【電波的な彼女】片山憲太郎作品【紅】 3冊目at EROPARO
【電波的な彼女】片山憲太郎作品【紅】 3冊目 - 暇つぶし2ch625:名無しさん@ピンキー
08/12/22 22:22:13 xDrp4X6w
 「思う存分、打ってきて下さい」
 真九郎は焦った。今回は本気だと。
 こちらに全力を要求するということは、あちらが全力を出したいということだ。
 つまり、格下の自分はもはや為すすべもない。ならばあとは遅いか早いかだ。
 精一杯しごかれよう。真九郎は、床板を踏みしめ、夕乃へと跳んだ。

 (来た・・・!)
 こちらの思い通りに真九郎は真正面から向かってきた。
 真九郎の右手が上がる。こちらの顔を狙った掌底だ。
 夕乃は腰を低く落とし、重心を前に傾ける。
 至近距離でのタックルを成功させるのは、足腰の瞬発力ではない。
 重力を利用した重心移動と、それを可能とする関節の柔らかさだ。
 真九郎の掌底は夕乃の頭上を空振り、夕乃は腰に組みつこうとする。
 だがそれは真九郎も読んでいた。奥足である右膝を振り上げ、カウンターを狙う。
 しかし膝は空を切る。
 (もっと低く・・・)
 夕乃の顔は真九郎の膝と同じ高さにあった。当然、振り上げる膝が当たるはずがない。
 しかも、夕乃は真九郎に向かって右、左足を取りに行っていたため、左足が邪魔で夕乃を狙えないのだ。
 結果として真九郎の膝は空振り、全体重を支えた左足を夕乃は掴んだ。

 真九郎にわかったのは、膝蹴りを空振ってしまったことと、自分が今床に倒れているということだけだった。
 反射的に自分の状況を確かめる真九郎。これも崩月での修業の成果だ。
 現状は、夕乃がいわゆるハーフガード、真九郎の腰に覆いかぶさるような形になっていた。
 崩月流では、相手に倒されることを良しとしない。何故なら一対多数を主軸に置いているからだ。
 なので倒された時点で負け。一度離れて夕乃の説教をもらい、仕切り直しで続行なのだが・・・夕乃は動かない。
 「・・・夕乃さん?」
 夕乃は組みついたまま顔を伏せて言った。
 「今日は寝技の稽古をしましょう」
 「え?でも崩月流に寝技なんてないはずじゃ」
 「実はあったんです」
 「・・・崩月流は力の制御、それを生かせない寝技なんて習うだけ無駄だ、っていったのは夕乃さんじゃ」
 「方針が変わったんです」
 「・・・どういう方針に?」
 

力尽きた。それと>>515の流れを使わせてもらった。
そしてこのまま>>613のネタに・・・行きたかったが筆が止まった。スマソ。


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