【電波的な彼女】片山憲太郎作品【紅】 3冊目at EROPARO
【電波的な彼女】片山憲太郎作品【紅】 3冊目 - 暇つぶし2ch754:名無しさん@ピンキー
09/02/13 00:10:34 1Ufkh0HM
らぶこめちっくなものを試しに書いてみたくなって、つい出来心で書いた。反省してる。
ちゃんとした奴はまた後で書くので…

755:名無しさん@ピンキー
09/02/13 20:12:12 GhiMg3eR
かおの にやにやが りんかいにたっする!

756:名無しさん@ピンキー
09/02/13 20:45:55 xvRyU5v8
>>754
砂糖を吐くほどにGJ!だ
なんか今にもジュウ様がプロポーズでもかましそうな雰囲気w

757:名無しさん@ピンキー
09/02/13 22:30:32 J7EDu5QF
>>754
顔面が……っ、顔面が変形するっ!
落ち着け俺、まだ電車の中だぞ。

758: ◆JI6GRfrLos
09/02/14 00:22:48 Xx7L+Hpl
結局、ABCと
D『光ちゃんオチでお願いします><』
『ギブミーチョコレート。ホワイトデーはアナタの僕』
どれを書けばいいだろう?
全部書くつもりだったけど、レス見る限りひとつに絞った方がいいみたいだし。

ついでに、紗月美夜救済SS投下。
―――
白い壁。白い天井。窓のない部屋。
ジュウ君を刺して、自分で招いたこの結果。
結局、何もかも失敗しちゃった。
…わたしが間違えたのは、どこだったのかな?
ジュウ君に何と言おうとしたのか、わたしにもわからない。
お腹の傷。大丈夫かな…一命を取り留めたのは知っている。夏休みが終わる前に退院した事も。
でも、ずっと傷跡は残るだろう。死んで、灰になるまで。
裁判はまだ当分先。事件の絶えない世の中では裁判所も警察も殆どフル稼働だ。
少年法の適用で多分10年もしたら社会に放り出されるだろう。情状酌量の余地とかで、もっと短いかも知れない。
償える罪でもないのに。
『あなたが償うべき場所は塀の中にはありませんよ?』
聴こえるのは、堕花さんの声。
「そんな事、わかってるよ…」
幻聴かな…自分で思っているより追い詰められてるのかも知れない。
『命を捨て、自分を棄てる覚悟があるならそこから出してあげます。勿論、条件付きですが』
「条件?」
『柔沢ジュウ様に、お使いしなさい』
「今更、会える訳ないじゃん…」
『あなたが償うべき人はジュウ様です。自らを棄て、償う気はないのですか?』
「…出来る事なら、したいよ。でも、出来る訳ないじゃん…」
『したいのですね?』
確認する声音は、命令に近い鋭さがあった。
堕花さんなら、ジュウ君のために何でもやるんだろうな…
「そうだね…謝れるなら、何でもするかも」
『かも?』
「する。するよ。何でも」
出来ることなら、謝りたい。謝って伝えたい事があるのかも知れない。
きっと今一番の優先順位。
生きる人形のわたしが代価なら不釣り合いなほど魅力的な提案に思える。
「そうですか。安心しましたよ」
がちゃり、とかたい音と共に扉が開く。
現れるのは堕花雨。
「そんな…どうして…」
「紗月美夜は今、死にました。ジュウ様がお待ちかねです。ついてきなさい」
有無を云わさぬ口調。引きずってでも連れて行くと言わんばかりだ。
小柄な体躯をただ、追いかけるしかなかった。
―――
続きは考えてない。幸せにしたい人からネタ提供があればいいな…

759:名無しさん@ピンキー
09/02/14 01:57:08 wF6tp3V2
GJなんだけど、
×お使い
○お仕え かな。

760:名無しさん@ピンキー
09/02/14 07:27:53 ZR1GZCQ3
いやもう書きたいもの全部書いちゃえば良いJaNai!

761:名無しさん@ピンキー
09/02/14 11:21:34 /QBPl8Mt
>>758
ヌホォオオオGJ! GJ!
ありがとうマジありがとう
美夜は刑務所入った時点で自分の幸せとか何も考えてなさそうだから
もし会いたいときにジュウに会える関係を保てるならそれだけで幸福だと思う

これから美夜は雨に仕込まれてジュウを陰から支える女諜報員に(ry

762: ◆JI6GRfrLos
09/02/15 15:23:25 xFqd0rs7
>>761
こんな感じでいいのかな?
投下予告。3レス消費予定。
紗月美夜救済SSの続き。

763: ◆JI6GRfrLos
09/02/15 15:23:51 xFqd0rs7
「堕花さん。どこに行くの?」
拘置所から出て、近くの駅までついた。
堕花さんは荷物の入ったソフトキャリーバックと人1人は入る空のハードキャリーバックをロッカーから出してる。
「これから、ジュウ様と旅行ですから」
「ふーん…」
「あなたも行くのですよ?」
堕花さんが荷物から出した大人用オムツをこちらに投げつけた。
反射的に受け取ったけど…
「もしかして、そのバックの中に?」
「そうですが?」
交通費がもったいないですから。と事も無げに言ってくれる。
オムツは、丸1日近くは出れない為。
本当にモノ扱いされるんだなぁ…と思ったが、何でもすると言った手前反論しにくい。
拒否されるなんて微塵も思ってない顔だ。目は隠れてるけど
「早くして下さい。ジュウ様がお待ちなのです」
「ちょ、まだ履いてないし、押し込まないで!」
前途多難…なのかな。
――――
一時間後、ジュウ君が現れた。
ハードキャリーバックには小さな覗き穴と空気穴が用意されてる。
でも、約束一時間前に詰め込む事ないんじゃない?
「おはようございます。ジュウ様」
死角で見えないけど、堕花さんの声は弾んでいる。
「あぁ…おはよ」
ジュウ君は欠伸を噛み殺し、相変わらず無気力に応えた。
変わってないな、なんて何でもない事でも胸が熱くなってしまう。
でも、堕花さんからは喋らないように厳命されてる。
待ってる間、声をかけようとする度に蹴飛ばされたし、仕舞には。
『ジュウ様にお渡しする前に、ラッピングが必要でしょうか?』
と呟いていた。多分、口をきいたら縛られる。
彼女の事だ。ロープくらいは事前に用意してるだろう。
電車が走る音が聞こえる。
「いくぞ。片方、持ってやるよ」
とわたしが入ったバックを取り、歩き出した。
「…ありがとうごさいます」
今、こっち睨んだよね?堕花さん
「結構重いな。20キロはあるんじゃないか?」
…そんなに軽くないよ?
「いえ60キロ程はある筈です」
そんなに重くないよ…
和やかな会話を交わしながら、3人(1人荷物)は電車へ乗り込んだ。
―――
6時間かけて、ついたのは北海道のとある旅館。
わたしのいるカバンの中は寒いけど、外の2人は色々な意味で暖かそうだ。

764: ◆JI6GRfrLos
09/02/15 15:24:25 xFqd0rs7
「ジュウ様…申し訳ないです」
「いいから、口をあけろ。結構うまいぞ?」
旅館にいく途中、堕花さんが滑って転んでしまった。
その時に手を挫いてしまったようで、うまくお箸が持てないみたいだった。
そして、それを見かねたジュウ君が堕花さんにごはんを食べさせてあげてる。
所謂『あーん』
もう7時間以上、カバンの中で体を丸めて入ってるから、節々が痛い。
あと、時々勝ち誇るような堕花さんの目線が憎たらしい。
「飯くったら、風呂にいくか?」
「露天風呂があるそうですよ」
「そうか…デカい風呂に入るのは初めてかも知れん」
「楽しみですね」
「そうだな…ところで、おまえは風呂は長いか?」
「いえ、普通だと思いますが…」
「出る時の合図とか、決めた方がよくないか?」
「その必要はないでしょう」
「なんで?」
「いけば、わかると思います」
「そうか」
ジュウ君と堕花さんは食事しながら和やかに話してる。
ジュウ君。デザートはフォークで食べられるんだから食べさせてあげる必要はないんだよ?
…あと、テレビで見た事あるけど、ここって確か脱衣場は別だけど露天風呂は共通の予約混浴がある旅館だ。
流石、堕花さん計算通りか。
考えを巡らしているうちに、2人は連れ添ってお風呂にいってしまった。
……なんだろ。この敗北感。
色々と馬鹿馬鹿しくなったわたしは、とりあえずふて寝する事にした。



「おきなさい」
「ん…堕花さん?」
「これから、あなたをテストします。さっさときなさい」
目が覚めたばかりのわたしを引っ張り出し、もう先に歩き出した。



目の前に広がるのは大雪原。
「うわぁ…」
思わず、感嘆の声が漏れる。空には月が浮かび、白い絨毯を照らしている。
「丁度、いいのがいますね」
堕花さんが指したのは一匹の鹿っぽい動物。
北海道にいるんだしね。多分鹿。ちょっと遠いけど
「…でアレがどうしたの?」
「見ていなさい」
一言言いおき、駆け出す堕花さん。
とても明るい昼間に雪に足を取られた人だとは思えない。
鹿っぽい生き物に、いきなり右手で掌ていを放つ。
「ちょっ…かわいそうでっ」
最後までは、言えなかった。
仰け反った鹿っぽい生き物に全身のバネを使った肘うち。
軽く浮かび上がった鹿っぽい生き物の頭を掴み、体をほぼ一回転捻って雪の積もる地面に叩きつけた。


765: ◆JI6GRfrLos
09/02/15 15:25:38 xFqd0rs7
「…すごい」
「あなたに、覚えてもらう技です」
「無理だよ?!」
「出来ない事はないでしょう」
堕花さんは、テストだと言った。
つまり、出来なければ…
「あちらのペンションに、とりあえずの荷物があります」
食料と衣料品。約4日分。
旅行の間に出来なければ、それまでという事か
「…うん。やるよ。堕花さんに出来たんだしね」
決意を込めていう。やってやる。こんな小柄な女の子に出来るのだ。
「わたしは、ジュウ様の元へ戻ります。では」
きびすを返し、去っていく。
「ところで、堕花さん」
「…なんでしょう?」
「右手、挫いてたんじゃなかった?」
にやり、と擬音が聞こえそうな笑みを浮かべ堕花さんはそのまま旅館に戻って言った。
……ジュウ君。彼女、怖いよ…

766: ◆JI6GRfrLos
09/02/15 15:26:14 xFqd0rs7
投下完了。
目線がずっと美夜だからハブられてるけど、本当は雪姫たちも一緒に行く予定で途中で合流する筈だった。
けど、雨が事前に連絡で嘘の日程を雪姫に吹き込んでいた。
ジュウ様とラヴラヴですよーっていう策略。って事にして。
ついでに時期は春休みという設定のつもり。雪、残ってるよね?
>>761がそこら辺アイディア出してくれるだろう?

バレンタインネタだけどさ…
場面はぎこちない光と伊吹。
で、キッカケとして光が伊吹に鏑木との再戦をセッティングしてもらう。
一番大きい原因は鏑木なんだしね。

光雲高校空手部に鏑木を呼び出す。
鏑木撃破。ヤリマンがよく道場の敷居を跨げたな。とかいってもらおう。
でも負け犬はさっさとくたばってもらう

強くなったのはアイツのおかげ?とあえて名前を出さずに聞く伊吹。
伊吹先輩が見ていてくれたからだと言う光。恋する乙女は無敵なんですよ?とか言えばいいよ。

いい感じになって意気揚々と帰ってきた光。
家が何故かピンクな雰囲気。
急いで二階に駆け上がる。

そこには、おまけエンド状態の2人の姿が!
光ちゃん妄想炸裂。見てない現場を空想して雰囲気をぶち破ろうとする

雪姫が現れ、事態は更に混乱の中へ。
見てないのに光ちゃんは雪姫に妄想を語ってしまう。
否定するジュウ様はまだ手を握られてます。
怪しい。怪しいよコレ!
でも雨は幸せそうですよー

結局お菓子で宥めすかした

でホワイトデーの話へ。こっちでにゃんにゃんだろJK。

とすればAもBもCも書けるじゃん?
と思ったけど案の定書きあがらなかった。もうこれは来月かな…

767:名無しさん@ピンキー
09/02/15 15:34:24 ypxRhyHQ
>>758
長編になりそうな予感、是非願います。

768:名無しさん@ピンキー
09/02/15 19:45:17 Ecr9e224
GJ
続きまってるぜ

769:名無しさん@ピンキー
09/02/16 20:46:47 5ShvJvac
久方ぶりの投下だ。
もはや長編でなくては耐えられないね。

770: ◆JI6GRfrLos
09/02/18 22:00:09 S4s5nQl7
俺は目が覚めた。
今は10時…いい頃合いだ。
台所へ駆け出し、パンとハムをひっつかみ寝室の窓から身を踊らす。
九階からのヒモなしバンジー。約4秒のフリーダム。
三回転して着地。地面が揺れている。
通行人もガクガクしてやがる。
ざまぁみろ…
俺は走り出す。
右手にはハム。左手にはパン。
パンにハムはさむ。
語尾にニダをつけると韓国語っぽく聞こえると思うのは雪姫的だろうか?
しかし、それも致し方ない。
ハムサンド、それは永遠の輝き。
目の前に、伊吹が現れた。
「やらないか?」
「やらねぇよ!」
ハムサンドは死守する。たとえ光の想い人だろうと関係ない。
ハムサンド
ああハムサンド
ハムサンド
一句出来た。
ボロボロに叩きのめした伊吹を超えて俺は行く。
なるほど、これが俺の屍を越えて行け状態か。
親指を立て、伊吹にサムズアップ。
笑顔で返された。
いい笑顔だ。
俺は走る。走る。
メロスって凄いな。アイツ、多分トライアスロン凄い強いよ。でも友達の名前が言い難い。
雪姫が現れた。
「やらないか?」
その手にはナイフが握られてる。
「ケツアナならやってやるぜ?」
前の処女は残してやる。
「つまり柔沢は前の処女を残したわたしの後ろの処女を青姦で散らしたいと?」
かくん、と壊れた人形のように首を傾ける。
「そうだ」
「……ロマンチックな奴め。殺し文句だぞ」
ぎしあん省略。
白い白濁を違う穴から垂らす雪姫を捨て置く。
前は清純、後ろは淫売。ナイフより素敵な二面性だと思う。
ハムサンドは食べてしまった。永遠なんて、この世にないのだと切なくなった。
しかもレタスが入ってなかった。
だが俺は諦めない。
目指すは堕花の家。
円はダメだ。潰される。何が潰されるかは言えない。男の子だからな。
しまった。ナニが潰されるんだからうっかり言ってしまってる…
仕方がない。今は兎に角、堕花家だ。
光か雨。または薫子。
親子姉妹丼…卵が先か鶏が先か迷いそうだ。間がひよこなのはわかる。
俺は止まらない。止められない。
ラジオ通販の万能椅子を思い出す。肘掛けにも枕にも足乗せにもなるらしい。
届いたのは、座布団だった。
「狂ってるさ。みんな狂ってるから世界の歪みに気がつかない!」
何となく、格好良さげに叫んでみた。
人間性が満たされた。
終われ。

771:名無しさん@ピンキー
09/02/18 22:25:47 JNYakxuH
なんだこれはwww
昔、谷川スレで読んだパン工場を思い出した

772:名無しさん@ピンキー
09/02/18 23:08:12 Xz2ot+59
イイカンジに壊れてるなあ。
風邪薬と垢ワインでも一緒にやったのか?www

>親子姉妹丼…卵が先か鶏が先か迷いそうだ。間がひよこなのはわかる。
なんか吹いたw

773:名無しさん@ピンキー
09/02/19 00:20:00 suVKDZZm
>>770
タミフルでも飲んだのか。
お大事に。窓には近づくなよ。

774:名無しさん@ピンキー
09/02/19 20:50:51 ZSd4aiKu
ごめん…こういう壊れた作品好きだ。
メロスとレタスに笑っちまったぜ…まぁなぜこのスレでやったかは永遠に不明だがw

775:名無しさん@ピンキー
09/02/20 18:59:50 pZPKmOab

なかなかにワロスww

>>メロスって凄いな。アイツ、多分トライアスロン凄い強いよ。でも友達の名前が言い難い。
セリヌンティウスでいいんだよね?

776:名無しさん@ピンキー
09/02/20 22:02:36 P5ipWJ1i
>>766
久しぶりにきたらいつの間に…!うおおおおお!!
書くの早いな。美味しく頂いたありがとう。美夜可愛いよ美夜。
アイディアとかそんな無理難題を…
かっ、課題をクリアした後でジュウと部屋に二人きりとか
(美夜から声を掛けようと思えば出来るけど結局何もいえなくてジュウは美夜に気づかないまま的な)

>>770
笑ったwwww
細かいネタが上手い

777: ◆JI6GRfrLos
09/02/21 00:37:16 vSZSUel6
2レス消費予定。美夜救済SSの修行1日目の午前。

778: ◆JI6GRfrLos
09/02/21 00:38:11 vSZSUel6
『ほら、手かしてみろ』
『ジュ、ジュウ様?』
『やっぱり、手暖かいな…これだと寒いだろ?もっとよれよ』
『あ…』
私は今、ちょっと人生のあり方という物に迷っていた。
スピーカーから漏れるのはジュウ君の声。話し相手は勿論堕花さん。
パソコンには堕花さんと手を繋いで繋いだ手をジュウ君のポケットに入れて歩く二人が映っていた。
ここは、堕花さんのお家の別荘みたいな所らしい…堕花さん家ってお金持ちだったんだなー…
『なんだ。スキー初めてなのか?』
『修学旅行は京都でしたから、ゲレンデにくるのも初めてです』
『俺は中学の時にやった事がある』
『さすがはジュウ様』
『いや、別に大した事じゃないだろ…』
…連れ添って歩く2人はここのちょっと上のゲレンデを利用するようだ。
堕花さんからは、まだジュウ君との接触を禁じられてる。
【あなたは、ジュウ様を危うく殺める所でした。信用が置けるまでは当然の処置と思って下さい】
手元にある、堕花さんからのメッセージ。あと連絡用に貰った首につけるチョーカータイプの通信器。
様々な格闘指南書も置かれてる。
『…あっ』
『おっと、大丈夫か?』
『すみませんジュウ様…何分慣れないもので…』
『俺が教えてやるし、早く一緒に滑ろうぜ?』
『はい』
頭の中でシュミレート。堕花さんによれば、イメージトレーニングも大事らしい。
思い浮かべるのは昨日の流れるような動き。アレが出来れば、テストは合格。
よし…早速出ようかな…用意された身支度を整えよう。
『雨にも苦手な事があるんだな…いや、そういうのもアリじゃないか?』
ジュウ君が笑顔で映っているパソコンを見やる。
「待っててね…ジュウ君」
堕花さんの魔の手からジュウ君を護らないと…衛星使って盗撮とか、やりすぎだよ…



「出たのはいいけどさ…」
いない。何もいない。いる訳ないね…季節は冬。場所はやや傾斜のある山の中。当たり前だけど、動物の姿は見えない。
「…ん~……お?」
不自然な盛り上がりが震え、更に盛り上がる。
雪を振り払い、起き上がってきたのは昨日の鹿っぽい生き物。
あのまま放置したからなぁ…
「…よし」
いきなり難易度高い気がするけど、鹿に向かって近づいていく。
確か…
「えい!」
それっぽい掛け声を出して、掌ていを放ってみる。勿論浮き上がったりしない。面くらったようにふらつき、倒れる。
…やっぱり、可哀想だな。
「ふご…ふご!ふご!」

779: ◆JI6GRfrLos
09/02/21 00:38:39 vSZSUel6
鹿の鳴き声なんか知らないけど、なんか怒ってる…?
「ふぅー!」
「え。え、ちょっ…」
猛然と体当たりしてくる鹿っぽい生き物…結構痛い。更に追撃してこようとする。やっぱりいきなりは無理…
「って、こっちくんな!」
「ふぅーふぅーふぅー…」
ざっ、ざっ。と地面の雪を蹴り、猛然と走ってくる。
「もう…!」
とりあえず、走り距離を稼ぐ。追いつかれそうだけど前方の木まで…!
溜めて、跳躍。
枝に飛びつき、逆上がりの要領で登る。真っ直ぐ突っ走ってきた鹿っぽい生き物は目標を見失って戸惑ってる。
そのまま枝から跳び、鹿っぽい生き物の首筋に蹴りを叩き込む。
それだけで、足元の動物は気絶したようだ。
「……やるじゃん。わたし」
とりあえず、この羊の皮を被った鹿っぽい生き物は縛っておこう…



イヤホンから通信が入った。
『調子はどうですか?』
「…最悪」
『食事の方はペンションの物を勝手に使いなさい。では…』
ぷつ、という電子音で堕花さんとの通信が切れた。
ペンションのスピーカーからは相変わらず2人の声は聞こえてくる…これ、マイクはジュウ君が持ってるみたいだけど…
あれか、考えたら負け。うん。そうだね…
1人での昼食は不思議と嫌な感じはしない。ずっとずっと、収容所では何かを考えて何も考えられなかった。
1人になると、取り留めのない思考がわたしを縛っていた。根底にあるのは、きっと罪の意識。
堕花さんの監視下だから、ある意味獄中なのに。
「やっぱり、ジュウ君がいるから…かな」
頑張って近づきたい。出来れば、色々と謝りたい。
何よりも願い、叶わないと思った事。それが、可能性が出来たんだ。1は0じゃない。
その為にも早く…
『ジュウ様。今度は私が御料理を…』
『それは断る』
……堕花さん…

780: ◆JI6GRfrLos
09/02/21 01:03:13 vSZSUel6
投下終了。
午後で>>776の展開へ。課題はもう少し引っ張るけど、大体>>776っぽくなる。
多分、今日には書き上がる。
間と視点の切り替えが欲しいから午前で切っただけなんで…

781:名無しさん@ピンキー
09/02/21 08:17:59 jxY8++8P
GJ!
続きが楽しみだ

782:名無しさん@ピンキー
09/02/21 09:00:33 TLZ1iY1b
ロリ雨
ロリ雪姫
ロリ円
ロリ光
ロリ銀子
ロリ夕乃

ロリ紫
ロリ散鶴

783:名無しさん@ピンキー
09/02/21 22:41:12 vSZSUel6
冷たい風が吹く廃工場。
「まさか、あなたがこんな事をするとはね…柔沢くん」
振り返るのは金髪の男。柔沢ジュウ
「円堂か。意外…いや、おまえがくるのが順当なのかな」
「答えなさい。世界中の製菓会社の悪評を振りまいて…多くの関連企業が信用を失って政府にまで影響が出てるの。
決算を前に倒産する会社まで出てきてる。何をしたのか、あなたはわかっているの?」
かつん。と靴を鳴らし歩みよる。実力行使も厭わない構えだ。
「一体、何が目的なの?」
「わかってないな。円堂…ハロウィンにいたずらする為に決まっているだろ!」
「………もう一回聞いていいかしら?」
「あぁ」
「何をする為に?」
「いたずら」
「……いつ?」
「ハロウィン」
「まだ7ヶ月以上も先じゃない!」
「いや、突っ込む所はそこなのか?」
「円。こんな所でなにを?」
「雨…あなたの王様が御乱心よ…どうにかしなさいよ…」
「それは出来ません」
「…なに言ってるの?ワケのわからない理由で多くの企業がパニックなのよ?」
「わかってないな。雨こそが、実行犯なんだよ」
「ジュウ様にいたずらされたくて…」
「そんなの2人っきりでやってればいいでしょ!?」
「わかってませんね。自らどうしようもない状態に追い込む所からプレイは始まっているのです」
「雨の言う通りだ」
「……雨は発育不良よ?いたずらするなら、そういう店に行けばいいじゃない」
「わかってませんね。ジュウ様はちっぱいをお望みなんです」
「雨の言う通りだ。ちっぱい+ぱいぱんでちっぱいぱんワールドだな?さぁ雨。どんどんお菓子を消せ」
「仰せのままに…」
「ハロウィンにお菓子を用意出来なかったら、たっぷりとお仕置きしてやるからな…」
「あぁ…ジュウ様…わたしたちの業界では御褒美になってしまいます…」

―――

…俺は何を書いてるんだろうね。
美夜救済は今日中に投下できるかな…

784:名無しさん@ピンキー
09/02/22 00:54:21 kEZSwyu0
>>783
なに、人間辛抱たまらなくなるときがあるもんだ。

785:名無しさん@ピンキー
09/02/22 00:57:51 3W/pFUgp
>>783
クソワロタwww

786: ◆JI6GRfrLos
09/02/22 15:48:20 iVoExvKv
うん…>>783なんか書いたせいで美夜救済SSがおかしな事になった…
かなり強引に話を進めるけど、雨のキャラ崩壊注意。
美夜救済SS一日目午後。3レスとちょっと…4レス消費予定。

787: ◆JI6GRfrLos
09/02/22 15:48:46 iVoExvKv
こんなに幸せでいいのでしょうか?
雨はジュウに膝枕をしていた。
午前中はショッピング。2人で食事をした後、入浴して体を温めた。
ジュウ様の厚い胸板…優しい手がわたしの髪を梳き、流してくれた。
惜しむらくは、混浴が水着着用可で水着の貸出があった事くらい…
そうでなくてはジュウ様とご一緒は出来ませんでしたが、と一人ごちる。
お疲れのようだったジュウ様はお昼寝。寝苦しそうだった為に膝枕で癒やして差し上げようと思い行動に移した次第。
癒やして差し上げようと思ったのにわたしが癒やされまくってます。流石はジュウ様。
堕花雨は言語中枢辺りまで侵食されていた。主にほのぼの純愛的な意味で。
「ん…寒い。こい」
「え?」
す、と腰に回された腕が雨の体全体を布団へと引き込む。
ジュウの手が雨の腰から尻の方へ組むように回され、雨がジュウの頭を抱えこむような姿勢になった。
あぁジュウ様…そこは違う穴です…だ、だめですよ。そんな頭を胸に…は、ジュウ様の匂いが…
わたしに匂いフェチの属性があったのでしょうか?いいえ、これはジュウ様フェチですね。
あぁジュウ様…もう少しで、もう少しです!
その時、耳に付けた通信機からキャッチが入った。
…紗月美夜。あなたにはまだ調教が必要のようですね。
いい所で水をさされたが、ジュウの頭をくんかくんかして心を落ち着ける。
一呼吸おき、通信に応えた。
「……何ですか?」
『助けて!クマがクマが!』
どうやら、森で偶然クマと出くわし慌てて逃げたら追いかけられたという。
「どうでもいいですね…では」
『ちょっ…堕花さ』
ぷつりと通信を切り、ジュウの金髪を撫でる。いつもは見上げる形で見るジュウの顔を自分が見下ろす形でみえる。
これは眼福ですね…雪姫たちを鹿児島に誘導したかいがありました。
堕花雨は至福のひとときを満喫した。

―――

「堕花さん!もう、どうしろっていうのよっ」
あの色ボケ女めっ!
心の中で毒づき、必死にクマから逃げる。
落としたイヤリングを拾ってくれたとかそんなメルヘンな展開じゃない。
冬眠から目覚めたクマとばったり出くわしてしまったのだ。
地球温暖化を今度から真面目に考えようかな、とかそんなレベルでもない。
「ぐるるるる…」
「も、もう…追いかけてこないでよ…」
結構な距離を走ったというのに、クマはまだ追いかけてくる。
死んだフリは逆効果らしいから、兎に角人のいる方へ逃げている。

788: ◆JI6GRfrLos
09/02/22 15:49:12 iVoExvKv
あまり速いスピードで追いかけてくるワケじゃないけど、こっちは雪に足を取られて上手く走れない。
まるで弄ぶようにジリジリと距離を詰めてくる。息遣いが何だか荒いし、もしかして欲情してる?
以前、馬が人間の女性に欲情して襲いかかったというのをバラエティー番組で見た事があった。
…もしかして、追い付かれたら獣姦?
普通に襲われるよりヤだな…そんな馬鹿な事を考えながらもクマはこちらを追いかけてきてる。
のしのしと歩く足は太く、わたしのウェストより太いかも…爪は太く鋭利で引っかかれたら傷は深いだろう。
「…っ」
そんな事に気を取られ、後ろを見ながら走っていたら躓いてしまった。
クマは勿体ぶるように近づいてくる。
逃げたいけど…腰が抜けて立てない。
「だ、誰か…!」
頭上を跨ぐ黒い影。スノーボードの板がクマの顔にヒット。
もんどりうって倒れたクマを見据えたまま、わたしを助けた人が声をかけた。
「大丈夫か?」
「ジュ…」
ジュウ君…通信中は確か堕花さんと…
「大丈夫ですか?」
堕花さんがこちらを覗きこんでくる。
堕花さん。わたし信じてたよ…!
あまり速いスピードで追いかけてくるワケじゃないけど、こっちは雪に足を取られて上手く走れない。
まるで弄ぶようにジリジリと距離を詰めてくる。息遣いが何だか荒いし、もしかして欲情してる?
以前、馬が人間の女性に欲情して襲いかかったというのをバラエティー番組で見た事があった。
…もしかして、追い付かれたら獣姦?
普通に襲われるよりヤだな…そんな馬鹿な事を考えながらもクマはこちらを追いかけてきてる。
のしのしと歩く足は太く、わたしのウェストより太いかも…爪は太く鋭利で引っかかれたら傷は深いだろう。
「…っ」
そんな事に気を取られ、後ろを見ながら走っていたら躓いてしまった。
クマは勿体ぶるように近づいてくる。
逃げたいけど…腰が抜けて立てない。
「だ、誰か…!」
頭上を跨ぐ黒い影。スノーボードの板がクマの顔にヒット。
もんどりうって倒れたクマを見据えたまま、わたしを助けた人が声をかけた。
「大丈夫か?」
「ジュ…」
ジュウ君…通信中は確か堕花さんと…
「大丈夫ですか?」
堕花さんがこちらを覗きこんでくる。
堕花さん。わたし信じてたよ…!


789: ◆JI6GRfrLos
09/02/22 15:50:04 iVoExvKv
「ジュウ様が偶々あなたが宿に向かって走ってくるのを見たのです…なんでこちらに走ってくるのですか?」
怒られた…まさかこの状況で怒られるとは思ってなかったよ堕花さん。
「大丈夫なのか?」
何時の間にかにクマを撃退したジュウ君がこっちを伺ってきた。
さっとジュウ君から視界を遮るように堕花さんが体を移動してくる。
「どうやら軽く顔を切ったようですね」
「え?嘘…」
顔をペタペタ触るが、血が出てる様子も傷もない。
「別に怪我なんか…」
「傷が残らないうちに応急処置が必要でしょう。手をどけて下さい」
堕花さんが取り出したのは、包帯と…『痴漢撃退!ハバネロスプレー』
「冗談でしょ…」
小声で尋ねる。顔を隠すのに包帯はわかるけど、ハバネロスプレーって…
「ジュウ様を危険な目に合わせましたね。一度ならず二度までも…ペナルティです。大人しく観念なさい」
「ちょ…」

――――

「本当に軽傷なのか?」
包帯を顔にグルグル巻かれたわたしはとりあえずジュウ君たちの部屋に連れてこられた。
山まで救急車はこれない、自分の足で街に降りなければならない旨を堕花さんが説明していた。
「話したい事があれば、今のうちに話すべきでしょう…テストはまだ、終わってません」
ハバネロスプレーを満遍なく顔に振りかけた堕花さんが淡々といった。
凄まじく目と鼻のノドが痛い…上手く視界が効かなければジュウ君を襲えないという予防策かも知れない。
堕花雨はまだわたしを信用したワケじゃないんだ。
ジュウ君に2、3言告げて堕花さんは部屋を出ていった。一応、配慮してくれたのかな?
「うん…ちょっと擦りむいただけだから…」
「そうか」
それだけ言って、ジュウ君は黙った。余計な詮索はしない。何故あんな所にいたのかも聞かない。
柔沢ジュウという人間の気質は全く変わってない。それが一種の安心感をもたらしてくれる。
あの事件。普通ならトラウマになっちゃうからな…見知らぬ人間を前にして特に懐疑的な様子を見せてない。
つまらなそうに、面倒そうにお茶を飲んでるだけ。
「なんだ。飲みたいのか?」
ジュウ君をじっと見ていたから、お茶が欲しいと思われたみたい。
ハバネロスプレーで粘膜という粘膜がやられてるので有り難くいただこうと…
「あ、じゃあ…」
『私が。ジュウ様の為に淹れた。そのお茶を。飲むと?』
「…遠慮しときます」

790: ◆JI6GRfrLos
09/02/22 15:50:54 iVoExvKv
この場に居なくとも、堕花さんの監視の目は光っている。下手な事は出来ない。
「えっと…もし、もしも、誰かに、謝りたくとも謝れない場合。君ならどうする?」
何いってんだこいつ?みたいな顔で見られてるけど、わたしにとって一番聞きたい事。今は抽象的にしか聞けない事。
数十秒おいて、ジュウ君が口を開いた。
「……謝ればいいじゃねぇか。相手が死んでるワケじゃないんだろ?」
「そうだけど…」
「場所が見つからないなら探せばいいだろ。俺に聞く事じゃない」
そういう事は自分で答えを出せって事か…いつか私自身がいった優先順位。
謝りたいけど、まだだ。まだわたしには足りない。
覚悟が、未練だけに縛られてる。
「時間です。案内しましょう」
「うん…」
連れ添って、廊下へ出る。
「堕花さんは、どうしてわたしを外に出したの?」
「ジュウ様が望んだのは、あなたを止める事。事件を終わらせる事です」
長い、煩わしい前髪の隙間から目が覗く。切れ長で強気な瞳。
「あなたが、ジュウ様を傷つけたのです。癒やすなら、あなたを使うしかない」
「…もし、テストに合格しなかったら?」
「あなたに『もし』はありません」
静かな断言。
違法な手段を使ってまでわたしを引っ張り出し、やり遂げたい事。
全ては柔沢ジュウのために。
「…そうだね」
この少女は全てをかけている。前世の絆だか何だか知らないけど、誰よりも柔沢ジュウのために。
「夜になったら、私がしごいて差し上げましょう…使い物にならない従者を献上する訳にはまいりません」
「…うん」
わたしの勝負は、もう始まっている。

791: ◆JI6GRfrLos
09/02/22 15:54:45 iVoExvKv
何だか展開がかなり強引だ…
一日目書き直したいなぁ…分割して投下するんじゃなかった。
とりあえず、課題終わらしたら完結してしまうよ?新章のアイディアあるなら乗るけどさ…
リレー持ちかけた人はもう来ないのかな…

792:名無しさん@ピンキー
09/02/22 22:05:51 rcF+acP6
クマーwww
話がどこに転がるのか予想が付かないw

793:名無しさん@ピンキー
09/02/22 23:25:08 3W/pFUgp
GJJJJ!!!!

でもガチで熊に重患されて殺された人も何人かいるよ。男女問わずに

794:名無しさん@ピンキー
09/02/23 14:50:11 pU/YLex6
>783とか最近電波な作品がこの頃ツボすぎて困るw
普通の作品も好きだがたまにはこういう笑えるのもGoodだ……続編も楽しみにしてます。

795:名無しさん@ピンキー
09/02/23 18:15:10 q/A8pBxy
ありがとう>>787
あなたは神様としか言いようが無い。
このあとの展開がやたら気になるー

796: ◆JI6GRfrLos
09/02/23 22:39:37 cM3XCt0l
続きは>>776待ち。
過大評価にビビるな…

―――
「真九郎さん…どうして、どうして勃たないんですか?!」
ベッドの上、夕乃の肩を掴み真九郎は優しく語りかけた。
「夕乃さん…残念だけど、完成した胸じゃダメなんだ…」
「そんな…殿方は大きな胸が好きだと…真九郎さんの為にわたしは…!」
「それがダメなんだよ。大きい胸なんて所詮は完成品…ただ垂れていくだけなんだ…」
夕乃の肩に置いた手に力を込め、真九郎は力説する。
「これからは、ちっぱいの時代なんだ。ちっぱいには無限の可能性が詰まってる…膨らみかけを共に大きくする楽しみ」
ぐ、と目を閉じ真九郎は思いを馳せる。
「母性を司る乳房という部位が、父性愛を促すちっぱいである…そして何よりちっぱいを気にする女性は美しい!」
かっ、と目を見開き夕乃を見据える。その瞳はどこまでも真剣だ。
「胸が大きいから努力を欠くなんて怠慢なんだ!一流の…一流のちっぱいニストはそうじゃない!」
富乳体操、毎日の食事、エッチのテク…ちっぱいニストは妥協しない。何故ならそこに愛があるからさ!
「真九郎!今日も牛乳を沢山飲んだぞ!毎朝体操も欠かしていない。真九郎を満足させる日も近いぞ!」
紫が無邪気に歩みよってくる。真九郎は笑顔で応えた。
「紫。牛乳は普通に飲むだけじゃ、そんなに効果はないんだ」
「そうなのか?」
「あぁ、お尻から腸に直接入れるのが一番効果があるんだ」
「真九郎は何でも知っているのだな」
「さぁ、お尻を出して。ちょっと痛いけど大丈夫。大人なら我慢出来るよ…」
「うむ…わたしは我慢するぞ。真九郎のためなら…」
大きな浣腸器がゆっくりと紫の尻に近づき、未開拓のつぼみを…

――――

って俺は何を書いてるんだろうね…
ところで書いてる途中に空気になってしまった夕乃さんはどこに…うん?こんな時間に誰だろ。宅配便かな?
ちょっと言ってくる。

797:名無しさん@ピンキー
09/02/24 07:21:53 OvE5bF9Y
>>796
無茶しやがって…

798:名無しさん@ピンキー
09/02/24 18:35:37 Uap5q2NR
>>796
ワロタwwwwww
◆JI6GRfrLos はエロからパロ、はたまた真面目なやつ、なんでも書けるんだなぁー
うらやましい、というか尊敬です。

799:名無しさん@ピンキー
09/02/27 02:12:14 GNq/eEVo
ちーちゃんに性教育

800:名無しさん@ピンキー
09/02/27 13:11:15 5cwXt+Tz
夕乃さんの実践的性教育

801: ◆JI6GRfrLos
09/02/27 21:19:40 Ur559k1M
>>799-800
「…という馴れ初めで、俺の両親は結婚して俺が出来たんだ」
「すてきだね」
俺はちーちゃんに性教育をせがまれ、以前のように両親の馴れ初めでお茶を濁した。
愛の話なんて、俺にはこれ位しか思い当たらないからな…
自分が欠けている部分。あの時、無くしてしまったものはこういう部分なのかも知れない。
「…大丈夫?」
ちーちゃんに心配されちゃダメだな…不安を振り払い、応える。
「大丈夫だよ」
「…お兄ちゃん。まだ、わからないことがある」
「なんだい?」
「散鶴はどうやって産まれたの?」
「えーっと、お母さんのお腹から…」
「なんでお母さんのお腹にいたの?」
「えーっと…」
これは困った…コウノトリとかキャベツとかカボチャだとしか思い浮かばない。
「お兄ちゃんもよく、わからないんだ」
「そうなんだー」
結局、俺は逃げる事に…
「…お姉ちゃんに教えてもらお?」
「なんです?真九郎さん」
いいタイミングで夕乃さんが現れた。
「えっと…どうやってちーちゃんが産まれたのか、知りたいんだって」
「うん」
この調子ではどうしようもないだろう。夕乃さんなら巧く…
「言葉ではわかりにくい事ですから…真九郎さんと私で実践するしかありませんね」
「……は?」
「愛し合う2人が、肌を重ね、愛の結晶を育む。それはとても尊い事です…」
夕乃さんは顔を赤らめ、ややもじもじしながら、言葉を続けた。
「殿方の愛は、それ全て家族に向けられるべきものです…子を産み、育てる女が誰なのか、はっきりすべきですよね?」
「え?あ。いや、まぁ、そうだろうけど…」
「真九郎さん」
「はい?」
「やさしく、して下さいね?」
――――
まで考えて、ちーちゃんに見られながら初めてのぎこちないぎしあんをする夕乃さんと真九郎を書こうとした。
けど無理だった。
あと、夕乃さんのおっぱい型プリンの話を書こうとして挫折した。
羊羹にするべきだったな…

802:名無しさん@ピンキー
09/02/27 22:34:31 EGNKKaVS
見られながらってのはちょっとなぁ・・・
その場は機転を利かして千鶴をどっかに行かせた後、
「シンクローさん、私にも子供がどうやって出来るのか教えてくれませんか・・・」とか言いつつ押し倒す感じだと思う。

803:名無しさん@ピンキー
09/02/27 22:56:57 Ur559k1M
>>802
結局、押し倒すのか…まぁいいけどさ。こういう感じだろうか?
―――
「ちーちゃんにも、本当に好きな人が出来たらわかることですよ?」
「…本当に好きな人?」
「そうですよね?真九郎さん」
「あー…うん。そうだね。そういう事は、好きな人が教えてくれるよ」
「…お兄ちゃんは、散鶴のこと、きらい?」
大きな瞳を潤ませ、散鶴が真九郎を覗きこむ。
「ちーちゃん?愛とは、難しいものなのです。与えたくとも、受け皿が小さければそれは溢れてしまうのです」
夕乃さんは目元を和らげ、散鶴に教える。
こういう時の夕乃さんはいつにも増して綺麗だと思う。
「そのためにも、ちーちゃんは早く大きくならないといけないですよ。お夕飯の準備、出来ていますから」
「大きくなったら、お兄ちゃんが教えてくれる?」
「もちろん、そうですよね?真九郎さん」
「え?あー…うん。約束するよ」
「散鶴、頑張る」
てとてとと食卓に向かった散鶴。これでひとまずは…
「真九郎さん。実は、私も子どもの作り方知らないんです」
「へ?いや、夕乃さんは…」
「もちろん、教えて下さいますよね?」
―――
続きは省略。

804:名無しさん@ピンキー
09/02/28 00:23:27 1KnFAqgl
>>803
仕事はえー。GJ

805:名無しさん@ピンキー
09/03/01 11:22:40 EjBJpzDv
寝取り・寝取られスレに紅の紫ものがあがってたな。実にエロかった。

806:名無しさん@ピンキー
09/03/03 23:46:51 7pIRwkJ7
>>805
向こうは20レス以上の大作なのに、こっちは閑古鳥が鳴いてやがる。
別にあんな後味悪いの何個も読みたいわけじゃないけどさ。なんか不公平だ。

807:名無しさん@ピンキー
09/03/04 01:38:57 aQ0e0/pm
>>806
じゃあお前が真九郎が夕乃さんに優しく激しくラブラブたっぷりに責められるSSを書くんだ

808:名無しさん@ピンキー
09/03/04 12:38:01 YcyNEQbO
誰か親切な人、保管庫の更新してくれ
他力本願w

809:名無しさん@ピンキー
09/03/04 17:58:30 6CZCXFnx
>>808
同意!
自分はwikiの使い方が分からないのでw

810:名無しさん@ピンキー
09/03/05 05:20:23 YJlFSyDR
あ…、あん……!あ……っ
違うわ……、これは…………その、お姉ちゃんのためよ…………
こんな不良が…、お姉ちゃんとなんて…………妹として、絶対に許せない……!
だから……、私が代わりに……こうして………………相手を…………
こうしていれば…………こんな性欲魔人、きっと女なんかに興味が無くなるはず……
あん!あっ……!あ……、ん……っ!
べ…、別に気持ち良くなんて無いんだからねっ!
こんな声が出るのは……そう、演技なのよ!こいつが変な気を起こさないように、
満足させてあげないと……、あ……、あん……っ、だめ……そこ、だめぇ……!
あぁん気持ち良くなんか、無いんだからぁ……!
だめぇ…………
あっ、あんっ!あんっ、あんっ!
そんな、ばか、だめ、こらっ…、あぁん!!あ、だめ、だめ、だめだったら…だめぇ……!
どうして……、こんな奴に…………私…………
身体なんて…………
好きなんかじゃ……無いんだから…………絶対…………
絶対よ…………
ああ……
でも、気持ちいい…………
こんな気持ち良くて、お姉ちゃんのためになるなら…………あたし…………
あぁすごい…………気持ちいい………………気持ちいいよ…………
ああ……、ああ……!!
すごいすごいすごいすごい―………………っ!!
あぁあん好き……!
好き……!
本当は好き…!
あんたの事すごく好き…………!
あぁあんばかばか死ね柔沢ジュウ!
お姉ちゃんをたぶらかした変態!その妹に手を出してるあんたって最低!
こんなにアレを大きくして、あたしの身体の中入ってる……!
ずぼずぼって出入りしてる……!すごい、すごい……っ!
勃起してるの…………こんなに…………あたしの事を……そんなに…………
あぁ……だめ……こんなバカに……お姉ちゃん……ごめんなさい……あたし……
あぁああん大好き大好き、あぁん凄い、凄いよぉ出てる、入ってる、グリグリって……、
めちゃくちゃ気持ちいいよぉおまんこすごい、イっちゃ、イっちゃう、あぁ、イク、イク、イクぅ……!!
あぁん柔沢ジュウの目の前であたしイっちゃうよお……!イっちゃう……!あぁ!
あああああんっ!!!お姉ちゃん!お姉ちゃん!お姉ちゃんごめんなさあい……!
あたし……、あたしこのバカ好きみたい……!お姉ちゃんを守るなんて嘘……!
お姉ちゃんに嫉妬してたの……!最低……!あぁん最低……!気持ちいい……!
気持ちいい……!してる……!してるよぉ……!柔沢ジュウとあたしセックスしてるぅ……!!
おっぱいもお尻もぜんぶ見せて……!あたしジュウとセックスして感じてるぅ……!!
ダメ……!いくぅ……!イク!イクっ!イクぅ……!!あぁんイク……う……っ…………
お姉ちゃ……ん………
ああ…………
あ……っ

811:名無しさん@ピンキー
09/03/05 14:22:58 eavmmeyv
光乙

812: ◆JI6GRfrLos
09/03/05 21:41:41 EeSzXHyW
「真九郎さん…わたしのパンツ知りませんか?」
ある夜、五月雨荘を訪ねてきた夕乃さんが放った第一声はそれだった。
「……えーっと。何で俺に聞きにきたんです?」
「前、話したじゃないですか…」
それは以前、環さんのパンツ紛失で問い詰められた事。
「で、そのあとわたしのパンツがなくなってしまったんですよ」
にこにこと、実に機嫌良さそうに夕乃さんは聞いてくる。
「盗んだの。真九郎さんですよね?」
「……違います」
全く心当たりはなかった。
「…正直に言ってくれたら、キスしていいですよ?言わなかったら、キスしちゃいます」
「だからそれ、何が違うの?」
「もう…真九郎さんは全然、わたしに心を開いてくれないんですね…ガッチリぴっちり鍵かけて、
夕乃さんの事なんかどうでもいいって無関心。わたしは悲しいです…」
「本当に心当たりないんだけど…」
というか、夕乃さんは本当に俺にパンツを盗んで欲しいんだろうか…恐ろしくて本人には聞けないが。
「真九郎さん。別にそういう事に興味を抱いてしまうのは仕方ないことなんです。真九郎さんもお年頃な訳ですから…」
「はぁ…」
「ですから、今日はわたしが真九郎さんをしごいて差し上げます」
夕乃さんはやや頬を染め咳払いをした。
「…今、ここでですか?」
はっきり言って五月雨荘はボロい。そして夕乃さんの拳は分厚いコンクリートも粉砕する。
真九郎にとって、言いがかりにもほどがある理由で突然すぎるが夕乃は真九郎にとって師匠格。
だが場所が場所だ。断り難いが、移動を提案しようと口を開こうとしたが先をこされた。
「邪念が消えるまで、徹底的に、しごいて差し上げますよ?嬉しいですよね?」
「……光栄です」
「では、さっそく始めましょうか…」
そうして、夕乃はおもむろにパンツを脱いだ。
真九郎が夕乃の足からパンツが脱げるのを見て、視覚で感じ、あぁ夕乃さんの脚、綺麗だな…
と思ってからやっと正常に頭が働きだし、混乱という袋小路に入った。
混乱の極みに達し、立ち往生状態の真九郎を差し置き、夕乃は言葉を続ける。
「ですから…真九郎さんが満足するまで、しごいて差し上げますから…」
夕乃さんの白魚のような、意外と小さな手が俺の社会の窓をノックする。
「え?…え?!」
まだ暖かさの残る夕乃の生パンツがふわりと真九郎のイチモツを包み込み…
――――

ムフフであっはーんは省略。

813:名無しさん@ピンキー
09/03/06 01:41:43 9pSBRa5b
なん…だと…!?ここまできてムフフであっはーんは省略…だと!?…バカな!?

814:名無しさん@ピンキー
09/03/06 03:07:49 rW7WCfDG
わっふるわっふるわっふry

815:名無しさん@ピンキー
09/03/06 20:27:34 41ihHmu5
なん…だと…!?ここまできてムフフであっはーんは省略…だと!?…バカな!?

         .。::+。゚:゜゚。・::。.        .。::・。゚:゜゚。*::。.
      .。:*:゚:。:+゚*:゚。:+。・::。゚+:。   。:*゚。::・。*:。゚:+゚*:。:゚:+:。.
ウワ━.:・゚:。:*゚:+゚・。*:゚━━゚(ノД`)゚━━゚:*。・゚+:゚*:。:゚・:.━ン!!
  。+゜:*゜:・゜。:+゜                   ゜+:。゜・:゜+:゜*。
.:*::+。゜・:+::*                        *::+:・゜。+::*:.



816: ◆JI6GRfrLos
09/03/07 00:22:06 RMGKxk4a
暇つぶしに小ネタを投下。2スレ消費。
本筋無関係の美夜救済SS…のボツネタを弄ったやつ。
※注意。夢オチ。

817: ◆JI6GRfrLos
09/03/07 00:22:32 RMGKxk4a
「ジュウくーん!ごはん、出来たから起きてっ」
ベッドまでよって、まだ眠るジュウ君をゆさゆさ揺する。
紆余曲折を経た後、結局頼どころのないわたしをジュウ君が『飼う』ことになった。
堕花さんの取り計らいというのが色々と腑に落ちないけど、ジュウ君と同棲させて貰った経緯を思えば何も言えない。
「…起きてるぞ…まだ早いな。あと20分くらい…」
そういってジュウ君は布団の中でもぞもぞしてる。
普段見れない、ちょっと子どもっぽい仕草が母性本能をくすぐってくれる。
それでも、せっかく作ったごはんは暖かいうちに食べて欲しい。
「もう…いっつもギリギリまで寝てちゃダメだよ?」
「美夜が起こしてくれるし、飯も作ってくれるからな。ゆっくり眠れて、助かってるぞ」
眠気眼でジュウ君が頭をなでなで…ふふっ羨ましい?堕花さん?
…あまり調子にのると、本気で殺されそうだからここら辺で離れておこう。
ちょっと名残惜しいけど、ジュウ君の手を引いて起きてもらう。
「今日は和食だよ。ちゃんと食べないと元気出ないんだから」
ダイニングテーブルには1人分の食事が用意されてる。
「…またか。おまえもテーブルで一緒に食べればいいだろう?」
「ダメだよ…ジュウ君は『御主人様』なんだし…」
そういって、わたしはわたし用の『食器』を出した。
MIYAと書かれた、犬用の食器。
あの後、拘置所で抜け殻になったわたしは酷く曖昧なものになってしまった。
憑き物と言えば、ちょっと違う。正確には、魂というべきだと思う。
抜け殻は抜け殻。外郭だけで中身は何も入ってない。そして形すら、もう壊れ、崩れてしまっていた。
頼るものも信じるものも救いも、それらは全部ジュウ君になった。ジュウ君がなきゃいきられない。
だからこそ、ジュウ君に『与えられている』ことを実感しなきゃいけない。
ジュウ君は苦しそうな、悲しそうな顔をする。
「……ごめんな」
出来ることは紗月美夜という人間に支配を与えるだけ。
わたしは人差し指で更に何か言おうとするジュウ君の唇を押さえる。
「わたしが謝んなきゃ、ダメなの。あと、まだ時間があるから…」
抱いて欲しい。そうは直接は言わない。言わなくても、ジュウ君はわかっている。何回も繰り返す毎日。
罪を、業を。背負い背負わせる主従。
救う手段はコレしかなく、救える人間は自分だけ。


818: ◆JI6GRfrLos
09/03/07 00:23:05 RMGKxk4a
何も出来なかった自分が、美夜を自分で埋め尽くすことで救ってくれている。
それでも、ジュウ君は悩み、苦しんでる。何度も後悔し、決断を悔いている。
わたしにはジュウ君しかいない。
手を使わず、犬食いでごはんを食べる。ジュウ君は目を逸らす。
本当に『飼われてる』実感を得る為に『待て』とかの命令をお願いをしたけど、流石に断られた。
短い朝食は終わり、わたしの口のまわりはごはんだらけだ。
「じっとしてろ」
ジュウ君がわたしの口の周りについたごはんを啄む。優しく、キスの雨がわたしに降り注ぐ。
「お願いっ…」
最後まではしない愛撫。焦らすように、それでいてポイントを知り尽くしたジュウ君の手が快楽の波を作る。
ブラウスのボタンを自分で外す。
ジュウ君はわたしを優しく抱きしめ、口から、首、鎖骨を通り、ざらりとした舌の感触が胸を撫でる。
スタイルには自信があったけど、ジュウ君の男を反応させた事は未だにない。
「帰ってきたら、またな…」
そういっても、ジュウ君が『続き』をしたことはない。
ただ一方的に快楽を与え、グチャグチャにして、何事もなかったかのように学校にいく。
学校までいくらも時間はあるが、残酷なまでの優しさがジュウに本当に抱く事を許していない。
ジュウがいなくなり、1人体をふるわせる。
みっともなく潤わせた女の部分を1人いじりながら、それでも快感を貪る。
「ジュウ君…ジュウ君…」
寂しさの中にある多幸感が、一時的な快楽に酔わせる。
少なくとも、わたしは幸せになった…

――――

「と、いう夢を見たんだけど…」
わたしは堕花さんと女の子同士の会話を楽しんでいた。
話すことは、昨日見た夢の話。
「……あなたもなかなかのものですね」
「堕花さんほどじゃないよ?」
ふふふ。あはは。二人して形式的な笑い声をあげる。
夢診断とか、メンタルチェックとかの名目だった筈が美夜の変態性が露見しただけだった。
雨の目は伺えない。美夜の目は、明るく澄み渡っている。
朗らかに笑顔を交わす2人。目の奥は2人とも笑わない。
「でも、いずれ実現させるよ?」
「ご冗談を」
ふふふ。あはは。

819: ◆JI6GRfrLos
09/03/07 00:26:14 RMGKxk4a
投下完了。
ごめん。すんどめ大好きなんだ。

820:名無しさん@ピンキー
09/03/07 08:09:28 oPC9kIsR
>>819
けっこうなお手前で……。

821: ◆JI6GRfrLos
09/03/08 05:07:45 XcbGJVvy
「…っいいぞ。続けろ」
股には、雨の頭部。
雄々しくそそり立つ、ジュウのものを雨は懸命に奉仕する。
「はぁはぁ…ジュウ様のエクスカリバー…」
よだれとカウパーで口のまわりを汚すのも構わず、雨は奉仕を続ける。
熱く、弾む呼吸と舌がジュウに堪能の波を与える。
「ジュ、ジュウ様…も、もう、お慈悲を…」
「あぁ…」
ジュウはすでに腰砕け状態の雨の腰を支え、壁に手をつけさせ、無造作にそれを突き入れる。
「はっ…はっ…ジュ、ジュウ様、の、エクスカリバーがっ、わたしのっ、鞘にっ…!」
喜悦に歪み、獣のようにむつみ合う…だが、その時、事故が起きた。
「…あっ」
雨は濡れるフローリングに滑り、繋がった状態のまま頭を床に落としそうになる。
ジュウはそれに気づくも、突き入れたものを軸に回る雨を抱え、とっさに庇い一緒に倒れてしまう。
雨の下敷きになるよう体を反転させたが、人間1人を股関で支える事になってしまう。
「ぐっ…」
「ジュウ様!」
大丈夫ですか。そう、語りかけようとしたが、雨は言葉を失う。
繋がったジュウのあれが、折れ曲がっていたのだ。
「ジュ、ジュウ様のエクスカリバーが…!」
「…ぐぅっ…」
雨はジュウの応急処置をしながらも、あたりを見回し原因を探る。
床を見、足をとった正体を見る。
床を濡らす液体を指に取り、舐める。
「…これは、カリパー……」
2人の体液が、床を濡らす正体だった。
雨は、はっと気付く。
「もしや、エクスカリバーではなくエクスカリパー…?」
見つめ合う2人。
「「………」」
奇妙な静寂を、共に破る。
「「最強の剣じゃなかったのかーー!!」」
2人の慟哭は、闇へと溶けた…
終われ。

822:名無しさん@ピンキー
09/03/08 07:33:25 ik2xIHt1
俺がff5をやってる最中に…

823:名無しさん@ピンキー
09/03/08 19:50:48 XcbGJVvy
>>822
わかる人にもわからない人にも微妙なネタだったと反省した…自重するよ。

824:名無しさん@ピンキー
09/03/09 18:19:15 W0+plqYB
エクスかリバー!!!



ワロタw

825:名無しさん@ピンキー
09/03/09 18:44:59 DqY7F3iJ
カリパーじゃなくカウパーだった事に今更気付いたんだ…
ごめん。脳内変換で…

826:名無しさん@ピンキー
09/03/09 21:44:50 TuubHI8T
貴様!ここまで焦らすとは確信犯だな!

827: ◆JI6GRfrLos
09/03/09 22:57:54 DqY7F3iJ
>>826
かくしんはん
確信犯
自己の使命を確信して行なう犯罪.*思想犯や政治犯をいう.

つまり、すんどめ専門か。俺は。
―――
カリカリカリ。カッターナイフの刃を剥き、雪姫が殺気を解放する。
「刃物でわたしに挑む?馬鹿か」
薄く、冷たい。まさしく抜き身の刃の如く。
だが、対面する雨はどこまでも冷静だ。
「甘いのはあなたですよ。雪姫」
眉をひそめ、雪姫は雨を見やる。
「勝機があると?」
それに雨は行動で答えを示した。
ジュウの隣に移動し、雨は膝をつく。

そのまま、ジュウのズボンを下ろした。

「ジュウ様のエクスカリバーの前ではあなたも無力!雪姫。覚悟しなさい!」
「ら、らめぇぇぇっ!」
ジュウは腕時計を外し、手の甲先に巻く。思い出すのは、紅香から教わった自らより強い者より挑む時の心得。
「…おまえが、覚悟しろよ?」
―――
自重しきれなかった…

828:名無しさん@ピンキー
09/03/12 07:59:25 FDxPnXo1
ん、保守しとくか

829:名無しさん@ピンキー
09/03/12 22:44:35 QxGtfRI5
妄想日記は光より夕乃の方がしっくりくるんだけどな…
夕乃さん。原作でも『幸せ日記』なるものを書いてるんだし。
でも肝心の日記の内容が思い浮かばない。
短編なら
崩月家を訪ねた真九郎が偶然目にする

夕乃さんの溢れんばかりの愛が渦巻く日記展開。間は空白でラストの方に結婚後の性生活計画が事細かに。

呼びにきた夕乃さん。真九郎とっさに日記を隠す。

現実にして差し上げますからね。とぼそり。

みたいなのを書いてみたいけどネタに詰まる。

とりあえず紫たんとちゅっちゅっしたいお。

830:名無しさん@ピンキー
09/03/12 22:57:53 feJedszF
>>829
すげえ、違和感ねえw構成力あるよ

831:名無しさん@ピンキー
09/03/13 01:09:26 3tajeYAb
夕乃さん怖ぇw

832:名無しさん@ピンキー
09/03/13 11:51:44 Juwfdqwz
>>829
>妄想日記は光より夕乃の方がしっくりくるんだけどな…
それは確かにあるわぁ~

ぜひ書いてほしい

833:名無しさん@ピンキー
09/03/13 12:46:03 XRVEzpDO
紫たんとちゅっちゅっしたいお。には何ら反応がないこの食い付きが悔しい。

明日、ホワイトデーだし。そっちが書きあがったら頑張ってみる。宣言しといて全く書けてないから。
バレンタインネタは
型くずれした不器用な手作りチョコを真九郎に渡す紫。

かなり苦くとも、美味しいという真九郎。

紫はバレンタインには真九郎の為だけにチョコをあげると約束。

チョコは苦くとも、2人の関係は甘いんだぜ。
みたいな方がよかったかな…無理に逆チョコとかネタにするんじゃなかった。
…雨とジュウ様がいちゃいちゃするの書きたかっただけだから。

それにしても『幸せ日記』上で繰り広げる夕乃さんと真九郎の新婚生活か…夕乃さん。虚しい人だな…

834: ◆JI6GRfrLos
09/03/16 06:39:29 fTOgItj1
わたし「ジュウ様。ホワイトデーのお返しを作製致しました。一品一品、わたしの深い念を込めた力作です」
ジュウ様「あぁ有り難くいただくよ…うまい!うますぎるぜ…!
ビタースイートな深い味わいの中に隠されたこの絶妙な甘み!そしてコク!一体何を入れたんだい?」
わたし「ジュウ様への、愛を…」
ジュウ様「雨…そんなおまえにふぉーりんらぶだぜ…」
わたし「わたしも…いつでもジュウ様にラブ全開です」
ジュウ様「おっと、こんな所にも甘そうなすぃーつが…」
わたし「い、いけませんよ…ジュウ様…こんなところでっん…!」
重なり合う二つの影。優しい日溜まりが、2人を祝福していた…
堕花雨先生の次回作に御期待下さい!

――――

「と、なる筈だったのですが…」
妄想から帰還を果たした雨は現実の厳しさを体感していた。
凄惨たる現状の台所を見て、これは困りましたね。と他人事のように呟いてみる。
実際、その光景は凄まじかった。
鍋からは紫と黒と白が得体の知れないしま模様を浮かべ、火もついていないのにぶくぶくと泡を吹いている。
何故かまな板は真っ二つになっており、ひとつには折れた包丁の刃先がつきたっている。
洗い場は失敗した食材を直接流そうとした為におどろおどろしい液体が水の底にヘドロのごとく渦巻いている。
料理が苦手である事は自覚していたが、作らねばならない理由があった。
ジュウからバレンタインの贈り物をもらって早1ヶ月。
そしてこれは、ホワイトデーにお返しを作ろうと雨なりに努力した結果だ。
「………」
既に今日はホワイトデー当日。
前日から取り組み、母の薫子や妹の光の手伝いも断り懸命に試み…撃沈した。
これは、どうしましょうか…以前ジュウ様にお弁当を作った際も似たような事があった気がしますが。
たとたとと、誰かが近付いてくる。
「お姉ちゃん?もしかしてずっとおき、て………」
「おはよう。光ちゃん」
「う、うん…おはよう。あの…これは…」
「ジュウ様にお菓子を作ろうとしたのだけれど…」
手を口にあて、困ったように首を傾げる。
「……か、完成は、したの?」
今日は朝食の用意を光は頼まれている。
台所が使えなくとも用意は出来るが、せめて昼までには片付けないと困るだろう。


835: ◆JI6GRfrLos
09/03/16 06:40:46 fTOgItj1
「一応、一品だけは出来たけど…」
す、と指差した先には、溶けたチョコレートらしきもの。多分、チョコレート。
だが、根本的に何かが違う。甘い香りの白みがかった茶色の液体
まるで魔女の秘薬のような、多分きっとチョコレートをさして、雨は言った。
「アレしか出来なかったの…チョコレートフォンデュ」
あれが?!と思わず喉を通りそうになったが、光はこらえた。
大好きな姉が作ったものだ。食べろと言われたら全力で拒否させてもらうけど。
内心を顔に出さぬよう注意を払い、光は何とか言葉を発することが出来た。
「…あいつ、気にいるといいね」
「えぇ…」
頑張れ。柔沢ジュウ。でもお姉ちゃん泣かしたら、承知しないぞ。
そんなエールを光は心の中でジュウに送り、台所の片付けに入った。

――――

男には、やらねばならない時がある。
「ジュウ様…その、無理をなさらずに…」
「いや、有り難くいただくよ…」
雨がホワイトデーのお返しに、とお菓子を作ってきたのだが随分と言いよどむので促した結果が、目の前にある。
ジュウは数分前の自分を殴り飛ばしたくなったが、一度言った手前どうしようもない。
立ち上る香りに脂汗が浮き、顔が引きつる。震える手を抑えつけ、ビスケットをチョコレートらしき茶色の液体に近付ける。
その液体は何もしていないのに渦を描き、時折甘い臭いの気泡を吐き出している。思わず、手が止まる。
その異様な様は、既に人が踏み入れてはならない領域だろうと思った。
これを食べるのか…料理が苦手だったと聞いていたが、ここまでとはな…
だが、雨の申し訳なさそうな顔を見ると既に後には引けない。
ホームメイド兵器にビスケットをつけ、上げる。糸を引くチョコレートフォンデュ…らしきもの。
男らしさってなんだ?
それは惚れた女に聞くことだ。
意を決し、ビスケットを口に含む。
ジュウが覚えていたのは、其処までだった。

―――
まで書いて、オチが思い付かなかった…

836:名無しさん@ピンキー
09/03/16 21:34:18 J+me/Y8B
つづきはファンブックですね

837:名無しさん@ピンキー
09/03/17 06:56:35 +5D/w3o0
ここまででも面白いものは面白い。良かったぜ!

838:名無しさん@ピンキー
09/03/22 01:21:05 A8P2yL1j
酔った勢いでヤっちまう真九郎×環さん(処女)てのが燃える

839:名無しさん@ピンキー
09/03/22 20:19:39 i1s7TdVD
新刊まだかな……

840:名無しさん@ピンキー
09/03/22 22:30:23 JaARv23K
酔った勢いでヤっちまう真九郎×絶奈(処女)てのが萌える

841:名無しさん@ピンキー
09/03/22 23:03:19 iAQFTAL6
なんかの勢いでヤっちまう真九郎×切彦(処女確定)てのが極萌

842:名無しさん@ピンキー
09/03/23 08:34:05 1iJw0kgt
勢いでなくともヤッちまった光ちゃん

843:名無しさん@ピンキー
09/03/24 22:48:03 KnNKXWCb
>>842
ははあ、殺ッちまったわけですね。

844:名無しさん@ピンキー
09/03/26 17:26:13 x0i0qJtG
保守。

845:名無しさん@ピンキー
09/03/26 22:31:43 abypJZ5k
酒乱なんてどうだろうか

846:名無しさん@ピンキー
09/03/26 22:46:28 sEfhYnBk
いつかみたいに真九朗の部屋でナベやってて、環さんが酔った勢いで真九朗に酒を飲ませて
二人とも酔っちゃって、みんなの前でなにやらイチャイチャし始めるのか。
…夕乃さんがその場にいなければいいね。

でも夕乃さんなら、そこから真九朗は酒に弱いということを学び、また何か仕掛けてきそう。

847:名無しさん@ピンキー
09/03/26 23:03:14 v4j5V58L
アルコールを大量に投与された真九郎が絶奈とパラダイス

848:名無しさん@ピンキー
09/03/27 01:33:06 5B5mWmgU
>>847
むしろ飲み過ぎて起きなくなった息子を絶奈さんが散々罵倒した後、酒が抜けてきて力を取り戻した真紅朗に先ほどの罵倒のお返しを・・・と言われてハイパー真紅朗タイム

849:名無しさん@ピンキー
09/03/27 02:03:22 sFdw1jhP
「どうしたんですか?今日はお酒全然飲まないですね」
真九郎が訊ねると絶奈は甘い顔で真九郎を見つめる。
「あれ以来、お酒より君のが欲しくてたまらなくなっちゃったの…」
酒を飲んでもいないのに頬を赤く染め絶奈はそう答える。
「……俺のナニが欲しいんですか?はっきり言ってくれないとわかりませんね」
「もう…君って見かけによらず意地悪…キャッ!?」
唐突に真九郎は絶奈を押し倒す。
「やっぱり、もどかしいのはなしにしますよ。今日は俺も溜まってますから…」
「君って本当に自分勝手ね…好きにしていいから優しくしてよ?」
真九郎は小さく頷くと絶奈の体を本能のままに貪り始めた…。

――――――――――――

時間も無けりゃ、文才も無い!これが俺の限界!

850: ◆JI6GRfrLos
09/03/27 02:51:38 ggFXN3GQ
>>849
やるじゃねぇか…
―――
絶奈の両の手首を片手で握り、頭の上で押さえつける。
お酒以外の理由で赤く、甘く惚けた顔をじっくり眺める。
空いた片手で絶奈のネクタイをまくりあげ、ブラウスのボタンに手をかける。
「…ネクタイは…」
外さないのか。そう問いかける言葉を唇でふさぎ、唇から耳まで舌でじっとりなで上げ真九郎は囁いた。
「ネクタイはつけたままにしておきますよ…似合ってますよ。バカっぽくて」
嘲笑、嘲り、侮蔑。
それらを多分に含んだ言葉に絶奈は興奮に震える。
「本当に…気持ちの悪いマゾですね」
人差し指でブラウスのボタンに指をかける。
いつかのような、防刃・防弾性能に優れた服ではない。
2~3回洗えば生地はダメになるような安っぽいもの。
下まで軽く振り下ろすだけで全てのボタンがはじき飛んだ。
「んっ…」
羞恥と媚びをはらんだ目に、真九郎のモノも首をあげる。
「さて…まどろっこし真似はしませんからね」
そのままスーツのパンツの又布部分を手で握り引き千切る。
何も生えていない幼い恥部が外気にさらされ、千切れた又布からは銀の糸が引く。
触られもしていない絶奈の女は濡れひょっこりと豆が覗いてる。
ネクタイはしめたまま、ブラウスの前だけ開き、ズボンは又布だけ破られ隠すべき所は全てを晒している。
M字開脚のように足は開かれ、無様に息を上げる。
見下ろす真九郎は何も言わない。
「真九郎くん…はやく…きて」
切なさが混じる懇願に真九郎は唇を釣り上げる。
腕を振り上げ、さらけ出された恥部に拳をうちすえる。
がっがっ…と割とシャレにならない打撃音を響かせてもその程度の刺激は絶奈を興奮させるだけだ。
それは2人にのみ許される前戯。
赤く色付く恥部はしとどに濡れ、うちすえる真九郎の拳をも濡らす。
絶奈はされるままになり、息を上げる事しかしない。
数十発撃ち込んだあたりで真九郎は膝立ちから立ち上がり絶奈の脇腹につま先をいれ、転がす。
声も上げずに、うつ伏せになった絶奈は真九郎を見上げる。
「マグロなマゾをいたぶるだけじゃ、飽きますからね…」
しめられたままのネクタイを掴み、きつめにしめ顎を上げさせる。
リードのようなネクタイ。全開になっている服。
絶奈の目に映る。屈辱、羞恥、期待、困惑。それらは混ざりあい、大きな光彩には欲情し濁る。
真九郎は意識して高圧的な声音を作る。
「しゃぶれよ?」
――
本番って難しいよな…

851:名無しさん@ピンキー
09/03/27 03:01:00 ggFXN3GQ
>>849
ごめん。続き勝手に書いちゃって…しかもトリつけちゃったし…
これ、続けていいですか?

852:名無しさん@ピンキー
09/03/27 03:02:39 9+vP52Ny
こんな時間だからこそ覗いてみるもんだな…
>>849>>850
GJ!

853:849
09/03/27 03:15:50 /+pKI5ld
>>851
ああ、全然構いませんよ。むしろお願いします!!

854:名無しさん@ピンキー
09/03/27 07:35:55 P9GrKcv/
神はまだスレを見捨ててはいなかったようだ。
続き楽しみにしてる。

855:名無しさん@ピンキー
09/03/27 08:42:54 jFfKZm2/
待ってるぜ…!

856:名無しさん@ピンキー
09/03/27 17:34:36 ggFXN3GQ
保管庫をちょっと編集してみた。
ごめん。ルール全然読んでなかった…ぶっちぎってすんません…
来週。改めてちゃんと編集するので。

>>852-855
続きは夜までに頑張ってみる…つい勢いで書いちゃったから…

857:名無しさん@ピンキー
09/03/27 19:52:47 aIxEBxSr
めっさ頑張れ

858:名無しさん@ピンキー
09/03/28 01:06:03 Oi061Uq7
えーと、酒乱(?)的なヤツを電波で書いてみた
文才なくてすまない
盛大にスルーしてくれ

―――――――――

 ピンポーン、と玄関のチャイムが鳴って、ジュウはテレビから視線を剥がした。
「……もうきたのかよ」
 今日、柔沢家には来客の予定があるのだが、こんなにも早くくるとは思ってもいなかった。
 返事をしつつも鍵を開けると、勝手にドアノブが動く。それと同時にものすごい勢いで扉が開いた。受け止める手が痛い。
「こんちわー」
「お邪魔します」
 入ってきたのはジュウの数少ない友人のうちの二人―斬島雪姫と墜花雨だった。
「……おう」
 前者は明るく、後者は静かに。そんな正反対の二人をジュウは招き入れた。
「いやー、もうすっかり秋ですなー」
 雪姫は苦笑いしつつも、靴を脱ぎ始める。雪姫はもう秋だというのにTシャツの上に薄いパーカー、下はミニスカートにハイソックスという格好。寒くないのだろうか。
そんな雪姫を見ていると、ジュウはあるものに気がついた。雪姫が後ろ手になにかもっているの。それは彼女の肘から手首までぐらいのながさの長方形のものだった。
 ジュウはたずねてみる。
「雪姫。それなんだ?」
 雪姫は靴をそろえている手を止め、少し苦い顔で振り返る。そしていつもどおりのテンションでジュウに返した。
「ありゃー、ばれちったかー」
 隠す気があったのかよ。雪姫は、んーあとにとっときたかったんだけどな、などとつぶやいたあとジュウの目の前にそれを差し出した。
「ジュウ君、おたんじょうびおめでとー!」
「…………」
 ジュウは固まってしまった。よく自分の誕生日を忘れるといった話を聞くが、ジュウは違う。忘れたことなどない。その原因というのはまた後で話すとして、ジュウが驚いたのは別のことだった。
 綺麗にラッピングされたプレゼントを受け取り礼を言いながら考える。
 なぜ雪姫がそのことを知っているのか。教えた覚えはない。この訪問を仕組んだのは雨であり、雨なら知っていてもおかしくはないと思うのだが、それを雪姫に教えるだろうか。
 仮にも彼女はジュウの下僕を自称しており、そんな雨が主の情報を他人にながす、なんてことはしないだろう。
「柔沢くん、あけてもいいよ」
 雪姫の声で思考が途切れた。
「ん、ああ」
 ガサガサ、とラッピングをはがし、出てきたものにジュウは唖然とした。
 芋焼酎さくら。
 つまりは酒が入っていたのだ。こいつ……。
「……お前今何歳だ」
「十七」
「よく買えたな」
 雪姫は得意顔。
「まぁねー」
 どうせコイツのことだがらネットででも買ったのだろうか。なんて考えていると雪姫は
「大佐っ、これよりジュウ君家に潜入します!」
 とかなんとかいってまるで自分家であるかの様に中へ入っていってしまった。玄関には雨とジュウが残る。
「……俺らも行くか」
「はい……あの、その前にすこしよろしいでしょうか」
「ん?」
 雨はさっきから腕につるしていた紙袋からひらべったい箱を取り出し、ジュウにを差し出した。
「お誕生日おめでとう御座います、ジュウ様」
 雨は言い終わると少し蒸気したように顔を下に向けた。
「おう、サンキュな」
 ジュウは箱を受け取ると、雨の頭の上に手を載せ少しなでる。さらさらとした感触が心地よかった。やつもどおりである。
「これあけてみていいか?」
 雨にたずねる。
「ジュウ様のお好きなように」
 そういって雨は靴を脱ぎ始めた。彼女なりのテレかくしなのかもしれない。箱の中身は壁時計だった。そういえば、と部屋の時計が壊れていたことを思い出す。でも、待て。さっきの雪姫と同じ疑問が浮かぶ。
 なぜ知っているんだ。
「さ、私たちも行きましょう、ジュウ様」
「……ああ」
 雨はそそくさとリビングへ向かってしまった。

859:名無しさん@ピンキー
09/03/28 01:11:40 Oi061Uq7
 ジュウが雨からもらった時計を部屋にかけてからリビングに行くと、それと同時にキュポッという音が鳴った。
 みると雪姫がテーブルの上でビンの蓋を開けていた。ジュウはあわてて声を上げる。
「なにやってんだよお前」
 雪姫は戸棚から取り出したであろうお猪口にそれを注ぐ。
「だってここにあったんだもん」
「自分家か! お前は!」
「まぁまぁ、終わったことは気にしないの。ささ、一杯どうぞ」
 雪姫は並々注いだお猪口をジュウの口元に押し付けた。それを傾けられて、ジュウは否応なしに口に含んでしまった。
 それ、というのはお酒だった。
 ジュウは誕生日を忘れないというのには理由がある。毎年紅香がジュウの誕生日にアルコール類をどこかのホテルの住所から送ってくるのだった。去年はワイン、今年は―。
「ぷはー、やっぱ日本酒はいいねー」
「ですね。甘くて好きです」
 雨お前までなに始めちゃってるんだ。
 今年の紅香からの贈り物は日本酒だった。
「まて、お前ら。勝手に飲むなよ!」
「えージュウ君だってのんだじゃーん」
 雪姫は口を尖らせる。
「……あれは不可抗力だ」
 雪姫と言い合っていると、雨が口を開く。
 ジュウ様、今日ぐらいはいいのではないでしょうか? 明日は日曜日ですし……」
「だけど……」
 雨はジュウの声をさえぎった。彼女にしては珍しい行為だった。いささか、早くもよっているのかもしれない。
「それに私、お酒に自身はありますし。ジュウ様もおありでしょう?」
 もう酔ってんだよお前は。
 でも、なぜか雨が言う言葉には説得力がある。それにさっきの酒は結構美味だったことを思い出す。
 ジュウは中で生理的な欲求、つまり美味を求めるという人間としての欲求と、未成年のくせに酒はだめだ、という正義感が戦った。
 なんとか均衡を保っていたのだが、それは雪姫によって崩された。彼女はまたジュウの口元にお猪口をつけたのだ。そして傾ける。口に流し込まれる甘い液体にあと押しされ、ジュウの正義心は敗北を決した。雨もいるし大丈夫だろう。そんなこんなでジュウは折れてしまった。
「さぁどんどんのみましょー」
 それを後悔することになるなどこの時は知る由もなかった。

 *

 目を覚ますと、しっとりとした黒髪があった。それが雨のものであると気付くのに数秒かかったことからまだジュウはよっているのだろう。寝ちまったか。
 と、そこでふっと思う。なぜこんな間近に雨が?
 横を見ると、雨がジュウの肩によりかかって、寝息を立てていた。その寝顔に少し見とれつつも、あわてて座っていたソファから飛びのく。雨は重力にしたがってソファの上にぽてりとおちる。しかし起きる気配もなく、規則的な呼吸を雨は継続していた。
あたりを見回すと、かなりアレな状態だ。
テーブルの上は酒瓶が五本転がっていて、いずれも中は空。調子に乗って紅香から送られてきた日本酒四本プラス雪姫の一本を空けて……。そこで、ん? と気がつく。
 雪姫は?
 玄関までいってみると、雪姫のはいていたスニーカーがなくなっていた。家中を見て回っても人の気配がないことからとりあえずは帰ったみたいだ。
 まあ寝た俺も悪いのだが、勝手に帰りやがって。
 ジュウはリビングに戻った。その瞬間むせ返るようなアルコール臭に思わず懸念するも、とりあえず酒瓶をまとめ、廊下に出し窓を開ける。これだけでかなり快適になった。
 俺もよくこんな中で寝られたと思う。そしてふと雨のほうへ目をやった。こいつもだけど。
 雨を眺めつつ、テーブルの上を片付けた。食器を水洗いし、台拭きでテーブルを擦る。
 酔いつぶれた客と従業員って感じだな。片付けが終わると、ジュウのすることは残り一つとなった。

 雨を起こす

 だ。
 ジュウが動き回っている間にも普通に寝ていた彼女を起こすのはかなり難しいと思う。
 とりあえず、肩に手をかけて揺すってみた。―反応ナシ。
 もう少し強めに揺する。―反応ナシ。
 今度はかなり強めに揺すって、声も掛けてみる。
「おい! 雨!」―少し唸ってみせるも、その後反応ナシ。
 はぁ、とジュウはため息をつく。依然として前髪の隙間から見えるまぶたは閉じられていて、正座を崩した―いわゆる女座りのまま横に倒れている。
端からみたら結構危ないシーンなんじゃないか。そんなことを考えてしまい、ジュウは頭を振る。まだ酒は抜けてない。抜けるわけないが―。
 ジュウは最終手段に出ることにした。


860:名無しさん@ピンキー
09/03/28 01:13:27 Oi061Uq7
「……ひっ……ぁ…」
 雨の口から言葉にならない声が漏れる。
 最終手段はうまくいった。
 あの後ジュウがまず行ったのは冷蔵庫へ行くことだ。正確には冷凍庫に。そこから氷を二つ取り出し、一つは口に放り込むと、もう一つは―。
 雨の首筋に当てた。うめき声を上げた数秒後。静かにまぶたが動き、その澄んだ瞳が光りを映す。
「ジュウ……さま? ……ひぁっ……」
 そこで冷たさに気がついたらしく、また悲鳴が上がった。
ジュウはすっかり氷をつけていたことを忘れていた。指先や口内の冷たさも酔いもすべて吹っ飛ばしてくれるような光景。ただ起きるだけのその光景が大地の芽吹きのように感じられたのだ。
 ……酔ってるな。
 ジュウは氷を首筋から離す―と同じ瞬間に雨は上体を起こした。起こした……。
 つるっ、と擬音のごとく氷が滑り落ちる。それは運悪く体を起こした雨の背中に入る。
「あっ……ひっ……」
 雨は弓なりにのけぞる。さらに両手を背中に総動員させて氷を取り除こうとしていて―
 端的に言うと、雨は立ちひざで両手を後ろにまわして胸を突き出していた。顔は酔っているのか高潮していて、来ている制服も寝起きのため少し乱れている。
 ジュウはやっと氷を取り出した雨の肩に手を乗せると、ぐいと引き寄せた。
 雨の手から氷が転り落ちた。
「ジュウ……様……」
 雨が驚いたようにつぶやく。その声が、鼻に入る雨のにおいが、すべてが愛おしく思えた。ジュウは雨のふくらみに手を這わす。
「―!」
 そのまま回すようにして愛撫する。
「……っはぁ……くっ」
「雨―」
 ジュウはそのまま深く唇を奪った。
 口内をなぞり挙げるうちに雨の嬌声が激しくなる。
 ジュウは雨の制服に手をかけた。
 ブレザーを脱がすと、その下は黒いチューブトップ。その黒の中に、山が二つ自己主張するように立っていた。
 ジュウはそこを指先ではじく。
「……んぁ……っ!」
 雨はいっそう声を上ずらせた。
 その姿がまたかわいらしく、ジュウはまた唇を奪う。深く、丁寧に。それと同時に黒い布をめくり挙げた。
 初めて見る、異性の胸元。もちろん、親族以外の、だ。
 ジュウは乳首をつまむ。そのまま軽くひねった。
「ん……あぁ……くぅ」
 サイズはやや控えめだが形の整ったそれに愛撫を加えながら、手を下へ伸ばす。雨はそれに気がついたらしく、少し足を動かして恥じるようなことをしつつも、ジュウが太ももへ手を伸ばし少し揉んでやるとすぐにひらいた。
 恥じることも、欲することも恋しい。ジュウは唇を這わせる―今度は右胸に。雨は少し甲高い声を上げる。
 彼女の秘所はもう十分の湿気を帯びていた。口で右の乳首をむさぼりつつ、左手でもう片方、そして右手は秘所を。


861:名無しさん@ピンキー
09/03/28 01:14:24 Oi061Uq7
 ワレメに沿って、指を動かす。それだけで雨は熱を帯びた声をいっそう高くした。
 乳首から顔を離すと、両手で雨の足をつかむ。それだけで察したのか雨は体制を変えた。足をそのまま持ち上げ、上体のほうへ。いわゆるまんぐりがえしというやつだ。
 もはや意味をなくした下着を取ると、雨のあそこが見えた。指でぱっくりと割る。
「……ぁ……」
 小さく漏らす雨。ジュウはじっとそれを見ていた。ただ呆然と。膣周辺がぱくぱくと動いていて、愛液で光って……。
 じっと眺めるジュウに雨は羞恥を覚えたのか、声を上げる。
「ジュウ様……あまり……その、見ないでください……」
 しかしジュウは反応しない。顔が近いのか、ジュウの呼吸がモロに伝わってくる。雨は少し悶える。多分私のあそこは延々と液を流しているんだろうなと思うとそれが羞恥に変わった。自分でもわかるくらい顔が高潮している。雨は再び声を上げた。
「ジュウ……さま」
 ジュウはそこでやっと気がつく。
「あ……悪い」
 お詫びに雨の薄い唇に一つキスを落とすと、手をそこの突起へのばした。
「はっ……くっ……!」
 しばらくぐにぐにともてあそぶ。中指と人差し指でクリトリスをはさみ、ついでに親指で膣口を擦る。トドメとばかりに開いている手で尿道を押した。
「あ……あぁ、ぁあああ!」
 雨が弓なりにゆれる。
 達した雨は、はぁはぁと息をきらし、残る快楽に悶える。
 ジュウは雨をそっと後ろから抱き寄せた。
「……ぁ」
「……雨……その……いいか?」
 確認を取るあたり自分は不良とかけ離れているんだろうな。
 雨はコクリとうなずいた。ジュウはジッパーを下ろし、ブツを取り出すと、向かい合うように雨を回転させる。
 そして―



 総じて言おう。酔っていたのだ。

お互いに。


862:名無しさん@ピンキー
09/03/28 01:21:48 FU3SYfZ3
支援

863:名無しさん@ピンキー
09/03/28 01:24:01 Oi061Uq7
>>856
割り込んでごめん
続けてくれ

864:名無しさん@ピンキー
09/03/28 02:03:03 FU3SYfZ3
>>863
いや、日にち跨いでるんだから謝るなら俺の方なのに…ごめんなさい。

ところで、伏線バリバリはってるんだし、続きあるよね?

865:名無しさん@ピンキー
09/03/28 10:32:02 dslTepTf
>>861
投下乙です。でも投下終了宣言とsageはしてほしかったり。

866:名無しさん@ピンキー
09/03/28 13:05:42 Oi061Uq7
続きは妄想に任せるよw

>>865
サーセン
今後気をつけます

867:名無しさん@ピンキー
09/03/28 13:21:42 ZrMW67vo
>>858-861
熱烈にGJ!!!!!!!!!


868:名無しさん@ピンキー
09/04/01 23:46:45 sqX2x255
保守

869:名無しさん@ピンキー
09/04/02 03:02:32 IwFMybi8
電波はTVアニメなのか

SS書きが増えるといいな

870:名無しさん@ピンキー
09/04/04 15:49:25 jywUzt4r
紅みたいにならない事を祈る…
いや、決して紅が駄目だったと言ってるんじゃないんだ。
別物としてならうんぬんかんぬん

871:名無しさん@ピンキー
09/04/10 16:30:06 IaKHtrm8
新刊もなく今月はマンガも休載……

俺干からびるお……(’A`)

872:名無しさん@ピンキー
09/04/10 16:41:41 w4xlfbcw
餓えた分、来月頭の単行本+SQ本誌が嬉しいんじゃないか。
夕乃さんの書き下ろしと出番が沢山ありますように・・・

873:名無しさん@ピンキー
09/04/10 20:35:20 ocnJQA0N
環さんのセクシーンがほしいわ

874:名無しさん@ピンキー
09/04/11 00:23:36 z+BbYe7i
俺は闇絵が

875:名無しさん@ピンキー
09/04/11 01:57:24 EDoTuIyR
紅の紫の寝取られって何処にあるんだ?

876:名無しさん@ピンキー
09/04/13 01:39:56 O5sFyp3Y


877:名無しさん@ピンキー
09/04/13 02:42:01 rflXrhqz


878:名無しさん@ピンキー
09/04/13 17:42:46 jF8BjDOD


879:名無しさん@ピンキー
09/04/14 23:25:15 sQItRqj/


880:名無しさん@ピンキー
09/04/16 02:41:41 wSiRzw1e


881:名無しさん@ピンキー
09/04/16 03:33:52 67hpVXXf


882:名無しさん@ピンキー
09/04/16 03:49:54 6myw+QRv
「真九郎さん、児童ポルノ法ってご存知ですか?」
「へ?夕乃さん?なんですかいきなり」
「小さい女の子の写真なんか持ってると逮捕されてしまうんですよ」
「・・・え?」
「だから、真九郎さんがあらぬ誤解で逮捕されないように、とてもいいものを準備したんですよ?」
「夕乃さん?その写真の束はなんなんですか?」
「・・・すごく恥ずかしかったんですけど・・・真九郎さんのためですから」
「へ?」
「私の…裸を誰かに見せるなんて、子供のとき以来なんですから」
「ちょっ・・こ、この写真って!?」
「お巡りさんに捕まりそうになったらこの写真をみせて下さいね」
「・・・」
「あっ、でも、そうしたら私の裸が真九郎さん以外の男の人の目に触れてしまいますっ!どうしましょう!?」



いやその、どうしましょうといわれても

883:名無しさん@ピンキー
09/04/16 07:39:13 Ig+N7As4
>>882
GOOD YUNO!

884:名無しさん@ピンキー
09/04/16 13:02:14 uMUG6HM5
>>882
これは良い夕乃さんw

885:名無しさん@ピンキー
09/04/16 18:32:08 GjpSLPhY
夕乃でも児ポ法に引っかかる気がする

886:名無しさん@ピンキー
09/04/16 18:36:07 f1BZRyuQ
というか変質者ですがな

887:名無しさん@ピンキー
09/04/16 20:23:27 oCUCkTmk
>>885
夕乃さん「"夕乃さん"、だ。豚が…」

888:名無しさん@ピンキー
09/04/16 21:28:06 UuMooAZM
夕乃さん写真くださいよ

889:名無しさん@ピンキー
09/04/18 15:56:33 7WNV4bIt
小ネタ的な何か

―――――――――
「なあ銀子」
「なによ」
「銀子っていつからメガネかけ始めたんだ?」
 ここは新聞部部室。放課後の一時、なにもすることがない真九郎はなんとなく銀子に話しかけてみた。キーボードの音が止まる。
 ふと気になった、そんな感じだ。
「アンタに会う前から」
 銀子はそっけなく答え、再びキーボードを叩き始めた。
「そうか……」
 再び沈黙。カタカタとリズミカルに鍵盤の音がする。なんとなくいつも聞いてるそれも、最近になって、すごいことなんだなと思う。
 というのもこの前授業で―存在をはじめて知ったのだが―コンピュータールームでバソコンを使ったのだが、この数えるほどしかそれを触ったことの無い真九郎には何がなんだかわからない状態。
 銀子は課題のタイピングを3分くらいで終わらせていたが、真九郎は終わる気配すらなかったのだった。
どれくらい経っただろうか。
タンッ、とキーをはじくような音がして、銀子のイスが回転した。
「たしか2歳のころだった……」
「は?」
「これよ」
 銀子は自分のメガネを指す。
「ああ、それか……」
「自分からふった話題なのに素っ気ないわね」
「悪かったな」
 銀子は少し笑った。つられて真九郎の頬も緩む。
「で、どうしたのいきなり。これがそんなに気になる?」
 真九郎がたじろぐ。
「え? いや、なんとなくね」
 銀子はメガネを指で挙げる。
「なに、アンタメガネ属性でもあんの?」
「めがね……ぞくせい?」
 初めて訊いたワードのように繰り返す真九郎に銀子は声色を落としてつぶやく。
「……なんでもない」


890:名無しさん@ピンキー
09/04/18 15:58:23 7WNV4bIt
「なんだよ」
「なんでもない」
「な……」
「なんでもない」
 押し切られた。そんなにまずいのだろうか。それから少し沈黙があって、銀子が口を開く。
「……メガネ好きなのかってこと」
 そういう彼女の頬は少し赤かった。
「メガネか……好きとかそういうのはないかな……」
「……そ」
 はあ、と銀子はため息をついてしまいそうになる。でもそれをしまいこんで、もう作業の終わったパソコンに向かった。
 しばらく適当にカタカタやっていると後ろから声がする。
「でも……」
「―?」
 振り返ると真九郎が苦笑いで言う。
「たまにメガネかけてる芸能人とか見ると、銀子のほうが似合ってるって思うな……」
 ははは、と無邪気に真九郎が笑った。



「……バカ」


―――――――――
終了
正直もう分けわかんなくなってきた

891:名無しさん@ピンキー
09/04/18 19:16:37 hjpH4nzT
いや~、真九朗ならありそうでこまるwww
GJ

892:名無しさん@ピンキー
09/04/18 19:30:44 zSctOoNh
Good Ginko

893:名無しさん@ピンキー
09/04/18 21:36:49 nJ8Qv01r
>>892
GG!

しかし、銀子には性欲湧かんな…やっぱ眼鏡は(ry

894:名無しさん@ピンキー
09/04/19 02:09:24 BB/IHs69
最近知った俺にとっちゃ銀子は貴重なツンタイプ

895:名無しさん@ピンキー
09/04/19 02:40:19 skhC8a/Q
真九郎はナチュラル女殺しだなしかし

896:名無しさん@ピンキー
09/04/19 05:58:44 WuRB6+th
……いやらしい

897:名無しさん@ピンキー
09/04/20 22:44:01 ZxMY59Aq
デレ分の多いツンだな

898:名無しさん@ピンキー
09/04/21 01:33:04 qZ7qHlOi
URLリンク(sukima.vip2ch.com)

899:すれ違い
09/04/21 19:08:41 8wfdJ1Lu

更新されないのが寂しいので書いてみました。
電波も紅も久しぶりすぎてキャラがイマイチ掴めていません。
特に雪姫の言動が全然わからない。
その辺はご容赦ください。
あ、エロはありません。

―――――――――――――

「うめ~、これやっべぇ、惚れ直した!おまえの料理毎日食わせてくれ!
 雪姫、結婚してくれ~!!ってちゃんと言うんだよー。
 きゃっ、そんなに顔を赤らめちゃってー、照れちゃった?」

『愛する彼氏にあなたの料理』という本を読みながら雪姫は元気良く言い放った。
一応、照れているフリをしているようで、クニクニと身じろぎしながら
両手を頬に当てて、ブリブリしている。
さっき買ったばかりの本を熟読しながら歩いていた。

「何言ってんだか。」

軽口に付き合うことなく、隣を歩いている男が呆れている。
金色の髪も色素の濃くない顔も夕陽で赤く染まっていた。
買い物帰りのようで、右手にはスーパーのビニール袋を持っている。
中には夕食の食材が入っているようだ。

「一度カップルになった仲じゃない。もうすぐ結婚だね!
 団地妻だ!子供は三人!目標達成までもうすぐだね!ジュウ君!
 優しいケンカ、いっぱいしようねー!」

満面の笑顔を作りながら、恥ずかしげもなく弾んだ声で言い切る。
意味は不明だったが、ジュウには嬉しそうにしている雪姫の顔が赤く染まったように見えた。
気のせいか。

「なんだそれ。」

ジュウは小さく呟きながら、思い出していた。
あの時は確か雨も一緒に三人で甘いものを食いにいっただけのはずなんだか。
雪姫の相手をするのがめんどうになったのかジュウは「はいはい」と適当に相槌を打っている。



900:すれ違い2
09/04/21 19:10:59 8wfdJ1Lu

しばらくすると見覚えのある制服を着た美少女と地味な格好をした青年が前から歩いてきた。

美少女の方はジュウたちと同年代のようたが、大人びた凛とした雰囲気を持ち、
透明感のある肌に整った顔立ちをしていた。
風になびいた長い黒髪を左手で押さえている仕草が異様に絵になっている。

ズボンのポケットに左手を入れながら歩いている青年はいかにも優しそうな顔立ちをしていた。
背はジュウよりも少し低いくらい。
童顔で年齢はイマイチわからない。
少なくともジュウたちよりは上だろう。
半そでから出ている右腕の肘の辺りに大きな傷跡が残っているのが印象的だ。

二人とも笑顔で愉しそうにしていた。
周りのことはあまり気にしていないようでジュウたちにも気が付いていない。
そのまま通り過ぎようとした時、ジュウは目線を向けられた気がした。

「あっ、待って待って。
 あの、突然で悪いんだけど、
 もし良かったらその腕時計少し見せてくれない?」

いきなり横から声をかけられる。
前から歩いてきた青年がすれ違いざまに訊いてきたようだ。
頼りないような申し訳なさそうな顔をしている青年だ。
単に時計に興味があるのだろうか。
ただ、どう見ても悪い奴には見えなかった。

振り返りながらジュウは訝しげな表情を浮かべ、少しの間青年を眺めてから腕時計を外す。
青年は、ジュウの目つきの悪い目線にたじろぎもせずに屈託のない笑顔で佇んでいた。
右手に持っているのは紙袋で中には野菜や肉がたくさん入っているようだ。
誰かにもらったのだろうか。
その少し間抜けな格好に共感を覚える。

「ほらよ。」

なんの感慨もない様子で外した腕時計を軽く投げて渡されたことに
青年は驚きながらも落とさないように左手で受け取った。
オーダーメイドの特別製。
シンプルなデザインをしていて、誰が見ても高価なのものだとわかる腕時計だった。
文字盤の裏に『J.J』と彫られている。
雑に扱われているのだろうか小さな傷がいくつもあった。

青年は興味深く腕時計を見ている。
そうとう好きなのだろうか。
渡してすぐになぜか真剣で、どこか懐かしいような目をしたようにも思えた。
が、のほほんとした雰囲気は変わらない。

「へぇ~、やっぱ良い腕時計だね。
 でも、出来ればもっと大切に扱ってあげてほしいな。」

腕時計を武器として使っているジュウの耳にはイタイ言葉だ。
青年は気の抜けた声で話しかけてくるが、どこかショックを受けているようだった。
ジュウは腕時計を返してもらうとすぐに左手首につける。

今まで黙って隣にいた雪姫が急に意地の悪い笑顔になった。
何かを思いついたようだ。

901:すれ違い2
09/04/21 19:13:10 8wfdJ1Lu

「あの、こんにちは。わたしは斬島、あ、いや、柔沢雪姫。
 こっちは柔沢ジュウ君ね。
 おにーさんは?」

雪姫は微笑みながらそんなことを言う。
自己紹介をするというより、自分の名字を『柔沢』と言いたいだけらしく、
隣にいるジュウのことをからかっているようにしか見えない。

「あ、俺は…。えっ、斬島?じゃあ、切彦ちゃんの知り合い?」

明け透けであっけらかんとした声で青年が訊いた。
だが雪姫の身体全体には緊張が走り、瞬時に距離を取る。
ジュウは「ぐっ」っと呻いた。
雪姫に手で突き飛ばされた衝撃でよろけながら青年から離れていく。
焦ったせいで力が抜けなかったようだ。

「あなた、誰!?」

殺気を纏いながらも切羽詰った声を出す雪姫に呆気に取られるジュウと青年。
ジュウの前に立ち、護るようにしながら
青年のことを怪しげな人物を値踏みするように睨んでいる。
目つきが怖い。
張り詰めた空気が辺りを覆う。

青年はその行動をただ唖然として見ていた。
遠くで起こった出来事見るように客観的に眺め、左手で頭を掻きながら苦笑する。

「あのぉ、俺、何か変なこと言ったかな?」

雪姫の警戒を全く無視しているような緊張感のない声が辺りに響いた。
刃物を持っていないことを後悔している雪姫だったが…。

優しげな空気を身に纏っている青年はとてもじゃないが演技しているようには見えなかった。
ふざけているようでもない。
ただただ困っているだけのような雰囲気が伝わってくる。

「よくわからないんだけど、何か気に触ったんならごめんね。」

雪姫は苦笑いしながら戸惑いを隠せない青年の態度に疑問を持つ。
それを見ていると、雪姫は自分だけ警戒しているのがバカらしくも思えた。
ふぅ、と深いため息をつきながら目の前の青年に疑問を投げかけようとしたが、
その前にさっきの言葉を反芻してみる。


902:すれ違い2
09/04/21 19:16:47 8wfdJ1Lu

『切彦ちゃんの知り合い?』
切彦、ちゃん?
あの『切彦』をちゃん付けで呼んだ?
冷静になって考えてみる明らかにおかしい。
外見は普通でナイフを持っていないときはおっとりした女性。
だが、『斬島切彦』の本性は情けも容赦もない殺人鬼。
殺気と狂気を身に纏い、対峙した相手を笑いながら殺す。
依頼されたらどんな相手でも確実に首を落とし、『ギロチン』という二つ名を持っている。
同族でも畏怖し、敵に回せば命はない。
同じ裏十三家の人間が相手でも難しいことだろう。

切彦に仲の良い人間がいるなんて信じられないし、いるわけがないと言い切る自信はある。
その切彦のことを『ちゃん付け』で呼ぶ人間がいるなんて今まで聞いたこともない。
でも、目の前にいる優しげな顔をした青年はごく普通の女の子を呼ぶように呼んだ。
それも何気ない会話をするように、自然と口から言葉が出たようだった。

ありえない。

雪姫は「プッ」と吹き出してしまった。
あの切彦をちゃん付け。
極度の緊張状態から開放されるように、スッと力を抜く。
あ~ははははははっと笑いが止まらない。
腹を抱え、大きな口を開けあけっぴろげに大笑いをしている。

そんな雪姫を横目に見ているジュウは「なんだこいつ」と不審な顔をしている。
いきなり突き飛ばされたジュウとしては全く納得できないが、
楽しそうにしている雪姫の姿を見るのは悪くない。
意味もなく、ジュウを傷つけることするわけがないとわかっているからか
すぐに許してしまう。

いつも鈍感なジュウだがさっきまでの異様な空気を放っていた雪姫を見ていれば、
何か引っかかったくらいのことは察しがつく。

ジュウが何か言おうとした時に離れたところから声がかけられた。


903:すれ違い5
09/04/21 19:45:34 8wfdJ1Lu
「おい、何をやっている真九郎。早く行くぞ。」

先に歩いていった美少女がこっちを振り返りながら言葉をかける。
いかにもお嬢様というような外見とは不似合いな命令口調の言葉を使っていた。
だが堂に入っているように言い慣れている気がする。

「あぁ紫、今行く。
 じゃ、紅香さんによろしくね。」

と言い残し去っていく。
紫と呼ばれた美少女はまた不機嫌な声を発しながら急かしているようだ。
真九郎と呼ばれた青年は紫の方へ駆けて行った。

「? おまえ何で知って…。」

言葉を口にしかけたジュウだったが真九郎には届かない。
無駄なことだと考え、口をつぐむ。

しばらく眺めていると、真九郎は紫のところに着く前に立ち止まり、何かを喋っている。
なぜか電柱に向かって。

さすがに不審には思ったが悪いやつではなさそうなので
気にせずジュウは家の方へ歩き出した。すぐ雪姫も付いて来る。

「なんか変わった人だねー。意外な言葉が聞けたよ。
 どっかでまた、会えるかなー?」

笑い終えたのか雪姫がジュウに話しかけた。
雪姫の目には涙が溜まり、少し艶っぽい。
ジュウはそんな雪姫を直視できずに前を向いて歩いている。

「ジュウ君、今日はこれ作ってねー。」

料理本の表紙になっている、パーマのかかった男性がスープカレーを指差している。
料理本にはふさわしくなさそうな、水曜で売れた北海道を代表するタレントらしい。
いつかテレビで見たことはあるが
司会者や一緒に出演したタレントや芸人にとにかくいじられていたのを覚えている。
全く関係のない話だが。

意識を違う方向へ持っていくように努めたが無駄だった様だ。
雪姫の目線が痛い。
雪姫は期待を込めた艶のある目でジュウをジッと見つめてきた。
動揺を隠すように、ジュウは素朴な疑問を投げかける。

「おまえが作るために買ったんじゃないのか?」

「まぁいいじゃない、気にしない気にしない。
 細かいこと気にしてたらダメだよー。おいしいの期待してるね!」

表裏のない笑顔に一瞬見蕩れてしまう。
ちょうどその時、遠くから変な女性の声が聞こえた気がした。

「君は人間じゃないか!生きた人間じゃないかーー!!」

二人して「プッ」と吹き出してしまう。

904:名無しさん@ピンキー
09/04/21 21:04:16 Hd2026nG
「なあ、銀子に頼みたいことがあるんだ」
「前回の調査代もまだもらってないはずだけど、真九郎?」
「う、それは・・・」
「まあ、いいわ。休みに入ったらうちの店の手伝いに来なさい。で、要件は何なの?」
「ちんぽしゃぶってくれないか?」
「死ねば?」
「・・・待ってくれ。気持はわかるけど最後まで話を聞いてくれ」
「言ってみなさい。くだらない話だったら・・・」
「先っぽだけでいいんだ」
「死ねば?」

905:すれ違い6
09/04/21 21:11:24 8wfdJ1Lu
「君…、何してんの?」

真九郎は電柱に隠れた少女を見つけた。
誰が見てもわかる怪しさを醸し出している。
揉め事処理屋という職業柄怪しい人間はたくさん見てきたつもりだが
『電柱の影に隠れる』ということを本当にする不審者を真九郎は今まで見たことがなかった。
少女はあからさまに動揺しながら、言葉を発せないでいる。

「う~ん、どっかで見たことあるような気がするんだけどなぁ…。
 どこだったかなぁ。
 あっ、環さんとこの道場に通ってない?」

少女はビクッと反応し、猫背だった姿勢の背筋が少しだけ伸びた。
そして、ぎこちなく真九郎の方に顔を向ける。

「え~っと、確か光ちゃんだっけ?合ってる?
 変なお師匠さんもって大変だね。」

真九郎は相手の反応を気にせず言葉を紡いでいく。
光と呼ばれた少女は目をキョロキョロさせ、ピクピクと肩を震えてさせている。
ますます挙動不審になった。

「あ、あぁあのっ」

「ん?真九郎、さっきから何をしているんだ?
 さぁ早く行くぞ、遅れてしまうぞ。」

光がなにか言おうとした時、ちょうど紫の言葉と重なった。

「ちょっと時間がないんだ、ごめんね。
 あ~っと、はい、これ。何か困ったことがあったら連絡してね。
 環さんの知り合いだから割安で請け負うよ。」

真九郎は、名刺を差し出し光に渡す。
オドオドとした不審者のような動きは相変わらずだが、受け取ってくれたようだ。


       『 揉め事処理屋  紅 真九郎 

                090-XXXX-XXXX 』


と、肩書き、名前、電話番号だけが書かれたシンプルな名刺だった。

真九郎は紫の方へ走っていくと、紫の顔が一瞬緩んだ気がした。


906:名無しさん@ピンキー
09/04/21 22:09:13 nHi2qYg+
gj

生きた人間じゃないかーフイタw

907:名無しさん@ピンキー
09/04/21 23:27:43 BU2Y1c9X
>>904
割り込み微エロの貴方にGJの意を捧げます

908:名無しさん@ピンキー
09/04/22 04:06:13 2f8gKw3s
真九郎はやっぱ紫とくっつくのが似合ってるなあ

雪姫が可愛すぎるし
なんかいいねこういうの

909:すれ違い7
09/04/23 22:21:03 ILNFP3d3
>>906
ありがとうございます。あの台詞結構好きで使ってみました。

>>908
ありがとうございます、自分も紫が合ってると思って。
雪姫やっぱ違いましたか。難しいですね~。
------------------
真九郎が紫の隣に着くとわかりやすく拗ねているような表情を見せた。
すまし顔で歩くその姿は、男女関係なく誰が見ても振り返ってしまう程に美しく、
辺りが夕陽に染まっていることで、より幻想的に目に映る。

「おまえは女を見たらすぐに話しかけに行くな。
 もっと分別を持て。おまえの周りには女が多い気がするぞ。」

なぜか怒っているようだった。
とりあえず弁解をする真九郎。

「違うよ、紫。
 今の子、あからさまに怪しかったろ?
 俺、初めて見たんだ。電柱に身を隠す女の子な…」

真九郎が理由を付けて説明しようとしたところに女性の叫び声が聞えてくる。

「君は人間じゃないか!生きた人間じゃないかーー!!」

時が止まった。
次の一歩を踏み出そうとした足も会話をするために働いていた頭も同時に止まる。
何のことか理解ができず、呆けている真九郎と紫。
二人が顔を見合わせ笑い出した瞬間、同じ台詞が繰り返される。

「君は人間じゃないか!生きた人間じゃないかーー!!」

なかなか迫力がある声だ。
どこからだろうか、低い女性の声が聞えてくる。
ミュージカルのヒロインのように声を張り上げている。
なぜか聞いたことがある声だったが思い出せない。
今度は少し音が割れている気がした。
紫も真九郎も両手で腹を抱えて爆笑している。

「君は人間じゃないか!生きた人間じゃないかーー!!」

全く同じ口調、全く同じ声の高さで繰り返される声。
その後も幾度となく繰り返された。
少し落ち着いた真九郎が周囲を見渡す。

まだ電柱の影に隠れている不審者の光は、
肩を震わせながら声を出さず、手を電柱に叩いて笑っていた。
もう隠れている意味なさそうだな。
少し離れたところにいたジュウと雪姫も笑いながらこっちを見ている。


910:すれ違い8
09/04/23 22:26:54 ILNFP3d3

真九郎は顔の前で左手を振り、無実を主張する。
この声を自分のせいにされたくはなかった。
音源を探る。が、わからない。見つからない。

遠くから聞こえてきた気がしたが、真九郎のズボンのポケットが
チカチカ光っているのを見て紫が気付いた。

「し、真九郎、おまえの携帯が鳴っているんじゃないか?」

笑いを堪えながら口にしたが、耐えられず、すぐに笑い出す紫。
真九郎は驚きながら携帯の液晶を確かめる。
『夕乃さん』と表示されていた。
夕乃さんはたしか携帯を持たない主義だったはずだけど…。
疑問には思ったが考えていてもしょうがないので、とりあえず電話にでる。

「もしもし、夕乃さん。
 うん、そう、もらってきた。
 あ、今は紫と一緒に向かってる。
 いや、何もしてないよ。
 な、
 いや、そんなことは。
 うん、そうだよね。もうすぐ着くからちょっと待ってて。」

電話を切り、真九郎はため息を漏らす。
何もしていないのに、なぜ責められるのだろうか。
まぁ、夕乃さんに何か言われるのは嫌な気はしないか、と心の中で呟く真九郎。
女性に頭があがらないのはいくつになっても変わらない。

「環さんのいたずらかな?」

携帯を操作して確認する。
着信音の操作をしてみると、夕乃からの着信限定でさっきの着信音が出るように設定されていた。

「それにしても懐かしいな。あれは楽しかった。」

紅香の計らいで五月雨荘のメンバーにミュージカルの依頼をされたのを思い出す。
闇絵と夕乃のオンチが明らかになった事件だ。
あれにはかなりのショックを受けた。


911:すれ違い9
09/04/23 22:41:59 ILNFP3d3

紫は、両目から零れている涙を手で拭いていた。
大笑いしたことで機嫌が直ったようだ。
はた迷惑なことだけど、今回は助かった。
と、環に感謝する。

「あー、なんでもないから気にしないでねー。」

真九郎はジュウたちの方を向きながら手を振り、声をかけておく。
笑顔を作ったはずだが、きっと苦笑していたことだろう。

疲労に襲われ、なんとなく肩を落としてしまう。
前を向くと少し先を歩いている紫の肩は微かに震えているような気がした。

--------------------
こんな感じで続いていきます。
ここまでで半分くらいなんですけど、初めのところで雨を上手く出せなかったので雪姫だけになったんですが、
他の場面でも出番作れてません。雨の出番がなさそう…。

ここから先は紅が主軸ですが、できるだけ多くのキャラを出していこうと思います。

書いてみたらエロの方にはいつでも持っていけそうなんですけど、エロなしの方向で書いてみます。

912:誕生日1
09/04/26 02:04:01 Yp+pTYTt
>>911の続きです。
―――――――

五月雨荘に着き、食事の準備を始める。
真九郎の部屋には、すでに環と闇絵と夕乃がいた。

「ただいま」と声を掛け、荷物を置く。

紫は環と闇絵の方へ寄って行き、早速喋り始めている。
『女の魅力をさらに磨く方法』と『男と女の駆け引き』を学んでいるようだ。
夕乃と真九郎は並んで食事の用意を始めた。

「夕乃さん、いつ携帯買ったの?」

真九郎は先ほど感じた素朴な疑問を夕乃に投げかける。
夕乃は驚いた顔をした。

「? 買っていませんよ。さっきの電話は環さんのを借りてかけました。
 あっ、そうか。真九郎さん、私といつでも連絡が取り合えるようになりたいんですね!
 私ったら鈍感で…。気が付かなくてすみません。
 今度一緒に買いに行きましょうか?番号は真九郎さんだけに教えますね。」

さっきの一言で夕乃の勘違いを助長するような結果になったのはなぜだろうか?
崩月家に代々伝わっているのだろうか、男が抗えない笑顔をする夕乃。

「ええ、ありがとうございます…。」

夕乃は高校の時から外見が変わっているようには全然見えなかった。
大和撫子という言葉が良く似合う日本的な美女。
おっとりした容姿をし、腰まで届きそうな艶のある黒髪、
洗練された動きにはますます磨きがかかり、そのあでやかで魅力的な仕草にドキッとしてしまう。

「こんにちはー。」

声のした方を向くとドアの前には少女が立っていた。

「あ、ちーちゃん。いらっしゃい。」

千鶴は、大きな瞳をした優しそうな少女に成長していた。
髪型はショートに近いくらいのボブに軽くパーマをかけたもので、
白のチュニックを着て紺のショートパンツを履いている。
活発そうに見えるが、どこか気の抜けた声をし、喋り方はのんびりしていた。

千鶴は持ってきたケーキを冷蔵庫に入れ、紫の隣に座る。
すぐに話の輪の中に入り、うんうんと頷いていた。
らんらんと目を輝かせている千鶴は、
害になりそうな知識を一生懸命吸収しようとしているようだ。


913:誕生日2
09/04/26 02:06:04 Yp+pTYTt

料理の支度が終わり、テーブルに並べ始める。
小さなテーブル一杯に広がる質素ながらも豪華な料理の数々。

一口大の小さなピザ、牛肉の味噌漬け焼き、鶏のから揚げ、和風根野菜のポトフ、
マグロの手こね寿司、サラダ、フライドポテトなど統一感のない様々な料理が用意された。

「紫、「紫ちゃん、誕生日おめでとー!!」」

声を揃え一斉に「パンッパンッ」とクラッカーを鳴らす。
全員が笑顔で小さなテーブルを取り囲み、お祝いの言葉を口にする。

紫は嬉しそうに笑顔を浮かべ「ありがとう」と言っている。
いつにも増して嬉しそうだ。

九鳳院では誕生日を祝うなどということはしたりしない。
奥の院の中に居た頃も奥の院から出た後も、
祝ってもらったこともないし、そのような習慣もなかった。

授業参観やクリスマスのような行事を紫と共に祝っている真九郎。
紫が寂しい思いをしないよう誕生日も祝うことにしたのだ。
それはもう習慣となり、今回で9回目の誕生日。
真九郎だけではなく、みんなが心から祝っている。

そんな嬉しそうな紫の姿を見ていると、
自分のしてきたことが紫にとって大きな意味のあることに思え、嬉しくなる。
これまでの自分の行動が正しかったのだと安心する。

ゆったりと進んでいく楽しく微笑ましい時間。
用意された食事を食べ終わり、千鶴手作りのケーキを口にする。
最近お菓子作りに精を出している千鶴の作るものは最高に上手く、みんなの舌を唸らせた。



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