08/04/24 09:03:45 pmDNC4oT
「……で、どれがよかったんだ?」
「は、はあ、ええと、その……」
「お前の印象でいい。少しはあっただろ?」
「ぜ、全部です」
「全部?」
「はい、全部、よかったです」
「全部じゃ聞かせた意味がないだろ!」
丸めた紙で頭をはたく。
「どれだ、どれがよかった? ちょっとは違いがあるだろう」
「そ、そう言われても……」
「……しかたない、続きは家に帰ってからだ」
「えっ、もっとですか?」
家に帰ると、母さんはいなかった。
ご飯だけは用意されていたから、ストレス発散のためにバイクにでも乗ってるのか。
エルシィという悪魔兼設定上の妹と、二人で食事を取る。
さっきからちらちらとこっちを見てくるのはなんだ。
ボクは、青山美生に潜んだ駆け魂を狩るために、告白の台詞を選択していると
いうのにこいつは少しも役に立たない。
お風呂の後(もちろん入ってこないように厳重にいいつけた)、こいつのために
母さんが整えた部屋で向かい合う。
もちろんボクの部屋になど入られては困るからだ。
「……おい、真面目に考えてるんだろうな」
「うう、ごめんなさい」
まるで決まりやしない。いつまでも赤くなったりあわあわしたりして、
いいかげん慣れろ。
「次が最後だが……あんまり直球過ぎる気もするな。あのタイプには
それがいいのかもしれないが」
流石に疲れた。眼鏡を置いて手のひらを顔に乗せる。
じんわりと熱が顔に浸透する。
ぼんやりと見えるヤツはあいもかわらず顔が赤い。いつ慣れるんだ、いったい。
しょうがない、これが終わったらボクが勝手に決めてしまおう。
「おい」
「……」
「おいってば」
「へへへ……」
あまり良く見えないが、あいかわらずニヤニヤしている。
しょうがない、名前を呼ぶところからはじめるか。
「……エルシィ」
「えっ! は、はい、なんでしょう、神様……!?」
ボクの顔を見つめて驚いた顔をする。ああ、眼鏡をかけるのを忘れたな。
まぁ、いい。やっと集中できたみたいだからな。
「好きだ。付き合ってくれ」