キモ姉&キモウト小説を書こう!Part10at EROPARO
キモ姉&キモウト小説を書こう!Part10 - 暇つぶし2ch140:名無しさん@ピンキー
08/04/25 23:05:07 Cn510+EW
ところで、髪型、容姿について指定されてないとき、どんな風におまえらは想像している?

141:名無しさん@ピンキー
08/04/25 23:16:14 nacgaOUy
特に描写ない場合はストレートのセミロング
あとは性格が似てる既存ヒロインの容姿を当てはめたりとか

142:名無しさん@ピンキー
08/04/26 01:45:37 fV925+VN
>>140
口調、性格、胸の大きさなどのデータを入力すると俺の脳はそれに似合うような過去の様々なキャラのパーツを組み合わせて新しい容姿を作り出す
指定が多いほどイメージは鮮明になるぜ

143:名無しさん@ピンキー
08/04/26 03:58:51 DunpgNdG
大体全部阿部孝和で読んでる

144:名無しさん@ピンキー
08/04/26 05:29:05 x9RI5JRA
>>142
すばらしい脳だな。お前が日本代表だ

145:名無しさん@ピンキー
08/04/26 09:52:33 VERKLk7J
>>123
え、無形氏ってこことヤンデレスレ以外でも書いてるの?

146:名無しさん@ピンキー
08/04/26 15:00:56 k9CC72Vh
ホーミング機能を備えたキモウトが欲しい

147:名無しさん@ピンキー
08/04/26 16:08:35 ZhpSgci/
つまりはストーキングするキモウトってこと?

148:名無しさん@ピンキー
08/04/26 17:06:54 uyMKPpn5
シロ姉さんは、始めは高城千砂のイメージだったけど、最近は「夕日ロマンス」のバカ姉のイメージになってきた。

149:名無しさん@ピンキー
08/04/26 17:31:46 QfhkgiP9
>>142
さあ!今すぐ筆を取れ!!
このスレにはいまだ絵師がいない!
新しき神となるのだ!
ひほうをよこせ オレは かみ になるんだ

150:名無しさん@ピンキー
08/04/26 17:43:15 RCDoIpjC
よそのスレでは、結構絵師がいるみたいだね。
長寿スレなのに、未だイラスト投下がないのが不思議なくらい。

151:名無しさん@ピンキー
08/04/26 17:54:13 fV925+VN
>>144
化学的な霧が酷いので代表して北京になんて行けません><

>>149
悪い、俺は文系なんだ

152:貴方だけを愛し続けます ◆PsPjd8yE3E
08/04/26 19:17:08 ZhpSgci/
第二話投下予告。



153:貴方だけを愛し続けます ◆PsPjd8yE3E
08/04/26 19:17:56 ZhpSgci/
まずはじめに誤っていたことだけに、謝っておきたいことがある。

タイトルは
×『貴方だけを愛します』
○『貴方だけを愛し続けます』

だった。

すみませんねぇ、間違えてました。



[kai side]

俺は、珍しく、早朝に目覚めると、
同じベットにいて寝顔を覗いている雪の姿があった。

その微笑みは何物にも、かえ難いと思わせる笑顔。

「にい、さん。朝ですよ」

長らく夢を見ることなんては、なかったのだけれども。
そう思って、

「これは夢だな」

まったくD.C.の音夢[ねむ]かよ。と一言つぶやいて、
せめて愛娘ならぬ愛[まな]義妹[いもうと]を抱きしめ、
まさかの二度寝という愚考に奔った。



[yuki side]

「びっくりしちゃった」
とドキドキバクバクの心臓を抑えながら、
私はは自分の唇を魁のそれに合わせてすぐ離した。

寝ぼけ眼の兄さんに、もう開き直ろうと思った矢先、
彼は優しく雪を抱きしめ、眠りについた。

こんなに心臓がばくばくしてる。




154:貴方だけを愛し続けます ◆PsPjd8yE3E
08/04/26 19:19:00 ZhpSgci/

[kai side]


朝起きて、横を見つめると、やはり雪の姿はなくて。

ぼりぼりとかゆくもない背中を掻くと、
やっぱり夢か、と呟いてベットから起き出した。



予想通り、雪は軽い朝食を作っていた。
後姿はいつもどおりで、夢に見た儚さはない。

俺堪ってんのかなー?と考えつつ、
冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し咥えた。

味噌汁をお玉で掬って小皿に分ける雪を尻目に、

「なぁ、雪」
「なんですか、兄さん」
「お前、ベットに潜り込まなかったか?」
「ぶっ、ごほっごほっ」

なんて事を喋り出す口先だった。

味見をしていた雪は咽返り、
あわてて俺が口付けたミネラルウォーターを雪に差し出した。

雪は素早く取ると口に付ける。その間、俺は妹の背中をさすってやる。
・・・決していやらしい意味ではない。と弁解は心の中で語る。

「まったく何言い出すんですか兄さんっ」
「わりぃわりぃ。冗談だよ冗談」

そうやって誤魔化すと、ミネラルウォーターを、
雪の手からひったくった。


155:貴方だけを愛し続けます ◆PsPjd8yE3E
08/04/26 19:19:31 ZhpSgci/

口付けてから雪は、

「それ、私が・・・(///) 」



「あン?どぉし」

『どおした』と呟こうとした俺は口に咥えたペットボトルの先を見つめ、
小皿を片手に持った状態で色白い指で唇をなぞりペットボトルの先を見つめ、



俺と雪は不意に固まった。



「べ、別に俺は!!うん、そんな妹との間接キスなんて気にしないし!!」
「そうですよねっ、そうですっ!! 兄さんぐっと呑んじゃってください」

俺と雪はお互いに顔を朱に染めて、俺は一気に水を飲んだ。
味がわからなかった。・・・・・・いや水だから当たり前なのかもしれないけど。





156:貴方だけを愛し続けます ◆PsPjd8yE3E
08/04/26 19:19:53 ZhpSgci/
[yuki side]

私は、兄さんの部屋に、盗聴器と盗撮ビデオを仕掛けている。
私が一手に家事をこなすので、兄さんより幾分か多く小遣いを貰っている。
食費を節約しながら、先月やっと購入できたものだ。
もちろん、録画と同時に中継再生だって可能の優れもの。
だが、やはり、中継に越した事は無い。だって、私が慰めている十メートル以内では兄さんも励んでいるのだから。



兄さん、なんでそんな本で抜こうとするんですか?
本に写されている、二次元の少女達に私は嫉妬した。
だけど、破るわけにもいかない。好きの反対は無関心だってよく言うけど、

兄さんに不の感情を向けられるだけで私はそれこそ自殺したくなるほど欝になる。
もっとも、次の朝お早うと笑う兄さんを見て、元気がみなぎってくるのだけども。



兄さんが世界にいないと生きていけない。



なんて言うほど私の感情は“甘っちょろい”ものではないのだ。



“兄さんが”私の世界なのだ。



話が少し脱線した。



157:貴方だけを愛し続けます ◆PsPjd8yE3E
08/04/26 19:20:32 ZhpSgci/
自分で言うのもなんだけど、可愛い義妹がいるじゃないですか。
本の中にいる、可愛い子より、もっと可愛い私が。



私を寵愛してください。
私を蹂躙してください。
私を篭絡してください。
私を堕落させて下さい。



私は、本ではできないことだって喜んでやってあげます。

あなたの其れを咥えて、しゃぶって、扱いて、
なんなら、私のヴァージンを使ってください。後ろだって捧げてみます。

あなたが望むなら淫乱な言葉を、貴方のために言って見せます。


あなたが望めば、私はどんな風にだって変わって見せます。



だから、そんな、雌犬の本で、
あなたの貴重な精子を、貴重な時間を使わないで下さい。



イヤホンで兄さんが果てたのを聞きながら、
私は頭を真っ白して

「イクッイクッイクゥゥ!!」

口を抑えながら、同時に果てた。



兄さん、愛してます。


第二話投稿終了ー。お疲れ様ー。

158:名無しさん@ピンキー
08/04/26 19:27:22 5m9AfbO0
お疲れー!(・∀・)

159:名無しさん@ピンキー
08/04/26 21:05:54 HIUHi0Ih
>>157
お疲れ&GJ
ただ、もうちょっと改行を減らしてくれた方が読みやすいとは思う

160:名無しさん@ピンキー
08/04/26 21:40:58 BA1BNHII
乙~
ただ一つだけ
>>156
>兄さんに不の感情を向けられるだけで私はそれこそ自殺したくなるほど欝になる。
"不の感情"ではなくて"負の感情"ですの


161:名無しさん@ピンキー
08/04/26 23:13:23 7NflGB4U
篭絡はすでにされてるようなものな気がするw

162:名無しさん@ピンキー
08/04/27 00:39:12 hc4tvsxo
途中で西城秀樹おもいだした

163:名無しさん@ピンキー
08/04/27 02:23:56 PzaSIbJH
タァァァァンエェェェェェェエ~~~~

164:名無しさん@ピンキー
08/04/27 05:42:11 QAfMjBR7
なんというど真ん中なシチュエーションw
実妹主義だったが義妹もいいなあ

GJ!

165:名無しさん@ピンキー
08/04/27 10:51:51 Dt+/8Gdl
【社会】「妹を殺せば幸せに」 妹の頭を石で殴り殺害、姉を逮捕…神奈川・横浜市
1 : ◆10000/JzLc @よろづ屋φ ★:2008/04/27(日) 10:15:20 ID:???0
★妹殺害の容疑で姉を逮捕 横浜、石で頭殴る

 神奈川県警港南署は27日、自宅で妹を殺害したとして、横浜市港南区芹が谷、
無職依田佐恵子容疑者(44)を逮捕した。「口論になった。妹を殺せば幸せに
なると思った」と容疑を認めているという。

 調べでは、佐恵子容疑者は26日午前4時半ごろ、自宅2階の自分の部屋で
寝ていた妹の日本体育大職員依田幸子さん(39)の頭を、庭にあった石で殴って
殺害した疑い。

 依田さん方は姉妹と父親の3人暮らしで、当時、父親は外出中だった。

 佐恵子容疑者は東京都渋谷区の知人の弁護士に相談し、26日午後、弁護士に
付き添われて警視庁渋谷署に「自宅で妹を殺した」と自首。連絡を受けた港南署が
逮捕した。

URLリンク(www.47news.jp)


これこそが、キモ姉!!

166:名無しさん@ピンキー
08/04/27 10:59:54 9wsTeXIi
44とかキモイな(見た目的な意味で)


167:名無しさん@ピンキー
08/04/27 11:40:40 qcwNSVKM
三次とか勘弁

168:名無しさん@ピンキー
08/04/27 11:53:52 nMo5woZf
別にキモ姉じゃなくね?ただ単にケンカとかしてたからじゃないのか?しかも三次で歳がなぁ…

169:名無しさん@ピンキー
08/04/27 12:01:09 1mSly2gy
おいおいヤンデレスレにも同じ記事のせてるやつがいる
なんかキモ姉とかヤンデレを勘違いしてる子多いな・・・

170:名無しさん@ピンキー
08/04/27 12:30:18 1mSly2gy
ごめんエロゲ板の嫉妬修羅場スレだ
ていうかカキコしたの同一人物だろw

171:名無しさん@ピンキー
08/04/27 13:11:24 Dt+/8Gdl
そうです。
私が犯人です

だが、どうする。私を牢獄に入れるつもりかぁ!!

172:名無しさん@ピンキー
08/04/27 13:40:17 8y2PxsAm
>>171
( ゚Д゚)ポカーン

173:名無しさん@ピンキー
08/04/27 14:00:14 68z2HBEt

やっぱり>>171ちゃんだったのね……
弟君がさっきから、私を避けてるようだったからおかしいと思ったの。
それで弟君の部屋のPCを見たら>>171ちゃんの書き込みが開かれてた。
私は弟君のことが大好きなだけなのに勘違いされちゃって……
>>171ちゃんは妹だから今まで見逃してあげてたけど、もうユルサナイ………
ダ・カ・ラ・シ・ン・デ?

こうですか?(>_<)

174: ◆busttRe346
08/04/27 14:18:34 zCR9BE7t
長らく間が空きました。監禁トイレ11話投下いきます

175:監禁トイレ⑪
08/04/27 14:19:14 zCR9BE7t
「たっくん行かないで…行かないでよ…。私を置いていかないでぇッ!!」
「義兄さん!!お願いですから…出ていくなんて言わないでください!!」
二人は狂ったように叫ぶ。それでも彼に駆け寄る事はない。出来ないのだ。
姉は義父に、妹は義姉と母親に羽交い締めにされていたからだ。
「行きなさい、早く!!」
父親の檄が飛ぶ。達哉はそれに押されるように家を飛び出した。閉まりゆく玄関のドアが内と外の世界を
分断するまで、二人はひたすら少年の背中を見つめ、叫び続けた。
その日から二人は少しずつ、両親に殺意を積み重ねていく。
それもわずか五年で溢れかえってしまう事になるのだが。



いや、よくぞ五年も保ったと言うべきなのかもしれない。








176:監禁トイレ⑪
08/04/27 14:20:46 zCR9BE7t
ガンッ、ガンッ、ガンッ――!!
けたたましい殴打音で目を覚ました。
ガンッ――!!
僕の顔のすぐ横を、何かが通り抜けていく。

「…何やってんのよ…」

ルールを理解したおかげか。
ああ今度は萌姉ちゃんの番なんだな、とすぐに気付いた。だが今はそんな事どうでもいい。

「ね、姉ちゃん……」
問題は、姉ちゃんがブチ切れているということだ。
「たっくん…何してるのよ…何で、キスなんか、したの……それは、ワタシ二、
して、くレる、もので、ショうッ!?」
一言一言区切りながら、でもうまく定まらない言葉と共に後ろの壁を叩く。
目の前にいる姉ちゃんの目は、限界まで開ききっていた。瞳は収縮を繰り返し、白目に赤い稲妻が何本も走り、
こうして見ている間も中心に向かっていく。歯ぎしり音の万力が、頭を締め付ける。

「ひっ……!!」
ガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッ
左右の手が代わる代わる僕の横を通り抜ける。右手にはサバイバルナイフが握られていた。
グリップを壁に向けて打ちつける。
右。
左。
右。
左。

ガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッ

「姉ちゃん…姉ちゃん…落ち着いてよ…!!」
音と震動がタッグを組んで僕を震わす。
ガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッガンッ
「蕾に、自慢されたわ!!たっくんとキスしたって!!」
ガンッガンッガンッガンッガンッガンッ
「義兄さんが私を選ぶのも時間の問題ですね、って!!何でそんな事したの!?
どうして私じゃないのッ!?」
ガンッガンッガンッガンッガンッ…ガッ……ツッ…


音がやんだ。


「ねぇ…何で、なんで…?わたしのこときらいになったの?わたし、なんか、
いないほうがいいの…?…っぅぐッ、ひぐっ…」
姉ちゃんの目からぽろぽろと涙が零れだした。
「こたえてよぉ…たっくん…」

どうすれば良いと言うのだ。僕だってしたくてやった訳じゃない。一応、ファーストキスだったんだぞ!?
何が悲しくて義妹に捧げなければならないんだ。しかもあんな形で、だ。
「姉ちゃん…頼むから落ち着いてくれよ…。僕が自分からそんな事すると思う…?」
姉ちゃんは手を丸め、目をぐしぐしと擦る。そしてゆっくり顔を上げるとその表情は、豹変していた。

「ああぁ……そっかぁ…そうだよねぇ…」
ゆらゆらと姉ちゃんが立ち上がる。

177:監禁トイレ⑪
08/04/27 14:22:44 zCR9BE7t
薄く瞑った目は気怠げだが、そこには確かに殺意が宿っていた。

「そうだよ、そうだよねぇ、そうに決まってる。あの娘が無理矢理したに決まってるよね…。
きたなくて、くさくて、きもちわるいつぼみ。ごめんねたっくん…」
ナイフのグリップが、ぎりっと音を立てる。
握り締めた右手は赤く染まり、いかに力を込めているかを、雄弁に物語る。
「いまあれをころしてあげるからね…」

まずい。
まずいぞ…!!

「姉ちゃん!ストップ!!」
姉ちゃんは止まらない。
か細い体とは不釣り合いなパーカーにくるまって眠る蕾に近付いていく。
萌姉ちゃんの横顔は壮絶、の一言だ。
「姉ちゃん!!」
止まらない。

「ころすころすころすころすころすころすころす…」

空ろな顔は、ただひたすらに呪詛を吐く。
「……萌ッ!!」

姉ちゃんの足が止まった。

どうしたんだ?
「……すて……」
萌姉ちゃんが何かを言った。
「ね、姉ちゃん…?」
ガバッとこちらに向き直る萌姉ちゃん。その顔は歓喜に満ちていた。
「たっくんが…呼び捨てにしてくれた…」

え、ええと…。
とりあえずうまくいった…のか?

「ね、たっくん…もう一回呼んで」
「え…?も、萌ね……」

178:監禁トイレ⑪
08/04/27 14:25:45 zCR9BE7t
「呼び捨てで!!」
焦りからか、口がうまく回らない。咳払いをして一度深呼吸をする。
「…もえ」
ああ、うまく言えたけどうまくいってない。感動してるもん。何か涙ぐんでるもん。
どうやら変なスイッチを押したらしい。
「たっくん…もう一回…」
「…萌」
「ふふっ…なぁに?」
いや、あんたが呼べって言ったんだろ。
姉ちゃんはご機嫌だ。さっきまでの怒りは脳内のブラックホールに吸い込まれてしまったらしい。
いや、脳内がブラックホールなのか。
何はともあれ蕾が目の前で惨殺される事態だけは避けられた。後でせいぜい恩を売ることにしよう。

「萌姉ちゃん、僕ちょっとトイレ使うから。ぜッ、た、い、に、邪魔しないでよ!」
「ええー…」
唇を尖らせて不満やるかたないご様子。

「…もえ。お願い」
「えへ…へへへ…しょうがないなぁもぅ…」
「良いって言うまでこっち見ないでよ?」
「はぁーい」
…ふん、ちょろいな。
しかしここに監禁されて初めて優位に立てた気がする。これは良い傾向と言っていいだろう。
でもこんなに空しいのは何故だろう。
自分の器の矮小さを再確認しつつ、便座に座る。姉ちゃんは手で顔を隠している。
…指の隙間からこっち見るな。

あの人どんどん幼くなっていってる気がする…。

小便が便器の中で弾けている。流砂を幾筋か垂らしたようなその音は、身体と心から余分なものを
拭い去っていく。

床には自然光が円を形作っていた。夜は空けていたらしい。
監禁生活は二日目に突入した訳だ。
外部との連絡手段は皆無だし、未だに説得の成果も見られない。説得を始めること自体、出来ていない。
尿も便もとっくに出し終えていたのだが(勿論、用を足した後すぐに流した。)、僕は扉を見つめて
考えていた。
ここから出るための方法を。



ここまでの経緯を整理してみよう。
頭を殴られ拉致された。目覚めると障害者用トイレに監禁されていた。
トイレは五畳程の広さで、入口に立ったとき左奥には手洗いがある。便器は右奥に存在する。
車椅子から便座へ座る時の配慮なのだろう、便器の両側には手すりがついている。左手の手すりのそばには
双子のどちらか(現時点では蕾)が壁に寄り掛かって眠っている。
もう片方の手すりには、手錠で繋がれた僕がいる。


179:監禁トイレ⑪
08/04/27 14:30:54 zCR9BE7t
このトイレが地図上で何処にあるのかは不明。トイレ内に時計がある訳もないので現時刻も不明。
ただし入口のすぐ右手に小さな窓があるので、朝か夜くらいは判別出来る。

監禁された理由は僕に萌姉ちゃんか蕾、どちらかを「選んで」もらう為、らしい。
二人は交代制で、僕の世話と自己アピールをする。片方がアピールしている間、もう一方は
僕らに関与してはいけないそうだ。

持ち時間は決められているらしく携帯電話のアラーム音が鳴るとアピールタイムの終了だ。
交代する時に僕は薬で強制的に眠らされ、二人はその間にトイレ等を済ませているとのこと。

食糧について。
一応、二人の持ってきたリュックの中におにぎりやサンドイッチ、飲料水がある。
だがリュックの大きさを見る限り、もってあと一日が限度だろう。
蛇口を捻れば水道水は出るが、食糧はそれで打ち止めになる。

脱出経路について。
窓は小さすぎて僕の体では通過不可、当然、残る脱出路は入口のみだ。
入口はバーを回して施錠するタイプで、現在、ドアはきっちりと閉ざされている。
さらに角材のつっかえ棒もある。

脱出方法。
携帯電話は回収された。よって外部への通信手段は無い。
手錠は本格仕様でちょっとやそっとじゃ外れそうにない。腕力での逃走は不可能。
以上より脱出案、無し。



「おぉぅ…」
何と不毛な事をしているのだろうか。便座の上で頭を抱えた。人間ってやつは困ると本当に頭を
抱えるらしい。
脱出方法について考えるために現状考察をしてみたのだが、考えれば考えるほど良く出来ている。
一番穏便な解決方法として「二人を説得する」があるのだが、説得しようにも萌姉ちゃんは話が通じないし、
蕾は意思が通らない。



実は一つだけ解決策はある。
それはどちらかを選ぶことだ。そう、選んでしまえば片が付く。命一つを犠牲にして選んでしまえば、
何の労力も要らずにここから出られる。
何度か考えたが選べなかった。

甘いと言われるかもしれないが、まだ二人を家族と思っていた僕には、家族を犠牲になんて
出来るわけなかった。
「たっくんの悩み顔は格好いいけど下半身すっぽんぽんだとしまらないね」
と、萌姉ちゃんが口を開く。幸せそうなその笑顔が無性に腹立たしい。

180:監禁トイレ⑪
08/04/27 14:33:37 zCR9BE7t
うっせえ。
誰のせいで悩んでると思ってやがる。こんなやつ家族じゃないやい。あと手を下ろすな。目を隠せ。

想像以上に疲れてるな…僕。
ついでに腹も減った。ズボンを履き、いつもの定位置へと戻る。「姉ちゃん、食事にしないか?」
姉ちゃんは窓の方を見て、ぼけっとした…フリをしている。たまにこちらにチラチラ視線を寄越す。
つまりは催促だ。
ああ、もういい加減にしてくれ。

「…萌。僕はお腹がすいたので食事がしたいのですが」
「そうだね!私もお腹ペコペコだよー」

リュックの中から食糧を取り出す。例の薬品の瓶や、飲料水の入ったペットボトルも見てとれた。
薬品も食糧も予想より残量は少なめだ。遠慮無しに食べれば今日中に尽きてしまうかもしれない。
土台、三人分の食糧をこんな小さなリュックに何日分も詰め込める訳がなかったのだ。
「たっくんどれ食べたい?」
「おにぎり。おかかで」
「ええー…つまんないなぁ。新商品のツナトマサンドがおすすめなのに…」

わざとやってるだろアンタ。

姉ちゃんは食糧を全部取り出し、それらを抱えて僕の隣にちょこんと座った。
早速手を伸ばす。

「駄目ッ。ちゃんといただきますしてから!」

また手をはたかれた。
トイレ内で食事している時点でとっくにマナー違反だろうに。
「はい、それじゃあ…」
「いただきます」
「……いただきます」
口と手を使って包装を解き、食べ始める。昨日、一食しか食べていないので空きっ腹だ。
おにぎりはあっという間に胃袋に収まり、左手は次の獲物を求めて動く。
萌姉ちゃんはプリッツを囓りながら僕の食事を見守っている。そんなものまで持ってきてたのか、
遠足じゃないんだぞ。

「食べないの?」
「…?食べてるよ?」
プリッツを咥えながら首を傾げる姿はちょっとリスに似ている。不覚にも可愛いと思ってしまった。
「ちゃんとしたものを、だよ。プリッツなんかじゃ体壊すよ?」



181:監禁トイレ⑪
08/04/27 14:36:07 zCR9BE7t
しばし自分の下腹部を睨み付け、
「うーん……食べる!!」
そう言うと手近にあった炒飯のおにぎりを掴んだ。

それ狙ってたのに…




一時間後、おにぎりやサンドイッチは全てビニールゴミと化し、腹をさすって壁にもたれる僕達がいた。
さて、貴重な食糧を食べ切ったのには理由がある。
「あー…食糧…食べ切っちゃったね…」
残りのプリッツを囓りながら、さり気なく話しかける。

「たっくんよっぽどお腹空いてたんだねぇ…。おにぎり4個とも食べ切っちゃうなんて」
「それを言うなら姉ちゃんだってサンドイッチ、三パックとも食べ切ったじゃない」
「ぅぅ…言わないでぇ…」
耳を塞ぐ姉ちゃん。

さて、本題に入ろうか。

「食糧無くなっちゃったけどさ、これからどうするの?」

下っ腹をつまんで溜め息をつく姉ちゃん。
「どうするって…何が…?」
心なしか目付きが鋭くなった気がする。焦ってはいけない。怯えてもいけない。
慎重に、慎重に。
「んー…その、このトイレにはもう食べる物は無いから…まだ少しの間は
我慢出来るけど、いずれは大変な事になるよね…?」
「…そうかな…?」
「…なると思うんだけど」

「それで、」

声にドスが効いてきた。
「たっくんは何が言いたいの?」

「…いつまでやるつもりなのかなって…」
「そんなのたっくん次第でしょ…?」
「もしどっちも選ばなかったら……どうなるの…?食べ物も無いし、
このままじゃみんな…飢え死にする事だってあるよ?」
「選んでもらえないならこのまま死んじゃってもいいよ、私」



寂しそうに笑う姉ちゃん。だがこっちにとっては笑い事じゃない。
「ちょ……」

ナイフの刃がこちらを向いていたから。

182:監禁トイレ⑪
08/04/27 14:37:43 zCR9BE7t
「やっぱりたっくんは私の事嫌いなんだ?私以外の女の人が良いんでしょ?
やだよ。やだよやだよやだよやだよやだよやだよやだよやだよやだよやだよ
やだよやだよやだよやだよやだよやだよやだよやだやだやだやだやだやだやだ。
私以外の誰かがたっくんの隣にいて。笑って。手を繋いで。たまに恥ずかしそうに、
してるのなんて」

ナイフに、今にも死にそうなくらいに怯えた男が映った。

「絶対に、耐えられないよ」
日の光を帯びた切っ先が真っ直ぐ、僕に向かってくる。

死ぬ。
目をギュッと瞑った。
瞼の奥にぐわんぐわんと痛みが広がる。この痛みがナイフの痛みを和らげてくれないものか。
そんな根拠のない祈りにも似た考えに縋り、さらに目に力を込める。ナイフの切っ先が僕の左胸に、触れた。
ジャージの先に刃先の感触。身体がこわ張る。ナイフが進み、肉が凹んで、食い込んで。
…進んで……ない?

恐る恐る目を開けた。
「たっくん…怖がりすぎだよ」
姉ちゃんが呆れ顔で僕を覗き込んでいる。ナイフを突き付けながら言う言葉じゃないぞ。
姉ちゃんが僕の膝の上に座ってきた。ナイフはまだ僕の胸の上でとまったままだ。
「どうやったら私がたっくんの一番になれるか、考えたんだけどね。
やっぱりこうした方が良いと思うんだぁ…」
話しかけながら姉ちゃんは僕の顔に左手を添える。こっちはそんな事を気にしている場合じゃない。
何せ、中心からやや左寄り…つまり心臓の上にナイフがあるからだ。
いつ刺されるか分かったものではない。

「たっくん…目、閉じて…」

おいマテ。

「あ、あのですね……。今から何をしようとしてらっしゃるんデショウカ…?」
「ちゅーだよ。はい、ちゅぅぅー…」
「待て。ちょっと待…待てって言ってるでしょぉぉぉがッ!!」
唇を突き出してくる姉ちゃんの頭を押さえ付け、同時にのけ反る。
勢いをつけすぎて壁に頭をぶつけた。

「何で止めるの!?大体ムードが無いよ!!キスだよ?これからキスするんだよ!?
男の子なんだからリードしてよ!!」

言いたい放題だな。
そもそもあなたがムードについて文句を言いますかそうですか。やはりここは奥の手を使うしかあるまい。
今僕の持てる唯一の武器、再々度のご登場である。

「…萌。僕は今そういう気分じゃないんだよ…」

さあ、ここは大人しく退いてくれ。


183:監禁トイレ⑪
08/04/27 14:39:43 zCR9BE7t
途端、ナイフにかかっていた力が増した。
「良く考えたら私、たっくんのお姉さんなんだよね…。やっぱりお姉さんが
弟の言う事聞いてちゃ、教育的に良くないよね…」
「え…」
「私、お姉さんだもんね。私がたっくんをリードしてあげる!!」
左手が僕のベルトをいとも簡単に解いた。片手で何秒とかからずに出来るんだから器用なものだ。
僕が慌てて妨害しようとすると、
「動いちゃ駄目だよ。刺さっても知らないよ?」
などと姉ちゃんはのたまいやがる。
「じゃあナイフをどけろよ!!」
「やだ」

またですか。

「覚悟決めてね、たっくん。私とたっくんの初めて、交換しようねっ!」
反論する間もなく、僕の唇は塞がれた。


「んっ…」
僕らを繋ぐ口内はひたすらぬるい。
手を入れ、大丈夫だなと思って入った湯水のぬるさ。ちょうどあんな感じだ。姉ちゃんの涎を注がれる。
僕の涎は奪われる。互いの唾液を溜め、それを互いの舌先で掻き回す。
舌と舌が接吻し、蛇のように捩れ絡み付く。
引きずられるようについてきた唾液が、空気をはらんで泡立ちぐちゅぐちゅと音を立てる。
「ン、ン、はぁむ…ちゅぷっ…チュパッ…」
僕の喉を通行拒否された涎は、唇の端から糸を引いて垂れる。姉ちゃんは時折それすら舐め取って、
僕の口内に無理矢理押し込む。
姉ちゃんの瞳は今にも溶けてなくなりそうなくらい潤んでいる。瞳の境界線が曖昧だ。
相変わらず左胸にはナイフのちくりとした痛み。そしてキスしている間に姉ちゃんの左手は、
僕の下着に到達していた。

「んぱぁ……」
「はぁっ…はぁっ…ね、姉ちゃん…」

指先が僕の股間をなぞる。
「…おっきくなってきてるね…」
彼女の手が張り詰めた剛直を握った。頭の奥、瞼の裏でチロチロと炎が上がる。
「良いよね……?」
ナイフの光に怯えながらも性欲は沸きあがり、「次」を待ちわびて僕の性器は何度も跳ね上がる。
それを見て微笑みながら、姉ちゃんは僕の逸物を取り出した。
「たっくんが早く言ってくれれば、いつだってしてあげたんだよ…?」
細くて白い指が性器を扱く。
ついに唾を、飲みこんだ。


184: ◆busttRe346
08/04/27 14:40:28 zCR9BE7t
投下終了です

185:名無しさん@ピンキー
08/04/27 14:40:39 64osgOju
監禁トイレキタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!!

186:名無しさん@ピンキー
08/04/27 14:48:45 uo9x1atw
おーエロいな。描写

>>184
乙。

187:名無しさん@ピンキー
08/04/27 16:18:31 hc4tvsxo
>>184
イッ・イッヤっほー!!ずっと待ってたんだからね!!とりあえず出てないけど実姉に一万点!!

188:名無しさん@ピンキー
08/04/27 16:46:33 uuaGSoU2
>>184

お待ちしておりまシター( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)`Д´)-_-)冫、 )ノД`)=゚ω゚)━!!!
遂にエロ部分に来ましたね!

しかし俺は実姉の摩季を応援したい


早く実姉!、急げ摩季姉!
弟の貞操がピンチ!
救えるのは摩季、君だけだ!

189:名無しさん@ピンキー
08/04/27 19:55:15 1dpDSURo
現在放送中のアニメで、キモウト・キモ姉が登場するアニメって何かない?

190:名無しさん@ピンキー
08/04/27 19:57:40 ijKNV5T3
ルルーシュはキモアニだな

191:名無しさん@ピンキー
08/04/27 20:58:20 ryEpSfVa
日本語の読めない糞腐女子は帰ってください

192:名無しさん@ピンキー
08/04/27 21:30:26 xLD/M+s+
ナナリーは黒いキモウトですが何か?

193:名無しさん@ピンキー
08/04/27 22:04:59 nMo5woZf
自分が書いた文字すら読めないのか…キモアニと書いてキモウトとは読まねぇよ腐女子が…

194:名無しさん@ピンキー
08/04/27 22:28:19 koevo6nc
URLリンク(blog.plaync.jp)

195:名無しさん@ピンキー
08/04/27 23:01:53 uo9x1atw
過去ならば空鍋で有名な楓さんがいるが・・・、
今放送中でそんなの起きるのかなー?

俺としてはD.C.Ⅱのセカンドシーズンから朝倉音姫が擬似的にそうだと思う。
主人公自体がパラレルワールドの存在だから、考え方によっては義姉さんじゃないのかな?

196:名無しさん@ピンキー
08/04/27 23:11:32 /uXb8FjG
監禁待ってます

197:名無しさん@ピンキー
08/04/28 04:11:07 6TtctuFB
>>149
ラムフォリンクス乙
せんせいにとかされてしまえ

198:名無しさん@ピンキー
08/04/28 05:20:33 TQAfjPZh
キモ姉の策略により想いを寄せていた女の子にフラれた主人公が、からかいに来た(物理的に慰めに来た)幼馴染みにヤケになって

「あーもうお前でいいや、結婚して」

と告げられて真っ赤になる幼馴染みと盗聴器ごしに青ざめるキモ姉

という電波を受信した。

199:名無しさん@ピンキー
08/04/28 07:05:30 3rPP6tpt
>>198
でも幼馴染は今まで男として意識してなかった主人公の言葉に困惑して
保留にしてもらってる最中に危機を感じ焦った姉が体や精神攻撃、飴と鞭で篭絡し
幼馴染が結婚を決めたときには手遅れで、姉の策略により姉弟のまぐわいを見せつけられ
そしてそのまま主人公と姉の共依存でハッピーエンドですね。わかります

200:名無しさん@ピンキー
08/04/28 09:58:20 6nIYF+Oi
とみせかけて幼馴染が覚醒
言葉様モードになりました

・・・・あれ?キモウトキモ姉スレでこの展開はおkだっけ?

201:名無しさん@ピンキー
08/04/28 11:15:11 8Z1mN97h
キモいならおkなんじゃね

202:名無しさん@ピンキー
08/04/28 11:15:36 Nh2gBj03
その幼馴染が妹みたいなものだったら問題ないだろ

203:名無しさん@ピンキー
08/04/28 15:06:35 mJoYQTp7


204:名無しさん@ピンキー
08/04/28 15:08:19 4KBIhB2g


205:名無しさん@ピンキー
08/04/28 15:18:25 D+/38oCY
鶴光

206:名無しさん@ピンキー
08/04/28 19:46:01 9JGhTPQT


     絵師はまだか



207:名無しさん@ピンキー
08/04/28 20:00:32 mU3FlwNl
どこかの国でキモ父が娘を20年以上監禁してたそうだな。キモ姉妹ではないが
参考にはなりそうだ。何でも自宅地下に台所や風呂まである秘密の部屋を作って監禁
妻(監禁された人の母親)は、足下に娘が監禁されているのにずっと気付かなかったとか

208:名無しさん@ピンキー
08/04/28 20:00:37 Ddd8KsAl
絵師とかいらんだろ

209:ランボー
08/04/28 20:57:46 mJoYQTp7
>>198 を自分好みに変えてみた

「あーもうお前でいいや、結婚して」
裕也が家に遊びに来ていた幼馴染の美紀になんの前置きもなく少しイラついた声で
言った
「・・・・え・・・」
呆然となる美紀そんな美紀の様子に苦笑いをしながら裕也は
「実はな、麻子のことなんだけどな・・・・」
「麻子ちゃんがどうかしたの?」
首をかしげ美紀は聞いてきた、その美紀の仕草に裕也は萌えながら表面では冷静を
装って鼻をヒクヒクさせて萌と戦っていた
「・・あ・・・ああ、ちょっとな最近さあいつの様子が少しおかしいかなと思ってな、あいつ
いつもは乱暴なとこがあっただろそれがなんか最近はそんな所もなくなって少し大人しくなってな、
それに・・・」
「それに?」
「今までほとんどあいつとメールをしたことがなかったのに最近は1日最低は50通もメールが来てな
それが、あいつが高校に入学したときから急になんだ」
「それだけだと結婚とつながらないんだけど」
と少し不機嫌そうに美紀は言った、そんな様子の美紀に首をかしげながら裕也はここ最近の妹・麻子のの奇行について語りだした

210:ランボー
08/04/28 21:03:14 mJoYQTp7
D・Cの眞子みたいなお話 

ごめん間違えて修正前を投稿してしまった・・・

211:名無しさん@ピンキー
08/04/28 21:13:08 B3Z0vEmL
>>210
速やかに修正後を頼む

212:名無しさん@ピンキー
08/04/28 21:15:01 arDSLWhI
とりあえずsageようぜ

213:名無しさん@ピンキー
08/04/28 21:33:04 owjXPu7b
携帯で書いて投稿してたりして・・・>sageない理由

214:ランボー
08/04/28 22:13:43 mJoYQTp7
修正した


「あーもうお前でいいや、結婚して」
裕也が家に遊びに来ていた幼馴染の美紀になんの前置きもなく少しイラついた声で
投げ遣りに言った
「・・え・・・」
呆然となる美紀、そんな美紀の様子に苦笑いをしながら裕也は
「実はな、麻子のことなんだけどな・・・・」
「麻子ちゃんがどうかしたの?」
首をかしげ少し口を尖らせながら聞いてきた美紀の仕草に裕也は萌えてしまい表面では冷静を
装い、内面では激しく悶えながら鼻をヒクヒクさせて萌と戦っていた
「・・あ・・・ああ、ちょっとな最近さあいつの様子が少しおかしいかなと思ってな、あいつ
いつもは乱暴なとこがあっただろそれがなんか最近はそんな所もなくなって少し大人しくなってきてな、
それに・・・」
「それに?」
「今までほとんどあいつとメールをしたことがなかったのに最近は1日最低は50通もメールが来てな
それが、あいつが高校に入学したときから急になんだ」
朝~夜まで麻子と会わない時間、学校(お昼以外)・部活や友達と遊びに行っているときに
『いまなにしてるの?』
『今日の晩ご飯はカレーだよ^^)v』
『好きな人いるの?』
など、どーでもいいような世間話を1日50通も送ってくるのだ最初は麻子からメールが来たことがうれしくてメールを返していたのだが
最近はメールを返すのがだんだんめんどくさくなってきていた
「それだけだと結婚とつながらないんだけど」
と少し不機嫌そうに美紀は言った、そんな様子の美紀に首をかしげながら裕也はここ最近の妹・麻子のの奇行について語りだした
「実は・・・」




215:名無しさん@ピンキー
08/04/28 22:16:53 Ddd8KsAl
半年ROMれ

216:名無しさん@ピンキー
08/04/28 22:18:33 mU3FlwNl
そして半年が瞬く間に流れ去った

217:名無しさん@ピンキー
08/04/28 22:23:14 Ddd8KsAl
その半年の間に世界は核の炎に包まれた
海は枯れ地は裂け・・・ あらゆる生命体が絶滅したかに見えた・・・ だが、キモ姉は死滅していなかった!

218:名無しさん@ピンキー
08/04/28 22:27:45 TQAfjPZh
>>199
分かってらっしゃる、よし!書いてくれ!!

219:ランボー
08/04/28 22:28:33 mJoYQTp7
おお!そういうことか!今分かった、これから気を付けます、すみません・・・


半年ROMってきます


220:名無しさん@ピンキー
08/04/28 22:29:57 l/6Tyjgt
いやいや半年後じゃ困るw 即刻掲載してくれ

221: ◆a.WIk69zxM
08/04/28 22:40:24 unK66Evu
 
続けてですまないが、投下します。
非エロ。8レス予定。

222:__(仮) (1/8)
08/04/28 22:41:04 unK66Evu
 
 
 柊神奈の消息が知れなくなってから六日目の夜。辺りの繁みからはコオロギの鳴き声が響き、付近の民家からは
夕餉の匂いが漂ってくる公園内。
 園内に点在する街燈のひとつに照らされて、水無都冬真がその柱に背を預け立っていた。
 手には携帯電話。画面に映し出されるは、三十分程まえに送られたメール。萩原睦月に宛てられたものである。
 その内容は、自分がいま居るこの場所にて待つから、夜分に申し訳ないが来て欲しい、というもの。
できれば、いますぐ直接話したいことがあるから、と。

 そのメールを受け取った萩原睦月の頭の中に、まず思い浮かんだのは、話というのは柊先輩のことだろうか、という推測。
 ここ一週間近く、水無都冬真と萩原睦月が話すことといったら、ほぼそれともうひとつの話題のみであった。
 日が経つにつれ、萩原睦月も不安が募っていったが、柊神奈のことを話す水無都冬真は、それ以上に鬼気迫る雰囲気があった。
 それを萩原睦月は、柊神奈の身を案じているからだろうと察していたが、どこか腑に落ちないものも感じていた。
 確かに水無都冬真の口から出る言葉は、柊神奈を気遣うものばかりであるし、その態度が醸しだす空気も至って真剣であるが、
なにか別のものに気を取られているような印象も受けていたのだ。

 柊神奈の行方を調べるために、あれをしてみたら、これをしてみたらと彼女が提案しても、反応は鈍かったし、
自分が手伝いをすると言っても、まず萩原睦月自身の身を気をつけてという返答がくるばかりで、同意はされない。
 萩原睦月は、それを、水無都冬真も動揺しているし、自分が嫉妬して穿った見方をしている所為じゃないかと、自分の中で結論付け、
思い違いだろうと考えていた。

 そして、もうひとつの話題とは、水無都冬真に対する何者かの嫌がらせが、最近始まったこと。
 萩原睦月は水無都冬真から伝え聞いただけであるが、無言電話やいたずら電話に始まり、夜道にひとりで歩いていると
背後からつける足音がする、また歩道を通っていたら後ろから何者かに車道側へ突き飛ばされるなど、
悪戯にしてはかなり悪質なものもあったらしいとのこと。
 萩原睦月は、柊神奈の行方と同じくらい、いや、それ以上に、そのことについて心配していた。
柊神奈に続いて、水無都冬真にもなにかあったらと思うと、不安で碌に眠れない夜が続いていた。

 そんなことが、ほぼこの一週間でのふたりのやり取りだったため、そのメールを受け取ったとき、彼女がまず思ったのは、
柊神奈の行方が判ったのではないか、というものだった。
 次に思ったのが、水無都冬真に悪戯している人物の正体が判明したのではないか、ということ。
 それをなぜ、自分にメールでも電話でもなく、直接呼び出して伝えるのかまでは判らなかったが、どちらであっても、
きっと要らぬ心配、取り越し苦労という結果になったことを期待して、萩原睦月は水無都冬真に呼び出された場所まで急いで赴いた。


 公園の広場で佇む水無都冬真の元に駆け寄る萩原睦月。
「す、すみません。水無都先輩。お、お待たせしてしまいましたか」
 走ってきたためか、荒い呼吸を整えるよう、腰を折って上半身を前に傾けながら膝に手をつき、水無都冬真に声をかける。
「いやいや。こっちこそ、急に呼び出してごめんね。しかも、もう夜時分に。
 いくら夏とはいえ、この時間だともう暗いもんね」
 そう返して、萩原睦月が落ち着くまでゆっくりと待つ水無都冬真。
 その表情は非常に穏やかなものであり、優しげな視線を萩原睦月に送っていた。
(あれ―?)
 萩原睦月は、違和感に気づく。
 ここ最近、水無都冬真と会ったときに漂っていた雰囲気とは明らかに異なる。
 口調や態度こそそれほど従来とは違わなかったものの、確かになにかに焦っている空気は伝わってきていたのだ。
 最後に会ったのは、二日前の昼間。
 そのときの水無都冬真は、なにかに思いつめて、ひょっとしたら危ないことでもしでかすんじゃないかと
萩原睦月は心配したくらいだった。
 とすると、やっぱり、柊神奈の安全が確認されたのだろうか。
 萩原睦月は思う。
 

223:__(仮) (2/8)
08/04/28 22:44:23 unK66Evu
 
 それが判れば、なによりだという気持ちを込めて、萩原睦月は水無都冬真に切り出す。
「はぁ。すみません。落ち着きました。あの、それで、今日は、どうしたんですか。
 直接話したいことって? もしかして、柊先輩の行方が判ったんですか?」
「ん? あぁ、柊ちゃんね。うん。まだ、ちょっと判らないんだ。
 あれこれツテを頼ってはいるんだけどね」
「あ……、そうなんですか……」
 自分の予想が違ったことに、更なる疑問を覚える萩原睦月。
 では、なぜ水無都冬真の様子がそこまで変わっているのだろうか。なにか、心配事が解消されたからではないのだろうか。
「じゃ、じゃあ、あの、水無都さんに悪質な悪戯してくる人の正体が、判ったんですか?」
「ん? あ、ああ。そっちもまだ、だね。うん。ほら、俺ってば、女の娘にモテるからねー。
 いろいろなところで、逆恨みとかかっちゃってるかもしれないし。それに、もしかしたら、
 内気で無口でシャイなかわいい女の娘が、俺に想いを伝えられなくて、
 こんな捻じ曲がったアプローチをしてきてるのかもしれないし」
 水無都冬真は、いつものごとく軽口で返答する。
「み、水無都先輩! もう! その言葉、冗談で言ってるんだとは思いますけど、
 それにしても性質悪すぎますよ? 下手したら、水無都先輩の身の危険だって―!」
「ああ。うんそうだね。ところで、この話って、他に誰かにした?」
 萩原睦月の意見を半ば遮る形で受け取ると、逆に質問をする。
「え?」
「あ、ほら。誰かに嫌がらせを受けてるとか、あんまりいい風評じゃないからね。
 とくに秋巳とか椿ちゃんに伝わって、余計な心配をさせても、あれだし、ね」
「あ―!」
 水無都冬真のその言葉に、萩原睦月はしまったという様子で慌てて口に手を当てる仕種をする。
「ん? どうしたの?」
「あの……。すみません。もう、喋っちゃってます、椿に……」
 申し訳なさそうに首を垂れながら萩原睦月。
 そんな彼女に対し、水無都冬真は腕組をし「うーん」と唸ると、
「そっか。いや、別に俺も、誰某に言わないでとか伝えなかったしね。うん。
 まあ、伝わっちゃったんなら、いいよ。ごめん。気にしないで」
「あの、でも、なんで、私には?」
 萩原睦月は、そう疑問を投げかける。
 彼女の中で、自分だけには話してくれたという特別感とは全く逆の感情を抱きながら。
 そう。水無都冬真が自分に話したのは、おそらく自分が特別だから、ではない。
秋巳と椿が特別だから話さないのだろう、と萩原睦月は思ったのだ。
 そして、そんな心情を抱く自分を嫌悪した。

「萩原ちゃんは、吊り橋効果って知ってる?」
「え?」
 質問に応えず、問い返してくる水無都冬真に戸惑う萩原睦月。
「あの、どういう……?」
「緊張状態での興奮を、恋愛感情のドキドキと取り違えちゃうっていう話」
「あ、いえ、その文句自体は、聞いたことありますけど……」
「つまり、だ。危機感を共有した男女は、恋に落ちやすい、と」
「はあ?」
「あれ? ここまで言って、気づかない? 結構、萩原ちゃんって鈍いとこあるのね」
「え……?」
 萩原睦月は、刹那混乱する。
 なぜ、自分に嫌がらせを受けていることを話したのかという問いに、吊り橋効果の話を持ち出すのか。
 危機感の共有のため?
 それは、つまり―。
「あ―!」
 漸くその結論に行き着いた。それから、その意味を理解すると萩原睦月は頬を赤らめる。
 

224:名無しさん@ピンキー
08/04/28 22:47:32 88UHPPWD
支援

225:__(仮) (3/8)
08/04/28 22:47:36 unK66Evu
 
「みっ、水無都先輩っ!」
「あはは。気づいた?」
「もっ、もう、あたしをからかっているんですね!」
 半ば拗ねた声をあげる。
「いやいや」
「そ、それにもう……あたし、とっくに落ちてますけど?」
 怒った勢いのまま、自分の感情を素直に吐露する萩原睦月。
「いや、これまた、随分と直球だね。うん、でも、そうだね。いまさらだけど、最初が最初だしね、
 萩原ちゃんの気持ちはとっくに判ってたんだけどね」
「あたしだって、自分の気持ちがとっくに知られていることを知ってました!」
 意地になって言い返す。
「うん。いままで、はっきりしなくて悪かったけど、このごたごたが片付いたら、
 ちゃんと応えを出すから。どっちにしても、ね」
 萩原睦月の瞳に映る自分の顔を覗き込むように水無都冬真。
「あっ、いえ、そんな! だって、あたしの方こそ、自分のこと全然水無都先輩に判ってもらえてない状態で、
 そんな急かすようなことしたくないです。あたし、気は長いほうなんで」
 それこそ、自分は何年も水無都冬真のことを想ってきたのだから、という自負を込めて言う。
「うーん。でもね、判ってもらう必要があるのは、俺のほうかもね」
 そう寂しげな表情を浮かべて、水無都冬真は呟く。
「え?」
「萩原ちゃんが、俺にまだ自分のことを判ってもらえてないと思うのと同じくらい、
 俺も萩原ちゃんには、まだ自分のことを理解してもらえてないって思ってるしね」
「そんな……」
「ほら、よく恋愛で重要な要素である価値観とかさ。たとえば、萩原ちゃんは、
 自分の好きな人が自分を一番に想ってくれてなかったらどう思う?」
「それって、いきなり『あたしは二号さん』宣告ですか?」
 萩原睦月は、半眼で、じと、と水無都冬真を睨みつける。
「あはは。事は、そんなに単純じゃないんだけどね」
「ふーん! いいですよーだ! いまに、あたしが一番って言わせてみせますから!」
「あはは。羨ましいね。その性格。いや、ほんとに。心底」
 水無都冬真は、萩原睦月に微笑を向けながら思う。
(でもね。萩原ちゃん―)
 君は、如月椿か自分のどちらかを取れって訊かれたら、答えられるのかな―?
 
 
 
 街燈と周囲の家から洩れる照明の明かりのみの薄暗い公園内で、水無都冬真と萩原睦月がそんなやり取りをしている中、
暗がりに紛れるようにして近づいてくる足音に、ふたりは気づく。
 おそらく単に通りがかった人だろうと、萩原睦月はそちらにちらと視線を向ける。
 それに倣うかのごとく、同じ方に目線だけを向ける水無都冬真。
 近づいてくるに従って、街燈に足元から照らされる人影。そのライトアップの部分が胸にまで差し掛かったとき、
そちらから声が洩れる。
「こんばんは。水無都先輩。こんな時間に、女の娘とデートとは、随分といいご身分ですね?」
「え……?」
 萩原睦月の口から、驚愕の声が洩れる。
 聞いたことある声。それもよく。一番その声を聞いたのはどこであったろうか。そう、あの文化祭での演劇の舞台。
「宇津木、くん……?」
 まるで芝居の照明効果のごとく徐々に照らしあげられたその顔は。
 如月椿に告白し、水無都冬真が好きだからという理由で拒絶された、椿と萩原睦月のクラスメートである宇津木であった。
 
 
 
 
 
 

226:__(仮) (4/8)
08/04/28 22:51:00 unK66Evu
 
 
          *  *  *  *  *  
 
 
 
 水無都冬真と萩原睦月が夜の公園で邂逅しているのと、ほぼ同時刻。秋巳の家では、椿が夕食の支度を終えて、
秋巳とふたり食卓につき食事を始めようとしていたところであった。
「兄さん、それではいただきましょうか」
「うんそうだね。いただきます」
 ふたり向かい合って、食事の礼をする秋巳と椿。
「そういえば、兄さん、最近浮かない顔をしていますね。なにか心配事でも?」
 秋巳の気色を伺う仕種で、訊ねる椿。
 それは、もうこの一月で大分当たり前の光景になった食卓での兄妹ふたりの会話。家族の光景。
「う、うん。ちょっとね」
 秋巳は歯切れの悪い返事をする
「柊さんのことでしょうか?」
 椿は、兄の悩みの種を追求する。そこには、自分が取り除いてあげたいという思いが込められているのだろうか。
「え? あ、ああ、うん。それも、なんだけど、ね。椿はそのこと知っているの?」
「ええ。睦月から聞きました。睦月は、水無都さんが大分心配しているって言ってました」
「え、ん。あ、そうなんだ」
 少し挙動不審ぎみな秋巳の様子をじっと見詰める椿。
「兄さん、こんなときに、というか、さらに、兄さんの悩みを増やすようなことを言って申し訳ないのですが、
 私もちょっと心配事があるのです。柊さんのことに加えてさらに」
「え?」
「透夏さんのことです」
「透夏さん?」
「ええ。いま、透夏さん旅行に出かけているでしょう。予定だと明日戻ってくるみたいですけど、
 いま、連絡が取れないのです」
「透夏さんと?」
「はい。最初は、メールを送っても返ってこなかっただけなので、見落としてるのかな、
 くらいに思っていたのですが、柊さんの話を聞いて、ちょっと心配になって
 連絡を携帯に直接してみたのですが、繋がらないのです。何度かけても」
「ええっ? と、透夏さんまで音信不通になってるの?」
 初めて聞いたことに驚きの表情を浮かべる秋巳。
 それまで秋巳の気分を表すかのごとく、もそもそと動いていた箸が止まる。
「メールを何度送ってみても、返信は一向に返ってきません。それで、心配になって、
 伯父さんたちに連絡しようかどうか迷ってるんです。あまり、大ごとにするのもどうかと思いますし、
 もしかしたら、どこかで携帯をなくして、家にはちゃんと連絡を入れているかもしれませんけど」
「どのくらい連絡がとれないの?」
「最初に送ったメールは五日前ぐらいでしたけど、何度かけても連絡が取れなかったのは今日だけです。
 それより前は連絡してないので」
「そうか」
 そう頷くと、秋巳はなにかを考え込むように目を閉じ、しばし沈黙する。
「そう、だね。明日になっても連絡取れなかったら、ちょっと相談はしたほうがいいね。
 僕からも透夏さんに直接連絡をとってみるよ」
「ええ。お願いします」
 椿がそう返事をしたところで、居間のテーブルの上に置いてあった椿の携帯電話が着信を知らせる。
 もともとその機種に設定されているなんの色気もないピピピという呼出音が、居間から食卓へ響く。
「あら? もしかしたら、噂をすれば、とかですかね。きっと、
 携帯電話を宿に置きっ放しにしてたとかのオチかもしれません」
 椿は、そう言って席を立つと、リビングの卓の上へ向かう。
 椿が席を立つと同時に、着信音が鳴り止み、その回数からおそらくメールだろう考えながら、
椿は携帯電話を手にとり、確認する。
 

227:__(仮) (5/8)
08/04/28 22:53:16 unK66Evu
 
「兄さん―!」
 画面を見た椿が叫ぶような声で秋巳を呼ぶと、なにかあったのかと慌てて秋巳も椿の元へ向かい、彼女が見ている画面を確認する。
「ど、どうしたの!」
 椿の画面を見ると、送信者は、萩原睦月になっていた。
 その内容は。

『たすけてこうえんで』

 漢字変換もされず、おそらく途中で送信したであろうそれは、その内容も相まって明らかに萩原睦月の異常事態を示していた。
 秋巳は、椿の手から携帯を引っ手繰るようにして奪うと、すぐさま、萩原睦月をコールする。
『この携帯は電波が―』
 と、不通を告げるメッセージが流れるのみ。
「兄さん! 睦月が! 睦月が!」
 しゃがみ込んだ秋巳に縋りつき、その肩をがくがくと揺する椿。
「落ち着いて! 椿」
 秋巳はポケットから自分の携帯電話を取り出すと、水無都冬真にコールする。
 果たして返ってくるはずの呼出音は、期待を裏切られる。
『この携帯は電波が―』
(どういうことだ―!?)
 不測の事態なのか。
 秋巳の中に焦燥が湧き上がり、溢れ出す水のごとく心を浸食していく。
「兄さん? 水無都さんにも連絡が取れないんですか」
 不安をさらに積み上げた顔を見せる椿。
「あ、ああ。とにかく、公園に行ってみよう!」
 それしか手がかりはないのだから。
 秋巳はそう提案すると立ち上がり、椿の手を引きながら玄関へ向かう。
「で、でも、このあたりには、公園はいくつかありますよ。ど、どうするんですか?」
「全部回るしかないだろう」
 半ばやけ気味の声をあげると、秋巳と椿のふたりは家を出る。
 
 
 
 
 夜も大分回り、元々人口の多い街ではないが、さらに人通りの少なくなった住宅街を、秋巳と椿のふたりが疾走する。
 まだ昼間の熱気冷めやらぬ気温の中、噴出した汗により胸にへばりつくシャツの感触が、秋巳の焦りをなお一層増幅させる。
「兄さん、睦月に、睦月になにがあったんですか?」
 そんなことは秋巳に聞かれても当然判らないのだが、秋巳の後ろを走る椿は動揺しているためか、息切れ切れに秋巳に問う。
「いや。判らない。判らないけど、良くない予感がする」
「良くない予感って、睦月になにかあったってことですか? それに、水無都さんも」
「判らない! 判らないよ!」
 水無都冬真にも連絡が取れない。
 それがなにより秋巳を混乱させた。
 それからふたりは無言のまま、いちばん近い公園へと到着する。
 それほど広くない、子供の遊び場のための遊技場。明かりに乏しいこの暗闇の中でも、ほぼ一目で誰もいないと判るほどの。
 それでも、秋巳と椿のふたりは、周囲も含めてひととおりぐるぐる回り、呼びかけにも誰も応じないことを理解すると、
ここは違ったのであろうと悟る。
 

228:__(仮) (6/8)
08/04/28 22:55:30 unK66Evu
 
「ねえ、兄さん。ひょっとしたら、もう、睦月は公園にはいないんじゃ……」
「まだだ。まだ、ひとつしか回ってないだろう。そうだ、二手に―」
「いやっ!」
 二手に分かれて探そう。そう提案しようとした秋巳の言葉を遮り、悲鳴としかいえない声をあげて拒絶すると、
椿は秋巳の腕の裾を強く掴む。
「おねがいです。ひとりにしないで―!」
「つ、椿……」
 椿の見せた心からの叫びに、僅かに呆然とする秋巳。
 そして、これは違う、違うはずだと慌てて頭を振ると、椿に応える。
「判った。一緒に回ろう。でも、急がなきゃ。早く次のところへ」
「ええ……」
 力なく頷くと、椿は秋巳に付き従う。
 
 
 
 その後心当たりのある公園をすべて回ってみたが、水無都冬真はおろか、萩原睦月の影さえ見つけることは出来なかった。
「ねえ。兄さん。睦月、睦月の家に行ってみたら……」
 途方に暮れそうになった秋巳に対して、椿がそう提案する。
 その提案を受けて、秋巳の頭にもうひとつの行き先が思い浮かぶ。
 水無都冬真の住居。
「椿。萩原さんの家の場所は知っているの?」
「はい」
「ここから、どのくらい?」
「多分、走っても三十分ぐらいだと。でもタクシーを使えば……」
 いまいる辺りは住宅街のため、タクシーはそう通らない。捕まえるためには、一旦駅前まで出なければならないだろう。
 それを考えたら、あまり時間差はない。
「椿。萩原さんの家の番号は、知ってる?」
「え、ええ。携帯に入っているはずだけれど」
「じゃあ、萩原さんの家に連絡しながら、冬真の家に向かおう」
「水無都さん?」
「ああ。冬真はひとり暮しだから。家に電話を引いてない。だから、直接向かおうと思う。
 萩原さんのほうは、家族に訊けばいるかいないかは、判るはずだ」
「で、でも、どうして、水無都さんに」
「冬真にも連絡がつかない。おそらく、冬真なら、なにか知っているんじゃないかと思うんだ」
 ある種の確信を込めて、秋巳は椿に述べる。
「あまり考えている時間はない。急ごう! それと、萩原さんの家族には、いまの段階では、
 あまり心配させるようなことは言わないでおいて」
 もしかしたら、を考えている秋巳は、そう椿に念を押す。
 それから椿の手を引いて再び走り出す秋巳。その秋巳の後姿を見つめながら、椿はもう片方の手に握った携帯電話を開く。
 秋巳とはまた別のもしかしたら、を考えながら。
 
 
 
 

229:__(仮) (7/8)
08/04/28 22:58:48 unK66Evu
 
 
               *  *  *                  
 
 
 
「はあぁっ―! どういうことだ!?」
 秋巳は自宅の玄関口に凭れかかって、切れた息を整えながらずりずりとしゃがみ込む。
 結局、萩原睦月の家に本人はいない上、水無都冬真の住むアパートの電気も真っ暗であり、
呼び鈴を押しても誰も出ない状態であった。
 なすすべなく途方に暮れた秋巳たちは、いまさらのように交番に駆け込んだが、その反応は想像どおりであった。
 悪い意味で。
 メールが一通来たのみで、かつ本人に連絡がとれないだけだと、警察としては直接動きようがない。
 まず、友達同士の悪戯なんじゃないのという怪しい目で見られ。秋巳たちの真剣さを感じると、それから慌てて取り繕い、
勿論この街の公園を中心に周囲の警戒は強めるし、パトロールの数も増やす、と述べた。
 だが、それ以上の手はいまの段階では打ちようがない。なにかあったらすぐに連絡を欲しい。
 そう言って、秋巳と椿ふたりの連絡先その他情報を幾つか調べられただけで、直接的な進展はやはりなかった。
 まるで、死体でも出てきたら動いてやるよ、と言わんばかりに。
 それは、若干秋巳の穿った見方を含んでいたが、椿も似たような印象を抱いた。
 だからこそ、いの一番で警察に駆け込んでも無駄であるどころか、あれこれ調べ上げられて時間を浪費すると思ったから、
まず自分たちで探し回ったのだ。
 それでも、その場で、所轄署に対してすぐさまパトロールの増援依頼を出してくれたことを考えただけでも、
御の字だったのかもしれない。

 家の玄関前でへたれこむ秋巳と、その隣に幽鬼のごとくぼうっと立ち尽くす椿。
(そうだ―! 透夏さん)
 失望と困惑で染まった秋巳の中に思い浮かんだ人物。
 水無都冬真や柊神奈、萩原睦月と同様に連絡が取れなくなっている人。
 関係ないとは思ったが、こう立て続けに消息が判らなくなる事象から、もしかしたら、誰かに連絡がつけば連鎖的に
みんなの居場所が判明するんじゃないかと、なんの根拠もなしに夢想し、秋巳は携帯電話を取り出して呼び出す。
 果たして、携帯電話の向こうから聞こえる音は。
 今日三度目の繰り返し。
『この携帯は電波が届かないところ―』
(なんで―!)
 秋巳は力なくオンフックボタンを押すと、玄関脇の草むらにそれを放る。
 秋巳はいま自分たちを取り巻くこの現象に、頭がどうにかなりそうだった。
(なんなんだ! これは一体。どうしてこう誰も彼も消えてゆく―!)

「ねえ、兄さん」
 玄関の扉に背を預け尻餅をついている秋巳の前を塞ぐかの様子で、いつのまにか屹立している椿。
 その声は夜の帳が落ちた静かな街の空気の中に、染み入るように冷たく、それこそ夏の陽気に似合わず凛と低く冷たく響く。
 俯いたその表情は、玄関灯の逆光になり、よく伺えない。
「椿……?」
「ねえ。兄さん。皆いなくなってしまうんですね。私の前から」
「ど、どうしたの。椿!」
 慌てて立ち上がると、椿の肩を掴む。
「透夏さんも、睦月も、水無都さんも、それから、柊さんも。
 ねえ、皆、私の前からいなくなってしまうんですね。兄さんも、ですか?」
「な、なにを―」
 秋巳が抗議しようとしたその刹那。その一瞬。
「んっ―」
 秋巳の口を、椿が塞ぐ。その自身の唇を以って。
 それは、どのくらいの時間だったろうか。一瞬だったかもしれないし、一分だったかもしれないし、十分だったかもしれない。
 驚愕の感情が秋巳から時間の感覚を奪う。
 その口付けた部分から、椿の熱が吐息とともに秋巳に伝わる。まるで秋巳の心を焼き尽くすかのごとく。
 さらに、椿の汗の匂いと、やわらかな椿自身の匂いが、秋巳のそれと混じりあい、秋巳の世界を侵食する。
 秋巳は信じられなかった。いま、自分がなにをやっているのか。
 口付けをしている? 実の妹と? 
 

230:__(仮) (8/8)
08/04/28 23:01:47 unK66Evu
 
 秋巳は力任せに椿の肩を押し、無理矢理引き離す。
「椿、おまえは―っ!」
「ねえ。兄さん。兄さんもまた私を捨てるのですか。あのときのように」
 あのとき。
 父と母が相次いで亡くなり、悲しみに打ちひしがれた秋巳は、椿を捨てた。その存在を消した。
 その事実が秋巳の心に深く突き刺さる。いや、もともと秋巳の心の奥深くに突き刺さっていたのだ。
それがさらにぐりぐりと捻りこまれる。
 一生消えることのない杭を刺したまま塞がりつつあった傷口は、再びばっくりと開き、そこから血が溢れ出す。
「兄さん。私がただの妹だから、ですか。私が、単に如月秋巳の妹という存在に過ぎないから、ですか。
 だったら―。だったら、私は、あなたの親にも姉にも恋人にも親友にも妻にもなりましょう。
 だから、私を捨てないで。私は、あなたの望むものなんにでもなります。あなただけがいればいい。
 あなただけが欲しいのです。だから、あなたも私だけを受け入れて」
 そう言って、秋巳に再び飛びかかる形で接吻をする。
「やめ―っ!」
 秋巳が紡ごうとした言葉は、椿の口内に呑まれる。反抗は許さないとばかりに。
 それから、口を離すと、椿は双眸を細め、口の端を少しつり上げる。
「ふふ。ねえ。ほら。私は、あなたが失ってしまった全ての人間になります。
 だから、あなたも私の全てになって」
 それは微笑み。秋巳が初めて見る椿の微笑み。
 見るものが見れば、虜にされるであろうその笑顔。
 しかし、秋巳が感じたのは心の奥底からの恐怖であった。
 傍から見れば、椿はおかしくなってしまったのだろう、狂ってしまったのだろうと受け取れる。
 立て続けに、親戚が、親友が、幼馴染が行方知れずになり、その安否も判らない状態で、指数関数的に膨らんでいく不安に押しつぶされ。
かつての両親を失い兄に見捨てられたときの忌まわしい記憶と相乗効果を引き起こしてしまったのだろう。そう思える。
 秋巳が誰より肉親として愛している妹が、そうなってしまったら。それも、その素地を作り上げたのが他ならない自分であったのなら。
 秋巳は、一生かけても椿に尽くしたであろう。椿の望むままに。それが秋巳自身の幸せだと信じていたのだから。
 誰よりも愛していて、信じている妹なのだから。
 だが、秋巳にはもうひとつ信じている人があった。
 夕焼けの屋上での会話。真剣に射抜く眼差し。
 
 
 
 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・  ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ .・ ・ ・ ・
 お か し く な っ て し ま っ た の で は な く、 も と か ら そ う だ っ た と し た ら。
 
 
 
 だから、秋巳は言葉を紡ぐ。決定的な最後の一擲を。その言は、この上ない力を以って夏の夜空に吸い込まれる。
 
 
 
 
 
「椿。これが―! これが、椿の望んでいた結末なのか―!」
 
 
 
 
 
 
 


231: ◆a.WIk69zxM
08/04/28 23:02:42 unK66Evu
 
以上。投下終了です。
おそらく次ぐらいでラストです。

232:名無しさん@ピンキー
08/04/28 23:05:58 88UHPPWD
GJ!
次ぐらいでラストか…楽しみです

233:名無しさん@ピンキー
08/04/28 23:06:16 arDSLWhI
>>231
キモウト覚醒きたああああああああああああああああ!!超GJ!!

234:名無しさん@ピンキー
08/04/28 23:06:34 l/6Tyjgt
>>231
うおお、なんかドキドキする まさにクライマックス
椿にしてみれば「計(ry」なのだろうか

235:名無しさん@ピンキー
08/04/28 23:07:25 GmXIYyxh
>>231
GJ! 俺がこのスレを見始めた理由の作品が次でラストか・・・なんだか感慨深いと同時に寂しいぜ・・・
とにかく次回に期待してます

236:名無しさん@ピンキー
08/04/28 23:33:27 TcbQIvxa
椿がものすごくイィw
これはGJと言わざるを得ない。
ラストになるかもしれない続きにも期待

237:名無しさん@ピンキー
08/04/29 00:44:04 RwpaOC+e
常識ではラストに向けて一人、一人と着実に片付けるものだろうが、
まさか全員一斉に始末したのか?
予想外の展開ではあるが、突然編集者から打ち切りを宣告された漫画みたいだな。
作者さんも色々忙しいのだろうか。

238:名無しさん@ピンキー
08/04/29 01:44:34 oo22afgX
>>237
なるほど、そういう手法もあるのか。
と、では作者視点でもう一度見てみようと言ってみる。

>>231
GJ、陰ながら応援してるぞー。

239:ランボー1話
08/04/29 02:29:31 y6S8IblG
この後に投下しずらいが・・・
いきます


240:ランボー1話
08/04/29 02:41:15 y6S8IblG
214はプロローグ
ランボー1話
「実は・・・」

裕也には最近悩んでいることがある、それは妹の麻子のことだ、前までは兄を兄とも思わない
言動で裕也をいつも鬱にしていた麻子が高校入学以来なぜか乱暴さはなりを潜めて今
は、今までの分を取り戻すような懐きっぷりで少し疲れているためだった

入学式当日の夜
家でソファーに座りテレビを観ながらボーっとしていると、裕也の隣にピッタリとくっつ
くように座り兄の服の裾を掴み「私も一緒に観る」と言いテレビを観だした麻子に大きな
戸惑いを感じた、今まで麻子は裕也を避けるようにして離れて座っていた
一度ソファーで座ってテレビを観ていた麻子の一メートル位離れた場所に座ったらすぐに
別の場所に無言で移動し座り直したことがあった、その後思春期の娘を持つ父親の気持ち
が分かり自室で「俺まだ高一なのに・・・」と謎なことをつぶやきながら枕を涙で濡らし
たことがあった、そんなことを思い出した裕也は恐る恐る麻子に尋ねてみた

「なあ・・なんかあったのか?」
というと麻子は裕也の口元を見ながら顔を赤らめて
「なんでもない、この番組私も観たかったから」
と言うと
「本当に?」
「うん、いつも観てる」
「・・・・・釣り・・・好きだっけ?」
「・・え!?・・・う、うん少し、バス釣りは面白そうだね!」
「海でバスは釣れないと思うぞ」
「う、うるさい///」
真っ赤になって俯いてしまった、そんな麻子の自分に対する話し方と行動が大分変わった
様子に大きな戸惑いを感じて少し離れて座ろうとソファーの端に移ろうと移動するとすぐ
に麻子も同じように移動して先ほどと同じように座り直した、今度こそおかしいと感じ何
かあったのだと思いもう先程と一度同じ質問をしてみると
「当ててみてくださいに・い・さ・ん」
うれしそうに微笑みながら言う妹に少しドキッとさせられそれを誤魔化すように少し大きな声で
「わ、分からん」
そんな兄の様子に嬉しそうに微笑みながら答えを言おうとすると



241:ランボー1話
08/04/29 02:48:49 y6S8IblG
ピピピピピピピピピピピピ
と携帯の着信音が鳴った、裕也はビクッとすると慌てて通話ボタンを押し電話に出た
答えを言えなかった麻子は不満そうな顔をしたが兄が話しやすいようにチャンネルを取る
と音量を下げた

「もしもし?」
『私だよー』
「ん?美紀か、どうした?」
『んーとね明日暇?』
「何だ突然に」
『まあまあ、いいじゃないで、どうなの』
「まあ暇と言えば暇だな」
『じゃあ一緒に明日ショッピング行かない?』
「・・・荷物持ちとウインドウショッピングなら行かないぞ」
『幼馴染の頼みを聞いてくれないと勉強見てあげないぞ♪』
「くっ!・・分かったよ、行きましょうお嬢様」
『ウフフフフじゃ明日駅前で10時ね、よろしくじゃあ明日ね♪』
「10時ね分かった」
ピッ

フウとため息をつきソファーにもたれてテレビを観ていると
「・・・美紀さん?」
隣からものすごいオーラが出ている気配と声で妹が話しかけてきた、その声の重さにビクッ
となり恐る恐る妹の方を見ると笑顔で不自然なほどにニコニコ笑っている妹がいた
「は、はい!」
恐怖に声を上ずらせて答える
「デートですか・・・」
「い、いや荷物持ちをしてくれって言われたんだよねい、いやーマイッチングーよね?」
と最近の流行のネタで妹の顔を笑顔にしようとがんばってみるが、当然だめだったようで
妹は無表情でそうですかと言うと立ち上がり自室に入っていった、そのときチラッと見え
た妹の横顔は今まで見たこともないような怒りに満ちた表情だった

リビングにはハアーとため息をつく少年と
「江原さん・・」
という馬鹿な言葉が残された

何かいやな予感がしてもう一度今度は深くため息をつく裕也だった









242:ランボー
08/04/29 02:54:55 y6S8IblG
タイトルに深い意味はない映画で公開するようだからこんなタイトルになった

243:名無しさん@ピンキー
08/04/29 03:25:27 wR/3CiYm
一応投下終了なのか?GJといいたいが、微妙だな。

244:ランボー
08/04/29 03:55:41 y6S8IblG
ごめん・・これはスルーして下さい 

自分には才能がないことが分かった


           い い 経 験 だ た

245:名無しさん@ピンキー
08/04/29 04:07:54 np8H6d1A
最初に誤爆した時点で気づけよ

246:名無しさん@ピンキー
08/04/29 08:45:18 zJlFdYAm
才能など問題ではない。重要なのは、
「投下しない大天才より投下する凡人たれ」
これだけだ。

247:199
08/04/29 09:40:01 h1fU7f64
いろいろと妄想がにじみ出てきたので俺も198-199で話し書いてみた
長文投下も地の文も慣れてないから見苦しいところもあるだろうけど
生ぬるい目で見守ってくれるとありがたい。
ちなみに何レス使うかはわからないが多分3レスで収まると思う。
そんなわけで投下

248:名無しさん@ピンキー
08/04/29 09:40:35 h1fU7f64
「ごめんなさい。私・・・焼きそば屋の娘として焼きそばにマヨネーズまでは許せても、
 あなたみたいにマヨネーズとさらにケチャップをかけるような人は許せないから。
 だから・・・だから、ごめんなさい!」
「待って! マヨネーズだけでも美味しいけどケチャップをかけることでさらに美味しいから!
 まっ・・・お、美味しいからー!」
俺の必死の呼びかけにも彼女は振り返ることもなく、こうしてまた一つ俺の苦い青春の1ページが追加された

「というお話だったのサ。何で彼女の前で焼きそば食べてないのにそれを知ってたかは謎だけど」
落ち込んでいた俺を見かねて慰めに来てくれた幼馴染に説明すること約20分。
ついこの間出来た心の傷を自分から説明する羽目になり心が痛かったです。
「良伸もあたしもいつも食べ物関連で振られるねぇ~。
 そんなに食べ物の好みは悪くないと思うんだけど。まぁこういうときには自棄食いしますか」
そういうと幼馴染の町子はコンビニ袋からおもむろにおにぎりを取り出した。
きっとこうなることを見越して買っておいたのだろう。
「すまないね。振られるたびに慰めてもらっておまえと姉ちゃんには頭が上がらないよ」
「いいっていいって、あたしと良伸の仲じゃないの。ほんじゃまいただきまーす」
さすがに4回も5回もこんなことになってるとなれた物で
あからさまに同情しない町子の姿勢におもいやりを感じるとともにありがたい気持ちでいっぱいになる。
「ハムッ ハフハフ、ハフッ!!」
ありがたい気持ちがあふれはするがやはりこいつの食べ方はどこかおかしい気がする。
いやうまそうに飯を食うのは確かだがなんかこう・・・心の狭い男には受け入れてもらえないだろうと思う。

「しかしあれだね、お互い異性運ってもんがないねお互い顔はまぁまぁそこそこはいいと思うんだけど」
3つ4つおにぎりを食べ終えたあたりで唐突に町子が言い出した。
そういえばこいつも今まで彼氏が出来た例がなかったな
「そうだよな。俺たちそんな顔は悪くないよな・・・そこまで俺たちの食事って致命的なのか?」
「そんなことはないと思うけどねえ、でもあたしはこの食べ方直さないと彼氏も出来そうにないなぁ」
たしかに一般受けするような食べ方でもないけど変えようとして変えられるものなのだろうか?
「食いあわせは変えられるかもしれないけど変えたくはないよな。でも変えないと恋人も出来そうにないのか。むむむ
 あーもうお前でいいや、結婚して」
言い終わるとほぼ同時に町子の口からライスシャワーがバフゥッ! と噴射。
結婚とかけてこんな体を張ったギャグとはとんだサービス精神だ
「いきなり何言い出すの!? 振られすぎて頭がかわいそうになっちゃったの!?」
「何を失礼な。気心も知れてるし俺はあんま食い方気にならないしこれは双方にいいのではないだろうか
 と思っての発言だ。姉ちゃんも町子と仲いいだろ? 俺も割と町子のことも好きだしな」
顔を赤くした町子もなかなかいい顔してると思うし。と続けるとさらに赤くなったこれは脈ありなのではなかろうか
「と、とにかくいきなり言われても困るから一旦保留! しばらく考えてから答えだすからまってて!」
そういうと町子はそそくさと自宅へと帰っていった。いい答えが返ってくるといいが。


249:妄想のごった煮
08/04/29 09:41:38 h1fU7f64
※ ※ ※

ついにこの時が来てしまったしまった、としか言いようがない。
私と二人いつまでも幸福に過ごせるように育て守ってきた弟を我が物にする上で一番の障害になるだろう
良伸の、そして私の幼馴染の町子がついに良伸とくっつきそうになってしまった。
いつか来るだろうとは思っていたがまさか良伸のほうから告白を飛ばしてプロポーズするとは思いもしなかった。
非常時のためにカメラと盗聴器を仕掛けておかなければ手遅れになるまで気付かなかっただろう。危ない危ない
男言葉の姉でも受け入れてくれた良伸、悲しいときには慰めてくれた良伸、
鎖骨のラインがセクシーな良伸、性に目覚めた頃に仕掛けた私の下着で自慰行為を覚えた良伸、
はぁ、はぁ、良伸可愛いよ良伸・・・おっとついトリップしてしまった。
とにかくそろそろ既成事実を作ってもいい頃合だろう。早速あれを準備せねば

※ ※ ※

姉ちゃんも落ち込んだ俺を気にかけていてくれたようで「いい物を見せてやるから付いて来い」と言われ、
姉ちゃんの厚意を無碍にする気もない俺は誘われるままホイホイ姉ちゃんの部屋について行っちゃったのだ。
「この布をかぶせてある物体だ。きっと驚くだろうから心の準備をしてから布をめくってくれ」
そういった姉ちゃんの先には布がかぶせてある70~80cmくらいの物体が床においてある。
「いったいなんなのさ姉ちゃん、なんか振られただけなのにこんな大掛かりな物まで用意して。
 なんかの記念日でもないし、なにか姉ちゃんにも有ったの?」
「私には特に何もなかったさ、むしろこれからあるというかなんというか。とにかく早く布をめくってくれ」
待ちきれないかのような姉ちゃんの急かすような物言いに押され布をめくり何があるのかを見ると、

それは 玩具と言うにはあまりにも大きすぎた
大きく 醜く 重く そして毛深すぎた
それはまさにファービーだった

姉ちゃんこれは? と問う間もなくファービーが光を放ちそのまま俺は意識を 手放 し た  。


250:妄想のごった煮
08/04/29 09:42:29 h1fU7f64
※ ※ ※

気が付いたときには俺は姉ちゃんに覆いかぶさり腰を振っていた。
俺の動きに合わせて姉ちゃんのだらしなくもけしからん大きな胸がゆさりゆさりと揺れる。
驚きのあまり動きを止めた俺に気付いたのか姉ちゃんがすがるような目で俺を見つめる。
「良伸? 正気に戻ってくれたのか、良伸?」
「姉ちゃん、なんでこんなことに・・・?」
「珍しい物を見せれば元気になるとおもって大型ファービーを見せたら、
 良伸が『ナデナデシテー』と言ってきて、つらいことがあったんだから甘えさせてあげようと思い
 近づいたら良伸が無理矢理私の初めてを・・・!」
言われて結合部をみるとそこには慎ましく黒い草原を携えた秘裂が
俺の聞かん棒によって押し広げられている光景に目を奪われた。
1分少々じっくりと眺めたあとに本来の目的を思い出し注意深くみると
確かに血液だと思われる赤い物がこびりついている。
「今の話・・・本当 なの?」
声に気付き目を向けるとそこには驚愕に顔を染めた町子がいた。
「プロポーズしておいてその日のうちにお姉さんを襲うなんて・・・」
何が起こっているか把握し切れていない俺には
そう呟き走り去っていく町子を呆然と見ることしか出来なかった・・・。

※ ※ ※

・・・何とか万事うまく行ったな。
今私の横では茫然自失といった様子の良伸が横になっている。
射精までは導けてはいない物の一応抱かれることと呼び出した町子にその場面を見せ付けることには成功した。
精神的にも追い詰められている状態だろうから
今日使った洗脳ファービーを利用すれば私に依存させることが出来るだろう。
今まで良伸といい感じになった女性に嫌いになりそうな情報を流した甲斐があったというものだ。
とりあえずこれからは邪魔者が出ることもないだろうから洗脳ファービーを作ってくれた礼を母にしつつ、
一歩ずつ確実に理想の幸福な未来に近づけて行こうじゃないか。まずは町子へのフォローからだな
「これからしばらくは大変だろうけど二人で協力し合って幸せになろうな。良伸」
口の中で呟き、これからの生活に思いをはせつつ良伸と一緒に眠ることの出来る幸福をかみ締めることにした。

251:妄想のごった煮
08/04/29 09:44:19 h1fU7f64
投下終了
地の文書くの難しすぎる

252:名無しさん@ピンキー
08/04/29 09:50:50 AMZ9hwV6
正気に戻れ

253:名無しさん@ピンキー
08/04/29 09:52:50 wR/3CiYm
なぜか分からんが、続きが見たいという気持ちが出てきた。いや、これはこれで終わりなんだけどなんだかな…まぁとりあえずGJ!

254:名無しさん@ピンキー
08/04/29 11:29:49 oo22afgX
>>GJ
でも、ありなの?それありなの?
催眠ファービーって_| ̄|○
吹いた自分を悔やむ今日このごろ。

255:貴方だけを愛し続けます ◆PsPjd8yE3E
08/04/29 11:36:47 oo22afgX
投稿予告ー。

256:貴方だけを愛し続けます ◆PsPjd8yE3E
08/04/29 11:37:18 oo22afgX

[kai side]

俺はいつもどおり起きて、いつもどおり朝食を食べて、
雪にせっつかれながら学校の用意を済まして、
雪特製の弁当を持たされて、学校へと駆け出した。
もちろんのことチャリ通学だ。

それでも、着いたのは朝の7時半。出欠確認の8時半にはには早過ぎる。

まぁ、だけど俺は生徒会の手伝いもあるかもしれないのでいいか。

「や、おはよう」
「ああ、お早うっす。会長仕事無いっすか」
「うーん、残念ながら無いねー。
 ただ放課後手伝ってくれるかい?」
「あー、じゃほかの役員も・・・」
「いや、構わんよ。私と君二人で充分だ」
「あ、そっすか」

先週みたいに、またいきなり
『すまんな、明日の朝会まで進行のを仕上げなくちゃいかなくなった』
とか会長に言われるのかと思ったが・・・。

一応言っておこう、別に役員が無能ではないのだ。むしろ有能といっても過言じゃない。
かといって、彼らの出席は芳しくなかったりする。

部活だの勉学だの恋愛だの資格取得だの、と皆々が多忙なため、
ハプニングが起きると、絶対的に労働力が間に合わないという事に成りかねないのだ。
そこで暇人たる魁や魁の現れる日だけ手伝い気分で来る雪に、白羽の矢が立ったのだ。

僕は密かに置いた私物であるコーヒーメーカーの電源を入れると、パソコンを立ち上げた。

「しかし、君もよくやるよね」
「何がっすか?」

「いや、普通学校にPC持ってきて、
 しかも学内のLANにつなげるやつなんていないよ」
「うるせー、だってしょうがねー。うちの妹が・・・」
「理由になってないよ、それ」

修羅場総合SSへの原稿を読み返しながらコーヒーをすする俺。
しかも、と頭に手を当てて会長はこういった。

「いつもいつも君は理由に妹さんが付くんだな」
「ああ?俺がシスコンだってか?」
「超一流のな、それじゃ互いに兄離れ、妹離れ出来んぞ?」
「まぁ、そうだ、な」

257:貴方だけを愛し続けます ◆PsPjd8yE3E
08/04/29 11:37:59 oo22afgX



[Yuki side]



私の朝の日課。

その一つは、母さん、お義父さん、兄さん、私の四人分の朝ごはんを作る。
そして食器を洗って片付けること。

母さん達は起きるのが私と同じ位なのに、
食べて身支度を揃えたら「悪いわね、家事押し付けちゃって」
とばつが悪そうに仕事に出ていく。



いいんだよ、母さん。

私は、兄さんに相応しくなるためにやってるんだから。



私に言い寄ってくる人はいる。けれど兄に比べたら屑そのものだ。
私が欲するのは、容姿が整った人でも、秀才な人でも、肩書きがすごい人でもない。



              本当の優しい人。



兄のように幾度となく、私が幼少の頃に手を差し出してくれる人はいるだろうか?
否。絶対に面倒臭がって、もしくは思い通りにならない義妹に愛想を尽かすだろう。
裏を返せば兄はしつこい人でもある。が兄を動かすのは純粋な優しさを持っての行動だ。
母よりも長い時間を、お義父さんよりも濃い密度で接していた私がよく知っている。

それに私を想い、助けの手を差し伸べる人はいないし、いなかった。
大体思春期の後半から抜けきった男子は、私を厭らしい眼つきで見るのを感じることがある。
そういう、奴ばかりなのだ。だから恋愛感情を抱くこともなかった。
だというのに、残念ながら兄がそのような眼つきで見てくれることはないのだ。
ただ私としては高校生となってから、お風呂上りのバスタオル姿で偶然見て、
慌てて眼をそらしたことがあった。でも、チラッと目先だけを戻してましたよね、兄さん。

脈がないわけじゃない、そう思うとすごく燃えてきた。


258:貴方だけを愛し続けます ◆PsPjd8yE3E
08/04/29 11:38:46 oo22afgX



結論、兄以外に恋を体験したことはないのだ。



うむ、しかし、やはり兄さんの良さに言い切るには無限の時間が必要だ。

閑話休題。

私と兄さんには、暗黙の了解がある。
兄さんが6時半になっても起きなかったら、起こす。
いつのまにかどちらともなく決まったルール。
置時計をせわしなく交差させる私。

「お早う」


残念ながらも今日は兄さんの寝顔を拝見できなかった。
昨日の朝、兄さんおベットから一日が始まったことを考えれば、
贅沢かもしれない。でも、できるならば毎日眺めていたい。

兄さんが私の料理を食べ終わるのを、私は頬杖をかいて見つめる。
私はとっくに朝食を済ましており、兄さんが食べ終わるまでやることはないからだ。

最初のころは恥ずかしがっていた兄さんだけど、
いまではテレビを見ながら、のん気にご飯を食べている。

「しかし、妹よ」
「何、兄さん」
「兄の食べる姿を見るなんて物好きだな、お前も」

まったくわかってないんだから。
片手を腰に挙げて、メッと言うように仁王立ちした。

「・・・いーい?女にとって自分が作った食事を、美味しく食べてもらうの嬉しいんだから」

最愛の人ならばなおさらね。

「はぁ、ったくお前は残存するやまとなでしこか?」

最後の一口を頬張り、ごちそうさまと手を合わせた。  兄さんは朴念仁だ。



でも、そのおかげで未だ彼女がいない。
優しさゆえに時たま人を惹きつける何かを持ってる。
なんて妄想を抱いてしまうのが私だ。





259:貴方だけを愛し続けます ◆PsPjd8yE3E
08/04/29 11:39:27 oo22afgX
もっともその感情が恋心に変わらないように、
一つ一つ毟り取っていったのが事実だけど。



兄さんに近づく雌犬はなんびとたりとも許しません。



そのあと私は兄さんを急かして、さっさと学校に送り出す。
本当は、一緒に通いたいのだけれども、兄さんのベットで寝転がる。
その魅力には、私は耐えられないのだ。兄さんの胸板に頬ずりするのが昨日とは思えない。
だけど、それは真実で、

「今度は、最初から一緒に眠りたいな」

私は三十分位堪能した後、疼く体をシャワーを浴びてさっさと学校へと向かった。



兄さんが通う生徒会には、あの汚らわしい雌がいる。
本当は止めたいのだけども、兄さんが進路のためと言うと断れないのが現状だ。
しかしあの雌以外まともに活動を行ってないらしく、兄さんと雌二人。

これではいけないと、私も兄さんが穢れないために、動き出した。
兄さんが朴念仁なおかげで、兄が通い始めた半年前から進展という進展は無い。

気づいたときに、手遅れだったなんてオチがなくてよかった。
だけどあの雌は兄さんに時折粘ついた視線を向ける。
私には、わかる。あの雌が、描いている汚[きたな]らしい想像を。

私が思い描く兄さんとの素晴らしい日々を壊す、その夢を。


絶対に、兄さんを渡してなるものか。



投稿終わりー、お疲れ様ー。

260:198
08/04/29 11:46:27 n5d6nwov
>>251
まさか本当に書いてくれるなんて…

いや、嬉しいもんですね、ありがとう結婚しt(ry

>>259
うおおゾクゾクしました実にGJ

261:名無しさん@ピンキー
08/04/29 16:21:15 TvTlLj+h
URLリンク(sankei.jp.msn.com)

262:名無しさん@ピンキー
08/04/29 16:31:43 JAXYCj+y
無事であってくれ・・・

263:名無しさん@ピンキー
08/04/29 17:18:42 vI3/aWtL
>>251
洗脳ファービーテラ吹いたwwwww
>>259
世話好きで初恋の相手が兄… いいなぁ
こっからキモ展開にするには……やっぱSATSUGAIなのかなぁ キモウトって難しい

264:名無しさん@ピンキー
08/04/29 18:59:54 JI5inxaN
キモウトに『お前ならいいお婿さんになれるよ』って言いたい

265:名無しさん@ピンキー
08/04/29 21:29:01 pPMbYx7e
>>264
キモ弟か!!
い、いや嘘、嘘だよ!
だからそんなもの俺に向けるん

266:名無しさん@ピンキー
08/04/29 22:16:53 FbSVJH5Z
>>259
兄と一緒の登校を犠牲にしてまでのベッドかw
こういうのいいねぇ。GJ!

267:名無しさん@ピンキー
08/04/30 20:55:19 64YWnyxp
>>262
だめだったらしい・・・

268:名無しさん@ピンキー
08/05/01 04:05:13 7Pwbiol6
本当に?それだと、残った弟がマジで可哀想だな…

269:名無しさん@ピンキー
08/05/01 05:11:55 L3azUChz
姉が10000ゴールド
妹が10000ゴールド
キモ姉が1000000ゴールド
キモウトが1000000ゴールド
で売られています。どうしますか?
持ち金1000ゴールド、持ち物やくそう、ひのきのぼう、毒消し草
誰かを買うと他は買えません

270:名無しさん@ピンキー
08/05/01 05:32:40 TXW7YfdN
ころしてでもうばいとる

271:名無しさん@ピンキー
08/05/01 05:39:16 Qtz4oWiM
>>269
もちろんキモ姉を1つ……あれこんな時間に誰だろう
ちょっと見てくるわ

272:名無しさん@ピンキー
08/05/01 06:59:54 7Pwbiol6
キモウトを1人お願i…

どうした姉貴?嘘だよ嘘。だからそんなものむけるなうわやめろなにをs

273:名無しさん@ピンキー
08/05/01 07:24:20 J3V1WISz
お前ら馬鹿だなwww
キモ姉、キモウトは買うもんじゃない。
自らの手で育てるもんだろ?もちろんうちはそうだったよな、姉ち

274:名無しさん@ピンキー
08/05/01 07:38:24 WMYp3KlH
>>269
っておい買う買わないの前に金たりないじゃないかw

275:名無しさん@ピンキー
08/05/01 08:54:14 ZEyA2ntL
>>274
自分の体があるじゃないか。





ナ、ナニヲスルー!

276:sage
08/05/01 09:56:40 +BtKX+uE
これは頓知なのかと思ってずっと考えている俺がいたんだが・・・
なるほどヒントが上にあった。
体を売れば、売られる側にはなるがある意味すべての姉妹を手に入れられるじゃないか

277:名無しさん@ピンキー
08/05/01 10:10:04 zgbo6GFk
ひのきの棒をキモ姉とキモウトに渡せば店主を殴り殺して俺の元に来てくれるはず!

278:名無しさん@ピンキー
08/05/01 10:16:22 WMYp3KlH
そしてそのヒノキの棒をつかって主人公をめぐって殴りあい殺し合いが起こるわけか・・・

279:名無しさん@ピンキー
08/05/01 10:36:34 IipdQK7T
キモウト・キモ姉なら愛しの兄を見つけた時点で自分の値札に小数点やらマイナスをつけたりして、なんとしてでも兄に買わせて他の姉やら妹を買わせないようにするだろ
そして残された姉妹もキモ化して兄を追いかけると……

280:名無しさん@ピンキー
08/05/01 12:18:51 7Pwbiol6
キモウトに一票

281:名無しさん@ピンキー
08/05/01 16:19:51 aC68dNoy
>>269
俺が店主に身売りします

282:名無しさん@ピンキー
08/05/01 16:31:25 YuF3roIV
しかし、このスレ向けの小説は難しいな。キモ姉&キモウトという題材で物語を展開しなくちゃいかんわけであって
ヤンデレとはまた違う難しさを感じる。


283:名無しさん@ピンキー
08/05/01 16:38:02 7Pwbiol6
病んでる標的をキモ姉かキモウトにすれば良いのでは?

284:名無しさん@ピンキー
08/05/01 17:07:46 t+NnFkHQ
>>282
確かにそうだね。結局ヤンデレが他にいても、
キモウト(orキモ姉)へと都合の良い終わらせ方しないといけないし。

>>238
つまり、じわりじわりとキモ化していくのか?

285:名無しさん@ピンキー
08/05/01 17:08:35 t+NnFkHQ
誤字。
>>238ではなく>>283でした。すまん。

286:名無しさん@ピンキー
08/05/01 17:26:19 7Pwbiol6
つまり最初はツンデレだが後々からヤンデレ化するということか?

287:名無しさん@ピンキー
08/05/01 19:19:39 QA9U89OI
単純にヤンデレ+近親と考えると、ものすごく守備範囲狭いですよね。
というか、書いてもただのブラコン妹にしかならなくて…妹スレでもに引っ越すべきなのか…

288:名無しさん@ピンキー
08/05/01 19:26:06 Cq8PTFqw
ブラコン妹の場合は、「お兄ちゃんが~してくれないなら死んでやる!」
と言わせてリスカ属性を付けるとキモ化します
もしくは、「お兄ちゃんに近寄るな!」とか言う時に刃物とか投げさせるとキモ化します
嫉妬=ツンデレ
嫉妬+殺意=ヤンデレorキモ姉妹
と個人的には

289:名無しさん@ピンキー
08/05/01 19:39:29 Ch81smni
考えるな、感じるんだ

290:名無しさん@ピンキー
08/05/01 21:37:23 q1NF/SIs
ヤンデレにしてもそうだが、別に刃傷沙汰にする必要はないんだがな
むしろ策略を使う方が萌える

291:名無しさん@ピンキー
08/05/01 21:39:27 t+NnFkHQ
>>290
そこは作者さんの好みと腕だが、絶対物理的な行動の方が楽だよ。

292:名無しさん@ピンキー
08/05/01 21:43:30 q1NF/SIs
そりゃ刃物ぶん回す話の方が書くのは楽さ
キモウトが他のヒロインを策謀で追い落としていくSSを書けって言われても書けんわw

293:名無しさん@ピンキー
08/05/01 22:04:22 LdhbpfFy
キモウト>キモ姉 年上のお姉さん(人妻)>キモ姉
キモウト=年上のお姉さん、ということで妹と年上のお姉さんは最高だと思うのだがどうだろう?
年上のお姉さんな妹+ヤンデレな小説はないだろうか?

294:名無しさん@ピンキー
08/05/01 22:05:23 U36DYAlG
とりあえず、デレてくれたらそれでいいです

295:名無しさん@ピンキー
08/05/01 22:19:36 t+NnFkHQ
>>292
いや、ヤンデレ保存庫にある[ひじりクライシス]みたいに
誰か駒になりそうな奴に泥棒猫を回させるとか(怖っ。

296:名無しさん@ピンキー
08/05/01 22:23:44 8ouGr4ev
>>293
おまいが姉萌えじゃあないってのはわかった。

297:名無しさん@ピンキー
08/05/01 22:25:48 TkK2nOZj
>>295
回すというと、帯を引っ張って「あぁれぇぇ」とか言わせる
今や幻の伝統芸ですか?

298:名無しさん@ピンキー ◆PsPjd8yE3E
08/05/01 22:36:12 t+NnFkHQ
>>297

つまりは、こういうことですっ!!!


「ち、違うんだ。や、やつは」
「何、やってるんですか?」

手に包丁を持った彼の妹は羅刹女の形相でやってきた。

「あなた、私と兄さんの邪魔をするんですね」
「い、いや、でもそのさ・・・」
「あんな雌豚、汚い性器を入れられて穢れた精子と受精すればいいんです」
「おい、そんなことっ!!」

ひやりと、僕の首筋に当てられれる銀色。
おそらく・・・確実に包丁だ。

「邪魔するなら誰だって一緒です」
「お、おい、待て」
「や、やめてくれぇっぇ!!!!!!!」

彼の咆哮は裏路地の風に吹かれ、誰にも届かずに熔けていった。
数日後、兄の友人がとある裏路地で見つかったらしい。
未だ犯人の証拠も掴めず、警察もやっきになっているとのこと。
私は兄さんを慰めようと、聖母のように兄を抱擁した。
極上に甘く暖かい時間であった。彼女は後にこう呟く。

「あら、あんな男にも役に立ったじゃない」と。

299:名無しさん@ピンキー ◆PsPjd8yE3E
08/05/01 22:38:40 t+NnFkHQ
>>297

プロットもなしに書いたから、よくわかんなくなった。
登場人物の整理。
彼=キモウトの兄
彼女=キモウト
友人または彼=兄の友人

彼と友人がごっちゃになってるけど、気にせんといて。
あとこれはSSじゃなくて、即興ネタなので気にしないで~。

300:変名おじさん ◆lnx8.6adM2
08/05/02 01:13:25 KEqrgyse
↑の方、お疲れ様です

今回の投下物ですが、一応は前スレで希望して頂ける方がいらっしゃった「妹-I-妹」の続き? です
ので、一応はそちらを事前にお読みいただくといいかもしれません
作者でさえ口調とか設定を完全に忘れていたので

では投下

301:Ⅱ 妹-Ⅰ-妹 Ⅱ
08/05/02 01:15:22 KEqrgyse
厚く敷かれた暗闇に、くぐもった呻き声が響く。
同時に、何か重たいものがもがく音が硬い床の上を伝った。

「「やっと目が覚めましたか」」

暗幕を垂らしたような視界。
一寸の先に闇がある廃工場の中、
錆びたドラム缶の山に腰掛けて暇を殺していた深高(みたか)家の姉妹、
深高 射空(いそら)と深高 断海(たつみ)は、待ち侘びた時間の到来にそう感想を漏らした。
互いに目配せもせず、同時に掛けていた山の中段から降りる。
平均より頭半個分も低い身長を反映した音が鳴り、夜気に流れた黒髪が肩口へ戻った。
寸分の狂いもなく同じタイミングの着地。
曲げた体を伸ばす時、そしてその姿さえ鏡に映したかのように同一。
呼吸を一つ。そうして、姉妹二人、濃く空間に満ちる闇の奥へと歩き出した。

「具合は如何(どう)でしたか? 先輩」
「気分は如何(いかが)ですか? 先輩」

吐息ほどの音もなく静かに、横並び、中心に線を引けば対象になるように歩む。
闇と同色の瞳にそれ以外の色彩が宿るまでに十秒近く。かけた声に、驚きの気配が返された。

「んん゛っ!? ん゛んんんんんん゛ーー!?」

不明瞭ながらも切迫の響きを含んだ叫びに、ドスドスと重いものが跳ねる音が重なる。
射空と断海は、更に床の上に転がされている物体へと歩み寄った。

「元気がいいですね。そんなに慌てなくても、すぐに外して上げます」
「活きがいいですね。そんなに暴れなくても、すぐに外して上げます」

一歩の距離まで近付いて、漸くその姿が明瞭になる。
深い漆黒が降りる真夜中の廃工場の床に、制服姿の女性が縄で縛られて転がっていた。
口には、通気のための穴を開けた球体を噛まされている。
射空と断海が唾液に塗れたそれをゆっくりと外すと、彼女は大きく息を吸い込み、

「どういうつもりよ貴女達っ!」

怒声染みた音声(おんじょう)を夜気へと叩き付けた。

「どう、とは? 意味が分かりませんね、先輩」
「どう、とは? 意図が分かりませんね、先輩」

射空が左に、断海が右に首を傾げる。

「~~~~~だからっ!!」

その反応が、彼女の機嫌を更に傾けた。

「何でっ! この私にこんなことをしたのかってっ! 言っているのよっ!!」

まだ両の手と足の間に縄を張られたままで吼える。凄まじい剣幕だった。
彼女の身長は一見して、立てば目の前の二人よりずっと高い。
その背には腰の辺りまで伸ばされた髪が垂れ、勝気そうな顔には不良少女などとは別種の気迫を漲らせている。
美しいことは疑いがない。
だが深窓という形容からは程遠い、地位を金を人望を引き寄せるエネルギーに満ちた人間に特有の顔。
彼女に凄まれれば、並の男性でも引くだろう。

302:Ⅱ 妹-Ⅰ-妹 Ⅱ
08/05/02 01:17:27 KEqrgyse
「喚くな、射ち殺すぞ」
「騒ぐな、斬り殺すぞ」

その美貌に二本、朱色の線が引かれた。濃い闇に二つ、薄く金属の輝きが浮かぶ。
彼女から見て右側に立つ射空の左手に、ボウガン。
彼女から見て左側に立つ断海の右手に、肉厚のサバイバルナイフ。
向けられた刃と矢の先端が皮膚を裂いていた。大きく口を開けたまま、彼女が固まる。
その顔から血の気だけが移動したのを見てから、二人は手を下げた。

「では、改めて」
「さて、改めて」

下がって、再び一歩の距離から声をかける。

「初めまして────射空の敵」
「こんばんは────断海の敵」

涼しげに。それでいて彼女の怒声よりも決定的に、敵対的に。

「とても気持ちよさそうに眠っていましたね」
「とても心地よさそうに寝入っていましたね」

同じ容姿、同じ声、同じ口調に、ほんの少しだけズラした台詞。

「余りに無警戒過ぎるので」
「余りに無防備過ぎたので」

それでも、言葉の内容に変わりはなく。

「うっかりと」
「しっかりと」

同一の意思で、同色の瞳で彼女を見詰めながら。

「「殺してしまうところでした」」

二人は、同時にそう言ってくすくすと笑った。

「自分の置かれた状況の説明は、必要ですか?」
「自身の置かれた状態の把握は、不要ですか?」

笑って────二対の瞳に喜色を湛えたまま、覗き込むように彼女を見下ろす。
そのタイミングさえも同じで、まるで薄闇の中に鏡が浮かんでいるかのようだった。

「・・・・・・当たり前でしょう」

下に置かれた彼女がそう返す。
声量こそ低くなったが声に震えはなく、目は真っ直ぐに眼前の姉妹を見据えていた。

「何を考えているのよ・・・貴女達。人を呼び出して、あんなことをした挙句に・・・こんなこと」

視線が落とされ、我が身を縛る荒縄へ向けられる。
身じろぐようにして四肢を結ぶ拘束が引かれたが、微かに音を立てただけで解けはしなかった。

303:Ⅱ 妹-Ⅰ-妹 Ⅱ
08/05/02 01:18:40 KEqrgyse
「あんなこと?」
「こんなこと?」

そんな抵抗を愉快そうに見詰めながら、射空と断海は疑問符を続ける。
一拍の間を置いてそれぞれ右手と左手を背に回し、長方形に台形を足したような無骨なフォルムの物体を取り出す。
重なるスイッチ音。
夜気の焼け弾ける音が響き、姉妹と彼女の間に蟠る闇が紫電に裂かれた。

「それは、呼び出した先輩をスタンガンで気絶させたことでしょうか?」
「それは、気絶させた先輩をここに運んで縛り上げたことでしょうか?」

一瞬のフラッシュに鏡合せの笑みが浮かぶ。

「っ・・・・・・そうよ」

決して一般的ではない言葉を臆面もなく乗せてくる相手に、彼女は激しかけたのを抑えてから肯定を送った。

「一体、何が目的なの? 貴女達の家が金銭的に困窮している、とは聞いたことがないけれど・・・」

言外に、身代金目的という推測を添える。
彼女の家は近隣では名の知れた資産家である。加えて彼女と姉妹は初対面ではない。
どころか、間接的ながら交友の関係にあったと言ってもいい。
彼女の通う学校において目前の二人、言動一致の双子姉妹は有名な存在だった。
それ故の判断であり、それ故に彼女は恐慌に陥らずに済んだ。
殊にこの国において、誘拐犯の目的には人質の──あくまで当面の──安全が付きまとうことが多い。

「どちらにせよ、こんなことをしても無駄よ。
 お父様は簡単に犯罪者に屈する人ではないし、いずれ家と警察の者が大挙してここにやって来るわ」

言い切って、左右一対の不埒者を見上げる。
暗闇に立つ二人の顔からは笑みが消えていた。



「「これはこれは」」



狐に摘まれた顔で、ぱちぱちと瞬(まばた)く。

「存外に甚だしい思い違いをしているんですね、先輩」
「案外と馬鹿馬鹿しい勘違いをなさるんですね、先輩」

嘆息。

「意外です。的を外すにも程がある」
「慮外です。期待外れにも程がある」

どこか拍子の抜けた顔が彼女へと向き直る。

「射空が、愛する兄様のため以外に心を動かす訳がないのに」
「断海が、愛しい兄様のため以外に身を動かす筈がないのに」

今度は、彼女の顔から間が抜ける番だった。

304:Ⅱ 妹-Ⅰ-妹 Ⅱ
08/05/02 01:19:56 KEqrgyse
「・・・はあ? 何を言っているの? どうしてそこで陸渡(りくと)さんが──」

物体の速度に負けた空気が押しのけられる音。
曲線を帯びる柔らかな肉が宙を舞う。
腹部に痛烈な蹴りを叩き込まれた彼女の体が数瞬滞空し、冷えた床の上を跳ねた。
摩擦の多い平面を滑り終わってから蹴り出された空気を肺に取り入れ、音の濁った咳と共に吐き戻す。

「お前が兄様の名を口にするな。売女の分際で」
「お前が兄様の名を口にするな。淫売の分際が」

痛む場所を手で抑えることもできずに拘束された四肢でのたうつ彼女。
殺す気を思わせる蹴りを放った姉妹は、感触の悪いボールでも見ているかのような目で相手へと吐き捨てた。

「男なら誰だっていいくせに」
「兄様でなくてもいいくせに」

蹴り飛ばされ、開いた距離の分だけ広がった闇に隠された姉妹の姿は彼女には見えない。
にも関わらず、声の聞こえてくる方向からは激痛の走る腹部とも酸素を求める肺とも違う、
身の震える息苦しさを感じる何かが向けられていた。

「っ!? げほっ! げほっ、げほっ!!」

焼けるような痛みが体の中心から広がっていく中で、冷気染みた感覚に覆われる肌が粟立つ。

「やはり殺す」
「やはり殺す」

込み上げてくる咳の音に混じって、近寄ってくる小さいはずの足音がいやに大きく聞こえた。

「お前を殺す理由を教えてやろうか、先輩」
「お前を殺す訳を聞かせてやろうか、先輩」

小柄な姉妹に相応の、軽妙で軽快な、なのに耳朶に張り付いて残る靴音。

「お前が兄様に近付いたから」
「お前が兄様に近寄ったから」

急げば秒の間に詰められる距離を、あえてゆっくりと踏みながら宣告する。

「兄様に声をかけた。兄様に笑顔を見せた。兄様に女を意識させた」
「兄様の声を聞いた。兄様の笑顔を見た。兄様を男として認識した」

計るように台詞のタイミングも足音も揃えながら、姉妹が歩む。

「兄様と手を繋いだ。兄様を遊びに誘った。兄様を家に呼んだ」
「兄様を誘惑した。兄様を誑かした。兄様を汚そうとした」

概して五歩。

「「射空と断海と兄様の間に────入ろうとした」」

二人が彼女の前へと立った。

「だから殺す」
「ゆえに殺す」

白く暗闇に浮かぶ腕が彼女に伸ばされる。
左右から迫る手に、見上げる彼女の表情が引きつった。

305:Ⅱ 妹-Ⅰ-妹 Ⅱ
08/05/02 01:20:57 KEqrgyse
「ひぃっ!?」

縛られた肉体を、更に指と体重で押さえ込まれる。
彼女が求めた誘拐という暴挙へ至った理由と、先の殺気さえ滲ませた蹴り。
身の危険は疑いがない。

「や、やめなさいよっ!? いやっ・・・いやぁあっ!」

渾身の力で反抗するが、彼女に施された拘束と神経に残る痛みが抵抗の気勢を削ぐ。
どこか慣れさえ感じさせる姉妹の連携が加わり、体格で勝る彼女はあっさりと押さえ込まれた。
背に置かれた手に胸と顔が床へと押し付けられ、首を捻ってかろうじて背後へと向けた視界に光が瞬く。

「ひっ──」

逆手、彼女へと先端を向けたサバイバルナイフの刀身が、きらりと僅かな光を反射した。
その煌きが尾を引きながら落とされる瞬間だけが、ゆっくりと知覚される。
体の揺れと、ざくっという重い音が響くのを聞いて、彼女は暗くなっていく視界を自ら閉ざした。

「っ────・・・・・・・・・?」

現状への不理解と、理不尽と。泣きたくなる気持ちに顔を伏せる。
目を押さえる指と手の平の感触が頬に伝わった。

「・・・?」

温もりとはとても言えない、手首を縛られて悪くなった血流が冷やした指先の体温。
何か忘れたものを思い出した気がして、閉じた視界を開く。
動かせないはずの手が眼前にあった。咄嗟に浮かんだ疑問に身をよじって、ちゃんと下半身も動くことに気付く。

「「だが」」

反射的に、上からかけられた声に振り仰いだ。
まだそれぞれの手に得物を握ったままの姉妹が、その矛先を彼女へと揃えている。

「ただでは殺さない」
「ただでは許さない」

手に持つ武器だけを変えた鏡像が口を揃えた。

「永劫に。生まれ変わっても、兄様へ近づいた罰を忘れぬよう」
「永遠に。生まれ変わっても、兄様へ近寄った罪を悔いるよう」

彼女の見上げる先には、喜悦とも憤怒とも違う、
それらより遥かに得体の知れない感情を浮かべた顔が左右に並ぶ。

「逃して」
「追って」
「追い詰めて」
「追い込んで」

真っ直ぐに彼女を見詰める四つの瞳。

「泣き叫んでも、くたばるまで」
「泣き喚いても、くたばるまで」

彼女の瞳の震えを解することもなく視線。

306:Ⅱ 妹-Ⅰ-妹 Ⅱ
08/05/02 01:21:46 KEqrgyse
「穿って」
「斬って」
「殺して」
「解体(バラ)して」

上級の家に生まれ育った彼女の常識にはない、
単なる高低差とは異なった、もっと根源的なところで彼女を見下している目。

「「撒いてやる」」

姉妹の兄と共に過ごす時以上の、そして対極の熱をもって、彼女の心臓が鳴る。
反対に、頭の中は冷水をかけたかのように一瞬で冷え切った。

「さあ逃げろ」
「早く逃げろ」

射空のボウガンと断海のナイフの先端が迫る。

「っい──いやあああぁぁぁぁぁっ!!」

それを認識した瞬間、彼女は身を起こして駆け出した。姉妹の視線を背に受けながら瞬く間に姿を消して行く。
壁に囲まれた廃工場の中、出口があるかも知れぬ闇の向こうへと。





それから数日後。
とある学校にて、生徒の一人が行方不明となっていることが生徒達の口を賑わせていた。
彼女──女生徒──が地元では有名な資産家の一人娘であったことが憶測の種となり、
口さがない者はそれぞれに事態を推理して話の種としている。
学校側も死亡が確認されていない生徒に関して安易に発表やコメントを行うことも出来ず、
ただマニュアルに沿って集団登校の呼びかけやカウンセラーの招聘をするだけだった。

「「お待たせしました、兄様」」

そんな折。当の学校の正門で、ある男子生徒に対して同時に頭を下げる二人の女生徒の姿がある。
制服どころか、全身の細かな造りまでが鏡に映したように同じ二人だった。
深高家の双子姉妹、射空と断海。そして長男の陸渡の三人である。

「ご免なさい、兄様。折角、兄様の方から一緒に帰ろうと誘って頂いたのに・・・」
「済みません、兄様。折角、兄様の方から一緒に帰ろうと誘って頂けたのに・・・」

右に立つ射空と左に立つ断海が、顔を上げながら待たせたことへの謝罪の言葉を続けた。

「そんなに謝らなくてもいいよ、二人とも。僕が好きで待っていただけなんだし」

妹達の畏まった態度に、陸渡が苦笑して返す。
生徒の、同じ学び舎に通う人物の行方不明事件。
普段は積極的でない姉妹との下校を彼から申し出たのは、万一の場合を心配してのことだった。
ふと。つ、と流れた陸渡の視線が姉妹から校舎、彼の教室の方を向く。

「それに・・・・・・最近、物騒だからね。行方不明なんて、さ」

細められた目が懐古とは別の、温もりのない憂いに彩られる。
行方不明の生徒とは、彼が最近親しくしていた女生徒のことだった。


次ページ
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch