08/04/14 01:09:06 RUpSRrRL
翌日。
目の下に派手なクマを作りながらも何とか登校した内田を待っていたのは、主のいないマコトの席だった。
周囲は元気の塊のようなマコトでも珍しく風邪でもひいたのだろうと気にとめることもなかったが、内田は違った。
そしてその嫌な予感が的中したと知ったのは、放課後だった。
「おい、内田―」
振り向くとそこにいたのはチアキだった。
「お前、昨日マコトのやつと一緒に帰ってたよな」
「うん、そうだけど……」
「担任の先生が様子を伺いにマコトの家に電話をしたらしい。
そしたらマコトの母親が言うに、アイツ今日は普通に家を出ていたそうだ。さっき職員室で偶々その話を聞いた」
「え」
内田は背筋に氷柱を挿し込まれたような錯覚を感じた。
「お前、何か知らないか?」
「…………」
無言で固まる内田に、チアキは「ダメだこりゃ」と溜息をつくと、
「カナに聞いたんだけど、アイツ、昨日私がいない間にウチに来てたらしいんだ。
まったく……バカ野郎は人に心配をかけることにかけては一流だよ。ウチにも一人いるからわか……って、おい内田?」
チアキが言葉を終える前に、内田は弾かれたように教室を飛び出していた。