08/12/07 14:36:51 pDllCQtD
積極的な爽子かわいい!
続きを楽しみに待ってます
>>258、>>263、>>269-270、>>302の続きを投下
エロなしどころかキスもなしorz
今回の投下で完結します
息を切らせて待ち合わせ場所へ行くと、爽子は既に到着しており、風早が来るのを待っていた。
初めてマルをひろった河川敷。
一年生の頃のことを思い出しそうになり、下唇を噛む。
あの頃はまだ、彼女の隣に自分以外の男が立つ可能性すら考えていなかった。
自分が彼女の一番近くにいると確信していた。
余裕というより、油断と言うべきかもしれない。
彼女のよさを知っているのは自分だけという、安心感にも似た自惚れ。
自己嫌悪に陥りそうな頭を振り、意識を切り替える。
黒沼、と名前を呼ぶと、俯いていた爽子がこちらを向いた。
振り向くと、肩で息をしている風早がいた。
走って来てくれたのだろう。
額にうっすらと汗を浮かべたまま、頬は紅潮し、しかし彼の表情は穏やかとは言えなかった。
笑顔の風早を思い出し、涙が出そうになる。
奥歯を噛みしめて涙をこらえ、風早を見つめた。
「ごめんね、こんな時間に呼び出しちゃって」
「いや、こっちも電話に出られなくてごめん」
普通といえる会話の内容だが、雰囲気はぎこちない。
今までは自然にできていたことが、いかに贅沢なことだったかを改めて感じた。
ついこの前までは笑い合っていたのに、今は視線すら合わない。
言わなくちゃ、ごめんなさいって。
言わなくちゃ、風早くんのことが好きですって。
胸が締めつけられるような息苦しさを感じる。
爽子は必死に声を絞り出した。
「あ、あのね、私ね、風早くんのことが好きなの」