君に届けでエロパロat EROPARO
君に届けでエロパロ - 暇つぶし2ch350:ヤン早43
08/12/03 03:22:35 KZjzS+Sx
「我慢、しなくていいんなら、どこかに行ったりしないの…?」

少したじろいだ後風早は微かに頷いた。

爽子はふっと表情を緩め、泣き顔を残したまま花のように笑った。

「じゃあ、我慢しないで。」

風早はもう一度ちいさくあ~とうめいて頭を抱えた。

「…だめ、もう、限界。」

言うなり風早は爽子の小さな唇にそっと自分の唇を重ねた。

さっきの熱をもった深い執拗な口付けとは違う優しい、
そよ風みたいな口付けだった。

風早は泣きそうな顔で笑った。

「側にいると、こういうことしたくなるから。」

爽子は紅くなって俯いた。
さっきはこんな軽い口付けなどよりもっと激しい事をされたのだが
変わらず爽子らしい純情な反応だった。

351:ヤン早44
08/12/03 03:30:06 KZjzS+Sx
「だから、逃げた方が…」良いと言おうとして風早は口を噤んだ。

震える小さな唇が風早の唇に重なり、刹那に逃げたからだ。

それはほんの一瞬の口付けだったが、風早には永遠に思えた。
呆然と爽子をみつめると爽子の真っ白な肌は湯上りみたいに
見えてるところすべてが桃色に染まっていた。

爽子は風早の視線にもう一度俯いた。
漆黒の髪からのぞく白い首筋までも桃色に染まっている。

爽子は俯いたまま羽のように小さな声で囁くように言った。

「…あ、あの、じゃあ、側に…いてほしい…です。」














終業のベルが鳴った。
「さわこー、矢野ちんかえろー、てかラーメンたべてこー」

「いい、太る。あんたのその燃費の悪い体に付き合ってられん」

つめてーなー矢野ちんのえすっこーなどと言う千鶴の嘆きを聞きながら爽子も言った。

「あ、私、花壇見てくるから…」

新しい種類の薬草を植えたばかりなので…との爽子の言葉に
千鶴はあっさりと答えた。

「そっか。じゃあ、待ってるよ」

じーん、と感動する様子をみせながら爽子はうんと頷き、
待っててねーと小走りで駆けていった。

352:ヤン早45 終わり
08/12/03 03:33:54 KZjzS+Sx
そこにひょこんと明るい声が飛び込んだ

「あれ、黒沼は?」
「あー?花壇に行ったよ。薬草見てくるって。」

あそこ貞子ガーデンっていってなんか観光名所みたいになってんだぜーと
千鶴とあやねが笑いあってると風早はサンキュと短く言って風のように走っていった。

「…何あれ。」
「ああ、風早、爽子のおっかけだからね。ほら。」

王子様たいへーんとか笑いながらあやねが目線でさした先には窓から、
花壇の様子を見る爽子と駆けつけた風早が仲よさげに笑いあっているのが見えた。

「…ピンじゃなくても邪魔したくなる甘さだね。」
「まあいいけどね…爽子も幸せそうだし。」

半ば呆れ、半ば微笑ましく見守る爽子の二人の親友は次の瞬間固まった。

「…見た?」
「…うん。」

二人の視線に気付かなかったのか風早は周囲に人がいないのを確かめるように
少しキョロキョロすると爽子の頬に素早く口付けを落としたのだ。

「やっぱ、スケベだあいつ。だから髪が早く伸びんだよ。」
千鶴の呆れたような呟きにあやねは心の底から同意した。
<終わり>

353:名無しさん@ピンキー
08/12/03 03:37:19 eOaR8qft
GJ!GJ!!GJ!!!
すごく萌えました。胸きゅんでした!!黒早のえろさにきゅんきゅんでした!!!
素晴らしい萌えを有難うございました!!!

354:ヤン早の人
08/12/03 03:40:01 KZjzS+Sx
以上です。
書くのと、UPに予想以上に時間かかってあいすまぬ。
そして風早よ、普通にスケベ程度の君を変態親父レベルにしてすまぬ
皆様おつきあいありがとうございました。

355:名無しさん@ピンキー
08/12/03 12:34:50 yymNF9nQ
GJGJ!!!

356:名無しさん@ピンキー
08/12/03 13:54:27 MknWtyJK
もうGJすぎます…!
本編でも二人がうまくいくのを願いつつ読ませて頂きました

357:名無しさん@ピンキー
08/12/03 17:33:44 UDzdRSAW
GJ。。。本編もこんな感じになりそう。

358:名無しさん@ピンキー
08/12/03 21:55:13 SETOM8A3
GJGJGJ!!!
続きも書いてくれないかな…
最後まで見た過ぎる

359:名無しさん@ピンキー
08/12/03 22:48:39 yymNF9nQ
神キター

360:名無しさん@ピンキー
08/12/04 21:27:32 twXFxcNO
流れ切ってアレだが、君届の女キャラに似合うエロシチュを考えてみた。
基本爽やかピュアキャラばっかりだからHを想像しにくいけど
風と爽はSとMカプだからwやっぱMシチュが似合う
個人的には爽子の色白の肌に赤い紐などが映えると思うので
緩く縛る、手を拘束などのシチュを見たい。
黒髪を乱しながら涙眼で「やめて」とか弱々しく言ってほしい
やのは女王さまっぽい正直踏まれたい
ちづは想像つかん。正直爽以上にエロむずかしいよ
くるみはヘタレ天然(爽の男版みたいなん)に恋をして焦れて逆レイプすれば良いと思う

361:名無しさん@ピンキー
08/12/04 21:55:56 8ipFMcGt
あー縛るのいいかも
なんか本当、爽子ってどんなことされても許しそうだよなあw
本誌で黒風降臨してくれたおかげでこんな妄想まで出来るようになったよ・・・

362:名無しさん@ピンキー
08/12/04 21:58:36 URaqOmsP
龍ちづは今妄想中だから、ちょっと待っといて

363:名無しさん@ピンキー
08/12/04 22:19:33 IczRDSzK
原作がピュアすぎてエロパロは無理とか言ってたのにこの盛り上がりはなんだw
自分も縛りプレイちょっと読んでみたいかも
ところで風早がSってのは確定なんだw?

>>362
お待ちしてます

364:名無しさん@ピンキー
08/12/04 22:20:20 twXFxcNO
>>361
そうそう なんか爽子って仙女っぽいっつーか寛恕の塊みたいな
とこあるからさ。特に大好きな風早相手ならゆるりと何でも許しそうなw
ピンあたりに余計な事吹き込まれてHな事を練習してくんないかな
風もヘタレSで苛めてる最中は夢中だけどあとで罪悪感に悩まされる
ちゅうのが萌える。
爽子の清らかさは尋常じゃないからこそ汚す事に背徳感があって
あれだけ純情な子なのに激しいエロスを感知する
>>362
待つよ待つ待つ!

365:名無しさん@ピンキー
08/12/05 01:20:51 bn5mIhIa
>>352
爽子が風早に恋をした場所でハッピーエンドってのがいいですね!GJ!!

366:名無しさん@ピンキー
08/12/05 06:53:43 mNyxnSC8
>>363
ほんとだよね。それが理由でスレ二回落ちたのに。

神降臨に感謝

367:名無しさん@ピンキー
08/12/05 16:22:12 MClx3OGv
空気読まずに呟き
上のほうのレスで二次創作とエロパロの違いについて触れてる
レスがあったね。
どっかで見たんだけどエロパロには萌えるエロと抜ける(ぬっちゃけ
オナヌ用)エロがあるのだそうな。
前者はエロのある二次創作という感じかな。
このスレは前者のが需要多そう。爽子で過激なエロ(陵辱もんとか
ハードSMとか)もできんことはなさそうだけどね。
その辺スレ住人的にどうよ。後者は需要あり?
自分は爽子が可愛くて仕方ない方だから爽子可哀想系エロは書けんけどね

368:名無しさん@ピンキー
08/12/05 19:59:34 1EqyycPd
自分もいわゆるラブエッチ?の方が好きだけど、>>360が言うような話もそれはそれで楽しむだろうから
投下してくれる職人さんがもしいるのならあってもいいと思う。
でも原作が王道ピュアだから過激なのは受け付けられない人も多いだろうし、
鬼畜凌辱その他特殊な傾向は注意書きを徹底すべきだろうけど。
と、あくまで一住人の個人的意見。

実はネタ的な雑談でも耐えがたいって人も多いんだろうか…?

369:名無しさん@ピンキー
08/12/05 20:10:38 sVYXBWuL
最終的に爽子が風早に愛されていれば、
鬼畜でもハードでもOK

370:名無しさん@ピンキー
08/12/05 22:03:13 a0ifxjDZ
同じく愛があれば良いと思う。
そして、ちょっと読んでみたいと思う自分がいる…

371:名無しさん@ピンキー
08/12/05 22:26:01 z8udnR8X
愛ゆえに、とか嫉妬のあまり酷くしてしまうとかなら全然オッケー。
むしろ黒風はそれがいいw
爽子をモノのように扱ったり、痛いだけとかは嫌かな

372:名無しさん@ピンキー
08/12/05 23:03:19 MClx3OGv
嫉妬魔王黒風降臨も大好きですがw
どうしても自分の中では挿入までいけん
風早にとって爽子は聖域というか、卒業までは、とか
無駄な我慢してそうなイメージがw
寧ろケントとかのが陵辱ならありそうだなあー
いつのまにか爽子にマジ惚れしてたのに
風早とくっついちゃって、なのに爽子は無邪気にケントに懐いてる。
そんなに無防備なのはひどいんじゃない?みたいな感じで。
爽子かわいそ系エロだけど

あと爽子は努力家だから風早のためにエロ勉強をして、実践みたいな
爽子積極系はどうだろう

そんなわけで3つほどネタがあるわけだが書ければ投下します
1)嫉妬魔王黒風様による華麗なるSMショー、ただし寸止め
2)そんなに無邪気だと食べられちゃうよ仔ウサギちゃんなケント師匠の陵辱もの
3)私がんばるよ風早君、あなたがすきだからーしぬほどーの爽子積極エロ

これ先に書いてってのがあったら教えてくれると嬉しいです
誘い受けしちゃうけどモチベがあがるんで

373:名無しさん@ピンキー
08/12/05 23:27:45 sVYXBWuL
わぁ全部いいなぁ!
今までにない、3番爽積極的がいいです!
「風早くんが喜んでくれてる」
「役に立てた」
と純粋に喜びつつ、かなり積極的な爽がみたいです


でも1と2もみたい。
2で危うく健人に犯されそうになって、
嫉妬に狂った風がお仕置き(もちろん愛のある)で1というのはどうでしょう?

374:名無しさん@ピンキー
08/12/06 00:02:53 uX2qnd/a
全部いいなー
>>373  のやつもイイ

375:名無しさん@ピンキー
08/12/06 01:00:30 uX2qnd/a
連投ごめん
今日きゅんきゅんしてる間に一つできたから置いてきます
一応、途中までは黒風なのかな?
自分にノーマルカプがかけるとは思わんかった
しかもこれで書き上げたの2つ目だから拙いけど、他の職人さんに感謝をこめてドゾー

376:名無しさん@ピンキー
08/12/06 01:01:25 uX2qnd/a
▼<爽子side>
見慣れた机、ちょっと毛羽立ったカーペット、どこか懐かしい匂い、少しずつだけどこの場所に慣れてきた自分に喜んでいたのに。
知っているはずのこの部屋を西日がくっきりと半分に隔てる。
照らされた自分側と、この部屋の主である風早くん側。
向こう側だって同じ部屋で見知った場所なのに。
ここは、あの人はだれだろう?



友達から彼氏・彼女になれた時、風早くんの隣にいてもいいよって言ってもらえた気がした。
涙が止まらないぐらい嬉しかったのが今から3ヶ月前の桜が散る頃だった。
いつでもそうだ、
「いっしょに帰ろ?」
「…うち、寄ってく?」
誘ってくれるのは風早くんので。
今でも緊張や戸惑いはするけど、やっと、やっと誘われても素直に頷けるようになったのに。
今日もそういう、いつも通りの夕方だと思ってた。

<風早side>
友達から彼氏・彼女になれた時、黒沼の笑顔がぜんぶ自分のものになった気さえしてた。
嬉しくて嬉しくてどーしようもなっかた。
桜がきれいで、笑ってくれた黒沼もきれいだった。
もう何度目か分からない誘いにも、頬を染めながら少しうつむき加減で頷いてくれる俺の彼女がもう愛おしかった。
でも今日は違うんだ。
ぜんぜん違う。
真っ黒で、こんな自分は俺だって知らない。見たこともない。
知りたくないのに、…抑えられない。


377:名無しさん@ピンキー
08/12/06 01:03:29 uX2qnd/a
「爽子」

陰った場所からそう呼ぶと、黒沼の肩がビクッと揺れた。
日差しの中でカーペットの上に座る黒沼
いつもなら嬉しそうに振り向いてくれるはずの顔に、たくさん不安の色が見える。
自己嫌悪。
でもそんな気持ちじゃ今の自分は変えれない。
俺を変えるのはいつも、君だけ。

「…風早くん…?」
「名前で呼んで。」

抑揚の無い声が静かな部屋に響く。
俺の声ってこんなんだっけ?

「っ!…ごめん…、翔太くん…大丈夫?」
「なんで?」

視線が外れる。
出会ったときはただ顔を上げて欲しかった。一緒に前を向いて欲しくて。
でも、今は違う。
俺をちゃんと見てよ。君が思うほど綺麗でもなんでもない。

「なんだか…いつもと違うから…。」

ただのちっぽけな男なんだよ、黒沼。

「そうかな?」

俺の回転椅子がきぃっと鳴る。

「爽子。…キス、して?」
「えっ!?」

困っているのを見るのは好きじゃない。
でも今は嬉しい。もっと困って。

「…う、ん…」

ゆっくりと立って黒沼が近づいてくる。
俺の頬を包む震える手が赤い。
目はもう瞑っていて、上から降りてくる黒沼の揺れる睫をただ見てた。
キスは本当に一瞬、触れるか触れないか。
でも絶対にしてくれないと思ってたから正直びっくりした。
…俺の顔もぜったい赤い、今日は死んでも見られたくない。

「今日」

少し視線を下げて目の前にある二つの小さな手を握る。

「親遅いんだ、弟も部活でまだまだ帰らない。……する?」

迷わないで。
えらんで。

「嫌ならいいんだ。」
「嫌じゃないっ。…嫌じゃ、ないよ。」


378:名無しさん@ピンキー
08/12/06 01:04:37 uX2qnd/a
握っていた黒沼の両手を机横の自分のベッドへ強く導く。
崩れ落ちるように自分ごとベッドへ身を任せるとマットが大きくしなる。
黒沼は驚きからだろう。声も出せずにじっとしている。
今までこんな風に黒沼を扱ったことなんて一度もない。

「翔太くん?」

何も言わない俺に不安になったのか、黒沼はうつ伏せのまま上半身を上げ顔だけをこちらに向けようと身を捩る。
俺はそのまま背後から被さるように黒沼の細い背中へ顔を埋める。

「だめ。こっち向かないで。」

見ないで。

黒沼の返事も待たないで、両手を前に回し素早くブラウスのボタンを外す。
前をはだけさせ襟元を掴むと一気にずらすが、肘に引っかかりブラのホックがやっと見える程度だ。
恥ずかしそうに漏れる吐息を聞きながら、長い髪の隙間から見える白い首もとに噛み付く。

「あっ!」

下から上へ舌を這わし甘噛みしながら、ブラの上から小ぶりな胸をやわやわと揉む。

「ん…ふっう…」

初めて触れる乳首がすでにブラの中で窮屈そうなのが両の指先から伝わる。

「感じた?…ここ。」

俺の意地の悪い笑いを含んだ言い方に、白い背中や肩、首もとが淡く染まる。
首もとから小さなキスを幾つも降らせ、ぴくぴく震える黒沼を見つめる。
表情は見えないけど、仰け反る後頭部から想像がついた。


379:名無しさん@ピンキー
08/12/06 01:06:20 uX2qnd/a
「ぁ…ぁっ」

小さな喘ぎが俺の部屋を満たしていくのが堪らない。
右手でわき腹を撫で上げると黒沼の腰が浮く。
自然と尻を突き出す形になり、俺の体と密着する。

「!!」
「わかる?…俺も黒沼の乳首と一緒だね。」

黒沼の尻に俺のモノがあたり、密着した場所から熱が移る。
咄嗟に惹かれた腰を両手で引き寄せ、スカート越しにぐりぐりと腰を押し付ける。

「…んっ。」
「やっ、ぁあ……しょーたくん…」
「気持ちい?爽子。」

顎を引き、耐える姿がいじらしい。
抱き竦めるように身を寄せて、右手を黒沼のそれに重ねる。
俺の顔のすぐ右横に彼女の苦しげな顔がある。
離す気もないし、逃がす気もない。
左手を脇から前に回しこみ、蒸れたスカートの中へ差し入れる。

「もう、濡れてる…」

耳元に近づき小声で囁き、薄い布地の上から擦っていく。
指の動きを早め、そのままショーツの中へ手を進める。
ヌルつくそこに円を描くように、左右の壁を押し広げるようにくちゅくちゅと蠢かす。
ふと俺は聞きなれない何かが落ちる音がして、視線を右に向けた。
白いシーツの上にぽたぽたと灰色のシミがふたつ、みっつ、よっつ。

380:名無しさん@ピンキー
08/12/06 01:07:35 uX2qnd/a
「…っ……っ…ひっ」
「…爽子?…苦しい?手、痛かった?」
「…ぉ……かお、が…みたいの。…しょーたくん、の顔がみたい………」

自分の黒さがだいっきらいだ。
大好きな人を黒い嫉妬で塗り潰して、なにがしたいんだよ。

「ぇ…?」

黒沼をぐいっと起き上がらせて、向き合い抱き寄せる。

「ごめん、…………ごめん。」

肌蹴た肩を手の平で温めて、俺の手も温まる。
黒沼の手がゆっくり俺を押し返して目が合う。少し困ったような微笑みで、涙はもうなかった。
安堵した俺のシャツの胸元を掴んで、黒沼がキスをくれる。
触れるだけのキスじゃない。
恐る恐る入ってくる舌にも、ちゃんと体温を感じるんだから。

「ふっ!、んんぅ…」

応えた舌が黒沼の舌を絡め取って紅く色づく目元が、煽る。

「ん!ぅ!」

ブラのホックを外し片手を添えて優しく押し倒すと、俺は口付けを深く深くする。
苦しそうに目元を光らせる黒沼、喘ぐ黒沼。
ぞくぞくする。


381:名無しさん@ピンキー
08/12/06 01:08:46 uX2qnd/a
「ふぁ!!…あっ、んあぁ」
「……っ…」

唇を離し、引き抜いたブラをベッドの隅へ押しやりショーツも同じようにする。
ふっくらとした胸の中心に、乳首に舌を絡めて吸い上げる。
自分の制服のズボンの前も開き、先走りの溢れる隆起したモノに隠してあったゴムを付けてしまう。
声を我慢して、口元を押さえる黒沼の右手を自分の左手に握る。

「だーめ。」

にっと笑ってみせる。
空いた左手を秘部にあて、一気に奥まで入れ抜き差しを繰り返す。

「ぁ、ぁ、あ、ぁ…ひぁあ!…あっ…も……あああ!!」
「『もう』、何?」
「はぁっ、ぁ…もう……指は…」

まっかっか。
ああ、もう。


382:名無しさん@ピンキー
08/12/06 01:10:56 uX2qnd/a
「ぁ…」

モノの先が入り口に宛がわれて、にちゅっと卑猥な音がした。
黒沼の右手に力が入る。

「ふっぅああ!!あっあっあっ!!!」

ずぶずぶ自身を埋めたら、気が飛びそうに気持ちがいい。
無我夢中で腰を振る。

「あっ…しょーっ!たくんぅ、ひっ、ぁあ!!…やっ、」

何度も何度も。

「っ…イきそっ、なの?…さわこっ…」

激しく揺さぶられながらも黒沼は必死にこくこくと頷いてみせる。
君の右手と、俺の左手は繋いだままでお願い。

「じゃっ、いっしょっ、にっ…イこ…?」
「あぅんあっあっあっぁっあーーーー!!!」
「…んっっぅ…」




胸に溢れかえる言葉で僕は窒息するだろう
そうだ
呼吸の仕方を忘れる前に
いつまでも吐息を言葉にかえて
愛し君へ
君に届け


【おしまい】


383:名無しさん@ピンキー
08/12/06 01:12:43 uX2qnd/a
ageてしまってすみません
気が向いたら読んでやって下さい
おやすみなさい

384:名無しさん@ピンキー
08/12/06 01:19:44 a052FSHL
うおお、GJ!超リロッた
場面浮かぶ。顔みたいっていう爽かわいいよ爽
黒風エロす 最後の風の呟きが好きだ

385:名無しさん@ピンキー
08/12/06 09:00:01 G5BT69uY
>>302です
今日か明日の夜、最後を投下しに来ます


ごめんね、カーチャンへたれでごめんね
エロどころかちゅーしたのかも曖昧な終わり方だよ……orz

386:名無しさん@ピンキー
08/12/06 09:19:51 1WtR2GOI
>>383
すっごい萌えました!!
ずっと手を握り合ってるのがいい!文才のある人多いなあ・・

>>385
楽しみに待ってます!

387:名無しさん@ピンキー
08/12/06 11:55:43 O5RHBVgx
GJ!!!
自分からキスしたり、顔がみたいとか爽可愛い~

388:名無しさん@ピンキー
08/12/06 20:52:08 a052FSHL
>>385
めちゃくちゃ待ってます
ずっと楽しみにしてました

389:>>383
08/12/06 23:27:58 uX2qnd/a
GJありがとです
自分のなかのきゅんきゅんが伝われば嬉しいです

今見直すと、言い回しが変な部分や色々抜けてるところを発見して
…うわああああああああ、ってなりますがキニシナイ
また近々書きにきます

390:名無しさん@ピンキー
08/12/07 07:53:55 VuT392cj
新参者ですが、職人さんに触発されて
書いてみました。

初めて書いたので、おかしなところは多々あると思いますが、
よろしくお願いします。

少しだけ爽積極的verです。

391:名無しさん@ピンキー
08/12/07 08:01:00 VuT392cj
「何やってんだろう、俺…」

付き合い始めるようになり、何度か体も重ねた。
爽子は俺だけのモノだと感じているのだが、
まだ、
-君の全てを、独り占めしたい-
独占欲の黒い塊が、俺の中にある。

今日は、二人きりで初めての旅行にきた。
君の澄んだ瞳は、初めて見る町並みや、きれいな景色を映し、
素直に感動しているのに、
俺は、君の横顔ばかりを見つめ、
君を振り返り見つめる、遠い町の知らない旅行者にさえ嫉妬してしまう。

観光もそこそこに、早く二人きりになりたくて、
早々にホテルに着いてしまった。


392:名無しさん@ピンキー
08/12/07 08:03:18 VuT392cj
「翔太クン、疲れたの? 大丈夫?」
観光の途中から、何となく元気がないように見えた。

「うん、大丈夫だよ。ごめんね、爽子。もっと見たい所とかあっただろ?」

「ううん、大丈夫だよ。また明日も見れるし、
翔太クンの体の方が大事だよ」
爽子は、俺の体を気遣い、優しい言葉をかけてくれる。
本当は、そんなんじゃないのに。

明るく旅の様子を話す君の姿に、自分の中の黒い塊が嫌になり、
つい、言葉に出てしまった。

「何やってんだろう、俺…」

知らない町の、遠い町の雰囲気が俺を弱気にさせる。
自分の黒い塊が脆くなって、ホロホロと言葉が零れ落ちる。



393:名無しさん@ピンキー
08/12/07 08:05:30 VuT392cj
「俺、爽子のことが好きで好きで、たまらないんだ」
「ずっと、俺だけを見て、俺のことだけを考えて…って思ってしまうんだ」
「何やってんだろうね、俺、こんな所まで来て…」
自嘲気味に笑ってしまう。

爽子は、俺の顔をまっすぐに見つめ、
「私はもう、翔太クンのモノだよ? 他の人なんて考えられないよ」
頬を赤く染めながらも、はっきりと答えてくれる。

「うん、分ってるよ」
「だけど、爽子が、新しいモノに触れ、いろんなことに興味を持って、
どんどんキレイになっていくから…
いつか、俺の腕の中から、スルリと飛び立っていきそうな気がするんだ」

俺は、ベットの端にストンと腰掛けた。
なんて情けないことを言っているんだろう。
爽子は、そっと俯いてしまった。

また、泣かせてしまったかな。。。
彼女に、あんなことまで言わせてしまって。。。
胸がチクリと痛んだが、脆くなった黒の塊は止まらなかった。


394:名無しさん@ピンキー
08/12/07 08:08:36 VuT392cj
どうして翔太クンは、あんなことを言うのだろう。
あなただけを見つめているのに、
いつもあなたのことばかり考えているのに。
私には、翔太クン以外なんて考えられないのに。

どんな言葉をかければ、私の全てが伝わるのだろう。
私の気持ちを感じてもらえるだろう。

爽子は、一瞬のうちに、いろんな想いを巡らせていた。

私は、翔太クンから何をしてもらうと嬉しい?
どんな時に翔太クンの気持ちを感じる?


ふわり


情けなく俯いていた肩が、暖かいモノに包まれた。
それが、爽子の腕だと分ると同時に、
唇にも優しい温もりを感じた。

俺のすぐ目の前に、爽子の澄んだ瞳がみえる。
爽子は、まっすぐに俺を見つめ、

「私は… 翔太クンから、こうしてもらうと… 
いつも、暖かい気持ちになるの。
大切にしてもらってるんだな…って感じるの」

「だから… 私の気持ちが届けば…と思って。
私の想いを感じてほしくて……」

爽子の頬は、真っ赤だったが、俺から瞳をそらさず言葉を続けた。

「私の前では、無理をしないで…。
ありのままの翔太クンでいて…」

「いつもの爽やかな翔太クンも好きだけど……
あの…今日みたいな翔太クンも好きだよ」

「私は、翔太クンの全部が大好きなの」


395:名無しさん@ピンキー
08/12/07 08:15:29 VuT392cj
優しく抱きしめられて、自分の中の黒い塊はフッと消えていった。
何に不安を感じていたのだろう。
爽子には、もっと素直に自分を見せてよかったんだよね。
どんどんキレイになっていく爽子に不安を感じていくなんて、
ホント、俺ってまだまだガキだよな…
キレイになってくれて、一番うれしいのは俺なのに。

「ありがとう、爽子…」

「爽子の気持ち、ちゃんと届いたよ」

翔太は、いつものとびきりの笑顔で微笑んだ。

「でも、爽子にそこまで言わせてしまって…
かっこわり~な、俺」
すっかり恥ずかしくなってしまい、手で顔を隠す。

そんな! かっこわるいことなんて全然ないのに!
真っ赤な翔太クンが可愛くてたまらない。
男の人に、可愛いだなんて、失礼かな?

触れたい、翔太クンに触れたい。
私の気持ちを、もっともっと感じてほしい。

私は翔太クンの頬に手を当て、唇をそっと重ねた。
そして、そのまま体重を預けていった。

続く



とりあえず、ここまでで。
続きは明日か明後日か。
お付き合いありがとうございました。

396:名無しさん@ピンキー
08/12/07 09:07:09 FswjseRb
GJ!
朝からきゅんきゅんした。
積極的な爽子もいいな~。

397:名無しさん@ピンキー
08/12/07 13:38:09 XHSVggSf
キター
積極的な爽子イイ!!
続き楽しみに待っています

398:名無しさん@ピンキー
08/12/07 13:44:15 gtv56PC/
GJです
いいねー積極的
待ってます

399:1/4
08/12/07 14:36:51 pDllCQtD
積極的な爽子かわいい!
続きを楽しみに待ってます


>>258>>263>>269-270、>>302の続きを投下
エロなしどころかキスもなしorz
今回の投下で完結します





息を切らせて待ち合わせ場所へ行くと、爽子は既に到着しており、風早が来るのを待っていた。
初めてマルをひろった河川敷。
一年生の頃のことを思い出しそうになり、下唇を噛む。
あの頃はまだ、彼女の隣に自分以外の男が立つ可能性すら考えていなかった。
自分が彼女の一番近くにいると確信していた。
余裕というより、油断と言うべきかもしれない。
彼女のよさを知っているのは自分だけという、安心感にも似た自惚れ。
自己嫌悪に陥りそうな頭を振り、意識を切り替える。
黒沼、と名前を呼ぶと、俯いていた爽子がこちらを向いた。




振り向くと、肩で息をしている風早がいた。
走って来てくれたのだろう。
額にうっすらと汗を浮かべたまま、頬は紅潮し、しかし彼の表情は穏やかとは言えなかった。
笑顔の風早を思い出し、涙が出そうになる。
奥歯を噛みしめて涙をこらえ、風早を見つめた。
「ごめんね、こんな時間に呼び出しちゃって」
「いや、こっちも電話に出られなくてごめん」
普通といえる会話の内容だが、雰囲気はぎこちない。
今までは自然にできていたことが、いかに贅沢なことだったかを改めて感じた。
ついこの前までは笑い合っていたのに、今は視線すら合わない。
言わなくちゃ、ごめんなさいって。
言わなくちゃ、風早くんのことが好きですって。
胸が締めつけられるような息苦しさを感じる。
爽子は必死に声を絞り出した。
「あ、あのね、私ね、風早くんのことが好きなの」

400:2/4
08/12/07 14:38:06 pDllCQtD
「風早くんが私のこと、友達だって思ってくれるのは凄く嬉しい。
でも、私の「好き」とはやっぱり違うから……」
語尾が消えてゆく。
泣ききそうな顔を見られないように、俯いて言葉をつむいでいた爽子は
風早の目が驚きで見開かれていることに気付かない。
スカートの裾を握り締めたまま、必死で言葉を探し続けていた。
「今日もいっぱい困らせちゃって、迷惑もかけてしまって、ごめんなさい。私……」
「……ほんとに?」
「え?」
予想していなかった風早の台詞に爽子が顔をあげると
真剣な表情でこちらを見ている風早の視線にぶつかった。
「それって、恋愛感情で「好き」ってこと?」
念を押すように言葉をかぶせ、爽子の反応を窺う。
爽子は真っ赤な顔で一度だけ頷き、小さく「ごめんなさい」と呟いた。
今まで頑張って堪らえていたのに、涙が零れ落ちてしまいそうだった。
「なんで謝んの?」
風早の言葉に、爽子は身体を震わせた。
嫌われてしまう。
涙を堪らえるため、必死で握り締めた手に力を込める。
「かっ……風早くんに迷惑を……」
それでも溢れてくるものに耐えきれず、涙の一すじが頬を伝った時だった。
今まで一歩離れた距離にいたはずの風早に抱きしめられていた。

401:3/4
08/12/07 14:39:16 pDllCQtD
「好きって気持ちは迷惑なの?」
「俺のこの気持ちも迷惑?」
「俺は、友達とかじゃなくて黒沼が好きって言ったら、迷惑?」
信じられなかった。
今、風早の腕の中にいる事実も、風早の言葉の意味も
考えたり受け入れたりする余裕がなかった。
頬を伝う涙は一すじでは止まらず、次から次へと溢れ出てくる。
「迷惑……じゃ、ない」
嗚咽をこらえながら応えると、爽子を抱きしめる風早の腕に力がこもった。



爽子の言葉が信じられなかった。
「友情じゃなくて好き」と言う言葉が、彼女の本心だという確信が持てなかった。
彼女は困って嘘をついているのではないか。
また自分の勘違いじゃないだろうか。
そんな不安と疑念が心に渦を巻き、風早は思わず「ほんとに?」と呟いていた。
その言葉に反応して、今まで俯いていた彼女が顔をあげる。
今にも泣き出しそうな濡れた目、赤くなった頬と耳が
先ほどの言葉を雄弁に裏付けていた。
それでもまだ念を押してしまうのは、勘違いと言う可能性を否定しきれないからだ。
自分の情けなさを認識しつつ、それでも「恋愛感情で好き」なのかと
確認をせずにはいられなかった。
頷いた後に続いた爽子の言葉に、彼女が今までどれほど嫌な思いをし、
泣いてきたかが窺える。
風早は思わず、彼女の身体に手を回して抱きしめた。
最初は身体を硬くしていた爽子だが、風早が言葉を重ねる間に徐々に力が抜けてゆく。
嗚咽に震えていた身体が落ち着き、爽子が顔をあげるまで
風早は彼女を抱きしめ続けていた。

402:4/4
08/12/07 14:40:11 pDllCQtD
「……帰ろっか」
「うん」
ようやく泣き止んだ爽子は、風早の腕の中でこくりと頷いた。
恥ずかしさと嬉しさで、頬が赤く染まっているのが自分でもよくわかる。
それでも精一杯の笑顔で風早に笑いかけると、風早の頬が瞬く間に紅潮した。
顔を背けられてしまったが、爽子も耐えきれずに視線を落としてしまったので
お互い様といったところだろうか。
風早は名残惜しそうに手を離し、爽子を解放する。
今まで自分を包み込んでいた腕が離れていってしまうことに
爽子は少し寂しさを感じた。
また抱きしめて欲しい。
もっと風早くんに触れたい。
無意識に風早に手をのばすと、その手をそっと握りしめられた。
「家まで送るよ」
いつもの爽やかな笑顔で、いつもより嬉しそうな声で爽子に囁く。
爽子の顔に笑顔が浮かんだのを確認し、風早はその手を引いて歩き出した。




爽子の家にたどり着くまで、二人は終始無言だった。
ただ繋いだだけの手が、お互いの存在を確認していた。
家の前に立ったとき、離れる手に一抹の寂しさを感じてしまったのは仕方のない事だろう。
「じゃあ、また明日」
「うん、今日はありがとう」
家を出てからまだ一時間も経っていないと言うのに、この感情の変化はどうだろう。
風早に電話をかけた時には、この世の終わりのように感じるほどの悲しさと
吐き気すら感じるほどの緊張感だったというのに。
今は幸福としか表現のしようがないほどの高揚感に包まれている。
明日は普段の自分になると決意して告白をしたのだが、別の意味で難しそうだった。
どう考えても、明日の自分は浮かれてしまっているだろう。
「あ……」
手を振って去ろうとする風早に、爽子は無意識に手を伸ばしていた。
前に先生に言われたことが、頭の片隅でよみがえる。
爽子は伸ばした手で風早の服の袖をつかみ、そっと目を閉じた。


おわり

403:名無しさん@ピンキー
08/12/07 20:35:28 S/b6oJb7
仕事してつかれて帰ったらUP天国
なんだなんだ祭りか?キャッホゥ>>390
積極爽子かわいいなあ。そして爽やか。嫉妬風もカワユス。GJ
>>399
本編の続きを見てるようです。寸止めで終ってるのが逆に
らしくて爽やかエロスだーキュン死する
>>363
激しく亀レスだけど、風早がSというよりは(いや潜在Sなんだろうけど)
爽子がS気質を引き出しわしづかみにするタイプなのだと思うw
くるみも対爽ん時Sっぽくなってたじゃんw

404:名無しさん@ピンキー
08/12/07 23:20:10 hvpjT8m+
>>399
続っぽくてめっちゃいいです!!GJGJ!!

405:名無しさん@ピンキー
08/12/08 00:00:53 S9DLMLVT
>>390です。
GJありがとうございます。

>>399
早く、本編でもそんな二人を見たいです。GJです。

そんなGJなお話の後に投下して、申し訳ない。

ご期待に添えますか分かりませんが、よろしくお願いします。

406:名無しさん@ピンキー
08/12/08 00:03:02 xrhFLAwY
翔太に体を預けていけば、もちろん爽子が上になる。
翔太のおでこに、瞼に、頬に、そして唇に、
優しく口付けを繰返す。

い…勢いで押し倒してしまったけれど、この後どうしたらいいのだろう。。。
翔太クン、引いてないかな?
ふと、目が合う。

「爽子……」
彼の大きな手のひらが、私の頬を優しく包む。
「すごく嬉しい…… 感じてるよ、爽子の気持ち…」

爽子は、ふわりと微笑む。

「もっと…感じさせて? 爽子の気持ち……」

翔太の声が、優しく響く。

一緒だ…私の気持ちと。嬉しい。
翔太クンが、私の気持ちを感じてくれている…
私の思うようにしていいんだよね?

翔太クンは、やっぱり すごい。
私に動く力を与えてくれる。
翔太クンが傍に居てくれれば、私は何だってできるよ。


407:名無しさん@ピンキー
08/12/08 00:05:01 S9DLMLVT
口付けを繰り返し、唇を首筋へとすべらせる。
彼の喉仏が大きく動く。
さらにその下へ唇を動かしたとき、
服… どうしよう。。。

「…脱がせて?……」
掠れた、甘えるような声が自然に出てしまう。
彼女の細くしなやかな指が、シャツのボタンを一つずつ、ていねいに外していく。
俺も、彼女のワンピースのボタンに手をかける。
上体を起こしているので、肩から少し滑らせるだけで、
それはスルリと落ちてしまう。
白いキャミソールが眩しく映る。

「あっ…」
可愛い声を出しながら、俺の首筋に、胸元に優しいキスを落としてくる。
爽子の背中に手を回し、ブラのホックを外し、一気にはがし取る。
二つの小さな突起が、肌を心地よくくすぐる。
二人の呼吸が、だんだん早く、熱くなっていく。

「…っ…、俺の全部を感じて?……」

爽子の手を、ジーンズのベルトまで誘導する。
ベルトとジーンズのボタンを外すのに、少し手間取っているようで、
彼女が作業をしやすいように、腰を浮かせる。
スッと足元が軽くなる。
トランクスは、先走ったモノで、すでに湿っている。
彼女がそっと手をかける。

ビクン!!

熱いもう一つのオレは、大きく跳ねる。
もうダメ…
見つめられるだけで、いきそうだよ。。。


408:名無しさん@ピンキー
08/12/08 00:06:33 xrhFLAwY
俺は、爽子の体をグイッと引き上げる。
二つの膨らみが、顔のところにくるように。
桃色の突起を口に含み、舌を絡め、甘く噛む。

「あ…、っあ…ん…」
俺の頭上から甘い吐息が聞こえる。
いつもとは違う角度からの彼女の声、ゆれる膨らみ。
爽子の体が、ビクビクと震える。
快感で力が抜けていくのか、体の全てを俺に委ねてしまっている。
二つの膨らみが俺を圧迫する。
このまま、窒息してもいいかも。。。

「あ……っふぅん……」
彼女の泉から溢れる蜜が、俺の肌を湿らせていく。
そっと触れると、そこは十分すぎる程、濡れていた。
「爽子……」
指を優しく動かす。
「あっ……あ…んっあ…翔太…ク…ン…」
爽子の暖かい蜜を味わっていると、下半身に甘い刺激を感じた。

409:名無しさん@ピンキー
08/12/08 00:08:23 xrhFLAwY
翔太クンとこうなってしまうと、いつも私が気持ちよくさせてもらうの。
今日は、翔太クンに私を感じてほしかったのに…
翔太の優しい指づかいに、熱い吐息に、痺れる中、
爽子の手は、無意識に翔太の下半身へと伸びていった。

爽子のしなやかな手のひらが、翔太の熱い部分を優しく包み込む。
「……わ…私の…き、気持ち…感じる?」
彼女がそっと手を動かすと、ビクビクと翔太の熱いモノが溢れてくる。

「…爽子っ!… 感じるよ!… もっと…感じさせてっ…」

彼女は腰を滑らせると、オレを優しく包み込んでいった。

爽子、感じるよ…。君の全てを!

翔太クン、あなたの全てを感じてるよ…

このまま一緒にいこう。
いつまでも、どこまでも。。。

終わり



なんだか最後が訳わからなくなってしまいました。
ん~、もっと勉強せねばですね。

駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。

410:名無しさん@ピンキー
08/12/08 00:14:28 pVd/9Qc7
GJ!!

411:名無しさん@ピンキー
08/12/08 00:24:08 +TSjhE5T
おぉ~GJGJGJ
積極的な爽子いいです!

最近たくさん神降臨で嬉しいです!

412:名無しさん@ピンキー
08/12/08 00:54:23 blXP9Qyz
エロなはずだけど可愛い二人だなあGJ>>373
1と2のコラボいいですね。
長くなりそうだけど、書けたら投下します。
3も書けたら投下します
けっこうまとまったら投下予定。遅筆なんでちょっと潜りますw

413:名無しさん@ピンキー
08/12/08 22:01:01 ioZMPzvV
>>412
楽しみに待ってます!!

414:名無しさん@ピンキー
08/12/09 23:36:22 91pP8SBv
龍ちづマダー?

415:名無しさん@ピンキー
08/12/09 23:53:22 2HN56xgu
エロなしでも桶?

416:名無しさん@ピンキー
08/12/10 00:04:08 2J7FAQqs
>>415
おkおk!待ってます!

417:名無しさん@ピンキー
08/12/10 00:08:14 JPmSVOFY
涙が止まらん。

「龍、なんでいま私が泣いってっか……わ゛がる゛?」

あ、鼻水でた。

「…うれし泣き?」
「な訳ね゛ー!!」
「じゃ、俺がなぐさめたほう?」

真顔で言うなよ!!

徹にミニスカートで逢えた日は、龍になぐさめてもらった日。
近いようで遠い寒かった日。
忘れられないけどさ。
何もこんなクソ暑い日に結婚式をやらなくてもいいと思う。
なあ、徹。

「違うわっっ!!!」

うるさいほどの拍手喝采の中、目の前を幸せそうに歩く新郎新婦。

「…ちょっと、切ない気がしないでもないけど」

夢みたいな花道に、花びらを放り込む自分も夢みたいだ。

「今日はいっぱい徹に幸せになって欲しくて、泣ける。」

結婚式なんて泣くための日でしょ。
……野球馬鹿め、笑ってないでなんか言えよ!!!!!

「もっかい、なぐさめてやろっか」

喋っても腹立つ。
くっそーーーーーーーーーー、殴ってやりたくなってきた…。

「じゃーそうする。」

手を少し広げて笑う龍に、どーしてもやり返してやりたくなった。
肩に頭を少し乗せたら、新品のスーツのにおいがする…。

「…、なんちゃって。」

ばっと顔を上げるとたった12センチ差。
他の奴が見た所で分からないだろう龍の驚きを発見する。
してやったり!!

「……。」
「驚いただろー?」

笑いながら言ってやる。
返事にはまた腹立つこと言うんだろうなあ。

どうせ今日も帰って祝ってラーメン食って、明日もゲームして、あさってもラーメン食って、しあさっては馬鹿話して、そん次も一緒にラーメン食って。
どうせ、次も次もそん次も。

しゃーねー。
めでたい今日だけは、もう何言ったって広い心で許してやろう。
おっちゃんのラーメンに免じて許してやろう!


418:名無しさん@ピンキー
08/12/10 00:16:25 JPmSVOFY
待たせといて、こんなんでごめんねーーーーーーorg
エロなしだし、短いし
本当は風早と爽子の拘束プレイと一緒に投下するつもりだったんだけど、そっちが上手く締めくくれなくて

気になるところとか、変なところとか、こうした方がいいとかあったら言ってください
リアルじゃ誰にも見せれないし、自分のHPに載せるぐらいなんだけど
意見とかあまりもらえないから言ってもらえると何でも嬉しい


419:名無しさん@ピンキー
08/12/10 00:41:39 2J7FAQqs
GJ!
徹の結婚式とは思いつかなかった。
本編を見てるような二人の自然な会話がよかったよー
ちづ可愛いなーもう。

欲を言えば、もっとちづに振り回される龍が見たいですw

420:名無しさん@ピンキー
08/12/10 00:51:31 JPmSVOFY
ありがとー
私も書きながら、ちづが可愛くて仕方なかったよ

あーー、振り回したいしエロも書いてみたいんだけど
考えてると、どーしても千鶴がエロをスポーツにしてしまうんだorz


421:名無しさん@ピンキー
08/12/10 01:07:12 WmtGKejX
>風早と爽子の拘束プレイ
龍ちづとの爽やかさのギャップにワロスw
気になる
それはともかく龍ちづ可愛いなあ
つかちづが可愛い。もう爽子とセットでぐりぐりしてやりたい
HP持ちなのも納得のこなれた文でイメージわきやすいね
どうしても龍→ちづのイメージが強いから、そんで龍が黒風のように
激情に身を任せるイメージがないからエロ難しいよ
前のレスで爽子が風を押し倒すのがあったけど龍ちづでも見たいw
押し倒したはいいがどうしていいかわからずに固まってると
いつの間にか逆転みたいなw
ここはエロパロスレだけどエロなしもいけるからいいね
いっそ難民あたりに二次スレでもほしいかも

422:名無しさん@ピンキー
08/12/10 01:21:25 JPmSVOFY
そんなに褒めてもらえるとくすぐったいぃぃぃぃ
HPはまだ作って1週間も経ってないからまだ何もないし公開もしてないw
自分の書くのは、くどい気がして読み直すといらいらしてくる

その龍ちづ、いいねーっ
書きたくなる

自分語りばっかりだとあれなんで
なんとか締めくくった風爽おいてくよ

>>360さんのシチュから膨らませたものです
>>360さん、ありがとうございます

423:名無しさん@ピンキー
08/12/10 01:28:49 JPmSVOFY
「風爽」です。
拘束とおもちゃ有りなんで苦手な方はお気をつけください。

――――

「翔太くん…」
「ん?」
「…」
「さっちゃん?どうかした?」
「あの、ね…」
「??」

眺めていただけの雑誌から横に座る彼女へ向ける。
少し俯く顔にさらさら髪がかかって、顔がよく見えなかった。

「…耳、あかいよ?」

あ、またあかくなった。

「えーっとね…」

だめだ。…かっわいー!
横から手を伸ばしてぎゅーっと抱きしめて顔を覗き込む。

「可愛いけど、ほんと、どうしたの?」

目の前のくりくりとした瞳は言いにくそうに視線を泳がしては、反対側の茜空の映る窓ばかりを見やる。

「なんでも言ってよ、気になるし。」

「ね?」と後押ししてやると、彼女は深呼吸一つと少し間を合けてやっと口を開いた。


424:名無しさん@ピンキー
08/12/10 01:29:48 JPmSVOFY
「翔太くん、…せっせ!」

ゴクッと唾を飲み込んで、もう一呼吸。

「sexするとき、無理してないっ??…ちゃんと気持ちいい?いつも私ばかりしてもらってて、嫌なの。私だって……翔太くんに、気持ちよくなってほしいよ…」

早口の最後の方は蚊の泣くような声だった。
でもちゃんと、俺にだけ聞こえた。

「…翔太くん?」

やっと顔を上げて目が合う彼女。
腕を解いた俺は、すっごい変な顔をしてたんだと思う。たぶん。

「お、れ…無理なんかしてない。」
「でも私のことばっかり気にしてくれてる。」
「それは…」

確かに、そう。
可愛くて泣かせたくなくて大事に大事にやり過ごしてきた。
気づかれるなんて夢にも、思わなかった。

「翔太くんが大事だと想ってくれるように、私も翔太くんを大事に想ってて、」

心臓の音が煩い。

「翔太くんを大事にしたいの。」

誰かが胸の中から叩くんだ。

「やなことばっかりするかもしれないんだよ?」
「うん。」
「…きっと泣かす。」
「うん。」
「いっぱい泣かすよ?俺。」
「うん、大丈夫。」

そんな嬉しそうに微笑えまないでよ。

「大丈夫。」

全部ぜんぶ歪ませたくなるから。


425:名無しさん@ピンキー
08/12/10 01:31:09 JPmSVOFY
「服」

体の中は騒々しいのに、自分の声は逆に静かで。冷静で。

「脱いで。…全部ね。」

ベッドに座る彼女をじっと見つめる。
清潔なブラウス、柔らかそうなスカート、深緑のタイツ。
そうっとそっと。
しなやかな肢体が露わになる。背中の白の壁やシーツがくすむほど綺麗。
眩暈が止まらなくて、俺の手から零れた紅い毛糸玉が彼女のまわりに幾つも転がった。

「あの…できた…」
「じっとしてて。」

恥ずかしそうに隠す手足を無造作に解いて、くるくるくるくる毛糸を巻きつける。
両足の親指から足首、もも、臍の上を通って、乳房に脇、首には執拗に何度も巻いた。
も一つ、毛糸を手にとって。
中指に薬指、手首から肘へと首へと、反対側の肩からまた小指までおりる。
彼女はされるがまま、擽ったそうに目を細める。

「ん…」

巻き終えた手の甲に吸い寄せられる。
舌を尖らして糸ごとなぞるように舐めると、赤が汚く濡れる。

「ぁ」

暫くざらざらした感触と、滑るような肌を交互に味わう。
真白い柔肌に喰い込む紅が、空に消える風船のようで切なくなる。

「…膝立ちしてくれる?」

余っていた糸の端を自分の左手首に巻いて、最後の1メートルを彼女の首と繋げる。
馬鹿げてる。
のに、高ぶるのも現実で事実。

「もし泣きたくなったら」

膝立ちに目線を合わせて。

「泣いて、ほしい……。やめてはあげられないけど。」


426:名無しさん@ピンキー
08/12/10 01:33:06 JPmSVOFY
彼女の揺れる瞳から逃げるようにキスをしてしまう。
彼女の両手首を掴んで後ろ手に縛る。
首と同じように何度も巻いて、固結びでおしまい。
眉間のしわが深くなっていく様に、嬉しくなる。
浮いた秘部と乳房を攻めると、糸の軋む音が水音と一緒にながれはじめた。

「んふっ…むっぅ、ん」

ほぐれた秘部に隠していたローターを密着させる。
低い温度に体を強張らせたのと、ぐぷっと押し込まれるのは同時だった。

「ぁっ!しょうた、くん…これ…なにっ…」
「なんだろうね?」

かちり。

「ん゛ん゛ーーーーっ!!!」

電源が入り、震えだした異物に身悶える彼女。
噛まれた下唇と、内腿が必死に体を支えて引き攣っている。

「気に入ったみたいで良かった。」

不意に立ち上がり、彼女を見下ろすと縋るような目に追われる。
嬉しくて薄ら笑いが出た。

「さっちゃんの、感じてるのみてたら…興奮しちゃった…」

ジーパンのチャックを下げ、ぶるりと飛び出したモノが彼女の鼻先を掠める。
雄臭い匂いがひろがる。


427:名無しさん@ピンキー
08/12/10 01:36:11 JPmSVOFY
「俺も気持ちよくしてよ。」

鼻をきゅっと掴み上げる。
呼吸のためか拒否か、開いた口にモノを捩じ込む。

「ぉっ…っ…」

彼女は驚きでそのままだ。

「ああ、ナカがよすぎたかな?」

ローターのメモリを最大にして反応をひとしきり眺めてから、最弱にする。
口の中で声がモノに潰される。

「―――っ!!!」
「……イった?」

荒々しく繰り返される息、悩ましげに閉じられた瞳や表情が返事をする。
左手をぴっと引くと、1メートル先の喉が絞まる。

「ん゛っ!ぅ゛………はっ…ぅ」

まだ彼女のナカで微かに震えるローターに体は余韻を感じ続けているみたい。

「さっちゃん、俺も…イかせてよ。」

必死にチロチロと舌を這わせ、壁との狭い空間の中で奉仕し始める彼女。
頭を前後させるのと同じリズムで、吐息と水と空気の混ざる音がする。

「ふっ…んっぶ…ぐ…」
(ぢゅ…ぢゅぶ…ぐぷ…)

目も耳も君に犯されていく。
舌もにおいも感覚も遠くなって、ただ君にもっと乱れて欲しい。

「っ!…さっ、ちゃ…」

快感から腰が揺れる。
壁についた自分の両肘も笑ってる。
彼女の目から涙が落ちて、たくさんの一粒が輪郭をなぞるのを置いていかれないようにずっと目で追ってた。

「ん゛!む゛ぅ…んっ!ん゛っ!」
「…ぁっ…ふっ、んっ……いっしょに……イこ、っか?」

ローターのメモリを一気に最大に引き上げる。
自分だって余裕なんか最初からあるわけなくて、彼女の頭ごと自分の腰を壁に押し付ける。
一瞬、鈍い音と高いモーターの回転だけが聞こえた。
 
「――――――」
「くっう!ぁあ」

お互い、朦朧と快感に意識を飛ばす。
白濁とした精液が彼女の喉の内と外を流れていった。
紅い糸の上を雲みたいにゆっくり、ゆっくり…。


428:名無しさん@ピンキー
08/12/10 01:41:33 JPmSVOFY
終わりです
すみません本当に色々すみません
なんでもいいんで意見ほしいです、くださいorz
ではー

429:名無しさん@ピンキー
08/12/10 02:01:12 WmtGKejX
みなのものーS早じゃS早様が降臨されたぞー!
GJ
やっぱり爽子は苛められるとエロイ
もっともっと苛められてほしい 愛されながら苛められてほしい
ごめんねカーチャンSでごめんね

430:名無しさん@ピンキー
08/12/10 05:15:20 WQkR9/xt
>>428
GJ!!S風早キターw
痛過ぎないし愛がちゃんとあっていいよいいよー
さっちゃん呼びがツボにはまったw

431:名無しさん@ピンキー
08/12/10 12:24:55 uz8NpPqf
S早GJGJ!!
ちゃんと愛があるSは、イイヨーーー!!
S早読むの好きだけど、自分には書けんGJ!!


432:名無しさん@ピンキー
08/12/10 19:26:27 914fd8ua
GJ!!!
S早いいです!!

433:名無しさん@ピンキー
08/12/10 20:31:44 Ieh9mK+X
なんだかんだいって用意周到な風早w
あんまり余裕のないS早と一生懸命な爽子がかわいいー!
S早いいよ、S早

434:名無しさん@ピンキー
08/12/10 20:47:47 moMM2ZvN
やはり、ここは黒早やS早の需要が多そう?
>>390投下したモノですが、自分 ヘタレなので黒もSも書けなひorz>>431です。
黒でもSでもないのを、本編の流れ見て投下しようかと思ってますが。

435:名無しさん@ピンキー
08/12/10 21:05:54 OAWOqCWG
甘々早と甘々爽もいいよ

436:名無しさん@ピンキー
08/12/10 21:35:22 zh1sT4BA
さっちゃん呼びは最初CRAZY~と間違えているのかと思ったわ

437:名無しさん@ピンキー
08/12/10 21:53:08 914fd8ua
黒風、ヤン早、S早好きだけど、
積極爽も好きですよ!
意外と積極爽は実際ありえそうだし
爽は愛する風の為なら、エロいことでも本読んで勉強したり、練習したりしそう(笑)

438:名無しさん@ピンキー
08/12/10 22:23:04 2J7FAQqs
S早な流れの時に空気も読まず、
初々しい二人を投下させていただきます。

付き合い始めて1ヶ月経つか経たないか、あたりの二人という事で。
エロどころかキスもありませんorz ヘタレでごめん…

439:名無しさん@ピンキー
08/12/10 22:24:28 2J7FAQqs
「爽子、あんたのカレシ、浮気してるわよ」
「裏庭で!人目につかないところで!女子と二人でなんかやってた!」

とある昼休み。
昼食を調達しに購買に行っていたちづと、
それに同行したあやねが二人揃って教室に帰ってくるなり、
持参した弁当を机に広げて食事の準備をしていた爽子に向かってそんな事を言った。
突然の報告に、どんなリアクションをしていいのかわからない爽子は、
困惑した顔で二人を交互に見つめた。
そんな様子を見たあやねが怪訝な顔をして爽子に聞く。

「昼休みに居ないってのに、爽子何も聞いてないの?」
「あ…ううん、『お昼休みは用事があるから、先にご飯食べてて』って…言ってたから」
「…ふうん」

「用事ねぇ…。」あやねはそう言いながら空を煽り、何かを考えているようだ。
そして誰にもわからないくらいの微妙さでニヤリとすると、爽子に向き直して言った。

「あれね、多分ってか絶対告白されてるわ。」
「え!?告白…!?か、風早くんが…!?」
「そ。相手の子は見たことない顔だし下級生ね。」

440:名無しさん@ピンキー
08/12/10 22:25:32 2J7FAQqs
あやねの衝撃の発言に、ひたすらオロオロするだけの爽子を構うことなく
はきはきと、しかし何処か楽しげな調子であやねが続ける。

「まあ、今は爽子たち、ちゃんと付き合ってる訳だし。あのヘタレがOKする訳はないけど。
 ……でも、気にならない?風早に恋する、別の女の子の存在。」

さっきよりもわかりやすく、あやねの表情が動く。
ちづはその顔を見て、コッソリと「でた、やのちんの悪女顔…!」と呟いた。
爽子は「へ、ヘタレ…?」と、あやねの悪女顔を前に一層オロオロしている。

「気になるわよね?どんな子か見たいわよね?見たいでしょ?」
「そ、そんな、ことは」
「よっし、そんじゃ、野次馬してくるか!」

突然ちづが、思い立ったように立ち上がり、爽子に向かってニカッと笑った。
あやねは呆れたようにちづを見て、「言葉が悪いわよ」と吐き捨てる。
ちづは「え?そう?」ととぼけた声を出して頭を掻く仕草をした。

爽子はというと、そんな二人を見上げ、まだ煮え切らないでいた。

「でも…人の告白覗くなんてやっぱり…私できないよ…!
 …し、失礼じゃないかな…」
「爽子」


441:名無しさん@ピンキー
08/12/10 22:26:05 2J7FAQqs
俯いて、今にも消えそうな声でなんとか絞りだした爽子の答えは、
すぐにあやねに消されてしまった。
俯いたままの爽子は、あやねの厳しい口調に一瞬身体をこわばらせる。
あやねは、一度深くため息をついた。

「あのね爽子。……『気になる』って、『イヤだ』って……言っていいのよ?」

爽子が顔を上げた。
あやねが何処か悲しげな顔をしている理由が、爽子にはわからなかった。


―気になっても…いいの?
―『イヤだ』って言っても……いいの…?

―わたしは、言いたい…?風早くんに、『気になる』…って―


442:名無しさん@ピンキー
08/12/10 22:27:37 2J7FAQqs
とその時、教室の扉が勢いよく開いた。その向こうには風早が立っている。

「ごめん、黒沼、思ったより用事長引いて……」

そこまで言いかけ、風早は場の妙な雰囲気に気が付いた。
教室の隅で、矢野と吉田が立って、黒沼を囲んでいる。
その陣形は一見すると、イジメ現場にしか見えない。
振り向いた矢野の顔はいかにも不機嫌そうで、明らかに風早に敵意がある。
吉田はどうしていいかわからないといった表情で、風早に何か訴えている。
どうしていいかわからないのはこっちの方だ。

「え…なに?どうしたの?」

状況が全く掴めない風早を、爽子は顔をあげて見た。
その瞬間、爽子の頬が一様に赤く染まり、今にも泣き出しそうな顔になったかと思うと
突然立ち上がり、「わ、わたし、飲み物を買ってきます!」と言い捨てて、
あっという間に教室を出て行ってしまった。風早が止める隙もないくらいの俊敏さだった。

「ちょ…っ 黒沼…!?」

風早も、すぐさまその後を追いかけ教室の外に消えた。
そんな二人の後姿を見届けた、あやねとちづの二人は、一瞬の間をおいて

「やりすぎたかね」「…うん」

お互い顔をあわせる事なく言って、それきり黙った。

443:名無しさん@ピンキー
08/12/10 22:28:10 2J7FAQqs
爽子は先ほどの宣言通り、確かに自販機の前に居た。
しかし飲み物を買う様子はない。そもそも手には財布も持っていない。
人気のない廊下の隅の自販機の前で、二人は何をするでもなく黙っていた。
沈黙を破ったのは風早だった。

「……えーっと……ケンカでも、した…?」

まさかな、とは思ったが、かといってそれ以外に爽子が泣いている理由も思いつかず、聞いた。
爽子は俯いて黙っている。長い髪に隠れたその表情は、風早からは窺い知ることは出来ない。

「……なんかあったの?」

尚も顔を上げない爽子。

「言ってくれなきゃ、わかんないよ…何があったの?」

しまった、口調がよくなかったかな、と、風早が後悔しかけたそのとき

「……言ったら、きっと、嫌いになる…」

やっと、爽子が口を開いた。
注意していないと聞き漏らしてしまいそうなほど、か細い声だった。
風早は、思ってもみなかったその発言に、「へ?」と、思わず間抜けな声を出した。

444:名無しさん@ピンキー
08/12/10 22:28:44 2J7FAQqs
「何?どういうこと?俺が黒沼を?……なんで?」
「……」

「黒沼、こっちみて」

普段より少し低い、男性らしい声で風早が言うと、爽子もやっと顔をあげた。
真っ直ぐ爽子の目を見据える風早を前に、
爽子は金縛りにあったかのように身動きが取れない。

「どうして、そう思うのかわかんないけど…
 黒沼、前に俺に言ったよね?『どんなことがあっても、嫌いになることはない』って。
 それ、俺も同じだから。どんな事があっても、黒沼が何を言っても、
 俺が黒沼を嫌いになることは、ないよ。」
「風早く…」
「だから、言ってよ。どうしたの?何があったの?」

しっかりとした迷いのない口調でそう言われた爽子は、もう俯くこともせず、
風早がそうしたように、今度は彼女の方がしっかりと風早を見据えた。

「うん、ありがとう、風早くん。……それじゃあ…一つだけ、聞いてもいい?」
「うん、なに?」

爽子はゴクリと唾を飲み込んで、搾り出すように言った。

「…………さっき。何、してたの…?」
「…え。さっき?」
「…裏庭で。」

445:名無しさん@ピンキー
08/12/10 22:29:34 2J7FAQqs
風早の表情が、一瞬固まった…ように見えた。爽子は慌てて弁解をする。

「あ、あのね、あやねちゃんと、ちづちゃんが…
 風早くんが、女の子と居たって…教えてくれたの。
 それで、告白されてたんじゃないかって……だから、」
「…気になった?」

爽子は、ゆっくり、小さく頷いた。
風早は、力の抜けたように肩を落とし、バツが悪そうに下を向いた。

「あー……うん、それは、言わなくてほんとにごめん。…朝、呼び出されてたんだ。
 …でも、断ることは決まってるんだし、わざわざ言うのも変かな、と思ってさ。」
「…ことわっ……」
「当たり前、でしょ?」

爽子の言葉を、最後まで聞くのは耐えられない、と風早は思った。
自分の彼女に、『他の女の子からの告白を断ったの?どうして?』
だなんて、普通は絶対に言われたくはない。
そんな言葉を聞いた日には、一生立ち直れないほどのダメージを食らうだろう。
改めてそう考えて、遮っておいてよかった、黒沼なら言いかねん、
と一人胸を撫で下ろしていると、黒沼が何か言いたそうな顔をしている事に気付いた。

446:名無しさん@ピンキー
08/12/10 22:30:17 2J7FAQqs
「……あの、嫌いに……ならないの…?」
「何が?」
「……だって、こんな…風早くんがちょっと女の子と一緒だったからって、
 気になって気になって、聞かずにはいられなくって……めんどうくさいでしょ?」

ああ、もしかして遠まわしに自分の事を咎めているんだろうか?
そんな風に思うほど、見に覚えのある話で、耳が痛い。

「なんで。黒沼がそんなことしたからって、嫌いにならないよ。
 …寧ろ、俺はちょっと嬉しい、かも」

少々居心地の悪い風早は、後半早口に、あさっての方向を見ながら言った。
すると爽子は急に身を乗り出して、今にも零れ落ちそうなくらい、目に涙を浮かべた。

「う、嘘…ッ だって私、おかしいの…!
 風早くんが他の女の子と喋るだけで嫌な気持ちになる…っ
 さっきだって、告白されたって聞いて、どうしたらいいかわからないくらい、気になって……
 すぐにでもその場所に行って、邪魔したいだなんて……こんな私…嫌われたって…ッ」

爽子の目からは、瞼に留まっている事の出来なくなった涙が、ついに零れ出した。

「黒沼」
「ごめんなさい、ごめんね、私、これからは頑張るから!
 もっと心を広くして……強くなって、それで、
 風早くんが別の女の子と一緒にいても、大丈夫なようにするから……だから」

447:名無しさん@ピンキー
08/12/10 22:30:51 2J7FAQqs
「爽子」

急に名前を呼ばれたかと思ったら、次の瞬間には、爽子は風早の胸の中にいた。
あまりにも突然の出来事に、脳の処理が追いつかない爽子は、
石のように硬直するしかなかった。

「かぜはや、くん?ご、ごめんね…?」
「……なんで謝るの?謝って欲しくない」
「えっ、ご、ごめんなさ…あ、ええと」

風早は、爽子を抱く腕に一層力を込める。

「…それってさ、変なことかな。
 俺は、爽子が俺以外の男子と喋ってたら、すっっごい嫌だよ。
 ……好きだから。…ひとりじめしたいんだよ。それは、変なこと?
 爽子は俺がこういう風に思うの、嫌?迷惑?」

爽子が不自由な腕の中で、力いっぱい首を横に振る。

「い、嫌じゃない…っ迷惑なんかじゃ…ない」
「…うん。俺も。」
「あ…。」

448:名無しさん@ピンキー
08/12/10 22:31:56 2J7FAQqs
爽子は、そこではたと気付いた。
先ほど自分が、彼を傷つける発言をしたことに。
『迷惑』とか、『嫌われる』とか…そんなことばかり。
私はどれだけ、彼の事を、そして自分の気持ちを、わかっていなかったのだろう。
少しの沈黙の後、風早が口を開いた。

「…あのさ。好きなら、いいんだよ。そんな風に思っても。
 ……『イヤだ』って、言ってもいいんだよ」
「……風早くん」

爽子の視界は風早の紺色のベストで埋め尽くされている。
まだ、少し。自分の中に今まで無かった感情に、困惑することはある。
こんな風に思ったら、そんな事を言ったら、嫌われてしまうんじゃないかと、不安になることもある。
だけど、いいんだよって言ってもらえた事が嬉しくて、なんだか、凄く幸せな気持ちだ。

「……うん…ありがとう……」

爽子はそっと目を閉じて、彼の暖かい胸に、頭を預けた。
そして少しの静寂の後、爽子を抱きしめる力がふと緩んだ。
再び身体に自由が取り戻された爽子は、しかし風早から離れることはなく、
そのままの位置から顔だけ上げて、彼の顔をおそるおそる見上げてみた。
風早はにっこりと笑っていた。

449:名無しさん@ピンキー
08/12/10 22:33:09 2J7FAQqs
「…俺今、すっごい嬉しい」
「えっ?どうして?嬉しいのは、こっちだよ…」
「うーん、と……」

風早は、爽子の顔を一瞬見つめ、しかしすぐに恥ずかしくなって天を仰いだ。
まだ爽子の腰に添えられていた手に、再び力が篭る。
ひと時自由の身となり完全に油断していた爽子は、2度目の強い抱擁に不意打ちを打たれ、
先ほどと同じ硬直の後、今度はそっと自分の腕を風早の背中へとまわしてみた。
骨ばった背中の感触は初めて感じるもので、
そこで改めて自分が彼の『恋人』なのだという事を全身で感じ、
妙にこそばゆい気持ちになった。
風早は、これまでの爽子の言葉と表情と涙を頭の中で反芻し、
そして今までになく自分を受け入れてくれている爽子の身体を腕の中で感じ、
満足げに一言、呟いた。

「相思相愛ってこんな感じかって、思ったんだ。」


風早の腕の中で、ほんの一瞬爽子の頭が縦に動いたような、気がした。



おわり


450:名無しさん@ピンキー
08/12/10 22:50:29 2J7FAQqs
>>438です。お粗末様でした!
爽子にやきもち焼かせてみたい一心で書きましたが
なかなか可愛くなってくれず……爽子を動かすのって難しいと悟りました。

もっと勉強して出直してきます…!

451:名無しさん@ピンキー
08/12/10 23:11:14 WQkR9/xt
>>450
すっごい萌えました!本誌でも爽子がやきもち焼くシーン見たかったので嬉しい

452:名無しさん@ピンキー
08/12/10 23:59:14 uo4Ex1pF
GJ!GJ!!

453:>>428
08/12/11 00:27:04 INh92UYj
GJありがとです
S早ww
そう、彼はきっといろんな物を用意周到にむっつり隠し持ってるはずです。叩けばもっと出てくると思います
“さっちゃん”は紛らわしかったみたいですみません
>>383では“爽子”って呼ばせてみたんですが、まだそう呼ぶ風早にどうしても違和感があってorz

>>450
GJ、GJ!!!
かわいーーーーー
なぜかリスやウサギなどの小動物を愛でる気持ちになった
やきもちって可愛いね

454:名無しさん@ピンキー
08/12/11 01:31:35 UmYmSZcD
GJありがとうございます!
爽子って、まさに小動物というか、見守りたくなる可愛さがあると思うので
そこらへんをもっと表現出来ればなぁ…精進します!

455:名無しさん@ピンキー
08/12/11 01:42:00 uilOQ5B/
>>450
爽子がかわいい~!
Sだったり黒だったりなエロの後にこういう原作的なピュア話を読むと妙に照れるw
萌えさせていただきましたGJ!!

456:名無しさん@ピンキー
08/12/11 18:08:37 Pgu9eug7
>>439やきもち爽かわいい!GJ!!
本編でも、ぜひ見たいシーン!

本編見てからと思ったのですが、
地方なので、待てない。
エロなしですけど、投下します。

ぶっちゃけ爽です。

本編でも、ぶっちゃけて欲しくて。

>>439さんと、台詞回しがカブルところが…すんませんすんませんorz


457:名無しさん@ピンキー
08/12/11 18:09:37 Pgu9eug7
うちの田舎は正月帰省を利用して、成人式&同窓会をするので、
その設定でよろしくです。



成人式も無事に終わり、同窓会も盛り上がっている。
爽子は先日、二十歳になった。
爽子の振袖姿、艶やかだったなぁ。
もうちょっと見ていたかった。
まぁ、いいか。また、ゆっくり見せてもらおう。

「爽子もいよいよ大人の仲間入りだな」
ちづがガシッと爽子の肩を組む。
「よし、じゃ~初めてのお酒といきますか!」
お猪口にちょっとだけ、日本酒を注いでもらう。
そっと口をつける。
「どぉ?」
「うん…おいしい…」
爽子の白い肌が、ほんのりと赤くなる。
「爽子、案外いける口なのかもね」
あやねも、ほんのりした爽子が可愛くて、少しお酒を足す。
「よしっ! 黒沼、俺の酒も飲めーー!!」
「ピン、あんま、からむなっ!」
すでに出来上がった者達が、爽子のお猪口に酒を満たしていく。
元クラスメートのノリは相変わらずだ。
賑やかで、とても楽しい。

素直な爽子は「みんなの好意を…」と勧められるまま
口に運んでいた。

相も変わらず、みんなの輪の中心にいる風早。
彼女の傍に行きたいのに、なかなか近寄ることもできずソワソワしていた。
黒沼、大丈夫か?

爽子の顔は真っ赤だ。
風早は心配になってきた。
みんなの輪から抜け、黒沼の席に近づく。
「黒沼、大丈夫? もう無理しない方が…」
と声を掛ける。

爽子は、頬を赤く染め、トロンと潤んだ瞳で俺を見つめる。
「風早クン…」
まずい…色っぽすぎる--
ダメだ、こんな黒沼を他の奴らに見せるわけにはいかない--
と思った瞬間

トン

爽子が風早の肩にもたれかかる。
ドキン--高鳴る胸。
黒沼、こんなの反則だよーー!
「黒沼…?」
そっと爽子を見つめると…

「風早クン… 具合、わるい……」


458:名無しさん@ピンキー
08/12/11 18:10:27 Pgu9eug7
初めて飲むのに無理するから。
とにかく、ここから連れ出さないと。

「矢野、ごめん。黒沼、具合悪そうだから、家まで送ってくよ」
「うん、お願い…ってか、その状態の爽子を連れて帰ったら、爽パパやばくない?」
「あ、そうだよな」

あやねがニヤリと笑う。
「大丈夫。あたしンちに泊まるってことにするから、
風早なんとかして」

矢野の不敵な笑みは気になったが、
とにかく、黒沼を楽にさせてやるのが先だ。

「悪いな、矢野」

「いいのよ、気にしないで。
爽子をよろしく。ジェントルメン♪」

一言多いっつーの。
でも、矢野の申し出はありがたかった。

顔色はそんなに悪くはない。
少し休ませれば大丈夫だろう。
とにかく、一刻でも早く黒沼を休ませたかったので、
近くのホテルに入る。


459:名無しさん@ピンキー
08/12/11 18:11:03 Pgu9eug7
「ご…ごめんなさい…迷惑かけて…」
具合が悪いと言いながら、謝り続ける爽子に
大丈夫だから…と優しく声を掛ける。
ベットに横たわらせ、苦しくないように胸のボタンを少し開けた。
「ぅ…ん…」
いつもは隠れている滑らかな肌が、チラリとのぞく。
ベットの端に座り、そっと背中をさする。
爽子の表情が、少し楽になってきたようで安心する。

「ん……、風早クン?…」
「具合はどう? 顔色もよくなってきたね」
顔はまだほんのり赤く、ポヤンと潤んだ瞳をしている。
寝乱れた髪、少し開いた胸元に、ドキマギしてしまう。
こ、こんな時に、何考えてるんだっ、俺っ!!
視線をそらすように、起き上がった爽子の横に移動した。

「風早クン、ごめんなさい…
せっかくの楽しい時間を…私のせいで…
台無しにしてしまって……」
また謝ってるよ。。。まぁ、そこが爽子らしくて可愛いンだけど。
「いいんだよ、気にしないで。
俺も、黒沼と二人っきりになりたかったし……」
照れ隠しのため、思いっ切り笑う。



「風早クン、…好き…」


爽子の目から、涙がハラハラと落ちる。

「く、黒沼!?」

460:名無しさん@ピンキー
08/12/11 18:11:46 Pgu9eug7

風早クン、びっくりしてる。
そうだよね、突然泣き出したりして。
でも、体がフワフワしてて、なにもかも止まらないの。
涙も言葉も。。。

「風早クンが大好きなの。
風早クンは、いい人で… 爽やかで… 尊敬できる人で…
誰からも好かれてて…」

初めて口にしたアルコールのせいなのか、おしゃべりになってしまう。
だめ、これ以上しゃべったら、何を言ってしまうか分からない。
本音が出ちゃう。わがままを言ってしまう。
風早クンに嫌われてしまう--
でも、止まらないの…

「最初は話せるだけでよくって…、風早クンみたいになりたくて…
でも、だんだん欲が出てきて…風早クンの特別な人になりたくて……」
「風早クンの好きと私の好きが、一緒だって分かったとき…
本当に嬉しかったの…」

いつになく、あふれる想いを口にする黒沼。
頬は赤く、潤んだ瞳で俺を見つめる。
そんな黒沼の一語一句を聞き逃すまいと、耳を傾ける。

461:名無しさん@ピンキー
08/12/11 18:12:21 Pgu9eug7
「風早クンといると…私、どんどん…欲張りになる…」
「こんな…私なのに…今だって…」
だんだん、黒沼の声が小さくなっていく。
「みんなとの楽しい時間に…酔っ払ってしまって……
いっぱい迷惑かけてるのに… まだ、笑顔を見せてくれるし…」

「黒沼…」
「いつも言ってるけど…俺は、黒沼が思ってるような奴じゃないよ?
俺だって黒沼といると欲張りになるし、ふつーにスケベだし」
自分で言って、ちょっと凹む。
「こんな俺、イヤ?」

黒沼は、ぶんぶんと大きく首を振り、
「イヤじゃないよ。…どんな風早クンだって大好き」
「じゃあ、おんなじ。俺も、どんな黒沼だって好き」
黒沼を優しく見つめる。

「…そんなに優しくされると、わがままになっちゃう…」
「言って、わがまま… 聞きたい…」

「…私を、嫌いにならないで…」

顔が熱い。赤くなるのが自分で分かる。
「そんなの、わがままのうちに入らないよ。
嫌いになんか、なるわけない」
はっきりと答える。

「もう一つ、言ってもいい?」
潤んだ瞳で風早を見つめる。

「爽子…って呼んで?」

ずりーーっ!そんなのわがままじゃないよーー!
いくらだって呼んであげる。
むしろ、俺のお願いだよ!

そっと爽子の肩に手をまわす。

「爽子…」

「嬉しい…」
風早の肩に、そっともたれかかる。

「爽子…?」
そっと顔を覗き込む。
スーっと気持ちよさそうな彼女の寝顔があった。

462:名無しさん@ピンキー
08/12/11 18:13:32 Pgu9eug7
すっかり安心しきって眠っている爽子に、
嬉しいようなガッカリしたような、複雑な思いを抱いたまま、
そっとベットに寝かせる。

「襲っちゃうよ…」

髪をそっとかきあげる。
ほんのりピンク色をした肌が見える。
酔った勢いとはいえ、黒沼からたくさんの言葉をもらえた。
可愛いわがままも聞けたし、
今日はこれでよしとしようか…
と、自分も寝ようとした時、

「う~ん…」
爽子がモソモソと動き出した。
「…暑い…」
爽子がワンピースのボタンを外しだした。
ビックリした!
でも、彼女をとめることができなかった。
イヤ… とめたくなかった…
スルリと服を脱ぎ捨てると、また眠りについてしまった。

キャミソールから伸びる手足。
体全体が、ほんのりピンクに染まっている。
規則正しい呼吸とともに、上下する二つの膨らみ。
色っぽい姿に、ボーーッと見とれていると、

「しょーたクン…好き…」
ふわりと微笑んだ。

えっ!? 名前!?

スーと幸せそうな寝顔の黒沼。
「ね、寝言なのかな…?」
「その夢の中に、俺もいるんだよね?」

「大好きだよ、爽子…おやすみ」

そっとキスする。

終わり


この後、風早がすぐに眠れたとは思えませ~ん。

案外、爽子の寝相が悪かったりとか… それはないかww

口調とか高校生のまんまですね…汗
二十歳になってもまだ、こんなことやっているのか風爽…
設定ミスっす。。。

私の中の爽は、いつも積極的ですな~。

もうすぐ本編ですね。楽しみwktk

463:名無しさん@ピンキー
08/12/11 19:28:44 L4qiAXAH
GJ!!
最後の脱ぐシーンの風爽が(・∀・)イイ

464:名無しさん@ピンキー
08/12/11 22:42:54 IMp6fUlu
風爽+ケントの3Pって邪道?

465:名無しさん@ピンキー
08/12/11 22:58:06 Flmj49FT
>>457
GJ!!続きが超読みたいです

>>464
邪道じゃないよ
そういうのもかなり読みたいです
初めに注意書かけば問題ないかと

466:名無しさん@ピンキー
08/12/11 23:26:35 XWJsIXUG
なんかうぷ祭りですね~
職人様たくさん降臨でうれしいです。
>>464
ここはエロパロだし、全然ありですよ~
注意書入れれば苦手な人は見ないだろうし。待ってます

467:名無しさん@ピンキー
08/12/12 08:02:58 ZWg+kxyA
>>464
凄い読んでみたい
うp、待ってます

468:464
08/12/12 08:27:44 vm/wsFEh
私じゃこんな神のような文章書けないです(・∀・;)
でも妄想だけはしっかりしてますw
多分童貞だろう風早。
ケントにテクを教わる、みたいな流れとかww

469:464
08/12/12 10:15:10 vm/wsFEh
エチーに持ち込む前まで書いてみました。
お目汚しですみません。
初めて書いたので色々とおかしいかも・・・
まだ全然続きを書いてないのですが、こんな感じで宜しいのでしょうか?
ご意見お願いします。

470:464
08/12/12 10:17:00 vm/wsFEh
※風爽+ケントの3Pです。
苦手な方はご注意ください。



「あのモテモテ君がまさか童貞だったとはね」

吹き出しながらニヤニヤとこちらを見るムカツク野郎。
やっぱりこんな奴に相談なんてするんじゃなかった・・・

「で、俺にテクを教えてほしいわけですか」
ケントは風早の肩に手を回し、未だに笑ってる顔で
風早の顔を覗き込んだ。
「だからそう言ってんだろ!」
風早は顔を真っ赤にしてケントの腕を振り払った。
「そんなに怒っちゃ爽やか君が台無しだよ~」





『風早君は爽やかで!憧れで!尊敬で!』 


誰が爽やかだ!
俺だって普通にスケベだ!


471:464
08/12/12 10:18:26 vm/wsFEh
今までたくさんの女の子に告白されたけど
未だに付き合った女性はいない。
つまり童貞。

雑誌に女の子の本音特集が載っていた。
『アダルトビデオみたいなエッチは嫌』

「えっ、AVって普通じゃないんだ・・・」

困った風早は相談する相手を考えた。

「龍は・・・そういう話題できなそうだし、ピンなんてもってのほか!!」


相談できそうな相手を必死で考えて
結局最後の一人に出たのが

「・・・ケントか」


あいつは黒沼に気がありそうだからイヤだけど
黒沼のために!!








「はっ?」
聞こえなかったのではない、あり得ない言葉に驚いた。
「だからぁ~そういうのは実際に見ないと分かんないでしょ?」
両手をやれやれという風に挙げ、ケントは固まってしまった風早を見つめた。


「俺が実際に指示してあげるから風早はその通りにやってみなよ」

472:464
08/12/12 10:19:35 vm/wsFEh
とりあえず書いたところまで。
改行が多かったかな orz

473:名無しさん@ピンキー
08/12/12 21:02:34 UF+gVaph
おおうぷ祭ですね
もうすぐ発売だしねえ エロパロ板に来れるくらいの
いい年だけど胸がぎゅるぎゅるするよ>>439
本編っぽい胸きゅん感になんか苦しい。恋かw
>>457
これは良い酔い爽 爽子は照れ隠しとかしないからくっついた後は
超ストレートなデレ期がくると信じてる。
>>464
ケントと爽子の組み合わせ好きだ。3Pとかエロパロ板ならではだよねえ
楽しみ

うぷ祭の中便乗
エロではないんだけど風と爽子が付き合うようになって
数日後ぐらいにクラスバレしたらどうなるかなと妄想して書いてみました。

474:1
08/12/12 21:10:59 UF+gVaph
授業終わりのベルとともに、風早は周囲の一緒に帰ろうコールを振り切って
爽子のもとにとんできた。

「黒沼、一緒に帰ろ」

にっこにこと嬉しそうに言う風早のお尻にぶんぶんとちぎれんばかりに
振られる尻尾が見えて、あやねは乾いた笑いをもらした。

ちづはにやっと笑ってわざと爽子をぎゅっと抱いた。

「爽子はあたしらと帰るの。坊ちゃまはサッカーでもしてなよ」

むうぅっと仔犬のようにむくれる風早と、笑いながら爽子を抱いてるちづ、その腕の中で戸惑っている爽子を遠巻きに見ていたクラスメイトが気を取り直して訊ねた。
「あ、あのさ、風早…なんで貞子と一緒に帰るとかいってんの?てかこの状況何?」
そんな勇者の質問に風早はあっさりと答えた。

「え、俺たちつきあってるもん、『彼女』と一緒に帰って何かおかしい?」

この爆弾発言に一気にクラスメイトは騒然となった。


475:2
08/12/12 21:14:15 UF+gVaph
「え、マジ?」「冗談きっついよー(笑)」
「え、え、何?どっきり?」「ありえないっしょ」
などと周囲は驚愕と揶揄の声が満ちた。
そんな声などまったく受け流し風早は爽子を
ちづの手から奪い返してにこっと笑った。

「黒沼、かえろ?」

爽子がぽっと赤くなりながらも頷き、
ちづとあやねに非礼を詫びると二人はぷっとふきだした。

「わりーわりーちょっとからかっただけだってば」

ちづが手を振りながらそう言うと風早もにっと笑って言った。

「そうそう、お前らはずっと黒沼独占してたんだから、帰りくらい返せよな」

そんな会話が交わされている間に周囲の衝撃第一波がさり、
ひそひそと様々な憶測の声が満ちた。
大半が信じられないという驚きのものであったが中には爽子に対する
無意識の侮蔑や悪意が混ざっていた。

「ちょ、あんたら」と何か言おうとしたちづとあやねを制止して風早は言った。

「俺、マジだから。黒沼のこと何か言う奴は俺が許さないから。」

476:3
08/12/12 21:17:55 UF+gVaph
その真剣な言葉に根は単純で悪意のないクラスの大半の人々は黙り込んだ。
しかし風早大好きな一部の人々はまだ信じられない、
信じたくないと声を潜めて噂を続けた。
その中の一言が風早の耳を捉えた。

「同情?ならわかんなくもないけどね」

風早の低い声がそのさえずりを止めた

「-違う…!」

怒りの交じったその声に風早大好き隊は焦った。
「じょ、じょーだんだって、そんなに怒んなよ」

爽子がかばってくれてる…!と感動し、
周囲も爽子をかばってるんだなと納得しかけたとき
ダメ押しのひそひそ声がした。

「かわいそうな子に弱そうだもんね、かぜ…」
たぶん風早ガールズの嫉妬交じりの呟きだったのだが
風早の本気の怒り声がそれを遮った。

「違うってんだろ。」

風早を見ると蒼ざめて深刻な顔をしている。

477:4
08/12/12 21:21:26 UF+gVaph
ヤベ、怒らせたと怯える周囲の目は次の瞬間、一斉に点になった。
風早が爽子の手をぎゅっと握り思いつめた眼で言ったからだ。

「違うよな!?同情とかじゃないよね?
…俺がかわいそうだから付き合ってくれてるんじゃないよな?」

周囲と爽子は一気にカキンと石化した。
そんな事気にも留めずに風早は縋るような熱っぽい眼を爽子に向けた

「俺のこと…好きだよね?」

爽子も視線を外せなくなり、かぁっと赤くなりながらもこくっと頷いた。
なんだかんだ言っても爽子は風早にはとことん甘い。

「ちゃんと言って。」

まっかっかになりながら、爽子はそれでもしっかり声を絞り出した。

「すき。」

風早はそれを聞いたとたん、爽子の華奢な体をぎゅっと抱きしめた

「うん。俺もすき。」

展開されるゲロ甘ワールドに周囲は呪われたように動けなくなった。
石化したままの周囲の中でいち早く正気に返ったのは龍だった。

478:5
08/12/12 21:27:35 UF+gVaph
「しょーた…。はやく黒山を離してやんないと窒息する。」

その言葉にちづとあやねもはっと気付いた。
「黒沼、ね。」

冷静なつっこみをいれるあやねの傍らでちづは本当に恥ずかしさと息苦しさに
きゅうっとなっている爽子を風早の腕からひっぱりだそうとしている。

「ちょ、風早離せってば、爽子死んじゃうだろ」
「やだ、また吉田とってくもん」
「とらねーよ!いいから一旦離してやんなって、ほんとに爽が死ぬ」

そんな子供じみたやり取りを見ていたクラスの面々はなんだかバカらしくなって
やがてぽちぽちと帰る者、部活にいく者などが出始めた。

最後まで諦めの悪かった一部の女子も爽子を軽く睨むと
-もっとも爽子にはそんな視線に気付く余裕はなかったが-
バカバカしそうに軽く溜息をついて出て行った。

「あ、俺も部活行くから。じゃな。しょーた、マジ黒山苦しそうだぞ。」
龍のその言葉にようやくしぶしぶと風早は爽子を離した。

479:6 終わり
08/12/12 21:33:52 UF+gVaph
それから爽子机はなぜか恋の成就を願う女子の参拝所になったり、
爽子の薬草ガーデンは貞子ガーデンとして恋愛成就及び成績向上に
効果があるとされ、日々訪れる者が絶えなかったりするなど
爽子の座敷童的貞子伝説に新たな1ページが加わったそうな。

おわり

以上小ネタでした。
明日発売の本編しだいではもやもやを抱えた職人さんが
また大挙して渡来してくれるやもしれませんね

480:名無しさん@ピンキー
08/12/12 22:00:53 ZWg+kxyA
GJ!!


481:名無しさん@ピンキー
08/12/12 22:02:41 g7JH3FZ6
GJ!!
エロなしでもおもしろいね

482:名無しさん@ピンキー
08/12/12 22:04:42 ZXEK5gwF
わろた
文章うまいw

483:名無しさん@ピンキー
08/12/13 00:33:59 XTCZiT9b
今ケント×爽子の陵辱(未遂予定だけど)書いてるけど
爽子が可哀想で進みません じゃあ書くなって感じですがw
爽子を穢すのって 尋常じゃない背徳感があってエロいもんだからつい

484:名無しさん@ピンキー
08/12/13 18:27:34 1n+yrTVV
>>483
見てみたい!!
楽しみに待ってます

485:名無しさん@ピンキー
08/12/13 20:45:39 DePxq3Mw
発売日おめ!また1ヶ月が長いよ…
>>453
待ってます!すさまじく読みたい!


486:名無しさん@ピンキー
08/12/13 20:46:54 DePxq3Mw
↑違えた…
>>483さん宛です

487:名無しさん@ピンキー
08/12/14 03:32:42 LmcwLoz0
ちづと龍の初めては
普段の部屋で話してる時ふと龍を愛しく感じて
本能のままにせまっちゃって
満足したあと我にかえりテンパるちづを龍がなだめるのがいい
上手く言葉に出来ないorz

488:名無しさん@ピンキー
08/12/14 08:12:20 pM6Y7L5t
何となくわかるよ!

489:名無しさん@ピンキー
08/12/16 20:30:55 fsVkQ6i3
>>470さん、続き待ってます。
>>483さん、うぷ待ってます。



490:名無しさん@ピンキー
08/12/16 22:09:35 e3bWgGZI
ノシ
私も待ってます

491:名無しさん@ピンキー
08/12/17 22:53:30 jnQ5Yjzd
今か今かと待ってますよ

492:名無しさん@ピンキー
08/12/17 23:31:45 oXEVEJzS
焦らしプレイですね

493:名無しさん@ピンキー
08/12/18 01:56:50 UeqD900E
ある程度まとまってからと思ってたけど
保守代わりに投下
以下注意
・長いです。短くできずにすみません。
・ケント×爽の陵辱もんです(未遂だとは思うけど、まだわかりません。
なり行き次第です)
・風爽以外はNGな方、爽子かわいそう系が嫌な方は題名をNGワードで対応お願いします
・五月雨投下なので投下なさる方はぶったぎってもOKです

494:横恋慕1(ケン爽陵辱)
08/12/18 02:04:52 UeqD900E
最初は同情だった。
報われない無理目な恋をしているあの子が可哀想だなと思った。
基本女の子はみんな幸せでいて欲しい俺は 
あの子を助けてやってるつもりだった。

でもあの子は予想以上に健気で良い子でいじらしかった。
固い笑顔ばかりかと思っていたら 
ふわりと見せた自然な笑みは極上級だった。

あの子があたりまえに無理めな恋に破れたとき 
あんまり哀しそうに泣くからつい口走ってた。

「おれにしとく?」

その言葉に驚いたのはたぶん自分自身だった。

その後もっと驚くどんでん返しが待ってたわけだけど。

まさかあの「みんなの風早くん」があの子に恋をしてるだなんて、
誰一人として予測してなかっただろう。

495:横恋慕2(ケン爽陵辱)
08/12/18 02:08:00 UeqD900E
最初はそりゃあ周囲はうるさかった。
特に風早ガールズは聞くに堪えない陰口を堂々と言い放っていたけれど。

彼女の親友たちがしっかりサポートしていた事、
そして当人はその陰口が聞こえないわけではないだろうけれど、
それ以上に大切なものを手に入れた喜びでそんなものを寄せ付けないといった様子だった事、
何よりあのモテモテ王子があの子へのべた惚れぶりをまったく隠すそぶりもなかった事で
いつしかバカらしくなったのであろう彼女達はそれぞれにまたアイドルを見つけていった。

俺だけが取り残されている。

恋愛なんて簡単だと思っていた。

あの子みたいに心の底から搾り出すような涙を流したことも、
ふうわりと心の底から立ち昇るような芳しい微笑みを浮かべた事もない。

好きになったら迷わず口説き、嫌になったらすぐさよなら。
それで良いと思ってた

けど、あの子の心の底からの涙を見た後、
もう一度手の中を見たら俺はなんにも持ってない。そんな気がした。

496:横恋慕3(ケン爽陵辱)
08/12/18 02:11:22 UeqD900E
『俺、もうすぐ誕生日なんだよねー、貞子ちゃんからはなんもないの?』
こんな軽い冗談をあの子が真に受けるとは思わなかった。
…ほんとはちょっと期待していたのかもしれないけど。
律儀に彼女は用意してきた

「つまらないものですが…」

そんな事をいうもんだからつい苛めたくなった。

「あれ、『つまらないもの』をくれるんだー。
ひでーな、貞子ちゃん。俺たちお友達でしょー?」

案の定、貞子ちゃんは慌てだした。

「つまらないものっていっても、その、私はいいと思ったけど、
師匠はどう思うかわからないし…」

この子こんなに騙されやすくてこの先の人生は大丈夫なんだろうか。
俺は一抹の不安を覚えながらもおかしくて笑った。

「嘘嘘。貞子ちゃんが一生懸命つくってくれたんでしょ。ありがたく頂くよ。」

貞子ちゃんはしばらく固まった後、いきなり涙ぐんだ。

「ちょ、ちょっとどうしたの、なんか悪いこと言った?」

彼女は首を振って答えた。

「うれしいな、と思って。」
そして、いつも手作り怖いと言われてきたので…と続けた。

あー…確かに、この子を知る前の俺ならそう思ったかもなあと思う。
だってなんか呪われそうなんだもんな。

497:横恋慕4(ケン爽陵辱)
08/12/18 02:14:40 UeqD900E
でもこの子は普通の子だった。

ちょっとしたことで感動して、
バカがつくほど真面目で固くて、
不器用なだけのただの女の子だった。

「…いや、ほんと嬉しいよ。知ってる?
今や貞子ちゃんグッズは幸運を呼ぶお守りみたいに言われてるんだよ。」
「しゅ、」
「しゅ…?」
「出世した…!」
「…ぶふっ。出世って。」

噴出した俺に貞子ちゃんも釣られてふんわりと笑った。
-あ、あの笑顔だ。
蕾が一瞬だけ柔らかくほどけるような。

「…貞子ちゃん、よく笑うようになったね。」
「え、そ、そっかな。」

なんか喉がイガイガする。

「-風早のおかげ…とか?」

とたん面白いくらい赤くなる。
血の気の薄い蒼白い普段の顔色が、鮮やかに紅に染まった。

花…みたいだ。

「あのさ。-風早のどこがそんなにすきなの?」

今度は喉がひりひりしだした。風邪だろうか。
貞子ちゃんは真剣に考えてから、一つ一つ数えるように答えた。
「えーと、いつでも平等に接してくれて、優しくて、
ちゃんと、私を見てくれて…」

彼女は今度はもっと真っ赤になって俯いた。

498:横恋慕5(ケン爽陵辱)
08/12/18 02:19:36 UeqD900E
「…すきなとこがたくさんありすぎて、わかんない」

―あーなんか、胸まで痛くなってきた。
なんとなく吐き気までしてきたような気がする。

「じゃあ、何で好きになったの?きっかけは?」

少し考えて彼女は微笑みながら言った。

「さわこ、って呼んでくれた…から。
みんな私のこと『貞子』が本名だと思ってたのに、
風早君は私の名前知ってたんだよ。」

…何それ。

そんな風に、貞子ちゃん笑うの?
それは反則の笑顔じゃね?
俺、見た事ないんだけど。

「-何だよそれ。」

笑おうとして、笑えない。

「お、おかしい、かなあ。」
「うん。おかしいよ。」

おかしいよ。そんなの、先着順じゃん。

「でも、あの時、私の世界は変わったんだよ。
…いつも風早君は私の世界をかえるきっかけをくれるの。」

ねえ、だから貞子ちゃんずるいよ。
そんなに甘くていい匂いのする笑顔なんて
誰にも見せたことないじゃん。

誰にも。
俺にも。

499:横恋慕6(ケン爽陵辱)
08/12/18 02:23:57 UeqD900E
「…ずりーよなあ。そんなん。」

「ずるい?」
何が?ときょとんと彼女は首をかしげた。

「そんなん、早いもんがちじゃん。
俺だって貞子ちゃんと同じクラスなら知ってたっつーの。」

良い人…!さすが師匠…!とか呑気に君は感動しているけどさあ。
俺なんかすごくいきなり風邪が酷くなってきてんだけど。
泣きそうなぐらい苦しいんだけど。

「俺だって、貞子ちゃんと同じクラスだったら…-同じクラスだったら」
「?」
「―きっと貞子ちゃんの事構い倒してたよ。貞子ちゃん面白いし。」
「面白い…ですか?」

そ、そっかなーと照れながらもどっか嬉しそうな彼女から目線を逸らし
俺はそっとつめていた息を吐いた。

500:横恋慕7(ケン爽陵辱)
08/12/18 02:26:25 UeqD900E
俺、今なに言おうとしたんだろ。
思わず口元を覆う。

『爽子って呼んでくれたんだよ』

そんなん、俺だってそうしたよ。

『いつだって平等で、優しくて』

そんなん、下心があったからに決まってるよ。

『ちゃんと私のこと見てくれて』

…俺だって、絶対見てたよ。同じクラスだったら飽きるほど見てた。

『いつだって、私の世界が変えるきっかけをくれるの』

なんで、俺じゃないの?
ずるいよそんなの、俺だって貞子ちゃんに優しかったじゃん。

俺のが先に出会ってたら

出会ってたら…?

「-ごめん、ちょっと用事思い出した。俺帰るわ。」

気分でも悪くなったのかな、と心配そうな彼女がちらっと目に入ったけど
俺にはそれをフォローするだけの余裕はなかった。

501:横恋慕 一旦終わり
08/12/18 02:28:26 UeqD900E
今回はココまでです

502:名無しさん@ピンキー
08/12/18 14:38:01 rxTsl69x
GJ!GJ!!
お~次も楽しみ
待ってたかいがあった

503:名無しさん@ピンキー
08/12/18 17:31:21 d1nc7Jb+
続き待ってます

504:名無しさん@ピンキー
08/12/19 00:57:06 oiqby0en
期待!

505:名無しさん@ピンキー
08/12/19 02:08:06 Df/7HgOw
GJ
KENTいいっすねー
続き楽しみにしてます

506:横恋慕8(ケン爽陵辱)
08/12/20 19:34:46 a5qsD4d4
>>494-500 の続き

…やっぱりあんな去り方よくないよな。
少し落ち着くとそんな後悔が襲ってきた。

去り際に見せたあの子の心配そうな顔がちらついて、胸が苦しい。

あの子に一言フォローを入れたら早く帰って寝よ。
あの子が帰ってなきゃいいけど。
そう思いながらクラスに取って返すと、もう人は誰もいないようだった。

あーあの子も帰っちゃってたか。
じゃあ明日フォローを、と帰りかけたとき部屋の奥に人影が見えた。

長い髪にあの子だと気付く。
声をかけようとドアを開けようとした時、もう一人いるのに気付いた。

風早とあの子が話しているんだ。
そう気付いた瞬間手が止まった。
教室の引き戸を少しだけあけると二人の会話が聞こえた。

『なあ、黒沼。…俺のこと、好き?』

彼女は微笑みながら、うん、と頷いた。

『うん、じゃなくて…ちゃんと、言って?』

彼女はぽぅっと赤くなって困ったように笑った。

『言ってよ。聞きたいんだ。』

『う、うん…風早君、だいすき…。』

心臓がばくばくいってる。

507:横恋慕9(ケン爽陵辱)
08/12/20 19:40:33 a5qsD4d4
なんでだよ。なんで、なんであそこにいるのが俺じゃないわけ?
俺だって、貞子ちゃんに優しかったよ
俺だって浮いてるあの子をなじませてあげようと思ったよ
俺だって
俺だって君を可愛いと思ったんだよ…。

二人の会話は続いた。

『じゃあさ、-キス、してよ。』
『え、あの…こ、ここで…?』
『うん。』

戸惑った顔で躊躇う彼女に風早は続けた。

『…ほっぺで、いいから。』

少しの間の後 彼女がそっと背伸びして風早の頬に唇を寄せたのが見えた。
はぁ、と溜息が一つ漏れる。

知りたくない答えを眼前に突きつけられたら絶望するしかない。

恋心に気付いたとたん失恋ってアリ?

立ち去ろうとしたとき、風早の声が聞こえた。

『黒沼…髪、ちょっと上げて?』

反射的に覗き見ると
彼女は不思議そうな顔をしながらもしなやかな黒髪をひとまとめにして上にあげた。
漆黒の髪と目に痛いほどの白い首筋の対比が鮮やかでごくっと息を呑んでしまう。

風早はその首筋に唇を落とした。

『…あ…っ』

彼女は思わず出たと言う感じの甘い声に自分で驚いたのか頬を瞬間に染め
瞳をゆっくり伏せた。

『お返し。-俺のって印、ね』

508:横恋慕10(ケン爽陵辱)
08/12/20 19:49:21 a5qsD4d4
俺はそっと戸を離れて走りだした。
やばい。
あれは、やばい。

セックスしたことがないわけじゃないのに。
女ってあんなだっけ?
女って、-あんなやらしい顔をするもんだったのか?


その夜俺ははじめて夢で魘された。
夢の中まであの白い首筋と、甘い声が追ってきた。

寝苦しくて眼を覚ました時気が付いた。

そっか、あの子を抱けばいいんだ。

====================================

今回はここまでです。
ピーピングケントはとんでもない結論に達したようです


509:名無しさん@ピンキー
08/12/20 20:32:24 c2ZLVyqm
うわああああああああ
キュン死する

超GJ!!!

510:名無しさん@ピンキー
08/12/20 21:01:56 QsDoZG9w
キュン死ぬ・・・・

511:名無しさん@ピンキー
08/12/21 13:03:25 t38vwCv8
やばいよやばいよー
いいよいいよー

GJ!

512:名無しさん@ピンキー
08/12/23 16:10:27 ymJmCR6Q
職人さん待ちの呟き
本スレでちょっと前に爽子はエロイ説が出てたけど
あれは納得できる。しかもピンの指摘のとおり
マニアックな色気だと思う。高校生くらいでは触れたらダメだよあの色気はw
てか風早と爽子がくっついたら普通にエロエロバカップルになっても
おかしくないと思う。それくらい爽子はエロイ。
風早は寧ろよく耐えてると思う
爽やかの塊である風早やモラルの強い爽子が恋愛の持つ狂的な
エロティシズムに振り回され、いけないと思いつつ我慢しきれなく
なっていく姿はエロイと言わざるを得ない。いけないと思いつつってのがいい。
ていうか本誌では絶対無理だろうからせめてココでは見たいw

513:名無しさん@ピンキー
08/12/23 21:00:03 +iV9o4h+
>>512
うんうん、自分も思ってたよ~、あのピュア漫画でw
爽子の色気はすごいよね。
モラルの強さからもだけど、儚さからでる陰の色気も持ってるような気がする。

風早のちょっと異常なまでの爽子への執着とか独占欲はそこに起因してるようにすら思える。
誰かが爽子に触れるの異常に嫌がるし。

もちろん爽子の内面もすきなんだろうけど。

それにしてもみなさん文才ありますね。
いつもGJありがとう!

514:名無しさん@ピンキー
08/12/23 22:36:41 ymJmCR6Q
陰の色気…!そうそうまさにそれだ!
色気ってどこか陰があるのが一番エロイ

爽子のどこまでも健全で健気な魂が光とするなら
あの儚さと陰に起因する色気が影で
風早はそのギャップにやられてるとも思うよ
つかピンの言うとおりマニアックで渋いw趣味だ
親父趣味とも言えるw

千鶴が色気ないのは陰がないからだよなあ
でも書きようによっちゃ千鶴もエロくできそう
メスライオン捕食系みたいな色気w

515:名無しさん@ピンキー
08/12/24 01:04:58 A1atMPBF
だから、こんなに風爽に萌えるんだな
納得した

やのちんは、ねっとりテクニシャンだと思うのは私だけだろうか
ピン矢野とか読んでみたい
外堀からじわじわ確実に仕留めにかかる矢野、罠に思いっきりかかるピンw

516:名無しさん@ピンキー
08/12/24 22:12:09 E+ZybqtC
むしろ矢野ちんは可愛い人だと思うよ
冷静で物事よく見てて自分は周囲の人間より大人じゃないの
って思っちゃってるとこが可愛い。
馬鹿にしてたピンにそういうとこ付かれて動揺し陥としてやる…!
な矢野ちんが見たいw
自分の中では
爽子は一歩間違えば男を破滅に誘うがけっぷちヤバ色気
千鶴は無邪気な大型肉食獣っぽい野生の色気
矢野ちんは小悪魔なようでいて実は可愛いタイプ
くるみは素でどSクイーンwM男を呼び寄せるよ!
(彼女が風早とうまくいかなかったのはSとSだからだと思ってますw)

517:名無しさん@ピンキー
08/12/25 09:36:59 6/WwNa3W
>>516
それを文にして投下するんだ
さあ、さあ

個人的にはM男とくるみが見たいww

518:名無しさん@ピンキー
08/12/25 19:07:14 QQiOalS+
龍が他の誰かに恋する展開きてほしいなあ
最後は千鶴と同じように何らかの形で恋破れて千鶴のとこに戻ってきてほしい
若しくは千鶴が引き戻す展開でもいい
龍が誰かさんに恋焦がれている間、千鶴がイライラするのがみたいw

519:名無しさん@ピンキー
08/12/26 20:59:40 +7bt1tKf
職人さん帰ってこないかな…

520:名無しさん@ピンキー
08/12/26 21:31:22 3mk80Apa
まあ師走で忙しいからね。
保守しながら待ちましょ。
本編の性格上職人さんは女が多そうだし
そしたら情緒的なストーリー長めのもんが多くなるし
ひとまとめになるまで職人さんは投下を控えてるんだよ
以下雑談
全然話は違うし、嫌いな人にはごめんだけど
スクイズの言葉と爽子って立場とか清らかさとかにてるなーとか
なんとなく思った。
まあ爽子がnice boatするとは思えないけどw

521:名無しさん@ピンキー
08/12/26 22:18:26 SX16cw0+
爽子は無意識のうちに色気をだしてそう。
果たして風早は、密室でふたりきりになったときとか我慢できるのか…?

522:名無しさん@ピンキー
08/12/26 22:26:22 DOv3uJtW
>518
龍が千鶴以外に惚れる展開が想像しにくいかなあ。
実際に【千鶴ひとすじ】って言ってるからね。
千鶴が龍のことを好きだと自覚してないからなおさら。
ここに投下されてた、龍にラブレターが来たと思い込んで
一人であわあわする千鶴が私のイメージっぽい。

523:名無しさん@ピンキー
08/12/26 23:34:06 z14gl8d/
自分は文章書くの苦手なもんで、申し訳ないけど職人さん待ち…

でも516さんな色気分析?もおもしろいねーw

爽子エロスに納得。
言動は天然で幼さもあるけど、きれいな心と芯の強さから醸し出す色気と、
脆く儚い色気両方兼ね備えてる。

風早は我慢できないと思うw 付き合いだせば、案外すぐに一応手だけは出しそうw
爽子が応えられるかはまた揉めそうだけどww

524:名無しさん@ピンキー
08/12/26 23:53:50 gpHP0OuT
爽子は天然だけど馬鹿じゃないから色気があるんだと思う。ちゃんと考えて悩める子だし、単純そうでダメなものははっきり言えるし。
そういう奥深さ(?)が色気として表れてるような気がする。

なんだか本誌で黒風降臨してからエロ妄想がスムーズになったし、職人さんもエロをたくさん書いてくれるようになって嬉しいw
切ない展開だったけど黒風はとっても好きだなー

525:名無しさん@ピンキー
08/12/27 14:03:22 zthrGp5r
爽子にキスした上にあまりの可愛さに思わず胸も揉んでしまって、
顔を真っ赤にして慌てるスケベ風早がみたい。

526:名無しさん@ピンキー
08/12/27 16:35:50 DXFFPrR2
職人さん待ってます!

527:横恋慕11(ケン爽陵辱)
08/12/27 18:06:20 oZmGIdqo
526タンの召還に答えたわけじゃないからねっ勘違いしないでよねっ

今から出かけるのでこんな中途半端な時間に間違ったツンデレキャラにて投下>>494-500 >>506-508の続き
ケン爽陵辱っぽい カプ注意
前回まではケントが爽子のエロ気にやられ…いや恋に落ちるまでだったので
ケント視点でしたが、今回より普通視点となります。(微妙にケント寄り視点かも)

=======================================
翌日寝不足のまま三浦が学校に行くと、
爽子が何やら可愛い小袋を千鶴やあやね、
そしてほしいと言った隣席周囲の人間にまで配っていた。
千鶴が早速あけて美味しそうに食べているものをみれば
どうやら手作りのチョコレート菓子らしい。

「どうしたのいきなり」

爽子はぽっと赤くなりながら嬉しそうに言った。

「師匠が、ああ言ってくれたから…」
「ああって?」
「手作りのものが喜ばれてるって…。よかったら、その師匠の分もあるので…」

爽子は三浦にもそう言って小袋を渡した。

528:横恋慕12(ケン爽陵辱)
08/12/27 18:12:43 oZmGIdqo
三浦がそれをぼんやりと礼を言って受け取ると爽子がおや?という顔をする。

「どうかした?」

いつも無駄にハイテンションな三浦がぼんやりと返事した事と
昨日の三浦の去り際とが爽子の中で結びつく

「あの、もしや体調でも…」

三浦は手を振って否定しようとして、途中で言葉を止めた。

「いや、なんともな…」

いきなり言葉を止めた三浦に爽子は心配そうに顔を向けた

「…実はさ、悩み事があってさあ。よく眠れないんだよね。」
「悩み事…!」
「―貞子ちゃんに相談に乗ってもらえたら助かるんだけどな。」

爽子は一瞬固まり、次の瞬間勢い込んで首を立てに振った。
「わ、私にそんな大役が務まるかどうかわからないけど、私でよければ…!」



ああ、そういえば人の役に立つのを至上の悦びとしてる子だっけな。
三浦はくすりと笑いながら待ち合わせに指定した場所で思う。
ここはめったに人が来る事のないカップル逢引の穴場で三浦もよく利用した場所だった。

そんな子につけこんじゃって、普通に悪人だよなあ俺。

三浦は自嘲的に暗く笑った。

529:横恋慕13(ケン爽陵辱)
08/12/27 18:15:44 oZmGIdqo
良心はまだやめろとちゃんと疼き続けてくれるのだけど、
じゃあ諦めるのかと問いかけるといきなりその訴えは黙り込む。

あの甘く芳しい微笑みも、くらくらするような甘い声も、
ふるりと忍び込んでくるようなエロい顔も全部隠してた貞子ちゃんが悪いんだよ。

三浦が考えているうちに待ち人が慌てたようにやってきた。

「す、すみません待たせてしまって…!」
「いや俺が早く来すぎてたんだよ」

どんだけ逸ってんだよ俺。

三浦は内心の苦笑を抑えた。

「あの、それで相談とは」
「あ、ちょっと人に聴かれたくはないから…」

あ、そうだよね、悩み事だもんね、と爽子は神妙な顔で
三浦に導かれるまま資材庫の扉の内側に入った。

酷いよね貞子ちゃん。
その無防備さは死ぬほど残酷。
自分がきれいだからって人もそうだなんて思っちゃダメだよ。

三浦は爽子に気付かれないようにかちゃりと鍵を閉めた。

530:横恋慕14(ケン爽陵辱)
08/12/27 18:21:54 oZmGIdqo
「あの、これ良かったら」

爽子は水筒からこぽこぽと温かい飲み物をコップに注ぎ三浦に手渡した。

「…なにこれ。」
「ハーブのお茶です…。精神安定などに効用がありますので…」

緊迫感の欠片もないとぼけた言葉に、ああ、そう…などと生返事をしながら
口にそれを含む。

「…あ、いい匂い。」

三浦が思わず洩らした言葉に、爽子は嬉しそうに笑った。
普段固い表情の多い爽子の笑みは蕾がほろりと解けるような感じがする。
三浦は無意識にぎゅうっと胸を抑えた

「あの、やっぱり具合が…?」
「…どこも悪くないって。」
「あ、あのじゃあそのお茶が口にあわなかったのかな…」

ハーブって好き嫌いわかれるもんね…やはり緑茶にすべきだった…などと
ぶつぶつ呟いている爽子に三浦は言った。

「いや、うまいよ。…これもうまいし。」
そう言って三浦はさっき爽子がくれたチョコレートを取り出し、
ひとつ口に放り込んだ。
嬉しそうに頬がぱぁっと紅潮する爽子に三浦は続けた。

「うん、ほんとにうまいよ。-味見してみる?」

「いや十分に味見は…」

爽子の言葉は途中で遮られ、そして飲み込まれた。


次ページ
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch