08/09/10 21:12:56 L22PS0l4
「おにーさまぁ、大丈夫ですか!?」
騒ぎを聞きつけて、エリーがやってきた。かわいいかわいい妹とラブラブしとけばいーんだ。ふんっ。私には関係ないもん。
夢だって、単なる偶然よ偶然!!
ふと、机に置かれた消しゴムに目が留まった。そういえば、なんで桂木はコレが私の消しゴムだって分かったんだろう?
名前書いてないし、私の席はあいつの斜め後ろだからどこから飛んできたか見えないだろうし。
「うーん、喧嘩するほど仲が良いってか。」
「何気に一発で歩美の持ち物だって見抜いてたしねー。」
いつのまにか現れた京といづみが好き勝手なこといってるっ!
「そもそもオタメガが他人に声かける事自体珍しいよね。」
「そうそう。エリーと歩美くらいだよ、オタメガとまともに話してるのは。」
「歩美だって最近掃除時間の前、生き生きした顔してるしねー。」
…けど当たってる。あいつと話してると、なんでかわかんないけど、楽しいんだ。
だけど私の場合は掃除場所が一緒だから話す機会があるってだけで…。
なんて考えてたら、京がにっこり笑ってささやいた。
「歩美、うっかりしてるとエリーにオタメガとられちゃうぞ!
とりあえず、消しゴムのお礼とお詫びくらい、きちんとしてきたら?このままじゃ気まずいでしょ。」
…エリーに取られちゃうってのはおいといて。
「うん、掃除の前に謝っとく…。」
そうだよね、わざわざ私の席まで消しゴムもって来てくれたんだから。お礼言う前に怒っちゃったのはまずかったな。
どうやって謝ろう、なんて思いながら斜め前をみたら、桂木と目が合ってしまった。
とっさに目をそらす、なのに、あっという間に顔が真っ赤。自分でも嫌になる。
一部始終を見ていた京といづみが、ニヤニヤしながら顔を近づけてきた。
あーあ、しばらくはこの話題ばっかりなんだろうな…。うんざりして、でも嬉しい気持ちもあって。
面白半分で茶化してるようで、実は結構真剣に相談に乗ってくれるんだよね。
私は、夢のこと、この二人にだったら話してもいいかな、なんて思い始めていた。