スレから追い出されたSSを投下するスレPart2at EROPARO
スレから追い出されたSSを投下するスレPart2 - 暇つぶし2ch50:19/24
08/05/16 02:11:51 Ueda/cES
「明日菜さん、もの凄くフェラチオが上手です」
坂本がわざとフェラチオという言葉を口にする。
明日菜にフェアチオをしたという事実を改めて認識させ、既に坂本が特別な存在だと思い込ませる
ためだ。

「ほら、一回出したのに明日菜さんが上手だからまだおれのちんこが元気満々です」
そういってまたも明日菜にペニスを見せ付ける坂本。
(また口でさせられる……?)
明日菜はもう口でやらされるのは許して欲しいのが本音だ。
もちろん、坂本も上の口にいれるつもりはない。

次は……下の口に決まっている。

「じゃあ明日菜さん」
坂本は明日菜さんを立たせ、玄関のドアに手をつかせ尻を突き出させる。
その体勢に明日菜は坂本の意図に気づき抵抗を示そうとする。
しかし、全ては無駄であった。
坂本が止めるわけがないのだ。
なぜならこれからが本番なのだから……。

坂本は明日菜のスカートのホックを外す。すると明日菜の赤いスカートが床にすっと落ちる。
そしてそのまま……坂本は明日菜の下着をずらし脱がせようとする。
「い、嫌。玄関でなんて……」明日菜が激しく抵抗する。
しかし……
「ここまで来たら楽しまないと……」
坂本が作業を止めて明日菜の耳元で囁く。
「ご主人には絶対言いませんから……」
「……」
明日菜は思わず黙り込む。
その言葉の裏には逆らうと夫に告げるという意味が言外に含まれているのだ。
明日菜は力なく抵抗を止める。
そしてその瞬間、一瞬にして最後の砦がずり下ろされ……夫にしか開かれていないはずの秘所が坂
本の視界に晒される。

「……」
明日菜は思わず目を瞑り羞恥に耐える。
「行きますよ、明日菜さん」
坂本がペニスを明日菜の秘所にあてがう。
坂本にとって確認するまでもない。
このシチュエーションに濡れない人妻などいるわけないのだから。



51:20/24
08/05/16 02:13:07 Ueda/cES
ズズズッ……
坂本のペニスが明日菜の秘所にゆっくりと入り込む。
(す、すげええ)
坂本は心の中で喝采をあげる。
初めて経験する明日菜の感触は今まで経験したことがないほど素晴らしい味わいであった。
坂本のペニスに絡みついてくるようなヒダの感触。
ピストン運動をしていても挿す動作と引く動作で快感が異なるのだ。
挿す時は明日菜の秘所を無理やりこじ開けるような感覚で亀頭に耐え難い快感が生まれる。
逆に引くときは坂本のペニス全体に絡み付いてくるような感覚が堪らない。
まるで明日菜本人とは別の意思をもった生き物が坂本のペニスが出て行ってしまうのを惜しんでい
るかのようだ。
「あ、明日菜さん!」
坂本は思わず明日菜の名を叫び何も考えずピストン運動を繰り返す。
自分の限界などもはや坂本の脳裏にはない。
今はただ、明日菜の感触を思う存分愉しみ味わいたい。

時には浅く……時には深く……。
緩急をつけて明日菜を責める坂本。
そして坂本のペニスが明日菜の最奥部をノックするたび、明日菜の口から控えめだが艶かしい声が
自然と漏れる。


「ああ……」坂本がペニスを根元まで突き刺す度に明日菜の口から喘ぎ声が漏れる。

ドアを開けた瞬間、いきなり坂本に抱きしめられ何度も何度も唇を奪われた。
ペニスを見せ付けられると自分から口に含み……生まれて初めて男の精液を飲まされた。
そして、ベッドではなく玄関先で、しかも外とはドア一枚を隔てただけの場所で坂本に後ろからの
挿入を許す。


明日菜は……完全に坂本に征服されていた。


しかしそれは自ら選んだ道であった。

今日、ドアを開けたのは明日菜。
坂本に口づけされているときに思わず坂本の背に手をまわししがみついたのも明日菜。
ブラウスを脱がされるとき、何一つ抵抗しなかったのも明日菜。

そして……坂本のペニスを口にしたのも……明日菜自らであった。



52:21/24
08/05/16 02:13:36 Ueda/cES
パンパンと男女の肌がぶつかり合う音が玄関先に響く。

坂本がペニスを奥深くに突き挿すたび、貫かれる快感が明日菜の背を伝い脳天まで走り抜ける。
そしてペニスが明日菜の最奥部に達するたび、更なる快感が明日菜を襲い人様に聞かせられない声
をあげてしまう。
しかし快感はそれだけではない。逆に坂本がペニスを引くたび、坂本のカリの段差部分が明日菜の
中に引っかかり別の耐え難い快感をもたらす。

実際のところ、最初に挿入された瞬間、明日菜は意識を飛ばしてしまった。
夫である三鷹とのセックスでもそんなことはなかった。
しかし、だからといってそれで終わりというわけではない。
ぼんやりしてしまった明日菜の意識は次々と襲い来る更なる快感で現実に引き戻される。


三鷹と明日菜の愛の巣の玄関で……明日菜は夫ではなく二日前に名前を知ったばかりの坂本の責め
を受ける。
それはまさに明日菜が今まで経験したことのない、許されるはずのない愚行であった。


由緒ある家柄に生まれた明日菜は何不自由なく育てられた。
子供の頃から絵に書いたようなよくできた子で親の手を煩わせたこともない。
成績は小学生の頃からクラスでトップクラス。なんの挫折も無く中学、高校と進学し、お嬢様大学
を卒業した。
そしてお見合いで知り合った三鷹と結婚し、すぐに双子を出産。
料理も得意で家事もそつなくこなす非の打ち所のない娘であり妻であった

その明日菜が……三流大学出身でペニスだけが自慢の坂本にいいように責められている。
結果として夫の留守に坂本の求めるままに体を許してしまった明日菜。
許されるはずのない不貞行為だ。
しかし……だからこそ明日菜は体の奥底から燃え上がる。
脳裏を焼く夫を裏切っているという罪悪感。
それが激しいスパイスとなり快感を数倍に膨らませ明日菜を追い詰める。



53:22/24
08/05/16 02:14:10 Ueda/cES
坂本は明日菜の腰をしっかりと掴みピストン運動を続ける。

今まで抱いてきた女達とは全く違う張りのある白い素肌と美しい体のライン。
腰のくびれなど坂本は頬ずりしてしまいたくなるほどにセクシーだ。
そして既に子供を二人も生んだとは思えないほどに自分を締め付けてくる秘所。

「どうですか、明日菜さん」
坂本が全く余裕のない口調で明日菜に尋ねる。
なにか口にしていないとあっという間に暴発してしまいそうなのだ。

「も……もっ……と……」
明日菜は思わず更なる快楽を求めるセリフを口にする。
明日菜は普段男を求めるようなセリフを口にすることはない。
夫の優しい愛撫に高められ、溢れるような愛情の中、達することがほとんどだ。
三鷹は夫であると同時に明日菜の人生における先生のような存在なのだ。
口づけも三鷹が初めて。
フェラチオも三鷹が初めて。
セックスも三鷹が初めて。
もちろん三鷹以外と肉体関係をもったことは一度もない。
明日菜は性にまつわるあらゆることを三鷹に教わってきた。
三鷹もうぶな明日菜をまるで源氏物語の光源氏が若紫を育てるように自分好みの女に育て上げた。
明日菜にとってセックスとは三鷹と心を通わせることとほぼ同義であった。
だからこそ三鷹にフェラチオすることは苦痛でないし、夫が喜んでくれると自分まで嬉しくなって
しまう。

しかし……坂本は違う。

坂本はただ快感のみを求め、女を屈服させる。
そして明日菜は坂本の思惑通り屈服させられる。
明日菜は夫と全く違う坂本とのセックスに成す術もなく何度も何度も意識を飛ばされてしまう。



54:23/24
08/05/16 02:14:59 Ueda/cES
度重なる絶頂感に明日菜は思わずひざをつく。
もう立っていることも辛いのだ。
「楽に……して……」
明日菜はうわごとのようにつぶやく。

そんな明日菜の姿に坂本はいつものように中出しを決意する。
イく瞬間の女性はあまりに無防備だ。
そこにつけこんで坂本は中出しする。
中出しされた瞬間の人妻の戸惑う表情が坂本にはたまらないのだ。
中には激怒する人妻もいる。
しかし覆水盆に帰らず。
中出し後に何を言っても文字通り後の祭り。
適当に言い訳すればいいだけなのだ。

坂本はペニスを明日菜の最奥部まで突き刺した状態で腰を左右に振る。
今までの反応から坂本は明日菜の弱点は最も奥の部分であることに気づいていた。
そこを重点的に擦りつけ明日菜を一気に絶頂まで導こうというわけだ。
そしてそれはまさに大正解であった。
そこは三鷹のペニスでは届かない位置で初めてもたらされる快感に明日菜は全身を震わせて身悶
える。
「だ、だめ……」
明日菜はあまりの快感に拒否反応を示す。
しかし構わず坂本はペニスを擦りつけ続ける。
それは同時に坂本にとっても賭けであった。
最も敏感な尿道口をこすりつけるという行為はある意味自爆行為でもあった。
ただでさえ明日菜の甘美な感触に坂本も追い詰められているのだ。
しかし、結果として坂本は明日菜に勝利する。

「……ああ……っっ!!」

明日菜の体が振るえ崩れ落ちそうになるのを坂本はなんとか支える。
そしてそのまま耐えに耐えたペニスを開放し精液を明日菜の中に流しこむ!



55:24/24
08/05/16 02:16:27 Ueda/cES
ビュビュビュッ……

我慢に我慢を重ねた坂本の精液が堰を切ったように明日菜の中に流れ込む。
その感触に明日菜は思わず我に返り手足をじたばたして逃げようとする。

……しかしそれは無駄であった。
坂本にとってそれは予想通りの反応に過ぎないのだ。
坂本は明日菜が逃げれないように腰をしっかり掴む腕に力を込める。
手足に力が入らない明日菜は自分の子宮に坂本の精液を流し込まれる熱い感覚に呆然とする。
確かに自分は夫を裏切った。
しかし、まさか坂本が自分に中出しするとは思わなかった。
明日菜は心のどこかで最後には抜いてくれると信じていた。
しかしそれは明日菜の甘い願望に過ぎなかった。
坂本は容赦なく明日菜に中出しする。
明日菜はもう坂本のものなのだから坂本にとっては当然の行為に過ぎない。
(ごめんなさい、あなた……。わたしが間違っていました……)
明日菜は心の中がで三鷹に謝る。
しかしそれは結果として何の意味も成さない。
坂本に抱かれた時点で明日菜は完全に三鷹を裏切っているのだから。
中出しはその結果に過ぎない。

「明日菜さん、ベッドに行きましょうか」
坂本はたっぷりと中出ししたばかりの美しい人妻に囁きかける。
呆然とした表情の明日菜に坂本は心の底から満足する。
明日菜のこの表情が見たかったのだ。
「じゃあ行きましょう」
そういって明日菜を抱き上げ部屋の奥に歩き始める坂本。

(これで休ませてもらえる……)
明日菜は坂本の言葉に思わず一安心する。

しかし、それは大いなる誤りであった。

坂本の言葉は三鷹夫婦の愛の営みが行われる場所、つまりベッドに場所を変えての第二ラウンド開
始の宣言に過ぎなかったのだから……。



「S01 訪問販売員 坂本」 完


56:名無しさん@ピンキー
08/05/16 02:18:51 Ueda/cES
以上です

突如、坂本が明日菜にフェラさせている絵が頭に浮かび
しばらく離れなくなったので書いてみました

ではまた

57:名無しさん@ピンキー
08/05/17 11:26:03 vINQ2WZM
素晴らしい!
坂本が初フェラの相手という方が良かったと思いますが、明日菜がどこまで堕とされて行くのか楽しみです。

58:名無しさん@ピンキー
08/05/18 17:59:32 W0yBEk/K


59:名無しさん@ピンキー
08/05/18 18:00:55 W0yBEk/K
これはいい
上はミス

60:名無しさん@ピンキー
08/05/21 07:56:55 PqTUmQwL
>>56
GJです。
前作の「桜の下で」後編の投稿から約一ヶ月しか経っていないのに

こんなに早くあなたの新作が読めるなんて夢にも思いませんでした。


SSを書きたいという
気持ちが蘇ったのかな



61:名無しさん@ピンキー
08/05/26 01:10:36 d5uR2ZwR
保守

62:名無しさん@ピンキー
08/06/01 04:40:46 Gf7rJ867
-DeathNote- ジェバンニ(30)×女の子ニア(21)
無エロ部が長くなってしまったのでこちらのスレをお借りします。
後編のエロ部分から順次投下となっていますので、エロだけ楽しんでいただければ幸いです。
のちに投下の前編はスルー可です。
-------------

「判りました」
身体を起こしたニアを軽く手で制すると、私は一人ベッドから降りた。
「辞めますか?」
私の背中にそう問いかける声には応えず、部屋の扉をきちんと締めて暗闇にする。
再びベッドへ近づくとニアの隣へ腰を下ろした。
「続きをされるのですか」
「ええ」
闇に慣れていない目にぼんやりとニアの白い輪郭だけが見える。
ニアは私に背を向けてベッドへ座り、微かに顔をこちらへ向けていた。
女性らしい曲線を描いている白い影に手を伸ばして柔らかい髪を撫でる。
「ここからです」
今更辞めようと言われても私は応じるつもりは無かったが、ニアは私に一つ要求してきただけだった。
「服を」
「全て脱いで頂けますか」

全て脱ぎ去った身体をニアに添わせ横たえると、ニアはまた、私に腕を回して胸を押しつけてくる。
私は、これはなんだろう、と漠然と思いながら、頭に添えた手で顔を上げさせると唇を重ねた。
啄むように上唇を噛みそこを舐めて唇を開けさせると舌を差し込んで、ニアを優しく絡め取る。
抱き合い、気持ちをほぐすように掌で背を撫でるがニアの細い身体ではすぐに一周してしまう。
さっき見た小さな背中から丸く曲線を描く尻を何度も掌で上下させた。
普段は大きめの寝間着を常用しているために身体の線を感じることは少ないがこうしてみると、きちんと女の身体だった。
暗くしたことに大した意味は無かったが、余計なことは考えさせずニアの冷たい身体に、こちらの熱を肌を通して渡したかった。

背を大きく撫でていた手を下ろし、小さな尻を揉みその狭間へ指を滑らせると、ごくわずかだがニアが身体を震わせる。
頭一つ分の身長差のため私の指は難なくニアの秘所へとたどり着く。
指を往復させると先ほどの潤みを感じ、それに沿って指を深みへと沈み込ませて行った。
唇を吸われたままのニアが、苦しさを訴えて私を押し返す仕草をしたが
私は構わず、舌と指によってニアの内部を探って行った。
「苦しいです」
長いキスから解放されるとニアは空気を求め大きく何度も息をつく。
焦点が合わないほど近くにある唇が拗ねて突き出されるのを感じ、私はそこに軽く音を立ててキスをすると、再び抱き寄せて
片足を横臥した自分の足に掛けさせると、開かれたそこへ指を向かわせた。
柔らかい肉の間を、やや乱暴に指を動かすと水音が暗闇に響く。
二本の指で探り当てた肉芽を小さく揺らすとニアが顔を埋めている首筋に微かに熱い息を感じた。
私はニアをシーツへ横たえると、今度は上から重なる。
唇から首筋に徐々に唇を落とし鎖骨の下にキスをすると、柔らかい乳房を掌に納め優しく揉みしだく。
乳首を人差し指で弾くように刺激して固くとがらせ、唇を寄せて歯を立てる。
胸を寄せて、先端を交互に口付け掬い上げるように揉んでから、わざと力を込めて手の中の柔肉を握った。
ニアが、痛みに身体を捩らせる。
暗くて叶わなかったが、今ニアがどんな表情をしているのか見たくて仕方がなかった。

63:名無しさん@ピンキー
08/06/01 04:42:12 Gf7rJ867
高まって行く自分を感じながら、身体をずらすと、一瞬迷って足に手をかける。
間接が痛けれれば痛いと言ってくるだろうと、一気に両足を膝裏からすくい上げ大きく広げると
ニアに抵抗される前に、そこへ顔を伏せて舌を這わせた。
「…っ」
すぐに手が降りてきて、私の髪を掴む。
構わずに濡れた溝に沿って、クリームを舐めとるように丁寧に舌を這わせていく。
柔らかい肉を分けて上部に隠れる小さな尖りを暴いた。
「んっ…」
ニアが息を飲む音がして私は、その部分を舌をとがらせて舐り
先程の愛撫ですでに固く起立していた突起に舌を押し付けて擦った。
「…やめて…ください…」
押さえつけた身体が熱を帯びて薄く汗を纏っていくのが判る。
かかげた足が暴れシーツに落ちたが、自由になった左手で秘裂を押し開く。
親指を蜜をあふれさせている膣へと浅く沈めて舌を大きく上下させ、時折クリトリスを叩くと溢れてくる愛液であごが濡れていった。
その間もニアは、股間から私の頭を引きはがそうと強く髪を引っ張っている。
その手を掴み身体を起こすと、ニアは半身を傾けてこちらを見ていた。
「よしてください、こんなのは嫌です」
「でも気持ちいいでしょう?」
するとニアは意外にも素直にうなずく。表情は見えないが、その子供の様な仕草にカッと熱がこみ上げた。
「乱れていただいても構わないのですよ」
薄い腹にキスをすると、再びニアの下半身へ顔を伏せる。
「やっ…」
小さな声を上げて、ニアが背をしならせた。
脚を押し開くと両手でニアのスリットを広げ、さっきよりも大胆に舌を這わせる
下から上に向かい大きくなぞり上げた。
「はっ…」
ニアが熱い息を漏らすのが聞こえる。
顔を覗かせているクリトリスを唇にはさみ、吸うとニアは呻いて大きく身体を捩らせる。
腰から下は私に押さえつけられているので、動かすことが出来ないが
含まれた弱みを舌で舐られる度にぎこちなく腰を震わせる様子が淫らだった。
再び手が降りてきて私の髪を掴む。
あまり強く引っ張られるので仕方なく私は身体を起こし、仰向けに横たわるニアの隣へ身体を沿わせると
顔を寄せてキスをしながら手を身体に這わせた。
せわしなく上下する胸をかすめ腹を円を描くように撫でながら降ろしていくと、ニアは腿を寄せて私の手を阻もうとしたが叶わず、
あっさりと潜入した指は再び充血した花芯を捕らえる。
秘裂にそって指を上下させると次第にニアの膝が曲げられて、腰が指に習うように動いた。
柔らかな髪に鼻をすりつけて、耳朶に音を立て吸いつき、歯を立てるとむずがるようなかわいい息が漏れる。
ニアの手が上がり、私の顔を押し返すような動きの後に、頬を優しく撫でていった。
あの白い指が掠めていったかと思うと、触れられた部分が熱を持ったように感じ、妙に悔しい。

64:名無しさん@ピンキー
08/06/01 04:43:01 Gf7rJ867
単純に濡れた溝をなぞっていた指の一本を、あたりをつけたニアの中へ滑り込ませる。
ニアの中は熱く、私の指はニアの口の中へ消えたチョコレートの様に溶けてしまいそうだった。
指を差し入れたまま掌を押しつけ円を描くように小さく動かしてやると、ニアが身体をくねらせる。
「あっ…あぁ…」
初めて聞くニアの喘ぎに私の興奮は高まってゆく。
腿に押しつけられる私自身にニアは気づいているはずだ。
ニアの手をそこへ導き握らせてみようかと考えたが、とりあえず止めておくことにした。
もがく身体を押さえつけて胸へ唇を這わせ、乳首に軽く歯を当てると飲み込んだ指を包む肉壁が動揺するのが判る。
「やめ…て…ジェバ、ニ」
ニアが、私に付けた名を呼ぶ。
私は、プライベートルームでまでその名前でいるつもりは無かった。
きれぎれなニアの願いを無視すると、足の間に差し込んだ手を更に押しつけて、彼女の中の指を曲げ複雑な肉壁をこすり、
掌にあたる尖りに振動を与えて絶頂を促した。
「んっ、…んっ!」
その動きを押さえ込もうと私の腕に手がかけられたが、力が入らないのかゆるく掴まれるだけだ。
身体を不自然に傾け息をつめていたニアが、瞬間電気が通ったように首を反らせて声を上げる。
「あっ!…や……はっ…ぁん」
すぐに力が抜けて身体はシーツに沈み込んだ。何度も大きく息を付き、上下する薄い胸が生々しい。
ニアに挿入されたままの指は収縮を繰り返す粘膜に包まれ、私はこれから味わう事になる快感を思うと酷く唇が乾き、それを舌で潤した。
「ニア」
声をかけると、まだ身体の震えが止まらないニアが小さく首を振る。
制止を聞かなかった私を、攻めているのかもしれない。
私はなにも気付かないふりをして、一旦身体を起こすと用意した避妊具を装着して再びニアに重なった。
彼女の中へと埋めない事にはとてもではないが収まらない。
投げ出されたままの手を自分の肩へかけさせると足を開きそこへ身体を重ね合わせた。
しとどに濡れた秘唇を左右に分けると、興奮状態が続き、筋に痛みを感じるほどに熱くなった己の先端を埋める。
顔を寄せると、ニアは瞼を固く閉じ、未だ荒い呼吸を繰り返している。
ニアが我を取り戻す前に挿入してしまうつもりだった。
手を添えたものに力をこめて、絶頂後の弛緩した膣内へ熱い自分を埋め込んで行く。
ニアのヴァギナは狭く、しかし濡れきったそこは笠を過ぎると、ぬるりと男の進入を赦してしまう。
「あっ…い…たぁ…」
ニアが、身体を反らせ、掠れた声を上げた。
これだけとろけているのにもかかわらず痛みを訴えてくるニアに私は少し慌てる。
痛いと思いこんでいるだけなのかもしれない。
「そんなはずはない、力を抜いて」
「おき、すぎます」
それは喜ぶべきなのか、少年らのそれと比べられて怒るべきなのか。
「大丈夫だから」
口では気遣いような事を言っておきながら動きを止めるつもりは無かった。
宥め賺して、癒着した部分を裂くように身体を進めていく間も腰に添えた手を伸ばし、親指で凝る突起に触れた。
「ん、んっ、や…」
達したばかりの敏感なそれに触れられて、ニアはむずがる様に声を上げる。
成熟を終えていた身体は、まるでスイッチが入った様に、先程までの人形の様な無反応さを返上する。
「うっ…ぅ、くる…し…」
くさびを全て埋め込まれたニアが呻く。肩に縋る指に力が込められて爪が食い込み、私に小さな痛みをもたらしたが
狭く熱い肉の筒に締め上げられ私自身も這い上がる快感に声が漏れる。

65:後編(エロ)
08/06/01 04:44:57 Gf7rJ867
軽くキスをし、浮き上がる背中を優しく撫でてニアを宥めるとまたニアが身体を押しつけてくる。
がっちりと腕を回し胸を押しつけられて、私は動くことが出来ない。
暫くその体勢で背を撫でていた私は、埒があかないのでニアを引きはがし腰を抱えた。
「はぁっ、まって…っ」
辛そうなニアに、射精せずに終えると言う選択肢もあったが、それは私のなかで即座に却下される。
引き抜くと、再び突き入れる。粘りけのある水音がそこから漏れた。
なるべく優しく、と思うのだが、こちらも快感に脳が支配されて上手く行かない。
「ふっ…あ、はぁぅ」
ペニスをゆっくりと引き出すとニアが身体をくねらせて小さな声を上げた。
少しは感じるのだろうか、私は次第に早くなる動きを抑えられない。
腕を交差させて目元を覆うニアにたぐり寄せられ、頭の脇のシーツは滅茶苦茶になっている。
締め切った部屋の空気が熱を帯びて息苦しい。私からしたたる汗がニアの胸に落ちていく。
手を伸ばし、水気を擦り付けるように小さな胸を押し揉んだ。
「うっ…んっ…ひっ…ぁくっ」
打ち込まれるたびに漏れる声は決して快感の為の喘ぎではないと言う事は気づいていたが
その声にすら刺激され、もはやニアの為にも早く終わらせなければと言う都合のいい考えが身体を支配する。
引き抜く時の肉壁の抵抗で扱かれ射精感が込み上げ、汗で滑る身体に、腰を抱え直すと
両脚を肩に抱え上げ膝立ちになり激しく突き入れた。ニアが悲鳴を上げる。
肉がぶつかる音と接触部から漏れる水音に、こんなに激しくしたら壊れてしまうのではないかと言う心配も
押し寄せる快感にすぐに流されていってしまう。時折顔を覗かせる理性は、なんの役にも立たない。
私に揺すられるまま翻弄されている細い身体は、陸に揚げられた哀れな魚のように口を大きく開けて
必死に酸素を取り込もうともがいている。
脚が汗で滑り肩からずり落ち、それを高く掴み上げ腰を更に進めると、ニアのクリトリスが押しつぶされて
その刺激に、私を締め付けてくる肉筒が痙攣した。
「はぁっ、あぁ…っ」
ニアが身を反らせる。私は身体を押しつけたまま、身をかがめて差し出された胸に吸いつく。
「やぁ…ぅ」
ニアがいくら否定しても、私に腰を擦りつけるようにぎこちなく揺らめく身体が如実に語っていた。
「ニア…」
私はたまらなくなり、白い胸に名残惜しくキスをして、再び抽挿を再開させる。
男に慣れていなかった狭い肉壁は今や私に絡みつき、まるで絞り尽くしてやろうと言わんばかりに締め付け扱き上げてくる。
長く楽しみたいという気持ちと、早く出してしまいたいと言う気持ちがせめぎ合い、もはやニアへの配慮は全く無かった。
軽い身体は私の乱暴な動きに、がくがくと揺すられ悲痛な声を上げて身体をしならせる。
「ああ、あっ…も…っ」
苦しげに伸ばされたニアの手が、腰を掴む私の手の甲に爪を立てた。
それが引き金になったように、私は腰を深く突き入れたまま動きを止め、一瞬の快感に力が篭もり、身体が震えた。
「ニア…!うっ…く、」
放出に頭が白くなったあと、ニアの両脇に肘をつきなんとか崩れ落ちる失態を逃れる。
呼吸を忘れていた自分に気付き激しく息を繰り返した後、組み敷いた身体に声をかけた。
「ニア…大丈夫ですか」
さんざん勝手して置いて今更だが、終えたとたん戻ってきた理性が焦りだす。
頬に添えた手で軽く揺すったが全く反応がない。
慌てて身体を伸ばし、サイドボードのスタンドを点けるとニアの白い身体が闇の中にぼんやりと照らされた。
ぐったりと弛緩した身体をシーツへ投げ出し、せわしなく上下する白い胸だけが彼女が生きているという事を知らせている。
身体を離すとニアは、明かりを嫌ったのか反対側を向くと、その身をくるりと丸めた。
白い肌が汗で光り 艶めかしいその姿は、打ち上げられた人魚のようだった。

-------------

66:前編(長)
08/06/01 04:47:55 Gf7rJ867
前編
捏造多数、性格改変、色々気になる方は激しくスルー推奨
-------------

白いパジャマ姿がソファーの上で食い入るようにモニターを覗き込んでいる。
そこには初老の男と、痩身の老人が向き合いなにかを話す様子が映し出されており、絵面が面白いとは言いがたい。
私は再びニアに視線を戻した。
極端に小柄だった体躯もそれなりに成長し、最近はめっきり女らしくなっている。
まだまだ仕草や表情に幼さが残るのはリアルな人生経験の希薄さも影響しているのかもしれない。
小さな頭には世界中のあらゆる情報が蓄積されているようだが、こうやってニア自身が表舞台に現れる事は極々まれな事だった。

ワシントンD.C.のウェスティン ワシントンホテルの一室で、今"L"の交渉が行われている。
今回の案件に関してはちょっとした背馳があり ニアは難色を示し、さりとて断る事もなかなか難しい筋からの繋ぎであったために
最初のコンタクトの様子をその目で見たいとニアが言い出した。
見て何かが判るのか、それとも他に理由があるのか私達には判らない。
だが要求された事を準備し行うのが我々の仕事だった。
部屋にカメラを設置し無線かネット回線で飛ばすことも考えたが、この様なホテルは当たり前だがそう言った事に厳しく
依頼人に無断で遠くまで配信することは多少の困難の元にあった。
このホテルを選んだのは全館に置いて無線LAN回線が張り巡らされている為、データの移動に都合がよく、
いくつか部屋を経由したのちにネット回線を使用して…と言う計画だったのだが、珍しくニア自ら出向くと言う事になり現在に至る。
そして、4つしかないエグゼクティブクラブルームの真下の部屋ではロジャーが"ワタリ"として、今回のファーストコンタクトを行っていた。

「もういいでしょう」
そう言うとニアはヘッドセットを外し、律儀にもモニターの電源をも切ると、ソファーの上で片膝を抱えた。
私はイヤホンで階下の会話を聞きながら窓際に移動すると、そこに置かれた椅子へ腰を下ろし展望するビル街に視線を移す。
大掛かりに設置したわりに、ニアがモニターを見ていたのは2分程度の事だった。
軽い徒労感に襲われたが、録画でよかったのではなどと口を挟もう物なら、その数十倍の言葉を浴びる事になるのだろう。
それに、下手をすると部屋に閉じこもりがちなニアなので、せめて運動になればと思うことにした。
私のイヤホンにはまだロジャーと依頼人の会話が流れてきている。

67:前編(長)
08/06/01 04:48:42 Gf7rJ867
いつの間にかこちらを見ていたニアが言った。
「いい天気ですね」
大きな窓と広いバルコニーが売りの一室だ。柔らかな午後の日差しが部屋の中へ差し込んでいる。
散歩でもいかがですか。
出かかった言葉を飲み込む。
「受けますか」
「さて、どうしましょう」
こんな返事でももうニアの中では結論が出ているのだろう。
私は、いずれ向かうことになるであろうシチリアのパレルモに思考を巡らせた。イタリアには曾祖父母の墓があるが、立ち寄る暇は恐らくないだろう。
イタリア語ならハルも得意だが最初から係わっている私に声が掛かるのは必然だった。
このままの流れならば、ニアに協力できる最後の仕事になる。
こちらの活動と本職との兼ね合いに付いて私は思うところがあったが、未だ決心には至っていない。

「最近はいかがですか」
不意に、こう切り出され内心ギクリとする。
ニアは、こちらの考えを読んでいるかのように実にタイミング良く声をかけてくることが多々ある。
車中で唇を重ねてから二人きりになる機会などなく、季節は過ぎ再びニアの誕生日を迎え、そして春になった。
別に付き合っているわけでも、恋愛感情が合ってニアを抱きたいと強く願っているわけでもない、
多忙な身に加えてこちらの方が立場は弱かった為、次に進みようがない。
むろん進展を願っていた訳ではないが、複数のしがらみも含めニアの姿が頭から完全に消えることは無かった。
そして今だ私の唇と指先には、時折ニアの柔らかな感触が蘇ることがある。
振り払うように立ち上がると、隣室の冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、グラスと共にニアの元に戻る。
「代わり映えはありませんね」
私の所属が監査局へと内示が出そうだ、などという情報はとっくに仕入れている事だろう。
私は、代わりに質問を返した。
「あなたの方はどうですか?」
「先月までいたマイアミはすごしやすかったです」
「ワシントンはやっと暖かくなってきましたね」
「季節と共に移動されているのですか?」
私が笑いかけると、ニアが少しだけ口の端を上げた。
いい加減見慣れたと言えばそうなのだが、もう少し可愛らしく笑えないものかと思う。
私は、二つのグラスへ水を注ぐと、その内の一つを手に取り窓辺へとまた移動する。
ロジャーの方はまだ掛かりそうだった。浮いてきたイヤホンをしっかり固定させると、そちらの話へ集中出来ない理由を考える。

せっかく訪れた機会に、私はニアから一つ確かめたいと思っていたことがあった。
私が知りたいこと、それは私にとっても漠然としていて自分でも何が知りたいのかはっきりしない。
直接聞いてどうこうなる話でもない。
一番いい方法は話の中から私がくみ取る方法だと感じてはいたが、ニアを相手にどんな会話をすれば盛り上がるのか皆目見当がつかなかった。
前回は躊躇してしまったがメロの話を避けて通る訳にはいかない。

68:前編(長)
08/06/01 04:49:35 Gf7rJ867
偶然に知ることになったニアの不幸な過去は、そんな私にとって多少都合が良いとも言えたが、いかんせん内容が内容なだけに、
会話のきっかけとして出す話題には相応しくはない。客観的に見ても激しいトラウマとなっていてもおかしくない程の経験だ。
もっともニアに、そんな素振りは微塵も感じられなかったが…。
「何か?」
そんな事をつらつらと考えながら柔らかく流れる髪に視線を注いでいた私に、ニアが声を掛けてくる。
私がニアと持てる最後の機会かもしれないと考えると、今日を逃す手は無い様に思えた。
私としては早く白黒つけて、いつまでも喉の奥に引っかかっている小骨のような、あれを何とかしたいと思っているだけなのだ。
時間は無限にある訳ではない、私は意を決して口を開いた。
「あの」
ニアが顔を上げる。彼女は食が細い。離れていた一冬の間にまた少し痩せたような気がした。
「一つ伺っても?」
「何に関してですか」
「あなたのプライベートに関してです」
ニアはさも意外だという顔をして、こう続けた。
「どうぞ」
了解は得られたが、さて何をどう聞けばいいのか。
こんな機会がいつ来てもいいように考えてはいたが、女性に対しレイプされた話を蒸し返すのは、あまりにも無神経ではないか。
なかなかに抵抗がある種類の話ではあったし、当然滑りは悪くなる。
「どうしました?」
ニアが催促をしてくる。彼女の右手が上がり自らの髪を巻き付け弄びだした。
焦りで判断力は低下するものだ。
回りくどいことをしても仕方がない、と急かされた私は、核心部分から切り出すことにする。
「その」
ニアが再びこちらを向いた。
「あなたが幼い頃ハウスの少年に乱暴されたという話です」
ニアからの返事はない。私は続けた。
「その暴行にメロは関わっていたのですか?」
「……」
沈黙が流れる。ニアは傾けた顔を私に向けていた。その視線には、こちらの不躾な質問に対して責める色合いは無く、ただ私の真意を探っているようだった。
しばらくしてニアが口を開く。
「─メロは煽動者でした」
「彼が始めた遊びです」
やはりそうなのか。
しかし、ニアにしてみれば何を今更と言った所だろう。
ただ、この件でしか私とニアの間の共通のメロの話題という物はSPK殺害の事件しかなく、さすがにそんな殺伐とした話題から
雑談に移るわけにも行かなかったのだが、いくら率直に、といえど、まさかメロに乱暴されてどう思った?と聞く訳にもいかない。
ニアはソファーの前に置かれている、ローテーブルの上を見ている。
そこにはホテルのサービスであつらえらたチョコレートが並んでいた。
色とりどりの銀紙に包まれているそれは、ピラミッドの如く積み上げられている。
再び黙り込む私の替わりにニアが会話を繋いできた。
「気になりましたか」
「いや、その」
ニアがぐりっと、機械じみた動作で半身を向け、窓辺に立つ私を見た。突然身体を向けられた私は思わず硬直する。
「何故今頃?」
「それは、…」
「一年間暖めていたのですか?」
「そろそろ羽化しそうですね」
矢継ぎ早に言葉を浴びせられ、さすがに癇に障ったのだと今更気付いたところでもう遅かった。
すぐに次の質問に移ればまだましだったのかもしれないが、話の主導権はすでにニアの手に渡ってしまっている。
「…あれからあなたと話をする機会が無く、」
「いつでも尋ねてくださればよかったのに」
私の言葉を遮ると、上目遣いで私を見て、嘲る様にニアは言った。
「あなたがこう言ったたぐいの話に興味を示すとは思いませんでした」
「興味があったわけではありません」
話が思惑とは違う方向に行ってしまい、私は狼狽えた。

69:前編(長)
08/06/01 04:52:45 Gf7rJ867
ニアは姿勢を戻すついでに手を伸ばし、皿の上からチョコレートを一つ取った。
細く白い指で器用に銀紙を剥くと、中身のチョコを皿に戻し、銀紙を大理石で出来たテーブルへ押しつけて、しわを延ばして行く。
「それで?」
ニアの指先に意識を奪われていた私は、その声によって今だ自分が禍難のさなかであることに気づかされる。
「いえ、その件について、話したかったのではなく…その…」
焦りと狼狽で益々頭が働かなくなってきたようだ。私は、これでもチームの中では沈静なワイドアウトとして頼りにされている方なのだ…。
アプローチの仕方を完全に間違えた私は、もはや軌道修正は難しいと悟り
ロジャーの早い帰還を願いつつ、隣室の会話が聞こえてくるイヤホンを耳の奧へ押し込む。
「では別の目的が?」
ひとつ目の銀紙をきれいに延ばしたニアは、銀紙に描かれている模様を確かめるように指でなぞった後、
大事そうにそれを脇によけ、2つ目のチョコを取り再び銀紙をはがし始めた。
「詳しく話しましょうか」
「いいえ」
私は慌てて辞退する。ニアが乱暴されたときの話を詳しく聞きたかったわけではない。
しかしニアは続けた。
「私がどのように少年らに押さえつけられて、レイプに至ったのか」
下世話な興味を揶揄された気がして、思わず声が大きくなってしまう。
「ニア、私は事の詳細を聞きたかったわけではありません」
私の声に、少し驚いたように顔を上げると、ニアは再び視線を戻し、剥き終わったチョコを角度を気にしながら皿へ積み直す。
「別に構いませんよ」
手元に残った銀紙を端から丁寧に延ばし、つまみ上げ目の前に掲げひらひらと揺すってみせると、言葉に詰まり立ちつくす私を見た。
「…興奮しましたか?」
怒りで顔に朱が上ったのが判った。
「違います、そうじゃない」
「あの話に触発され私に触れたのですか?」
「あれは…あなたがキスをしたいと」
卑怯な、と我ながら思い、言い直す。
「あなたの過去に興奮して、触れた訳ではありません」
「確かに私が、提案した…しかし断ることも出来たはずです」
自分で迫っておいてこの言いぐさだ。しかし今はその理不尽さを責めるよりも、身に降りかかった誤解を解きたかった。
「それはそうですが、過去の話は関係ありません。あなたとキスをしてみたいと思っただけです」
まさか、生意気な小娘を懲らしめてやろうと思いましたとは言えない。
「同情しましたか?」
「不幸な体験をしたニアは可哀想…」
3つ目の銀紙をきれいに延ばしたニアは、テーブルの上の銀紙にそれを重ねると、4つ目のチョコへ手を伸ばす。
「…そして私にキスをした」
「同情でした訳じゃありませんよ」
むしろあの時は、いい年をして恋人もいない私が同情されたといった方がいいのではないか。
そして、あの場に限って言えば、私の方が可哀想だったはずだ。
「そしてその話題に誘発され、あまつさえ手込めに」
「しっ…してません!してないでしょう!そんな事!」
私はついに窓辺から離れ、ニアの正面に回った。4つ目のチョコの銀紙を剥きに掛かっていたニアは、私と向き合うと
実にわざとらしい、驚いた表情をした。
「おや…おかしいですね、あのとき、あなた…」
気づかれていたのかと今度は羞恥で顔が熱くなる。
私は今まで、女性に自らの身体の変化を気付かれたとしても恥ずかしいと思った事は無かった。
そういった現象は当然の事で、むしろ、そうならなければ女性に対して失礼に当たると思っている。
だが、この浮き世離れしたあどけない女に、男としての反応を指摘されるのは、どうにもバツが悪かった。
こうなったら開き直るより他に私の道はない。

70:前編(長)
08/06/01 04:53:49 Gf7rJ867
「確かに、興奮状態にはありましたが、そのせいではありません」
ニアと視線を合わすために、私はニアの向かい側へと座る。美しい絵皿の上には、銀紙でくるまれたチョコレートの横に
剥き出しにされた、かわいそうなチョコレートが積み上がっている。
まるで私の様だ。ニアの前に出ると普段自分を覆っている、自信や自尊心など身を守るもの全てが奪われてしまう。
「…生理現象です。女性には判らないと思いますが」
「あなたの様な人に触れれば、健康な男子ならば皆、そうなると思いますよ」
「お上手ですね」
意味深な流し目をよこすと丁寧にのばした銀紙を重ね再びチョコレートの山に手を伸ばす。
まるでティータイムのちょっとした雑話のようにニアは続けた。
「つまり、わたしに欲情したのですね」
「ええ、ですからそれは」
繰り返され、私は自分が耳まで赤くなっているのだろうと意識した。
ニアのような美しい女が男の前で頬を染めている図は絵になるが
大の男が顔を真っ赤にして、女の前でしどろもどろになっている様子はとても観られたものではない。
もし私が第三者であったなら、もうそこら辺にしてやれと助け船を出す事だろう。
しかしここには私達二人しかおらず、私自身誰かに今の状況を見られたいとは思わなかった。

しばらく鯉のように口をぱくぱくとさせていたが、なにも思いつかず、
私はぐったり頭を垂れた。弁解する気力も失われたようだ。
「……そんな風に思われていたのですか」
「いいえ」
即座に否定されたのはせめてもの救いか、しかしニアは続ける。
「ですが、たった今、考えを改めました」
ニアは立て膝に乗せた小さな顔を傾け私を見つめた。
私は、その真っ直ぐな視線にいたたまれなくなり、ついに投降するに至る。そして、うなだれたまま、絞り出すように発声した。
「…すみません、不適切な質問でした」
「状況が芳しく無いから脈絡もなく白旗を振るなど、男らしくありませんよ」
ごめんなさい、ゆるしてください、と言いそうになる。
「辛い事を思い出させてしまい本当に申し訳ない。粗忽でした」
「それは構いませんが、…不思議ですね、本当に何が聞きたかったのですか」
もはや言い訳すらすまいと決意し、押し黙る。
貝のように口をつぐんだ私に、ニアは珍しいものでも観るようにしきりに視線を寄越していたが、再び皿のチョコを手に取り、
それを目の前で掲げ、模様を確かめるようにまわした。
「別に、あなたが気に病むことなどありませんよ」
薄い銀紙が1ミリも破れないように爪を立ててそれを剥いて行く。
「心的外傷も負っていません。何をされても何も感じませんでした」
「私にとっては、性的暴行というよりただの暴行事件であったので。…あなたにもあるでしょう?」
私は顔を上げてニアを観た。ニアは、指先に神経を集中させている。
「怪我をしたことは?それをいつまでも気に病んでいますか?」
「どういう意味ですかニア」
「さあ、性的不感症というものではないのでしょうか」
「まさか」
「ええ、医学的な見地からの不感症というものは、存在しないらしいですが…」
またニアは、とんでもない告白をさらりとしてみせる。そしてその、ニアの仕掛けた網に私はいとも容易くひっかかってしまうのだ。
「あなたの場合その、不幸な…切っ掛けと、未熟な者同士での性行為が影響しているのではありませんか」
ニアは、私に視線を向けると、むき終わったチョコレートをようやく一つ、口に入れた。小さなチョコは、ニアの口元へ消えてゆき
ちらりと覗いた赤い舌が、不覚にも私の記憶を甘くくすぐっていった。私は、不自然にならないように目を伏せる。


71:前編(長)
08/06/01 04:54:54 Gf7rJ867
ニアの口の中でチョコレートが溶ける時間のあいだ、私はひたすら自らの磨かれた革靴に視線を注いでいた。
しばらくすると、ニアが話を再開する。
「そうでしょうか。でも本当のことです」
「…どっちでもいいけど」
ニアらしくない言い方に私は少なからず動揺を覚え、それは表情に出てしまったようだ。
くどいようだが、私は職場ではボスのサイドキックとして信頼も…厚く、…そのはずだったが…。
「信じられないと言った顔ですね」
「いや」
「また同情しましたか?」
「同情だなんて…」
「あなたはキスがお上手でしたね」
ニアとのキスを思い出した、先ほどの心を読まれたようで、ほんの一瞬、返答が遅れる。
「いいえ」
「あなたと関係した女性はみな満足されて帰りましたか?」
私は投げられた言葉が理解できずにしばらく、呆けてしまう。
「ニア、何を」
「ご自分のテクニックに自信がおありなんですね」
「そんなつもりでは…」
少女の様な女にきわどい話を振られ、うろたえる私をさらに追いつめるようにニアは口の端を歪めた。
「試してみますか」
フフ、と笑う顔にこちらの表情が強ばる。
「まさか」
「私に個人的な興味を持たないと約束できるなら、あなたと寝てもいいですよ」
「なっ…」
とんでもない事を言われ、思わず立ち上がる。
「違います、そうじゃない!」
「違うのですか?」
「違う」
繰り返すだけで誤解を解くための言葉が浮かんでこなかった。無意に掲げられた手が行き場を無くし、私は髪をかき上げる。
確かにあのとき私はニアに同情した。
しかしそれはその後の行動には何ら影響していない。
大体、ニアの思考が何故、突然そこに飛んでしまうのが私には理解できないのだ。
そうですか、とニアは私から視線を外し、銀紙をのばし始める。
「少しうぬぼれが過ぎました、すみません」
「いいえ、あなたは魅力的だ」
その言葉に偽りはなかった。
「しかし、どんな女性であろうと上司をベッドへ誘う様な真似はしません」
「私はあなたの上司ではありませんよ」
確かに、正確を期すれば、今のニアは私のボスではない。
「同僚だとしたら?」
何か知っていてわざと言っているのかもしれないが、私は馬鹿正直に言葉に詰まってしまう。
「別に、不思議に思いませんよ。アメリカの男女は挨拶代わりに身体を重ね」
「ニア、アメリカを侮辱するのはやめてください」
皆まで言わせずに遮った。
自分の事はなんと言われても構わないが、私は多くのアメリカ人と同じ様に、自分の国に誇りを持っている。
「そんなつもりは無かったのですが…」
ニアは大して気にするでもなく、続けた。
「ではこれはいかがでしょうか。おとり捜査でマフィアの情婦を寝取ってみたり」
「私は潜入捜査官ではありません」
FBIは細分化され、特別捜査官の誰もが潜入捜査を行っている訳ではない。
私が現場に出ていた、新人の頃にそんな重大な任務を任されるはずもなく
いくつかの事件を経て、SPKに招集され戻った後は本部所属となり
ほぼ会議や公事、幹部達のお守りに従事しほとんど現場に出ることはなかった。
この程度の仕組みはニアならば十分解っているはずだ。

72:前編(長)
08/06/01 04:55:48 Gf7rJ867
「それにそんな女性を侮辱するような捜査方法は推奨されていません」
「そうでしょうか?原始的ではありますが、非常に有効な手段です」
「成功率も高い…」
「私から情報を引きだしてみますか?」
正面からあの黒い瞳に見つめられて、私は、はたと思い立った。
もしかするとニアは、何かを勘違いしてしまったのかもしれない。それは私にとっても不名誉な事なので、
こればかりは必死に誤解を解いておく必要があった。
「私は何かを探りたい訳ではありません。そう特命を受けた覚えもない」
ニアは世界的にも微妙な立場と言えた。先代の名声を引き継いだとはいえ、世界に名を馳せるプロファイラーであり、
底の見えない資金力と知名度、カリスマ性を持つLは、どの国にとっても充分脅威となる存在に違いない。
現在はもっとも近い協力関係にあり、友好的な立場を取ってはいるが、実際はアメリカからも監視されている境遇にあって
その任を負っているのは他ならぬFBIで、例の一件に関しても
私自身ニアが絶対にノートを持ってはいないと、完全には言い切れなかった。
しかしニアは、私の杞憂をあっさりと否定する。
「あなたがスパイでは無いことは判っています」
「しかしあまりにも歯切れが悪くて、酷く気持ちが悪い」
ニアが唇をとがらせた。昔からこの癖は変わる事がない。
私も出来ることなら具体的に質問をし、我が身の誤解と懸念についての回答を今すぐ得たいと思っている。
だがそれが不可能だからこその、この体たらくであり、
みきりで出発をしてしまったことを今更悔やんでも仕方ない。
しかし完全降伏の私を前にしてもニアの追随は未だ緩む気配がない。
「私に同情をしてキスを。今度は?」
なんと返せばいいのか困窮し再び黙ってしまう。
「不感症を不憫に思って、抱いてくれますか?」
「ニア…困らせないでください。大体あなたはそんな事を望んでいない」
「でもあなた、自分ならと思いませんでしたか」
わざとなのだろうか、こういうなんという事のない軽い会話でどんどん引き返す道が狭くなっていく。
ニアが20の時に車でキスをした時と同じだ。
ニアは、もし私が、あなたを抱きたい、と言い出したらどうするつもりだろう。適当にかわし、からかって終わらせるのか。
私のことを異性として認識していたこと自体も驚きだった。
彼女が扱う機材の一つぐらいに思われていると、いや、もしかして全くその通りなのかもしれない。
必要な道具を適所で活用する、そんな考えでニアは私に誘いをかけているのだろうか。

あの時垣間見えたニアの生身の部分は、この一年ですっかり色あせてしまっている。
関わらない方がいい──
──できれば関わりたくないという気持ちに、ニアを知りたいと言う感情が勝ってしまう。
深い深い穴の奥を覗きたいという好奇心は人間の原始の欲求に通じている。

座り直した私は、膝に腕を置き両の手を組むと少し考えてから口を開いた。
「─試してみますか」
ニアが私を便利に使おうと思っているのなら、私はそれに応えるだけだ。
「私と寝てみますか」
前回のように追い詰められたあげくにニアに言われるのが癪で、という訳でもないが
主導権がほしいと思う時点ですでに負けている気もする。
ニアは、いつもの邪悪な笑みを浮かべると、黒い瞳を丸くして驚いた表情を作った。
「あなたと?」
「ええ」
「もし、お嫌でなければ」
白々しい会話のあと、ニアが、まるで仕事の承諾をするような口調で言った。
「では、よろしくお願いします」

--------------

73:前編(長)
08/06/01 04:56:50 Gf7rJ867
「ロジャーすみませんが、寄りたいところが出来ました」
「先に戻り、情報を纏めて置いて頂けますか」
しばらくして、打ち合わせを済ませ部屋に戻ってきたロジャーに、ニアが言った。
今日なのか?!と内心焦ったが、ニアは偏執的とも言えるほど慎重なわりに、決断後の行動は異様に早い。
男の私が「まだ心の準備が出来ていません」等と言う訳にもいかず、私はどこへニアを連れ込むべきか、慌てて考えなければいけなかった。
「どこへ行くんだい」
「野暮用、というものです」
わざとなのか、おかしな言い廻しをしてニアは歩行具のカフに腕を通し、ソファーから立ち上がった。
私はロジャーから カメラと機材を受け取り処理もそこそこに鞄に押し込むと、ニアの後を追う。
彼が、皿にきれいに並べられた剥き出しのチョコレートとのばした銀紙をみているのを目の端に収めながら足早に部屋を後にする。
何とも情けないこの様子によもやこれから私たちがベッドを共にするとは彼も思うまい。
上位客専用エレベーターで地下の駐車場へ降りると軽くセキュリティチェックを済ませ、ニアをリムジンへ乗せる。
後部座席に収まったニアが尋ねてきた。
「どこへ?」
「私の部屋はいかがでしょう。ここからそれほど遠くありません」
ニアは少し考え、小さく構いません、と言った。
まさかニアを郊外のモーテルに連れて行く訳にはいかない。
先週末に部屋の大掃除をする気になったのは、もしかすると第六感が働いたのかもしれない、などとバカなことを考えながら車を出した。

ホテルを出て、ルート29に乗り私のアパートメントへと車を走らせる。
ふと一年前の出来事を思い出し、バックミラーでニアを伺った。
彼女は普段と変わらぬ様子で、いつの間に持って来たのか、銀紙に包まれたチョコレート数個を手にしていた。
フランクリンパークの交差点で14thストリートを下れば、初めてニアに触れた時に寄ったポトマック公園に出られる。
今の時期はちょうど桜が満開で、今日あたりは美しく花びらを散らす様が観れるかもしれない。
私にもちょっとした思い入れがあり、本部に就任した頃、仕事の帰りによく足を伸ばした。
前回ニアを連れて行った頃は夏の終わりだったので、寄り道をして桜を見せてみようかと考えたが
余分な行動を嫌うニアに嫌みを言われるのも、今、機嫌を損ねるのも得策ではない。
それに、わざわざ自分の思い出を汚す事もないと考え、そのまま、真っ直ぐに帰宅の途に付いた。

アパートの駐車場へ車を止めて、ニアを下ろすと、彼女は物珍しそうに建物を見上げた。
なんて事はない普通のアパートメントだ。
機密性の高い仕事をしている反動か、やや中心から外れた、広めの部屋を借りている為に住人の層は家族連れが大半で
緑に囲まれた駐車場にはカラフルなワゴンや4WDが並んでいる。
そこへ、まるでブラウスに落ちたインク痕の様な黒いリムジンを残し、寝間着姿のニアを住人に目撃されるのも面倒と思い
抱えるように彼女を急かすと、エントランスホールへ向かった。
彼女のロフストランドクラッチが歩くたびに小さな金属音を立てて、ふと足は充分に開くのだろうかなどと不謹慎な考えが浮かぶ。
幸い誰ともすれ違うことがなかった私たちは、一階に止まっていたエレベーターへと身を滑り込ませた。
少しだけ気持ちが緩み、息を付くと隣の壁に寄りかかるように立っているニアを盗み見る。
小さな頭を柔らかな曲線を描いて銀髪が覆い首筋へと流れ、またこの髪に触れるのか、と考えると
自分が使い物になるかどうかいささか不安だったが、問題はない気がした。

「きれいにしていますね」
「家を空けることが多いので」
全く答えにはなっていないが、私は気にもせず、部屋に入るとすぐに寝室へ向かった。
ベッドに脱ぎ散らかした衣類を脇に抱えると、めくりあがったままのベッドカバーとくたびれたシーツを引きはがし、
それらを纏めてクローゼットへ押し込み扉を閉めた。

74:前編(長)
08/06/01 04:58:03 Gf7rJ867
真新しいシーツをマットへ簡単に仕付けながら、本当にニアを抱くつもりなのか?と自分に問う。
お互いにそれを望んでは居ないのに、身体を重ねるなど馬鹿げている。
それ以前に本来ならば、10違う自分がニアに手を出すべきではない。ましてや、少なくとも自分にとってニアは、特別な位置に存在する人間だった。
ここではこの冗談の様なアイデアをやんわりと宥めるのが正しい選択だ。今なら間に合う。

リビングに戻ると、ニアが棚の上に飾ってあるボトルシップを眺めていた。
イギリス船のカティサークだった。この、模型界では有名な帆船をニアも見たことがあるのだろうか。
マストやヤードにはこだわり、キットに無い部分を自作して取り付けた。リギングもより本物に近付けるべく本数を増やしている。
忙しい合間を縫い暇を見つけては一年掛かりで仕上げた渾身の作だった。
こんな状況でなければ、手に取らせてボトルシップのうんちくの一つでも話している所だろう。
ひょっとすれば細かい作業を好むニアと趣味を共有出来たかもしれない。
「ニア」
振り向いたニアの黒い瞳が微かに揺れた。
私は気づかない振りをして微笑みかける。
非道い大人だった。
「どうかしましたか」
「いいえ」
ニアの腕を掴むと、私の手の熱さに驚いたようにニアが見上げてくる。
不思議なことにニアのそんな様子を見たとたん私の理性が煙の様にかき消えてしまう。
引き寄せると、かがみ込んで膝裏に腕を通しニアを抱き上げた。音を立てて歩行具が床に転がる。
何度かこうやって移動させたことはあったがその度にニアの軽さには驚かされる。
明るい日が差し込む室内に、四角く切り取られた様な暗い寝室へとその身を抱えて移動した。
ニアをベッドへ下ろしその体勢のまま覆い被さると小さな顎を上げさせて噛みつくようにキスをする。
一年ぶりのニアの唇はホテルで彼女が口にしたチョコレートの味がした。
最初から強引に舌を差し込み、捕らえた甘い舌を吸い、軽く噛むとニアが身体を小さく揺らす。
「ん、ん…」
左右に顔を傾けて深く口づけ合い、執拗に舌を絡める。
ニアもそれに応じてきて、まるで私たちはお互いの迷いを断ち切ろうとしているようだった。

唇を離すと、ニアが息苦しさに頬を紅潮させて言う。
「性急ですね」
「あまり帰りが遅いと皆が心配するでしょう」
不規則な生活のために、窓は書棚でつぶしてある。部屋の明かりは開いたままの扉から漏れてくる光だけだ。
身体をずらして組み敷いたニアのシャツのボタンを全て外すと、一気にはぎ取ってしまい、同時にズボンも引き下ろした。

現れた白い身体に私は気付かれぬように息を飲んだ。
青白い肌に控えめな乳房は、目覚めたばかりの少女のような痛々しさで
ふくらみの中心には小さく淡い乳首が唯一色を添えている。
肋骨が浮く細い胴からくびれたウエストは、少し乱暴に扱っただけで折れてしまいそうだ。
薄い腹の下の最後に身を覆う、飾り気のないシンプルな白い下着の恥丘が柔らかいカーブを描き、その奥に隠されたニアの秘密に誘っている。
単に私が急いでいるだけと思っているのか、恥ずかしがるでもなく、ニアは視線を逸らすのみだった。
しどけなく身体を投げ出したまま、右手で、シーツに広がった髪の先を気にしている。
気持ちが急いていたのは確かだった。
今日は替えがない、下着を汚してはいけないだろうと自分にいい訳をして、私は早々にそれも足から抜き取ることにした。
細い腰からその薄い布を剥がしてしまうと、ニアは生まれたままの姿を私の前に曝す。
髪と同じ色をしたアンダーヘアが秘裂をわずかに隠し、現れたごく薄い飾り毛がむしろ生身を感じさせていやらしく映った。
少し意外だったがニアが子供ではない事をそれが知らしめている。
ベッドへ入るなりいきなり相手を全裸にしたことなど一度もなかったが、立場上こんな事を思ってはいけないと判っていながら
北欧の妖精達に魅せられ、道を踏み外す哀れな男達の気持ちを一瞬、理解してしまった。
普段ならばここで相手を賛美する台詞を降らしているところだが、きれいだと呟きたくなるのをぐっと堪え、
私がここで鼻の下を伸ばそうものならどれだけ罵られるのだろうかと、自虐的に考えた。

75:前編(長)
08/06/01 04:59:01 Gf7rJ867
ニアは相変わらず乾いた視線を漂わせていたが、身体に触れようと手を伸ばす私に、普段と変わりない調子で言う。
「あなたも脱いでください」
自分だけ裸なのは恥ずかしいのか、かわいいところもあるのだなと、この時はそう思った。
身体を起こすと、ネクタイを緩めシャツのボタンを一つ二つ外す。手間が惜しくなりそのままアンダーシャツごと頭から抜いてしまう。
はやる気持ちを気づかれないように再び身体を重ねると、ニアは私の首へ腕を回し、ひたと身体を寄せてきた。
「?」
幼い子供に抱きつかれているような感覚だった。
恐ろしい人だとは思うが、別に憎いわけではない。
こうして肌を合わせていれば愛しく思えてくるから不思議だ。
素肌に押しつけられる乳房を心地よく感じながら、宥めるように背中を撫でて、額にキスをする。
瞼、頬と徐々に唇を落とし再び口づけながら回された腕を外して、白い胸に触れた。
以前布越しに触れた事のある乳房は、その時とは比べ物にならないほどの柔らかさと、掌に吸いつくような肌理を掌に伝えてくる。
すっぽりと収まってしまう小さな膨らみを撫でて、細心の注意を払いながら力を込めた。
しかし、掌に伝わる鼓動の変化は全く感じられず、そんな所まで可愛げ無い事この上ない。
揉みしだくと、中心にある柔らかく頼りなかった乳首が次第に固く尖りはじめ、今度は突き飛ばされることは無いだろうと
花の蕾のようなそれを指先で摘みとる。
突起部分しか色づいていない小さな乳首を指の間に挟み込んで乳房全体を丸くこね、
もう片方を搾り込むように際だたせるとピンク色の先端ごと乳房を口に含み吸い上げて舌で転がす。
中心からふくらみの裾野へ舌を這わせ、上へたどると鎖骨に軽く歯を立てた。
そこで顔を上げてニアを見た私は動きを止める。予想はしていたがニアは退屈そうに髪の毛を弄っていた。
「…」
身体を伸ばし、彼女の顔の両脇に手を着くと、視線を合わせて訴える。
「ニア、集中してください」
するとニアが丸い目をして私に尋ね返した。
「何にですか」
何にだろう。
私とてベッドを共にする女にこんな事を頼んだことはなかった。
少し考えてから私はこう言った。
「私にです」
ニアにとって想定外だったらしい、私の言葉に神妙にはい、と呟くと
「努力します」
と、小さな声で言う。
「自然でいいので、楽にしてください」
「ドクターの様ですね」
シニカルに笑うニアに先程感じた後ろめたさと欲望が同時に引いていくのが判る。
脱力感を覚えながらも再び白い胸に顔を埋めたのは、男の本能に負けたとしか言いようがない。

私の唾液で濡れている先端を指先で玩び、もう片方の蕾へと舌を這わせる。
小さく上下する胸は愛撫をうけて火照り、さっきよりも張りが増したようだった。
ちゃんと反応はあるのに、身体の主人たる、当の本人には全くその気が感じられない。
こちらばかりが熱くなる、そんな様子を冷たく見下ろされている様で、非常にやりにくい。
不感症というのは本当なのかもしれない、早くも私は挫けそうになる。

76:前編(長)
08/06/01 04:59:45 Gf7rJ867
幸いにもニアのしらけた空気が私の興奮に歯止めをかけていて、みっともない事態には至っていない。
胸から薄っぺらい腹に手を降ろしその肌の柔らかさを確かめたた後、産毛のようなアンダーヘアを撫でてその下に隠れる秘裂へ指を向かわせた。
さすがにニアが身体を固くする。
カーブに沿わせて下ろしてゆくとニアのもっとも柔らかい部分に指先が触れた。
意外にもそこは薄く露を湛えていた。
ローションなどが必要になるのかと思っていたが、用意はないのでひとまずは安心する。
しかし、濡れてはいたが興奮しているような熱を感じることはなかった。
溝に指を含ませて動かすと小さな水音がする。
ニアはやや瞼を伏せて視線を泳がせていた。
私に禁じられた癖の替わりに、シーツをたぐり出来たシワを撫でて均したりといった動作を繰り返している。
そんな様子を見ていた私は、視線をあげたニアと目が合った。
ニアの二つの黒い穴は真っ直ぐに私を見つめる。
間が持たなくなり、私は尋ねた。
「感じますか?」
何という、配慮に欠けた質問だろう。我ながら情けなくなった。しかしニアは気にする事無く事務的に答える。
「表在感覚が有るか、無いか、と言うことでしたら、感じます」
とてもじゃないが、セックスをしているという雰囲気ではない。
ニアの言うとおりお医者さんごっこをしているだけなのかもしれなかった。
ただし、それは全く性興奮を伴わない、無味な物だ。
どうやって責めるべきか考えながら、柔らかい腿を撫でさすっていた私に、ニアが放るように言う。
「そこも感じます」
こちらの散漫さが伝わったのかもしれない。ニアも再び自らの髪を玩びだした。
「判っています」
大人げない私は多少憮然としながら、見上げてくるニアと再び視線が合う。
私は微笑む努力を放棄して見つめ返した。
ニアは、さして興味もなさそうにふい、と目をそらせると、髪を弄びながらこう言った。
「あなたはいつも、いちいち女性の状態を尋ねながら行為に及ぶのですか?」
いけない、とは思ったがさすがにカチンと来て、私は強い口調で返してしまう。
「少し黙っていてください」
「あなたが質問してくるのではないですか」
それはそうだが、こちらはなんとかニアにも楽しんで貰おうと頑張っているのだ。
「もう少し言いようがあるでしょう。あなたはいつもそうだ」
ニアからの返事はなかった。
私はどうにも抑えられなくなり身体を起こし、ベッドの端に腰掛け自分を落ち着かせようと努力をする。
もう何年も前にやめたはずの煙草が無性に恋しい。
ニアはぼんやりとした様子で天井を見ていたが、やがて横に転がると、胎児のように丸まった。
その仕草に少しだけ、何故か胸が痛み、小さく頼りない白い背中に後悔が押し寄せた。



--------------
後半>>62

77:名無しさん@ピンキー
08/06/01 16:22:43 iFReJ/IM
続編乙です
ステはやっぱり主導をにぎれてないのかいるのか

シュチュより描写の細かさに萌ますた

78:名無しさん@ピンキー
08/06/01 18:18:53 jcpXD2yd
乙です
ステファンが珍しくメロに勝ってる感じがすごくいいです
ニアのは不感症?といっても幼すぎて感じなかっただけなんでしょうね
少年は大人のジェバより下手でしょうし………状況が状況だし
ニアにステとのバラ色のセックスライフが訪れますように(ー人ー

79:名無しさん@ピンキー
08/06/01 18:19:21 jcpXD2yd
すみません上げてしまいました

80:名無しさん@ピンキー
08/06/04 08:17:58 xIh28eIc
GJ。関係というか会話とかが丁寧だなーと思った

81:名無しさん@ピンキー
08/06/04 21:16:00 t3AGHcNG
ナイスえろえろ
女体化なんて考えたこともなかったが何か目覚めてしまいそうだ

82:名無しさん@ピンキー
08/06/10 04:07:53 /B+8RXbn
保守

83:名無しさん@ピンキー
08/06/13 19:29:07 r+2om7fp
すごく続きが気になるんですが
これって続きあるのか…?

84:名無しさん@ピンキー
08/06/15 23:13:20 q9NFcMj1
普通に65で終わりかと。
あとはデスノートスレで全裸で待つべし。

85:デスノ
08/06/20 23:16:16 MVUhptzU
レスThxです。
TSスレにて続きを落とさせて頂こうと思っています。良かったら読みに来てください!
追い出されたらまたお世話になります_ト ̄|○

86:名無しさん@ピンキー
08/06/23 01:40:10 NH2UOLPn
>>85
乙でした!
続き楽しみにしてます

87:名無しさん@ピンキー
08/06/24 00:10:36 ffgFbJw+
【うpろだ】専用スレのないSS【代わり】
スレリンク(eroparo板)

88:名無しさん@ピンキー
08/06/24 10:00:20 5Saqf2IH
そこは『専用スレがないもの』
ここは『専用スレはあるけど投下が躊躇われるもの』用

89:名無しさん@ピンキー
08/06/24 18:23:04 31GvQtrQ
>>85
乙です!スレが落ちる前に読めてよかった。
続きがあるのならまた是非読みたいです。
丁寧な心理描写が好きだ。

90:名無しさん@ピンキー
08/06/26 17:15:55 T8eZqgCA
>>88のようなのもココにあるし

91:名無しさん@ピンキー
08/06/26 17:22:19 5GtBHPkt
>>87 のスレとはスレタイが違うだけで、ぶっちゃけまとめてもいいと思うよ

92:名無しさん@ピンキー
08/06/26 17:30:46 7EDRapqS
そーだなー
投下が分散するとやりにくいし、じゃあ削除依頼?どうするかな。

93:名無しさん@ピンキー
08/06/26 18:26:24 5GtBHPkt
もう投下されちゃってるんだしそこまですることもないでしょう。
次スレで統合でいいんじゃない?


94:名無しさん@ピンキー
08/07/01 14:50:09 /YELWYTb
念のため保守

95:名無しさん@ピンキー
08/07/02 04:03:16 lwLe1KkN
>>5
あまりにも遅レスだけど、めぞん一刻が出てくるとは思わなくて驚いた。
ぜんぶ読んでないんでアレですが、今さらながら乙でした。
出来れば全部読みたかったです。

96:名無しさん@ピンキー
08/07/02 22:16:44 QL/NhoRa
>>95
めぞん一刻はスレがあります。
念のため。

めぞん一刻のエロ小説2
スレリンク(eroparo板)

97:名無しさん@ピンキー
08/07/08 23:05:36 rflGak/1
そこ死に体だし…

98:4
08/07/09 20:08:59 ZkZstlgu
TSスレが物議ってまったので、やはりこちらで続けさせて貰います。うろうろして本当に申し訳ない。
次スレ無し方向のスレの様なので落ちるまで居候させて頂ければ幸いです。
2>>66/3>>TSスレ5-854

-DeathNote- ジェバンニ(31)×なんのためらいもなくナチュラルに女性のニア(22)
捏造多数・性格改変、色々気になる方はスルー推奨
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春に"L"の仕事を手伝い、依頼された捜査を終えてアメリカに帰った私は、その足で直属の上司と懇意にしていた幹部に退職の旨を伝えた。
引き留められ、医師も紹介されたが、そういう訳ではないと言う事を説明するのに多少手間取り、
内部にも食い込んでいた私は、それらの引き継ぎや退職にあたっての手続きが嵩み、全てを終え自由となったのは三ヶ月後の事になる。
そして予め相談をしていたレスターへと繋ぎを取り、ニアに面会できたのはそれから更に二ヶ月後の事だった。

本職を勝手に辞めて来た私にニアは冷たかった。
「突然の事で驚きました。理由をお聞かせ願えますか」
「こちらの仕事に専念する為です」
ニアにしては珍しく、全く予想も情報も仕入れていなかった様子に、彼女の私に対する興味の薄さを知らされた気がして若干気持ちが萎える。
その上でニアが、私がFBIを辞めたことに関して理由を知りたがったことに多少違和感を覚えたが、
自分がニアの手伝いをするに当たり組織にプラスにこそなれ、何ら損失を与える要素は無い事に自信の合った私は
前出の個人的感情も含め少々強気なものの言い方になり、ますます彼女の感情を逆撫でした。
「貴方になんの相談もなく申し訳ないとは思いましたが、私にはその権利があると思っています」
ニアに断りもなく事を進めたのは、これ以上他人に顔を晒す気のない彼女が、SPK時代からサポートしている私を雇わない訳が無いという確信があ

った上での、くだらない意地だった。
そんな自らの困窮した状況や、私の思惑なりを理解しているニアはさぞかし面白くなかっただろう。
もしかすると彼女は、全ての事象を自分の書いたシナリオ通りに進めたいと考えているのかもしれない。
「…」
沈黙の後、ニアはこう言った。
「どこの組織に入る際でも、必ず試用期間というものがあります」
「とりあえず仮採用という事で様子をみさせて貰います」
ハルは笑っていたが、私はよほど憮然としていたようで、レスターの咳払いでようやく一言だけ返すことが出来た。
「よろしくお願いします」
そういえば、あれから本採用の知らせは受けていない。


「ん…っ!ん、ん…」
膝に抱え上げた身体が強張り、私にしがみつくようにその身を押し付けると同時に
背中に針で刺されたような痛みが走り、ニアがそこへ爪を立てたことを知った。
合わせた胸がせわしなく波打ち小刻みな震えが伝わってくる。私の肩口に力無く凭れ、首に掛かる熱い息が擽ったかった。
ニアの震えが少し収まった後だらりとした身体を下ろし、いつも彼女が抱えている左足を曲げさせてゆっくりと動く。
「ああ」
違う角度で膣内を擦られたニアが顎を上げて切ない息を漏らす。
瞼を閉じて荒い呼吸を繰り返す口角から零れた唾液がシーツに丸く跡を作り
Lという存在を自由にしているという優越感がより一層私を高揚させる。
投げ出されたニアの手を取り曲げた片足を抱えさせると、私は粘つく水音を立てている部分に指を這わせた。
真っ白な身体のそこだけが赤く裂け、腫れた男の欲望を咥えこんでいる。
精一杯口を開けて私を含んでいる濡れた縁をなぞり小さく顔を覗かせている肉芽に抽挿で泡立つ愛液を塗りつけると、
瞼を伏せ感じ入っていたニアが、電気が走ったように小さく跳ね、抱えさせていた足が振ってきて私の動きの邪魔をした。
「ぅん…っ」
私はニアの細い身体を折り畳む様に身を寄せる。
「ニア…ちゃんと足を押さえていて下さい」
「さわ…ないで…」
「触られたくない?」
返事は無かった。

99:<4>
08/07/09 20:10:17 ZkZstlgu
「いやですか」
身体を起こし、親指の腹で引き上げるように力をこめるとフードを被ったクリトリスがさらに顔を出す。
「ん…っ」
ニアの赤い実を、犬のように舐め回し声を上げさせたかったが今の体勢では届く訳がない。
「嫌いではないでしょう」
揃えた指で申し訳程度に煙る白い茂みを撫で回し、身体を揺するとニアがゆるゆると首を振った。
荒い呼吸に閉じることのない唇から舌が覗き、誘われるままにそこへ手を伸ばし触れると、ニアはその指を軽く吸ってくる。
この口に含ませてみたい、と考えたことはあったが何故か躊躇われるものがあり、行動に移したことは無かった。
そんな思いを知ってか知らずか、ニアが指に舌を絡める。指にまとわりつく赤い舌と暖かく柔らかい感触に、自分がさらに固く反っていくのを感じ
それに気づいたニアが非難するように視線を向けるので、照れ隠しに私は口の端を歪めてみせた。
指を引き抜くと、唾液の糸が引き彼女の顎に落ちる。こちらばかり高められるのは悔しいのでどうしてもニアを鳴かせたかった。
「じゃあ、少しだけ」
どのくらいが少しなんだ?と思いつつ、そう言うと視線を漂わせていたニアは再び私を窺った。焦点を失ったような黒い瞳が潤んでいる。
こういう表情をしているときにニアは幼く、胸を刺す罪悪感に私の興奮は増してくる。ニアがとろりとした目つきで言った。
「少しだけなら」
おかしなやり取りに頬を緩ませながら、ニアの唾液に濡れた指で、彼女のルビーを軽く撫でた。
「んっ、…」
露をすくい、剥かれた赤い粒を触れるか触れないかの弱さで撫でるとニアの身体に断続的に力がこめられて、私を締め付ける。
「もう少し?」
「…ん、」
シーツに額をこすりつけるようにニアが頷く。遠ざかる指を追うように細腰が淫らに浮いて、視覚と挿入されたままの私自身に刺激をもたらす。
身体を引いて浅く抜き差しをしながら人差し指と中指で挟んだそれを左右に揺するとニアが喉を反らせて喘いだ。
「ぁあ、あ…っ」
彼女を好きに鳴かせることができる小さなスイッチを押し、擦り、乱れる様を堪能する私の腕に、ニアの手が掛かる。
「もっ…もう」
「お終いですか?」
「…すこしはおしまいです」
何を言っているのか自分でも判っていないのだろう、そんなニアに苦笑すると、上下する薄い胸に手を伸ばし白い肉を手のひらに収めてまるくこねた。
しばらくすると落ち着いたのか、ニアが不思議な疑問を振ってくる。
「生殖行為に乳房は関係ないのに、何故そこに触れるのでしょうね」
何とも興ざめな質問だが、いつものことなのでもう気にはならない。
不公平がないようにもう片方の乳房にも触れ、その柔らかさを確かめる。
「性感を高める神経は繋がっているようですよ」
「排卵が促されるのですか」
そこまでは知らないので、誘うように起立した乳首を指ではじくと、私は雰囲気の修正を試みた。
「まあ…厳密に言うと私たちの行っているこれは生殖行為ではありませんからね」
返事は無く、ニアは傾けた身体を丸め、じっと指先を見つめていた。
勃起したそれを指で肉に戻すよう押し込めると、白い肉に指先が沈み、ニアが鼻を鳴らす。
「ん…」
息を詰めるニアの唇を舐めて舌を差し込むと、直ぐに柔らかいものが私を迎え、優しく吸われる。ざらつく上あごを舌先で擽り
先程見た、指に絡みつくニアの赤い舌が自分のペニスへと這わされる様子を夢想しながら舌を絡め合った。
濃厚なキスのあとに唇を開放すると、その濡れた唇のまま、ニアが再び質問を向けてくる。
「何故生殖行為ではなく身体を合わせるのでしょうか」
まだ言うか、と思ったがすこしだけ意地悪な気持ちになって反対に質問した。これは私の、本心から抱く疑問でもある。
「貴方はどうしてですか」
「私は…」
ニアはすこし考えると、こう言った。
「あなたがしたそうだったから」
まさか自分のせいにされるとは思っていなかったが、それほど悪い気はしないので
これ以上追求するのも無粋と思い、素直に謝っておく。
「それは…。気を遣わせてしまいました」
「いいえ、部下の機微に心を配るのも上司の努めだと思っています」
ニアの黒い瞳は焦点を戻し、意地の悪い笑みが口元に浮かぶ。
全く生意気な娘だ、と思ったが手の中の小山を緩く揉んでいると、時折切なそうに目が細められて鼻を鳴らす様子が可愛らしいので私は微笑みを返した。

100:<4>
08/07/09 20:10:57 ZkZstlgu
汗で束になっている髪の間から覗く耳に唇を寄せると、そこを甘噛みしながら言葉を吹き込む。
「では私もあなたの求める理想に叶うよう一層努めさせて貰います」
「…ん」
ニアが擽ったそうに身体を竦めた。
「ん、ん…」
ゆっくりと腰を押しつけニアの身悶える様を楽しんでいたが、いい加減包まれたままの自分が刺激を求め訴えてくる。
押しつけた腰を大きく上下に動かすとニアが熱い息を吐いた。
「は…ぁ、はっ…」
「ニア…」
もう聞こえていないのか、聞く気も無いのか瞳を閉じて無防備な表情を晒すニアの細い指が
早く動けと言わんばかりに、浅く緩慢な動きをする私の腕に重ねられた。

ベッドの上ではフィフティな約束だった。
何となく始まった関係だが、最初に2,3言われたことがある。冗談めいた制約の最後に、
彼女自身に興味を抱かないこと、と念を押された。
ニアが何を考えているのは私には判らないが、それが判らないからと言って取り立てて不都合も無かった。

もう少し楽しんでいたい気持ちも大きかったが、時間もなくそろそろ終わらせないとお互いに辛いので、片手で掴める腰を押さえ込むと律動を再開する。
リズミカルに腰を使っているとニアの喘ぎが大きくなり、私も這い上がる快感に声が漏れる。
細く軽い身体は思い通りに動かすことができた。ニアを真っ直ぐに寝かせ身体を割り込ませると、一層強く腰を打ち付けていく。
「や、はぁ…ぁ、くる」
「ニア、まだ…だ」
オーガズムを覚えた身体が、私の共犯者となってニアを追い詰める。まだあどけない顔が辛そうに歪み淫らで扇情的だった。
「もっ…あぁ、やめな…で」
もちろん止めるつもりは無かった。私にも終わりが近づいている。
「はっ…ぁ、…きます、ああ…」
熱く締め付ける肉襞が抽挿する動きと共に私を扱きあげて、射精感が高まってゆく。
二人の律動にホテルの安っぽいスプリングが音を立て、この行為の馬鹿馬鹿しさを笑っているようだった。
焦らしすぎて激しい反動が快感の大波となり押し寄せ、抉るように突き入れると私は動きを止める。
腹筋が震え視界が白く霞むような快感に身が竦んだ。
「くっ、あ」
「んっ…ん、っあ…!ああ…っ」
縋るものを探すニアの手がシーツをたぐって半身が捩れた。白い身体が弓なりに反りかえり
伸ばした腿の筋肉に力が篭められたのを目の端で確認し、私も放出を終える。


「自分で着られます」
そんな声を無視して、私はニアの普段着としている白い寝間着のボタンを留めてやる。
ニアは手を挙げかけたが、抵抗するのも面倒になったのか指先へ視線を落としされるままで居た。
「油断をしているとトラッシュへ下着を捨てて行かれますから」
「しつこいですね」
「あなたには負けますよ」
ニアと二度目に抱き合った夜、ニアを送り部屋に戻った私は何気なくベッドの脇のゴミ箱に見える白い物体を拾い上げ仰天することになる。
制止を聞かなかった私への抗議だったのかもしれないが、そのために私を後ろに向かせたのかと思うと口惜しくてならない。
自分で見つけたから良いようなものの、濡れた女物の下着が枕元のゴミ箱へ捨てられているなど、ただの変質者だ。もう二度と利用することは無い

かもしれないが、自分の預かり知らぬ所で笑われている等と言う屈辱はなるべく避けたかった。
「次はドアノブにでも引っかけて行きますか?」
恐ろしい。まさかそんな、下品な事はしないだろうが、全く以って、ニア相手に1秒たりとも油断してはならないのだ。
ボタンを下まで止めズボンを履かせようとすると、さすがにニアはそれを私の手から奪い、のろのろと片足ずつ入れて身につけた。

101:<4>
08/07/09 20:11:56 ZkZstlgu
「そう言えばあれはどうしましたか?保管してあるのですか?」
「まさか!ちゃんと問題の無いように始末しましたよ」
私たちは、少しだけ軽口が叩けるような仲になった。
相変わらず苦手意識はぬぐえないが、その小生意気な部分も以前よりは頭に来ることもなく、慣らされているのはこちらの方なのかもしれない、な

どと時々考える。
しかし何度身体を重ねようと、不思議なことに距離が縮まる気配はしなかった。

冬のニューヨークは氷点下になる。すぐに車に乗り込むとは言え、寝間着のまま出歩かせる訳にいかないので
面倒がるニアの肩にコートを掛け私はスーツの上着を着込むと、彼女を送るために部屋を後にした。
エレベーターで地下に降りるとホールから駐車場までに車椅子用のスロープがあり、その緩やかな坂は杖をつく人間には少々歩きずらいらしく、ニ

アの速度が落ちる。
私は無言でニアを抱き上げると、車まで向かった。
抱えられることを嫌うニアだったが、もはや今の私には何の躊躇もない。
ベッドを降りた途端、素気無くなるニアに無理矢理触れて嫌な顔をさせるのが最近の楽しみで
もちろんごく偶に、の話だが、気をつけているつもりでも私は、多少は馴れゝしくなっているのかもしれなかった。
横に抱いたニアを肩に掛けて片手を空けるとリモコンで解錠し、開けたドアの中にニアを下ろして車の下を確認した。
最近はイグニッションに爆弾を仕掛けるなどとアナログなテロも減ったが、最終的に脅威となるものはローテクだと叩き込まれている。
ニアの正体を、果たしてどれだけの人間に知られているかも判らない今の現状では、惰性とそれに伴う油断が、とりあえず私たちの一番身近な敵だ

った。
運転席に乗り込み車を発進させると、荷物のように扱われたニアが、気分を害したのかささやかな嫌がらせをしてくる。
「しつこいついでに、あなたがフェデラルを辞めた理由を伺いましょうか」
私はもはや隠す気もなく、露骨に大きなため息をついた。
「ニア、それに関しては、もうなにも話すことはありません」
「そうですか?では最初からどうぞ」
「お断りします」
「ワシントンのホテルであなたが尋ねてきた事柄が関係しているのでは、と私は考えています」
ニアは同じ質問を繰り返し、苛立つ相手のミスを誘い本音が吐露されるのを待っている。
私は、これに引っ掛かるつもりは全くなかった。
「大した事ではありません。もう結構です」
「気になります」
「忘れてください」
バックミラーに映るニアが、唇を尖らせる。私はそれに対し、微笑みを返した。
「あなただけすっきりとして、ずるいですね」
ニアは暫く釈然としない表情で私を睨み付けていたが、やがて飽きたのか髪を弄り窓の外の、新年に沸く冬のニューヨークの街に視線を移した。
もうすぐあれから丸4年になる。

そうそう少年の好奇心を満たす冒険の扉は開いているものではない。
これ見よがしに怪しく口を開ける闇の奥には何も無いものなのだと、皆、大人になるに連れ理解していく。
ニアにぽっかりと空く二つの穴の奥にも何も見あたらなかった。誰もが言うようにニアは、どこか感情が欠けているギフテッドなのだ。
空虚な器にはスペースが許す限り知識が詰め込まれている。
YB倉庫で垣間見えた感情の迸りも、キラを追い詰めたという興奮状態がもたらした一瞬の激情に過ぎない。
これで三年の間、私に存在を主張し続けた喉の奥の小骨も取れるのだろう。
後は適切な処理をして、自ら選んだLの一部としての道を歩いて行く事に、なんの迷いも無くなったはずだ。
私はそう考え、残念なような、ほっとしたような複雑な気持ちで
自宅のチェストに仕舞われたままの、高熱で溶 け無惨に爛れたあのロザリオを思った。

------------------------
遠くから読みに来てくださっている方々、本当に有り難うございます。

102:名無しさん@ピンキー
08/07/11 22:09:37 rx8qu10g
えろーい!
しっとり落ち着いた雰囲気いいですねえ
会話のやり取りも素敵です、大好き

103:名無しさん@ピンキー
08/07/13 07:56:36 lU2YLZob
ニアかわいいよニア

104:名無しさん@ピンキー
08/07/17 00:33:55 F72ckOpv
-DeathNote- メロ(23)×1mmの迷いもなく最初から女のニア(21)

ニアが女だと思えない人にはダメージを与える可能性があります。
捏造多数・性格改変、色々気になる方はスルー推奨
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目を覚ますと、広いベッドに仰向けに寝かされていた。
両腕は万歳をするように頭の上に拘束されていて、手首に触れる革の感触は動かして確かめるまでもない。
いかにもホテルらしいクロスの、高い天井と開け放たれた窓から差し込む月明かりに今がそれほど切迫した状況ではないことを
判断し少しだけ安堵する。
目が覚めたばかりの霞がかった意識を一秒でも早く覚醒させるために数度、深く呼吸したのち闇に向かい声をかけた。
「ニア、なんのまねだ」
椅子が引かれた振動と、微かに絨毯を摺るような音がしてだれかが近づいてくる気配がする。
「気が付きましたかメロ」
程なくニアの姿が見え、覗き込んでくる白い顔に満足するとメロは繋がれた掌を広げて見せ、とりあえず言った。
「外せ」
「…」
直ぐに開放されるとは思わなかったが無言で自分に視線を注ぐニアにますます苛立ちがつのり眼差しにも険が宿る。
確か二人で夕食をとって、その後薦められるままにワインを飲んだ、彼は、そこまでは覚えている。
不覚を取った事に対し今更後悔しても仕方ないが、メロは己の失態に臍を咬む思いだった
「おい答えろ、どういうつもりなんだこれは」
冷たく見下ろすニアに対し、枷がなければ牙を剥いて襲いかからん勢いでメロがたたみかける。
そんな彼を一瞥してニアは、杖をつき大きなベッドの両脇をゆっくりと回った。
「埒があかないので、拘束させて貰いました」
「なんの話だ。俺達は何か争っていたか?」
「そういう訳ではありません」
張りつけられた自分の姿を前に悦に入った様子もなく、淡々と話すニアがまた憎たらしい。
メロは激しい屈辱感を感じながら必死に感情を抑えた低い声でもう一度ニアに言った。
「とにかくこいつを外せ」
「できません」
一蹴され、睨み付けてみてもニアには通じない。暫く尖った視線を交わし合った後、メロは嘆息して脅すよりも説得する方向に転じた。
「判った」
「何がしたいんだ?言ってみろよ」
メロは大げさに息をつき、頭上で拘束された手を組むと固まった筋肉を解すように身体を伸ばす。
交互に組まれた指先の、漆黒のネイルがニアの視界に入った。
全く他人の視線を気にしないニアに反して、メロは幼い頃から、常に身なりに気を配っていた。
纏うものは完璧にコーディネートされ一部の隙もない。
但し自分を飾ることにそれほど執着している様子ではなかった。彼の常識の範囲では単なる身だしなみの一環に過ぎない。
端正な容姿と適度に鍛え上げられた身体から、ふわりと漂うコロンはさぞかし女を引きつけるのであろう。
そんな嫉妬にも似た思いを抱きつつ、不満そうに横たわる彼を見下ろしニアは言った。
「明日、発つと言いました」
「ああ」
「今度はどこへ行くつもりなのですか」
「…決めていない」
Lの仕事に勤しんでいるニアの前に突然現れ、暫くするとまたどこかへ行ってしまう。
そんなおかしな関係が事件の後、もう3年続いていた。
それにニアが不満を持っていることも判っていたが、相容れない道を選んだ二人なのだから仕方がないとメロは考えている。
「どこに行って、何をするつもりなのですか」
「決めてねえって言ってるだろ」
「今度はいつ、現れるつもりなのですか」
「いい加減にしろニア」
単調に質問を繰り返すニアに苛つきメロが吐き捨てる。
ニアは自分を苛らつかせる天才だ。
メロは思った。あの歪んだ箱庭から外へ出て精神的にも大人になったつもりだが、ニアを前にすると衝動を抑えられない。
少女の様だったメロは精悍な男に、少年にも見えたニアは美しい女に成長した。
世界を揺るがす事件を通してお互いの存在を確認し、わだかまりや齟齬も雪解けの水と共に流れたはずだった。
大事に想うと同じだけ、相手が自分の思い通りに成らないことに激しい苛立ちを覚えてしまう。
威嚇する様に自分を睨み上げるメロをニアは普段と変わらぬ冷めた眼差しで眺めている。

105:名無しさん@ピンキー
08/07/17 00:34:31 F72ckOpv
「勝手ですねメロ…」
「好きなときに現れて、私の都合など考えずに振り回しそしてまた、突然姿を消す」
「いい加減にして貰いたいのです」
「なら口で言え」
「今、言いました」
「判った。用が済んだならこいつを外せ」
わざと大きく手首を揺すり金属音を立てて訴えると、ニアがにべもなく切り捨てる。
「お断りします」
「ニア…」
怒鳴りつけてやろうとメロが口を開き掛けた時、遮るようにニアが告げた。
「これから一緒に、ここで、Lの仕事を手伝っていただきます」
「ハッ!冗談じゃない」
「それがLの遺志でもあります」
Lと言われてメロはじわりと頭に血が上るのを感じた。Lがこの世界から失われて7年。ニアは未だLという名前に縛り付けられている。
「嘘を付くな。あの世に行って聞いて来たのか?」
「Lは適当な男だ。自分が死んだ後の世界を心配なんてするか。そんなことをヤツは望んじゃいない」
ニアは一端口を開き何かを言いかけたが、メロから視線を背けると少し考えてからベッドの端に腰掛けた。
雲が月を隠し部屋は暗影に落ちている。ニアの頼りない後姿を観てメロはその背中を抱けない今の自分を歯がゆく思った。
ニアはLに心酔している。それは幼い頃から変わることがない、Lを想いLを目指すことがニアの存在意義でもあった。
むろんメロもLを尊敬している事には変わりないが、そのまま彼らの意志を引き継ぐ事だけが弔いになるとは考えていない。
生き残った意味を考えて、メロは自分だけの道を探したいと思っていた。
「もし、ヤツが気にしているとしたら、そんな事に未だに拘ってあとを継ごうと、したくもないL家業を続けている今のお前の姿だろう」
「誰かに強要されているわけではありません」
「Lを継ぐことが私たちの目標だったではありませんか」
「刷り込まれていただけだ。それはお前が望んだことだったか?」
幼い彼らが生きるためには、与えられたものに順応し、大人に指し示された高みに向かい努力する事しか術がなかった。
「お前は、やらなければいけない、と思っているだけだ」
「…」
「Lは少なくとも、世界よりは俺たちの心配をしているはずだ」
「でも…」
ベッドに腰を下ろしたニアが迷ったような声を出すのにメロはほくそ笑む。
「でもじゃねえ…ニア、早くこれを外せ」
「今なら赦してやる」
「…」
沈黙が流れ一拍置いて振り向いたニアに、予想はしていたがやはり落胆の色を隠せなかった。
「こんな状態でずいぶん強気なんですね」
懐柔できるはずもないニアはいつも通りの黒い瞳で真っ直ぐにメロを見下ろし、その迷いのない視線にメロは失望と同時に感銘を受けた。
微かな月明かりがニアに陰影を付け、硬質な表情は中性的にすら感じるが、ニアはずいぶん綺麗になったものだと呑気に考える。
初めてニアをみたとき、メロは、宗教画に描かれている天使の様だと思った。
伊達でしているわけではないロザリオは孤独な少年の支えだった。毎日通った教会の、ステンドグラスからいつも自分を見下ろしていた
天使が抜け出して目の前にいる。メロはニアを、どうしても手に入れなければいけないと思った。
ニアが自分の物ではないことが幼いメロにとって酷いストレスとなり思い通りにならないニアに癇癪を起こした。
ふわふわと膨らんでいる白い砂糖菓子の様なニアは、見た目に反し甘みなど一切無く、一口囓ったえぐみは未だにメロを苦しめている。

「いいえ…本当の事を言うと、Lの仕事など関係ないのです」
ニアがベッドの端から這うように上ってくる。身体をメロに沿わせて重ねると、白い手でメロの頬を挟んだ。
柔らかいニアの身体に乗り上げられてその心地よさに酔いそうになる。香水などは付けていないニアの、甘い匂いがメロを包んだ。
「こうでもしないとあなたは私のものにならないでしょうから」
「誰がお前のものになんてなるか」
「私はあなたのものなのに、あなたが私のもので無いのは不公平です」
「不公平?」
メロが口を歪めて笑った。
ニアはメロの額にかかる金の髪を除け、醜く残る火傷の後を指でなぞると、瞼の上にキスを落とす。
それから頬に沿って唇を下ろし、メロの唇へ軽く自分のそれを押しつけ直ぐに顔を上げた。
離れて行ったニアの柔らかい唇の感触に、メロは物足りなさを感じる。
「ちゃんと吸わせろ」
ニアは言われた通り再び唇を重ねると、彼に舌を預けた。口内で絡み合う柔らかい舌がお互いを陶酔させて
それ以外の事など、実に些少なものに思えてくる。
溢れた唾液が顎を伝い、ニアはそれを追ってのど元へ舌を這わせていく。

106:名無しさん@ピンキー
08/07/17 00:36:13 F72ckOpv
「おい」
メロが声を掛ける。
「やるのなら外せ。こう言うのは俺の趣味じゃない」
「外したらまたメロはどこかへ行ってしまうでしょう」
「淋しいんです」
そう素直に言われると胸に迫るものがあるが、ニアに甘い顔など見せてはいけないことは百も承知だった。
大体、油断していたからこそ、今こんな状態にある。
「だから、Lなんて止めて俺と一緒に来い」
「それは出来ません」
即答されメロは多少良くなっていた気分が一気に暗暗に転じたように感じた。
憤りのままに睨み付けるが、ニアは全く意に介さない様子で、何故この話とその話が繋がるのかという表情で見ている。
ニアの意志によってLを捨てさせなければ意味がないとメロは考えていた。
彼女の頑固で意固地な所に腹が立って仕方がない。
そんなメロの気持ちなど、全く汲む気のないニアはへの字に曲がる唇に己のそれを重ねると強く吸った。
舌を差し込み口中を丹念になぞってゆくとメロがニアの舌を柔らかく噛んでくる。
軽い音を立てて数回キスをすると薄いメロの唇を噛み、再び深く口付けて情熱的に舌を絡ませる。
二人を唾液の糸が繋ぎニアはそれをぞんざいに袖でぬぐうと、添わせていた身体を起こしメロの腰に馬乗りになった。
軽いニアの身体は彼に大した重みも与えなかったが、服越しとはいえその柔らかい腿の感触を歓迎する自分の身体にやや不安を覚える。
淫らさなど微塵も感じさせない白い面で、何度も股間を撫でられメロは苛ついた声を上げた。
「おい、いい加減にしろ」
シャツをはだけ、筋肉に添って胸に手を這わせてゆくとメロのロザリオが軽い音を立てて身体の脇へ滑ってゆく。
止めるつもりのないニアは、胸へ顔を伏せると、クリームを舐めとるように彼の胸の飾りを舌で舐った。
じわりと沸く快感に舌打ちして、どうしたものかと考えているメロを、裸の胸に頬をつけて心音を聞いていたニアが顔を上げ窺う。
不機嫌そうに見返すメロに首を竦めると、身体を下げて、メロのズボンに手をかけそれを外し始めた。
メロが愛用する革の固いボタンに細い指が苦労しているのを感じジッパーのものを履いていてやれば良かったかなどと考えたが
今はそんな余裕を見せている時ではないことをすぐに思い出す。
ニアは、取り出したペニスを愛おしそうに両手で支えると、まだ萎えていたものに舌を添えて喉の奥まで迎えた。
強く吸い込まれ、口内で舌が絡みつき扱くように舐られる。
見えはしないが、ニアの小さな口がどんな風に自分を咥えているかは鮮明に頭に蘇らせることが出来た。
心の中で悪態をつきつつ、他のことを考えようとするが、全て自分が仕込んだ、ツボをついてくるニアの口淫にすぐにペニスは
固く脈打ち始める。
ずるりと口から引き出すと、舌を固く尖らせてにじみ出した先走りをすくい取るように鈴口に差し込まれ、腰が浮き上がった。
「っ…く」
さすがにメロが呻き、頭の上で玩具の様な拘束具の鎖が小さな音を立てる。
「う…ニア、よせ」
裏筋に添って降りた舌は、睾丸を舐めて転がし、的を射た愛撫に腹を打つほどに反り上がったそれをニアは更なる口淫に励んだ。
再び口の中へ入れて上あごへ擦りつけながら唾液を絡め頭を上下させる。
先端を咥え雁のくびれを舐めるとメロの腰が跳ね、頭上から罵倒する声と切羽詰まった喘ぎが振ってくる事がニアには楽しい。
おおよそ食事時でもそんな音はさせたことのない派手な水音を立てて、手にした玩具を舐めしゃぶっていった。
亀頭は弾けそうに赤く腫れて震え、終わりが近いことを知らせる。唇とペニスの間に唾液の糸を引きながらニアは顔を上げ、メロに尋ねる。
こんな時でないと色の付かない頬が赤く染まり、普段は冷たく整った顔が、幼く見えた。
「メロ…辛いですか?」
「…何がしたいんだお前は…」
「私と一緒にいると言ってください」
「いやだね」
「射精したいのでしょう?」
「俺はセックスがしたくてお前を抱いてる訳じゃない」
「では何故ですか」
「自分で考えろッ」
自棄になって声を荒げるメロに、唇を尖らせて不満を表現したニアは、彼から身体を降ろし、のろのろとズボンと下着を脱ぐと再びメロの
身体の上に乗ってくる。

107:名無しさん@ピンキー
08/07/17 00:36:51 F72ckOpv
ニアがしようとしていることを察しメロは呆れて視線を仰がせた。
おぼつかない手で、身体に張り付いた革のパンツを膝まで降ろすと、またいだ身体の上で真剣な表情をして支えたものにゆっくりと腰を
下ろして行った。
先端に触れる暖かく柔らかいニアの肉はすでにしとどに濡れそぼり、ぺたりと吸いつくように彼を包み込む。
こんな状態でなければ歓迎すべきシチュエーションにメロは心底怒りと絶望を感じた。
「ああ」
ニアが眉を顰めて甘い声を上げる。
広げられる圧迫感の後、傘の部分が過ぎると滑るように奧まで吸い込まれていった。
ぬるりと暖かい膣に飲み込まれる感触にメロは顎を上げたが、歯を食いしばりかろうじて声は堪える。
「…っ」
快感に上がって行く呼吸に肩を弾ませて、すぐにニアは腰を浮かしその身を上下させ始めた。
大きめのシャツを纏った裾からすらりと細く白い足が伸び、隠れて見えない、重なった部分より湿った水音が聞こえてくる。
袖口から指先だけ見せる手が美しく筋肉が浮く腹に添えられて、それを支えにニアは身体を動かしていった。
「んっ、んっ…メロ、…あっ…」
「はっ…ニア…」
自分を呼びながら身体を揺するニアに身体と感情が高ぶってくる。
しかしこのままでは悔しいのでなんとか脱出を画策するメロは、ニアに気づかれないように腕を動かしバックルの金具がベルトの穴を
通るように革を浮かせる努力をした。
後少しで外れそうなのになかなか上手くいかず、苛立ちと下半身から上ってくる快感に益々焦燥感が高まる。
クソッ…
薄い寝間着越しに揺れる乳房を感じて、メロは拘束された手を本当に煩わしく思った。
ニア主導のままに射精させられる事だけは絶対に避けたい。
しかし、目的を忘れたニアは首を振り立てながら感じ入った様子で喘ぎ、口からは涎が垂れて顎から糸を引いた。
普段の冷徹な様子など微塵も無い、溶けたマシュマロの様なニアが舌足らずに声をかけてくる。
「……んっ、い、いぃ…あなたは…?」
「…ああ、いいぜ…」
身体を弾ませていたニアが、やがて腰を小さく前後に動かし自分の快感を追っていく。射精に繋がる動きが減り一旦は安堵したが、包み込
まれた締め付けと刺激に依然余裕はなかった。
「あっ…ああ、き、ます…メロ…!」
「ニ、ア…っ」
短く声を上げてニアの身体が大きく揺れる。
痙攣する体内に一緒に持ってゆかれそうになるのをなんとか堪えたメロは、胸に倒れ込んだニアの柔らかい髪にキスをした。
甘い匂いを強く感じながら、息を整えて説得を再開する。
「おい…抱きしめたい」
「ニア…、これを外せ」
合わせた胸の柔らかい感触が心地よく、響く鼓動はどちらのものか判らない。
愛おしいと感じる気持ちは真実だが、いろいろと譲れないものもある。
荒い呼吸のニアが胸に伏せたままくぐもった声で呟いた。
「メロ…言ってください。私…の、ものだと」
「ああ、お前は俺のものだ」
「違います、あなたが私のものだと…」
細かいことに拘るニアに、メロも意地になってくる
「…知るか、どうでもいい」
その返事に汗ばむ身を重ねていたニアは、震えの残る身体を起こし、再び腰を浮かせてメロを追いつめることにした。
「バッ…それ止めろ」
「でも…」
拗ねたような顔でニアは手をつき身体を上下させた。
達した身体は重く、再び追い上げられる高ぶりが辛かったが、強要されている訳でもないのに、眉を顰めて耐えながら身体を動かす。
メロは下腹に力を込めて必死に堪えるが、腰を上げるときに締め付けるように力を込められてもはや我慢の限界に達している。
これも自分が教えたこととはいえ、今すぐにでも憎たらしいニアの腰を掴んで乱暴に突き上げてやりたかった。
「あーックソ!」
やけになって声を上げてみたがニアの動きが止まることはなく、再び全身を甘く包んでゆく快感にニアは夢中になっていた。
そんな中、気を紛らわせる為に滅茶苦茶に動かした拘束具のベルトがゆるみようやく金具から離れる。

108:名無しさん@ピンキー
08/07/17 00:38:45 F72ckOpv
「…メロ、出していいですよ」
身体を弾ませているニアが、頬を紅潮させてまるで淫婦の様に嫌な笑い方をした。
何かの刺激に瞬間、内部が咥えているものを締め付けて、射精感が高まる。
必死に堪えてかろうじて面目を保ったメロは、ようやく片方の手首に巻き付く拘束具のベルトを長い指で器用に抜き、ニアがそれに気づく
前に取り外すことに成功した。
一瞬遅れたニアを引き倒し組み伏せると、自由になった片手でニアの首を押さえつけて力を込める。
ニアが苦しそうに顔を顰めた。
「お前…判ってるだろうな」
「…はい」
ニアに馬乗りになりようやく両方の腕の拘束具を外すとベッドの下に投げ捨てる。擦れて赤くなった手首を撫でながら
どうしてやろうか考えたが、とりあえず本能の欲求に従い、一度終わらせることにした。
乱暴にシャツのあわせに手をかけ、力任せに引き下ろすとボタンがはじけ飛んで行く。
現れた小さな乳房を掴み柔らかいそれを、手加減を加えず鷲掴みする。
「うっ…メロ、痛…い」
顔を歪め首を反らせるニアに満足したメロは、足を抱え上げて今だ硬度を保つものをニアの赤く濡れたヴァギナへ一気に挿入した。
お互いの体液にまみれたものが、本来の位置に戻ったようにぴたりと嵌り、なんの隔たりもなく繋がった身体に安堵したようにニアが
声を上げる。
「ああ…メロ」
「お前、単に俺に酷いことをされたいんだろ」
二つに折られ、しなやかな身体に押し潰された細い身が苦しげに呻く。
「これもお前の計画のうちか?」
乱暴に揺すり上げられ、ニアはもう返事が出来なかった。


目を覚ますと広いベッドに一人で寝かされていた。
カーテンは閉じられ、その裾のすき間から強い朝の光が漏れている。
ニアは身体にかけられたシーツを頭まで引き上げ暫くその状態で微睡んでいたが、一度猫のように伸びをしてから起きあがり
いつもの様に片足を抱えて座り込むと、サイドテーブルの電話を手にした。
2コールほどで、すぐに相手の声が聞こえる。
「私です。…はい。ええ…迎えに来ていただけますか」
電話を切ると、ニアはもう一度、まだメロのコロンが香るシーツへ身体を横たえた。

--------------------------------
参考914他・多謝

109:名無しさん@ピンキー
08/07/17 02:24:07 3ORm4muL
超GJ!!
相変わらず素晴らしい 文体が美しすぎる…

メロで読めるとは感激です リク出来たらとこっそり思っていたもので…
改変なんてとんでもない、Lの話をするシーンとか凄く、らしさを感じます
メロの、Lは世界より~の下りとか秀逸すぎる

エロも最高でした 書かれていないメロ攻部分が気に(ry
次回も楽しみにしてます!

110:名無しさん@ピンキー
08/07/17 22:13:26 tAg2fgi2
GJ!
たまたま覗いたらすごい読みごたえのあるのきてたなー。
このシリーズって初出はこのスレですか?
別スレならそっちも読んでみたいんだけど。

111:名無しさん@ピンキー
08/07/21 10:08:38 7gpHZyRE
メロ好きなニアかわえーなぁ・・・・
クーデレたまらん

112:名無しさん@ピンキー
08/07/23 22:47:25 P2D+I9D1
ニア可愛いなあ………
しかしエロいな………

113:名無しさん@ピンキー
08/07/24 12:55:53 yQIfFB9/
>>110
デスノートのニアが女の子だと思い込み続けるスレ8
スレリンク(erochara板)
初出はこのスレの7。

114:名無しさん@ピンキー
08/07/24 22:04:04 GMM82Xr5
>>113
そんなスレが…。世の中は広いな。
さっそく読んできたよ。ありがとう。

115:名無しさん@ピンキー
08/07/28 22:39:39 i/iGpb3P


116:名無しさん@ピンキー
08/07/30 20:20:04 UYLJRKuE


117:<5>
08/07/30 23:31:40 4ZLsvAq2
-DeathNote- ジェバンニ(31)×どこから見ても紛う方無き女性の(容姿参考)読み切りニア(22)
捏造多数・性格改変、色々気になる方はスルー推奨
--------------------------------

居間にあるチェストの一番下の引き出し、ここにはニアの旧知の人物、その遺品が眠っている。
それは高田清美の自殺により全焼した長野の教会で遺体と一緒に見つかった。
焼け落ちた教会からは、彼女のものと見られる焼死体と、そこに停められた盗難車の運転席にもう一体が発見されている。
ガソリンによる放火で激しく燃え上がり、炭と化した亡骸の足下に焼け残っていた奇妙な形の金属の塊、
高熱で鎖は千切れ、コーラルカラーのビーズは溶け銀と混ざり合い、所々黒く焦げたマーブルを描いている。
ラテン十字の4軸は丸く融解しかろうじてそれが以前、クロスをかたどっていたと言うことが判る程度だった。

一度だけ彼を見た事がある。
左右を挟まれ銃を突きつけられた状態でも彼の目にはニアしか映っていなかった。
セーフティを外した拳銃を構えている緊迫した空気の中、その男の見事なブロンドと首から下げていたロザリオが印象的だった。
祖母が私に作ってくれた手編みのそれに似ていたので記憶に残ったのかもしれない。
もしくはギャング然とした彼が、明らかに他装飾品とは毛色の異なるものをしていた、というギャップ故か。
その後送検された検事の証人として京都府警内での事後処理中、物証の一部に混ざり送られて来た慰留物として
偶然それと再会することになる。
何を思ったのか、私は正式な手続きを行いそれを引き取ってきた。
彼は尊敬する上司と仲間達の仇ではあったがそんな最後を哀れと思ったのか、未だに私は自分の取った行動に説明を付けることが
できずにいる。
照会すれば私の手元に何があるかなどは直ぐに判るはずだが、未だに何も言われないところを見ると
ニアはそういった連絡を全く行っていないのだろう。
日本で不慮の死を遂げた初代Lは正体を明らかにできずに、最終的には日本で身元不明死体として処理されたと聞いた。
志半ばで倒れた初代L、そして同じ道を辿った、恐らく生前はメロと呼ばれる男だったであろう人物、彼らは故郷から遠く離れた
異国の地で眠っている。
或いは、そこへ埋められたのは私たちだったかもしれない。

--

今夜は本当に時間が無かった。
だが二ヶ月ぶりに再会した私達は、少しも諦めるつもりは無くあわただしく用意した部屋へしけ込むと、前戯もそこそこに身体を繋いだ。
私もニアも一瞬の快楽が味わいたいだけで、2人の間にあるものは間違いなく肉欲だった。

ニアを脱がしてしまうと私はネクタイを緩めはだけたシャツと一緒に頭から抜いた。
ニアは着衣のまま行為に及ぶ事を嫌う。
ならば自分で男の服を脱がすことを覚えてほしいものだが
以前それを期待してネクタイに手を掛けさせたときは、ニアはただ黙ってそれを握っただけだった。
神妙な顔でつり革に捕まる様な姿を観て実に複雑な気持ちになったことを覚えている。
ベッドへ上がりその白い髪に手を伸ばしかけた時、肌を隠すように両膝を抱えていたニアが、まるで興味のない目をして言った。
「あなたは子供の様な所がありますね」
「ハウスでそういった服の脱ぎ方をした少年は間違いなく叱られたものです」
ボタンも外さずまるでTシャツのように、頭からワイシャツを脱いだ件について言われていると気付くのに数秒かかった。
そう言えば以前も非難の眼差しを向けられた気がする。
自分は脱ぎ散らかしている癖に、ニアは案外、他人の躾に手厳しい。
「普段からこんな脱ぎ方をしているわけではありません」
「時間短縮ですよ。…何せ、上司よりわずかな時間しか与えられていないものですから」
するとニアが、あの嫌な笑い方をしたので、私も口元を歪めて笑い返す。まるで仇同士が牽制し合っているようだった。
この状況で自分が萎えてゆかないのが不思議で仕方がない。

濡れた膣内を勃起した陰茎で擦り上げる。
こんな単純な行為に夢中になっている私たちはただの動物だった。
「くぁ、んっ」
濡れた音がして未だ硬いままのペニスが引き抜かれると、絶頂の余韻に身体を投げ出していたニアが身を捩って声を上げた。
「…はぁっ…はっ、ん…」
芯を抜くと直ぐにニアの身体は丸まってしまう。
その身体を裏返し小さな尻を掴む。柔らかさを確かめるように握り揉み込んでゆくとニアが喉を鳴らしてむずがった。
眠たいのだろうか、一人満足したからと言って終わらせるわけにはいかない。

118:<5>
08/07/30 23:32:25 4ZLsvAq2
「ん、ぁ止め」
身体をずらして片足をベッドから降すと、逃げる腰を引き寄せ再び一気に貫く。
「は、ぁうっ!」
細い腕が突き出され、目の前のシーツを掴んだ。濡れきった膣は難なく私を飲み込み、柔らかく締め付けてくる感触に満足すると
一層身体を引き寄せるついでに、伸ばされた脇から腰のラインを掌で何度も撫で上げた。
伏せているために身体に潰され押し出された胸が妙にいやらしい。
「あ…乱、暴な…」
「失礼」
1ミリも悪いとは思っていない私は直ぐに律動を再開する。
「や、あ…後ろか…は…」
細い腰を掴み打ち込んでいくとバックから 挑まれるのが好きではないニアは身体を捻って抗議するが、
非力な彼女の抵抗など私にとっては揺れるベッドのスプリングの変わりにすらならない。
「うっ、うん…ふっあ」
寸前まで引き抜き、再び差し込んでゆく。尻たぶを手で広げながら白い谷間に赤黒い蛇が見え隠れするのを楽しみ
暖かい肉に隙間無く包まれ肉ひだの刮ぐような刺激に一旦下降した快感が急速に上がってゆくのを感じた。
薄いニアの肉はクッションにならずに時折骨盤が当たる様な感触があり加減に気を遣う。
痛がる様子は無かったが、一端腰を引き浅い部分で小刻みに抜き差しをすると、顔を伏せていたニアが首を反らして
猫が背を伸ばすような姿勢になり喘いだ。
「はあ…っ、ぃ…、んん…」
普段は痩せぎすの、女らしさのかけらもない細い身体が尻をくねらせ悶えている様は私の性感をダイレクトに刺激してくる。
たまらず再び最奧まで突き入れると押し出されるように愛液が溢れ、腿を伝っていった。
ニアはもう自分を支える力も無いのか、半身を突っ伏し交差させた腕の上に頭を据えて揺すられるままに身体をゆだね
くぐもった喘ぎはシーツへと吸い込まれている。
腰を押し付けたまま身体を伏せて白い背中に口づけた後、肩から手を滑らせて差し込み押し潰されていた柔らかい肉を掌に収めた。
円を描くように捏ね、硬く尖った乳頭を指の間に挟むとニアが切ない声を上げる。
「ああ」
「…いいですか、ニア」
「はい」
「どこがいい?」
ニアの手が下がり、私の腕に触れてくる。その指先の冷たさに、妙な興奮を覚え手の中の膨らみを押しつぶすように揉み込んだ。
「うん…っ」
押しつけた腰に柔らかい尻の肉が吸いつくように張り付き、無意識に揺れるニアの身体を押さえ込むと私は再び馬鹿なことを聞いた。
「どこが気持ちいいですか?」
しつこい私の問いに、閉じていた瞼を緩慢に開くと、以前よりは恐ろしいと感じる事の少なくなった瞳をこちらに向けニアが掠れた声を出す。
「…かん…」
「ん?」
「…時間が、あり、ませ…よ」
それだけ言うとニアは顔を伏せてしまう。見えなくなった顔を少し残念に思いながら私は身体を起こすと
くだらないことをしていないで早く動けとのお達しに、苦笑しつつ腹を内側から抉るように腰を使った。
不規則な動きにニアが細い声を上げる。私を包み込む壁が熱く蠢くような感触に、再びこちらも抽挿を早めた。
「あ、ぁあっ、…」
「はっ…あ、くっ…う」
這い上がる快感に声が漏れ、頭を左右に振ると一層激しく腰を使う。
傷一つ無い白い背中に私の顎から落ちる汗が背骨の窪みに水たまりを作り、揺すられる振動で脇へと落ちていく。
シーツを握りしめるニアの手の甲に筋が浮いて片頬を向けた横顔が辛そうに歪んだ。
それは薄気味の悪い笑顔よりもよほど美しい、などと失礼な事を考える。
「あ、あ…もっ…」
ニアが上体を起こすと背を反らせた。直ぐにシーツに倒れ数回身体が跳ねる。私は逃がさないようにそれを強く抑え込み腰を打ち付けた。
「はあっ、ああ…っ」
「く…、うぅッ」
私たちはお互いのタイミングを合わせるのが上手くなった。
脈動の度に放出される快感が腰を走り抜け身体が震え声が漏れる。やがて力の抜けた私は、ニアの背に被さるように身体を重ねると
そのまま細い身を抱えて横に転がった。柔らかな髪に鼻先を埋めて甘い香りを吸い込む。
ノンストップで走り抜けたような交わりだったが、多少無理をしてでも時間を持ちたいと考える程ニアとの関係は刺激的だった。
やや遅咲きだが性に興味を持ち始めたニアを仕込んでゆく楽しみもあり、思いの外この遊びに夢中になってゆく自分を感じていた。
ホテルのサイドボードに赤くデジタルの数字が光っている。
後、2分だけこうしていよう。
予定通り30分で事を終えた私たちは、それから10分後にホテルを後にした。

119:<5>
08/07/30 23:33:19 4ZLsvAq2
--

それは、ニアの二十歳の誕生日を祝うべきか迷った時に似ている。
ニアにとってそれが不必要な品であったならば、渡すべきではない…そんな思いに囚われていた。
もっとも最初からそんな面倒な事を考えていた訳じゃない。
アメリカに戻りすぐに渡せる機会があればこんな事にはならなかったのだろう。
しかし時がたち、あの時のことを引きずるそぶりすら見せないニアに接するうち
渡した所で彼女がかつて遊び、興味を失った玩具達のように箱に入れられそのまま忘れ去られるのならば、
―ニアがこれを遺品として必要としないのであれば持って帰ってきた意味がない、彼の魂が浮かばれない、と考えるようになってしまった。

もしかするとそれにより私自身が傷つく事のが怖いのかもしれない。
ニアの玩具の一つとして扱われ、用が済んだら箱に仕舞われ、忘れ去られる。
そんな自分を重ねて同情しているだけなのか。
ふと彼がニアに放った言葉が蘇った。
「俺はお前の遊ぶパズルのピースじゃない」

--------------------------------
セリフ改変

>>110他、TSスレの5にも投下させて貰ったのですが落ちたようです。
「暇つぶし2ch」等の過去ログでまだ読めるようなので良かったら読んでやってください。返事遅くなってすみません。

>>113( д) ゜゜



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