妙な空気が流れる。秋晴は原因が分からなくて、みみなは原因を分かってもらえなくて。秋晴がもう少し女心を理解すれば解決するのだが、それができればそもそもの行き違いは起こっていなかっただろう。
 ただ歩いていても仕方ない、空気に耐えきれずに話しだしたのは秋晴だった。
「あーっと…………ところで今日はどこか行く場所決めてるのか?」
「…………えっと……」
 またも動揺してしまうみみなに秋晴はなるべく口調がきつくならなように答えた。
「特にないのか。んじゃ天気もいいし少し歩くか」
「で、でも重くない?」
「そうでも無いぞ。この前授業で持ったベッドのが重かった」
「ベ、ベッド?」
「ああ、『他の使用人の手が塞がっている時に時に突然主人が模様替えをしたいと言った時』の為にベッドを運んだんだ」
「それは……すごい、ね……」
「そんなことを言い出す主人には仕えたくないってくらい重かったな」
「…………そうなんだ……」
 また少し落ち込んでしまったみみなの様子を気にしながら秋晴は考える。
 今日はどうやらいつにも増してみみなの感情の振れ幅が大きいようだ。この小さな先輩(と言うといつも決まって「また子供扱いしてっ!みみなはもう大人の女性なんだからねっ!」と全く説得力の無い言葉を言われる)は子供のようにコロコロと感情が変わる。
 子供のようにと言うと語弊があるが口に出さないだけで不満や喜怒哀楽を隠そうとしていて明らかに顔に出てしまう。少なくとも秋晴はそう思っていた。セルニア辺りも表情が分かりやすいがこの先輩の分かりやすさはまた違っている。
 そして今は不機嫌で元気がないダウナーモードだった。
 このままで絵を描くなんて上手くいくはずもなく、どうにかしようと秋晴が思いついたのは―我ながら名案だった。
「なあ先輩、何描くかって決めてないって言ってたよな?」
「うぅ~……えっと…」
 みみなの反応は口籠り、目は泳ぎ、秋晴の顔を全く見ない。歩くスピードも遅くなり、何も決めてないのは明らかだ。それを隠せていないのも明らかで、むしろみみなが隠そうと言う気があるのか疑わしい反応だった。
 いつもならこのまま秋晴が有耶無耶にして話が流れるのだが、今回ばかりはそれはみみなの為にも自分の為にもならないと苦渋の決断をする。
「正直に言ってくれ、別に怒らないし急かしてる訳じゃないから」
「……うん、ホントはあんまりあてがないの……」
 あんまりと言うのもみみななりの気遣いだろう、正確には全く当てがない。
 彼女には悪いがそれは秋晴の予想通りで、それはとても好都合だった。
「んじゃさ、着いて来てくれるか?」


「…………すごい……」
「だろ? この前ランニングしてる時に見つけたんだ。いい景色だから先輩にも見せたくてさ」
「うんっ。ありがと」
「どーいたしまして」
 二人がいるのは白麗陵の裏山を少し登った場所にある開けた空間で、崖と言うほど迫り出てはいないがその場所からは山の下に広がる景色を一望できる。
 裏山自体が針葉樹が多く冬になってもその景観は失われない。それどころか澄んだ空気により視界がクリアになって感じ、紅葉の秋に勝るとも劣らない美しさがある。
 そして目の前には白麗陵の立派な建物が広がっていて、簡単に言うと絵画のように綺麗な景色だった。
 秋晴が案内したのはそんな場所だった。
 以前大地とランニングをした際に見つけた場所なのだが寮からの距離もそこまでなく、またいつか来たいと思っていた場所だった。
 山道を大量の画材を担いで登るのは大変だったが、この景色、そしてみみなの喜んだ顔を見れただけで充分だった。
 秋晴はその顔を満足そうに眺め、少し離れたところに画材を置く。汚れないように、壊れないように細心の注意を払い、そしていつでもみみなに希望されたら渡せるように。
 数分間の作業を終え、何をしようかと考える。よく考えれば今回は絵のモデルでもないしかといって何も持っていない。もし持っていたとしてもみみなの集中力を乱すようなことはできない。
 必然的に手持ち無沙汰になり、みみなに目がいく。
 景色の美しさにスイッチが入ったようで腰を下ろし一心不乱にスケッチブックを埋めていた。
 その顔は真剣そのものでいつも子供のように笑っているみみなとは少しだけ雰囲気が違い、十九歳という年相応な雰囲気を持っていて、それでいて好きなことをしている時の人の一番いい顔だった。
 いつもの振る舞いやその体躯からは想像もできない一面に思わず目を奪われる。ついつい、やっぱりすごい人なんだなぁ、と失礼なことを考える。
 風景をスケッチするみみな、それを見つめる秋晴。それは互いに楽しい時間だった。

824:KAL ◆oEZLeorcXc
10/05/27 18:04:10 IwbDScWx
 一時間半ほど時間がたつとみみなの顔が少しだけ険しい顔になり、手が遅くなる。集中力が切れたのか、何か問題があったのか、ついにその手が止まる。
「先輩」
「…………何?」
 かつてないほどぶすっとした不機嫌なみみなの顔に一瞬秋晴は提案をためらう。
「もし邪魔じゃなかったらでいいんだけど…休憩にしないか? 集中力切れてきたろ?」
「……大丈夫だよっ、みみなは大人だからまだ頑張れるもんっ」
 明らかに煮詰まっていて言っている内容が支離滅裂だ。
「大人も子供も関係ないって……。さっきから見てたけど手が止まってるし」
「…………さっきから見てた…ってみみなを?」
「ああ、真剣に描いてるなーって思ってみてた」
「……うぅ~………」
 みみなの顔がボンっと赤くなる。見透かされたのが恥ずかしいのだろうか?秋晴はあと一押しだと思い―
「温かいココアもありますので休憩いたしませんか?」
 普段の口調ではなくわざと奉仕活動の時の口調で話しかけた。
 手には温かい湯気の出たココア。コート着用、その裏にはカイロがいくつもついているとはいえ寒い季節、風がなく日差しが暖かくても体は冷え切っている。
 集中力が切れ、寒さも自覚してしまった今みみなの行動は一つだった。
「うー……分かったよ」
 もちろんもうすぐ休憩の予定だった。絵というのは存外体力も集中力も使う作業なのだ。ただそれを見透かされたのが悔しいのかみみなの頬はぷくっと膨らんでいた。
「はー暖まるなー」
「…………うん、ありがと」
「いや、これも立派なサポートだから当然だ」
 みみなは手のココアの熱を感じ、自分が意識していたより体温が低くなっているのを自覚する。
 もちろんそれは絵を描いていない秋晴も同じでこの寒空の下にいれば体温は下がる。
 休憩のタイミングは互いにとって絶妙だった。
「ところでさ、もし嫌だったら答えなくていいんだけど……何でまた急に描く気になったんだ?」
「え?」
「たしか前にしばらくどこにも出さないとか言ってた気がしたし、最初に会った時に聞いた気がするけど誰かに期待されて描くみたいなの嫌いって言ってた気がしたからさ。今回の件なんてモロにそれだと思うし……」
 秋晴は口に出してから、しまったと思う。いくら気になったからと言って今聞く話ではない。下手したらみみなのモチベーションを下げる結果になる。
「え、えっとね……描きたくなったから……かな?」
 返ってきた答えから安堵を得る。が、よく分からない表現だ。
「描きたくなった?」
「あのね……好きなものを描きたいってだけじゃなくて、私の絵を好きって言ってくれる人のために描きたくなったの。前と違って期待に応えなきゃって感じじゃなくて……あの、その……」
 みみなの声は最初こそはっきりした口調だったもののどんどん自信を無くし、尻窄みになっていく。
 ただそれは秋晴の疑問の答えとして十二分に満たしていた。
「うん、なんとなく分かった」
「うまく言えなくてごめんね」
「いや全然問題ない」

825:KAL ◆oEZLeorcXc
10/05/27 18:05:54 IwbDScWx
 みみなの気持ちの全てが伝わった訳では無い。ただそれでも嫌々描いている訳ではないし、何より描きたいものを描いていると言う気持ちが伝わる答えで、秋晴には十分だった。
「でもそれがどうかしたの?」
「いや、それならいいんだよ、前みたいに無理やりっていうか責任感とかからじゃなくて先輩が描きたくなったんならさ」
 秋晴が心配していたのはみみなが嫌々描いている、嫌々とまではいかなくても押し付けられた責任で絵を描きだしたのではと心配したからだった。
 半年ほどみみなとすごしてきて、目の前の彼女は大人であると知っていた。
 見た目や行動が大人なのでは無く、考え方、行動原理と言うべきか根底に他人を気遣う気持ちがある。
 世間的な見た目を気にする朋美や自分の家の誇りを気にするセルニアとはまた違った他人を気にする優しい、お人好しな部分がある。
 だから秋晴は今回の話を聞いて少しだけみみなのお人好しな部分が責任感に駆られてしまったのかと思ったのだ。
 杞憂に終わってよかった。そして心配事が解消した今、秋晴にできることは一つだった。
「いい絵、描けるといいな」
「うんっ」
 みみなが頑張りたいと言うなら秋晴にできるのはみみなの応援をすることだ。
 そして応援されたみみなは改めて頑張ろうと思った。
 期待をしてくれてる人の為に、自分の為に、そして目の前のファンの為にも。

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 みみなの作品の締め切りが予定より早くなり秋晴をお供に白麗陵を闊歩することになる少し前の祝日のことである。
 秋晴はトライアクアランドに来ていた。
 もちろん一人ではなく、先日の秋葉原の散策の三人で前回来た時とは全く違うメンバーと来ていた。
 ピナ、みみなとそれぞれ遊園地に行く約束をしていたこと、鳳にあの日のお礼をすると約束していたこと、そしてピナが招待券をまた貰ったこと、全てが都合よく滞りなく運んだ結果だった。
 チケットを見た時に秋晴が「皆で行くんだな、誰と行く?」と言った瞬間、ピナの目がキッと睨むように強くなり、すぐにがっかりした顔になった。「どうかしたのか?」と聞いた秋晴に対して「何でも無いのじゃ」と落胆した顔でピナが返したのはまた別の話である。
 とにかく秋晴はみみな、ピナ、鳳の四人で訪れていたのだが―今実際にテーブルに座っているのは秋晴とみみなの二人だけだった。
 秋晴はそもそも前回の来園の際に全アトラクションを制覇してしまっていた。その上前日午後の従育科の特別授業によって体力の残りが少なかった。
 一緒に行くと言うのは当然来園までを指すのではなく、一緒にアトラクションを回る事を指す訳で最初は行動を供にしていたのだ。
 しかしここでアクシデントが起こる。アクシデントというべきか考えておけば予想できたことなのだが―小さな最年長、桜沢みみなの疲れてしまったのだ。
 考えてみれば至極当然なことで、みみなは遊園地に来たことがなかった為に、絶叫アトラクションに限らず遊園地で遊ぶという行為にどれほどの体力が必要かを知らない。
 その上みみなは病気は治っていてもずっと入院生活だったことで深窓の令嬢にすら敵わない体力の低さである。
 更に更に出発前のことである、瞼の重そうなみみなと―
「先輩眠いのか?」
「だ、大丈夫だよっ」
「楽しみで寝れなかったのか? 遠足前の小学生みたいに」
「そ、そんなことないもん! みみなはもう大人なんだから楽しみで寝れなくなるなんてことないもんっ!」
 ―秋晴が交わしたお約束の極みな会話が付け加わった末、みみなは数えるほどのアトラクションでダウンしてしまったのだ。
 故に秋晴とみみなの休憩組、ピナと鳳の活動組に分かれる形になったのだ。
 四人が別行動になって実に一時間ほど、そろそろ戻ってくるかと思いきや全く連絡がない。楽しんでいることはいいことだがこのままでは復活したみみなと合流する前に全アトラクションを制覇してしまうのではないだろうか。

826:KAL ◆oEZLeorcXc
10/05/27 18:06:37 IwbDScWx
「にしても……そもそもピナは乗り物が苦手だって言ってた記憶があるんだけどな」
「そうなの? なんかピナちゃんっていつも元気だから、ジェットコースターとか好きなイメージだったけど……」
「まあ、言われてみればそうかもな。食わず嫌いならぬ載らず嫌いだったのかもな」
 ここにいない二人のことを思い出す。自分の体調不良は気にしないでいて欲しいがみみなのことは考えてあげて欲しい。二人でアトラクションに行くことも考えたがそれでは入れ違ってしまいそうだ。
「まあ……鳳が好きなのはなんとなく予想はしてた」
「そうなの?」
「ああ、思い当たる節があってな」
「そう、なんだ」
 思い出されるのは鳳、轟、セルニアと実質四人で受けた従育科試験のことだった。あの馬はすごかった。そして余計なトラウマまで思い出しそうになり頭を振る。
「…………」「…………」
 とたん、二人の間に沈黙が訪れる。こうして一時間ほど、みみなの調子が戻ってから三十分もこうして話しているのだ。いい加減話のネタも尽きてしまう。
 そもそも互いに顔見知りであるのだが学年が違い秋晴は従育科の生徒であり、共通の話題などほとんどない。
 お互いに顔を見合わせ気まずそうに目を逸らす。沈黙、そして空気の気まずさを一度意識してしまうドつぼに嵌る。ましてや二人は互いに積極的に話題を振る正確ではないし、ちょうどいいきっかけもない。
 意を決して秋晴が話を切り出すが―
「にしても秋ももうすぐ終わりだな。ってかもう冬なのか? 今日も座ってると寒いしな」
「そうだね……」
「だよなー、この前の授業の体力作りだって……いや、こんな場所で話すことじゃないか」
 ―話の展開を上手く持っていけずに会話が途切れてしまう。
 別に何かを話さないといけないなんて決まりはない。ただ、黙っていれば間が持たない。
 そして何より、二人になってからずっとみみなの表情が暗い。体調が悪かったせいかと思ったがどうやら違うようで、体調が戻ってからも笑ったり喜んだりの明るい表情にも少しだけだが陰りが見える。
 原因が分からない秋晴にはどうにもしようがないなのだが、どうしたって気になってしまうし一緒にいる以上笑顔でいて欲しい。
 何を話そうかと考えて、あることを思い出す。
「あ」
「どうしたの…?」
「えーと……」
 思いついて口に出そうとするが寸前で躊躇う。それは今のみみなの話すことで機嫌が良くなる話題とは一概に言いきれなかったからだ。
「…何もないなら、いいけど……?」
 秋晴の躊躇に肩を落とすみみな。何か勘違いされてしまったようだ。
 どうしたもんか、と思いもはやどうにでもなれと話を続ける。
「いやさ、先輩に言おうと思ってたことがあったんだ」
「みみなに?」
 心当たりがないというみみなのきょとんとした顔色を疑いながら恐る恐る秋晴は続ける。
「ああ、この前見たんだよ。ずっと見よう見ようとは思ってて……ただいろいろあって見れなくてさ。でもこの前やっと見れたんだ」
 話を切り出しておいて自分の言葉が上手くまとまっていないのを自覚する。ずっとみみなに話したかったことなのだがどうにも言葉出てこない。
「あれすごいな。何かこう……言葉じゃ表現できないものって感じでさ。見た瞬間電気が走った感じでさ。俺なんか言われても嬉しくないのかもしれないけどさ」
「えっと…………何の話……?」
 言葉を慎重に選びながら話す秋晴は伝えようと必死で対するみみなも一生懸命内容を把握しようとしていたが分からないでいた。
 どうにも空回りした二人である。

827:KAL ◆oEZLeorcXc
10/05/27 18:07:46 IwbDScWx
「先輩の作品……『落日の壁影』だっけ?」
 秋晴の口から出たのはみみなの予想もしていない単語だった。
 落日の壁影。それは白麗陵図書館に展示されているみみなの作品で白麗陵の生徒なら誰でも知っている。
 みみなと秋晴は殆ど絵の話をしない。それはみみなに対する気遣いなのか話し辛いからなのかとにかく互いに話題を持ち出すことがなかった。
 だから秋晴の口からその言葉が出たことにみみなは驚いていた。
 そんなみみなを余所に秋晴は続ける。
「今更なのかもしれないけどこの前見たんだよ。ホンットすごかったよ。芸術とか全然分からないと思ってたんだけど、純粋に感動した」
「えぇ? あ、えっとっ……」
「あースマン。俺一人だけ盛り上がっちゃってるな」
 話しだしてすぐに上がったテンションについていけないみみなを見て落ち着く秋晴。言ってしまった後で、やっぱりみみなに絵の話を振らない方がよかったかと思いどうしたものかと耳の安全ピンを触る。
「ちっ、違うの! あの……なんていうか……」
 目のあった瞬間俯くように視線を逸らすみみな。ああ、これは本格的にやってしまったのかと思った。
 しかし、よく見るとみみなの顔が赤い。頬が風邪をひいたように朱に染まり、耳まで真っ赤でゆでダコのようになっている。
 そしてよくよく考えてみればみみなは自分の言葉に必死に答えようとしている。それはつまり―
「……先輩、もしかしてだけど照れてるのか……?」
「えぇ!? えっとっ……そ、そんなことないよ!! みみなは、それくらいじゃ…」
「別に隠さなくてもいいと思うんだけどな。人間誰でも褒められたら嬉しいし照れるだろ? まあ、俺みたいに絵に疎いヤツに言われても嬉しくないのかもしれないけど」
「うぅ~……そんなこと、ないけど……」
 急に出された話題に対応し切れず、しかもそれが自分を純粋に褒める言葉でその相手が興奮すらしてしまっている。
 それに戸惑っていたのだ。
 秋晴は考える。みみなは謙虚というか自分の感情を隠すことが多い。褒められたことや楽しいこと喜ぶことなど様々なことを隠す。今回も明らかに照れ隠しである。
「嫌じゃないなら素直に照れてくれって……何か変なセリフだな」
「そうだね」
 まだ恥ずかしいのかみみなは顔を俯けてしまった。これでは秋晴がみみなを苛めているようだがみみなの顔は笑っていて元気がでたことに安堵をする。
 みみなに対して絵の話題を持ち出すことは秋晴には冒険だった。
 それはもちろん秋晴自身がみみなの作品を見たことがなかった事実にも起因するがそれ以上にどうしても話しづらかったからだ。
 秋晴が彼女の作品を知る前からみみなの絵が誰からも絶賛されているのは知っていたし、誰からも新作や絵についての話を振られていると考えると絵の話題を振り辛かった。
「キミは、みみなの絵がもっと見たいの?」
「ん? ああ、見たいか見たくないかって言われれば見たいな」
「そう、なんだ」
 みみなが聞きたがっている、そう判断した秋晴は自分の感想をありのまま表現した。
「ああ、さっきも言ったけど見た瞬間電気が走ったみたいになってさ。感動した。その日のうちに朋美に先輩描いた絵の写真とかありったけ見せてもらったしな」
「えぇっ。えっと……うぅ~」
「いや、ホントすごいと思ったぜ? 正直昔は美術館とか退屈なだけだったし、今も行こうとは思わないけど先輩の絵があるなら行きたいってくらいだ」
「そ、そんなに言われると……」
「悪い悪い、また興奮しちまったな。まあ、そんなわけで俺も先輩のファンの一人だ。尤も期待はしても押し付ける気はないからな。新作見たいって期待はあるけど無理やり描いても先輩が楽しくないと思うしな」
 秋晴の顔は真剣で楽しそうでお手伝いをした子供のようにみみなに話をした。自分の気持ちを話したくて仕方ない、と言った感じだった。
 対してみみなはその素直な気持ちを話す秋晴に嬉しい気持ちを感じつつそれ以上の気恥ずかしさでいっぱいだった。

828:KAL ◆oEZLeorcXc
10/05/27 18:09:35 IwbDScWx
「それに……先輩の絵ってさ。すっごい楽しそうなんだよな。絵が好きで好きでそれが根底にあるからなのかな? 絵からも楽しんで描いてますってのが伝わってくる感じで元気が出る。だから無理やり描いたって俺が好きな先輩の絵にはならない気がするんだ」
「うぅ~……キミは本当に……」
 それは秋晴の心の底からの気持ちであり、重い期待とは違ったみみなの後押しをしてくれる確かな力の言葉だった。
 思わず強く語ってしまった秋晴は少し恥ずかしくなりみみなから視線を外す。みみなはみみなでかつてないほどに真っ赤になって俯いてしまった。
 気まずいというよりは気恥ずかしい沈黙が二人の間に流れる。
「あのねっ、実は来年の頭に個展をする予定なの」
 沈黙を破ったのはみみなの言葉で、その内容は秋晴にとって予想外だった。
「…………マジか」
 最初は何の話かピンと来なくて呆けてしまった。少しずつその意味をかみ砕きその言葉を理解する。
「うん、予定通りなら一月の終わりか二月くらいの予定」
「割とすぐ…なのか? 三ヶ月くらい先だけど個展って準備がかかりそうだし」
 秋晴には絵の知識など無くし、そういった催しがどうやって準備されるかを知らない。しかしそれでも絵に時間がかかるだろうことは分かるし、ある程度の準備がいるのは当然なのも知っている。
 それに記憶の限りみみなはずっと作品を描いていない。もちろん秋晴の知る限りだしスケッチは毎日しているようだから作品の元自体はあるのかも知ればいが。
「少しギリギリかな? でもずっと休んでたから、描きたい絵はいっぱいあるから。それに…」
「それに?」
 何かを言おうとして止まってしまうみみな。やっとあった視線を逸らされてしまう。小さな横顔は耳まで真っ赤になっていて、何か都合の悪いことでもいいそうになったのだろうかと秋晴はぼんやり考えた。
「なんでもないっ。お、大人にはいろいろあるのっ」
「そうだったな」
 必死になって取り繕うみみなに苦笑しながら秋晴は答えた。
 それはみみなの照れ隠しなのかその言葉通りの意味なのか、秋晴には分からないがどちらもたいして変わらない。
 彼女それで納得しているならそれでいいのだと思う。
「見に来て、くれる?」
 不安そうに上目遣いで聞いてくる。こちらの行動を一挙手一投足気にしていて瞬きすら注目されている気がする。
 それは恰も子供が親に何かをねだるようで、言葉によっては一生ものの傷を負わせることができそうな弱々しい強制力があった。
「モチロンだ。というか行かせてくれ」
 秋晴の答えはもちろんそんな傷を残すような答えではなく、みみなの望む答えだった。
 その言葉を聞いて涙目で不安そうだった顔は一瞬のうちの明るい笑顔になる。
 みみなは子供のような満面の笑みの後、すぐにそれを取りつくろうと冷静を装った大人っぽい顔をした。
「約束だからね? 来てくれなかったらダメなんだからね」
「ああ、絶対行く」

◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 みみなの作品作成の手伝いとして秋晴が同行して数日、結果的に言うと秋晴はみみなの役に立っていた。
 一つは秋晴の予想通りの荷物持ちとして。上育科の生徒であり、更に本来病気で入院していたこともあり、みみなは体力的には周囲の人間にどうしても劣ってしまう。そもそも小柄な体躯の為の大きなものを上手に持つことができないかった。
 もう一つは白麗陵の案内役として。様々な授業で白麗陵全体の施設を使う従育科に対して上育科の生徒の行動範囲は限られていて、一年多く過ごしているみみなよりも秋晴の方が白麗陵の敷地内を知っていたのだ。秋晴のお陰でみみなの知っている場所はぐんぐんと広がった。
 そして最後にみみなの露払いとして。白麗陵での桜沢みみなの名は全ての生徒に知られていると言っても過言ではなく、その作品を見た人はもれなくみみなのファンとなっていた。その彼女が白麗陵内で個展の為の新作を描いていると聞いて興味が湧くのは当然であった。
そして秋晴がそんな興味本位の生徒達を露払いする役になるのは必然の結果だった。
 尤も、秋晴の勘違いされた悪名はいまだ健在で殆どの場合何かした訳ではなく秋晴の顔を見てすぐにどこかに逃げてしまうのだったが。


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