08/04/27 04:53:14 ZZkE8C1r
断続的にエルシィの口に流し込んでいく。なんだか、普段より量が多い。
それが当然のように、わかりやすく口の端から雫を少量こぼしながら、嚥下を始めた。
吸われる感覚に、ボクは払いのけられもしない。腰ごと飲み込まれていくようだ。
喉の動きが一息つくとそのまま舌先が絡みつく感触が腰から上った。
精液に汚れたそれや周辺を清めていく。
止めていた息が、かすれたような声を引き連れてボクの口から漏れた。
その声に反応するように、視線だけを一度寄越し、笑顔を残してまた清掃に取り掛かる。
近くにあった眼鏡をとり、腰の感触に耐えながら、あらためて観察した。
見た目は変わっていない。しかし、やはりおかしい。普段のこいつとは違いすぎる。
「……ふぁ。神様、綺麗にしました」
そう言ってボクを眺める視線も表情も、淫蕩、という表現が似合う。
と、顔色が変わる。瞳の光が変わる。溶けていた顔が、緊張が解けているいつもの顔へと
変化していく。
そして、ボクの顔をまじまじと見た後、自分がまだ握っているものにはじめて気づいたように
近所迷惑に悲鳴をあげた。
「は、はわああああああああああっ!」
予想通り逃げ出した。
距離を取ろうとして壁にぶつかり、ドアにぶつかり、ドタバタと騒いだ上で
ベッドの上でボクに背を向けてがたがた震えだした。
なんというか、わかりやすい。
まだ半萎えだったが、ズボンの中に押し込んで、立ち上がる。
その音にびくっと全身を振るわせた悪魔女はボクに背を向けたまま、すごい勢いでヘッドバンクさせた。
「ごめんなさいごめんなさい神様ごめんなさいごめんなさいごめんなさい神様ごめんなさいーーっ!」
……
どういう状況かは読み込めてはいた。おそらくは、何かのトリガーで性格が変わったとかいうところだろう。
ジキルとハイドか、麻疹によるものか、セイカクハンテンダケか。
こいつが取り乱してくれたおかげで自分を取り戻せた。
さて、どうするか。このまま黙って自分の部屋へ戻るのがいいか、話を聞いておくほうがいいか。
ボクの世界なら後者だが、現実だから、前者を選んだって問題はない。
これでこいつとの縁が切れるならありがたいというものだ。
……ふん、しかし、とりあえずは原因を知っておくほうが論理的だろう。
「おい」
「はいっ、ごめんなさいごめんなさいすいませんすいませんっ!」
「謝るのはもういい。それにいいかげんこっちを向け」
頭を下げた形のまま身体をぐるぐる回転してこっちに方向転換した。
もちろん顔は見えない。
「まず、理由を聞かせろ。いつものお前じゃないことくらいはわかってる」
「……あの、神様、怒ってないのでしょうか」
「怒ってるよ!」
またぺこぺこと頭を下げ始めた。まったく面倒だ。こっちは理由を聞かせろと言っているのに。