ダレン・シャンでエロパロat EROPARO
ダレン・シャンでエロパロ - 暇つぶし2ch83:名無しさん@ピンキー
08/10/15 00:44:10 An5uYUuv
オリオン・ザ・バトル神

84:名無しさん@ピンキー
08/10/20 22:46:25 b0X1EHUo
おお

85:名無しさん@ピンキー
08/10/21 22:17:31 5Qkj3WwC
ほしゅ

86:名無しさん@ピンキー
08/11/06 01:10:53 W97pHmoW
過疎

87:名無しさん@ピンキー
08/11/08 14:42:01 wZks3Cbb
皿屋敷の街周辺に、奇妙な光景が広がっていた。
街の路地のあちこちに、青いフードをすっぽりとかぶった小男たちが(頭の先からつま先まで青いローブに覆われているため、
彼らの本来の性別はわからないが、ここでは便宜的に小男と表現しておこう)徘徊し、何やらチラシを道行く人々に配っている。
 学校帰りのなつきもその小男達と出くわした。

 …こいつら、人間じゃないわ。

 類稀なる精霊使い(エレメンタラー)の素質を持つなつきは、彼らの姿を一目見るなり、そう判断した。
小男達の身長は高くても120センチほど。子供の背丈くらいしかない。
しかし、なつきに彼らが人あらざる者であると判断させた要因は、身長とは別のところにあった。

 彼らからは妖怪特有の気、妖気は感じられなかったので、妖怪ではないことは明らかだ。
だが、どうにも彼らの纏っている雰囲気が作り物めいていてぎこちない。
生きている木偶人形、とでも言ったらいいのだろうか?魂と体の質が合っていない、となつきは感じていた。
誰かに強制的にこの小男の肉体に魂を閉じ込められて、動かされている、と。

 なつきの前に、一人の小男がやって来た。
他の者と同じようにすっぽりと青いローブを被ってはいたが、その小男は左足を少し引きずっていた。
なつきは警戒しながら、磨かれた赤瑪瑙のような美しい瞳を小男に向けた。

 小男はおもむろに、なつきにもチラシを差し出した。

「……。」

小男がチラシを自分に差し出したまま、動かないのを見たなつきは、
これは自分にチラシを受け取れというサインだろうと思い、仕方なくそれを受け取った。


88:名無しさん@ピンキー
08/11/08 14:54:54 wZks3Cbb
チラシの表面にはこう書かれていた。


シルク・ド・フリーク

一週間の限定公演!!

演目

狼人間ウルフマン
蛇少年スネークボーイ
肋骨男アレクサンダー・リブス
ひげ女トラスカ
再生人間コーマック・リムズ
ラーテン・クレプスリーと曲芸蜘蛛マダム・オクタ

臆病なお客様お断り!
入場につき、一部条件あり!


「これは…フリーク・ショー!異形の者達を見世物にするショーだわ…!」

 チラシの文面を見たなつきは、思わず忌々しげにそう呟いた。
 
なつきはこれまで、霊界の依頼で普通の人間がけして知ることはできぬ、闇の世界を戦い、渡り歩いてきた。
邪悪な妖怪とも数多く戦ってきたが、時にはそれにも増しておぞましい人間の業も見てきた。
妖怪を自らの玩具や奴隷、慰み者としてさんざん弄んだ挙句、殺害する良心の欠片もない人間…。
最近の例では、なつきの最愛の人蔵馬を暗黒武術会へと招いたブラック・ブラック・クラブの人間たちが挙げられる。
このチラシのサーカスも、そのような人間が主催しているとしたら、なつきとしては黙ってはいられない。
弱き者が強き者に好き勝手蹂躙されていいという法はないのだ。


89:名無しさん@ピンキー
08/11/08 14:58:47 wZks3Cbb
「ねえ、ちょっと、あなた…。」

自分にチラシを渡した小男に、なつきは質問しようとしたが、
小男はすでに左足を引きずりながら彼女から遠ざかり、次の人間にチラシを配っていた。
少なくとも小男たちからは、人間に対する悪意は感じられない。
この人目に付く路地で、なつきの能力を使って小男たちに無理やりショーについて口を割らせるというバカな真似もできないだろう。
ショーの実態を知るためには、まずは実際に見にいくしかない、となつきは考え、チケットについて書かれた部分に目を通した。


90:名無しさん@ピンキー
08/11/08 15:02:09 wZks3Cbb
その日の夜。辺りが闇にすっかり包まれた時間帯に、なつきは蔵馬と共に、チラシに書かれていたチケット売り場へと急いだ。
チケットをお求めの際には、チラシを忘れずに、という記述があったために、なつきの手にはしっかりとチラシが握られている。
「もし…このサーカスが私の思っていた通り、汚いものだったとしたら、主催者をシメてやらなきゃね。」

好戦的な笑顔でそう呟くなつきを蔵馬はふう、とため息をつきながら、ややもすると呆れているような微笑で見つめた。

「なつきは相変わらず正義感が強いんだね。」
「蔵馬は平気なの?あなたと同じ妖怪が見世物にされてても?」
自分よりも背が高い蔵馬をしっかりと見上げて、なつきは聞いた。
なつきの瞳には、非道を許さない、という強い意志が見て取れた。
蔵馬がなつきに惹かれたのはこの美しくも強い瞳にある。
「全然平気、とは言えませんね。やっぱり。」
すっと蔵馬の目が細められた。
かつては魔界で冷酷非道な妖怪盗賊・妖狐蔵馬として名を馳せていた彼も、
人間界で暮らす内に、他者の痛みを分かち合うという情を、母の志保里、そしてなつきから教えられた。
自分の邪欲を満たすために他者を平気で犠牲にできる者を見ると、やはりいい気はしない。


91:名無しさん@ピンキー
08/11/08 15:06:58 wZks3Cbb
そうこうしているうちに、チケット売り場が見えて来た。
売り場は繁華街から少し外れた寂れた路地に立てられた、急ごしらえの小さな小屋だった。
そこに、なつきが昼間見た(と言っても、同一人物かどうかはわからないが)青いローブの小男がいた。
なつきはチラシを小屋の中にいる小男に見せながら、
「チケットを2枚頂戴。一枚2700円だったわね。」
と言った。
蔵馬は財布を取り出し、中からチケット2枚分の代金5400円を取り出し、青いローブの小男に渡した。
小男はなつきからチラシを無愛想にむしり取り、そして蔵馬が出した金を勘定し、
間違いないとわかると、無言で、すっと2枚のチケットを売り場テーブルに滑らせるようにして出した。
それきり小男は、なつきと蔵馬と目も合わせようとはしなかった。
「…チケット、どうもありがとうございます。」
蔵馬は売り場テーブルのチケットを受け取り、
「なつき、行こう。」
と路地を引き返し始めた。

シルク・ド・フリークの講演期間はわずか来週の月曜日から一週間。
今日は一週間の終わりの土曜日だから、最初の公演は明後日ということになる。
「最初の公演は月曜日の夜11時からだから…蔵馬、何時に待ち合わせする?」
チケットに記載された公演時間と場所を見ながら尋ねたなつきに対し、
「迎えに行きますよ。なつきを一人きりで夜道を歩かせたり、待たせたりできるわけないでしょう?」
なつきに顔を近づけ、にっこりと笑いながら蔵馬は言う。なつきもくすっと笑う。
「あら、ありがとう。それじゃ、家で待ってるから、ちゃんと会場までエスコートしてね?」
「ええ。俺の大事なお姫様。」
蔵馬は胸に手を当て、まるで騎士が主人たる姫君にそうするように、恭しくなつきに大して頭を垂れた。


92:名無しさん@ピンキー
08/11/08 15:21:40 wZks3Cbb
脅威のフリーク集団、シルク・ド・フリークの一行は皿屋敷の街の外れにある廃材置き場にテントを張っていた。
本来なら人権や道義上の問題があり、大抵の国で禁止されているフリークショーを開くにはここがうってつけの場所であった。
今の時間はもうすぐ日付が変わろうとしている時刻。大抵の子供なら眠っているだろう。だがここに、眠らない子供が一人いた。
「日本かぁ。僕、一度来てみたかったんだよね。東洋の神秘!キモノにゲイシャ、フジヤマ!!」
漆黒の夜空を見上げながら、黒髪の少年はきらきらと目を輝かせながらそう言った。少年の背後からうむ、と重々しく頷く声が聞こえた。
「この日本はかつてマルコ・ポーロが黄金の国、と表現したほど様々な事物と独自の文化に恵まれた国だからな。
我が輩も長いこと生きてはいるが、日本に来たのは今回が初めてだ。」
その低く太い声の主は、オレンジ色の髪を持つ、背の高いやせこけた男だった。
青白い顔のその左頬には、縦に長い傷跡が見える。
「だがな、ダレン。のんびりと観光に洒落込むわけにはいかんのだぞ。
我が輩たちはここに、フリーク・ショーを見せに来たのだ。
今回の日本公演では、よじれ双子のシーブとシーサ、手男ハンス・ハンズ、
歯女ガーサ・ティースに、世界一の太っちょ男ラムス・ツーベリーズと言った、
我がシルク・ド・フリークの花形スターが休暇や何やらで欠けておる。
その穴を、残された我が輩たちが埋めねばならないのだぞ。」
ダレンと呼ばれた少年は、ぷっと不服そうに頬を膨らませ、
その素直な青い色の瞳に反抗の意思を宿して、男に口答えした。
「わかってるよ。でも、ショーは月曜からなんだし、明日とか、
ショーの始まる前の休憩時間とかにちょっと出歩くくらいなら、いいだろ?」
クレプスリーという名の男はこめかみを片手で押さえながら、やれやれとため息を付いた。
「お前の好奇心の強さにはいささか閉口する。また厄介事を起こされるのは御免だぞ。」
「わかってるったら!!」
そこへ、ダレンは遠くに左足を引きずった青いローブの小男、
彼らがリトルピープルと呼んでいる謎の人物の一人が、キャンプ地をうろついているのを見つけた。
「おーい、レフティ。」
ダレンは遠くのレフティに呼びかけた。
「今日のチラシ配り、お疲れ様。どう?僕達のショーに興味を持ってくれた人はいた?」
リトルピープルはこれまで、ただの一度も口を開いた験しがない。
だからダレンも彼がレフティと呼ぶリトルピープルからの返事は期待していなかった。
だが、この時レフティは立ち止まってじっとダレンを見つめていた。
かすかにその頭が縦に動いたような気がしたが、その後すぐにレフティは左足を引きずり、歩き去ってしまった。
「日本見物もショーに支障が出ない範囲なら、まあ許すが・・・。
だがダレン、明日あたりそろそろ狩りに行くからな、それを覚えておけ。」
クレプスリーのその言葉に対し、
「…うん。わかったよ。」
ダレンは心もち表情を引き締めて返答した。

93:名無しさん@ピンキー
08/11/08 15:28:18 wZks3Cbb
日曜日の朝は秋らしく澄みきった空が広がっていた。なつきと蔵馬は霊光波動拳の大家、幻海の寺にいた。
幻海の寺には、人間界と魔界との間の結界が撤去された今、たくさんの妖怪が居候している。
彼らにボランティアで人間界について、二人は様々なことを教えていたのだった。
「いつもすまないねえ。」
客間で幻海はなつきと蔵馬にお茶を出しながら礼を言った。
「いいえ。私達が好きでやっていることですから。
これからの魔界と人間界のために必要なことだと思いますし。」
そう言ってなつきはにっこりと笑った。
「彼らは魔界からの留学生みたいなものですから、
しっかりと人間界に馴染めるように誰かがきちんとサポートしてあげなくてはなりません。」
蔵馬もなつきの発言に同意し、出されたお茶をほんの一口啜る。
「おお、留学生って言葉で思い出したんだけどねえ…。」
茶道具を片付けていた手を止め、幻海が言った。
「来週の水曜日に、外国からの修学旅行生がうちの寺を見学しに来ることになったんだよ。」
「師範のこのお寺を?」
なつきは赤瑪瑙色の瞳を見開き、幻海に尋ねた。
「うちの寺は結構古いからねえ。だから外国の連中にとっては珍しい物もたくさんあるらしい。
こっちは特に断る理由もないから、見学を許したんだけどね。」
「今の時代は修学旅行も海外に行く時代になったんですね。
盟王高校はいまだ定番の京都なのに。」
「聖ソフィアもまだ国内よ~。場所は異国情緒溢れる長崎なんだけどね。
海外に行ってる学校が羨ましいなあ。」
海外からやって来る修学旅行生達に、幻海のこの寺はどう映るのだろう?
なつきと蔵馬はそう思っていた。
だが、これからやって来るその修学旅行生の一人が、特になつきに対して、
後に面倒事を起こすということを、この時二人はまだ知ることができなかった。

「明日は夜の10時に迎えに行くから、よろしくね、なつき。」
蔵馬はなつきにそう約束し、幻海の寺のある山を下った二人はその日は別れて帰宅した。
ショーの会場となっているのは街からかなり外れた所にある廃材置き場だ。
早めに行くに越したことはないだろう。

94:名無しさん@ピンキー
08/11/08 15:33:31 wZks3Cbb
自宅に戻ったなつきは部屋の掃除や何やらの雑事をこなしているうちに、あっと言う間に日が暮れ、夜になってしまった。
なつきの力を使えば全自動で部屋中の掃除はできるし、洗濯物だって一瞬で乾くが、それではやはり味気ない。
特に急ぎではない時は、自分できちんと体を動かしてこそ意義がある、となつきは考えている。

ちょっと遅くなってしまったけれど…夕飯の材料を買いに行こう。

なつきはテーブルの上に置いてあった財布を手に取ると、玄関を開けて外へと出かけた。
秋の日はつるべ落とし、とはよく言ったものだ。時刻は夜の7時。
けして遅い時間帯ではないが、外はもう真っ暗であった。
近場のスーパーマーケットまでは歩いて10分。ほぼ道路をまっすぐに直進すればいいだけだ。
いつもと変わらない見慣れた道であったが、その時、なつきの視界の端に、赤いものがチラリと横切ったような気がした。
気になって、赤いものがよぎった方向に視線をやる。
常人なら闇に溶けていくその姿に気がつかなかっただろう。
だがなつきはいくつもの厳しい戦いを勝ち抜いてきた精霊使い。
およそ人間のスピードとは考えらない速さで細い路地の向こうへと去っていく赤い影をしっかりと捉えていた。
コンマ一秒以下で、なつきはそれを追う判断を下した。
赤い影は住宅街へと続く路地を突き進んだ。
なつきもその影に気付かれないように、尚且つ山猫のように素早く駆け抜けながらそれを追った。
しばらくして影は住宅街の広い通りで立ち止まった。
ぼやけた赤い影にしか見えなかったものの姿が、お陰ではっきりと見えるようになった。
影の正体は臙脂色の今時古風な形の外套をまとった長身の男だった。
外套の下の服装は黒い燕尾服のようだったが、尾の部分はまるで蝙蝠の翼を模したようにギザギザとした形をしている。
さらに中には白いシャツを着ていて、そのシャツのラッパ水仙のように派手に開いた形をした袖が、燕尾服の足や手の裾から大きく出ている。
まるで何かのステージ衣装のようだ。だが足元はラフなサンダルを履いていて、とても奇妙な感じがする。
そして男はオレンジ色の髪をしっかりと後ろに撫で付けて整えている。
青白いその顔には獲物を狙う狼のような鋭い瞳が2つと、左頬に縦に走った目立つ傷跡が見られた。
なつきは広い通りには出ずに、男に見つからないように路地の壁に身を隠した。
「こんなに早い時間に狩りをするなんて、珍しいね。」
明らかに臙脂色の外套の男のものではない、年若い少年の声がした。
男の外套の陰から年の頃12,3歳の少年が姿を現した。
声はこの少年のものらしい。黒い髪に透き通るような青い瞳が印象的だ。
少年は淡い緑のシャツに青の地に金の縁取りが入ったジャケットを羽織り、紫のズボンの腰の部分に赤い布を巻きつけ、
さらに履いている靴の先はくるりと上を向いて沿っている。
一言で言うならまるで海賊のような格好をしている。
「まあな。だが、いついかなる時間帯でもしっかりと狩りをできるようでなければ、一人前にはなれんぞ。」
自分よりも遥かに身長が低い少年を見下ろしながら、男は諭すような口調で言った。
「はいはい。」
少年は聞き飽きたよ、とでも言いたげな眼差しで男を見上げた。
それを受けて男はフンッと鼻を鳴らして薄く笑みを浮かべ、広い通りの遥か向こうを見つめた。
「そろそろ、良さそうなのが来るぞ…。」
男の鋭い目がすっと細められた。


95:名無しさん@ピンキー
08/11/08 15:38:09 wZks3Cbb
広い通りを男と少年、そしてなつきの方へと登ってくる者がいた。
終業時間の午後5時にすぐに会社から出て、酒場で一杯やって来たのであろうサラリーマンであった。まだ宵の口にも関わらず、足元がおぼつかない。
ふらふらと千鳥足でこちらに向かって来る。
そんな酔っ払った男も、自分にじっと注がれている臙脂色の外套の男と海賊の格好をした少年の異様な視線に気付き、顔を上げた。

その時-
臙脂色の外套の男が矢のように酔っ払った男へ向かって突進した。
あっと言う間に男の懐に潜り込むと、その骨ばった手を男の口と鼻に当ててぐいと強引に上を向かせる。
ほんの数秒で男は意識を失い、がくんと膝を付いてしまった。
臙脂色の外套の男は自分が気絶させた人物を重力に任せるままに落下はさせず、彼を丁重に電信柱に寄りかからせて座らせた。
そして男は酔っ払いのシャツの手首部分のボタンを外すと、裾を捲り上げて腕をむき出しにした。
何かを探るように酔っ払いの腕を撫でた後、肘の内側の肉の柔らかい部分に爪を立てて、そのまますっと横にその爪を滑らせた。
酔っ払いの肘からじわりと赤い血が滲んだ。臙脂色の外套の男はその赤い血に唇を近づけていった。

「そこで何をしているの!?」
威厳のある凛とした声と共に、なつきは隠れていた路地の壁から飛び出した。
酔っ払いと臙脂色の外套の男の方を見つめていた少年がばっとなつきの方を振り返った。
「クレプスリー!!」
驚きと戸惑いが入り混じった声で、いたずらがばれた時の子供のように慌てた視線を男に向ける。
男もはっとした様子で酔っ払いの腕から顔を離したが、すぐに元の老獪な表情へと戻り、
厳しい眼差しをなつきに向けながら少年に言った。
「落ち着け、ダレン。」

臙脂色の外套の男の眼差しは眼光鋭く、見る者すべてを竦ませるような威圧感を持っていた。
左頬の長い傷跡と相俟ってかなりの迫力があり、並の人間ならすっかり怯えて早々に退散してしまうだろう。
だがなつきは少しも気圧されることなく、咎を許さぬ赤瑪瑙の瞳で男の瞳を見つめ返した。数秒間2人のにらみ合いが続いたところで、男の方が先に口を開いた。

「なるほど。これはかなり強敵のようだ。ダレン、そこを動くな。手出しは無用だ。我が輩に任せておけ。」

わずかな時間見つめあっただけで、臙脂色の外套の男は、なつきがただ者ではないことを見抜いたようだ。
男は酔っ払いから手を離すとすっくと立ち上がり、つかつかと歩み出て少年を庇うように彼の前に立った。
なつきとの距離は2メートルほどだろうか。


96:名無しさん@ピンキー
08/11/08 15:42:29 wZks3Cbb
「我々はバンパイアだ。この男から血を少し頂こうとしていたところだが…何か文句がおありかな?美しいお嬢さん?」
なつきに対する言葉遣いこそ丁寧であったが、少しも親しみやすさがこもっていない口調で、男は問いかけてきた。
「バンパイア…ですって…?」
なつきはいつでも戦闘に移行できる態勢のまま、目の前の2人の気の状態を探ってみた。
この2人からは先日出会った青ローブの小男たちと同じく、妖怪特有の妖気はまったく感じられない。
妖怪には人間の血を主な食料とする種族は少なからず存在するが、目の前の二人はそれらに該当しないことは確かだった。
となると、なつきが知る範囲で彼らの正体と推察できるものは、唯一つしかなかった。

「ひょっとしてあなたたち…人類の亜種としての、バンパイア一族の方かしら?」
なつきの言葉に対して少年は派手にはっと息を飲み、男の方は少年ほどのリアクションは見せなかったものの、わずかに目を見開いた。
「ほう。我が輩たちの一族のことを知っておるのか。」
男は視線をほんの少しだけ下に落とした。が、次の瞬間再びきっと顔を上げ、さらに先ほどより厳しい目をなつきに向け、言った。
「ということはお嬢さん、君はバンパイアハンターか何かということになるのかね!?」
怒号というわけではないが、静かな怒りが潜んだ低い声に加え、胸の前に出されたその骨ばった長い5本の指には、力がこもった鋭い爪が付いていて、自らの方を向いている。
一般人が見たらすぐにでも逃げ出す、恐ろしい凄みのある光景だったろう。
臙脂色の外套の男は明らかになつきを警戒し、何かあったらすぐにでも戦えるような態勢になっていた。

「違うわ。私は精霊使いなの。
だから、普通の人間の目に触れない世界についてはちょっと詳しいわ。
あなたたちが人類の亜種のバンパイア一族なら、危害を加えるつもりはない。安心して。」
なつきは精霊使いである証拠、とでも言うように、片手を上げて掌の上に青真珠色の水気を湛えた光球を出現させた。
それを見た男はようやく安心したようで、力を込めていた手をふっと緩めて脇に下ろすと、深々と頭を下げた。
「これは失礼。何分、我が輩たちの一族のことを知っている人間には、ろくなことをしない連中が多いもので。
精霊使いは数少ない我が輩たちの理解者だというのに、無礼な真似をしてしまったことを許してほしい。」
「いえ。あなたたちの苦難に満ちた歴史を考えれば、いきなり見ず知らずの人間に正体を見破られたとしたら、
警戒するのは当然だわ。こちらこそ、失礼したわ。ごめんなさい。」
手に出現させた光球を消し、なつきも言った。


97:名無しさん@ピンキー
08/11/14 14:21:55 OFigWklr
「はっ・・・あっ・・・。」

今まで散々声を上げてきたためだろうか。
アニーの声は掠れていた。

「っ・・・。アニー・・・。いいか?
そろそろ、俺も・・・いくぜ・・・。」

ようやくアニーの“奥”まで辿り着くことに成功したスティーブは、
アニーに回していた腕にいっそう力を込めた。

アニーの体の中に、何か熱いものが打ち込まれてきた。
アニーは目を見開き、最早声にもなっていない叫び声を上げた。
まだ15歳程度のその体は幼く、そして彼女はまだ処女であり、既に「経験」のある人間よりも
遥かに感覚が鋭敏なため、与えられた刺激に素直に反応することしかできなくて―

アニーの体は先程よりもさらに大きく弓なりにしなり
次々と打ち込まれる熱い感覚に、遂にアニーの意識はそこで途絶えた。


98:名無しさん@ピンキー
08/11/17 21:42:22 hkCKETIi
URLリンク(plaza.rakuten.co.jp)

99:名無しさん@ピンキー
08/12/11 16:14:19 fDCGWcGw
え?www

100:名無しさん@ピンキー
08/12/18 00:34:28 WDdD4Jy5
100

101:名無しさん@ピンキー
08/12/18 15:02:26 akHX6AEw
「ダレ~ン……」
スティーブは、デビーを背後から抱きかかえ彼女の首にナイフを突き付けたまま、
ダレンに嫌らしい笑みを見せた。
そして、空いているほうの手をデビーの胸元まで持ってきて、服を掴む。
ダレンは、スティーブが何をしようとしているのか察し、顔色を変える。
「スティーブ!やめ…」
身を乗り出し、制止の声を上げる。
だが、半バンパニーズの力で、いともあっさりとデビーの服を引き破った。
破れた布の間から、女性特有の下着に包まれたデビーの胸元が、豊かな胸の谷間が覗く。
「…っ」
羞恥に顔を染め、身動ぎするデビー。
ダレンもまた、彼女と同様に…あるいはそれ以上に、顔を赤くする。
そんな彼女を縛しながら、スティーブは軽い調子で言う。もちろん、彼女の首筋にナイフの刃を当てたままだ。
「おっと、動くなよ。下手したら、ぐさりだぜ?」
そう言って、ナイフの刃を僅かだがデビーの首筋に触れさせる。
その冷たさに、デビーは身を竦めた。
「ダレン…」
縋るように、怯えの色を浮かべた瞳でダレンを見遣る。
ダレンは、デビーを直視することが出来ずにいた。
デビーの身を案じる気持ちや、彼女を脅かすスティーブに対する怒りももちろんあるが、
それ以上に今の彼の頭を占めているのは、デビーの肌のことだった。
見てはいけないと思う、だが、見たくない訳がない…いや、そもそもそんなことを考えているわけではない。
何とか、場違いな、そして邪な思いを振り払おうとする。
「スティーブ、デビーを離せ。さもないと…」
スティーブを真っ直ぐに見遣り、毅然と言い放つ。
だが、スティーブはにやにや笑いながら、肩を竦める。あくまでも余裕をかましている。
「さもないと?」
鸚鵡返しに聞き返し、今度はデビーの下着と肌の間に指を滑り込ませ、下着を浮かせてみせる。
力ずくで下着を剥ぎ取ろうというつもりらしい。
びくり、と身を震わせるデビー。
その様子を見ながら、ダレンは再び動けなくなってしまう。
「何だ、ダレン?もしかして…見たいのか?」
からかうように、スティーブはどう問い掛けた。



102:名無しさん@ピンキー
08/12/18 18:23:36 0+xwiU1I
スレリンク(cchara板)l50
迂闊な僕の切なさを中に出させてアニーw

103:名無しさん@ピンキー
08/12/19 01:50:09 moSfevlh
そんなスレあったのかw


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