スレから追い出されたSSを投下するスレPart2at EROPARO
スレから追い出されたSSを投下するスレPart2 - 暇つぶし2ch250:Ln2-5
08/11/02 02:00:45 o8Zm4QQb
組み伏せられるニアの方とて決して肉付きの良い方ではなく、
やがて上になった月は、ニアの薄い胸を骨ばった細い指で鷲掴み、力を込めた。
「うっ…ん」
ニアが痛みに顔をしかめるが月は一向に気にも留めずそれを搾り上げる。
しかしニアは止めろとも痛いとも一度たりとも漏らしたことがなかった。
それから顔を伏せ、自らの指の痕を残した乳房を慈しむ様にさすり、唇を這わせる。
無惨に赤いあざをつける白い乳房を舌でなぞると頂点で震える突起を口に含んだ。
刺激に硬く尖った乳首はひどく敏感にニアに感覚を伝えてくる。
「あっ…ああ、…ッ」
片側を優しく揉みしだきながらしこったそれを舌で転がすように愛撫を与えてゆく。
柔らかく髪を撫でられて身体を起こした月は、目を合わすことなく再び顔を伏せるとニアと唇を重ねた。
快感と期待で大きく開かれた足の間に指を向かわせ、水音を立ててそこを何度もなぞり上げ
ニアの細い体が捩れ塞いだ喉の奥から呻きが聞こえてくる。

どちらが言い出したのかもう覚えていない。
月が拘束されて以来ニアは自分以外の人間を月に近付ける事はなかった。これから先ずっとこのままだと宣言されても居た。
何でも用意する、そう言ったニアが、女を抱きたいと言えばその身を差し出すだろうという事を
月は確信していた。

月はニアをうつ伏せると足を開かせて腰を高く上げさせ
この姿勢をいやがるニアが身じろぐ前に、愛撫に緩く合わせ目を綻ばせる濡れた肉に自らの怒張を沈めていった。
狭い膣内が抵抗を見せ、月は体重を掛けて全てを埋めてゆく。
胎口に先端が及び中が淫らな収縮をみせた。
「ああ」
「あっう、く」
二人から同時に声が漏れて背をそらせる。
馴染ませるように白い尻をさすり、震える身体を慈しむ。
しかし、やがて堪えきれなくなり月は大きく動き出した。
十分に濡れていたニアの内部は行き来する刺激を歓迎し、それを締め上げ快感を貪る。
「ああ、ぅんっ…」
耳を塞ぎたい水音と肌が打つ音が静寂に響き、煽られた様に熱が上がっていった。
「は、はぁ…あ、ニア…」
「あぁ…あ、」

別の出会い方をしていたら、孤独な魂同士が惹かれ合い、片割れを失ったひび割れた身を穏やかに補えあえたかも知れない。
しかし戦火の中でしか出会う事の出来なかった二人は、憎しみ合う事でしかお互いの存在を確認できなかった。

「はあ、く…、いく…ぞ」
「あ、あぅ…」
貫く様に奧まで差し込まれた月のペニスが震えながら欲望を吐き出していく。
ニアもまた自分の体内に迸る感覚に、細い身を反らせて達した。

--

ニアが去り、人気のなくなった部屋の隅でたたずむ月に、暗闇で低く喉の奥で笑う音がする。
「…リューク」
「終わったか?」
視線を向けると闇から生まれ出るように見知った死神の輪郭が現れる。
「まだなのかライト。いい加減飽きてきたぜ」
「もう少し待て。今、手を回している所だ」
「そうは見えないけどな」
死神はまた低く笑った。

251:Ln2-6
08/11/02 02:02:46 o8Zm4QQb
ニアと死神の両方から死の選択を迫られている。
リュークが味方ではない事は最初から判っていたが、これほどまでに腹立たしい存在になるとは思いもしなかった。
だが月は自分がプレッシャーには強い人間だと言う事を知っていた。
苦手なのは平穏だ。刺激のない毎日は月を駄目にする。
絶対に諦めない強い意志を保つためにも、図らずも彼らは月にとって必要な存在だった。
「まぁ、もう少し待ってやってもいいぜ」
「ここはリンゴも食い放題だしな」
リュークはテーブルに置かれたフルーツ皿からリンゴを取ると汁をとばしながらそれを貪っていった。
それに眉を顰めると月は前を向き直り黒い闇に覆われる外の世界を見る。
「必ずここから出て、デスノートを奪い返してやる」
それから、リュークにではなく、月は自分に言い聞かせるために強い口調で吐き出した。
「早いとこ頼むぜ」
ふと思いついたようにリュークが尋ねる。
「アイツは殺すのか?」
「あいつ?」
「アイツだよ、ニア…」
月は端正な顔を憎々しく歪ませて言葉を絞り出した。
「簡単に死なせるものか。あの女の周りの人間を全て殺して無力感を味あわせてから死ぬまで監禁してやる」
「僕の受けた苦しみを同じだけ…いや、倍にして返す…!」
「今と立場が逆になるだけじゃねえか」
リュークは裂けた口でおもしろそうに言った。

話の終わったリュークがなにやら興味深げに月を見ている。
怪訝に思い月はリュークに視線をやった。
「なんだ」
「…お前は色んな女に運命という言葉を使っていたな」
「それがどうした」
「毎回毎回飽きずに、みんなおもしろいぐらいころっと騙されていた」
「だから何だ。何が言いたい?」
向き直った月にリュークは芯になった林檎を掲げながら言った。
「あの女にこそお前の運命があったんじゃないか?」
今度は、月は誰のことかと聞き返すことはしなかった。低く呟きを返す。
「…冗談じゃない」
「まぁオレにとっちゃあどっちでもいい事だがな」
手にしたリンゴの芯を一飲みにすると、リュークは月を見た。
「オレの寿命があと140年だから」
「それまでには頼んだぜ…」
そう言うとリュークは喉の奥で笑った。

どいつもこいつも…
まるで汚いものを目にした時の様に顔を歪めて月は思った。
死神は月が死ぬまで取り憑き、月が悩み苦しみ藻掻く姿を楽しむつもりなのだ。
─望むところだ。
月はいずれ死神すら葬るつもりでいた。
あの世に行ってLにでも報告するがいい。世界とお前の後継者が僕の手に落ち、蹂躙されてゆく様を…。

月は分厚い防弾ガラスの向こうの景色をみた。
ニアを乗せたセスナはとっくに離陸してもう星空の狭間に消えている。
いつの間にかその姿を暗闇へ溶かした死神にも気づかずに、月は夜の空を見つめ続けた。


-----
操作協力と交換条件のくだりは「羊たちの沈黙」を参考にしています。


252:名無しさん@ピンキー
08/11/03 08:10:57 Rl4/uE7P
乙です!完成された世界観にほれぼれしました

253:名無しさん@ピンキー
08/11/03 18:29:35 xiaR2QkE
GJ(;・`д・´)b

254:名無しさん@ピンキー
08/11/04 00:22:21 Vlhffj3n
GJ!!
二人の会話が大人でクールで知的で言うことなっしんぐ!いやあった
あなたこそネ申!!

月の光のごとく冷たく冴え冴えとした美しい月ニアに感謝します!!

255:名無しさん@ピンキー
08/11/04 16:21:33 up75N3Oz
GJ。毎度引き込まれます。

256:名無しさん@ピンキー
08/11/05 19:38:04 N66LK1Rq
いいれす

257:名無しさん@ピンキー
08/11/05 23:18:46 J00jTu0c
ただなぁ…なんか違う。
全てのキャラクターがなんか上滑りしてると言うか……

凄く良く書けている分、キャラクターがストーリーの為の道具になりさがってる感じを受けてしまったかな?
でも面白かったよ。GJ

258: ◆hRCS6IFPQY
08/11/07 20:44:55 A6QpMnt7
.

259:名無しさん@ピンキー
08/11/17 19:31:51 zHNHLC2d
保守

260:名無しさん@ピンキー
08/11/21 23:49:34 vbhHigwe
ふうむ、主題に拘るとキャラが死ぬのかなぁ難しいな

261:名無しさん@ピンキー
08/11/23 11:01:27 61ZZZDhx
そうか?自分はキャラが死んでるとか道具とかちっとも感じなかった

257はどこがどう違うのか具体的に書いてないので
「自分のイメージするキャラじゃない」と言ってるだけにしか見えない

あと、もとのスレには
地雷カプだからと職人を叩いて追い出したSS書きが居たことをお忘れなく

262:名無しさん@ピンキー
08/11/24 14:00:02 XAMxsa0t
感想レスへのレスはご法度だと思うよ
ここは分からないが通常のスレはそれで荒れやすい

263:名無しさん@ピンキー
08/11/24 19:14:42 2tvaPDbs
ハイツギー
しかしサイトもスレもと活動盛んだな。。。乙

264:名無しさん@ピンキー
08/12/03 15:39:29 bVqgcsXz
保守

265:やぶ
08/12/05 07:38:12 T4Ar+CeQ
どのスレに投下すればいいのか分からないので、コチラに。

『姉と僕その1』

女「ただいまぁ~。うふふ、私の可愛い子猫ちゃん、いい子にしてたぁ?。」
女「あらあら、私が帰ってきたのがそんなに嬉しい?最初はあんなに怖がってたくせに。ふふ、今日もたっ
ぷり可愛いがってあげるわ♪」
女「どーお?気持ち良い?ふふ、じゃあここは?。」
女「ふにゃーん、ご主人さまぁ~、気持ち良いですぅ。」
女「あら、こんなとこも気持ち良いの?じゃあ、こっちもいじってあげるわね♪」
女「あっ!?ご主人さま、そこは!?」
女「ふふ、ここはダメなの?違うわよね?だってここ、今までで一番ピーンッ、てなってるもんねぇ♪」
女「あああっ!ご主人さま、そこダメ、ダメなのにぃ~っ!」
女「うふふ、じゃあそろそろオモチャで遊んであげるわね♪あら、なーに?もっとして欲しいの?ふふ、ど
ーせすぐオモチャに夢中になっちゃうくせに。」
女「ご、ご主人さまのいじわるぅ~。」
女「ふふ、そんなこと言って、コレ見た途端目つきが変わったじゃないの。コレ、お気に入りだもんねぇ~」
女「ち、違うもんっ!」
女「あらそーお?でも、あなたのここは早くコレをくわえ込みたい!ってヨダレ垂らしてるじゃない。」
女「こ、これは…。」
女「うふふ、欲しいんでしょ?素直に言えたら、たっぷりコレで遊んであげるわよ。」
女「あ、あ、あ、ご主人さまぁ、早く、早くちょうだい!そのオモチャ、早くくわえたいのぉ!それでいっ
ぱい遊んで欲しいのぉっ!」
女「よしよし、ご褒美にこの魔法の粉、オモチャにたっぷりまぶしてあげるわね♪今日はとことん壊れちゃ
いなさい♪」
男「あーっ!! 姉貴、マタタビあげすぎだって!」
女「ちょっ!?あんたいつからそこに!?」
男「姉貴が猫相手に一人二役始めた時から。」
女「最初っからかーっ!? こ、殺す!あんた殺してあたしも死ぬ!」

266:名無しさん@ピンキー
08/12/05 07:53:19 mforFZK/
>>265
ジャンルの分類はともかく、すごく好みだ
続きをわっふるわっふる

267:やぶ
08/12/06 06:31:13 9vXEJsWL
『姉と僕その2』

ぴちゃっ、ぴちゅっ…。
 薄暗い部屋に湿潤な音が響く。
 音の源がピンク色の可愛いらしい舌だと思うと、途端に卑猥な音に聞こえてくるから不思議なものだ。
「よしよし、凄く上手になったじゃないか」
 まだ幼い、子供そのものの小さな体が俺の脚の間にひざまづき、目の前に差し出されたソレを一心不乱に
舐めている。

 貪欲ともいえるほどのその舌使いは大人顔負けだ。いや、寧ろ子供だからか。なんせ、ほんの少し前まで
毎日母親のオッパイを啜っていたのだから。
「よし、上手に舐められるようになったご褒美だ」
ドプンッ
「っ!?」
 いきなり注がれた液体に、小さな身体が一瞬ビクッ、と震える。
 が、すぐに喉を鳴らし、嬉しそうに飲み干していく。
「俺が居ない間にずいぶん仕込まれたようだな」
 声に微かに嫉妬が混じってしまう。
 勢いが良すぎ、愛らしい手まで汚した白い滴を、その柔らかなピンクの舌が丁寧に舐めとっていく。
「ん?こっちも欲しいのか?」
 片付けかけたら、こっちもちょーだい、と一生懸命体を擦り付ける。
「おいおい、そんなに無理だって。だいたいコレはおまえのじゃないんだぞ?」
 さすがにこれは無理だと思うが、欲しくて欲しくて堪らないらしい彼女は、じっとりと粘つく視線を肉棒
から外さない。
 しょうがないな。だけどあいつには黙っとけよ?これはあいつの物なんだからな。
 その小さな身体を抱き上げ、強引に体の向きを変えさせる。
「ほら、今夜は特別だ。じっくり味わえ」
 乱暴な動きに怯えたのかプニプニと柔らかい身体を微かに強張らせ、俺に歪んだ満足感を与える。


「フゥッ…、フゥッ…、ハフッ…、ムグゥ…。」
 クチャ、クチャ、という湿った音と共に、苦しそうな呼吸が漏れ聞こえる。
 肉棒が普通サイズでも、身体の小さいコイツにとっては巨大な肉の塊だ。
 念願の肉棒をその身に押し込み、嬉しそうな顔をしたのは一瞬だった。
 さきっちょが入っただけでかなり苦しいのだろう。が、俺の気分が変わらないうちに、とでも思っている
のか、時折小さな悲鳴のような吐息を漏らしながら肉棒を押し込んでいく。
 まだ半分も入っていないのにその腹はボッコリと不自然に膨らみ、外から触ってもそこに肉の塊が押し込
まれているのが判る。
「ふぎっ!?」
押されて苦しかったのか、 変な声をあげて俺をうらめしそうに見上げる。
「おいおい、嬉しそうにくわえ込んでるくせに、そんな目をするなよ。罰として無理矢理全部押し込むぞ?」
「ちょっと!」
 その時、不意に誰かが部屋に飛び込んで来た。
「あ、あんた中学生のくせに何して…」
「あ、姉貴お帰り。ごめん、姉貴の分のフランクフルトあげちゃった。明日買ってくるよ」
「え?あ?…何だ、子猫にエサあげてるだけか」
「何だと思ったんだ?」
「え?いやその…、べ、べっつに~」
「ふーん。ところでさ…」
「な、何よ?」
「姉貴、もしかしてたまってんの?」
「んなっ!?あ、あんたちょっとこっち来なさい!!」
「きゃ~www、猫にエサあげると欲情する変態に殺されるぅ~www」
「ぬがぁ~!あんたちょっと待ちなさいよー!」

268:やぶ
08/12/06 13:52:43 9vXEJsWL
『姉と僕ラストの1』

 昼寝中にふと目が覚めた。
「あれ?」
 身体が動かない。いわゆる金縛り、というやつだ。
 とりあえず首から上は動かせるので、辺りを見回してみる。
「えーと。なにやってんだ、姉貴?」
 金縛りではなかった。姉が一生懸命、俺をロープで縛り上げていた。
「あらっ?起きるの早いわよ。ちょっと待ってて、もうすぐ終わるから」
「ん、わかった」
 そう返事をすると俺はまた心地良い眠りの世界へと…。
「行けるかーっ!なにやってんだ姉貴っ!?」
 抗議をしようとしたが、すでに自由は奪われているわけで。
「んしょっ!おーわった♪」
 俺の抗議などどこ吹く風。姉はにんまりと笑みを浮かべ、勝ち誇った表情で俺を見下ろす。
「んっふっふ。教えて欲しい?」
「まあ、一応は…」
 なんかどーせろくでもないことを聞かされて、後悔するんだろうが。
「聞いて驚け!題して『生意気な弟を再教育しちゃうよ計画』発動なのよ!」
 ほら、後悔した。
「で?」
「で、っていうな!だいたいあんた姉に対する口の聞き方がなってないのよ!おまけに、勝手にいつの間に
か巨大化しちゃうし!」
 えーと、俺は背の順で列ぶと相変わらず前の方な訳で。
「いや、姉貴の背が伸びてないだげふぅっ!」
 姉貴のニーソに包まれた足先がえぐるように腹を貫く。
「ゆーてはならんことを。よほど死にたいようね?」
「ゴメ、悪かった!」
 実はたいして痛くないが、この場合そうした方が早く飽きるので下手にでる。
「んっふっふ、分かればよろしい。さてと、えーと、どうしよう?」
「考えてねーのかよ!?ガキか!」
 とりあえず俺を縛る、というところまでしか考えていなかったのだろう。
「ガ、ガキとはなによ!ガキとは!?私のいったいどこがガキだってゆーのよ!?」
「全体的に!」
 姉は身長が小学4年生の平均と一緒で体つきも同等、おまけに童顔なうえこの性格なので、何と言うか、
お子様のオーラを発しているのだ。姉は高校生だが、はっきりいって10人中10人が中坊の俺の妹と間違
える。特に今日は服装も子供っぽい。てか、高校生にもなってクマさんパンツはやめとけ。ベッドに縛り付
けられてる俺を平気で跨ぐから、スカートの中がよく見える。色気というものが皆無なので、全然嬉しくな
いが。
「特に今日の服装はどっからどーみてもガキ」
 とりあえずパンツのことは伏せて服装を指摘してみた。
「今日は映画見に行ったからよ!」
 あー、姉貴、普通にお子様料金で済むもんな。
「って、お子様料金で済ましてる時点でガキじゃん!」
「うっ!?」
 痛いところを突かれたらしく一瞬言葉に詰まる姉。が、すぐににんまりと不敵な笑みを浮かべる。
「ふふ、そんなことを言ってられるのも今のうちよ。あんたが早く目覚めるから忘れてたけど、弟再教育計
画のために大人のアイテム買ってきたんだから!」
 お、大人のアイテム?なんか、そういうもの買ってきたことを誇らしげに言う時点でガキと言わないか?

269:やぶ
08/12/06 13:57:05 9vXEJsWL
『姉と僕ラストの2』

「ちょっと着替えるからあんた目をつむってなさい!」
 へいへい。とりあえず素直に目をつむると、ガサゴソと紙袋をまさぐる音が響く。
「ちょ、何よコレ?XSなのにダブついちゃう。仕方ない、念のため買ってきた膝下までの方を…。ってなん
で太腿まで来ちゃうのよ!?」
 やばい、すごい見たい。そーっと目を開けると、本来膝下丈のストッキングタイプのソックスをダブつか
ないよう一生懸命に合わせている姉がいた。
「ちょ、あんた何見てんのよ!」
 かなり恥ずかしいらしく、顔を真っ赤にして怒る姉。だったらちゃんと自分の部屋で着替えてこいよ。

URLリンク(imepita.jp)

 俺の顔の上に布団を被せ、着替えを再開する。
「うーっ、ガーターベルトも落ちちゃうーっ。しくしく、高かったのにー」
 大人用のXSだとサイズが大きいのだろう。お子様体形のずん胴腹のせい、という真実はさすがにかわいそ
うで言えない。
「いいや、ソックタッチで固定しちゃえば。よっと」
 布団が引きはがされると氷の微笑よろしくストッキングを強調するように脚を組んで椅子に座っていた。
 学習机の椅子、というのが姉らしくて笑えるが。
「ちょ、なに笑ってるのよ!」
 大人っぽい自分を見てドキマギする弟、というのを期待していたのか、抗議の声をあげる姉。
「いやだってソレ、太腿までの丈じゃなくてほんとは膝下丈なんでしょ?」
「き、聞いてたの!…わ、笑うなぁーっ!」
 ニヤつく俺の顔を、そのストッキングに包まれた足先でフニフニと踏み付ける。椅子に座ったままなので
体重がかからず、全く痛くない。それどころかマッサージを受けてるようで心地良いくらいだ。
 が、顔に足を乗せられるのはさすがに腹が立つので、口の近くに来たときにぱくっと噛み付く。
「いたぁっ!ちょっと離してよ!」
 姉の小さな足先は俺の口にすっぽりはまり込み、そこから引き抜こうとして自由な方の足でポカポカと蹴
りつける。相変わらず痛くないのだが。
「あ、ちょ、ふぁ!?ん、んぁ、や、そんなとこ舐め、やぁんっ!」
 俺は捕まえた足先を舌でくすぐってやる。案の定極端にくすぐったがりの姉は蹴るのをやめ、むず痒さに
身を悶えさせる。
「ちょ、お願いやめ、ふぁあっ!」
 顔を真っ赤にし身もだえる姉は、その手の趣味がある人からみれば絶大な破壊力を有しているかもしれない。
 調子に乗って足の指をストッキング越しに舐めまわしていると、不意に大きくぶるぶると身体を震わせ、押し殺した悲鳴をあげた。
 びっくりして思わず足を離したが、姉はそれに気付かず身体をわななかせ続ける。
 しばらくすると、しくしくと泣き始める姉。
「ご、ごめん、やり過ぎた」
 さすがに気まずくなって謝る俺。だが、イヤイヤをするように首を振り、顔を伏せる。
 うぁー、やっちゃった。こうなると長いんだよな。「…されちゃった…」
 姉がぼそりと呟く。
「え?ごめん、よく聞こえなかった」
 俺が聞き返すと、涙でぐしょぐしょになった顔をあげる。その顔はどこかボンヤリしていた。
「弟に、イかされちゃった…」
え?
 最初なんのことかわからなかった。が、意味を理解したとたん、カッと頭に血が上る。
「ふぇぇ。これじゃ、たまってるって言われても言い返せないよぉ。うぇぇ…!」

270:やぶ
08/12/06 14:00:00 9vXEJsWL
『姉と僕ラストの3』

 や、やばい、本格的に泣き出す!一瞬でクールダウンすると、姉の機嫌を直すべく紫色の脳細胞をフル活
動させる。
 が、緊急事態過ぎて何も思い付かない。
「あれ?」
 どうしようか悩んでいると、姉が不意に素っ頓狂な声を出した。
「な、なに?」
 俺が恐る恐る声をあげると、姉は泣き顔のままにんまりと笑みを浮かべた。
「なーんだ、あんたこそたまってるんじゃない!」
へ?
 ニヤつく姉の目線にそって下を見ると、俺の股間のところに大きな膨らみが。「あ、いや、これはその、ちょっと」

 クールダウンし過ぎて血が全部下半身にいってしまった、とか苦しい言い訳を考えてみる。
「ふふ、私がイってるとこ見て興奮しちゃったんだ。あんなとこ舐めるし、お姉ちゃんのこと辱めるし、あ
んたってば変態?」
 さっきまでの泣き顔はどこにいったのか、新しいおもちゃを見つけた子供のように、生き生きとした表情
になる姉。
「ほらほら、何か言い返してみなさいよ」
 椅子に座ったまま、俺のジュニアをズボン越しにグニグニと足で踏み付ける。「ちょ、姉貴、まって」
「なーに?ふふ、もどかしい?直接触って欲しいの?そうよね、だってあんた変態さんだもんね」
 そういうと器用に両足の指でズボンのチャックを下ろす。
 Gパンの下は何も履かない主義なので、その途端俺の息子がどーんと飛び出す。
「お、大きいじゃない。弟のくせに生意気よ」
 そうなのか?たぶん人並みなはずだけど?
「ふふん、急所をなぶられて喜ぶんだから、男ってみんなマゾよね」
 ストッキングに包まれた足がグニグニと俺の息子を蹂躙する。
「びくびくしてる…。もっと恥ずかしい目にあわせちゃうんだから!」
 いきり立った息子の上で口をグニグニ動かし、たっぷりためた唾液をとろーっ、と垂らす。
 姉貴、それ凄くやらしいです…。
「うっわ最低!こんなことされてるのにビンビン!」
 これで興奮しなかったらインポだって。
 にっちゃにっちゃという卑猥な音をさせながら、姉の足の動きが速まる。
「くっ…!」
 あと1擦りでイく。そんなぎりぎりのところで足の動きが止まった。ちょ、そこで止めるか!?
「ねぇ…。」
 鼻にかかったような、上ずった声。
「しちゃお…、っか?」
そういって俺を見つめる顔は今まで見たこともないようなエロい表情で。
「だ、駄目だよ。俺達きょうだ、うぷ!?」
 思い止めさせようと開いた口が姉の柔らかな唇にふさがれ。
 ぬちゃ、ぬちゃっ、といやらしい音をたてる。
「んっ!?」
 口内に姉の唾液が流し込まれる。それはとても甘くて切なくて。俺は夢中で吸い上げ、お代わりを急かすように舌を突き入れる。
 侵入してきた俺の舌を、姉の小さな舌先が躊躇いがちにつんつんと突く。
 我慢出来ずに絡めとると、あふっ、と熱い吐息が漏れた。
「お尻でするから。ね、それならいいでしょ?おもちゃでいっぱい練習したから、たぶん大丈夫だよ」
 お、お尻!?初めてがお尻っていうのは…。しかし、かといって血の繋がった姉弟で万が一子供が出来たことを考えると。
「お願い、我慢出来ないの…」
 涙をいっぱい浮かべた瞳で、俺にすがるような目。俺の理性は簡単にふっとんだ。

271:やぶ
08/12/06 14:02:13 9vXEJsWL
『姉と僕ラストのラスト』

「うっ!んぁっ!くぁぁ…!」
 普段からは想像もつかないような甘い声。その声だけでイってしまいそうになる。
 本来排泄物を出すだけの矮小な穴。そこにローションをたっぷりと塗した剛直がぐっちゃぐっちゃと卑猥
な音をたてて掻き回す。
「おねが…、もうやめっ、うぁ!」
 何度白い液体を吐き出しただろう。もうぐったりしているというのに、私の欲望は全然収まらない。
「ほらほら何休んでるのよ!お尻犯されながらチンチンしごかれるの、気持ちいいんでしょ!?」
「お、俺が掘られる方だなんて聞いてな…、うぁあん!」
 まるで女の子のような声をあげ、びくびくと身体を震わせる可愛い弟。
 小遣いをはたいて買ったかいがあるというものだ。私の股間からは巨大な双頭バイブがそそり立ち、片方
はもちろん私のアソコ、もう一方は弟の可愛いらしいアナルに突き立てられている。
「ほーら、チンチンシュッシュッ♪」
 激しく腰を振りながらチンチンをしごく。
「あと何回イけるかしらねー♪」
「アッー!」
 またも悲鳴をあげ、おチンチンから赤ちゃんの元をほとばしらせる弟。
 うふふ。これってクセになりそう♪

終り、だけどたぶん女にお尻を犯される男の子スレに続き書くかも

272:名無しさん@ピンキー
08/12/12 00:30:23 g0F9W9eq


273:名無しさん@ピンキー
08/12/12 04:22:34 ZIIiLNmd
>>265-271
素晴らしい
一時保管所のここに置いとくのはもったいないから、女にお尻を犯される男の子スレ
もしくは男が女に犯される奴スレにでもコピペしたら?

274:名無しさん@ピンキー
08/12/17 08:57:49 1Ja0rd0P
>>262
封殺は自スレだけでおk

275:名無しさん@ピンキー
08/12/17 23:41:58 56/b+2Qs
ン???

276:名無しさん@ピンキー
08/12/21 22:45:56 a2PnqYfG
スレには投下済みなんだけど、視点がころころ変わっておかしかったのを指摘してもらったので、手直しした奴がこれ
色々な視点から書いても読みづらくない、混乱しないのを書けるようになりたい    まだまだだーorz





「そいつ、誰」
“そいつ”と顎でしゃくられた男は、ヒールの上から見下ろす女の威圧感に怯えていた。
「雪ねえ!俺の友達だってばっ」
宥める修一を無視し、幼馴染の雪子はその友達への威嚇の姿勢を弛めない。
「お、俺、ここでいいわ…」
じゃあ!と逃げるように踵を返す男に、雪子はフンと乾いた笑いを漏らす。
「修一、何であんなのと友達なわけ」
「雪ねえっ!!言い過ぎ!」
今年の春、修一が高校2年に進学し、雪子は大学4年になった。多感なこの時期は特に、取り巻く世界はめまぐるしく色を変え、

暫く二人は黙々と駅へと続く道を並んで歩く。
『ピロロ~ン』
潰れた学生鞄の中から、くぐもった間の抜けた着信が流れる。携帯を開くとメールが1件、差出人も内容も見ないでも修一には全部分かっていた。この行為は、二人の間にある一種の“合図”だ。
『 修一     甘えてもい?   』
二人きりになると必ず送るこのメールで、雪子は自分自身を表から裏へと、切り替える。
「…雪ねえ」
「なによ」
目線を外して素っ気ない顔で答えてはいるが、夕日に色を隠しながらも雪子の頬は熱さを秘めている。ほぼ毎日交わされるやりとりであっても、この瞬間だけは、雪子の心は期待と興奮と大きな不安とでいっぱいになってしまう。
修一から見えないほうの握り締めた手が汗でべたつく。でも確認せずにはいられないのだ。
「もちろん!いいよ」
「はぁーーっ…」
「ため息つかないでよ~」
怪訝な視線を修一に投げかける雪子は思う。
(これはため息じゃなくてただの安堵なんだけどなー)
雪子は立ち止まり、左手を修一に突き出す。
「手」
恥ずかしそうに俯く雪子の耳が、揺れる髪の間から覗く。それがハイヒールと同じ赤の色に染まるのに、そう時間はかからなかった。
「…手、つないで?」
修一は返事をする代わりに、優しく右手で雪子の手を包む。そのまま二人は他の学生たちに紛れて電車に乗り、いつもの家路に着いた。



277:名無しさん@ピンキー
08/12/21 22:46:29 a2PnqYfG
薄暗い空に月が昇りはじめた頃に、二人は雪子の家に着く。ここで雪子は一人暮らしをしていた。
この空間の中では、雪子はさながらワガママ王女様といったところで、彼女の羞恥心は粉々に空中分解する。
「しゅうっ」
「うぐ!!…雪ねえ、ここまだ玄関」
「しゅうー」
「はいはい靴、脱ごうね~」
雪子のか細い腕を解きもせず首に巻きつけたまま、修一は雪子を座らせハイヒールを脱がしていく。コツ、コツッと小気味いい音が鳴った。
「しゅう~…」
(いー匂い。何でしゅうの匂いはこんなに気持ちいいんだろう。ずっとくっついて嗅いでたいや…)
雪子の安らぎとは関係なく、体重は確実に修一へ圧し掛かる。
「もう雪ねえ、自分で歩いてよー」
「やーだ!」
修一は雪子の腰に手を回し、引き摺ってリビングまで運ぶ。女性とはいえ、人間一人の全体重を移動させるのは重労働だ。二人は同時にソファに倒れこむように座った。
「ふうっ」
「…」
修一が下を向けば、抱きついたままの雪子の艶やかな黒髪ショートボブが視界に入った。修一のブレザーやカッターシャツに挟まれて、絡まったり所々はねたりしている。
「ははっ。雪ねえ、髪ボサボサになってるよ?」
「…はい」
「え?」
雪子は足元に置いた鞄から折りたたみ式の櫛を取り出し、修一に手渡す。
「梳いて?」
雪子は頭を撫でられるのも好きだったが、梳いてもらうのも好きだった。
「うん」
雪子の小さな頭を傷つけないように、修一は慎重に櫛をいれる。絡まっていた髪は引っかかることなくさらさらと流れていく。あまりに気持ちよさ気に目を閉じる雪子が、修一にはただただ愛しくて、絡まりが解けた後も何度も梳いてやった。
「ボサボサなおった?」
「うん、綺麗!」
「……ありがと。しゅう、のど渇いたぁ」
「はいはい。コーヒー、紅茶、緑茶、水、どれがいい?」
「んー、水」
「はいよ」


278:名無しさん@ピンキー
08/12/21 22:49:57 a2PnqYfG
勝手知ったるナントヤラ。冷蔵庫から取り出した水をコップに注ぐ修一を、ぼんやりと二つの目が追う。雪子は体育座りをした両腕に横向きにした頭を乗せると、コップを運ぶ修一と目が合った。
「水、どーぞー」
「……」
修一はソファにちょこんと座る雪子の隣に座りなおし、コップを差し出したのだが、首を
イヤイヤと振られてしまう。
「コップやだ…飲ませて?」
雪子の言葉に修一は苦笑いが漏れるが、修一は自分に拒否権がないのをよく分かっていたので、少量の水を口に含み口付けた。雪子の舌が水を求めて遠慮なしに入り込んでくるのを、修一はされるがまま舌で受け止める。
ちゅぷ、と唇がゆっくりと離れる。
「…しゅう」
「はいはい?今度はなーに?」
不意に雪子の瞳が潤んで、修一はハッとする。
「なんでしゅうは、17なの?」
どんどん溢れて、それは潤みから涙へと変わる。
「なんで私は、21なの?これじゃあ私すぐおばさんになる。…これ以上、しゅうより先に大人になりたくないっ!」
「雪ねえ…」
「っぅ…ひ…しゅうぅぅ、抱っこ~~~~~~~!!!」
修一は大事に大事に、泣き喚く雪子を引き寄せる。
「おばさんじゃないよ、大丈夫」
修一は雪子の短パンから伸びるタイツに包まれた足を持ち上げて、自分の胡坐へと座らせる。抱っこを強要させられる時はいつもこの体制だった。
「…外じゃあんなに強いのに、何でここじゃこんなに弱気になっちゃうんだろーね?」
雪子は修一の首もとに埋めていた顔を勢いよく上げる。
「しゅうの所為だよ!しゅうがこうさせるんだ…こんな自分、大嫌いなのに………ふっぅ」
ほろほろ涙を流す雪子を抱きしめながら、修一は少し笑ってしまった。
「笑い事じゃないっっ!!!」
「ごめん、つい」
「~~~~~~~~っ」
「でも、俺は好きだよ?“こんな”雪ねえがいいんだよ」
柄にもなく雪子が赤くなるのを、修一はまじまじと見つめる。
(雪ねえのこんな顔、初めて見たかも……)
「……ぎゅうしなさい」
「お姉さんぶっちゃってー。年上なのイヤなんじゃなかったの?」
「うるさい」
雪子の右フックが的確に修一の脇腹へ入ると、修一の口から呻きが零れた。
「ぎゅう、しーなーさーい」
望みどおり“ぎゅう”してもらった雪子は、修一からは見えないことをしっかり確認してから、顔を綻ばせた。


279:名無しさん@ピンキー
08/12/25 17:29:47 z8xitxDi
乙~
元スレは?

280:名無しさん@ピンキー
08/12/26 19:22:25 hF16K/N5
デスノの人はもう来ないのか
クリスマスくるかなと思っていたけど

281:名無しさん@ピンキー
08/12/27 01:29:49 8LVl9Fqo
てか本スレに投下すれば?注意書きすればいけると思うんだ
あたしは男×男に脳内変換して楽しんでるけどwww

282:名無しさん@ピンキー
08/12/27 03:20:22 mHqcJDTm
801に帰れ

283:名無しさん@ピンキー
08/12/27 13:41:50 8LVl9Fqo
釣りって難しいな
ageても存外かからないもんだ

284:名無しさん@ピンキー
08/12/27 13:50:14 NxjN3E5k
荒れに荒れてる某ヲチスレから出張か?

285:名無しさん@ピンキー
09/01/02 20:03:18 k7ib2a6K
保守

286:名無しさん@ピンキー
09/01/03 01:37:32 XN1N8OiK
久しぶりにこの板に来てみたけど>>228の人ってまだいる?

287:名無しさん@ピンキー
09/01/04 10:39:30 RPM3z1qw
>>286
228の人に何か用があるの?

288:名無しさん@ピンキー
09/01/04 11:56:29 4PiybOjv
めぞんの人?
迷わず落とせよ!需要はあるさ

289: ◆qM8UwHNWDA
09/01/05 02:17:06 4YJL3rc6
いつまでも期待して待っててくれた>>228のためにずっと放置して
いたものを一気に書きました。
このスレの最初に最後の方が少しある奴の続編です。
ちなみに毎度のことですが異常に長いので分割します。

タイトルは「A11 初夜 (前編)」


ではどうぞ


290:1/23 ◆qM8UwHNWDA
09/01/05 02:17:46 4YJL3rc6
五代と響子、二人の結婚式の二次会が終わり、みなは茶々丸から一刻館に戻ってきた。

「あんたたちホテルに部屋とってあるんだっけ?」
一の瀬が二人に尋ねる。
「新婚旅行は午後からだし一刻館(うち)に泊まって行こうと思うんです」
と響子。
「ではしみじみ飲みましょうかね」
四谷がしみじみとつぶやく。
「いーんじゃない」
朱美もまんざらでもなさそうにつぶやく。
「まだ飲むんですか……」
そんないつも通りのやりとりに愛想笑いを浮かべながらも呆れてしまう響子。
「そーと決まったらつっ立ってないで。管理人さんも五代君も早く!」
朱美が二人をせかす。
「あーもう着慣れないもんきてると肩がこってしかたないねえ」
そうつぶやく一の瀬の心は早くも宴会へと心が飛んでいる。
いつものように二人の意思とは関係ないところで宴会が決まり、二人は顔を見合わせる。
「仕方ないわ、いきましょ」
響子が五代に微笑みかけると五代も無言でうなずく。
「じゃあ5号室に集合っ!」
上機嫌な朱美が音頭を取る。
「ああ、五代君たちは疲れてるだろうから一息ついてからで」
一の瀬が珍しく二人を気遣ってみせる。
「はいはい、わかりました」
響子が笑顔でこたえる。

「ただいまー」
「ただいまっ」
「ただいま……」
みなは一刻館の玄関をくぐりそれぞれ部屋に戻っていく。



291:2/23 ◆qM8UwHNWDA
09/01/05 02:18:09 4YJL3rc6
「お疲れ様でした」
玄関に腰掛けて靴を脱ぐ五代に響子が優しく声を掛ける。
「響子さんこそ疲れたでしょう」
「まぁ……。でも昨日も遅かった五代さんに比べたらましですわ」
響子が五代を少し心配そうに見つめる。
一刻館の住人達は、昨日も夜更けまで宴会という名の嫌がらせを行い、五代は仮眠程度の睡眠時間しか取れていない。
「慣れてますから」
五代は大丈夫とこたえるかわりに響子の背中を優しくポンと押し、二人の住まいである管理人室に導く。
そう、五代は疲れたなどといってられない。
なにしろ五代にはまだまだやるべきことがあるのだから……。


カチャリ……
響子がドアを開け部屋に入ると五代も続いて部屋に入る。
そしておもむろに響子の顎の下辺りで両手を交差させるようにして後ろから抱きつく。
「えっ……?」
響子はいきなり抱きつかれ動転する。
「今日の響子さん……ほんとに綺麗でした……」
五代が響子の耳元で囁く。
「いやだわ、五代さん……」
響子が状況に戸惑いつつも少し照れて見せる。
綺麗と言われるともちろん嬉しいのだがなんだかくすぐったい。

「ねぇ、響子さん」
五代が響子に抱きついたまま話しかける。
「そろそろ五代さんってのは……やめませんか……?」
五代はここ数日考えていたことを響子に伝える。
「そう……ですね……」
響子も五代に応じる。
響子もそのことはずっと意識していた。
結婚式を終えたのに五代さんではやはりなんだかよそよそしい気がする。

「なんて呼びましょうか?」
響子は五代の腕に手をそっと添えて尋ねる。
「響子さんが呼びやすい呼び方で……」
「それでしたら五代さんが一番呼びやすいですわ」
響子がくすくすと笑う。
「それじゃあ今までどおりじゃないですか」
五代もつられて笑う。

「とりあえず着替えましょうか」
響子は笑いながら五代を振り払おうとする。
しかし、予想以上に五代の腕には力が込められており振り払うことが出来ない。
「五代さん……?」
「……さっきもいいましたけど……今日の響子さんは本当に綺麗でした……」
五代がそういって披露宴の響子の姿を思い出しため息をつく。
「そ、そんなことありません……」
響子は頬を赤く染め否定する。
しかしそんな響子の言葉はもう五代の耳に入っていない。
「披露宴でのあのドレス姿を見ておれ……」
五代はそうつぶやくと響子を反転させ向かい合わせになる。
「こんな綺麗な人がおれの奥さんなんだって思ったら、もうなんだか我慢できなくなっちゃって……」
五代が響子の背中に回している腕に力を込めると響子はあっさりと五代の胸に体ごと押し付けられてしまう。



292:3/23 ◆qM8UwHNWDA
09/01/05 02:18:34 4YJL3rc6
「あの……みんなが待ってます……」
響子は五代がいつの間にかすっかり興奮してしまっていることに気づき正気に戻ってもらおうとつぶやく。
「少しくらい待たせちゃっても構いませんよ」
五代はそう言うと響子と唇を重ねようとする。
響子は軽く拒否する姿勢を見せるが結局五代に唇を重ねられてしまう。

(思った通りだ)
五代は心の中でつぶやく。
昔はわからなかったが響子は明らかにスキンシップに弱い。
こうやって唇を重ねていると心の距離があっという間に縮まっていく。
五代は響子の体から力が抜けていくのを確認すると、一旦唇を離し響子の表情を観察する。
見たところ恥ずかしそうな表情ではあるが嫌がる素振りもない。
五代は再度唇を重ねるとゆっくりと響子の口内に舌を侵入させ始める。

(そ、そんな……)
響子は驚く。
五代が普通の口づけではなく舌を絡ませてくるのは響子を抱くときだけなのだ。
響子は五代の意思を感じ取り体を離そうとするが五代は響子の体をがっちり押さえて離さない。

普段はセックスなんて知らないとでも言いたげな優しく家庭的な雰囲気を持つ響子。
しかし実際は違う。
約半年に渡って五代に抱かれ続けたその女盛りの肉体は文字通り女の体になってしまっている。
その証拠に響子の体の奥底に潜む女が今まさに疼きはじめている。

体の奥から湧いて来る衝動をじっと我慢し五代の舌を拒む響子。
そんな響子の反応に五代はワンピースの上から豊満な乳房をなぞってみる。
「あっ……」
響子は思わず声をあげる。
しかし、それこそ五代の待ち望んだ反応であった。
響子が声をあげたその瞬間、五代は舌をまんまと進入させる。

響子は五代の舌が自身のそれに絡み付いてくる感触に思わず体を震わせる。
まさか夫である五代の舌を噛む訳にはいかず仕方なく五代を受け入れる。

響子を包み込む五代の荒い息遣いと男の匂い。
絡みついてくる五代の舌。
ディープな口づけに響子の胸は激しく高鳴りはじめる。
気がつくと響子は立ったまま五代とお互いの舌を貪りあってしまっていた。

そして同時に響子は気づく。
五代がすっかり元気になりつつある下半身の膨張をスカートの上からこすり付けてくることに。

結婚式の夜。

二人しかいない管理人室。

衣服を介しているとはいえ夫との性器の接触。
我慢しがたいほどに体の奥底から湧き上がってくる下半身の疼き。

その全ての条件に響子は思わず流されてしまいそうになる。



293:4/23 ◆qM8UwHNWDA
09/01/05 02:18:56 4YJL3rc6
「響子さん……」
五代が唇を離し響子を見つめてつぶやく。
その瞳は明らかに普段とは違う。
本能のままに響子を組み敷くことしか考えていないのだ。

……五代の脳裏に残る披露宴での響子の姿。
普段あまりしない化粧をほどこし、淡いピンクのドレスに身を包んだ響子はこの世のものとは思えない程に美しかった。
そして美しいだけではなかった。
いや、美しいだけなら良かった。
ドレスを盛り上げ存在を主張する胸のふくらみ。
ぴったりと体にフィットし、両の肩と背中を露出したドレス。
そのドレスは五代しか知らないはずの染み一つない響子の美しい体の一部とそのラインを披露宴に参加した皆に教えてしまっていた。

五代には披露宴に参加したほとんどの男が響子を見て淫らな想像をしていたことがわかる。
坂本の頭の中で……賢太郎の頭の中で……そしておそらくは五代の父の頭の中でも響子はあの美しいドレス姿のまま淫らな姿を演じさせられたはずだ。
それは仕方のないことだと五代にもわかっている。
男なら誰しもそんな妄想をしてしまうほどに響子は美しかった。
実際、五代ですらつい淫らな妄想をしてしまったほどなのだ。
しかし、たとえ想像の中だとしても響子が人のものになるのは耐え難い。
昔から響子で妄想し、オナペットにしてきた五代がいうのも説得力がない話だがこればかりは仕方がない。
他人の妄想を止めることが出来ないのであれば……子供じみた発想ではあるが実際に響子を抱くしかないと五代は思う。
妄想ではなく実際に響子を抱けるのは五代だけなのだ。
披露宴の途中、隣に座る響子を見ながら五代はそんなことばかり考えていた。
しかし披露宴を終え茶々丸での二次会が始まるとそんなことは忘れつつあった。
長い付き合いの皆との楽しいひと時はそのことを忘れさせるのに十分であった。

……帰り際に長年の友人である坂本と小林の言葉を聞くまでは……。

「五代、おれ初めて管理人さんを見たけどすげえ美人だな。おれ、披露宴の間中、変なことばっかり考えてたよ」
「ばっか、小林。なに言ってんだよ。おれなんか我慢できずにトイレで一発抜いちゃったよ」

その時、五代は苦笑するしかなかった。
まさか本当に坂本がトイレで抜いたとは思わないが、二人とも響子をそのような目で見ていたのだ。
五代の中に生まれる苦い感覚。
確かに響子は自分には分不相応に美しい。
しかし分相応であることがわかっているがゆえに誰にも渡したくない。
茶々丸からの帰り道、五代はもう響子を抱くことしか考えていなかった。



294:5/23 ◆qM8UwHNWDA
09/01/05 02:19:18 4YJL3rc6
「だ、だめですっ」
響子の言葉に五代は我に返る。
「どうして……ですか?」
五代は思わぬ拒絶に顔をしかめる。
「だからその……みんなが待ってるじゃないですか」
「それは……」
「……そんなにあわてなくてもいいじゃないですか」
響子が五代を言い聞かせるように言う。
「……」
「これからは……ずっと二人きりなんですし……」
響子が少し顔を赤らめて言う。
「でも……」
「だめなものはだめです!」
響子が普段の口調に戻り五代を拒絶する。
しかし五代も負けてはいない。
かつては響子のいいなりであった五代だが今は違う。
自分が響子に惚れているのと同じように響子が自分に惚れていることはわかっている。
そしてそれはこれまでとはあまりにも大きな違いだ。

五代は響子のお尻に両手を回し自分の股間に響子の股間を押し付けながらつぶやく。
「そうは言っても……おれ、もう我慢できません」
五代の口調は穏やかだが有無を言わせぬ雰囲気がある。

(この人、本気だわ……)
響子は五代が自分の言葉を無視してまで求めてくる様子にもはやなにを言っても無駄なことを悟る。
なによりここまであからさまに性器を押し付けられてしまっては響子自身、意識してしまうのは当然であった。

「五代さんの気持ちはわかりました……」
響子がつぶやく。
「でもね、こんな慌しい感じで抱かれるのはいや」
そう言って響子が五代を見る。
「だって……今夜はあたし達にとって特別な夜じゃないですか」
「響子さん……」
「だから、みなさんとの宴会が終わってからにしてください……」

確かに響子が言うことはもっともだ。
いわゆる初夜を慌てて終わらせてしまうというのも味気ない話だ。
かといってそれではすっかりその気になってしまった五代の熱の行き場がない。
どうしていいかわからず五代は一人身悶える。

「とりあえず5号室に行ってください。あたしは疲れたからもう休んだって言えばみなさん、なにもいいませんわ」
「……」
「それで宴会が始まってしばらくしてから明日もあるからって抜けて来れば……ね?」
響子がにこりと微笑みかける。
五代もそれがいいかもしれないと思い始める。なにより住人達の動向を気にせず響子をじっくりと抱けるのがいい。
「わかりました、響子さん」
五代は元気にうなずいてみせる。
「急いで着替えて行ってきます」
五代は気分を切り替えスーツを脱ぎ部屋着に着替え始める。



295:6/23 ◆qM8UwHNWDA
09/01/05 02:19:41 4YJL3rc6
「じゃあ、行ってきますね」
着替えを終えた五代が響子に告げる。
「ええ……」
「1時間くらいで戻ってきますんで待っててください」
そう言って五代がドアに手を掛ける。
「あ、あの……」
響子は部屋を出て行こうとする五代に呼びかける。
「なんですか?」
「あの……」
響子が少し恥ずかしそうな素振りを見せる。
「どうしたんです?」
五代が響子の目の前まで戻ってきて尋ねる。
「その……早く……戻ってきてくださいね……」
響子がうつむいたまま小さな声で五代につぶやく。
自ら提案したこととはいえたった一人で五代の帰りを待つのは少々寂しい。
結婚式の夜なのだからそれはなおさらだ。
「響子さん……」
五代は響子の肩に手を乗せる。
「すぐ……戻りますから」
そういって五代はうつむいたままの響子を安心させるように微笑む。
「約束よ」
響子は顔を上げ少し笑顔になって五代に微笑む。
「ええ、約束です」
五代が響子を優しく抱きしめながら言う。
「それじゃ……」
そう言って五代が響子から体を離しドアを開ける。
「またあとで……」
五代は最後にそう告げると管理人室を後にする。
響子はなんとも言えない表情で目の前のドアが閉まる光景を見つめるのであった。



296:7/23 ◆qM8UwHNWDA
09/01/05 02:19:59 4YJL3rc6
そして時は流れ午前0時すぎ。
いつものように住人達にからかわれ続けた五代がやっとの思いで宴会を抜け出したとき、こんな時間になってしまっていた。

「響子さん、響子さん」
やっと響子に会えると五代は喜び弾んでコンコンとドアをノックする。
しかしドアからは返事がない。
(眠っちゃったのかな)
ポケットから鍵を出そうとした瞬間、ドアが静かに開く。
五代がそれに気づき顔をあげると……最近すっかりご無沙汰の響子の怒りの表情が目に入る。

(やばい、怒ってる……)
五代は思わず後ずさる。
「ウソつき……」
響子が眼をつりあがらせてつぶやく。
「すぐに戻るって約束したじゃないですかっ!」
「い、いや……」
響子の剣幕に五代がたじろぐ。
1時間で戻るといっておきながら3時間近くたってしまっているのだから響子が怒るのはあまりにも当然な成り行きであった。
「宴会くらいすぐに切り上げればいいじゃないですか!」
「それができるんなら浪人時代からそうしています」
五代がなんとか必死に言い返す。
「ふーん……」
予想外の抵抗に響子が五代を見上げる。
「あたしのことなんてどーでもいいんでしょ」
かちんときた響子は五代に背を向け恨み言を言う。
「ま、まさか……」
「あとで言いくるめればいいって思ってんでしょ?」
「なにわけわかんないことを……」
五代はつい数時間前とは全く違う響子の豹変に言葉を失う。
「響子さん、機嫌直してくださいよ」
五代が響子の両肩に手を添えて頼む。
「ダメです。甘えないでっ」
響子は取り付く島もなく五代の手を振り払う。
しかし、五代も今さら5号室にもどるわけにはいかない。
それに今の五代にはわかる。
目の前に見える響子の背中が自分を求めていることくらいわからないはずがない。

「でも……待っててくれたんですよね」
五代は再度後ろから響子の肩に手を置き響子の耳元で囁く。
「……」
響子は五代に体を触れられた瞬間ビクっとするが返事はない。
五代はそのまま響子のお腹の辺りに手をまわして後ろから響子を抱きしめる形になる。
「おれ……響子さんが待っててくれたのがすごく嬉しいです」
五代は響子の体の温かさを感じながら言葉を投げかける。
ふと気がつくと部屋の片付けでもしていたのか響子は二次会の時のワンピースからいつもの部屋着にもどっている。
紺のスカートに赤い春物のセーター。首からは黄色いシャツの襟が覗き、豊かな黒髪はいつもの赤いリボンで結ばれている。
「おれ、逆に嬉しいんです、こんな風に響子さんに怒ってもらえて」
「えっ……?」
初めて響子が五代の言葉に反応を示す。
「おれと一緒にいたいって思ってくれてたからこんなに怒ってるんですよね」
「……」
相変わらず響子の返事はない。しかし五代は一人言葉を続ける。



297:8/23 ◆qM8UwHNWDA
09/01/05 02:20:20 4YJL3rc6
「ねえ、響子さん。おれはやっぱり響子さんの怒った顔より笑顔を見ていたいです」
「……」
「だからもう……機嫌を直してもらえませんか?」
五代は響子の反応を待つ。
響子はそれでも言葉を発しない。というより何をどう言えばいいのかわからない。
響子だって五代と喧嘩をしたいわけではない。
だからといってすぐに五代と仲直りできるような素直な性格ではない。

しばらくして響子がぽつりとつぶやく。
「……とりあえず部屋に入りましょ」
「きょ、響子さん!」
五代が笑顔で嬉しそうに響子の名を呼ぶ。

とりあえずの妥協点として部屋に戻ることを提案した響子。
しかし五代の嬉しそうな声を聞くと自分まで嬉しくなってしまうことに響子は少し驚くと同時にため息をつく。
「いつからかしら……」
響子はぽつりとつぶやく。
「えっ……?」
響子は言葉を続けないため響子が何を言おうとしたのか、五代にはわからない。
ただ、決して自分にとって都合の悪い言葉を言おうとしたことではないことは雰囲気からわかる。

「響子さん、こっちをむいてください……」
五代の言葉になんとなく振り向く響子。
すると五代は響子の両肩を掴み響子をじっと見つめる。
(えっ、なに……?)
響子は一瞬わけが分からない。
しかし、なんだか恥ずかしくてつい目を逸らしてしまう。
(いい感じだな……)
五代は響子から自分を拒否する空気が消えたことに気づくとそのまま響子を抱きしめようとする。
すると……

「待って!」

響子が突如五代をつきはなす。
せっかくいい感じだったのにどうしたことかと五代が響子を見やると響子が自分の後方を見ていることに気づく。
響子の視線を追い、後ろを振り向くとそこには……とんでもないものが視界に入る。



298:9/23 ◆qM8UwHNWDA
09/01/05 02:20:39 4YJL3rc6
「ちっ、惜しい……」
四谷が思わず舌打ちする。
「初々しい夫婦喧嘩だったねえ~」
一の瀬が楽しくてたまらないといった表情でつぶやく。
「ちぇっ、もう少しでキスシーンが見れたかもしれないのに」
賢太郎は残念そうだ。
「実は僕、二人の熱いキスを見たことあるんですよ」
二階堂が自慢げにつぶやく。
「ほんとに?」
朱美が驚いた表情で二階堂を見る。

「なにやってるんですか!」
五代がそんな住人達に思わず大声を上げてどなる。
「なにって……ねえ~」
一の瀬がガハハと笑うと皆が笑いに包まれる。
スタスタと歩く音に気づき振り向くと響子が部屋に入りドアをばたんと閉める姿が目に入る。
「響子さん……」
五代が思わずつぶやく。
「逃げた」
朱美がつぶやく。
「あんたらが覗きなんてするからでしょうが!!」
五代が皆を責める。
「わかったわかった、あたしらもう2階にあがるからあとは仲良くやんな」
一の瀬が背中を向けて手を振りながら立ち去っていく。
「五代く~ん、がんばってね~」
朱美がにやりと笑うと二階堂もにやにやしだす。
賢太郎はちょっと恥ずかしそうに五代と管理人室のドアを交互に見、五代の視線に気づくとあわてて階段に向かい歩き始める。
皆が立ち去った廊下で五代は管理人室のドアを見つめたままため息をつくのであった。



299:10/23 ◆qM8UwHNWDA
09/01/05 02:20:59 4YJL3rc6
五代は管理人室のドアを開け部屋に入る。
「響子さん」
五代は響子の姿を認めるととりあえず響子の名前を呼んでみる。
「なんですか?」
響子が五代にこたえる。
「あの……怒ってますか?」
響子は諦めたような表情で五代を見る。
「まあ……あの人たちのことですから……」
響子が仕方ないといった表情でため息をつく。
「あの……遅くなってしまって……。ほんとはもっと早く戻りたかったんですけど」
五代が少し言い訳する。
「あの人たちに無理やり引き止められたんですよね」
響子はその様子を頭に描きながら尋ねる。
「まあ……。おれがもっとはっきり断れればいいんですけど」
五代は自分の押しが弱いところを少し悔やむ。
「考えてみれば仕方ないんですよね。五代さんは五代さんなんですもん」
響子が少し微笑して言う。
響子はそのまま全身が映る鏡の前に座り、髪を結ぶリボンをほどきはじめる。
「響子さん……」
五代はそんな響子をゆっくりと抱きしめる。
若干の堅さはあるものの響子も五代に身を委ねる。
「日付は変わっちゃいましたけど……今夜が特別な夜だってことに変わりはありませんから」
五代が使い慣れない甘い言葉を囁く。
普段あまり使わないからこそ、いざそんな言葉を使われてしまうと響子は一気に意識してしまう。

「宴会が終わったらって約束でしたよね」
五代は目の端で既に布団が敷かれていることを確認して尋ねる。
「ええ……」
響子は素直にうなずく。
「響子さん……」
五代は熱いまなざしで響子の瞳を覗き込む。
響子も覚悟を決めて五代の瞳を見つめ返す。
そんな響子の様子に五代はゆっくりと唇を重ねる。
響子も何の抵抗も見せず素直に五代を受け入れる。

「響子さん……」
唇を離し五代がつぶやく。
響子は少し目を逸らしたまま素直にうなずく。
五代は響子がうなずいたのを確認するとセーターを掴み脱がせ始める。
響子も子供のように万歳して脱ぐのに協力する。
ボタンを全てはずしシャツを脱がせると、響子の上半身を隠すのはピンクのブラのみになる。
「立って……」
五代の言葉に響子が立ち上がるとあっという間にスカートが床に落下する。
「あの、明かりを……」
「いいじゃないですか」
「で、でも……」
ごねる響子の言葉を遮って五代は言葉を続ける。
「そんなことより……おれも脱がせてください」
「あ、あたしが……ですか……?」
響子は少し当惑して五代に尋ねる。
「ええ、響子さんがおれを脱がしてください」
五代が響子に頼む。


300:11/23 ◆qM8UwHNWDA
09/01/05 02:21:23 4YJL3rc6
「構いませんけど……」
響子は言われるままに五代の服を脱がし始める。
トレーナーとシャツを脱がせると五代の厚い胸があらわになる。
既に見慣れた夫の肉体とはいえ明るい部屋で目の前にすると響子はなんだか恥ずかしい。
「下も……」
五代は響子の恥ずかしがる様子を楽しみながら続きを促す。
「はい……」
響子はそういって五代の前に跪き五代のベルトに手を掛ける。
そのままズボンをずらすと五代はトランクス一枚になる。
するとトランクスの一部が明らかに盛り上がっていることに嫌でも気づかされる。

「……」
響子は思わず黙り込む。
ここに来て響子はやっと五代の意図に気づく。
五代の前にしゃがみこんだこの体勢は明らかに響子にフェラチオを意識させる。
最後の一枚を脱がしてしまっては五代のものを口にせざるを得ない気がする。
響子の理性は自ら口にするのを拒否しようとする。
しかし、体の奥底からそれとは正反対の感情が湧き上がってくる。

そう、響子には五代のものを口にしたいという感情がある。
もちろん単純に五代に喜んでもらいたいという気持ちもある。
響子が口でする度に五代ははっきりと悦びの言葉を口にする。
口でするのは恥ずかしいが、やはり喜んでもらえると響子自身も嬉しい。
それにかつてと比べると口ですることにそれほど抵抗はない。
つまり今響子を苦しめている感情はそんな単純なものではない。
だからこそ響子は苦しみ固まってしまう。

「下も……脱がせてください」
五代は動きが止まってしまった響子を見守る。
五代は響子自らの手で脱がせてもらい口にさせたいのだ。

響子は上目遣いで五代に許しを乞う。
しかし五代は響子を見つめ返すだけで何も言わない。
そんな五代の態度に響子は諦めて五代の指示に従う。
躊躇しながらもゆっくりと五代のトランクスをずり下ろすと当然のごとく五代のものが響子の目の前であらわになる。



301:12/23 ◆qM8UwHNWDA
09/01/05 02:21:42 4YJL3rc6
「きょ、響子さん……」
五代が少し恥ずかしそうに照れる。
妻とはいえ女性の目の前に自身のまだ中途半端にしか勃起していない性器を晒すことはさすがに恥ずかしい。
響子もどうすればいいか分からずただ五代のものをじっと見つめる。
響子が思ったよりはまだそれほど大きくなっていない。
しかしそれは一瞬のことであった。
響子の目の前で五代のものが少しづつ鎌首をもたげ天を衝く角度になる。

「えっ……」
響子は目の前でそそり立つ五代のものを呆れるようにして見つめる。。
「響子さんに見られてると思うと……」
五代が照れながら言う。
響子に口でしてもらう期待で五代のものは一気に戦闘体勢に入ってしまったのだ。
「あの……どうしてもしないといけませんか……?」
響子がうつむいたままつぶやく。
「なにをですか?」
五代が少し意地悪して響子に尋ねる。
響子はその言葉に思わずはっとする。
(やだ、あたしったら……)
響子は一人赤面する。
五代は響子が一人相撲する様子を楽しむ。
好きな子をいじめるのと同じで響子が恥じ入る様子を見たかっただけなのだ。
そして五代が響子に布団の方に行こうと告げようとした瞬間、響子が先に口を開く。

「仕方ないわね……」
響子はうつむいたままそうつぶやくと五代のものに手を添える。
「無理に今すぐじゃなくても……」
「今すぐして欲しいんでしょ?」
「そ、それはそうですけど……響子さんはいやなんじゃ……?」
五代の言葉に響子がぴくりと反応する。
「あたしはいやだけどあなたは好きなんでしょ?」
「そ、それはそうですけど……」
五代の言葉に響子はゆっくりと五代自身の竿の部分を右手で上下に擦り上げる。
「うっ……」
その刺激に五代が少し声をあげると同時にその大きさと硬さがより一層顕著になる。
「口で……して欲しい……?」
響子が五代に尋ねる。
「え、ええ……」
五代の言葉を耳にした響子は先端から少しづつ五代のものを口に含むんでゆく……。

「おお……」
五代は思わずため息をつく。
披露宴で他の男達の視線を釘付けにした響子が、今まさに自分のものを口にしているのだ。
五代の男を包み込む響子の口の生温かい感触を感じているうちに他の男達へのすさまじいまでの優越感がこみ上げてくる。
この美しい響子の夫は間違いなく自分なのだ。

「んぐ……」
喘ぎ声をあげながらしゃぶる響子を五代はじっくりと見つめる。
五代から言わなくても自らフェラチオをするようになった響子。
付き合い始めた頃はそんなことをするはずもなかった。
そもそもフェラチオは女性からの一方的な奉仕だ。
フェラチオを嫌いなはずの響子が自ら進んでそれを行うということの意味。
五代はあらためて響子が自分の妻であることに心から感動する。



302:13/23 ◆qM8UwHNWDA
09/01/05 02:22:08 4YJL3rc6
「ふう……」
一旦、口を離した響子が息を吐き出す。

響子は少し前まで口でするのがいやでいやで仕方なかった。
初めて五代に抱かれた夜、理由があるにせよ口でしてしまったことを心から後悔していた時期もあった。
そもそも響子は男性器を口で愛撫するなど想像したこともなかった。
せいぜい女性週刊誌のエッチな特集で得た程度の知識しかなかったのだから当然だ。
だが響子の意に反し、五代は執拗に求めてきた。
響子も毎回は断ることができず、結局は五代に求められる度に口にするようになってしまった。
そして五代は大抵の場合、響子に飲み干すことを強いる。
そのようなことを強要されるのは普段の五代からは想像できないことであった。
普段と違う五代に響子はなぜか拒否できず心の中で反発しながらも我慢してきた。
五代が望むのなら、と響子は無理やり自分を抑えてきた。
しかし今、響子は自分がよくわからなくなってきている。

抵抗がないといえば嘘になる。
しかし五代が喜んでくれることがなによりも嬉しい。
さらに響子の中でこみ上げる先日のホテルで初めて自覚したもう一つの感情……。

響子にとってフェラチオは五代を興奮させるためだけのものではない。
響子自身をも激しく昂ぶらせるのだ。

もちろん理性ではおかしいことはわかっている。
五代に口を陵辱されることに淫らな喜びを感じてしまうなんて認めることはできない。
しかし、先日ホテルで久しぶりに口でさせられ、口内をいたぶられた後、響子はかつてないほどに昂ぶってしまっていた。
そして五代に貫かれた瞬間、信じられないくらいあっさりと絶頂を迎えてしまった。
あの快感を……響子は忘れることができない。
あのためならもっと積極的にしてもいいとさえ思えてくる。
しかし実際には響子は五代に普通に愛してもらうだけで十二分に満足できる。
だからこそ普段の自分とは全く違う淫らな自分をさらけ出されてしまうフェラチオに抵抗があるのだ。

「響子さん……」
五代に名前を呼ばれて響子は我に返る。
五代のものを掴んだまま顔を上げる響子。
「あの、時間も遅いんで……」
五代が遠慮がちに言う。
響子はこくりと頷くと再び五代のものを口にする。

ずちゅずちゅと五代のものと響子の唾液がいやらしい音を立てる。
今までどおりの響子のフェラチオ。
まもなく五代は満足して達する、響子はそう思っていた。

響子が異変に気づくのにさほど時間は必要でなかった。
今までならすぐにうめきだすはずの五代が平然とした顔で響子を見下ろしているのだ。
(こ、こんなはずじゃ……。この間のホテルでもあっさりと……)
響子は動揺を悟られまいと五代の亀頭を舌で包み込むように舐める。
「おお……いいですよ響子さん……」
五代が余裕を持って響子に声をかける。
響子はそんな五代の言葉が耳に入らないかのように必死に口で愛撫する。
その懸命な愛撫に五代は思わず精液を放出してしまいそうになる。
当然だ。
愛する妻に必死に奉仕されて感動しない夫などいるわけがない。
しかし五代は耐える。
余裕の表情を無理やり作り出し必死に奉仕する響子を見下ろす。



303:14/23 ◆qM8UwHNWDA
09/01/05 02:22:29 4YJL3rc6
そのまま数分の時間がたった。
響子は懸命に奉仕を続けるが結局五代を満足させることが出来なかった。

「ど、どうして……?」
響子が五代のものから口を離しうめく。
自ら五代のものを口にしながら満足させてあげられないという現実。
これまでなら響子が口ですると五代はすぐにうめき声をあげ喘ぎ始めたものだ。
響子はすぐにでも五代を満足させることができるつもりであったし、今まではそうであった。
しかし……。
響子は恥ずかしさのあまり俯き肩を落とす。

五代はそんな響子の肩に優しく手を添える。
「そんなに気にしないでください、響子さん」
「だ、だっ……」
「この間久しぶりに響子さんに口でしてもらったとき思ったんですよ。もしかしたらこれ我慢できるんじゃないかって。久しぶりだったから我慢できませんでしたけどね」
響子が恨めしそうに五代を見る。
「その……理由は簡単なんです。おれが……その響子さんを何度か抱いているうちに……響子さんに慣れちゃったってことなんです……」
「えっ……?」
響子が上目遣いで五代を見る。
「最初の頃、響子さんを抱くだけでおれはいっぱいいっぱいでした。もちろん口でしてもらった時なんてもう我慢するのに必死でしたから」
そういって五代は初めて響子を抱いた日のことを思い出す。
「でも響子さんは知らないかもしれないけど……最近ではおれ、響子さんの反応を確認してから終わらせているんですよ」
響子はいつも最後には前後不覚に陥っていることが多い。
それでも思い当たることはある。

「あたしじゃ不満……なんですか……?」
響子が声を震わせる。
「ち、違います。響子さんの体はいつだって最高です」
五代が必死になって響子を説得する。
「坂本なんて5,6回抱けば飽きるって言ってるくらいなんです。それに比べたらおれは響子さんに慣れるのに半年もかかったわけで。それくらい響子さんは魅力的なんです」
五代が真剣に響子を諭す。変に機嫌を損ねてもらってはこまるのだ。
「本当に?」
響子が五代を疑いの目で見る。
「本当です。いつだって響子さんがおれの最高なんですから」
五代が必死に響子を持ち上げる。
「じゃあ……何がいけないんですか……?」
響子が弱弱しい声で尋ねる。
「あの……最初の頃は口にしてもらって少し刺激してもらえばそれだけで良かったんです。でも最近はもうそれだけじゃちょっと……」
五代がばつが悪そうに口ごもる。



304:15/23 ◆qM8UwHNWDA
09/01/05 02:22:50 4YJL3rc6
管理人室にきまずい沈黙が訪れる。

「……わかりました……」
響子がうつむいたまま重い口を開く。
響子だってもう立派な大人の女。
五代の言いたいことはわかる。

つまり……五代はもっとうまくやってくれと言っているのだ。
響子にとってはすさまじい屈辱だ。
下手だと言われた様なものなのだ。
しかし、今まさに五代を満足させることができなかった。
これでは五代の言葉を否定することができない。
響子は……屈辱に震えながら言葉をひねり出す。

「どうやればいいのか……教えてください……」

言った瞬間響子は終わったと思う。
年下の五代にフェラチオのやり方を教わる。
それは五代が想像する以上に響子にとっては屈辱的なことであった。
今まで五代に好きなように抱かれ、様々な恥ずかしい言葉を言わされたりしてきた。
五代に組み敷かれ意識を飛ばした無防備な姿を晒してしまうのも既に当たり前のことのようになってしまっている。
しかし、口でするときだけは主導権を握ることができた。
その時だけはいつもの自分に戻ることができた。
だがそれも終わる。
これからはどんなに五代にうめき声をあげさせてもそれは五代に教えこまれたテクニックということになる。

「いいんですか、響子さん?」
五代は思わず響子に尋ねる。
「仕方ないじゃないの……」
響子はうつむいたまま少し声を震わせてつぶやく。
そんな響子の姿に五代は思わず響子を抱きしめ謝りたくなる。
二人の大事な記念日である初夜に世界で一番大切な響子を悲しませてしまう自分自身が嫌になってくる。
しかし、そんな五代の感情も響子に自分の望むとおりにしゃぶらせるという甘美な誘惑の前には無力であった。



305:16/23 ◆qM8UwHNWDA
09/01/05 02:23:08 4YJL3rc6
「響子さん……」
五代が遠慮がちに自身を響子に近づける。
仕方なく響子は五代のものを見つめる。
これから何年も付き合っていくことになる五代のものは初めてみた時よりも少し黒がかったように見える。
響子は威圧するように反り返る五代の竿を再度掴む。
そして観念して口にしようとすると五代が響子に指示を出す。

「まず、今握ってるとこを舐めてください」
言った瞬間、五代は自分の体が熱くなるのを感じる。
いよいよ響子に好きなようにフェラチオさせることができるのだ。
興奮を悟られないように五代は息を呑む。

響子は五代のいうとおりに竿の部分を舐め始める。
ネコのようにぺろぺろと舐める響子。
「頭を傾けて唇で挟んで……」
五代の言葉どおり響子は唇で五代のものをはさみ締め付ける。
「はさんだまま唇でしごいてください」
五代の言葉に響子は唇で五代の竿を下から上までしごきあげる。
「いいですよ響子さん。次はおれの裏側を舐めてください」
「はい……」
響子は五代のものを右手で反らせて裏側を舐めあげはじめる。
「響子さん、もっと緩急をつけて」
五代の指示が飛ぶ。
その言葉に響子は舌先での刺激を強めたり弱めたりする。
「いいですよ。響子さんはその辺の強弱が甘かったんです」
五代が仁王立ちのまま自信満々に響子に告げる。

いつもの響子なら五代の物言いに反発したであろう。
そんな言われ方をされたら本気で怒ってしまったに違いない。
しかし今は違った。
響子はもしこれで五代を満足させることができなかったら一人の女として生きていくことができなくなってしまうような錯覚に陥ってしまっているのだ。
響子は五代の言うとおり熱心に舐める。
今の自分の姿が五代の目にどんな風に映っているのかも気にならない。
ただ一人の女として五代に満足してもらいたい。
「舌先で裏の筋に沿って……」
「はい……」
響子は五代のいうとおりに五代の裏筋に沿って舌先を擦り付ける。

五代は自分の言うとおり素直にフェラチオを続ける響子に、それだけで早くも我慢できないものを感じ始める。
ずっと高嶺の花だった響子。
付き合い始めた頃から既に半年を経過したがその思いは変わらない。
情けないことに長年の癖で今でも言いたいことが言えずつい響子に対して卑屈になってしまう瞬間がある。
その響子に自分の言うとおりフェラチオをさせる。
もはや坂本たちの妄想への反発も消えている。
今この瞬間、響子は完全に五代に服従している。
響子を従わせる快感は五代の興奮をさらに高め、五代はもっともっと響子を辱めたくなる。



306:17/23 ◆qM8UwHNWDA
09/01/05 02:23:39 4YJL3rc6
「いいですよ、響子さん。次はおれのこいつを口にいれてしゃぶってください」
五代は自身を見せつけながらあえてしゃぶるという表現をする。
それは響子の反応を見るためであった。
そして響子は五代の期待通りの反応を示す。

響子は頬を染め恥ずかしそうにしながら五代のものをみつめる。
(さっきより大きくなってる……)
響子はそそり立つ男から目を逸らすことができない。
明らかにそれは響子の舌と唇で完全に勃起している。
(やだ……目を離せない……)
響子は思わずその逞しい肉棒に貫かれる自分自身を想像してしまう。
(これを挿れられたら……)
響子はごくりと息を呑む。

五代は響子の様子を満足して見つめながら目ではやくするよう合図を送る。
我に返った響子は恥ずかしそうにしながら五代のものを口にする。

しゃぶる、という表現。
やはり響子は露骨な表現を恥ずかしがる。
そしてその羞恥の先にあるもの。
響子は気づかれていないと思っている。
しかしそれは誤りであった。
かなり前から五代はそのことを疑っていた。
そして先日のホテルでその考えに確信を持つまでにいたった。
今までは思い過ごしかもしれないと思い響子に遠慮していた。
しかしこれからは違う。
五代は響子にさらに指示を告げる。

「ゆっくりと舌全体でなぞるように擦り付けてください」
「うう……」
響子の顔が屈辱に歪む。
口でするだけでも恥ずかしいのにいちいち五代にやり方まで指図される。
そして五代のいうとおりにすると明らかに五代が反応する。
舌に伝わる五代の感触は先ほど自分がしていたときと全く違う。
ドクドクと激しく脈打つ様は五代の興奮をそのまま映し出しているかのようだ。

「響子さん……?」
五代のものを咥えたまま動きが止まってしまった響子に五代が声をかえる。
「な、なんでもありません……」
響子は五代の言うとおりに舌を五代の亀頭の側面に擦りつけ始める。

五代は自分の言うとおりに従う響子を見下ろす。
冷静に見て、やはりこれまでの響子の性技は未熟だったようだ。
その証拠に自分の言うとおりにしゃぶる響子に五代は声を抑えるのに精一杯だ。
今まで気持ちいいと感じていたのは響子のテクニックではなく響子に舐めてもらっているという五代の心理的なものがあまりに大きすぎたということを改めて認識する。



307:18/23 ◆qM8UwHNWDA
09/01/05 02:23:59 4YJL3rc6
「もう少し強弱を付けてみてください」
響子は五代のものをくわえたまま少し頷いてみせる。
そして五代のいうとおり亀頭を舐め回しながら時々より強く舌先を擦り付けてみる。

「うっ……」
五代は思わずうめき声をあげる。
響子はその声に聞き覚えがある。
これまで響子が口でするたびに五代があげていたうめき声だ。
(五代さん、喜んでくれてる……)
響子は少し自信を取り戻し五代に言われたとおり舌全体で亀頭を舐め続ける。
五代はただ響子の口の温かい感触とその心地よい舌の愛撫に身を委ね始める。
なにも指示がないため響子は夢中になって五代の亀頭に舌の表側と裏側を交互に擦りつける。

「……」
五代は響子のしっとりとした黒髪を撫でながらその表情を観察する。
思ったとおり響子の表情はさっきまでと全く違っていた。
顔全体に赤みが差し瞳を潤ませるその姿は完全に欲情した女の姿だ。
「響子さん……」
五代の呼びかけに響子が顔を上げる。
「そのまま……口先をすぼめていつものように……」
五代はぎらぎらと目を光らせ興奮した表情で響子に指示する。
もちろん響子にもその口調から五代の興奮がはっきりと伝わる。
響子は五代のものを咥えたまま口を前後させ始める。

一見いつもと同じように見える響子の動き。
しかし細かいところが違うのだ。
亀頭の下側に舌をあてがいそのまま口先をすぼめてゆっくりと奥深くまで五代のものを咥えこむ。
唇による摩擦は亀頭だけでなく竿の部分にも及び五代の快感を呼び込む。
同時に舌の表面で五代自身の裏側が刺激され続けるのもたまらない

「きょ、響子さん!」
五代があまりの快感に思わず叫ぶ。
想像以上の成果だ。
これまでの響子の口腔愛撫とはまったく違う。
唇での刺激を重視して素早く口を前後させるときもあれば、口に含んだまま舌の表と裏の両面を五代自身のいたるところに交互に擦りつけたりする。
我慢の限界を迎えそうなほどに追い詰められた五代は髪を撫でていた両手を響子の頭に添える。



308:19/23 ◆qM8UwHNWDA
09/01/05 02:24:24 4YJL3rc6
響子は五代の反応にひとまず安堵する。
今までは何も考えずに五代のものを口にしてきた。
それでも五代は十分に感じてくれていたのだからそうなるのは仕方のないことであった。
しかしそれを今日、五代に否定されてしまった。
だからこそ屈辱に身を焦がしながらも五代の指示に従った。
そして五代の指示を受けるうちに響子はわかってきた。
今まではあまりに単調すぎたのだ。
その証拠に響子が少し変化をつけて舌で愛撫すれば五代はそれだけで我慢できずうめき声をあげる。
響子は五代が激しく感じ始めた気配に気づき一旦咥えるのを止める。
「きょ、響子さん……?」
五代はこれからというところでやめられてしまい思わず不満の声をあげる。
響子はすっかり自分に夢中になり始めた五代の竿の部分を手でしごきながら亀頭の側面を焦らすように舐めはじめる。
五代が尿道口の割れ目を舌先で擦られると我慢できないことを思い出した響子はわざとその部分の周りを重点的に舐める。

「響子さん、その……さきっぽも……」
五代が最も敏感な部分も舐めるように響子に求める。
響子はそんな五代を上目遣いに見る。
五代のものを右手でしごきながら亀頭の側面を下から上に焦らすようにして舐める響子の姿はあまりにも卑猥だ。
「じ、焦らさないで……」
五代が興奮した口調で喘ぐ。

響子は五代の言葉におもむろに最も敏感な尿道口に舌先を押し付ける。
ただ押し付けるのではない。
時々強く押し付けたまま割れ目を上下に擦ってみる。
「響子さん……す、すごく……いいです……」
五代が苦しそうにつぶやく。
「んんっ……んむんむ……」
響子も無意識のうちに口から漏れる淫らな喘ぎ声で五代にこたえる。
知らぬ間にすっかり夢中になってしまっている響子は五代の欲情を煽る自身の喘ぎ声に気づきもしない。

床に正座して仁王立ちの五代に仕える響子。
響子自身は気づいていないが誰がどう見ても今の響子はフェラチオを望んでやっているようにしか見えない。
もちろん五代もわかっている。
響子の昂ぶりははっきりとその顔から見て取れるのだから。
そんな響子の表情に我慢できず五代は響子の後頭部を自分の股間に押し付け一気に自身を響子の喉奥まで捻り込む。

(ああ……)
響子は心の中で悲鳴とも喝采ともいえぬ声をあげる。
それはすでに響子の忌み嫌う行為ではなく待ち望んでいた行為なのだ。



309:20/23 ◆qM8UwHNWDA
09/01/05 02:24:55 4YJL3rc6
響子は口いっぱいに五代のものを捻りこまれ息をするのさえ苦しい。
必死に鼻で息をするが深く息を吸い込むたびに五代の男の匂いが体中に充満し、淫らな空気に犯されてしまった様な感覚に陥る。
それでも……響子は止めて欲しいとは思わない。
むしろもっと続けて欲しいとすら思う。
その期待に応えるように五代は腰を前後に動かし、その太さと熱さで響子の口内を陵辱する。

(だめだ……)
響子は心の中でうめく。
もうどうしようもないと響子は思う。
他人はごまかせても自分自身はだませない。

やはり響子は……五代に口を陵辱されると感じてしまうのだ……。

普段自分に逆らうことのない五代に口内を無理矢理乱暴に汚される響子。

はしたないことにもっともっと汚してほしいとすら思い始める。
(もう……我慢できない……)
普段の優しい五代とのギャップに響子の胸は熱くなる。
(早くあたしの口に出して……)
精液を口に出され無理矢理飲まされるその瞬間をいまや遅しと待ち構える。


「響子さん……すごく……」
五代があまりの興奮につぶやく。
そして響子の苦しそうな表情に興奮しながらもさすがに悪いと思い響子の口から少し腰を引く。
そしてゆっくりと腰を動かしながら響子の表情をじっくりと観察する。

(見られてる……)
響子は五代が自分の表情を覗き込んでいることに気づきうろたえる。
(もっといやそうな表情をしないと……)
しかしどんな表情をすればいいのか響子にはわからない。
実際、乱暴さが消えた五代の腰の動きに響子の表情から苦しさは消え、今は全く違う表情になっている。
その響子の表情に……五代の興奮は最高潮に達する。
なにしろ響子は嫌がるどころか恍惚の表情を浮かべてしまっているのだから当然だ。

「このまま口に出されてしまいたいんですよね」
五代が腰の動きを止めつぶやく。
「!!」
響子は思わず目を見開いて五代を見る。
(こ、この人……)
「まさか、おれが知らないとでも思ってるんですか?」
五代が興奮した口調で続ける。
(そ、そんなまさか……)
響子は呆然とする。
そんな響子に五代が最後通告をする。



310:21/23 ◆qM8UwHNWDA
09/01/05 02:25:16 4YJL3rc6
「響子さんは昔からおれより立場が上だって思ってますよね」
五代は響子の反応をみながらゆっくりと言葉を続ける。
「それは当然です。おれ達二人の関係はおれの一目ぼれから始まったんですから。だから無理矢理恥ずかしいことをやらされたり言わされたりすると、普段の響子さんなら怒って機嫌が悪くなるはずです。でも……」
五代は言葉を切って響子のもうやめて欲しいという表情を楽しみながら続ける。
「でも布団の中での響子さんは違います。実際には怒るどころか……逆にいつもとは比べ物にならないほど興奮しちゃうんですよね」
「……っ!!」
響子はショックのあまり一瞬我を忘れる。
五代に見抜かれていたショックは響子から言葉を奪いぴくりとも動けない。
「そしておれは……そんな響子さんの姿に……凄く興奮します」
五代は呆然とする響子を見下ろしてつぶやく。
「このまま響子さんの口に出したら……すごく興奮するんじゃないですか……?」
五代はそう告げると一気にスパートをかける。

息苦しさとジュブジュブと音を立てる自身の唇に響子は我に帰る。
「んん……んぐんぐっ……」
響子はやめてと言おうとする。
ここまで辱められてしまったうえに口に出されてしまっては響子は自我が保てない。
しかし口を塞ぐ五代の肉棒にそれは言葉にならない。
それどころか響子が口に出されるのを嫌がる様子は五代を激しく燃え上がらせてしまう。

「出しますよ、響子さん」
五代が響子に限界を告げる。
(ああ……)
響子は自分自身に絶望する。
ここまで辱められても……響子は五代の言葉に背徳の悦びを感じてしまうのだ。
五代の思うように口内を汚され精液を飲まされる。
響子は想像しただけで既に興奮でおかしくなってしまいそうだ。

羞恥と興奮に震える響子の口中で五代の分身は今日一番の膨張を見せる。
そして最後に響子の口内をくまなく陵辱すると五代は響子を股間に押し付け一気にその精液を放出する。

ドピュピュ……

五代の精液が響子の口内を汚す。
五代は左手を響子の顎の下にいれて顔を上げさせ右手を響子の後頭部に添えて響子を股間から逃げられないように固定すると口内に射精される響子の表情をじっくりと観察する。すこし涙ぐんだ響子の表情に五代の射精はいつもより長めでしばらく止まらない。
「……ん……んんっ!んぐっ……んぐっ……」
響子は逃げることもできずうめき声をあげながら精を喉奥に受けるしかない。

結局……これまでと同じように飲まされる。

響子が飲み干すまで五代の腕の力が抜けることはなかった。
粘つく液体が喉を通り抜ける久々の不快さもそれほどでもない。
いつの間にかすっかり慣れてしまっているのだ。
いつものように五代の竿をつかみ最後の一滴まで搾り出し口にしてやっと響子は解放される。
響子はフェラチオを強いられ精液を飲まされるという現実よりも、それを不快に思うどころか悶え悦ぶ自分自身が恥ずかしくて仕方がない。



311:22/23 ◆qM8UwHNWDA
09/01/05 02:25:38 4YJL3rc6
一方の五代はうつむいたままはぁはぁと肩で息をする響子に夫というより一人の男として凄まじい優越感を得る。
もともとフェラチオは男の征服欲を激しく満足させる行為だ。
それも年上の新妻にしゃぶり方まで仕込み、精液を飲ませる征服感は筆舌に尽くしがたい。
それは披露宴の時、妄想するしかなかった男達との決定的違いでもあった。
しかし、ふと我に返るとやはりやりすぎたのではないかと思い始める。
「響子さん……」
五代はおそるおそる響子をできるだけ優しく抱きしめる。
そして響子の動悸が治まるのを待って五代は響子の顔をうかがいながら尋ねる。
「怒ってますか……?」
五代の質問に響子は顔を背けこたえない。
というよりこたえようがない。
響子の心の中には自身への羞恥と五代への怒りと……激しい満足感が混在しているのだ。
そんな響子の複雑な表情に五代はどうすればいいかわからない。
「すみません。おれ、自分が抑えられなくなっちゃって……。でも響子さんが本当にいやならもう今みたいなこと二度としませんから」
響子の気持ちがわかりかねる五代は今の心情を素直に告げる。

響子は自身を優しく抱きしめる五代を見上げる。
五代はいつもの五代に戻っていた。
普段、響子の気持ちを何よりも大切にしてくれる五代。
五代に抱きしめられるとそれだけで心が落ち着いてしまう。
響子は改めて自分が信じられないくらい五代のことを好きになってしまっていることを自覚する。
そして好きだからこそ……こんな自分を知られたくなかった……。

「いつから……知ってたんですか……?」
響子がうつむき尋ねる。
響子がなにを聞いているのか、それはあまりにも明らかだ。
「ずっと前から疑ってましたけどこの間のホテルで間違いないなって思いました」
五代が素直にこたえる。
「そうです……か……」
響子はうつむいたままだ。
「軽蔑……してますか……?」
響子が急に肩を震わせながら五代に尋ねる。
「そ、そんなことありません!」
五代が即答する。
「あたし、恥ずかしいです。自分がこんな女なんだって知られてしまって……」
響子の落ち込む様子に五代はあわてる。
思い込みが激しい響子のこと、このままでは何を言い出すかわからない。
五代は無理矢理言葉を続ける。
「あんまり恥ずかしがらないでください」
「……」
「その……おれたち夫婦なんだからお互い、人に知られたくないことも見えてしまいます。でもそれをお互いに受け入れ合うのが夫婦じゃないですか」
「……」
「おれは今この瞬間も響子さんのことが好きで好きでたまりません。今日は響子さんのことをもっとよく知ることができて嬉しいくらいですし……」
五代は自分でも何をいっているのかよく分からないまま言葉を続ける。
「おれが気にしてるのは響子さんにやりすぎてしまわなかったかなってことだけです。だって……おれが響子さんのこと嫌いになるわけがないじゃないですか」
「……」
響子からの返事はない。
しかし五代は真剣に言葉を発し続ける。
その真剣さに響子も五代の言葉を素直に受け入れようと考え始める。



312:23/23 ◆qM8UwHNWDA
09/01/05 02:26:01 4YJL3rc6
「もう……いいですから……」
響子は五代の背中に手をまわしてつぶやく。
響子はまだ恥ずかしいと思っている。
ただ夫である五代はこんな自分を今までどおり受け入れてくれることだけははっきりとわかった。
響子にとって、それが一番大事なのだ。
それに五代にここまで心配してもらえるともうそれだけでそれ以外のことはどうでもよくなってくる。

五代は響子が軟化したことに気づく。
響子は泣いたり怒ったり感情の起伏が極端で激しい。だからこそ五代は響子を見る目がいつの間にか鋭くなっている。
五代は響子を安心させようと唇を重ねようとする。
「だ、だめ……」
響子が顔を背ける。
そんな響子の様子に五代はやはりまだ怒っているのかと一瞬悲しい表情になる。
「ち、違うんです……」
響子は少し慌てる。
「えっ……?」
「その……あたし、口でしたばっかりで……。ちょっとゆすいできます」
響子はそう言うと立ち上がり台所に向かおうとする。
しかし、五代はそんな響子の腕をつかみまたも抱き寄せる。
「えっ……?」
響子は思わず驚きの声を発する。
「そんなこと気にしてませんから……」
五代はそうつぶやくと響子に優しく口づけする。

「……ん」
響子は五代の口づけを素直に受け入れる。
優しく抱きしめられながら唇を重ねられると驚くほどあっさりと幸せな気分になる。

「ねえ、響子さん……」
「はい……」
「布団に行きましょうか……」
五代は響子を誘う。
五代は響子をゆっくりと心の底から愛したいのだ。


管理人室の電気が消えたのはその数分後のことであった。



313:名無しさん@ピンキー
09/01/05 02:28:06 4YJL3rc6
ということで前編は以上です。
後編は1月中には落としますので興味がある方は
気長にお待ちください。

ではまた ノシ

314:名無しさん@ピンキー
09/01/05 18:56:37 WlKk5TRC
ゴチになりました
しかしエロイなこの二人
気長にまっとります

315:名無しさん@ピンキー
09/01/11 03:22:45 Vq1ioOkp
実に良かった。素晴らしいよ。次回を楽しみにしてます!

316:名無しさん@ピンキー
09/01/11 22:54:24 aI5zmJGG
追い出されたというか、純粋に作品スレが
カップリング論争が怖い・ちょっとでも主流から外れると怖い空気だったり
主に活動してる書き手と作風が大きく違うので波風立つの確定なときも
ここに投下していいんだろうか?

317:名無しさん@ピンキー
09/01/11 23:15:22 ac6FKVLT
>>316
>>1

318:名無しさん@ピンキー
09/01/14 15:44:46 wd148yAb
いいれす

319:484
09/01/15 17:35:05 umzuOJNH
投下させていただきます。

原作:『鉄仮面と子猫』作者様
二次創作SS
橋本あや×沢木勇治
フェラ
前編



『アフターケア』

私の名前は橋本 あや、○市の市役所の職員で
企画部企画課に務めている。
もともとは東京丸の内の一部上場企業で働いてたんだけど
思い出すのも腹立たしい……むかつく同僚に可愛げのない後輩。
それに付け加えて、セクハラ&無能上司。
そんな職場にうんざりして、エリート企業?勝ち組?ああ、そうですか
くたばりやがれ!とあの上司の面に辞表を叩きつけて退社。
勇んでみたが、とりあえずご飯が食べられなくなると困るので、
この市役所の社会人採用枠に応募した。
私の履歴書によっぽど驚いたのか、面接も何もかもすっとばして即・採用。
企画部の企画課に配属された。
その企画課のドンである『鉄仮面』のあだ名をもつ冷徹・怜悧・無表情な上司
中嶋 貴巳(たかみ)氏とその他の職員、そして私の愛くるしい後輩である橘 雪子(ゆきこ)ちゃん
とのほほんとした職員ライフを送るはずであった。
が、し・か・し……
紆余曲折を経てなんとその鉄仮面と雪子ちゃんが『結婚』してしまった。
まぁその片棒を担いだ…というか…その何だ、その過程を知っている私は事前に
その情報を察知していたワケだが……。
この話は、その雪子ちゃんに淡い恋を抱いていた『その他』の話である。


「だからぁ…仕方ないって言ってるでしょぉ!もう結婚決まっちゃったんだから!」
「んぐ、んぐっ…あや先輩…そんな、そんな事言ってもぉ…お、俺、俺、おええっ!」
「うわっ、汚い!吐くなこのボケ!店員さーん、すいませーん!
オラッとっととトイレに行きやがれ!」
 土曜の夜の繁華街は飲みに出る社会人や女性でにぎわっている。
 あの鉄仮面と雪子ちゃんが課の私達に結婚と退社する旨を伝えたその夜、
 私達は飲みに出た。半分は祝い、もう半分は慰安の酒である。
「しかし…まぁ、驚いたよ…課長と雪子ちゃんが結婚とはねぇ…」
穏やかな口調で話すこの人は富岡係長。課長である中嶋 貴巳より20も
上なのに絶対実力主義を掲げる爽やか市長の為、万年係長の烙印を押されてしまった。
有能とは言い難いが、役所内に敵の多い上司・鉄仮面の数少ない理解者である。
「僕も驚きましたよ。でも幸せそうで何よりじゃないですか、ああ、先輩、おかえりなさい。」
このにこにこ野郎は高田 諒。雪子ちゃんが退社すると課で一番若い職員になる。
鉄仮面とは対照的にいつもにこにこしているが、何というかつかみ所がない。
「ぐす…ぐす…高田、高田ぁ…お、お前ならわかってくれるよなぁ~」
トイレから戻ってきても未だに泣いているこの情けない男は沢木 勇治。
雪子ちゃんに恋して見事に散った哀れな男である。
「あれ、沢木先輩には言ってませんでしたっけ?僕、大学からつき合ってる彼女がいるんです。」
「……………」
一瞬、静寂が場を包んだ。
「高田ぁ、てめぇぶっ殺ス!」

320:484
09/01/15 17:37:45 umzuOJNH
「痛い、痛い、離して下さい~沢木先輩~」
怒り狂った沢木が高田のネクタイを掴み、がるるッと狂犬のような目つきで吼えた。
「はいはい、やめとけやめとけって……でも、まぁ、確かに幸せそうだったわよね」
沢木の首根っこを掴みつつ、私はしみじみと言った。
「ああ、ウチの娘も雪子ちゃんみたいに素直だったらなぁ……
最近『お父さん』って呼んでくれないんだよ……」
「係長、元気出して下さい。例え、加齢臭クセぇって言われて、汚物を見るような眼でみられても
娘さんは係長を好きでいてくれてますって」
 高田はウウッと涙ぐむ係長に優しくなだめるように言った。
「…………高田、アンタ意外に腹黒いわね」

「それじゃあ、私はこのバカ送ってくるから…」
「はい、お疲れ様。」
「また月曜日に。お休みなさい。」
係長、高田と別れ私は酔いつぶれた沢木の肩をもち
こいつのアパートの階段をのぼった。
タクシーに放り込んでさよならしてもよかったが、
それではあんまりにも無慈悲だと思い、情けを掛けてやったのだ。
これでも一応は私の後輩であるし、想い人に告白する事もなく、
『結婚』という絶対の壁によって断たれてしまったこいつの胸中はわからんでもない。
私だってあの雪子ちゃんが鉄仮面のお嫁さんになるくらいなら……
いかん、いかん。私は同性愛者ではないし、雪子ちゃんが幸せならそれでいいじゃないか。
もし無理矢理とか勝手に親同士が決めた許嫁とかだったら奪うけどな。
「くうう~重いわね…ほら沢木、しっかりしなさいよ。鍵だせ、鍵!」
「ううう…ずみまぜんあやぜんばい…俺、俺、おえ―」
「私の服にぶちまけたらぶっ殺すぞ」
「うっぷ…」
頬をリスみたいに膨らませた沢木の部屋のドアを開け、トイレに叩き込む。

321:484
09/01/15 17:38:51 umzuOJNH
ああ~疲れた…重いったらありゃしない。
靴を脱ぎ捨て、胸元を弛めると遠慮なしにソファにお尻を沈めた。
「あ~あちぃ~………ん?」
ばたばたと手で扇ぎながらふと、部屋の中を見渡してみる。
何かやけにこざっぱりと言うか…いや、綺麗に整頓されている。
想像していた沢木の部屋は生ゴミ処理施設だったのに、
むしろ私の部屋より綺麗だ。
私の部屋なんかビール瓶は転がってるし、下着とか雑誌とかその変に
散らばってるし……
男やもめに蛆がわき、女やもめに花が咲く…とは誰が言ったのか。
これではまるで逆だ。何かむかつくぞ。
勝手に冷蔵庫を開け、冷えたビールを取り出すとぐいと煽った。
「はぁ…はぁ……ああ、すっきりした……ガラガラ…ペッ…
ガラガラガラ…ぺッ…あ~ついでに歯も……」
沢木は洗面所で口を濯ぎ、律義にも歯磨き粉までつけて歯を磨いている。
「沢木、何でこんなに綺麗なのよ?」
「え…な、何でって…あー!あや先輩、それ俺のビール!?」
「どうせ今夜は飲まないんでしょ?あいにくと私はまだ飲み足りないの」
「最後のビールだったのに……」
しょんぼりと肩を落とす沢木。
「で、何で部屋がこんなに綺麗なの?まさか通い妻とかいるんじゃないでしょうね?
あわよくんば雪子ちゃんと二股かけようと――」
「なワケないでしょ……」
「じゃあ、何で?」
私は問いつめた。すると沢木は、ふぅ…と息を吐き言った。
「………雪子ちゃんに告白して……うまく付き合う事になったら。
部屋とかに遊びに来てもらおうと思って…でもその部屋が汚かったらイヤでしょう?
だからベットも綺麗にして、高かったけど色々とリフォームしたんですよ」
「へぇ……」
私は感心した。結構、遊んでるいい加減なヤツかと思ったけど意外と純情なんだ。
沢木の新しい一面、発見だな。
「り…料理だって…雪子ちゃん上手いし、俺も見習えば…少しは趣味が合うかなって…
エプロン買って…本とかも買って自分で料理してみたけどからきしダメで…」
「…………」
「でも、やっぱりダメでしたね……結婚って…ハハ…何かの冗談かと思ってました。
でも雪子ちゃん、笑って…幸せそうだったな……結婚か…」
沢木ははぁーあとため息をついた。私はビールを片手にうんうんと頷いていたが
こいつの様子が少し変な事に気付いた。
「……沢木?」
「結婚って……結婚って、そりゃないスよね…雪子ちゃん
そりゃねぇよ……うぐ…んうう…ゆきこちゃん……」
「……ちょ…沢木」
沢木は身体を抱え込んで泣き出した。全く情けない奴だ…という思いが半分。
可哀想だなという思いが半分。こいつなりに色々と悩み、考えていたんだな。
まぁ、告白OKされてからリフォームしろよという野暮なツッコミは控えておいてやろう。
  それに久々に……その…何か気分が乗ってきた。そう、アレだ…。
「ほら、泣くな泣くな、みっともない男だろォ?このあや先輩が慰めてやるから」
いつもなら蹴り飛ばして帰るところだがこの『渇き』にも似た熱い衝動は抑えがたい。
私って母性本能が強い方なのか?……いやそれとも年下好み?
「……な、慰めなんて…俺は…す、すみません。先輩にみっともない所みせて
お、俺送ってきますから…」
「送っていく?どこに?」
  まぁ…ここまで来たら、もうどうでもいい……
「え…だ、だから家に…あや先輩の――」
  何でこんなに濡れるんだろう?
「御生憎様、私、今日は帰りたくない気分なんだぁ……ね、沢木君?」

322:484
09/01/15 17:41:14 umzuOJNH
私はガチガチに勃起している沢木のモノに舌を這わせ、指先で
鈴口を軽くノックするように舌を使う。
「う……」
「ん…あはっ、元気だねぇ…ん、ちゅ」
竿に添わせ、歯で軽く甘噛みしながら、唾液を擦りつける。
私は上目使いに沢木を見た。
「……くっ…あ…あや先輩…くはっ」
「ふふふ…沢木、こっち使ってみる?」
私は微笑んで服の胸元を開き、乳をさらけ出した。
黒いブラに覆われたそこそこ自信のあるおっぱいだ。
いつもパリっとビシッとしている普段の私からは想像もできない程の
『女』の顔、そして、その声に沢木は戸惑っているのだろう。
さっきからおろおろするばかりで落ち着きがない。
「せ…せんぱ…な、何でこんな…」
「ん~?どうしてだろうねぇ…」
ブラを外すとぷるんと零れ落ちてくるおっぱい。肩こりの原因なんだけど
セックスの時には最高の道具になる。ふふっと私は不適に笑って
沢木のアレに桜色の乳首を押し当て、軽く擦ってやった。
「あっ…は、う…」
こいつの喉がゴクリと鳴った。きっと生唾を飲み込んだんだろう。
ウブなやつめ……遊んでるクセにこういうのには慣れてないんだな。
私その反応に満足して、起立したモノを挟み込んだ。
「うっ…く…ぁ…」
おっぱいの圧迫感に沢木は唸った。ぐにゅぐにゅと動く柔らかい
極上のおっぱいに挟み込まれる感覚に声も発せないでいるようだ。
「ん……ピクピクして可愛いぞ……ん、ちゅ…はぁん、ちゅる、にゅちゅ…」
私はゆっくりとおっぱいを上下させ、先端が飛び出る瞬間を狙って、そこを口で責め、
裏筋を舌を這わせ、乳首をアレに擦りつける。
「ぐう…あっ…あ、あや…先輩」
沢木の苦しそうな声。
私はおっぱいを両手で抱えシュッシュッとリズムよく扱き上げた。
沢木は思わず天を仰ぐ。
隙間なく肉棒を扱くおっぱいの猛烈な圧迫感はきっとたまらないのだろう。
「我慢しないでいいよ……特別に飲んであげる」
沢木が拳を握りしめ、モノがビクンビクンと大きく反応する。
それを見て射精の前兆と悟った私は扱くスピードを早めた。
「ぐ、うう…も、もう……あああっうっ…うっ!」
沢木がついに限界に達したらしい。私はそれを見逃さず、モノの先端に
唇を被せた。先端がビクビクと震え、グワッと大きくなると
薄い液がピュッと出され、続いてドロッとした大量の精液が口の中にぶちまけられた。
「ん…はぁんくううっ、はむ…んぐんっんんっ」
唇を深く被せ、手で竿を扱きながら私は沢木の射精を口内で受け止めた。
かなり溜めてたなこいつ…ゼラチン飲んでるみたい…喉に絡みつくのは勘弁だ。
「ぐ…あ、ああ……あ、あや…うっうう…ま、まだ出る」
腰をガクガク振るわせながら、身をかがめ私の頭に手を回し、腰を突き出す沢木。
「うっ…ううう…く…」
ようやく長い射精を終えたらしく、私は唇を引き抜いた。
その口元からとろりと白濁液が垂れ落ちる。
「んぐぐ…ううん…んっんっんん…ケホッケホッ…沢木、アンタの濃いね…ん…ちゅ」
  私は頬に付着した精液を舐め取ると、沢木の唇にねっとりとした唇を重ねた。
もう止まらない、止められない。完全にスイッチが入ってしまった。
アソコが濡れて気持ち悪い。換えのショーツなんて持ってないのに。
私も最近、ご無沙汰だったからなぁ…はー…ま、いいか。楽しんでも罪にはならん…てね?

323:名無しさん@ピンキー
09/01/22 06:33:41 QTl8E870
乙~

324:名無しさん@ピンキー
09/01/30 16:56:22 jzGLZLtM
めぞんの人はもう今月はこないのかな

325:名無しさん@ピンキー
09/01/30 17:07:43 MfA9TOh1









326:名無しさん@ピンキー
09/02/01 20:22:25 mpF4crv1
>>313
後編はまだかのう?

327:名無しさん@ピンキー
09/02/07 15:58:45 Bghpe7xN
あけおめ~

328:名無しさん@ピンキー
09/02/15 01:10:22 9zZnD1DA
>>313
続き、今月中は無理かい?

329:名無しさん@ピンキー
09/02/15 02:24:27 4WyT4ixy
もうデスノの人も来ないのかね

330:名無しさん@ピンキー
09/02/21 18:45:05 MICiR+O4
ほしゅ

331:名無しさん@ピンキー
09/03/02 21:18:37 o5EYF7ho


332:名無しさん@ピンキー
09/03/02 21:24:26 saPReDdc
貴様らメガネハゲ童貞の為に、うpロダ設置したwww
好きに使ってえーよ

URLリンク(nocturne1.dip.jp)



333:名無しさん@ピンキー
09/03/02 21:31:02 a3LDTovo
むしろ牝のが多いだろ…

334:名無しさん@ピンキー
09/03/02 22:41:20 zdsf6IAB
メガネハゲじゃないけど童貞だよ……
どうせ……

335:名無しさん@ピンキー
09/03/04 23:19:31 gKGmVVVb
upローダ設置したけど、誰もこねーよ
S属性のある、オマイラにお願いだ。
ウチのサーバーと回線をもっともっと苛め倒してww

URLリンク(nocturne1.dip.jp)


336:名無しさん@ピンキー
09/03/07 00:23:08 88BgkM6x
行き場に困る作品の受け皿として活用されてるなここ

ところで、多数シリーズ分岐してる作品の二次スレで
スレのコンセプトとしては全シリーズ総合なんだが、
どうにもそのうちのひとつしか需要が無い・他シリーズだとウケが悪い場合。
ここを利用したいとか思うのは書き手のわがままと斬られるのだろうか。
もっと理不尽な目に遭ってる人がたくさんいるだろうし。

337:名無しさん@ピンキー
09/03/07 19:25:04 g+6rhQ+X
自己責任でとしかいえんな

338:名無しさん@ピンキー
09/03/11 01:04:12 e2G1V4zj


339:名無しさん@ピンキー
09/03/13 18:33:33 32qBS44R


340:名無しさん@ピンキー
09/03/13 19:42:01 Em0c+Rck


341:名無しさん@ピンキー
09/03/13 23:39:13 tRPo0WzM


342:名無しさん@ピンキー
09/03/14 00:04:26 iVclnSMp
e

343:名無しさん@ピンキー
09/03/14 02:07:28 Bjrdksck
nn

344:名無しさん@ピンキー
09/03/14 11:54:52 pcw6ok5/
すー…ZZzz....

345:名無しさん@ピンキー
09/03/15 01:34:44 6P2jQnYD
>>313
病気にでもなってないといいが・・・
まあ、余計なお世話だな

346:名無しさん@ピンキー
09/03/15 02:32:03 Bx0fzmf1
えー、めぞんの人です。
年度末で単純に仕事が忙しくて全然書けてません。

1月中に書く予定でしたが申し訳ありません。
4月からも少し忙しいですがなんとか書き上げたいと思っておりますので
気長にお願いします。

ではまた ノシ

347:名無しさん@ピンキー
09/03/15 11:52:50 Uyz0RDJI
>>346
年度末はどこも忙しいっすよね
おっしゃる通り気長にまってます

348:名無しさん@ピンキー
09/03/17 00:52:52 8NfekUFO
>>346
ただの杞憂で良かった
投稿待ってます

349:名無しさん@ピンキー
09/03/18 21:57:19 6Nw/SiQ9
待ってるよ

350:名無しさん@ピンキー
09/03/19 01:12:04 ab974E7k
「◆qM8UwHNWDA めぞん」あたりでぐぐるといろいろ見つかる

351:名無しさん@ピンキー
09/03/19 01:43:55 uYmy2n/x

















352:名無しさん@ピンキー
09/03/19 02:18:51 I9M7ftlB















353:名無しさん@ピンキー
09/03/22 14:48:42 CrZPP+QT
保守

354:名無しさん@ピンキー
09/03/29 09:59:35 80h6ey6M
保守

355:名無しさん@ピンキー
09/03/29 19:56:34 /hVspqCH
春だな

356:名無しさん@ピンキー
09/03/30 04:04:00 y6bHcrmv
ああ春だな

357:名無しさん@ピンキー
09/04/03 12:13:34 zORcaXoH
何か珍しい作品が読みたい

358:名無しさん@ピンキー
09/04/03 13:32:47 DE3V6ZAU
珍しいってどのぐらいの珍しさだ
触手×触手の学園物ぐらいか?

359:名無しさん@ピンキー
09/04/03 20:46:33 8D80ZftJ
クトゥルー×ヨグ=ソトースですね、わかりたくありません

360:名無しさん@ピンキー
09/04/03 21:57:38 pjqgfQ2x
>>359
諸星大二郎の「栞と紙魚子」シリーズに出てくるクトゥルーちゃんとヨグで
想像しかけた。

361:名無しさん@ピンキー
09/04/03 22:22:19 881n/qVz
>>357


美少年高校生A:「かんちょ――!」

美少女女子高生B:「あひゅあぁぁあああ!」

美少女女子高生B:「かんちょ――!」

美少年高校生A:「うっひょおぉぉぉ!」

触手C:「しゅるしゅるるるるしゅるるるる――!」

美少年高校生A・美少女女子高生B:「あおっ!あぼおおおおおえああああ!」

美少年高校生A:「ぐあはああ…かんちょ――!」

触手C:「うじゅっ!うじゅるうううううううう!」

美少女女子高生B:「あへアアはァ…か…かんちょ――!」

触手C:「ぎゅふううじゅるるるうううううう――!!!!じゅぶぶぶぶ………ぶしゅっ!」

美少年高校生A・美少女女子高生B:「うっばばあわらららららららああああああ――――!」

美少女女子高生B:「ううううううう――かんちょ――――!」

美少年高校生A:「びょほほうほうううう!!!!!がくっ…」

美少女女子高生B:「うっっばらばらばああああ!!!ぶっぼぼ!ぶっぼぼ!ぶっぼぼ!ぼらぼらぶうう!!!」

362:名無しさん@ピンキー
09/04/04 21:27:04 2vC3WRJ3
カオスww

363:名無しさん@ピンキー
09/04/04 23:41:45 eMBj21JY
珍しすぎるw

364:名無しさん@ピンキー
09/04/05 03:18:51 3DJtxgF+
借ります

家庭教師ヒットマンREBORN!の二次創作
ジルとベル×フランでフラン女の子設定3P
読む人の感じ方によっては女体化になります

童話のカエルの王さまベースです
七割ぐらい無理矢理です
801じゃないけどそれらも苦手な人は避けた方がいいです
グロくはないけど他にも具体的に挙げれない不快な要素ありです
NGワード カエルの王子さま

365:カエルの王子さま1
09/04/05 03:19:29 3DJtxgF+
 ある所にとても怒りんぼな王様のお城がありました。
 王様が怒りんぼなことは取り立てて関係ないので、ひとまずおいておきます。
 それでその王様にはたいそうかわいらしいお姫様が三人ほどいました。
 隠し子もいるかも知れませんが、それも関係ないのでおいときます。
 一番上のレヴィ姫は王様と雷がとても大好きでちょっぴり嫉妬深いお姫さまです。
 次女のマーモン姫はお金が大好きで、お金しか信じてないすごい勢いでヘソクリをしていました。
 大体ぼんやりと日々を過ごしている三女はフラン姫と言いました。偶にする暗殺が趣味みたいなものでした。
 そんな三番目のフラン姫が、ある時に森に遊びに行ったのでした。
 この森は深くまで行けば行くほど暗くなり、大きな菩提樹の所に泉が湧いていました。
 そこへ涼みにやって来たのです。
「こんなシュミ悪いドレス着させられてあっついし、何の任務ですかー? これ」
 膝丈ほどのゴスロリ系のかわいい服でしたが、不満の様子でぼやいていました。
 すると遠くの方で"うっせ、マジメにやれ、カエル!"というカンペが上がった気がしました。
「いや、まだカエルの出番じゃないですよー? もうちょっと待っててください」
 そうしてとても暇でしたので、二番目の姉様から借りて来た純金の毬で毬つきを始めたのでした。
 そこら辺の木へと投げ付けて跳ね返ってくるかと思えば、なんせ純金なので木にめり込んだりしました。
「あ~、落っこちちゃいましたね~?」
 ある時に取り損ねてしまって、ぼちゃっと水の中へと毬が入ってしまったのです。
「うわ~、どうしたらいいんですかね? 誰か水の中にいませんかー?」
 30キロ程の重さの毬は泉にぽっかりと沈んで、とうとう見えなくなりました。
 水をぐるぐると腕でかき混ぜてみましたが、もちろん浮かんでは来ません。
「うっせ! ヒトの泉でなにしてんだ、バカ娘」
「バカとかじゃなくて姫なので、ちゃんとお姫様って呼んでくださーい。カエルさんヒトじゃないですし。
所詮水の中でばしゃばしゃするしか能がないクセに、ずいぶんとえらそーですね」
 フラン姫が波紋の広がった水面を見ると、そこにはぬらっと陽光に光る巻きガエルがいました。
「カエルはおめーだろが!」
 その巻きガエルはパーマのかかったカツラを頭から被っていて、目を見ることはできません。
「ミーはカエルじゃありませんー。姫ですー。ボール落っことしちゃって取れなくて困ってるんですがー」
「取ってくりゃいーのか?」
「お願いしますー」
「……で、取って来たら何よこすんだ?」
「巻きガエルさんはなにが欲しいんですかねー? ミミズ入り泥ダンゴとかですかー?」
「んなもんいんねっつの! そだ! おめーがオレの家来になれ。メシ食わせて高級羽毛布団で寝せろ」
「え~っ。家来ですか~?」
「やならべつにいーけど? んじゃーな、バカ姫」
 水の中へ戻ろうとしてカエルは背を向けました。
「あ~、待ってくださ~い。わかりましたからボールお願いします~。あのボール純金なんですよー。
持って帰らないとマーモン姉さんに元値の五倍で弁償させられるんです~」
「オケ、家来!」
 一度だけ振り返ってカエルは颯爽と水の中へと飛び込みました。
「……チッ、なに言ってんだ~、クソガエル~。お前なんて一生水の中でケロケロケロケロ鳴いてりゃい~んだ~。
カエルなのに家来が欲しいなんて、おこがましいにも程がありますよ~」
 巻きガエルが水に潜ると、フラン姫はまた独り言を呟きました。
 表情は全く変わりませんでしたが、とても凶悪な顔付きをしていました。
「…………さっきなんか言わなかったか? バカ姫」
 カエルはしばらくのちに輪っかにした体の上に毬を乗せて浮かんできました。
「今日は風がきもちいーなーって言ってただけですねー」
 とても爽やかで心地良い無表情をして深呼吸をしました。
 放物線を描いてカエルが体を使って投げた毬が飛びました。
 フラン姫はそれをしっかりとキャッチすると、脇目もふらず一目散に城へ向かってダッシュしました。
「あ゛っ、待て、家来! おい、もどって来い! こんのバカ姫」
 頑張って追いかけましたが、そこはカエルの脚ですから追い付けませんでした。
 そうして城へ戻ったフラン姫は、何事もなかったようにいくらかレンタル料を払って毬をすぐ上の姉様へと返しました。
 でしたがちょっと汚れてたのでクリーニング代も請求されました。
 『ちっ、どこまでも使えないカエルだなー』と心の中で思いながら、クリーニング代も払いました。

366:カエルの王子さま2
09/04/05 03:22:07 3DJtxgF+
 その日の夜が来て翌日の朝が来てまた昼が来て、その内に夕暮れ時になりました。
 城の食事は大体賑やかです。王様が事あるごとに食器を投げたり、罵声を浴びせたりするからです。
 大体投げられた食器はロン毛でやかましい側近に当たります。オカマの乳母がたしなめても焼け石に水です。
 下の二人のお姫様達は、妹思いな一番上の姉様の影に隠れて、安全な場所を確保して食事をしていました。
 そんな騒ぎの最中です。どこかから変な物音が聴こえて来たのです。
 ひたりひたりと階段を登ったらしい音は、城の扉の前で止まりました。
「? なんですかねー?」
「バカ姫ー! いんだろ、出て来いよ。家来っ!」
 聞こえて来たのは昨日出会ったカエルの声です。
 直ぐに気付いたフラン姫は騒ぎが大きくなる前に、カエルを抹殺しようと扉へ走りました。
 しかし扉を開いた途端― 「ぐえっ」 と悲鳴があがりました。
「てんめーっ、昨日はよくも逃げやがったな!」
 カエルの背後からナイフが次々へと飛んできます。先程突き刺さったのもそのナイフでした。勿論カエルオリジナルです。
「うるせえぞ、カスどもが。なにしてやがるっ」
「……なんでもありませーん」
 何本かナイフが刺さったまま何も見なかったことにし、扉を閉めて食卓へと戻りました。
「なんだ?」
 レヴィ姫も不審がって、隣の席へ戻ったナイフの痛みで涙目になっているフラン姫をちらっと見ました。
「ほんとなんでもないんでー」
「ナイフ刺さってるんだけど、どうしたんだい」
 ざくざくと刺さっているナイフが、一本いくらほどするのかマーモン姫は値踏みしています。
「いやー躓いちゃいましてー」
 フラン姫は体に刺さっていたナイフを抜くと、淡々と折り曲げて床へと捨てました。
「捨てるなんてもったいないよ」
 形状はともかく材質はなかなかよいもののようだったのです。
「よかったらあげますよー」
「何びびってやがるっ! 外にモスカでもいるってぇのか」
 王様は厳しい人なので、お姫様が戦わずに逃げ帰ったのが癪に障ったようでした。
「いえー、単なる巻きガエルですー」
「巻きガエルがてめえに何の用だ。カエルごときにびびってるってぇんじゃねえだろうな!」
「あ~、えーとですね。かくかくしかじか、…というようなわけなんですがー」
「バカ姫ー! 家来になる約束だろがっ」
 外からはまた柄の悪いカエルの怒声が聴こえてきました。
「くだらねえが約束なら守りやがれ」
 睨みを効かせた王様はフラン姫を見据えました。
「え~っ、カエルですよ~?」
「口答えするんじゃねえっ!」
 どんっと食卓を行儀悪く王様が叩くと、振動はテーブルの端まで伝わってゆきます。
「わ~かりました~」
 お姫様は厭々ながら立ち上がって、またお城の出入り口の扉へと向かいました。
 扉を開くと同時にまた数本のナイフが刺さりました。
「メシメシ♪ ちゃっちゃとテーブルに上げろ」
 カエルは無遠慮に大理石の床をひたひたとジャンプして城の中へと入りました。仕方なしにカエルを掴んで自分の食卓の前に置きました。
「カエルの分なんかないですよー」
「おめーのがあんだろが?」
 また渋々とフラン姫はカエルの口元へと食事をスプーンで運んでやりました。
「……なんでカエルなのにスープなんて飲むんですかー? ミミズでも食ってりゃいいじゃないですかー?」
「オレいいとこの出だし! ミミズとか食ったことねーから! まあまあだな」
「カエルの癖にいい身分だって? 笑わせるね」
「………なんだこのチビ?」
「ムッ、誰がチビだい?」
「姉です。ミーの食事ですよ、半分残してくださいねー?」
 しかしカエルは遠慮なしに食事の皿を全て平らげました。
「そろそろ腹もふくれてねむてーし、おめーの部屋連れてけ」
「嫌(や)ですー。カエルさん寝言とかウルさそうじゃないですかー?」
「かっ消すぞ、カスっ!」
「わっ! はーい、わかりましたー。……は~っあ~っ」
 王様が投げたワイングラスが頭上のぎりぎりを飛んでゆき、床に落ちてパリーンと割れました。
 大きな溜息を吐くと、カエルの首の根元を指でつまんで運び始めました。


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