08/04/27 23:59:49 3/rBRIHN
これっきり返信はない。ここでカナははたと気づく。
自分はもしかして藤岡に試されているのではないだろうかと。
自分が望むように、藤岡を独り占めしたいと思うのならば、藤岡の言うとおりにしろということ―。
つまりこれはカナに課された試練……。
カナには、背に腹は変えられなかった。
こんな恥ずかしい思いをしてまでも、藤岡には自分だけを見ていて欲しいと思う気持ちがあるのだ。
放課後の誰もいない空き教室で、藤岡の腕に抱かれ、舌に舐め回され、指に弄くられ、そしてあの剛直で貫かれたならば、
どんなに幸せなことだろうか。
もはや認めるしかない。自分はもう藤岡なしでは生きていけない身体なのだ。
全ては藤岡言うところの『南家三姉妹に宿る淫乱の血―』のせい。
カナはぼーっとした頭で、何とかローターを制服のうちポケットに忍ばせると、ふらふらと女子トイレへ向かっていった。
そしてそんなカナの後姿を、クラスメートの輪の中から首だけを傾けて見つめている藤岡。
その顔が、やはり僅かに邪悪に歪んでいたことなどには誰も気付かない。
ただ非現実的に、エロティックな想像を膨らませることしかできない同年代の男子は勿論、
彼に爽やかなスポーツ少年という神聖化されたイメージと共に、淡い恋心を抱いているような純真な女子たちは言わずもがなだ。